P 30 第2節 工作物の新築

第2節 工作物の新築、増築、改築、移転
第1 仮設の工作物
【条例】・・・・・許可基準
第 10 条第1項第5号ア 【仮設の工作物の新築】 ≪第6号ア【増築】も同内容≫
(ア) 当該工作物の構造が容易に移転し、又は除却することができるものであること。
(イ) 当該工作物の位置、規模、形態及び意匠が当該新築の行われる土地及びその周辺の土
地の区域における風致と著しく不調和でないこと。
第 10 条第1項第7号ア 【仮設の工作物の改築】
(ア) 当該改築後の工作物の構造が容易に移転し、又は除却することができるものであること。
(イ) 当該改築後の工作物の規模、形態及び意匠が当該改築の行われる土地及びその周辺の
土地の区域における風致と著しく不調和でないこと。
第 10 条第1項第8号ア 【仮設の工作物の移転】
(ア) 当該移転後の工作物の構造が容易に移転し、又は除却することができるものであること。
(イ) 当該移転後の工作物の位置が当該移転の行われる土地及びその周辺の土地の区域に
おける風致と著しく不調和でないこと。
【条例】・・・・・許可を要しない行為
第4条第2項第7号
次に掲げる工作物の新築、増築、改築又は移転
ア 工事に必要な仮設の工作物
イ 地下に設ける工作物
ウ 消火設備又は消防若しくは水防の用に供する望楼及び警鐘台
エ 社寺境内又は墓地内において設ける鳥居、灯ろう、墓碑、墓石その他これらに類するもの
オ 祭礼、縁日等のために設ける観覧場、やぐら、案内又は装飾のための施設その他これらに
類するもの
カ その他の工作物の新築、増築、改築又は移転であって、当該新築、増築、改築又は移転後
の工作物の高さが5メートル以下であり、かつ、築造面積が 60 平方メートル以下であるもの。
ただし、次に掲げる工作物を除く。
(ア) のり(地表面が水平面に対して 30 度を超える角度をなす土地をいう。以下同じ。)又は
擁壁の天端位置から外周方向へ張り出した形態の架台その他これに類する工作物の新
築、増築、改築又は移転で、当該新築、増築、改築又は移転後の工作物の高さが 1.5 メー
トルを超えるもの
(イ)
歴史的風土保存区域内における次に掲げる工作物の新築、増築、改築又は移転で、
当該新築、増築、改築又は移転後の工作物の高さが 1.5 メートルを超えるもの
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a 擁壁
b 鉄柱、鉄塔その他これらに類するもの
c 太陽光発電設備
d 人工地盤、架台その他これらに類するもの
e 自動販売機(屋内に設置するものを除く。)
第4条第2項第 14 号イ
イ 建築物の敷地内において行う次に掲げる行為
(ア) 当該敷地内に存する受信用の空中線系(その支持物を含む。以下同じ。)その他これらに
類する工作物の新築、増築、改築又は移転
【条例施行規則】・・・・・仮設の工作物の許可基準
第 17 条 条例第 10 条第1項第5号から第8号までに規定する仮設の工作物の新築、増築、改
築又は移転に係る許可基準のうち、当該工作物の位置、規模、形態又は意匠が当該行為の
行われる土地及びその周辺の土地の区域における風致と著しく不調和でないとは、次に定
めるとおりとする。
⑴ 設置期間は、原則1年以内であること。
⑵ 海の家の設置に付随して海岸に設置されるアーケード、橋、屋外階段等の仮設工作物に
ついては、高さが6メートル以下であること。
【解釈と運用】
1
仮設の工作物とは、構造上容易に移転し、又は除却することができる工作物をいいます。
2
仮設の工作物については、必ず設置期間を示してください。
工事に伴う仮設工作物については、その工事の完了期間までとしますので、当該工事の場
所及び工程を示す図書を添付してください。
一時的な興業や祭礼のための工作物については、原則として一年以内の期間とします。
3
「容易に移転し又は除却」できるものとは、当初から容易に組立てや解体をすることができる
ように製造されている既成のものや、柱や梁の太さや各部材の固着の程度から見て、社会通
念上容易に移転又は除却できると判断されるものをいいます。
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第2 その他の工作物
【条例】・・・・・許可基準
第 10 条第1項第5号イ 【仮設を除く工作物の新築】 ≪第6号イ【増築】も同内容≫
(ア) 当該工作物の位置、規模、形態及び意匠が当該新築の行われる土地及びその周辺の
土地の区域における風致と著しく不調和でないこと。
(イ) 歴史的風土保存区域内においては、当該工作物の位置、規模、形態及び意匠が当該新
築の行われる土地及びその周辺の土地の区域における歴史的風土と著しく不調和でないこ
と。
第 10 条第1項第7号イ 【仮設を除く工作物の改築】
(ア) 当該改築後の工作物の規模、形態及び意匠が当該改築の行われる土地及びその周辺
の土地の区域における風致と著しく不調和でないこと。
(イ) 歴史的風土保存区域内においては、当該改築後の工作物の規模、形態及び意匠が当
該改築の行われる土地及びその周辺の土地の区域における歴史的風土と著しく不調和でな
いこと。
第 10 条第1項第8号イ 【仮設を除く工作物の移転】
(ア) 当該移転後の工作物の位置が当該移転の行われる土地及びその周辺の土地の区域に
おける風致と著しく不調和でないこと。
