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2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
10. Pharmacokinetics of prasugrel metabolites in subjects with moderate renal
impairment, subjects with end stage renal disease requiring haemodialysis
and healthy subjects with normal renal function
············································································資料番号 5.3.3.3-3
10.1 治験方法
10.1.1 概略
治験方法の概略を表 2.7.6.10.1-1 に示す。
表 2.7.6.10.1-1 治験方法の概略: 海外腎障害 PK 試験 1(1/4)
治験の目的
主要目的:
CS-747S の初回負荷用量(loading dose: LD)60 mg の単回経口投与後に、中等度腎機
能障害被験者及び血液透析を要する末期腎疾患(end stage renal disease: ESRD)被験者
における CS-747S の活性代謝物の薬物動態を、腎機能が正常な健康被験者と比較して
評価する。
副次目的:
健康被験者、中等度腎機能障害被験者、血液透析を要する ESRD 被験者を対象として、
CS-747S により生じる血小板凝集抑制率を評価する。
中等度腎機能障害被験者及び血液透析を要する被験者を対象として、中等度腎機能障
害及び ESRD が CS-747S の不活性代謝物の薬物動態に及ぼす影響を判定する。
健康被験者、中等度腎機能障害被験者、血液透析を要する ESRD 被験者における
CS-747S の安全性及び忍容性を評価する。
中等度腎機能障害被験者とそれにマッチングさせた健康被験者を対象として、従来の
方法及び VerifyNow System® P2Y12(VNP2Y12)を用いて血小板凝集率を評価する。
治験責任医師名
実施医療機関
治験期間
2006 年 1 月 17 日(最初の被験者の同意取得日)~2007 年 6 月 6 日(最終観察日)
対象
1. 選択基準
1.1 全被験者
• 年齢が 25 歳以上 75 歳以下の男性又は女性。
• 肥満度(body mass index: BMI)が 19~34 kg/m2 の者(ESRD 被験者の場合、透析
後の体重を用いる)
。
• 妊娠可能な女性(初経から閉経までの間にあって避妊手術を受けていない女性)
の場合、組み入れ時の妊娠検査結果が陰性であり、かつ確実な避妊法を使用する
こと。確実な避妊法の例として、卵管結紮術、3 ヵ月以上前に挿入した子宮内避
妊器具、3 ヵ月以上にわたり問題なく服用している経口避妊薬、承認済みの埋め
込み型ホルモン剤の使用などがある。バリア法(コンドーム又はペッサリー/子
宮頸管キャップ)のみによる避妊は許容されないため、これらは薬物を用いる方
法(殺精子ゼリー)と併用すること。
• 治験期間にわたって確実に時間の都合を付ける意思があり、かつ治験手順に従う
意思がある者。
• イーライ・リリー及び実施医療機関の倫理審査委員会が承認した同意書による同
意が得られた者。
1.2 対照被験者
• 既往歴、理学的検査、及びその他のスクリーニング手順により健康と判断され、
スクリーニング時の推定クレアチニンクリアランスが 80 mL/min を超えることに
より腎機能が正常と評価された男性又は女性。
• 臨床検査結果が実施医療機関の正常範囲内であるか、逸脱しているが臨床的に重
要でなく、わずかなものであると判断される者。
• 治験責任医師の判定で血圧及び心拍数(仰臥位及び立位)が正常の者。
177
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.10.1-1 治験方法の概略: 海外腎障害 PK 試験 1(2/4)
対象(続き)
1.3 中等度腎機能障害被験者
• Cockcroft-Gault 式によるクレアチニンクリアランスが 30~50 mL/min の安定した
中等度腎機能障害男性又は女性。
• 治験責任医師の判断により、臨床検査値に当該被験者の腎臓の状態に相応の逸脱
