シベレスタット Na 点滴静注用 100mg「サンド」 配合変化試験に関する

シベレスタット Na 点滴静注用 100mg「サンド」
配合変化試験に関する資料1
サンド株式会社
-1-
試験目的
シベレスタット Na 点滴静注用 100mg「サンド」
(以下略:SVL100 mg)の輸液及び他剤との配
合変化試験並びに輸液での直接溶解試験を実施した.
試験検査品
1 本剤及び配合薬剤
以下に示す,本剤及び配合薬剤を使用した.
1)試験薬剤
名称
SVL100 mg
2)配合薬剤(輸液)
処方
配合薬剤(種類)
No.
1
生理食塩液(大塚生食注)
2
ブドウ糖注射液5%(大塚糖液5%)
3
アミゼットB輸液
4
アミノレバン点滴静注
5
アミパレン輸液
6
ビーフリード輸液
7
モリアミンS注
8
モリプロンF輸液
9
ソルデム1輸液
10
ソルデム3A輸液
11
ヴィーンF輸液
12
ビカーボン輸液
13
フィジオ140
14
ラクテック注
ロット番号
提供元
規格
EA31
株式会社富士薬品
100mg
メーカー名
(株)大塚製薬工場
(株)大塚製薬工場
テルモ(株)
(株)大塚製薬工場
(株)大塚製薬工場
(株)大塚製薬工場
エイワイファーマ(株)
エイワイファーマ(株)
テルモ(株)
テルモ(株)
興和(株)
エイワイファーマ(株)
(株)大塚製薬工場
(株)大塚製薬工場
-2-
単位/
液量
500 mL
500 mL
200 mL
500 mL
300 mL
500 mL
200 mL
200 mL
500 mL
500 mL
500 mL
500 mL
500 mL
500 mL
ロット番号
K3L81
K3L88
130917KA
K3L78
K3J80
M3K78
2J204A
3L303A
131219JA
131105KA
7163Z
3N641A
K3L94
K3L78
3)配合薬剤(他剤)
処方
配合薬剤(種類)
No.
1
ドルミカム注射液
2
アタラックスP注射液
3
静注用キシロカイン2%
用量
メーカー名
規格
40 mg
100 mg
300 mg
アステラス製薬(株)
ファイザー(株)
アストラゼネカ(株)
10 mg/2mL
100 mg/10mL
20mg/2mL
25 mg/25mL
4
ラシックス注
1000 mg
サノフィ(株)
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
ペルジピン注射液
ハンプ注射用
ガスター注射液
ノルアドリナリン注
ボスミン注
ヒューマリンR注
ケイツーN静注
ビタメジン静注用
K.C.L.点滴液15%
トランサミン注10%
ノボ・ヘパリン注
25 mg
7000 μg
40 mg
1 mg
1 mg
100単位
20 mg
1V
0.9 g
2500 mg
3万単位
アステラス製薬(株)
第一三共(株)
アステラス製薬(株)
第一三共(株)
第一三共(株)
日本イーライリリー(株)
エーザイ(株)
第一三共(株)
丸石製薬(株)
第一三共(株)
持田製薬(株)
25 mg/1mL
100 mg/5mL
1000 μg
20 mg/2mL
1 mg/1mL
1 mg/1mL
1000単位/10mL
10 mg/2mL
3 g/20mL
250 mg/2.5mL
1万単位/10mL
試験材料
1 使用機器及び器材
・電子天秤:AT261(メトラー・トレド(株)),PJ400(メトラー・トレド(株)
)
・HPLC
Waters 2695 Separations Module(Waters Co.)
検出器:PDA 2998(Waters Co.)
データ処理:Empower2 ソフトウエア(Waters Co.)
・pH 計:HM-30R (東亜ディーケーケー(株)
)
・純水製造装置:Milli-Q Advantage A10(MILLIPORE)
・カラム:Inertsil ODS-2
5µm 4.6mm×150mm(ジーエルサイエンス株式会社)
2 標準品及び試薬等
1)標準品
・名称:シベレスタット標準品,ロット番号 7S5.0113
・保管条件:冷蔵
2)試薬・試液
・パラオキシ安息香酸プロピル 東京化成特級 東京化成工業(株)
・リン酸二水素カリウム 試薬特級 和光純薬工業(株)
・リン酸 試薬特級 和光純薬工業(株)
・アセトニトリル 高速液体クロマトグラフ用 和光純薬工業(株)
・シュウ酸塩 pH 標準液(第 2 種)
(pH 1.68) pH 測定用 和光純薬工業(株)
-3-
ロット番号
K013A03
1327830
25130
3K145A
3K989A
K006Y01
0EA1005
K437G01
PDA0354
CNA1036
C194273AA
37A56M
ECA1351
3X031
JYN0369
D014
・フタル酸塩 pH 標準液(第 2 種)
(pH 4.01)
pH 測定用 和光純薬工業(株)
・中性リン酸塩 pH 標準液(第 2 種)
(pH 6.86)pH 測定用 和光純薬工業(株)
・ホウ酸塩 pH 標準液(第 2 種)
(pH 9.18)
pH 測定用 和光純薬工業(株)
・水:Milli-Q 装置で精製した水
試験方法
1 配合変化試験
1-1 試験項目,試験回数及び配合溶液の採取時間
試験項目
試験回数
採
取 時 間
配合直後
6 時間後*3
24 時間後
48 時間後
外観(色,溶状)
1回
○
○
○
○
pH
1回
○
○
○
○
定量及び残存率*1*2*3
1回
○
○
○
○
*1:予め本配合変化試験を実施する前に各配合薬剤につき特異性を確認した.
*2:配合直後の含量を 100%とした残存率を算出した.
*3:24 時間後に変化がある場合又は予想される場合,6 時間後を追加した試験を行った.変化があるとは外観
の変化(結晶析出や色調変化等)
,pH6.0 以下又は pH の変動が 0.5 以上,含量残存率 90%未満とした.なお,
外観変化のうち,結晶析出が認められた場合,含量測定は実施しなかった.
