DIG説明書集[日本語版]

Roche Applied Science
DIG 説明書集[日本語版]
8 th
Visit our New DIG System Special Interest Site
DIG Reagents and Kits for Non-radioactive Nucleic
Acid Labeling & Detection
http://www.roche-applied-science.com/DIG
ロシュ・ダイアグノスティックスのDIGシステムのアプリケーション、プロトコール、試薬及びキット
の詳細が載った、DIG ウェブサイトを訪問してください。
このウェブサイトには次のようなリンクがあります。
Application hints
Application Information
∼ アプリケーションのヒント ∼
どのキット・試薬の選択がベストかという事
∼ なぜ、ノン -RI 標識なのか? ∼
と、DIGシステムで成功するためのアプリケー
ノン -RI 標識プローブによってもたらされる、 ションにおける重要なステップに対する、よ
すべての利点の概要をご覧ください。
り深い情報をじっくりお読ください。
Why non-radioactive labeling?
DIG system basics
Slide show
∼ DIG システムの基礎 ∼
ここでは DIG システムがどのように働くかが
わかります。
Non-radioactive vs. radioactive labeling
∼ ノン -RI 対 RI 標識 ∼
DIGプローブが、すべてのアプリケーションで
RI プローブに置き換えられる事をデータでご
覧ください。
∼ スライドショウ ∼
このセクションの 38 スライドが、DIG 標識プ
ローブの基礎と応用をお教えします。
Literature
∼ 文 献 ∼
DIG 標識産物のアプリケーションに関する文
献をチェックしてください。
Product list
ロシュ
・ダイアグノスティックスのDIGラベリング
& デテクション試薬の詳細をご覧ください。
ご自身のアプリケーションに至適な製品の選
択に必要な情報が記載されています。
Online Technical Support
最寄りのテクニカルサポートまでお問い合せく
ださい。
また、ご自身のご意見やお客様情報を私共の
メーリングリストまでお寄せください。
← DIG ウェブサイトの開始画面
1
2
目 次
DIG説明書集[日本語版]
DIG システムの分子生物学アプリケーション
4
ノンラジオアイソトープ DIG - 核酸検出システム
5
DIG DNA Labeling and Detection Kit
(Cat. No. 1 093 657) 13
DIG DNA Labeling Kit
(Cat. No. 1 175 033) 21
DIG High Prime
(Cat. No. 1 585 606) 26
DIG High Prime DNA Labeling and Detection Starter Kit I
(Cat. No. 1 745 832) 29
DIG High Prime DNA Labeling and Detection Starter Kit II
(Cat. No. 1 585 614) 37
PCR DIG Probe Synthesis Kit
(Cat. No. 1 636 090) 45
DIG Oligonucleotide Tailing Kit, 2nd Generation
(Cat. No. 3 353 583) 50
DIG Oligonucleotide 3'-End Labeling Kit, 2nd Generation
(Cat. No. 3 353 575) 56
DIG RNA Labeling Kit(SP6 / T 7)
(Cat. No. 1 175 025) 60
DIG Northern Starter Kit
(Cat. No. 2 039 672) 67
DIG Luminescent Detection Kit
(Cat. No. 1 363 514) 76
DIG Nucleic Acid Detection Kit
(Cat. No. 1 175 041) 80
DIG Gel Shift Kit, 2nd Generation
(Cat. No. 3 353 591) 84
DIG Easy Hyb
(Cat. No. 1 603 558) 92
DIG Easy Hyb Granules
(Cat. No. 1 796 895) 95
DIG Wash and Block Buffer Set
(Cat. No. 1 585 762) 98
100
DIG システム リスト
注:キット内容に関しましては予告なく変更される場合がございますので、キット開封後は必ず英文の添付文書にてご確認ください。
これらの試薬は研究目的専用に製造されており、臨床検査用には使用できません。in vitro の使用のみに限定されております。
御了承ください。
3
4
dUTP
+ クレノー
フルオレセイン、
ローダミン標識
抗 DIG 抗体による
in situ での蛍光検出
DIG
DIG
蛍光
PCR での DIG の
取り込み
AP 標識抗 DIG 抗体と
CSPDR, CDP - StarTM
を用いての発光検出
DIG
発光
DIG 標識プローブの
ハイブリダイゼーション
DIG
DIG
DIG オリゴヌクレオチド
3' - 末端標識
青色
DIG
AP 標識抗 DIG 抗体と
他の基質を用いての
フィルターや in situ
での発色検出
基質
標識抗 DIG
抗体の結合
DIG
DIG
DIG
色
基質
X - NHS エステル
DIG オリゴヌクレオチド
5' - 末端標識
化学合成 + 5' - NH2 基
DIG
dUTP
NH2
ddUTP
+ ターミナル
+ ターミナル
DIG
トランスフェラーゼ トランスフェラーゼ
+ dNTP
DIG
DIG
DIG オリゴヌクレオチド
テイリング
AP 標識抗 DIG 抗体と
NBT/BCIP を用いての
フィルターや in situ
DIG
での発色検出
DIG
DIG
dUTP
dUTP
+ DNA ポリメ + Expand HiFi
ラーゼ
+ プライマー
(コーン バーグ)
+ DNase
DIG
DIG
ニックトランス
レーションによる
DIG 標識
UTP
+ T7/SP6 RNA
ポリメラーゼ
直鎖化
DIG RNA 標識
DIG
DIG
ターゲット核酸の固定
(フィルターへの結合や in situ)
DIG
DIG
DIG ランダムプラ
イムド DNA 標識
DIG システムの分子生物学アプリケーション
「ノンラジオアイソトープ DIG - 核酸検出システム」
序 論
従来、分子生物学の分野では、RI(放射性同位元素)を用いて実験が行なわれてきました。
しかし、その取り扱いにはいろいろな制限を受けます。しかも廃棄処理にはお金がかかり、その廃棄物の
貯蔵にも問題点が多く、環境問題から今後更に使用規制が強化されるものと思われます。また健康上危険
な為、RIを使用しなければならない実験以外は使用を減少する傾向に向かうものと考えられます。
非放射性検出システムは RIシステムに比べて低感度であったことや取り扱いが煩雑であることなどから特
殊な場合を除いて敬遠されてきました。しかし、RIシステムにない特徴
(例:半減期の問題、施設の問題、廃
棄の問題がない)
などによりその使用が増大してきています。更に、分子生物学的手法の普及により実験者の
人口及び施設の増加が進み非放射性検出システムの需要がますます増加しています。
現在、様々な非放射性核酸検出システムが続々と登場していますが、それぞれのシステムには RIと同様、利
点と問題点を含んでおります。その中で現在最も広く使用されています ロシュ・ダイアグノスティックス のDIG
システムについて簡略に紹介いたします。
原 理
DIGシステムはジゴキシゲニン
(Digoxigenin ; DIG)
という抗原(ハプテン)をプロ−ブと呼ばれる核酸に
標識し、抗体を用いてその抗体に標識した酵素の反応或いはその他の反応系で核酸を検出する方法です。
ジゴキシゲニンは Roche Diagnostics GmbH(ドイツ)が心臓病の治療薬として用いられる強心配糖体ジゴ
キシン
(Digoxin)
の研究を古くから行なっている経験から、人工的抗原
(ハプテン)
として利用できることを
見出しました。ジゴキシゲニン
(DIG)
と3分子のジキトキソースよりなる、ジゴキシンはジキタリス植物よ
り得られる物質で、この植物以外には存在しません。
ジゴキシゲニンは、熱などに強い抵抗性を示します。例えば融点は222 ℃ です。
これらの性質を利用して、核酸のハイブリダイゼ−ション反応に利用できることになりました。
検出目的の核酸に対するプロ−ブ(DNA or RNA)に様々な方法を用いて標識することができます。
一般的には図 1 に示すようなジゴキシゲニンをスペーサーアームを介してdUTP に化学結合させたDIG - 11 dUTPを酵素標識法(例;ランダムプライムド法)によりRI 法と同じようにプローブに標識します。
★ 酵素標識方法は以下の通りです。
① Random Primed Labeling
(ランダムプライムド法)
② Nick Translation Labeling
(ニックトランスレーション法)
③ 3' End Labeling(3’
末端標識法)
図 1 Digoxigenin-11-dUTP, alkali-labile
(主としてオリゴヌクレオチド 標識に利用されます。)
3'末端標識方法には標識基質の違いにより2 種類の標識方法があります。
◆ 3' End Labeling法
基質としてDIG - 11 - ddUTPを用います。
◆ Tailing法
基質としてDIG - 11 - dUTPとdATPを用います。
④ DIG PCR Labeling(PCR* 標識法)
Expand High Fidelity 或いはその他の耐熱性 DNAポリメラーゼ を用いた PCR 反応の際に基質として
用い標識します。
⑤ In Vitro Translation Labeling(SP6 / T7 or T3 / T7 ; RNA 標識法)
⑥ 逆転写酵素標識法
5
★ その他の化学標識法
5' End Labeling(5'末端標識法)
DNA 合成機で合成オリゴヌクレオチドを作成する際、5' 末端にアミノ基を導入して DIG-NHS-ester と化学
結合させます。
標識されたプローブは、ハイブリダイゼーションに用いられ、目的の核酸
(Target)
とハイブリダイズ後、抗
DIG 抗体と反応します。抗体に標識された酵素やその他 の検出物質の反応によってプローブは検出される
ことになります。
一般に標識酵素はアルカリホスファターゼ
(AP)
が用いられ、発色反応或いは発光反応により検出されます。
ISH(In Situ Hybridization)
には発色が主として使用され、サザンまたはノーザン 等の ブロッティングには発光
検出が主として使用されます。感度的には発光検出が高くなります。例えばランダムプライムド標識DNAプロー
ブを用いて、ドットブロットで発色では 0.1 pg DNA を検出できます。それ に対し発光では 1.5 fg(0.0015 pg)
を検出できるという報告(20)があります。
標識及び検出システムについては目次裏の図を参照してください。
発色法では基質として NBT/BCIP(X -リン酸)或いは Fast Dyes を使用します。
NBT/BCIP は以前より知られており、反応産物は沈着性及び不溶性です(図 2を参照)。
Fast Dyes は NBT/BCIP に比べ感度は同程度でバックグランドが少ないという報告(29)があります。
特に検出時間が30分間から約 2 時間と短く、また、色がグリーン、レッド、ブルーという 3 種類を選択できま
す(30)。
発光法では基質として以下のものを使用します。
(図 3、図 4、図 5を参照)
R
① CSPD
② CDP-StarTM
他の標識物としては蛍光色素とゴールドがあります。
蛍光色素は主として FISH法(27),(28)に利用され、染色体上の遺伝子マッピングに応用されています。
蛍光色素の種類としては
(1)
Fluorescein ;グリーン
(2)
Rhodamine;オレンジ
(3)
AMCA;ブルーの 3 種類で
す。
ゴールドは光学顕微鏡及び電子顕微鏡でのISH法に適しており、発色検出で生じる長時間保存による退色
が生じません。
応用範囲
(1)サザンブロット(20)
(2)ノーザンブロット
(3)ドット・スロットブロット
(4)コロニーハイブリダイゼーション
(5)プラークハイブリダイゼーション
(6)サウスウエスタン
(7)シークエンス反応(17)
(8)RNase Protection assay(21)
(9)PCR(16),(18)
(10)ゲルシフトアッセイ
(11)in situ ハイブリダイゼーション
(12)FISH法(27),(28)
,
(33)
,
(13)Hot Start法(31)(32)
6
特 長
(1)標識プローブは−20℃で一年間安定。
(2)標識プローブは数回再利用可能(ハイブリ後回収して)
。
(3)DIG はジキタリス以外には存在しない(内因性の問題がない)
。
(4)用途に応じて検出系(発光・発色・蛍光 )を選択できます。
(5)標識操作はRI で利用されている酵素標識法(例:ランダムプライムド標識法)がそのまま使用でき
ます。
(6)検出時間がRI に比べて短い(例:条件により異なるが、例えば一時間)
。
(7)特殊なハイブリバッファーを使用していない(組成が不明なブラックボックスがない)
。
(8)リプロービングが可能(熱変性、アルカリ変性により)
。
(8)RIにはない 核酸の多重検出系が可能(FISH、レインボーデテクション)
。
(10)ビオチン検出系に比べバックグランドが低い。
(11)ハイブリ溶液は一般に使用されている 5 × SSCバッファー系なので、ハイブリの温度を自由に変
えることが可能です。
(12)感度が高い(ドットブロットの発光検出系で 1.5 fg DNA の検出の報告があります)
。
(13)応用範囲が広い(ブロッティング、ISH など)
。
(14)通常の研究室で実験を行なうことができる。
(15)経済性が高い(プローブの長期保存可能など)
。
(16)ジゴキシゲニンは熱等の条件に強い。
(17)抗体の特異性が高い(表 1 )を参照。
注意点
① メンブレン
発色系:ニトロセルロース、ナイロンメンブレン
発光系:ナイロンメンブレン
ノンチャ−ジ及びプラスチャージ共に使用できます。ただし、プラスチャージメンブレンは結合
力が強いので感度も上がりますが、バックグランドも上昇します。特に他社の場合 Lot 間差がある
ので注意してください。
バッグランドを押える為にはハイブリ溶液に高濃度の SDS を入れることが薦められます。
現在、プラスチャージメンブレンが使用される傾向にあります。ニトロセルロースメンブレンは発
光検出系ではそのままでは使用できませんが、ニトロブロック試薬を使用すれば使用が可能です。
② DIGが疎水性なので、DIG標識サンプルのフェノ−ル / クロロフォルム抽出は大きな損失の原因と
なります。
③ 発光検出で利用されるX線フィルム例
◎ Kodak XAR(Kodak)
◎ Cronex 4(Du pont)
◎ Lumi-Film(ロシュ・ダイアグノスティックス)
7
●
NBTとBCIP(Xリン酸)の反応式(図2) ●
CSPDR の反応式(図3) Formula : C 18 H 20 ClO 7 PNa 2
●
CDP-StarTM の反応式(図4) Formula : C 18 H 19 Cl 2 O 7 PNa 2
8
A B
図 5:A)
CSPDRとCDP-StarTM の構造式
B)
ナイロンメンブレン上の発光動力学:CSPDR VS. CDP-StarTM
DIG発光検出システムとRI との比較
Gabi Engler - Blum, Monika Meier, Jurgen Frank and Gerhard A. Muller(19) の文献より結果を紹介いたします。
●
A B
図 6:DIGシステムとRI システムとのノーザンブロッテングでの感度比較。
Total RNAを電気泳動分離し、ポジィテブチャージメンブレンにブロットしました。
ハイブリダイゼーションは、2.5 ng / ml の濃度の
cDNAプローブを用いて行ないました。GAPDH の cDNAプローブはランダムプライム標識法を用いて[ 32P]dCTP(A)或いは DIGdUTP(B)で標識しました。
フィルムへの露光時間は
(A)
が 5日間、
(B)
が 20分、5時間、16 時間でした。ここでは、発光基質として CSPDR を用いました。
9
W.Pflug と B.Eberspacher(Landeskriminalamt Baden-Wrttemberg, Taubenheimerstr. 85,7000
Stuttgart 50, FRG)
A B
図 7: 32P(A)とDIG System(B)による検出比較。
Hinf I digested human genomic DNA(lanes 1∼ 5 )は、DIG 標識及び 32P標識 MS31プロ−ブによって検出されました。
MS31プロ−ブは、Jeffreys multilocus probe 33.15 由来で、法医学のフィンガ−プリント分析におけるRFLP(restriction
fragment lengthpolymorphisms)の検出に汎用される single locus probe です。
R I システムでは、X 線フィルムに 5 日間の露光により検出、 DIG-AMPPDシステムでは、僅か 2 時間の露光により検出で
きました。最少約 60 ng の genomic DNAが、両方のシステムで検出できました。更に、DIGシステムでは、よりシャ−プ
なバンドパタ−ンが得られました。
レーン 1:1000 ng レーン 2:500 ng
レーン 3 :250 ng レーン 4 :125 ng レーン 5:62. 5 ng 表 1:種々のCardenolide誘導体及び複合体に対するジゴキシゲニン特異的ポリクロ−ナル羊抗体の交叉反応(13)。
Cardenolide
Cross reactivity
Non-cardenolide
Cross reactivity compound
[% digoxigenin]
compound
[% digoxigenin]
Digitoxin
0.1
Estradiol
< 0.002
Gitoxin
0.4
Estriol
< 0.001
Lanatoside C
0.1
Testrosterone
0.002
Digoxin
64
Progesterone
< 0.002
Dihydrodigoxin
96
Prednisone
< 0.003
β- Methyldigoxin
21
Cortisol
< 0.002
α- Acetyldigoxin
91
Canrenone
< 0.003
β- Acetyldigoxin
77
Proscillaridin
< 0.003
Digoxigenin
100
Methylproscillaridin
< 0.001
Digoxigenin-mono138
k - Strophanthin
0.1
digitoxide
Spironolactone
< 0.002
Digoxigenin-bis104
digitoxide
10
リファレンス
1)
2)
3)
4)
5)
6)
7)
8)
9)
10)
11)
12)
13)
14)
15)
Bronstein,I.and P.McGrath.(1989) Nature Vol.338,No.6216, pp 599∼600.
Sommerfelt Halvor,Grewal H.S. and Bhan M.K.J.Clin.Microbiol.(1990) Vol.28, No.1, pp 49∼54.
Furuta,Y.and Y.Inuyama.(1989) Journal of Otolaryngology of Japan.Vol.92, pp 2055∼2063.
Miyamoto,K.,Tomita,N.,Ohtsuki,Y.and Kitajima,K.(1990) Jpn.J.Cancer Res.Vol.81, pp 313∼316.
Yamada,H.,Aida,T.,Taguchi,K.and et al.(1989) Acta Pathologica Japonica.Vol.39, No.11, pp 719∼724.
Hoeltke H.J. and Kessler C.(1990) Nucleic Acids Research,Vol.18, No.19, pp5843∼5851.
Schmitz Gudrun G. (1991) Anal.Biochem.Vol.192, pp. 222∼231.
Samoszuk,M.and Nansen,L.(1990) Blood Vol.75,No.1, pp 13∼16.
Watanabe,Y.,Yoshimura,M.,Suzuki,Y.,Omoto,K.,Juji,T.and Tokunaga,K.(1990) J.Anthrop.Soc.Nippon.Vol.98,No.2,pp149∼155.
Zischer H.and et al.(1989) Hum Genet Vol.82, pp.227∼233.
Lion T.and Haas O.A.(1990) Anal.Biochem.Vol.188, pp.335∼337.
Tizard R.and et al.(1990) Proc.Natl.Acad.Sci.USA Vol.87, pp.4514∼4518.
Hoeltke H.J.,and et al.(1990) Biol.Cehm.Hoppe-Seyler Vol.371, pp.929∼938.
C.Kessler(Ed.)(1992) "Nonradioactive Labeling and Detection of Biomolecules" Springer-Verlag.
野村慎太郎、稲澤譲治 "脱アイソトープ実験プロトコール"
① DIGハイブリダイゼーション 細胞工学別冊9秀潤社(1994).
DIG 発光検出システムの文献
16)
17)
18)
19)
20)
Lanzillo J.J.(1990) BioTechniques Vol.8,No.6,pp.621∼622.
Allefs J.J.H.M. and et al.(1990) Nucl.Acids Res.Vol.18,No.10,pp.3098∼3100
Lanzillo J.J.(1991) Anal.Biochem.Vol.194,pp.45∼53.
Hans J.Hoeltke and et al.(1992) BioTechniques Vol.12,No.1,pp.104∼113.
Gabi Engler-Blum,M.Meier,J.Frank and G.A.Muller.(1993) Anal.Biochem.210. pp 235∼244.
DIG RNase Protection Analysis.
21) I.Wundrack and S.Dooley.(1992) Electrophoresis Vol.13,pp.637∼738.
DIG ISHの最近の代表的文献
22)
23)
24)
25)
26)
古田康一、目黒瑞穂.(1991)BIOmedia Vol 6, No.6, pp.95 ∼99.
佐藤雄一、井上準人、佐藤紅緒、亀谷徹.最新医学 Vol.47, No.10, pp.12∼18.
横内裕二、黒岩厚.(1991)遺伝子工学ハンドブック 実験医学別冊 pp.278∼287.
廣田誠一、森井英一、伊藤彰彦、野村慎太郎(1992)病理と臨床 Vol.10,No.4, pp 451∼456.
P.Komminoth,F.B.Merk,I.Leav.H.J.Wolfe,and J.Roth.(1992)Histochemistry Vol.98, pp.217∼228.
DIG FISH 法についての代表的文献
27) 高橋永一、堀雅明.(1991)ラボマニュアルヒトゲノムマッピング(堀雅明、中村祐輔編)丸善 pp.101∼142.
28) 稲沢譲治、有山武志、阿部達生.(1993)組織培養 Vol.19,No.1,pp.13∼17.
レインボーデテクションについての文献
29) West,S.Schr der,J.,and Kunz,W.(1990) Anal.Biochem.Vol.190,pp.254∼258.
30) Hoeltke,H.J.,Ettl,I.Finken,M.West,S.and Kunz,W.(1992) Anal.Biochem.Vol.207, pp.24∼31.
Hot Startの文献
31) Gerard J.Nuovo,P.MacConnell,A.Forde and P.Delvenne (1991) Am.J.Pathol.Vol.139,No.4, pp.847.
32) Gerard J.Nuovo,F.Gallery,P.MacConnell,J.Becker and W.Bloch (1991) Am.J.Pathol.Vol.139,No.6, pp.1239∼1244.
33) Gerard J.Nuovo (1992) PCR in situ hybridization: Protocols and Applications. New York: Raven Press.
11
12
DIG DNA Labeling and Detection Kit
アルカリ感受性ジゴキシゲニン-dUTPによるランダムプライムドDNAラベリングと酵素イムノアッセイによるハイブリッドの検出
Cat. No. 1 093 657
1 キット当たり10 ng∼ 3μg DNAに対し25回ラベリング反応ならびに
100 cm2 × 50ブロットの検出用
−15∼−25℃保存
Version, 2004年10月
1. はじめに
1.1 キットの内容
ボトルまたは
内 容 (機能を含む)
ラベルの表示
キャップの番号
1
Cat. No.
(別売される場合)
Unlabeled Control DNA 1
* 20μl pBR328
* [100μg/ml]
* pBR328は、Bam HI, Bgl I およびHinf I により別々に消化されている。
* 上記の制限酵素で処理された産物は、2 : 3 : 3の比率で混合されている。
* pBR328の16種類の断片のサイズはそれぞれ、4907, 2176, 1766, 1230, 1033,
653, 517, 453, 394, 298(2 ×), 220および154(2 ×)bp
* 透明の溶液
* サザンブロット用コントロール DNA
2
Unlabeled Control DNA 2
* 20μl pBR328
* [200μg/ml]
* Bam HIにより直鎖化
* 透明の溶液
* ラベリングの実習と、ラベリング効率のチェック用
3
DNA Dilution Buffer
* 2
×
1 ml
* [10 mM Tris-HCl, 1 mM EDTA; pH 8.0 (20℃)中に50μg/ml 鰊精子DNAを含む]
* 透明の溶液
4
Labeled Control DNA
* 50μl pBR328 DNA。Bam HI により直鎖化
1 585 738
* [5μg/ml]
* 透明の溶液
* DIGでラベルされたDNAの収量の評価用
5
Hexanucleotide Mix
* 50μl
1 277 081
* 10 × 濃縮ヘキサヌクレオチド混合液
* 透明の溶液
* ラベリング反応の構成物
6
dNTP Labeling Mix
* 50μl
1 277 065
* 10 × 濃縮dNTPラベリング混合液:1 mM dATP, 1 mM dCTP, 1 mM dGTP,
0.65 mM dTTP, 0.35 mM アルカリ感受性 DIG-11-dUTP; pH 7.5 (20℃)を含む
* 透明の溶液
* ラベリング反応の構成物
7
Klenow Enzyme, Labeling Grade
* 25μl ラベリンググレードの Klenow 酵素
1 008 404
* 2 ユニット/μl
* 透明の溶液
* DNAの合成のための酵素
8
Anti-Digoxigenin-AP Conjugate
* 200μl
1 093 274
* [750 U/ml]
* 羊抗ジゴキシゲニンポリクローナル抗体, アルカリホスファターゼ標識された
Fabフラグメント
* 透明の溶液
9
NBT/ BCIP
* 10 × 1 ml
1 681 451
* 濃縮されたストック溶液
* 明るい黄色から褐色を呈する透明溶液
* アルカリホスファターゼと反応する
10
Blocking Reagent
* 50 g の粉末をそれぞれ含む 2 本のボトル
1 096 176
追加で必要となる設備と試薬
上記にリストされている試薬以外に、いくつかの溶液を調製する必要があります。次ページ表は、異なる操作方法に必要な設備の概要について
示したものです。
詳しい情報については、操作方法の各論のページに記されています。
13
操 作 方 法
3.3 DIG DNAラベリング
設 備
ウォーターバス
試 薬
ステージ
* 滅菌再蒸留水
* 0.2 MのEDTA (pH8.0),
滅菌済み
DNAラベリング
ランダムプライムドラベリングの技術によりDIGラベル
されたDNAプローブが合成されます。
ハイブリダイ
ゼーション
DIGラベルされたプローブは、標準的な方法により、メンブ
レンにブロットされた核酸とのハイブリダイゼーションに
使用されます。アルカリ感受性の性状をもつDIG-11-dUTP
を使用することで、第二のDIGラベルされたプローブを用
いたリハイブリダイゼーション実験において、簡単かつよ
り効率的にブロットを剥がすことが可能になります。
免疫検出
ハイブリダイズしたプローブを、AP標識抗ジゴキシゲ
ニン抗体, Fabフラグメントを用いて免疫検出し、NBT/
3.4 ラベリング効率の決定 ポジティブチャージの * DIG Wash and Block
ナイロンメンブレン*
Buffer Set*
(Cat. No. 1 417 240)
(Cat. No. 1 585 762)
* TEバッファー
または
* 洗浄用バッファー
* マレイン酸バッファー
* 検出用バッファー
* TEバッファー
BCIP発色基質を用いて可視化させます。
3.5 DNAのトランスファー * UV光ボックスまたは * 2 × SSC
と固定
* 市販のUVクロス
または
リンカー
* 10 × SSC
3.6 ハイブリダイゼー
ション
図 1:図はDIG-11-dUTPを示す。
* ポジティブチャージの DIG Easy Hyb*
ナイロンメンブレン* (Cat. No. 1 603 558)
(Cat. No. 1 417 240)
* ハイブリダイゼー
ション用バッグ*
(Cat. No. 1 666 649)
または耐熱性の密封
プラスチック製バッグ、
あるいはローラー
ボトル
メモ:DIG Easy Hyb
バッファーを用いる際
は、ふたのないトレー
を使用しないこと
3.7 免疫検出
説 明
* 耐熱性の密封プラス
チック製バッグ、ある
いはローラーボトル
* ハイブリダイゼー
ション用バッグ*
(Cat. No. 1 666 649)
3.8 DNAブロットの剥離と * 大きめのトレー
リプロービング
* ウォーターバス
アプリケーション
D I G ラベルされたD N A プローブは、全てのタイプのフィルターハイ
ブリダイゼーションに使用することが可能です。
* DIG Wash and Block
Buffer Set*
(Cat. No. 1 585 762)
* TEバッファー
または
* 洗浄用バッファー
* マレイン酸バッファー
* 検出用バッファー
* TEバッファー
試料となる物質
* 最小100 bpのDNA断片
* 直鎖化されたプラスミド、コスミド、またはλDNA
* スーパーコイル化したDNA
アッセイの所要時間
下表は、各操作ステップにおける反応時間の一覧です。
* ジメチルフォルムアミド
(DMF)
* 0.2 M NaOH, 0.1% SDS
(w/v)
* 2 × SSC
操作ステップ
DNAラベリング
2. 製品の概要
反 応 時 間
1 時間からオーバーナイト
ハイブリダイゼーション
6 時間からオーバーナイト
免疫検出
1.5時間
発色の展開
0.5から16時間
テスト数
1 キットの内容は、以下のテスト数に十分量です。
* 3μgまでのテンプレートDNAに対し、標準的な方法により25回ラベ
リング反応分
* 100 cm2 のメンブレン50ブロット分
2.1 製品の概要
ラベリングの原理
D I G ラベルされたDNAプローブは、ランダムプライムドラベリン
グ(1)により合成されます。この原理は、変性されたDNAテンプレー
トにオリゴヌクレオチドがランダムにハイブリダイズすることに基
づいています。Klenow酵素はプライマーとなるランダムオリゴヌク
レオチドをその3'OH末端と、アルカリ感受性DIG-11-dUTPを含むデ
オキシヌクレオチドの混合物とを伸長反応に利用し、相補的なD N A
鎖を合成します。新たに合成されるDNAの20∼25ヌクレオチドおき
にDIG-dUTPが取り込まれます。DNA中でのこのハプテン濃度によ
り、検出反応において最高の感度が得られます。
品質管理
未標識のコントロールDNA(pBR328)をプロトコールに記載された方
法でラベルし、0.1 pgの特異DNAをドットブロットにより16時間の発
色反応の後に検出可能かという基準で品質管理を行っています( 1 p g
の特異DNAが 1 時間の発色展開で検出可能です)。
キットの保存と安定性
未開封のキットは、―15∼―20℃にて、ラベルに印刷された期限まで
安定です。輸送はドライアイスで行ってください。
開封後は、次ページ表に従って適切に保存してください。
テストの原理
DIG DNA Labeling Kitではジゴキシゲニン(DIG)というステロイドハ
プテンを使用して、ハイブリダイゼーションやそれに続く酵素イム
ノアッセイによる発色検出のためにDNAプローブをラベルします。
14
キット内容物
合液を使用し、DNAをジゴキシゲニン-11-dUTPを用いてランダムプ
ライムドラベルします。
保 存
Anti-Digoxigenin-AP Conjugate
(バイアル 8)
2∼8℃で安定
NBT/ BCIP (バイアル 9)
* 2∼8℃で安定
* あるいは、15∼25℃で少なくとも
4 週間保存が可能
メモ:ドライアイス上でキットを輸送
する間に沈殿を生じる場合があります
が、これは37℃に加温すると短時間で
可溶化します。
Blocking reagent (ボトル10)
* 2∼8℃または15∼25℃乾燥下
* 10 × 濃度溶液の分注保存は、滅菌条
件下、-15∼-25℃、または 2∼8℃
で1ヶ月
* 1 × 濃度に希釈した溶液は、常に新
しく調製することが必要
追加で必要となる設備と試薬
* ウォーターバス
* 氷水
下表は、キット内容物以外に追加で必要となる試薬の組成、保存お
よび使用目的を一覧にしたものです。
溶 液
組 成
保存と安定性
使用目的
水
オートクレーブした再蒸留水
15∼25℃で安定 DNAの希釈
EDTA
0.2 M エチレンジアミノテトラ
酢酸, pH 8.0
15∼25℃で安定 ラベリング反応
の停止
テンプレートDNA
下表は、テンプレートDNAの推奨条件を一覧にしたものです。
感度と特異性
1μgの制限酵素消化された胎盤DNAのサザンブロットから、ヒトシ
ングルコピー遺伝子が検出されます。
メモ:感度は、ハイブリダイゼーション中のラベルされたD N A の濃
度と、発色反応時間の両方に依存します。
条 件
精製度
詳 細
プラスミドDNAに対しては、High Pure Plasmid Isolation Kit (Cat.
No. 1 754 777)を精製用に使用してください。
その他の市販の精製用キットを使用する場合は、さらにフェノー
ル/クロロフォルム抽出によりタンパクの残渣を除去することをお
すすめします。このステップは、テンプレートをラベリング前に制
限酵素や他の修飾酵素で処理した際にも必要となります。
3. 操作方法と必要な物
サイズ
最適な結果を得るためには、テンプレートDNAが直鎖化され、100
bpよりも大きいサイズにあることが必要です。100∼10000 bpを
上回るサイズのテンプレートDNAについては、ラベリングの前に
4塩基対認識の制限酵素で消化する必要があります。
量
以下の操作方法を用いて、原理的には10 ng∼3μgのテンプレート
のラベルが可能です。全ての量と反応組成を適宜スケールアップす
ることで、本法をより多くの量のラベリングに使用することが可能
です。複合ゲノム中からシングルコピー遺伝子を検出する場合は、
最少300 ngのテンプレートDNA(プローブ濃度:25 ng/mlハイブリ
ダイゼーション溶液)をラベルする必要があります。
3.1 実験を始める前に
一般的な操作上のすすめ
下表は、DIGラベリングと検出のための一般的なヒントです。
推奨条件
ガイドライン
滅菌条件下で操作を行う
* DIGシステムの溶液をオートクレー
ブする
* SDSを含む溶液をろ過滅菌する
* Tween 20は、あらかじめ滅菌された
溶液に加える
清潔なインキュベーショントレー
を使用する
メンブレンを操作する際の必要事
項
操作方法
標準的なラベリングアッセイのためのプロトコールを下表に示します。
メモ:全ての反応組成と量とをスケールアップさせることで、より多
くの量をラベルすることが可能です。直鎖状DNAは環状やスーパーコ
イル状のDNAに比べ、より効率よくラベルされます。
実験用トレーを徹底的にクリーンに
保ち、 使用する毎によく洗う
* パウダーフリーの手袋を着用する
* 清潔なピンセットを用い、メンブレン
の一つの角のみで扱う
ステップ
1
10 ng∼3μgのDNAとオートクレーブされた再蒸留水とを、最終的
な容量が15μlになるように、反応バイアルに加えます。
コントロールのラベリング反応には、5μlのコントロールDNA 2
(バイアル2)を使用し、10μlの再蒸留水を加えます。
2
沸騰したウォーターバス中で10分間、DNAを熱変性させ、氷水の
入った容器内で直ちに冷却させます。
メモ:効率のよいラベリングには、完全な変性が必要です。
3
* 変性したばかりのプローブまたはコントロールDNAに、下記の試
薬を加えます。
3.2 フローチャート
セクション 3.3
DIG DNA ラベリング
セクション 3.4
ラベリング効率の定量
セクション 3.5
DNA の固定
↓
↓
↓
セクション 3.6
ハイブリダイゼーション
試 薬
↓
セクション 3.7
免疫検出
↓
セクション 3.8
操 作
DNA プローブの剥離とリプロービング
容 量
Hexanucleotide Mix, 10 × (バイアル 5)
2μl
dNTP Labeling Mix (バイアル 6)
2μl
Klenow enzyme labeling grade (バイアル 7)
1μl
* 混和し、手短に遠心します。
* 37℃で 1 時間から20時間(オーバーナイト)インキュベートします。
メモ:インキュベーション時間が長いほど(20時間まで)、ラベル
されたDNAの収量は増加するでしょう(下表を参照)。
3.3 DIG DNA ラベリング
4
はじめに
ランダムヘキサマー、アルカリ感受性のジゴキシゲニン-11-dUTPを
含むdNTPミックスおよび、ラベリンググレードのKlenow酵素の混
15
2μlの0.2 M EDTA (pH 8.0)を加えるか、または65℃で10分
間加熱することにより反応を停止させます。
メモ:DIGラベルされた断片の長さは、200∼1000 bpになります。
ラベリング反応の収量
表 1:異なるテンプレートDNA量を増加させ、1 時間および20時間で
ラベリング反応を行いました。D I G ラベルされたD N A の収量は、ラ
ジオアクティブのトレーサーの取り込みと、ドットブロットにより
決定付けられました (10回のラベリングアッセイの平均による)。
追加で必要となる溶液
追加で必要となる試薬の組成と調製方法について、下記に示しま
す。下記のバッファーは、DNaseおよびRNaseフリーのDIG Wash
and Block Buffer Set (Cat. No. 1 585 762)としても発売されています。
溶 液
テンプレートDNA
ラベリング時間
1時間
ラベリング時間
20時間
10 ng
15 ng
50 ng
30 ng
30 ng
120 ng
100 ng
60 ng
260 ng
300 ng
120 ng
500 ng
1000 ng
260 ng
780 ng
3000 ng
530 ng
890 ng
0.1 Mマレイン酸, 0.15 M
NaCl; pH 7.5 (20℃);0.3%
(v/v) Tween 20
15∼25℃
で安定
結合しな
かった抗体
の除去
マレイン酸
バッファー
0.1 Mマレイン酸, 0.15 M NaCl;
NaOH(固体)を用いてpH 7.5(20℃)
に調整する。
15∼25℃
で安定
ブロッキング
溶液の希釈
検出用
バッファー
0.1 M Tris-HCl, 0.1 M NaCl,
pH 9.5 (20℃)
15∼25℃
で安定
pHを9.5に
調整
15∼25℃
で安定
発色反応の
停止
溶 液
組成や調製方法
ブロッキング ヒートブロック(65℃)で継続的に
保存と安定性
使用目的
2∼8℃
ブロッキング
ストック溶液 攪拌しながら、あるいはマイクロ
(10 × 濃度) ウェーブやオートクレーブ内で加熱
し、ブロッキング溶液(ボトル10)
をマレイン酸バッファーで10%
(w/v)に希釈します。
この溶液は不透明です。
溶液の調製
ブロッキング 10 × ブロッキングストック溶液を 常に用時調製 メンブレン
溶液
マレイン酸バッファーに 1 : 10希
上の非特異
釈して、1 × 濃度の溶液を調製し
結合部分を
ます。
ブロック
はじめに
D I G ラベルされたD N A の収量の決定は、ハイブリダイゼーションの
結果が最適かつ再現性を有するために最も重要なことがらです。
ハイブリダイゼーション用混合液中のプローブ濃度が高すぎると、
バックグラウンドの原因となりますが、濃度が低すぎると、シグナ
ルを弱くしてしまいます。
抗体溶液
テストの原理
ラベルされたプローブの定量法として推奨されるのは、
直接検出法です。
2
使用目的
キット中の溶液の調製
キット中の溶液の調製方法を下表に示します。
3.4 ラベリング効率の決定
1
保存と安定性
洗浄用
バッファー
TEバッファー 10 mM Tris-HCl, 1 mM EDTA,
pH 8.0
アガロースから分離されたDNAのラベリング
ジェノミックサザンブロットでは、アガロースゲル電気泳動により、
ベクターからテンプレートとなるインサートDNAを分離する必要があ
ります。ゲルから400 bpから 5 kbpの範囲のDNA断片を分離する際に、
Agarose Gel DNA Extraction Kit (Cat. No. 1 696 505)を使用することがで
きます。このキットは標準的なアガロースゲルや低融点アガロースゲ
ルにも応用可能です。分離後のDNA断片は、更に精製する必要なく、
効率よくジゴキシゲニンラベルされます。しかし、ラベルされたプ
ローブは、High Pure PCR Product Purification Kit (Cat. No. 1 732 668)を
用いて精製し、残渣となるアガロース粒子を除去する必要があります。
ステージ
組成や調製方法
使用する前毎に抗ジゴキシゲニン2∼8℃で
AP(バイアル 8)をもとのバイアル
12時間
のまま10,000 rpmで 5 分間遠心し、
液面から必要な量を注意深くピペ
ットで取り出します。ブロッキング
溶液中で、抗ジゴキシゲニンAPを 1 : 5,000 (150 mU/ ml)に希
釈します。
DIGラベル
されたプロ
ーブと結合
発色基質溶液 2 mlの検出用バッファーに40μlの 常に用時調製 抗体の結合
NBT/ BCIP (バイアル9)を加えます。
を可視化
メモ:遮光して保存してください!
説 明
* DIGラベルされたDNAの希釈系列をポジティブチャージの
ナイロンメンブレン* の小片にアプライします。
* ナイロンメンブレンの一部分には、スタンダードとして既知
の希釈濃度のDIGラベルされたコントロールDNA(バイアル 4)
があらかじめのせられています。
プローブの定量
ラベルされたプローブとDIGラベルされたコントロールDNA(バイアル
4 ) は、下記の希釈系列を作成するために、合成される核酸の収量予測
に応じて、1 ng/μl に希釈する必要があります。チャプター3.3 の表を
用いて、プローブ中におけるDIGラベルされたDNAの収量を最大限見
積もることが可能です。収量は、テンプレートの量とインキュベー
ション時間に依存します。
メモ:表 1 に示される収量は、高度に精製されたテンプレートDNAを
用いた最良の条件下で得られたものです。
* ナイロンメンブレンはAP標識抗ジゴキシゲニン(バイアル 8)およ
び新たに調製された発色基質溶液を用いて免疫検出されます。
* DIGラベルされたDNAの希釈系列およびコントロールDNAの
発色強度を比較し、量を算出します。
希釈系列
ラベルされたプローブとコントロールD N A との希釈系列を、下表の
記載のように調製します。
16
チューブ DNA (μl)
1
使用した
チューブ番号
DNA希釈用バッファー
(バイアル 3) (μl)
希 釈
最終濃度
固 定 方 法
1ng/μl
UVクロスリンク
(ナイロンメンブレン)
メンブレンを10 × SSCに浸漬させたWhatmann
3 MM紙の上に乗せます。
前洗浄なしにウェットなメンブレンをUVクロ
スリンクします。
UVクロスリンクの後、メンブレンを蒸留水で
手短に洗い、風乾させます。
120℃でベーキング
(ナイロンメンブレン)
メンブレンを 2 × SSC中で手短に洗います。
ナイロンメンブレンを120℃で30分間またはメン
ブレン製造元の指示に従い、ベークを行います。
80℃でベーキング
(ナイロンメンブレン)
メンブレンを 2 × SSC中で手短に洗います。
ナイロンメンブレンを80℃で2時間、吸引しな
がらベークします。
オリジナル
2
5
1
495
1:100
10pg/μl
3
15
2
35
1:3.3
3pg/μl
4
5
2
45
1:10
1pg/μl
5
5
3
45
1:10
0.3pg/μl
6
5
4
45
1:10
0.1pg/μl
7
5
5
45
1:10
0.03pg/μl
8
5
6
45
1:10
0.01pg/μl
9
0
-
50
-
0
詳 細
メンブレンの保存
下表を参照ください。
操作方法
下表は、直接検出法について説明しています。
メモ:全てのステップにおいて、メンブレンを完全にカバーするの
に十分な量のバッファーを使用してください。
次のような場合・・・
このように保存します。
引き続き実験に使用する
メンブレンを直ちにプレハイブリダイゼーショ
ンに使用します。
しばらく期間をおいてから
メンブレンを乾燥条件下で 2∼ 8 ℃にて保存する。
ステップ
操 作
1
ラベルされたプローブのチューブ 2 ∼ 9 とラベルされたコントロール
DNAから、それぞれ 1μl のスポットをナイロンメンブレンの小片に
アプライします。
2
UV光を用いた架橋または120℃で30分間のベーキングにより、核酸
をメンブレンに固定化させます。
3.6 ハイブリダイゼーション
3
* メンブレンを、20 ml のマレイン酸バッファーを満たしたプラス
チック製容器に移します。
* 振とうさせながら、15∼25℃下で 2 分間インキュベートします。
4
10 ml のブロッキング溶液中で、30分間インキュベートします。
5
10 ml の抗体溶液中で、30分間インキュベートします。
6
10 ml の洗浄用バッファー中で15分間 × 2 回洗浄します。
7
10 ml の検出用バッファー中で 2 ∼ 5 分間平衡化させます。
8
適切な容器を用い、暗くした状態で 2 ml の用時調製された発色基
質溶液中でメンブレンをインキュベートします。発色が展開してい
る間は、容器をゆすったり動かしたりしないで下さい。
メモ:短時間であれば発色の展開を観察するため、メンブレンを光に
あてることは可能です。
追加で必要となる試薬と設備
* DIG Easy Hyb (Cat. No. 1 603 558)
* 氷水
* 振とう式のウォーターバス
* またはハイブリダイゼーション用オーブン
* 耐熱性のプラスチックまたはガラス製の箱、ペトリ皿、ローラーボ
トルまたは密封式プラスチック製バッグ
メモ:DIG Easy Hybを、ふたのない容器中で使用しないでください。
9
実験に使用する。
ハイブリダイゼーションの温度
最適なハイブリダイゼーションの温度は、G C 含量とプローブとター
ゲットの塩基配列との相補性パーセントにより、以下の数式によっ
て算出されます。
Tm = 49.82 + 0.41(% G + C)−(600/l) [ l = ハイブリッドの塩基対の長さ]
Topt = Tm −20∼25℃
( 数式で与えられる数値は、5 0 % フォルムアミドを含むハイブリダイ
ゼーション溶液の標準的な数式により計算されたものです。)
DIG Easy Hybを用いたハイブリダイゼーションにおける実際のハイ
ブリダイゼーション温度Topt は、計算されるTm の値より20∼25℃低く
なります。T o p tは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション温度と
考えられ、プローブとターゲットとの間におけるミスマッチを1 8 % まで
許容します。プローブとテンプレートとの相補性の度合いが8 0 % 未満で
ある場合、適宜Topt を低くか、( 1 %のミスマッチ当たり、およそTm を1.4
℃下げる) 、またストリンジェンシー洗浄のステップをこれに合わせる
必要があります(SSC濃度を上げ、洗浄温度を下げるなど)。
求められるスポットの発色強度が得られたら、滅菌再蒸留水または
TEバッファーを用いてメンブレンを 5 分間洗浄し、反応を停止させ
ます。実験結果として、実験直後のフィルターを複写するか、写真
撮影を行い、保存することが可能です。
3.5 DNAのトランスファーと固定
トランスファーの方法とメンブレン
ゲル電気泳動、ゲルの変性および中和の標準的なプロトコールにつ
いては、Sambrookら(2)による記述があります。エチジウムが不均一
なバックグラウンドを生じることがあるため、ゲルにはエチジウム
ブロマイドが含まれないことが望まれます。共通するタイプの全て
のDNAトランスファー法は、これに続くDNAハイブリダイゼーショ
ンに適しています(3,4)。
経験上、ゲルを20 × SSCを用いてポジティブチャージのナイロンメン
ブレン* 上にキャピラリートランスファーするブロット方法が、最良
の結果をもたらします。
メモ:アルカリトランスファー(0.4 M NaOHなど)は、DIGラベルさ
れた分子量マーカーのトランスファーには適していません。
固定の方法
次表のいずれかの方法で、メンブレンにDNAを固定させます。
17
方 法
下表を参照ください。
ステップ
キット中の溶液の調製
キット中の溶液の調製方法を下表に示します。
操 作
溶 液
2
組成や調整方法
1
* 適量のDIG Easy Hyb ( メンブレンフィルター100 cm 当たり
20 ml)をハイブリダイゼーション温度まであらかじめ加温します。
* メンブレンフィルターを適切な容器の中で穏やかに振とうさせ
ながら30分間プレハイブリダイゼーションします。
メモ:同一のプレハイブリダイゼーション溶液中で複数のメンブ
レンフィルターを使用する際は、それぞれのフィルターが容器内
を自在に動くように特に注意してください。
ブロッキング ヒートブロック(65℃)で継続的
ストック溶液 に攪拌しながら、あるいはマイ
クロウェーブやオートクレーブ内
(10 × 濃度)
で加熱し、ブロッキング溶液
(ボトル 10)をマレイン酸バッ
ファーで10%(w/v)に希釈します。
この溶液は不透明です。
2
DIGラベルされたDNAプローブ(約25 ng/ ml)を5分間煮沸させた
後、直ちに氷水中で冷却させて、変性させます。
メモ:DIG-11-dUTPはアルカリ感受性であるため、プローブをア
ルカリ処理(NaOH)により変性させることはできません。
ブロッキング 10 × ブロッキングストック溶液
溶液
をマレイン酸バッファーに1:10
希釈して、1 × 濃度の溶液を調
製します。
3
変性後のDIGラベルされたDNAプローブを、あらかじめ加熱した
DIG Easy Hyb (メンブレンフィルター100 cm2当たり3.5 ml)に加
え泡立てないように注意しながらよく混和させます。(泡は、バッ
クグラウンドの原因となることがあります)
4
プレハイブリダイゼーション溶液を捨て、プローブとハイブリダ
イゼーション溶液との混合液をメンブレンフィルターに加えます。
ハイブリダイゼーション温度で、6 時間からオーバーナイトにて
抗体溶液
穏やかに振とうさせながらインキュベーションします。
操 作
十分量の 2 × SSC, 0.1 % SDS中で、15∼25℃下、5 分間 × 2 回、
一定に振とうさせながら洗浄を行います。
2
0.5 × SSC, 0.1 % SDS(洗浄用の温度まであらかじめ加温)中で、65∼
68℃下、15分間 × 2 回、一定に振とうさせながら洗浄を行います。
3.7 免疫検出
追加で必要となる試薬と設備
追加で必要となる試薬の組成と調製方法について、下記に示しま
す。下記のバッファーは、DNaseおよびRNaseフリーのDIG Wash
and Block Buffer Set (Cat. No. 1 585 762)としても発売されています。
溶 液
組成や調製方法
保存と安定性
使用目的
洗浄用
バッファー
0.1 Mマレイン酸, 0.15 M NaCl;
pH 7.5 (20℃);0.3%(v/v) Tween 20
15∼25℃
で安定
結合しなかっ
た抗体の除去
マレイン酸
バッファー
検出用
バッファー
0.1 Mマレイン酸, 0.15 M NaCl;
NaOH(固体)を用いて pH 7.5(20℃)
に調整する。
15∼25℃
で安定
ブロッキング
溶液の希釈
0.1 M Tris-HCl, 0.1 M NaCl,
pH9.5 (20℃)
15∼25℃
で安定
PHを9.5に
調整
15∼25℃
で安定
発色反応の
停止
TEバッファー 10 mM Tris-HCl, 1 mM EDTA,
pH 8.0
ブロッキング
溶液の調製
常に用時調製 メンブレン上
の非特異結合
部分をブロック
2∼8 ℃
で12時間
DIGラベルさ
れたプローブ
と結合
操作方法
下表は、100 cm 2 メンブレンフィルターを対象とした免疫検出の操作
方法について説明したものです。
メモ:全てのインキュベーションは、1 5 ∼2 5 ℃下で振とうさせなが
ら行ってください。メンブレンをリプロービングさせる場合は、ど
のステップにおいてもメンブレンを乾燥させないように注意してく
ださい。
ストリンジェンシー洗浄
大部分のDNAについて:DNAのアプリケーションにおいて、ストリ
ンジェンシー洗浄には0.5 × SSCが適切です。ハイブリダイゼーショ
ン後の洗浄条件の修正については、個々のプローブに対して経験的
に検討することが必要です。
* ヒトゲノムDNAでは、0.5 × SSCを用いて65℃で行います。
* >150 bpのプローブで、GC含有量が高いものは、68℃で洗浄する必
要があります。
* 100 bpまたはこれよりも短いプローブでは、洗浄温度を下げる必要
があります。
下表で、ハイブリダイゼーション後の洗浄方法について説明します。
1
2∼8℃
使用目的
発色基質溶液 10 mlの検出用バッファーに
常に用時調製 抗体の結合を
200μlのNBT/ BCIP(バイアル 9)
可視化
を加えます。
メモ:遮光して保存してください!
ハイブリダイゼーション溶液の保存
DIGラベルされたプローブを含むDIG Easy Hybは、−15∼−25℃で保
存可能で、使用前に新たに6 8 ℃で1 0 分間変性させることにより、何
回か再使用することが可能です。
メモ:DIG Easy Hybを煮沸させないでください。
ステップ
使用する前毎に抗ジゴキシゲニ
ン-AP(バイアル 8)をもとのバイ
アルのまま10,000 rpmで 5 分間
遠心し、液面から必要な量を注
意深くピペットで取り出します。
ブロッキング溶液中で、抗ジゴ
キシゲニン-APを1:5,000 (150
mU/ ml)に希釈します。
保存と安定性
ステップ
操 作
1
ハイブリダイゼーションとストリンジェンシー洗浄の後、メンブ
レンを手短(1∼ 5 分間)に洗浄用バッファー中で洗います。
2
100 mlブロッキング溶液中で、30分間インキュベートします。
3
20 ml抗体溶液中で、30分間インキュベートします。
4
100 ml洗浄用バッファー中で、2 × 15分間洗浄します。
5
20 ml検出用バッファー中で、2 ∼ 5 分間平衡化させます。
6
適当な大きさの容器を用い、メンブレンフィルターを10 mlの新た
に用時調製された発色基質溶液中で暗下でインキュベートします。
発色が展開している間は、容器をゆすったり動かしたりしないで
ください。
メモ:発色沈殿は数分間のうち形成され始め、反応は通常16時間
後に完了します。短時間であれば、発色の展開を観察するため、
メンブレンフィルターを光に当てることは可能です。
7
必要とされるスポットまたはバンドの発色強度が得られれば、メ
ンブレンフィルターを 50 mlの滅菌再蒸留水またはTEバッファーで
5 分間洗浄することにより、反応を停止させます。
実験結果として、実験直後のフィルターを複写するか、写真撮影
を行い、保存することが可能です。
メンブレンの保存
下表を参照ください。
次のような場合・・・
このような操作が必要です。
メンブレンをリプローブする。 メンブレンをプラスチック製バッグ中にシール
して保存します。いかなる場合でも、絶対に
メンブレンを乾燥させてはなりません。
メモ:発色を維持させる場合は、メンブレン
をTEバッファー中で保存します。
リプローブしない。
18
メンブレンを15∼25℃で乾燥させ、保存します。
メモ:メンブレンの乾燥に伴い、発色は減衰し
ます。発色を再現させる場合は、メンブレンを
TEバッファーで湿らせてください。
3.8 DNAブロットの剥離とリプロービング
5. 付録
一般的なことがら
アルカリ感受性の性状のDIG-11-dUTPは再ハイブリダイゼーション
実験のためのブロットの剥離を、簡便かつより効果的に行うことを
可能にします。
5.1 トラブルシューティング
トラブルシューティング表
下表では、D I G ラベリングと検出のためのトラブルシューティング
の様々なパラメーターについて記載しています。
追加で必要となる試薬
* ジメチルフォルムアミド (DMF)
* 0.2 N NaOH, 0.1% SDS (w/v)
* 2 × SSC
問 題
感度が低い
プロトコール
下表を参照ください。
メモ:ブロットの剥離と再ハイブリダイゼーションを計画する際には、
いかなる場合もメンブレンを乾燥させないよう注意してください。
注意:ドラフトの下で操作を行ってください。
ステップ
操 作
1
* ドラフトの下で、ウォーターバス中に設置した大型のビーカー中
でDMFを50∼60℃に加熱します。
* 加熱したDMF中で青色の沈殿が除去されるまで、メンブレンフィ
ルターをインキュベートします。
問題となりうる理由
* プローブの濃度が低い
* プローブの濃度を上げる。ただし、
25ng/ml DNAプローブよりも高い
濃度で使用しないこと。ハイブリダ
イゼーションと洗浄の条件をチェッ
クする。
* ハイブリダイゼーションの時間延
長する。
* 発色時間を16時間まで延長する。
バックグラ *ハイブリダイゼーション
ウンドが高い が十分でない
* ハイブリダイゼーション温度を再
度計算する。
* プレハイブリダイゼーションとハ
イブリダイゼーションとの間で、
メンブレンを乾燥させない。
* プラスチック製のバッグを使用す
る場合、密封する前に空気の泡を
全て除去する。
注意:DMFは揮発性で、67℃より高温では気化します。
2
メンブレンを再蒸留水中で手短に洗います。
3
メンブレンを0.2 N NaOH, 0.1% SDS (w/v)中で37℃下、20分 × 2 回
洗浄します。
4
2 × SSC中で手短に平衡化させます。
5
メンブレンを風乾させるか、あるいはそのままハイブリダイゼー
ションに使用します。
4. 結果
4.1 代表的な結果
* 不適切なタイプのナイロ
ンメンブレンを使用した
ジェノミックサザンブロット
解決方法のすすめ
* プローブのラベリングが * ラベリング効率を確認する。
十分でない
ラベリング反応はスケールアップ
することができる。インキュベー
ション時間をオーバーナイトに延
長する。
* フェノール処理により、テンプ
レートDNAを精製する。
* 5 kb未満の長さの断片だけを使用
するか、制限酵素(4 bp認識の酵素
など)を用いてあらかじめ切断し
ておく。
* テンプレートがラベリングの前に
十分に変性されているか確認する。
ジェノミックサザンブロット
ナイロンメンブレンには、高いバ
ックグラウンドを生じるものがあ
る。Roche Diagnosticsから発売さ
れているDIGシステム用に特別に試
験されたナイロンメンブレン*を使
用する。
* 免疫アッセイ前のブロッ ブロッキングと洗浄のステップの
キングが不十分である
時間を延長する。
プローブ
* ストリンジェンシー洗浄 ストリンジェンシー洗浄の温度を
が不十分である
確認し、溶液を適切な温度まであら
かじめ温めておく。
DIGラベルされたβアクチンDNA断片
* 免疫アッセイの特別な
ヒント
テンプレート レーン 1:100ngのジゴキシゲニンでラベルされた
DNA分子量マーカーIII
レーン 2:5μg ヒト胎盤DNA, Eco RI
レーン 3:2.5μgヒト胎盤DNA, Eco RI
レーン 4:1μg ヒト胎盤DNA, Eco RI
図 2:上の図は、標準的なプロトコールを使用したヒトトータルDNA中における
シングルコピー遺伝子(β-アクチン)の検出を示したものです。
19
検出の操作に、実験用トレーを使用
する際、使用前にそれらを清潔にし
ておく必要があります。Anti-DIGAPの結合反応と、発色展開とは、
別々のトレー中で操作を行うことが
必要です。
5.2 リファレンス
..
