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1.放射線部門QI概要および採算性・技術に関する指標

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放射線部門
QI(Quality Indicator)について
全国病院経営管理学会
診療放射線業務委員会 委員
医療法人社団 哺育会
桜ヶ丘中央病院 放射線科 泉谷 智
はじめに
近年、臨床指標(CI:Clinical Indicator)として
診療・治療実績や感染・安全に関するデータを
公表している施設が増えている。これらデータ
は医療の質を改善する目的で用いられており、
今後は放射線部門においてもCIと同様に、様々
な情報を数値化・可視化していく必要があると
考える。そこで今年度、診療放射線業務委員会
では放射線部門の指標について検討した。
CI(Clinical Indicator)
臨床指標とは
病院の様々な機能や診療の状況などを数値化、
可視化し、定期的に分析・評価を行うことで、医療
の質向上に役立てようとするもの。
ホームページで公表している施設も増えつつある。
・再入院率、術後再手術率、術後生存率、剖検
率、褥瘡発生率、転倒転落率、PCI後24時間以
内の院内死亡率、入院となった脳血管障害患者
における頭部CT検査施行までに要した時間
etc・・
臨床指標の公表についての現状
東京都のCT保有施設(参考文献:新医療2013:10)の中から無作為に
抽出し、ホームページに臨床指標を公表しているか独自に調査
病床数別割合
病床数範囲
施設数
100床~200床未満
24
100床未満
18
200床~400床未満
28
400床~600床未満
16
600床~
総計
600床~
5%
400床~
600床未
満
18%
100床~
200床未
満
26%
5
91
200床~
400床未
満
31%
100床未
満
20%
臨床指標の公表についての現状
診療形態別割合
施設形態
一般
施設数
71
回復期
2
精神
6
専門
7
療養
5
総計
91
精神
7%
専門
8%
療養
5%
回復期
2%
一般
78%
臨床指標の公表についての現状
放射線部門に関連する指標の掲載状況
部門関連掲載
放射線部門についての掲載
施設数
無し
76
有り
15
総計
91
80
70
60
50
40
30
20
10
0
84%
26%
無し
有り
うち、12施設は検査件数データのみ
3施設で下記項目をそれぞれ掲載していた →全体の約3%
●認定者数
●学会発表数・内容
●放射線科医による読影レポート作成に24時間以上かかった件数の割合
放射線部門の質評価
様々な情報を
他施設との比較
数値化・可視化
目標設定・改善
当委員会では放射線部門の質の指標という意味
で名称をQI(Quality Indicator)とした。
放射線部門QIの選定
1.候補の作成
2.評価目的と根拠
3.測定の容易さ
4.施設間比較可能か
放射線部門QIの選定
1.候補の作成
2.評価目的と根拠
3.測定の容易さ
4.施設間比較可能か
医療の質の定義・評価方法
ドナベティアンの医療評価の3つの視点
1.構造(ストラクチャー)
設備、人的資源(専門資格者の配置)、医療機能
2.過程(プロセス)
診療技術の良し悪しや、理想的・標準的な手順
3.結果(アウトカム)
結果としての患者の状態、治癒、改善、患者満足度
放射線部門の指標について
臨床指標(CI):結果としての患者の状態や
治癒、治療の質も評価対象としている
放射線部門の指標:患者の状態や治癒・改善は含
めず、技師の視点から施設選択をする上でも参考
になるような、放射線技術部門の質が評価・推察で
きるような項目・内容とする。
1.候補の作成
治療実績などは含めず、主に放射線技術部門の質に関わ
る内容の指標項目および診療実績も候補とし、また、現在
一部の施設で既に使用されている項目も含めて作成し、
以下の項目ごとに分類した。
●採算性
●学術・教育 ●安全性
●技術
●サービス
●職場風土
●精度管理
放射線部門QIの選定
1.候補の作成
2.評価目的と根拠
3.測定の容易さ
4.施設間比較可能か
2.評価目的と根拠
■ 評価目的
・ベンチマークとしての利用
・質を評価または推察できる内容か
■ 根拠
・ガイドラインやガイダンスレベルなど
・診療報酬に反映されている
すべての数値に根拠を求めることは難しいが、
将来的には当委員会で集積したデータが施設間
比較時の根拠となる標準データとしたい
放射線部門QIの選定
1.候補の作成
2.評価目的と根拠
3.測定の容易さ
4.施設間比較可能か
3.測定の容易さ
 評価項目は、あまり多くないこと。