1-2 保存容器及び保存条件
1)保存容器:配合薬剤が輸液 500mL 及び他剤の配合変化試験は 500mL 三角フラスコで保存し,
配合薬剤が輸液 250mL の配合変化試験は 300mL 三角フラスコで保存した.
2)保存条件:室温(15~30℃)
,室内散光下(白色蛍光灯約 500lx)
1-3 配合溶液の調製
1)配合薬剤が輸液 500mL の場合
試験薬剤 3 バイアルを生理食塩液 30mL で溶解し,
各輸液 500mL に加え,配合溶液とした.
配合する試験輸液量は配合前にメスシリンダーを用いて容量 500mL に調整した.
2)配合薬剤が輸液 250mL の場合
試験薬剤 3 バイアルを生理食塩液 30mL で溶解し,
各輸液 250mL に加え,配合溶液とした.
配合する試験輸液量は配合前にメスシリンダーを用いて容量 250mL に調整した.
3)配合薬剤が他剤の場合
配合薬剤をそのまま又は生理食塩液*で溶解した後,生理食塩液 300mL に加えた.次に試
験薬剤 3 バイアルを生理食塩液 30mL で溶解後,上記生理食塩液に加え,配合溶液とした.
配合割合は別紙 1 に示す「SVL100mg と他剤の配合変方法」を参照した.
:ハンプ注射用 1000µg 7 バイアルを生理食塩液 35mL で溶解した.また,ビタメジン静注用は
*
1 バイアルを生理食塩液 20mL で溶解した.
-4-
1-4 配合薬剤における定量法の特異性
配合試験を実施するに際し,予め各配合薬剤の定量法への影響を以下に示す方法に従い確認
した.
1)特異性試料溶液の調製
① 輸液の特異性試料溶液の調製
各輸液 1mL に水/アセトニトリル混液(1:1)10mL を加え,特異性試料溶液とした.
② 他剤の特異性試料溶液の調製
他剤を別紙 2「他剤の特異性試料溶液の調製」に示す方法に従い調製した.各配合溶液
1mL に水/アセトニトリル混液(1:1)9mL を加え,特異性試料溶液とした.
2)試験操作(定量法の特異性)
4-1-5 3)の項に従い,標準溶液及び各特異性試料溶液を HPLC に注入し,60 分間測定を行
った.
特異性試料溶液のクロマトグラムにつき,シベレスタット及び内標準物質のピーク保持時
間付近における妨害ピークの有無及び後出ピークの有無を確認した.
なお,標準溶液の調製はシベレスタット標準品 20mg を量り,水/アセトニトリル混液
(1:1)に溶かし,正確に 25mL とした.以降変更なし.
1-5 配合変化試験
配合直後,6 時間後,24 時間後及び 48 時間後の各配合溶液から 10mL を採取し,各試験に供
した.
1)外観
採取した配合溶液を試料溶液とした.この液を試験管にとり,白紙上において,白又は黒
色背景として目視にて色及び澄明性を観察した.
2)pH
採取した配合溶液を試料溶液とした.この液を別の試験管にとり,一般試験法「pH 測定法」
に従い,pH を測定した.なお,pH の校正は中性リン酸塩 pH 標準液(pH 6.86),フタル酸塩
pH 標準液(pH 4.01)及びホウ酸塩 pH 標準液(pH 9.18)を用いて,測定当日試料溶液の測定
前に 1 回実施した.
3)定量法
① 試料溶液の調製
・輸液 500mL の場合
各配合溶液 5mL を正確に量り,水/アセトニトリル混液(1:1)10mL を正確に加えて
混和後,この液 5mL を正確に量り,内標準溶液 5mL を正確に加えて混和し,試料溶液と
した.
・輸液 250mL 及び他剤の場合
各配合溶液 4mL を正確に量り,水/アセトニトリル混液(1:1)20mL を正確に加えて
混和後,この液 5mL を正確に量り,内標準溶液 5mL を正確に加えて混和し,試料溶液と
した.
-5-
② 標準溶液の調製
シベレスタット標準品を 60°C で 2 時間減圧乾燥し,その約 40mg を精密に量り,アセ
トニトリルに溶かし,正確に 50mL とし,標準原液とする.標準原液 2.5 mL を正確に量り,
水/アセトニトリル混液(1:1)10mL を正確に加えて混和後,この液 5mL を正確に量り,
内標準溶液 5mL を正確に加えて混和し,標準溶液とした.
③ 試験操作
試料溶液及び標準溶液 10μL につき,次の条件で液体クロマトグラフィーにより試験を
行い,内標準物質のピーク面積に対するシベレスタットのピーク面積の比 QT 及び QS を求
めた.
なお,測定順はシステムの適合性,標準溶液の測定,各試料溶液の測定(48 時間後まで)
とした.翌日以降に各試料溶液の測定前に,システムの再現性を実施する(開始時に調製
し,冷蔵保存した標準原液を用いて標準溶液を調製した)
.
配合溶液中のシベレスタットナトリウム(C20H21N2NaO7S・4H2O)の含量(mg/mL)
= MS / 500 × QT / QS × A × 1.216
MS:シベレスタット標準品の秤取量(mg)
A:配合溶液の係数
残存率(%)=
各測定時間後のシベレ スタット含量( mg/mL)
× 100
配合直後のシベレスタ ット含量( mg/mL)
内標準溶液:パラオキシ安息香酸プロピルの水/アセトニトリル混液(1:1)
(1→12500)
試験条件
検出器:フォトダイオードアレイ検出器(測定波長:400 ~ 200nm,解析波長:240nm)
カラム:Inertsil ODS-2
5µm,内径 4.6 mm,長さ 15 cm(ジーエルサイエンス株式会社)
カラム温度:25°C
移動相:リン酸二水素カリウム 5.44g を水に溶かし,1000mL とした後,リン酸を加え
て pH 3.5 に調整した.この液 5 容量にアセトニトリル 4 容量を加えた.
流量:シベレスタットの保持時間が約 10 分になるように調整した(1mL/分).
