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Biacore 3000 (Ver.3) 取扱説明書

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Biacore 3000(Ver.3)日本語取扱説明書
Biacore 3000
Ver.3
Instrument Handbook
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Web
日本語取扱説明書
2009 GE ヘルスケア バイオサイエンス株式会社 本書の全部または一部を無断で複写複製することは、著作権法上の例外を除き、禁じられています。
掲載されている製品は試験研究用以外には使用しないでください。掲載されている内容は予告なく変更される場合がありますのであらかじめご了承ください。
掲載されている社名や製品名は、各社の商標または登録商標です。
JJ-3012-01
(71-3128-32)
目 次
1. セットアップ
1-1 電源およびソフトウェアの起動
1
1
1)電源の立ち上げおよび緩衝液の準備
1
2)BIACORE コントロールソフトウェアの起動
2
1-2 システムの初期化
3
1)Dock(センサーチップの挿入)
3
2)Prime
5
3)ラックベースの設定
7
4)温度設定
9
5)Normalize
10
11
2. 基本操作
2-1 サンプルのインジェクト
11
2-2 レポートポイントの取り方
14
2-3 ファイルの保存
17
3.リガンドの固定化
18
3-1 プレコンセントレーションの検討(マニュアル操作)
21
3-2 プログラム操作によるリガンドの固定化
24
1)ファイルの呼び出し
24
2)Method の編集
28
3)エラーの検索
29
4)プログラムの実行
30
5)プログラムの終了
32
3-3 MANUAL
INJECT を用いた固定化量の調節方法
4. 相互作用の検討
35
40
4-1 マニュアル操作による相互作用の検討
41
4-2 プログラムによる相互作用の検討
50
1)ファイルの呼び出し
5
2)Method の編集
52
3)エラーの検索
52
4)プログラムの実行
52
5)プログラムの終了
52
4-3 ファイルの保存様式
53
5. シャットダウン
54
5-1 実験の終了
54
5-2 センサーチップの抜き取り(Undock)
55
5-3 センサーチップの保存
55
6. メンテナンス
56
6-1 メンテナンス
56
6-2 Air の除去
57
6-3 流路系に詰まりがあるとき
58
6-4 システムチェック
59
62
7. データ管理
1)My Computer から作成する方法
62
2)Explore から作成する方法
63
8.プログラムの説明
64
ステップ1)
MAIN ボックス
64
ステップ2)
APROG ボックス
65
ステップ3)
レポートポイント
68
ステップ4)
DETECTION と FLOWPATH
72
ステップ5)
固定化のプログラム
75
ステップ6)
相互作用のプログラム
82
9.Application Wizard を使用した実験方法
9-1 Surface preparations
87
89
9-1-1 pH スカウティング
89
9-1-2 Immobilization(固定化操作)
96
9-1-3 Regeneration scouting(再生条件検討実験)
111
9-1-4 Surface performance test
117
9-2 Binding analysis(特異的結合実験)
9-3 Kinetic analysis
122
128
9-3-1 Concentration series
128
9-3-2 Control experiments(各種コントロールの実験)
135
1)Mass transfer control
135
2)Linked Rreaction のチェック
140
9-4 Customer Application wizard
145
9-4-1 アイコンの説明
146
9-4-2 基本操作
147
ステップ1)1 個のアナライトについての分析
147
ステップ2)複数個のアナライトについての分析
158
ステップ3)If/Then を使用した再生の操作省略
162
ステップ4)実験途中で流路(FLOWPATH)や流速を変更する
164
ステップ5)濃度測定
166
9-5 Wizard Template について
172
1) アルデヒドカップリング法
173
2) HPA センサーチップカップリング法
178
3) リガンドチオールカップリング法
183
1.セットアップ
1
1.セットアップ
1-1. 電源およびソフトウェアの起動
1)電源の立ち上げおよび緩衝液の準備
電源安定化装置 → プリンター → モニター画面 → システム本体 → コンピ
ューター の順番に電源を入れる。
本体のフロントパネル上の左にあるインジケータ(ライト)が点灯し、30 秒程
でリセット後、新たに必要事項のみが点灯あるいは点滅する。
↓
Biacore 本体のドアを開け、本体右側下部の細い 2 本のインレットチューブをラ
ンニング緩衝液のボトルに入れ、太いシリコンチューブを廃液入れの空ボトル
に入れる。
装置の配置
サンプルバイヤル
センサーチップを
入れる場所
インジケーター
電源
廃液入れ
ランニング緩衝液
Biacore®3000
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2
1.セットアップ
2)コントロールソフトウェアの起動
モニターの初期画面中左下のスタートを押し、BIA programs をクリックし、
Biacore 3000 Control Software のアイコン(
)をク
リックする。
画面の説明
● Menu bar
BIACORE の全ての操作コマンドが含まれている。
● Toolbar
使用頻度の高いコマンドをアイコン化しており、簡便にコマンド操作を選択できる。
● Sensorgram window
センサーグラムをリアルタイムに表示。
● Report point table
指定した時間におけるレスポンスを数字で表示。結合量の表示等に使用。
● Eventlog window
測定中の操作内容を表示。グラフの X 軸上の(▲)と対応。
● Status window
現在のシステムの状態を表示。
時間、レスポンス(RU)
、流速、使用フローセル、温度、Run 実行状態
Biacore®3000
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1.セットアップ
3
1-2. システムの初期化
1)Dock(センサーチップの挿入)
ソフトウェアを立ち上げると Dock ボックスに自動的が表示される。
↓
黒のカバーを開け、コンベアを手前に引く。コンベアによって引かれてきたガ
イドピンにセンサーチップシートのホールが入るようにセンサーチップをセッ
トし、コンベアを押し込み、カバーを戻す。
(フロントパネルのインジケータの Sensor chip のシグナルが緑色に点滅する)
↓
Dock ボックスの Dock をクリックする。
(フロントパネルのインジケータの Sensor chip のシグナルが緑色の点灯に変わ
る)
Biacore®3000
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4
1.セットアップ
Dock 操作における注意事項・解説
①各種のセンサーチップは同様に Dock することができる。
②センサーチップの交換は必ず Undock の状態で行う。インジケータの Sensor chip が Dock
状態(本体シグナルが緑色の点灯時)に、強引にセンサーチップを抜かないこと。
③センサーチップ内のプラスチックシートがセンサーチップのカバーにしっかり収まって
いることを確認してから挿入する。
④センサーチップを冷蔵庫から取り出した場合には、室温に戻した後、包装あるいは容器
から取り出すようにする。
センサーチップには以下の種類がある。
(1)
CM5: カルボキシルメチルデキストランをコーティングしたチップ。アミンカップリ
ング、チオールカップリング、アルデヒドカップリング等の固定化に利用する汎用性
の高いチップ。
Research Grade:ロット間の誤差が 15%以下のチップ。通常の実験に使用できる。
Certified Grade:ロット間の誤差が 5%以下のチップ。品質管理等で長期にわたる精密な
実験を組む場合等に使用する。
(2)
CM4: CM5 のカルボキシルメチルデキストラの導入量を減少させたチップ。カルボキシ
ル基にイオン交換的に非特異的結合する塩基性物質を含むサンプルを用いる場合に使
用する。
(3)
CM3: CM5 のカルボキシルメチルデキストラを短くしたチップ。巨大分子(細胞、細
菌、ファージ等)の固定化や、添加して相互作用測定を行う場合に利用する。
(4)
C1: 金表面に直接カルボキシル基のみを導入したチップ。CM3 と同様に、巨大分子(細
胞、細菌、ファージ等)を用いる場合に使用する。比較的非特異的結合が多い。
(5)
SA: ストレプトアビジンをあらかじめ固定化してあるカルボキシルメチルデキストラ
ンベースのチップ。ビオチン化した DNA、ペプチド、化合物等ビオチン化分子の固定
化に使用する。
(6)
NTA: NTAをあらかじめ固定化してあるカルボキシルメチルデキストランベースのチッ
プ。ヒスチジンタグを持つ発現タンパク質(His-Tag Fusion Protein)をNi2+を介して固
定化できる。
(7)
HPA: 金表面にオクタデシル基(C18)を導入したチップ。疎水性の高い表面で、リン
脂質や糖脂質などをリポソームとして添加することで、単層(Monolayer)で固定化で
きる。
(8)
L1: 疎水性分子をあらかじめ固定化してあるカルボキシルメチルデキストランベース
のチップ。リン脂質や糖脂質などをリポソームとして添加することで、2 重膜(Bilayer)
で固定化できる。糖脂質、リン脂質や膜貫通型レセプター等の固定化に使用できる。
Biacore®3000
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1.セットアップ
5
2) Prime
Dock 操作終了後、自動的に Working Tools の Prime が選択される。
緩衝液および廃液入れを確認後、Start…をクリックする。
↓
内容を確認後、Start をクリックする。
↓
Prime 終了後、Exit をクリックする。
Biacore®3000
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6
1.セットアップ
Prime における注意事項・解説
このボックスは、Tools → Working Tools の操作で開くことができる。
実験途中でランニング緩衝液を交換する場合には、Working Tools を開いて Prime を行う。
Prime は、新しくセンサーチップをセットした時やランニング緩衝液を交換した時に行い、
ポンプやマイクロ流路系,オートサンプラー等をランニング緩衝液で洗浄、置換する操作で
ある。
ランニング緩衝液として、弊社から HBS 緩衝液を発売している。
HBS-EP
10 mM HEPES pH 7.4/0.15 M NaCl/3 mM EDTA/0.005 % Surfactant P 20(pH7.4)
フィルターろ過、脱気済み
HBS-P
10 mM HEPES pH 7.4/0.15 M NaCl/0.005 % Surfactant P 20(pH7.4)
フィルターろ過、脱気済み
HBS-N
10 mM HEPES pH 7.4/0.15 M NaCl(pH7.4)
フィルターろ過、脱気済み
実験目的にあわせ、緩衝液の変更は自由であるが、各自で調製した場合には、0.22 μm フィ
ルターでろ過を行い、さらに十分脱気を行う。また、CM5 センサーチップ使用の場合は、
リガンドの固定化終了時まで、アミン系の緩衝液(トリスあるいはグリシン緩衝液等)は使用
しない。
Biacore®3000
Instrument Handbook
1.セットアップ
7
3)ラックベースの設定
Biacore 本体にセットしてあるラックベースの設定を行う。
Command → Rack Base…をクリックする。
↓
ラックに変更がある場合には、▼をクリックしラックを選択する。
↓
ラック設定後 OK をクリックする。
各ラックと使用できるバイアルについては、8 ページを参照すること。
Biacore®3000
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8
1.セットアップ
ラックベース設定における注意事項・解説
ラックベースは向かって左側が Rack Base1、右側が Rack Base2 となる。
各ラックは次のバイアルがセットできる。
・ Thermo_A
7 mm プラスチックバイアル
9 mm ガラスバイアル
0.5 ml 容エッペンチューブ
16 mm ガラスバイアル
・ Thermo_B
9 mm のガラスバイアル
0.5 ml 容エッペンチューブ
・ Thermo_C
2 ml プラスチックバイアル
1.5 ml 容エッペンチューブ
・ MICRO
96 穴のマイクロタイタープレート
中央のラックベースには洗浄溶液専用のラック(リージェントラック)がセットできる。
・ Reag_A
16 mm ガラスバイアル
2 ml プラスチックバイアル
1.5 ml 容エッペンチューブ
ラックのサンプルの位置は以下のように指定される。
ラックベースは向かって左側が Rack Base1、右側が Rack Base2 となる。たとえば、右側の
ラックの “f” の列の 2 番目のサンプル(黒く塗りつぶした位置)は、r2f2 となる。マイクロ
タイタープレート(96 穴)の場合にも同様な方法で設定する。なお、Reag_A での位置の設
定は、手前から RR1,RR2,RR3…である。
Biacore 社純正以外のバイアルを使用する場合の注意事項
① バイアルの底がラックの穴の底に届くものを使用する。
② ニードルはラックの穴の中央に下りる。バイアルのエッジがぶつからないものを使用す
る。
③ 蓋付のバイアルは、蓋を取るかニードルがぶつからないように注意する。
④ バイアルの高さは 5cm 以下のものを使用する。
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1.セットアップ
9
4)温度設定
フローセルを含む検出器部位の温度の設定を行う。
Command → Set Temperature…をクリックする。
↓
4 ~40 ℃の範囲で設定し、OK をクリックする。
温度設定における注意事項・解説
① 温度設定は 4~40℃で設定できる。
②設定温度に達していない場合には画面上の states window 中の温度の表示が赤の点滅、本
体インジケータの Temperature のシグナルが橙色の点滅である。設定温度に達し温度が安定
した場合には、画面上の温度の表示が黒、インジケータは点灯に変わる。
③温度が安定するまでに比較的時間がかかるので、室温から離れている場合は、早めに設
定する。
④サンプルラックの温度を調整したい場合には、恒温循環槽のチューブを本体右側面のノ
ズルに接続する。この時、専用のアダプターを使用する。
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10
1.セットアップ
5) Normalize
BIAmaintenance kit 中の BIAnormalize solution 0.5 ml を R2F2 にセットし、Tools
→ Working Tools… → Normalize を行う。
溶液をセット後、Start…をクリックする。
Normalize における注意事項・解説
この操作は、SPR シグナルの校正を行うものである。
以下の場合に実行する。
① 設定温度を変更した場合
② センサーチップの種類を変更した場合
③ 最大感度を得たい場合
温度が安定してから行う。
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2.基本操作
11
2.基本操作
ここでは、サンプルのインジェクトについて基本操作の解説をする。
サンプルは Sucrose 溶液を使用して説明する。
BIACORE はセンサーチップ表面近傍の屈折率を測定しているため、密度の異なる
溶液がフローセルを通過するとレスポンスとして検出される。
(サンプル)
①
②
③
④
2% Sucrose
4% Sucrose
8% Sucrose
16% Sucrose
2-1.サンプルのインジェクト
サンプル(100μl)をそれぞれラックにセットする。
アイコン(
)あるいはRun → Run sensorgram…をクリックし、センサー
グラムをスタートする。
Detection modeの選択後、OKをクリックする。
↓
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12
2.基本操作
流速(1~100μl/min)を入力後、OK をクリックする。
↓
(センサーグラムが表示され測定が開始される)
↓
アイコン(
)あるいはCommand → Inject…をクリックする。
↓
サンプルのポジションおよび容量(10 μl 程度)を入力し、Start Injection をクリ
ックする。
↓
Injection of several concentration of Sucrose
RU
16500
16000
15500
15000
Re s p on s e
14500
14000
13500
13000
12500
12000
11500
20
40
60
80
100
120
140
160
Tim e
2%Sucrose のインジェクション
↓
引き続き次のサンプルをインジェクトする。
↓
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180
200
220
s
2.基本操作
全てのサンプルのインジェクションが終了したら、アイコン(
13
)もしくはRun
→ Stop Sensorgramをクリックし、測定を終了する。
マニュアル操作における注意事項
フローセル全部で 4 個ある。流路の流し方は以下の中から選択できる。
1.単独で使用する場合
RU
800
700
600
1
フローセル
2
フローセル
3
フローセル
4
500
400
Response
フローセル
300
200
100
0
-100
50
100
150
200
250
300
350
400
Time
2.複数個のセルを同時に使用する場合
RU
120
リガンドとの結合
100
1-2
フローセル
3-4
80
60
Re s p o n s e
フローセル
s
40
コントロール
20
0
-20
-40
-20
0
20
40
60
80
100
120
Time
140
s
RU
80
1-2-3-4
60
40
20
Re s p o n s e
フローセル
0
コントロール
-20
-40
-60
50
100
150
200
Tim e
250
300
350
s
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Instrument Handbook
14
2.基本操作
2-2.