単品試薬
製 品 名
..
1. Holtke, H. J., Ankenbauer, W., Muhelgger, K., Rein, R., Sagner, G.,
Seibl, R., & Walter, T. (1995) The Digoxigenin (DIG) System for
non-radioactive labeling and detection of nucleic acids - an overview.
Cell. Mol. Biol. 41(7): 883-905.
2. Sambrook, J., Fritsch, E. M. and Maniatis, T. (1989) Molecular
Cloning: a laboratory manual, 2nd edition, Cold Spring Harbor
Laboratory, Cold Spring Harbor, New York.
3. Southern, E. M. (1975) Detection of specific sequences among DNA
fragments separated by gel electrophoresis. J Mol. Biol. 98: 503.
4. Khandijan, E. W. (1987) Optimized hybridization of DNA blotted and
fixed to nitrocellulose and nylon membranes. Bio/ Technology 5: 165.
Agarase
Blocking Reagent
Agarose Gel DNA Extraction Kit
DNA Isolation Kit for Cells and Tissue
(50から150 kbの範囲のサイズの細胞お
よび組織由来ゲノムDNAの抽出用)
包装単位
100回反応
1 696 505
10回抽出用
(400 mg組織
または 5 × 107
1 814 770
50回精製用
250回精製用
1 754 777
1 754 785
1 096 176
901 393
1 669 966
500 ml
1 603 558
1セット
(6 × 100 ml)
1 796 895
50ストリップ
1 669 958
5μg (500μl)
5μg (500μl)
5μg (500μl)
5μg (500μl)
5μg (500μl)
1 218 590
1 669 931
1 218 611
1 669 940
1 449 451
30ブロット用
(10 × 10 cm2)
1 585 762
Hybridization bags
50バッグ
1 666 649
Nylon Membrane, positively charged
(20 × 30 cm)
(10 × 15 cm)
(0.3 × 3 mロール)
10枚
20枚
1ロール
1 209 272
1 209 299
1 417 240
II
V
VI
VII
VIII
DIG Wash and Block Buffer Set
細胞中から)
High Pure Plasmid Isolation Kit
(シーケンス、PCRおよびクローニング
用小規模ミニプレップ用)
50 g
25ストリップ
DIG Molecular Weight Marker,
Digoxigenin-labeled :
DNA Molecular Weight Marker
DNA Molecular Weight Marker
DNA Molecular Weight Marker
DNA Molecular Weight Marker
DNA Molecular Weight Marker
Cat. No.
1 417 215
1 417 223
DIG Control Test Strips
DIG Quantification Test Strips
製 品 名
100ユニット
500ユニット
20 mg (1 ml)
DIG Easy Hyb Granules
キット
Cat. No.
Glycogen, MB grade
DIG Easy Hyb
(ready-to-use hybridization solution
without formamide)
5.3 関連製品
包装単位
*Roche Diagnosticsから発売されています。
この製品および使用に関して、Rocheグループの1つまたは複数の特許に
より保護されていることがあります。
これらには以下が含まれます。
EP特許 0 324 474
US特許 5.344.757 5.354.657 5.702.888
20
DIG DNA Labeling Kit
アルカリ感受性ジゴキシゲニン-dUTPによるランダムプライムドDNAラベリング
Cat. No. 1 175 033
1 キッ
ト当たり10 ng∼ 3μg DNAに対し40回ラベリング反応用 −15∼−25℃保存
Version, 2004年10月
1. はじめに
1.1 キットの内容
ボトルまたは
ラベルの表示
内 容 (機能を含む)
キャップの番号
1
Cat. No.
(別売される場合)
Unlabeled Control DNA 1
* 20μl ラベルされていないコントロールDNA 1
* [100μg/ml]
* 10mM Tris-HCl, 1mM EDTA; pH 8.0
* Bam HI, Bgl IおよびHinf Iにより別々に消化されたpBR328DNAの 2 : 3 : 3
混合比による混合物。
* pBR328の16種類の断片のサイズはそれぞれ、4907, 2176, 1766, 1230, 1033,
653, 517, 453, 394, 298(2 ×), 234(2 ×), 220および154(2 ×)bp
* 透明の溶液
* サザンブロット用コントロールDNA
2
Unlabeled Control DNA 2
* 20μl ラベルされていないコントロールDNA 2
* [200μg/ml]
* Bam HIにより直鎖化されたpBR328 DNA
* 透明の溶液
* ラベリングの実習と、ラベリング効率のチェック用
3
DNA Dilution Buffer
* 2 × 1 ml DNA希釈用バッファー
* [10 mM Tris-HCl, 1 mM EDTA; pH 8.0 (20℃)中に50μg/ml 鰊精子DNAを含む]
* 透明の溶液
* ラベリング効率を半定量的に判定するための希釈系列作成用
4
Labeled Control DNA
* 50μlラベル済みコントロールDNA
1 585 738
* 直鎖化されたpBR328DNAを標準的なプロトコールに従ってジゴキシゲニンで
ラベルしたもの
* 1μgテンプレートDNAと約250 ngジゴキシゲニンでラベルされたDNA
* 透明の溶液
* DIGでラベルされたDNAの収量の評価用
5
Hexanucleotide Mix
* 80μl の10×濃縮ヘキサヌクレオチド混合液
1 277 081
* [62.5A260ユニット/ml]ランダムヘキサヌクレオチド
* 500 mM Tris-HCl, 100 mM MgCl2, 1 mM ジチオエリスリトール(DTE), 2 mg/ml
BSA; pH 7.2
* 透明の溶液
* ラベリング反応の構成物
6
dNTP Labeling Mix
* 80μlの10 ×濃縮dNTPラベリング混合液
1277 065
* [1 mM dATP, 1 mM dCTP, 1 mM dGTP, 0.65 mM dTTP, 0.35 mM アルカリ
感受性DIG-11-dUTP; pH 7.5 (20℃)]
* 透明の溶液
* ラベリング反応の構成物
7
Klenow Enzyme, Labeling Grade
* 40μl ラベリンググレードの Klenow 酵素
1 008 404
* [ 2ユニット/μl DNAポリメラーゼ I (Klenow酵素, ラージフラグメント)]
* 透明の溶液
* DIGでラベルされたDNAの合成
2. 製品の概要
づいています。Klenow酵素はプライマーとなるランダムオリゴヌク
レオチドをその3'OH末端と、アルカリ感受性DIG-11-dUTPを含むデ
オキシヌクレオチドの混合物とを伸長反応に利用し、相補的なD N A
鎖を合成します(図 1 参照)。この結果、ジゴキシゲニンが新たに合成
されたDNA中に取り込まれます。
ラベリングの原理
D I G ラベルされたDNAプローブは、ランダムプライムドラベリン
グ(1)により合成されます。この原理は、変性されたDNAテンプレー
トにオリゴヌクレオチドがランダムにハイブリダイズすることに基
21
メモ:
* アルカリ感受性DIG-11-dUTPを使用することで、第二のDIGラベル
されたプローブを用いたリハイブリダイゼーション実験において、
簡単かつより効率的にブロットを剥がすことが可能になります。
* アルカリ感受性DIG-11-dUTPを用いてラベルされたDNAプローブ
は、NaOHにより変性されない可能性があります。 ウォーターバス
中で煮沸により変性させてください。
3. 操作方法と必要な物
3.1 実験を始める前に
一般的な操作上のすすめ
下表は、DIGラベリングと検出のための一般的なヒントです。
推奨条件
ガイドライン
滅菌条件下で操作を行う
* DIGシステムの溶液をオートクレーブする
* SDSを含む溶液をろ過滅菌する
あらかじめ滅菌された溶液に加える
* Tween 20は、
清潔なインキュベーション
トレーを使用する
実験用トレーを徹底的に清潔に保ち、使用する毎
によく洗う
メンブレンを操作する際
の必要事項
* パウダーフリーの手袋を着用する
* 清潔なピンセットを用い、メンブレンの一つの
角のみで扱う
テンプレートDNA
下表は、テンプレートDNA推奨条件を一覧にしたものです。
図 1. アルカリ感受性(alkali labile) DIG-11-dUTP
条 件
アプリケーション
DIGラベルされたDNAプローブは、以下の方法に使用されます。
* 専用のハイブリダイゼーション溶液DIG Easy Hyb*の使用説明書に
記載されている標準的なプロトコールに基づく、全てのタイプの
フィルターハイブリダイゼーション。
* ヒト、オオムギ、コムギなど高等生物を含むトータルゲノムDNA
中のシングルコピー遺伝子の検出。
* in situ ハイブリダイゼーション
純度
詳 細
プラスミドDNAに対しては、High Pure PlasmidIsolation Kit
(Cat. No. 1 754 777)を精製用に使用してください。
その他の市販の精製用キットを使用する場合は、さらにフェ
ノール/クロロフォルム抽出によりタンパクの残渣を除去す
ることをおすすめします。このステップは、テンプレートを
ラベリング前に制限酵素や他の修飾酵素で処理した際にも必
要となります。
試料となる物質
* 100 bp以上のDNA断片
* 直鎖化されたプラスミド、コスミド、λDNA
サイズ
最適な結果を得るためには、テンプレートDNAが直鎖化さ
れ、100∼10,000 bpのサイズにあることが必要です。
10 kbを上回るサイズのテンプレートDNAについては、ラベ
リングの前に4 塩基対認識の制限酵素で消化する必要があり
ます。
量
以下の操作方法を用いて、原理的には10 ng ∼3μg のテンプ
レートのラベルが可能ですが、ブロットのサイズに必要とな
るプローブ量について別表で確認してください。全量および
反応組成をスケー ルアップさせることで、この方法をより
多くの量のラベリングに使用することが可能です。
複雑なゲムノ DNAでシングルコピー遺伝子を検出する場合、
300 ng 以上のテンプレートDNAを標識します
(ハイブリダイ
ゼーション溶液中のプローブ濃度:25 ng/ml)
アッセイ時間
ラベリング:1 時間∼オーバーナイト
テスト数
10 ng∼3μg DNAのラベリング40回分
品質管理
30 ng/mlのDIGラベルされたコントロールDNA[pBR328 (バイアル 4)]
をハイブリダイゼーションプローブとして、50μgの非特異DNA中に
希釈された0.1 pgの特異DNAをサザンブロットにより16時間の発色反
応の後に検出可能か、あるいは化学発光基質CSPD*を用いて、0.03 pg
の特異D N A をX 線フィルム上に3 0 分未満の露光により検出可能かと
いう基準で品質管理を行っています。
3.2 ランダムプライムドDNAラベリング
追加で必要となる設備と試薬
* ウォーターバス
* 氷水
下表は、追加で必要となる試薬の組成、保存および使用目的を一覧
にしたものです。
キットの保存と安定性
未開封のキットは、-15∼ -25℃にて、ラベルに印刷された期限まで安
定です。
メモ:凍結と融解の反復は避けてください。バイアル 6 のdNTPラベ
リング混合液については分注し、2 ∼ 3 本に分けて保存することをお
すすめします。
溶 液
感度と特異性
1 μg の制限酵素消化されたヒトD N A のサザンブロットにおいて、
D I G ラベルされたD N A プローブを用いてヒトシングルコピー遺伝子
が検出されます(チャプター 4:結果を参照ください)。
22
保存と安定性
使用目的
水
オートクレーブした再蒸留水
組 成
15∼25℃
で安定
DNAの希釈
EDTA
0.2 M エチレンジアミノテトラ酢酸,
pH 8.0
15∼25℃
で安定
反応の停止
操作方法
下表は、標準的なランダムプライムドラベリング反応の実験操作を
記載したものです。
ステップ
操 作
1
10 ng∼3μgのDNAとオートクレーブされた再蒸留水とを、最
終的な容量が15μlになるように、反応バイアルに加えます。
コントロールのラベリング反応には、5μlのコントロール
DNA 2(バイアル 2)を使用し、10μlの再蒸留水を加えます。
2
沸騰したウォーターバス中で10分間、DNAを熱変性させ、氷
水の入った容器内で直ちに冷却させます。
メモ:効率のよいラベリングには、完全な変性が必要です。
3
* 変性したばかりのプローブまたはコントロールDNAに、下記
の試薬を加えます。
試 薬
Hexanucleotide Mix, 10
×
キット (DIG Nucleic Acid Detection Kit, Cat. No. 1175 041)と、化学発光検出
のための専用キット(DIG Luminescent Detection Kit, Cat. No. 1 363 514)が
それぞれ発売されています。特に in situ アプリケーション用などの
変法として、異なる蛍光色素で標識された抗体により、DIGラベルされ
たDNAハイブリッドを検出することも可能です。
3.3 ラベリング効率の決定
はじめに
D I G ラベルされたD N A の収量の決定は、ハイブリダイゼーションの
結果が最適かつ再現性を有するために最も重要なことがらです。ハ
イブリダイゼーション用混合液中のプローブ濃度が高すぎると、
バックグラウンドの原因となりますが、濃度が低すぎると、シグナ
ルを弱くしてしまいます。
容 量
(バイアル 5)
2μl
dNTP Labeling Mix (バイアル 6)
2μl
Klenow enzyme labeling grade (バイアル 7)
1μl
テストの原理
ラベルされたプローブの定量法として推奨されるのは、直接検出法です。
* 混和し、手短に遠心します。
* 37℃で 1 時間から20時間(オーバーナイト)インキュベートします。
メモ:インキュベーション時間が長いほど(20時間まで)、ラベル
されたDNAの収量は増加するでしょう(下表を参照)。
4
ステージ
説 明
1
* DIGラベルされたDNAの希釈系列をポジティブチャージのナイ
ロンメンブレンの小片にアプライします。
* ナイロンメンブレンの一部分には、スタンダードとして既知の
希釈濃度のDIGラベルされたコントロールDNA(バイアル4)が
2
* ナイロンメンブレンはAP標識抗ジゴキシゲニンおよびCSPD
ready-to-use*を用いて免疫検出されます。
* DIGラベルされたDNAの希釈系列およびコントロールDNAの
発光強度は、イメージャーまたはX線フィルムに感光させて比
較されます。
2μlの0.2 M EDTA (pH 8.0)を加えるか、そして/または65℃で
あらかじめのせておきます。
10分間加熱することにより反応を停止させます。
メモ:DIGラベルされた断片の長さは、200∼1000 bpになります。
アガロースゲルから分離したDNAのラベリング
ジェノミックサザンブロットでは、アガロースゲル電気泳動によ
り、ベクターからテンプレートとなるインサートD N A を分離する必
要があります。
ゲルから400 bpから 5 kbpの範囲のDNA断片を分離する際に、Agarose
Gel DNA Extraction Kit (Cat. No. 1 696 505)を使用することができま
す。このキットは標準的なアガロースゲルや低融点アガロースゲルに
も応用可能です。分離後のDNA断片は、更に精製する必要なく、効率
よくジゴキシゲニンラベルされます。しかし、ラベルされたプローブ
は、High Pure PCR Product Purification Kit (Cat. No. 1 732 668)を用いて
精製し、残渣となるアガロース粒子を除去する必要があります。
プローブの定量
ラベルされたプローブとDIGラベルされたコントロールDNA(バイア
ル4 ) は、下記の希釈系列を作成するために、合成される核酸の収量
予測に応じて、1 ng/μlに希釈する必要があります。チャプター 3. 2
の表を用いて、プローブ中におけるD I G ラベルされたD N A の収量を
最大限見積もることが可能です。収量は、テンプレートの量とイン
キュベーション時間に依存します。
バイアル4のコントロールDNAには、約250 ngのDIGラベルされたDNAが
50μl 中に含まれています(5μg/ml)。下記の希釈表用に、実験開始用試
料としてコントロールDNAを 1 : 5 に希釈したものを調製してください。
メモ:表1に示される収量は、高度に精製されたテンプレートDNAを
用いた最良の条件下で得られたものです。
ラベリング反応の収量
表 1:下表はラベリングの収量を示します。
新たに合成されるD I G ラベルされたD N A の量は、ラベリング反応中
のテンプレートD N A の量と3 7 ℃におけるインキュベーション時間の
長さにより増加します。
テンプレートDNA
希釈系列
ラベルされたプローブとコントロールD N A との希釈系列を、下表の
記載のように調製します。
ラベリング時間
1時間
20時間
10 ng
15 ng
50 ng
30 ng
30 ng
120 ng
チューブ
DNA
(μl)
使用した
DNA希釈用バッファー
チューブ番号
(バイアル 3)
(μl)
希 釈
最終濃度
100 ng
60 ng
260 ng
300 ng
120 ng
450 ng
1
1000 ng
260 ng
780 ng
2
2
1
198
1 : 100
10 pg/μl
3000 ng
530 ng
890 ng
3
15
2
35
1 : 3.3
3 pg/μl
4
5
2
45
1 : 10
1 pg/μl
5
5
3
45
1 : 10
0.3 pg/μl
6
5
4
45
1 : 10
0.1 pg/μl
7
5
5
45
1 : 10
0.03 pg/μl
8
5
6
45
1 : 10
0.01 pg/μl
9
0
-
50
異なるテンプレートDNA量を増加させ、1 時間および20時間で反応
を行いました。D I G ラベルされたD N A の収量は、ラジオアクティブ
のトレーサーの取り込みと、ドットブロットにより決定付けられま
した (10回のラベリングアッセイの平均による)。
DIGラベルされたDNAの検出
固定とハイブリダイゼーション後、発色反応や化学発光反応を触媒す
る酵素アルカリホスファターゼにより標識された抗体との反応によ
り、DIGラベルされたDNAが検出されます。発色検出のための専用
23
プローブと
バイアル 4の
希釈
1ng/μl
-
0
操作方法
下表は、直接検出法について説明しています。
ステップ
操 作
1
ラベルされたプローブのチューブ 3 ∼10とラベルされたコント
ロールDNAから、それぞれ 1μlのスポットをナイロンメンブレ
ンの小片にアプライします。
2
UV光を用いたクロスリンクまたは120℃で30分間のベーキングに
より、核酸をメンブレンに固定化させます。
3
DIG Chemiluminescent Detection KitまたはCSPDやCDP-Starの
使用説明書に記載される方法に従い、メンブレン小片の大きさ
に応じた量を使って化学発光検出を行います。
5. 付録
5.1 トラブルシューティング
下表では、D I G ラベリングと検出のためのトラブルシューティング
の様々なパラメーターについて記載しています。
問 題
問題となりうる理由
* ラベリング効率を確認する。
ラベリング反応はスケールアップする
ことができる。インキュベーション時
間をオーバーナイトに延長する。
* フェノール処理により、テンプレート
DNAを精製する。
* 5 kb未満の長さの断片だけを使用する
か、制限酵素(4 bp認識の酵素など)を
用いてあらかじめ切断しておく。
* テンプレートがラベリングの前に十分に
変性されているか確認する。
* ハイブリダイゼー
ションバッファー
中のプローブの濃
度が低い
* プローブの濃度を上げる。
ただし、 25 ng/ml DNAプローブよりも
高い濃度で使用しないこと。
* ハイブリダイゼーションと洗浄の条件を
確認する。
* ハイブリダイゼーション時間を延長する。
* ハイブリダイゼー
ション効率が十分
でない
* ハイブリダイゼーション温度を再度計算
する。
* プレハイブリダイゼーションとハイブリ
ダイゼーションとの間で、メンブレンを
乾燥させない。
* プラスチック製のバッグを使用する場
合、密封する前に空気の泡を全て除去
する。
* 不適切なタイプの
ナイロンメンブレン
を使用した
ナイロンメンブレンには、高いバック
グラウンドを生じるものがある。
Roche Diagnosticsから発売されている
DIGシステム用に特別に試験されたナイ
ロンメンブレン*を使用する。
* 免疫アッセイ前の
ブロッキングが不
十分である
ブロッキングと洗浄のステップを長くする。
ストリンジェンシー
洗浄が不十分である
ストリンジェンシー洗浄の温度を確認し、
溶液を適切な温度まであらかじめ温めて
おく。
結果の解析
ラベリング反応とコントロールとのスポットの発光強度を比較し、
D I G ラベルされたD N A の量を算出します。ラベルしたプローブとコ
ントロールにおいて0.1 pg希釈のスポットが可視化されているなら、
プローブは期待されるラベリング効率に達していることになり (3. 2
の表 1 を参照ください) 、ハイブリダイゼーションで推奨される濃度
で使用することが可能です。
4. 結果
バックグ
ラウンド
が高い
4.1 代表的な結果
ジェノミックサザンブロット
解決方法のすすめ
感度が低い * プローブのラベリ
ングが十分でない
プローブ:DIGラベルされたβ-アクチンDNA断片
レーン 1: 100 ngジゴキシゲニンでラベルされたDNA
分子量マーカーIII
レーン 2:5μg
}
レーン 3:2.5μg ヒト胎盤DNA, EcoRI
レーン 4:1μg
5.2 リファレンス
図 2:上の図は、標準的なプロトコールを使用したヒトトータルDNA中におけ
るシングルコピー遺伝子(β-アクチン)の検出を示したものです。
1. Feinberg, A. P. & Vogelstein, B. (1983) A technique for radiolabeling
DNA restriction endonuclease fragments to high specific activity.
Anal.Biochem. 132: 6.
..
2. Holtke, H. J. et al. (1995) The Digoxigenin (DIG) System for nonradioactive labeling and detection of nucleic acids - an overview. Cell.
Mol. Biol. 41: 883.
3. http://www.roche-applied-science.com/DIG/
4. DIG Product Selection Guide
5. DIG Application Manual for Filter Hybridization
6. Non-radioactive In situ Hybridization Manual
7. Lab FAQS
24
関連製品
製 品 名
包装単位
Cat. No.
Agarose Gel DNA Extraction Kit
100回反応
1 696 505
DIG Luminescence Detection Kit
1キット(50ブロット)
1 363 514
DIG High Prime DNA Labeling
and Detection Starter Kit I
12ラベリング反応と
24ブロット
1 745 832
DIG High Prime DNA Labeling
and Detection Starter Kit II
12ラベリング反応と
24ブロット
1 585 641
DIG Wash and Block Buffer Set
30ブロット (10 × 10 cm2)
1 585 762
単品試薬
製 品 名
包装単位
Cat. No.
NBT/ BCIP Stock Solution
8 ml
1 681 451
Blocking Reagent
50 g
1 096 176
CDP-Star
1 ml
2 × 1 ml
1 685 672
1 759 051
CDP-Star, ready-to-use
2 × 50 ml
2 041 677
CSPD, ready-to-use
2 × 50 ml
1 755 633
CSPD
1 ml
2 × 1 ml
4 × 1 ml
1 655 884
1 759 035
1 759 043
25ストリップ
1 669 966
500 ml
1 603 558
DIG Control Teststrips
DIG Easy Hyb (ready-to-use
hybridization solution without
formamide)
DIG Easy Hyb Granules
DIG Quantification Teststrips
Nylon Membrane, positively charged
(20 × 30cm)
(10 × 15cm)
(0.3 × 3 mロール)
6 × 100 ml
1 796 895
50ストリップ
1 669 958
10枚
20枚
1ロール
1 209 272
1 209 299
1 417 240
* Roche Diagnosticsから発売されています。
この製品および使用に関して、Rocheグループの 1 つまたは複数の特許に
より保護されていることがあります。これらには以下が含まれます。
EP特許 0 324 474
US特許 5.344.757 5.354.657 5.702.288
25
DIG-High Prime
ランダムオリゴヌクレオチドをプライマーとして使用したアルカリ感受性ジゴキシゲニン-dUTPによるDNAのノンラジオアクティブな40回ラベリング
Cat. No. 1 585 606
160 μ l
− 15 ∼− 25℃保存
Version, 2004 年 10 月
キットの保存と安定性
未開封のバイアルは、−15∼−25℃にて、ラベルに印刷された期限ま
で安定です。
メモ:凍結と融解の反復は避けてください。コンタミネーションを避
けるため、DIG-High Prime溶液を2 ∼ 3 バイアルに分注して保存する
ことをお勧めします。
1. 製品の概要
内 容
Cat. No.
ラベルの表示
1 585 606
DIG-High Prime
labeling mixture,
5×conc.
内 容
* 160μl
ランダムプライマー混合液: 1U/μl
* 5 × 濃縮。
Klenowポリメラーゼ(ラベリンググレード),
1 mM dATP, 1 mM dCTP, 1 mM dGTP,
0.65 mM dTTP, 0.35 mM アルカリ感受性
DIG-11-dUTP, および50%(v/v)グリセロール中
で安定化された 5 × 濃縮反応用バッファー。
DIGラベルされたDNAの検出
* DIGラベルされたDNAは、アルカリホスファターゼ酵素により標識
された抗DIG抗体*を用いて検出されます。この標識酵素は、発色反応
や化学発光反応を触媒します。発色検出用キット(DIG Nucleic Acid
Detection Kit, Cat. No. 1 175 041)あるいは化学発光検出用キット(DIG
Luminescent Detection Kit, Cat. No. 1 363 514)が専用キットとして別
売されています。
* in situ ハイブリダイゼーションのための別法として、異なる蛍光色
ラベリングの原理
DIGラベルされたDNAプローブは、DIG-High Primeを用いたランダム
プライムドラベリングの技術により合成されます(1, 2)。DIG-High
Primeは特製の反応用混合試薬で、ジゴキシゲニン-11-dUTP(図 1 )や
Klenow酵素などランダムプライムドラベリングに必要な試薬がすべて
含まれ、これらは50%グリセロール中にて 5 倍に濃縮された反応用バッ
ファー中にあらかじめ混合されています。混合試薬DIG-High Prime
は、ピペッティングのステップを減少させ、収量、再現性および簡便
性を増加させます。
素標識された抗DIG抗体を用いて、DIGラベルされたハイブリッド
を検出することが可能です。
テンプレートDNA
下表は、テンプレートDNAにおける性状のすすめを一覧にしたもので
す。
図1
条件
詳 細
純度
テンプレートDNAはHigh Pure Plasmid Isolation Kit (Cat. No. 1 754
777)を用いて調製してください。
その他の市販の精製用キットを使用する場合は、さらにフェノール/
クロロフォルム抽出を行い、タンパクの残渣を取り除くことをお勧
めします。ラベリングの前にテンプレートを制限酵素やその他の修
飾酵素で処理する場合にも、このステップが必要です。
サイズ 最適な結果を得るため、テンプレートDNAを直鎖化する必要があり
ます。またDNAは100 bpかそれよりも大きいサイズであることが必
要です。>5 kbのテンプレートDNAは、4 bp認識の制限酵素を用いて、
ラベリングの前に消化しておく必要があります。
量
アルカリ感受性DIG-11-dUTPの構造
アプリケーション
DIG-High Primeは多様なハイブリダイゼーション反応を対象とする
プローブをラベルします。
* サザンブロット (3)
* ノーザンブロット (4)
* ドットまたはスロットブロット
* 遺伝子ライブラリーのスクリーニング (5)
* in situ ハイブリダイゼーション
下記に示される方法により、原理的には10 ng∼3μgのテンプレート
がラベルされますが、ブロットのサイズに対して必要なプローブの
量を、後の表で確認してください。反応組成と量をすべてスケール
アップすることにより、より多くの量をラベルすることが可能です。
複雑ゲノム中からシングルコピー遺伝子を検出する場合は、
最少300 ng
のテンプレートDNA(プローブ濃度: 25 ng/ mlハイブリダイゼーション
溶液)をラベルすることが必要です。
アガロースゲル中から抽出されたDNAのラベリング
ジェノミックサザンブロッティングを実行する際、アガロースゲル電
気泳動により、テンプレートとなるDNAインサートをベクターから分
離しなければなりません。
ゲルからDNAを分離する際、400 bpから5 kbpの範囲のDNA断片に対
して、Agarose Gel DNA Extraction Kit (Cat. No. 1 696 505)を使用する
ことが可能です。このキットは、標準的なアガロースゲルにも低融点
アガロースゲルにも使用することができます。この方法で抽出された
DNA断片は、さらに精製する必要なく、ジゴキシゲニンを用いて効率
よくラベルされます。ただし、ラベルした後のプローブについては、
アガロース粒子の残渣を取り除くためにHigh Pure PCR Product Puri-
試料となる物質
* 100 bp以上のDNA断片
* 直鎖化されたプラスミド、コスミド、λDNA
* スーパーコイル化したDNA
* ゲルまたは溶解したアガロース中から分離した制限酵素消化後の
DNA断片など、10 ng以上のDNA
ラベリング反応数
0.01∼3μg DNAを対象とした40ラベリング反応に十分な試薬量が含ま
れています。
26
fication Kit (Cat. No. 1 732 668)を用いて精製する必要があります。
3.1 半定量によるラベリング効率の決定
2. 操作方法と必要な物
はじめに
DIGラベルされたDNAの収量の決定は、ハイブリダイゼーションの結
果が最適かつ再現性を有するために最も重要なことがらです。ハイブ
リダイゼーション用混合液中のプローブ濃度が高すぎると、バックグ
ラウンドの原因となりますが、濃度が低すぎると、シグナルを弱くし
てしまいます。
2.1 標準的なラベリングのアッセイ
追加で必要となる設備と試薬
* ウォーターバス
* 氷水
* 0.2 M EDTA (pH 8.0)
テストの原理
ラベルされたプローブの定量法として推奨されるのは、直接検出法です。
操作方法
下表は、標準的なラベリング反応のプロトコールを記載したものです。
ステップ
操 作
1
1μgのテンプレートDNA(直鎖またはスーパーコイル)と、オート
クレーブされた再蒸留水とを、最終的な容量が16μlになるよう
に、反応バイアルに加えます。
2
沸騰したウォーターバス中で10分間、DNAを熱変性させ、氷水の
入った容器内で直ちに冷却させます。
メモ:効率のよいラベリングには、完全な変性が必要です。
3
* DIG-High Primeをよく混和させ、4μlを変性されたDNAに加
え、混和し手短に遠心します。
ステージ
* 37℃で1時間から20時間(オーバーナイト)インキュベートします。
メモ:インキュベーション時間が長いほど(20時間まで)、DIGラベ
ルされたDNAの収量は増加するでしょう(下表を参照)。
4
内 容
1
* DIGラベルされたDNAの希釈系列をポジティブチャージのナイ
ロンメンブレンの*の小片にアプライします。
* ナイロンメンブレンの一部分には、スタンダードとして既知の
希釈濃度のDIGラベルされたコントロールDNAがあらかじめの
せておきます。
2
* ナイロンメンブレンはAP標識抗ジゴキシゲニンおよびCSPD1)
ready-to-use*を用いて免疫検出されます。
* DIGラベルされたDNAの希釈系列およびコントロールDNAの発
光強度は、
イメージャーまたはX線フィルムに感光させて比較さ
れます。
プローブの定量
ラベルされたプローブとDIGラベルされたコントロールDNA(Cat. No.
1 585 738)は、下記の希釈系列を作成するために、合成される核酸の
収量予測に応じて、1 ng/μl に希釈する必要があります。収量は、テ
ンプレート量とインキュベーション時間に依存します。
メモ:表 1 に示される収量は、高度に精製されたテンプレートDNAを
用いた最良の条件下で得られたものです。
2μlの0.2 M EDTA (pH 8.0)を加えるか、そして/または65℃で
10分間加熱することにより反応を停止させます。
メモ:DIGラベルされた断片の長さ、もともとのテンプレートの
長さに依存して200∼1000 bpまたはそれ以上になります。
3. DIG High Primeラベリングの効率
希釈系列
ラベルされたプローブとコントロールDNAとの希釈系列を、下表の記
載のように調製します。:
(操作方法と使用する溶液については、DIG-High Prime DNA Labeling and
Detection Starter Kit II, Cat. No. 1 585 614に詳細が記載されています。
)
表1
DIG-High Primeラベリング反応の収量
DIG-High Prime溶液を使用し、異なるテンプレートDNAの量を増加さ
せて 1 時間および20時間のラベリング反応を行いました。DIGラベル
されたDNAの収量は、ラジオアクティブなトレーサーを用いて決定付
けられ、ドットブロットにより確認されました。(個々のラベリング
アッセイの平均)
テンプレートDNA
1 時間
チューブ
1
20時間
10 ng
45 ng
600 ng
30 ng
130 ng
1050 ng
100 ng
270 ng
1500 ng
300 ng
450 ng
2000 ng
1000 ng
850 ng
2300 ng
3000 ng
1350 ng
2650 ng
DNA
使用した
(μl) チューブ番号
図2
37℃下 1 時間及び20時間でのDIG-High Prime反応における、異なるテ
ンプレートDNA量によるDIGラベルされたDNAの収量
DNA希釈用
バッファー
(バイアル3) (μl)
希釈
最終濃度
オリジナル
1 ng/μl
2
5
1
495
1 : 100
10 pg/μl
3
15
2
35
1 : 3.3
3 pg/μl
4
5
2
45
1 : 10
1 pg/μl
5
5
3
45
1 : 10
0.3 pg/μl
6
5
4
45
1 : 10
0.1 pg/μl
7
5
5
45
1 : 10
0.03 pg/μl
8
5
6
45
1 : 10
0.0 1pg/μl
9
0
-
50
-
0
新たに合成されたラベル済みDNAの量 (ng)
結果の解析
ラベリング反応とコントロールとのスポットのシグナルの強度を比較
し、DIGラベルされたDNAの量を算出します。ラベルしたプローブと
コントロールにおいて0.1 pg希釈のスポットが可視化されているなら、
プローブは期待されるラベリング効率に達していることになり (表 1 を
参照ください)、ハイブリダイゼーションで推奨される濃度で使用する
ことが可能です。
ラベリング反応当たりのテンプレートDNAの量
27
4. 付録
4.1 リファレンス
1. Feinberg, A. P. & Vogelstein, B. (1983) Anal. Biochem. 132: 6.
2. Feinberg, A. P. & Vogelstein, B. (1984) Anal. Biochem. 137: 266.
3. Southern, E. M. (1975) J. Mol. Biol. 98, 503.
4. Smith, G. E. & Summers, M. D. (1990) Anal. Biochem. 109, 123.
5. Grunstein, M. & Hogness, D. (1975) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 72, 3961.
4.2 関連製品
キット
包装単位
Cat. No.
DIG High Prime DNA Labeling and
Detection Starter Kit I
製 品 名
1キット
(12ラベリング反応と
24検出反応)
1 745 832
DIG High Prime DNA Labeling and
Detection Starter Kit II
1キット
(12ラベリング反応と
24検出反応)
1 585 614
1キット
1 363 514
DIG Nucleic Acid Detection Kit
1キット
1 175 041
DIG Wash and Block Buffer Set
30ブロット
(10 × 10 cm2)
1 585 762
DIG Luminescent Detection Kit
単品試薬
製 品 名
包装単位
Cat. No.
150ユニット
1 093 274
100μl
1 585 649
CSPD
1 ml
2 × 1 ml
4 × 1 ml
1 655 884
1 759 035
1 759 043
CSPD, ready-to-use
2 × 50 ml
1 755 633
CDP-Star, ready-to-use
2 × 50 ml
2 041 677
500 ml
1 603 558
DIG Easy Hyb Granules
6 × 100 ml
1 796 895
Fluorescein-High Prime
100μl
1 585 622
50バッグ
1 666 649
100ユニット
500ユニット
1 008 404
1 008 412
8 ml
1 681 451
10枚
20枚
1ロール
1 209 272
1 209 299
1 417 240
Anti-DIG AP, Fab fragments
Biotin-High Prime
DIG Easy Hyb
Hybridization bags
Klenow Enzyme
NBT/ BCIP Stock Solution
Nylon Membrane, positively charged
(20 × 30 cm)
(10 × 15 cm)
(0.3 × 3 mロール)
*Roche Diagnosticsから発売されています。
この製品および使用に関して、Rocheグループの 1 つまたは複数の特許
により保護されていることがあります。これらには以下が含まれます。
EP特許 0 324 474
US特許 5.344.757 5.354.657 5.702.888
28
DIG High Prime DNA Labeling and Detection Starter Kit I
NBT/BCIP を用いた発色検出用。
アルカリ感受性ジゴキシゲニン-dUTPによるランダムプライムドDNAラベリングと酵素イムノアッセイによるハイブリッドの検出
Cat. No. 1 745 832
1キット当たり10 ng∼3μg DNAに対し12回ラベリング反応ならびに 10 × 10 cm2 24ブロッ
トの検出用
−15∼−25℃保存
Version, 2004年10月
1. はじめに
1.1 キットの内容
ボトルまたは
ラベルの表示
内 容 (機能を含む)
Cat. No.
キャップの番号
1
(別売される場合)
DIG-High Prime
* 50μl DIG-High Prime
1 585 606
* 最適な濃度のランダムプライマー、ヌクレオチド、DIG-dUTP(アルカリ感受性)、
Klenow酵素およびバッファー組成を含む 5 × 濃縮ラベリング混合液。
* ready-to-use
* 透明で粘性のある溶液。
* 効果的なDNAのランダムプライムドラベリング。
2
DIG-labeled Control DNA
* 20μl
1 585 738
* [5μg/ml]pBR328 DNA(Bam HIにより直鎖化)
* 透明の溶液
* ラベリング効率のチェック用
3
DNA Dilution Buffer
* 3 × 1 ml
* [10 mM Tris-HCl, 1 mM EDTA; pH 8.0 (25℃)中に50μg/ml サカナ精子DNAを含む]
* 透明の溶液
4
Anti-Digoxigenin-AP Conjugate
* 100μl
1 093 274
* [750 U/ ml]
* 羊由来Fabフラグメント、アルカリホスファターゼ標識
* 透明の溶液
5
NBT/BCIP
* 6 × 1 ml
1 681 451
* 50 × 濃縮ストック溶液 [67% (v/v) DMSO中における18.75 mg/ml ニトロブルーテ
トラゾリウムクロライドおよび、9.4 mg/ml 5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリルリン酸]
* 薄黄色から褐色を帯びた透明溶液
* アルカリホスファターゼと反応
6
Blocking solution
* 4 × 100 ml
1 096 176
* 10 × 濃縮
* 黄色の粘性を帯びた溶液
7
DIG Easy Hyb Granules
* 4 × 100 ml
1 796 895
ハイブリダイゼーション用溶液
3.5 ハイブリダイゼー
ション*
追加で必要となる設備と試薬
上記にリストされている試薬以外に、いくつかの溶液を調製する必要
があります。下表は、異なる操作方法に必要な設備の概要について示
したものです。
詳しい情報については、操作方法の各論のページに記されています。
操 作 方 法
設 備
試 薬
3.2 DIG DNAラベリング ウォーターバス
* 滅菌再蒸留水
* 0.2 MのEDTA
(pH 8.0),滅菌済み
3.3 半定量法による
ラベリング効率の決定
* DIG Wash and
Block Buffer Set*
(Cat. No. 1 585 762)
* TEバッファー
または
* 洗浄用バッファー
* マレイン酸バッファー
* 検出用バッファー
* TEバッファー
ポジティブチャージのナイ
ロンメンブレン*
(Cat. No. 1 417 240)
3.4 DNAのトランスファー * UVトランスイルミネーター * 2 × SSC
と固定
*市販のUVクロスリンカー または
* 10 × SSC
* ポジティブチャージのナイ
ロンメンブレン*
(Cat. No. 1 417 240)
* ハイブリダイゼーション用
バッグ* (Cat. No. 1 666 649)
または
耐熱性の密封プラスチック製
バッグ、或いはローラーボトル
メモ:DIG Easy Hybバッ
ファーを用いる際は、ふた
のないトレーを使用しない
でください。
29
3.6 免疫検出
* メンブレンフィルターの * DIG Wash and
サイズに対して適切な大
Block Buffer Set*
きさの容器
(Cat. No. 1 585 762)
* ハイブリダイゼーション用 * TEバッファー
バッグ* (Cat. No. 1 666 649) または
* 洗浄用バッファー
* マレイン酸バッファー
* 検出用バッファー
* TEバッファー
3.7 DNAブロット
の剥離とリプロービング
* 大きめのトレー
* ウォーターバス
* 10 × SSC
* 0.1% SDS
* 0.2 M NaOH
2. はじめに
キット内容物
Anti-Digoxigenin-AP Conjugate
(キャップ 4)
2 ∼ 8℃で安定
2.1 製品の概要
NBT/BCIP
(キャップ 5)
* 2 ∼ 8℃で安定
* 或いは、
15∼25℃で 4 週間保存が可能。
メモ:ドライアイス上でキットを輸送する
間に沈殿を生じる場合がありますが、これは
37℃に加温すると短時間で可溶化します。
* 未開封では、15∼25℃で安定。
* 開封後は、分注後に―15∼―25℃または
2 ∼ 8℃で滅菌保存して 1ヶ月まで。
* 1 × 濃度に希釈した溶液は、常に新しく
調製することが必要。
テストの原理
DIG High Prime DNA Labeling and Detection Starter Kit I ではジゴキ
シゲニン(DIG)というステロイドハプテンを使用して、ハイブリダイ
ゼーションやそれに続く酵素イムノアッセイによる発色検出のために
DNAプローブをラベルします[1]。
ステージ
Blocking reagent
(ボトル 6)
説 明
DNAラベリング ランダムプライムドラベリングの技術によりDIG-High Prime
を用いてDIGラベルされたDNAプローブが合成されます。
DIG-High Primeは、アルカリ感受性ジゴキシゲニン-dUTP
(図 2)
およびランダムプライムドラベリングに必要な酵素など全ての
試薬があらかじめ混和され、5 × 濃縮された反応用バッファー
中に最適化されています。
ハイブリダイ
ゼーション
免疫検出
保 存
感度と特異性
1μgの制限酵素消化された胎盤DNAのサザンブロットから、ヒトシン
グルコピー遺伝子が検出されます。
メモ:感度は、ハイブリダイゼーション中のラベルされたDNA の濃度
と、発色反応時間の両方に依存します。
DIGラベルされたプローブは、標準的な方法により、メンブ
レンにブロットされた核酸とのハイブリダイゼーションに使用
されます。アルカリ感受性の性状をもつDIG-dUTPを使用する
ことで、第二のDIGラベルされたプローブを用いたリハイブリ
ダイゼーション実験において、簡単かつより効率的にブロットを
剥がすことが可能になります。
利 点
下表に、このキットを使用する利点と特長について説明します。
利 点
ハイブリダイズしたプローブを、AP標識抗ジゴキシゲニン
抗体, Fabフラグメントを用いて免疫検出し、NBT/BCIP発色
基質を用いて可視化させます。
アプリケーション
DIGラベルされたDNAプローブは、以下のアプリケーションに使用さ
れます。
* 全てのタイプのフィルターハイブリダイゼーション
* トータルゲノムDNA中からのシングルコピー遺伝子の検出。
ヒト、オオムギ、コムギなど高等生物のアプリケーションにも使用可能。
試料となる物質
* 最小100 bpのDNA断片
* 直鎖化されたプラスミド、コスミド、またはλDNA
* スーパーコイル化したDNA
ステップ
ハイブリダイゼーション
6 時間からオーバーナイト
免疫検出
1.5時間
発色の展開
0.5 から16時間
あらかじめ混合されているDIG-High Primeを使用すること
で、DNAプローブをラベルするために必要な操作時間が最小
限にとどめられ、収量や再現性が高まります。
感度が高い
ヒトのトータルDNA複合体や植物ゲノム中から、シングルコ
ピー遺伝子を検出することが可能です。
時間の節約
DIGラベルされたプローブは、少なくとも 1 年間保存が可
能です。ハイブリダイゼーション溶液は、個々のハイブリダ
イゼーションでシグナルを発するのに要するラベルされたプ
ローブ量に依存しますが、3 ∼ 5 回の再使用が可能です。
3.1 実験を始める前に
一般的な操作上のすすめ
下表は、DIGラベリングと検出のための一般的なヒントです。
反 応 時 間
1 時間からオーバーナイト
正確かつ迅速
3. 操作方法と必要な物
アッセイの所要時間
下表は、各操作ステップにおける反応時間の一覧です。
DNAラベリング
特 長
条 件
清潔な条件下で操作を*
行ってください。
ガイドライン
DIGシステムの溶液をオートクレーブします。
* SDSを含む溶液をろ過滅菌します。
あらかじめ滅菌された溶液に
* Tween1) 20を、
加えておきます。
清潔なインキュベーション 実験用トレーを徹底的に清潔に保ち、使用する
トレーを使用してください。 前によく洗います。
テスト数
1 キットの内容は、以下のテスト数に適しています。
* 3μgまでのテンプレートDNAに対し、標準的な方法により12回ラベ
リング反応分
* 100 cm2 のメンブレン24ブロット検出分
メンブレンを操作する際の
必要事項
* パウダーフリーの手袋を着用します。
* 清潔なピンセットを用い、メンブレンを端のみ
で扱います。
3.2 フローチャート
品質管理
未標識のコントロールDNA(pBR328)をプロトコールに記載された方法で
ラベルし、0.1 pg の特異DNAのドットブロットにより16時間の発色反応
の後に検出可能かという基準で品質管理を行っています ( 1 pgの特異DNA
が 1 時間の発色展開で検出可能です)。
セクション 3.2
DIG DNA ラベリング
セクション 3.3
ラベリング効率の定量
セクション 3.4
DNA の固定
セクション 3.5
ハイブリダイゼーション
セクション 3.6
免疫検出
セクション 3.7
DNA プローブの剥離とリプロービング
↓
↓
↓
キットの保存と安定性
未開封のキットは、―15∼―25℃にて、ラベルに印刷された期限まで安
定です。輸送はドライアイスで行ってください。
開封後は、下表に従って適切に保存してください。
↓
↓
30
3.2 DIG DNAラベリング
はじめに
DIG-High Primeを使用して、DNAをジゴキシゲニン-11-dUTPでランダ
ムプライムドラベルします。DIG-High Primeは、5 × 濃縮されたラベ
リング用混合液で、ランダムヘキサマー、アルカリ感受性のジゴキシ
ゲニン-11-dUTPを含むdNTPミックス、ラベリンググレードのKlenow
酵素の混合液、および最適化された反応バッファーがこれに含まれま
す。
追加で必要となる設備と試薬
* ウォーターバス
* 氷水
下表は、キット内容物以外に追加で必要となる試薬の組成、保存およ
び使用目的を一覧にしたものです。
保存と安定性
使用目的
水
溶 液
オートクレーブした再蒸留水
組 成
15∼25℃で安定
DNAの希釈
EDTA
0.2 M エチレンジアミノテトラ
酢酸, pH 8.0
15∼25℃で安定
ラベリング
反応の停止
条 件
サイズ
量
操 作
1
1μgのテンプレートDNA(直鎖またはスーパーコイル)とオートクレー
ブされた再蒸留水とを、最終的な容量が16μlになるように、反応バ
イアルに加えます。
2
沸騰したウォーターバス中で10分間、DNAを熱変性させ、氷水の入っ
た容器内で直ちに冷却させます。
メモ:効率のよいラベリングには、完全な変性が必要です。
3
* よく混和したDIG-High Prime(バイアル 1)4μlを、ステップ 2 で
変性させたDNAに加え、混和し、手短に遠心します。
* 37℃で 1 時間からオーバーナイトでインキュベートします。
メモ:インキュベーション時間が長いほど(20時間まで)、ラベルさ
れたDNAの収量は増加するでしょう(下表を参照)。
4
0.2 M EDTAを2μl加えるか、
65℃で10分間加熱する、あるいは両操作
を行い、ラベリング反応を停止させます。
メモ:DIG-High Primeを用いて得られるDIGラベルされた断片の長
さは、もともとのテンプレートの長さに依存して200∼1000 bp、あ
るいはそれよりも長くなります。
ラベリング反応の収量
表 1:この表は、
最適な条件下におけるDIG-High Primeの収量を表してい
ます。
1 アッセイ当たり1μgのDNAを用いた標準的な反応では、1 時間で約
15%のヌクレオチドがおよそ0.8μgの新たに合成されたDIGラベルされた
DNAに取り込まれ、20時間後にはおよそ 2μgに約38%のヌクレオチドが
取り込まれます。
テンプレートDNA
下表は、テンプレートDNA推奨条件を一覧にしたものです。
純度
ステップ
詳 細
プラスミドDNAの精製には、High Pure Plasmid Isolation Kit
(Cat. No. 1 754 777)を使用してください。
その他の市販の精製用キットを使用する場合は、さらにフェノール/
クロロフォルム抽出によりタンパクの残渣を除去することをおすすめ
します。このステップは、テンプレートをラベリング前に制限酵素や
他の修飾酵素で処理した際にも必要となります。
テンプレートDNA
最適な結果を得るためには、テンプレートDNAが直鎖化され、100 bp
よりも大きいサイズにあることが必要です。5 kbを上回るサイズのテ
ンプレートDNAについては、 ラベリングの前に 4 塩基対認識の制限
酵素で消化する必要があります。
下記の操作方法により、原理的には10 ng∼3μgのテンプレートの
ラベルが可能ですが、ブロットのサイズにより必要なプローブ量を
下表で確認してください。全ての量と反応組成を適宜スケールアップ
することで、
本法をより多くの量のラベリングに使用することが可
能です。ゲノム中からシングルコピー遺伝子を検出する場合は、最少
300 ngのテンプレートDNA
(プローブ濃度:25 ng/mlハイブリダイゼー
1 時間
20時間
10 ng
45 ng
600 ng
30 ng
130 ng
1050 ng
100 ng
270 ng
1500 ng
300 ng
450 ng
2000 ng
1000 ng
850 ng
2300 ng
3000 ng
1350 ng
2650 ng
DIG-High Prime溶液を使用して、異なるテンプレートDNA量を増加さ
せて、1 時間および20時間の反応を行いました。DIGラベルされた
DNAの収量は、ラジオアクティブなトレーサーの取り込みにより決定
付けられ、ドットブロットにより確認されました(10回のラベリング
アッセイの平均)。
ション溶液)をラベルする必要があります。
新たに合成されたラベルDNAの量[ng]
アガロースゲルから抽出されたDNAのラベリング
ジェノミックサザンを行う場合は、テンプレートとなるインサートDNA
とベクターDNAをアガロースゲル電気泳動で分離する必要があります。
アガロースゲルからDNA断片を抽出した後、High Pure PCR Product
Purification Kit (Cat. No. 1 732 668)やAgarose Gel DNA Extraction Kit
(Cat. No. 1 696 505)でDNAをアガロースから分離してください。
操作方法
この操作方法は、10 ng ∼ 3μgのDNA用にデザインされています。よ
り量の大きな(10μgまで)試料も、全ての組成と量をスケールアップさ
せることでラベルすることが可能です。
ラベリング反応当たりのテンプレートDNAの量
図 2:異なるテンプレートDNA量について、DIG-High Primeを用いて、37℃下、
1 時間または20時間インキュベーション反応においてDIGラベルされたDNAの収量。
31
3.3 ラベリング効率の決定
に応じて、1 ng/μl に希釈する必要があります。チャプター 3.2 の表
を用いて、プローブ中におけるDIGラベルされたDNAの収量を最大限
見積もることが可能です。収量は、テンプレートの量とインキュベー
ション時間に依存します。
メモ:表 1 に示される収量は、高度に精製されたテンプレートDNAを
用いた最良の条件下で得られたものです。
はじめに
DIGラベルされたDNAの収量の決定は、ハイブリダイゼーションの結果
が最適かつ再現性を有するために最も重要です。ハイブリダイゼーショ
ン用混合液中のプローブ濃度が高すぎると、バックグラウンドの原因と
なりますが、濃度が低すぎるとシグナルを弱くしてしまいます。
希釈系列
ラベルされたプローブとコントロールDNAとの希釈系列を、下表の記
載のように調製します。
テストの原理
ラベルされたプローブの定量法として推奨されるのは、直接検出法です。
ステージ
1
2
説 明
チューブ
* DIGラベルされたDNAの希釈系列をポジティブチャージのナ
イロンメンブレン*の小片にアプライします。
* ナイロンメンブレンの一部分には、スタンダードとして既知の
希釈濃度のDIGラベルされたコントロールDNA(バイアル 2)が
あらかじめのせられておきます。
1
* ナイロンメンブレンはAP標識抗ジゴキシゲニン(バイアル 4)
およびあらかじめ混和されたNBT/BCIPのストック溶液(バイ
アル 5)を用いて免疫検出されます。
* DIGラベルされたDNAの希釈系列およびコントロールDNAの
発色強度を比較し、量を算出します。
追加で必要となる溶液
追加で必要となる試薬の組成と調製方法について、下記に示します。
下記のバッファーは、DNaseおよびRNaseフリーのDIG Wash and
Block Buffer Set (Cat. No. 1 585 762)としても発売されています。
洗浄用
バッファー
組成や調製方法
保存と
安定性
DNA希釈用
希 釈
バッファー
(バイアル3) (μl)
最終濃度
オリジナル
1 ng/μl
2
2
1
198
1 : 100
10 pg/μl
3
15
2
35
1 : 3.3
3 pg/μl
4
5
2
45
1 : 10
1 pg/μl
5
5
3
45
1 : 10
0.3 pg/μl
6
5
4
45
1 : 10
0.1 pg/μl
7
5
5
45
1 : 10
0.03 pg/μl
8
5
6
45
1 : 10
0.01 pg/μl
9
0
-
50
-
0
操作方法
下表は、直接検出法について説明しています。
メモ:全てのステップにおいて、メンブレンを完全にカバーするのに
十分な量のバッファーを使用してください。
メモ:これらの溶液はチャプター 3.6 の検出操作でも使用します。
溶 液
DNA
使用した
(μl) チューブ番号
使用目的
ステップ
0.1 Mマレイン酸, 0.15 M NaCl;
15∼25℃ 結合しなかった
pH 7.5 (20℃); 0.3%(v/v) Tween 20 で安定
抗体の除去
操 作
1
マレイン酸 0.1 Mマレイン酸, 0.15 M NaCl;
15∼25℃ ブロッキング
バッファー NaOH (固形)を用いてpH 7.5(20℃) で安定
溶液の希釈
に調整する。
ラベルされたプローブのチューブ 2 ∼ 9 とラベルされたコントロール
DNAから、それぞれ 1μlのスポットをナイロンメンブレンの小片
にアプライします。
2
検出用
バッファー
0.1 M Tris-HCl, 0.1 M NaCl,
pH 9.5 (20℃)
UV光を用いた架橋または120℃で30分間のベーキングにより、核酸
をメンブレンに固定化させます。
3
TE
バッファー
10 M Tris-HCl, 1 mM EDTA, pH 8.0 15∼25℃ 発色反応の停止
で安定
* メンブレンを、20 mlのマレイン酸バッファーを満たしたプラス
チック製容器に移します。
* 振とうさせながら、15 ∼ 25℃下で 2 分間インキュベートします。
4
10 mlのブロッキング溶液中で、30分間インキュベートします。
15∼25℃ pHを9.5に調整
で安定
キット中の溶液の調製
キット中の溶液の調製方法を下表に示します。
溶 液
組成や調製方法
保存と
安定性
使用目的
ブロッキ
ング溶液
10 × ブロッキングストック溶液
(バイアル 6)をマレイン酸バッフ
ァーで 1 : 10に希釈して、1 × 濃
度の溶液を調製します。
常に
用時調製
メンブレン上の
非特異結合部分
をブロック
抗体溶液
使用する前には必ず抗ジゴキシ
ゲニン-AP (バイアル 4)をもとの
バイアルのまま10,000 rpmで 5
分間遠心し、液面から必要な量
を注意深くピペットで取り出し
ます。ブロッキング溶液中で、
抗ジゴキシゲニン-APを1 : 5,000
(150 mU/ ml)に希釈します。
2 ∼ 8℃
で12時間
DIGラベルされた
プローブと結合
発色基質
2 ml の検出用バッファーに40μl
常に
溶液
NBT/BCIP (バイアル 5)を加えます。 用時調製
5
10 mlの抗体溶液中で、30分間インキュベートします。
6
10 mlの洗浄用バッファー中で15分間
7
10 mlの検出用バッファー中で 2 ∼ 5 分間平衡化させます。
8
適切な容器を用い、暗くした状態で 2 ml の用時調製された発色
基質溶液中でメンブレンをインキュベートします。
メモ:発色中は絶対に振盪させないでください。
9
求められるスポットの発色強度が得られたら、50 ml の滅菌再蒸
留水またはTEバッファーを用いてメンブレンを 5 分間洗浄し、
反応を停止させます。結果は写真やコピーで記録出来ます。
×
2 回洗浄します。
結果の解析
DIG Quantification Test Stripのマス目の上で、DIG Control Test Strip
を用いて発色強度を比較することにより、DIGラベルされたDNA量を
決定することが可能です。希釈段階を考慮しながら、ラベリング反応
中におけるDIGラベルされたDNA の量を算出します。以下のスポッ
トが可視化されるはずです。
抗体の結合を
可視化
メモ:遮光して保存してください!