システム適合性
システムの性能:標準溶液 10μL につき,上記の条件で操作するとき,内標準物質,
シベレスタットの順に溶出し,その分離度は 5 以上であった.
システムの再現性:標準溶液 10μL につき,上記の条件で試験を 6 回繰り返すとき,
内標準物質のピーク面積に対するシベレスタットのピーク面積の比の相対標準偏
差は 1.0%以下であった.
-6-
2 輸液での直接溶解
室温(約 25℃)
,室内光下で,本剤 1 バイアルに配合薬剤の輸液 10mL を加え,10 分後の溶解
性を観察した.溶解しない場合はさらに 10mL を加え,同様に観察した.
溶解方法を次に示す.
「SVL100mg 1 バイアルに輸液 10mL を正確に加え,静かに 10 回転倒混和し,放置した.5 分後,
さらに 10 回転倒混和後,ときどき軽く振りませ,溶解状態を目視(必要に応じてルーペを用い
た)で観察した.
」
試験結果
1.特異性
シベレスタット標準溶液及び各配合薬剤の特異性の結果を表 1 に示す.
定量法の条件の特異性において,全ての配合薬剤で,シベレスタットピーク及び内標準物質ピー
ク付近及び後出ピークが認められなかった.
2.配合変化試験
SVL100mg と輸液 14 種類(500mL,250mL)及び他剤 15 種類との配合変化試験を実施した.
輸液及び他剤との配合変化試験結果を表 2-1~2-4 及び 3-1~3-2 に示した.
輸液との配合変化試験の結果,全ての輸液との配合は配合 48 時間後で外観に変化はなく,pH
の変動も僅かであった.また,アミノ酸を含まない輸液との配合では配合 48 時間後の含量残存
率は 92.1%以上であったが,アミノ酸成分を含む輸液は配合 24 時間後で 68.7%以下であった.
また,他剤との配合変化試験の結果,ペルジピン注射液との配合では配合直後に白濁を生じた.
アタラックス P 注射液との配合では配合 1.5 時間後にごくわずかに白濁を生じ,ハンプ注射液と
の配合では配合 48 時間後ではわずかに不溶物が析出した.更に,ボスミン注との配合では配合
30 時間後で淡だいだい色への変色が確認された.その他の薬剤に外観の変化は認められなかっ
た.また,全ての他剤との配合の pH の変動はわずかであり,48 時間後の含量の残存率は 91.5%
以上(沈殿を生じた配合は除く)であった.
3.輸液での直接溶解試験
SVL100mg に輸液を直接加えて,溶解性を確認した.その結果を表 3 に示す.この結果,ビ
ーフリード輸液は 20mL を加えても溶解しなかった.ヴィーン F 輸液及びフィジオ 140 輸液は
10mL では溶解しなかったが,20mL では溶解した.また,ビカーボン輸液及びラクテック注で
は 10mL を加えて溶解を確認したところ,10 分近くで溶解した.その他の輸液では 10mL で比
較的容易に溶解した.
-7-
表 1 特異性 試験結果
番号
輸液・他剤
妨害ピーク*
後出ピーク
1
生理食塩液(大塚生食注)
認めず
認めず
2
ブドウ糖注射液5%(大塚糖液5%)
認めず
認めず
3
アミゼットB輸液
認めず
認めず
4
アミノレバン点滴静注
認めず
認めず
5
アミパレン輸液
認めず
認めず
6
ビーフリード輸液
認めず
認めず
7
モリアミンS注
認めず
認めず
8
モリプロンF輸液
認めず
認めず
9
ソルデム1輸液
認めず
認めず
10
ソルデム3A輸液
認めず
認めず
11
ヴィーンF輸液
認めず
認めず
12
ビカーボン輸液
認めず
認めず
13
フィジオ140
認めず
認めず
14
ラクテック注
認めず
認めず
15
ドルミカム注射液
認めず
認めず
16
アタラックスP注射液
認めず
認めず
17
静注用キシロカイン2%
認めず
認めず
18
ラシックス注
認めず
認めず
19
ペルジピン注射液
認めず
認めず
20
ハンプ注射用
認めず
認めず
21
ガスター注射液
認めず
認めず
22
ノルアドリナリン注
認めず
認めず
23
ボスミン注
認めず
認めず
24
ヒューマリンR注
認めず
認めず
25
ケイツーN静注
認めず
認めず
26
ビタメジン静注用
認めず
認めず
27
K.C.L.点滴液15%
認めず
認めず
28
トランサミン注10%
認めず
認めず
29
ノボ・ヘパリン注
認めず
認めず
*:SVL ピーク保持時間 9.673 分,内標準物質保持時間 6.519 分
-8-
表 2-1 配合変化試験 輸液試験結果
輸
液
24 時間後
48 時間後
無色澄明の液
変化なし
変化なし
pH
7.52
7.49
7.46
濃度 mg/mL
0.564
0.544
0.539
残存率%
100.0
96.5
95.6
外観
無色澄明の液
変化なし
変化なし
pH
7.52
7.49
7.46
濃度 mg/mL
1.014
0.995
1.016
残存率%
100.0
98.1
100.2
外観
無色澄明の液
変化なし
変化なし
pH
7.72
7.67
7.63
LotNo. K3L88
濃度 mg/mL
0.534
0.509
0.494
容量:500mL
残存率%
100.0
95.3
92.5
外観
無色澄明の液
変化なし
変化なし
pH
7.69
7.67
7.62
LotNo. K3L88
濃度 mg/mL
1.004
0.945
0.925
容量:250mL
残存率%
100.0
94.1
92.1
外観
無色澄明の液
変化なし
変化なし
変化なし
pH
6.50
6.46
6.46
6.45
濃度 mg/mL
0.539
0.246
0.024
0.000
残存率%
100.0
45.6
4.5
0.0*
外観
無色澄明の液
変化なし
変化なし
変化なし
pH
6.51
6.47
6.45
6.45
濃度 mg/mL
1.032
0.484
0.064
0.005
残存率%
100.0
46.9
6.2
0.5
外観
無色澄明の液
変化なし
変化なし
変化なし
pH
5.99
5.96
5.93
5.91
LotNo.K3L78
濃度 mg/mL
0.549
0.497
0.365
0.255
容量:500mL
残存率%
100.0
90.5
66.5
46.4
外観
無色澄明の液
変化なし
変化なし
変化なし
pH
6.06
6.04
6.00
5.97
LotNo.K3L78
濃度 mg/mL
1.040
0.928
0.677
0.484
容量:250mL
残存率%
100.0
89.2
65.1
46.5
No.1
生理食塩液(大塚生食注)