レポートポイントの取り方
レポートポイントは、センサーグラム上の任意の時間におけるレスポンス(RU)
を下のテーブルに表示させるものである。
アイコン(
)あるいはView → Reference Lineをクリックし、グラフ中にリ
ファレンスラインを表示させる。
↓
マウスのカーソル(矢印)をリファレンスラインの縦線上に移動後、マウスの
左ボタンをドラッグし、レポートポイントを取りたい時間に移動するか、もし
くはレポートポイントを取りたい場所のセンサーグラム上の位置でカーソルを
ダブルクリックし、リファレンスラインを移動する。
↓
アイコン(
)あるいはEdit → Add Report Pointをクリックする。
↓
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Instrument Handbook
2.基本操作
15
Id の欄にコメントを書きます。ベースラインとする場合には、Baseline にチェ
ックを入れる。表中の相対値(RelResp)の値が 0 になる。
↓
リファレンスラインを他のポイントに移動後、同様にレポートポイントを
とるとベースラインからの相対値(RelResp)が表示される。
さらに必要な場所のレポートポイントを作成する。
↓
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16
2.基本操作
レポートポイントにおける注意事項・解説
①センサーグラムの下の表をレポートポイントテーブルと呼ぶ。サンプルをインジェクト
する前のベースライン、インジェクト後の結合量をレスポンス量として表示することがで
きる。
②レポートポイントの名前として “baseline” “bound”等を入力する。
③レポートポイントは、ボックス中の Window に示された秒間隔における平均値である。こ
の間隔は、2 秒以上で設定することが可能。
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2.基本操作
17
2-3. ファイルの保存
得られたセンサーグラムを保存するには、File → Save As を選択する。
Save in:で、C:\Bia Users\(自分のフォルダー)に移動後、ファイル名を入
力し、Save をクリックする。
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18
3. リガンドの固定化
3.リガンドの固定化
リガンド
相互作用を検討する分子のうち、固定化する分子を「リガンド」と言う。リガ
ンドの精製度は、リガンド結合の特異性やキャパシティーに大きく作用するの
で非常に重要な要因となる。90%以上の精製度のリガンドを使用する。
リガンドの固定化方法の種類 1
リガンドの固定化方法(CM5 を使用する場合)には以下のような方法がある。
① アミンカップリング
リガンド表面に存在するアミノ基(N 末端アミノ基あるいはリジン ε-アミノ基)
を利用して固定化する方法。
CM デキストランのカルボキシル基を NHS(N-ヒドロキシスクシンイミド)で活
性化し、プレコンセントレーションを利用して濃縮したリガンドを固定化する。
残った活性 NHS 基をエタノールアミンでブロッキングする。
② チオールカップリング(183 ページ参照)
リガンドチオールカップリング
リガンドの表面に存在する遊離型チオール基を用いて固定化する方法。
表面チオールカップリング
センサー表面にチオール基を導入し、リガンドのカルボキシル基を解して固定
化する方法。リガンドの修飾など操作が複雑である。
③ アルデヒドカップリング(173 ページ参照)
大量の糖鎖を持つムチンタンパク質等の固定化をする方法。糖鎖の非還元末端
をメタ過ヨウ素酸により解裂させアルデヒド基を作成し、ヒドラジンによりア
ミノ基を導入したセンサーチップにシッフ塩基で固定化する方法。リガンドの
修飾など操作が複雑である。
Biacore®3000
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3. リガンドの固定化
19
リガンドの固定化方法の種類 2
リガンドの固定化方法(SA を使用する場合)には以下のような方法がある。
DNA の固定化
DNA(プライマー等)を固定する場合、末端ビオチン標識した DNA を適当な緩
衝液に希釈(1~10μg/ml)し、そのままインジェクトして固定化を行う。この場合
には、アミン系の緩衝液を使用してもかまわない。50 ベース以上の DNA を固定
化する場合には、荷電の影響を少なくするために、食塩を 150mM 程度添加する。
ここでは、固定化法として汎用されるアミンカップリングを中心に記載する。
(準備するもの)
・アミンカップリングキット(GE ヘルスケア バイオサイエンス社製)
・ランニング緩衝液(トリスあるいはグリシン緩衝液等の 1 級アミンを含まな
いもの)
・リガンド(アジ化ナトリウム等の求核性物質の含まないもの)
・リガンド希釈液 10mM 酢酸緩衝液(リガンドの等電点よりも 1~2 低いpH)
リガンドの等電点が不明な場合には、21,89 ページのプレコンセントレーショ
ン操作を行い、固定化 pH を決める。
●アミンカップリングキット
アミンカップリングキットには、以下の試薬が含まれている。
EDC(N-ethyl-N‘-(3-dimethylaminopropyl)carbodiimide hydrochroride)
NHS(N-hydroxysuccinimide)
1 M ethanolamine hydrochloride 溶液(pH 8.5)
(試薬の調製方法)
キットに添付されている説明書にしたがってい、EDC および NHS はそれぞれ
10ml の超純水に溶解し、直ちに 200μl ずつ 0.5ml 容のマイクロチューブあるい
は 7mm プラスティックバイアル(弊社発売)にそれぞれ小分けし、蓋をして使
用直前まで-20 ℃で冷凍保存する。使用に際して 1 組ずつの試薬を取り出し、
溶解後使用する。溶解後の試薬の再凍結はできない。エタノールアミンは、溶
液で供給されており、4℃で保存する。200μl ずつ小分けしておくか、使用する
直前にサンプリングする。
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20
3. リガンドの固定化
●リガンド希釈液
タンパク質の固定化
リガンド濃度は通常 5~200μg/ml 程度になるよう 10mM 酢酸緩衝液で希釈して
固定化を行う。酢酸緩衝液の pH はリガンドの等電点より 1~2 低い pH か、21,89
ページに示したプレコンセントレーション操作により決定した pH を用いる。ま
た、リガンド希釈用緩衝液は非アミン系で比較的低塩濃度(10 mM)のものを使
用する。希釈用緩衝液は pH3.5 以下のものは使用しない。プレコンセントレー
ション効果が見られない場合(ペプシン等の酸性タンパク質)には、ビオチン
化後、SA チップに固定化する。
ペプチドや低分子物質の固定化
リガンドがペプチドや化合物等、低分子物質の固定化の場合は、プレコンセン
トレーションの効果が見られない場合がある。この場合には、弱アルカリ性条
件で固定化を行う。つまり、プレコンセントレーションを行う代わりに、高濃
度のリガンド溶液を使用する。活性型 NHS 基とアミノ基とのカップリング効率
は、pH8.5 前後がもっとも高いので、この pH 付近で固定化を行う。例えば、希
釈液として、10~50mM 炭酸緩衝液(pH 8.5)を使用し、サンプル濃度を 100μg/ml
以上の比較的高濃度で固定化する方法である。リガンドの荷電の影響がある場
合には、食塩を 150mM 程度添加する。しかし、この場合、必ずしも目的の固定
化量が得られるとは限らない。酸性タンパクの場合は、ビオチン化後、SA チッ
プへ固定化する方法をお勧めする。
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3. リガンドの固定化
21
3-1. プレコンセントレーションの検討(マニュアル操作)
プレコンセントレーションとは?
固定化操作において、センサー表面の CM デキストランに存在するカルボキシル
基は非常に重要である。リガンドを正に荷電した状態でインジェクトすると、
負に荷電している CM デキストランとの間に静電気的な相互作用が生じ、リガン
ドをデキストラン中に濃縮することができる。この方法を用いることで固定化
効率を上昇させることができる。したがって、リガンドは等電点よりも低い pH
の緩衝液に希釈し、リガンドを正に荷電させる必要がある。等電点が既知のサ
ンプルの場合は、リガンドの等電点よりも 1~2 低い pH 条件を使用すればよい
が、等電点が不明な場合には、「プレコンセントレーションの検討」を行って、
.........
固定化に適する pH を調べることができる。この操作では、何も処理していない
.....
フローセルを使用し、各 pH におけるセンサー表面へのリガンド濃縮の程度を見
るものである。
サンプル調製例
リガンドを最終濃度で 5~50μg/ml になるよう各緩衝液で希釈する。
・10mM 酢酸緩衝液(pH 6) 100μl
・10mM 酢酸緩衝液(pH 5) 100μl
・10mM 酢酸緩衝液(pH 4) 100μl
................
この操作によりリガンドは固定化されることはない。インジェクトが終了後、
高い塩濃度のランニング緩衝液(例えば 150mM 食塩を含む HBS 緩衝液)に置換
された後に、速やかに解離する。しかし、リガンドがデキストランに非特異的
吸着を起こすことも考えられるので、操作終了後、洗浄溶液(例えば 50mM NaOH、
30 秒間)等で洗浄を行う。プレコンセントレーションに使用したセンサーチッ
プはそのまま固定化に利用することができる。
(この操作は Application Wizard を用いて行うこともできる、89 ページ)
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22
3. リガンドの固定化
サンプル調製例
リガンドを最終濃度で 5~50μg/ml になるよう各緩衝液で希釈する。
・10mM 酢酸緩衝液(pH 6) 100μl
・10mM 酢酸緩衝液(pH 5) 100μl
・10mM 酢酸緩衝液(pH 4) 100μl
サンプルをラックにセットする。
↓
)あるいは Run → Run Sensorgram…をクリックし、センサー
アイコン(
グラムをスタートする。
使用する流路を選択し、OK をクリックする。
↓
流速を 10μl/min に設定し、OK をクリックする。
↓
アイコン(
)あるいは Command → Inject…をクリックする。
↓
サンプルの位置、容量(μl)を入力し、Start Injection をクリックする。
Biacore®3000
Instrument Handbook
3. リガンドの固定化
23
↓
引き続き、残りのサンプルも同様にインジェクトする。
pH 4
pH 5
pH 6
Human IgG のプレコンセントレーション
↓
アイコン(
)もしくは Run → Stop sensorgram をクリックし、測定を終了
する。
プレコンセントレーションの評価について
プレコンセントレーション効果は、希釈緩衝液の pH を下げれば増加する。しかし、低い
pH 環境下では、活性型 NHS 基とアミノ基とのカップリング効率は減少する。上記のセンサ
ーグラムの場合、pH4 の方が 5 比べ速い速度でプレコンセントレーションしているが、必
ずしも pH4 で固定化量が多いとは限らない。また、タンパク質の安定化のためにはできる
だけ高めの pH を使用すべきである。したがって、濃縮効果のある、一番高い pH 条件を使
用する。上記の場合、pH5 で十分である。
Biacore®3000
Instrument Handbook
24
3. リガンドの固定化
3-2. プログラム操作によるリガンドの固定化
リガンドのアミンカップリングについて記載する。固定化は、マニュアル操作、
プログラム操作および Application Wizard(96 ページ参照)で行うことができる
が、ここでは、プログラム操作によるリガンドの固定化について記載する。
プログラムの詳細については、64 ページ参照のこと。
1)ファイルの呼び出し
アイコン(
)あるいは File → Open…をクリックする。
↓
↓
C:\Program File\BIACORE 3000\Guide\Methods とフォルダーを開け、アミ
ンカップリングのメソッドファイルである Amine をクリックする。
アイコンの種類
①Program File
(拡張子.blm)
②Result File
(拡張子.blr)
③BIAevaluation File
(拡張子.ble)
以下のプログラムが表示される。
Biacore®3000
Instrument Handbook
3. リガンドの固定化
25
(固定化プログラム)
DEFINE APROG immob
CAPTION Amine coupling
!グラフのタイトル
FLOW
10
DILUTE
R2E1 R2E2 R2E3 50 !NHS/EDC の混合液の作成
*
INJECT
R2E3 70
!NHS/EDC の混合液の添加
-0:10
RPOINT
Baseline –b
!レポートポイントの表示
INJECT
R2A1 70
!リガンド溶液の添加
*
INJECT
R2E4 70
!エタノールアミンの添加
*
INJECT
R2F3 10
!洗浄溶液の添加
RPOINT
immob
!レポートポイントの表示
2:00
!流速 10μl/min
END
MAIN
RACK
1
thermo_b
!ラックベースの設定
RACK
2
thermo_a
!ラックベースの設定
DETECTION
1
!検出フローセルの設定
APROG
immob
!APROG immob の実行
APPEND
standby
!Standby の実行
END
(試薬およびサンプルの位置)
R2A1 : リガンド(至適な pH に酢酸溶液に希釈したもの)
R2E1 : NHS(もしくは EDC、冷凍庫から取り出し溶解直後のもの)
R2E2 : EDC(もしくは NHS、冷凍庫から取り出し溶解直後のもの)
R2E3 : 空容器(9 mm ガラスバイアルあるいは 0.5ml マイクロチューブ)
R2E4 : エタノールアミン 溶液
R2F3 : 洗浄溶液
このプログラムは、1つのフローセルにリガンドを固定化する方法である。
4 つのフローセルに同じリガンドを固定する場合や、別々のリガンドを固定化す
る場合のプログラムを作成する場合には、プログラムの説明(79 ページ)を参
照すること。
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26
3. リガンドの固定化
(コマンドの説明)
詳しいプログラムの解説は 64 ページを参照すること。
FLOW
10
流速を 10μl/min に設定している。
DILUTE
R2E1 R2E2 R2E3 50
R2E1 のサンプルと R2E2 のサンプルを等量とり、R2E3 で混合液を調製する。
ここでは、EDC と NHS の混合液を作成している。この操作によって、混合液が
200μl 作成される。50 は R2E1 の混合割合が 50%であることを示している。
* INJECT
R2E3 70
調製した混合液を 70μl インジェクトし、センサー表面を活性化する。
添加時間 7 分。7 分間の添加で CM デキストランのおよそ 40%が活性化される
ことになる。目的によって時間を増減する。残存カルボキシル基を少なくした
い場合には、この活性化時間を長くする。活性化時間と固定化量との関係は、
約 10 分間まで比例関係である。
INJECT
R2A1 70
R2A1 のポジションにあるリガンドを 70μl インジェクトし、
カップリングを行う。
添加時間 7 分。
サンプルは添加量 + 30μl(この場合は 100μl)を用意する。
* INJECT
R2E4 70
R2E4 のポジションにある 1M エタノールアミンを 70μl インジェクトし、残余の
活性型 NHS 基をブロッキングする。EDC と NHS の混合液の添加時間と同じ時間
添加する。
サンプルは添加量 + 30μl(この場合は 100μl)を用意する。
* INJECT
R2F3 10
R2F3 のポジションにある洗浄溶液を 10μl インジェクトすることで、センサー表
面を簡単に洗浄する。通常は 10mM Gly-HCl(pH 1.5~2.0)あるいは 10~50mM
NaOH 等を使用する。1 回のインジェクションは 1 分間以内にする。
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3. リガンドの固定化
27
ファイルの呼び出しおよび修正における注意事項・解説
① 試薬およびサンプルの位置と添加量は自由に変更できる。変更する場合は、
プログラム中のサンプル位置および添加容量を変更する。
② リガンドの希釈液については、21 ページのプレコンセントレーションの項を参考にす
る。
③ 洗浄溶液の添加は非特異結合により、結合しているリガンドを洗浄するために行うもの
である。不必要な場合には省略する。
④ C:\Program Files\BIACORE 3000\Guide\Methods 中にあるプログラムは書き直さな
いようにする。書き直す場合には、自分のフォルダーにオリジナルプログラムをコピー
後上書きするようにする。
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28
3. リガンドの固定化
2)Method の編集
作成あるいは修正したプログラムのコマンドの文字を全部大文字にし、行をそ
ろえることができる。
Edit → Adjust Method → Second あるいは Minute をクリックする。
define aprog immob
caption immobilization
flow
5
dilute
r2e1 r2e2 r2e3
* inject
r2e3 35
-0:10
rpoint baseline -b
end
(Edit → Adjust Method → Minute すると)
DEFINE APROG immob
CAPTION immobiilization
FLOW
5
DILUTE
r2e1 r2e2 r2e3
*
INJECT
r2e3 35
-0:10 RPOINT baseline -b
END
と変更される。
METHOD の編集における注意事項・解説
① この操作はプログラムを実行する上で必ずしも必要ではない。プログラムは大文字と小
文字のどちらを使用してもかまわない。また、コマンドとコマンドの間隔も任意である
(1 スペースあればよい)
。
② レポートポイントの時間表示を秒表示にしたい時には Second を、また、分表示にした
い時には Minute を選択する。
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3. リガンドの固定化
29
3)エラーの検索
作成したプログラム中に言語等の誤りがあるかを検索する。
Run → Prerun Method をクリックする。
↓
エラーがある場合には以下の様なメッセージが現れる。
↓
エラーの内容が表示されるので、OK をクリック後、訂正する。
>>Expected:'1','2','3','4','1,2','2-1','3,4','4-3','1,2,3,4',
'2-1,4-3'...