プローブの定量
ラベルされたプローブとDIGラベルされたコントロールDNA(バイアル
2)は、下記の希釈系列を作成するために、合成される核酸の収量予測
32
インキュベーション時間
可視化される濃度
5 ∼10分間
30 pgのスポット
30分間
3 pgのスポット
3.4 DNAのトランスファーと固定
DIG Easy Hybを用いたハイブリダイゼーションにおける実際のハイブ
リダイゼーション温度Topt は、計算されるTm の値より20∼25℃低くな
ります。Topt は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション温度と
考えられ、プローブとターゲットとの間におけるミスマッチを18%まで
許容します。プローブとテンプレートとの相補性の度合いが80%未満で
ある場合、適宜Topt を低くするか( 1 % のミスマッチ当たり、およそTm
を1.4℃下げる)、またストリンジェンシー洗浄のステップをこれに合
わせる必要があります(SSC濃度を上げ、洗浄温度を下げるなど)。
トランスファーの方法とメンブレン
ゲル電気泳動、ゲルの変性および中和の標準的なプロトコールについて
は、Sambrookら(2)による記述があります。エチジウムが不均一なバッ
クグラウンドを生じることがあるため、ゲルにはエチジウムブロマイドが
含まれないことが望まれます。共通するタイプの全てのDNAトランス
ファー法は、これに続くDNAハイブリダイゼーションに適しています(4)。
経験上、ゲルを20 × SSCを用いたポジティブチャージのナイロンメン
ブレン*上にキャピラリートランスファーするブロット方法が、最良の
結果をもたらします。
メモ:アルカリトランスファー(0.4 M NaOH中など)は、DIGラベルさ
れた分子量マーカーのトランスファーには適していません。
方 法
下表を参照ください。
ステップ
操 作
1
* 適量のDIG Easy Hyb (メンブレンフィルター100 cm2当たり10 ml)
をハイブリダイゼーション温度(37℃または42℃)まであらかじめ
加温します。
* メンブレンフィルターを適切な容器の中で穏やかに振とうさせな
がら30分間プレハイブリダイゼーションします。
メモ:同一のプレハイブリダイゼーション溶液中で複数のメンブ
レンフィルターを使用する際は、それぞれのフィルターが容器内
を自在に動くように特に注意してください。
2
DIGラベルされたDNAプローブ(約25 ng/ml)を 5 分間煮沸させた後、
直ちに氷水中で冷却させて、変性させます。
メモ:DIG-11-dUTPはアルカリ感受性であるため、プローブをア
ルカリ処理(NaOH)により変性させることはできません。
3
変性後のDIGラベルされたDNAプローブを、あらかじめ加熱した
DIG Easy Hyb (メンブレンフィルター100 cm2当たり3.5 ml)に加え、
泡立てないように注意しながらよく混和させます。(泡は、バック
グラウンドの原因となることがあります)
4
プレハイブリダイゼーション溶液を捨て、プローブとハイブリダイ
ゼーション溶液との混合液をメンブレンフィルターに加えます。
ハイブリダイゼーション温度で、6 時間からオーバーナイトにて穏や
かに振とうさせながらインキュベーションします。
固定の方法
下表のいずれかの方法で、メンブレンにDNAを固定させます。
固定方法
UVクロスリンク
(ナイロンメンブレン)
詳 細
* メンブレンを10 × SSCに浸漬させたWhatmann
3 MM紙の上に乗せます。
* 前洗浄なしにウェットなメンブレンをUVク
ロスリンクします。
* UVクロリンクの後、メンブレンを蒸留水で
手短に洗い、風乾させます。
120℃でベーキング
(ナイロンメンブレン)
* メンブレンを 2 × SSC中で手短に洗います。
* ナイロンメンブレンを120℃で30分間または
メンブレン製造元の指示に従い、ベークを
行います。
80℃でベーキング
(ナイロンメンブレン)
* メンブレンを 2 × SSC中で手短に洗います。
* ナイロンメンブレンを80℃で 2 時間、吸引し
ながらベークします。
メンブレンの保存
下表を参照ください。
次のような場合・・・
このように保存します。
引き続き実験に使用する
メンブレンを直ちにプレハイブリダイゼーションに
使用します。
しばらく期間をおいてか
ら実験に使用する
メンブレンを乾燥条件下で 2 ∼ 8℃にて保存し
ます。
ハイブリダイゼーション溶液の保存
DIGラベルされたプローブを含むDIG Easy Hybは、−15∼−25℃で保
存可能で、使用前に新たに68℃で10分間変性させることにより、何回
か再使用することが可能です。
メモ:DIG Easy Hybを沸騰させてはいけません。
ストリンジェンシー洗浄
大部分のDNA:DNAのアプリケーションにおいて、ストリンジェン
シー洗浄には0.5 × SSCが適切です。ハイブリダイゼーション後の洗浄
条件の修正については、個々のプローブに対して経験的に検討するこ
とが必要です。
* ヒトゲノムDNAでは、0.5 × SSCを用いて65℃で行います。
* >150 bpのプローブで、GC含有量が高いものは、68℃で洗浄する必
要があります。
* 100 bpまたはこれよりも短いプローブでは、洗浄温度を下げる必要
があります。
下表で、ハイブリダイゼーション後の洗浄方法について説明します。
3.5 ハイブリダイゼーション
追加で必要となる試薬と設備
* 氷水
* 振とう式のウォーターバス
* またはハイブリダイゼーション用オーブン
* 耐熱性のプラスチックまたはガラス製の箱、ペトリ皿、ローラーボ
トルまたは密封式プラスチック製バッグ
メモ:DIG Easy Hybを、ふたのない容器中で使用しないでください。
ステップ
DIG Easy Hyb溶液の調製
64 mlの滅菌再蒸留水を注意深く 2 回に分けてDIG Easy Hyb Granules
(ボトル 7)に加え、37℃で 5 分間攪拌して直ちに溶解させます。
操 作
1
十分量の 2 × SSC, 0.1% SDS中で、15∼25℃下、5 分間 × 2 回、
一定に振とうさせながら洗浄を行います。
2
0.5 × SSC, 0.1% SDS(洗浄用の温度まであらかじめ加温)中で、
65∼68℃下、15分間 × 2 回、一定に振とうさせながら洗浄を行います。
ハイブリダイゼーションの温度
最適なハイブリダイゼーションの温度は、GC含量とプローブとター
ゲットの塩基配列との相補性パーセントにより、以下の数式によって
算出されます。
Tm = 49.82 + 0.41(% G + C)−(600/l) [ l = ハイブリッドの塩基対の長さ]
Topt = Tm −20∼25℃
(数式で与えられる数値は、50%フォルムアミドを含むハイブリダイ
ゼーション溶液の標準的な数式により計算されたものです。)
33
3.6 免疫検出
メンブレンの保存
下記を参照ください。
追加で必要となる試薬
追加で必要となる試薬の組成と調製方法について、下記に示します。
下記のバッファーは、DNaseおよびRNaseフリーのDIG Wash and
Block Buffer Set (Cat. No. 1 585 762)としても発売されています。
溶 液
洗浄用
バッファー
組成や調製方法
保存と
安定性
このような操作が必要です。
メンブレンをリプローブする。
メンブレンをプラスチック製バック中に
シールして保存します。いかなる場合でも、
絶対にメンブレンを乾燥させてはなりません。
メモ:発色を維持させる場合は、メンブレン
をTEバッファー中で保存します。
リプローブしない。
メンブレンを乾燥させ、室温で保存します。
メモ:メンブレンの乾燥に伴い、発色は滅衰
します。発色を再現させる場合は、メンブレ
ンをTEバッファーで湿らせてください。
使用目的
0.1 Mマレイン酸, 0.15 M NaCl;
15∼25℃ メンブレンの
pH 7.5 (20℃); 0.3%(v/v) Tween 20 で安定
洗浄
マレイン酸 0.1 Mマレイン酸, 0.15 M NaCl;
バッファー NaOH(固形)を用いてpH 7.5(20℃)
に調整する。
次のような場合
15∼25℃ ブロッキング
で安定
溶液の希釈
検出用
バッファー
0.1 M Tris-HCl, 0.1 M NaCl, pH 9.5 15∼25℃ AP用バッファー
(20℃)
で安定
3.7 DNAプローブの剥離とリプロービング
TE
バッファー
10 mM Tris-HCl, 1 mM EDTA,
pH 8.0
一般的なことがら
アルカリ感受性の性状のDIG-11-dUTPは再ハイブリダイゼーション実
験のためのブロットの剥離を、簡便かつより効果的に行うことを可能
にします。
15∼25℃ 発色反応の停止
で安定
キット中の溶液の調製
キット中の溶液の調製方法を下表に示します。
溶 液
組成や調整方法
ブロッキ
ング溶液
10 × ブロッキングストック溶液
(バイアル 6)をマレイン酸バッファー
に1 : 10希釈して、1 × 濃度の溶液を
調製します。
抗体溶液
発色基質
溶液
保存と
安定性
追加で必要となる試薬
* ジメチルフォルムアミド(DMF)
* 0.2 N NaOH, 0.1% SDS (w/v)
* 2 × SSC
使用目的
常に
メンブレン上の
用時調製 非特異結合部分
をブロック
プロトコール
下記を参照ください。
メモ: ブロットの剥離と再ハイブリダイゼーションを計画する際には、
いかなる場合もメンブレンを乾燥させないよう注意してください。
注意:蒸発換気フードの下で操作を行ってください。
使用する前毎に抗ジゴキシゲニン- 2 ∼ 8℃ DIGラベルされた
AP (バイアル 4)をもとのバイアルの で12時間 プローブと結合
まま10,000 rpmで 5 分間遠心し、
液面から必要な量を注意深くピペッ
トで取り出します。ブロッキング溶
液中で、抗ジゴキシゲニン-APを1 :
5,000 (150 mU/ ml)に希釈します。
ステップ
操 作
1
蒸気換気フードの下で、ウォーターバス中に設置した大型のビー
カー中でDMFを50∼60℃に加熱します。
加熱したDMF中で青色の沈殿が除去されるまで、メンブレンフィル
ターをインキュベートします。
注意:DMFは揮発性で、67℃より高温では気化します。
2
メンブレンを再蒸留水中で手短に洗います。
3
メンブレンを0.2 N NaOH, 0.1% SDS(w/v)中で、37℃下、15分 × 2
回洗浄します。
4
2
5
プレハイブリダイゼーションに使用します。
10 ml の検出用バッファーに200μl
常に
抗体の結合を
のNBT/BCIT(バイアル 5)を加えます。 用時調製 可視化
メモ:遮光して保存してください!
操作方法
下表は、100 cm2メンブレンフィルターを対象とした免疫検出の操作方
法について説明したものです。
メモ:全てのインキュベーションは、15∼25℃下で振とうさせながら
行ってください。メンブレンをリプロービングさせる場合は、どのス
テップにおいてもメンブレンを乾燥させないように注意してください。
ステップ
操 作
1
ハイブリダイゼーションとストリンジェンシー洗浄の後、メンブ
レンを手短( 1 ∼ 5 分間)に洗浄用バッファー中で洗います。
2
100 ml ブロッキング溶液中で、30分間インキュベートします。
3
20 ml 抗体溶液中で、30分間インキュベートします。
100 ml 洗浄用バッファー中で、2
5
20 ml 検出用バッファー中で、2 ∼ 5 分間平衡化させます。
6
適当な大きさの容器を用い、メンブレンフィルターを10 ml の新た
に用時調製された発色基質溶液中で暗下でインキュベートします。
発色が展開している間は、容器をゆすったり動かしたりしないで
ください。
メモ:発色沈殿は数分間のうち形成され始め、反応は通常16時間
後に完了します。発色の展開を観察するため、短時間メンブレン
フィルターを光に当てても構いません。
7
必要とされるスポットまたはバンドの発色強度が得られれば、メ
ンブレンフィルターを50 ml の滅菌再蒸留水またはTEバッファー
で 5 分間洗浄することにより、反応を停止させます。
実験結果として、実験直後のフィルターをコピーするか、写真撮影
を行い、保存することが可能です。
×
SSC中で手短に平衡化させます。
プローブを剥離した後のメンブレンの保存
プローブを剥離したメンブレンは、マレイン酸バッファーまたは 2 ×
SSC中で次回使用するまで保存することが可能です。
15分間洗浄します。
4
×
34
4. 結果
* 使用するナイロンメ
ナイロンメンブレンには、高いバックグ
ンブレンが適切でない ラウンドを生じるものがあります。
Roche Diagnosticsから発売されている
DIGシステム用に特別に試験されたナイ
ロンメンブレン*を使用してください。
4.1 代表的な結果
ジェノミックサザンブロット
* 免疫アッセイ前の
ブロッキングが十分
でない
ブロッキングと洗浄のステップの時間を
長くしてください。
* ストリンジェンシー
洗浄が十分でない
ストリンジェンシー洗浄の温度を確認し、
溶液を適切な温度まであらかじめ温めて
ください。
* 免疫アッセイの特別 検出の操作に、実験用トレーを使用する
なヒント
際、使用前にそれらを清潔にしておくこ
とが必要です。Anti-DIG-APの結合反応
と、発色展開とは、別々のトレー中で操
作を行うことが必要です。
プローブ:DIGラベルされたβ-アクチンDNA断片
レーン 1:100 ngのジゴキシゲニンでラベルされ
たDNA分子量マーカーIII
レーン 2:5μg Eco RI消化されたヒト胎盤DNA
レーン 3:2.5μg Eco RI消化されたヒト胎盤
DNA
レーン 4:1μg Eco RI消化されたヒト胎盤DNA
5.2 リファレンス
..
図3:上の図は、標準的なプロトコールを使用したヒトトータルDNA中における
シングルコピー遺伝子(β-アクチン)の検出を示したものです。
5. 付録
4. Khandijan, E. W. (1987) Optimized hybridization of DNA blotted and
fixed to nitrocellulose and nylon membranes. Bio/ Technology 5: 165.
5.1 トラブルシューティング
トラブルシューティング表
下表では、DIGラベリングと検出のためのトラブルシューティングの
様々なパラメーターについて記載しています。
問 題
問題となりうる理由
感度が低い * プローブのラベリン
グが十分でない
解決方法のすすめ
* ラベルリング効率を確認します。
ラベリング反応はスケールアップする
ことができます。インキュベーション
時間をオーバーナイトに延長します。
* フェノール処理により、テンプレート
DNAを精製します。
* 5 kb未満の長さの断片だけを使用する
か、制限酵素(4 bp認識の酵素など)を
用いてあらかじめ切断しておきます。
* テンプレートがラベリングの前に十分に
変性されているか確認します。
プローブの濃度が低い * プローブの濃度を上げてください。
ただし、25 ng/ml DNAプローブよりも
高い濃度で使用しないこと。
* ハイブリダイゼーションと洗浄の条件
を確認してください。
* ハイブリダイゼーションの時間を長く
してください。
* 発色時間を16時間まで延長してくだ
さい。
バックグラ ハイブリダイゼー
ウンドが高い ションが十分でない
..
1. Holtke, H. J., Ankenbauer, W., Muhelgger, K., Rein, R., Sagner, G.,
Seibl, R., & Walter, T. (1995) The Digoxigenin (DIG) System for nonradioactive labeling and detection of nucleic acids - an overview. Cell.
Mol. Biol. 41(7): 883-905.
2. Sambrook, J., Fritsch, E. M. and Maniatis, T. (1989) Molecular
Cloning: a laboratory manual, 2nd edition, Cold Spring Harbor Labo
ratory, Cold SpringHarbor, New York.
3. Southern, E. M. (1975) Detection of specific sequences among DNA
fragments separated by gel electrophoresis. J Mol. Biol. 98: 503.
* ハイブリダイゼーション温度を再度
計算してください。
* プレハイブリダイゼーションとハイブ
リダイゼーションとの間で、メンブレ
ンを乾燥させないように注意してくだ
さい。
* プラスチック製のバッグを使用する場
合、密封する前に空気の泡を全て除去
してください。
35
5.3 関連製品
単品試薬
製 品 名
キット
製 品 名
Agarose Gel DNA Extraction Kit
包装単位
Agarase
Cat. No.
100回反応
1 696 505
10回抽出用
(400 mg組織
または
5 ×107 細胞中から)
1 814 770
DNA Isolation Kit for Mammalian Blood
(インタクトな哺乳類全血または白血球
試料からのゲノムDNAの分離用)
25回精製用
1 667 327
DIG Easy Hyb Granules
High Pure PCR Product Purification Kit
(PCR産物の精製用)
50回精製用
250回精製用
1 732 668
1 732 676
High Pure PCR Template Purification Kit
(PCRのためのゲノムDNAの分離用)
100回精製用
1 796 828
DIG Molecular Weight Marker,
Digoxigenin-labeled:
DNA Molecular Weight Marker
DNA Molecular Weight Marker
DNA Molecular Weight Marker
DNA Molecular Weight Marker
DNA Molecular Weight Marker
High Pure Plasmid Isolation Kit
(シーケンス、PCRおよびクローニング
のためのミニプレップ用)
50回精製用
250回精製用
1 754 777
1 754 785
High Pure Viral Nucleic Acid Kit
(PCR/ RT-PCRのためのウィルスDNAの
分離用)
100回精製用
1 858 874
DNA Isolation Kit for Cells and Tissue
(50∼150 kbの範囲のサイズの細胞お
よび組織由来ゲノムDNAの抽出用)
PCR Clean Up Kit
Blocking Reagent
Glycogen, MB grade
DIG Easy Hyb (ready-to-use hybridization
solution without formamide)
II
V
VI
VII
VIII
DIG Wash and Block Buffer Set
Hybridization bags
Lumi-Film Chemiluminescent Detection Film
100回精製まで
1 696 513
(PCR後のDNA断片の精製用)
Nylon Membrane, positively charged
(20 × 30 cm)
(10 × 15 cm)
(0.3 × 3 m ロール)
包装単位
Cat. No.
100ユニット
500ユニット
1 417 215
1 417 223
50 g
1 096 176
20 mg (1 ml)
901 393
500 ml
1 603 558
1セット (6 × 100 ml)
1 796 895
5μg
5μg
5μg
5μg
5μg
(500μl)
(500μl)
(500μl)
(500μl)
(500μl)
1
1
1
1
1
218
669
218
669
449
590
931
611
940
451
30ブロット用
(10 × 10 cm2)
1 585 762
50バッグ
1 666 649
100枚
(20.3 × 25.4 cm)
100枚
(18 × 24 cm)
1 666 657
10枚
20枚
1ロール
1 666 916
1 209 272
1 209 299
1 417 240
*Roche Diagnosticsから発売されています。
1) Tweenは ICI Americas Inc., USAの商標です。
2) High PureはRocheグループのメンバーの商標です。
この製品および使用に関して、Roche Diagnostics GmbHの 1 つまた
は複数の特許により保護されていることがあります。これらには、以
下が含まれています。
EP 特許 0 324 474
US特許 5.344.757 5.354.657 5.702.888
36
DIG High Prime DNA Labeling and Detection Starter Kit II
アルカリ感受性ジゴキシゲニン-dUTPによるランダムプライムドDNAラベリングとCSPD, ready-to-useを用いた酵素イムノアッセイによるハイブリッドの検出
Cat. No. 1 585 614
1 キット当たり10 ng∼3μg DNAに対し12回ラベリング反応ならびに 10 ×10cm2 24ブロッ
トの検出用 −15∼−25℃保存
Version, 2004年10月
1. はじめに
1.1 キットの内容
ボトルまたは
ラベルの表示
内 容(機能を含む)
Cat. No.
キャップの番号
1
(別売される場合)
DIG-High Prime
* 50μl DIG-High Prime
1 585 606
* 最適な濃度のランダムプライマー、ヌクレオチド、DIG-11-dUTP(アルカリ感受性)、
Klenow酵素およびバッファー組成を含む 5 × 濃縮ラベリング混合液。
* ready-to-use
* 透明で粘性のある溶液。
* 効果的なDNAのランダムプライムドラベリング。
2
DIG-labeled Control DNA
* 20μl
1 585 738
* [5μg/ml] pBR328 DNA(Bam HIにより直鎖化)
* 透明の溶液
* ラベリング効率の検定用
3
DNA Dilution Buffer
* 1 ml × 3 バイアル
* [10 mM Tris-HCl, 1 mM EDTA; pH 8.0 (25℃)中に50μg/ml サカナ精子DNAを含む]
* 透明の溶液
4
Anti-Digoxigenin-AP Conjugate
* 50μl
1 093 274
* [750 U/ ml]
* 羊由来Fabフラグメント、アルカリホスファターゼ標識
* 透明の溶液
5
CSPD ready-to-use
* 50 ml CSPD
1 755 633
* 透明の溶液
* アルカリホスファターゼの化学発光基質
6
Blocking solution
* 4 × 100 ml
1 096 176
* 10 × 濃縮
* 黄色の粘性を帯びた溶液
7
DIG Easy Hyb Granules
* 4 本のボトルにそれぞれ100 mlのDIG Easy Hybが含まれる。
1 796 895
DNAのハイブリダイゼーション用
追加で必要となる設備と試薬
上記にリストされている試薬以外に、いくつかの溶液を調製する必要
があります。下表は、操作方法毎に必要な設備の概要について示した
ものです。
詳しい情報については、操作方法の各論のページに記されています。
操作方法
設 備
* ポジティブチャージのナイ
ロンメンブレン*
(Cat. No. 1 417 240)
* ハイブリダイゼーション用
バッグ* (Cat. No. 1 666 649)
または
耐熱性の密封プラスチック製
バッグ、あるいはローラー
ボトル
メモ:DIG Easy Hybバッ
ファーを用いる際は、ふた
のないトレーを使用しない
でください。
3.7 免疫検出
* メンブレンフィルターの
* DIG Wash and
サイズに対して適切な大
きさの容器
* ハイブリダイゼーション用
バッグ* (Cat. No. 1 666 649)
Block Buffer Set*
(Cat. No. 1 585 762)
または
* 洗浄用バッファー
* マレイン酸バッファー
* 検出用バッファー
* 大きめのトレー
* ウォーターバス
* 10 × SSC
* 10%SDS
試 薬
3.3 DIG DNAラベリング ウォーターバス
* 滅菌再蒸留水
* 0.2 MのEDTA
(pH 8.0),滅菌済み
3.4 半定量法による
ラベリング効率の決定
* DIG Wash and
Block Buffer Set*
(Cat. No. 1 585 762)
ポジティブチャージのナイ
ロンメンブレン*
(Cat. No. 1 417 240)
3.6 ハイブリダイゼー
ション*
* 洗浄用バッファー
* マレイン酸バッファー
* 検出用バッファー
3.5 DNAのトランスファー * UVトランスイルミネーター * 2 × SSC
と固定
または
または
** 市販のUVクロスリンカー * 10 × SSC
3.8 DNAブロット
の剥離とリプロー
ビング
37
* 0.2 M NaOH
アッセイの所要時間
下表は、各操作ステップにおける反応時間の一覧です。
2. はじめに
2.1 製品の概要
ステップ
テストの原理
DIG High Prime DNA Labeling and Detection Starter Kit IIではジゴキ
シゲニン(DIG)というステロイドハプテンを使用して、ハイブリダイ
ゼーションやそれに続く酵素イムノアッセイによる発光検出のために
DNAプローブをラベルします[1,2,3]。
ステージ
DNAラベリング ランダムプライムドラベリングの技術によりDIG-High Prime
を用いてDIGラベルされたDNAプローブが合成されます。
DIG-High Primeは、アルカリ感受性ジゴキシゲニン-11-dUTP
(図1)およびランダムプライムドラベリングに必要な酵素など
全ての試薬があらかじめ混和され、5 × 濃縮された反応用バ
ッファー中に最適化されている反応混合液です。
DIGラベルされたプローブは、標準的な方法により、メンブ
レンにブロットされた核酸とのハイブリダイゼーションに使用
されます。アルカリ感受性の性状をもつDIG-11-dUTPを使用する
ことで、第二のDIGラベルされたプローブを用いたリハイブ
リダイゼーション実験において、簡単かつより効率的にブロット
を剥がすことが可能になります。
免疫検出
ハイブリダイズしたプローブを、AP標識抗ジゴキシゲニン
抗体, Fabフラグメントを用いて免疫検出し、化学発光基質
CSPD, ready-to-useを用いて可視化させます。酵素アルカリ
ホスファターゼによるCSPDの脱リン酸により、最大波長
477nmの発光(図2)が得られ、この発光はイメージャーまたは
X-線フィルムにより記録されます。フィルムへの露光時間
は、5 分から30分間程度の範囲内です。
DNAラベリング
1 時間からオーバーナイト
ハイブリダイゼーション
6 時間からオーバーナイト
免疫検出
1.5時間
化学発光によるシグナルの検出
5 から30分間
テスト数
1 キットの内容は、以下のテスト数に適しています。
* 3μgまでのテンプレートDNAに対し、標準的な方法により12回ラベ
リング反応分
* 10 × 10 cm2 のメンブレン24ブロットの検出反応分
説 明
ハイブリダイ
ゼーション
反 応 時 間
品質管理
未標識のコントロールDNA(pBR328)をプロトコールに記載された方法で
ラベルし、50 ngの非特異DNAにより希釈された0.1 pgの特異DNAの
ドットブロットを、標準的な検出のプロトコールに従い、CSPD, readyto-useを用いてX-線フィルムに30分間露光することにより検出します。
キットの保存と安定性
未開封のキットは、―15∼―25℃にて、ラベルに印刷された期限まで安
定です。開封後は、下表に従って適切に保存してください。
キット内容物
保 存
Anti-Digoxigenin-AP Conjugate
(バイアル 4)
2 ∼ 8℃で安定
メモ:凍結させないでください。
CSPD, ready-to-use
(バイアル 5)
2∼8℃で遮光保存してください。
Blocking reagent
(ボトル6)
* 未開封では、15∼25℃で安定。
* 開封後は、分注後に―15∼―25℃または
2 ∼ 8℃で滅菌保存して 1ヶ月まで。
* 1 × 濃度に希釈した溶液は、常に新しく
調製することが必要。
DIG Easy Hyb Granules
* 15∼25℃で安定。
* 開封後の溶液は、滅菌保存して1ヶ月まで
安定。
DIG-High Prime Mixes
―15∼―25℃で12ヶ月安定。
凍結融解の反復は避けてください。
図 1:アルカリ感受性DIG-dUTP
感度と特異性
ヒト胎盤DNAをBgl IIまたはEco RIで消化した0.3μg試料のサザンブ
ロットから、シングルコピー遺伝子(組織プラスミノーゲンアクチベー
ター、tPA)が検出されます。
利 点
下表に、このキットを使用する利点と特長について説明します。
利 点
図 2:CSPDの反応
アプリケーション
DIGラベルされたDNAプローブは、以下のアプリケーションに使用さ
れます。
* 全てのタイプのフィルターハイブリダイゼーション
* トータルゲノムDNA中からのシングルコピー遺伝子の検出。
ヒト、オオムギ、コムギなど高等生物のアプリケーションにも使用可能。
試料となる物質
* 100 bp 以上のDNA断片
* 直鎖化されたプラスミド、コスミド、またはλDNA
* スーパーコイル化したDNA
38
特 長
正確かつ迅速
あらかじめ混合されているDIG-High Primeを使用すること
で、DNAプローブをラベルするために必要な操作時間が最小
限にとどめられ、収量や再現性が高まります。
感度が高い
ヒトのトータルDNA複合体や植物ゲノム中から、シングルコ
ピー遺伝子を検出することが可能です。
時間の節約
DIGラベルされたプローブは、最低 1 年間保存が可能です。
ハイブリダイゼーション溶液は、個々のハイブリダイゼー
ションでシグナルを発するのに要するラベルされたプローブ
量に依存しますが、3 ∼ 5 回の再使用が可能です。
3. 操作方法と必要な資材
条 件
詳 細
純 度
プラスミドDNAの精製には、High Pure Plasmid Isolation Kit
(Cat. No. 1 754 777)を使用してください。
その他の市販の精製用キットを使用する場合は、さらにフェノール/
クロロフォルム抽出によりタンパクの残渣を除去することをおすすめ
します。このステップは、テンプレートをラベリング前に制限酵素や
他の修飾酵素で処理した際にも必要となります。
サイズ
最適な結果を得るためには、テンプレートDNAが直鎖化され、100 bp
よりも大きいサイズにあることが必要です。5 kbを上回るサイズのテ
ンプレートDNAについては、ラベリングの前に4塩基対認識の制限酵
素で消化する必要があります。
量
下記の操作方法により、原理的には10 ng∼3μgのテンプレートの
ラベルが可能ですが、ブロットのサイズにより必要なプローブ量を
下表で確認してください。全ての量と反応組成を適宜スケールアップ
することで、本法をより多くの量のラベリングに使用することが可能
です。ゲノム中からシングルコピー遺伝子を検出する場合は、最少
300 ngのテンプレートDNA
(プローブ濃度: 25 ng/mlハイブリダイゼー
3.1 実験を始める前に
一般的な操作上のすすめ
下表は、DIGラベリングと検出のための一般的なヒントです。
条 件
ガイドライン
清潔な条件下で操作を行ってください。* DIGシステムの溶液をオートクレー
ブします。
* SDSを含む溶液をろ過滅菌します。
あらかじめ滅菌され
* Tween2) 20を、
た溶液に加えておきます。
清潔なインキュベーショントレーを
使用してください。
実験用トレーを徹底的に清潔に保ち、
使用する前によく洗います。
メンブレンを操作する際の必要事項
* パウダーフリーの手袋を着用します。
* 清潔なピンセットを用い、
メンブレ
ンを端のみで扱います。
ション溶液)
をラベルする必要があります。
アガロースゲルから抽出されたDNAのラベリング
ジェノミックサザンを行う場合は、テンプレートとなるインサートDNA
とベクターDNAをアガロースゲル電気泳動で分離する必要があります。
アガロースゲルからDNA断片を抽出した後、High Pure PCR Product
Purification Kit (Cat. No. 1 732 668)や Agarose Gel DNA Extraction Kit
(Cat. No. 1 696 505)でDNAをアガロースから分離してください。
3.2 フローチャート
セクション 3.3
DIG DNAラベリング
セクション 3.4
ラベリング効率の定量
セクション 3.5
DNAの固定
↓
↓
操作方法
この操作方法は、10 ng ∼ 3μgのDNA用にデザインされています。よ
り量の大きな(10μgまで)試料も、全ての組成と量をスケールアップさ
せてラベルすることが可能です。
↓
セクション 3.6
ハイブリダイゼーション
セクション 3.7
免疫検出
↓
ステップ
セクション 3.8
DNAプローブの剥離とリプロービング
1
1μgのテンプレートDNA(直鎖またはスーパーコイル)とオートクレー
ブされた再蒸留水とを、最終的な容量が16μlになるように、反応バイ
アルに加えます。
2
沸騰したウォーターバス中で10分間、DNAを熱変性させ、氷水の入っ
た容器内で急速に冷却させます。
メモ:効率のよいラベリングには、完全な変性が必要です。
3
* よく混和したDIG-High Prime(バイアル 1) 4μl を、ステップ 2 で
変性させたDNAに加え、混和し、手短に遠心します。
* 37℃で 1 時間からオーバーナイトでインキュベートします。
メモ:インキュベーション時間が長いほど(20時間まで)、ラベルされ
たDNAの収量は増加(下表を参照)。
4
0.2 M EDTAを2μl の加えるか、65℃で10分間加熱する、あるいは
両操作を行い、ラベリング反応を停止させます。
メモ:DIG-High Primeを用いて得られるDIGラベルされた断片の長さ
は、もともとのテンプレートの長さに依存して200∼1000 bp、あるい
はそれよりも長くなります。
↓
3.3 DIG DNAラベリング
はじめに
DIG-High Primeを使用して、DNAをジゴキシゲニン-11-dUTPでランダ
ムプライムドラベルします。DIG-High Primeは、5 × 濃縮されたラベ
リング用混合液で、ランダムヘキサマー、アルカリ感受性のジゴキシ
ゲニン-11-dUTPを含むdNTPミックス、ラベリンググレードのKlenow
酵素の混合液、および最適化された反応バッファーがこれに含まれま
す。
追加で必要となる設備と試薬
* ウォーターバス
* 氷水
下表は、キット内容物以外に追加で必要となる試薬の組成、保存およ
び使用目的を一覧にしたものです。
溶 液
組 成
保存と安定性
ラベリング反応の収量
表 1:この表は、
最適な条件下におけるDIG-HighPrimeの収量を表しています。
1 アッセイ当たり1μgのDNAを用いた標準的な反応では、1時間で約15%の
ヌクレオチドがおよそ0.8μgの新たに合成されたDIGラベルされたDNAに取
り込まれ、20時間後にはおよそ2μgに約38%のヌクレオチドが取り込まれま
す。
使用目的
水
オートクレーブした再蒸留水
15∼25℃で安定
DNAの希釈
EDTA
0.2 M エチレンジアミノテトラ
酢酸, pH 8.0
15∼25℃で安定
反応の停止
ラベリング
操 作
テンプレートDNA
テンプレートDNA
次表は、テンプレートDNA推奨条件を一覧にしたものです。
39
1 時間
20時間
10 ng
45 ng
600 ng
30 ng
130 ng
1050 ng
100 ng
270 ng
1500 ng
300 ng
450 ng
2000 ng
1000 ng
850 ng
2300 ng
3000 ng
1350 ng
2650 ng
キット中の溶液の調製
キット中の溶液の調製方法を下表に示します。
DIG-High Prime溶液を使用して、異なるテンプレートDNA量を増加させ
て、1 時間および20時間の反応を行いました。DIGラベルされたDNAの収
量は、ラジオアクティブなトレーサーの取り込みにより検定され、ドット
ブロットにより確認されました(10回のラベリングアッセイの平均)。
1
2
溶 液
図 3:異なるテンプレートDNA量について、DIG-High Primeを用いて、37℃下、
1 時間または20時間インキュベーション反応においてDIGラベルされたDNAの収量。
ブロッキ
ング溶液
10 × ブロッキングストック溶液
(バイアル 6)をマレイン酸バッフ
ァーで 1 : 10に希釈して、1 × 濃
度の溶液を調製します。
常に
用時調製
メンブレン上の
非特異結合部分
をブロック
抗体溶液
使用する前には必ず抗ジゴキシ
ゲニン-AP (バイアル4)をもとの
バイアルのまま10,000 rpmで 5
分間遠心し、液面から必要な量
を注意深くピペットで取り出し
ます。ブロッキング溶液中で、
抗ジゴキシゲニン-APを1 : 10,000
(75 mU/ ml)に希釈します。
2 ∼ 8℃
で12時間
DIGラベルされ
たプローブと結合
希釈系列
ラベルされたプローブとコントロールDNAとの希釈系列を、下表の記
載のように調製します。
はじめに
DIGラベルされたDNAの収量の決定は、ハイブリダイゼーションの結果
が最適かつ再現性を有するために最も重要です。ハイブリダイゼーショ
ン用混合液中のプローブ濃度が高すぎると、バックグラウンドの原因と
なりますが、濃度が低すぎるとシグナルを弱くしてしまいます。
チューブ
説 明
* DIGラベルされたDNAの希釈系列をポジティブチャージのナ
イロンメンブレン*の小片にアプライします。
* ナイロンメンブレンの一部分には、スタンダードとして既知の
希釈濃度のDIGラベルされたコントロールDNA(バイアル 2)を
あらかじめのせておきます。
* ナイロンメンブレンはAP標識抗ジゴキシゲニン(バイアル 4)
およびCSPD, ready-to-useを用いて免疫検出されます。
* イメージャーまたはX-線フィルムに露光させてシグナルの強度
を比較し、DIGラベルされたDNAの希釈系列およびコントロー
ルDNAの量を算出します。
洗浄用
バッファー
保存と
安定性
使用目的
0.1 Mマレイン酸, 0.15 M NaCl;
15∼25℃ 結合しなかった
pH 7.5 (20℃); 0.3%(v/v) Tween 20 で安定
抗体の除去
マレイン酸 0.1 Mマレイン酸, 0.15 M NaCl;
15∼25℃ ブロッキング
バッファー NaOH (固体)を用いてpH 7.5(20℃) で安定
溶液の希釈
に調整する。
検出用
バッファー
0.1 M Tris-HCl, 0.1 M NaCl,
pH 9.5 (20℃)
最終濃度
オリジナル
1 ng/μl
2
5
1
495
1 : 100
10 pg/μl
3
15
2
35
1 : 3.3
3 pg/μl
4
5
2
45
1 : 10
1 pg/μl
5
5
3
45
1 : 10
0.3 pg/μl
6
5
4
45
1 : 10
0.1 pg/μl
7
5
5
45
1 : 10
0.03 pg/μl
8
5
6
45
1 : 10
0.01 pg/μl
9
0
-
50
-
0
ステップ
組成や調製方法
DNA希釈用
希 釈
バッファー
(バイアル3) (μl)
操作方法
下表は、直接検出法について説明しています。
メモ:全てのステップにおいて、メンブレンを完全にカバーするのに
十分な量のバッファーを使用してください。
追加で必要となる溶液
追加で必要となる試薬の組成と調製方法について、下記に示します。
下記のバッファーは、DNaseおよびRNaseフリーのDIG Wash and
Block Buffer Set (Cat. No. 1 585 762)としても発売されています。
メモ:これらの溶液はチャプター 3.6 の検出操作でも使用します。
溶 液
DNA
使用した
(μl) チューブ番号
1
テストの原理
ラベルされたプローブの定量法として推奨されるのは、直接検出法です。
2
使用目的
メモ:表 1 に示される収量は、高度に精製されたテンプレートDNAを
用いた最良の条件下で得られたものです。
3.4 ラベリング効率の決定
1
保存と
安定性
プローブの定量
ラベルされたプローブとDIGラベルされたコントロールDNA(バイアル
2)とは、下記の希釈系列を開始させるために合成される核酸の収量予
測に応じて、1 ng/μl に希釈する必要があります。チャプター 3.3 の
表を用いて、プローブ中におけるDIGラベルされたDNAの収量を見積
もることが可能です。収量は、テンプレートの量とインキュベーショ
ン時間に依存します。
3
ラベリング反応当たりのテンプレートDNAの量
ステップ
組成や調整方法
15∼25℃ pHを9.5に調整
で安定
40
操 作
1
ラベルされたプローブのチューブ 2 ∼ 9 とラベルされたコントロール
DNAから、それぞれ 1 μl のスポットをナイロンメンブレンの小片
にアプライします。
2
UV光を用いたクロスリンクまたは120℃で30分間のベーキングによ
り、核酸をメンブレンに固定化させます。
3
* メンブレンを、20 ml のマレイン酸バッファーを満たしたプラス
チック製容器に移します。
* 振とうさせながら、15 ∼ 25℃下で 2 分間インキュベートします。
4
10 ml のブロッキング溶液中で、30分間インキュベートします。
5
10 ml の抗体溶液中で、30分間インキュベートします。
6
10 ml の洗浄用バッファー中で15分間
7
10 ml の検出用バッファー中で 2 ∼ 5 分間平衡化させます。
×
2 回洗浄します。
8
9
10
* DNAのブロット面を上に向けて、メンブレンをデベロップメント
のフォルダー(またはハイブリダイゼーションバッグ)内に置き、
0.1 ml のCSPD, ready-to-useをメンブレンに加えます(滴下ボト
ル 5 を使用する場合は、4 滴分)。
* 直ちにフォルダーのもう一方のシートをメンブレンにかぶせ、
シート間にある溶液の表面張力を利用して、基質を均一かつ気泡
が入らないように広げます。
* 15∼25℃で 5 分間インキュベートします。
余剰な溶液をしごき出し、デベロップメントフォルダーの隅を
シールします。
メモ:露光中にメンブレンが乾燥すると、濃いバックグラウンドの
原因となります。
次のような場合・・・
このように保存します。
引き続き実験に使用する
メンブレンを直ちにプレハイブリダイゼーションに
使用します。
しばらく期間をおいてか
ら実験に使用する
メンブレンを乾燥条件下で2∼8℃にて保存します。
3.6 ハイブリダイゼーション
追加で必要となる試薬と設備
* 氷水
* 振とう式のウォーターバス
* またはハイブリダイゼーション用オーブン
* 耐熱性のプラスチックまたはガラス製の箱、ペトリ皿、ローラーボ
トルまたは密封式プラスチック製バッグ
メモ:DIG Easy Hybを、ふたのない容器中で使用しないでください。
15∼25℃でイメージャーに5 ∼20分間または、X-線フィルムに15
∼25分間露光させます。
メモ:発光は少なくとも48時間持続します。シグナルは、検出反応
を開始させてから最初の数時間に増加し、プラトーに達します。プ
ラトーに達すると、シグナルの強度は24∼48時間ほぼコンスタント
に維持されます。したがって、必要とされるシグナル強度が得られ
るまで、何回でも露光を行うことが可能です。
DIG Easy Hyb溶液の調製
64 mlの滅菌蒸留水を注意深く 2 回に分けてDIG Easy Hyb Granules (ボ
トル 7)に加え、37℃で 5 分間攪拌して直ちに溶解させます。
結果の解析
ラベリング反応から得られたスポットとコントロールとを比較して、
DIGラベルされたDNAの量を計算します。0.1 pgに希釈したプローブ
とコントロールのスポットとが可視化されるなら、ラベルされたプ
ローブは予想されるラベリング効率に達しており(3. 3 の表 1 を参照)、
ハイブリダイゼーションで推奨される濃度で使用することが可能です。
ハイブリダイゼーションの温度
最適なハイブリダイゼーションの温度は、GC含量とプローブとター
ゲットの塩基配列との相補性パーセントにより、以下の数式によって
算出されます。
Tm = 49.82 + 0.41(% G + C)−(600/l) [ l = ハイブリッドの塩基対の長さ]
Topt = Tm −20∼25℃
(数式で与えられる数値は、50%フォルムアミドを含むハイブリダイ
ゼーション溶液の標準的な数式により計算されたものです。)
DIG Easy Hybを用いたハイブリダイゼーションにおける実際のハイブ
リダイゼーション温度Topt は、計算されるTmの値より20∼25℃低くな
ります。Topt は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション温度と考
えられ、プローブとターゲットとの間におけるミスマッチを18%まで許
容します。プローブとテンプレートとの相補性の度合いが80%未満であ
る場合、適宜Topt を低くするか( 1 % のミスマッチ当たり、およそTmを
1.4℃下げる)、またストリンジェンシー洗浄のステップをこれに合わ
せる必要があります(SSC濃度を上げ、洗浄温度を下げるなど)。
3.5 DNAのトランスファーと固定
トランスファーの方法とメンブレン
ゲル電気泳動、ゲルの変性および中和の標準的なプロトコールについ
ては、Sambrookら(6)による記述があります。エチジウムが不均一な
バックグラウンドを生じることがあるため、ゲルにはエチジウムブロ
マイドが含まれないことが望まれます。共通するタイプの全てのDNA
トランスファー法は、これに続くDNAハイブリダイゼーションに適し
ています(7, 8)。
経験上、ゲルを20 × SSCを用いたポジティブチャージのナイロンメン
ブレン*上にキャピラリートランスファーするブロット方法が、最良の
結果をもたらします。
メモ:アルカリトランスファー(0.4 M NaOH中などで行う)は、DIGラ
ベルされた分子量マーカー*のトランスファーには適していません。
方 法
下表を参照ください。
ステップ
固定の方法
下表のいずれかの方法で、メンブレンにDNAを固定させます。
操 作
1
* 適量のDIG Easy Hyb (メンブレンフィルター100 cm2当たり10 ml)
をハイブリダイゼーション温度(37℃または42℃)まであらかじめ
加温します。
* メンブレンフィルターを適切な容器の中で穏やかに振とうさせな
がら30分間プレハイブリダイゼーションします。
メモ:同一のプレハイブリダイゼーション溶液中で複数のメンブ
レンフィルターを使用する際は、それぞれのフィルターが容器内
を自在に動くように特に注意してください。
次の方法で固定する場合・・・
このような操作が必要です。
UVクロスリンク
(ナイロンメンブレン)
* メンブレンを10 × SSCに浸漬させたWhatmann
3 MM紙の上に乗せます。
* 前洗浄なしにウェットなメンブレンをUVク
ロスリンクします。
* UVクロスリンクの後、メンブレンを蒸留水
で手短に洗い、風乾させます。
2
120℃でベーキング
(ナイロンメンブレン)
* メンブレンを 2 × SSC中で手短に洗います。
* ナイロンメンブレンを120℃で30分間または
メンブレン製造元の指示に従い、ベークを
行います。
DIGラベルされたDNAプローブ(約25 ng/ml DIG Easy Hyb)を 5 分間
煮沸させた後、急速に氷水中で冷却させて、変性させます。
メモ:DIG-11-dUTPはアルカリ感受性であるため、プローブをア
ルカリ処理(NaOH)により変性させることはできません。
3
80℃でベーキング
(ナイロンメンブレン)
* メンブレンを 2 × SSC中で手短に洗います。
* ナイロンメンブレンを80℃で 2 時間、吸引し
ながらベークします。
変性後のDIGラベルされたDNAプローブを、あらかじめ加熱した
DIG Easy Hyb (メンブレンフィルター100 cm2当たり3.5 ml)に加え、
泡立てないように注意しながらよく混和させます。(泡は、バック
グラウンドの原因となることがあります)
4
プレハイブリダイゼーション溶液を捨て、プローブとハイブリダイ
ゼーション溶液との混合液をメンブレンフィルターに加えます。
ハイブリダイゼーション温度で、4 時間からオーバーナイトにて穏や
かに振とうさせながらインキュベーションします。
メンブレンの保存
次表を参照ください。
41
ハイブリダイゼーション溶液の保存
DIGラベルされたプローブを含むDIG Easy Hybは、−15∼−25℃で保
存可能で、使用前に新たに68℃で10分間変性させることにより、何回
か再使用することが可能です。
メモ:DIG Easy Hybを沸騰させてはいけません。
ステップ
ストリンジェンシー洗浄
大部分のDNA:DNAのアプリケーションにおいて、ストリンジェン
シー洗浄には0.5 × SSCが適切です。ハイブリダイゼーション後の洗浄
条件の修正については、個々のプローブに対して経験的に検討するこ
とが必要です。
* ヒトゲノムDNAでは、0.5 × SSCを用いて65℃で行います。
* >150 bpのプローブで、GC含有量が高いものは、68℃で洗浄する必
要があります。
* 100 bpまたはこれよりも短いプローブでは、洗浄温度を下げる必要
があります。
下表で、ハイブリダイゼーション後の洗浄方法について説明します。
ステップ
操 作
1
十分量の 2 × SSC, 0.1% SDS中で、15∼25℃下、5 分間 × 2 回、
一定に振とうさせながら洗浄を行います。
2
0.5 × SSC, 0.1% SDS (洗浄用の温度まであらかじめ加温)中で、
65∼68℃下、15分間 × 2 回、一定に振とうさせながら洗浄を行います。
1
ハイブリダイゼーションとストリンジェンシー洗浄の後、メンブ
レンを手短( 1 ∼ 5 分間)に洗浄用バッファー中で洗います。
2
100 mlブロッキング溶液中で、30分間インキュベートします。
3
20 ml抗体溶液中で、30分間インキュベートします。
4
100 ml洗浄用バッファー中で、2
5
20 ml検出用バッファー中で、2 ∼ 5 分間平衡化させます。
6
DNAのブロット面を上に向けて、メンブレンをデベロップメント
フォルダー(またはハイブリダイゼーションバッグ) 内に置き、1 mlの
CSPD, ready-to-use (ボトル 5)をメンブレンに加えます。
直ちにフォルダーのもう一方のシートをメンブレンにかぶせ、シー
ト間にある溶液の表面張力を利用して、基質を均一かつ気泡が入
らないように広げます。15∼25℃で 5 分間インキュベートします。
7
余剰な溶液をしごき出し、デベロップメントフォルダーの隅を
シールします。
メモ:露光中にメンブレンが乾燥すると、濃いバックグラウンド
の原因となります。
8
メンブレンをそのまま37℃で10分間インキュベートし、発光反応
を増強させます。
9
15∼25℃でイメージャーに 5 ∼20分間、または X - 線フィルムに
15∼25分間露光させます。
メモ:発光は少なくとも48時間持続します。シグナルは、検出反
応を開始させてから最初の数時間に増加し、プラトーに達します。
プラトーに達すると、シグナルの強度は24∼48時間ほぼコンスタ
ントに維持されます。したがって、必要とされるシグナル強度が
追加で必要となる試薬と設備
追加で必要となる試薬の組成と調製方法について、下記に示します。
下記のバッファーは、DNaseおよびRNaseフリーのDIG Wash and
Block Buffer Set (Cat. No. 1 585 762)としても発売されています。
洗浄用
バッファー
組成や調製方法
保存と
安定性
一般的なことがら
アルカリ感受性の性状のDIG-11-dUTPはリハイブリダイゼーション実
験のためのブロットの剥離を、簡便かつより効果的に行うことを可能
にします。
使用目的
15∼25℃ ブロッキング
で安定
溶液の希釈
追加で必要となる試薬
* 大きめのビーカー
* ウォーターバス
* 10 × SSC
* 10% SDS
* 0.2 M NaOH
0.1 M Tris-HCl, 0.1 M NaCl, pH 9.5 15∼25℃ AP用バッファー
(20℃)
で安定
キット中の溶液の調製
キット中の溶液の調製方法を下表に示します。
溶 液
組成や調整方法
ブロッキ
ング溶液
10 × ブロッキングストック溶液
(バイアル 6)をマレイン酸バッファー
に1 : 10希釈して、1 × 濃度の溶液を
調製します。
抗体溶液
15分間洗浄します。
3.8 DNAブロットの剥離とリプロービング
0.1 Mマレイン酸, 0.15 M NaCl;
15∼25℃ メンブレンの
pH 7.5 (20℃); 0.3%(v/v) Tween 20 で安定
洗浄
マレイン酸 0.1 Mマレイン酸, 0.15 M NaCl;
バッファー NaOH(固体)を用いてpH 7.5(20℃)
に調整する。
検出用
バッファー
×
得られるまで、何回でも露光を行うことが可能です。
3.7 免疫検出
溶 液
操 作
保存と
安定性
プロトコール
メンブレンからのDNAプローブの剥離について、以下に記します。
メモ: "DIG アプリケーションマニュアル for Filter Hybridization"に
記載されるプロトコールも参照ください。
使用目的
常に
メンブレン上の
用時調製 非特異結合部分
をブロック
ステップ
使用する前毎に抗ジゴキシゲニン- 2 ∼ 8℃ DIGラベルされた
AP(バイアル4)をもとのバイアルの で12時間 プローブと結合
まま10,000 rpmで 5 分間遠心し、
液面から必要な量を注意深くピペッ
トで取り出します。ブロッキング溶
液中で、抗ジゴキシゲニン-APを1 :
10,000 (75 mU/ ml)に希釈します。
操 作
1
メンブレンを再蒸留水中でよく洗います。
2
メンブレンを 0.2 M NaOH, 0.1% SDS (w/v)中で37℃下、15分 ×
2 回洗浄し、DIGラベルされたプローブを取り除きます。
3
2 × SSC中で 5 分間、よく洗います。
4
プレハイブリダイゼーションの後、第 2 のプローブを用いてハイ
ブリダイゼーションを行います。
プローブを剥離した後のメンブレンの保存
プローブを剥離したメンブレンは、マレイン酸バッファーまたは 2 ×
SSC中で次回使用するまで保存することが可能です。
操作方法
下表は、100 cm2メンブレンフィルターを対象とした免疫検出の操作方
法について説明したものです。
メモ:全てのインキュベーションは、15∼25℃下で振とうさせながら
行ってください。メンブレンをリプロービングさせる場合は、どのス
テップにおいてもメンブレンを乾燥させないように注意してください。
42
4. 付録
バックグラウ ラベリングが十分で
ンドが高い ない
4.1 トラブルシューティング
トラブルシューティング表
下表では、DIGラベリングと検出のためのトラブルシューティングの
様々なパラメーターについて記載しています。
問 題
問題となりうる理由
感度が低い プローブのラベリング
が十分でない
このプロトコールは、ポジティブチャー
ジのナイロン製メンブレンに適するよう
に作られていますが、チャージが非常に
強いメンブレンでは、バックグラウンド
を生じることがあります。メンブレンに
よっては、ロット間差が問題となること
もあります。これらの問題を回避するた
め、機能試験を通過したナイロンメンブ
レン* を使用してください。
ラベルされたプローブ
の濃度が高い
重要:DIGラベルされたDNAの濃度を
下げることが必要になります。プローブ
の濃度を上げながら、
ブロットなしのメン
ブレンにハイブリダイゼーションさせる
ことで、プローブの臨界 (バックグラウン
ドが形成されるぎりぎりの) 濃度を決定す
ることが可能です。
実験の全過程を通して、メンブレンを乾
燥させないよう、注意が必要です。
解決方法のすすめ
ハイブリダイゼーショ
ンが十分でない
ハイブリダイゼーション溶液中において、
DIGラベルされたDNAプローブの濃度を
上げてください。
抗体の濃度が低い
抗DIG-AP標識抗体の濃度を上げてくださ
い。
抗体の濃度が高すぎる 抗DIG-AP標識抗体の濃度を下げてくださ
い。洗浄溶液とブロッキング溶液の容量
を増やしてください。
抗DIG-AP標識抗体の沈殿により、斑点状
のバックグラウンドが生じることがあり
ます。抗体の元のバイアルを手短に遠心
することで、沈殿を取り除くことができ
ます。
露光前のインキュベー X - 線フィルムへの露光前のインキュベー
ション
ション時間を、30分間から最大12時間
まで長くしてください。
露光時間が短い
メンブレンのタイプが
適切でない
ラベル済みのコントロールと比較するこ
とにより、DNAプローブのDIGラベルの
効率を確認してください。
メンブレンのタイプが ドットおよびサザンブロットの支持体と
適切でない
して使用されるメンブレンの品質は、検
出の感度と速度に影響します。
Roche Diagnosticsのポジティブチャー
ジのナイロン製メンブレンをお勧めし
ます。Biodyne A (Pall社)などその他の
タイプのメンブレンも適してはいますが、
X - 線フィルムでの露光時間が長くかかり
ます。また、強いバックグラウンドを生
じるメンブレンもあります。ニトロセル
ロース製のメンブレンを上記のプロト
コールに使用することはできません。
ラベリングを行う前に、DNAやRNAを
フェノール/クロロフォルム抽出やエタ
ノール沈殿により精製してください。
プローブには、非特異にハイブリするベ
クターのシーケンスを含まないことを確
認してください。
露光前のインキュベー 露光前のインキュベーションを短くして
ション
ください。
X-線フィルムまたはポラロイドフィルム
への露光時間を長くしてください。
フィルムのタイプも感度に影響します。
43
4.2 リファレンス
単品試薬
製 品 名
1. Kessler, C. et al. (1990) Biol. Chem. Hoppe-Seyler 371: 917.
..
2. Holtke, H. J. et al. (1990) Biol. Chem. Hoppe-Seyler 371: 929.
..
3. Holtke, H. J. et al. (1995) The Digoxigenin (DIG) System for nonradioactive labeling and detection of nucleic acids - an overview. Cell.
Mol. Biol. 41: 883.
4. Bronstein, I. et al. (1991) in: Bioluminescence and Chemilumines
cence, Current Status (Stanley, P. & Kricka, L. J., eds), pp 73-82.
5. Schaap, A. P. et al. (1989) Clin. Chem. 35: 1863.
6. Sambrook, J., Fritsch, E. M. and Maniatis, T. (1989) Molecular
Cloning: alaboratory manual, 2nd edition, Cold Spring Harbor Labo
ratory, Cold Spring Harbor, New York.
7. Southern, E. M. (1975) Detection of specific sequences among DNA
fragments separated by gel electrophoresis. J Mol. Biol. 98: 503.
8. Khandijan, E. W. (1987) Optimized hybridization of DNA blotted and
fixed to
nitrocellulose and nylon membranes. Bio/ Technology
5: 165.
9. Kruchen, B., Rueger, B (2003) The DIG System - Nonradioactive and
Highly Sensitive Detection of Nucleic Acids Biochemica 3, 13-15.
10.Takada, Y. et. al. (2004) Molecular cloning and characterization of a
novel glutathione S-transferase gene induced by light stimulation in
the protozoan Blepharisma japonicum. FEMS Microbiology Letters
包装単位
Cat. No.
Agarase
100ユニット
500ユニット
1 417 215
1 417 223
DIG-High Prime
160μl
(40標識反応)
1 585 606
50 g
1 096 176
Blocking Reagent
Glycogen, MB grade
20 mg (1 ml)
901 393
DIG Control Teststrips
25ストリップ
1 669 966
500 ml
1 603 558
1セット (6 × 100 ml)
1 796 895
50ストリップ
1 669 958
5μg
5μg
5μg
5μg
5μg
1
1
1
1
1
DIG Easy Hyb (ready-to-use hybridization
solution without formamide)
DIG Easy Hyb Granules
DIG Quantification Test Strips
DIG Molecular Weight Marker,
Digoxigenin-labeled:
DNA Molecular Weight Marker
DNA Molecular Weight Marker
DNA Molecular Weight Marker
DNA Molecular Weight Marker
DNA Molecular Weight Marker
II
V
VI
VII
VIII
DIG Wash and Block Buffer Set
231(2): 185-189.
11.Kojima, T. at. al. (2004) Expression profiles of polyhydroxyalkanoate
synthesis-related genes in Paracoccus denitrificans. Journal of Bio
science and Bioengineering, 97(1): 45-53.
キット
製 品 名
包装単位
Cat. No.