(イ) 歴史的風土保存区域内においては、当該移転後の工作物の位置が当該移転の行われ
る土地及びその周辺の土地の区域における歴史的風土と著しく不調和でないこと。
【条例】・・・・・許可を要しない行為
「第2章 第2節 第1 仮設の工作物 の許可を要しない行為」に同じ
【条例施行規則】・・・・・その他の工作物の許可基準
第 18 条 条例第 10 条第1項第5号から第8号までに規定する工作物(仮設の工作物を除く。)
の新築、増築、改築又は移転に係る許可基準のうち、当該工作物の位置、規模、形態又は
意匠が当該行為の行われる土地及びその周辺の土地の区域における風致(歴史的風土保
存区域内にあっては、歴史的風土)と著しく不調和でないとは、次の各号に掲げる区分に応
じ、それぞれ当該各号に定めるとおりとする。
⑴ 工作物の位置 門、塀、擁壁等を除き、できる限り敷地の境界から離れて設置すること。
⑵ 工作物の規模 高さについては、原則として条例別表第1に定める建築物の高さの基準を
満たしているものであること。ただし、防災上、施設の機能上又は構造上、特にやむを得ない
と認められるもので、周辺の風致及び歴史的風土と不調和とならないよう、特に配慮又は工
夫がなされていると認められるものについては、この限りでない。
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⑶ 工作物の意匠
ア 色彩については、次の要件を満たすものであること。
(ア) 第 15 条第1項第4号アに掲げる基準に該当するものであること。
(イ) 落石防止網、ロックネット等についてはダークブラウン(JISZ8721 における 10YR2/1を
いう。以下同じ。)であること。
(ウ)歴史的風土保存区域その他市長が別に定める区域に設置する電柱等については、ダ
ークブラウンであること。
イ 資材については、光沢のある素材を避け、外観は周囲の景観から突出したものでないこ
と。
2 前項に定めるもののほか、次の各号に掲げる工作物については、それぞれ当該各号に掲
げる基準に該当するものとする。
⑴ 擁壁
ア 構造は、原則として、自然石又はこれに類似させる加工を施したコンクリートブロック等を
用いた練積み造とすること。ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
(ア) 歴史的風土保存区域
a 道路面に築造するものにあっては、75 度以下の勾配を設け、石張り等の化粧仕上げを
施したもの
b 市長が別に定める規模未満のもの又は隣接地等の安全上やむを得ないと判断される
ものにあっては、周辺の風致及び歴史的風土の維持に支障を及ぼさないと認められる
もの
c その前面に生垣等の樹木を植栽するもの
(イ) (ア)以外の区域
a 鉄筋コンクリート造等のものにあっては、その表面に周辺の風致の維持に支障のない
勾配等を設け、かつ、石張り等の化粧仕上げを施したもの
b 市長が別に定める規模未満のもの又は建築物の背後等に築造されるものにあっては、
周辺の風致の維持に支障のない石張り等の化粧仕上げを施したもの
イ 急傾斜地崩壊防止工事等の際に築造する大規模なものについては、化粧用の型枠を用
い、コンクリートは濃灰色であること。
ウ できる限りつた等で被覆し緑化に努めること。
⑵ 屋外階段
必要最小限の規模のものとし、できる限り壁面後退距離が確保されていること。ただし、バ
ルコニー等への出入りが可能なものについては、条例別表第1に定める壁面後退距離が確
保されていなければならない。
⑶ 鉄柱及び鉄塔その他これらに類するもの
ア できる限り公共用空地から視認されない位置とすること。
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イ 規模は、必要最小限とすること。
ウ 高さは、次のとおりとする。
(ア) 電気通信事業法(昭和 59 年法律第 86 号)、放送法(昭和 25 年法律第 132 号)又は電
気事業法(昭和 39 年法律第 170 号)の規定に基づき建築物等の屋根等に築造するものに
ついては、地上高さ 20 メートル以下とする(建替えのため新築する場合は除く)。
(イ) (ア)以外のものについては、原則として条例別表第1に定める建築物の高さの基準を
満たしているものであること。ただし、防災上、施設の機能上又は構造上、特にやむを得な
いと認められるものは、地上高さ 15 メートル以下とすること(建替えのため新築する場合は
除く)。
⑷ 太陽光発電設備
地上に設置する場合にあっては、できる限り公共用空地から視認されないよう生垣等の緑
化で遮蔽されたものとし、建築物の屋根等に設置する場合にあっては、屋根勾配に沿ったも
のとすること。この場合において、やむを得ない理由により架台に設置するときは、その架台
を必要最小限のものとすること。
⑸ 人工地盤、架台その他これらに類するもの
擁壁の天端位置から外周方向へ張り出した形態でないものとし、規模は必要最小限とす
ること。ただし、公共用空地から視認されない場合、宅地が道路より低い場合又は敷地境界
線から 1.5 メートル以上離れた位置に設置する場合は、この限りでない。
⑹ 自動販売機
その色彩をベージュ(JISZ8721 における5Y7.5/1.5 をいう。)とすること。ただし、周辺の土
地の状況により、ダークブラウンとすることもできる。
条例施行規則第 18 条第1項第3号(ウ)に定める【市長が別に定める区域】とは、以下のものを
いいます。