>>
^
DETECTION
5
>>
^
マークのある項にエラーがあるので、正しく変更し、もう一度 Prerun
を実行する。(上下のメッセージは消去する必要はない)
Method
何もエラーが表示されない場合には、エラーがない。
エラーの検索における注意事項・解説
① 実際にセットしたサンプルの位置の認識はしないので、サンプル位置は間違えないよう
にする。
② プログラム実行前には必ず( Run → Prerun Method )を実行する。
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30
3. リガンドの固定化
4)プログラムの実行
Run → Run Method をクリックする。
↓
呼び出してきたプログラム(Amine.blm)の内容を書き直した場合、以下のメッ
セージが表示される。
↓
ここで“Yes”をクリックすると元のファイルが書き直おされる。基本となるメソ
ッドファイルは書き換えないよう注意する。通常は“No”をクリックする。
↓
保存先の各自のフォルダーを指定し、ファイル名を入力し、Save をクリックす
る。
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3. リガンドの固定化
31
immobilization
RU
30000
28000
26000
24000
Re sponse
22000
20000
18000
16000
14000
12000
10000
8000
0
500
1000
1500
2000
2500
s
Tim e
(固定化センサーグラム)
プログラムの実行における注意事項・解説
① プログラムを保存しなかった場合でも、Method は Result ファイルの中に保存される。
Result ファイルの View → Method…をクリックすれば、その時の Method を見ることが
できる。また、その Method を再実行することも可能である。
② 拡張子 .blm は省略しても自動的に書き込まれる。
拡張子について
BIACORE のファイル名には、以下の拡張子が付いている。
ファイル名 . blm
:Method ファイル
ファイル名 . blr
:Result ファイル
ファイル名 . ble
:BIAevaluation software で作成したファイル
拡張子の種類からどれに属するファイル名か確認できる。
(重要)
実行後にプログラムを強制終了したい場合には、キーボードの
Ctrl(左下)+ Break(右上)
を同時に押す。
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32
3. リガンドの固定化
5)プログラムの終了
プログラムが終了すると、Standby 状態になる(プログラムの MAIN ボックスの
APPEND Standby による)。
↓
Stop をクリックし、Standby を停止する。
データは、先に入力したファイル名で保存される。
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3. リガンドの固定化
33
固定化全体における注意事項
固定化量は実験の目的によって調節する必要がある。
① 特異的結合の確認実験
特異的な結合を確認するための実験の場合には、アナライトのレスポンスが十分得られる
ような固定化量があればよい。したがって、リガンドの固定化量は、多くしてもかまわな
い。感度を良くするためにも固定化量を多くする方が理想的である。低分子のアナライト
の場合には、リガンドの固定化量を十分に多くしなければならない。
リガンドの固定化量とアナライトのレスポンスとの関係は、それぞれの分子量によって決
まる。固定化したリガンドにアナライトが最大どれだけ結合するか以下の式で算出するこ
とができる。
アナライトの結合量=アナライトの分子量 × リガンドの固定化量/リガンドの分子量×s
(最大結合量 Rmax)
(Da)
(RU)
(Da)
s はリガンドの結合部位数
(例)
リガンドの分子量
50,000 Da
リガンド固定化量
1,000 RU
リガンド結合部位数
1
アナライト分子量
20,000
の場合、アナライトの最大結合量(Rmax)以下の値となる。
アナライトの最大結合量(Rmax)= 20,000 × 1,000 / 50,000 × 1 = 400RU
特に低分子のアナライトを使用する場合には、最大アナライトの結合量が最低でも 50~
100RU 程度は必要であるので注意する。
② 濃度測定
濃度測定を行う場合には、固定化量はできるだけ多くする。目安としては 10,000~15,000RU
程度は固定化したい。固定化量を多くするとスタンダードサンプルを使用した際の検量線
の直線性がより高くなる。
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34
3. リガンドの固定化
③ 反応速度定数(結合速度定数(kass)、解離速度定数(kdiss))の算出
反応速度定数(Kinetics Parameter)を算出させる場合には、固定化量はできるだけ抑える
必要がある。至適な固定化量は以下の式から得られた最小固定化量と最大固定化量の間の
固定化量(RU)を目安にする。
(最小固定化量)
200 × 1/S × (リガンドの分子量/アナライトの分子量)
(最大固定化量)
1000 × 1/S×(リガンドの分子量/アナライトの分子量)
S はリガンドの結合部位数
例えば、50 kDa のリガンドと 120 kDa のアナライトを使用する場合のリガンドの固定化量
は(S=1 として)、
最小固定化量
200 × 1/1×(50,000/120,000)= 83 RU
最大固定化量 1000 × 1/1×(50,000/120,000)= 417 RU
から
の間となる。
固定化量を調節する場合には、Manual Inject を使用すると便利である(35 ページ参照)。
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3. リガンドの固定化
35
3-3. MANUAL INJECT を用いた固定化量の調節方法
Manual Inject は、サンプルのインジェクトを小刻みに繰り返すことのできる
Inject の方法であり、この方法を使用することで、厳密な固定化量の調節を行う
ことができる。この操作は全ての段階をマニュアル操作で行う(プログラム操
作では行えない)。NHS 活性化やエタノールアミンブロッキング時は通常の
INJECT を使用し、リガンドのインジェクト時にのみ MANUAL INJECT を使用する。
アイコン(
)あるいは Run → Run Sensorgram をクリックし、センサーグ
ラムをスタートさせる(22 ページ参照)。
Manual Inject をする場合には、Command Queue を閉じておく必要がある。
画面上の
をクリックする。
File → Close をクリックする。
Yes をクリックする。
↓
画面上から
が消える。
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36
3. リガンドの固定化
(1)NHS の活性化
NHS/EDC の当量混合液(自分で混合する)をラックにセットする。
↓
アイコン(
)あるいは Command → Inject…をクリックする。
↓
サンプル位置および添加容量を入力し、Start Injection をクリックする。
(7 分間活性化が基本となる)
↓
RU
19000
18000
17000
Re s pons e
16000
15000
14000
13000
12000
11000
10000
0
100
200
300
400
Tim e
NHS 活性化反応が行われる。
↓
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500
600
700
800
s
3. リガンドの固定化
37
(2)リガンドの添加
アイコン(
)あるいは Command → Inject…をクリックする。
MANUAL INJECT を選択し、Start Injection をクリックする。
↓
をクリックする。
↓
Load Loop…をクリックする。
↓
サンプル位置およびサンプルロード量を入力後、OK をクリックする。
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38
3. リガンドの固定化
Manual を選択し、Start をクリックするとリガンドが添加され、Stop をクリッ
クすると停止する(この操作を繰り返し、固定化量を調節する)。
(結合量の確認)
アイコン(
)をクリックし、リファレンスラインを表示させ、リガンドイン
ジェクション前に移動後、View → Baseline をクリックすると、画面上のレス
ポンスが 0 になる。さらに、添加後に移動させると、結合量を表示させること
ができる。
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3. リガンドの固定化
39
(3)エタノールアミンの添加
NHS/EDC 混合液の添加時と同様に、通常の INJECT コマンドを使用し、エタノー
ルアミンを添加する(NHS/EDC と同じ添加時間)。
R
es
Ti
この方法を用いることで、任意の固定化量に調節できる。
なお、Application Wizard を用いると、簡単に固定化量の調節ができる(99 ペ
ージ参照)。
Biacore®3000
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40
4.相互作用の検討
4.相互作用の検討
アナライト
相互作用を見る場合、インジェクトする方の分子をアナライトという。アナラ
イトとしては、血清や培養上清等のクルード(crude)なサンプルも使用するこ
とができるが、不溶性の粒子等は遠心などで除去しなければならない。また、
正確な反応速度定数を算出する場合には、サンプルはできるだけ精製したもの
を使用する。
サンプルは、できるだけランニング緩衝液で希釈する。必要のある場合には、
ランニング緩衝液でゲルろ過等を使用し、緩衝液交換するか、ランニング緩衝
液をサンプル溶解液の条件に変更する。緩衝液が異なる場合には、結合領域と
解離領域の緩衝液組成が異なることになる。また、溶液効果(Bulk Effect)が発
生する場合があるので注意する(47 ページ参照)。
アナライト濃度はアフィニティーや分子量にもよるが、およそ数十 ng/ml~数
百 μg/ml で行う。反応速度定数を算出する場合には、予想される KD(解離定数)
値濃度の 1/10~10 倍の濃度で分析すると、良好な結果が得られる。
再生溶液
結合したアナライトを強制的に全部解離させる操作を再生(Regeneration)操作
という。再生操作は、以下の条件を満たしていることが必要である。
①リガンドの活性を失わないこと
②リガンドがセンサーチップ表面から遊離しないこと
③アナライトを完全に解離させること
再生溶液としては通常は以下のような種類のものを使用する。(詳しくは 45 ペ
ージ参照)
①高塩濃度溶液
②pH を変化させる溶液(酸性溶液あるいはアルカリ溶液)
③キレート剤(多価カチオン依存性反応の場合)
④界面活性剤
⑤有機溶媒
⑥変性剤
再生溶液を添加する場合には、30 秒~1 分間の短いインジェクションで行い、
充分再生されない場合には、この短時間のインジェクションを数回繰り返す(長
時間の添加は避ける)。
Biacore®3000
Instrument Handbook
4.相互作用の検討
41
4-1. マニュアル操作による相互作用の検討
サンプルをラックにセットする。
↓
アイコン(
)あるいは Run → Run sensorgram…をクリックし、センサー
グラムをスタートする。
使用するフローセルの選択およびコントロール差し引き機能の選択を行い、OK
をクリックする。(46 ページ参照)
↓
流速を設定し、OK をクリックする。
反応速度定数(kass, kdiss)を算出する場合には比較的速い
流速(20~50μl/min)に設定する。
↓
アイコン(
)あるいは Command → Inject…をクリックする。
Biacore®3000
Instrument Handbook
42
4.相互作用の検討
INJECT の右の をクリックすると各種のインジェクトコマンドが表示される(下
図参照)。
(インジェクトコマンドの種類)
コマンド
内容
試料添加量
試料消費量
INJECT
通常使用のモード
5-325μl
+30μl
KINJECT
反応速度を算出する際に有効
10-250μl
+40μl
5-325μl
+10μl
解離時間を入力する
QUICKINJECT
試料の必要量が少ない。
測定開始までの待ち時間が少ない
COINJECT
2つのサンプルを間隔を空けず連続して添加できる
BIGINJECT
MANUAL
Sample 1:
10-100μl
+40μl
Sample 2:
15-250μl
+40μl
大容量の試料を添加する
325-750μl
+52μl
INJECT
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35 ページを参照
4.相互作用の検討
43
RU
15500
15400
15300
Re sponse
15200
15100
15000
14900
14800
14700
14600
0
50
100
150
200
250
s
Tim e
解離状態を観察後、再生溶液(45 ページ参照)を添加し(この場合は INJECT で
良い)、結合したアナライトを洗い流す。
RU
16000
15500
Re s pons e
15000
14500
14000
13500
13000
0
50
100
150
200
Tim e
250
300
350
400
s
↓
さらに分析するサンプルがある場合には、Run → Start New Cycle をクリックす
ると同一ファイル内に新しいサイクルとしてセンサーグラムを開始することが
できる。
測定を終了する場合、アイコン(
)あるいは Run → Stop Sensorgram をク
リックし、測定を終了する。
レポートポイント作成方法については、14 ページをご参照すること。
通常は、サンプル添加前 10 秒程度のポイントでベースラインをとり、サンプル
インジェクト終了 10 秒~30 秒後を結合量として表示させる。また、コントロー
ルブランク差し引きグラフを表示している場合には、サンプルインジェクト終
..
了直前の値を結合量とする場合もある。
Biacore®3000
Instrument Handbook
44
4.相互作用の検討
Binding of DSA(100ug/ml) to immobilized Asialofetuin
RU
30000
25000
20000
15000
10000
0
50
100
150
200
250
Time
相互作用のセンサーグラム
Biacore®3000
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300
350
400
s
4.相互作用の検討
45
再生溶液について
再生溶液は通常以下のようなものが使用されるが、結合したアナライトが完全に再生され、
かつ固定化したリガンドの活性が保持されていなければならない。
再生溶液の例
試薬
濃度あるいは pH
(塩)
NaCl
< 1M
(酸性条件)
10mM Gly-HCl
> pH 1.5
HCl
< 100mM
Phosphoric acid
Formic acid
< 100mM
< 20%
(アルカリ条件)
10mM Gly-NaOH
< pH 12
NaOH
< 100mM
Ethanolamine
< 100mM
Ethanolamine-HCl
< 1M
(キレート剤)-多価カチオン依存性反応の場合
EDTA
< 0.35M
(界面活性剤)
Surfactant P-20 (Tween 20)
< 5%
Triton X-100
< 5%
SDS
< 0.5%
Octylglycoside
< 40mM
(有機溶媒)
Acetonitrile
< 20%
DMSO
< 8%
Ethyleneglycol in HBS buffer
< 50%
Ethanol
< 20%
Formamide
< 40%
(変性剤)
Guanidine-HCl
< 5M
Urea
< 8M
Biacore®3000
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46
4.相互作用の検討
流路の選択について
実験の目的によって、サンプルを流す流路を選択できる。
ブランクコントロールを同時にとる場合には、複数のセルを選択後、インラインコントロ
ール差し引き機能を利用して、コントロールを差し引いたグラフを表示することができる。
この場合、コントロールセルとできるのは、フローセル1と3である。
上図の場合、フローセル1をコントロールにして、フローセル2のレスポンスからフロー
セル1のレスポンスを差し引きしたグラフを表示することができる。また、Fc1-2-3-4 を選
択すると、以下のボックスの各種引き算のグラフを表示することができる。
Biacore®3000
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4.相互作用の検討
47
センサーグラムの表示
表示するセンサーグラムを変更することができる。
①1 本表示(Single Plot)
View → Plot Single をクリックすると、センサーグラム 1 本だけを表示する。
左上の Curve:
の をクリックし、表示セ
ンサーグラムを選択することができる。
②複数表示(Overlay Plots)
View → Plot Overlay をクリックすると、すべてのセンサーグラムを表示することができる。
③カーブの種類による表示
表示センサーグラムの種類が多い場合には、センサーグラムの種別で表示変更することが
できる。
View → Plot Curve Classes をクリックし、Curves:で選択することで、各フローセルのセン
サーグラムもしくは差し引きグラフを選択して表示することができる。
サンプルの調製
サンプルは、できるだけランニング緩衝液で希釈する。サンプル溶液とランニング緩衝液
の組成とが異なる場合には、溶液効果(bulk effect)が大きくなる場合がある。
Bulk Effect
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48
4.相互作用の検討
インジェクトの中止
インジェクトを途中で中止したい場合には、アイコン(
)もしくは Command → Stop
Inject をクリックする。ニードルに残ったサンプルを設定したポジション(あるいは WASTE)
に戻すことができる。
インジェクトコマンドの拡張機能
Extra Cleanup
クルードなサンプル等を使用し、添加後の洗浄を通常よりも良くしたい場合には、添加時
インジェクションボックスの拡張機能を利用する。
More>>をクリックする。
Extra Cleanup にマークを入れる。
Biacore®3000
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4.相互作用の検討
Command
49
Queue について
マニュアル操作でセンサーグラムを開始すると Command Queue ボックスのアイコンがセ
ンサーグラム画面右上に表示される。このボックスをクリックして開くと、マニュアル操
作で入力したコマンドを確認することができる。入力したコマンドは入力順に実行してい
く。また、入力したコマンドの 1 つを削除したい場合には Edit → Delete、コマンド間に
コマンドを挿入したい場合には Edit → Insert をクリックし、新たにコマンドを入力する。
Command Queue ボックスは右上の縮小ボタンをクリックしてアイコン化(縮小)すること
ができる。また、アイコンをクリックすると再びボックスを開くことができる。
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50
4.相互作用の検討
4-2. プログラムによる相互作用の検討
固定化と同様に基本となるメソッドファイルを呼び出し、修正後実行する。
ここでは相互作用検討用のメソッドファイルである Assay.blm を基本に説明す
る。プログラムの詳細については、64 ページを参照すること。
Application Wizard を用いると簡単に相互作用の実験を行うことができる。
1.特異的結合の検討(スクリーニング) 122 ページ参照
2.結合・解離反応速度定数の算出
128 ページ参照
1)ファイルの呼び出し
アイコン(
)あるいは File → Open…をクリックする。
↓
C:\Program Files\BIACORE 3000\guide\Methods とフォルダーを開け、相互作
用測定用のファイルである Assay.blm を選択後、Open をクリックする。
Biacore®3000
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4.相互作用の検討
51
DEFINE APROG assay
PARAM %pos %ID %conc
CAPTION Binding of %ID(%conc) to immobilized antibody
FLOW
20
FLOWPATH
1,2
*
KINJECT
%pos 60 180
-0:10
RPOINT
Baseline -b
3:10