1 kit (12回標識)
24回検出用
1 745 832
DNA Isolation Kit for Cells and Tissue
(50から150 kbの範囲のサイズの細胞お
よび組織由来ゲノムDNAの抽出用)
10抽出用
(400 mg組織
または
5 ×107 細胞中から)
1 814 770
DNA Isolation Kit for Mammalian Blood
(インタクトな哺乳類全血または白血球
試料からのゲノムDNAの分離用)
25回精製用
1 667 327
High Pure PCR Product Purification Kit
(PCR反応産物の精製用)
50回精製用
250回精製用
1 732 668
1 732 676
High Pure PCR Template Purification Kit
(PCRのためのゲノムDNAの分離用)
100回精製用
1 796 828
High Pure Plasmid Isolation Kit
(シーケンス、PCRおよびクローニング
のための小規模ミニプレップ用)
50回精製用
250回精製用
1 754 777
1 754 785
High Pure Viral Nucleic Acid Kit
(PCR/ RT-PCRのためのウィルスDNA/
RNAの分離用)
100回精製用
1 858 874
100回精製まで
1 696 513
DIG-High Prime DNA Labeling and Detection Starter Kit I
PCR Clean Up Kit
(PCR後のDNA断片の精製用)
590
931
611
940
451
1 585 762
50バッグ
1 666 649
100枚
(20.3 × 25.4 cm)
100枚
(18 × 24 cm)
1 666 657
Nylon Membrane, positively charged
(20 × 30 cm)
(10 × 15 cm)
(0.3 × 3 m ロール)
4.3 関連製品
218
669
218
669
449
30ブロット用
(10 × 10 cm2)
Hybridization bags
Lumi-Film Chemiluminescent Detection Film
(500μl)
(500μl)
(500μl)
(500μl)
(500μl)
10枚
20枚
1ロール
1 666 916
1 209 272
1 209 299
1 417 240
*Roche Diagnosticsから発売されています。
この製品および使用に関して、Rocheグループの 1 つまたは複数の特許
により保護されていることがあります。これらには以下が含まれます。
EP特許 0 324 474
US特許 5.344.747、5.702.888
44
PCR DIG Probe Synthesis Kit
ポリメラーゼチェーンリアクション(PCR)によりDIG-dUTP(アルカリ感受性)を用いてラベルされた高感度プローブの合成
Cat. No. 1 636 090
ポリメラーゼチェーンリアクション (50μl) 25回分 −15∼−25℃保存
Version, 2004年10月
1. キット構成
2. 製品概要
注意
バイアル 2(PCR DIG Probe Synthesis Mix)
本キットの構成品であるこのミックスは、DIG-dUTPを含むヌクレオ
チドのミックスチャーです。D I G - d U T P 濃度は、類似した製品名の
「PCR DIG Labeling Mix
(Cat. No. 1 585 550)」とは異なります。このヌ
クレオチドミックスは代用出来ません。バイアル2(PCR DIG Probe
Synthesis Mix)は、DIGを最大限取り込み、最大限のプローブ感度を
得るために、より高い濃度のDIG-dUTPを含みます。バイアル 2 だけ
が、PCR DIG Probe Synthesis Kitに使用出来ます。
ボトルまたは
ラベルの表示
内容(機能を含む)
バイアルの番号
1
2
3
4
5
6
Cat. No.
(別売される場合)
Enzyme mix, Expand ・30μl enzyme mix (105 U)
High Fidelity
・3.5 U/μl
・保存バッファー; 20 mMTrisHCl, pH 7.5 (25℃), 100 mM
KCl, 1 mM dithiothreitol (DD
T), 0.1 mM EDTA, 0.5%
Tween 20 (v/v)*,0.5% Nonidet P40 (v/v)*, 50% glycerol
(v/v).
・P C R 産物の標識用酵素ミッ
クス
PCR DIG probe
synthesis mix,
10 × conc
PCR buffer with
(MgCl2, 10 × conc
本キットに含まれるExpand 1) High Fidelity酵素ミックス(Cat. No.
1 7 3 2 6 4 1 )は、最大の収量と最高の正確性を保証します。さらに、
dNTPストック溶液は標識ヌクレオチド濃度の調整のために添付され
ています。ヒトシングルコピー遺伝子のcDNAを含むプラスミドと、
対応プライマーはPCR標識反応の効率検定のために供給されます。
1 732 641
合成原理
P C R 産物は、少量のプラスミドやゲノムD N A から直接増幅と標識が
行われ、精製不要でハイブリダイゼーションプローブとして使用出
来ます。
基本操作
・125μl
・dATP, dCTP, dGTP(各2 m
M); 1.3 mM dTTP; 0.7 mM
DIG-11-dUTP, アルカリ感
受性 ; pH 7.0.
・P C R 産物の標識用ヌクレオ
チドミックス
ステップ
P C Rラベリング
・125μl
・dATP, dCTP, dGTP, dTTP
(各2 mM),pH 7.0.
・P C R 標識反応の希釈用溶液
Control template
・50μl
・1 ng プラスミド DNA [20 pg/
μl] Tris/EDTA buffer; pH 8.0.
・ヒト組織プラスミノーゲン
アクチベータ(tPA)のcDNA
を含む5 kbのプラスミドDNA
・コントロール反応用テンプ
レート
説 明
PCR標識技術によりDIG標識DNAプローブ合成し
ます。
ハイブリダイゼーション DIG標識プローブは、基本操作に基いてメンブレ
ンにブロットしたヌクレオチドへのハイブリダイ
ゼーションに使用します。
・1ml
・Expand High Fidelity buffer
10 × 濃縮
(15 mM MgCl2含む)
・P C R 標識反応用バッファー
dNTP stock
solution, 10 × conc.
Control PCR primer
mix
製品説明
PCR DIG Probe Synthesis Kitは、PCRにおいてDNA断片のジゴキシゲ
ニン(D I G )標識に必要な試薬を全て含んでいます(1 、2 )。P C R は特
異的で効率的なハイブリダイゼーション用標識プローブの合成に最
適な反応です。このキットは、P C R 産物へのD I G 標識ヌクレオチド
取り込みによる高感度プローブの合成が可能です。PCR DIGミック
スのヌクレオチド濃度は、D I G 標識P C R プローブでハイブリダイ
ゼーションさせた後のゲノムブロット中のシングルコピー遺伝子の
検出を確実にします。
免疫検出
1 581 295
ハイブリダイゼーションはAP標識抗DIG-Fabフラグ
メントで免疫検出され、化学発光基質(CDP-Star
もしくはCSPD)
か、もしくはNBT/BCIPなどを用い
た発色検出により可視化されます。
アプリケーション
本キットは、特にロー(シングル)コピーターゲット配列の検出に最
適な高感度ハイブリダイゼーションプローブの合成のためにデザイ
ンされています。本キットで合成したプローブはアルカリ感受性で
すので、リハイブリダイゼーション前のブロット(ゲノムなど)から
容易にストリッピング出来ます。
ラベリング効率
最適な反応条件は、テンプレートD N A とプライマーに依存します。
新規のテンプレートやプライマーで最適な結果を得るためには、テン
プレートD N A やプライマーだけでなく、特にインキュベーション時
間、温度、Mg2+ 濃度と酵素濃度を最適化しなければなりません
(3)。
・25μl
・[50pmol]
・コントロールPCRプライマー
1、2(各2 mM)
・コントロール反応用プライ
マー
サンプル材料
標識する配列を含む精製したDNA
・プラスミドDNA:10∼100 pg
(最適量:10 pg)
・ゲノムDNA:1∼50 ng
(最適量:10 ng)
メモ:他のラベリング方法に比べ、テンプレートの精製度は重要では
ありません。
45
テスト数
1キットは25回PCR分です。
3. 操作と必要なもの
3.1 始める前に
品質管理
PCR DIG Probe Synthesis KitはPCRで検定されています。増幅産物
は、ゲノムサザンブロットにより検定されています。記載されている
PCR条件で、コントロール反応により442 bp増幅産物が合成されます。
増幅過程でPCR産物に複数のDIG-dUTPが取り込まれるため、未標識
PCR産物に比べ、標識PCR産物は分子量が増加します。5μgのヒトゲ
ノムD N A へP C R 産物をハイブリダイゼーションした後、化学発光検
出を行うと、特異的断片パターンが検出されます。
PCR標識のヒント
下表を参照ください。
保存と安定性
未開封のキットは−15∼−25℃でラベルに記載の有効期限まで安定で
す。出荷条件はドライアイスです。
P C Rパラメーター
各テンプレートとプライマーセット毎のP C R 増幅パラ
メーター
(サイクル条件、テンプレート濃度、プライマー
配列、プライマー濃度)は、DIG取り込み反応前に決定
します。
DIG-dUTP濃度
標識するプローブの鎖長によって、DIG-dUTP濃度を
調節しなければなりません。
・1 kb以下の場合
1:3 = DIG-dUTP:dTTP
(スタンダードラベリングミックス)
・1 kb以上の場合
1:6 = DIG-dUTP:dTTP
PCR DIG Probe Synthesis Mix(バイアル2)とdNTP
ストック溶液
(バイアル 4)
を等量づつ混ぜ合わせます。
・3 kb以上の場合
1:6 = DIG-dUTP:dTTP
さらに、Expand HiFi Enzyme MixをExpand Long
Template Enzyme
(Cat. No. 1 681 834)に置き換えて
ください。
感 度
PCR DIG Probe Synthesis Kitのヌクレオチド濃度は、DIG標識PCR産
物のハイブリダイゼーション後の、ゲノムブロット中のシングルコ
ピー遺伝子の同定が可能です。一般的に、5 μg のゲノムD N A 中でヒ
トシングルコピー遺伝子が検出できます。
利 点
利 点
メモ:必要ならば、1:10 = DIG-dUTP:dTTPまで
希釈することが出来ます。
特 徴
少量のテンプレートDNA
PCR産物にDIG-dUTPが取り込まれるため、高感
でプローブ合成が可能です。 度なプローブが合成されます。
未標識ポジティブコントロール
反応ミックスにDIG-dUTPを含まない場合の実験サンプルに相当しま
す。
メモ:すべての実験でこのコントロール反応を行って下さい。この
コントロール実験は標識効率を評価するために必要です。
他の標識方法と比べ、テン P C R 以外の標識方法(ランダムプライム法など)
プレートDNA精製度は重要 は、テンプレートDNAに高精製度を必要としま
ではありません。
す。P C R標識法に適したテンプレートは一部精
製されたプラスミドを含みます
(細胞のボイルな
どの簡単な抽出方法によるDNA抽出)。
他の標識方法と比べ、標識 ・テンプレートとして効率的なG C リッチ領域が
反応の最適化はほとんど必 使えます。
+
要ありません。
・多くのテンプレートで、Mg2 濃度の最適化は
必要ありません。多くの標識反応はスタンダー
+
ドなMg2 濃度 1.5 mMで反応します。
大量のDIG標識プローブが
得られます。
標識プローブは高収量です。
dNTPストック溶液が添付
されています。
特殊な配列や、長い断片
(1 kb以上)は、高濃度な
DIG-dUTPでは増幅し辛くなります。効率的に収
量が得られない場合は、dNTPストック溶液で
DIG-dUTPミックスチャーを希釈してください。
操作説明とトラブルシューティングをご参照くだ
さい。
標識ポジティブコントロール
実験用テンプレートとプライマーの代わりに、組織プラスミノーゲ
ンアクチベーター(tPA)テンプレートとプライマー(キットに同梱)を
用います。ヒトtPA配列の標識プローブが合成されます。
コントロールPCRで合成されたtPAプローブは、Eco RIを用いたヒト
DNAの制限酵素断片長多型(RFLP)で確認します。様々な断片パター
ンの検出結果は、使用するヒトD N A に依存します。次のヒトシング
ルコピーtPA遺伝子の断片パターンが検出されます。
・2.9 kb + 1.7 kb
・2.5 kb + 1.7 kb
・2.9 kb + 2.5 kb + 1.7 kb
メモ:標識キット使用経験があれば、このコントロール反応を除く
ことも出来ます。
標識効率検定が簡単です。 ゲル電気泳動により短時間で検定できます。
標識P C R産物の精製が必要 P C R 合成プローブは高精製度です。直接、ハイ
ありません。
ブリダイゼーション反応に使用出来ます。
3.2 PCR反応
アルカリ感受性DIG-dUTP (ゲノム)
ブロットのリハイブリダイゼーション時
が添付されています。
は、アルカリ条件だけでDIG分子をストリッピン
グ出来ます。
追加で必要となる試薬と設備
・PCR反応に必要なすべての設備
・滅菌再蒸留水
・ミネラルオイル(PCR装置に依存します。)
・プライマー
・1∼10μM(上流プライマー)
・1∼10μM(下流プライマー)
・テンプレートDNA
46
操 作
サイクル条件は、テンプレートとプライマー、サーマルサイクラー
に依存します。下記の条件は、個々の実験に最適でない可能性があ
りますが、最初の実験の指標としてください。
ステップ
1
操 作
氷上でマイクロ遠心チューブに、下記の組成を加えてください。
試 薬
DIG標識
プローブ
未標識DNA 標識キット
コントロール コントロール
最終濃度
滅菌再蒸留水
可変
可変
29.25μl
-
P C R バッファー
(MgCl2 含)
10 ×
(バイアル 3)
5μl
5μl
5μl
1×
PCR DIGラベ
リングミックス
(バイアル 2)
5μl
-
5μl
1×
dNTPストック
溶液
(バイアル4)
-
5μl
可変
可変
酵素ミックス
0.75μl
0.75μl
0.75μl
テンプレート
DNA
可変
可変
5μl
(バイアル 5)
トータル
50μl
50μl
50μl
上流・下流
プライマー
3.3 DNAの電気泳動とトランスファー、固定
-
はじめに
基本的なゲル電気泳動と変性、ゲルの平衡化のプロトコールは、
Sambrook et al.(6)で記述されています。エチジウムはバックグラウ
ンドの原因となることがありますので、エチジウムを含まないゲル
を使用します。D I G ハイブリダイゼーションには、全てのタイプの
DNAトランスファー法が適します(7、8)。
我々の実験では、20 × SSC、ポジティブチャージナイロンメンブレ
ン*(Cat. No. 1 209 272)を用いたキャピラリートランスファーにおい
て、最良の結果が得られました。
200μM
dNTP
5μl
各0.1〜1μM
(バイアル 6)
2.6 U
メモ:アルカリトランスファー(0.4 M NaOH)はDIG標識分子量マー
カー*のトランスファーには適しません。
2
試薬を混合し、サンプルをチューブの底に集めるために手短に遠心し
ます。
3
PCR中に反応ミックスが蒸発しないように、100μlのミネラルオイル
を重層します。
メモ:使用するサーマルサイクラーにトップヒーターがついている場
合、このステップは必要ありません。
4
・未標識コントロールプローブは予想されるサイズにならなければ
なりません。
・標識プローブと未標識コントロールは、ゲル上で明確に検出しな
ければなりません。
・標識プローブは未標識コントロールより遅く、ゲル上を移動しな
ければなりません(DIG分子が存在するため)。
・標識DNAのEtBr染色は、未標識DNAより弱くなるかもしれません。
メモ:高濃度のDIGラベリングミックスチャーを使用した場合、未
標識プローブと比べて少量しか合成されない可能性があります。こ
れは、DIGハプテンの存在が、ポリメラーゼ反応を遅らせているか
らです。
概 要
ステージ
サンプルをサーマルサイクラーにセットし、P C R をスタートします。
サイクル数
温 度
時 間
初期変性
95℃
2分
1〜10
変性
アニーリング
エロンゲーション
95℃
60℃
72℃
30秒
30秒
40秒
11〜30
変性
アニーリング
エロンゲーション
95℃
60℃
72℃
30秒
30秒
40秒とサイクル
毎に20秒づつ
追加します。
1
反 応
5
最終エロンゲー
ション
72℃
1
ホールド
4℃
ハイブリダイゼーションに使用するまで 2〜8℃で保存します。
−15〜−25℃で、少なくとも1年以上保存出来ます。
ゲル中のDNAの変性と平衡化
3
メンブレン上のDNAの固定
ゲノムDNA
1〜5μg/レーン
プラスミドDNA
<1ng/レーン
・DNAバンドを分離するようにゲル電気泳動します。
・ターゲットDNAを確認するために、0.25∼0.50μg/mlのエチジウ
ムブロマイド
(EtBr)
でゲルを染色します。その後、水で洗います。
・UV光でゲルを検定します。
P C R 標識プローブを保存します。
長期間
2
DIG標識分子量マーカー*
2〜5μl/レーン
メモ:予想されるハイブリダイゼーション産物のサイズに
依存して選択します。目的とするハイブリッドと同じサイ
ズのバンドについて、明確なバンドを表すのに十分量ロー
ドしていることを確認してください。
7分
短期間
ゲル電気泳動
電気泳動
下記の条件を推奨します。
・出来る限り薄い電気泳動ゲルを使用して下さい。
・少量のターゲットDNAサンプルをロードして下さい。
メモ:エロンゲーション時間の延長は、長い(3 kb
以上)増幅断片のみに必要とされます。短い断片の
場合は、40秒のエロンゲーションを30サイクル続
けてください。
1
説 明
1
固定方法
トランスファーの後、ブロットが濡れている内に、下記のいずれか
の方法でDNAをブロットに固定します。
標識プローブの分析
最良の反応確認方法は、それぞれの反応溶液の一部
(5μl)
をアガロース
ミニゲルで電気泳動し、エチジウムブロマイド
(E t B r )
で染色すること
です。
・tPAコントロールプローブは500∼550 bpのサイズです。
メモ:実際のアンプリコンサイズは442 bpです。DNAにDIGが標識
されていることにより、未標識D N A よりゲル中をゆっくりと移動
します。ゲルのアガロース濃度は、本来の分子量から乖離する移
動度の範囲を決定します。
固定方法
詳 細
UVクロスリンク
・2 × SSCで湿らせたWhatman 3MMろ紙の上
(ナイロンメンブレンの場合) にメンブレンを置きます。
・初期洗浄をせずに、湿ったメンブレンをUV
クロスリンクします。
・UVクロスリンクの後、滅菌再蒸留水で手短
に洗浄し、、風乾させます。
120℃でベーキング
・2 × SSCで手短に洗浄します。
(ナイロンメンブレンの場合) ・使用する機器の説明書に従って、120℃で
30分間ベークします。
47
メンブレンの保存
下表を参照してください。
次にする事
すぐに次の操作を行う
追加で必要となる試薬
・0.2 N NaOH, 0.1% SDS (w/v)
・2 × SSC
詳 細
そのままプレハイブリダイゼーション
を行います。
操作方法
次表を参照してください。
メモ:ストリッピングとリハイブリダイゼーションを行う場合、常に
メンブレンを乾燥させないようにしてください。
しばらく保存してから次の操作を行う メンブレンを乾燥させて2〜8℃で
保存します。
ステージ
3.4 DIG標識プローブのハイブリダイゼーション
ハイブリダイゼーション
サザンブロットにおけるヒトゲノムDNAを検出するためのDIG標識プ
ローブの使用方法は、ドットブロットの検出に使用出来ます。
最良の結果を得るために、次の製品をお勧めします。
・DIG Easy Hyb buffer*
(Cat. No. 1 603 558)
・Hybridization Bags*
(Cat. No. 1 666 649)
ハイブリダイゼーション操作方法の詳細は、DIG Easy Hyb buffer製品
説明書をご覧下さい。
ブロットのプレハイブリダイゼーション
2
DIG標識プローブのハイブリダイゼーション
3
ストリンジェンシー洗浄
2
振盪しながら、0.2 N NaOH, 0.1% SDS (w/v)で2 × 15分間洗
浄します。
3
2 × SSCで平衡化させます。
4
次に使用するプローブでプレハイブリダイゼーションとハイ
ブリダイゼーションを行います。
4.1 トラブルシューティング
下表はD I G 標識と検出の様々なトラブルシューティングについて記
載しています。
説 明
1
滅菌再蒸留水でメンブレンをリンスします。
4. 付 録
概 要
プレハイブリダイゼーションからプローブハイブリッドを可視化する
までの間、メンブレンは乾燥させないで下さい。メンブレンが乾燥し
たり、他のメンブレンに張り付いた(複数のメンブレンを同時処理し
た場合など)
場合、バックグラウンドを生じる可能性があります。
ステージ
説 明
1
問 題
DIG標識PCR産
物の収量が低い
問題となりうる理由
それぞれのテンプレートとプラ
イマー毎に、DIG取り込み反応
を行う前に、P C R条件(サイク
ル条件、温度条件、プライマー
配列、プライマー濃度など)の
最適化を行います。
反応液中のDIG-dUTP 1 量
が過剰
反応液中のDIG-dUTP濃度を下
げます。特に長い断片の場合は
重要です。3章を参照してくだ
さい。
もやもやとした
バックグラウン
ドが生じる
ハイブリダイゼーション
バッファー中のプローブ
濃度が高過ぎる
DIG Easy Hyb Bufferの場合、
プローブ濃度を1μl/mlに下げ
ます。
メモ:PC R 産物中の標識プロー
ブ濃度を確認してください。
ゲル上で標識プローブ量が非常
に濃いバンドを示した場合、ハ
イブリダイゼーションバッファー
中の濃度を0.5μl/ml程度にして
ください。
スメアーなバッ
クグラウンドが
生じる
P C Rのテンプレート量が
多過ぎる
最良の結果を得るためには、少
量のテンプレートを使用してく
ださい。プラスミドDNAの場合
は10 pg、ゲノムDNAの場合は
10 ngを推奨します。
メモ:高濃度のテンプレートを
使用した場合、最初の伸長産物
が多量に合成されることを確認
しています。
ターゲット濃度が高過ぎ
る
ゲノムDNAの場合は 1〜5μg、
プラスミドDNAの場合は1 ng 以
下をターゲットとして使用する
ことをお勧めします。
メンブレンの保存
ハイストリンジェンシー洗浄後、風乾したメンブレンはシールした
バッグ中で2∼8℃で保存出来ます。
3.5 化学発光検出
化学発光検出
DIG標識プローブの化学発光検出には、次の製品をお勧めします。
・CDP-Star*(Cat. No. 2 041 677)
・CSPD*(Cat. No. 1 755 633)
・DIG Block and Wash Buffer Set*
(Cat. No. 1 585 762)
・Anti-digoxigenin-AP, Fab fragment*
(Cat. No. 1 093 274)
概 要
化学発光検出のステップを記します。
ステージ
説 明
1
メンブレンの洗浄とブロッキング
2
抗体結合
3
メンブレンの洗浄と平衡化
4
化学発光反応
5
フィルム露光
検出操作方法の詳細は、CDP-StarもしくはCSPDの製品説明書をご覧
ください。
3.6 DNAブロットのストリッピングとリプロービング
解決方法のすすめ
P C R条件が最適でない
テンプレート中のDIG-dUTPはポリメラーゼ反応を遅くさせ、結果的に、次
の伸長反応に必要なプライマー配列を含んだ完全鎖長を合成するためのポリ
メラーゼの活性を低下させます。より長いテンプレートを得ることにより、
効果を増加できます。
1
概 要
アルカリ感受性のD I G - 1 1 - d U T P は、簡単で効果的にリハイブリダイ
ゼーションのためのストリッピングが行えます。
48
4.2 リファレンス
DIGによる核酸の標識は以下の特許にて保護されています。
EP特許 0 324 474
US特許 5.344.757 5.354.657 5.702.888
1. Saiki, R. et al. (1985) Science 230, 1350−1354.
2. Lion, T. & Haas, O.A. (1990) Anal. Biochem. 188, 335?337.
3. Rolfs, A. et al. (1992) PCR: Clinical Diagnostic and Research, Springer
Verlag, Berlin.
4. Innis, M. A. et al. (1990) PCR Protocols, Academic Press Inc., San
Diego/CA.
5. Benham, F. J. et al. (1984) Mol.Biol.Med. 2, 251?259.
6. Sambrook, J., Fritsch, E.M. and Maniatis,T. (1989) Molecular cloning:
a laboratory manual, 2nd edition,Cold Spring Harbor Laboratory, Cold
Spring Harbor Labor, New York.
7. Southern E.M. (1975) Detection of specific sequences among DNA
fragments separated by gel electrophoresis.J. Mol. Biol. 98: 503.
8. Khandijan, E.W. (1987) Optimized hybridization of DNA blotted and
fixed to nitrocellulose and nylon membranes.Bio/Technology 5: 165.
購入されるお客様へ
この製品の購入価格は、米国合衆国特許4.683.202, 4.683.195, 4.965.188
とRoche Molecular Systems, Inc.およびF. Hoffmann-La-Roche Ltd.(”
Roche”)
が所有する国外の相当する特許に基づき、限定かつ転用不可
のライセンスを包括し、特許にうたわれるように購入者の研究および
開発活動のみを目的とし、承認されたサーマルサイクラーを用いた使
用において、ポリメラーゼチェーンリアクション(”PCR”)
および関連
する過程を実践するためにこの製品を使用するためのものです。
購入者の活動結果を限定なく他の報酬を伴う商業活動に関する限定の
ない結果報告を含む、PCRを用いたいかなる商業的なサービスを実践
または提供する権利はこれを認めません。PCRの過程の実践に関する
ライセンスの購入のさらなる情報については、Applied Biosystems,
850 Lincoln Center Drive, Foster City, California 94404に所在するDirector
of Licensing、またはRoche Molecular Systems, Inc. 1145 Atlantic Avenue,
Alameda, California 94501へお問い合わせください。
4.3 関連製品
キット
製 品 名
包装単位
Cat. No.
10回抽出分
組織 400 mg もし
くは細胞 5 × 107
1814770
High Pure Plasmid Isolation Kit
50回抽出分
250回抽出分
1754777
1754785
High Pure PCR Product Purification Kit
50回精製分
250回精製分
1732668
1732676
High Pure PCR Template Preparation Kit
100回抽出分
1667319
DNA Isolation Kit for Cells and Tissue
単品試薬
製 品 名
包装単位
Cat. No.
100mg
500mg
1388983
1388991
Blocking Reagent
50 g
1096176
CDP-Star
1 ml
2 ml
1685627
1759051
2 × 50 ml
2041677
1 ml
2 ml
4 ml
1655884
1759035
1759043
2 × 50 ml
1697471
Agarose MP
CDP-Start, ready-to-use
CSPD
CSPD, ready-to-use
NBT/BCIP, ready-to-use
20タブレット
1681451
NBT/BCIP Stock solution
8 ml
1603558
DIG Easy Hyb ( ready-to-use )
DIG Easy Hyb Granules
DIG Wash and Block Buffer Set
DNA Molecular Weight Marker, Digoxigeninlabeled
DNA MWM㈼
DNA MWM㈸
DNA MWM
DNA MWM
DNA MWM
500ml
1796895
1セット
(6 × 100 ml)
1585762
30ブロット分
(10 × 10 cm2)
1585762
5μg
(500μl)
1218590
5μg
(500μl)
5μg
(500μl)
5μg
(500μl)
5μg
(500μl)
1218603
1669931
1218611
1669940
1449451
50バッグ
1666649
10シート
20シート
1ロール
1209272
1209299
1417240
Hybridization Bags
Nylon Membrane, positively charged
(20 × 30 cm)
(10 × 15 cm)
(0.3 × 3 m roll)
*Roche Diagnosticsから発売されています。
49
DIG Oligonucleotide Tailing Kit, 2nd Generation
ジゴキシゲニンを用いたオリゴヌクレオチドのテーリング
Cat. No. 3 353 583
30-mer のオリゴヌクレオチド1μg に相当する 100 pmol のオリゴヌクレオチドを25回のテーリング
反応するためのキット − 15 ∼− 25℃保存
Version, 2004年10月
1. 前書き
9
Glycogen
solution
* 50μl グリコーゲン溶液, 再蒸
留水中
* 20 mg/ ml
10
DNA dilution
buffer
* 1 ml サカナ精子DNA, 10 mM
Tris-HCl, 1 mM EDTA, pH 8.0
(25℃)中
* 50μg/ ml
11
poly(A)-solution
* 1 ml poly(A)溶液, 再蒸留水中
* 10 mg/ml
メモ:このpoly(A)の量は、100
ml のハイブリダイゼーション溶
液他を調製するのに充分です。
また、poly(A)はコントロールの
オリゴヌクレオチドを用いたハ
イブリダイゼーションのために
使用されます。この場合、poly
1.1 キットの内容
注意する点
バイアル1には有害な物質(カコジル酸カリウム)が含まれています。こ
れらの物質を取り扱う際には手袋を着用してください。危険回避と安
全のため、以下の事柄に注意してください。
吸入または飲み込むことで有害となる物質については、子どもの手の
届かないところに施錠管理してください。これらの物質を使用中は飲
食および喫煙をしないでください。皮膚に付着した場合は、直ちに多
量の水を使用して洗い流してください。
R21-23/25 S1/2-20-21-28-44
ラベリング反応の上清を、密閉性が高く漏れる心配のない容器に集
め、内容を表記してください。有害廃棄物の規制に従って廃棄を行っ
てください。
ボトルまたは
ラベルの表示
内容(機能を含む)
バイアルの番号
5 × Reaction
buffer
100μl [1 Mカコジル酸カリウム,
0.125 MTris-HCl, 1.25 mg/ml
牛血清アルブミン, pH 6.6 (25
℃)]
2
CoCl2 solution
* 100μl CoCl2溶液
* 25 mM
3
DIG-dUTP
solution
* 25μl DIG-11-dUTP, 再蒸留
水中
* 1 mM
15 731 529
15 731 799
4
dATP solution
* 25μl dATP, 再蒸留水中
* 10 mM
1 934 511
1 969 013
3 732 681
5
Terminal
transferase
* 25μlターミナルトランスフェ
ラーゼ, 60 mM K-phosphate
(pH 7.2, 4℃), 150 mM KCl,
1 mM 2-Mercaptoethanol, 0.5%
Triton X-100, 50% glycogen
* 400 U/μl
* 50ユニット/μl
3 333 566
3 333 574
Control
oligonucleotide,
unlabeled
* 25μlオリゴヌクレオチド(30mer, 5'-pTTG GGT AAC GCC
AGG GTT TTC CCA GTC
ACG OH-3' pUCおよびM13
プラスミドの lac Z領域とホ
モロガス), 再蒸留水中
* 20 pmol/μl
6
7
Oligonucleotide,
DIG-dUTP/
dATP tailed
* 20μl オリゴヌクレオチド( 6
のシーケンスと同じ)
* DIG-dUTP/ dATPを用いて標
準的なアッセイ反応条件下で
テーリング, 再蒸留水中
* 2.5 pmol/μl
8
Control DNA
* 20μl pUC18DNA(スーパー
コイル), 10 mM Tris-HCl,
pH 7.6(25℃), 1 mM EDTA中
* 0.25 mg/ml
(dA)を加える必要はありません。
Cat. No.
(別売される場合)
1
901 393
追加で必要となる試薬
上記の試薬の他に、いくつかの溶液を調製する必要があります。異な
る実験操作に応じて必要となる設備の概要について、下表を参考にし
てください。
詳細な情報については、それぞれの操作方法の冒頭に記載されています。
操作方法
設 備
試 薬
オリゴヌクレ ウォーターバス
オチドテーリ
ング
* dATP (Cat. No. 1 934 511)
および/または
* dGTP (Cat. No. 1 934 538)
および/または
* dCTP (Cat. No. 1 934 520)
および/または
* dTTP (Cat. No. 1 934 546)
* 滅菌再蒸留水
* EDTA, 0.2 M, pH 8.0
ラベリング
効率の決定
* 抗ジゴキシゲニン-AP標識
抗体* (Cat. No. 1 093 274)
* CSPD1), ready-to-use
(Cat. No. 1 755 633)
* DIG Wash and Block Buffer
Set* (Cat. No. 1 585 762)
または
* Whatman 3 MMろ紙
* ポジティブチャージの
ナイロンメンブレン*
(Cat. No. 1 417 240)
*
*
*
*
洗浄用バッファー
マレイン酸バッファー
検出用バッファー
ブロッキング溶液
ハイブリダイ * ポジティブチャージの
* DIG Easy Hyb*
ゼーション
ナイロンメンブレン*
(Cat. No. 1 603 558)
(Cat. No. 1 209 272)
* poly (A)* (Cat. No. 108 626)
または
* poly d(A)* (Cat. No. 223 581)
* コロニーおよびプラーク
ハイブリダイゼーション用
ナイロンメンブレン*
(Cat. No. 1 699 075)
* ハイブリダイゼーション用
バッグ* (Cat. No. 1 666 649)
885 819
または、耐熱性シール密封式
バッグ、ガラス製の箱、ペト
リ皿またはローラーボトル
50
ハイブリダイ * 浸とう器
ゼーション後
の洗浄
試料となる物質
オリゴヌクレオチド:
* HPLCまたはゲル電気泳動により精製されたもの
* 14∼100ヌクレオチドの長さをもつもの
標準的なラベリング 1 反応で、最大100 pmol(30-merが1μg分)のオリ
ゴヌクレオチドをアプライすることが可能です。
* 10 × SSC
* 0.15 Mクエン酸ナトリウム,
1.5 M NaCl, pH 7.0,
* SDS 10%
2. はじめに
アッセイ時間
オリゴヌクレオチドのラベリングからハイブリダイゼーション、そし
て最初のシグナルが可視化されるまでの全ての操作が24時間以内で完
了します。
2.1 製品の概要
ラベリングの原理
オリゴヌクレオチドの3'-末端に、酵素ターミナルトランスフェラーゼ
を用いてジゴキシゲニン標識ジデオキシウリジン三リン酸( D I G ddUTP)1分子を取り込ませるか、長いヌクレオチドのテールを付加さ
せるかしてラベルを行います(1)。テールを付加させたオリゴヌクレオ
チドプローブを生成するためには、デオキシヌクレオチド三リン酸
(dNTP)とDIG-dUTPとの混合液を使用し、テンプレートに依存しない
反応を行います(図1)。
特異的なシーケンスをもつ
オリゴヌクレオチド
テスト回数
25回のラベリング反応。
1 回のラベリング反応で、約100 pmolのラベルされたプローブが生成
されます(これは30-merのプローブ 1μg分に相当します)。
品質管理
ラベルされていないコントロールのオリゴヌクレオチド(バイアル 6)、
標準的な反応中に説明されるラベルされたオリゴヌクレオチド、また
はラベルされたコントロールのオリゴヌクレオチド(バイアル 7)、1 pg
のpUC18コントロールDNA(バイアル 8)をドットブロットし、16時間
の発色反応後に検出します。
5' 3'-OH
dATP、DIG-dUTP、
ターミナルトランスフェラーゼを
加える。
キットの保存および安定性
未開封のキットは―15∼―25℃でラベルに印刷されている期限まで安定
テンプレートに依存せず、DIG分子を
いくつか取り込みながら40∼50ヌクレオチド
長のDNAテールが合成される。
です。
メモ:凍結融解の反復を避けてください。
フィルターに結合したDNA
感 度
下記のプロトコールによりテールを付加されたオリゴヌクレオチドを
用いたドットまたはサザンブロットにおいて、1 pgのホモロガスな
DNAを検出することが可能です。
DIG-dUTP/ dATPのテールが付加された
オリゴヌクレオチドプローブを加える。
ハイブリダイゼーション
特 長
DIGラベルされたオリゴヌクレオチドの利点と特長を下表に示します。
標識抗体を加える。
利 点
特 長
ハイブリダイゼーションの
カイネティクスが高くなります。
抗体とハプテンとの
複合体が形成される。
ヌクレオチド断片のサイズが小さい。
ハイブリダイゼーションに使用される 一本鎖の断片。
フラグメントが自然に二本鎖に戻りま
せん。
NBT/BCIPを加える。 紫/青色の発色
APにより発色反応が触媒される。
in vitro 突然変異誘発の実験における、 実験に応じてデザインすることが
対立遺伝子特異オリゴヌクレオチド
可能。
(ASO-プローブ)やシングルポイント
突然変異の検出。
図1:ノンラジオアクティブなオリゴヌクレオチドのテーリングと検出
in situ ハイブリダイゼーション実験に サイズが小さいため、組織や細胞内
適しています。
に浸透しやすい。
アプリケーション
DIGオリゴヌクレオチドラベリングと検出システムは、以下のハイブ
リダイゼーションに使用することが可能です。
* ドット/スロットブロット
* コロニー/プラークハイブリダイゼーション
* ノーザンブロット (メッセージ量が多い場合)
* サザンブロット (複合ゲノムにおけるシングルコピー遺伝子の検出に
は推奨されません)
* in situ ハイブリダイゼーション
一般的なハイブリダイゼーションの技術に加え、DIGラベルされたオ
リゴヌクレオチドは、転写因子などシーケンスに特異的なDNA結合タ
ンパクの発現ライブラリーのスクリーニングにも有用です。
3. 操作方法および必要となる資材
3.1 フローチャート
セクション 3.2
セクション 3.3
セクション 3.4
セクション 3.5
セクション 3.6
51
オリゴヌクレオチドのテーリング
↓
ラベリング効率の決定
↓
ハイブリダイゼーション
↓
ハイブリダイゼーション後の洗浄
↓
免疫検出
3.2 オリゴヌクレオチドのテーリング(テール付加)
DIG-dUTPラベリングミックスチャーの準備
1mMのDIG-dUTPと約100 mMのdNTPもしくは100 mMのdNTPミック
スチャーを10:1で混ぜ合わせ、DIG-dUTPラベリングキックスチャー
とします。
3.2.1 DIG-dUTPとdATPを用いたオリゴヌクレオチドテーリング
はじめに
一般的な実験として、100 pmol の3’末端(30 mer オリゴヌクレオチド約
1μl 相当)標識について説明します。ポリアクリルアミドゲル上で未標識
分子が標識分子にシフトしたとき、アプライした全てのオリゴヌクレオ
チドがテール付加されたと判断します。
操作方法
オリゴヌクレオチドのラベリングのための操作方法を以下に示します。
ステップ
操作方法
コントロール実験およびスタンダードな実験として、HPLC精製もしくは
ゲル精製のオリゴヌクレオチドは、一般的な反応でテール標識出来ます。
ステップ
1
2
100 pmolのオリゴヌクレオチドと滅菌再蒸留水を、最終容量が
10μlになるように反応バイアルに加えます。
コントロール反応として、5μlのオリゴヌクレオチド(バイアル 6)
と5μlの滅菌再蒸留水を反応用チューブに加えます。
2
氷上にて次の組成を反応用チューブに加えます。
試 薬
100 pmolのオリゴヌクレオチドと滅菌再蒸留水を、最終容量が
9μlになるように反応バイアルに加えます。
コントロール反応として、5μlのオリゴヌクレオチド(バイアル 6)
と4μlの滅菌再蒸留水を反応用チューブに加えます。
氷上にて次の組成を反応用チューブに加えます。
容 量
反応バッファー(バイアル 1)
4μl
CoCl2溶液(バイアル 2)
4μl
DIG-dUTP溶液(バイアル 3)
1μl
dUTP(バイアル 4)
1μl
ターミナルトランスフェラーゼ
(バイアル 5) 400 U
1μl
3
1μl
* 2μl の 0.2 M EDTA (pH 8.0)を加え、反応を停止させます。
* チャプター 3.3に進みます。
メモ:ハイブリダイゼーションバッファー中に希釈する前に、プロー
ステップ
操 作
1
100 pmolのオリゴヌクレオチドと滅菌再蒸留水を、最終容量が
10μlになるように反応バイアルに加えます。
コントロール反応として、5μlのオリゴヌクレオチド(バイアル 6)
と5μlの滅菌再蒸留水を反応用チューブに加えます。
2
氷上にて次の組成を反応用チューブに加えます。
テールの長さ
テールの長さは取り込まれるDIG分子の数を反映し、ラベリング効率と
プローブの感度に影響します。テールの長さは、dNTPの濃度と、DIGdUTPと未標識ヌクレオチドの比率に依存します。テールの長さは次の
順で短くなります。
dATP>dTTP>dGTP>dCTP>dNTP
試 薬
表1
容 量
反応バッファー(バイアル 1)
4μl
CoCl2溶液(バイアル 2)
4μl
DIG-dUTP溶液(バイアル 3)
1μl
ターミナルトランスフェラーゼ
(バイアル 5) 400 U
1μl
* 混合して手短に遠心します。
* 37℃で15分間インキュベートした後、氷上に静置します。
dATP
dGTP
dCTP
50
15
25
10∼100 10∼25 10∼40
5
1.5
2.5
dTTP
dNTP
10
5
1∼20
1∼10
1
0.5
3
* 2μl の 0.2 M EDTA (pH 8.0)を加え、反応を停止させます。
* チャプター 3.3に進みます。
メモ:ハイブリダイゼーションバッファー中に希釈する前に、プロー
ブを精製する必要はありません。
追加で必要となる試薬
1μl
ターミナルトランスフェラーゼ
(バイアル 5) 400 U
操作方法
下表を参照してください。
はじめに
DIG-dUTPと100 mMのdCTP、dGTP、dTTPを用いて、あるいはdNTP
ミックスチャーを用いてオリゴヌクレオチドテーリングが出来ます。
テールあたりのDIG-dUTP数
4μl
感度の低いプローブが十分量ある場合、本キットはDIG-dUTPのみで
構成されるショートテールを付加させることが出来ます。
3.2.2 dATP以外のヌクレオチドを用いたオリゴヌクレオチドテーリング
テール鎖長の範囲
CoCl2溶液(バイアル 2)
DIG-dUTP/dNTPテーリングミックスチャー
3.2.3 ショートテールの合成
ブを精製する必要はありません。
平均テール鎖長
4μl
ブを精製する必要はありません。
* 2μl の 0.2 M EDTA (pH 8.0)を加え、反応を停止させます。
* チャプター 3.3に進みます。
メモ:ハイブリダイゼーションバッファー中に希釈する前に、プロー
DIG-dUTP/ dNTPラベリング
ミックス, 1 : 10
容 量
反応バッファー(バイアル 1)
* 混合して手短に遠心します。
* 37℃で15分間インキュベートした後、氷上に静置します。
* 混合して手短に遠心します。
* 37℃で15分間インキュベートした後、氷上に静置します。
3
1
操 作
試 薬
操 作
3.3 ラベリング効率の決定
試 薬
包装単位
製品番号
dATP
25μmol (250μl)
1 934 511
dGTP
25μmol (250μl)
1 934 538
dCTP
25μmol (250μl)
1 934 520
dTTP
25μmol (250μl)
1 934 546
dNTPセット
4×25μmol (250μl)
1 969 064
はじめに
DIGラベルされたオリゴヌクレオチドの収量の決定は、最適かつ再現
性のあるハイブリダイゼーションの結果を得るために最も重要です。
52
テストの原理
ラベルされたプローブの定量には、直接検出法が推奨されます。
ステージ
説 明
1
* DIGラベルされたオリゴヌクレオチドの希釈系列を、ポジティ
ブチャージのナイロンメンブレン*の小さなストリップにアプラ
イします。
* ナイロンメンブレンの一部に、既知濃度に希釈したコントロー
ルオリゴヌクレオチド(バイアル 6)をスタンダードとして、あら
かじめのせておきます。
2
操作方法
直接検出のための方法が下表に示されています。
メモ:下表は、ペトリ皿のような小さいプラスチック製容器内で100 cm2
のブロットを処理するための容量について記載されています。全ての操
作ステップにおいて、メンブレンが完全に覆われる十分量のバッファー
を使用してください。
ステップ
* ナイロンメンブレンを、抗ジゴキシゲニン-AP標識抗体および
CSPD ready-to-useの調製溶液を用いて免疫検出します。
* DIGラベルされたオリゴヌクレオチドとコントロールのオリゴ
ヌクレオチドとのシグナルの強度を、イメージャーまたはX 線フィルムに露光させて比較します。
追加で必要となる試薬
* ポジティブチャージのナイロンメンブレン (Cat. No. 1 209 272)
* 抗ジゴキシゲニン-AP標識抗体 (Cat. No. 1 093 274)
* CSPD, ready-to-use(Cat. No. 1 755 633)
* DIG Wash and Block Buffer Set (Cat. No. 1 585 762)
1
ラベルしたオリゴヌクレオチドのチューブ 2 ∼ 6 とラベル済みの
コントロールから 1μl ずつをナイロンメンブレン上にスポットします。
2
核酸をメンブレンにUV照射または120℃で30分間のベーキングに
より固定します。
3
* メンブレンを20 mlのマレイン酸を満たしたプラスチック製容器に
移します。
* 振とうしながら15∼25℃で 2 分間インキュベートします。
4
10 mlのブロッキング溶液中で30分間インキュベートします。
5
10 mlの抗体溶液中で30分間インキュベートします。
6
10 mlの洗浄用バッファー中で15分間
7
10 mlの検出用バッファー中で 2∼5 分間平衡化させます。
8
* メンブレンをデベロップメントフォルダー(またはハイブリダイゼー
ションバッグ)上にDNAをアプライした面を上にして置き、0.1 ml
CSPD ready-to-use(4滴程度)をメンブレンにアプライします。
* 直ちにメンブレンをフォルダーのもう一方のシートで覆い、基質
を均等に気泡を生じることなくメンブレン全体に拡散させます。
* 15∼25℃で 5 分間インキュベートします。
9
余剰の液をしごき出し、展開用フォルダーの端を密封します。
メモ:露光中にメンブレンが乾燥すると、濃いバックグラウンドを
生じます。
10
イメージャーに 5 ∼20分間または X-線フィルムに露光させます。
メモ:発光は少なくとも48時間持続します。シグナルは検出反応開
始後、数時間で増加してプラトーに達し、その後24∼48時間はほぼ
シグナル強度が一定に保たれます。希望するシグナル強度を得るた
めに、露光を反復して行うことが可能です。
追加で必要となる溶液の調製
洗浄用バッファー、マレイン酸バッファーおよび検出用バッファー
は、DIG Wash and Block Buffer Setとしても別売されています。
溶 液
洗浄用
バッファー
保存と
安定性
組成と調製方法
0.1 M マレイン酸, 0.15 M NaCl; pH 7.5
(20℃); 0.3%(v/v) Tween1)20
マレイン酸 0.1 M マレイン酸, 0.15 M NaCl; NaOH
バッファー (固体)を用いてpH 7.5に調整(20℃)
検出用
バッファー
ブロッキング
ストック溶液
(10 × 濃縮)
使用目的
15∼25℃ 未結合の
で安定
抗体の除去
15∼25℃ ブロッキング
で安定 溶液の希釈
0.1 M Tris-HCl, 0.1 M NaCl, pH 9.5
15∼25℃ pHを9.5に
(20℃)
で安定
調整
熱ブロック(65℃)上で撹拌しながら、ある
2∼8℃ ブロッキング
いはマイクロウェーブオーブンやオート
溶液の調整
クレーブ内での加熱により、ブロッキング
試薬をマレイン酸中に10%(w/v)に溶かし
ます。得られる溶液は不透明の状態です。
テール付加されたプローブのハイブリダイゼーション
ハイブリダイゼーションの実験においてテール付加されたプローブを
応用する場合、テールがターゲットDNA中の関連するホモロガスな
シーケンスと非特異的にハイブリダイズすることがあります。した
がって、DIG-dUTP/ dATPをテール付加したプローブが使用される場
合、ハイブリダイゼーション溶液にラベルされていないpoly(A) (Cat.
No. 108 626)およびpoly(dA) (Cat. No. 223 581)を過剰量加え、これら
の非特異シーケンスをブロックすることをお勧めします(7)。さらに、
オリゴヌクレオチドを用いたハイブリダイゼーションの実験にフォル
ムアミドを加える方法はお勧めできません。
希釈系列
下表を参考に、ラベルされたオリゴヌクレオチドとコントロールのオ
リゴヌクレオチドとの希釈系列の調製を行ってください。
使用する
チューブ番号
希釈用
バッファー
(バイアル10)(μl)
希釈率
48
1 : 25
100fmol/μl
2 回洗浄します。
はじめに
オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションには、オリゴヌクレオ
チドの長さとシーケンスに適切なハイブリダイゼーションの条件が必
要になります。オリゴヌクレオチドのTm を推定するための規則や計算
式が文献などで数多く見られます。
使用する前に必ず抗ジゴキシゲニン-AP 2∼8℃で DIGラベル
をもとのバイアルのまま10000 rpmで 5
2時間 された
分間遠心し、必要量を液面から注意深く
プローブと
ピペットで採取します。抗ジゴキシゲニ
の結合
ン-APをブロッキング溶液で 1 : 10000
(75 mU/ ml)に希釈します。
チューブ オリゴ(μl)
×
3.4 ハイブリダイゼーション
ブロッキング 10×濃縮ブロッキング溶液をマレイン酸 常に
メンブレン
溶液
バッファーで1:10に希釈し、1×濃度の 用時調製 上の非特異
溶液を調製します。
結合サイト
のブロッキン
グ
抗体溶液
操 作
最終濃度
1
2
オリジナル
(2.5 pmol/μl)
2
3
1
7
1 : 3.3
30 fmol/μl
3
2
1
18
1 : 10
10 fmol/μl
4
2
2
18
1 : 10
3 fmol/μl
5
2
3
18
1 : 10
1 fmol/μl
6
-
-
20
-
0
Tmを求める計算式
* <18ヌクレオチドのオリゴヌクレオチドでは、GとCの数に4℃をかけ、
AとTの数に 2 ℃をかけます。この 2 つを足して、Tm 値を得ます(2)。
* より詳細な数式では、イオン強度, GC含有量, オリゴヌクレオチドの長
さが考慮されます。この計算式は14∼70ヌクレオチドに適しています。
Tm = 81.5 + 16.6 (log10 [Na+]) + 0.41 ( % G + C) - (600/N) (2)
Nはオリゴヌクレオチドの長さ、[Na+]は最後のストリンジェント洗
浄溶液のナトリウムイオン濃度。
53
3.6 免疫検出
ハイブリダイゼーションは、Tm 値から5∼10℃低い温度で実施されま
す。しかしながら、上記の計算式は最適なハイブリダイゼーション温
度のガイドラインに過ぎません。したがって、ハイブリダイゼーショ
ンの条件は、計算で得られたハイブリダイゼーション温度を出発点と
して検討する必要があります。
メモ:テール付加されたオリゴヌクレオチドはTmを明らかに変える可
能性があります。
DIGラベルされたオリゴヌクレオチドの検出
固定、発色や化学発光反応を触媒する酵素アルカリホスファターゼに
より標識された抗体との結合の後、DIGラベルされたオリゴヌクレオ
チドを検出します。発色反応用(DIG Nucleic Acid Detection Kit, Cat.
No. 1 175 041)、化学発光用(DIG Luminescent Detection Kit, Cat. No.
1 363 514)の専用のキットが発売されています。これとは別に、特にin
situ のアプリケーションについては、DIGラベルされたハイブリッド
追加で必要となる設備と試薬
* DIG Easy Hyb (Cat. No. 1 603 558)
* poly (A) (Cat. No. 108 626)
* poly (dA) (Cat. No. 223 581)
* 振とう式ウォーターバスまたはハイブリダイゼーション用オーブン
* 耐熱性シール密封式プラスチックバッグまたはガラス製の箱、ペト
リ皿またはローラーボトル
メモ:DIG Easy Hybバッファーを使用する際は必ずふた付きのトレー
を使用してください。
を異なる蛍光色素で標識した抗体により検出することが可能です。
4. 付 録
4.1 リファレンス
1. Schmitz, G. G. et al. (1991) Anal. Biochem. 192, 222.
2. Sambrook, J., Fritsch, E. M. and Maniatis, T. (1989) Molecular Cloning:
a laboratory manual, 2nd edition, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold
Spring Harbor , New York.
3. Wood, W. I. et al. (1985) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82, 1585.
4. Gebeyehu, G. et al (1987) Nucleic Acid Res. 15, 4513.
5. Southern, E. M. (1975) Detection of specific sequences among DNA
fragments separated by gel electrophoresis. J. Mol. Biol. 98, 503.
操作方法
DIGラベルされたオリゴヌクレオチドプローブを用いたハイブリダイ
ゼーションの操作方法について、下表に示します。
メモ:テール付加されたオリゴヌクレオチドでは、プレハイブリダイ
ゼーションとハイブリダイゼーションの溶液に 0.1 mg/mlのpoly(A)と
5μg/ml のpoly(dA)を加え、テールの非特異的なハイブリダイゼー
ションによるシグナル発生を防止してください。
ステップ
6. Khandijan, E. W. (1987) Optimized hybridization of DNA blotted and
fixed to nitrocellulose and nylon membranes. Bio/Technology 5, 165.
7. Collins, M. L. & Hunsaker, W. R. (1985) Anal. Biochem. 151, 211.
操 作
2
1
適量(100 cm 当たり約20 ml)のDIG Easy Hybをハイブリダイゼー
ション温度まであらかじめ温めます。
2
ブロットを最少30分間、おだやかに振とうさせながらインキュベー
トします。
メモ:メンブレンがDIG Easy Hybにしっかりと浸漬され、溶液で
覆われていること。
3
あらかじめ温めておいたDIG Easy Hyb 1 ml当たり0.1 ∼2 pmolの
テール付加されたオリゴヌクレオチドを加えます(100 cm2メンブ
レン当たり最少 3.5 ml)。
4
* プレハイブリダイゼーション溶液を捨てて、直ちにプローブとDIG
Easy Hybとの混合液をメンブレンに加えます。
* 気泡を立てないようにしながらよく混合させます(気泡はバックグ
ラウンドを生じることがあります)。
5
おだやかに振とうさせながらハイブリダイゼーション温度で 2 時間
からオーバーナイトでインキュベートします。
3.5 ハイブリダイゼーション後の洗浄
操作方法
ハイブリダイゼーション後の洗浄の操作方法について、下表に示します。
ステップ
操 作
1
十分な量の 2 × SSC; 0.1%SDS溶液中で、15∼25℃下、5 分間
2 回洗浄します。
2
一定の振とうを加えながら、0.5 × SSC; 0.1%SDS溶液中、ハイ
ブリダイゼーション温度で、15分間 × 2 回洗浄します。
×
メンブレンフィルターの取扱い
メモ:メンブレンフィルターからプローブを剥離し、リプロービング
する場合、メンブレンを完全に乾燥させてはいけません。2 × SSCま
たはマレイン酸バッファー中にて保存してください。
実験の計画が以下のような場合
メンブレンフィルターの取扱い
そのままリプロービングを行う。
メンブレンフィルターをハイブリダイ
ズさせたオリゴヌクレオチドの検出に
直接使用することが可能です。
実験をストップする。
メンブレンフィルターを風乾させ、検
出に使用するまで保存します。
54
5. 関連製品
キット
製 品 名
包装単位
Cat. No.
40ブロット(10 × 10 cm)
1 175 041
DIG Luminescent Detection Kit (CSPD) 50ブロット(10 × 10 cm)
1 363 514
DIG Nucleic Acid Detection Kit
単品試薬
製 品 名
Blocking Reagent
DIG-ddUTP solution
DIG Easy Hyb (ready-to-use
hybridization solution without formamide)
DIG Easy Hyb Granules
DNA Molecular Weight Marker,
digoxigenin labeled:
DNA Molecular Weight Marker II
DNA Molecular Weight Marker V
DNA Molecular Weight Marker VI
DNA Molecular Weight Marker VII
DNA Molecular Weight Marker VIII
DIG Wash and Block Buffer Set
Hybridization bags
Lumi-Film for chemiluminescent
detection
Nylon Membrane, positively charged
(20 × 30cm)
(10 × 15cm)
(0.3 × 3 mロール)
包装単位
Cat. No.