(1) 海岸線(国道 134 号線)
(2) 八幡宮から北鎌倉の沿道(横浜・鎌倉線:県道 21 号線)
条例施行規則第 18 条第2項第1号ア(ア)bに定める、【市長が別に定める規模未満】とは、以
下のものをいいます。
高さ 1.5 メートル以下、又は幅1メートル以下のもの
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【解釈と運用】
1 工作物の定義
(1) 工作物は、条例第4条第1項第2号において、「土地又は建築物に定着する建築物以外
の工作物をいう。」と定義しています。
(2) ここでいう「定着」とは、土地や建物に基礎や固定金具等により固定されていることを意味
します。つまり、人力で動かすことが可能であるものは対象としませんが、工具などを用い固
定しているものや機械を使わなければ移動できないものは対象とします。
(3) 上記の定義については、「第2節 第1 仮設の工作物」にも該当します。
(4) 工作物の高さ及び築造面積の算定方法については、第3章の解説図集を参考にしてくだ
さい。
(5) 可動、伸縮、格納式タイプなど、通常時と使用時の形態が異なる工作物は、原則として通
常時の高さ及び築造面積を対象として審査します。ただし、使用頻度が高いものについては、
使用時の高さ及び築造面積を対象とします。
2
工作物の「規模」に関する基準
(1) 高さについては、「原則として当該種別の建築物の高さの基準を満たしているものである
こと」としています。つまり、第2種風致地区は高さ8メートル、第3種風致地区は 10 メートル、
第4種風致地区は 15 メートルとなります。
これは、工作物も建築物と同じく人工物であり、その高さが周囲に与える影響は、なんら変
わりが無いためです。
ただし、以下のような、防災上、施設の機能上又は構造上、特にやむを得ないと認められ
るもので、周辺の風致に配慮、工夫されたものについては、これらの高さを認めています。
・ 斜面地に設置する階段等、アプローチに必要な工作物
・ 掲揚塔、空中線系鉄柱などの、築造面積は小規模である線形工作物
・ 防災目的の擁壁や避難用階段、架台等
(2) 築造面積については、数値的な限度を設けていませんが、高さと同様にその目的に対し
必要最小限とし、可能な限り公共用空地から見えにくい配置とすることや、緑化で隠すような
工夫をしてください。
3
擁壁に関する基準
(1) 擁壁は、自然石積みを原則とします。
(2) 間知ブロックを使用する場合は、自然石風仕上げが施された製品を使用してください。
(3) 鉄筋コンクリート造等の擁壁であっても、形態は自然石積みとしてください。形態が自然
石積みであるとは、一定(3分から5分=75 度以下)の傾斜(いわゆる「転び」)をもち、化粧型
枠を利用したものやコンクリート擁壁の表面に自然石を貼り付けて仕上げ、見た目には、自
然石積擁壁のように見えるものをいいます。
(4) 公共用空地から見えにくい場合、直壁が認められることがあります。ただし、この場合も化
粧型枠など表面の仕上げは必要となります。
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(5) 市長が別に定める規模未満の擁壁とは、高さ 1.5m以下又は幅1m以下のものをいいま
す。
(6) 歴史的風土保存区域内において、道路面に築造される擁壁は、必ず傾斜「転び」をつけ
なければなりません。ただし、次図のように、本来勾配を設けることによって生まれる空間を、
擁壁の設置位置を道路面から後退することによって確保し、更に擁壁前面を生垣で修景され
ている場合は、直壁でも認められることがあります。
面積A㎡
面積A㎡
垂直擁壁
勾配擁壁
道路境界線
道路境界線
擁壁前面の生垣として認められるものは、その擁壁の高さの5割以上とします。
また、擁壁勾配の 75 度以下の目安とは、以下のとおりです。直壁を認められるものは、下
表の「幅の1/2」欄に掲げる数値に 0.1 メートルを足したものとしています。3メートル以下の
擁壁の場合は、0.4+0.1=0.5 メートルの後退距離が必要となります。
風致地区内においても、擁壁は 75 度以下の勾配が原則であり、上記が適用されますが、
隣接地との関係や、既存擁壁の形状及び構造等から、やむを得ない場合は 75 度を超える勾
配でも認められることがあります。
(6) 表面の仕上げは、化粧型枠や石張りを原則としますが、十分な緑化等で擁壁本体が修景
されることが確実な場合は、コンクリートの打放しでも認められることがあります。
(7) 擁壁面に施すツタ等については、緑化面積として算定していません。
4
鉄柱及び鉄塔その他これらに類するものに関する基準
(1) 色彩について、具体的な規定は設けていませんが、歴史的風土保存区域など、山際や樹
林地に設ける場合には、それに溶け込みやすいダークブラウン(マンセル値:10YR2/1程
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度)に、市街地に設ける場合には、グレーに着色してください。
(2) アンテナや付属設備、柱に取り付けるトランス、取り付け金具等についても、背景から突
出しないように工夫し、色彩も柱と同じ色彩とするなど、周辺の雰囲気に溶け込むようなもの
としてください。
(3) 携帯電話などの基地局の設置にあたっては、その規模は、必要最小限度のものとすると
