フォシーガ錠5mg・10mg 添付文書改訂のお知らせ(2015年1月

医薬品の適正使用に欠かせない情報です。必ずお読み下さい。
《2015年1月》
選択的SGLT2阻害剤-2型糖尿病治療剤-
ダパグリフロジンプロピレングリコール錠
この度、フォシーガ錠5mg・10mgの【使用上の注意】を、厚生労働省医薬食品局安全対策課長通知により改訂を行
いました。また、「重要な基本的注意」の項の自主改訂を行いましたので、ご連絡申し上げます。
なお、新しい添付文書を封入した製品をお届けするのに日数を要すると存じますので、すでにお手元にございます製
品のご使用に際しましては、ここにご案内申し上げます改訂内容及び最新の添付文書(2015年1月改訂)をご参照
下さいますようお願い申し上げます。
記
1.改訂箇所
(1)行政指導による改訂(厚生労働省医薬食品局安全対策課長通知
・「慎重投与」の項に「脱水を起こしやすい患者」を追記致しました。
・「重大な副作用」の項に「脱水」を追記致しました。
(2)自主改訂
・「重要な基本的注意」の項の文言を一部変更致しました。
2.改訂内容
(1)行政指導による改訂(厚生労働省医薬食品局安全対策課長通知
改訂後(下線部は追記箇所)
1.
慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
(1) (2) (略)
(3) 脱水を起こしやすい患者(血糖コントロールが極めて不良の患
者、高齢者、利尿剤併用患者等)[本剤の利尿作用により脱水を
起こすおそれがある。(「重要な基本的注意(3)」及び「重大な副
作用」の項参照)]
(4) (5) (略)
1.
4.
副作用
(1) 重大な副作用
1) 2) (略)
3) 脱水(頻度不明):脱水があらわれることがあるので、適度な水
分補給を行うよう指導し、観察を十分に行うこと。口渇、多尿、
頻尿、血圧低下等の症状があらわれ脱水が疑われる場合に
は、休薬や補液等の適切な処置を行うこと。脱水に引き続き
脳梗塞を含む血栓・塞栓症等を発現した例が報告されている
ので、十分注意すること。(「慎重投与」及び「重要な基本的注
意(3)」の項参照)
4.
平成27年1月)
平成27年1月)
改訂前
慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
該当項目なし
副作用
(1) 重大な副作用
該当項目なし
該当項目のみ記載
<改訂理由>
国内において本剤との関連を否定できない重篤な脱水症例が報告され、一部の症例では脱水に引き続き脳梗塞等
の血栓・塞栓症を発現した症例が報告されました。 本剤を含むSGLT2阻害剤においては、薬剤の利尿作用による
体液量の減少が懸念されることから、「重要な基本的注意」の項に記載し注意喚起を行っておりましたが、本剤発売
後に重篤な脱水症例が報告されたことを踏まえ、本剤服用後の脱水とそれに引き続き発現するおそれのある血栓・
4 頁から 5 頁に改訂後の「使用上の注意」等の全文を記載していますので、併せてご参照下さい。
-1-
塞栓症に注意いただくため、「重大な副作用」の項に「脱水」を追記し、注意喚起を行うことと致しました。また、血糖コ
ントロールが極めて不良な患者や高齢者等の「脱水を起こしやすい患者」では、特に脱水の発現に留意する必要が
あることから、「慎重投与」に設定し、注意喚起することと致しました。
以下に国内で報告された脱水関連事象と脳梗塞を発現した症例の概要を紹介致します。
[症例概要](国内自発報告)
性・
年齢
患者
使用理由
(合併症)
副作用
1日投与量
投与期間
5mg
男・ 2型糖尿病
50代 (胆嚢ポリー 43日間
プ、高血圧)
経過及び処置
口渇、頻尿、多尿、脳梗塞
本剤投与12年前
本剤投与開始
本剤投与15日目
本剤投与42日目
本剤投与43日目
(投与中止日)
日時不明
中止13日後
中止14日後
中止21日後
中止58日後
2型糖尿病と診断された。
身長 173cm、体重 85kg
家族歴:父親・糖尿病、叔父・くも膜下出血。
2型糖尿病に対し本剤(5mg/日)追加投与開始。
頻尿、口渇、多尿を訴えていた。
午後4時頃、夏場、野外での農作業中に、左足の動きが悪く、左
下肢の脱力を自覚し、引きずるようになった。
起床時より左上肢にも症状が広がっていたため、午前中に病院
受診。
受診時、左上下肢の不全麻痺がみられた。