50 g
1 096 176
25 nmol (25 μl)
1 363 905
500 ml
1 603 558
1セット(6 × 100 ml)
1 796 895
5 μg (500 μl)
5 μg (500 μl)
5 μg (500 μl)
5 μg (500 μl)
5 μg (500 μl)
1 218 590
1 669 931
1 218 611
1 669 940
1 449 451
×
10 cm) 1 585 762
50バッグ
1 666 649
30ブロット (10
100枚 (20.3 × 24.4 cm) 1 666 657
100枚 (18 × 24 cm)
1 666 916
10枚
20枚
1ロール
1 209 272
1 209 299
1 417 240
50枚(φ82 mm)
50枚(φ132 mm)
1 699 075
1 699 083
poly (A)
5 A260 ユニット
108 626
poly (dA)
5 A260 ユニット
223 581
Terminal Transferase
8000ユニット
24000ユニット
3 333 566
3 333 574
Nylon Membrane for Colony and
Plaque Hybridization
*Roche Diagnostics から発売されています。
1) TweenはICI Americas Inc., USAの商標です。
55
DIG Oligonucleotide 3’-End Labeling Kit, 2nd Generation
ジゴキシゲニン -ddUTP を用いたオリゴヌクレオチドのラベリング
Cat. No. 3 353 575
30-mer のオリゴヌクレオチド 1 μg に相当する 100 pM のオリゴヌクレオチドを
25 回のラベリング反応するためのキット
− 15 ∼− 25℃保存
Version, 2004年10月
1. キットの内容
9
注意する点
バイアル1とバイアル4には有害な物質(カコジル酸カリウム)が含まれ
ています。これらの物質を取り扱う際には手袋を着用してください。
危険回避と安全のため、以下の事柄に注意してください。
吸入または飲み込むことで有害となる物質については、子どもの手の
届かないところに施錠管理してください。これらの物質を使用中は飲
食および喫煙をしないでください。皮膚に付着した場合は、直ちに多
量の水を使用して洗い流してください。
R21-23/25 S1/2-20/21-28-44
ラベリング反応の上清を、密閉性が高く漏れる心配のない容器に集
め、内容を表記してください。有害廃棄物の規制に従って廃棄を行っ
てください。
ラベルの表示
内容(機能を含む)
Reaction buffer 5 ×
100μl [1Mカコジル酸カリウム,
0.125 M Tris-HCl, 1.25 mg/ml
牛血清アルブミン, pH 6.6 (25℃)]
2
CoCl2 solution
100μl, 25 mM のCoCl2溶液
3
DIG-ddUTP solution * 25μl, 1 mMのジゴキシゲニ
ン-11-ddUTP(DIG-11-ddUTP),
再蒸留水中
ボトルまたは
キャップの番号
1
4
Control oligonucleotide, * 25μlオリゴヌクレオチド
unlabeled
(30-mer, 5'-pTTG GGT AAC
GCC AGG GTT TTC CCA
GTC ACG OH-3' pUCおよび
M13プラスミドの lac Z' 領域
とホモロガス), 再蒸留水中
* 20 pmol/μl
6
Oligonucleotide,
DIG-ddUTP labeled
* 1 mlサカナ精子DNA, 10 mM
Tris-HCl, 1 mM EDTA,
pH 8.0 (25℃)
* 50μg/ ml
追加で必要となる試薬
上記の試薬の他に、いくつかの溶液を調製する必要があります。異な
る実験操作に応じて必要となる設備の概要について、下表を参考にし
てください。
詳細な情報については、それぞれの操作方法の冒頭に記載されています。
操 作 方 法
設 備
* 滅菌再蒸留水
3'末端ラベル
* 0.2 M EDTA, pH 8.0
* Whatman 3MMろ紙
* ポジティブチャージの
ナイロンメンブレン*
(Cat. No. 1 417 240)
1 363 905
* 100μlオリゴヌクレオチド
(5のシーケンスと同じ)
* DIG-ddUTPを用いて標準的な
アッセイ反応条件下でラベル
されている。再蒸留水中
* 2.5 pmol/μl
1 585 754
Control DNA
* 20μl pUC18DNA(スーパー
コイル), 10 mM Tris-HCl,
pH7.6 (25℃), 1 mM EDTA中
* 0.25 mg/ml
885 819
8
Glycogen solution
* 50μlグリコーゲン溶液,
再蒸留水中
* 20 mg/ ml
メモ:共沈剤としてのグリコー
ゲンの使用は、操作説明書では
特に推奨しておりません。
DIG標識後のエタノール沈澱に
よる精製は必ずしも必要ではあ
りません。
901 393
* 抗ジゴキシゲニン-AP
標識抗体*
(Cat. No. 1 093 274)
* CSPD* (Cat. No. 1 755
633)
* DIG Wash and Block
Buffer Set*
(Cat. No. 1 585 762)
または
*
*
*
*
洗浄用バッファー
マレイン酸バッファー
検出用バッファー
ブロッキング溶液
ハイブリダイゼーション * ポジティブチャージの
* DIG Easy Hyb*
ナイロンメンブレン*
(Cat. No. 1 603 558)
(Cat. No. 1 209 272)
または
* コロニーおよびプラーク
ハイブリダイゼーション
用ナイロンメンブレン*
(Cat. No. 1 699 075)
* ハイブリダイゼーション
用バッグ*
(Cat. No. 1 666 649)
または、
耐熱性シール密封式バッグ、
ガラス製の箱、ペトリ皿ま
たはローラーボトル
ハイブリダイゼーション 浸とう器
後の洗浄
7
試 薬
オリゴヌクレオチドの
ラベリング効率の決定
別売製品の
Cat. No.
Terminal transferase * 25μlターミナルトランスフェ 3 333 566
ラーゼ, 60 mM K-phosphate
(pH 7.4, 4℃) 150 mM KCl,
1 mM 2-Mercaptoethanol, 0.5
% Triton X-100, 50% glycogen
* 400 U/μl
* 50ユニット/μl
5
DNA dilution buffer
56
* 10 × SSC
(Cat. No. 1 666 681)
* 0.15 Mクエン酸ナトリ
ウム
* 1.5 M NaCl, pH 7.0
* SDS 10%
2. はじめに
利 点
特 長
ハイブリダイゼーションのカイネティク 核酸の断片のサイズが小さい。
スが高くなります。
2.1 製品の概要
ハイブリダイゼーションに使用される 一本鎖の断片。
フラグメントが自然に二本鎖に戻りま
せん。
ラベリングの原理
オリゴヌクレオチドの 3'-末端に、酵素ターミナルトランスフェラーゼ
を用いてジゴキシゲニン標識ジデオキシウリジン三リン酸( D I G ddUTP) 1 分子を取り込ませてラベルを行います(1)。
これ以外に、オリゴヌクレオチドをラベルするために、長いヌクレオ
チドのテールを付加させる方法があります(1)。テールを付加させたオ
リゴヌクレオチドプローブを生成するには、デオキシヌクレオチド三
リン酸dATPとDIG-dUTPの混合試薬を使用した、テンプレートに依存
しない反応を行います(DIG Oligonucleotide Tailing Kit, 2nd Generation
Cat. No. 3 353 583)。
in vitro 突然変異誘発の実験における、 実験に応じてデザインすることが可能。
対立遺伝子特異オリゴヌクレオチド
(ASO-プローブ)やシングルポイント
突然変異の検出。
in situ ハイブリダイゼーション実験に サイズが小さいため、組織や細胞内に
適しています。
浸透しやすい。
3. 操作方法および追加で必要となる試薬
アプリケーション
3'-末端をラベルされたオリゴヌクレオチドは、以下のアプリケーショ
ンに使用されます。
* ドット/スロットブロット
* コロニー/プラークハイブリダイゼーション
* サザンブロット
3.1 フローチャート
セクション3.2
セクション3.3
セクション3.4
試料となる物質
オリゴヌクレオチド
* HPLCまたはゲル電気泳動により精製されたもの
* 14∼100ヌクレオチドの長さをもつもの
標準的なラベリング1反応で、最大100 pM(30-merが1μg分)のオリゴ
ヌクレオチドをアプライすることが可能です。
セクション3.5
セクション3.6
オリゴヌクレオチドの3'末端ラベル
↓
ラベリング効率の決定
↓
ハイブリダイゼーション
↓
ハイブリダイゼーション後の洗浄
↓
免疫検出
3.2 オリゴヌクレオチドの3'末端ラベル
はじめに
100 pMの3'-OH末端(30-merのオリゴヌクレオチド1μgに相当)を用い
る標準的なアッセイにより、使用されたオリゴヌクレオチドが実際に
完全にラベルされます。
アッセイ時間
オリゴヌクレオチドのラベリングからハイブリダイゼーション、そし
て最初のシグナルが可視化されるまでの全ての操作が24時間以内で完
了します。
追加で必要となる試薬
下表は、キットの内容の他に必要となる試薬の組成、保存方法、使用
目的を一覧にしたものです。
テスト回数
25回のラベリング反応。
1 回のラベリング反応で、約100 pMのラベルされたプローブが合成さ
れます(これは30-merのプローブ 1μg分に相当します)。
溶 液
品質管理
ラベルされていないコントロールのオリゴヌクレオチド(バイアル 5)を
標準的な反応によりラベルしたもの、またはラベルされたコントロー
ルのオリゴヌクレオチド(バイアル 6)、10 pgのpUC18コントロール
DNA(バイアル 7)をドットブロットし、16時間の発色反応後に検出し
ます。
定義づけられた条件下では、50 ngのヘテロガスなDNA(バイアル 9)は
検出されません。
保存方法
使用目的
水
オートクレーブ滅菌した再蒸留水
組 成
2∼8℃
で安定
オリゴヌクレ
オチドの希釈
EDTA
0.2 M エチレンジアミノテトラ酢酸,
pH 8.0
2∼8℃
で安定
反応の停止
操作方法
下表を参考にしてください。
メモ:ラベリング反応において、オリゴヌクレオチドの量を増やすこ
とはお勧めしません。多くのオリゴヌクレオチドをラベルする場合
は、全ての反応組成を比例させて反応容量を増加させ、インキュベー
ション時間を 1 時間に増やしてください。
キットの保存および安定性
未開封のキットは―15∼―25℃でラベルに印刷されている期限まで安定
です。
メモ:凍結融解の反復を避けてください。
ステップ
感 度
ノンラジオアクティブなDIGオリゴヌクレオチド 3'末端ラベルおよび
検出システムにより、10 pgのホモロガスなDNAまたはRNAを検出す
ることが可能です。
操 作
1
100 pMのオリゴヌクレオチドと滅菌再蒸留水とを、最終容量が
10μlになるように反応バイアルに加えます。
コントロール反応として、5μlのオリゴヌクレオチド(バイアル 5)と
5μlの滅菌再蒸留水とを反応バイアルに加えます。
2
氷上にて次の組成を反応用チューブに加えます。
試 薬
特 長
DIGラベルされたオリゴヌクレオチドの利点と特長を右表に示します。
容 量
最終濃度
反応バッファー(バイアル 1)
4μl
1×
CoCl2溶液(バイアル 2)
4μl
5 mM
DIG-ddUTP溶液(バイアル 3)
1μl
0.05 mM
ターミナルトランスフェラーゼ
(400ユニット) (バイアル 4)
1μl
20ユニット/μl
* 混合し、手短に遠心します。
57
* 37℃で15分間インキュベートした後、氷上に設置します。
3
結果の解析
ラベリング反応から得られたスポットとコントロールとのシグナル強度を
比較し、DIGラベルされたオリゴヌクレオチドの量を算出します。
2μlの0.2M EDTA (pH8.0)を加え、反応を停止させます。
チャプター 3.3 に進みます。
メモ:ハイブリダイゼーションバッファー中に希釈する前に、プ
ローブを精製する必要はありません。
3.4 ハイブリダイゼーション
ラベリングの効率
ラベリング反応の効率は、直接検出アッセイにより、ラベルされたコ
ントロールのオリゴヌクレオチド(バイアル 6)との比較により確認する
ことが可能です(セクション 3.3)。
はじめに
オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションには、オリゴヌクレオ
チドの長さとヌクレオチドの組成に適切なハイブリダイゼーションの
条件が必要になります。
3.3 ラベリング効率の決定
ハイブリダイゼーションの温度
ハイブリダイゼーションの温度は、以下のようにして計算されます。
オリゴヌクレオチドのTm を決定するには、GとCの数に 4℃をかけ、
AとTの数に2℃をかけます。この 2 つを足して、Tm 値を得ます。
プレハイブリダイゼーションとハイブリダイゼーションを、得られた
Tm よりも10℃低い温度で実施します。
はじめに
DIGラベルされたオリゴヌクレオチドの収量の決定は、最適かつ再現性
のあるハイブリダイゼーションの結果を得るために最も重要です。
テストの原理
ラベルされたプローブの定量には、直接検出法をお勧めします。
ステージ
1
追加で必要となる設備と試薬
* DIG Easy Hyb (Cat. No. 1 603 558)
* 振とう式ウォーターバスまたはハイブリダイゼーション用オーブン
* 耐熱性シール密封式プラスチックバッグまたはガラス製の箱、ペト
リ皿またはローラーボトル
説 明
* DIGラベルされたオリゴヌクレオチドの希釈系列を、ポジティ
ラブチャージのナイロンメンブレン*の小さなストリップにアプ
イします。
* ナイロンメンブレンの一部に、既知濃度に希釈したコントロー
ルオリゴヌクレオチド(バイアル 6)をスタンダードとして、あら
かじめのせておきます。
2
メモ:DIG Easy Hybバッファーを使用する際は必ずふた付きのトレー
を使用してください。
* ナイロンメンブレンを、抗ジゴキシゲニン-AP標識抗体および
CSPD ready-to-useの調製溶液を用いて免疫検出します。
* DIGラベルされたオリゴヌクレオチドとコントロールのオリゴ
ヌクレオチドとのシグナルの強度を、イメージャーまたは X 線フィルムに露光させて比較します。
操作方法
DIGラベルされたオリゴヌクレオチドプローブを用いたハイブリダイ
ゼーションの操作方法について、下表に示します。
DIG Easy Hybバッファーを使用する際は必ずふた付きのトレーを使用
してください。
追加で必要となる試薬
* ポジティブチャージのナイロンメンブレン (Cat. No. 1 209 272)
* Anti-DIG-AP (Cat. No. 1 093 274)
* CDP-Star (Cat. No. 2 041 677)
* CSPD (Cat. No. 1 755 633)
* DIG Wash and Block Buffer Set (Cat. No. 1 585 762)
ステップ
希釈系列
下表を参考に、ラベルされたオリゴヌクレオチド(100 pM/22μl)を用い、
2.5 pmol/μlをオリジナルの濃度として希釈系列の調製を行ってくださ
い。
チューブ オリゴ(μl)
使用する
希釈用バッファー 希釈率
チューブ番号 (バイアル 9)(μl)
1
適量(100 cm 当たり約20 ml)のDIG Easy Hybをハイブリダイゼー
ション温度まであらかじめ温めます。
2
ブロットを30分間、おだやかに振とうさせながらインキュベート
します。
メモ:メンブレンがDIG Easy Hyb にしっかりと浸漬され、溶液
で覆われていること。
3
1∼10 pMの末端標識されたオリゴヌクレオチドを用いてハイブリ
ダイゼーションを行います。100 cm2メンブレン当たり最少3.5 ml
のDIG Easy Hybを使用してください。
4
あらかじめ温めておいたDIG Easy Hyb (100 cm2メンブレン当た
り最少 3.5 ml)に 3 のオリゴヌクレオチドを加え、気泡が立たな
いように注意しながらよく混和させます(気泡はバックグラウンド
を生じることがあります)。
5
プレハイブリダイゼーションの溶液を捨て、直ちにプローブとDIG
Easy Hybとの混合液をメンブレンに加えます。
6
おだやかに振とうさせながらハイブリダイゼーション温度で 1 ∼ 6
時間インキュベートします。
メモ:コピー数の少ないmRNAの検出には、インキュベーション時
間を16時間にすることをお勧めします。
最終濃度
1
2
オリジナル
(2.5 pmol/μl)
48
1 : 25
100 fmol/μl
2
3
1
7
1 : 3.3
30 fmol/μl
3
2
1
18
1 : 10
10 fmol/μl
4
2
2
18
1 : 10
3 fmol/μl
5
2
3
18
1 : 10
1 fmol/μl
6
-
-
20
-
0
操 作
2
3.5 ハイブリダイゼーション後の洗浄
操作方法
直接検出のための方法が下表に示されています。
ステップ
操 作
1
ラベルしたオリゴヌクレオチドのチューブ 1∼ 6とラベル済みのコン
トロールから 1μlずつをナイロンメンブレン上にスポットします。
2
3
操作方法
ハイブリダイゼーション後の洗浄の操作方法について、下表に示します。
ステップ
核酸をメンブレンにUV照射または120℃で30分間のベーキングに
より固定します。
DIG Luminescent Detection Kitまたは基質CSPDやCDP-Star の取扱
い説明書に記載されている化学発光検出の方法に従い、メンブレン
ストリップのサイズに適切な容量を使用して検出を行います。
58
操 作
1
十分な量の 2 × SSC; 0.1%SDS溶液中で、15∼25℃下、
5 分間 × 2 回洗浄します。
2
一定の振とうを加えながら、0.5 × SSC; 0.1%SDS溶液中、
ハイブリダイゼーション温度で、15分間 × 2 回洗浄します。
単品試薬
メンブレンフィルターの取扱い
メモ:メンブレンフィルターからブロットを剥離し、リプロービング
する場合、メンブレンを完全に乾燥させてはいけません。2 × SSCまた
はマレイン酸バッファー中にて保存してください。
製 品 名
Anti-DIG-AP
Blocking Reagent
実験の計画が以下のような場合
メンブレンフィルターの取扱い
DIG-ddUTP solution
そのまま実験を行う。
メンブレンフィルターをハイブリダイズ
させたオリゴヌクレオチドの検出に直接
使用することが可能です。
DIG Easy Hyb (ready-to-use hybridization solution without
formamide)
実験をストップする。
メンブレンフィルターを風乾させ、検出
に使用するまで保存します。
DIG Easy Hyb Granules
DNA Molecular Weight Marker,
digoxigenin labeled:
DNA Molecular Weight Marker II
DNA Molecular Weight Marker V
DNA Molecular Weight Marker VI
DNA Molecular Weight Marker VII
DNA Molecular Weight Marker VIII
3.6 免疫検出
DIGラベルされたオリゴヌクレオチドの検出
固定、ハイブリダイゼーション、発色や化学発光反応を触媒する酵素
アルカリホスファターゼにより標識された抗体との結合の後、DIGラ
ベルされたオリゴヌクレオチドを検出します。発色反応用( D I G
Nucleic Acid Detection Kit, Cat. No. 1 175 041)、化学発光用(DIG Luminescent Detection Kit, Cat. No. 1 363 514)の専用のキットが発売さ
れています。これとは別に、特にin situ のアプリケーションについて
は、DIGラベルされたハイブリッドを異なる蛍光色素で標識した抗体
により検出することが可能です。
DIG Wash and Block Buffer Set
EDTA
Hybridization bags
Lumi-Film, Chemiluminescent
Detection Film
Nylon Membrane, positively
charged
(20 × 30cm2)
(10 × 15cm2)
(0.3 × 3 mロール)
4. 付 録
4.1 リファレンス
1. Schmitz, G. G. et al. (1991) Anal. Biochem. 192, 222.
2. Sambrook, J., Fritsch, E. M. and Maniatis, T. (1989) Molecular Cloning:
a laboratory manual, 2nd edition, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold
Spring Harbor , New York.
3. Wood, W. I. et al. (1985) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82, 1585.
4. Gebeyehu, G. et al (1987) Nucleic Acid Res. 15, 4513.
5. Southern, E. M. (1975) Detection of specific sequences among DNA
fragments separated by gel electrophoresis. J. Mol. Biol. 98, 503.
6. Khandijan, E. W. (1987) Optimized hybridization of DNA blotted and
fixed to nitrocellulose and nylon membranes. Bio/Technology 5, 165.
7. Collins, M. L. & Hunsaker, W. R. (1985) Anal. Biochem. 151, 211.
Nylon Membrane for Colony and
Plaque Hybridization
Terminal Transferase
Buffers in a box, 20x SSC
CDP-Star
CDP-Star, ready-to-use
CSPD
CSPD, ready-to-use
*Roche Diagnostics から発売されています。
4.2 関連製品
キット
包装単位
Cat. No.
DIG Nucleic Acid Detection Kit
製 品 名
40ブロット(10×10cm)
1 175 041
DIG Luminescent Detection Kit (CSPD)
50ブロット(10×10cm)
1 363 514
59
包装単位
Cat. No.
150 U (200μl)
1 093 274
50 g
1 096 176
25 nmol (25 ml)
1 363 905
500 ml
1 603 558
1セット(6 × 100 ml)
1 796 895
5 μg (500μl)
5 μg (500μl)
5 μg (500μl)
5 μg (500μl)
5 μg (500μl)
1 218 590
1 669 931
1 218 611
1 669 940
1 449 451
30ブロット (10 × 10 cm)
1 585 762
250 g
500 g
1 kg
50バッグ
808 261
808 270
808 288
1 666 649
100シート(20.3 × 24.4 cm) 1 666 657
100シート(18 × 24 cm)
1 666 916
10枚
20枚
1ロール
1 209 272
1 209 299
1 417 240
50フィルター(φ82 mm) 1 699 075
50フィルター(φ132 mm) 1 699 083
8 000 U
24 000 U
3 333 566
3 333 574
4l
1 666 681
1 ml
1 683 627
2 × 50 ml
2 041 677
2 ml (2 × 1 ml)
4 ml (4 × 1 ml)
1 759 035
1 759 043
2 × 50 ml
1 755 633
DIG RNA Labeling Kit (SP6/T7)
SP6 および T7 RNA ポリメラーゼを用いた in vitro トランスクリプションによる RNA のジゴキシゲニン -UTP ラベリング
Cat. No. 1 175 025
2 × 10 回のラベリング反応用キット −15∼−25℃保存
Version, 2004年11月
1. 前書き
アッセイにはDNase Iは用いられ
ていない。エタノール沈殿の後、
転写産物をジメチルピロカーボ
ネート処理水に懸濁した。
* この溶液は、約10μgのDIGラベ
ルされたNeo RNAと、1μgの
pSPT18-NeoテンプレートDNA
が含まれる。
* DIGラベルされたRNAを半定量
により評価するため、また、
ハイブリダイゼーションのコン
トロール用として使用される。
* 798 bpと3281 bp のDNA断片を
含む。
1.1 キットの内容
キットの内容
ボトルまたは
キャップの番号
ラベルの表示
1
pSPT18 DNA
内容(機能を含む)
Cat. No.
(別売される場合)
* 40μl
* [0.25 mg/ml]
* クローニングおよび転写用ベク
ター。サブクローンはT7または
SP6 RNAポリメラーゼにより
RNAプローブに転写される。
* pSPT18のDNA配列のアクセス
No. A13388。
2
pSPT19 DNA
3
Control DNA 1 * 20μl
pSPT18-Neo
* [0.25 mg/ml] PvuⅡにより切断。
* 標準的なプロトコールに基づき、
T7 RNAポリメラーゼによるコント
ロールDNA1の転写から760ベス
の長さのDIGラベルされたアンチ
センスNeo転写物が得られる。
* ラベリングとハイブリダイゼー
ション反応のコントロールとし
て使用される。
* pSPT18-Neo には 2 つのPvuⅡ
サイトがあるため、798 bpと
3281 bpのDNA断片を含む。
4
5
Unlabeled
control RNA
* 20μl, 未標識コントロールRNA。
* [200μg/ml]
* 未標識Neo poly(A) "センス"
RNA。ジメチルピロカーボネー
ト処理水中に懸濁。
* このNeo poly(A) RNAはin vitro
転写により合成され、サイズは
1 kbである。
* RNA/RNAハイブリダイゼーショ
ンを実施する際のターゲットRN
Aとして使用される。メンブレ
ンにアプライする場合、この R
NAはラベルされたコントロール
RNA(バイアル 5)とハイブリダ
イズする。
7
NTP labeling
mixture
* 40μl ヌクレオチド混合液
* 10×濃縮 [10 mM ATP, 10 mM
CTP, 10 mM GTP, 6.5 mM UT
P, 3.5 mM DIG-11-UTP,
pH 7.5 (20℃)]
8
Transcription
buffer
* 40μl
* 10 × 濃縮
9
DNase I,
RNase-free
* 40μl
* [10ユニット/μl]
* ラベリング反応後のDNAテン
プレートを分解させるために
使用。
776 785
10
RNase
inhibitor
* 20μl
* [20ユニット/μl]
* ラベリング反応中のRNAの分
解を防ぐために使用。
3 335 399
3 335 402
11
SP6 RNA
polymerase
* 20μl
* [20ユニット/μl]
* DNAテンプレートからRNAを
合成する。
810 274
1 487 671
12
T7 RNA
polymerase
* 20μl
* [20ユニット/μl]
* DNAテンプレートからRNAを
合成する。
881 767
881 775
* 40μl
* [0.25 mg/ml]
* クローニングおよび転写用ベク
ター。サブクローンはT7または
SP6 RNAポリメラーゼにより
RNAプローブに転写される。
Control DNA 2 * 20μl
pSPT19-Neo
* [0.25 mg/ml] Pvu Ⅱにより切断。
* 標準的なプロトコールに基づき、
SP6 RNAポリメラーゼによるコン
トロールDNA1の転写から760ベ
スの長さのDIGラベルされたアン
チセンスNeo転写物が得られる。
* ラベリングとハイブリダイゼー
ション反応のコントロールとし
て使用される。
* pSPT19-Neo には 2 つのPvuⅡ
サイトがあるため
(一つは neo
遺伝子の761に位置)
、316 bpと
3761 bpのDNA断片を含む。
Labeled
control RNA
6
* 100μl[100 ng/μl ]
* DIGラベルされた"アンチセンス
"Neo RNA 760 bp。標準的なプ
ロトコールにより、4μl (1μgに
相当) のPvuⅡにより直鎖化され
た pSPT18-Neo DNA (バイアル
3)から、T7 RNAポリメラーゼを
用いて転写したもの。この転写
1 585 746
60
1 277 073
追加で必要となる試薬
上記の試薬の他に、いくつかの溶液を調製する必要があります。異な
る実験操作に応じて必要となる設備の概要について、下表を参考にし
てください。
詳細な情報については、それぞれの操作方法の冒頭に記載されています。
操作方法
設 備
試 薬
3.2 DIG RNA ウォーターバス
ラベリング
* 滅菌再蒸留水、DMPCにて処理する。
* EDTA, 0.2 M, pH 8.0
3.3ラベリング * ポジティブチャージの
効率の決定
ナイロン製メンブレン
(Cat. No. 1 417 240)
* UVトランスイルミネー
ター、または
* UVクロスリンカー
* RNA希釈用バッファー
* DIG Wash and Block Buffer Set
(Cat. No. 1 585 762)
* 抗ジゴキシゲニン-AP標識抗体
(Cat. No. 1 093 274)
* CSPD (Cat. No. 1 655 884)、
または
* CDP-Star (Cat. No. 1 685 627)
* DIG Luminescent Detection Kit
(Cat. No. 1 363 514)
2. はじめに
2.1 製品の概要
図 1 トランスクリプションベクターpSPT18とpSPT19のポリリンカーサイト
pSPT18/19へのクローニング
pSPT18/19プラスミドはpUC由来です。pBRR起源の amp 遺伝子を含みますが、
lac オペロンを含みません。そのため、青/白コロニー選別は出来ません。
ラベリングの原理
DIG RNA Labeling Kitは、テンプレートDNAをジゴキシゲニン-UTP存
在下でSP6またはT7 RNAポリメラーゼを使用したin vitro 転写により、
DIGラベルされた一本鎖RNAプローブを合成するためのキットです
(1,2)。
ステップ
試料となる物質
* 直鎖化されたプラスミドDNA
* PCR産物
メモ:RNaseの混入を避けるため、DNAをラベリング前にフェノール
処理してください。
説 明
in vitro 転写による 転写されるDNAを、SP6またはT7 RNAポリメラーゼのプロ
RNAラベリング
モーターを含む適切な転写用ベクター (pSPT18または19など)
のポリリンカーサイトにクローニングさせます(3,4)。
適切な部位でテンプレートDNAを直鎖化させた後、RNAポリ
メラーゼを用いて“run off ”転写反応を行います。
DIG-UTPは基質の1つとして転写産物の中に取り込まれま
す。新たに合成されるRNAの 20∼25ヌクレオチド毎にDIGUTPが含まれます。標準的な転写アッセイでは、ヌクレオチ
ドの濃度は制限されないため、ラベルされたRNAを多量に
合成させることが可能です。
ハイブリダイゼー
ション
DIGラベルされたプローブは、標準的な方法によりメンブ
レンにブロットされた核酸とのハイブリダイゼーションに
使用されます。
免疫検出
DIGラベルされたRNAプローブは、アルカリホスファター
ゼ標識抗ジゴキシゲニン抗体,Fabフラグメントを用いて免
疫検出されます。結合した標識抗体は、高感度な化学発光
基質CSPDまたはCDP- Star により可視化されます。
テスト回数
1 キットで、2 × 10回のラベリング反応に充分な試薬が含まれています。
品質管理
操作方法に記載されている通り、コントロールDNA1および 2 (バイア
ル 3, 4)をラベルされるRNAのテンプレートとして使用します。
これらのラベルされたRNAを使用し、最少0.1 pgのホモロガスDNA(バ
イアル 3, 4)または0.1 pgのホモロガスRNA(バイアル6 )をドットブロッ
トし、抗DIG-アルカリホスファターゼ抗体と基質CSPDを用いて検出
します。
キットの保存および安定性
未開封のキットは―15∼―25℃でラベルに印刷されている期限まで安定
アプリケーション
DIGラベルされたRNAを、以下のハイブリダイゼーションに使用する
ことが可能です。
* ノーザンブロット
* サザンブロット
* プラークまたはコロニーリフト
* RNaseプロテクションアッセイ
* in situ ハイブリダイゼーション
メモ:DIGとUTP間の結合はアルカリ耐性であるため、DIGラベルされた
RNAはアルカリ処理により断片化することがあります。DIG標識RNAプ
ローブのサイズを小さくすることは、in situ ハイブリダイゼーションにお
ける特定のアプリケーションで利点となる場合があります。
です。キットの輸送はドライアイスで行ってください。
長期保存後には、10 × 濃縮の転写用バッファー(バイアル 8)をDTT(ジ
チオスレイトール)を用い、最終濃度を0.1 Mに補ってください。
61
2.2 製品の特性
テンプレートDNAの特徴
テンプレート条件を下表に示します。
ラベリングの効率
ラベルされたRNAの合成量は、テンプレートの量、サイズ(直鎖化させ
る位置)および精製度に依存します。
標準的な条件下では、1μgのテンプレートDNAから約10μgの完全な
長さのDIGラベルされたRNAが転写されます。
760ベースの"run off"転写産物を得るために直鎖化された1μgのテンプ
レートDNAを標準的な反応でラベルすると、およそ10μgのDIGラベ
ルされたRNAに約37%のヌクレオチドが取り込まれます。
条 件
感度と特異性
最少1μgの哺乳類DNA中において、ハイブリダイゼーション溶液 1 ml
当たり20∼100 ngのDIGラベルされたRNAプローブを用い、さらに
CDP-Starを用いた化学発光検出により、シングルコピー遺伝子の検出
が可能です。
正確かつ迅速
特 長
試験され最適化されたキットの内容物をアプリケーション
時間の節約
ヒトまたは植物のトータルRNA中から、希少な転写産物を
検出することが可能です。
量
下記の方法により、1μgのプラスミドDNAテンプレートから最大
10μgのラベルされたRNAが得られます。全ての容量と組成をこの
方法に応じてスケールアップすることにより、より多くの量のラベ
リングを行うことが可能です。
アプリケーション
* 実験上ラベルされたRNAの量を推定するためのスタン
ダードまたは、
* ラベルされていないターゲットRNA(バイアル 6)に対する
ハイブリダイゼーションのコントロール用プローブとし
て使用される。
pSPTベクターDNA * DIGラベルされたベクターの"run around"転写産物合成の
(バイアル 1または 2) テンプレートまたは、
* 転写産物が、ターゲットpSPTまたはpBR DNA(DIG DNA
Labeling Kit, Cat.No.1 175 033のバイアル1など)に対す
るハイブリダイゼーション用プローブとして使用される。
ラベルされたRNAは全てそのままハイブリダイゼーション
に使用され、DNAのように二本鎖を形成しません。
3. 操作方法と必要な物
3.2 標準的なラベリングアッセイ
3.1 実験を始める前に
追加で必要となる試薬の調製
キットの内容物の他に必要となる試薬の組成、保存および使用につい
て、下表に示します。
一般的な操作上の留意点
DIGラベリングと検出における一般的なヒントについて、下表に示し
ます。
溶 液
ガイドライン
清潔な条件下で操作を実施します。 * DIGシステムの溶液をオートクレーブ
してください。
* SDSを含む溶液をろ過滅菌してください。
* Tween 20は、滅菌する溶液にあらかじ
め加えておきます。
清潔なインキュベーション用容器を * 実験用のトレーは、使用する前に必ずき
使用します。
れいに洗ってください。
* ノーザンブロットを行う際、洗浄および
検出の全てのステップで滅菌済みのガ
ラス容器を使用してください。
メンブレンを操作する際の留意点
最適な結果を得るために、テンプレートDNAを直鎖化し、約100 bp
またはそれよりも大きなサイズにする必要があります。
>10 kbのテンプレートDNAでは、ラベリングの前に4bp認識の制限
酵素を使用して消化し、短いフラグメントにする必要があります。
コントロール
DIGラベルされたRNAプローブは、エタノール中において
―15∼―25℃で最低 1 年間保存することが可能です。
凍結および融解の反復を避けるため、分注して凍結保存
することをお勧めします。
留 意 点
サイズ
DIG-labeled
control RNA
(バイアル 5)
ラベルされたRNA * 長さが明確に定義づけられます。
の定義づけ
* 一本鎖
プローブの二本
鎖形成がない
プラスミドDNAの単離には、High Pure Plasmid Isolation Kit
(Cat. No. 1 754 777)の使用をお勧めします。
コントロール反応
コントロール用バイアルを使用したその他のいくつかのアプリケー
ションについて、下表に示します。
に使用することにより、RNAプローブをラベルするために
必要な操作時間を最少化し、効率と再現性を高めること
が可能です。
感 度
精製度
試料の調製
* DNAテンプレートを、クローン挿入部の下流にある制限酵素サイト
において直鎖化させることが必要です。
* 不必要なシーケンスが転写されることを避けるため、5' 粘着末端あ
るいは平滑末端を生じる制限酵素を使用します。
* 制限酵素による消化の後、フェノール/クロロフォルム抽出とエタ
ノール沈殿によりDNAを生成します。
特 長
DIGラベルされたRNAプローブの使用における利点と特長を下表に示
します。
利 点
詳 細
* パウダーフリーの手袋を着用してくださ
い。
* 清潔なピンセットを用いメンブレンの
端のみで操作してください。
62
調 製 方 法
保存と
安定性
使 用
DMPC処理水
滅菌再蒸留水を0.1%ジメチ
ルピロカーボネートを用い
て処理します。
15∼25℃
で安定
容量の調整やRNA
の再懸濁に使用し
ます。
EDTA
0.2 M エチレンジアミノテト 15∼25℃
ラ酢酸, pH 8.0
で安定
反応の停止に使用
します。
操作方法
以下は、標準的なRNAラベリング反応です。
ラベルされたRNAを含むハイブリダイゼーション溶液は、凍結保存の
後、再利用することが可能です。この場合、すべての溶液がRNaseフ
リーであることが必要です。DIG Easy Hybを使用している場合は、プ
ローブを68℃で10分間再変性させてください(沸騰させないこと)。
ステップ
操 作
1
1μgの精製テンプレートDNAまたは 4μlのコントロールDNA
(バイアル 3または 4)と、RNaseフリーかつDMPC処理した滅菌
再蒸留水とを、最終容量が13μlになるようにRNaseフリーの反応
用バイアルに加えます。
2
免疫検出
プローブをハイブリダイズさせたフィルターを直ちに検出すること
も、後の検出のためにプラスチック製バッグに密封して保存すること
も可能です。メンブレンをブロッキングした後、抗DIG-AP標識抗体を
DIGラベルしたRNAと結合させます。化学発光検出には、CSPDまたは
CDP-Starがお勧めです。
フィルターのX-線フィルムまたはイメージャーへの露光時間は、10∼
30分間です。フィルターからプローブを剥離し、ハイブリダイゼー
ションに再利用することが可能です。この場合、操作の各ステップで
フィルターを完全に乾燥させないように注意してください。
検出用試薬は別売されています。DIGラベルされたRNAプローブの簡
便かつ高感度検出のために推奨される詳細なプロトコールは、DIG Luminescent Detection Kit*に含まれています。
* 氷上で以下を加えます。
試薬
バイアル
容量
2μl
10
×
濃縮 NTPラベリング混合液
7
10
×
濃縮 転写用バッファー
8
2μl
RNase Inhibitor
10
1μl
SP6 RNAポリメラーゼ
または
T7 RNAポリメラーゼ
11
2μl
12
* おだやかに混和し、手短に遠心します。
* 37℃で 2 時間インキュベートします。
メモ:インキュベーション時間を延長しても、ラベルされたRNA
の収量は増加しません。
3.3 ラベリング効率の決定
3
* 2μlのDNase I, RNase-freeを加え、テンプレートDNAを除去し
(オプション)
ます。
* 37℃で15分間インキュベートします。
はじめに
DIGラベルされたRNAの収量の決定は、最適かつ再現性のあるハイブリ
ダイゼーションの結果を得るために最も重要です。ハイブリダイゼー
ション混合液中のプローブの濃度が高すぎると、バックグラウンドを生
じますが、濃度が低すぎるとシグナルを弱めることになります。
メモ:RNaseプロテクションアッセイのみに必要な操作です。
4
2μlの0.2 M EDTA(pH8.0)を加え、反応を停止させます。
メモ:RNA転写産物は、アガロースゲル電気泳動(フォルムアルデ
ヒドゲルなど)とエチジウムブロマイド染色により解析することが可
能です。
テストの原理
ラベルされたプローブの定量には、直接検出法が推奨されます。
DNase処理
転写されたDNA標識RNAはテンプレートDNAと比較して非常に大量のた
め、ノーザン、サザン、コロニー/プラークなどのハイブリダイゼーショ
ンにRNAプローブを使用する場合は、DNase処理は必要ありません。
ラベルされたプローブの操作および保存方法
DIGラベルされたプローブをフェノール/クロロフォルム抽出すると、
有機層にも分画するため、この操作を行わないでください。
ラベルされたプローブは、―15∼―25℃下で 1 年間安定保存することが
可能です。
メモ:ラベルされたプローブについて、凍結融解の反復を避けて保存
してください。
ステージ
説 明
1
* DIGラベルされたRNAの希釈系列を、ポジティブチャージの
ナイロンメンブレン* にアプライします。
* ナイロンメンブレンの一部に、既知濃度に希釈したコントロール
RNA(バイアル 5)をスタンダードとして、あらかじめのせておき
ます。
2
* ナイロンメンブレンを、抗ジゴキシゲニン-AP標識抗体および
CSPD ready-to-useまたはCDP-Star の調製溶液を用いて免疫検
出します。
* DIGラベルされたRNAとコントロールRNAとのシグナルの強度
を、イメージャーまたは X-線フィルムに露光させて比較します。
プローブの定量
ラベルされたプローブは全て、合成される核酸の予想される収量に応
じて希釈される必要があります(1μgテンプレート当たり、およそ10μ
gのラベルされたRNA)。
ラベリング効率は、使用したテンプレートの量とインキュベーション
時間に依存します。プローブの濃度を推定するため、その都度プロー
ブとDIG標識されたコントロールRNA(バイアル5)から少量ずつをと
り、予想される濃度である10 ng/μlに希釈してください。
反応のスケールアップ
ラベルされたRNAの収量を増加させるため、反応をスケールアップさ
せることが可能です。
テンプレートDNAの量はそのままで、ラベリング反応中のその他の組
成を増量させることにより、ラベルされたプローブを多量に合成する
ことが可能です。
1μgの直鎖化されたコントロールDNA(バイアル 3)をテンプレートとし
て反応を5倍にスケールアップする場合、37℃において 2 時間のイン
キュベーション後に40μg以上のDIGラベルされたRNAが合成されます。
追加で必要となる溶液
RNA希釈バッファー:
DMPC処理済み滅菌再蒸留水:20 × SSC:ホルムアルデヒドを5:3:2に
混合したRNaseフリーの溶液(常に用事調製)
ハイブリダイゼーション
ノーザンによる解析を行う際、次の量のターゲットRNAをお勧めしま
す:1μgのトータルRNA、100 ngのmRNA。
希釈系列
次ページの表を参考に、ラベルされたプローブとコントロールRNAと
の希釈系列の調製を行ってください。
メモ:水を用いて高度に希釈されたRNAは安定ではありません。
希釈試料を調製後、直ちにブロットする必要があります。
標準的なハイブリダイゼーションのプロトコールに従い、DIGラベル
されたRNAを使用することが可能です。DIG Easy Hyb*の使用によ
り、ハイブリダイゼーションの時間が短縮され ( 6 時間未満)、バック
グラウンドが低減されます。ハイブリダイゼーション溶液1ml当たり20
∼100 ngのDIGラベルされたRNAプローブを使用します。最良の結果
を得るために、DIGシステムについて最適な結果が機能試験されてい
る(Roche社の)ポジティブチャージのナイロンメンブレンの使用をお勧
めします。
63
チューブ
RNA(μl)
使用する
RNA希釈用 希釈率
チューブ番号 バッファー(μl)
最終濃度
1
-
プローブと
バイアル 5
の希釈
10ng/μl
2
2
1
18
1 : 10
1ng/μl
3
2
2
198
1 : 100
10pg/μl
4
15
3
35
1 : 3.3
3pg/μl
5
5
3
45
1 : 10
1pg/μl
6
5
4
45
1 : 10
0.3pg/μl
7
5
5
45
1 : 10
0.1pg/μl
8
5
6
45
1 : 10
0.03pg/μl
9
5
7
45
1 : 10
0.01pg/μl
10
0
-
50
-
0
-
-
バックグラ
ウンドを生
じる
ラベルされたプローブ セクション 3.3 の記載に従い、最適な
の濃度が高すぎる。 プローブ濃度を決定します。
ハイブリダイゼーション混合液中で
100 ng/mlを上回らないこと。
a)プローブの濃度を下げてください。
b)メンブレンを適切なプレハイブリダイ
ゼーション溶液に浸漬したかどうかを
確認してください。
適切でないタイプの
ナイロンメンブレン
を使用した。
ナイロンメンブレンの中には、高いバック
グラウンドを生じるタイプがあります。
Roche Diagnosticsから発売されている、
DIGシステムについて試験済みのナイロ
ンメンブレンを使用してください。
メモ:いかなる場合も、メンブレンを乾
燥させてはいけません。
ストリンジェンシー
洗浄が充分でない。
* ストリンジェンシー洗浄の温度を確認
し、洗浄溶液を適正な温度まであらか
じめ温めておきます。
* 0.5 × SSCから0.1 × SSC に洗浄のス
トリンジェンシーを上げます。
ターゲットの濃度が
高すぎる。
1レーン当たり、1μgトータルRNAまた
は100 ngのmRNAを上回る量を使用しな
いでください。DIGシステムはラジオア
クティブなシステムに比べて感度が高い
操作方法
直接検出のための方法が下表に示されています。
ステップ
操 作
1
ラベルされたプローブから調製したチューブ 3∼10およびラベル
されたコントロールRNAから、ナイロンメンブレン*のストリップ
に 1μlずつを滴下します。
2
UV照射または120℃、30分間のベーキングにより、核酸をメンブ
レンに架橋させます。
3
DIG Luminescent Detection Kitまたは基質CSPD, CDP-Star の使
用説明書の記載に従い、メンブレンストリップのサイズに応じた
量を使用して化学発光検出を行います。
メモ:NBT/BCIPを使用した発色検出法はDIG Nucleic Acid Detec
tion Kit (Cat. No. 1 175 041)の説明書に記載されています。
スメアーな
バックグラ
ウンドを生
じる
ため、RNA濃度が高すぎると、分解産物
を検出してしまうことにつながります。
4.2 リファレンス
..
1. Holtke, H. J. & Kessler, C. (1990) Nucleic Acid Res. 18, 5843.
2. Feinberg, A. P. & Vogelstein, B. (1983) Anal. Biochem. 132, 6.
3. Dunn, J. J. & Studier, F. W. (1983) J. Mol. Biol. 166, 477.
4. Kassavetis, G. A., et al. (1982) J. Biol. Chem. 257, 5779.
5. Cox, K. H., et al. (1984) Dev. Biol. 101, 485.
6. Pardue, M. L. (1985) in : In situ hybridization (Hanes, B. D. & Higgins,
S. J., eds.), Nucleic acid hybridization, a practical approach; IRL Press,
Oxford, 179- 202.
7. Beck et al. (1982) Gene 19, 327-336.
結果の解析
ラベリング反応によるスポットのシグナル強度とコントロールとを比
較し、DIGラベルされたRNAの量を算出します。
メモ:NBT/BCIPを使用した発色検出法はDIG Nucleic Acid Detection
Kit (Cat. No. 1 175 041)の説明書に記載されています。
4. 付 録
*Roche Diagnosticsから発売されています。
4.1 トラブルシューティング
トラブルシューティング一覧表
下表では、DIGラベリングおよび検出のトラブルシューティングの
様々なパラメーターについて記載しています。
問 題
感度が低い
問題となりうる理由
解決方法のすすめ
プローブのラベリング * ラベリング効率を確認します。
が充分でない。
ラベリング反応をスケールアップさせ
ることも可能です。
* テンプレートDNAをフェノール処理
とエタノール沈澱により精製します。
* テンプレートがラベリングの前に直鎖
化されていたかどうかを確認します。
* 0.1 mMよりも高濃度のEDTAを含む
バッファー中にテンプレートを保存し
ないでください。
* ターゲットのRNAまたはDNAの量と
クオリティを確認します。
ハイブリダイゼーショ * プローブの濃度を最大 100 ng/mlまで
ン中においてプローブ
高めてください。
の濃度が低い。
* ハイブリダイゼーション時間をオーバー
ナイトに延長してください。
64
4. 3 関連製品
5. 操作方法のクイックリファレンス
キット
製 品 名
包装単位
Cat. No.
DIG Luminescent Detection Kit (CSPD)
50ブロット
(10 × 10 cm2)
1 363 514
DIG Nucleic Acid Detection Kit (NBT/BCIP)
40ブロット
(10 × 10 cm2)
1 175 041
DIG Wash and Block Buffer Set
30ブロット
(10 × 10 cm2)
1 585 762
High Pure Plasmid Isolation Kit
50回精製用
250回精製用
ステップ
操 作
1
1μgの精製テンプレートDNAまたは 4μl のコントロールDNA(バ
イアル 3 または4)と、RNaseフリーかつDMPC処理した滅菌再蒸
留水とを、 最終容量が 13μl になるようにRNaseフリーの反応用
バイアルに加えます。
2
* 氷上で以下を加えます。
試 薬
1 754 777
1 754 785
単品試薬
製 品 名
包装単位
Cat. No.
Blocking Reagent
50 g
1 096 176
CSPD
1 ml
1 655 884
CSPD, ready-to-use
2 × 50 ml
1 755 633
CDP-Star
1 ml
2 × 1 ml
1 685 627
1 759 051
CDP-Star, ready-to-use
2 × 50 ml
2 041 677
500 ml
1 603 558
1セット
(6 × 100 ml)
1 796 895
50バッグ
1 666 649
Protector RNase Inhibitor
2 000 U
10 000 U(5 vials
of 2 000 U)
3 335 399
3 335 420
Lumi-Film Chemiluminescent
Detection Film
100枚
(18 × 24 cm)
100枚
(20.3 × 24.4cm)
1 666 916
4l
1 666 681
10枚
20枚
1ロール
1 209 272
1 209 299
1 417 240
8 ml
1 681 451
DIG Easy Hyb (ready-to-use hybridization
solution without formamide)
DIG Easy Hyb Granules
Hybridization bags
Buffers in a box. premixed SSC buffer, 20 ×
Nylon Membrane, positively charged
(20 × 30 cm)
(10 × 15 cm)
(0.3 × 3 mロール)
NBT/BCIP stock solution
バイアル
容 量
2μl
10 × 濃縮 NTPラベリング混合液
7
10 × 濃縮 転写用バッファー
8
2μl
RNase Inhibitor
10
1μl
SP6 RNAポリメラーゼ
または
T7 RNAポリメラーゼ
11
2μl
12
* おだやかに混和し、手短に遠心します。
* 37℃で 2 時間インキュベートします。
メモ:インキュベーション時間を延長しても、ラベルされたRNA
の収量は増加しません。
1 666 657
65
3
(オプション)
* 2μlのDNase I, RNase-freeを加え、テンプレートDNAを除去し
ます。
* 37℃で15分間インキュベートします。
メモ:RNaseプロテクション実験のみに必要な操作です。
4
2μl の0.2 M EDTA(pH 8.0)を加え、反応を停止させます。
メモ:RNA転写産物は、アガロースゲル電気泳動(フォルムアルデ
ヒドゲルなど)とエチジウムブロマイド染色により解析することが
可能です。
DIG Northern Starter Kit
ジゴキシゲニンと SP6/T7/T3 RNA ポリメラーゼを用いた RNA の転写ラベルおよび CDP-Star, ready-to-use を用いた化学発光検出用
Cat. No. 2 039 672
10 × 10 cm2 メンブレンを対象に 10 回のラベリング反応と検出を行うためのキット
−15∼−25℃保存
Version, 2004年10月
1. はじめに
1.1 キットの内容
ボトルまたは
キャップの番号
ラベルの表示
内 容(機能を含む)
Cat. No.
