営農経済支援通信12月号を掲載しました。

12
月号
2012
Vol.103
目 次
◆米麦情報 栃木米消費地情報
◆米麦情報 大豆「里のほほえみ」収穫期の優点
◆園芸情報 平成25年度栃木にら販売基本方針
◆園芸情報 平成25年度栃木冬春トマト販売基本方針
◆肥料情報 水稲用オリジナル土づくり肥料のご紹介
◆農薬情報 うどんこ病・灰色かび病に「アフェットフロアブル」
◆農薬情報 水稲箱施用剤「ルーチンアドスピノ箱粒剤」
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6
8
9
◆営農経済渉外特集 全国TACパワーアップ大会2012開催
◆農業機械情報 トラクター試乗体感アェア&
アウトレット農機展示即売会が開催されました!!
◆燃料情報 LPガス情勢・石油情勢 ◆鉄コーティング湛水直播栽培情報
◆野生を食べる・編集後記
◆農業機械情報 クボタアグリンピック
JA全農とちぎ
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16
上:11月15日 営農経済渉外員トマト栽培技術研修会
下:11月21日・22日 JAグループTACパワーアップ大会2012
米 麦 情 報
栃木米 消費地情報
1.マルエツにて栃木コシヒカリ本格販売
既報のとおり、マルエツ(首都圏 267 店)での栃木コシヒカリ本格販売に合わせて 10 月
28 日に東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県の 20 店舗にて「店頭試食販売」を盛大に実施い
たしました。
お客様の中には、栃木コシヒカリを召し上がるのが初めての方も多く、
「粘りがあり美味
しい!」との声を沢山いただきました。
【越谷レイクタウン店】 【栃木コシヒカリ陳列の様子】
2.沖縄県にて栃木米の販売促進活動
栃木米新米キャンペーンスタートに併せて、10/25~26 の2日間沖縄県での栃木米販売
促進を実施しました。(本会職員2名が元気に対応!!)
米穀卸のホクガンには、沖縄県における「栃木県産米」の中核を担っていただくことを約
束いただきました。また、急遽「沖縄産業まつり」にも参加し、栃木米のPRを行いました。
【販売促進先】 ①沖縄三越 ②かねひで(スーパー) ③りうぼうストア(スーパー)
【栃木米アイテム】①栃木コシヒカリ穂の香 ②栃木コシヒカリ特別栽培米 ③なすひかり
11 月の栃木米販売促進活動
全国的に新米の販売環境は非常に厳しい状況ではありますが、このような場面であるか
らこそ、販売努力を継続いたします!
1.新米キャンペーンをスタートしました!
首都圏・沖縄県・栃木県を
中心に、9卸・26 チェーン・
1,450 店舗を対象に「食べて元
気だ栃木産 とちぎのおこめ
新 米 555 キ ャ ン ペ ー ン 」 を
11/1 よりスタートしました。
お近くの店舗の商品にてご
確認ください。
−2−
米 麦 情 報
大豆「里のほほえみ」収穫期の優点
近年、タチナガハは収穫期の「青立ち」により、なかなか収穫できない状態が見られます。
また、今年は「裂莢」して収穫前に豆がこぼれてしまう現象が目立ちます。これらの圃場では、
汚損粒などの品質劣化と減収に悩まされます。
比べて里のほほえみは一斉に枯れ上がり、裂莢しにくい利点があります。加えて最下着莢位
置も高いので、収穫ロスが少ないのが特徴です。
裂莢したタチナガハ。まだ茎は青い。
左:里のほほえみ 右:タチナガハ
防除すれば里のほほえみは青立ち株がほぼない。
高畝でも最下着位置は十分高い。
宮城県大豆生産者 視察研修
11 月 2 日に、宮城県JAいしのまき大豆生
産者約 25 名がJAなすの管内の大豆圃場と施
設の視察研修に訪れました。JAいしのまきは
全国でも有数の大豆産地であり、同JA部会長
は、
「多くの援助隊を派遣してくれた栃木県の
先進現場を直接見られたことは、今後の生産振
興の原動力になる」と震災復興への強い意気込
みを語っていました。
大豆調製施設を視察する参加者
−3−
園 芸 情 報
平成 25 年産栃木にら販売基本方針
平成 25 年産のにら販売においては、生産者所得の向上に向けた取り組みとして、①業
務加工を中心とする実需者向け専用規格への対応強化や、②県統一規格の徹底、③産地・
販売先間の円滑な情報連携等を進めてまいります。