RPOINT
bound
*
QUICKINJECT
R2F3 20
2:00
RPOINT
Regeneration
END
MAIN
RACK
1
RACK
2
DETECTION
2-1
APROG
assay
APROG
assay
APROG
assay
APROG
assay
APPEND
END
THERMO_B
THERMO_A
R2A1
R2A2
R2A3
R2A4
Antigen
Antigen
Antigen
Antigen
25ug/ml
12.5ug/ml
6.25ug/ml
3.125ug/ml
standby
このプログラムでは、フローセル2に固定化したリガンドに対し、アナライト
を反応させる場合のプログラムを表示している(フローセル1はコントロール)。
コントロールの差し引きグラフを作成する場合には、DETECTION 2-1 に設定す
る。
DETECTION の設定
(シングル検出)
(マルチ検出)
(差し引き機能)
DETECTION
1
DETECTION
1,2
DETECTION
2-1
DETECTION
2
DETECTION
3,4
DETECTION
4-3
DETECTION
3
DETECTION
1,2,3,4
DETECTION
2-1,3-1,4-1
DETECTION
4
DETECTION
2-1,4-3
以上の中から選択する。
Biacore®3000
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52
4.相互作用の検討
このプログラムにおけるサンプルの位置
サンプルポジション
R2A1
R2A2
R2A3
R2A4
R2F3
サンプル(例)
濃度(例)
Antigen
25μg /ml
Antigen
12.5μg /ml
Antigen
6.25μg /ml
Antigen
3.125μg /ml
再生溶液(10mM Gly-HCl (pH 1.75))
2)Method の編集
固定化操作の項(28 ページ)を参照すること。
3)エラーの検索
固定化操作の項(29 ページ)を参照すること。
4)プログラムの実行
固定化操作の項(30 ページ)を参照すること。
Binding of DSA(100ug/ml) to immobilized Asialofetuin
RU
30000
25000
20000
15000
10000
0
50
100
150
200
250
300
Time
5)プログラムの終了
固定化操作の項(32 ページ)を参照すること。
(重要)
実行後にプログラムを強制終了したい場合には、キーボードの
Ctrl(左下)+Break(右上)
を同時に押し、緊急停止する。
Biacore®3000
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350
400
s
4.相互作用の検討
53
プログラムの実行における注意事項・解説
Method ファイルは Result ファイル中に保存される。“Result ファイル上で View →
Method…をクリックすれば、センサーグラム作成時の Method が表示される。ま
た、改めてその Method を実行することができる。
4-3.ファイルの保存様式
データは1つのサンプルで 1 つのグラフ(サイクル)として保存される。
Cycle
のサイクル番号を選択すると、他のサンプルのデータを表示するこ
とができる。1つのファイルの中にたくさんの Cycle が存在することになる。
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54
5.シャットダウン
5.シャットダウン
5-1.実験の終了
実験が終了した場合には、次の 2 方法のどちらかを行う。
① Standby 状態での放置
② 電源を落として終了
比較的頻繁(3 日以内に使用する)に BIACORE を使用する場合には、①の Standby
にする。3 日以上使用しない場合には、②の電源を落として終了を行う。
① Standby の実行
Tools → Working Tools… をクリックし、Standbyを選択し、実行する。
5 μl/min の流速で最大 96 時間、ランニング緩衝液を送り続ける操作を自動的に
行う。週末に使用しないような場合、Standby を実行する。96 時間の Standby
でランニング緩衝液の消費量はおよそ 80 ml 程度である。
② 電源を落として終了
電源を落とす場合には、基本的にシステムを水で洗浄して、Biacore の流路中の
緩衝液を完全に除く(洗浄には洗浄用センサーチップを使用)。流路系等に塩の
析出を防ぐために行うものである。これには、2 つの方法がある。
●超純水で Prime
緩衝液ボトルを超純水ボトルに置き換え、Tools → Working Tools…をクリック
し、Primeを実行する。
●Close
16 mm ガラスバイアルに超純水を 3 ml入れ、 R2F3 におき、Tools → Working
Tools… をクリックし、Closeを実行する。
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5. シャットダウン
55
5-2.センサーチップの抜きと(Undock)
Command → Undock…をクリックし、Undockを実行する。
↓
フロントパネルの Sensor chip の緑のライトが点灯から点滅に変わったら、
センサーチップを抜きとる。
↓
Biacore システム、コンピューター、モニター、プリンターの電源を Off にする。
↓
ランニング緩衝液、廃液入れをかたづける。
5-3.センサーチップの保存
実験に使用後 Undock したセンサーチップは、以下の方法で保存することができ
る。
①Dry 状態での保存
取り出したセンサーチップを 50 ml 容のふたつプラスチック管等に入れ、4 ℃で
保存する。安定なタンパク質や DNA を固定したセンサーチップの保存に用いる。
②Wet 状態での保存
取り出したセンサーチップのシート部分をカバーから抜きとり、シートだけを
PBS 等の緩衝液を入れた容器(50 ml 容のふたつプラスチック管等)に入れ、4 ℃
で保存する。センサーチップを再 Dock するときには、シートについたバッファ
ーをふきとった後、カバーに戻し使用する。リガンドの固定してある側につい
ては、細くとがらせたキムワイプ等をセンサー部分の四角の隅に置き、余分な
バッファーを吸い取る。リガンドの固定していない側のセンサー部分は反射面
でとなるので、キムワイプ等で全体をきれいにふきとる。反射面に濁りや汚れ
等がないように注意する。センサー部分以外の白い部分は、キムワイプ等でし
っかりふきとる。
タンパク質の種類によっては、どちらの方法を用いても、保存中に変性する場
合があるので、再 Dock 後、活性を確認すること。
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56
6.メンテナンス
6.メンテナンス
6-1. メンテナンス
Biacoreのメンテナンスは、Working Tools(Tools → Working Tools…)中のコマ
ンドを用いて行う。
実験を行う前に
Prime
新しいセンサーチップを Dock したときやランニング緩衝液を交換したときに行
う操作である。ポンプや IFC(マイクロ流路系)、オートサンプラー等をランニ
ング緩衝液で置換洗浄する。(所要時間約 6 分 20 秒間)
Prime はランニング緩衝液でシステムを初期化する操作である。大きく塩濃度
が変化する緩衝液や粘性の異なる緩衝液に交換する場合には、Prime を 2~3
回繰り返すことをお勧めする。
ランニング緩衝液で洗浄したい場合に
Flush
IFC とフローセルをランニング緩衝液で簡単に洗浄する。(所要時間約 2 分 20 秒
間)
Rinse
IFC、フローセル、回収カップをランニング緩衝液で高流速にて洗浄する。(所要
時間約 3 分間)
通常の洗浄は実験の各段階で自動的に行われるが、粘性の高いサンプルや非常
にクルードなサンプルを用いたときなどに使用する。
定期的な洗浄
Desorb(毎週 1 回が目安)
IFC やフローセル等に付着したタンパク質や脂質を洗浄する操作である。
BIA メンテナンスキット中の BIAdesorb solution 1(0.5 % SDS 溶液)および
BIAdesorb solution 2(50 mM Gly-NaOH、pH 9.5)を使用する。
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6.メンテナンス
57
Thermorack A をラックポジション 2(右側)にセットし、
R2F3 に 3ml の BIAdesorb
solution 1 を、R2F4 に 3 ml の BIAdesorb solution 2 をセットして行う。(所要時間
約 22 分間)
・BIACORE のメンテナンスにおいて Desorb は非常に重要である。
・BIAdesorb solution 1 は 4℃で保存すると結晶が析出するので、室温におくこと。
・センサーチップに固定してあるリガンドは失活するので、必ず洗浄用のセン
サーチップと入れ替えて行う。
・設定温度を 20℃以下で行わない。
Sanitize(毎月 1 回が目安)
IFC やフローセルを殺菌する操作である。BIAdisinfectant solution(次亜塩素酸
ナトリウム溶液)と超純水を使用する。
ステップ 1:1.5 ml の BIAdisinfectant solution を BIA メンテナンスキット内の専
用の容器に入れ、20 ml の超純水で希釈し、ランニング緩衝液の位置に置き実行
する。
ステップ 2:超純水 15 ml をランニング緩衝液の位置に置き実行する。
・センサーチップに固定してあるリガンドは失活するので、必ず洗浄用のセン
サーチップと入れ替えて行う。
・Sanitize 終了後、ランニング緩衝液あるいは超純水で Prime を 1~2 回行う。
・病原性があるサンプル等を使用したときには、適時 Sanitize を実行する。
6-2. Airの除去
脱気していない緩衝液を使用したり、Air をインジェクトすると、Air が流路系内
に留まってしまうことがある。
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58
6.メンテナンス
このような場合には、以下の操作を順次行い、Air の除去を確認する。
① Tools → Working Tools… → Prime、Flush、あるいはRinseを組み合わせて
数回行う。
② Tools → Service Tools… → Uncloggingを行う。
......
③ 充分脱気したランニング緩衝液をセットし、Prime を数回繰り返す。
上記のような乱れが解決しない場合には、IFC(マイクロ流路系)の劣化の可能
性も考えられるので、システムチェックを行って機械の状態を把握する(59 ペ
ージ参照)。
6-3.流路系に詰まりがあるとき
不溶性のサンプルや吸着性の高いサンプルを使用した場合には、流路が詰まる
場合がある。このような場合には、センサーグラムに乱れが発生したりする。
Rabbit IgG 1.25µg/ml
RU
22370
Response
22350
22330
22310
22290
22270
0
50
100
150
200
Tim e
250
300
350
400
450
s
Unclogging を行って、詰まりを除去する。
Tools → Service Tools… のUncloggingを行う。
これは、ランニング緩衝液を高流速で流すことにより、詰まりを除去するもの
である。
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6.メンテナンス
59
6-4. システムチェック
ベースラインがドリフトするなど機械の調子が思わしくない場合には、以下の
方法でシステムチェックを行う。
使用するもの
① 新しいセンサーチップ CM5(使用しているチップは使用できない)
② HBS-EP 緩衝液
③ 9mm ガラスバイアル
④ BIAtest soluton(BIA maintenance kit)
(方法)
BIA maintenance kit 中の BIAtest solution 1 ml を 9 mm のガラスバイアルに入れ、
R2F1 にセットする(あらかじめ、ラック 2 に Thermo_A をセットしておく)。
↓
空の 9mm のガラスバイアル 4 本を R2E1 から R2E4 にセットする。
↓
Tools → Test tools → System checkをクリックする。
(所要時間:約 40 分)
Start…をクリックする。
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60
6.メンテナンス
(結果の表示)
RU
40000
37000
34000
31000
Response
28000
25000
22000
19000
16000
13000
10000
0
500
1000
1500
2000
2500
Tim e
(システムの評価)
約 40 分間のシステムチェック終了後、上記のようなボックスが表示される。
↓
Evaluateをクリックする。
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s
6.メンテナンス
61
RESULTS
A. IFC
Serial
Sequential
Clip
Fc 1:
22292
OK
21278
OK
-5
OK
Fc 2:
22330
OK
21130
OK
7
OK
Fc 3:
22336
OK
21055
OK
45
OK
Fc 4:
22319
OK
21066
OK
37
OK
Fc 1-2:
13385
OK
10
OK
Fc 3-4:
13467
OK
17
OK
Fc 1-2-3-4:
22326
OK
45
OK
23
OK
Leaks:
B. Refractometer test
15% Sucrose
Baseline level
Fc 1:
22287
Fc 1:
19752
Fc 2:
22338
Fc 2:
19758
Fc 3:
22348
Fc 3:
19764
Fc 4:
22331
Fc 4:
19816
Average:
22326
Average:
19773
Stdev:
27
( 22000 - 23000 )
( < 200 )
Stdev:
29 ( < 300 )
C. Mixing
Mix 1:
13385
Mix 2:
13467
Average:
13426
Difference (%):
1.2
Dilution factor:
-0.20
OK
Check!
D. Noise
Short term
Stdev
Long term
Slope
Fc 1:
0.08
( < 0.2 RU )
Fc 1:
0.01
( < 0.05 RU/s)
Fc 2:
0.05
( < 0.2 RU )
Fc 2:
0.00
( < 0.05 RU/s)
Fc 3:
0.06
( < 0.2 RU )
Fc 3:
0.00
( < 0.05 RU/s)
Fc 4:
0.08
( < 0.2 RU )
Fc 4:
0.01
( < 0.05 RU/s)
エラーがある場合には赤色で表示される。次ページの解説にしたがって対処す
る。それでもシステムの調子が思わしくない場合には、機械の故障が考えられ
る。
システムチェックはできるだけ定期的に実施する。
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62
7.データ管理
7.データ管理
実験結果ファイルは各自のフォルダー内に保存する。各自のフォルダーは以下
の方法で Bia Users フォルダーの中に作成する。
①My Computerから作成する方法
Windows 初期画面の My computer(
) をクリックする。
↓
Bia(C):をクリックし、Bia Users のフォルダーをダブルクリックして開く。
↓
File → New → Folderをクリックし、フォルダー名入力後、Enterをクリックす
る。
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7.データ管理
63
②Exploreから作成する方法
Start → Program → Windows Explores をクリックする。
↓
C:(ハードディスク)の中のBia Usersのフォルダーをハイライトにし、File →
New → Folderをクリックする。
↓
フォルダー名を入力し、Enter をクリックする。
フォルダーの作成における注意事項・解説
自分のフォルダーは Bia Users の中に作成する。他のフォルダー内に作成すると(例えば
Biacore 等)
、ソフトウェアの再インストール時に、消去されてしまう場合がある。
各自のフォルダーの中に、さらに詳細なフォルダーを作成することも可能である。
日付あるいは実験内容など細かくフォルダーを作成すると便利である。
ファイルの容量について
基本的な実験での各ファイルの容量はおおよそ以下のようになる。
① 固定化操作
(アミンカップリング)
1 個のフローセルを使用した場合
約 20 kb
4 個のフローセルを使用した場合
約 76 kb
(チオールカップリング)
1 個のフローセルを使用した場合
約 20 kb
② 相互作用の検討
1 個のフローセル使用、5 サンプルの場合
約 90 kb
5 個のフローセル使用、5 サンプルの場合
約 150 kb
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64
8. プログラムの説明
8.プログラムの説明
ここでは、簡単なプログラムを基礎から理解することを目的として説明する。
BIACORE のプログラムは基本的に 1 つの MAIN ボックスと 1 つあるいは複数個
の DEFINE APROG ボックスから成り立っている。MAIN ボックスは、Method の
諸条件を決め、DEFINE APROG ボックスで実際の実験操作を行う。どちらのボッ
クスも最後の行に END を入力してボックスを括る。
ステップ 1: MAIN ボックス
1 つのプログラムには必ず 1 つだけの MAIN ボックスが存在する。MAIN ボック
スの内容は、上のコマンドから順次実行する。プログラムは MAIN ボックスだけ
で動かすことができる。非常に簡単な MAIN ボックスのみのプログラムを示すと
次のようになる。
File New Method をクリックし、新しいMethodボックスを開き、プログラムを
入力する。
MAIN
DETECTION 1
END
Run Run Method… をクリックすると、プログラムを実行する。モニター画面
上の右下、 Status windowのDETECTIONが 1 に設定されすぐにプログラムが終
了する。このように、MAINボックス内のコマンドを実行する。
次に、この MAIN を少しだけ複雑にする。以下のプログラムを入力する。
同様に Run させる。
MAIN
DETECTION 1
DETECTION 2
DETECTION 3
DETECTION 4
END
Run させると DETECTION 1 → 2 → 3 → 4 と切り替わり終了する。
このように、MAIN ボックスはコマンドを上から順番に実行していく。
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8. プログラムの説明
65
(参考)
MAIN ボックスだけを使用し、便利な洗浄プログラムを組むことができる。プロ
グラムで Working Tools 中のメンテナンスコマンドを実行することができる。
MAIN
Prime
Prime
Rinse
Rinse
END
上記のように入力後、Run させると、Prime を 2 回、Rinse を 2 回実行して終了
する。しばらく BIACORE を洗浄したいときに便利である。
このように、プログラム中に MAIN ボックスが 1 個あれば、プログラムは実行さ
れる。また、MAIN ボックスがないとプログラムを実行させることができない。
ステップ 2: APROGボックス
プログラムは MAIN ボックスがあれば Run させることができるが、MAIN ボック
スだけではサンプルの添加等の実験操作を行うことはできない。そこで、APROG
(Analysis Program の略)ボックスを使用してこれらの操作を行う。
ここでは、サンプルを 1 回インジェクトするプログラムを作成してみる。
ラック 1 の R2A1 にサンプルをセットする。このサンプルを 1 分間インジェクト
するプログラムを作成する。
DEFINE APROG injection
FLOW
5
INJECT R2A1 5
END
FLOW は流速の設定で、この場合 5 μl/min になる。
DEFINE APROG injection の injection とは、この APROG ボックスの名前になる。
このプログラムを入力し、Run → Prerun Methodを行うと以下のような“error”
が表示される。(Prerun Methodは、作成したプログラム言語が正しいかどうか検
索するものである。29 ページ参照)。
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66
8. プログラムの説明
>> Expecting keyword MAIN
これは、MAIN ボックスがないというメッセージである。
プログラムは APROG ボックスだけで実行することはできない。
.
