土木用高強度せん断補強筋ウルボン1275

靭性の向上を目的とした高強度鉄筋ウルボン 1275 による柱および杭の設計施工法に関する
技術評価で、2009 年 7 月(財)土木学会の技術評価証(No.0004 号)を取得いたしました。
●ウルボン1275
ウルボン1275について
1275について
ウルボン 1275 は高周波熱処理を施して製造される表面にらせん溝形状の高強度鉄筋です。
ウルボン 1275 は降伏点強度が 1275N/mm2 であり、JISG3137 の細径異形PC鋼棒の規格を
準用して製造されています。
ウルボンの機械的性質
降伏点(N/ mm2)
引張強さ(N/ mm2)
伸び(%)
1,275 以上
1,420 以上
7.0 以上
ウルボンの諸元
公称径
呼び名
B辺
(mm )
(㎏/m)
U7.1
7.1
40
0.315
U9.0
9.0
64
0.500
U10.7
10.7
90
0.710
U12.6
12.6
125
0.980
U15.0
14.7
170
1.33
U17.0
16.5
214
1.68
U19.0
18.5
269
2.11
□特長 ①1275N/mm2 では業界初の高強度溶接閉鎖形せん断補強鉄筋です
②フックがないため、重量の軽減が可能です。
③作業性に優れ、施工性の向上が図れます。
呼び名
W
外 径
厚 み
D
最小値
最大値
W
U7.1
20
16
20
2.5
U9.0
24
19
24
2.5
U10.7
29
24
29
3.5
U12.6
31
26
31
4.1
D
C
A辺
単位重量
2
d(mm)
●溶接閉鎖形筋について
溶接閉鎖形筋について
溶接部
公称断面積
*U15,U17,U19 は、溶接できません。
公差
±1.0
●ウルボン1275
ルボン1275加工形状
1275加工形状について
加工形状について
ウルボン 1275 の加工は弊社工場のみでの加工となります。断面寸法が大きい場合(角:1200×1200
を超える、円形:φ2600 を超える)の加工寸法については弊社までご相談下さい。(加工形状は下図参
照)
【基本加工形状】
溶接 閉鎖 形
フック付 形
スパイ ラル 形
溶接部
溶接閉鎖形筋
角形フック付筋
サブタイ
円形フック付筋
円形スパイラル筋
角スパイラル筋
サブタイ
一筆書きスパイラル筋
一筆書きフック付筋
(マルチスパイラル形)
(マルチ形)
一筆書きフック付筋
(マルチ形)
一筆書きスパイラル筋
(マルチスパイラル形)
【呼び名別、加工可能形状一覧】
呼び名
溶接閉鎖形
フック付形
スパイラル形
U7.1
○
○
○
U9.0
○
○
○
U10.7
○
○
○
U12.6
○
○
○
U15.0
×
円形フック付筋のみ可能
円形スパイラル筋のみ可能
U17.0
×
同上
同上
U19.0
×
同上
同上
●仮定部材断面(
仮定部材断面(柱)でのせん断補強鉄筋
でのせん断補強鉄筋の
断補強鉄筋の重量比較
● bw ×D=1100×1100 ●Fc:27N/mm2 ●せん断スパン比:3.0
【せん断補強鉄筋:SD390】
鉄筋量
:4-D19@100
鉄筋比
:0.01042
重量比
:1.00
(SD390 を 1.00 とする)
【せん断補強鉄筋:ウルボン 1275】
鉄筋量
:4-U12.6@125
鉄筋比
:0.00364
重量比
:0.37
(SD390 を 1.00 とする)
1100
合とウルボン 1275 を使用した場合の設計結果を以下に示します。
105 175 90 180
部材断面を右図と仮定し、せん断補強鉄筋に SD390 を使用した場
180 90 175 105
【比較概要】
105 175 90 180
180 90 175 105
1100
部材断面
せん断補強鉄筋の重量比較で(SD390
63%ダウン
せん断補強鉄筋の重量比較で(SD390→ウルボン
SD390→ウルボン 1275)