LotNo. K3L81
容量:500mL
No.2
生理食塩液(大塚生食注)
LotNo. K3L81
容量:250mL
No.3
ブドウ糖注射液5%(大塚糖液5%)
No.4
ブドウ糖注射液5%(大塚糖液5%)
No.5
アミゼット B 輸液
LotNo. 130917KA
容量:500mL
No.6
アミゼット B 輸液
LotNo. 130917KA
容量:250mL
No.7
アミノレバン点滴静注
No.8
アミノレバン点滴静注
試験項目
配合直後
外観
*:シベレスタットのピークを認めず
-9-
6 時間後
表 2-2 配合変化試験結果 輸液試験結果
輸
液
試験項目
配合直後
6 時間後
24 時間後
48 時間後
外観
無色澄明の液
変化なし
変化なし
変化なし
pH
6.90
6.87
6.88
6.87
LotNo. K3J80
濃度 mg/mL
0.544
0.106
0.000
0.000
容量:500mL
残存率%
100.0
19.5
0.0*
0.0*
外観
無色澄明の液
変化なし
変化なし
変化なし
pH
6.93
6.87
6.85
6.84
LotNo. K3J80
濃度 mg/mL
1.033
0.238
0.003
0.000
容量:250mL
残存率%
100.0
23.0
0.3
0.0*
外観
無色澄明の液
変化なし
変化なし
変化なし
pH
6.76
6.74
6.73
6.73
濃度 mg/mL
0.547
0.500
0.376
0.267
残存率%
100.0
91.4
68.7
48.8
外観
無色澄明の液
変化なし
変化なし
変化なし
pH
6.79
6.80
6.76
6.76
濃度 mg/mL
1.043
0.946
0.717
0.519
残存率%
100.0
90.7
68.7
49.8
外観
無色澄明の液
変化なし
変化なし
変化なし
pH
6.06
6.04
6.01
5.99
濃度 mg/mL
0.547
0.460
0.276
0.151
残存率%
100.0
84.1
50.5
27.6
外観
無色澄明の液
変化なし
変化なし
変化なし
pH
6.12
6.08
6.04
6.01
濃度 mg/mL
1.032
0.858
0.526
0.312
残存率%
100.0
83.1
51.0
30.2
外観
無色澄明の液
変化なし
変化なし
変化なし
pH
6.01
5.99
5.97
5.96
濃度 mg/mL
0.544
0.405
0.165
0.055
残存率%
100.0
74.4
30.3
10.1
外観
無色澄明の液
変化なし
変化なし
変化なし
pH
6.03
6.03
5.99
5.97
濃度 mg/mL
1.040
0.768
0.335
0.130
残存率%
100.0
73.8
32.2
12.5
No.9
アミパレン輸液
No.10
アミパレン輸液
No.11
ビーフリード輸液
LotNo.M3K78
容量:500mL
No.12
ビーフリード輸液
LotNo.M3K78
容量:250mL
No.13
モリアミンS注
LotNo. 2J204A
容量:500mL
No.14
モリアミンS注
LotNo. 2J204A
容量:250mL
No.15
モリプロンF輸液
LotNo. 3L303A
容量:500mL
No.16
モリプロンF輸液
LotNo. 3L303A
容量:250mL
*:シベレスタットのピークを認めず
- 10 -
表 2-3 配合変化試験結果 輸液試験結果
輸
液
試験項目
配合直後
24 時間後
48 時間後
外観
無色澄明の液
変化なし
変化なし
ソルデム 1 輸液
pH
7.45
7.42
7.39
LotNo. 131219JA
濃度 mg/mL
0.533
0.524
0.519
残存率%
100.0
98.3
97.4
外観
無色澄明の液
変化なし
変化なし
ソルデム 1 輸液
pH
7.51
7.47
7.47
LotNo. 131219JA
濃度 mg/mL
1.022
0.976
0.982
残存率%
100.0
95.5
96.1
外観
無色澄明の液
変化なし
変化なし
ソルデム 3A 輸液
pH
7.43
7.39
7.37
LotNo. 131105KA
濃度 mg/mL
0.535
0.515
0.509
残存率%
100.0
96.3
95.1
外観
無色澄明の液
変化なし
変化なし
ソルデム 3A 輸液
pH
7.52
7.50
7.48
LotNo. 131105KA
濃度 mg/mL
1.012
0.958
0.951
残存率%
100.0
94.7
94.0
外観
無色澄明の液
変化なし
変化なし
pH
7.39
7.37
7.35
濃度 mg/mL
0.540
0.524
0.541
残存率%
100.0
97.0
100.2
外観
無色澄明の液
変化なし
変化なし
pH
7.46
7.44
7.42
濃度 mg/mL
1.008
0.984
1.008
残存率%
100.0
97.6
100.0
外観
無色澄明の液
変化なし
変化なし
pH
7.17
7.24
7.34
濃度 mg/mL
0.531
0.529
0.538
残存率%
100.0
99.6
101.3
外観
無色澄明の液
変化なし
変化なし
pH
7.29
7.38
7.45
濃度 mg/mL
1.034
1.003
1.039
残存率%
100.0
97.0
100.5
No.17
容量:500mL
No.18
容量:250mL
No.19
容量:500mL
No.20
容量:250mL
No.21
ヴィーンF輸液
LotNo. 7163Z
容量:500mL
No.22
ヴィーンF輸液
LotNo. 7163Z
容量:250mL
No.23
ビカーボン輸液
LotNo. 3N641A
容量:500mL
No.24
ビカーボン輸液
LotNo. 3N641A
容量:250mL
- 11 -
6 時間後
表 2-4 配合変化試験結果 輸液試験結果
輸
液
試験項目
配合直後
外観
6 時間後
24 時間後
48 時間後
無色澄明の液
変化なし
変化なし
No.25
フィジオ140
LotNo. K3L94
pH
6.50
6.50
6.50
濃度 mg/mL
0.533
0.521
0.546
容量:500mL
残存率%
100.0
97.7
102.4
外観
無色澄明の液
変化なし
変化なし
No.26
フィジオ140
LotNo. K3L94
pH
6.86
6.87
6.87
濃度 mg/mL
1.031