次のプログラムのように MAIN ボックスを使用して APROG ボックスを行う命令
を入力する。
DEFINE APROG injection
FLOW
5
INJECT R1A1 5
END
MAIN
DETECTION
APROG
1
injection
END
まず MAIN ボックスを順番に実行し、APROG injection で上記の DEFINE APROG
injection が実行される。APROG ボックスが終了すると MAIN ボックスの END と
なりプログラムが終了する。
DEFINE APROG(名前)と MAIN ボックスの APROG (名前)の名前が一致し
ていないとプログラムは実行されない。
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8. プログラムの説明
67
APROG を数回繰り返したい場合には、MAIN ボックスの APROG injection を繰り
返したい回数入力する。以下の場合には APROG を 2 回繰り返して実行する。
DEFINE APROG injection
FLOW
5
INJECT R1A1 5
END
MAIN
DETECTION
APROG
APROG
1
injection
injection
END
これを少し変形すると、APROG injection をフローセルを変えて実行することが
できる。
DEFINE APROG injection
FLOW
5
INJECT R1A1 5
END
MAIN
DETECTION
APROG
DETECTION
APROG
DETECTION
APROG
DETECTION
APROG
1
injection
2
injection
3
injection
4
injection
END
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68
8. プログラムの説明
ステップ 3: レポートポイント
レポートポイントをとることで、センサーグラムの任意の時間における測定値
(RU)をセンサーグラムの下のレポートポイントテーブルに表示させることが
できる。(14 ページ参照)
この表がレポートポイントテーブルである。
このようなレポートポイントをプログラムでとることができる。
DEFINE
0:10
0:20
0:30
END
APROG Injection
FLOW
5
RPOINT
10 sec
RPOINT
20 sec
RPOINT
30 sec
MAIN
DETECTION
APROG
1
injection
END
センサーグラムをスタートさせた後、任意の時間でレポートポイントをとりこ
む。プログラム中の RPOINT の前の時間がレポートポイントをとりこむ時間とな
る。
0:20
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RPOINT
20 sec
8. プログラムの説明
69
この場合には、センサーグラム測定開始から 20 秒後にレポートポイントを作成
することになる。
プログラム中の RPOINT の右側に入力したもの(例えば 10 sec、20 sec、30 sec)
はコメントなり、表中に表示される。レポートポイントテーブルの AbsResp は
グラフ上の値(絶対値)、RelResp は設定したベースラインとの差(相対値)に
なる。レポートポイントは設定した時間を中心とした 5 秒間の平均値として計
算される(Window 5)。
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70
8. プログラムの説明
(アスタリスクマーク(*)を使用した時間設定の仕方)
レポートポイントの時間をセンサーグラム開始からの時間の設定では紛らわし
いので、コマンドの実行開始時間からの設定にすることができる。
DEFINE APROG assay
FLOW
*
INJECTR1A1
5
5
0:10 RPOINT 10 sec
0:20 RPOINT 20 sec
0:30 RPOINT 30 sec
*
INJECT R1A1 5
0:10
0:20
RPOINT 10 sec
RPOINT 20 sec
0:30
END
RPOINT 30 sec
MAIN
DETECTION
APROG
END
1
assay
例えば、上のプログラムの、
0:10
RPOINT
10 sec
は、その直前の
* INJECT
R1A1 5
の*印からの時間、つまり R1A1 のサンプルのインジェクション開始時間から
10 秒後にレポートポイントを作成することになる。上のプログラムでは、さら
に 20 秒後、30 秒後にレポートポイントをとるようになっている。
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8. プログラムの説明
71
(ベースラインの取り方)
サンプルの結合量を表示させる場合には、インジェクトする前の値をベースラ
インとし、結合量をベースラインとの相対値で表示させる。
プログラム中の RPOINT コマンドの後に-b と入力すると、
0:10 RPOINT
10 sec
-b
そのときの値がベースライン(相対値 0)となり、それ以後の値がベースライン
との差として表示される。
DEFINE APROG assay
FLOW
5
* INJECT
R1A1 5
0:10 RPOINT
10 sec -b
0:20
0:30
END
RPOINT
RPOINT
20 sec
30 sec
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72
8. プログラムの説明
ステップ 4: DETECTIONとFLOWPATH
BIACORE 3000 の場合には、4 つのフローセルをそれぞれ単独に使用する以外に、
いろいろな組み合わせで直列に流して分析を行うことができる。これを設定す
るには以下の 2 つのパラメーターを設定する。
DETECTION :検出のモード
FLOWPATH :流路の設定
DETECTION は検出のモードのことである(MAIN ボックスで設定)。
FLOWPATH は流路への流し方である(APROG ボックスで設定)。
それぞれは、以下の組み合わせの中から設定できる。
FLOWPATH (APROG)
DETECTION (MAIN)
1
2
3
4
1
2
3
4
1,2
1,2(フローセル 1 をコントロールとする場合)
3,4
3,4(フローセル 3 をコントロールとする場合)
1,2
2-1
3,4
4-3
1,2,3,4
1,2,3,4(フローセル 1 をコントロールとする場合)
1,2,3,4(フローセル 1 および 3 をコントロールとする場合)
1,2,3,4
2-1,3-1,4-1
2-1,4-3
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8. プログラムの説明
73
実験の途中で FLOWPATH を変更することができる。
FLOWPATH
FLOWPATH
FLOWPATH
FLOWPATH
1
2
3
4
FLOWPATH
1,2
FLOWPATH
1,2,3,4
上の中から選択することができる。
途中で FLOWPATH を変更する場合には、DETECTION モードは、必ず DETECTION
1,2,3,4 に設定する。
DEFINE APROG
FLOW
FLOWPATH
FLOWPATH
FLOWPATH
FLOWPATH
END
path
10
1
2
3
4
MAIN
DETECTION
APROG
1,2,3,4
path
END
上のプログラムではスタート後、FLOWPATH が順番に変更される。
Biacore®3000
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74
8. プログラムの説明
DEFINE APROG path
FLOW
10
FLOWPATH
1
INJECT R1A1 10
FLOWPATH
2
INJECT R1A1 10
FLOWPATH
3
INJECT R1A1 10
FLOWPATH
4
INJECT R1A1 10
END
MAIN
DETECTION
APROG
1,2,3,4
path
END
上のプログラムの場合、FLOWPATH 1 にした後、R1A1 をインジェクトし、さら
に、FLOWPATH 2、FLOWPATH 3、FLOWPATH 4 と随時流路を変更し、R1A1 のサ
ンプルをインジェクトすることになる。
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8. プログラムの説明
75
ステップ 5: 固定化のプログラム
C:\Program Files\Biacore 3000\Guide\Methods とフォルダーを開け、固
定化のプログラムである Amine.blm をクリックし、ファイルを呼び出す。
DEFINE APROG immob
CAPTION Amine coupling
FLOW
10
DILUTE
R2E1 R2E2 R2E3 50
*
INJECT
R2E3 70
-0:10
RPOINT
Baseline -b
INJECT
R2A1 70
INJECT
R2E4 70
* INJECT
R2F3 10
2:00
END
RPOINT
MAIN
RACK
RACK
RACK
DETECTION
APROG
APPEND
END
immob
1 thermo_c
R Reag_a
2 thermo_a
1
immob
Standby
今までどおりMAINを順番に実行する。RACK 1 thermo_bはラックベースの設
定であるが、あらかじめCommand Rack Base で設定している場合には、削除
しても差し支えない。なお、RACK R は中央のラックベース位置である。この
位置にはReag_Aのみ設定することができる。APROG中には、FLOWPATHの設定を
行っていないが、FLOWPATHを設定しない場合には、DETECTIONモードで自動的
に設定される。
Biacore®3000
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76
8. プログラムの説明
DETECTION
DETECTION
DETECTION
DETECTION
DETECTION
1
2
3
4
1,2,3,4
FLOWPATH 1
FLOWPATH 2
FLOWPATH 3
FLOWPATH 4
FLOWPATH 1,2,3,4
(説明)
APROG ボックス
CAPTION
センサーグラムのタイトル。この場合には、タイトルが Amine
なる。センサーグラムのタイトルを入力することができる。
coupling に
FLOW 10
流速を 10 μl/min に設定する。
DILUTE
R2E1 R2E2 R2E3 50
NHS と EDC の混合液を調製する。 R2E1 に EDC 溶液を R2E2 に NHS 溶液を
セット(逆でも可)し、R2E3 に混合するための空容器をセットする。50 は
R2E1 のサンプルの割合であり 50%である。この混合液は 200μl 作製する。
INJECT
R2E3 70
R2E3 で作成した混合液 70 μl をインジェクトする。流速が 10 μl/min なので 7
分間のコンタクトタイムになる(目的によりこの時間を変更する)。
INJECT
R2A1 70
R2A1 にセットされたリガンドを 70 μl インジェクトする。(目的によりこの
時間を変更する)。
INJECT
R2E4 70
R2E4 にセットされたエタノールアミンを 70 μl インジェクトする。
(通常は
NHS 活性化時間と同じ時間にする)。
INJECT
R2F3 10
洗浄溶液をインジェクトする。(例)50 mM
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NaOH
等
8. プログラムの説明
77
MAIN ボックス
DETECTION 1
検出モードをフローセル 1 にする。
APROG immob
APROG immob を実行する。
APPEND Standby
すべてのプログラムを終了したら、Standby 状態(すべてのフローセルに 5
μl/min の流速でランニング緩衝液を流すコマンド。54 ページ参照)
。
プログラム作成のときは、通常は最後に APPEND Standby と入力する。
このプログラムを実行すると、通常以下のような結果が得られる。
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78
8. プログラムの説明
(複数のフローセルに同じサンプルを固定するプログラム)
75 ページのプログラムにおいて DETECTION を 1,2,3,4 に変更すると、同じ固定
化を 4 個のフローセルに同時に実行することができる。この場合には流速を 20
μl/min に上げることで、フローセル間のラグタイムを短縮し、それぞれの固定化
量を再現性よく得ることができる。
DEFINE APROG immob
CAPTION amine coupling(Fc=1,2,3,4)
*
-0:10
*
2:00
END
FLOW
DILUTE
INJECT
RPOINT
INJECT
INJECT
INJECT
RPOINT
MAIN
DETECTION
APROG
APPEND
END
Biacore®3000
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20
R2E1 R2E2 R2E3 50
R2E3 140
Baseline -b
R2A1 140
R2E4 140
R2F3 20
immob
1,2,3,4
immob
Standby
8. プログラムの説明
79
(それぞれのフローセルに異なったリガンドを固定化する)
それぞれのフローセルに、異なったリガンドを同じプログラムで固定化するこ
ともできる。
下のプログラムの場合、2 個のフローセルについて、同時に NHS 活性化した後
に、各フローセルに別々のリガンドを固定化し、さらに 2 つのフローセルを同
時にエタノールアミンでブロッキングするプログラムである。
DEFINE APROG immob
CAPTION Amine coupling
FLOW
10
FLOWPATH
1,2
DILUTE R2E1 R2E2 R2E3 50
*
INJECT R2E3 70
-0:10
*
2:00
END
RPOINT Baseline -b
FLOWPATH
1
INJECT
R2A1 70
FLOWPATH
2
INJECT
R2A2 70
FLOWPATH
1,2
INJECT
R2E4 70
INJECT R2F3 10
RPOINT immob
MAIN
DETECTION
APROG
APPEND
END
1,2
immob
Standby
活性化された NHS 基の安定性が悪いため、上記のようなプログラムで行うと、
後半の固定化量が低くなる傾向がある、同一条件で異なるリガンドを固定化す
る場合には、NHS の活性化から別々に行う以下のプログラムで行う方がよい。
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80
8. プログラムの説明
このプログラムでは、2 個の APROG を作成し、それぞれの APROG をフローセル
を変更して実行する。
DEFINE APROG immob1
CAPTION Amine coupling(FLOWCELL1)
*
-0:10
*
2:00
FLOW
10
DILUTE R2E1 R2E2 R2E3 50
INJECT R2E3 70
RPOINT Baseline -b
INJECT
R2A1 70
INJECT
R2E4 70
INJECT R2F3 10
RPOINT immob
END
DEFINE APROG immob2
CAPTION Amine coupling(FLOWCELL2)
*
-0:10
*
2:00
END
FLOW
10
DILUTE R2E5 R2E6 R2E7 50
INJECT R2E7 70
RPOINT Baseline -b
INJECT
R2B1 70
INJECT
R2E8 70
INJECT R2F3 10
RPOINT immob
MAIN
DETECTION
APROG
DETECTION
APROG
APPEND
END
Biacore®3000
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1
immob1
2
immob2
Standby
8. プログラムの説明
81
(4つのフローセルに 1 つのリガンドを固定化量を変えて固定する)
各フローセルでリガンドのインジェクト時間を変えて固定化量を変化させるこ
とができる。
DETECTION および FLOWCELL を 1,2,3,4 に設定し、リガンドのインジェクトのコ
マンドを以下のように変更する。
INJECT
R2A1 70,35,20,10
このようにするとリガンドがフローセル 1,2,3,4 にそれぞれ 70 μl、
35μl、20 μl、10 μl 流れ、固定化量を変化させることができる。
Gradient surface
RU
40000
35000
Response
30000
25000
20000
15000
10000
5000
0
500
1000
1500
2000
s
Time
DEFINE APROG immob
CAPTION Amine coupling
FLOW
10
DILUTE
R2E1 R2E2 R2E3 50
*
INJECT
R2E3 70
-0:10
RPOINT
Baseline -b
INJECT
R2A1 70,35,20,10
* INJECT
R2E4 70
8:00
RPOINT
immob
END
MAIN
DETECTION
APROG
APPEND
END
1,2,3,4
immob
Standby
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82
8. プログラムの説明
ステップ 6: 相互作用のプログラム
相互作用のプログラムは基本的に固定化のプログラムと同様である。ここで、
サンプルを 2 分間インジェクトするプログラムを作成してみる。
ここでは、R2A1 に置いたサンプルをインジェクトするプログラムを作成する。
DEFINE APROG assay
FLOW
20
FLOWPATH
1
INJECT
R2A1
END
MAIN
DETECTION
40
1
APROG
assay
APPEND
Standby
END
..
このプログラムは、R2A1 という固定の位置にサンプルを 1 個置いた場合のプロ
グラムであるが、通常の実験では、サンプルは複数個あり、サンプルのポジシ
ョンが毎回変わってくることになる。
次に 3 つのサンプルを同じプログラムで測定するプログラムを作成してみる。
下のプログラムの場合、サンプルは R2A1、R2A2、R2A3 にある。
DEFINE APROG assay
PARAM
%pos
FLOW
FLOWPATH
INJECT
20
1
%pos 40
END
MAIN
DETECTION
1
APROG assay
R2A1
APROG assay
R2A2
APROG assay
R2A3
APPEND Standby
END
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8. プログラムの説明
83
BIACORE のプログラムでは、パラメーターは%で表示する。この場合には、サン
プルのポジションが毎回異なるので、INJECT %pos と入力する。パラメータ
ーとして%pos があるので、PARAM %pos と入力する。MAIN ボックスに APROG
assay があるので APROG assay が実行されるが、APROG assay R2A1 と入力す
ると、R2A1 がサンプル位置(%POS)になり、2 回目は R2A2、3 回目は R2A3
がサンプル位置になる。このようなプログラムを作成すると、サンプル位置が
異なる分析を行うことができる。さらにサンプル数を増やしたい場合には、
APROG assay サンプル位置をコピー/ペーストして増やし、ポジションを変更
していく。
通常の相互作用の検討の場合には、アナライト結合後、再生溶液で再生を行う
ので、以下のようなプログラムになる。
DEFINE APROG assay
PARAM
%pos
FLOW
FLOWPATH
20
1
*
-0:10
2:20
INJECT
RPOINT
RPOINT
%pos 40
baseline –b
bound
*
2:00
END
INJECT
RPOINT
R2F3
20
regeneration
DETECTION
1
MAIN
APROG assay R2A1
APROG assay R2A2
APROG assay R2A3
APPEND
Standby
END
Biacore®3000
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84
8. プログラムの説明
(変数が 2 つ以上ある場合のプログラムの作成)
プログラムの中に変数(毎回変化するもの)が 2 つ以上ある場合でも基本的に
同じ方法をとる。例えば、サンプルのポジションとインジェクト容量の 2 個の
パラメーターが毎回変化する場合のプログラムは以下のようになる。
サンプルは R2A1、R2A2、R2A3 の 3 つのサンプルで、それぞれを 10 μl、
20 μl、30 μl と異なった量をインジェクトするとする。
DEFINE APROG assay
PARAM
*
-0:10
2:20
*
2:00
%pos %vol
FLOW
FLOWPATH
20
1
INJECT
RPOINT
%pos %vol
baseline –b
RPOINT
bound
INJECT
R2F3 20
RPOINT regeneration
MAIN
DETECTION
APROG
APROG
APROG
APPEND
END
1
assay
R2A1
assay
R2A2
assay
R2A3
Standby
10
20
30
この場合には変数が% pos と% vol と 2 個になる。
PARAM % pos % vol となり、INJECT % pos % vol と入力する。
さらに、MAIN ボックス中の APROG assay の後に PARAM % pos % vol の順
番でそれぞれを入力する。
つまり、1 回目は、R2A1 のポジションで 10 μl( APROG assay R2A1 10)
2 回目は、R2A2 のポジションで 20 μl( APROG assay R2A2 20)
3 回目は、R2A3 のポジションで 30 μl( APROG assay R2A3 30)
と入力する。
APROG の後は、PRAM で設定した変数内容の順番で入力する。
Biacore®3000
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8. プログラムの説明
85
(相互作用の検出のための基本的なプログラム)
実際に相互作用を分析する有効なプログラムを作成してみる。
実験のモデルとして以下の条件を想定する。
フローセル 1
フローセル 2
アナライト
:コントロール
:抗体固定化フローセル
:抗原(2 種類、2 濃度)
(サンプル)
① Antigen_1
② Antigen_1
③ Antigen_2
④ Antigen_2
25 μg/ml
12.5 μg/ml
25 μg/ml
12.5 μg/ml
DEFINE APROG assay
PARAM
%pos %ID %conc
CAPTION
*
-0:10
3:20
*
2:00
END
Binding of %ID(%conc) to immobilized antibody
FLOW
20
FLOWPATH
1,2
KINJECT
RPOINT
RPOINT
INJECT
RPOINT
%pos 60
180
Baseline
-b
bound
R2F3
20
regeneration
MAIN
DETECTION
2-1
APROG
assay
APROG
assay
APROG
assay
APROG
assay
APPEND Standby
R2A1
R2A2
R2A3
R2A4
antigen_1
antigen_1
antigen_2
antigen_2
25ug/ml
12.5ug/ml
25ug/ml
12.5ug/ml
END
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Instrument Handbook
86
8. プログラムの説明
このプログラムでは、プログラム上で変数となるのは、サンプル位置のみであ
るが、% ID(サンプルの種類)および% conc(サンプル濃度)と変数として入
力することで、各サンプルポジションにおけるサンプル名および濃度を具体的
に入力して表示し、記録することができる。CAPTION Binding of % ID(%conc)
to immobilized antibody を記載しておくと、センサーグラムのタイトルに%ID
と% conc がそのまま代入され、1 つめのサンプルでは、タイトルが
“Binding of Antigen_1(25 ug/ml) to immobilized antibody”
となり、2 つめのサンプルでは、
“Binding of Antigen_1(12.5 ug/ml) to immobilized antibody”
となって、センサーグラムグラフのタイトルを見るだけでどのようなサンプル
を使用した場合か簡単に分かって非常に便利である。
通常は、このプログラムを使用して(必要があればインジェクト容量などを変
化した)測定すればよい。
このプログラムでは、変数がサンプル位置だけなので、タイトル表示やサンプ