(別売される場合)
1a
Labeling mix
* 40μl
* 5 × 濃縮されたラベリング混合液。最適な濃度のラベルされていないヌクレオチドと
DIG-11-UTPが含まれています。
* 透明な粘性の溶液
* 直鎖化されたテンプレートDNAの in vitro 転写を効率よく行うための試薬
1b
Transcription Buffer
* 40μl
* 5 × 濃縮された転写用バッファー
* 透明な溶液
* 直鎖化されたテンプレートDNAの in vitro 転写を効率よく行うための試薬
2
SP6 RNA Polymerase
* 20μl
* [20U/μl]
* DNAテンプレートからRNAを合成する酵素
810 274
3
T7 RNA Polymerase
* 20μl
* [20U/μl]
* DNAテンプレートからRNAを合成する酵素
881 767
4
T3 RNA Polymerase
* 20μl
* [20U/μl]
* DNAテンプレートからRNAを合成する酵素
1 031 163
5
Anti-digoxigenin-AP, Fab fragments
* 60μl
* [750 U/ ml]
* アルカリホスファターゼ標識抗ジゴキシゲニン羊ポリクローナル抗体, Fabフラグメント
* 透明な溶液
1 093 274
6
DNase I, RNase free
* 20μl
* [10 U/μl]
* 転写反応後にDNAテンプレートを分解するための酵素
7
CDP-Star, ready-to-use
* 20 ml
* アルカリホスファターゼの化学発光基質
2 041 677
8
Actin RNA probe, DIG-labeled
* アンチセンスプローブ, 588塩基
* [10 ng/μl]
* DIGラベルされたRNAの定量用スタンダード、およびハイブリダイゼーションのコン
トロール
1 498 045
9
DIG Easy Hyb Granules
* ボトル 2 本(調製後、それぞれ100 ml 懸濁溶液となる。)
* DIGラベルされたRNAプローブのハイブリダイゼーション用バッファー
1 796 895
10
Blocking solution
*
*
*
*
2 × 100 ml
10 × 濃縮
黄色い不透明な粘性の溶液
化学発光検出法に使用
66
1 277 073
776 785
追加で必要となる設備と試薬
上記にリストされている試薬以外に、いくつかの溶液を特にDMPCまたはDEPC処理水を用いて調製する必要があります。下表は、様々な操作方
法に必要な設備の概要について示したものです。
詳しい情報については、操作方法の各論のページに記されています。
操 作 方 法
設 備
試 薬
3.3 DNAテンプレートの調製
3.3.1 スタンダード法
または
3.3.2 PCR法
* サーマルサイクラー
* High Pure Plasmid Isolation (Cat. No. 1 754 777)
* フェノール/クロロホルム
* Expand High Fidelity PCR System (Cat. No. 1 732 641)
* Primer (センス、アンチセンス)
* ヌクレオチド
3.4 DIG-RNAラベリングの法
* ウォーターバス または ヒートブロック
* 氷水
* 滅菌再蒸留水
* EDTA, 0.2 M, pH 8.0
3.5 ラベリング効率の決定
*
*
*
*
* RNA希釈バッファー
* DIG Wash and Block Buffer Set (Cat. No. 1 585 762)
または
* 洗浄用バッファー
* マレイン酸バッファー
* 検出用バッファー
3.6 ノーザンブロット用ゲル
システム
* ゲル電気泳動装置
* 加温式ウォーターバス(65℃)
または
* ヒートブロック(65℃)
* 氷 * 10 × MOPS, pH 7.0 (NaOHで調整)
* ローディングバッファー
* ゲル溶液
*ランニングバッファー
3.7 RNAブロッティングと固定
*ナイロンメンブレン, プラスチャージ
* Whatmann 3 MM ろ紙
* UVトランスイルミネーター または
* UVクロスリンカー
* オーブン (120℃ または80℃)
手法により
* 20 × SSC
* 2 × SSC
3.8 ハイブリダイゼーション
*
*
*
*
*
*
ストリンジェンシー洗浄液
* 2 × SSC, 0.1% SDS
* 0.1 × SSC, 0.1% SDS
3.6.1 フォルムアミドゲル
ナイロンメンブレン, プラスチャージ
UVトランスイルミネーター、または
UVクロスリンカー
オーブン (120℃または80℃)
ナイロンメンブレン, プラスチャージ
氷水
振盪式ウォーターバス または
ハイブリダイゼーション用オーブン
ハイブリダイゼーションバッグ または
耐熱性密封式プラスチックまたはガラス製の箱、ペトリ皿、
ローラーボトル
メモ:DIG Easy Hybを使用する際は、
蓋のある容器を使用して
ください。
3.9 免疫検出
* ハイブリダイゼーションバッグ または
* デベロップメントフォルダー
* DIG Wash and Block Buffer Set (Cat. No. 1 585 762)
または
* 洗浄用バッファー
* マレイン酸バッファー
* 検出用バッファー
3.10 RNAブロットのストリッ
ピングとリプロービング
* ウォーターバス
* ハイブリダイゼーションバッグ
* 再蒸留水
* ストリッピングバッファー
* 2 × SSC
2. はじめに
免疫検出
ハイブリダイズしたプローブを、AP標識抗ジゴキシゲニ
ン抗体, Fabフラグメントを用いて免疫検出し、化学発光
基質CDP-Star, ready-to-useを用いて可視化させます。酵
素アルカリホスファターゼによるCDP-Star,ready-to-use
の脱リン酸により、最大波長465 nmの発光(図1を参照)が
得られ、この発光はイメージャーまたは X - 線フィルムに
より記録されます[4,5]。フィルムへの露光時間は、5 ∼30
分間程度の範囲内です。
2.1 製品の概要
テストの原理
DIG Northern Starter Kitは、ジゴキシゲニン-UTP存在下でSP6, T7, T3
RNAポリメラーゼを使用したテンプレートDNAのin vitro転写により、DIG
ラベルされた一本鎖RNAプローブを合成します。
ステップ
RNAラベリング
ハイブリダイゼー
ション
説 明
DIGラベルされたRNAプローブは、in vitro 転写ラベリング
技術により合成されます。最適な濃度のヌクレオチドと
DIG-11-UTPおよび、特別に開発された転写用バッファー
を含むラベリング用混合液を直鎖化させたDNAテンプレー
トおよび適切なRNAポリメラーゼと混和します。
O- O
O-O OCH3
OCH3
O
O
アルカリホス
ファターゼ
OCH3
O*
Cl
OPO 2-
CDP-Star
DIGラベルされたRNAプローブは、標準的な方法に基づき
メンブレンにブロットされた核酸とのハイブリダイゼーシ
ョンに使用されます。
図 1:CDP-Starの反応
67
不安定な
中間産物
O ⃝-
Cl
hν
アプリケーション
ナイロンメンブレン上におけるノーザンブロット
3. 操作方法と必要な資材
3.1 実験を始める前に
テンプレート試料となる物質
* 直鎖化したプラスミドで、適切なRNAポリメラーゼ(SP6, T7, T3)の
プロモーターのシーケンスを持つもの。
転写される領域の長さは200∼1000 bpの範囲であること。
メモ:RNaseの混入を避けるため、DNAをフェノール処理し、エタ
ノール沈殿させることが必要です。
* 特別に調製されたPCR産物(チャプター 3. 3を参照)。
一般的な操作上のすすめ
下表は、DIGラベリングと検出およびRNAの取扱いのための一般的な
ヒントです。
推奨条件
詳 細
清潔でRNaseフリー条件下で
操作を行ってください。
アッセイの所要時間
下表は、各操作ステップにおける反応時間の一覧です。
操作のステップ
反応時間
RNAラベリング
1 時間20分
ハイブリダイゼーション
清潔なインキュベーショントレー
を使用してください。
いてよく
6 時間からオーバーナイト
免疫検出
1 時間40分
化学発光によるシグナルの検出
5 ∼30分間
メンブレンを操作する際の
必要事項
テスト数
1キットの内容は、以下のテスト数に十分です。
* 1μgのDNAを10回ラベリングし、1 回に約20μgラベルされたRNA
が得られます。また、
* 10 × 10 cm2 のメンブレン10ブロットを検出します。
キット内容物
RNA polymerases
バイアル
保存と安定性
1a
未開封のバイアルは―15∼―25℃にて
ラベルに印刷された期限まで安定です。
メモ:凍結融解の繰り返しを避けてくだ
さい。コンタミネーションを防ぐため、
Labeling mix溶液を 2 ∼ 3 バイアルに分
注して保存することをお勧めします。
1b
2∼4
セクション 3.3
セクション 3.4
セクション 3.5
セクション 3.6
セクション 3.7
セクション 3.8
―15∼―25℃で安定
Anti-Digoxigenin-AP,
Fab fragments
5
2 ∼ 8℃で安定
メモ:凍結させないでください。
CDP-Star, ready-to-use
7
2∼8℃
メモ:遮光保存してください。
DIG Easy Hyb Granules
9
* ―15∼―25℃で安定。
* 開封後の溶液は、滅菌保存して 1ヶ月
まで安定。
Blocking solution
10
2 ∼ 8℃で安定
メモ:分注して―15∼―25℃で保存する
セクション 3.9
セクション 3.10
一般的な情報
* High Pure Plasmid Isolation Kit* (Cat. No. 1 754 777)を使用し、プラ
スミドDNAの精製を行ってください。
* DNAテンプレートは、クローン挿入部の下流にある制限酵素サイト
で直鎖化させる必要があります。転写するシーケンスの長さは200∼
1000 bpの範囲です。
* 不必要なシーケンスを転写することがないよう、5'-粘着末端または
平滑末端を生じる制限酵素を使用してください。
* 制限酵素による処理の後、DNAをフェノール/クロロフォルム抽出
とエタノール沈殿により精製してください。
* テンプレートDNAを10 mM Tris, 0.1 mM EDTA, pH 8.0の溶液中に
溶解してください。
メモ:EDTAの濃度が高すぎると転写反応が阻害されます。
DNA溶解用のTEバッファーには、0.1 mMを上回る濃度のEDTAを使用
しないでください。
利 点
下表に、このキットを使用する利点と特長について説明します。
特 長
試験済みのアプリケーションと最適化されたキット内容物を使
用することにより、RNAプローブをラベルするために必要な操
作時間が最低限に抑えられ、かつ効率と再現性が高められます。
感度が高い
ヒトのトータルRNAや植物RNA中から、僅かな転写産物を
検出することが可能です。
時間の節約
DIGラベルされたRNAプローブは、エタノール中、―15∼―25℃
下で少なくとも 1 年間保存が可能です。プローブを分注して凍
DNAテンプレートの調製
↓
DIG-RNAラベリング
↓
半定量法によるラベリング効率の決定
↓
DIGノーザンブロットに適したゲルのシステム
↓
RNAのブロッティングと固定
↓
ハイブリダイゼーション
↓
免疫検出
↓
プローブの剥離とRNAブロットのリプロービング
3.3.1 標準的な方法
感度と特異性
0.1μgのトータルRNAから、僅かなmRNAを検出することが可能です。
正確かつ迅速
* パウダーフリーの手袋を着用します。
* 清潔なピンセットを用い、メンブレンの
端のみで扱います。
3.3 DNAテンプレートの調製
ことを推奨します。
利 点
実験用トレーを徹底的に清潔に保ち、使用
する前にRNase ZAP (シグマ R-2020)を用
洗うか、ガラス製のトレーを200℃で 8 時
間乾熱滅菌します。
3.2 フローチャート
キットの保存と安定性
未開封のキットは、―15∼―25℃にて、ラベルに印刷された期限まで安
定です。開封後は、下表に従って適切に保存してください。
Labeling mix
および
Transcription buffer
* パウダーフリーの手袋を着用します。
* 全ての溶液の調製に、DMPCまたは
DEPC処理水を使用します。
* 溶液をオートクレーブします。
* SDSを含む溶液をろ過滅菌します。
* Tween 20を、あらかじめ滅菌された
溶液に加ておきます。
結保存し、凍結融解の繰り返しを避けることをお勧めします。
68
3.3.2 RT-PCRおよびPCRを使用したトータルRNAからのDNAテンプ
レートの調製
3.4 DIG RNAラベリング
はじめに
RNAはジゴキシゲニン-11-UTPを用いた in vitro 転写反応によりラベルさ
れます。この反応には、NTP混合液、ジゴキシゲニン-11-UTPを含むラ
ベリング混合液と、最適化された転写用バッファーを使用します。
概 要
クローニングをせずにRNAをin vitro 転写によりDIGラベリングするた
めのテンプレート合成の別法を下表に示します。
ステージ
説 明
1
標準的な方法を用いてトータルRNAを調製します。
2
oligo(dT)プライマーを用い、Expand Reverse Transcriptase Sys
tem* (Cat. No. 1 785 826) を使用してRT-PCRを行います。
3
適切なRNAポリメラーゼプロモーターのシーケンスを含む特別に
デザインされたプライマーを用い、PCRを行います。標準的な
PCR条件を使用します。最良の結果を得るためには、Expand
High Fidelity PCR System (Cat. No. 1 732 641) を使用すること
をお勧めします。
追加で必要となる器具と溶液
* 42℃および37℃用ウォーターバスまたはヒートブロック
* 氷水
追加で必要となる試薬の組成、保存方法および使用について、下表に
示します。
溶 液
RNAポリメラーゼプロモーターのシーケンス
RNAポリメラーゼのプロモーターのシーケンスを下表に示します。
プロモーター
メモ:SP6プロモーターはプラスミド環境下
においてのみ効果的なトランスクリプション
開始を示しますので、SP6プロモーター配列
のPCRによる合成は推奨出来ません。(3)
T7 RNAポリメラーゼ
5' TAATACGACTCACTATAGGG/X-mer
または
5'TAATACGACTCACTATAGGA/X-mer
T3 RNAポリメラーゼ
5'AATTAACCCTCACTAAAGGG/X-mer
保存と安定性
使用目的
水
オートクレーブ,DMPCまたは
DEPC処理済みの再蒸留水
15∼25℃で安定
各種溶液の
希釈用
EDTA
0.2 M エチレンジアミノテトラ
酢酸, pH 8.0
15∼25℃で安定
反応の停止用
操作方法
下表の方法は、1μgのDNAテンプレート用にデザインされたもので
す。全ての組成と容量をスケールアップすることで、より多くの量を
ラベルすることが可能です。
シーケンス
SP6 RNAポリメラーゼ
組 成
ステップ
操 作
1
1μgの直鎖化したプラスミドDNAまたは、4μl のPCR産物
(100∼200 ng)とRNaseフリーのDMPCまたはDEPC処理済み再
蒸留水とを最終容量が10μl になるように滅菌済み反応チューブ
に加えます。
2
* 氷上で以下の組成を加えます。
追加で必要となる器具と試薬
* サーマルサイクラー
* Expand High Fidelity PCR System,* バッファーを含む (Cat. No. 1 732 641)
* プライマー (センス、アンチセンス)
* ヌクレオチド (dATP, dCTP, dGTP, dTTP, 各10 mM)
試 薬
ラベリング混合液, 5 × 濃縮(バイアル1a)
1
操 作
氷上に設置した滅菌済みRNaseフリーの反応チューブに、以下の
試薬を順番どおりに加えます。
試 薬
容 量
最終濃度
滅菌再蒸留水
(DMPCまたはDPEC処理)
他の試薬量に
応じて変動
―
MgCl2 を含むExpand バッ
ファー(10 × 濃縮)
(酵素に添付されている)
5μl
1.5 mM MgCl2
(1 × 濃縮)
10 mM dATP, dCTP,
dGTP, dTTP
それぞれ 1μl
0.2 mM
プライマー 1 (センス)
他の試薬量に
応じて変動
300 nM
プライマー 2 (アンチセンス)
他の試薬量に
応じて変動
300 nM
Expand High Fidelity
0.75μl
2.6 U
2μl
―
最終容量
50μl
3
3
* テンプレートDNAを分解除去するため、2μl のDNase I, RNase
フリーを加えます。
* 37℃で15分インキュベートします。
4
2μl の0.2 M EDTA (pH 8.0)を加え、反応を停止します。
はじめに
DIGラベルされたRNAの収量の決定は、ハイブリダイゼーションの結果
が最適かつ再現性を有するために最も重要です。ハイブリダイゼーショ
ン用混合液中のプローブ濃度が高すぎると、バックグラウンドの原因と
なりますが、濃度が低すぎるとシグナルを弱くしてしまいます。
テストの原理
ラベルされたプローブの定量法として推奨される方法は、コントロー
ルRNA(バイアル 8)との比較による直接検出法です。
以下の条件で30回サイクルさせます。
温 度
時 間
94℃
45秒間
アニーリング
60℃
45秒間
伸長反応
72℃
90秒間
変性
2μl
3.5 ラベリング効率の決定
cDNA
ステップ
4μl
RNAポリメラーゼ (SP6, T7またはT3)
ラベリングの効率と、ラベルされたRNAのサイズ
* 1 アッセイ当たり1μgのDNAを用いた標準的な反応において、1 時
間で新たに合成されるDIGラベルされたRNA約20μgに対し67%のヌ
クレオチドが取り込まれます。
* ラベルされたRNAのサイズは、200∼1000塩基の範囲になります。
おだやかに混和し、手短に遠心します。
2
4μl
転写用バッファー, 5 × 濃縮(バイアル1b)
* 混和し、手短に遠心します。
* 42℃で 1 時間インキュベートします。
操作方法
Expand High Fidelity PCR System*を使用したお勧めのプロトコール
を下表に示します。
ステップ
容 量
PCR産物をラベリングに直接使用します(セクション3.4)。
69
ステップ
説 明
1
* DIGラベルされたRNAの希釈系列をポジティブチャージのナイ
ロンメンブレン*の小片にアプライします。
* ナイロンメンブレンの一部分には、スタンダードとして既知の
希釈濃度のDIGラベルされたコントロールRNAをあらかじめ
のせておきます。
2
* ナイロンメンブレンはAP標識抗ジゴキシゲニンおよびCDPStar ready-to-useを用いて免疫検出されます。
* イメージャーまたは X - 線フィルムに露光させてDIGラベルさ
れたRNAの希釈系列およびコントロールRNAのシグナルの強
度を比較します。
追加で必要となる設備
* ポジティブチャージのナイロンメンブレン* (Cat. No. 1 417 240)
* UVトランスイルミネーター または
* UVクロスリンカー
* オーブン(120℃または80℃)
追加で必要となる溶液の調製方法
洗浄用バッファー、マレイン酸バッファー、ブロッキング溶液および
検出用バッファーはそのまま使用できる形状で、DIG Wash and Block
Buffer Set (Cat. No. 1 585 762)DNase- and RNase-free*として発売され
ています。これらの溶液はチャプター 3. 9 の検出方法のところでも使
用されます。また、大容量で調製することも可能です。
溶 液
組成や調製方法
保存と
安定性
使用目的
RNAの希釈
RNA希釈用
バッファー
DMPC処理済みの再蒸留水、20 ×
SSC、ホルムアルデヒドを
[37%]
5 : 3 : 2 の割合で混和させます。
用時調製
洗浄用
バッファー
0.1 Mマレイン酸, 0.15 M NaCl;
pH 7.5 (20℃); 0.3%(v/v) Tween 20
15∼25℃ 結合しなかっ
で安定
た抗体の除去
マレイン酸
バッファー
0.1 Mマレイン酸, 0.15 M NaCl;
15∼25℃ ブロッキング
NaOH(固体)を用いてpH 7.5(20℃)に で安定
溶液の希釈
調整する。
検出用
バッファー
0.1 M Tris-HCl, 0.1 M NaCl, pH 9.5 15∼25℃
(20℃)
で安定
組成や調整方法
保存と
安定性
常に
ブロッキング 10 × ブロッキングストック溶液(ボト
溶液
ル 10)をマレイン酸バッファーに 1 : 10 用時調製
希釈して、1× 濃度の溶液を調製します。
抗体溶液
使用する前毎に抗ジゴキシゲニン-AP 2 ∼ 8℃
(バイアル 5)をもとのバイアルのまま で 2 時間
10,000 rpmで 5 分間遠心し、液面か
ら必要な量を注意深くピペットで取
り出します。ブロッキング溶液中で、
抗ジゴキシゲニン-APを 1 : 10,000
(75 mU/ml)に希釈します。
RNA
(μl)
使用した
チューブ番号
RNA希釈用
バッファー
(μl)
希釈
最終濃度
1
−
ラベルしたプローブの
希釈溶液または
バイアル 8
−
−
10 ng/μl
2
2
1
18
1 : 10
1 ng/μl
3
2
2
198
1 : 100
10 pg/μl
4
15
3
35
1 : 3.3
3 pg/μl
5
5
3
45
1 : 10
1 pg/μl
6
5
4
45
1 : 10
0.3 pg/μl
7
5
5
45
1 : 10
0.1 pg/μl
8
5
6
45
1 : 10
0.03 pg/μl
9
5
7
45
1 : 10
0.01 pg/μl
10
0
-
50
-
0
操作方法
下表は、直接検出法について説明しています。
メモ:下記で紹介する容量は、約 3 × 5 cmのサイズのメンブレンの小
片を、ペトリ皿のような小さいプラスチック製容器を用いて処理する
ためのものです。
全てのステップにおいて、メンブレンを完全にカバーするのに十分な
量のバッファーを使用してください。
ステップ
pHを9.5に
調整
キット中の溶液の調製
キット中の溶液の調製方法を下表に示します。
溶 液
チューブ
使用目的
メンブレン上
の非特異結合
部分をブロッ
ク
ラベルされたプローブとラベル済みコントロールのチューブ 3 ∼10
から、それぞれ 1μlのスポットをナイロンメンブレンの小片にアプ
ライします。
2
UV光を用いたクロスリンクまたは120℃で30分間のベーキングによ
り、核酸をメンブレンに固定化させます。
3
* メンブレンを、20 mlの洗浄バッファーを満たしたプラスチック
製容器に移します。
* 振とうさせながら、15∼25℃下で 2 分間インキュベートします。
4
10 mlのブロッキング溶液中で、30分間インキュベートします。
5
10 mlの抗体溶液中で、30分間インキュベートします。
6
20 mlの洗浄用バッファー中で15分間
7
10 mlの検出用バッファー中で 2 ∼ 5 分間平衡化させます。
8
* メンブレンを(RNAがアプライされた面を上にして)デベロップメ
ントフォルダー(またはハイブリダイゼーション用バッグ)に置き、
CDP-Star を約 4 滴(滴下用ボトル 7 から)メンブレンにアプライ
します。
* 直ちにメンブレンをフォルダーのもう一方のシートでカバーし、溶
液の表面張力を利用して、基質を均一かつ気泡が生じないように
メンブレン上に拡散させます。15∼25℃で 5 分間インキュベート
します。
9
デベロップメントフォルダーの端をシールします。
メモ:露光中にメンブレンを乾燥させると、濃いバックグラウンド
を生じる原因になります。
ラベルされた
DIGと結合
希釈系列
ラベルされたプローブとコントロールRNAとの希釈系列を、下表の記載
のように調製します。チューブ 1 をラベルしたプローブ10 ng/μl (標
準的なラベリング反応での予想される収量は、ラベルされたRNA20μg
となります)、または10 ng/μl の濃度のコントロールRNA (バイアル 8)
とします。
操 作
1
10
×
2 回洗浄します。
イメージャーまたは X - 線フィルムに15∼25℃で 5 ∼25分間露光さ
せます。
結果の解析
ラベルしたプローブとコントロールのスポットのシグナル強度を比較
し、DIGラベルされたRNAの量を算出します。
3.6 DIGノーザンブロットに適したゲルのシステム
概 説
Sambrook等[2]の記述によるものなど、標準的なゲル電気泳動のプロ
トコールを使用することが可能です。
エチジウムが不均一なバックグラウンドの原因となることがあるた
70
固定の方法
下表のいずれかの方法で、メンブレンにRNAを固定させます。
メモ:滅菌済みでRNase フリーの溶液や器具を使用してください。
め、エチジウムブロマイドを含まないゲルの使用をお勧めします。
経験上の取扱いや信頼性の面から、フォルムアルデヒド変性ゲルおよ
び、MOPS/ホルムアルデヒドゲルの使用をお勧めします。
ターゲットRNA量
トータルRNA
1レーンに最大1μg
mRNA
1レーンに100 ng
次のような場合・・・
このように保存します。
UVクロスリンク
* メンブレンを2 × SSCに浸漬させた
Whatman 3 MM紙の上に乗せます。
* 前洗浄なしにウェットなメンブレンをUVクロ
スリンクします。
* UVクロスリンクの後、メンブレンを再蒸留
水で手短に洗い、風乾させます。
120℃でベーキング
* メンブレンを2 × SSC中で手短に 2 回洗います。
* ナイロンメンブレンを120℃で30分間または
メンブレン製造元の指示に従い、ベークし
ます。
80℃でベーキング
* メンブレンを 2 × SSC中で手短に 2 回洗います。
* ナイロンメンブレンを80℃で 2 時間ベーク
します。
3.6.1 ホルムアルデヒドゲル
必要となる溶液
ホルムアルデヒドゲルで電気泳動を行う際に必要となるバッファーを
下表に示します。
溶 液
組 成
10 × 濃縮 MOPS, pH 7.0
(NaOHを用いて調製)
200 mM MOPS
50 mM 酢酸ナトリウム(NaAc)
20 mM EDTA
ローディング用バッファー
(常に用時調製)
250μl の100% フォルムアミド
83μl の37%フォルムアルデヒド
50μl の10 × 濃縮MOPS
50μl の100%グリセロール
10μl の 2.5%ブロモフェノールブルー(BPB)
57μl DEPC/DMPC処理水
ホルムアミド(1.2%)ゲル
1.8 g アガロース
141.9 ml 1× MOPS
8.1 ml 37%ホルムアルデヒド
電気泳動用バッファー
1 × 濃度 MOPS
メンブレンの保存
メンブレンの保存条件について下表に示します。
20μl(または 2 ∼ 3 倍量)のローディング用バッファーをRNAに
加えます。
2
RNAとローディングバッファーとの混合液を65℃で10分間変性
させます。
3
RNAとローディングバッファーとの混合液を氷上で 1 分間急冷
させます。
4
ゲルを 3 ∼ 4 V/cmで電気泳動します。
5
電気泳動後のターゲットRNAの品質を確認するために、0.25∼0.5μg
/ml エチジウムブロマイドで手短に染色し、UVライトで観察します。
メンブレンを直ちにプレハイブリダイゼーション
に使用します。
しばらく期間をおいてか
ら実験に使用する
メンブレンを乾燥条件下で2∼8℃にて保存し
ます。
ストリンジェンシーに作用する要因
* ターゲットとなるRNAに対するプローブのホモロジー("ハイブリダ
イゼーションの温度"を参照)は、ハイブリダイゼーションについて
適切な条件を決定するための重要な要因です。
* ストリンジェンシーは温度により作用されます。高温ではハイブリ
ダイゼーションのストリンジェンシーが高くなり、低温ではストリ
ンジェンシーが低くなります。
* DIG Easy Hybを用いたRNA:RNAのハイブリダイゼーションでは、
一般にハイブリダイゼーションの温度を68℃で行うことをお勧めし
ます。この温度は、GC含有量やプローブのターゲットへのホモロ
ジーに依存して調節する必要があります。
操 作
1
このように保存します。
引き続き実験に使用する
3.8 ハイブリダイゼーション
試料の調製
試料調製のための方法を下表に示します。
ステップ
次のような場合・・・
追加で必要となる設備
* ポジティブチャージのナイロンメンブレン*
* 氷水
* ウォーターバス
* 振とう式のウォーターバス
* またはハイブリダイゼーション用オーブン
* ハイブリダイゼーション用バッグ* または
* 耐熱性のプラスチックまたはガラス製の箱、ペトリ皿、ローラーボ
トルまたは密封式プラスチック製バッグ
メモ:DIG Easy Hybを、ふたのない容器中で使用しないでください。
3.7 RNAのトランスファーと固定
トランスファーの方法とメンブレン
* フォルムアルデヒドゲルを使用する場合、ブロッティングの前に十
分量の20 × SSCで15分間 × 2 回、ゲルを洗ってください。
* 一般的なRNAトランスファー法は、全てDIGハイブリダイゼーショ
ンに適しています[7,8]。
* ゲルを20 × SSCを用いてオーバーナイト、あるいは最低6時間キャピ
ラリーブロットすることにより、最良の結果が得られます。
* ポジティブチャージのナイロン製メンブレン*のみを使用してくださ
い。
メモ:RNAおよびDIGラベルされた分子量マーカー*に対しては、
(0.4 M NaOHなどを用いた)アルカリトランスファーの使用はお勧めで
きません。
追加で必要となる溶液
* 20 × SSC
* 10% SDS
キット中の試薬の調製方法
キット中の試薬の調製用プロトコールについては、下表を参照くださ
い。
メモ:滅菌済みのRNaseフリーの溶液と装置を使用してください!
71
溶 液
DIG
Easy Hyb
Granules
組成や調製方法
保存と
安定性
* 全ての溶液を十分量使用してください。
* 検出中にメンブレンがトレーに付着しないよう注意してください。
また、メンブレンどうしが付着しないようにしてください。
* 全行程を通してメンブレンを振とうさせてください。
* 検出操作に実験用トレーを使用する際は、使用前にトレーをしっか
りと清潔にしておく必要があります。
* 化学発光基質溶液を取り扱う際は、清潔な条件下で操作を行い、ホ
スファターゼの混入を避けてください。
* 化学発光検出において、メンブレンをプラスチック製バッグまたは
デベロップメントフォルダーにシール密封してください。
* サランラップを使用しないでください。
使 用 目 的
顆粒(ボトル9)に64 mlの滅菌かつ 15∼25℃ プレハイブリダイ
DEPCまたはDMPC処理した再蒸 で 1ヶ月 ゼーションおよび
留水を 2 回に分けて注意深く加え、
ハイブリダイゼー
直ちに37℃で 5 分間撹拌して溶解
ション溶液として
させます。
使用。
メモ:DIG Easy Hyb Granulesは
必ずRNaseフリーの条件下で溶解
させてください。
方 法
下表を参照ください。
メモ:DIG Easy Hybを用いたノーザンブロットにおけるハイブリダイ
ゼーション温度は68℃です(100%相同なプローブとターゲットの場
合)。プレハイブリダイゼーションに使用されるDIG Easy Hybの溶液
はあらかじめ68℃まで加温させておく必要があります。
ステップ
操 作
1
* 適量のDIG Easy Hyb ( メンブレンフィルター100 cm2当たり10∼
15 ml)をハイブリダイゼーション温度(68℃)まであらかじめ加温し
ます。
* メンブレンフィルターを適切な容器の中で穏やかに振とうさせな
がら30分間プレハイブリダイゼーションします。
追加で必要となる試薬
洗浄用バッファー、マレイン酸バッファー、ブロッキング溶液および
検出用バッファーはそのまま使用できる形状で、DIG Wash and Block
Buffer Set (Cat. No. 1 585 762)DNase- and RNase-freeとして発売され
ています。
溶 液
DIGラベルされたRNAプローブを5分間煮沸させた後、直ちに氷水
中で冷却させて、変性させます。
メモ:アルカリ溶液中ではRNAは分解されます!
3
変性後のDIGラベルされたRNAプローブ(DIG Easy Hyb溶液中で
約100 ng/ml 相当)を、あらかじめ加熱したDIG Easy Hyb (メンブ
レンフィルター100 cm2当たり3.5 ml)に加え、気泡が立たないよう
に注意しながらよく混和させます。(気泡は、バックグラウンドの原
因となることがあります)
4
プレハイブリダイゼーション溶液を捨て、プローブとハイブリダイ
ゼーション溶液との混合液をメンブレンフィルターに加えます。
68℃で、穏やかに振とうさせながら6時間からオーバーナイトでイ
ンキュベートします。
マレイン酸
バッファー
操 作
2 × SSC, 0.1% SDS中で、15∼25℃下、5 分間 × 2 回、一定に振
とうさせながら洗浄を行います。
2
0.1 × SSC, 0.1% SDS(洗浄用の温度まであらかじめ加温)中で、
68℃下、15分間 × 2 回、一定に振とうさせながら洗浄を行います。
溶 液
組成と調製方法
保存と
安定性
使用目的
ブロッキング
溶液
10 × ブロッキングストック溶液
(ボトル 10)をマレイン酸バッファー
に 1 : 10希釈して、1× 濃度の溶液
を調製します。
常に用
時調製
メンブレン
上の非特異
結合部分を
ブロック
抗体溶液
使用する前毎には必ず抗ジゴキシ 2 ∼ 8℃ DIGラベル
ゲニン-AP(バイアル 5)をもとの
で 2 時間 されたプロ
バイアルのまま10,000 rpmで5 分
ーブと結合
間 遠心し、液面から必要な量を注
意深くピペットで取り出します。
ブロッキング溶液中で、抗ジゴキ
シゲニン-APを 1 : 10,000 (75 mU/
ml)に希釈します。
操作方法
下表は、100 cm2メンブレンフィルターに適切な大きさのトレーを用い
た免疫検出の操作方法について説明したものです。
メモ:全てのインキュベーションは、15∼25℃下で振とうさせながら
行ってください。メンブレンをリプロービングさせる場合は、どのス
テップにおいてもメンブレンを乾燥させないように注意してください。
メモ:最後のストリンジェンシー洗浄は、経験的に決定しなければな
りません。プローブの鎖長や相同性に応じて、塩濃度を調製する必要
もあります。完全な相同性のプローブの場合は、0.1 × 洗浄バッファー
で洗浄する必要があるかもしれません。
3.9 免疫検出
概 説
* 滅菌かつRNaseフリーの条件下で操作を行ってください。
* メンブレンをリプロービングする場合、メンブレンを絶対に乾燥さ
せないでください。
15∼25℃ pH 9.5の調整
で安定
キット中の溶液の調製
半定量法によるラベリング効率の決定(セクション 3. 4)のために調製
済みの抗体溶液を使用するか、あるいは下表の記載に従って抗体溶液
を調製してください。
ストリンジェンシー洗浄
下表で、ハイブリダイゼーション後の洗浄方法について説明します。
1
使用目的
0.1 Mマレイン酸, 0.15 M NaCl; 15∼25℃ ブロッキング
NaOH(固体)を用いてpH 7.5(20℃) で安定 溶液の希釈
に調整する。
検出用バッファー 0.1 M Tris-HCl, 0.1 M NaCl,
pH 9.5 (20℃)
ハイブリダイゼーション溶液の保存
原則としてDIGラベルされたプローブを含むDIG Easy Hybは、−15∼
−25℃で保存可能で、使用前に新たに68℃で10分間変性させることに
より、何回か再使用することが可能です。しかしながら、効果的な再
使用には、溶液中に含まれるプローブの安定性やRNaseフリーの操作
条件が作用するため、RNAプローブを含むDIG Easy Hybの再使用はお
勧めできません。
ステップ
保存と
安定性
洗浄用バッファー 0.1 Mマレイン酸, 0.15 M NaCl; 15∼25℃ 非特異結合し
pH 7.5 (20℃); 0.3%(v/v) Tween 20 で安定 た抗体の除去
メモ:同一のプレハイブリダイゼーション溶液中で複数のメンブ
レンフィルターを使用する際は、それぞれのフィルターが容器内
で重ならずに自在に動くように特に注意してください。
2
組成と調製方法
72
ステップ
ハイブリダイゼーションとストリンジェンシー洗浄の後、メンブレ
ンを手短(1 ∼ 5 分間)に洗浄用バッファー中で洗います。
2
100 ml ブロッキング溶液中で、30分間インキュベートします。
3
50 ml 抗体溶液中で、30分間インキュベートします。
15分間洗浄します。
4
100 ml 洗浄用バッファー中で、2
5
100 ml 検出用バッファー中で、2 ∼ 5 分間平衡化させます。
6
* メンブレンを(RNAがアプライされた面を上にして)デベロップメ
ントフォルダー(またはハイブリダイゼーション用バッグ)に置き、
CDP-Starを約1 ml (滴下用ボトル 7 から)メンブレンにアプライ
します。
* 直ちにメンブレンをフォルダーのもう一方のシートでカバーし、
溶液の表面張力を利用して、基質を均一かつ気泡が生じないよう
にメンブレン上に拡散させます。15∼25℃で 5 分間インキュベート
します。
7
8
剥離後のメンブレンの保存
剥離後のメンブレンは、マレイン酸バッファーまたは 2 × SSC中で保存す
ることが可能です( 2∼8℃)。メンブレンを乾燥させないよう注意してく
ださい。
操 作
1
×
4. 結果
4.1 代表的な結果
図2
下の図は、グレーヴス病(Graves disease)に罹患した甲状腺組織におけ
るTSHレセプターのノーザンブロットによる検出を示したものです。
余剰の溶液をしごき出して、デベロップメントフォルダーの端を
シールします。
メモ:露光中にメンブレンを乾燥させると、濃いバックグラウンド
を生じる原因になります。
プローブ
DIGラベルされたTSHレセプター (100 ng/ml)
テンプレート
レーン 1:0.1μg 甲状腺 RNA
レーン 2:0.5μg 甲状腺 RNA
検出
CDP-Star, ready-to-use
露光時間
10分間
15∼25℃でイメージャーに 5 ∼25分間、または X - 線フィルムに
15∼25分間露光させます。
メモ:発光は少なくとも24時間持続します。シグナルは最初の数
時間に増加します。希望するシグナル強度が得られるまで、何回
でも露光させることが可能です。
3.10 プローブの剥離とRNAブロットのリプロービング
実験を始める前に
実験操作を通して一度も乾燥させていないメンブレンのみ、プローブ
の剥離が可能です。
追加で必要となる設備
* ハイブリダイゼーション用バッグ(Cat. No. 1666 649)
* ウォーターバス
1
追加で必要となる試薬
メンブレンからプローブを剥離する際に必要となる試薬を下記に示し
ます。
メモ:滅菌したRNase フリーの溶液を使用します。
溶 液
H2O
組成と調製方法
DMPCまたはDEPC処理した再
蒸留水
剥離用バッファー 50% フォルムアミド
50 mM Tris/ HCl, pH 7.5
5% SDS
20 × SSC
ストック溶液
2
×
SSC
3 M NaCl
300 mM クエン酸ナトリウム,
pH 7.0
(Cat. No. 1 666 681)
保存と
安定性
プローブ
胃
15∼25℃ メンブレン
で安定
の洗浄
2
甲状腺
3
脊髄
用時調製
4
リンパ節
5
気管
6
副腎
7
骨髄
DIGラベル
されたプロー
ブの除去
15∼25℃ 2 × SSCを
で安定
調製するた
めのストッ
ク溶液
1
操 作
1
メンブレンをDMPCまたはDEPC処理した再蒸留水中でよく洗います。
2
剥離用バッファー中で80℃下、60分間 × 2 回インキュベートし、
DIGラベルされたプローブを除去します。
3
2
4
プレハイブリダイゼーションの後、第二のプローブを用いてハイブリ
ダイゼーションします。
SSC中で 5 分間
×
レーン
1
操作方法
プローブを剥離する方法について、下表に示します。
×
DIGラベルされたTSHレセプタープローブ(100ng/ml)および
DIGラベルされたアクチンプローブ(100ng/ml)
テンプレート
使用目的
20 × SSCストック溶液をDMPC 15∼25℃ メンブレンの
またはDEPC処理した再蒸留水
で安定
洗浄および
で 1 : 10に希釈
保存
ステップ
2
図3
正常アクチンを含む異なる組織において、TSH-レセプターに対するプ
ローブを用いてノーザンブロットによりハイブリダイゼーションを行
いました。
2 回洗浄します。
73
2
3
4
5
6
7
5. 付録
免疫検出の
ヒント
5.1 トラブルシューティング
トラブルシューティング表
下表では、DIGラベリングと検出のためのトラブルシューティングの
様々なパラメーターについて記載しています。
問 題
感度が低い
問題となりうる理由
プローブのラベリングが
十分でない
解決方法のすすめ
* ラベリング効率を確認します。
* フェノール処理とエタノール沈殿に
より、テンプレートDNAを精製しま
す。
* テンプレートがラベリングの前に
直鎖化されているかを確認します。
* 0.1 mMよりも高濃度のEDTAを
含むバッファー中でテンプレート
を保存してはいけません。
* ターゲットとなるRNAの量と品質
を確認します。
ハイブリダイゼーション中 * プローブの濃度を100 ng/ml に上
のプローブの濃度が低い
げてください。
* ハイブリダイゼーションの時間を
オーバーナイトに延長してください。
バックグラ
ラベルされたプローブの
ウンドが高い 濃度が高すぎる
セクション 3.5 に記載される方法
でプローブの最適な濃度を決定しま
す。100 ng/mlよりも高濃度で使用し
ないでください。
メンブレンの乾燥
メンブレンが乾いていないことを、
常に確認してください。
プローブ配列
プローブ配列にベクター配列が含まれ
ていないことを確認してください。
プレハイブリダイゼーショ メンブレンが適切かつ十分量のプレ
ンが十分でない
ハイブリダイゼーション溶液に浸漬
していることを確認してください。
使用するナイロンメンブ
レンが適切でない
ナイロンメンブレンには、高いバック
グラウンドを生じるものがあります。
Roche Diagnostics から発売されて
いるDIGシステム用に特別に試験
されたナイロンメンブレンを使用し
てください。
ストリンジェンシー洗浄が * ストリンジェンシー洗浄の温度を
十分でない
確認し、溶液を適切な温度まであら
かじめ温めてください。
* 洗浄のストリンジェンシーを0.1 ×
SSCに高めてください。
スメアーが
見られる
ターゲットの濃度が高すぎる 1 レーン当たり 1μgのトータルRNA
または100 ngのmRNAを上回る量
を使用しないでください。
DIGシステムはラジオアクティブな
システムよりも感度が高いため、
RNA濃度が高いと、RNAの分解産物
を検出する結果につながります。
74
* 全ての検出ステップでRNaseフリーの器具を使用している
か確認します。
* 検出操作中にメンブレンを乾かさないでください。
* メンブレン操作時は、パウダーフリーの手袋を付けてくだ
さい。
* 十分な量の溶液を使用してください。
* 検出操作中に、メンブレンをトレイに張り付かないようにし
てください。また、メンブレンを複数枚同時処理した場合は
メンブレン同士が張り付かないようにしてください。
* 全ての検出操作で、メンブレンを振盪してください。
* 検出ステップで研究室のトレイを用いる場合、使用前に洗浄
してください。AP標識抗GIG抗体結合と化学発光検出は、
別のトレイで行わなければななりません。
* 化学発光基質はクリーンな条件下で使用し、アルカリフォスファ
ターゼ の混入を避けて使用します。
* 化学発光検出はクリーンな条件下で使用し、アルカリフォスファ
ターゼの混入を避けて使用します。
* 化学発光検出メンブレンはプラスティックバックでシールして
ください。
* ラップは使用しないでください。
5.2 リファレンス
..
1. Holtke, H. J. et al. (1995) The Digoxigenin (DIG) System for nonradioactive labeling and detection of nucleic acids - an overview. Cell.
Mol. Biol. 41: 883.
2. Sambeook, J., Fritsch, E.M. and Maniatis, T. (1989) Molecular Cloning:
A Laboratory Manual, 2nd Edition, Cold Spring Harbor Laboratory,
Cold Spring Haebor Labor, New York.
3. Logel, J., Dill, D. & Leonard, S. (1992) Synthesis of cRNA probes from
PCR-generated DNA, Biotechniques 13, 604-610.
4. DIG Product Selection Guide
5. DIG Application manual for Filter Hybridization
6. Non-radioactive In situ Hybridization Manual
7. Lab FAQS
5.3 関連製品
キット
製 品 名
包装単位
Cat. No.
DIG Wash and Block Buffer Set
30ブロット
(10 × 10 cm2)
1 585 762
Expand High Fidelity PCR System
100ユニット
1 732 641
High Pure PCR Product Purification Kit
50回精製用
250回精製用
1 732 668
1 732 676
High Pure Plasmid Isolation Kit
50回精製用
250回精製用
1 754 777
1 754 785
単品試薬
製 品 名
包装単位
Agarase MP
20 g
DIG Control Teststrips
Cat. No.
1 444 964
25ストリップ
1 669 966
500 ml
1 603 558
1セット
(6 × 100 ml)
1 796 895
DIG Quantification Test Strips
50ストリップ
1 669 958
Glycogen, MB grade
20 mg (1 ml)
901 393
1 set
1 585 762
50バッグ
1 666 649
DIG Easy Hyb (ready-to-use hybridization
solution without formamide)
DIG Easy Hyb Granules
DIG Wash and Block Buffer Set
Hybridization bags
Lumi-Film Chemiluminescent Detection Film
100枚
× 25.4 cm)
100枚
(18 × 24 cm)
1 666 657
(20.3
Nylon Membrane, positively charged
(20 × 30 cm)
(10 × 15 cm)
(0.3 × 3 mロール)
RNA Molecular Weight
Digoxigenin-labeled:
RNA Molecular Weight
RNA Molecular Weight
RNA Molecular Weight
1 666 916
10枚
20枚
1 ロール
1 209 272
1 209 299
1 417 240
4μg (200μl)
2μg (200μl)
2μg (200μl)
1 526 529
1 526 537
1 373 099
4l
1 666 681
Marker,
Marker I
Marker II
Marker III
SSC, Buffers in a box.20 ×
* Roche Diagnosticsから発売されています。
75
DIG Luminescent Detection Kit
ナイロンメンブレン上での化学発光を用いた酵素免疫アッセイによる、ジゴキシゲニンラベルされた核酸の検出
Cat. No. 1 363 514
100 cm2 のメンブレン 50 ブロットの検出用 − 15 ∼− 25℃保存
Version, 2004年10月
DIG ランダムプライムド
DNA ラベリング
メモ:抗体(バイアル 3)
と化学発光基質CSPD(バイアル 5)は、開封後
は 2 ∼ 8 ℃で保存してください。詳細はチャプター 2 の、保存と安定性
の項をご覧ください。
DIG RNA ラベリング
クレノー酵素
ターミナルトランスフェラーゼ
直鎖化
1. はじめに
DIG オリゴヌクレオチド
3' テーリング
PCR 中における
DIG の取り込み
Taq DNA ポリメラーゼ
T7/ SP6 RNA ポリメラーゼ
1.1 キットの内容
ボトルまたは
キャップの番号
1
ラベルの表示
内容(機能を含む)
Cat. No.
Labeled Control * 50μl の直鎖化したpBR328
DNA
DNA。標準的なプロトコール
に従ってジゴキシゲニンラベル
されています。1μgのテンプ
レートDNAとラベルされた合
成DNA約 260 ng を含みます。
1 585 738
3
DNA dilution
buffer
Anti-Digoxigenin-AP,
Fab fragments
DIG オリゴヌクレオチド
5'- 末端ラベリング
化学合成 +5'-NH2 基
ターミナルトランスフェラーゼ
DNA ポリメラーゼ(コーンバーグ)
* 透明な溶液
* ラベリング効率の判定に使用
2
DIG オリゴヌクレオチド
3'- 末端ラベリング
ニックトランスレーション
による DIG ラベリング
(別売される場合)
固定化された
ターゲットの核酸
(フィルターに結合、
または in situ)
* 1 mlのサカナ精子DNA(50μg/
ml)。10 mM Tris-HCl, 1 mM
EDTA;pH 8.0 (20℃)中に懸濁
されています。
* 透明な溶液
DIGラベルされたプローブとの
ハイブリダイゼーション
抗 DIG 標識抗体との結合
* 100μl羊ポリクローナル抗ジ
ゴキシゲニン, Fabフラグメン
ト。
* アルカリホスファターゼによ
り標識されています。
1 093 274
蛍 光
4
Blocking
Reagent
それぞれ 50 g の粉末を含む 2本
のボトル
1 096 176
5
CSPD
* 1 ml CSPD, Disodium
3-(4-methoxy-spiro{l, 2-dioxetane-3, 2'-(5'-chloro)tricyclo[3.3.1.13,7] decan}-4-yl)
phenyl phosphate,
分子量 : 46.1
1 655 884
フルオレセイン , ローダミン ,
AMCA 標識抗 DIG 抗体を用いた
in situ 蛍光検出
発 光
抗 DIG-AP と CSPD を用いた
フィルター上での化学発光検出
青色の発色
抗DIG-APとNBT/X-リン酸を
用いたフィルター上 または
in situ での発色検出
発 色
抗DIG-APまたは抗DIG-POD
と他の基質を用いたフィル
ター上または in situ での発色
検出
図 1:
DIGラベリング反応
DNA, RNAおよびオリゴヌクレオチドをラベリングする技術につい
て、下表に示します。
2. 製品の概要
核 酸
テストの原理
ノンラジオアクティブなDIGシステムでは、ステロイドハプテンであ
るジゴキシゲニンを架橋させたdUTP, UTPやddUTPを使用して、DNA,
RNAやオリゴヌクレオチドをラベルし、ハイブリダイゼーションやそ
ラベリング反応
DNAプローブ
DIG-dUTPを用いたランダムプライムドラベリング、
ニックトランスレーション、またはPCRによりラベル
します。
オリゴヌクレオチド
ターミナルトランスフェラーゼを使用し、DIG-ddUTP
を用いた3'末端ラベリングまたは、DIG-dUTPを用いた
テーリングによりラベルします。
DIG-NHS-ester (digoxigenin-3-O-methylcarbonyl_-aminocaproic-acid-Nhydroxysuccinimide ester)を用
いて5’末端ラベリングします。
RNAプローブ
SP6, T7, T3 RNAポリメラーゼを用い、in vitro 転写反
応によりプローブを合成します。
れに続く発光検出を行います(1∼4)。
アプリケーション
アルカリホスファターゼ標識抗ジゴキシゲニン, Fabフラグメントと化
学発光基質CSPDを使用することにより、全てのタイプのメンブレンブ
ロットに対し、DIGラベルされた核酸の高感度検出が可能です。
76
免疫検出
ハイブリダイズしたプローブは、アルカリホスファターゼ標識抗ジゴ
キシゲニン抗体,Fabフラグメントを用いて免疫検出され、化学発光基
質CSPDを用いて可視化されます。酵素アルカリホスファターゼによる
CSPDの脱リン酸化は、最大波長477 nmの最大発光をもたらし、これ
がX-線フィルムに記録されます。
CSPDからの化学発光シグナルは、ナイロンメンブレン上で何日か維持
されます。露光時間は通常数分間で十分であるため、何回も露光させ
てデータを取ることが可能です(図2)。
3. 操作方法と必要な器具
3.1 CSPDを用いた免疫検出
所要時間
各ステップの所要時間を下表に示します。
ステップ
所要時間
メンブレンの洗浄およびブロッキング
32分間
抗体の結合
30分間
メンブレンの洗浄および平衡化
32分間
発光反応
5分間
37℃でのプレインキュベーション
10分間
アルカリ
ホスファターゼ
不安定な中間産物
図2
アッセイの所要時間
反応時間
免疫検出
1.5 時間
シグナルの検出
5 ∼30分間
溶 液
品質管理
CSPDのロットごとの純度が試験されています。CSPD (NMR) > 98%
DIGラベルされたコントロールDNA (pBR 328/Bam HI)をハイブリダ
イゼーション用プローブとして使用し、標準的な検出プロトコールに
従ってCSPDを用いてX-線フィルム上に < 30分間露光させ、ブロット
中で50 ngのヘテロガスなDNAを用いて希釈した0.03 pgのホモロガス
なDNAが検出されます。
キットの保存と安定性
未開封のキットは、―15∼―25℃にて、ラベルに印刷された期限まで安
定です。
開封後は、必ず 2 ∼ 8℃で保存してくだ
さい。
乾燥状態で2 ∼ 8℃、
または15∼25℃で
保存してください。
CSPD (バイアル 5)
* 頻繁に使用する場合は、2 ∼ 8℃に
保存してください。
* 長期保存する場合は、分注して―15∼
―25℃で保存してください。
* 凍結融解の繰り返しは避けてください。
メモ:遮光して保存してください。
保存と
安定性
使用目的
洗浄用
バッファー
0.1 Mマレイン酸, 0.15 M NaCl;
pH 7.5 (20℃); 0.3%(v/v) Tween 20
15∼25℃ 未結合の
で安定
抗体の除去
マレイン酸
バッファー
0.1 Mマレイン酸, 0.15 M NaCl;
NaOH(固体)を用いてpH7.5(20℃)に
調整する。
15∼25℃ ブロッキング
で安定
溶液の希釈
検出用
バッファー
0.1 M Tris-HCl, 0.1 M NaCl, pH 9.5
(20℃)
15∼25℃ pHを9.5に
で安定
調節する
溶 液
保存と安定性
ブロッキング試薬 (ボトル 4)
組成や調製方法
キット中の溶液の調製
キットの全ての構成物は―15∼―25℃にて安定です。
下表は、キットの構成物のいくつかについて、保存方法と安定性の留
意事項をリストしたものです。
標識抗体 (バイアル 3)
130分間
追加で必要となる試薬の調製方法
下記のバッファーおよびブロッキング溶液は、DNaseおよびRNaseフ
リーのDIG Wash and Block Buffer Set (Cat. No. 1 585 762) として発売
されています。
検出の回数
10 × 10 cm のメンブレン50ブロット分
試 薬
20分間
所要時間の合計
追加で必要となる設備と試薬
* ハイブリダイゼーション用バッグ (Cat. No. 1 666 649) または
* デベロップメントフォルダー
* プラスチック製またはガラス製箱、あるいはペトリ皿
* DIG Wash and Block Buffer Set (Cat. No. 1 585 762) または
* 洗浄用バッファー
* マレイン酸バッファー
* 検出用バッファー
試料となる物質
DIGラベルされた核酸
操作のステップ
フィルムへの露光
組成や調整方法
保存と
安定性
使用目的
CSPD
CSPDを検出用バッファー[0.1 M
(バイアル 5) Tris-HCl, 0.1 M NaCl, pH 9 .5(20
℃)]で 1: 100に希釈します。
メモ:この溶液は 1∼ 2回、再利
用することができます。
暗下で
2 ∼ 8℃
化学発光検出
抗体溶液
使用する毎に抗体をもとのバイア
(バイアル 3) ルのまま10,000 rpmで 5 分間遠心
し、液面から必要な量を注意深く
ピペットで取り出します。ブロッ
キング溶液中で、抗ジゴキシゲニ
ン-APを 1:10,000 (75 mU/ml)に
希釈します。
2 ∼ 8℃
12時間
DIGラベル
された
プローブと
結合
ブロッキング ブロッキング試薬をマレイン酸
2 ∼ 8℃
ブロッキング
ストック溶液 バッファーで最終濃度10%(w/v)に
もしくは
溶液の調製
(10 × 濃縮) 溶解します。ヒートブロック(65℃) ―15∼―25℃
(ボトル 4) で振盪しながら、もしくはマイクロ
ウェーブオーブンを使用して溶解
させ、オートクレーブ滅菌します。
この溶液は不透明なままです。
感度と特異性
制限酵素Bgl ⅡまたはEco RI消化されたヒト胎盤DNA0.3μgのサザン
ブロットから、シングルコピー遺伝子(組織プラスミノーゲンアクチ
ベーター, tPA遺伝子)が検出されます。DIGラベルされたRNAプローブ
を用いて、同等の感度が得られます。
77
ブロッキング 10 × ブロッキングストック溶液
溶液
をマレイン酸バッファーに 1 : 10
希釈して、1 × 濃度の溶液を調製
します。
常に
用時調製
メンブレン上の
非特異結合部
分をブロック
操作方法
インキュベーションは、全て20∼25℃で行ってください。下記の要領
は、100 cm2メンブレンフィルターを対象として計算されたものです。
ステップ
4. 結 果
DIGラベルされた核酸のCSPDを用いた検出
操 作
1
ハイブリダイゼーションとストリンジェンシー洗浄の後、メンブレン
を手短(1 ∼ 5 分間)に洗浄用バッファー中で洗います。
2
100 ml ブロッキング溶液中で、30分間インキュベートします。
3
20 ml 抗体溶液中で、30分間インキュベートします。
4
100 ml 洗浄用バッファー中で、2 × 15分間洗浄します。
5
20 ml 検出用バッファー中で、2 ∼ 5 分間平衡化させます。
6
* メンブレンをDNAがアプライされた面を上にしてデベロップメント
フォルダー(またはハイブリダイゼーション用バッグ)に置き、CSPD
の希釈液を 2 mlメンブレンにアプライします。
* 直ちにメンブレンをフォルダーのもう一方のシートでカバーし、
溶液の表面張力を利用して、基質を均一かつ気泡が生じないよう
にメンブレン上に拡散させます。
* 5 分間インキュベートします。
7
余剰の溶液をしごき出し、デベロップメントフォルダーの端をシール
します。
8
メンブレンを37℃で 5 ∼15分間インキュベートして、発光反応を
増強させます。
9
15∼25℃でイメージャーに 5∼20分間、または X - 線フィルムに
5∼25分間露光させます。
露光時間 15 分間 露光時間 30 分間
図.3
ヒトゲノムDNAをEco RI消化し、1 %アガロースゲルで泳動分離した
後、ポジティブチャージのナイロンメンブレン上にブロットしまし
た。ブロットを50 ng/mlのDIGラベルβ-アクチンRNAプローブを用い
てハイブリダイズさせました。最終濃度 0.25 mMのCSPDを用いた標
準的なDIG化学発光検出法により、化学発光検出を行いました。
メモ: 発光は少なくとも24時間持続します。シグナルは最初の数
時間に増加します。希望するシグナル強度が得られるまで、何回で
も露光させることが可能です。
3.2 プローブの剥離とDNAブロットへのリプロービング
概 要
アルカリ感受性のDIG-11-dUTPは、リハイブリダイゼーションの実験
において、効果的にプローブを剥離できます。
メモ:メンブレンフィルターからプローブを剥離しリプローブする場
合は、メンブレンを 2 × SSCまたはマレイン酸バッファー中で保存し、
絶対に乾燥させてはいけません。
追加で必要となる設備と試薬
* 大きめのビーカー
* ウォーターバス
* 10 × SSC
* 10% SDS
* 0.2 M NaOH
操作方法
下表を参照ください。
メモ:"DIGアプリケーション マニュアル for Filter Hybridization" に
記載されているプローブ剥離についてのプロトコールも、別法として
効果的に使用することができます。
ステップ
操 作
1
メンブレンを再蒸留水中でよく洗います。
2
メンブレンを0.2 M NaOH, 0.1 % SDS中で、15分間 × 2 回洗浄し、
DIGラベルされたプローブを除去します。
SSC中で 5 分間よく洗います。
3
2
4
プレハイブリダイゼーションおよび、第二のプローブを用いたハイ
×
ブリダイゼーションを行います。
78
5. 付 録
5.2 リファレンス
5.1 トラブルシューティング
1. Holtke, H. J. et al. (1995) Cellular and Molecular Biology. 41: (7), 883905.
2. Bronstein, I. et al. (1991) in Bioluminescence and Chemiluminescence,
Current Statur (Stanley, P. & Kricka, L. J., eds) pp73-82.
3. Schaap, A. P. et al. (1989) Clin. Chem. 41, 1863
..
トラブルシューティング表
問 題
感度が低い
問題となりうる理由
プローブのラベリングが
十分でない
解決方法のすすめ
* ラベリング効率を確認します。
ラベリング反応はスケールアッ
プすることができます。イン
キュベーション時間をオーバー
ナイトに延長してください。
* フェノール処理により、テンプ
レートDNAを精製します。
* 10 kb以下の長さの断片だけを
使用するか、制限酵素(4 bp認
識の酵素など)を用いてあらか
じめ切断しておきます。
* テンプレートがラベリングの前
に十分に変性されているか確認
します。
5.3 関連製品
キット
製 品 名
DIG DNA Labeling Kit
不適切なタイプのナイロ
ンメンブレンを使用した
40回ラベリング反応
1 175 033
3 353 575
DIG Oligonucleotide Tailing Kit, 2nd
generation
3 353 583
25回ラベリング反応
2 × 10回ラベリング反応 1 175 025
単品試薬
製 品 名
Anti-digoxigenin-AP, Fab fragments
包装単位
50ユニット
Blocking Reagent
バックグラウンド ハイブリダイゼーションが * ハイブリダイゼーション温度を
が高い
十分でない
再度計算してください。
* プレハイブリダイゼーションと
ハイブリダイゼーションとの間
で、メンブレンを乾燥させない
よう注意してください。
* プラスチック製のバッグを使用
する場合、密封する前に空気の
泡を全て除去してください。
* 特に他社のメンブレンを使用
する場合は、DIG Easy Hyb* の
バッファーを使用してください。
ラベルされたプローブの
濃度が高すぎる
Cat. No.
DIG Oligonucleotide 3'-End Labeling Kit, 25回ラベリング反応
2nd generation
DIG RNA Labeling Kit (SP6/T7)
ハイブリダイゼーション中 * プローブの濃度を上げます
のプローブの濃度が低い
(25 ng/ml で使用します)。
* ハイブリダイゼーションの時間
をオーバーナイトに延長してく
ださい。
* 抗DIG-AP抗体の濃度を上げて
ください (1 : 5000希釈)。
包装単位
Cat. No.
1 093 274
50 g
1 096 176
CDP-Star
1 ml
2 × 1 ml
1 685 627
1 759 051
CDP-Star, ready-to-use
2
50 ml
2 041 677
CSPD
1 ml
2 × 1 ml
4 × 1 ml
1 655 884
1 759 035
1 759 043
CSPD, ready-to-use
2
50 ml
1 755 633
DIG Easy Hyb
DIG Easy Hyb Granules
×
×
500 ml
1 603 558
6 × 100 ml用顆粒
1 796 895
40μl
1 277 073
DIG RNA Labeling Mix
(20回ラベリング反応)
DIG Wash and Block Buffer Set
最適なプローブ濃度を決定して
ください。セクション 3.1 のとお
り25 ng/mlよりも高濃度で使用し
ないでください。
a) プローブ濃度を下げる。
b) プレハイブリダイゼーション
溶液の量を増やす。
30ブロット
(10
DIG-11-ddUTP
1 585 762
10 cm)
25 nmol (25μl)
1 363 905
DIG-11-dUTP, alkali-labile
25 nmol (25μl)
125 nmol (125μl)
1 573 152
1 573 179
DIG-11-UTP
250 nmol (25μl)
1 209 256
50μl
1 277 065
DIG-DNA Labeling Mix
ナイロンメンブレンには、高い
バックグラウンドを生じるもの
があります。Roche Diagnostics
から発売されているDIGシステム
用に特別に試験されたナイロン
メンブレン*を使用してください。
×
(25回ラベリング反応)
DIG-High Prime
160μl
1 585 606
(40回ラベリング反応)
DIG-labeled control RNA
DIG-labeled control DNA
免疫アッセイ前のブロッキ ブロッキングと洗浄のステップ
ングが不十分である
の時間を長くしてください。
DNA, MB grade
Hybridization Bags
検出の操作に、実験用トレーを
使用する際、使用前にそれらを
清潔にしておく必要があります。
Anti-DIG-APの結合反応と、化学
発光反応とは、別々のトレー中で
操作を行うことが必要です。
Lumi-Film
Nylon Membrane, positively charged
(20 × 30 cm)
(10 × 15 cm)
(0.3 × 3 mロール)
バックグラウンドの問題を解決す
るため、すべてのガラス製容器を
熱処理することをお勧めします。
50μl
1 585 746
50μl
1 585 738
500 mg (50 ml)
1 467 140
50バッグ
1 666 649
100枚(8 × 10 cm)
100枚(18 × 24 cm)
1 666 657
1 666 916
10枚
20枚
1ロール
1 209 272
1 209 299
1 417 240
*Roche Diagnosticsから発売されています。
本品およびその使用は、Roche Diagnosticsの所有する以下の単一また
は複数の特許権により保護されていることがあります。
EP特許 0 324 474
US特許 5.344.757 5.354.657 5.702.888
79
DIG Nucleic Acid Detection Kit
酵素免疫アッセイおよび酵素により触媒されるNBT/BCIP発色反応による、ジゴキシゲニンラベルされた核酸の検出
Cat. No. 1 175 041
10 × 10 cm2 のメンブレン40ブロットの検出用
−15∼−25℃保存
Version, 2004年10月
インドリルリン酸(BCIP)とニトロブルーテトラゾリウムクロライド
(NBT)を用いた酵素触媒による発色反応の結果、不溶性の青色の沈殿
が生成され、ハイブリッドの分子が可視化されます。
1. はじめに
1.1 キットの内容
ボトルまたは ラベルの表示
キャップの番号
内容(機能を含む)
Cat. No.
