スライド 1 - 京都大学 宇田研究室

准教授 宇田哲也
助教 畑田直行
特定助教 韓東麟
非常勤研究員 倉満晶子
秘書 松本景子
博士4名 修士6名 学部学生4名 研究生1名
表面処理工学分野
Electrochemical Processing of Materials
電気化学・熱力学に立脚して、環境に優しい材料開発に挑戦しています。
バリウムジルコネートを用いたプロトン伝導セラミックス型燃料電池
La0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.115Co0.085O3-d
2.0
log (σ T / S cm-1 K)
還元剤
硫酸浸出・中和後の水溶液
Ni2+, Co2+, Zn 2+, Mg2+ (aq.) NaH2PO2
10
0
20
0
3.0
1
900
80000
700
600
0
50
0
40
0
30
0
Temperature, T' / ℃
10
-1
S/cm
5
2
-2
1X10
1.0
0.0
-1.0
10
Zr0.91Y0.09O2-d
10
-2.0
-3.0
-4.0
-5.0 3
無電解めっきしたBaZrO
1.0
1.5
還元
Zn 2+, Mg2+ (aq.)
Co2+ (aq.)
液
-3
10
Coは電解採取
あるいは還元濃縮して
Niと同様に処理
-5
-6
再浸出
2.5
-1
1000 T / K
3.0
1.2
80
600 C 70
500 µm
60
50
40
30
20
10
0
300
400
W / mW cm-2
1.0
E/V
0.8
0.6
0.4
0.2
100
Ni2+ (aq.)
200
電解
Ni
硫酸水溶液の液相還元を利用する製錬プロセスと特長
t = 0h
t = 2h
→
t = 3h
→
5 mm
左) NaH2PO2を還元剤とするNiSO4 (aq.) の液相還元進行の様子
右) 得られたNi-P粉末
I / mA cm-2
無電解めっきPtをカソード、Pdをアノードに
用いた場合のIVカーブ
[BaZrO3]
・プロトン伝導性電解質を用いた燃料電
池では、SOFCに比べ水素利用率の向
上が期待できる。また、同一の装置を用
いて水の分解を行えば、純度の高い水
素を直接製造可能である。
・バリウムジルコネートは、中温域におい
特長
• Niが合金として濃縮されるため、製品としての
直接利用が期待できる。再浸出を行う際にも
強力な酸化剤を必要としない
• 腐食性の高い薬剤の使用量削減により
設備を簡易にできる
O2, H+
脱P
3.5
典型的な酸化物イオン伝導体と、Y-doped
BaZrO3の伝導度比較
0.0
0
<現行プロセス>
・ Ni / Coを混合硫化物として濃縮 (H2S使用)
その後Cl2やNH3による再浸出を経て
Ni / Coの相互分離を行う (溶媒抽出が主流)
・ Ni / Coの還元相互分離の実施例は、
NH3浴中の高圧水素還元のみ
Ni2+, P (aq.)