ルの記載等を必要としない場合には、下のような簡単なプログラムを作成して
実験を行ってもよい。
DEFINE APROG assay
PARAM
*
-0:10
2:20
*
2:00
%pos
FLOW
FLOWPATH
INJECT %pos 40
RPOINT
baseline –b
RPOINT
bound
INJECT
R2F3 20
RPOINT
regeneration
MAIN
DETECTION
APROG
APROG
APROG
APPEND
END
Biacore®3000
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20
1,2
2-1
assay
R2A1
assay
R2A2
assay
R2A3
Standby
9.Application Wizard を使用した実験方法
87
9.Application Wizard を使用した実験方法
汎用性の高い実験方法に関して、Wizard が設定されており、これを使用するこ
とにより簡単に実験を進めることができる。予備実験から、対照実験、結果の
評価までの一連の流れを手助けしてくれる。
Application wizard には以下のものがある。
・Surface preparation
・Binding analysis
・Kinetic analysis
・Customized Application
9-1.Surface preparation
9-1-1. Immobilization pH scouting
固定化する際のリガンド希釈液の選択を行うためのスカウティング操作。
9-1-2. Immobilization
固定化操作の Wizard。固定化量の調節等が簡単にできる。
9-1-3. Regeneration scouting
アナライトの再生条件を確立するための再生溶液スカウティング操作。
9-1-4. Surface performance test
再生溶液条件によるリガンドの安定性試験。
9-2.Binding analysis
固定化終了後に各種アナライトの結合の有無を調べたい場合に使用する。
スクリーニングに使用すると便利である。
Biacore®3000
Instrument Handbook
88
9.Application Wizard を使用した実験方法
9-3.Kinetic analysis
9-3-1. Concentration series
各種のアナライト濃度のサンプルを用意し、全自動でおおよその結合速度定数
(ka、単位 M-1s-1)および解離速度定数(kd、単位 s-1)を算出させる Wizard で
ある。得られるデータを BIAevaluation3.0 で解析することもできる。
9-3-2. Control experiments(各種のコントロール実験)
1) Mass transfer control:
リガンドの固定化量が多すぎて、マストランスポートリミテッド状態になっ
ているかどうかを調べるものである。
2) Linked reaction:固定化したリガンドとアナライトが 1:1 の反応なの
か、複雑な反応様式なのかを調べるものである。
9-4.Customized Application
任意に実験を組み立てるための Wizard である。
かなり複雑な操作を簡単に設定することができる。
以下、これらの Wizard を説明する。
Biacore®3000
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9.Application Wizard を使用した実験方法
89
9-1.Surface preparations
9-1-1.pH スカウティング
固定化したいリガンドの等電点が不明な場合には、各種の pH の 10mM 酢酸緩衝
液に希釈した同一濃度のリガンド溶液をセンサー表面にインジェクトし、デキ
ストランへの濃縮の程度を見ることができる。
リガンド(5~100μg/ml、10mM 酢酸緩衝液、pH4~6)
洗浄溶液(50mM NaOH)
Run → Run Application Wizard…をクリックする。
↓
Surface Preparation を選択し、Start…をクリックする。
↓
Biacore®3000
Instrument Handbook
90
9.Application Wizard を使用した実験方法
Immobilization pH Scouting を選択し、Next>をクリックする。
↓
使用する pH の酢酸緩衝液にチェックを入れ、Next>をクリックする。
濃縮効果が見られる pH は pH5~4 の範囲にある場合が多い。また、pH3.5
以下の緩衝液は使用しない。
表示された緩衝液以外を使用する場合には、Add…をクリックして設定する。
↓
リガンド名、インジェクト時間(分)、流速(μl/min)、使用するセルを選択し、
Next>をクリックする。
↓
Biacore®3000
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9.Application Wizard を使用した実験方法
91
pH スカウティング終了後、非特異的に結合したリガンドを洗浄溶液で洗浄する。
2 段階(2 種類の洗浄溶液)を使用する場合には、Wash Method の Two Injections
をクリックする。
洗浄溶液名および条件を入力し、Next>をクリックする。
洗浄溶液は最後のリガンドを添加した後に添加される。それぞれの pH のリ
ガンドを添加した際には洗浄操作は行われない。
洗浄溶液は、高イオン強度あるいは高い pH の溶液での洗浄を推奨する(た
とえば、3M NaCl,50mM NaOH, 1M Etnaolamine-HCl,pH8.5 等)
↓
Biacore®3000
Instrument Handbook
92
9.Application Wizard を使用した実験方法
サンプルの位置を確認あるいは変更し(101 ページ参照)
、Next>をクリックす
る。
↓
Biacore®3000
Instrument Handbook
9.Application Wizard を使用した実験方法
93
サンプルの位置、容量を再度確認し、Start をクリックする。
↓
保存先のフォルダーを指定し、ファイル名を入力し、Save をクリックする。
↓
実験がスタートする。
Biacore®3000
Instrument Handbook
94
9.Application Wizard を使用した実験方法
(実験結果の表示)
実験が終了すると、以下のような結果が表示される。
さらに以下のようなレポートも表示される。
Biacore®3000
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9.Application Wizard を使用した実験方法
95
上記の結果から使用する pH を決める。
(結果の評価)
一般的には、濃縮効果が得られる最も高い pH の条件を用いて固定化する。
濃縮効果および使用しているリガンドの安定性等を考慮して最終的に決定する。
基本的に濃縮効果が得られる条件では固定化が可能である。
Biacore®3000
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96
9.Application Wizard を使用した実験方法
9-1-2.Immobilization(固定化操作)
~アミンカップリングによる固定化方法
この方法は、アミンカップリングによりリガンドを固定化する方法である。そ
の他の固定化方法(チオールカップリング、アルデヒドカップリング)につい
ては、Wizard Template(172 ページ)を参照すること。
Run → Run Application Wizard…をクリックする。
↓
Surface Preparation を選択し、Start…をクリックする。
↓
Biacore®3000
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9.Application Wizard を使用した実験方法
97
Immobilization を選択し、Next>をクリックする。
↓
センサーチップ(CM5)および固定化方法(Amine Coupling)を選択し、Next>
をクリックする。
↓
Biacore®3000
Instrument Handbook
98
9.Application Wizard を使用した実験方法
Aim for Immobilized Level(99 ページ参照)
目的の固定化量に調節したい場合に使用。
Specify Flow Rate and Injection Time(107 ページ参照)
決められた条件(リガンドインジェクト時の流速とインジェクト時間の
み設定)で行う場合に選択する。
↓
いずれかを選択し、Next>をクリックする。
Biacore®3000
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9.Application Wizard を使用した実験方法
99
① Aim for Immobilized Level
あらかじめ目的の固定化量を設定して固定化操作を行う場合に使用する Wizard
である。
流速は 5μl/min、NHS 活性化時間、エタノールアミン不活性化時間はそれ
ぞれ 7 分間に固定化されており変更はできない。
Aim for Immobilized Level 選択し、を Next>をクリックする。
↓
固定化したいリガンド名を固定化するフローセルに入力し、目的の固定化量
(RU)、洗浄溶液を入力し、Next>をクリックする。
Biacore®3000
Instrument Handbook
100
9.Application Wizard を使用した実験方法
(補足)
① 複数の固定化を同時に行うこともできる。
この場合には、それぞれのフローセルに同様にリガンド名、固定化量を入力する。
②フローセル 1 および 3 をブランクコントロールとして使用することができる。この場合
には、Blank にマーク(√)を入力すると、NHS 活性化後、そのままエタノールアミンで
ブロッキングしたセルを作製する。
③何も処理していないフローセルをコントロールにしたい場合には、この画面上では処理
を行わない。
④ブランクコントロールのセルは、フローセル 1 および 3 にすると、後の実験に便利であ
る。
Biacore®3000
Instrument Handbook
9.Application Wizard を使用した実験方法
101
リガンドや試薬のバイアルのセット位置がラックベース上に表示される。
バイアルのセット位置を変更する場合には、ラック上のバイアルにカーソル
を移動し、ドラッグして、好きな場所に移動することができる。その場合には、
上部表中のサンプル位置も自動的に変更される。サンプル位置の変更にとも
ない、バイアルの大きさが変わる場合には、サンプル必要量も変更されるの
で注意すること。
Biacore®3000
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102
9.Application Wizard を使用した実験方法
(サンプル位置の変更例)
毎回同じ設定で固定化したい場合には、この設定を保存することもできる。
Menu▼ → Template Save As…で保存する。
Next>をクリックする。
↓
Biacore®3000
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9.Application Wizard を使用した実験方法
103
バイアル位置およびサンプル容量に間違いがないことを確認して Start をクリッ
クする。
↓
保存先のフォルダーを選択し、ファイル名を入力し、Save をクリックする。
↓
固定化操作が開始される。
Biacore®3000
Instrument Handbook
104
9.Application Wizard を使用した実験方法
固定化が終了すると、上記の様なレポートが表示される。
Response 1.
Response 2.
リガンド添加の前後でのレスポンスの比較
NHS 活性前とエタノールアミン添加後のレスポンスの比較
固定化量が少ない場合(1000RU 以下)には Response 1.を参考にする。
Biacore®3000
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9.Application Wizard を使用した実験方法
105
(補足)
この Wizard では、固定化操作に入る前に、リガンド溶液をフローセルにテストインジェク
トし、プレコンセントレーション効果がえられるか?また目的の固定化量に固定化できる
条件であるかを機械的に判断する。
セットしたリガンド溶液に問題がある場合には、この時点でプログラムが自動的に終了す
る。この場合、フローセルにはリガンドは固定化されていないので、リガンド溶液を調製
しなおして、同じフローセルに再度固定化操作を試みる。
リガンド溶液に問題がある場合には以下のような表示が出る。
①プレコンセントレーション効果が少なすぎる場合
テストインジェクトにおいてリガンドの濃縮が観察されなかった場合、もしくはあまりに
も濃縮がゆっくりしているため、添加時間を長くしても目標のレベルまで固定化できそう
もない、と判断される場合は上のようなメッセージが表示され、固定化操作が中止される。
この場合には、希釈緩衝液の pH を下げるか、リガンド濃度を上げて、プレコンセントレ
ーション効果を上げて固定化操作をやり直す。
Biacore®3000
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106
9.Application Wizard を使用した実験方法
②プレコンセントレーション効果が高すぎる場合。
テストインジェクトにおいてリガンドの濃縮が高すぎて、添加時間を短くしても目標のレ
ベル以上に固定化されてしまうと判断される場合は上のようなメッセージが表示され、固
定化操作が中止される。
この場合には、希釈緩衝液の pH を上げるか、リガンド濃度を下げて、プレコンセントレ
ーション効果を下げて固定化操作をやり直す。
Biacore®3000
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9.Application Wizard を使用した実験方法
107
② Specify Flow Rate and Injection Time
リガンドのインジェクトの際の流速およびインジェクト時間だけを設定して、
固定化を行う Wizard である。決められた固定化方法を繰り返すような場合に簡
単で便利である。
実験条件
NHS 活性化
リガンドインジェクト
エタノールアミン不活性化
流速
5μl/min
自由に設定
5μl/min
時間
7 分間
自由に設定
7 分間
Specify Flow Rate and Injection Time を選択し、Next>をクリックする。
Biacore®3000
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108
9.Application Wizard を使用した実験方法
使用するフローセルに固定化するリガンドの名前を入力し、リガンドインジェ
クト時間および流速を設定し、Next>をクリックする。
↓
サンプルのポジションが表示されるので、指示どおりにサンプルをセットする
か、もしくはサンプルの位置を確認あるいは変更(101 ページ参照)し、Next
>をクリックする。
↓
Biacore®3000
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9.Application Wizard を使用した実験方法
109
サンプルの位置および容量を確認し、Start をクリックする。
↓
保存先のフォルダーを指定し、ファイル名を入力し、Save をクリックする。
固定化操作が開始される。
Biacore®3000
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110
9.Application Wizard を使用した実験方法
さらに固定化量が下のように表示される。
Response 1 および 2 についての解説は 104 ページ参照のこと。
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9.Application Wizard を使用した実験方法
111
9-1-3. Regeneration scouting (再生条件検討実験)
固定化操作を終了後、アナライトとの相互作用を分析するにあたって、アナラ
イトの再生条件を検討する必要がある。
再生条件として、以下を満たす必要がある。
①結合したアナライトを完全に再生できること。
②固定化したリガンドが失活しないこと。
③リガンドが、デキストランから脱落しないこと。
再生条件検討のための Wizard が Regeneration scouting である。
Regeneration scouting を選択し、Next>をクリックする。
↓
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112
9.Application Wizard を使用した実験方法
アナライトの名前、インジェクト時間、および流速を入力し、使用するフロー
セルを設定し、Next>をクリックする。
↓
指定された場所にアナライトを置くか、位置を変更し、Next>をクリックする。
↓
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9.Application Wizard を使用した実験方法
113
サンプル位置および容量を再度確認し、Start をクリックする。
↓
保存先のフォルダーを開き、ファイル名を入力し、Save をクリックする。
実験が開始される
↓
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114
9.Application Wizard を使用した実験方法
Regeneration Scouting
RU
16000
15800
15600
Re s p on s e
15400
15200
15000
14800
14600
14400
0
50
100
150
200
250
300
350
Tim e
400
450
s
センサーグラムがスタートし、アナライトがインジェクトされる。
↓
上のようなボックスが開いたら、Regeneration…をクリックする。
(アナライトの結合量が少ない場合には、Add Analyte…をクリックすると、ア
ナライトを再度添加できる)
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9.Application Wizard を使用した実験方法
115
使用する再生溶液を選択し、インジェクト時間、流速、バイアル位置を設定し、
Start をクリックする。
再生溶液の 1 回のインジェクトは 30 秒~1 分間程度とし、再生が不充分な場合
には、この短いインジェクトを複数回繰り返すようにする。
ボックスの中に、使用したい再生溶液がない場合には、Add をクリックして
溶液名を入力し OK をクリックし、再生溶液を追加する。
↓
Regeneration Scouting
RU
16000
15800
15600
Response
15400
15200
15000
14800
14600
14400
14200
14000
0
100
200
300
400
Tim e
500
600
700
s
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116
9.Application Wizard を使用した実験方法
1 つ目の再生溶液がインジェクトされ、再生状況がモニターできる。
さらに、異なる再生溶液を試みる場合には、Regeneration…をクリックし、その
他の再生溶液の効果を見ていく。
↓
Regeneration Scouting
RU
16000
15700
15400
15100
Re sponse
14800
14500
14200
13900
13600
13300
13000
0
200
400
600
800
Tim e
1000
1200
1400
1600
s
終了する場合には、Finish…をクリックする。
(結果の評価)
■再生効率が 20%よりも少ない(Analyte が 80%以上残る)場合には、再生溶
液の条件を厳しくする。(pH を低くする、イオン強度を上げる等)
■再生効率が 20~80%の(Analyte が 80~20%残る)場合には、繰り返し同じ
再生溶液を 2 回添加してみる。
■最初の添加で、再生効率が 90%もしくはそれ以上の場合(=ほとんど再生さ
れる場合)には、もう少しマイルドな条件の再生溶液を使える可能性がある。
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9.Application Wizard を使用した実験方法
117
9-1-4.Surface Performance Test
pH Scouting Wizard 等で決めた再生条件について、この条件が適している条件で
あるかをテストするものである。ここでは、次のような項目を確認する。
① 同一濃度のアナライト結合量が、各サイクルで変化がないか(リガンド
の失活は起きていないか)
② 再生が各サイクルで十分できているか。
③ ベースラインが各サイクルで変化しないか。
Surface Preparation Test を選択し、Next>をクリックする。
↓
アナライト名を入力し、インジェクト時間(分)、流速(μl/min)、分析回数、お
よび使用フローセルを指定し、Next>をクリックする。
↓
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118
9.Application Wizard を使用した実験方法
再生溶液を入力し、再生回数、再生時間等を入力し、Next>をクリックする。
(注意)
再生条件は以下の3つのうちから選ぶことができる。
バッファーによる解離
ランニング緩衝液のみを流してアナライトを解離させる。
(解離速度が非常に速いアナライトのみに使用可能)
シングルインジェクション
再生溶液を 1 回添加する。
(最も一般的な方法)
ツーインジェクション
再生溶液を 2 回添加する。
(上の2つで再生できないような場合に有効なことがある)
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9.Application Wizard を使用した実験方法
119
↓
サンプル位置を確認あるいは変更し、Next>をクリックする。
↓
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120
9.Application Wizard を使用した実験方法
サンプル位置を確認あるいは変更し、Start>をクリックする。
↓
保存先のフォルダーを指定し、ファイル名を入力し、Save をクリックする。
再生条件の検討を開始する。
↓
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9.Application Wizard を使用した実験方法
121
(再生条件の評価)
Baseline Level および Response Level が表示される。
Baseline Level は各サイクルのベースラインレベルの変化、Response Level は各サ
イクルの同一濃度のアナライトの結合量の変化を表している。
はっきりとした傾向がなく、変動の幅が小さい場合は無視することができる。
しかし、ベースラインが上昇していく傾向があるときは、一般的に再生が不充
分でアナライトが蓄積していることが考えられる。レスポンスの変動がなく一
定の場合には、ベースラインが幾分か減少しても、あまり問題にはならない。
しかしベースラインの減少とともにレスポンスの減少が見られる場合は、再生
操作中にリガンドがセンサーチップから外れている可能性が考えられるので注
意が必要である。
一方、Response Level が減少しているときは、再生によりリガンドがダメージを
受けていることが考えられる。また、アナライトが蓄積していくと、アナライ
トが結合できるキャパシティーを減少することもあるので注意が必要である。
以上をまとめて下に表示すると、ベースラインおよびアナライトのレスポンス
に明らかな変動がある場合、
①Baseline Level 低下(↓)および Response Level 低下(↓)の場合
再生操作によりリガンドが遊離していることが考えられる。
②Baseline Level 不変(→)および Response Level 低下(↓)の場合
再生操作によりリガンドが失活していることが考えられる。
③Baseline Level 上昇(↑)および Response Level 低下(↓)の場合
再生操作によってもアナライトが完全に遊離していないことが考えられる。
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122
9.Application Wizard を使用した実験方法
9-2.Binding analysis(特異的結合実験)
各種アナライトの結合の有無を調べたい場合に使用する Wizard である。
スクリーニング等の多検体の分析に使用する。
Run → Application Wizard…をクリックする。
↓
Binding Analysis を選択し、Start…をクリックする。
↓
Direct Binding を選択し、Next>をクリックする
↓