 測定し易いこと。
煩雑すぎる作業では、参加協力が難しくなる。
ただし、質評価に有用な項目ほど算出は煩雑
となりやすいか
放射線部門QIの選定
1.候補の作成
2.評価目的と根拠
3.測定の容易さ
4.施設間比較可能か
4.施設間比較が可能か
ベンチマークとするためには、算出に使
用するデータの定義や期間範囲、計算式
など、施設ごとに共通のロジックを用いて
算出する必要がある。
今後のQI調査について
項目内容の精査、決定
協力施設へ調査書を配布・回収
データ分析
結果のフィードバック
今後のQIデータ調査にご協力お願いします。
Quality Indicator
採算性・技術に関する指標
全国病院経営管理学会
診療放射線業務委員会 委員
医療法人社団 哺育会
桜ヶ丘中央病院 放射線科 泉谷 智
採算性および技術
機器稼働件数
共同利用率
後発造影剤使用率
各種届出状況
造影検査率
再撮影率
機器稼働件数
指標の説明
効率的に機器を稼動させることで検査までの待ち時間・予約待ち日数
を短縮させることが可能となり、患者サービスの向上に寄与する。また
高額な医療機器は経済的観点から稼働率を上げる必要があり、経済
効果の指標となる。
対象
CT、MRI、PET・PET/CT、RI
(救急や治療などの限定された目的の機器は除く)
算出方法
モダリティ別、機器1台あたりの年間平均検査件数
(前年度データで算出。難しい場合は平均的な月の12倍でも可)
「年間検査件数/台」
施設1
施設2
施設3
施設4
施設5
施設6
施設7
施設8
年間検査件数
設置台数
稼動件数(/台・年)
年間検査件数
設置台数
稼動件数(/台・年)
年間検査件数
設置台数
稼動件数(/台・年)
年間検査件数
設置台数
稼動件数(/台・年)
年間検査件数
設置台数
稼動件数(/台・年)
年間検査件数
設置台数
稼動件数(/台・年)
年間検査件数
設置台数
稼動件数(/台・年)
年間検査件数
設置台数
稼動件数(/台・年)
CT
31353
2
15677
20138
2
10069
5143
1
5143
14965
38210
3
12737
3324
1
3324
22574
3
7525
19200
2
9600
MRI PETPET/CT
12638
2
6319
8172
2
4086
4053
1
4053
7081
11141
2
5571
1412
1
1412
10836
2
5418
6800
1
6800
10585
4010
2
2005
276
1
276
RI
1824
2
912
1041
2
521
1059
1300
1
1300
500
1
500
CT年間総件数
45000
40000
35000
30000
25000
20000
15000
10000
5000
0
施設1
施設2
施設3
施設5
施設6
施設7
施設8
施設6
施設7
施設8
CT1台あたり件数
18000
16000
14000
12000
10000
8000
6000
4000
2000
0
施設1
施設2
施設3
施設5
後発造影剤使用率
指標の説明
医療費が年々増加していく中で、ジェネリック造影剤を使用することは
医療費を減少させる上で必要であり、これは同時に患者負担を軽減し、
サービス性を高めようと努力をしているかを推察する指標となる。また、
ジェネリック造影剤を使用することで支出を削減可能である。従ってジェ
ネリック造影剤使用率は経済効果を推察する指標ともなる。
対象
CT・MRI・血管造影(アンギオ・心カテ等)
算出方法
モダリティ別の造影検査数に占めるジェネリック造影剤使用検査数の割合
(前年度データで算出。難しい場合は平均的な月の12倍でも可)
「ジェネリック造影剤使用検査数/造影検査数×100」
CT
施設1
2472
0
0
総造影件数
7963
1806
1514
後発医薬品使用率
31.0%
0.0%
0.0%
945
0
1170
総造影件数
7150
884
1254
後発医薬品使用率
13.2%
0.0%
93.3%
0
0
37
48
0.0%
0.0%
後発医薬品使用率
43.9%
13.3%
ジェネリック造影件数
9905
0
1243
総造影件数
9905
1537
1244
100.0%
0.0%
99.9%
ジェネリック造影件数
147
0
総造影件数
764
53
19.2%
0.0%
825
152
2568
総造影件数
6489
982
4236
後発医薬品使用率
12.7%
15.5%
60.6%
500
100
0
総造影件数
8400
600
600
後発医薬品使用率
6.0%
16.7%
0.0%
ジェネリック造影件数
施設3
血管造影
ジェネリック造影件数
ジェネリック造影件数
施設2
MRI
総造影件数