共に、公共用空地から見えにくい位置に設置するなど、設置場所についても十分検討した上
で選定してください。地盤に設置するよりも、建築物の屋上や背後に設置し、目立たなくする
ような計画も、事例の一つです。また、色彩についても背景に溶け込むよう工夫し、周辺に
調和したものにしてください。
(4) 鉄柱、アンテナ以外の付属設備(分電盤、トランス等)の交換等、高さに影響の無い行為
については、許可を要しません。
(5) 建築物の敷地内における受信用の空中線系(テレビ専用アンテナなど)は、条例第4条第
2項第 14 号イ(ア)に規定しているとおり、許可を要しません。
5
太陽光発電設備に関する基準
(1) 建築物等の屋根に設置する太陽光発電設備は、当該設備が屋根面とできるだけ一体と
なるような工法を採用し、製品としても、景観上優れた色彩及び形態のものを選んでくださ
い。
(2) 庭等に建築物とは別に独立して設ける場合は、植栽を周囲に施すなど、公共用空地から
視認されない工夫をしてください。
6 人工地盤、架台その他これらに類するものに関する基準
(1) 道路、公共用空地側に設ける場合は、擁壁の天端位置
から外周方向へ張り出した形態とすることはできません。
(2) 道路、公共用空地側以外についても、その規模は必要
最小限としてください。
(3) 宅地が道路よりも低い場合については、宅地に降りる
ためのアプローチ階段や、駐車場のための架台が必要となることもあるため、認められるこ
とがあります。ただし、その規模は必要最小限とし、また、道路面と同じ高さに緑化を行うな
ど、接道緑化等の配慮及び工夫が必要となります。
7 自動販売機に関する基準
(1) 自動販売機の色彩についての規制であり、設置自体を規制するものではありません。
(2) 自動販売機の色彩については、清涼飲料自販機協議会が作成している「風致地区、景観
地区における自動販売機自主景観ガイドライン」による、ベージュ(マンセル値:5Y7.5/1.5)
を原則としています。ただし、歴史的風土保存区域など、山際や樹林地に設ける場合には、
それに溶け込みやすいこげ茶色でも認められることがあります。
(3) 規制の対象となる自動販売機は、屋外に設置するものに限ります。屋内に設置する場合
は、規制の対象とはなりません。
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なお、屋内とは、建物の内部のことであり、壁やガラス等に仕切られている場合のことをい
いますが、屋根(軒、ひさしなど)の下で壁等が無い場合(次図参照)でも、屋内と扱うことが
あります。
屋根先端
自動販売機
1メートル
屋根(軒、ひさしなど)の先端から1メートル以上奥(建築面積が生じているところ)に設置されて
いる場合は、屋内として扱います。
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第3節 建築物等の色彩の変更
【条例】・・・・・許可基準
第 10 条第1項第9号
建築物等の色彩の変更については、次に該当するものであること。
ア 当該変更後の色彩が、当該変更の行われる建築物等の存する土地及びその周辺の土地
の区域における風致と著しく不調和でないこと。
イ 歴史的風土保存区域内においては、当該変更後の色彩が、当該変更の行われる建築物等
の存する土地及びその周辺の土地の区域における歴史的風土と著しく不調和でないこと。
【条例】・・・・・許可を要しない行為
第4条第2項第8号
次に掲げる建築物等の色彩の変更
ア 屋根、外壁、煙突、門、塀、橋、鉄塔その他これらに類するもの以外のもの
イ 仮設の建築物等
ウ 地下に設ける建築物等
エ 床面積(増築を伴うときは増築後の床面積)の合計が 10 平方メートル以下の建築物
オ 前号ウからオまでに掲げる工作物
カ その他の工作物で高さが5メートル以下であるもの
第4条第2項第 14 号
その他次に掲げる行為
ウ 農業、林業又はこれに基づく処分による義務の履行として行う行為
(イ) 建築物等の色彩の変更。ただし、物置、作業小屋等で床面積(増築を伴うときは増築後
の床面積)の合計が 90 平方メートル以下であるものを除く。
【条例施行規則】・・・・・建築物等の色彩の変更の許可基準
第 19 条 条例第 10 条第1項第9号に規定する建築物等の色彩の変更に関する許可基準につ
いては、建築物にあっては第 15 条第1項第4号アの規定を、工作物にあっては前条第1項第
3号ア及び第2項第6号の規定を準用する。
【解釈と運用】
1 この規定は、風致地区内で行う建築物等の色彩の変更に関する基準です。
2
条例では、変更後の色彩が当該地及びその周辺の土地の区域における風致と著しく不調和
とならないこととし、具体的な基準は、条例施行規則において規定しています。
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3
色彩の変更の定義
色彩の変更とは、建築物等の新築、増築、改築及び移転に該当しないもの、すなわち、建築
面積や高さの増加、建築場所の変更等を伴わない、単に建築物等の色彩を変更する行為のみ
をいいます。その判断の基準は、以下のとおりです。
(1) 色彩の変更とする場合
ア マンセル値の 10 色相の範囲において、色相が変更になる場合
イ 明度又は彩度が、著しく変更すると認められる場合
ウ 従前の色彩が、現行の許可基準を超えているもので、これと同様の色彩を塗布する場