P
-1
 次亜リン酸還元でNiを金属として回収
酸性・常圧下における選択還元で
Ni / Coを相互分離する
固
Zr0.9Sc0.1O2-d
2.0
液相還元によるNiの選択還元
Ni-P (s) O2
-4
10
BaZr0.8Y0.2O3-d
Total ( batch 1)
Total ( batch 2)
Bulk
湿式製錬プロセス
て、最高の伝導度を示す。
・燃料電池を試作した結果、600℃で、開
回 路 起 電 力 1050mV 、 ピ ー ク 電 力
76mW/cm2 、 短 絡 電 流 434mA/cm2 が
確認された。
・電解質、電極の基盤研究を実行中。
(大西崇之, 北山真也, Liao Yun Wen)
・Niの湿式製錬では①硫酸水溶液からのNi
の濃縮、②副産物であるCoとの相互分離
が課題である。
・液相還元法を利用したNiの選択的還元によ
り、Niを金属へ濃縮すると同時にCoと相互
分離する簡略なプロセスを提案した。
・酸性水溶液中におけるNiとCoの還元挙動
の差異を与える因子について調査中。
(白山栄,橋本大輝)
チタンの新製錬プロセス
中温作動型燃料電池の新規固体電解質・電極
LaPO4, LaP3O9 の低温・液相合成法の確立
還元と精製を組み合わせた連続プロセス
還元セル
TiCl4 原料を液体 Bi 中に還元し、精製セルに
連続的に送り出す (TiCl4 + Bi-Mg → Bi-Ti + MgCl2)
精製セル
Bi-Ti 液体合金からの蒸留精製を行い、連続的に
金属 Ti を回収する
La2O3, SrCO3,
H3PO4 混合物
TiCl4 の Mg 還元を行う反応容器
(容器底部には Bi-Mg 合金を配置)
粉砕
真空蒸留
真空蒸留によって Bi-Ti 合金から Ti が得られた
効率的な Ti 薄膜・板材の生産に向けた Ti の平滑電析
電解浴界面
電解浴界面付近では Ti が平滑に析出
(膜厚: 20 ~ 40 µm)
電極先端
パルス電解で析出した Ti
H2O (g)
Ti の析出機構を明らかにし、突起物の
生成を防ぐ必要がある
電極のエッジ部付近では平滑な Ti の上に
突起状の Ti が析出
・Ti は資源量が豊富で軽くて強く、海水に対して半永久的な耐食性
を持つ。しかし、価格が非常に高い (プロセスの生産性が低い)。
・Bi-Ti 液体合金を介し、還元と精製を連続的に行う全く新しい製錬
法を提案。TiCl4 の還元によって Bi-Ti 合金を形成し、蒸留によっ
て Ti を連続的に分離するための方法・装置を確立する。
・ Ti の薄膜や板材の効率的な生産を目指し、平滑な Ti の電析手
法を明らかにする。
(岸本章宏, 土橋一輝, 山田裕貴, 倉満晶子)
配向性の薄膜電解質を直接析出
単結晶でプロトン伝導の異方性を確認
溶液法で合成された
LaP3O9 単結晶
log (σT / S cm-1 K)
Mo 坩堝
1 cm
H2O (g)
TiCl4 からの還元を用いたプロセスの模式図
金属 Ti (Bi 濃度 2.0 mol%)
Bi-10 mol% Ti 合金
Bi-Ti 合金と MgCl2 の回収容器
(反応容器からタッピングによって回収)
析出(100–400 ℃,
pH2O = 0.01–1 atm)
るつぼ
(ガラス状炭素
またはPFA)
連続還元装置
ポンプによって TiCl4 を反応管へ導入
溶解(190 ℃,
大気中)
原料を混合(室温, 大気中)
1 mm
600
500
T ' / °C
400
300
単結晶(本研究室)
H2 - 0.05 atmH2O
, c-axis
, ab-plane
-1
-2
σ = 10-5 S cm-1
多結晶(Amezawa et al.)
Ar-0.01 atmO2-0.04 atmH2O
5% Sr-doped -3
LaP3O9 の導電率 1.1
1.2
1.3
1.4 1.5 1.6
1000 T -1 / K-1
σ = 10-4 S cm-1
c軸
1.7
1.8
Sr-doped LaP3O9 薄膜電解質
・中温域(200~600℃)で化学的に安定な燃料電池の電解質の
報告は少ない。
・この温度域では、高価な白金触媒が不要である可能性があり、
排熱の有効利用もしやすい。
・本研究では、中温域で比較的高いプロトン伝導率を示す、二
価元素をドープしたランタンリン酸塩に着目。
・ドープ率増大、配向制御、電解質の薄膜化、など様々なアプ
ローチにより、さらに電解質抵抗の低減を目指す。
(足立善信,高橋耕大, 岡田隆宏)
2014 表面処理工学
http://www.aqua.mtl.kyoto-u.ac.jp/