が認められる者、又は本治験に際して臨床的に重要となる状態が他に認められな
い者。
1.4 ESRD 被験者
• 3 ヵ月以上にわたり血液透析を要する ESRD 男性又は女性。
• 治験責任医師の判断により、臨床検査値に当該被験者の腎臓の状態に相応の逸脱
が認められる者、又は本治験に際して臨床的に重要となる状態が他に認められな
い者。
• 腎移植に失敗した、又は移植腎が機能していない腎不全の者。
2. 除外基準
以下の基準のいずれかに該当する者は適格とされない。
2.1 全被験者
• 本治験に直接関与する実施医療機関の職員及びその近親者、又はイーライ・リリ
ーの被雇用者。近親者とは、配偶者、両親、子供、兄弟姉妹(血縁関係の有無を
問わない)と定義する。
• スクリーニング前 3 ヵ月以内の大手術の既往歴を有する者。
• 治験最終日から 14 日以内に手術が予定されている者。
• 眼底検査又は点状出血の検査で臨床的に重要な異常が認められた者。
• 重大な活動性神経精神疾患の明らかな徴候が認められる者。
• 重大な出血性障害(吐血、下血[スクリーニング前 3 ヵ月以内]
、重度又は再発性
の鼻出血、喀血、血尿又は頭蓋内出血)が認められる者、又はその既往歴を有す
る者。
• スクリーニング時の便潜血反応が陽性の者。
• 標準 12 誘導心電図に臨床的に重要な異常が認められる者。
• 乱用薬物の常習者及び/又は尿薬物スクリーニング検査で許容できない陽性所見
が認められた者(腎機能障害・腎疾患被験者における睡眠導入薬又は鎮痛薬の尿
薬物スクリーニング検査陽性は許容できる所見と判断する)
。
• 重度のアレルギー又は複数の副作用の既往歴のある者。
• 入院前 21 日以内にアスピリン及びその他の抗血小板薬又は抗凝固薬(透析中のヘ
パリンは除く)の投与を受けている者、又はその予定のある者。特定の非ステロ
イド性消炎鎮痛剤は、入院の 21 日以上前から CS-747S 投与の約 1 週間後まで中止
する。
• いずれの適応症についても規制当局の承認を受けていない薬剤の投与を治験薬初
回投与前 30 日以内に受けた者。
• CS-747S 又は類縁物質(クロピドグレル硫酸塩又はチクロピジン塩酸塩)に対す
る既知のアレルギーを有する者。
• 過去に本治験を完了もしくは中止したことがある者、又は他の CS-747S の治験に
参加したことがある者。
• 現在、機能している移植臓器者。
• 過去 3 ヵ月以内に 500 mL を超える献血を行った者、又は過去 1 ヵ月以内に献血を
行った者。
• 妊娠検査で陽性の女性、又は授乳中の女性。
• ヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus: HIV)が認められる、及び
/又は HIV 抗体が陽性の者。
• 投与 3 日前以内に熱性疾患を呈した者。
• 本治験の入院 1 週間前以内に生薬製剤を投与された者。
• 週当たりの平均アルコール摂取量が男性で 21 単位、女性で 14 単位を超える者、
又は治験期間中の禁酒を守れない者(1 単位 = ビール 12 オンス又は 360 mL、ワ
イン 5 オンス又は 150 mL、蒸留酒 1.5 オンス又は 45 mL)。
• 治験前の理学的検査、心電図、臨床(安全性)検査の結果を治験責任医師が検討
した結果、臨床的に重要なその他の異常が認められた者。
178
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.10.1-1 治験方法の概略: 海外腎障害 PK 試験 1(3/4)
対象(続き)
2.2 対照被験者
• 心血管系、呼吸器系、肝臓、腎臓、消化器系、内分泌系、血液系、神経系のいず
れかの障害のうち、薬剤の吸収・代謝・排泄に著明な変化を及ぼすか、又は治験
薬投与により危険を生じるか、又はデータ解釈が困難となる恐れのある障害が認
められる者、又はその既往歴を有する者。
• 凝固系又は出血性障害の既往歴や家族歴を有する者、又は脳出血や動脈瘤、若年
性脳卒中(65 歳未満での脳血管発作)などの血管奇形が合理的に疑われる者。
• スクリーニング時にプロトロンビン時間又は活性化部分トロンボプラスチン時間
に重要な正常範囲外の延長が認められる者、又は血小板数に正常範囲外の値が認
められる者。
• 一般薬(ビタミン又はミネラルのサプリメントは除く)又は処方薬(甲状腺ホル
モン補充療法などのホルモン補充療法又は経口避妊薬は除く)をそれぞれ投与 7