合
(2) 色彩の変更としない場合
ア 古くなった瓦を以前の物と同様の素材及び色彩でふきかえる行為
イ 剥落した外壁のモルタルを元の色、材質で塗りなおしたり、サイディングボード仕上げ
の外壁を元の色、材質で張り替えたりする行為
ウ 壊れたブロック塀を同じもので積み直す行為
エ 経年変化による褪色を、修繕や修復するものと判断される行為
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第4節 土地の形質の変更(宅地の造成等)
第1 緑化率
【条例】・・・・・許可基準
第 10 条第1項第 10 号ア
緑化率が、別表第2の種別の欄に掲げる区分に応じ、それぞれ同表の緑化率の欄に掲げる
土地の区分に応じた割合以上であること。ただし、当該宅地の造成等が行われる土地及びそ
の周辺の土地の区域の状況により植物の生育が困難である場合その他やむを得ないと認めら
れる場合は、この限りでない。
【条例】・・・・・許可を要しない行為
第4条第2項第9号
面積が 60 平方メートル以下の宅地の造成等で、高さが 1.5 メートルを超えるのりを生ずる切
土又は盛土を伴わないもの
【条例施行規則】・・・・・宅地の造成等の緑化率に関する許可基準
第 20 条 条例第 10 条第1項第 10 号アに規定する緑化率の算定に当たっては、次に掲げると
ころにより行うものとする。
⑴ 宅地の造成等(条例第2条第5号イに規定する宅地の造成等をいう。以下同じ。)に係る土
地が市街化区域及び市街化調整区域にわたる場合は、それぞれ該当する面積に各緑化率
を乗じて得た値の合計を全体面積で除した数値以上とする。
⑵ 前号に定めるもののほか、別に定める基準によるものとする。
2 条例第 10 条第1項第 10 号アただし書の規定は、別に定める基準に基づき市長が特に認め
た場合に適用する。
条例施行規則第 20 条第1項第2号に定める【別に定める基準】とは、以下のものをいいます。
条例施行規則第 16 条第1項第5号に定める「別に定める基準」と同一のものをいう。
P 41
条例施行規則第 20 条第2項に定める【別に定める基準】とは、以下のものをいいます。
次の各項のいずれかに該当するときには、「植物の生育が困難であるときその他やむを得な
い」場合と認め、ただし書きを適用できるものとする。
(1) 宅地の造成等を目的とする土地形質変更で、開発行為等によって道路その他公共用地
として帰属される施設等への植栽が困難であること。この場合、造成後の各々の宅地の敷地
面積に対する植栽の行われる土地の面積が当該緑化率を超えているものであること。
(2) 宅地の造成等の行為予定地内の大部分が、海浜地又は硬岩が露頭している山地その他
これらに類する土地で、植物の生育が困難と認められる土地等であること。
【解釈と運用】
1
この規定は、風致地区内で土地の形質の変更を行う場合に当該計画区域内に設けるべき緑
化地に関する基準です。
2
基本的に、条例第 10 条第1項第1号ウ(カ)に規定する、建築物の敷地内に設けるべき緑化
地に関する基準と同趣旨の規定です。したがって、解釈と運用についても、それを参照してくだ
さい。
P 42
第2 のりの高さ
【条例】・・・・・許可基準
第 10 条第1項第 10 号ウ
5メートル以上の高さののりを生ずる切土又は盛土を伴わないこと(小段等によって上下に分
離されたのりがある場合において、下層ののり面の下端を含み、かつ、水平面に対し 30 度の角
度をなす面の上方に上層ののり面の下端があるときは、その上下ののりは、一体のものとみな
す。)。ただし、当該宅地の造成等に係る土地の地形上やむを得ないときは、この限りでない。
【条例】・・・・・許可を要しない行為
第4条第2項第9号
「第2章 第4節 第1 緑化率」に同じ
【条例施行規則】・・・・・宅地の造成等ののりの高さに関する許可基準
第 21 条 条例第 10 条第1項第 10 号ウただし書の規定は、別に定める基準に基づき市長が特
に認めた場合に適用する。
条例施行規則第 21 条に定める【別に定める基準】とは、以下のものをいいます。
(1) 条例第 10 条第1項第 10 号ウのただし書については、次の各項のいずれかに該当し、か
つ、土地の地形上やむを得ないと、認められるときには、適用することがある。
ア 5メートル未満のよう壁上に別ののりがあることにより、のり高が許可基準を超える場合
において、上段ののりに切土を行う必要がないとき。
イ のりの高さが許可基準を超える場合において、当該のりの途中に設けた小段に植栽を施
すことにより、のりが分断されていると認められるとき。ただし、それぞれののりの高さが5
メートル未満の場合に限る。
(2) 防災工事についてのただし書の基準
崖崩落防止等の目的で行われる土地の形質変更のうち、次のいずれにも該当する場合
は、のりの高さについては許可基準によらないことができる。
ア 宅地の造成を目的としないこと。
イ 危険な急傾斜地を整形するための切土で、必要最小限の範囲であること。
ウ のり面保護の措置が講じられるものであること。
P 43
【ただし書きを適用する場合の図】
1 5m未満の擁壁上ののりの高さの場合の基準
新たに生じるのり(擁壁)が5m未満で、
その上は安定したのり
H > 5m
H > 5m
H < 5m
2 5m以上ののりの高さの場合による小段等の設置の基準
各段ののりの高さを5m未満とし、
植栽(生垣)を施し、格段を分節化する
