農業用水路における SPR工法施工事例について

農業用水路における
SPR工法施工事例について
中部農林振興事務所
土地改良課 北中健吾
《写真は倉橋溜池》
1.概 要
農業水利ストックの現状
2.目 的
地区概要
倉橋溜池受益地
・受益面積 826ha(全体受益)
(全体受益
(橿原市178ha、桜井市166ha、田原本町482ha)
白川溜池受益地
・倉橋溜池
・倉橋溜池
昭和14~31年度に築造 (築後50年)
→昭和62年~平成11年度に防災ダムとし改修済
昭和62年~平成11年度に防災ダムとし改修済
・県営水路
(導水幹線、北部幹線、南部幹線)
吉野川分水受益地
昭和21~31年度に築造 (築後50年)
水路延長 15.7㎞
所有者、管理者→倉橋溜池土地改良区
所有者、管理者 倉橋溜池土地改良区
・団体営水路(北部幹線、中央幹線、南部幹線、支線等)
倉橋溜池
昭和14~48年度に築造 (団体営事業、県単事業)
団体営事業、県単事業)
水路延長 30.6㎞
2.目 的
施設の状態(開水路)
対策工事事例
目地補修
要補修(水路底版摩耗)
要改築(水路橋橋台クラック)
底版表面保護
要補修(水路側壁クラック)
要改築(水路橋底版剥離)
2.目 的
ストックマネジメントの考え方
①
施設の状態変化
機能診断調査
機能診断評価
② 施設状態の将来予測
劣化予測
余寿命算定
③ 機能保全対策の検討
補修・補強工法選定
シナリオ検討
④ ライフサイクルコスト算定
機能保全コスト算定・比較
⑤ 機能保全計画策定
個別施設計画
地区全体計画作成
3.内 容
施設の状態(暗渠管)
施工前全景
ひび割れ発生箇所
3.内 容
工法選定
工法分類
管路更生工法(非開削工法)
反転工法
形成工法
製管工法
鞘管工法
SPR工法
3.内 容
SPR工法の基本構造
①円形及び非円形断面の既設管内に、硬質塩化ビニル樹脂製の
帯状体(プロファイル
プロファイル)を製管機にてスパイラル状に嵌合しながら
帯状体(プロファイル)を製管機にてスパイラル状に嵌合しながら
既設断面と略同一形状に製管
②既設管路と更生管(製管した管)の間隙に特殊裏込め材を充填
既設管路と一体化した強固な「複合管」
既設管路と一体化した強固な「複合管」として更生する
「複合管」として更生する
既設管
(老朽管)
既設管
● 製管後に裏込め注入
特殊裏込め材
(モルタル)
裏込め材
「SPR工法」
1
更生管
更生管
(硬質塩ビ樹脂)
3.内 容
SPR工法イメージ図
自走式製管方式
中・大口径円形・非円形渠
(800mm~
800mm~5000mmクラス
5000mmクラス)
クラス)
3.内 容
SPR工法の流れ
①調査・設計
施工可否、既設管の評価及び改修断面を検討する
②事前処理
管内高圧洗浄と必要に応じて事前処理を行う
③製
管
製管機によりプロファイルを嵌合製管する
④支 保 工
裏込め材注入時の浮上・バックリングを防ぐ
⑤裏込め注入
特殊モルタル注入により既設管と一体化させる
⑥管内洗浄・仕上げ
管内を洗浄し、管口等を仕上げる
4.考 察
施設の状態(暗渠管)
SPR工法施工中
施工後全景
4.考 察
曲管部の施工
5.結 論
まとめと今後の展開
まとめ
☞SPR工法は農業用水路のような、曲がりのある中口径管でも難
なく施工ができることがわかった。
☞施工前には受注者に対し、発注者の意思を明確にすることで、
事業がスムーズに執行できることがわかった
今後の展開
☞現在ストックマネジメントをした施設は、PDCAサイクルに組み
込むべく、いつ・どの区間で・どの業者が・どういった工法で施工
したかという項目をデータベース管理するよう国から求められてい
る。
☞本県のストックマネジメント事業は始まったばかりでデータが不
足しており、こうした特殊工法の事例は同様の条件を持つ管路補修
の工法決定指針として大いに役立つであろう。