日前以内に投与される予定のある者。治験責任医師と治験依頼者が協議の上合意
した場合は、治験期間中に特定の併用薬(例: 特定のスタチン系薬剤)が認めら
れる。
• C 型肝炎ウイルス抗体が陽性の者。
• B 型肝炎ウイルス表面抗原が陽性の者。
2.3 腎機能障害被験者
• 腎機能障害の原因となる疾患、又は腎機能障害に関連する疾患以外で、治験薬服
用に際しリスクとなる、又はデータ解釈を妨げる重要な活動性疾患の証拠がある
者。
• 不安定高血圧:
• 中等度腎機能障害被験者で、繰り返し検査を行い、血圧が 170/100 mmHg を
超える不安定高血圧が確認された者。
• ESRD 被験者で、繰り返し検査を行い、透析後の座位血圧が 180/110 mmHg
を超えることが確認された者。
• プロトロンビン時間の INR が 1.70 を超える者。
• ヘモグロビンが 9.0 g/dL 未満の者。
• 血小板数が 50 × 109 個/L 未満の者。50 × 109 個/L 未満の値は、治験責任医師が
治験依頼者と協議して判断し、認められる場合がある。
• 胃腸管の大手術の既往歴又は証拠がある者。
• 当該被験者の腎機能障害の医療ケアを目的とした薬剤の投与を受けているが、薬
剤の投与量が確立されておらず、投与前 7 日間以上にわたり予定されている者。
• 入院 30 日前以内に肝代謝を阻害することが知られている併用薬(すなわちバルビ
ツール酸系薬剤、フェノチアジン系薬剤、又は強力なチトクローム P450 3A4 阻害
薬/誘導薬)の投与を受けた者。
• エタノール検査で陽性反応が出た者、乱用薬物を使用している者、及び/又は薬
物スクリーニングにおいて腎疾患の関連合併症(疼痛、不眠、不安)のため処方
された薬剤以外の薬物陽性反応が出た者。
治験デザイン
本治験は ESRD 及び中等度腎機能障害被験者を対象とする、並行群間比較、非盲検、
単回投与試験であった。ESRD 被験者と中等度腎機能障害被験者を異なる機関で評価
し、各機関で腎機能が正常な対照被験者群を設定した。本治験は以下の 3 群で実施し
た。
第 1 群: 腎機能が正常な(Cockcroft-Gault 式による推定クレアチニンクリアランスが
80 mL/min を超える)健康被験者からなる対照群で、SFBC International 及び West Coast
Clinical Trials LLC で評価された被験者を含む。
第 2 群: 3 ヵ月以上にわたり血液透析を要する ESRD 被験者。SFBC International で評価
を実施した。
第 3 群: 推定クレアチニンクリアランスが 30~50 mL/min の中等度腎機能障害被験者。
West Coast Clinical Trials LLC で評価を実施した。
179
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.10.1-1 治験方法の概略: 海外腎障害 PK 試験 1(4/4)
治験デザイン
(続き)
健康被験者は、ESRD 及び中等度腎障害被験者と年齢、性別、及び体重(人種でも試
みた)で、健康被験者対それぞれの腎機能障害被験者が 2:1 となるようマッチングさ
せた。
被験者は投与 1 日前に施設に入院し、一晩絶食の後、投与日の朝に CS-747S 60 mg を
単回投与された。被験者は 2 日目に退院し、外来で血液検体採取のため来院するか、
あるいは 7 日目まで入院した。
CS-747S の代謝物濃度測定のため、中等度腎障害被験者及びマッチングさせた健康被
験者では投与 24 時間後まで、ESRD 被験者及びマッチングさせた健康被験者では投与
36 時間後まで、血液検体が採取された。ESRD 被験者では、投与 48 時間後にも濃度
測定用血液検体を採取した。
血小板凝集(アデノシン二リン酸[adenosine 5'-diphosphate: ADP]20 μM 惹起時)の
評価のための血液検体はすべての被験者で 144 時間後まで採取した。
ESRD 被験者は毎週の血液透析の間の期間で CS-747S を投与され、投与から次の透析
まで最低 48 時間は空けた。
安全性データは有害事象、臨床検査、バイタルサイン、標準 12 誘導心電図、及び理
学検査で取得した。
目標被験者数
60 名(中等度腎機能障害被験者 10 名及び対応した健康被験者 20 名、末期腎不全被験
者 10 名及び対応した健康被験者 20 名)