また、今年度より栃木県およびJAグループが一体となり『栃木にら№1産地奪回運
動』を進めておりますが、販売面でも質・量の両面において「日本一の栃木にら」の地位
を奪回し、中心市場におけるシェアを回復すべく取り組んでまいります。
《販売具体策のポイント》
1.市場委託販売および契約販売について
①出荷計画に基づいた安定的出荷と価格形成への参画強化
○JA別販売戦略を策定するとともに、重点市場におけるロット確保のため、市場毎の出荷計画
を作成し、その出荷計画に基づく販売を実施します。
○予約相対・販促への対応等、県内複数産地にまたがった数量調整が必要とされるため、東京青
果事務所が中心となり、産地との分荷調整を行います。
○協力店との連携強化による販売促進活動を行います。
②契約販売の拡大
○重点市場を中心に予約相対取引を促進します。
○生産者の所得安定のため、期間値決め販売の拡大を図ります。
月決め・シーズン決め等、産地の了解のもと、長期安定販売の拡大に取組みます。
○実需者向けの専用規格(バラ詰め・コンテナ等)への取組みの拡大を図ります。
安定販売に加え、実需者の求める簡易包装に対応することで、生産者の労務コスト低減による
出荷促進にもつなげます。
2.品質対策について
①規格の遵守
○県統一基準の遵守により、品質の高位平準化を図ります。昨年産より新規格に移行しているこ
とを鑑み、各産地ともあらためて確認していきます。
②品質向上対策
○県統一目揃え会(冬にら 11 月、夏にら7月)
・抽出検討会・JA担当者会議の実施により、産
地間格差を是正し、
「栃木にら」への信頼を維持・向上させます。
3.情報の提供について
①産地・販売先間の円滑な情報連携の実現
○全農とちぎは、JAと連携して出荷数量の早期把握に努め、販売先に対して産地の情報を提供
するとともに、市場からの販売情報を産地へ提供します。
JAは、集荷場等に情報を掲示する等して、生産者へ情報をつなぎます。
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園 芸 情 報
平成 25 年産栃木冬春トマト販売基本方針
平成 25 年産の冬春トマト販売においては、生産者所得の向上に向けた取り組みとし
て、①年内からの予約相対取引の実施による早期の売場確保や、②春先の対熊本県産を想
定した重点的な契約販売の実施、③産地情報の強化等を進めてまいります。
《販売具体策のポイント》
1.市場販売および契約販売について
①出荷計画に基づいた安定出荷と価格形成への参画強化
○JA別販売戦略の策定や市場毎の出荷計画に基づく販売を行うとともに、東京青果事務所が
中心となり県内複数産地にまたがった数量調整を行います。
○時期別重点対策として、下記の内容に取り組みます。
(1)年内・年明け(11 月~2月中旬)
年明け以降の販売拡大に向けて、年内から予約相対を実施し、販売先の確保に努めます。
(2)春先(2月中旬~4月)
熊本県産からの切替えを促進させるため、予約相対を強化します。
(3)暖候期(5月~6月)
品質が低下してくるため、その維持のため、目揃え会・抽出検査を重点的に実施します。
②販売先ニーズに合わせた商品開発と対熊本を想定した予約相対・直販取引の実施
○少量規格・食味重視等、販売先の要望に基づいて商品開発を行います。
○2月中下旬~3月上中旬という熊本県産から栃木県産への切替えが始まる時期において、重
点的に予約相対・直販取引を行うことでこれを促進させます。
2.品質対策について
①出荷規格の徹底
○食味の重視(シーズンを通しての目標糖度5度以上の確保)
○出荷開始時期・暖候期における規格・品種別カラーチャートの遵守
○過熟果・軟化玉の混入防止と、箱およびパック内の色揃えの徹底
②品質向上対策
○統一目揃会(全3回…10 月下旬・2月上旬・4月下旬)や抽出検討会(随時 ※ただし暖候期
対策として5月以降に2回以上実施)
、JA担当者会議を実施し、地間格差を是正し、
「栃木ト
マト」の信頼を維持・向上させます。
3.情報の提供について
①産地・販売先間の円滑な情報連携の実現
○主要産地に定点観測圃場を設置し、月1回の巡回による作況情報を販売先に発信します。
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肥 料 情 報
だけ!!