1.010
1.032
容量:250mL
残存率%
100.0
98.0
100.1
外観
無色澄明の液
変化なし
変化なし
ラクテック注
pH
7.46
7.43
7.42
LotNo. K3L78
濃度 mg/mL
0.535
0.534
0.537
容量:500mL
残存率%
100.0
99.8
100.4
外観
無色澄明の液
変化なし
変化なし
ラクテック注
pH
7.49
7.47
7.45
LotNo. K3L78
濃度 mg/mL
1.035
0.992
1.027
容量:250mL
残存率%
100.0
95.8
99.2
No.27
No.28
- 12 -
表 3-1 配合変化試験 他剤試験結果
他
剤
No.29
ドルミカム注射液
LotNo. K013A03
用量:40mg
No.30
アタラックスP注射液
LotNo. 1327830
用量:100mg
No.31
静注用キシロカイン2%
LotNo. 25130
用量:300mg
No.32
ラシックス注
LotNo. 3K145A
用量:1000mg
No.33
ペルジピン注射液
LotNo. K006Y01
用量:25mg
No.34
ハンプ注射用
LotNo. 0EA1005
用量:7000µg
No.35
ガスター注射液
LotNo. K437G01
用量:40mg
No.36
ノルアドリナリン注
LotNo. PDA0354
用量:1mg
試験項目
配合直後
外観
6 時間後
24 時間後
48 時間後
無色澄明の液
変化なし
変化なし
pH
7.14
7.11
7.11
濃度 mg/mL
0.840
0.827
0.851
残存率%
100.0
98.5
101.3
外観
無色澄明の液
ごくわずか
に白濁*
pH
7.24
7.26*
濃度 mg/mL
0.867
残存率%
100.0
外観
無色澄明の液
変化なし
変化なし
pH
7.17
7.17
7.17
濃度 mg/mL
0.837
0.810
0.822
残存率%
100.0
96.8
98.2
外観
無色澄明の液
変化なし
変化なし
pH
8.07
7.95
7.87
濃度 mg/mL
0.662
0.624
0.624
残存率%
100.0
94.3
94.3
外観
白濁
pH
7.32
濃度 mg/mL
残存率%
わずかに不
溶物析出
7.39
外観
無色澄明の液
変化なし
変化なし
pH
7.43
7.42
7.39
濃度 mg/mL
0.793
0.786
0.775
残存率%
100.0
99.1
97.7
外観
無色澄明の液
変化なし
変化なし
pH
7.28
7.28
7.26
濃度 mg/mL
0.868
0.841
0.867
残存率%
100.0
96.9
99.9
外観
無色澄明の液
変化なし
変化なし
pH
7.52
7.48
7.45
濃度 mg/mL
0.869
0.840
0.857
残存率%
100.0
96.7
98.6
* 1.5 時間後
- 13 -
表 3-2 配合変化試験 他剤試験結果
他
剤
No.37
ボスミン注
LotNo. CNA1036
用量:1mg
No.38
ヒューマリン R 注
LotNo. C194273AA
用量:100 単位
No.39
ケイツーN静注
LotNo. 37A56M
用量:20mg
No.40
ビタメジン静注用
LotNo. ECA1351
用量:1V
No.41
K.C.L.点滴液15%
LotNo. 3X031
用量:0.9g
No.42
トランサミン注10%
LotNo.JYN0369
用量:2500mg
No.43
ノボ・ヘパリン注
LotNo. D014
用量:3万単位
試験項目
配合直後
6 時間後
24 時間後
外観
無色澄明の液
変化なし
変化なし
pH
7.41
7.42
7.40
48 時間後
淡いだいだい
色澄明の液*
7.35
濃度 mg/mL
0.866
0.865
0.849
0.819
残存率%
100.0
99.9
98.0
94.6
外観
無色澄明の液
変化なし
変化なし
pH
7.51
7.49
7.45
濃度 mg/mL
0.867
0.845
0.855
残存率%
97.5
98.6
変化なし
変化なし
pH
100.0
淡黄色半透明
の液
7.52
7.49
7.42
濃度 mg/mL
0.858
0.832
0.836
残存率%
100.0
97.0
97.4
外観
淡赤色澄明の液
変化なし
変化なし
変化なし
pH
6.03
6.05
6.04
6.05
濃度 mg/mL
0.826
0.826
0.819
0.809
残存率%
100.0
100.0
99.2
97.9
外観
黄色澄明の液
変化なし
変化なし
pH
7.50
7.42
7.33
濃度 mg/mL
0.869
0.824
0.800
残存率%
100.0
94.8
92.1
外観
無色澄明の液
変化なし
変化なし
pH
7.49
7.41
7.35
濃度 mg/mL
0.803
0.734
0.735
残存率%
100.0
91.4
91.5
外観
無色澄明の液
変化なし
変化なし
pH
7.52
7.49
7.45
濃度 mg/mL
0.808
0.782
0.804
残存率%
100.0
96.8
99.5
外観
* 30 時間後
- 14 -
表 4 輸液での直接溶解 試験結果
番号
輸
液
溶解液量 10mL
No.1
生理食塩液(大塚生食注)LotNo.K3L81
○
No.2
ブドウ糖注射液5%(大塚糖液5%)LotNo.K3L88
○
No.3
アミゼットB輸液 LotNo.130917KA
○
No.4
アミノレバン点滴静注 LotNo.K3L78
○
No.5
アミパレン輸液 LotNo.K3J80
○
No.6
ビーフリード輸液 LotNo.M3K78
×
No.7
モリアミンS注 LotNo.2J204A
○
No.8
モリプロンF輸液 LotNo.3L303A
○
No.9
ソルデム1輸液 LotNo.131219JA
○
No.10
ソルデム3A輸液 LotNo.131105KA
○
No.11
ヴィーンF輸液 LotNo.7163Z
×
No.12
ビカーボン輸液 LotNo.3N641A
○*
No.13
フィジオ140 LotNo.K3L94
×
No.14
ラクテック注 LotNo.K3L78
○*
○:溶解した ×:溶解せず
*:10 分付近にて溶解した
- 15 -
追加液量 10mL
×
○
○
別紙 1 SVL100mg と他剤の配合方法
No.