治験薬
CS-747S 10 mg 錠(ロット番号: CT524157 及び CT526934)
用法・用量
全被験者に 1 日目に CS-747S 60 mg を単回投与した。被験者は単回投与の 1 日前から
絶食とした。CS-747S 投与の 1 時間前から投与 2 時間後まで投与に用いる水以外の液
状物の摂取を禁止した。
観察・検査スケジ
ュール
表 2.7.6.10.1-2 参照
評価項目
1. 安全性
有害事象、バイタルサイン、標準 12 誘導心電図、臨床検査値、理学的検査、点状出
血検査、眼底検査
2. 薬物動態
CS-747S の活性代謝物(R-138727)及び不活性代謝物(R-95913、R-106583、R-119251)
の血漿中濃度
3. 薬力学
ADP 5 及び 20 μM 並びにコラーゲンによって惹起した光透過法(light transmission
、及び
aggregometry: LTA)(ESRD 被験者、中等度腎機能障害被験者、健康被験者)
VNP2Y12(中等度腎機能障害被験者及びそれにマッチングさせた健康被験者のみ)に
よる血小板凝集率
統計解析手法
CS-747S 60 mg 投与後に、CS-747S の活性代謝物及び不活性代謝物の薬物動態パラメ
ータ推定値をノンコンパートメント法を用いて算出した。主要な薬物動態パラメータ
は、AUClast、Cmax、tmax であった。
線形混合効果モデルを用い、対数変換した R-138727 の AUClast 及び Cmax を解析した。
ESRD 被験者とそれにマッチングさせた健康被験者との間、及び中等度腎機能障害被
験者とそれにマッチングさせた健康被験者との間の最小二乗幾何平均値の比の 90%
信頼区間を示す。Wilcoxon 符号付き順位和検定を用いて tmax の推定値の比較を行った
(中等度腎機能障害被験者とそれにマッチングさせた健康被験者のみ)
。ESRD 被験
者、中等度腎機能障害被験者、健康被験者において、ADP 5 及び 20 μM 惹起時の最大
血小板凝集率(maximum platelet aggregation: MPA)への CS-747S の影響を、各規定時
点で線形混合効果モデルを用いて評価した。各時点の各群の最小二乗平均値、群間の
最小二乗平均値の差、及び対応する 90%信頼区間を、P 値と併せて算出した。
180
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.10.1-2 観察・検査スケジュール: 海外腎障害 PK 試験 1
治験日
心電図検査
理学
的検
査
臨床
検査
妊娠
検査
スクリー
ニング
X
X
X
X
治験
薬投
与
身長
及び
体重
バイタル
X
Xa)
Xc)
Xb)
薬力学用
検体採取
薬物動態用
検体採取
−1
入院
X
1
X
(投与前,
投与 1, 2, 6
時間後)
2
X
(投与 24
時間後)
X
b)
X
3
Xe)
X
(投与前,
投与 2, 6
時間後)
X
(投与前*, 投
与 1, 2, 4, 6 時
間後)
X
(投与 0.25,
0.5, 1, 2, 4, 6, 9,
12 時間後)
Xb)
(投与 24
時間後)
X
(投与 24 時間
後)
X
(投与 24, 36g)
時間後)
Xb,f)
X
(投与 48 時間
後)
Xd,g)
(投与 48 時間
後)
X
5
X
(投与 96 時間
後)
7
X
X
X
追跡調査
X
X
X
Xb)
Xc)
X
X
(投与 144
時間後)
Xb)
a:
b:
c:
d:
e:
血圧(仰臥位及び立位)
、心拍数、口腔温。
仰臥位の血圧及び心拍数のみ。
体重のみ。
透析の影響の評価のため、可能な場合に透析前後の薬物動態用検体を採取することとした。
治験薬投与前の来院時に、最大 4 名の ESRD 被験者及び ESRD 各被験者にマッチングさせた健康被験者から、可能な
場合に静脈穿刺により約 3 mL の血液を採取することとした。検体は最大 7 回まで採取できることとした。
f: 中等度腎機能障害被験者とそれにマッチングさせた健康被験者についてのみ実施。
g: ESRD 被験者とそれにマッチングさせた健康被験者についてのみ実施。
*: −1 日目に投与前の検体を採取することも可とした。
10.1.2 用法・用量の設定根拠
本治験に先行して実施された、CS-747S の薬物動態及び薬力学を健康被験者と ESRD 被験者
