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ACR関節リウマチ治療ガイドライン 2015年版のドラフト

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ACR Sessions
American College of Rheumatology 2014
2014年 米国リウマチ学会 NEWS FLASH
November 14–19, 2014 in Boston, Massachusetts
ACR 関節リウマチ治療ガイドライン 2015 年版のドラフト
2015 Recommendations for the Treatment of RA
Dr. Jasvinder A. Singh
Division of Clinical Immunology and Rheumatology,
The University of Alabama at Birmingham, Birmingham Veterans Affairs Medical Center
※講演時タイトルはRecommendationsであるが、2015年版ではGuidelineと表記されることをDr. Singhより確認。
米国リウマチ学会(ACR)より関節リウマチ(RA)治療ガイドライン2015年版のドラフトが発表された。今回の改訂では、従来の治療アルゴリズム
を踏襲しつつも、
生物学的製剤治療における“TNF阻害薬ファースト”を廃し、non-TNF阻害薬を同列に位置付けている。また、トファシチニブやステロ
イドが治療アルゴリズムに組み込まれ、さらには合併症をもつ患者への薬剤選択について言及されるなど、近年のエビデンスを踏まえたガイドライン
となっている。
本ガイドラインはドラフト(草稿)であり、最終版ではないことに留意ください(最終版は2015年春に発表予定)。
日常診療で多忙な臨床医の指針を目指して
治療目標は、
低疾患活動性または寛解
RA治療ガイドライン策定の意義には、日常診療で多忙な臨床
RA治療のゴール、そのアプローチの方法について述べる。RA
医に対し、治療薬や治療法の有効性・安全性に関する評価をまと
治療においては、目標を定めた治療(T2T戦略)が強く推奨され
め、最善の医療を患者に提供することが第一に挙げられる。現
る。それは早期RAのみならず、長期罹患RA
(established RA)
在、RA治療は劇的な変化を続けており、以前にも増して膨大な
に対しても同様であり、基本的な考え方として、患者を中等度疾
専門的知識が要求されていることは、ガイドラインが比較的短期
患活動性や高疾患活動性にとどめておくべきではない。理想的な
間で改訂されていることからも裏付けられている。
到達目標は低疾患活動性または寛解であり、いずれを目標に定め
今回、治療法リストの拡大、ステロイドの組み入れ、安全性情
るかは医師と患者の合意により決定されるべきである。一方で、
報のアップデート、T2T治療戦略の実施、治療薬の漸減法などに
患者の薬剤への忍容性や合併症などの理由から、別の治療目標
ついて当委員会で協議を重ね、改訂が加えられた。今後、ACR
が選択される場合もあり得る。臨床医はそのような個別化医療の
および論文誌による確認・修正過程を経て、2015年春に最終版
必要性を踏まえた上で、RA診療に臨むことが大切となる。
を発表する予定である。なお、こうしたガイドラインは、エビデン
スに基づき、GRADE※などのプロセスを経て作成されるべきであ
り、2015年版の改訂作業においても同様の手法がとられている。
生物学的製剤のファーストラインに、
non-TNF阻害薬が加わる
※GRADE(Grading of Recommendations Assessment, Development and Evaluation)
は エビ デ
ンスの質と推奨の強さを系統的にグレーディングするアプローチ。
発症6ヵ月未満の早期RAに対する治療アルゴリズムでは、低疾
患活動性、中等度・高疾患活動性を有すればDMARDs単剤療法
2015年版策定にあたっての指針
を開始し、DMARDs抵抗性で中等度・高疾患活動性を有すれば
DMARDs併用療法、TNF阻害薬±MTX、またはnon-TNF阻
2015年版策定にあたり、当委員会では一定の指針に基づき協
害薬±MTXを選択する。2015年版では現行の生物学的製剤は
議を重ねた。まず前提として、本ガイドラインでは“一般的なRA
いずれも類似の有効性と安全性を有するとして、同列に位置付け
患者”を中心に据えて治療アルゴリズムの策定を進めたこと、そし
ている。一方、established RAにおいては、DMARDs抵抗性
て疾患活動性評価はACRが推奨する評価法のひとつを用いて行
で中等度・高疾患活動性を有する場合、トファシチニブも治療選
い、DMARDsの初期治療はメトトレキサート(MTX)が主体とな
択肢のひとつとして取り上げた。
ること、治療薬の増量または切り替えを行う前に、現行の治療薬
を至適用量で3ヵ月間は継続する必要があること、ステロイド投与
は“効果のある最低用量で、可能な限り短い期間”にとどめるべき
であることなどが、策定を進める上での共通認識とされた。
企画・提供:
この資材は学会の最新情報を掲載しています。
掲載されている薬剤の使用にあたっては各薬剤の添付文書を参照ください。
ACR Sessions
American College of Rheumatology 2014
2014年 米国リウマチ学会 NEWS FLASH
November 14–19, 2014 in Boston, Massachusetts
ACR関節リウマチ治療ガイドライン2015年版のドラフト
合併症のある患者では、
最新の安全性情報を反映し、薬剤選択を細かく規定
(DMARDs療法、TNF阻害薬、non-TNF阻害薬、またはトファ
シチニブ)の継続を強く推奨する。一方、MTX継続中で寛解を
達成している患者については、それらの治療薬の漸減は可能で
次に、RA患者の合併症や既往歴別にみた治療法の推奨につい
あるが、治療薬をすべて中止してしまわないことを強く推奨する。
て、その概要を述べる。悪性腫瘍の治療歴がある患者のうち、
多くの専門医の臨床経験上、治療薬をすべて中止できる患者はご
皮膚悪性腫瘍(悪性黒色腫以外)あるいはリンパ増殖性疾患では
く限られていることに留意する。
non-TNF阻 害 薬 やDMARDs併 用 療 法 が、悪 性 黒 色 腫 で は
TNF阻害薬が推奨される。抗ウイルス薬にて治療中の活動性
B型 肝 炎またはC型 肝 炎 のある患 者 で は、non-TNF阻 害 薬、
2015年版策定における今後の課題
DMARDs、TNF阻害薬、トファシチニブが、うっ血性心不全
ACRガイドライン2015年版は、エビデンスに基づき、正式な
(NYHA心機能分類 ⅢまたはⅣ)がある患者では、non-TNF阻
プロセスを経て作成される臨床医のための参照ガイドであり、当
害薬、DMARDs併用療法、トファシチニブが推奨される。
委員会は現在、積極的に策定作業を進めている。なお、今後の
また、重篤な感染症の既往があるRA患者では、DMARDs併
課題として、RA管理におけるバイオシミラーの位置付け、生物学
用療法あるいはアバタセプトが推奨される一方、コンセンサスは
的製剤のセカンドラインにおける薬剤選択、合併症を有する患者
ないものの、それ以外の薬剤ではTNF阻害薬よりもトシリズマブ
に対する薬剤の安全性などが挙げられ、さらには、妊娠・授乳期
あるいはリツキシマブと記載された。
間中あるいは周術期における治療、関節外症状を有する患者への
さらに、日常診療で悩むケースとして、established RAにお
治療、バイオマーカー検査についても検討していく必要があると
ける薬剤の漸減がある。この場合、大きく2通りに分かれるが、
考えている。
MTX継続中で低疾患活動性を有する患者については、治療薬
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