メコバラミン錠 500μg「DK」

メコバラミン錠 500μg「DK」
製品ノート(社外秘)
社内研修資料
メコバラミン錠 500μg「DK」
製品名
自社品
標準品(参考)*備考参照
メコバラミン錠 500μg「DK」
メチコバール錠 500μg
(他: 250μg・細粒 0.1%)
製造販売元
大興製薬
エーザイ
薬価
5.60/錠
19.40 円/錠
規格
1錠中メコバラミン 500μg
一般的名称
メコバラミン錠
規制区分
(なし)
薬効分類
末梢性神経障害治療剤
効能・効果
末梢性神経障害
【効能又は効果に関連する使用上の注意】本剤投与で効果が認められない場合、月余にわ
たって漫然と使用すべきでない。
用法・用量
通常、成人は1日3錠(メコバラミンとして1日 1,500μg)を3回に分けて
経口投与する。 ただし、年齢及び症状により適宜増減する。
製剤の性状
橙赤色のフィルムコーティング錠
D6.1XT2.5mm, W 80mg
D7.3XT4.0mm, W 155mg
添加物
乳糖水和物、セルロース、トウモロコシデ
ンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、
二酸化ケイ素、ステアリン酸Mg、ヒプロメ
ロース、マクロゴール、酸化チタン、黄色
5号、青色1号、青色2号、赤色3号、カ
ルナウバロウ
カルナウバロウ,結晶セルロース,酸化チ
タン,ステアリン酸,ステアリン酸カルシ
ウム,精製白糖,タルク,沈降炭酸カルシ
ウム,トウモロコシデンプン,乳糖水和物,
白色セラック,ヒドロキシプロピルセルロ
ース,プルラン,ポビドン,マクロゴール
6000,無水ケイ酸水加物
先発品との
同等性
その他試験
製品の特徴
先発品での
副作用調査
薬物動態
作用機序
白色の糖衣錠
溶出挙動:
品質再評価に伴い溶出試験をおこなった結果全ての条件において「後発医薬
品の生物学的同等性試験ガイドライン」の判定基準に適合しており、標準製
剤との溶出挙動は同等であると判断された。
簡易懸濁法試験(△:55℃5 分、○:同 10 分)
1、血液、髄液中に多く存在する補酵素型ビタミン B12(メコバラミン)を
含有し、神経組織移行に優れている。
2、メチル基転移反応によって核酸・蛋白・脂質代謝を促進し、障害された
神経組織を修復することが示されている。
3、ビタミン B12 の欠乏・代謝障害を問わず、末梢性神経障害に対する効果
が示されています。
4、フィルムコーティング錠(先発品:糖衣錠)のため、被膜が薄く小さく
重量が軽いほか、一般的に、水分の浸透が少なく安定性が高いことが期
待される。
総症例 15,180 例中、146 例(0.96%)の副作用が報告されている。(副作用
発現頻度調査終了時)
絶食下単回経口投与した場合,いずれの投与量においても投与後約 3 時間で最高
血中濃度に達し,濃度依存による吸収が観察された。 主に尿中に排泄される。
【作用部位】物質が神経組織へ移行するためには,脳血管関門を通過する必要が
ある。本薬は,その脳血管関門を通過して神経細胞内小器官へよく移行する。
2012 年 3 月改訂
メコバラミン錠 500μg「DK」
製品ノート(社外秘)
社内研修資料
開発の概要
製品の経緯
備考
【作用機序】メコバラミンは,ホモシステインからメチオニンを合成するメチオ
ニン合成酵素の補酵素として働き,メチル基転位反応に重要な役割を果たす。
Castle が 1928 年に悪性貧血の外因子・内因子説を発表し,1948 年 Rickes 及
び Smith らがその外因子はビタミン B12(B12)であることを発見した。従って,
悪性貧血は胃液中の内因子欠乏による B12 吸収障害によっておこり,随伴して神
経障害が引き起こされたことがわかってきた。
B12 は Co 原子を含む分子量が約 1,350 のビタミンで,かなり複雑な立体構造
を持つ。最初に精製されたのはシアノ型 B12(CN-B12)として分離されたが,こ
の型は生体内にきわめて少ないものであり,特に血清や肝臓では少量しか存在せ
ず,尿中排泄が早く,体内貯留性に劣る欠点があった。その後,生体内組織中に
比較的多く存在し,安定性に優れるヒドロキソ型 B12(OH-B12)が合成された。
しかし,これらの CN-B12,OH-B12 はどちらも生体内で活性がないことがわかり,
1958 年に Barker らによって Deoxyadenosyl 基のついた補酵素型 B12(DBCC)が,
1964 年に Lindstrand によって CH3 基のついたメチル型 B12(CH3-B12)が発見さ
れ,それぞれが臨床に供されるようになった。これらの B12 は生体内で補酵素活
性があり,DBCC は肝臓や腎臓に多く存在して赤血球中のヘム合成に関与し,ま
た CH3-B12 は血清中に最も多く含まれ,各組織に移行しやすく,核酸・蛋白合成
に関与していることが分かっている。
エーザイでは 1952 年に国内では他社に先がけて CN-B12 をチョコラ B12 として
発売し,その後も OH-B12 をハイコミン,DBCC をハイコバール,そして CH3-B12
をメチコバールとして,B12 の進歩に沿った製品を開発してきた。メチコバール
はまず 1972 年に注射剤として,そして 1978 年に内服を発売している。
CN-B12,OH-B12,DBCC の効能・効果はビタミン B12 の欠乏・代謝障害による
各種疾患(神経疾患を含む)であるが,メチコバールの効能・効果は従来の B12
剤とは全く異なり,B12 の欠乏症とは無関係に「末しょう性神経障害」という効
能・効果を取得した。
【コメスゲン】 2008.8:販売開始 2011.1:販売中止
【メコバラミン錠 500μg「DK」
】2011.2:販売開始
*メコバラミン「DK」はコメスゲンを親品目とした小分け製造品
*小分けとは:既に承認された承認申請データに基づき、別会社が製造販売承認
の申請を行う方法
糖尿病性神経障害患者を対象に,メコバラミン製剤単独投与(1,500μg/日,経口
投与)と,エパルレスタット(150mg/日,経口投与)併用投与との比較を行ったとこ
ろ、全般改善度においては,単独群と併用群は、対照群と比して有意な改善が認
められ、メコバラミン製剤単独でも併用治療と同等の治療効果が期待できると思
われる (医学と薬学, 1999)
【メチコバールが診療報酬上の後発品である理由】
メチコバールは医薬品の申請の後、当時の時代背景もありメチル水銀の安全性の
認定に時間がかかり、承認に1年以上かかってしまいました。申請から承認に1
年以上かかると、その医薬品は新薬としての承認が降りないとの規定で、メチコ
バールは「新薬ではない」⇒「ジェネリック」とされたそうです。
ですので、メチコバールは最初から先発品のないジェネリックになります。(日
本ジェネリック医薬品学会HPより)
2012 年 3 月改訂