薬 剤 名
(成 分 名)
1
ドルミカム注射液
2
アタラックス P 注射液
3
静注用キシロカイン 2%
4
ラシックス注
5
ペルジピン注射液
6
ハンプ注射用
7
ガスター注射液
8
ノルアドリナリン注
9
ボスミン注
10
ヒューマリン R 注
11
ケイツーN 静注
12
ビタメジン静注用
13
K.C.L.点滴液 15%
14
トランサミン注 10%
15
ノボ・ヘパリン注
用量
規格/単位
40mg
10mg /2mL
100mg
25mg /1mL
300mg
100mg /5mL
1000mg
100mg /10mL
25mg
25mg/25mL
7000µg
1000µg
40mg
20mg/2mL
1mg
1mg/1mL
1mg
1mg/1mL
100単位
100単位/1mL
20mg
10mg/2mL
1V
―
0.9g
3g/20mL
2500mg
250mg/2.5mL
3万単位
1万単位/10mL
配合剤
使用本数
(容量 mL)
4本
(8mL)
4本
(4mL)
3本
(15mL)
10 本
(100mL)
1本
(25mL)
7本
2本
(4mL)
1本
(1mL)
1本
(1mL)
1本
(1mL)
2本
(4mL)
1本
0.3 本
(6mL)
10 本
(25mL)
3本
(30mL)
溶解液
量(mL)
配合液量
(mL)
本剤本数
生理食塩液量
(mL)
配合溶液総量
(mL)
―
308
3
30
338
―
304
3
30
334
―
315
3
30
345
―
400
3
30
430
―
325
3
30
355
生理食塩液
35
335
3
30
365
―
304
3
30
334
―
301
3
30
331
―
301
3
30
331
―
301
3
30
331
―
304
3
30
334
生理食塩液
20
320
3
30
350
―
306
3
30
336
―
325
3
30
355
―
330
3
30
360
- 16 -
別紙 2 他剤の特異性試料溶液の調製
No.
薬剤名
(成分名)
用量
規格/単位
40mg
10mg /2mL
100mg
2
アタラックス P 注射液
25mg /1mL
300mg
3
静注用キシロカイン 2%
100mg /5mL
1000mg
4
ラシックス注
100mg/10mL
25mg
5
ペルジピン注射液
25mg/25mL
7000µg
6
ハンプ注射用
1000µg
40mg
7
ガスター注射液
20mg/2mL
1mg
8
ノルアドリナリン注
1mg/1mL
1mg
9
ボスミン注
1mg/1mL
100単位
10 ヒューマリン R 注
100単位/1mL
20mg
11 ケイツーN 静注
10mg/2mL
1V
12 ビタメジン静注用
―
0.9g
13 K.C.L.点滴液 15%
3g/20mL
2500mg
14 トランサミン注 10%
250mg/2.5mL
3万単位
15 ノボ・ヘパリン注
1万単位/10mL
*:ラシックス注 20mg/2mL 製剤を使用
1
ドルミカム注射液
配合剤
使用本数
(容量 mL)
1本
(2mL)
1本
(1mL)
1本
(5mL)
1 本*
(2mL)
1本
(25mL)
1本
1本
(1mL)
1本
(1mL)
1本
(1mL)
1本
(1mL)
1本
(2mL)
1本
0.05 本
(1mL)
1本
(2.5mL)
1本
(10mL)
溶解液(水)
量(mL)
総液量(mL)
75
77
75
76
100
105
6
8
300
325
48
48
75
76
300
301
300
301
300
301
150
152
320
320
50
51
30
32.5
100
110
- 17 -
2014年12月作成
シベレスタットNa点滴静注用100mg「サンド」
配合変化試験に関する資料2
サンド株式会社
-1-
試験目的
シベレスタットNa点滴静注用100mg「サンド」(以下略:SVL100 mg)の配合変化試験と
して,輸液6種について追加試験した.
試験検査品
1 本剤及び配合薬剤
以下に示す,本剤及び配合薬剤を使用した.
1)試験薬剤
名称
SVL100 mg
ロット番号
EA31
提供元
株式会社富士薬品
2)配合薬剤(輸液)
輸液名
アクチット輸液
ヴィーン3G輸液
ソリタ-T1号輸液
ソリタ-T3号輸液
フルカリック2号輸液
ソリタックス-H輸液
生理食塩液(大塚生食注)注)
注)試験薬剤の溶解用.
