(高周波熱錬株式会社) 茨城工場技術革新に果敢に挑戦。「ダブル・ECO」

ム
ウェルカ
茨城
Welcome Ibaraki
技術革新に果敢に挑戦。
「ダブル・Eco」をキーワードに
社会に貢献する未来型企業
ネツレン(高周波熱錬 株式会社)
茨城工場
茨城工場長 秋山 正稔氏
IH 技術のパイオニアであるネツレン
快適で安全な生活環境づくりに
貢献するネツレンの製品
「熱錬」の「錬」という言葉は「鉄に焼を入れて鍛
錬する」という意味のほか、
「技術を磨く・鍛える」
「何
ネツレンは、長年にわたって表面熱処理・加工技術
度も考えて質を高める」という意味もあります。高周
を用い、複雑かつ特殊な形状・材質をもつ自動車部品、
波熱錬株式会社(以下ネツレン)は熱処理メーカー国
建設機械部品、工作機械部品などの重要保安部品の
内最大手として、熱処理によって金属の性質を変え、
焼入れを行っています。自動車業界のニーズである小
強度と耐久性などを高める「誘導加熱技術」によって、
型・軽量化、建設機械部品のニーズである高強度・高
多くの機械部品生産に変革をもたらしてきました。
靭性な焼入れ、工作機械部品のニーズである高精度焼
ネツレンの誘導加熱技術は炎を必要としません。
入れに応えるべく、自社で設計製作した各種焼入機を
必要なのは炎ではなく高周波電流です。ネツレンは
用いて焼入れを行い、他の熱処理方法に比べ、変形量
1946 年日本で初めて IH(Induction Heating)技
約 50%減を実現するなど、焼入後の加工工程の削減
術の工業化に成功した、今話題の IH 技術のパイオニア
による省資源・省エネに貢献しています。
といえる存在です。
茨城県への進出
「ダブル・Eco」の誘導加熱技術
1974 年に操業を開始した、受託加工の東日本の拠
ネツレンの誘導加熱技術は IH クッキングヒーターと
点であった寒川工場(神奈川県高座郡寒川町)は、受
同じ原理です。加熱コイルであるヒーターに高周波電
注量の増加に伴い工場の拡張が必要でしたが、用地
流を流すと被加熱物と周囲に磁束が発生し、
金属に渦電流が流れます。この電磁誘導作
用によって、金属が直接加熱されます。
ネツレンの IH 技術は、二酸化炭素の排出
量がきわめて少ない環境にやさしい「無公
害(Ecological)
」で、高いエネルギー変換
効率による省エネルギーと設備の省スペー
ス化を実現する「省資源(Economical)」
の「ダブル・Eco」の技術です。
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JIR NEWS 2014
茨城工場
誘導加熱の原理
歯車の輪郭焼入れ
の確保に課題がありました。そこで、工場の新設を計
小さい熱処理ですが、茨城工場では、さらに環境負荷
画し、高速道路網が整備されており物流面で優位性が
の低減を目指した対策をとっています。
あったこと、主要顧客である大手建機メーカーが進出
具体的には、工場の屋根にネツレン製インターコネ
していること、関係会社との統合効果も期待できるこ
クタを使用した太陽光発電パネル 1,216 枚を敷設し、
となどから、当地への進出を決めました。
総量 300kW の発電を行っているほか、省エネ型高周
茨城工場は 2013 年 11 月に操業を開始し、敷地面
波熱処理装置の採用、生産性向上による加工時間の圧
積 20,000㎡、建屋面積 7,248㎡、延床面積 9,136
縮、水循環用ポンプや圧縮機の個別稼働、工場と事務
㎡を誇ります。2015 年の本格稼働時には 55 名体制
所照明の LED 化、使用電力の見える化による電力管理
を予定しています。
の JIT(ジャストインタイム)化などを行っています。
茨城工場が誇る最先端技術
「多周波加熱技術」
今後の展望
ネツレンでは今後の当社のありたい姿を描く長期経
周波数を高くすると渦電流は表面(浅い所)に集中
営ビジョンを策定しました。当社の事業の 3 本柱であ
し、周波数を低くすると渦電流は内部(深い所)に発
るブランド製品、受託加工、設備製造を活かし、連携
生する性質があります。この性質を利用した当社の最
することで、事業全体の成長を図るという姿勢を強く
先端技術である「多周波加熱技術」を茨城工場に導入
打ち出しています。
予定です。この技術は加工対象物(ワーク)の形状に
茨城工場では、2015 年の本格稼働に向け、地元に
よって、高い周波数と低い周波数の出力を任意に組み
根付いた企業を目指し当地での新卒採用も計画してい
合わせるもので、自動車のドライブシャフトなど複雑
ます。今後当工場が、当社の東日本の受託加工の拠点
な形状の部品に高品質な熱処理を行なえるほか、作業
として、我々の生活環境を向上する製品・技術を生み
工程を短縮することでコストの削減につながる利点が
出し、地域を活性化していくことが期待されます。
あります。パイプ状の製品を例にとると、外側は高い
周波数で、内側は低い周波数でと 2 回の熱処理工程が
会社概要
必要ですが、多周波加熱では内側外側を同時に加熱可
能なことから 1 回の作業で完了するのです。
更なる環境負荷低減を目指して
高周波誘導加熱は CO2 排出量が少なく、環境負荷の
所
在
地 (本 社)東京都品川区東五反田 2-17-1
オーバルコート大崎マークウエスト
(茨城工場)茨城県ひたちなか市新光町 552-77
業 種 金属材料・金属製品の熱処理加工、
金属熱処理加工製品の製造販売
従 業 員 数 連結 1,248 名 単独 727 名
代 表 取 締 役 福原哲一
連 絡 先 (本 社)03-3443-5441
(茨城工場)029-265-3862
U R L http://www.k-neturen.co.jp/
JIR NEWS 2014
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