握力(右):29kg、握力(左):19kg。右きき。
左片足立ち不可、言語明瞭。
膝蓋腱反射:左亢進、アキレス腱反射:rt=lt、二頭筋腱反射:
rt=lt、三頭筋腱反射:rt=lt、意識正常。
脳梗塞疑いとして、他院に救急搬送し、脳卒中科緊急入院。
グリメピリド、アログリプチン安息香酸塩、ボグリボース、本剤にて
入院時HbA1c:7.3%であった。
意識レベルは清明で、血圧:187/82mmHgと高値を認めている
ほか、神経学的症状として歩行可、左片足立ち不可、左顔面感
覚異常があった。頭部MRIにて、橋右下部内側梗塞を認め、脳
幹梗塞であり、フォシーガは中止した。症状増悪の可能性もある
ため数日はNCU管理とし、アルガトロバン水和物、エダラボン、
補液にて加療開始。
入院中に糖尿病内科に併診にて、高血圧、糖尿病の内服コント
ロールを行っており、1600kcal、塩分6g制限にて栄養指導を実
施。概ね経過良好。
心機能評価等も行ったが特に異常は指摘できなかった。
糖尿病、高血圧による脳血管の動脈硬化が強いことが強く疑わ
れた。
血糖は良好に移行し、内服薬を減量、ミチグリニドカルシウム水
和物/ボグリボース配合錠1錠×3回/日(食直前)にてまずまず
の血糖のコントロールが得られていた。(血糖は朝104mg/dL、昼
141mg/dL、夕128mg/dL、眠前147mg/dL)
リハビリにてやや左に傾く傾向はあるが、自立歩行可のため、自
宅退院。
処 方 薬 : ク ロ ピ ド グ レ ル 75mg × 1 回 / 日 朝 食 後 、 カ プ ト プ リ ル
12.5mg×1回/日朝食後、アムロジピン5mg×2回/日朝夕食後、ミ
チグリニドカルシウム水和物/ボグリボース配合錠1錠×3回/日
食直前。
頻尿、口渇、多尿は回復。
不全麻痺もなく、患者は「自分では、脳梗塞発現以前の状態に
戻った感じがする」と話した。
既往歴、医薬品副作用歴、薬剤以外の併用療法:なし。
-2-
臨床検査値
収縮時血圧
拡張期血圧
HbA1c
(mmHg)
(mmHg)
(%)
血糖
(mg/dL)
握力
(kg)
投与開始
14日前
147
93
9.0
231
(朝食後90分)
-
投与43日目
(投与中止日)
187
82
7.3
投与
15日目
126
80
8.3
168
(空腹時血糖)
-
-
右:29, 左:19
中止
28日後
101
61
6.6
113
(朝食後120分)
-
中止
63日後
117
70
6.2
131
(朝食後150分)
-
併用薬:ボグリボース、エナラプリルマレイン酸塩、アムロジピンベシル酸塩、アログリプチン安息香酸塩、グリメピリド
:発現日
(2)自主改訂
改訂後(下線部は追記箇所)
2.
改訂前
重要な基本的注意
(1) (2) (略)
(3) 本剤の利尿作用により多尿・頻尿がみられることがある。また、体
液量が減少することがあるので、適度な水分補給を行うよう指導
し、観察を十分に行うこと。脱水、血圧低下等の異常が認められ
た場合は、休薬や補液等の適切な処置を行うこと。特に体液量
減少を起こしやすい患者(高齢者、腎機能障害のある患者、利
尿剤併用患者等)においては、脱水や糖尿病性ケトアシドーシ
ス、高浸透圧高血糖症候群、脳梗塞を含む血栓・塞栓症等の発
現に注意すること。(「慎重投与」、「相互作用」、「重大な副作
用」、「その他の副作用」及び「高齢者への投与」の項参照)
(4) (以下略)
2.
重要な基本的注意
(1) (2) (略)
(3) 本剤の利尿作用により多尿・頻尿がみられることがある。また、体
液量が減少することがあるので、適度な水分補給を行うよう指導
し、観察を十分に行うこと。脱水、血圧低下等の異常が認められ
た場合は、休薬や補液等の適切な処置を行うこと。体液量減少
を起こしやすい患者(高齢者、腎機能障害のある患者、利尿剤
併用患者等)においては、脱水や糖尿病性ケトアシドーシス、高
浸透圧高血糖症候群、脳梗塞を含む血栓・塞栓症等の発現に
注意すること。(「慎重投与」、「相互作用」、「その他の副作用」及
び「高齢者への投与」の項参照)
(4) (以下略)
該当項目のみ記載
<改訂理由>
「慎重投与」の項への追記に伴い、「体液量減少を起こしやすい患者」では「特に」本剤投与後の脱水や血栓・塞栓
症等の発現に注意いただく必要があるため、本文内の記載を整備致しました。
-3-
改訂後の使用上の注意
1.