メーカー(製造販売元)
興和株式会社
興和株式会社
エーワイファーマ株式会社
エーワイファーマ株式会社
テルモ株式会社
エーワイファーマ株式会社
株式会社大塚製薬工場
規格
(容量)
200 mL
200 mL
200 mL
200 mL
1003 mL
500 mL
500 mL
ロット番号
76545
33141
4E316
4E531
140131LA
4E306
K3L81
試験材料
1 使用機器及び器材
機器名
電子天秤
pHメーター
HPLCシステムNo. 13
システム・コントローラ
送液ユニット
オンラインデガッサ
オートサンプラ
カラムオーブン
UV/VIS検出器
解析ソフト
HPLCシステムNo. 15
本体
解析ソフト
真空定温乾燥器
直結型油回転真空ポンプ
型式
AT261
F-52
CBM-20A
LC-20AT
DGU-20A5
SIL-20AC
CTO-20AC
SPD-20A
LC solution
メーカー
メトラー・トレド株式会社
株式会社堀場製作所
株式会社島津製作所
株式会社島津製作所
LC-2010
LC solution
VOS-300SD
GLD-100
東京理化器械株式会社
アルバック機工株式会社
-2-
2 標準品及び試薬等
試薬・器具名
シベレスタット標準品
アセトニトリル
パラオキシ安息香酸プロピル
(p-ヒドロキシ安息香酸n-プロピル)
水(蒸留水)
リン酸
リン酸二水素カリウム
HPLCカラム(Inertsil ODS-2)
規格
自社規格
HPLC用
メーカー
Laboratori Alchemia Srl
関東化学株式会社
特級
関東化学株式会社
HPLC用
特級
特級
5 μm
4.6 mm × 15 cm
キシダ化学株式会社
キシダ化学株式会社
キシダ化学株式会社
ジーエルサイエンス株式会社
試験方法
1 配合変化試験
1-1 試験項目,試験回数及び配合溶液の採取時間
採取時間
試験
注2)
回数
配合直後
6時間後
24時間後
48時間後
外観(色,溶状)
1回
〇
〇
〇
〇
pH
1回
〇
〇
〇
〇
定量及び残存率注1,2)
1回
〇
〇
〇
〇
注1)配合直後の含量を100%として残存率を算出した.
注2)24時間後に変化がある場合又は予測される場合,6時間後を追加した試験を行った.
変化があるとは外観の変化(結晶析出や色調変化等),pHの変動が0.5以上,含量残存率
90%未満とした.なお,外観変化のうち,結晶析出が認められた場合,含量測定は実施し
なかった.
試験項目
1-2 保存容器及び保存条件
(1)保存容器:配合薬剤が輸液500 mLの場合は500 mL三角フラスコで,輸液250 mLの
場合は300 mL三角フラスコで保存した.
(2)保存条件:室温(15~30°C),室内散光下(白色蛍光灯約500 lx)
1-3 配合溶液の調製
試験薬剤3バイアルを生理食塩液30 mLで溶解し,各輸液500 mL又は250 mLに加え,配合
溶液とした.輸液は配合前にメスシリンダーを用いて容量500 mL又は250 mLに調整した.
-3-
1-4 配合薬剤における定量法の特異性
配合試験を実施するに際し,あらかじめ各配合薬剤の定量法への影響を以下に示す方法に
従って確認した.
【方法】
各輸液1 mLに水/アセトニトリル混液(1:1)10 mLを加え,特異性試料溶液とした.こ
の液を7.2.1.5(3)に示す試験条件にて60分間測定を行った.特異性試料溶液のクロマトグ
ラムにつき,シベレスタット及び内標準物質の保持時間付近における妨害ピークの有無及び
後出ピークの有無を確認した.
ただし,標準原液の調製は,シベレスタット標準品20 mgを量り,水/アセトニトリル混
液(1:1)に溶かし,正確に25 mLとした.
1-5 配合変化試験
配合直後,6時間後,24時間後及び48時間後の各配合溶液から10 mLを採取し,各試験に
供した.
(1)外観
採取した配合溶液を試料溶液とした.この液を試験管にとり,白紙上において,白又は黒
色背景として目視にて色及び澄明性を観察した.
(2)pH
採取した配合溶液を試料溶液とした.この液を別の試験管にとり,一般試験法「pH測定
法」に従い,pHを測定した.なお,pHの校正は中性リン酸塩pH標準液(pH 6.86),フタル
酸塩pH標準液(pH 4.01)及びホウ酸塩pH標準液(pH 9.18)を用いて,測定当日試料溶液の
測定前に1回実施した.
(3)定量法
【試料溶液の調製】
輸液500 mLの場合は,各配合溶液5 mLを正確に量り,水/アセトニトリル混液(1:1)
10 mLを正確に加えた.この液5 mLを正確に量り,内標準溶液5 mLを正確に加えて混和し,
試料溶液とした.
輸液250 mLの場合は,各配合溶液4 mLを正確に量り,水/アセトニトリル混液(1:1)
20 mLを正確に加えた.この液5 mLを正確に量り,内標準溶液5 mLを正確に加えて混和し,
試料溶液とした.
【標準溶液の調製】
シベレスタット標準品を60°Cで2時間減圧乾燥し,その約40 mgを精密に量り,アセトニ
トリルに溶かし,正確に50 mLとし,標準原液とした.標準原液2 mLを正確に量り,水/ア
セトニトリル混液(1:1)を加えて正確に10 mLとした.この液5 mLを正確に量り,内標準
溶液5 mLを正確に加えて混和し,標準溶液とした.
-4-
【試験操作】
試料溶液及び標準溶液10 μLにつき,次の条件で液体クロマトグラフィーにより試験を行
い,内標準物質のピーク面積に対するシベレスタットのピーク面積の比QT及びQSを求め
た.
なお,測定順はシステムの適合性,標準溶液の測定,各試料溶液の測定(48時間後まで)
とした.翌日以降に各試料溶液の測定前に,システムの再現性を実施した(開始時に調製
し,冷蔵保存した標準原液を用いて標準溶液を調製した).
配合溶液中のシベレスタットナトリウム水和物(C20H21N2NaO7S·4H2O)の含量(mg/mL)
= MS / 500 × QT / QS × A × 1.216
MS:シベレスタット標準品の秤取量(mg)
A:配合溶液の係数(輸液500 mL:6,輸液250 mL:12)
残存率(%)=
各測定時間後のシベレスタット含量(mg/mL)
配合直後のシベレスタット含量(mg/mL)
× 100
内標準溶液:パラオキシ安息香酸プロピルの水/アセトニトリル混液(1:1)溶液
(1→12500)
試験条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:240 nm)
カラム:内径4.6 mm,長さ15 cmのステンレス管に5 μmの液体クロマトグラフィー用オクタ
デシルシリル化シリカゲルを充填する.
カラム温度:25°C付近の一定温度
移動相:リン酸二水素カリウム5.44 gを水に溶かし,1000 mLとした後,リン酸を加えてpH
3.5に調整する.この液5容量にアセトニトリル4容量を加える.