1 585 738
発色反応
BCIP(1)はアルカリホスファターゼの基質で、脱リン酸反応のかなり
後で、酸化反応の産物として暗青色の色素を生成します。NBT(2)は酸
化剤となり、同様に暗青色の色素を生じます。NBTは発色を強め、感
度を高める働きをしています。
1 093 274
免疫検出
ハイブリダイゼーション後のメンブレンフィルターは、ストリンジェ
ンシー洗浄の後、直ちに検出に用いることも、あるいは乾燥して保存
し、後々の検出に使用することも可能です。メンブレンをブロッキン
グした後、DIGラベルされた核酸への抗DIG-AP抗体の結合が生じま
す。発色反応は、BCIPとNBTを加えアルカリ性pHとなることにより
開始されます。青色の沈殿は数分以内に生じ始め、最大3日間続きま
す。通常、発色沈殿が明瞭に肉眼で確認できるようになったら、発色
反応を停止させます。この期間は1時間から24時間程度の幅がありま
す。特異性の高い抗体Fabフラグメントを使用し、効果的にブロッキ
ングを行うことにより、一般的にバックグラウンドは見られません。
(別売される場合)
1
DIG-labeled
Control DNA
* 50μl
* [5μg/ml] pBR328 DNA。
Bam HⅠにより直鎖化
* 透明の溶液
* ラベリング効率の決定
2
DNA Dilution
Buffer
* 1 ml
* [50μg/ml 魚精子DNA, 10 mM
Tris-HCl, 1mM EDTA; pH 8.0
(25℃)に懸濁]
* 透明な溶液
3
Anti-Digoxigenin- * 200μl
AP Conjugate
* [750 U/ml]
* 羊抗ジゴキシゲニンポリクロー
ナル抗体, アルカリホスファ
ターゼ標識されたFabフラグ
メント
* 透明の溶液
4
NBT/ BCIP
5
1 681 451
* 8 × 1 ml
* 50 × 濃縮されたストック溶液
[18.75 mg/mlのニトロブルー
テトラゾリウムクロライドと、
9.4 mg/mlの 5-ブロモ-4-クロロ
-3-インドリルリン酸を67%
(v/v)ジメチルフォルムアミドに
溶解]
* 明るい黄色から褐色を呈する
透明溶液
* アルカリホスファターゼと反応
し、発色沈殿を生じる。
* メモ:遮光して保存してくだ
さい。ストック溶液の色は、
明るい黄色から褐色まで、ロ
ット間で差があります。
この色の違いは基質の品質や
機能に違いを生じるものでは
ありません。
Blocking Reagent * それぞれ 50 g の粉末を含む
2 本のボトル
アプリケーション
* サザンブロット
* ノーザンブロット
* その他の核酸ブロッティングアプリケーション
試料となる物質
DIGラベルされた核酸
アッセイの所要時間
下表は、各操作ステップにおける反応時間を一覧です。
操作のステップ
反応時間
免疫検出
1.5時間
発色の展開
0.5から16時間
ブロットの回数
10 × 10 cm2 のメンブレン40ブロット分
1 096 176
キットの保存と安定性
未開封のキットは、―15℃または―25℃にて、ラベルに印刷された期限
まで安定です。輸送はドライアイス上で行ってください。
開封後は、下表に従って適切に保存してください。
2. はじめに
キット内容物
保 存
2.1 製品の概要
Anti-Digoxigenin-AP
Conjugate (バイアル 3)
2 ∼ 8℃で安定
テストの原理
DIGラベルされたDNA, RNAやオリゴヌクレオチドプローブは、ター
ゲットである核酸とのハイブリダイゼーションの後、標識酵素抗体(ア
ルカリホスファターゼ標識抗ジゴキシゲニン抗体、抗DIG-AP抗体)を
使用した酵素免疫アッセイにより検出されます。5-ブロモ-4-クロロ-3-
NBT/ BCIP (バイアル 4)
* 2 ∼ 8℃で安定
メモ:ドライアイス上でキットを輸送する間に沈殿
を生じる場合がありますが、これは37℃に加温する
と短時間で可溶化します。
80
感度と特異性
1μgの制限酵素消化されたヒト胎盤DNAのサザンブロットから、シン
グルコピー遺伝子(組織プラスミノーゲンアクチベーター, t-PA遺伝子)
が検出されます。
6
発色が展開している間は、容器をゆすったり動かしたりしないでく
ださい。
メモ:発色沈殿は数分間のうち形成され始め、反応は通常16時間
後に完了します。短時間であれば、発色の展開を観察するため、
メンブレンフィルターを光に当てることは可能です。
3. 操作方法と必要な物
7
3.1 免疫検出
組成や調整方法
保存と
安定性
メンブレンの保存
下表を参照ください。
使用目的
洗浄用
バッファー
0.1 Mマレイン酸, 0.15 M NaCl ; pH 7.5 15∼25℃ メンブレン
で安定
の洗浄
(20℃); 0.3%(v/v) Tween1) 20
マレイン酸
バッファー
0.1 Mマレイン酸, 0.15 M NaCl ;
NaOH(固体)を用いてpH 7.5(20℃)に
調整する。
15∼25℃ ブロッキング
で安定
溶液の希釈
検出用
バッファー
0.1 M Tris-HCl, 0.1 M NaCl, pH 9.5
(20℃)
15∼25℃ アルカリホス
で安定
ファターゼ用
バッファー
必要とされるスポットまたはバンドの発色強度が得られれば、メン
ブレンフィルターを50 ml の滅菌再蒸留水またはTEバッファーで 5 分
間洗浄することにより、反応を停止させます。
実験結果として、実験直後のフィルターを複写するか、写真撮影を
行い、保存することが可能です。
追加で必要となる試薬と設備
下記のバッファーおよびブロッキング溶液は、DNaseおよびRNaseフ
リーのDIG Wash and Block Buffer Set (Cat. No. 1 585 762) として発売
されています。
溶 液
適当な大きさの容器を用い、メンブレンフィルターを新たに用時調
製された発色基質溶液10 ml 中で暗下でインキュベートします。
次のような場合・・・
このような操作が必要です。
メンブレンをリプローブする。
メンブレンをプラスチック製バッグ中に
封印して保存します。いかなる場合でも、
絶対にメンブレンを乾燥させてはな
りません。
メモ:発色を維持させる場合は、メンブ
レンをTEバッファー中で保存します。
リプローブしない。
メンブレンを15∼25℃で乾燥させ、保存
します。
メモ:メンブレンの乾燥に伴い、発色が
減衰します。発色を再現させる場合は、
メンブレンをTEバッファーに浸漬してく
ださい。
キット中の溶液の調製
キット中の溶液の調製方法を下表に示します。
3.2 プローブの剥離とブロットへのリプロービング
溶 液
組成や調整方法
保存と
安定性
使用目的
ブロッキング ブロッキング試薬(ボトル 5)をマレイン 2 ∼ 8℃
試薬
酸バッファーで最終濃度10%(w/v)に溶 または、
解します。振とうおよび加熱(熱ブロッ ―15∼
クまたはマイクロウェーブオーブンを ―25℃
使用)しながら溶解させます。
このストック溶液をオートクレーブ
滅菌します。
ブロッキング
溶液の希釈
常に
ブロッキング 10 × ブロッキングストック溶液をマレ
溶液
イン酸バッファーに 1 : 10希釈して、 用時調製
1× 濃度の溶液を調製します。
メンブレン
上の非特異
結合部分を
ブロック
抗体溶液
使用する前毎に抗体をもとのバイアル 2 ∼ 8℃
で12時間
のまま10,000 rpmで 5 分間遠心し、
液面から必要な量を注意深くピペット
で取り出します。
ブロッキング溶液中で、抗ジゴキシゲ
ニン-APを 1 : 5,000 (150 mU/ml)に
希釈します。
DIGラベル
された
プローブと
結合
10 ml の検出用バッファーに200μl の
NBT/ BCIP (バイアル 4)を加えます。
メモ:遮光して保存してください!
抗体の結合
を可視化
発色基質
溶液
常に
用時調製
追加で必要となる試薬
* ジメチルフォルムアミド (DMF)
* 0.2 M NaOH, 0.1% SDS (w/v)
* 2 × SSC
プロトコール
下表を参照ください。
メモ:プローブの剥離と再ハイブリダイゼーションを計画する際には、
いかなる場合もメンブレンを乾燥させないよう注意してください。
注意:蒸発換気フードの下で操作を行ってください。
操作方法
下記の操作方法は、10 × 10 cm2 メンブレンフィルターを対象とした
免疫検出の操作方法について説明したものです。
ステップ
操 作
1
ハイブリダイゼーションとストリンジェンシー洗浄の後、メンブレ
ンを手短に洗浄用バッファー中で洗います。
2
100 ml ブロッキング溶液中で、30分間インキュベートします。
3
20 ml 抗体溶液中で、30分間インキュベートします。
4
100 ml 洗浄用バッファー中で、2 × 15分間洗浄します。
5
20 ml 検出用バッファー中で、2∼ 5 分間平衡化させます。
81
ステップ
操 作
1
* ドラフトの下で、ウォーターバス中に設置した大型のビーカー中
でDMFを50∼60℃に加熱します。
* 加熱したDMF中で青色の沈殿が除去されるまで、メンブレンフィ
ルターをインキュベートします。
注意:DMFは揮発性で、67℃より高温では気化します。
2
メンブレンを再蒸留水中で手短に洗います。
3
メンブレンを0.2 M NaOH, 0.1% SDS (w/v)中で37℃下、一定の
振とうを加えながら20分 × 2 回洗浄します。
4
2 × SSC中で手短に平衡化させます。
5
メンブレンを風乾させるか、あるいはそのままハイブリダイゼー
ションに使用します。
4. 代表的な結果
表 1 DNAハイブリダイゼーション:
感度はハイブリダイゼーション溶液中のラベルされたDNAの濃度と、
発色反応の時間に依存します。
ラベルされた
DNAの濃度
(ng/ml)
0.5
2
5
10
20
30
50
下記の時間後に検出されるホモロガスなDNAの量(pg)
1 時間
-
10
5
2
1
1
0.5
3 時間
10
2
1
0.5
0.5
0.5
0.2
16時間
2
0.5
0.2
0.1
0.1
0.05
0.05
不適切なタイプの
ナイロンメンブレ
ンを使用した
* ナイロンメンブレンには、高いバックグラ
ウンドを生じるものがあります。
Roche Diagnosticsから発売されている
DIGシステム用に特別に試験されたナイ
ロンメンブレン*を使用してください。
免疫アッセイ前の
ブロッキングが不
十分である
* ブロッキングと洗浄のステップの時間を
長くしてください。
ストリンジェン
シー洗浄が不十分
である
* ストリンジェンシー洗浄の温度を確認
してください。
* 溶液を適切な温度まであらかじめ温め
てください。
免疫アッセイの
特別なヒント
* 検出の操作に、実験用トレーを使用する
際、使用前にそれらを清潔にしておく必
要があります。 Anti-DIG-APの結合反応
と、発色反応とは、別々のトレー中で操
発色反応
作を行うことが必要です。
表 2 RNAハイブリダイゼーション:
感度はハイブリダイゼーション溶液中のラベルされたRNAの濃度と、
発色反応の時間に依存します。
ラベルされた
RNAの濃度
(ng/ml)
2
5
10
20
50
100
5.2 リファレンス
1. Horwitz, J. P. et al. (1966) J. Med. Chem. 9, 47.
2. Michal, G. et al. in Methods of Enzymatic Analysis (Bergmeyer, H. U.
et.) 3rd edition 1983, vol 1. 197.
200
* Roche Diagnosticsから発売されています。
下記の時間後に検出されるホモロガスなRNAの量(pg)
1)
1 時間
-
10
3
3
1
3 時間
10
16時間
3
0.3
3
1
0.3
0.3
0.1
0.1
1
0.3
0.1
0.1
0.03
0.03
TweenはICI Americas Inc., USAの商標です。
0.3
発色反応
5. 付 録
5.1 トラブルシューティング
トラブルシューティング表
問 題
感度が低い
問題となりうる理由
解決方法のすすめ
プローブのラベリン * ラベリング効率を確認します。ラベリン
グが十分でない
グ反応はスケールアップすることができ
ます。インキュベーション時間をオーバ
ーナイトに延長してください。
* フェノール処理により、テンプレートDNA
を精製します。
* 5 kb未満の長さの断片だけを使用するか、
制限酵素(4 bp認識の酵素など)を用いて
あらかじめ切断しておきます。
* テンプレートがラベリングの前に十分に
変性されているか確認します。
ハイブリダイゼー
ション中のプロー
ブの濃度が低い
* プローブの濃度を上げます。ただし、
25 ng/ml DNAプローブまたは100 ng/ml
RNAプローブよりも高い濃度で使用しな
いでください。
* ハイブリダイゼーションとストリンジェ
ンシー洗浄の条件を確認します。
* ハイブリダイゼーションの時間を長くし
てください。
* 発色時間を16時間まで延長してください。
バックグラウ ハイブリダイゼーシ * ハイブリダイゼーション温度を再度計算
ンドが高い
ョンが十分でない
してください。
* プレハイブリダイゼーションとハイブリ
ダイゼーションとの間で、メンブレンを
乾燥させないよう注意してください。
* プラスチック製のバッグを使用する場合、
密封する前に空気の泡を全て除去してく
ださい。
82
5.3 関連製品
キット
製 品 名
包装単位
Cat. No.
DIG DNA Labeling Kit
40回ラベリング反応
1 175 033
DIG RNA Labeling Kit (SP6/T7)
2 × 10回ラベリング反応 1 175 025
DIG Oligonucleotide 3'-End Labeling Kit, 25回ラベリング反応
2nd Generetion
3 353 575
DIG Oligonucleotide Tailing Kit, 2nd
Generetion
25回ラベリング反応
3 353 583
DIG Oligonucleotide 5'-End Labeling Set 10回ラベリング反応
1 480 863
単品試薬
製 品 名
包装単位
Cat. No.
Anti-digoxigenin-AP conjugate,
Fab fragments
150ユニット (200μl) 1 093 274
NBT/ BCIP stock solution
8 ml
1 681 451
NBT/ BCIP tablets
20タブレット
1 697 471
DIG-High Prime
160μl
1 585 606
(40回ラベリング反応)
DIG-DNA Labeling Mix
50μl
1 277 065
(25回ラベリング反応)
DIG-11dUTP, alkali-labile
25 nmol (25μl)
125 nmol (125μl)
1 573 152
1 573 179
DIG-11-UTP
250 nmol (25μl)
1 209 256
DIG-11-ddUTP
25 nmol (25μl)
1 363 905
DIG-labeled control RNA
50μl
1 585 746
DIG-labeled control DNA
50μl
1 585 738
DIG RNA Labeling Mix
40μl
1 277 073
(20回ラベリング反応)
DIG-NHS Ester
5 mg
1 333 054
DIG Easy Hyb
500 ml
1 603 558
DIG Easy Hyb Granules
6 × 100 ml用顆粒
1 796 895
DIG Wash and Block Buffer Set
30ブロット
(10 × 10 cm2)
1 585 762
Blocking Reagent
50 g
1 096 176
Nylon Membrane, positively charged
(20 × 30 cm)
(10 × 15 cm)
(0.3 × 3 mロール)
10枚
20枚
1ロール
1 209 272
1 209 299
1 417 240
Hybridization Bags
50バッグ
1 666 649
DNA, MB grade
500 mg (50 ml)
1 467 140
83
DIG Gel Shift Kit, 2nd Generation
特異的なシーケンスをもつ DNA 結合タンパクをノンラジオアクティブに検出するためのキットです。
Cat. No. 3 353 591
本製品 1 キットは、DIG-11-ddUTP を用いたオリゴヌクレオチドの 3'- 末端ラベリング 20 回、結合反応 200 回、化学発光検出反応 20 ブロット、
DNA 結合タンパクおよびオリゴヌクレオチドのコントロール反応 20 回用にデザインされています。
−15∼−25℃保存
Version, 2004年10月
メモ: このキットは新規にTerminal Transferase, recombinantを含み
ます。native Terminal Transferaseを含む旧キット(Cat No. 1 635 352)
の代替となります。
吸入または飲み込むことで有害となる物質については、子どもの手の
届かないところに施錠管理してください。これらの物質を使用中は飲
食および喫煙をしないでください。皮膚に付着した場合は、直ちに多
量の水を使用して洗い流してください。
R21-23/25 S1/2-20/21-28-44
ラベリング反応の上清を、密閉性が高く漏れる心配のない容器に集め、
内容を表記してください。有害廃棄物の規制に従って廃棄を行ってくだ
さい。
1.はじめに
1.1 キットの内容
注意する点
バイアル 1 には有害な物質(カコジル酸カリウム)が含まれています。
これらの物質を取り扱う際には手袋を着用してください。
危険回避と安全のため、以下の事柄に注意してください。
ボトルまたは
キャップの番号
1
ラベルの表示
Labeling buffer 5 x
内 容(機能を含む)
Cat. No.
(別売される場合)
* 80μl
* [1 Mカコジル酸カリウム, 0.125 M Tris-HCl, 1.25 mg/ml 牛血清アルブミン,
pH 6.6 (25℃)]
2
CoCl2 solution
* 80μl, 25 mM CoCl2 溶液
3
DIG-ddUTP solution
* 20μl
* 1 mM ジゴキシゲニン-11-ddUTP (DIG-ddUTP), 再蒸留水中に懸濁
1 363 905
4
Terminal Transferase, recombinant
* 20μl ターミナルトランスフェラーゼ
* 400 U/μl
* 60 mMリン酸カリウム(pH 7.2 at 4℃), 150 mM KCl, 1 mM 2-メルカプトエタノール,
0.5% Triton X-100, 50%グリセロール
3 333 566
3 333 574
5
Binding buffer 5
6
Control oligonucleotides ds39 mer,
unlabeled
* 0.1μg/μl
* 0.4 ng/μl
* 40μl
* 3.85 pmol/μl
* Oct2Aを用いた結合反応と特異的に競合させるためのOct2A (8)結合サイトを含む。
* シーケンス:
5'-GTACGGAGTATCCAGCTCCGTAGCATGCAAATCCTGG-3'
3'-CCTCATAGGTCGAGGCATCGTACGTTTAGGACCAGCT-5'
7
DIG-labeled control oligonucleotides
ds39 mer
* 140μl
* 0.4 ng/μl
* 15.54 fmol/μl
* TEバッファー, 0.1 M NaCl 中に懸濁
* ラベルされていないコントロールオリゴヌクレオチドと同じシーケンス
8
Control factor Oct2A
* 40μl
* 25∼75 ng/μl
* 30 mM Tris-HCl, pH 8.0, 0.2 mM EDTA, 2 mM DTT, 0.2 M NaCl中に懸濁
9
Poly [d(I-C)]
* 200μl
* 1μg/μl
* 再蒸留水中に懸濁
10
Poly [d(A-C)]
* 200μl
* 1μg/μl
* 再蒸留水中に懸濁
11
Poly L-lysine
* 200μl
* 0.1μg/μl
* 再蒸留水中に懸濁
12
Loading buffer without bromophenolblue
* 1 ml
* 0.25
×
* 800μl, [100 mM Hepes, pH 7.6, 5 mM EDTA, 50 mM (NH4)2SO4, 5 mM DTT,
Tween 20, 10%(w/v), 150 mM KCl]
×
108 812
1 219 847
TBEバッファー, 60%, グリセロール
84
13
Loading buffer with bromophenol blue
* 1 ml
* 0.25 × TBEバッファー, 60%, グリセロール, 40%,ブロモフェノールブルー, 0.2% (w/v)
14
Anti-Digoxigenin-AP
* 40μl
* 750 U/ml AP標識抗ジゴキシゲニン, Fabフラグメント羊ポリクローナル抗体
1 093 274
15
CSPD
* 440μl
* 10 mg/ ml
1 655 884
Blocking reagent
* 1ボトル
* 50 g 粉末
1 096 176
16
キットの保存と安定性
未開封のキットは、―15∼―25℃で、ラベルに印刷された期限まで安定
です。輸送はドライアイス上で行ってください。
開封後は、下表に従って適切に保存してください。
キット内容物
2. はじめに
2.1 製品の概要
はじめに
DNAとタンパクとの相互作用に関する研究は、ゲル中での遅延度(gel
retardation)またはゲル移動度のシフト(gel mobility shift)のアッセイに
より、近年その重要性が注目されています(1,2)。この迅速かつ簡単な
テクニックは、ネイティブ(非変性)ポリアクリルアミドまたはアガ
ロースゲル中での電気泳動による移動性の差異をもとにDNA結合タン
パク複合体から遊離(フリー)のDNAを分離する方法がもとになってい
ます。ゲル移動度のシフト(gel mobility shift)のアッセイに関するレ
ビューがすでに発表されています(3,4,5)。
テストの原理
DIG Gel Shift KitはDIG末端ラベリングのテクニックを用い、シーケン
ス特異DNAと結合性のあるタンパクを検出するためのキットです。
保 存
Control factor Oct2A * 凍結融解の反復を避けてください。
(バイアル8)
* 最初に融解させた時にファクターの溶液を分注し、
―15∼―25℃で保存してください。
Anti-Digoxigenin-AP 2 ∼ 8℃で安定
メモ:凍結させないでください。
Conjugate
(バイアル 14)
CSPDR
(バイアル15)
2 ∼ 8℃で遮光保存してください。
Blocking reagent粉末 * 未開封では、15∼25℃で安定です。
(ボトル16)
* 1 × 濃度の希釈溶液は、常に新しく調製してください。
追加で必要となる設備と試薬
上記にリストされている試薬以外に、いくつかの溶液を調製する必要
があります。下表は、操作方法に必要な設備の概要について示したも
のです。
詳しい情報については、操作方法の各論のページに記されています。
操作方法
設 備
試 薬
3.3オリゴヌクレオ
チドのアニーリン
グとラベリング
ウォーターバス
* 滅菌再蒸留水
* EDTA, 0.2 M, pH 8.0,
滅菌済み
* TENバッファー
3.4 ラベリング
効率の決定
ポジティブチャージの
ナイロンメンブレン*
(Cat. No. 1 417 240)
ステージ
説 明
オリゴヌクレオチド 1本鎖(ss)オリゴヌクレオチドのアニーリングとジゴキシ
のアニーリングと
ゲニン-11-ddUTPを用いた 3'末端ラベリング
ラベリング
オリゴヌクレオチド 目的のシーケンスを持ちラベルされたDNAを、細胞抽
とタンパクとの
出液または精製DNA結合タンパクを用いてインキュベート
複合体の形成
します。解析するタンパクや抽出液がDNAフラグメント
やオリゴヌクレオチドと非特異的に結合することを防ぐ
ため、この結合反応中に非特異な核酸を加え、競合させ
ます。GC含有量の多い結合シーケンスが予想される場合
poly d(I-C)を、またAT含有量の多い結合シーケンスが予
想される場合poly d(A-T)を非特異的な競合用核酸として
加える必要があります。
メモ:加える競合用のDNAについては、経験的に最適な
量を決定してください。
DIG Wash and Block
Buffer Set*
(Cat. No. 1 585 762)
または
* 洗浄用バッファー
* マレイン酸バッファー
* 検出用バッファー
電気泳動
上記の混合液をネイティブのポリアクリルアミドゲルに
移し、ゲル電気泳動します*。
3.5 ゲルシフト反応 Novex Retardation Gel (6%),
調製済み
TENバッファー
ブロッティング
3.6 ポリアクリルア
ミドゲル電気泳動
* 0.25 × TBEバッファー
* アクリルアミド,ビス
アクリルアミド
* TEMED
* 硫酸アンモニウム
電気泳動によるオリゴヌクレオチド-タンパク複合体の
分離の後、以下の方法により複合体をブロットします。
* エレクトロブロッティング または
* コンタクトブロッティング
ポジティブチャージのナイロンメンブレン上にブロットを
行います。
免疫検出
3.7ブロッティングと * ポジティブチャージのナイロン
クロスリンク(架橋) メンブレン*
(Cat. No. 1 417 240)
* Whatmann 3MMろ紙
* 電気泳動装置
* トランスイルミネーターまた
は市販のUVクロスリンカー
* 0.25 × TBEバッファー
* 2 × SSC
または
* 10 × SSC
DIGラベルされたDNAフラグメントまたはオリゴヌクレ
オチドは、抗ジゴキシゲニン-AP, Fabフラグメントと化
学発光基質CSPD*を使用した酵素イムノアッセイにより
可視化されます。
化学発光による
シグナルの検出
化学発光のシグナルは、X - 線フィルム上または イメー
ジャーを用いて記録されます。
3.8 化学発光検出
DIG Wash and Block
Buffer Set*
(Cat. No. 1 585 762)
または
* 耐熱性プラスチックバッグ
またはローラーボトル
* ハイブリダイゼーション用
バッグ* (Cat. No. 1 666 649)
アプリケーション
シーケンス特異なDNA結合タンパクを検出します。
試料となる物質
* 5' 末端や 3' 突出末端はもとより平滑末端もDIG-11-ddUTPとターミナ
ルトランスフェラーゼでラベリングできます。
* 30∼200 bp の 1 本鎖DNAと 2 本鎖DNAが使用できます。
メモ:特異的結合サイト付近の配列への、非特異的なタンパク質の影響を
低減させる為に、短い鎖長のDNA断片による電気泳動は有効です。
* 洗浄用バッファー
* マレイン酸バッファー
* 検出用バッファー
85
アッセイの所要時間
下表は、各操作ステップにおける反応時間の一覧です。
3.2 フローチャート
セクション 3.3
操作のステップ
反応時間
オリゴヌクレオチドのアニーリング
とラベリング
10分間
セクション 3.4
オリゴヌクレオチド-タンパク
複合体の形成
25分間
セクション 3.5
電気泳動
ゲルのシステムにより、
1 ∼ 2 時間からオーバーナイト
ブロッティング
使用する装置により、1 ∼ 2 時間
免疫検出
2 時間
X - 線フィルムやイメージャーへの露光
15∼40分間
セクション 3.6
セクション 3.7
オリゴヌクレオチドのアニーリングとラベリング
↓
ラベリング効率の定量
↓
ゲルシフト反応
↓
ポリアクリルアミドゲル電気泳動
↓
ブロッティングとクロスリンク(架橋)
↓
セクション 3.8
化学発光検出
テスト数
1 キットの内容は、以下のテスト数に適しています。
* DNAのジゴキシゲニン(DIG)による 3'末端ラベリング20反応分
* 結合反応200回分
* 化学発光検出反応20ブロット分
* DNA結合タンパクおよびオリゴヌクレオチド20コントロール反応分
3.3 オリゴヌクレオチドのアニーリングとラベリング
品質管理
プロトコールに記載されている条件下で、最少50%のコントロールのオ
リゴヌクレオチド(バイアル7)がコントロール因子(バイアル 8)により
シフトします。キットのプロトコールによりラベルされたコントロー
ルのオリゴヌクレオチド20 fmolを検出することが可能です。
ngからpmolへの換算方法
2 本鎖DNA 1 ng = pmol × 0.66 × N (N:2 本鎖フラグメントの長さ)
コントロール反応
コントロールとして、コントロール用オリゴヌクレオチド(バイアル 6)
100 ng (=39 merの 2 本鎖DNA 3.85 pmol)をラベリング反応に使用し
ます。
メモ:Lab FAQsもご確認ください。
追加で必要となる設備と試薬
下表は、キット内容物以外に追加で必要となる試薬の組成、保存およ
び使用目的を一覧にしたものです。
利 点
利 点
特 長
DIG標識プローブの
安定性
同じオリゴヌクレオチドを実験ごとに新たにラベル
する必要がありません。
ラベリング反応を
スケールアップする
ことが可能です。
大容量でラベルされたオリゴヌクレオチドを調製し
プロジェクトに使用することが可能です。
実験が標準化され、同時にラベルされたオリゴヌクレ
オチドを多様な実験に使用することが可能です。
短い露光時間
結果が早く得られます。
高感度
ラジオアイソトープを使用した方法と少なくとも同程
度の感度が得られます。
時間の節約
取り込まれなかったDIG-ddUTPを取り除く必要があり
ません。
廃棄物や人体への
有害性の問題が
ありません。
ノンラジオアクティブなラベリングです。
溶 液
水
EDTA
ステップ
一般的な操作上のすすめ
下表は、DIGラベリングと検出のための一般的なヒントです。
詳 細
* DIGシステムの溶液をオートクレーブ
します。
* SDSを含む溶液をろ過滅菌します。
* Tween 20を、あらかじめ滅菌され
た溶液に加えておきます。
* 実験用トレーを徹底的に清潔に保ち、
使用する前によく洗います。
* 滅菌済みディスポーザブルのプラス
チック製器具を使用します。
メンブレンを操作する際の必要事項
* パウダーフリーの手袋を着用します。
* 清潔なピンセットを用い、メンブレン
を端のみで扱います。
使用目的
0.2 M エチレンジアミノテトラ 15∼25℃ 反応の停止
酢酸, pH 8.0
で安定
15∼25℃ アニーリング反応
で安定 および、オリゴヌ
クレオチドの希釈
系列の作成
操作方法
下表を参照ください。
メモ:ラベリング反応中のオリゴヌクレオチドの量を増加させること
はお勧めできません。多量のオリゴヌクレオチドをラベルする際は、
反応容量と全ての組成を比例させて増加させ、インキュベーション時
間を 1 時間に延長することをお勧めします。
3.1 実験を始める前に
清潔なインキュベーショントレーを
使用してください。
保存と
安定性
オートクレーブした再蒸留水 15∼25℃ バッファーの希釈
および、
ラベリング/
結合反応やオリゴ
ヌクレオチドの調製
TENバッファー 10 mM Tris, 1 mM EDTA,
1 mM NaCl, pH 8.0
3. 操作方法と必要な器具
推奨条件
清潔な条件下で正しい実験操作を
行ってください。
組 成
操 作
1
1 本鎖オリゴヌクレオチドをTENバッファー中に1 : 1 のモル比で
混合します。
2
95℃で10分間インキュベートします。
3
ゆっくりと15∼25℃まで冷まします。
4
滅菌再蒸留水を用いて 3 ∼ 4 pmol/μlに希釈します。
5
3.85 pmolまたは100 ngの 2 本鎖オリゴヌクレオチドを滅菌再蒸
留水で、最終容量が10μlになるように反応用バイアルに加えま
す。
コントロール反応として、1μlのコントロールオリゴヌクレオチド(
バイアル 6)と、9μlの滅菌蒸留水を反応バイアルに加えます。
86
6
キット中の溶液の調製
下表を参照ください。
氷上で、以下の内容物を加えます。
試 薬
容 量 最終濃度
5 × 濃縮ラベリング用バッファー
(バイアル 1) 4μl
CoCl2 溶液(バイアル 2)
4μl
5 mM
DIG-ddUTP溶液(バイアル 3)
1μl
0.05 mM
ターミナルトランスフェラーゼ(400ユニット) 1μl
(バイアル 4)
溶 液
1 × 濃縮
ブロッキン
グストック
溶液
(10 × 濃縮)
20ユニット/
μl
* 混和し、手短に遠心します。
* 37℃で15分間インキュベートし、氷上に設置します。
7
2μl の0.2 M EDTA(pH 8.0)を加え、反応を停止させます。
8
3μlの再蒸留水を加え、最終容量を25μl に合わせ、ラベルされた
オリゴヌクレオチドの最終濃度を 4 ng/μl または0.155 pmol/μl に
調整します。
組成や調整方法
ブロッキング試薬(ボトル 12)をマレイ
ン酸バッファーで最終濃度10 %(w/ v)
に溶解します。振とうおよび加熱
(ヒートブロックまたはマイクロウェ
ーブオーブンを使用)しながら溶解さ
せます。 このストック溶液をオート
クレーブ滅菌します。溶液は不透明
です。
保存と
安定性
使用目的
2 ∼8℃下で滅
菌保存により
4週間。
メモ:分注し
―15∼―25℃で
凍結保存する
ことをおすす
めします。
ブロッキン
グ溶液の
調製
1 × ブロッ 10 × ブロッキングストック溶液を 常に用時調製
キング溶液 マレイン酸バッファーに 1 : 10希釈
して、1 × 濃度の溶液を調製します。
ラベリング効率
直接検出アッセイ(セクション 3.4を参照)により、ラベリング反応の希
釈系列をスポットしたものとラベルされたコントロールオリゴヌクレ
オチド(バイアル 7)の一方とを比較することにより、ラベリング反応の
効率をチェックする必要があります。
抗体溶液
CSPD
希釈溶液
3.4 ラベリング効率の決定
はじめに
DIGラベリング反応の効率を決定することは、最適かつ再現性を有す
る結果を得るために最も重要です。
メンブレン
上の非特異
結合部分を
ブロック
使用する前毎に抗体をもとのバイア
2 ∼8℃で
ルのまま10,000 rpmで 5 分間遠心し、 12時間
液面から必要な量を注意深くピペッ
トで取り出します。ブロッキング溶
液中で、抗ジゴキシゲニン-APを 1 :
10,000 (75 mU/ ml)に希釈します。
DIGラベル
プローブと
結合
10 mg/mlストック溶液を検出用
バッファーで 1 : 100に希釈します。
化学発光
検出
2 ∼8℃で
遮光保存
希釈系列
ラベルされた試料とラベル済みコントロールオリゴヌクレオチドとの
希釈系列を、下表の記載のように調製します。
メモ:ラベルされたコントロールのオリゴヌクレオチドの濃度は 4 ng/
μlまたは0.155 pmol/μlです。
テストの原理
直接検出法
チューブ オリゴ
(μl)
ステップ
説 明
1
* DIGラベルされたDNAの希釈系列をポジティブチャージのナイ
ロンメンブレン*の小片にアプライします。
* ナイロンメンブレンの一部分には、スタンダードとして既知の
希釈濃度のDIGラベルされたコントロールオリゴヌクレオチド
(バイアル 7)があらかじめのせられています。
2
* ナイロンメンブレンはAP標識抗ジゴキシゲニンおよびCSPDの
希釈溶液を用いて免疫検出されます。
* 希釈系列の両方から、4 pgのスポットが検出されるはずです。
洗浄用
0.1 Mマレイン酸, 0.15 M NaCl; pH 7.5
バッファー (20℃);0.3%(v/v) TweenR 20
保存と
安定性
希 釈
最終濃度
希釈された
オリジナル
0
-
155
4
1 : 10
15.5
0.4
2
2
1
18
3
2
2
18
1 : 100
1.55
0.04
4
2
3
18
1 : 1000
0.15
0.004
5
-
-
20
-
0
0
操作方法
下表は、直接検出法について説明しています。
追加で必要となる溶液の調製方法
洗浄用バッファー、マレイン酸バッファーおよび検出用バッファー
は、10 × 濃縮のストック溶液としてDIG Wash and Block Buffer Setの
中に含まれ別売されています。
組成や調製方法
TEN
バッファー
fmol/μl ng/μl
1
追加で必要となる試薬
* ポジティブチャージのナイロンメンブレン (Cat. No. 1 209 272)
* DIG Wash and Block Buffer Set (Cat. No. 1 585 762)
溶 液
使用した
チューブ番号
使用目的
15∼25℃ 結合しなかっ
で安定 た抗体の除去
ステップ
操 作
1
ラベルされたオリゴヌクレオチドとラベル済みコントロールのチュー
ブ 1 ∼ 5 から、それぞれ 1μl のスポットをナイロンメンブレンの
小片にアプライします。
2
UV光を用いたクロスリンクまたは120℃で30分間のベークにより、
核酸をメンブレンに固定化させます。
3
* メンブレンを、20 ml の洗浄バッファーを満たしたプラスチック
製容器に移します。
* 振とうさせながら、15∼25℃で 2 分間インキュベートします。
4
10 ml のブロッキング溶液中で、30分間インキュベートします。
マレイン酸 0.1 Mマレイン酸, 0.15 M NaCl; NaOH 15∼25℃ ブロッキング
バッファー (固体)を用いてpH 7.5(20℃)に調整する。
で安定 溶液の希釈
5
10 ml の抗体溶液中で、30分間インキュベートします。
6
10 ml の洗浄用バッファー中で15分間 × 2 回洗浄します。
検出用
0.1 M Tris-HCl, 0.1 M NaCl, pH 9.5
バッファー (20℃)
7
10 ml の検出用バッファー中で 2 ∼ 5 分間平衡化させます。
8
* DNAのブロット面を上に向けて、メンブレンをデベロップメント
フォルダー(またはハイブリダイゼーションバッグ)内に置き、0.1 ml
のCSPD希釈溶液をメンブレンに加えます。
* 直ちにフォルダーのもう一方のシートをメンブレンにかぶせ、
シート間にある溶液の表面張力を利用して、基質を均一かつ気泡が
入らないように広げます。
* 15∼25℃で 5 分間インキュベートします。
TEN
10 mM Tris, 1 mM EDTA, 0.1 M NaCl,
バッファー pH 8.0
15∼25℃ pHを9.5に調
で安定 整することに
より、メンブ
レンを平衡化
15∼25℃ オリゴヌクレ
で安定 オチドの希釈
87
9
試料の調製
コントロール反応用および試料タンパクの解析用に以下の 3 種類の試
料を調製します。
余剰な溶液をしごき出し、デベロップメントフォルダーの隅をシー
ルします。
メモ:露光中にメンブレンが乾燥すると、濃いバックグラウンドの
原因となります。
10
11
試 料
メンブレンを37℃で10分間インキュベートし、CSPDの化学発光を
増強させます。
15∼25℃でイメージャーに 5 ∼20分間または、X - 線フィルムに
15∼25分間露光させます。
メモ:発光は少なくとも48時間持続します。シグナルは、検出反応
を開始させてから最初の数時間に増加し、プラトーに達します。
プラトーに達すると、シグナルの強度は24∼48時間ほぼコンスタント
に維持されます。したがって、必要とされるシグナル強度が得られ
るまで、何回でも露光を行うことが可能です。
説 明
1
ラベルされたオリゴヌクレオチド。試料タンパクを含みません。
2
ラベルされたオリゴヌクレオチド。試料タンパクを含みます。
3
ラベルされたオリゴヌクレオチド。試料タンパクおよび、特異的に
競合させるために125倍量のラベルされていないオリゴヌクレオチ
ドを含みます。
メモ:試料タンパクとDNAとの結合を良くするため、poly-L-lysinを
追加することも可能です。
プロトコール
ゲルシフト反応の標準的なプロトコールを下表に示します。
結果の解析
コントロールオリゴヌクレオチドとのシグナルの比較により、DIGラ
ベルされたオリゴヌクレオチドの量を決定することが出来ます。
0.15 fmolつまり4 pgのスポットが可視化されるはずです。
ステップ
1
3.5 ゲルシフト反応
実験を始める前に
そのまま使用できる濃度に希釈されたNOVEX Retardation Gel (6 %)を
用いることをお勧めします。
メモ:Precastゲルをお使いください。
反応条件の変更
コントロール反応はfactor Oct2A (バイアル 8)用に最適化されています。
種々の結合タンパクを解析するため、条件を以下のように変更するこ
とが可能です。
* 精製されたDNA結合タンパクを用いる場合、非特異的な競合DNAを
低濃度で使用するか、あるいは使用する必要はありません。
* クルードな抽出試料中のファクターを解析する場合、結合反応に非
特異的な競合DNAを加えることが絶対に必要です。
* 結合反応によっては、異なる反応温度(4 ℃から37℃の範囲)が必要と
なることがあります。
操 作
氷上で以下の内容物を混合します。
試料 1
試料 2
試料 3
結合用バッファー(バイアル 5)
4μl
4μl
4μl
poly[d(I-C)] (バイアル 9),
[1μg/μl]
1μl
1μl
1μl
poly L-lysine (バイアル 11),
[0.1μg/μl]
1μl
1μl
1μl
DIGラベルされたオリゴヌクレオチド
(バイアル 7)
[0.4 ng/μl]
2μl
2μl
2μl
再蒸留水
12μl
11μl
10μl
-
-
1μl
-
1μl
1μl
ラベルされていないオリゴヌクレオ
チド (バイアル 6)
[0.1μg/μl]
Oct2A factor (バイアル 8)
[25∼75 ng/μl]
結合用バッファーの条件
* 塩濃度やpHがタンパクとDNAとの相互作用に影響することが知られ
ています。形成される複合体が特異的か非特異的かは、バッファー
の条件に依存します。したがって、Mg2+, Zn2+, Ca2+, 界面活性化剤や
スペルミジンなどを追加で使用することも重要となることがあります。
* キット内に単独のバイアルとして含まれているpoly-L-lysineは、特異
的なタンパク/DNA複合体の形成を個々の反応において最適化させま
す。これは塩基性ペプチドがDNAとの親和性を高める可能性もある
からです(9)。アルブミンも同様に特異的なタンパク/DNA複合体の
形成を良くするために用いる事が出来ます(10)。
* プローブと核タンパクとを添加する順序が、形成されるタンパクDNAの特異性を決定することがあります(11)。
2
注意深く混和し、15∼25℃で15分間インキュベートします。
3
チューブを氷上に設置します。
4
それぞれの試料にブロモフェノールブルーを含むローディング用
バッファー(バイアル 13)を 5μl加えます。
メモ:NOVEX システムを使用する場合は、推奨される高濃度TBE
バッファーを加えてください。
5
試料を直ちにプレ電気泳動されたポリアクリルアミドゲルにアプ
ライします。
3.6 ポリアクリルアミドゲル電気泳動
アクリルアミドゲルの濃度の調整
アクリルアミドゲルの適切な濃度は、オリゴヌクレオチドや試料タン
パク複合体のサイズに依存します(12)。多くの場合、0.5 × TBEバッ
ファー中、6 ∼ 8 %のネイティブ(非変性)ポリアクリルアミドゲルの使
用が適しています。
追加で必要となる試薬
TENバッファー:10 mM Tris, 1 mM EDTA, 0.1 mM NaCl, pH 8.0
追加で必要となる試薬と設備
電気泳動用バッファー:0.5 × TBEバッファー (Tris-ホウ酸-EDTAバッ
ファー、10 × 濃縮。890 mM Tris、890 mMホウ酸、20 mM EDTA、
pH 8.0)。
ラベルされたオリゴヌクレオチドとコントロールの希釈
1. ラベルされたオリゴヌクレオチド試料を、TENバッファーを用いて
15∼30 fmol/μlの濃度に希釈します。
2. コントロールのオリゴヌクレオチド(バイアル 6)をDIGラベルし、 TENバッファーを用いて0.4 ng/μl (15.5 fmol/μl)に希釈するか、
あるいはすでにDIGラベルされたコントロールのオリゴヌクレオチ
ド(バイアル7)を使用します。
プロトコール
下表を参照ください。
ステップ
1
操 作
前日の操作
0.5 × TBEバッファー中で 6 %または 8 %のアクリルアミドによる
ネイティブなポリアクリルアミドゲルを調製します。
メモ:ゲルを使用する一日前に調製し、ゲルが完全に重合したこと
を確認します。
88
2
3.7.2 コンタクトブロッティング
ゲルを前もって泳動することが必要です(NOVEXシステムで 5 分間)。
3
ゲルに試料をロードします。
プロトコール
電気泳動の後、下表のプロトコールに従ってコンタクトブロッティン
グを行ってください。
メモ:試料をロードする前に、ゲルの試料用ウェルからAPS、尿素
およびポリアクリルアミドの残渣を取り除いてきれいにし、試料が
拡散することなくロードできるように注意します。
4
10 cm × 10 cm × 0.1 cmのPAGEを80 Vで行います。
メモ:他のサイズのゲルについては、8 V/cmに換算します。
5
プレートの上から 2 / 3 のところに染色剤が到達するまで電気泳動
します。(NOVEX システムの場合は、70 Vで 50∼60分)
メモ:泳動中にゲルが過度に熱をもたないよう注意します。
ステップ
操 作
1
電気泳動の後: ゲルからガラス板の1枚を注意深く取り外します。
2
ゲルと同じサイズに切ったナイロンメンブレンを、乾いたままゲル
の上に乗せます。
3
ゲルと同じ大きさのWhatmann 3 MMろ紙を乾いたまま、メンブレン
フィルターの上に3層に重ねます。
4
3層のWhatmann 3 MMろ紙の上からガラス板を置きます。
5
ガラス板に100 gの重りを乗せます。
6
20∼30分後にトランスファーが完了します。
3.7 ブロッティングとクロスリンク
ブロッティングのテクニックと結果
次の二種類のテクニックを使用することが可能です。
* エレクトロブロッティング
* コンタクトブロッティング
エレクトロブロッティングにより、最良の結果が得られます。
コンタクトブロッティングでは、シグナル強度がやや弱くなります。
3.7.3 オリゴヌクレオチドのクロスリンク
固定の方法
下表を参照ください。
3.7.1 エレクトロブロッティング
陰極
120℃におけるベーキング
メンブレンを15∼30分間ベークします。
UVクロスリンク
* あらかじめ 2 × SSCで湿らせたWhatmann
3 MMろ紙にメンブレンを乗せます。
* Stratalinkerなどを用い、120 mJで 3 分間クロ
4 層の
Whatmann
3 MM ろ紙
スリンクさせます。トランスイルミネーターを
用いて 3分間クロスリンクさせる場合は、 前
もって試験を行っておく必要があります。
ゲル
ナイロンメンブレン
4 層の
Whatmann
3 MM ろ紙
陽極
メンブレンの保存方法
下表を参照ください。
図 1 エレクトロブロッティング
追加で必要となる設備と試薬
* ポジティブチャージのナイロンメンブレン* (Cat. No. 1 417 240)
* Whatmann 3MMろ紙
* トランスファー用バッファー:0.5 × TBEバッファー
* エレクトロブロッティングに、以下のような装置
* NOVEX System (Xcell II Blot Module No. EI9051)
* LKB 2117-250
* Novablot Electrophoretic Electroblotting Transfer Kit
次のような用途の場合・・・
以下のように保存します。
引き続き化学発光検出に
使用する場合
メンブレンを直ちにそのまま使用します。
しばらく保存してから
使用する場合
メンブレン風乾させ、Whatmann 3MMろ紙に
はさんで 4℃で保存します。
3.8 化学発光検出
追加で必要となる試薬
追加で必要となる試薬の組成や調製方法について、下表を参照くださ
い。以下のバッファーは、DNaseおよびRNaseフリーのDIG Wash and
Block Buffer Set (Cat. No. 1 585 762)として別売されています。
プロトコール
エレクトロブロッティングの標準的なプロトコールとして、以下の表
を参照ください。
溶 液
ステップ
操 作
1
電気泳動の後:ゲルからガラス板の1枚を注意深く取り外します。
2
ゲルと同じサイズに切ったナイロンメンブレンを、トンラスファー
用バッファー(0.5 × TBEバッファー)中で 5 分間平衡化させます。
3
平衡化させたナイロンメンブレンを注意深くゲルの上に乗せます。
メモ:ゲルとメンブレンフィルターとの間に気泡が入らないこと。
4
ゲルと同じ大きさのWhatmann 3MMろ紙をトランスファー用バッ
ファーで湿らせ、メンブレンフィルターの上に4層に重ねます。
5
4層のWhatmann 3MMろ紙の上からガラス棒またはピペットを転が
し、気泡を取り除きます。
6
Whatmann 3MMろ紙/ナイロンメンブレン/ゲルから、もう一方のガ
ラス板を取り外します。
7
Whatmann 3MMろ紙をトランスファー用バッファーで湿らせ、ゲル
の反対側に4層に重ねます
8
エレクトロブロッティング装置の両電極の間に、ろ紙でサンドイッ
チされたゲルとメンブレンを設置します(図 1を参照)。
9
10 cm × 10 cm × 0.1 cmのPAGEに対して400 mAで30分間トラン
スファーを実施します。(NOVEX システムの場合は、30 V 300 mAで
約60分)
組成や調製方法
保存と
安定性
使用目的
洗浄用バッファー 0.1 Mマレイン酸, 0.15 M NaCl; 15∼25℃ メンブレンの
pH 7.5 (20℃); 0.3%(v/v)
で安定 洗浄
TweenR 20
マレイン酸
バッファー
0.1 Mマレイン酸, 0.15 M NaCl; 15∼25℃ ブロッキング
NaOH(固体)を用いて pH 7.5
で安定 溶液の希釈
(20℃)に調整する。
検出用バッファー 0.1 M Tris-HCl, 0.1 M NaCl,
pH 9.5 (20℃)
89
15∼25℃ アルカリホス
で安定 ファターゼ用
バッファー
4. 付録
キット中の試薬の調製
キット中の試薬の調製方法について、下表を参照ください。
4.1 トラブルシューティング
溶 液
ブロッキン
グストック
溶液
(10 × 濃縮)
組成や調整方法
ブロッキング試薬(ボトル 12)をマレイ
ン酸バッファーで最終濃度10%(w/v)
に溶解します。振とうおよび加熱
(ヒートブロックまたはマイクロウェ
ーブオーブンを使用)しながら溶解さ
せます。
このストック溶液をオートクレーブ滅
菌します。
溶液は不透明です。
保存と
安定性
使用目的
トラブルシューティング表
下表では、DIGラベリングと検出のためのトラブルシューティングの
様々なパラメーターについて記載しています。
2 ∼8℃
ブロッキン
4週間
溶液の調製
メモ:分注して
―15∼―25℃で
保存します。
1 × 濃度の 10 × ブロッキングストック溶液をマ 常に用時調製
ブロッキン レイン酸バッファーに 1 : 10希釈して、
グ溶液
1 × 濃度の溶液を調製します。
メンブレン
上の非特異
結合部分を
ブロック
抗体溶液
使用する前毎に抗体をもとのバイア 2∼8℃で
ルのまま10,000r pmで 5 分間遠心し、
12時間
液面から必要な量を注意深くピペッ
トで取り出します。ブロッキング溶
液中で、抗ジゴキシゲニン-APを
1 : 10,000 (75 mU/ ml)に希釈します。
DIGラベル
されたプロ
ーブと結合
CSPD
希釈溶液
10 mg/mlストック溶液を希釈用バッ 2∼8℃で
ファーで 1 : 100に希釈します。
遮光保存
化学発光検
出
問 題
シフトが観察
されない
操作方法
下表は、100 cm2 のメンブレンに対する免疫検出について記したもの
です。
メモ:下表で推奨する容量は、ペトリ皿など小さなプラスチック製容
器を使用して100 cm2 のメンブレンを処理するためのものです。全て
のステップでメンブレンが完全に覆われるのに十分な量のバッファー
を使用してください。全てのインキュベーションは、振とうを加えな
がら15∼25℃で行ってください。
ステップ
操 作
1
メンブレンを手短(1 ∼ 5 分間)に洗浄用バッファー中で洗います。
2
100 ml のブロッキング溶液中で、30分間インキュベートします。
3
20 ml の抗体溶液中で、30分間インキュベートします。
4
100 ml の洗浄用バッファー中で15分間 × 2 回洗浄します。
5
20 ml の検出用バッファー中で 2 ∼ 5 分間平衡化させます。
6
* DNAのブロット面を上に向けて、メンブレンをデベロップメント
フォルダー(またはハイブリダイゼーションバッグ)内に置き、 1 ml
のCSPDR 希釈溶液をメンブレンに加えます。
* 直ちにフォルダーのもう一方のシートをメンブレンにかぶせ、
シート間にある溶液の表面張力を利用して、基質を均一かつ気泡
が入らないように広げます。
* 15 ∼ 25℃で 5 分間インキュベートします。
7
余剰な溶液をしごき出し、デベロップメントフォルダーの隅を
シールします。
メモ:露光中にメンブレンが乾燥すると、濃いバックグラウンドの
原因となります。
8
メンブレンを37℃で10分間インキュベートし、CSPDの化学発光を
増強させます。
9
15 ∼ 25℃でイメージャーに 5 ∼ 20分間または、X - 線フィルムに
15 ∼ 25分間露光させます。
メモ:発光は少なくとも48時間持続します。シグナルは、検出反
応を開始させてから最初の数時間に増加し、プラトーに達します。
プラトーに達すると、シグナルの強度は24 ∼ 48時間ほぼコンス
タントに維持されます。したがって、必要とされるシグナル強度
が得られるまで、何回でも露光を行うことが可能です。
問題となりうる理由
解決方法のすすめ
シグナルが弱い、プローブのラベリング * DIGラベルされたDNAフラグメント
または
が十分でない
またはオリゴヌクレオチドと、
ラベル
シグナルがない
済みコントロールのオリゴヌクレオ
チドを、セクション 3. 4 にある方法
により比較し、ラベリング効率を
チェックしてください。
* ラベルする前にDNAフラグメントを
High Pure PCR Product Purification Kit
(Cat. No. 1 732 668)か、フェノール/
クロロフォルム抽出およびエタノー
ル沈殿により精製してください。
* オリゴヌクレオチドは必ず HPLC
精製してください。
トランスファーが
十分でない
* 最良の結果を得るために、エレクト
ロブロッティングをお勧めします。
露光時間が短すぎる
* X - 線フィルムまたはイメージャー
への露光時間を長くしてください。
タンパクの量が適切
でない
* 最良の結果を得るために、タンパ
ク当たりのDNAの比率について経
験的に見積もる必要があります。
* 核タンパクの抽出物を使用する場
合、抽出物の量は、抽出物の調製の
程度、タンパクに対するDNAの結
合親和性および抽出物の品質に大き
く依存して変動します。
* 一般的に1 ∼20μg のタンパク質が
適当なバンドシフトを示します。
* 精製されたタンパクのほとんどが
100%の活性を示しません。タンパ
クに対するDNAのタイターは、等
モル量から 5 倍モル量までの範囲に
なります。
非特異的な競合DNA * 核タンパクの抽出物を使用する場
が多すぎる、あるいは 合、抽出物 2 ∼ 3μg当たり、poly
使用したDNAのタイプ [d(I-C)]またはpoly[d(A-T)]のような
が適当でない。
非特異競合DNAを1μgの割合で使
用するのが一般的なルールです。
* 精製されたDNA結合タンパクを使
用する場合は、非特異競合DNAを
低濃度で使用するか、あるいは使用
する必要がありません。使用する場
合は、使用量を慎重に検定してくだ
さい。
* 子牛胸腺DNAやE.coli DNAなど、
他のタイプの競合DNAは目的のタ
ンパクの結合サイトを有する可能性
があるので、使用を避けてください。
結合用バッファーが
* 結合用バッファーには通常25 mM
最適でない、あるいは ∼50 mMの K+またはNa+が含まれ
組成が間違っている
ています。稀に、タンパク抽出物中
に存在するイオン(K+やNa+)に結合
用バッファーの組成を適合させる
必要がある場合があります。
* 最適な結合のため、150 mMを上回
る濃度の塩を使用しないでください。
* いくつかのタンパクでは、特異的な
DNA/タンパク複合体の形成が、マ
グネシウム、亜鉛、カルシウムイオ
90
4. Garner, M. M. & Ravzin, A. (1986) Trends in Biochemical Science
11, 395-396.
5. Hendrickson, W. (1985) BioTechniques 3, 198-207.
6. Ikeda, S. & Oda, T. (1993) BioTechniques 14, 878-880.
7. Berger, R. Duncan, P, D. & Berrnan, B. (1993) BioTechniques 15,
650-651.
8. Kemler, I. et al. (1989) EMBO J. 8, 2001-2008.
9. Bannister, A. J. & Kouzahdes, T. (1992) Nucleic Acid Res. 20, 3523.
10. Kozmik, Z., Urbanek, P. & Pam, V. (1990) Nucleic Acid Res. 18,
2198.
11. Demczuk, S. et al. (1990) Nucleic Acid Res. 19, 677-678.
12. Revzin, A. (1989) BioTechniques 7, 346-355.
13. Maniatis, T., Fritsch, E. F. & Sambrook, J. (1989) Molecular Cloning, 2nd Ed., Cold Spring Harbour Laboratory
14. Ausubel, F M. et al (1993) Current Protocols in Moecular Biology,
Vol. 2 Greene Publishing Associates, Inc. And Wiley and Sons, NY.
15. Sato, R. et. al. (1996) Sterol-dependent Transcriptional Regulation of
Sterol Regulatory Element-binding Protein-2* J. Biol. Chem 271, 43,
26461-26464.
16. Zhang, J. et. al. (1999) Nitric oxide-induced reduction of lung cell
and whole lung thioredoxin expression is regulated by NF-kB Am J
Physiol Lung Cell Mol Physiol 277, L787-L793.
17. Fukuchi, K. et. al. (2000) Essential two-component system in B.
subtilis; Microbiology 146, 1573-1583.
ンや界面活性化剤またはスペルミジ
ンなど追加因子に依存します。
メモ:本キットに含まれる標準的な
1 × 結合用バッファーは、1 mMの
EDTAを含みます。
* いくつかのタンパクにおいて、
poly-L-lysinなど塩基性ペプチドを
加えることで結合親和性を高めるこ
とが可能です。
DNAタンパク複合体が * 結合反応と電気泳動を 4℃で行って
不安定である
ください。
* 電気泳動ゲルシステム(ゲルおよび
バッファー)のイオン強度を0.5 × TBE
から0.25 × TBEに減少させてくださ
い。
* ヴォルテージを上げ、電気泳動の
時間を短くしてください。
タンパクの追加 タンパクの分解
により、複数の
バンドのシフト
が生じた
DNA/タンパク
複合体がゲル
に泳動されず、
スロット中に
残っている
バックグラウン
ドが高い
* タンパク抽出物や精製タンパクを、
繰り返し凍結融解することを避け
てください。
* タンパク抽出調製試料中または精製
タンパクや結合用バッファーにプロ
テアーゼ阻害剤を加えてください。
DNAシーケンスを認
識する多種類のタン
パクが抽出物中に存
在する
* 目的のタンパクを単離するため、
抗体スーパーシフト反応
(antibody supershift reactions)を
使用してください。(14)
タンパクの使用量が
多すぎる、あるいは
加えられた非特異競
合DNAの量が適切で
ない
* タンパクと非特異競合DNAの量を
検定してください。
複合結合サイトDNA
断片が大き過ぎる
DNA断片のサイズを小さくします。
検出操作の間にメン
ブレンを乾燥させた
* 検出の全てのステップにおいて、
メンブレンを乾燥させてはいけま
せん。メンブレンを乾燥させてし
まったり、ディッシュの中でメンブ
レンどうしがくっついてしまうと、
高いバックグラウンドを生む結果と
なります。
18. Fujiita, M.et. al. (2004) Regulation of I B- and NP- B proteins in SCC25 cells treated with okadaic acid. Oral Oncology 40, 2, 199-206.
19. Motojima, M. et. al. (2004) Toxins induce PAI-1 expression. Kidney
International, 63, 1671-1680.
4.3 関連製品
単品試薬
製 品 名
Anti-Digoxigenin-AP
包装単位
150 U (200μl)
1 093 274
50 g
1 096 176
30ブロット用
(10 × 10 cm2)
1 585 762
25 nmol (25μl)
1 363 905
Blocking Reagent
DIG Wash and Block Buffer Set
Cat. No.