2.
3.
利尿剤併用患者等)においては、脱水や糖尿病性ケトアシドー
シス、高浸透圧高血糖症候群、脳梗塞を含む血栓・塞栓症等
の発現に注意すること。(「慎重投与」、「相互作用」、「重大な副
作用」、「その他の副作用」及び「高齢者への投与」の項参照)
(4) 糖尿病の診断が確立した患者に対してのみ適用を考慮するこ
と。糖尿病以外にも耐糖能異常・尿糖陽性等、糖尿病類似の
症状(腎性糖尿、甲状腺機能異常等)を有する疾患があること
に留意すること。
(5) 本剤の適用はあらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、
運動療法を十分に行った上で効果が不十分な場合に限り考慮
すること。
(6) 本剤投与中は、血糖を定期的に検査するとともに、経過を十分
に観察し、常に投与継続の必要性について注意を払うこと。本
剤を3ヵ月投与しても効果が不十分な場合、より適切と考えられ
る治療を考慮すること。
(7) 投与の継続中に、投与の必要がなくなる場合があり、また、患者
の不養生、感染症の合併等により効果がなくなったり、不十分と
なる場合があるので、食事摂取量、血糖値、感染症の有無等に
留意の上、常に投与継続の可否、薬剤の選択等に注意するこ
と。
(8) 尿路感染及び性器感染を起こすことがあるので、症状及びその
対処方法について患者に説明すること。また、腎盂腎炎等の重
篤な感染症を起こすおそれがあるので、十分な観察を行うなど
尿路感染及び性器感染の発症に注意し、発症した場合には適
切な処置を行うとともに、状態に応じて休薬等を考慮すること。
(「重大な副作用」及び「その他の副作用」の項参照)
(9) 本剤の作用機序により、血糖コントロールが良好であっても尿中
ケトン体陽性又は血中ケトン体増加がみられることがある。患者
の症状、血糖値等の臨床検査値を確認し、インスリンの作用不
足によるケトン体増加と区別して糖尿病の状態を総合的に判
断すること。
(10) インスリン分泌能が低下している患者では、糖尿病性ケトアシド
ーシスの発現に注意すること。
(11) 排尿困難、無尿、乏尿あるいは尿閉の症状を呈する患者におい
ては、それらの治療を優先するとともに他剤での治療を考慮す
ること。
(12) 本剤投与による体重減少が報告されているため、過度の体重
減少に注意すること。
(13) 本剤とインスリン製剤との併用における有効性及び安全性は検
討されていない。
(14) 低血糖症状を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転
等に従事している患者に投与するときは注意すること。(「重大
な副作用」の項参照)
3. 相互作用
本剤は主として、UGT1A9によるグルクロン酸抱合により代謝され
る。(「薬物動態」の項参照)
併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
糖尿病用薬
糖尿病用薬との併用時には、 糖尿病用薬(特
スルホニルウレア剤 低血糖の発現に注意するこ に、インスリン製
チアゾリジン系薬剤 と 。 特に 、ス ルホ ニル ウ レ ア 剤又はスルホニ
ビグアナイド系薬剤 剤、速効型インスリン分泌促 ルウレア剤)との
α-グルコシダーゼ阻 進剤、GLP-1受容体作動薬 併用時には、低
害剤
又はインスリン製剤と併用す 血 糖 のリ ス クが
速効型インスリン分 る場合、低血糖のリスクが増 増加するおそれ
泌促進剤
加するおそれがある。これらの がある。
DPP-4阻害剤
薬剤による低血糖のリスクを
GLP-1 受 容 体 作 動 軽減するため、スルホニルウ
薬
レア剤、速効型インスリン分
インスリン製剤 等 泌促進剤又はインスリン製剤
の減量を検討すること。低血
糖症状が認められた場合に
は通常はショ糖を投与し、αグルコシダーゼ阻害剤との
併用により低血糖症状が認
められた場合にはブドウ糖を
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡の患者[輸液、インス
リンによる速やかな高血糖の是正が必須となるので本剤の投与は
適さない。]
重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリン注射
による血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない。]
【効能・効果】
2型糖尿病
<効能・効果に関連する使用上の注意>
1. 本剤は2型糖尿病と診断された患者に対してのみ使用し、1型糖
尿病の患者には投与しないこと。
2. 重度の腎機能障害のある患者又は透析中の末期腎不全患者で