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9.Application Wizard を使用した実験方法
123
使用するフローセル、流速、サンプルインジェクト回数(同一サンプルのイン
ジェクション回数)およびインジェクション時間(分)を入力し、Next>
をクリックする。Wait After Injection: はそのままにしておく。
多段階の反応を見る場合には、Number of Sample Injections:の数字を増加させる。
Response
(RU)
16000
2サンプル目
3サンプル目
14000 1サンプル目
12000
10000
8000
6000
0
200
400
600
800
1000
Time (seconds)
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124
9.Application Wizard を使用した実験方法
Sample にサンプル名を Repl.に同一サンプルの繰り返し回数を入力する。
As Entered をクリックすると、入力したサンプルの分析順を指定することがで
きる。
Random
As Entered
Step
:入力したサンプルをランダムに実行
:入力した順番で実行
:サンプルの種類ごとで分析
↓
Next>をクリックする。
↓
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9.Application Wizard を使用した実験方法
125
再生条件を設定し(111 ページ参照)、Next>をクリックする。
↓
バイアルのポジションを確認あるいは変更し、Next>をクリックする。
↓
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126
9.Application Wizard を使用した実験方法
バイアル位置、容量を再度確認後、Start をクリックする。
↓
保存先のフォルダーを指定し、ファイル名を入力後、Save をクリックする。
プログラムが動き出す。
(実験結果の表示)
実験が終了すると、以下のような実験結果が表示される。
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9.Application Wizard を使用した実験方法
127
結合量のグラフも同時に表示される。
各サンプルの結合量が表示される。
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128
9.Application Wizard を使用した実験方法
9-3. Kinetic analysis
9-3-1.Concentration series
結合速度定数(ka)あるいは解離速度定数(kd)を算出する場合には、Application
Wizard を使用して実験を行うと便利である。
Run → Run Application Wizard…をクリックする。
↓
Kinetic Analysis を選択し、Start…をクリックする。
↓
Concentration Series を選択し、Next>をクリックする。
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9.Application Wizard を使用した実験方法
129
Control Experiments は実験条件の検討の項目である。
① Mass Transfer
マストランスファー・リミット効果が現れているか調べるもの
② Linked Reactions
反応が 1:1 の単純な反応か調べるもの
目的により選択する。
Direct Binding もしくは Binding Using Capturing Molecule を選択する。
ここでは Direct Binding を選択し、Next>をクリックする。
使用するフローセル、流速(μl/min)、インジェクト時間(分)
、解離時間(分)、
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130
9.Application Wizard を使用した実験方法
アナライト名、アナライトの分子量、サンプルの繰り返し測定回数、濃度を入
力し Next>をクリックする。
注意
次のメッセージが出てくる場合がある。
これは、アナライトの濃度を 5 段階以上で行うことを勧めるものである。必要
がない場合には、Ignore をクリックする。
これは、アナライトの同一濃度のサンプルを複数回分析することを勧めるもの
である。必要がない場合には、Ignore をクリックする。
↓
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9.Application Wizard を使用した実験方法
131
サンプルの位置を確認あるいは変更し Next>をクリックする。
↓
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132
9.Application Wizard を使用した実験方法
バイアルの位置等を再度確認し、Start をクリックする。
↓
保存先のフォルダーを指定後、ファイル名を入力し、Save をクリックする。
↓
プログラムが動き出す
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9.Application Wizard を使用した実験方法
133
(実験結果の表示)
実験が終了すると、以下のような実験結果が表示される。
同時に得られたセンサープラムからおよその各種反応速度定数が計算される。
ka:結合速度定数(1/Ms)、kd:解離速度定数(1/s)、KA:親和定数(1/M)
KD:解離定数(M)、Rmax:アナライトの最大結合量(RU)
Baseline Level をクリックすると各サンプルのベースラインの変動を表示するこ
とができる。
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134
9.Application Wizard を使用した実験方法
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9.Application Wizard を使用した実験方法
135
9-3-2. Control experiments(各種のコンロトール実験)
1)Mass transfer control
現在の実験条件で、マストランスポート・リミテーション効果が現れているか
調べることができる。
この効果は、リガンドの固定化量が多すぎるときに発生する効果であり、結合
領域においては、センサー表面デキストラン内のアナライトの濃度が低くなり、
また、解離領域においては、一度解離したアナライトが、さらにリガンドに再
結合する(Rebinding)ことにより、正しい反応速度定数を算出することができ
なくなる。
この Wizard では、同一アナライトを同一濃度で使用し、流速を変化させてイン
ジェクトする。マストランスポート・リミテーション条件下では、それぞれの
流速でレスポンス(結合量)に変化が生じる。マストランスポート・リミテー
ション条件下で実験を行った場合には、正しい反応速度定数の算出は困難であ
り、結合速度定数(ka)および解離速度定数(kd)は誤って算出されることがあ
るので十分注意が必要である。この場合には、固定化量を減少させて実験をや
り直すか、BIAevaluation 3.0 での解析の際に、MODEL を 1:1(Langmuir) with mass
transfer を選択する。
Run → Run Application Wizard…をクリックし、Kinetic Analysis をクリックする。
↓
Mass Transfer を選択し、Next>をクリックする。
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136
9.Application Wizard を使用した実験方法
↓
Direct Binding を選択し、Next>をクリックする。
↓
使用するフローセル、サンプル名等を入力し、Next>をクリックする。
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9.Application Wizard を使用した実験方法
137
↓
再生条件を設定し、Next>クリックする。
↓
Biacore®3000
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138
9.Application Wizard を使用した実験方法
サンプル位置を確認あるいは変更し、Next>をクリックする。
↓
サンプル位置および容量を確認し、Start をクリックする。
↓
保存先のフォルダーを指定し、ファイル名を入力し、Save をクリックする。
実験が開始される。
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9.Application Wizard を使用した実験方法
139
↓
上記な実験結果が示される。
実験結果の評価
理想的な実験条件では、固定化したリガンドとインジェクトしたアナライトと
の間の相互作用(結合および解離両速度)には、流速は全く影響しない。
しかし、マストランスファー・リミテーション条件下では、相互作用反応は流
速によって大きく変化することになる。表示された重ね書きのセンサーグラム
の結合量(レスポンス)に違いがあれば、マストランスファー・リミテーショ
ン条件下であると判断することができる。
この場合には、リガンドの固定化量を減少させて実験をやり直すか、
BIAevaluation 3.0 での解析の際に、MODEL に 1:1(Langmuir) with mass transfer
を選択する。
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140
9.Application Wizard を使用した実験方法
2)Linked Reaction のチェック
リガンドとアナライトとの反応が、1:1 なのか、あるいはより複雑な反応かを
Wizard を使って調べることができる。
この実験では、同一アナライトを同一濃度(平衡に達するに十分な濃度)で、
インジェクト時間を変化させて分析し、解離領域のセンサーグラムから反応が
1:1 であるかを判断する。
1:1 の反応の場合、アナライトの添加時間が変化しても、解離の仕方に変化は
なく、複雑な反応系の場合、解離の仕方に変化が現れる。
アナライト濃度は速やか(2~3 分間)に平衡に達するに十分な濃度のアナライ
トを用意する必要がある。
Run → Run Application Wizard…をクリックし、Kinetic Analysis をクリックする。
↓
Linked Reaction を選択し、Next>をクリックする。
↓
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9.Application Wizard を使用した実験方法
141
Direct Binding を選択し、Next>をクリックする。
↓
使用するフローセルおよびアナライト名等を入力し、Next>をクリックする。
↓
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142
9.Application Wizard を使用した実験方法
再生条件を入力し、Next>をクリックする。
↓
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9.Application Wizard を使用した実験方法
143
サンプル位置を確認あるいは変更し Next>をクリックする。
↓
サンプル位置および容量を確認し、Start をクリックする。
↓
保存先のフォルダーを指定して、ファイル名を入力し、Save をクリックする。
実験が開始される。
↓
Biacore®3000
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144
9.Application Wizard を使用した実験方法
(実験結果の評価)
相互作用が 1:1 の反応の場合、サンプルの添加時間に関係なく、解離のし方は
一定となるはずである。解離のし方に差がある場合には反応は 1:1 でなく、よ
り複雑な反応系の場合が多い。また、アナライトが 1 量体や 2 量体の混合物で
あったりした場合にも、このような現象が起こる場合がある。このような場合
に 1:1 の反応系で分析を行うと、実際の速度定数と異なる値として算出される
場合があるので注意が必要である。
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9.Application Wizard を使用した実験方法
145
9-4.Customized Application
プログラムを自分で自由に組み立てるたるための Wizard である。
サンプルのインジェクト、再生溶液のインジェクト、レポートポイントの作成
等の条件を含むプログラムを簡単に作成することができる。
Run → Run Application Wizard…をクリックする。
↓
Customer Applicationを指定し、Start…をクリックする。
↓
アイコンを使用し操作を入力し、実験を組み立てる。
Biacore®3000
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146
9.Application Wizard を使用した実験方法
9-4-1.アイコンの説明
①
DETECTION モード
検出セルおよび測定温度を設定する。
②
Keyword
レポートポイントテーブル中にサンプル名、濃
度等の任意のコメントを表示させるコマンド。
③
流速の設定
流速の設定を行うコマンド。
④
インジェクト
試料のインジェクトを行うコマンド。
⑤
レポートポイント
センサーグラム上の任意の点のデータをレポー
の作成
トポートポイントテーブル上に表示させるコマ
ンド。
Transfer
サンプルをバイアル間で移動させるためのコマ
⑥
ンド。
⑦
Mix
バイアル中の試料を混合するコマンド。通常は
Transfer とセットで使用する。
⑧
Wash
ニードルや IFC をランニング緩衝液で洗浄する
コマンド。
⑨
Wait
ランニング緩衝液を流した状態で待機させるコ
マンド。秒単位で待機させることができる。
⑩
Comment
プログラム画面中にコメントを入力するための
コマンド。!より右側の言語は、コメントとし
て操作に関係ないものと認識する。
⑪
If/Then
途中の実験結果から以降の操作を選択するため
のコマンド。例えば、一定量の結合量がない場
合には、再生操作を行わずに、次のサイクルに
移動する場合等に利用する。結合物質のスクリ
ーニング等に有効である。
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9.Application Wizard を使用した実験方法
147
9-4-2. 基本操作
ここでは、基本的な Wizard 作成方法を習得することを目的に、ステップを踏ん
で説明する。
ステップ 1.1 個のアナライトについての分析
以下の実験を行う場合を想定する。
リガンド
測定温度
流速
Detection モード
アナライト
アナライト位置
インジェクト
再生溶液
再生溶液位置
レポートポイント
:Protein A(フローセル 2 に固定化済み)
:25℃
:20μl/min
:2-1
(フローセル 1 はリファレンスとして使用)
:IgG(1 濃度)
:R2A1
: INJECT 使用、40μl(2 分間)
:10mM Gly-HCl(pH2)、20μl(1 分間)
:R2F3
:IgG 添加 10 秒前
IgG 添加後 20 秒後
再生溶液添加後 60 秒後
Run → Run Application Wizard…をクリックする。
↓
Customized Applicationを選択し、Start…をクリックする。
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148
9.Application Wizard を使用した実験方法
↓
通常、流速を 20μl/min で実験を行うように設定されている。
↓
をクリックし、Detection モードおよび測定温度を設定する。
(検出モードの設定)
Detectionを選択する。
以下から選択することができる。
・Fc1
・Fc2
・Fc3
・Fc4
・Fc1,2 Ref 2-1
・Fc3,4 Ref 4-3
・Fc1,2
・Fc3,4
・Fc1,2,3,4
・Fc1,2,3,4 Ref 2-1,4-3
・Fc1,2,3,4 Ref 2-1,3-1,4-1
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9.Application Wizard を使用した実験方法
149
ここでは、Fc1,2 Ref 2-1 を設定する。
(リファレンス差し引き機能については、46 ページ参照)
(測定温度の設定)
検出部位の温度を設定する。4~40℃の範囲で設定できる。
Set Temperatureにマークをいれ、温度を入力する。
設定後、OK をクリックする。
↓
以下のように設定される。
(流速の変更)
をダブルクリックする。
流速を入力し OK をクリックする。
↓
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150
9.Application Wizard を使用した実験方法
(アナライトのインジェクト)
をクリックする。
アナライト(この場合には IgG)の名前およびインジェクト容量を入力し、OK
をクリックする。
Injection Mode:の▼をクリックすると、インジェクトモードを変更することがで
きる。
インジェクトモードについては、42 ページ参照。
(注意)コマンドを入力するときは入力したい位置をハイライトにする必要が
ある。この場合、インジェクトコマンドは、FLOW 20 の後に入力したいので、
FLOW 20 の後をハイライトにする。
ここをハイライトにする。
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9.Application Wizard を使用した実験方法
151
↓
(再生溶液のインジェクト)
インジェクトしたい位置をハイライトにする。
↓
をクリックする。
↓
再生溶液の名前、およびインジェクト容量を入力し、OK をクリックする。
↓
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152
9.Application Wizard を使用した実験方法
(レポートポイントの作成)
アナライトのインジェクトによるレスポンス上昇分を、結合量としてレポート
ポイントテーブルに表示させる(レポートポイントについては 14 ページ参照)。
通常はアナライトインジェクトの約 10 秒前をベースラインとして取り、さらに
インジェクト終了後 10~30 秒後のレスポンスを結合量として取る。リファレン
ス差し引き機能を使用している場合には、インジェクト終了直前のレスポンス
を結合量として使用する場合もある。
①アナライトインジェクト前のベースライン
INJECT “IgG” 40 をクリックし、ハイライトにする。
をクリックする。
↓
Beforeにマークをいれ、10 秒前に設定する。
Idにコメント(ここではbaseline)を入力する。
このときのレスポンスをベースラインとする場合には、Baselineにマークをいれ、
OKをクリックする。
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9.Application Wizard を使用した実験方法
153
②アナライトインジェクト終了後の結合量
INJECT END(アナライトインジェクト終了)をクリックし、ハイライトにする。
↓
をクリックする。
Afterにマークをいれ、Idにコメントを入力し、OKをクリックする。
③再生後のレポートポイント
INJECT END(再生溶液インジェクト終了)をクリックしハイライトにする。
をクリックする。
↓
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154
9.Application Wizard を使用した実験方法
必要事項を入力し、OK をクリックする。
↓
一連の実験操作ができあがる。
↓
Next>をクリックする。
↓
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9.Application Wizard を使用した実験方法
155
実験の繰り返し回数を入力し(この場合には 1 回)し、Next>をクリックする。
↓
↓
サンプル位置と容量を確認する。位置を変更する場合には、ラック上の変更し
たいサンプルをマウスで移動先までドラッグすると変更できる。
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156
9.Application Wizard を使用した実験方法
↓
もう一度サンプル位置と容量を確認後、Startをクリックする。
↓
ファイルの保存先を指定し、ファイル名を入力後、Saveをクリックする。
↓
実験がスタートする。
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9.Application Wizard を使用した実験方法
157
IgG
RU
14900
Re s pons e
14800
14700
14600
14500
14400
0
100
200
300
400
500
600
s
Tim e
(入力したコマンドの消去)
消去したいコマンドをクリックし、ハイライトにする。
マウスの右ボタンをクリックすると以下のプルダウンメニューが表示される。
プルダウンメニュー一番下のDelete Commandをクリックすると消去できる。
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158
9.Application Wizard を使用した実験方法
ステップ 2.複数個のアナライトについての分析
以下の条件で実験を行う Wizard を作成する。
リガンド
測定温度
流速
Detection モード
:Protein A(フローセル 2 に固定化済み)
:25℃
:20μl/min
:2-1
(フローセル 1 はリファレンスとして使用)
アナライト
アナライト位置
インジェクト
解離時間
:IgG(5 濃度)
:R2A1、R2A2、R2A3、R2A4、R2A5
:KINJECT 使用、40μl(2 分間)
:120 秒間
再生溶液
再生溶液位置
:10mM Gly-HCl(pH2)、20μl(1 分間)
:R2F3
レポートポイント
:IgG 添加 10 秒前
IgG 添加後 20 秒後
再生溶液添加後 60 秒後
ステップ 1 の Wizard 作成法にしたがって作成する。
アナライトのインジェクトの段階で以下のように作成する。
KINJECT を使用の際には、解離時間も入力する。
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9.Application Wizard を使用した実験方法
159
サンプル位置が毎回異なるので、Vary by Cycle にマークをいれる。
↓
一連の操作を表示すると以下のようになる。
Next>をクリックする。
↓
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160
9.Application Wizard を使用した実験方法
Sample_ID に 5 種類のアナライトの名前や濃度を入力する。
Repl は同一サンプルの繰り返し測定回数である。この場合には 1 を入力する。
Next>をクリックする。
↓
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9.Application Wizard を使用した実験方法
161
サンプル位置、容量の確認および変更を行い、Next>をクリックする。
↓
再度サンプル位置および容量を確認後、Startをクリックする。
↓
保存先のフォルダーを指定し、ファイル名を入力後、Saveをクリックする。
↓
実験が開始される。
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162
9.Application Wizard を使用した実験方法
ステップ 3.If/Then を使用した再生の操作省略
If/Then 機能を使用することで、アナライトの結合が見られなかった場合に、再
生操作を省略することができる。再生操作の省略は、測定時間の短縮やリガン
ドの安定性保持につながる。結合物質のスクリーニング等の実験に有効である。
ステップ 2 の Wizard において、
再生溶液インジェクトの手前のコマンドをクリックしハイライトにする。
をクリックする。
↓
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9.Application Wizard を使用した実験方法
163
ここでは、結合量(bound)が 50RU より少ない場合に、再生溶液の添加を削除し、
次のサイクルに行くように作成する。
上記ボックスの選択項目を以下に設定後、OK をクリックする。
IF(何が)
For Report Point(どの値が)
In Flowcell(どのセルで)
Comparison(どうならば)
Value(どの値ならば)
THEN(どうする?)