後発医薬品使用率
ジェネリック造影件数
施設4
施設5
総造影件数
後発医薬品使用率
施設6
後発医薬品使用率
ジェネリック造影件数
施設7
ジェネリック造影件数
施設8
CTにおけるジェネリック造影剤使用率
100.0%
90.0%
80.0%
70.0%
60.0%
50.0%
40.0%
30.0%
20.0%
10.0%
0.0%
施設1
施設2
施設3
施設4
施設5
施設6
施設7
施設8
血管造影におけるジェネリック造影剤使用率
MRIにおけるジェネリック造影剤使用率
100.0%
100.0%
90.0%
90.0%
80.0%
80.0%
70.0%
70.0%
60.0%
60.0%
50.0%
50.0%
40.0%
40.0%
30.0%
30.0%
20.0%
20.0%
10.0%
10.0%
0.0%
0.0%
施設1
施設2
施設3
施設4
施設5
施設6
施設7
施設8
施設1
施設2
施設5
施設7
施設8
造影検査率
指標の説明
急性期患者やがん患者など積極的な診断・治療が必要な場合、造影剤
を使用した複雑で難易度の高い検査を行うことも多いと考えられ、質の
高い検査を行っていることが推測できる指標となる。
対象
CT・MRI
算出方法
モダリティ別の総検査数に占める造影検査の割合。
(前年度データで算出。難しい場合は平均的な月の12倍でも可)
「造影剤使用検査数/総検査数×100」
CT
造影件数
施設1
施設2
7963
1806
総検査件数
31353
12638
造影検査率
25.4%
14.3%
造影件数
7150
884
総検査件数
20138
8172
造影検査率
35.5%
10.8%
37
48
総検査件数
5143
4053
造影検査率
0.7%
1.2%
造影検査率
42.0%
21.1%
造影件数
9905
1537
総検査件数
38210
11141
造影検査率
25.9%
13.8%
764
53
総検査件数
3324
1412
造影検査率
23.0%
3.8%
造影件数
6489
982
総検査件数
22574
10836
造影検査率
28.7%
9.1%
造影件数
5900
670
総検査件数
19200
6800
造影検査率
30.7%
9.9%
造影件数
施設3
MRI
造影件数
施設4
施設5
総検査件数
造影件数
施設6
施設7
施設8
造影検査率
45.0%
40.0%
35.0%
CTの精神・療養除く平均:30.2%
30.0%
CTの全体平均:26.5%
MRI
25.0%
20.0%
15.0%
主に
精神
療養
10.0%
5.0%
0.0%
施設1
施設2
施設3
施設4
施設5
施設6
施設7
CT
施設8
共同利用率
指標の説明
共同利用検査を推進することは、稼働率の向上による経済効果および
病診連携による地域への医療サービスの提供という観点で医療機能と
しての指標となる。
対象
CT、MRI、PET・PET/CT、RI
算出方法
総検査件数に占める検査を目的とした別の医療機関(同一法人からの
ものは除く)からの依頼により検査を行った症例数
(前年度データで算出。難しい場合は平均的な月の12倍でも可)
「別の医療機関からの依頼により検査を行った症例数/総件数×100」
CT
共同利用件数
施設1
施設2
RI
206
451
127
総検査件数
31353
12638
1824
共同利用率
0.66%
3.57%
6.96%
共同利用件数
1132
964
97
総検査件数
20272
8172
1041
共同利用率
5.58%
11.80%
9.32%
114
291
総検査件数
5143
4053
共同利用率
2.22%
7.18%
共同利用率
0.03%
0.85%
0.03%
共同利用件数
1053
865
2366
総検査件数
38210
11141
4010
共同利用率
2.76%
7.76%
59.00%
16
69
総検査件数
3324
1412
共同利用率
0.48%
4.89%
共同利用件数
1201
1354
30
総検査件数
22574
10836
1300
共同利用率
5.32%
12.50%
2.31%
700
300
10
総検査件数
19200
6800
500
共同利用率
3.65%
4.41%
2.00%
共同利用件数
施設3
PET
PET/CT
MRI
共同利用件数
施設4
施設5
総検査件数
共同利用件数
施設6
施設7
共同利用件数
施設8
0.88%
CT/MRI共同利用率
20.00%
18.00%
16.00%
14.00%
12.00%
10.00%
CT
MRI
MRI平均:6.62%
8.00%
6.00%
4.00%
CT平均:2.59%
2.00%
0.00%
施設1
施設2
施設3