ブロッキングと洗浄が * 洗浄およびブロッキング溶液の容
十分でない
量を増やし、洗浄とブロッキングの
ステップを延長してください。
DIG-11-ddUTP
CDP-Star
2 × 50 ml
1 755 633
露光時間が長すぎる
Hybridization bags
50バッグ
1 666 649
100枚
(20.3 × 25.4 cm)
100枚
(18 × 24 cm)
1 666 657
10枚
20枚
1ロール
1 209 272
1 209 299
1 417 240
8000 U
2400 U
3 333 566
3 333 574
50回精製用
1 732 668
斑点状のバック バッファーに沈澱が
グラウンドが
ある、あるいは適当
生じる
でないバッファーを
使用している
トレイにコンタミネー
ションがある
* 露光時間を短くしてください。
シグナル強度は時間とともに増加
します。
Lumi-Film Chemiluminescent Detection Film
* 斑点状のバックグラウンドは、抗
DIG-AP標識抗体中の沈殿物により
生じる可能性があります。抗ジゴキ
シゲニン-APをもとのチューブのま
ま使用前毎に10000 rpmで 5分間遠
心し、必要量を注意深く液面からピ
ペットで取り出してください。
* Mg2+を含まない検出用バッファー
を使用してください。
Nylon Membrane, positively charged
(20 × 30 cm)
(10 × 15 cm)
(0.3 × 3 mロール)
Terminal Transferase
High Pure PCRProduct Purification Kit
* 実験用トレイを検出操作に使用する
際には、使用前に丹念にきれいにし
ておくことが必要です。
1 666 916
*Roche Diagnosticsから発売されています。
この製品および使用に関して、Roche Diagnostics GmbHによる次の
特許が含まれています。
EP特許 0 324 474
US特許 5.344.757 5.702.888
4.2 リファレンス
1. Fried, M. & Crothers, D. M. (1981) Nucleic Acid Res. 9, 6505-6525.
2. Garner, M. M. & Revzin, A. (1981) Nucleic Acid Res. 9, 3047-3060.
3. Crothers, D. M. (1987) Nature 325, 464-465.
91
DIG Easy Hyb
ジゴキシゲニンラベルされたプローブを用いた核酸ブロットのハイブリダイゼーション用溶液
Cat. No. 1 603 558
500 ml 15∼25℃保存
Version, 2003年 3 月
1. 製品の概要
2. 操作方法と必要となる物
内 容
2.1 実験を始める前に
ボトル
ラベルの表示
1
DIG Easy Hyb
内 容
追加で必要となる設備
ハイブリダイゼーションは、以下の耐熱性かつ密封性を有する容器内
で行うことが可能です。
* ハイブリダイゼーションバッグ* (Cat. No. 1 666 649)
* プラスチックまたはガラス製の箱
* ペトリ皿
* ローラーボトル
500 ml, そのまま使用可能な調製溶液,
DNaseおよびRNaseフリー
製品の説明
DIG Easy Hybはフォルムアミドを含まず無害ですが、ハイブリダイ
ゼーション温度は50%フォルムアミドを含むバッファー用に使用される
ものと同じ計算式で算出されます。
2.2 DNA-DNAハイブリダイゼーション
アプリケーション
DIG Easy Hybは、全てのタイプの核酸ブロットのハイブリダイゼー
ションに応用可能です。
ハイブリダイゼーションの温度
最適なハイブリダイゼーションの温度は、GC含量とプローブとター
ゲットの塩基配列との相補性パーセントにより、以下の数式によって
算出されます。
この溶液は、特にジゴキシゲニン(DIG)ラベルされた核酸プローブを
用い、ナイロンメンブレンに結合したターゲットを検出するためにデ
ザインされています。
Tm = 49.82 + 0.41(% G + C)−(600/l) [ l = ハイブリッドの塩基対の長さ]
Topt = Tm −20∼25℃
プレハイブリダイゼーション
DIG Easy Hybを用いたプレハイブリダイゼーションは、適切なハイブ
リダイゼーション用温度で15∼30分間で行われます。
(数式で与えられる数値は、50%フォルムアミドを含むハイブリダイ
ゼーション溶液の標準的な数式により計算されたものです。)
DIG Easy Hybを用いたハイブリダイゼーションにおける実際のハイブリダ
イゼーション温度Topt は、計算されるTm の値より 20∼25℃低くなります。
例:100%ホモロガスなプローブを用いたヒトゲノムDNAのハイブリダ
イゼーションには、プローブのGC含有量に応じて37∼42℃のハイブリ
ダイゼーション温度を使用します。
Topt は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション温度と考えられ、
プローブとターゲットとの間におけるミスマッチを18%まで許容しま
す。プローブとテンプレートとの相補正の度合いが80%未満である場
合、適宜Topt を低くするか(1%のミスマッチ当たり、およそTm を1.4℃
下げる)
、またストリンジェンシー洗浄のステップをこれに合わせる必
要があります(SSC濃度を上げ、洗浄温度を下げるなど)。
ハイブリダイゼーション
DIG Easy Hybは、ハイブリダイゼーションのタイプに依存するもの
の、ハイブリダイゼーション時間をわずか 1 ∼ 6 時間と大幅に減少さ
せます。高感度を必要とされる場合にのみ、オーバーナイト(12∼16時
間)のハイブリダイゼーションをお勧めします。
アプリケーション
推奨されるハイブリ
ダイゼーション時間
DNAフィンガープリンティング(多数の結合部位を
有するプローブを使用した場合)
2 ∼ 4 時間
DNAフィンガープリンティング(単一の結合部位を
有するプローブを使用した場合)
オーバーナイト
コロニー/プラークハイブリダイゼーション
ヒトゲノムのブロットからのシングルコピー遺伝子
の検出
RNA-RNAハイブリダイゼーション
オリゴヌクレオチドプローブ
操作方法
DNA-DNAハイブリダイゼーションの方法について、下表に示します。
メモ:DIG Easy Hybを用いる際は、ふたのある容器を使用してください。
> 4 時間
オーバーナイト
ステップ
6 時間からオーバーナイト
1
適切な量のDIG Easy Hyb(約20 ml / 100 cm2)をハイブリダイゼー
ション温度まであらかじめ加温します。
2
ブロットをおだやかに振とうしながら15∼30分間インキュベートし
ます。
メモ:メンブレンがDIG Easy Hybに十分に浸漬しているよう注意
してください。
3
DIGラベルされたDNAプローブ(ハイブリダイゼーション溶液 1 ml
当たり 5 ∼25 ng)を、5 分間沸騰させて変性し、直ちに氷水で急
冷させます。
4
あらかじめ加温したDIG Easy Hyb (メンブレン100 cm2当たり少な
くとも3.5 ml)を加え、気泡を立たせないようにしながらよく混和さ
せます(気泡はバックグラウンドの原因となることがあります)。
1 ∼ 6 時間
保存と安定性
未開封のボトルは、15∼25℃でラベルに印刷されている期日まで安定で
す。
DIG Easy Hyb中でのDIGラベルされたプローブの保存
ジゴキシゲニンラベルされたプローブは、DIG Easy Hyb中にて―15∼
―25℃での保存と、数回の再使用が可能です。再使用の際には使用前
に68℃で変性させてください。沸騰させてはいけません。
メモ:RNAプローブの保存と再使用は、プローブの安定性とRNaseフ
リーの操作条件に依存するため、通常DIG Easy Hyb中のRNAプローブ
の保存と再使用にはお勧めできません。
92
操 作
5
6
プレハイブリダイゼーション溶液を除去し、直ちにプローブ/DIG
Easy Hybの混合液を加えます。
メモ:局所的なバックグラウンドを防ぐため、高濃度のプローブを
直接加えないでください。
5
ハイブリダイゼーション温度で、少なくとも 6 時間おだやかに振と
うしながらインキュベートします。
メモ:シングルコピーの検出では、オーバーナイトのインキュベー
6
メモ:局所的なバックグラウンドを防ぐため、高濃度のプローブを
直接加えないでください。
ションをお勧めします。
2.5 DIGラベルされたオリゴヌクレオチドプローブによるハイブリダイ
ゼーション
ハイブリダイゼーションの温度
RNA-RNAハイブリダイゼーションの温度は、一般的に68℃が推奨され
ます。実際のハイブリダイゼーション温度についてはGC含有量、プ
ローブとターゲットとのホモロジーに応じて調節する必要があります。
ハイブリダイゼーションの温度
ハイブリダイゼーション温度の計算方法は、以下の通りです。
GまたはCの数に4℃をかけたものを合計し、TまたはAの数に 2℃をかけ
たものを合計して総計したものを、オリゴヌクレオチドのTm とします。
プレハイブリダイゼーションとハイブリダイゼーションは、上記で計
算されたTm よりも10℃低い温度で行ってください。
操作方法
RNA-RNAハイブリダイゼーションの方法について、下表に示します。
メモ:DIG Easy Hybを用いる際は、ふたのある容器を使用してください。
操 作
1
適切な量のDIG Easy Hyb(約20 ml / 100 cm2 )をハイブリダイゼー
ション温度まであらかじめ加温します。
2
ブロットをおだやかに振とうしながら30分間インキュベートします。
メモ:メンブレンがDIG Easy Hybに十分に浸漬しているよう注意
してください。
3
DIGラベルされたRNAプローブ(ハイブリダイゼーション溶液 1 ml
当たり100 ng)を、5 分間沸騰させて変性し、直ちに氷水で急冷させ
ます。
4
あらかじめ加温したDIG Easy Hyb (メンブレン100 cm2 当たり少な
くとも3.5 ml)を加え、気泡を立たせないようにしながらよく混和さ
せます(気泡はバックグラウンドの原因となることがあります)。
5
プレハイブリダイゼーション溶液を除去し、直ちにプローブ/DIG
Easy Hybの混合液を加えます。
メモ:局所的なバックグラウンドを防ぐため、高濃度のプローブを
直接加えないでください。
6
多数の結合部位を有するフィンガープリンティング用プローブ
ターゲットの核酸との結合部位が複数あるプローブを用いたハイブリ
ダイゼーションでは、2 ∼ 4 時間のハイブリダイゼーション時間をお
勧めします。非特異的な競合DNA(分子生物学用グレードの魚精子
DNA, Cat. No. 1 467 140など)を50μg/ml 濃度で必ず加えてください。
操作方法
DIGラベルされたオリゴヌクレオチドプローブを用いたハイブリダイ
ゼーションの方法について、下表に示します。
メモ:テールを付加したオリゴヌクレオチドのプレハイブリダイゼー
ション溶液とハイブリダイゼーション溶液には、0.1 mg/ml のpoly(A)
および 5μg/ml のpoly d(A)を加え、テールのハイブリダイゼーショ
ンにより非特異的なシグナルが出ることを防ぎます。
DIG Easy Hybを用いる際は、ふたのある容器を使用してください。
ステップ
ハイブリダイゼーション温度で、少なくとも 6 時間おだやかに振と
うしながらインキュベートします。
メモ:発現量の少ないmRNAの検出では、16時間のインキュベー
ションをお勧めします。
ハイブリダイゼーションの温度
DNA-RNAハイブリダイゼーションの温度は、一般的に50℃が推奨され
ます。実際のハイブリダイゼーション温度についてはGC含有量、プ
ローブとターゲットとのホモロジーに応じて調節する必要があります。
操作方法
DNA-RNAハイブリダイゼーションの方法について、下表に示します。
メモ:DIG Easy Hybを用いる際は、ふたのある容器を使用してください。
操 作
1
適切な量のDIG Easy Hyb(約20 ml / 100 cm2)をハイブリダイゼー
ション温度まであらかじめ加温します。
2
ブロットをおだやかに振とうしながら30分間インキュベートします。
メモ:メンブレンがDIG Easy Hybに十分に浸漬しているよう注意
してください。
3
DIGラベルされたプローブ(ハイブリダイゼーション溶液 1 ml当たり
DNAプローブは 5 ∼25 ng、RNAプローブは100 ng)を、10分間沸
騰させて変性し、直ちに氷水で急冷させます。
4
あらかじめ加温したDIG Easy Hyb (メンブレン100 cm2当たり少な
くとも3.5 ml)を加え、気泡を立たせないようにしながらよく混和さ
せます(気泡はバックグラウンドの原因となることがあります)。
操 作
1
適切な量のDIG Easy Hyb (約20 ml / 100 cm2)をハイブリダイゼー
ション温度まであらかじめ加温します。
2
ブロットをおだやかに振とうしながら30分間インキュベートします。
メモ:メンブレンがDIG Easy Hybに十分に浸漬しているよう注意
してください。
3
テール付加されたオリゴヌクレオチドプローブ(ハイブリダイゼー
ション溶液 1 ml当たりテール付加したプローブでは 0.1 ∼ 2 pmol、
末端ラベルされたプローブでは1∼10 pmol)を、用いてハイブリダ
イズさせます。メンブレン100 cm2当たり少なくとも3.5 ml のDIG
Easy Hybを使用してください。
4
あらかじめ加温したDIG Easy Hyb (100 cm2当たり少なくとも3.5 ml
のDIG Easy Hyb)を加え、気泡を立たせないようにしながらよく混
和させます(気泡はバックグラウンドの原因となることがあります)。
5
プレハイブリダイゼーション溶液を除去し、直ちにプローブ/DIG
Easy Hybの混合液を加えます。
6
ハイブリダイゼーション温度で、1 ∼6 時間おだやかに振とうしな
がらインキュベートします。
メモ:発現量の少ないmRNAの検出では、16時間のインキュベー
ションをお勧めします。
2.4 DNA-RNAハイブリダイゼーション
ステップ
ハイブリダイゼーション温度で、少なくとも 6 時間おだやかに振と
うしながらインキュベートします。
メモ:発現量の少ないmRNAの検出では、16時間のインキュベー
ションをお勧めします。
2.3 RNA-RNAのハイブリダイゼーション
ステップ
プレハイブリダイゼーション溶液を除去し、直ちにプローブ/DIG
Easy Hybの混合液を加えます。
2.6 プラーク/コロニーハイブリダイゼーション
追加で必要となる試薬
* 10% SDS (w/v)
* 20 × SSC (3 M NaCl, 0.3 Mクエン酸ナトリウム, pH 7.0)
93
ハイブリダイゼーションの温度
最適なハイブリダイゼーションの温度は、GC含量とプローブとター
ゲットDNAの塩基配列とのホモロジーにより、以下の数式によって算
出されます。
Tm = 49.82 + 0.41(% G + C)−(600/l) [ l = ハイブリッドの塩基対の長さ]
Top
optt = Tm −20∼25℃
DIG Easy Hybを用いたハイブリダイゼーションにおける実際のハイブリ
ダイゼーション温度Top
optt は、
計算されるTm の値より20∼25℃低くなります。
ステップ
1
(発色反
応のみ)
操作方法
* 以下の容量は、275 ml用ローラーボトルを使用するために計算され
たものです。
* ハイブリダイゼーション温度は、50%のGC含有量をもつ100%ホモロ
ガスなプローブに対するものです。
* メンブレンが互いにくっつかず、十分量のハイブリダイゼーション
溶液に覆われていることを確認してください。
メモ:DIG Easy Hybを用いる際は、ふたのある容器を使用してください。
操 作
ジメチルフォルムアミドをウォータ−バス中で50∼60℃に加温し、
メンブレンを発色(NBT/BCIP)がなくなるまでインキュベート洗浄し
ます。
メモ:DMFは揮発性で、67℃よりも高温では蒸発します。
2
メンブレンを滅菌再蒸留水で手短に洗います。
3
0.2 M NaOH, 0.1%SDS(w/v)を用い、一定の振とうを加えながら
37℃で20分間 × 2 回洗浄します。
4
2 × SSCで手短に平衡化させます。
5
プレハイブリダイゼーションの後、第 2 のプローブを用いてイン
キュベートします。
3. 付 録
3.1 リファレンス
1. Itakura, K. et al. (1984) Annu. Rev. Biochem. 53, 323.
ステップ
操 作
1
3 枚のディスク型メンブレン(82 mmφ)をローラーボトル内に入れ、
60 mlのDIG Easy Hybを加えます。
ハイブリダイゼーション用オーブン中で、ローラーボトルを42℃、
1 時間プレハイブリダイゼーションします。
2
ラベルされたプローブ (ハイブリダイゼーション溶液 1 ml当たり
25 ng)を、95∼100℃で 5 分間沸騰させて変性し、直ちに氷水で
急冷させます。
3
変性されたプローブ( 5 ∼25 ng/ml)とあらかじめ加温したDIG Easy
Hyb とを混合します。
4
プレハイブリダイゼーション溶液を除去し、6 mlのプローブ/DIG
Easy Hybの混合液を加えます。
5
42℃で 2 時間インキュベートします。
メモ:DIGラベルされたプローブを含むハイブリダイゼーション溶
液は―15∼―25℃で12ヶ月以上安定です。また、使用時に変性さ
せることで、数回再使用することが可能です。
* Roche Diagnosticsから発売されています。
3.2 関連製品
キット
DIG Easy Hybを、以下のDIGキットとのコンビネーションで、それぞ
れの使用説明書に記載されるハイブリダイゼーション溶液として使用
することをお勧めします。
製 品 名
DIG DNA Labeling Kit
2.8 ハイブリダイゼーション後の洗浄、プローブの剥離と再ハイブリ
ダイゼーション
DIG Oligonucleotide 3'-End Labeling Kit,
2nd Generation
25回反応
3 353 575
DIG Oligonucleotide Tailing Kit,
2nd Generation
25回反応
3 353 583
25回ラベリング反応 1 093 657
と50ブロット
(10 × 10cm)
DIG Nucleic Acid Detection Kit
40ブロット
(10 × 10cm)
1 175 041
DIG Luminescent Detection Kit for
Nucleic Acids
50ブロット
(10 × 10cm)
1 363 514
包装単位
Cat. No.
Nylon Membrane, positively charged
10枚(20 × 30 cm)
20枚(10 × 15 cm)
1ロール
(0.3 × 3 mロール)
1 209 272
1 209 299
1 417 240
50枚(φ82 mm)
50枚(φ132 mm)
1 699 075
1 699 083
500 mg (50 ml)
1 467 140
50バッグ
1 666 649
単品試薬
製 品 名
ハイブリダイゼーション後の洗浄
ハイブリダイゼーション後の洗浄の方法について、下表を参照ください。
ステップ
40回ラベリング反応 1 175 033
1 175 025
DIG DNA Labeling and Detection Kit
DIG標識ヌクレオチドの免疫検出の方法は、DIG Luminescent Detection Kit (Cat. No. 1 363 514)かDIG Wash and Block Buffer Set (Cat. No.
1 585 762)の製品説明書に記載されています。
これらの製品説明書は弊社ウェブサイトよりご覧頂けます。
http://www.roche-applied-seiece.com/
Cat. No.
2 × 10回反応
DIG RNA Labeling Kit
2.7 免疫検出
包装単位
操 作
1
十分量の 2 × SSC, 0.1% SDS中にて15∼25℃で 5 分 × 2 回洗浄し
ます。
Nylon Membrane for Colony and Plaque
Hybridization
2
0.1 × SSC, 0.1% SDS中にて68℃で一定の振とうを加えながら
15分 × 2 回洗浄します。
DNA, MB-grade
Hybridization bags
プローブの剥離と再ハイブリダイゼーション
下表を参照ください。
メモ: ブロットからプローブを剥離し、再ハイブリダイゼーションす
る際、メンブレンが乾燥しないよう常に注意してください。
注意事項
換気フードの下で操作を行ってください。
94
DIG Easy Hyb Granules
ジゴキシゲニンラベルされたプローブを用いた核酸ブロットのハイブリダイゼーション用溶液
Cat. No. 1 796 895
6 × 100 ml 15∼25℃保存
Version 1 , 2003年 6 月
1. 製品の概要
2. 操作方法と必要となる物
内 容
2.1 実験を始める前に
ボトル数
ラベルの表示
6
DIG Easy Hyb
Granules
内 容
再懸濁用の顆粒
製品の説明
DIG Easy Hybはフォルムアミドを含まず無害ですが、ハイブリダイ
ゼーション温度は50%フォルムアミドを含むバッファー用に使用される
ものと同じ計算式で算出されます。
アプリケーション
DIG Easy Hybは、全てのタイプの核酸ブロットのハイブリダイゼー
ションに応用可能です。
この溶液は、特にジゴキシゲニン(DIG)ラベルされた核酸プローブを
用い、ナイロンメンブレンに結合したターゲットを検出するためにデ
ザインされています。
プレハイブリダイゼーション
DIG Easy Hybを用いたプレハイブリダイゼーションは、適切なハイブ
リダイゼーション用温度で15∼30分間で行われます。
ハイブリダイゼーション
DIG Easy Hybは、ハイブリダイゼーションのタイプに依存するもの
の、ハイブリダイゼーション時間をわずか 1 ∼ 6 時間と大幅に減少さ
せます。高感度を必要とされる場合にのみ、オーバーナイト(12∼16時
間)のハイブリダイゼーションをお勧めします。
アプリケーション
推奨されるハイブリダイ
ゼーション時間
DNAフィンガープリンティング(多数の結合部位 2 ∼ 4 時間
を有するプローブを使用した場合)
DNAフィンガープリンティング(単一の結合部位 オーバーナイト
を有するプローブを使用した場合)
コロニー/プラークハイブリダイゼーション
ヒトゲノムのブロットからのシングルコピー
遺伝子の検出
RNA-RNAハイブリダイゼーション
オリゴヌクレオチドプローブ
使用する溶液の調製
64 mlの滅菌再蒸留水を 2 回に分けてプラスチックボトルに加え、37℃
で 5 分間撹拌して溶解させます。
メモ:ノーザンブロットのアプリケーションでは、DIG Easy Hyb
GranulesをRNaseフリーの条件下で溶解させる必要があります。
追加で必要となる設備
ハイブリダイゼーションは、以下の耐熱性かつ密封性を有する容器内
で行うことが可能です。
* ハイブリダイゼーションバッグ* (Cat. No. 1 666 649)
* プラスチックまたはガラス製の箱
* ペトリ皿
* ローラーボトル
2.2 DNA-DNAハイブリダイゼーション
ハイブリダイゼーションの温度
最適なハイブリダイゼーションの温度は、GC含量とプローブとター
ゲットの塩基配列との相補性パーセントにより、以下の数式によって
算出されます。
Tm = 49.82 + 0.41(% G + C)−(600 / l ) [ l = ハイブリッドの塩基対の長さ]
Topt=Tm−20∼25℃
(数式で与えられる数値は、50%フォルムアミドを含むハイブリダイ
ゼーション溶液の標準的な数式により計算されたものです。)
DIG Easy Hybを用いたハイブリダイゼーションにおける実際のハイブ
リダイゼーション温度Toptは、計算されるTm の値より20∼25℃低くな
ります。
例
100%ホモロガスなプローブを用いたヒトゲノムDNAのハイブリダイ
ゼーションには、プローブのGC含有量に応じて37∼42℃のハイブリダ
イゼーション温度を使用します。
2時間
オーバーナイト
6 時間からオーバーナイト
1 ∼ 6 時間
保存と安定性
未開封のボトルは15∼25℃でラベルに印刷されている期日まで安定で
す。再懸濁したDIG Easy Hyb溶液は 3ヶ月以内に使用することをお勧
めします。
DIG Easy Hyb中でのDIGラベルされたプローブの保存
ジゴキシゲニンラベルされたプローブは、DIG Easy Hyb中にて―15か
ら―25℃での保存と、数回の再使用が可能です。再使用の際には使用
前に68℃で変性させてください。
メモ:RNAプローブの保存と再使用は、プローブの安定性とRNaseフ
リーの操作条件に依存するため、通常DIG Easy Hyb中のRNAプローブ
の保存と再使用はにお勧めできません。
95
操作方法
DNA-DNAハイブリダイゼーションの方法について、下表に示します。
メモ:DIG Easy Hybを用いる際は、ふたのある容器を使用してください。
ステップ
操 作
1
適切な量のDIG Easy Hyb(約20 ml / 100 cm2)をハイブリダイゼー
ション温度まであらかじめ加温します。
2
ブロットをおだやかに振とうしながら15∼30分間インキュベート
します。
メモ:メンブレンがDIG Easy Hybに十分に浸漬しているよう
注意してください。
3
DIGラベルされたDNAプローブ(ハイブリダイゼーション溶液 1 ml
当たり 5 ∼25 ng)を、5 分間沸騰させて変性し、直ちに氷水で
急冷させます。
4
あらかじめ加温したDIG Easy Hyb (メンブレン100 cm2当たり少な
くとも3.5 ml)を加え、気泡を立たせないようにしながらよく混和さ
せます(気泡はバックグラウンドの原因となることがあります)。
5
6
プレハイブリダイゼーション溶液を除去し、直ちにプローブ/DIG
Easy Hybの混合液を加えます。
メモ:局所的なバックグラウンドを防ぐため、高濃度のプローブを
直接加えないでください。
5
ハイブリダイゼーション温度で、少なくとも6時間おだやかに振と
うしながらインキュベートします。
メモ:シングルコピーの検出では、オーバーナイトのインキュベー
6
メモ:局所的なバックグラウンドを防ぐため、高濃度のプローブ
を直接加えないでください。
ションをお勧めします。
2.5 DIGラベルされたオリゴヌクレオチドプローブによるハイブリダイ
ゼーション
ハイブリダイゼーションの温度
RNA-RNAハイブリダイゼーションの温度は、一般的に68℃が推奨され
ます。実際のハイブリダイゼーション温度についてはGC含有量、プ
ローブとターゲットとのホモロジーに応じて調節する必要があります。
ハイブリダイゼーションの温度
ハイブリダイゼーション温度の計算方法は、以下の通りです。
GまたはCの数に 4℃をかけたものを合計し、TまたはAの数に 2℃をかけ
たものを合計して総計したものを、オリゴヌクレオチドのTm とします。
プレハイブリダイゼーションとハイブリダイゼーションは、上記で計
算されたTm よりも10℃低い温度で行ってください。
操作方法
RNA-RNAハイブリダイゼーションの方法について、下表に示します。
メモ:DIG Easy Hybを用いる際は、ふたのある容器を使用してください。
多数の結合部位を有するフィンガープリンティング用プローブ
ターゲットの核酸との結合部位が複数あるプローブを用いたハイブリ
ダイゼーションでは、2 ∼ 4 時間のハイブリダイゼーション時間をお
勧めします。非特異的な競合DNA(分子生物学用グレードの魚精子
DNA, Cat. No. 1 467 140など) を50μg/ml濃度で必ず加えてください。
操 作
1
適切な量のDIG Easy Hyb(約20 ml / 100 cm2)をハイブリダイゼー
ション温度まであらかじめ加温します。
2
ブロットをおだやかに振とうしながら30分間インキュベートします。
メモ:メンブレンがDIG Easy Hybに十分に浸漬しているよう注意
してください。
3
DIGラベルされたRNAプローブ(ハイブリダイゼーション溶液 1 ml
当たり100 ng)を、5 分間沸騰させて変性し、直ちに氷水で急冷
させます。
4
あらかじめ加温したDIG Easy Hyb (メンブレン100 cm2当たり少な
くとも3.5 ml)を加え、気泡を立たせないようにしながらよく混和さ
せます(気泡はバックグラウンドの原因となることがあります)。
5
プレハイブリダイゼーション溶液を除去し、直ちにプローブ/DIG
Easy Hybの混合液を加えます。
操作方法
DIGラベルされたオリゴヌクレオチドプローブを用いたハイブリダイ
ゼーションの方法について、下表に示します。
メモ:テールを付加したオリゴヌクレオチドのプレハイブリダイゼー
ション溶液とハイブリダイゼーション溶液には、0.1 mg/mlのpoly(A)
および 5μg/ml のpoly d(A)を加え、テールのハイブリダイゼーショ
ンにより非特異的なシグナルが出ることを防ぎます。
DIG Easy Hybを用いる際は、ふたのある容器を使用してください。
メモ:局所的なバックグラウンドを防ぐため、高濃度のプローブを
直接加えないでください。
6
ステップ
ハイブリダイゼーション温度で、少なくとも 6 時間おだやかに
振とうしながらインキュベートします。
メモ:発現量の少ないmRNAの検出では、16時間のインキュベー
ションをお勧めします。
ハイブリダイゼーションの温度
DNA-RNAハイブリダイゼーションの温度は、一般的に50℃が推奨され
ます。実際のハイブリダイゼーション温度についてはGC含有量、プ
ローブとターゲットとのホモロジーに応じて調節する必要があります。
操作方法
DNA-RNAハイブリダイゼーションの方法について、下表に示します。
メモ:DIG Easy Hybを用いる際は、ふたのある容器を使用してください。
操 作
1
適切な量のDIG Easy Hyb(約20 ml / 100 cm2)をハイブリダイゼー
ション温度まであらかじめ加温します。
2
ブロットをおだやかに振とうしながら30分間インキュベートします。
メモ:メンブレンがDIG Easy Hybに十分に浸漬しているよう注意
してください。
3
DIGラベルされたプローブ(ハイブリダイゼーション溶液 1 ml 当
たりDNAプローブは 5 ∼25 ng、RNAプローブは100 ng)を、10分
間沸騰させて変性し、直ちに氷水で急冷させます。
4
あらかじめ加温したDIG Easy Hyb (メンブレン100 cm2当たり少
なくとも3.5 ml)を加え、気泡を立たせないようにしながらよく
混和させます(気泡はバックグラウンドの原因となることがあり
ます)。
操 作
1
適切な量のDIG Easy Hyb(約20 ml / 100 cm2)をハイブリダイゼー
ション温度まであらかじめ加温します。
2
ブロットをおだやかに振とうしながら30分間インキュベートします。
メモ:メンブレンがDIG Easy Hybに十分に浸漬しているよう注
意してください。
3
テール付加されたオリゴヌクレオチドプローブ(ハイブリダイゼー
ション溶液 1 ml当たりテール付加したプローブでは 0.1 ∼ 2 pmol、
末端ラベルされたプローブでは 1 ∼ 10 pmol)を、用いてハイブリ
ダイズさせます。メンブレン100 cm2当たり少なくとも3.5 ml の
DIG Easy Hybを使用してください。
4
あらかじめ加温したDIG Easy Hyb (100 cm2 当たり少なくとも3.5 ml
のDIG Easy Hyb)を加え、気泡を立たせないようにしながらよく混
和させます(気泡はバックグラウンドの原因となることがあります)。
5
プレハイブリダイゼーション溶液を除去し、直ちにプローブ/DIG
Easy Hybの混合液を加えます。
6
ハイブリダイゼーション温度で、1 ∼ 6 時間おだやかに振とうしな
がらインキュベートします。
メモ:発現量の少ないmRNAの検出では、16時間のインキュベー
2.4 DNA-RNAハイブリダイゼーション
ステップ
ハイブリダイゼーション温度で、少なくとも 6 時間おだやかに
振とうしながらインキュベートします。
メモ:発現量の少ないmRNAの検出では、16時間のインキュベー
ションをお勧めします。
2.3 RNA-RNAのハイブリダイゼーション
ステップ
プレハイブリダイゼーション溶液を除去し、直ちにプローブ/
DIG Easy Hybの混合液を加えます。
ションをお勧めします。
2.6 プラーク/コロニーハイブリダイゼーション
追加で必要となる試薬
* 10% SDS (w/v)
* 20 × SSC (3 M NaCl, 0.3 Mクエン酸ナトリウム, pH 7.0)
96
ハイブリダイゼーションの温度
最適なハイブリダイゼーションの温度は、GC含量とプローブとター
ゲットDNAの塩基配列との相補性パーセントにより、以下の数式に
よって算出されます。
Tm = 49.82 + 0.41(% G + C)−(600/l) [ l = ハイブリッドの塩基対の長さ]
Topt = Tm −20∼25℃
DIG Easy Hybを用いたハイブリダイゼーションにおける実際のハイブ
リダイゼーション温度Topt は、計算されるTm の値より20∼25℃低くな
ります。
3. 付録
操作方法
* 以下の容量は、275 ml用ローラーボトルを使用するために計算され
たものです。
* ハイブリダイゼーション温度は、50%のGC含有量をもつ100%ホモロ
ガスなプローブに対するものです。
* メンブレンが互いにくっつかず、十分量のハイブリダイゼーション
溶液に覆われていることを確認してください。
メモ:DIG Easy Hybを用いる際は、ふたのある容器を使用してください。
3.2 関連製品
3.1 リファレンス
1. Itakura, K. et al. (1984) Annu. Rev. Biochem. 53, 323.
キット
DIG Easy Hybを、以下のDIGキットとのコンビネーションで、それぞ
れの使用説明書に記載されるハイブリダイゼーション溶液として使用
することをお勧めします。
製 品 名
DIG DNA Labeling Kit
ステップ
1
2
操 作
ラベルされたプローブ (ハイブリダイゼーション溶液 1 ml当たり
25 ng)を、95∼100℃で 5 分間沸騰させて変性し、直ちに氷水で
急冷させます。
3
変性されたプローブ( 5 ∼25ng/ml)とあらかじめ加温したDIG Easy
Hyb とを混合します。
4
プレハイブリダイゼーション溶液を除去し、6 mlのプローブ/DIG
Easy Hybの混合液を加えます。
5
42℃で 2 時間インキュベートします。
メモ: DIGラベルされたプローブを含むハイブリダイゼーション
溶液は―20℃で12ヶ月以上安定です。また、使用時に変性させる
ことで、数回再使用することが可能です。
2 × 10回反応
1 175 025
25回反応
3 353 575
DIG Oligonucleotide Tailing Kit,
2nd Generation
25回反応
3 353 583
DIG DNA Labeling and Detection Kit
40ブロット
(10 × 10cm)
1 175 041
DIG Luminescent Detection Kit for
Nucleic Acids
50ブロット
(10 × 10cm)
1 363 514
単品試薬
製 品 名
ハイブリダイゼーション後の洗浄
ハイブリダイゼーション後の洗浄の方法について、下表を参照ください。
包装単位
Cat. No.
Nylon Membrane, positively charged
10枚(20 × 30 cm)
20枚(10 × 15 cm)
1ロール
(0.3 × 3 mロール)
1 209 272
1 209 299
1 417 240
Nylon Membrane for Colony and Plaque
Hybridization
50枚(φ82 mm)
50枚(φ132 mm)
1 699 075
1 699 083
500 mg (50 ml)
1 467 140
50バッグ
1 666 649
DNA, MB-grade
操 作
1
十分量の 2 × SSC, 0.1% SDS中にて室温で 5 分 × 2 回洗浄します。
2
0.1 × SSC, 0.1% SDS中にて68℃で一定の振とうを加えながら
15分 × 2 回洗浄します。
Hybridization bags
プローブの剥離と再ハイブリダイゼーション
下表を参照ください。
メモ:ブロットからプローブを剥離し、再ハイブリダイゼーションす
る際、メンブレンが乾燥しないよう常に注意してください。
注意事項:換気フードの下で操作を行ってください。
ステップ
1
(発色反応
のみ)
操 作
ジメチルフォルムアミドをウォータ−バス中で50∼60℃に加温し、
メンブレンを発色(NBT/BCIP)がなくなるまでインキュベートします。
メモ:DMFは揮発性で、67℃よりも高温では蒸発します。
2
メンブレンを滅菌再蒸留水で手短に洗います。
3
0.2 M NaOH, 0.1% SDS (w/v)を用い、一定の振とうを加えなが
ら37℃で20分間 × 2 回洗浄します。
4
2 × SSCで手短に平衡化させます。
5
プレハイブリダイゼーションの後、第 2 のプローブを用いてイン
25回ラベリング反応 1 093 657
と50ブロット
(10 × 10cm)
DIG Nucleic Acid Detection Kit
2.7 ハイブリダイゼーション後の洗浄、プローブの剥離と再ハイブリ
ダイゼーション
ステップ
Cat. No.
DIG Oligonucleotide 3'-End Labeling Kit,
2nd Generation
DIG RNA Labeling Kit
3 枚のディスク型メンブレン(82 mmφ)をローラーボトル内に
入れ、60 mlのDIG Easy Hybを加えます。
ハイブリダイゼーション用オーブン中で、ローラーボトルを42℃、
1 時間プレハイブリダイゼーションします。
包装単位
40回ラベリング反応 1 175 033
キュベートします。
97
DIG Wash and Block Buffer Set
DIG(ジゴキシゲニン)ラベルされたプローブを用いた免疫検出のための洗浄、ブロッキングおよび検出用10 × 濃縮バッファー
Cat. No. 1 585 762
1 セット中に100 cm2 のメンブレン30ブロット分 15∼25℃保存
Version, 2005年 2 月
1. 製品の概要
Blocking
solution
1 × Maleic acid bufferでBlocking solution 常に用時 非特異な結
を希釈し、1 × 濃度の溶液を調製します。 調製
合のブロッ
キング
Detection
buffer
滅菌再蒸留水でDetection bufferを希釈し、 15∼25℃ 基質反応液
で安定 をpH 9.5に
1 × 濃度の溶液を調製します。
内 容
ボトル
1
2
3
4
ラベルの表示
Washing buffer
Maleic acid buffer
Blocking solution
Detection buffer
内 容
* 500 mlの洗浄用バッファー(10 × 濃縮)、ボト
ル 2本。マレイン酸バッファー(10 × 濃縮)
に 3∼5% Tween 1) 20* (v/v)を加えたもの。
* 透明な溶液層の上に、約1 cmの黄色/褐色な
Tween層を形成しています。
よく振って混合した後は、乳白色になります。
* 濃縮された洗浄用バッファーは、よく振って
から使用してください。
* メンブレンフィルターの洗浄用。
* 500 mlのマレイン酸バッファー(10
* ブロッキング溶液の希釈用。
* 透明な溶液。
×
調製
ブロッキング試薬のバッファー中での使用方法
DIGラベルされたプローブを用いたメンブレンフィルターのハイブリ
ダイゼーション(やプレハイブリダイゼーション)では、ハイブリダイ
ゼーション溶液にブロッキング試薬を加えることをお勧めします。
ハイブリダイゼーション
用バッファー
濃縮)。
* 500 mlのブロッキング溶液、ボトル 1 本
(10 × 濃縮)。マレイン酸バッファー中に
10%のブロッキング試薬が溶解されたもの。
* 茶褐色の溶液層の上に、薄く、乳白色/クリー
ム状の層を形成しています。
* 非特異的な結合のブロッキング用。
* 100 mlの検出用バッファー(10 × 濃縮)、ボト
ル 1 本。1 M Tris-HCl, pH 9.5, 1 M NaCl。
* アルカリホスファターゼの検出用。
* 透明な溶液。
組 成
標準的なハイブリダイ
ゼーション用バッファー
5 × SSC, 0.1% N-lauroylsarcosine (w/v), 0.02%
SDS (w/v), 1 % Blocking solution (v/v) (1/10容量
の10 × Blocking solution)
フォルムアミドを含む
標準的なハイブリダイ
ゼーション用バッファー
50%脱イオンされたフォルムアミド(v/v), 5 × SSC,
0.1% N-lauroylsarcosine (w/v), 0.02% SDS (w/v),
2% Blocking solution (v/v) (1/5容量の10 × Blocking solution)
高濃度SDSハイブリダイ
ゼーション用バッファー
7% SDS, 50%脱イオンされたフォルムアミド(v/v),
5 × SSC, 50 mMリン酸ナトリウム, pH 7.0, 0.1%
N-lauroylsarcosine (w/v), 2% Blocking solution
(v/v) (1 / 5 容量の10 × Blocking solution)
アプリケーション
DIG Wash and Block Buffer Setは、DIGハイブリダイゼーションおよ
びDIG検出の多くのステップで使用されます。
ハイブリダイゼーションの条件
ハイブリダイゼーションの条件は、プローブのタイプ(DNA, RNAまた
はオリゴヌクレオチド)に大きく依存します。これらは、それぞれ関連
するDIGキット(下表を参照)の使用説明書に詳説されています。
保存と安定性
未開封のボトルは15∼25℃でラベルに印刷されている期日まで安定です。
いったん使用したバッファーは、冷蔵保存してください。濃縮ブロッ
キング溶液は、分注して―15∼―25℃で保存することをお勧めします。
DIGを用いたラベリング、ハイブリダイゼーションおよび化学発光や
発色検出に関する操作説明や実験上のヒントについては、DIGキット
(下表)の使用説明書や、DIG アプリケーション マニュアル for Filter
Hybridizationをご参照ください。
品質管理
バッファーは滅菌されています。またDNaseおよびRNaseが含まれて
いないことが試験されています。バッファーは、DIG Nucleic Acid Detection Kitの標準的な操作方法による機能試験を通過しています。
3. 免疫検出
追加で必要となる試薬
・Anti-Digoxigenin-AP (Cat. No. 1 093 274)
・CSPD, ready-to-use (Cat. No. 1 755 633)
・CSPD-Star, ready-to-use (Cat. No. 2 041 677)
2. 実験に使用する希釈溶液とハイブリダイゼーション用
使用する基質
バッファーの調製
使用する希釈溶液の調製
下表を参照ください。
ラベル
Washing
buffer
使用する希釈溶液の調製
保存と安定性
Maleic
滅菌再蒸留水でMaleic acid bufferを希釈し、15∼25℃ ブロッキング
で安定 溶液の希釈
acid buffer 1 × 濃度の溶液を調製します。
98
保存 /
安定性
使用目的
CSPD
Anti-Digoxgenin-APを、もとのバイ 2∼8℃で DIGラベル
プローブと
アルのまま、10000 rpmで 5 分間遠心 12時間
し、慎重に上清から必要量を分注し
の結合
ます。ブロッキング溶液で10000倍
に希釈します(75 mU/ml)。
CSPD-Star
Anti-Digoxgenin-APを、もとのバイ 2∼8℃で DIGラベル
プローブと
アルのまま、10000 rpmで 5 分間遠心 12時間
し、慎重に上清から必要量を分注し
の結合
ます。ブロッキング溶液で20000倍
に希釈します(37.5 mU/ml)。
使用目的
滅菌再蒸留水でWashing bufferを希釈し、 15∼25℃ メンブレン
で安定 フィルター
1 × 濃度の溶液を調製します。
の洗浄
組成 / 調整
操作方法
この表は、100 cm2メンブレン上での検疫検出の方法について記載して
います。
メモ:全てのインキュベーションステップは15∼25℃で震盪しながらおこ
なってください。リプロービングする場合は、全てのステップにおいてメ
ンブレンが乾かないように注意してください。
単品試薬
製 品 名
包装単位
Cat. No.
500 ml
1 603 558
DIG Easy Hyb
DIG Easy Hyb Granules
6
×
100 ml
1 796 895
Nylon Membrane, positively charged
10枚(20 × 30 cm)
20枚(10 × 15 cm)
1ロール(0.3 × 3 m)
1 209 272
1 209 299
1 417 240
50枚(直径82 mm)
50枚(直径132 mm)
1 699 075
1 699 083
ステップ
操 作
1
ハイブリダイゼーションとストリンジェンシー洗浄の後、洗浄バッ
ファーで手短に(1∼5分)メンブレンをリンスします。
Nylon Membrane for Colony and Plaque
Hybridization
2
100 ml のブロッキング溶液で、30分間インキュベートします。
Blocking Reagent
50 g
1 096 176
3
20 ml の抗体溶液で、30分間インキュベートします。
Hybridization bags
50バッグ
1 666 649
Anti-digoxigenin-AP conjugate,
Fab fragments
4
100 ml の洗浄バッファーで、2 × 15分間洗浄します。
5
20 ml の検出バッファーで、3分間平衡化させます。
6
* DNA/RNAのブロット面を上にして、デベロップメントフォルダー
(もしくはハイブリダイゼーションバッグ)に、メンブレンを置き
ます。メンブレンが完全に浸るように、0.5∼1 ml のCSPD、もしく
はCDP-Starをアプライします。
* 直ちに、他方のシートでメンブレンをカバーし、基質を均一に広
げます。メンブレン上に泡が入らないように、注意してください。
* 15∼25℃で 5分間、インキュベートします。
7
NBT/ BCIP stock solution tablets
CSPD
CSPDの場合、発光を増強するために、37℃で10分間、湿ったメン
ブレンをインキュベートします。
9
15∼25℃で、イメージャーで 5∼20分間、X線フィルムで15∼25分間
露光します。
CSPD, ready-to-use
CDP-Star
DIG Easy Hybを、以下のDIGキットとのコンビネーションで、それぞ
れの使用説明書に記載されるハイブリダイゼーション溶液として使用
することをお勧めします。
Cat. No.
DIG High Prime Labeling and Detection 12回ラベリング反応と 1 745 832
Starter Kit I
24ブロット (10 × 10 cm)
DIG High Prime Labeling and Detection 12回ラベリング反応と 1 585 614
Starter Kit II
24ブロット (10 × 10 cm)
DIG Northern Starter Kit
10 × 10 cm のメンブレ 2 039 672
ンに対して10回ラベリ
ング反応と10ブロット
DNA RNA Labeling Kit (SP6/T7)
2 × 10回ラベリング反応 1 175 025
PCR DIG Probe Synthesis KIt
25回ラベリング反応
DIG DNA Labeling and Detection Kit
25回ラベリング反応と 1 093 657
50ブロット(10 × 10 cm)
1 636 090
DIG Nucleic Acid Detection Kit
40ブロット
(10 × 10 cm)
1 175 041
DIG Luminescent Detection Kit for
Nucleic Acids
50ブロット
(10 × 10 cm)
1 363 514
8 ml
1 681 451
1 ml
1 ml
× 1 ml
1 655 884
1 759 035
1 759 043
50 ml
1 755 633
1 ml
1 ml
1 685 672
1 759 051
×
×
×
CDP-Star, ready-to-use
2
×
50 ml
2 041 677
Tween 20
5
×
10 ml
1 332 465
*Roche Diagnosticsから発売されています。
1) TweenはICI Americas Inc., Wilmington,USAの商標です。
2) CSPDは、Tropix, Inc. Bedford MA, USAの商標で、
合衆国特許 5.112.960により保護されています。
3) CDP-Star は、Tropix, Inc. Bedford, MA, USAの商標で、
合衆国特許 5.326.882下で保護されています。
キット
包装単位
2
3)
2
4. 関連製品
製 品 名
2)
2
4
余分な液体を扱き出して、デベロップメントフォルダーの端をシー
ルします。
メモ:露光中のメンブレンの乾燥は、バックグランドの原因となり
ます。
8
150ユニット(200μl) 1 093 274
99
DIG システム リスト
1) 標識及び発色検出系
10)発色検出キット及びセット
(主としてIn situ hybridization に適しています。)
(In situ hybridization の検出に適しています。)
DIG DNA Labeling and Detection Kit
DIG N.A. Detection Kit
Cat. No. 1 175 041
25 回標識
Cat. No. 1 093 657
50 blots × 100 cm2
DIG-High Prime DNA Labeling and Detection Starter KitⅠ
12 回標識
Cat. No. 1 745 832
24 blots × 100 cm2
×
100 cm2
50 blots
×
100 cm2
11)発光検出キット
(サザンブロット等の検出に適しています。)
DIG Luminescent Detection Kit for N.A.
Cat. No. 1 363 514
2) 標識及び発光検出系
(主としてサザンブロット等に適しています。)
12)PCR ELISA
PCR ELISA(DIG Labeling)
Cat. No. 1 636 120
PCR ELISA(DIG Detection)
Cat. No. 1 636 111
PCR ELISA(DIG Detection), 5-Pack
Cat. No. 1 965 409
PCR ELISA(DIG Labelingplus)
Cat. No. 1 835 297
DIG-High Prime DNA Labeling and Detection Starter KitⅡ
12 回標識
Cat. No. 1 585 614
24 blots × 100 cm2
3) Random Primed System 標識
(200 bp 以上の大きさのDNAプローブを標識するのに適していますす。)
DIG DNA Labeling Kit
Cat. No. 1 175 033
DIG-High Prime
Cat. No. 1 585 606
40 blots
(フィルターハイブリダイゼーションに利用されます。)
40 回標識
50 回反応
192 回反応
480 回反応
100 回反応
40 回標識
13)抗 体
Anti-DIG, Fab fragment(sheep)
Cat. No. 1 214 667
Anti-DIG-AP, Fab fragment
Cat. No. 1 093 274
Anti-DIG-POD, Fab fragment
Cat. No. 1 207 733
Anti-DIG-POD(poly), Fab fragment
Cat. No. 1 633 716
Anti-DIG-Fluorescein, Fab fragment
Cat.No. 1 207 741
Anti-DIG-Rhodamine, Fab fragment
Cat.No. 1 207 750
Anti-DIG, monoclonal(mouse)
Cat. No. 1 333 062
Anti-DIG, polyclonal(sheep)
Cat. No. 1 333 089
Magnetic Particle Separator
Cat. No. 1 641 794
Magnetic Particle Separator, MP
Cat. No. 1 858 025
High Prime は既にプレミックスされており、テンプレートを加えるだけです。
●
4) Nick Translation System 標識
Nick Translation Kit
Cat. No. 976 776
DIG Nick Translation Mix
Cat. No. 1 745 816
1 mg
●
50 回標識
150 U
●
160μl(40 回標識)
150 U
●
5) 3' 末端標識
(オリゴプローブの作成に適しています。)
50 U
●
DIG Oligonucleotide 3' End Labeling Kit, 2nd Generation
Cat. No. 3 353 575
25 回標識
DIG Oligonucleotide Tailing Kit, 2nd Generation
Cat. No. 3 353 583
25 回標識
200μg
●
200μg
●
6) 5' 末端標識
100μg
●
(オリゴプローブの作成、及びシークエンスプライマーの作成に適しています。)
オリゴプローブへは予め合成機で作成する際に 5' 末端にアミノ基を導入しておく
必要があります。
合成機が必要です。
DIG Oligonucleotide 5' End Labeling Set
Cat.No. 1 480 863
DIG-NHS-Ester
Cat.No. 1 333 054
100μg
●
1 セパレーター
●
10 回標識
5 mg
1 セパレーター
14)メンブレン
Nylon Menbrance, Positively charged
Cat. No. 1 417 240 30 × 300 cm(1ロール)
Cat. No. 1 209 272 20 × 30 cm(10 シート)
Cat. No. 1 209 299 10 × 15 cm(20 シート)
Nylon Menbrance for Colony and Plaque Hybridization
Cat. No. 1 699 075
82 mmφ(50 シート)
Cat. No. 1 699 083 132 mmφ(50 シート)
7) PCR 標識
PCR DIG Probe Synthesis Kit
Cat. No. 1 636 090
25 回反応
PCR DIG Labeling Mix
Cat. No. 1 585 550 2 × 250μl
(25 回反応)
PCR DIG Labeling Mixplus
Cat. No. 1 835 289 2 × 250μl
(100 回反応)
15)DIG 標識 DNA と標識精製用カラム
8) RNA 標識
(DIG 標識 DNA 及び RNA は粘性を示すので、ビオチン用カラムを利用します。)
(ノーザンブロッティング、ISH のプローブ調製に適しています。)
Quick SpinTM Column G-50(Biotinylated DNA)
Cat. No. 1 00 609
Cat. No. 1 00 611
Quick SpinTM Column G-50(Biotinylated RNA)
Cat. No. 1 00 616
DIG-RNA Labeling Kit(SP6/T7 in Vitro Transcription)
Cat. No. 1 175 025
20 回標識
9) RNA 標識及び発光検出系
DIG Northern Starter Kit
Cat. No. 2 039 672
10 blots
10 回標識
100 cm2
×
100
20 カラム
50 カラム
20 カラム
16)DIG 標識 DNA 分子量マーカー
DNA MWMⅡ (λDNA Hind Ⅲ)
Cat. No. 1 218 590
5μg
DNA MWMⅤ (pBR 322 Hae Ⅲ)
Cat. No. 1 669 931
5μg
DNA MWMⅤ
Ⅰ (pBR 328 DNA Bgl Ⅰ+ pBR 328 DNA Hinf Ⅰ)
Cat.No. 1 218 611
5μg
DNA MWMⅤ
Ⅰ
Ⅰ(SPP1 Eco RI)
Cat. No. 1 669 940
5μg
DNA MWMⅤ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ( pUCBM 21 DNA/HpaⅡand pUCBM 21/DraⅠ Hind Ⅲ)
Cat. No. 1 449 451
5μg
20)AP 基質
発色用(ISH 等に適しています。)
NBT Solution
Cat. No. 1 383 213
BCIP Solution
Cat. No. 1 383 221
NBT/BCIP Stock Solution
Cat. No. 1 681 451
NBT/BCIP 錠剤
Cat. No. 1 697 471
発光用(Blotting に適しています。)
●
●
●
●
●
●
3 ml(150 mg)
3 ml(150 mg)
8 ml
20 錠
●
アルカリホスファターゼ用基質
CSPDR
17)DIG 標識 RNA 分子量マーカー
RNA MWMⅠ
Cat. No. 1 526 529
RNA MWMⅡ
Cat. No. 1 526 537
RNA MWMⅢ
Cat. No. 1 373 099
●
●
●
4μg
2μg
2μg
1 ml
2 ml
4 ml
Cat. No. 1755 633
2 × 50 ml
CSPDR ready-to-use
CDP-StarTM
18)DIG 標識単品
DIG DNA Labeling Mix
Cat. No. 1 277 065
50μl(25 回標識)
PCR DIG Labeling Mix
Cat. No. 1 585 550 2 × 250μl
(50 回標識)
PCR DIG Labeling Mixplus
Cat. No. 1 685 627
1 ml
Cat. No. 1 759 051
2 × 1 ml
CDP-StarTM ready-to-use
Cat. No. 2 041 677
2 × 50 ml
HNPP Set
Cat. No. 1 758 888 5 mg HNPP,100 mg Fast Red TR
Cat. No. 1 835 289 2 × 250μl
(100 回反応)
DIG RNA Labeling Mix
Cat. No. 1 277 073
40μl(20 回標識)
Hexanucleotide Mix
CSPDR/CDP-StarTM は、Tropix社(米国)のトレードマークです。
(Random Primer 及び Klenow Enzyme Bufferを含む。)
Cat. No. 1 277 081
DIG-11-dUTP, alkali-stable
Cat. No. 1 093 088
Cat. No. 1 558 706
Cat. No. 1 570 013
DIG-11-dUTP, alkali-labile
Cat. No. 1 573 152
Cat. No. 1 573 179
DIG-11-ddUTP
Cat. No. 1 363 905
DIG-11-UTP
Cat. No. 1 209 256
Cat. No. 1 655 884
Cat. No. 1 759 035
Cat. No. 1 759 043
21)ウエスタンブロティング試薬(化学発光)
Lumi-Light Western Blotting Substrate
Cat .No. 2 015 200 400 ml(4000 cm2メンブレン)
PLUS
Lumi-Light
Western Blotting Substrate
Cat. No. 2 015 196 100 ml(1000 cm2メンブレン)
100μl(50 回標識)
25 nmol
125 nmol
5 × 125 nmol
22)ブロッキング剤
Blocking Reagent
25 nmol
125 nmol
Cat. No. 1 096 176
50 g
Western Blocking Reagent, Solution
Cat. No. 1 921 673
100 ml
(10 ブロット × 100 cm2)
Cat. No. 1 921 681
6 × 100 ml
(60 ブロット × 100 cm2)
25 nmol
250 nmol
19)標識用酵素
Klenow Enzyme(標識用)
Cat. No. 1 008 404
100 U(50 回標識)
Cat. No. 1 008 412
500 U(250 回標識)
Terminal Transferase(TdT)
Cat. No. 3 333 566
8000 U
Cat. No. 3 333 574
24000 U
Taq DNA Polymerase, 5 units/μl(PCR Buffer 添付)
Cat. No. 1 146 165
100 U
Cat. No. 1 146 173
500 U
Cat. No. 1 418 432
1000 U
Cat. No. 1 596 594
2500 U
Cat. No. 1 435 094
5000 U
ExpandTM High-Fidelity PCR System
Cat. No. 1 732 641
100 U
Cat. No. 1 732 650
500 U
Cat. No. 1 759 078
2500 U
23)ハイブリダイゼーション用超音波処理済 DNA 溶液
DNA, MB grade
Cat. No. 1 467 140
500 mg(50 ml)
●
24)ハイブリダイゼーション用トータル RNA
RNA
Cat. No. 109 223
●
25)DIG 標識済コントロール核酸とプローブ
DIG標識コントロールDNA
Cat.No. 1 585 738
DIG標識コントロールRNA
Cat.No. 1 585 746
DIG標識アクチンRNAプローブ
Cat.No. 1 498 045
●
●
100 g
50μl
(250 ng)
50μl
(5μg)
2μg
26)発光検出用フィルム
Lumi-Film Chemiluminescent Detection Film
Cat.No. 1 666 916
18 × 24 cm(100枚)
Cat.No. 1 666 657 20.3 × 25.4 cm(100枚)
101
27)研究用調製済み Buffer(Buffer in a BoxTM)
20 × SSC
Cat.No. 1 666 681
10 × PBS
Cat.No. 1 666 789
10 × TBE
Cat.No. 1 666 703
Taq DNA Polymerase, Tth DNA Polymerase, Pwo DNA Polymerase
This product is sold under licensing arrangments with Roche Molecular Systems and F. Hoffman-La Roche Ltd. and The Perkin-Elmer
Corporation.
Purchase of this product is accompanied by a license to use it in the
Polymerase Chain Reaction [PCR] process in conjunction with an
Authorized Thermal Cycler.
●
4L
●
4L
●
28)DIG 関連 Buffer
DIG Wash and Block Buffer Set
Cat.No. 1 585 762
DIG Easy Hyb
Cat.No. 1 603 558
DIG Easy Hyb, Granules
Cat.No. 1 796 895
29)ハイブリダイゼーションバッグ
Hybridization Bags
Cat.No. 1 666 649
30)DIG 標識チェック用試薬
DIG Quantification Teststrips
Cat.No. 1 669 958
DIG Control Teststrips
Cat.No. 1 669 966
4L
注意:製品の包装単位及び価格は予告なしに変更になる場合がありま
すので予めご了承お願いいたします。
1 Set
500 ml
6 × 100 ml
50 バッグ(25 × 24 cm)
50 回
25 回
DIG システムは、Roche Diagnostics GmbH の特許です。
102
MEMO
103
MEMO
104