流量:シベレスタットの保持時間が約10分になるように調整する.
システム適合性
システムの性能:標準溶液10 μLにつき,上記の条件で操作するとき,内標準物質,シベレ
スタットの順に溶出し,その分離度は5以上である.
システムの再現性:標準溶液10 μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,内標準物
質のピーク面積に対するシベレスタットのピーク面積の比の相対標準偏差は1.0%以下であ
る.
2 輸液での直接溶解
室温(約25°C),室内光下で,試験薬剤1バイアルに輸液10 mLを正確に加え,静かに10
回転倒混和し,放置した.5分後,さらに10回転倒混和後,ときどき軽く振り混ぜ,溶解状
態を目視(明白であったため,ルーペは用いなかった)で観察した.溶解しない場合はさら
に10 mLを加え,同様に観察した.
-5-
試験結果
1 特異性
各配合薬剤の特異性の結果を表1に示す.全ての配合薬剤で,シベレスタット及び内標準
物質の保持時間付近における妨害ピーク及び後出ピークは認められなかった.
表1 特異性の試験結果
番号 輸液名
妨害ピーク*
1
アクチット輸液
認めず
2
ヴィーン3G輸液
認めず
3
ソリタ-T1号輸液
認めず
4
ソリタ-T3号輸液
認めず
5
フルカリック2号輸液
認めず
6
ソリタックス-H輸液
認めず
*:シベレスタットの保持時間10.021分,内標準物質の保持時間6.905分
後出ピーク
認めず
認めず
認めず
認めず
認めず
認めず
2 配合変化試験
SVL100 mgと輸液6種類(500及び250 mL)との配合変化試験結果を表2に示す.
3 輸液での直接溶解
SVL100 mgに輸液を直接加えて,溶解性を確認した結果を表3に示す.
-6-
表2 配合変化試験の結果
輸液名
No. 1-1
アクチット輸液
Lot No. 76545
容量:500 mL
No. 1-2
アクチット輸液
Lot No. 76545
容量:250 mL
No. 2-1
ヴィーン3G輸液
Lot No. 33141
容量:500 mL
No. 2-2
ヴィーン3G輸液
Lot No. 33141
容量:250 mL
No. 3-1
ソリタ-T1号輸液
Lot No. 4E316
容量:500 mL
No. 3-2
ソリタ-T1号輸液
Lot No. 4E316
容量:250 mL
No. 4-1
ソリタ-T3号輸液
Lot No. 4E531
容量:500 mL
No. 4-2
ソリタ-T3号輸液
Lot No. 4E531
容量:250 mL
No. 5-1
フルカリック2号輸液
Lot No. 140131LA
容量:500 mL
No. 5-2
フルカリック2号輸液
Lot No. 140131LA
容量:250 mL
試験項目
外観
pH
濃度(mg/mL)
残存率(%)
配合直後
無色澄明の液
5.51
0.554
100.0
外観
無色澄明の液
変化なし
pH
濃度(mg/mL)
残存率(%)
外観
pH
濃度(mg/mL)
残存率(%)
5.69
1.042
100.0
無色澄明の液
5.53
0.551
100.0
変化なし
5.53
0.551
100.0
外観
無色澄明の液
変化なし
pH
濃度(mg/mL)
残存率(%)
外観
pH
濃度(mg/mL)
残存率(%)
外観
pH
濃度(mg/mL)
残存率(%)
外観
pH
濃度(mg/mL)
残存率(%)
外観
pH
濃度(mg/mL)
残存率(%)
5.72
1.040
100.0
無色澄明の液
7.05
0.554
100.0
無色澄明の液
7.29
1.037
100.0
無色澄明の液
7.06
0.551
100.0
無色澄明の液
7.29
1.044
100.0
5.72
1.039
99.9
5.72
1.035
99.3
変化なし
5.53
0.556
100.9
6~24時間後
結晶析出
(5.73*)
外観
黄色澄明の液
変化なし
pH
濃度(mg/mL)
残存率(%)
5.34
0.551
100.0
外観
黄色澄明の液
5.32
0.542
98.4
5~6時間後
結晶析出
(5.39*)
pH
5.43
1.037
濃度(mg/mL)
100.0
残存率(%)
No. 6-1
外観
無色澄明の液
ソリタックス-H輸液
pH
6.00
Lot No. 4E306
0.553
濃度(mg/mL)
容量:500 mL
100.0
残存率(%)
No. 6-2
外観
無色澄明の液
ソリタックス-H輸液
pH
6.16
Lot No. 4E306
1.037
濃度(mg/mL)
容量:250 mL
100.0
残存率(%)
*:外観変化(結晶析出)のため参考値.
-7-
6時間後
24時間後
変化なし
5.55
0.549
99.1
48時間後
変化なし
5.51
0.545
98.4
31~48時間後
結晶析出
(5.73*)
変化なし
5.54
0.546
99.1
変化なし
7.06
0.545
98.4
変化なし
7.31
1.017
98.1
変化なし
7.08
0.538
97.6
変化なし
7.32
1.016
97.3
6~24時間後
結晶析出
(5.30*)
変化なし
7.05
0.535
96.6
変化なし
7.30
0.983
94.8
変化なし
7.08
0.529
96.0
変化なし
7.30
0.987
94.5
変化なし
6.01
0.550
99.5
変化なし
6.15
1.030
99.3
変化なし
6.00
0.541
97.8
変化なし
6.17
1.021
98.5
表3 輸液での直接溶解の試験結果
番号 輸液名
1
アクチット輸液,Lot No. 76545
2
ヴィーン3G輸液,Lot No. 33141
3
ソリタ-T1号輸液,Lot No. 4E316
4
ソリタ-T3号輸液,Lot No. 4E531
5
フルカリック2号輸液,Lot No. 140131LA
6
ソリタックス-H輸液,Lot No. 4E306
○:溶解した,×:溶解せず.
溶解液量10 mL
×
×
○
○
×
×
-8-
追加液量10 mL
×
×
×
×