施設4
施設5
施設6
施設7
施設8
PET/PET-CT、RI共同利用率
70.00%
60.00%
50.00%
PET
PET/CT
RI
40.00%
30.00%
20.00%
RI平均:4.29%
10.00%
0.00%
施設1
施設2
施設3
施設4
施設5
施設6
施設7
施設8
施設基準
画像診断管理加算
外来放射線治療加算
CT撮影・MRI撮影
放射線治療専任加算
冠動脈CT撮影加算
高エネルギー放射線治療
心臓MRI撮影加算
強度変調放射線治療
PET撮影/PET・CT撮影 画像誘導放射線治療加算
外傷全身CT
体外照射呼吸性移動対策加算
大腸CT撮影
定位放射線治療
定位放射線治療呼吸性移動対策加算
外傷全身CT加算
(日本診療放射線技師会、診療報酬政策検討委員会の調査より抜粋)
a.外傷全身CT撮影加算を算定していますか。(n=1142)
外傷全身CT加算を算定している施設は114と少数であった、これは施設基準に
「救命救急センターを有している病院であること」の条件があるため算定が
難しいことが影響している。
検査を行っている施設466、
うち算定施設114、→約24%
放射線治療に関する加算
(日本診療放射線技師会、診療報酬政策検討委員会の調査より抜粋)
外来放射線治療加算について(n=81)
a.外来放射線治療加算の届出が出来ない理由をお聞かせください。
治療経験5年以上の放射線治療医や専従の看護師が配置されていない
ことが理由となっていた。
再撮影率
指標の説明
一般撮影業務・MMG撮影業務において発生する再撮影は、患者の被ばく、
作業時間および労力を増大させ、また信用の損失を与えていると考えられる。
これらのインシデントについて原因分析し、改善する指標となる。
対象
一般撮影、MMG、ポータブル病室撮影、ポータブル手術室撮影
算出方法
対象検査毎の総曝射数に占める写損数の割合(再撮影は技師の判断による
ものも含み、角度違いやズレなどの再撮影基準は各施設での設定に準じる)
(1年に1回、1週間以上のデータ収集)
「写損数/総曝射数×100」
一般撮影
写損数
施設1
病室撮影
手術室撮影
510
8
2
総曝射数
13745
1888
160
再撮影率
3.71%
0.42%
1.25%
34
0
0
総曝射数
867
63
4
再撮影率
3.92%
0.00%
0.00%
2.90%
0.50%
0.00%
写損数
施設2
MMG
写損数
施設3
総曝射数
再撮影率
写損数
施設4
431
16
5
10
総曝射数
8329
530
401
531
再撮影率
5.17%
3.02%
1.25%
1.88%
230
9
2
0
総曝射数
2967
121
85
27
再撮影率
7.75%
7.44%
2.35%
0.00%
99
2
34
19
総曝射数
1154
118
200
115
再撮影率
8.58%
1.69%
17.00%
16.52%
写損数
施設5
写損数
施設6
測定不可の理由と課題
●RISや処理装置データを用いて再撮影をカウント
する仕組みがない。
継続的な測定のためには、撮影ログの出力方法
をメーカーに問い合わせていただく。
●手作業でのカウントは労力が大きい。
1週間程度のデータ収集が難しい場合は更に短
期間での収集でも可とすることも必要か。
●手作業で行うにしても、自己申告となるために、
データの信頼性に欠ける。
個人の評価に影響しないことを伝えて、データを
収集してもらう。
一般撮影の再撮影率
10.00%
9.00%
8.00%
7.00%
平均:5.34%
6.00%
5.00%
4.00%
3.00%
2.00%
1.00%
0.00%
施設1
施設2
施設3
施設4
施設5
施設6
施設5
施設6
MMGの再撮影率
10.00%
9.00%
8.00%
7.00%
6.00%
平均:4.05%
5.00%
4.00%
3.00%
2.00%
装置無し
1.00%
0.00%
施設1
施設2
施設3
施設4
病室撮影/手術室撮影の再撮影率
25.00%
20.00%
15.00%
病室撮影
手術室撮影
10.00%
5.00%
病室撮影の平均:3.59%
OPE撮影の平均:3.28%
0.00%
施設1
施設2
施設3
施設4
施設5
施設6
おわりに
●採算性および技術に関する指標は以上の5項目
に絞られたが、今後は全体のバランスも考慮に入れ
ながら、さらに項目数を減らしていく可能性がある。
●これら指標項目は他の施設との比較によって、自
施設の位置が認識でき、さらなる改善目標も設定も
しやすくなるため、QIの定期的な測定は部門運営に
おいて有用と考える。
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