H < 5m
H > 5m
H > 5m
H < 5m
H < 5m
【解釈と運用】
1
この規定は、風致地区内で土地の形質の変更を行う場合の、のりの高さに関する基準です。
2
のりの高さは、行為により新たに生じるのり(がけ)をいいます。
3
のりの高さの考え方は、第3章【解説図集】を参照してください。
4
ただし書きを適用する場合の上図1は、新たに生じるのり(がけ)が5m未満であり、その上の
のり(がけ)は安定していて宅地造成等規制法等で安全上支障がないと判断される場合に適
用されます。
5
ただし書きを適用する場合の上図2は、新たに生じる複数ののり(がけ)の合計が高さ5mを
超えていますが、小段を設け分節化されていて風致の維持に支障を及ぼす恐れが少ないと判
断される場合に適用されます。ただし、通則に示しているとおり、この場合も積極的にただし書
きを適用するものではなく、隣接地の安全性や、許可基準を満たすための無理な造成を防ぐこ
とを目的とした場合に適用します。
P 44
第3 形態及び意匠
【条例】・・・・・許可基準
第 10 条第1項第 10 号オ
当該宅地の造成等が行われた土地の形態及び意匠が、その周辺の土地の区域における風
致と著しく不調和でないこと。
第 10 条第1項第 10 号カ
歴史的風土保存区域内においては、当該宅地の造成等が行われた土地の形態及び意匠が、
その周辺の土地の区域における歴史的風土と著しく不調和でないこと。
【条例】・・・・・許可を要しない行為
第4条第2項第9号
「第2章 第4節 第1 緑化率」に同じ
【条例施行規則】・・・・・宅地の造成等の形態及び意匠に関する許可基準
第 22 条 条例第 10 条第1項第 10 号オ及びカに規定する宅地の造成等が行われた土地の形
態及び意匠がその周辺の土地の区域における風致又は歴史的風土と著しく不調和でないと
は、新たに生じるのり面に勾配を設け、かつ、その表面に緑化が行われていることとする。た
だし、擁壁部分については、第 18 条第2項第1号の規定を適用する。
【解釈と運用】
1
宅地の造成等による土地の形質変更については、極力必要最小限としてください。
2
宅地の造成等によって生じる緩い傾斜の新たなのり面については、その表面を保護する目
的から、芝や植生シート等で緑化に努めてください。
以下の基準は、「第2章 第2節 第2 その他の工作物」の擁壁の基準と同様です。
3
擁壁に関する基準
(1) 擁壁は、自然石積みを原則とします。
(2) 間知ブロックを使用する場合は、自然石風仕上げが施された製品を使用してください。
(3) 鉄筋コンクリート造等の擁壁であっても、形態は自然石積みとしてください。形態が自然
石積みであるとは、一定(3分から5分=75 度以下)の傾斜(いわゆる「転び」)をもち、化粧型
枠を利用したものやコンクリート擁壁の表面に自然石を貼り付けて仕上げ、見た目には、自
然石積擁壁のように見えるものをいいます。
(4) 公共用空地から見えにくい場合、直壁が認められることがあります。ただし、この場合も化
粧型枠など表面の仕上げは必要となります。
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(5) 市長が別に定める規模未満の擁壁とは、高さ 1.5m以下又は幅1m以下のものをいいま
す。
(6) 歴史的風土保存区域内において、道路面に築造される擁壁は、必ず傾斜「転び」をつけ
なければなりません。ただし、次図のように、本来勾配を設けることによって生まれる空間を、
擁壁の設置位置を道路面から後退することによって確保し、更に擁壁前面を生垣で修景され
ている場合は、直壁でも認められることがあります。
面積A㎡
面積A㎡
垂直擁壁
勾配擁壁
道路境界線
道路境界線
擁壁前面の生垣として認められるものは、その擁壁の高さの5割以上とします。
また、擁壁勾配の 75 度以下の目安とは、以下のとおりです。直壁を認められるものは、下
表の「幅の1/2」欄に掲げる数値に 0.1 メートルを足したものとしています。3メートル以下の
擁壁の場合は、0.4+0.1=0.5 メートルの後退距離が必要となります。
風致地区内においても、擁壁は 75 度以下の勾配が原則であり、上記が適用されますが、
隣接地との関係や、既存擁壁の形状及び構造等から、やむを得ない場合は 75 度を超える勾
配でも認められることがあります。
(6) 表面の仕上げは、化粧型枠や石張りを原則としますが、十分な緑化等で擁壁本体が修景
されることが確実な場合は、コンクリートの打放しでも認められることがあります。
(7) 擁壁面に施すツタ等については、緑化面積として算定していません。
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第5節 水面の埋立て又は干拓
【条例】・・・・・許可基準
第 10 条第1項第 11 号
水面の埋立て又は干拓については、次に該当するものであること。
ア 適切な植栽等を行うことにより行為後の地貌が当該土地及びその周辺の土地の区域にお
ける風致と著しく不調和とならないこと。
イ 当該行為に係る土地及びその周辺の土地の区域における木竹の生育に支障を及ぼすお
それが少ないこと。
【条例】・・・・・許可を要しない行為
第4条第2項第 10 号
面積が 60 平方メートル以下の水面の埋立て又は干拓
【条例施行規則】・・・・・水面の埋立て又は干拓に関する許可基準
