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AR ミルク(Anti Anti-Regurgitation Formula)について )について

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第 25 号
茨城県立こども病院NST広報誌
2014 年 8 月 31
3 日発行
企画・編集
NST編集委員
発行責任者
連 利博(副院長)
胃食道逆流症用 トロミつき増粘ミルク
AR ミルク(Anti
Anti-Regurgitation Formula)について
)について
8 月 20 日、
「胃瘻栄養患児におけるミキサー食を用いた半固形食短時間摂取法」というタイトルで、
長野県立こども病院小児外科 高見澤 滋先生によるオンラインセミナーを院内で拝聴する機会が
ありました。本セミナーの内容について簡単にご報告します。
背景として、半固形食は成人領域を中心に普及してきています。その有用性として胃食道逆流症
(
(GERD)の軽減、誤嚥性肺炎の減少、注入時間の短縮などが挙げられます。通常の食事をミキサーに
)の軽減、誤嚥性肺炎の減少、注入時間の短縮などが挙げられます。通常の食事をミキサーに
かけたミキサー食は半固形食と同等の効果を得られると考えられています。半固形食は細いチューブ
では詰まってしまうため経鼻胃管では難しく、太いチューブを利用できる胃瘻が必要になります。
ミキサーにかけるものは基本的には食事できるものであれば何でもよいのですが、トマトの皮や挽
肉の油などはチューブつまりの原因になることがあります。調理器具
肉の油などはチューブつまりの原因になることがあります。調理器具はミキサーやフードプロセッサ
はミキサーやフードプロセッサ
ーよりハンドブレンダ
ーよりハンドブレンダー(左下イラスト)がおすすめとのことです。硬さの目安はヨーグルトからマ
)がおすすめとのことです。硬さの目安はヨーグルトからマ
ヨネーズ程度で、注入はシリンジを用いて行い、速度の目安は 1 分で 30ml 程度です。
長野県立こども病院でミキサー食を外来で開始する際は、血液検査で食物アレルギーのチェックを
したのち、最初は米粥をミキサーしたものを 1 回の注入量の 1/2~1/4 から開始します。次回外来の 1
[写真]ARミルク
ミルク
左:大缶(820g
820g)
右:スティックタイプ
スティックタイプ(13.4g×10 本)
か月後までに漸増して、
か月後までに漸増して、1 回の全量をミキサー食にします。その後はミキサー食の回数を 2 回、3 回
と増やします。家族の負担などを考慮し、必ずしも全部をミキサー食にしなくても、液体栄養剤(ラ
コール、エンシュアリキッドなど)を併用するなど柔軟な対応で構わないとのことです。ミキサー食
を用いることで 1 日の注入に要す時間が 1/2~1/4
1/2
まで短縮され、下痢の改善(逆に便秘のため緩下
され、下痢の改善(逆に便秘のため緩下
2014 年 6 月末に日本初の増粘ミルク「森永 AR ミルク」が発売されましたので、その特徴につきご紹介します。
胃食道逆流(gastroesophageal
gastroesophageal reflux:GER
reflux:GER)は胃の内容物が食道へ逆流する現象です。噴門機能が未熟な乳児
)は胃の内容物が食道へ逆流する現象です。噴門機能が未熟な乳児
剤などを要すことも)などが示されました。またセレン、亜鉛などの微量元素欠乏の予防にも効果が
あるようです。
期には GER が起こりやすく、哺乳したミルクを戻してしまう溢乳や吐乳がしばしばみられます。
が起こりやすく、哺乳したミルクを戻してしまう溢乳や吐乳がしばしばみられます。GER は生理的な現
参考する文書として、長野県立こども病院や神奈川県立こども病院の資料が紹介されまし
象でその多くは自然軽快しますが、酸素飽和度の低下や徐脈、哺乳量不足に起因する体重増加不良などの何ら
た。これらは各病院のホームページからダウンロードできますので、興味のある方は是非一
かの症状を伴う場合は胃食道逆流症(
かの症状を伴う場合は胃食道逆流症(gastroesophageal reflux disease:GERD)と呼ばれ積極的な治療対象となり
と呼ばれ積極的な治療対象となり
度ご覧ください(各病院名と「ミキサー食」で AND 検索するとすぐに出てきます)。そのなか
ます。
ではミキサー食のレシピが紹介され、なかにはハンバーガーやからあげなどもあります。
GERD の治療方法は少量頻回哺乳、排気の励行、体位療法などがありますが、日本小消化管機能研究会と日
いいことずくめのようですが、ミキサー食まだ小児では十分に普及しておらず情報も少な
本小児栄養消化器肝臓学会による「小児胃食道逆流症診断治療指針」や、欧米の GERD 診療ガイドラインでは、
いのが実情です。しかし、ひとまず 1 日 1 回でも良いから試してみる、というスタンスでも
乳児期の反復する溢乳、嘔吐に対する食事療法として増粘剤を添加して粘調度を高めた治療乳の使用が挙げら
良いと思います。セミナー内では示されていませんでしたが、開始年齢の目安は 1 歳という
れています。増粘ミルクの使用による溢乳頻度の軽減や体重増加の改善の報告があります。当院でも GERD の
意見もあるようです。開始をご検討の際は、栄養科にご相談ください。
治療として市販の増粘物質を調製粉乳に加え、増粘ミルクとして使用することがあります(
治療として市販の増粘物質を調製粉乳に加え、増粘ミルクとして使用することがあります(AR ミルクは未採用で
(新生児科医師 日高 大介)
す)。
AR ミルクは増粘物質としてローカストビーンガムを配合しています。その主成分は食物繊維(ガラクトマンナン)
で、アイスクリームなどの安定剤として使用される食品添加物です。ローカストビーンガムは諸外国の増粘ミルク
で使用実績があります。AR ミルクの栄養成分は森永乳業の一般的な調製粉乳「はぐくみ」とほぼ同様です。価格
は一般的な調製粉乳と大差なく、ベビー用品店やインターネットで購入できるようです。販売規格は 1 缶 820g とス
ティックタイプ(13.4g×10 本)です。
(図)ハンドブレンダ
ハンドブレンダー
新生児科医師数名で試飲を行ったところ、市販の増粘物質を使用して
行ったところ、市販の増粘物質を使用して 0.5%と 1%に調整したミルクの中間くらい
に調整したミルクの中間くらい
の粘度という印象でした(「見た目」では粘性はほとんどわかりません)。使用については「医師に胃食道逆流症の
食事療法を指示された場合に限り、必ず医師、管理栄養士の指導に従って使用すること」とされています。
入院中で増粘ミルクを使用する際は市販の増粘物質を使用していますが、外来での GERD の治療の選択肢の
1 つになり得ると思います。予め増粘物質が添加されているため、家族の調乳の負担軽減や安定した粘度を確保
することが特徴といえます。(新生児科
生児科医師 日高 大介)
によるARミルクの説明会を開催する予定
予定です。
近日中に森永乳業による
NST 勉強会のご案内に
に注目ください。
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