J
JAグループの水稲用オリジナル土づくり肥料の紹介
Aグループの水稲用オリジナル土づくり肥料の紹介
○はじめに
最近は猛暑が続き、米の品質低下が多くなっています。りん酸やけい酸が含まれる土
づくり肥料を使用し、頑強な水稲作りをしましょう。以下、JAグループのお勧めする
土づくり肥料を紹介します。
1 地力アップPSK
<保証成分>
<特 長>
・加里・けい酸が作物に効率よく吸収され、根を健全
にして倒伏を軽減し、食味向上に適した肥料です。
・加里が特に不足している土壌に適しています。
・りん酸が生育初期から登熟まで作物に効率的に利
用されます。
<基準施用量>
60kg~100kg/10a
2 BB健康大地
<保証成分>
<特 長>
・りん酸、けい酸、苦土、アルカリ分をバランスよく
含んでおり、多くの土壌に適した土づくり肥料で
す。
・りん酸が生育初期から登熟まで作物に効率的に利
用されます。
<基準施用量>
60kg~120kg/10a
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肥 料 情 報
3 BB鉄王
<保証成分>
<特 長>
・鉄分が多く含まれているので、根腐れを防止し秋
落ちを防ぎます。
・りん酸・けい酸を含有し、沖積土壌に適していま
す。
<基準施用量>
120kg~160kg/10a
4 BB.eKシリカ
<保証成分>
<特 長>
・この肥料は速効性と緩効性の加里を含んでいるた
め、作物の生育期間に長く作物に供給されます。
・加里成分とともに土づくり成分も補給できるよう
に、けい酸と苦土を加えました。
<基準施用量>
20kg~40kg/10a
※これらの土づくり肥料を使用する際は、JAで実施している土壌診断を行い、圃場に
適した肥料をお選びください。
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農 薬 情 報
−8−
農 薬 情 報
1kg・10kg規格
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営農経済渉外特集
全国 TAC パワーアップ大会 2012 において
JA なす南 山本氏が TAC 表彰を受賞されました!
11 月 21 日(水)、22 日(木)の 2 日間、新横浜プリンスホ
テルにてTACパワーアップ大会 2012 が開催されまし
た。日本全国のTACやJA役職員ら約 500 人が集まり、
優良JA・優良TACの表彰や事例発表が行われました。
大会は今年で 5 回目の開催となり、TACシステムを
普段の活動報告に活用している方が参加の対象となりま
す。
JAなす南 山本氏は「JAなす南産米ブランド形成
の取組み~産地と消費地を結ぶTACの架け橋機能~」
の取組事例においてTAC表彰を受賞されました。JA
なす南産こしひかりをブランド化して消費者にPRをし
てほしいという担い手の要望に応えるため、稲刈りツア
ーや量販店での販売・PR活動を継続的に実施した結
果、地域のファン作りや量販店での販売も定着しました。
(TAC表彰の山本氏)
担い手と消費者が直接ふれあうことで信
頼を結び、安全安心のPR・安定的ななす南
産ブランド米の販売と双方のプラスとなる
取り組みとなりました。
(TAC表彰者)
(平成 24 年度受賞者)
(取組事例を発表する山本氏)
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農業機械情報
秋のトラクター試乗体感フェア&アウトレット農機展示即売会が
開催されました!!