第 23 条 条例第 10 条第1項第 11 号に規定する水面の埋立て又は干拓後の地貌が当該土地
及びその周辺の土地の区域における風致と著しく不調和とならないとは、次のいずれにも該
当するものをいう。
⑴ 埋立て又は干拓に係る面積が必要最小限であること。
⑵ 計画区域内に条例別表第1に定める緑化率以上の緑化地を設けること。
【解釈と運用】
1
この規定は、風致地区内で行う水面の埋立て又は干拓(以下「埋立て等」という。)に関する基
準です。
2
水面の埋立て等は、地貌の変化が著しく、風致景観に与える影響も非常に大きなものがある
と考えられるため、必要最少限度としなければなりません。
3
埋め立て
「埋め立て」とは、水面に土砂を運び入れ地盤を高めて新たに陸地を造ることをいいます。
4
干拓
「干拓」とは、水面を堤防で締め切り、排水して新たに陸地を造ることをいいます。
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第6節 木竹の伐採
【条例】・・・・・許可基準
第 10 条第1項第 12 号
木竹の伐採については、当該木竹の伐採が次のいずれかに該当し、かつ、当該伐採の行わ
れる土地及びその周辺の土地の区域における風致の維持に支障を及ぼすおそれが少ないこ
と。
ア 第4条第1項第1号又は第3号に掲げる行為をするために必要な最小限度の木竹の伐
採
イ 森林の択伐
ウ 伐採後の成林が確実であると認められる森林の皆伐(第 10 号エの森林に係るものを除
く。)で伐採区域の面積が1ヘクタール以下のもの
エ 森林である土地の区域外における木竹の伐採
【条例】・・・・・許可を要しない行為
第4条第2項第 11 号
次に掲げる木竹の伐採
ア 間伐、枝打ち、整枝等木竹の保育のために通常行われる木竹の伐採
イ 枯損した木竹又は危険な木竹の伐採
ウ 自家の生活の用にあてるために必要な木竹の伐採
エ 仮植した木竹の伐採
オ 測量、実地調査又は施設の保守の支障となる木竹の伐採
第4条第2項第 14 号
その他次に掲げる行為
イ 建築物の敷地内において行う次に掲げる行為
(イ) 高さが5メートル以下の木竹の伐採
【許可を要しない行為の判断基準】
許可を要しない行為の判断は、次に該当するもので、かつ現状又は写真確認等で行う。
(1) 測量、実地調査のための伐採は、必要最小限の範囲と認められること。
(2) 枝打ち、整枝等については、樹木の生育を損なわないこと。
(3) 「施設の保守の支障となる」伐採とは、次のものとする。
ア 空中線系、道路上空、河川上空等の占有に係る木竹の伐採
イ 既存の建築物や擁壁等の工作物、その他その土地に定着する既存施設の構造等に支
障を及ぼす恐れのある木竹の伐採
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【条例施行規則】・・・・・木竹の伐採に関する許可基準
第 24 条 条例第 10 条第1項第 12 号に規定する伐採の行われる土地及びその周辺の土地の
区域における風致の維持に支障を及ぼすおそれが少ないとは、次の各号に掲げる場合に応
じ、それぞれ当該各号に定める基準に該当するものをいう。
⑴ 条例第 10 条第1項第 12 号アに掲げる場合
ア 条例第4条第1項第1号又は第3号に掲げる行為に支障となる木竹の伐採に限られるも
のであること。
イ 原則として、巨木、銘木及び歴史的、植物学的、文化的又は記念的な木竹の伐採を伴わ
ないものであること。
ウ 条例第 10 条第1項第1号ウ(カ)、同項第2号ウ(カ)、同項第3号イ(ウ)又は同項第4号
イ(ウ)に規定する植栽等が行われること。
⑵ 条例第 10 条第1項第 12 号イ及びウに掲げる場合
ア 伐採する木竹が原則として伐期に達していること。
イ 伐採する木竹の下層にある木竹の成長を促進するために行う伐採であること。
⑶ 条例第 10 条第1項第 12 号エに掲げる場合
ア 原則として、巨木、銘木及び歴史的、植物学的、文化的又は記念的な木竹の伐採を伴わ
ないものであること。
イ その土地の管理上、やむを得ない必要最小限の伐採であること。
ウ 次のいずれかに該当するものであること。
(ア) 建築物の敷地内においては、伐採行為後の状態が別に定める基準を満たしているこ
と。
(イ) (ア)以外の場合においては、第 20 条の基準を満たしていること。
条例施行規則第 24 条第3号ウ(ア)に定める【別に定める基準】とは、以下のものをいいます。
条例施行規則第 16 条第1項第5号に定める「別に定める基準」と同一のものをいう。
【解釈と運用】
1
この規定は、風致地区内で行う木竹の伐採に関する基準です。
2
許可することができる木竹の伐採は、条例第 10 条第1項第 12 号の (ア)から(エ)までに掲げる
もののいずれかに該当するものです。
なお、木竹の保育のために通常行う間伐や枝打ち、建築物の敷地内で行う伐採で当該木竹
の高さが5メートル以下のもの、林業を営むために行う森林の択伐又は皆伐等については、許
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可を得る必要はありません。
3
建築物の新築等のために行う木竹の伐採は、必要最小限としてください。
4
巨木・銘木及び歴史的、植物学的、文化的又は記念的な木竹の伐採を伴わないこととしてい
ます。巨木・銘木は、当該地域の景観の形成上大きな要素となっている場合があるので、可