1275):約 63%ダウン
【数式】
V yd = V cd + α ⋅ V sd
Vcd =
V sd =
β d ⋅ β p ⋅ β n ⋅ β a ⋅ f vcd ⋅ bw ⋅ d
γb
Aw ⋅ f wyd ⋅ z
Ss ⋅ γb
α = 0.0023 ⋅ β w ⋅ 3
f cd′
pw
2
a
⋅ 
d
1.25
βw は中間せん断補強鉄筋がない場合は 1.0 、ある場合は 1.15 としてよい。
fvcd,βd,βp,βn は、土木学会「コンクリート標準示方書 設計編」と同様とする。
βa =
8
1+ a
( d)
2
ただし、β<1.0 となる場合は、1.0 とする。
Vsd を求めるときの γb は、1.2 とする。
【設計せん断耐力の計算例】
UB1275
SD390
UB1275
SD390
の場合
の場合
の場合
の場合
f’ck(N/mm )
2
fwyd(N/mm )
2
27
1275
390
M0(kN・m)
539
Mud(kN・m)
3005
1.36
bw(mm)
1100
βn
d(mm)
1100
βa
1.00
βw
1.15
-
3.0
Aw
500
1146
fvcd(N/mm )
0.55
pw
0.0036
0.0104
βd
1.00
α
1.0
-
As
5559
γb
pν
0.0051
βp
0.80
α・Vsd(kN)
3677
3515
N’d(kN)
2940
Vyd=Vcd+α・Vsd(kN)
4197
4017
Ss(mm)
125
a/d
2
100
Vcd:1.3 Vsd:1.2
Vcd(kN)
*SD390 は、α=1.0 として算出しています。
Vcd:1.3 Vsd:1.1
502.4
●ウルボン1275
ウルボン1275 せん断耐力評価式
せん断耐力評価式の
断耐力評価式の特徴
①せん断補強鉄筋
せん断補強鉄筋の
断補強鉄筋の設計降伏強度の
設計降伏強度の上限(
上限(制限)
制限)の撤廃
⇒鉄道・
鉄道・土木共通の
土木共通の 400N
400N/㎜ 2(鉄道:
鉄道:25Fc)
25Fc)を 1275N
1275N/㎜ 2 にできる!
にできる!
*Fcが 60N
60N/㎜ 2 以上の
以上の場合、
場合、せん断補強鉄筋
せん断補強鉄筋の
断補強鉄筋の設計降伏強度は
設計降伏強度は 800N
800N/㎜ 2 とされております。
とされております。
②せん断
せん断スパン比
スパン比( a/d )2.0 の制限が
制限が ⇒ 1.5 にできる!
にできる!
【開発経緯と
開発経緯と技術内容】
技術内容】
鉄筋コンクリート
鉄筋コンクリート部材
コンクリート部材に
部材に高強度のせん
高強度のせん断補強鉄筋
のせん断補強鉄筋を
断補強鉄筋を用いた場合
いた場合には
場合には、
には、せん断補強鉄筋
せん断補強鉄筋が
断補強鉄筋が降伏する
降伏する以前
する以前
に最大耐力に
最大耐力に達する場合
する場合があること
場合があること等
があること等から、
から、現行のコンクリート
現行のコンクリート標準示方書等
のコンクリート標準示方書等の
標準示方書等の規準ではせん
規準ではせん断補強鉄筋
ではせん断補強鉄筋
の降伏強度に
降伏強度に制限が
制限が設けられています。
けられています。また、
また、鉄筋コンクリート
鉄筋コンクリート部材
コンクリート部材に
部材に要求される
要求される耐力
される耐力や
耐力や変形性能の
変形性能の向上
により、
により、せん断補強鉄筋量
せん断補強鉄筋量が
断補強鉄筋量が増加し
増加し、配筋は
配筋は過密な
過密な状況にあります
状況にあります。
にあります。
このような背景
このような背景から
背景から、
から、ウルボン 1275 を用いることは設計
いることは設計の
設計の自由度が
自由度が増すだけでなく、
すだけでなく、鉄筋量の
鉄筋量の減少により
減少により過
により過
密配筋を