ご来場ありがとうございました
11 月 1 日(木)、JA全農とちぎ農機総合センター前圃場にて、初の試みとなる「秋
のトラクター試乗体感フェア&アウトレット農機展示即売会」を開催し、370 名の方に
来場して頂きました。
「あなたのサポート役見つけませんか?」をテーマとし、トラクタ
ーを筆頭に乗用管理機・野菜移植機などの試乗実演を行い、来場者からは「実際に乗っ
てみたことで、カタログ以上のものを感じ取れた」と好評でした。同時に行われた営農
技術講習会では放射能抑制対策、鉄コーティング播種に適した圃場作り等、土作りの講
習会が行われ、多くの来場者が熱心に聞いていました。さらに、会場ではアウトレット
農機の展示即売会を行い、動噴やチェンソーが成約、またコンバイン・田植機が商談に
入るなど、こちらも大変賑いました。
生産者の方に納得・満足して機械の導入をして頂けるよう、今後もこの取り組みを継
続していきます。
−11−
燃 料 情 報
L P ガス情勢
1.11 月CP価格
キャッチくん
プロパン$1,050/t ブタン $990/t
当月
(11月)
CP
A
AL熱量比
$1,050 115.7%
$990
110.6%
前年同月 前年同期比
前月
(10月)
CP
前月比 (23年11月)
B
AL熱量比 C=A−B
E = A−D
D
$1,025
111.1%
$25
$750
$300
$965
106.1%
$25
$810
$180
(1)決定内容
11 月の CP はプロパン・ブタ
ンともに直前の予想(P:1,040㌦、
B:980㌦)をわずかに上回る高値で
設定されました。プロパンの AL
熱量比は 115.7%となりました。
≪CP:コントラクト・プライス≫
○サウジアラムコのLPガスターム契約者向け公示価格(サウジ積 FOB
価格)のこと。
○1994 年 10 月から導入された。毎月のスポット入札等を参考に市況を見
定め、アラムコ独自に決定します。他の中東産ガス国も同CPを採用し
ています(準じています)。
≪AL熱量比≫
○前月のAL(アラビアンライト)平均価格と当月のCPの熱量換算比。
プロパン
ブタン
(2)情勢
サウジアラムコは 11 月中旬ヤンブー(アラビア半島の紅海側の港)積プロパン・ブタン 22,000
㌧ずつをそれぞれ 1,040㌦、980㌦でスポット販売しました。ヤンブーから日本までの海上運賃は
約 8㌦割高であるため、このスポット販売価格をベースにラス・タヌラ(通常、LPガスが船積み
されるアラビア湾側の港)積の日本着価格と比較すると、あくまでも計算上ではありますが、CP
とほぼ同値となります。インドを始めとしてアジアの需要は伸びており、一方ではサウジアラム
コからの供給量は減少しています。この状況は今後も続くものと見られており、熱量換算比で割
高な状態は当面継続するものと思われます。
【アラビアン・ライト(A/L)】
サウジアラビア産中質原油の総
称。中質油で世界最大の生産量を
誇る。極東向け中東産油国の価格
決定の基準となっている「ドバイ
原油」と「オマーン原油」の月間ス
ポット価格を平均し微調整した価
格にて算出。この価格をもとにL
Pガスと同熱量に換算した価格を
算出し、LPガス価格との比較を
行います。
2.LP ガス在庫
9月の月末在庫は、229.4 万㌧と前年同月比 1.5%減少しました。プロパンが 137.2 万㌧と 13.4%
減少した一方、ブタンは 158.5 万㌧と 23.9%増加しました。
●日本の法定備蓄量の算出基礎
「過去 1 年間の輸入量×50 日÷365 日」で算出され、日本全体で概ね 170 万トン程度となる。
3.平成 24 年 12 月CP予想
プロパン:1,030~1,080 ドル
ブタン :970~1,020 ドル