:
:
:
:
:
:
RelResp
bound
2-1
Is less Than
50
Exit Cycle
このように設定すると、アナライトの結合量が 50RU より少ない場合には、再生
操作を行わず、次のサイクル(次のアナライトの分析)に移行することができ
る。
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164
9.Application Wizard を使用した実験方法
ステップ 4.実験途中で流路(FLOWPATH)や流速を変更する
(FLOWPATH の変更)
実験途中で、FLOWPATH を自由に変更することができる。
をクリックする。
↓
目的の FLOWPATH を選択し、OK をクリックする。
サンプル等をインジェクトする。
さらに FLOWPATH を実験途中で変更する場合には、同様の操作を行う。
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9.Application Wizard を使用した実験方法
165
(流速の変更)
変更したい位置をハイライトにし、
をクリックする。
流速を入力し、OK をクリックする。
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166
9.Application Wizard を使用した実験方法
ステップ 5.濃度測定のための Wizard
濃度測定を行う場合には、Keyword 機能を利用すると便利である。
Keywordとは、レポートポイントテーブル中にサンプル名あるいは濃度等の任意
のコメントを表示させるために追加するカラム名である。
Keywordに入力したものが、レポートポイントテーブルに表示される。
以下のサンプルの濃度測定を例に説明する。
リガンド
測定温度
流速
Detection モード
アナライト
インジェクト
再生溶液
再生溶液位置
レポートポイント
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:Protein A(フローセル 2 に固定化済み)
:25℃
:10μl/min
:1-2
(フローセル 1 はリファレンスとして使用)
:スタンダード IgG
(5 段階の既知濃度サンプル)
未知濃度サンプル(5 種類)
: INJECT 使用、40μl
:10mM Gly-HCl, pH 2
:R2F3
:IgG 添加 10 秒前
IgG 添加後 20 秒
再生溶液添加後 60 秒
9.Application Wizard を使用した実験方法
167
今までのステップで説明したように、DETECTION モード、流速あるいはサンプ
ルインジェクションを入力する。アナライトは複数個存在するので、インジェ
クション時 Vary by Cycle を利用する。
↓
レポートポイントテーブルにアナライト名および濃度を追加するためのカラム
を作成する。
をクリックする。
Keyword:にAnalyteと入力し、OKをクリックする。
同様にConc(濃度)もKeywordに入力し、OKをクリックする。
↓
をクリックする。
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168
9.Application Wizard を使用した実験方法
Vary by Cycleにマークをいれ、Solution:にKeywordで入力したAnalyteと入力す
る。
↓
レポートポイントおよび再生溶液の添加は、ステップ 4 と同様に設定する。
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9.Application Wizard を使用した実験方法
169
Next>をクリックする。
↓
Repl に同一サンプルの繰り返し回数、Analyte にはサンプル名、および Conc に
濃度を入力する。
(注意)Conc には、μg/ml などの単位を入力することもできるが、Concentration
Evaluation で解析を行う場合には、単位をいれないほうが便利である。
Next>をクリックする。
↓
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170
9.Application Wizard を使用した実験方法
サンプル位置および容量の確認および変更を行い(101 ページ参照)
、Next>を
クリックする。
↓
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9.Application Wizard を使用した実験方法
171
再度サンプル位置および容量の確認を再度行い、Startをクリックする。
↓
保存先のフォルダーを指定し、ファイル名を入力し、Saveをクリックする。
↓
実験が開始される。
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172
9.Application Wizard を使用した実験方法
9-5.Wizard Templateについて
Biacore 3000 では、あらかじめ重要な Wizard Template が保存されている。
・アルデヒドカップリング法
・濃度分析
・HPAセンサーチップカップリング法
・リガンドチオールカップリング法
・競合反応法
・再生条件検討法
・ポジティブコントロール
・5 サイクル毎のポジティブコントロール
・NTA センサーチップカップリング法
・NTA センサーチップ前処理法
・SA センサーチップ前処理法
・表面チオールカップリング法
これらの方法を用いて実験を行うときには、Template を利用すると非常に便利
である。
次に、アルデヒドカップリング法、HPA センサーチップカップリング法、リガ
ンドチオールカップリング法についての Wizard を説明する。
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9.Application Wizard を使用した実験方法
173
①アルデヒドカップリング法
糖タンパク質の糖鎖を介して固定化する方法である。あらかじめ糖タンパク質
をメタ過ヨウ素酸で還元し、糖鎖の非還元末端を開裂(ホルミル基に)させた
ものを作成する。また、センサーチップ表面は、ヒドラジン等でアミノ基末端
を作成する。メタ過ヨウ素酸処理済リガンドをインジェクトし、シッフ塩基で
固定化後、還元して(アマドイ転移)共有結合化させる方法である。
詳しくは、BIAapplication Handbook を参照すること。
(準備するもの)
・5mM ヒドラジン溶液
・メタ過よう素酸処理糖タンパク質(BIAapplication Handbook を参照)
・0.1M Na-cyanoborohydride in 10mM Acetate buffer (pH4)
・再生溶液(例、10mM Gly-HCl, pH2)
(方法)
Run → Run Application Wizard…をクリックする。
Open Template…をクリックする。
C: \ Program Files \ BIACORE 3000 \ Guide \ Methods \ Wizard Template を開き
Aldehyde Coupling.blw を選択する。
↓
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174
9.Application Wizard を使用した実験方法
Edit…をクリックする。
↓
一連の操作の Wizard Template が表示される。
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9.Application Wizard を使用した実験方法
175
Next>をクリックする。
↓
Number of Cycle of Runに測定繰り返し回数 1 を入力し、
Next>をクリックする。
↓
使用するフローセルを選択し、Next>をクリックする。
↓
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176
9.Application Wizard を使用した実験方法
試料を指定された位置を確認あるいは変更した後、Next>をクリックする。
(上記の場合のセット位置例)
R2A1:リガンド希釈液(バイアルの 8 分目までいれたもの。リガンドイン
ジェクト前のニードル洗浄に使用。)
R2A2:リガンド(~50μg/ml)
R2B1:0.1M Na-cyanoborohydride/ 0.1M Na-acetatebuffer (pH4)
R2E1:EDC
R2E2:NHS
R2E3:混合用空容器
R2E4:1M エタノールアミン塩酸, pH 8.5
R2F1:5mM ヒドラジン溶液(バイアルに 8 分目までいれたもの。ヒドラジ
ンインジェクト前のニードル洗浄に使用)
R2F2:5mM ヒドラジン
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9.Application Wizard を使用した実験方法
177
↓
サンプル位置および容量を確認後、Startをクリックする。続いて、Save Wizard
Results Asのボックスが開いてくるので、保存先のフォルダーを指定し、ファイ
ル名を入力してSaveをクリックする。
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178
9.Application Wizard を使用した実験方法
②HPA センサーチップカップリング法
この Wizard では、HPA センサーチップを使用して、糖脂質やリン脂質を含むリ
ポソームをインジェクトし、脂質の一重膜として固定化する方法である。
詳しくは、センサーチップ添付の資料を参照のこと。
(準備するもの)
・Liposome(通常は 0.5mM、ランニング緩衝液で希釈したもの)
・Detergent(20mM Chaps あるいは 40mM Octylglicoside 等)
・BSA 溶液(0.1mg/ml、ランニング緩衝液で希釈したもの)
・50mM NaOH 水溶液
Open Template…をクリックする。
C:\Program Files\BIACORE 3000\Guide\Methods\Wizard Template を開き、
HPA Chip – Coupling.blw をクリックする。
↓
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9.Application Wizard を使用した実験方法
179
Edit…をクリックする。
↓
一連の実験の Wizard Template が表示される。
必要により、内容を変更し、Next>をクリックする。
↓
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180
9.Application Wizard を使用した実験方法
Number of Cycle to Run:に測定繰り返し回数 1 を入力し、Next>をクリックす
る。
↓
使用するフローセルを選択後、Next>をクリックする。
↓
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9.Application Wizard を使用した実験方法
181
表示の位置に試料をセットするか変更して、Next>をクリックする。
(サンプル位置の例)
R2A1:Detergent
R2B1:Liposome 溶液
R2C1:BSA 溶液
R2F3:50mM NaOH
↓
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182
9.Application Wizard を使用した実験方法
サンプル位置および容量を確認し、Startをクリックする。続いて、Save Wizard
Results Asボックスが開いてくるので、保存先のフォルダーを指定し、ファイル
名を入力し、Saveをクリックすると実験が開始される。
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9.Application Wizard を使用した実験方法
183
③リガンドチオールカップリング法
リガンド表面にある遊離のチオール基を介して固定化する方法である。
(準備するもの)
・リガンド(プレコンセントレーション効果のある緩衝液に希釈したもの。21,89
ページ参照)
・NHS
・EDC
・80mM PDEA in 0.1M Borate buffer(pH8.5)
・50mM l-cysteine-1M NaCl in 0.1M Formate buffer(pH4.3)
Open Template…をクリックする。
C:\Program Files\ BIACORE 3000\Guide\ Method\Wizard Template を開き、
Ligand Thiol Coupling.blw をクリックする。
↓
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184
9.Application Wizard を使用した実験方法
Edit…をクリックする。
↓
一連の実験の Wizard Template が表示される。
必要により、内容を変更し、Next>をクリックする。
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9.Application Wizard を使用した実験方法
185
↓
Number of Cycle to Run:に繰り返し測定回数 1 を入力し、Next>をクリックす
る。
↓
使用するフローセルを選択後、Next>をクリックする。
↓
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186
9.Application Wizard を使用した実験方法
表示の位置にサンプルをセットするか変更して、Next>をクリックする。
(セット位置の例)
R2A1:PDEA(4.5mg in 250μl 100mM Borate buffer, pH 8.5 )
R2B1:リガンド希釈液(バイアルの 8 分目にいれたもの。リガンドインジ
ェクト前のニードル洗浄用。)
R2B2:リガンド(プレコンセントレーション効果のある緩衝液に希釈した
もの。)
R2C1:L-cystein(1.5mg)/NaCl(14mg) in 250μl 0.1M Sodium formate buffer(pH
4.5)
R2E1:EDC
R2E2:NHS
R2E3:NHS/EDC 混合用空バイアル
↓
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9.Application Wizard を使用した実験方法
187
サンプル位置および容量を確認後、Startをクリックする。続いて、Save Wizard
Results Asボックスが開いてくるので、保存先のフォルダを指定し、ファイル名
を入力してSaveをクリックする。
↓
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索引
[あ]
アスタリスクマーク
70
アナライト
40
アプリケーション・ウイザード
87
アミンカップリング
アミンカップリングキット
アルデヒドカップリング
インジェクト
18,19,24,96,107
19
18,173
11,42,48
インジェクトの拡張機能
48
インジェクトの中止
48
ウイザード・テンプレート
172
エアの除去
57
エクストラクリーンアップ
48
温度設定
9
[か]
核酸の固定化
カップリング緩衝液
19
21,89
基本操作
11
緊急停止
31
固定化プログラム
固定化量の調節
コントロールウエアソフトの起動
25,75
35
2
[さ]
再生溶液
サニタイズ
40,45
57
サンプルの調整
20,47
システムチェック
59
システムの初期化
3
シャットダウン
54
スタンバイ
54
センサーグラムの表示
47
センサーチップ
4
センサーチップの挿入
3
センサーチップの抜き取り
55
センサーチップの保存
55
相互作用の検討(マニュアル操作)
41
相互作用の検討(プログラム操作)
50
相互作用のプログラム
50,82
装置の配置
1
ソフトウエアの起動
2
[た]
チオールカップリング
18,183
低分子物質の固定化
20
データの管理
62
電源の立ち上げ
1
[な]
ノーマライズ
濃度測定(Wizard)
10
166
[は]
パイオニアセンサーチップ
4
ファイルの保存
19
ファイルの保存様式
53
フローパス
プライム
フラッシュ
プレコンセントレーション
46,72
5,56
56
21,89
プレラン
28
プログラムの実行
30
プログラムの終了
32
プログラムの説明
64
プログラムによる相互作用の検討
50
ベースラインの取り方
ペプチドの固定化
15,71
20
[ま]
マニュアルインジェクト
35
メインボックス
64
メソッドの編集
28
メンテナンス
56
[ら]
ラックベース
7,8
リガンド
18
リガンド希釈液
20
リガンドチオールカップリング
リガンドの固定化
18,183
18,24,96,107
リファレンスライン
14
リンス
56
レポートポイント
14,68
流路の設定
41,46
流路の詰まりのある時
58
INDEX
[A]
Aim for immobilization level(Wizard)
98,99
Application Wizard
87
Aprog ボックス
65
[B]
BIGINJECT
Binding Analysis
B1 チップ
42
87,122
4
[C]
Close
CM5 チップ
54
4
COINJECT
42
Command Queue
49
Control Experiments(Wizard)
88
Customized Application Wizard
C1 チップ
88,145
4
[D]
Desorb
DETECTION の設定
DNA の固定化
Dock
56
51,72
19
3
[E]
Extra Cleanup
48
[F]
F1 チップ
FLOWPATH
FLUSH
4
46,72
56
[H]
HPA チップ
HPA センサーチップカップリング法
4
178
[I]
If/Then(Wizard)
162
Immobilizatin(Wizard)
87,96
Immobilization pH scouting(Wizard)
87,89
INJECT
11,42,48
[K]
Kinetics analysis(Wizard)
KINJECT
88,128
42
[L]
Linked Reaction(Wizard)
L1 チップ
88,140
4
[M]
Main ボックス
Mass Transfer Control(Wizard)
Method の編集
4
88,135
28
[N]
Normalize
NTA チップ
10
4
[P]
Prerun Method
PRIME
28
5,56
[Q]
QUICKINJECT
42
[R]
Regeneration Scouting(Wiazard)
Rinse
87,111
56
[S]
SA チップ
Sanitize
Specify Flow Rate and Injection Time(Wizard)
4
57
98,107
Standby
Surface Preparation(Wizard)
Surface Performance Test(Wizard)
54
87,89
87,117
[U]
Unclogging
58
Undock
55
[W]
Wizard Template
172
安全上のご注意
必ずお守りください
このしおりには、弊社機器に関する一般的な注意事項を記載しています。取扱い
の詳細は必ず製品添付の使用説明書をご覧ください。
誤った取扱いをした場合に生じる危険や損害の程度を、
次の区分で説明しています。
警告
注意
誤った取扱いをした場合
に、死亡や重傷を負う可
能性があるもの。
図記号の意味は次の通りです。
は、してはいけない「禁止」を示
します。
禁 止
禁 止
誤った取扱いをした場合
に、傷害または物的損害
が発生する可能性がある
もの。
は、必ず実行していただく
「強制」を示します。
警告
電源プラグの抜き差しにより、
運転を停止しない
禁 止
火災・感電の原因になります。
電源コードを途中で接続しない、
タコ足配線をしない
禁 止
電源コード・電源プラグを
傷つけない
禁 止
●加工しない ●束ねない
●ねじらない
●折らない
●物をのせない ●加熱しない
●無理に曲げない
破損して火災・感電の原因になります。
修理・分解・改造はしない
火災・感電の原因になります。
禁 止
電源プラグのほこりを取り除き、
刃の根元まで確実に差込む
根元まで
差込む
禁 止
接続が不十分だと、隙間にほこりが付着
して火災・感電の原因になります。
本体を水に
つけたり、
水をかけたり
しない
ショート・感電の原因になります。
取扱説明書に指定された規格の
コンセントを使用する
指定の規格
禁 止
禁 止
故障・火災・感電の原因になります。
感電・ショート・発火の原因になります。
異常時は、運転を停止して電源プ
ラグを抜く
プラグを抜く
同梱の電源コード・電源プラグ以
外のコード・プラグを使用しない
禁 止
指定された規格以外で使用すると
火災・感電の原因になります。
電源コードや電源プラグが傷んだ
り、コンセントの差し込みがゆる
いときは使わない
使用時や使用直後(運転停止後約
60 分間)は、操作に関係のない部
位には触れない
高温部に触れ、やけどの原因になります。
火災・感電・故障の原因になります。
異常のまま運転を続けると火災・感電の
原因になります。
同梱の電源コード・電源プラグを
他の電気機器に使用しない
禁 止
故障・火災・感電の原因になります。
注意
設置時は、次のような場所には
置かない
ぬれた手で電源プラグを抜き差し
しない
●不安定な場所 ●湿気やほこりの多い場所
●油煙や湯気が当たる場所
●直射日光の当たる場所 ●風雨のあたる場所
●熱器具の近く
●高温になる場所
●吸・排気口をふさぐような場所
禁 止
このような場所に置くと、ショートや発
熱、電源コードの被膜が溶けるなどして、
火災や感電、故障、変形の原因になること
があります。
禁 止
感電の原因になります。
電源プラグを持ってまっすぐ引き
抜く
水平で丈夫な場所に設置する
水平
プラグを持つ
ななめに引き抜いたり、コードを持って
抜 く と、 プ ラ グ の 刃 や 芯 線 が 破 損 し て
ショート・感電・発火の原因になります。
低温室で使用する場合の注意
装置を低温室から常温の場所に移
動させる場合、常温に設置後、装
置内の結露が無くなるまでシステ
ム電源を入れない(状況により異
なるが、通常半日から一昼夜)
装置を低温環境下でご使用になる
場合、システム電源は常時入れて
おく
電源を
入れておく
低温環境下で長時間システムの電源を落
とした状態で放置すると、結露などによ
り故障の原因になります。
ランプなどの消耗品は OFF にしておくと、
劣化を防ぐことができます。
電源を
入れない
感電・漏電火災の原因になります。
弊社製品についてのお問合せ (バイオダイレクトライン)
TEL : 03-5331-9336
受付時間 9 : 00 ∼ 17 : 30
土・日・祝日、弊社指定休業日、年末年始を除く
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Ver. 2
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