密配筋を避けて適正
けて適正な
適正な配筋間隔を
配筋間隔を保つことが可能
つことが可能になると
可能になると考
になると考えます。
えます。本指針では
本指針では既往
では既往の
既往の実験結果を
実験結果を解析
し、大型の
大型の実験結果も
実験結果も加えて高強度鉄筋
えて高強度鉄筋の
高強度鉄筋の強度を
強度を適切に
適切に評価し
評価し、安全に
安全に設計・
設計・施工できるようにいたしまし
施工できるようにいたしまし
た。
本指針の
本指針の設計せん
設計せん断耐力評
せん断耐力評価式
断耐力評価式では
価式では、
では、設計降伏強度が
設計降伏強度が 1275N
1275N/mm2 のせん断補強筋
のせん断補強筋を
断補強筋を用いた場合
いた場合を
場合を
対象としており
対象としており、
としており、現行のコンクリート
現行のコンクリート標準示方書
のコンクリート標準示方書と
標準示方書と同様、
同様、コンクリートの耐力
コンクリートの耐力と
耐力と補強鉄筋の
補強鉄筋の耐力の
耐力の累加で
累加で表さ
れます。
れます。そして、
そして、補強鉄筋の
補強鉄筋の耐力をせん
耐力をせん断補強筋比
をせん断補強筋比、
断補強筋比、コンクリート強度及
コンクリート強度及びせん
強度及びせん断
びせん断スパン比
スパン比の影響を
影響を考慮し
考慮し
て定める係数
める係数により
係数により補正
により補正することで
補正することで、
することで、せん断補強鉄筋
せん断補強鉄筋が
断補強鉄筋が降伏する
降伏する前
する前に部材がせん
部材がせん断破壊
がせん断破壊する
断破壊する場合
する場合について
場合について
も、安全にせん
安全にせん断耐力
にせん断耐力を
断耐力を評価できる
評価できる式
できる式となっています。
となっています。
●ウルボン1275
ウルボン1275を
使用した場合
1275を使用した
した場合のメリット
場合のメリット
1.経
従来のせん
1.経 済 設 計 ・・・従来
従来のせん断補強筋量
のせん断補強筋量を
断補強筋量を概ね 60%
60%程度削減でき
程度削減でき、
でき、経済設計が
経済設計が可能です
可能です。
です。
2.施工・品質
過密配筋の
施工・品質の向上
品質の向上・・・過密配筋
の向上
過密配筋の解消で
解消で施工が
施工が軽減され
軽減され、
され、コンクリートの打設
コンクリートの打設が
打設が容易になります
容易になります。
になります。
フレアー溶接
溶接をしないため
をしないため、
雨天日の
施工が
可能です
です。
フレアー
溶接
をしないため
、雨天日
の施工
が可能
です
。
工期が
短縮され
され、
施工費用が
低減されます
されます。
工期
が短縮
され
、施工費用
が低減
されます
。
●本設計法
本設計法の
本設計法の適用範囲
①主な対象構造物 :コンクリートの
コンクリートの設計基準強度
コンクリートの設計基準強度が
設計基準強度が 21~
21~80N/mm2 の鉄筋コンクリート
鉄筋コンクリート造
コンクリート造の柱および杭
および杭(土
木構造物)
木構造物)が対象です
対象です。
です。
②せん断スパン比 :せん
せん断
せん断スパン比
スパン比は 1.5 以上です
以上です。
です。
③そ の 他
:この
この指針
この指針に
指針に示していない事項
していない事項については
事項については、
については、コンクリート標準示方書
コンクリート標準示方書によります
標準示方書によります。
によります。
・本社建材営業課 東京都品川区東五反田 2-17-1 オーバルコート大崎マークウエスト
TEL.03(3443)5445 FAX.03(5488)7538
・大阪営業所
大阪府大阪市北区天神橋 2-3-8MF南森町ビル 2 階
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