能な限り残すようにしてください。また、歴史的、植物学的、文化的又は記念的な木竹について
は、景観の形成とは関係がなくても、その樹木そのものが意味を持つものですので、これも同
様にできるだけ残すようにしてください。
5
巨木・銘木とは、風致・景観上特に優れた外観を有し、かつ次の項目のいずれかに該当する
ものとします。
(1) 公共施設や、社寺仏閣等の風致、景観上重要な建築物等の敷地、または隣接地にあり、
それら建築物と一体となり周辺風致や古都の歴史的風土の保存、維持に貢献する樹木であ
ること。
(2) 広く地域一般に親しまれ、シンボル、ランドマークとなっている樹木であること。
(3) 樹種、樹齢、樹容などの面で価値が高いと学術的に認められる樹木であること。
(4) 国県市から天然記念物の指定を受けているもの、またはその候補となっているもの。
6
森林とは、原則として、森林法第2条に規定されているものと同様であり、過去に宅地であっ
た建築敷地内の木竹の集団は含みません。ただし、木竹の集団で構成された土地で、30 年以
上建築物が存在しない土地については、森林として扱います。
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第7節 土石の類の採取
【条例】・・・・・許可基準
第 10 条第1項第 13 号
土石の類の採取については、当該採取の方法が露天掘りでなく、かつ、当該採取を行う土地
及びその周辺の土地の区域における風致の維持に支障を及ぼすおそれが少ないこと。ただし、
必要な埋戻し又は植栽等を行うことにより風致の維持に著しい支障を及ぼさない場合は、この
限りでない。
【条例】・・・・・許可を要しない行為
第4条第2項第 12 号
土石の類の採取で、その採取による地形の変更が第9号の宅地の造成等と同程度のもの
【条例施行規則】・・・・・土石の類の採取に関する許可基準
第 25 条 条例第 10 条第1項第 13 号に規定する土石の類の採取を行う土地及びその周辺の
土地の区域における風致の維持に支障を及ぼすおそれが少ないとは、 坑道掘りによる採
取においては、坑口が景観の損なわれない位置にあるとともに採取の終了及び休止時には、
必要な植栽等が行われるものであることとする。
【解釈と運用】
1
この規定は、風致地区内で行う土石類の採取に関する基準です。
2
許可することができる土石類の採取は、条例第 10 条第1項第 13 号に該当するものです。
3
露天掘りとは、坑道を作らずに地表から直接に掘り進んで採掘することをいいます。露天掘
りは、風致・景観に著しい影響を与える行為であることから、採取完了後の措置として必要な埋
め戻しを行い、かつ、植栽その他の修景を行うことにより風致の維持に支障を及ぼさないもの
を除いては、露天掘りは認められません。また、露天掘りの場合は、採取から埋め戻しまでの
計画が、申請の際に確実に定まっている必要があります。
P 51
第8節 屋外における物件の堆積
【条例】・・・・・許可基準
第 10 条第1項第 14 号
屋外における物件の堆積については、堆積の行われる土地及びその周辺の土地の区域に
おける風致の維持に支障を及ぼすおそれが少ないこと。
【条例】・・・・・許可を要しない行為
第4条第2項第 13 号
次に掲げる屋外における物件の堆積
ア 工事に必要な物件の堆積で、当該工事現場において当該工事の施工期間を超えないも
の
イ その他の物件の堆積で、面積が 60 平方メートル以下であり、かつ、高さが 1.5 メートル以下
であるもの
第4条第2項第 14 号イ
建築物の敷地内において行う次に掲げる行為
(ウ) 屋外における物件の堆積で、高さが3メートル以下のもの
【条例施行規則】・・・・・屋外における物件の堆積に関する許可基準
第 26 条 条例第 10 条第1項第 14 号に規定する堆積の行われる土地及びその周辺の土地の
区域における風致の維持に支障を及ぼすおそれが少ないとは、次のいずれにも該当するも
のをいう。
⑴ 堆積物の高さが、5メートル以下であること。
⑵ 堆積に係る敷地(堆積場及び車両の通路、事務所の敷地その他の堆積場と一体として利
用される土地をいう。)の面積は、500 平方メートル未満であること。
⑶ 敷地の外周に沿って、堆積物を遮蔽するに十分な塀又は植栽帯が設けられていること。た
だし、周辺に与える影響が少ないと認められる場合は、この限りでない。
⑷ 堆積期間が、原則として3年以内であること。
【解釈と運用】
1
この規定は、風致地区内で行う物件の堆積に関する基準です。
2
物件の堆積とは、建築資材や土砂等を積み上げる行為をいい、土地の利用の形態としては、
資材置場や残土の中継施設等がこれに当たります。
3
計画区域の面積は、500 平方メートル以下とされています。その中で、一の堆積面積の制限
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以内で、複数の堆積物を一の計画区域に設けることは可能です。
4
堆積物が周囲から直接見えることのないよう、塀や植栽による遮蔽措置を求めています。塀
の形態や意匠については、工作物等の基準に適合していなければなりません。住宅地などで
は、木製、擬石コンクリート又は砂状吹付けとするなど、周囲の建築物による景観と調和させる
よう努めてください。
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