は本剤の効果が期待できないため、投与しないこと。(「重要な基
本的注意(2)」及び「薬物動態」の項参照)
3. 中等度の腎機能障害のある患者では本剤の効果が十分に得ら
れない可能性があるので投与の必要性を慎重に判断すること。
(「重要な基本的注意(2)」、「薬物動態」及び「臨床成績」の項参
照)
【用法・用量】
通常、成人にはダパグリフロジンとして5mgを1日1回経口投与する。な
お、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら10mg1日1回に
増量することができる。
【使用上の注意】
1. 慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
(1) 中等度の腎機能障害のある患者(「重要な基本的注意(2)及
び(3)」及び「薬物動態」の項参照)
(2) 重度の肝機能障害のある患者[使用経験がなく安全性が確立
していない。(「薬物動態」の項参照)]
(3) 脱水を起こしやすい患者(血糖コントロールが極めて不良の患
者、高齢者、利尿剤併用患者等)[本剤の利尿作用により脱水
を起こすおそれがある。(「重要な基本的注意(3)」及び「重大な
副作用」の項参照)]
(4) 他の糖尿病用薬(特に、スルホニルウレア剤、速効型インスリン
分泌促進剤、GLP-1受容体作動薬又はインスリン製剤)を投与
中の患者[併用により低血糖を起こすおそれがある。(「重要な
基本的注意(1)」、「相互作用」、「重大な副作用」及び「臨床成
績」の項参照)]
(5) 次に掲げる患者又は状態[低血糖を起こすおそれがある。]
1) 脳下垂体機能不全又は副腎機能不全
2) 栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量
の不足又は衰弱状態
3) 激しい筋肉運動
4) 過度のアルコール摂取者
2. 重要な基本的注意
(1) 本剤の使用にあたっては、患者に対し低血糖症状及びその対
処方法について十分説明すること。特に、スルホニルウレア剤、
速効型インスリン分泌促進剤、GLP-1受容体作動薬又はインス
リン製剤と併用する場合、低血糖のリスクが増加するおそれが
ある。スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤又はイ
ンスリン製剤と併用する場合には、これらの薬剤による低血糖の
リスクを軽減するため、これらの薬剤の減量を検討すること。(「慎
重投与」、「相互作用」、「重大な副作用」及び「臨床成績」の項
参照)
(2) 本剤投与中に、血清クレアチニンの上昇又はeGFRの低下がみ
られることがあるので、腎機能を定期的に検査すること。腎機能
障害のある患者においては経過を十分に観察し、継続的に
eGFRが45mL/min/1.73m2 未満に低下した場合は投与の中止
を検討すること。(「慎重投与」、「その他の副作用」及び「臨床成
績」の項参照)
(3) 本剤の利尿作用により多尿・頻尿がみられることがある。また、体
液量が減少することがあるので、適度な水分補給を行うよう指
導し、観察を十分に行うこと。脱水、血圧低下等の異常が認めら
れた場合は、休薬や補液等の適切な処置を行うこと。特に体液
量減少を起こしやすい患者(高齢者、腎機能障害のある患者、
-4-
1~5%未満
薬剤名等
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
投与すること。(「重大な副作
用」、「薬物動態」及び「臨床
成績」の項参照)
血糖降下作用を増強 血糖降下作用が増強される 血 糖 降 下 作 用
する薬剤
ことがあるので、血糖値、その が増強される。
β遮断薬
他患者の状態を十分に観察
サリチル酸剤
しながら投与すること。
モノアミン酸化酵素
阻害剤 等
血糖降下作用を減弱 血糖降下作用を減弱させ、 血 糖 降 下 作 用
する薬剤
血糖値が上昇してコントロー が減弱される。
副腎皮質ホルモン ル不良になることがある。
甲状腺ホルモン
食後の血糖上昇が加わるこ
アドレナリン 等
とによる影響に十分注意する
こと。
併用時は血糖コントロールに
注意し、血糖値、その他患者
の状態を十分に観察しながら
投与すること。
利尿薬
本剤との併用により、利尿作 利 尿 作 用 が 増
ループ利尿薬
用が増強されるおそれがある 強される。
サイアザイド系利尿 ため、必要に応じ利尿薬の用
薬 等
量を調整するなど注意するこ
と。
4. 副作用
国内の臨床試験において、1012例中172例(17.0%)に副作用が
認められた。主な副作用は、頻尿36例(3.6%)、口渇18例(1.8%)、