原油価格は需要期を迎えて一定程度堅調に推移するものと見られています。LPガスも本格的
な需要期であることから、いま一段の値上げが予想されます。
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燃 料 情 報
1.原油情勢
石油情勢について
WTI原油価格は、米景気先行きや欧州経済への懸念が強まったことなどを受けて、11 月7日に
約4か月ぶりの安値となる 84.44 ドルの値を付けました。その後は小幅な値動きが続き、11 月 15 日
には 85.45 ドルの値を付けています。
日本の原油輸入価格に対して影響が大き
いドバイ原油の価格についても、WTI原油
価格とほぼ同じ推移を示しており、11 月 15
日に 107.40 ドルの値を付けています。
2.国内情勢
(1)国内の出荷・在庫状況
①出荷量について
出荷量(販売量)は、灯油が前年に対して
上回る回数が多かったものの、全体的な出
荷は低調となっています。直近では最低気
温が5℃を下回る日が増えてきたこともあ
り、暖房油種の出荷量が増加し始めました。
②在庫量について
在庫量は、ガソリン及び軽油は前年に比べ高い水準で推移しています。暖房油種については、出
荷量が増加してきたことから前年より低い水準となっていますが、需要期に向けた増産が開始さ
れていることや、前年自体の在庫水準が比較的高めで推移していたこともあり、全体的に品薄感
は感じられません。
(2)店頭販売価格
店頭価格は、原油価格が低めで推移していた
ことや出荷不振を受けて、値下げ傾向となって
います。直近では大きな値動きは見られません
が、年末に向けての需要増や原油価格の高騰等
による店頭価格の値上げが懸念されます。
(3)トピックス
・燃費向上でガソリン需要減
日本自動車工業会によると 2012 年度のガソリン乗用車の平均燃費は、ハイブリット車などの
普及が加速していることから、前年度比 1.2km/L増の 19.9km/Lとなり、年間の燃費向上距離
としては過去最大となりました。
栃木県の平成 24 年7月の自動車保有台数は 167 万台となっており、前年同月よりも約2万台
の増加となっていますが、今年度上期のガソリン販売量は前年度比▲2.1%となっており、エコカ
ー普及による燃費向上が需要減少の大きな要因となっています。
・コスモ石油、双日エネルギー買収
コスモ石油は5日、ガソリンスタンドなどを運営する双日子会社の双日エネルギーを買収する
ことを発表しました。国内需要が減少する中で、コスモ石油では石油製品の安定供給先を広げた
い、双日では収益の低い事業から撤退したいという両社の思惑が合致したようです。
石油製品の流通業界では、住友商事が 2008 年に石油製品販売子会社を出光興産に売却、一方
で、伊藤忠エネクスは買収により事業規模を拡大させており、商社系でも各社によって戦略が分
かれているようです。
3.営農用燃料油の展望
営農用燃料油の小売価格は、原油価格が値下げ傾向で推移していたことから、値下げ傾向とな
っています。原油価格が値を上げていることや、元売りでの精製コスト分が卸価格に十分に転嫁
されていない事などから値上げの可能性が出てきていますが、販売不振などの影響もあり今後の
小売価格を見通すことは大変難しい状況となっています。
在庫状況については、製品価格の高値による需要低迷などや需要期に向けた増産などから、全
油種ともに不足感は感じられません。ただし、気象庁の1ヶ月予報によると 11 月上旬から 12 月
上旬は平年より寒くなる予報となっていることから、急な寒波到来による一時的な在庫減少には
注意が必要です。
−13−
鉄コーティング湛水直播栽培情報
25年産水稲鉄コーティング湛水直播栽培ほ場の選定とほ場準備について