性器感染17例(1.7%)、尿路感染17例(1.7%)等であった。(承認
時)
(1) 重大な副作用
1) 低血糖:他の糖尿病用薬(特にスルホニルウレア剤、速効型
インスリン分泌促進剤、GLP-1受容体作動薬)との併用で低
血糖があらわれることがある。また、他の糖尿病用薬と併用し
ない場合も、低血糖があらわれることがある。低血糖症状が
認められた場合には、糖質を含む食品を摂取するなど適切な
処置を行うこと。(「臨床成績」の項参照)
2) 腎盂腎炎(頻度不明):腎盂腎炎があらわれることがあるので、
観察を十分に行い、異常が認められた場合は投与を中止す
るなど適切な処置を行うこと。(「重要な基本的注意(8)」の
項参照)
3) 脱水(頻度不明):脱水があらわれることがあるので、適度な
水分補給を行うよう指導し、観察を十分に行うこと。口渇、多
尿、頻尿、血圧低下等の症状があらわれ脱水が疑われる場
合には、休薬や補液等の適切な処置を行うこと。脱水に引き
続き脳梗塞を含む血栓・塞栓症等を発現した例が報告され
ているので、十分注意すること。(「慎重投与」及び「重要な基
本的注意(3)」の項参照)
(2) その他の副作用
1~5%未満
1%未満
感染症
血液
消化器
筋・骨格系
皮膚
腎臓
便秘、口渇
頻尿
腎 機 能障 害、 排尿 困
難、尿量増加
頭痛、振戦、めまい
眼乾燥
眼
循環器
下痢
背部痛
発疹
精神神経系
生殖器
1%未満
ヘマトクリット増加
陰部そう痒症
高血圧
倦怠感、体重減少
その他
5. 高齢者への投与
(1) 一般に高齢者では、生理機能が低下しているので、患者の状態
を観察しながら慎重に投与すること。(「重要な基本的注意(3)」
の項参照)
(2) 高齢者では脱水症状(口渇等)の認知が遅れるおそれがあるの
で、注意すること。
6. 妊婦、産婦、授乳婦等への投与
(1) 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には本剤を投与せ
ず、インスリン製剤等を使用すること。[妊娠中の投与に関する
安全性は確立されていない。動物実験(ラット)において、ヒトの
妊娠中期及び後期にあたる期間の曝露及び生後21日~90日
の曝露により、出生児及び幼若動物に腎盂及び尿細管の拡張
が認められたとの報告がある。また、本薬の動物実験(ラット)で
胎児への移行が報告されている。]
(2) 授乳中の婦人には投与することを避け、やむを得ず投与する場
合は授乳を中止させること。[ラットで乳汁中への移行が報告さ
れている。]
7. 小児等への投与
小児等に対する安全性及び有効性は確立していない(使用経験
がない)。
8. 臨床検査結果に及ぼす影響
本剤の作用機序により、本剤服用中は尿糖陽性、血清1,5-AG
(1,5-アンヒドログルシトール)低値を示す。尿糖及び血清1,5-AG
の検査結果は、血糖コントロールの参考とはならないので注意する
こと。
9. 適用上の注意
薬剤交付時:
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する
こと。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、
更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発するこ
とが報告されている。]
10. その他の注意
国内外の臨床試験の併合解析において、全ての悪性腫瘍の発現
割合は本剤群と対照群で同様であったが、膀胱癌及び乳癌では
本剤群で多い傾向が認められた。しかしながら、投与開始から膀
胱癌及び乳癌の診断までが短期間であったことから、いずれの腫
瘍においても本剤との因果関係は確立されておらず、非臨床試験
においても発癌性あるいは変異原性は認められていない。
性 器 感 染( 腟 カン ジ ダ症
等)、尿路感染(膀胱炎
等)
下線部改訂箇所
-5-
この改訂内容につきましては、日本製薬団体連合会発行の「DRUG SAFETY UPDATE(DSU)医薬品安全対策
情報 No.236(2015年1月発行予定)」に掲載されます。
「医薬品医療機器情報提供ホームページ」(http://www.info.pmda.go.jp/)に最新添付文書並びにDSUが掲載さ
れます。
問合せ先
アストラゼネカ株式会社 メディカルインフォメーションセンター
〒530-0011 大阪市北区大深町3番1号
0120-189-115 Fax 06-6453-7376
DI420ハ
小野薬品工業株式会社 医薬情報部 くすり相談室
〒541-8564大阪市中央区久太郎町1丁目8番2号
電話 0120-626-190
-6-