1、栽培ほ場の選定条件
必要な苗立ち本数の確保や、雑草の多発を予防することが鉄コーティング栽培にとって大切
なポイントとなります。そのためには、水管理を十分に行なえるほ場の選定が重要です。
(1)水利条件の良いほ場を選定してください。
(2)強湿田は避けてください。
(3)耕作放棄地再生地や休耕田は避けてください。
(4)可能な限り団地化を図りましょう。
2、栽培ほ場の条件整備
(1)春季に耕うんして稲わらを鋤き込むと異常還元を起しやすく、発芽苗立ちが不安定にな
ります。秋季に耕うんしましょう。
(2)深耕すると根が深く入り、根圏が大きく発達し、耐倒伏性が強くなります。
(3)ほ場の均平化を心がけましょう。
プラウ+バーチカルハロー+レーザーレベラーが理想ですが、対応が難しい場合は播種
前の丁寧な代かきで均平化を目指しましょう。
プラウ
バーチカルハロー
レベラー
営農経済支援通信 11 月号誤植のお詫びと訂正
本誌 11 月号 15 ページの「鉄コーティング湛水直播栽培情報」の中で、下記のとおり、掲載し
た写真の圃場名に誤植がありましたのでお詫びと訂正を申し上げます。今後このようなことのな
いよう、十分注意して通信誌作成に努めてまいります。
▼誤植内容 (誤)写真左側がCほ場、右側がBほ場。
(正)写真左側がBほ場、右側がCほ場。
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野 生 を 食 べ る 33
クログワイ
クログワイといえば水稲関係者は例の難防除雑草とピンと来るが、おせち料理の
「クワイ」を先に知った人は「黒いクワイ」と勘違いするかも知れない。クワイはオ
モダカの栽培変種であり、オモダカ科の植物。クログワイはカヤツリグサ科のイグサ
の仲間であり、同じ水田雑草でも草の形がぜんぜん違う。ところが、どちらも地中深
く多数の塊茎を作り、それらが雑草としての発生源であり、遅くまでダラダラと芽が
出てくるので、一発の除草剤では利きが悪いなど共通点も多く、まぎらわしい。
クログワイは地ぎわか
らやや太い茎が叢生、茎
の先には夏になると淡い
緑褐色をした花穂を付け
るが地味なので気づきに
くい。夏から秋には地下
茎の先に黒い塊茎を作り
翌年以降の発生源となる。
料理メモ
中国ではオオクログワイという種類があり、中華料理に使われているらしい。日本にも
缶詰で輸入されているという。クログワイの多発圃場では12月でも枯れた株が見られるの
で、その辺をスコップで掘り起こして塊茎を採集する。鋤床に近い深いところに大きなも
のが多いようだ。
料理法が思いつかなかったので塊茎はよく洗ってから「塩茹で」してみた。黒い薄皮を
剥くのが面倒だが、
中は白く、食べると
ころは十分ある。食
感はサクサク、味は
甘く、生ゆでのとう
もろこしを食べた感
じ。旨いと思う。
編集後記
平成24年も残すところ1ヶ月足らずとなりました。まずは、大掃除。
年末に大掃除なんて、日本くらいの習慣かと思っていまし
たら、モンゴルでもお正月前に大掃除をする習慣があるそ
うです。1年の汚れをしっかりと払い、清々しい気持ちで
新年を迎えたいものです。 少し早いのですが・・・
「今年も営農経済支援通信をご購読頂き有難うございまし
た。どうぞ、良いお年をお迎えくださいませ。」 (タックン&ワンコの局)
発行:JA全農とちぎ TAC・営農支援課
T E L 0 2 8 − 6 5 6 − 8 9 1 4 F A X 0 2 8 − 6 5 6 − 9 1 8 7
ホームページアドレス http://www.tc.zennoh.or.jp/html/einou/index.html
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