との間で比較した試験では、ESRD 被験者及び健康被験者での 60 mg 単回経口投与が行われた
が、2005 年に実施医療機関がハリケーン・カトリーナの被害を受けたことにより被験者が不
足したまま中止となった。本治験は、不足した ESRD 被験者での薬物動態及び薬力学データを
得て健康被験者と比較するため実施され、用法・用量は、先行する試験と同様の 60 mg 単回投
与とした。
また、
同時期に実施されていた海外 ACS 第 III 相試験で CS-747S の LD として 60 mg
が単回投与されており、CS-747S は線形的な薬物動態特性を示すことから単回投与で反復投与
での薬物動態を予測できると考えられたことからも、当該用法・用量とした。
10.2 被験者の内訳
43 名の被験者(ESRD 被験者 5 名、中等度腎機能障害被験者 10 名、健康被験者 28 名)に
CS-747S を単回投与した。全被験者が本治験を完了した。
181
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
10.3 解析対象
薬物動態、薬力学、及び安全性の評価はすべて、本治験に組み入れられた 43 名全被験者の
データを対象とした。
10.4 被験者背景
年齢 38~75 歳の被験者計 43 名が本治験に組み入れられた。ESRD 被験者 5 名(男性 1 名、
女性 4 名)
、中等度腎機能障害被験者が 10 名(男性 4 名、女性 6 名)
、腎機能が正常な健康被
験者が 28 名(男性 10 名、女性 18 名)であった。ESRD 被験者のうち、3 名がアフリカ系カリ
ブ人、1 名がヒスパニック、1 名が黒人であった。中等度腎機能障害被験者のうち 6 名が白人、
2 名がアジア人、1 名がヒスパニック、1 名が太平洋諸島系であった。健康被験者 28 名のうち
13 名が白人、10 名がヒスパニック、4 名がアジア人、1 名がアフリカ系カリブ人であった。
健康被験者に対して腎機能障害被験者を 2:1 の比で、年齢(±10 歳)
、性別、体重(±10%)
について出来る限りマッチングさせることを計画した。ESRD 被験者は全般にこの基準に従っ
てマッチングできたが、
人種が同じ健康被験者 2 名にマッチングできたのは 1 名のみであった。
1 名の被験者(ESRD)には、マッチングさせる健康被験者が見つからなかった。
中等度腎機能障害被験者には、それぞれ 2 名の健康被験者をマッチングさせた。性別と年齢
については被験者の大半についてマッチングできたが、体重(±10%)及び人種についてマッ
チングできた被験者はほとんどいなかった。
10.5 薬物動態の結果
健康被験者、ESRD 被験者、及び中等度腎機能障害被験者での CS-747S 60 mg 単回投与後の
R-138727、R-95913、R-119251、及び R-106583 のノンコンパートメント法による薬物動態パラ
メータ推定値を表 2.7.6.10.5-1、表 2.7.6.10.5-3~表 2.7.6.10.5-5 に、R-138727 の薬物動態パラメ
ータの解析を表 2.7.6.10.5-2 に示す。
活性代謝物 R-138727 の AUClast は、ESRD 被験者のほうが、それにマッチングさせた健康被
験者よりも 47%低かった。
中等度腎機能障害被験者とそれにマッチングさせた健康被験者で、
活性代謝物の AUClast 及び Cmax に統計学的有意差は認められなかった。
R-119251 の Cmax 及び AUClast は、健康被験者と比べて ESRD 及び中等度腎機能障害被験者で
高い傾向にあった。R-106583 の Cmax は健康被験者と比べて ESRD 及び中等度腎機能障害被験
者で低い傾向にあった。その他は、各集団間で曝露は概ね同様であった。R-95913 は、ESRD
被験者では定量下限(1 ng/mL)未満であり、薬物動態パラメータの推定は行わなかった。
182
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.10.5-1 健康被験者、ESRD 被験者、及び中等度腎機能障害被験者での CS-747S 60 mg
単回投与後の R-138727 のノンコンパートメント法による薬物動態パラメータ推定値: 海外腎
障害 PK 試験 1
幾何平均値 (%CV)
健康被験者
ESRD 被験者
中等度腎機能障害
被験者
28 名
5名
10 名
441
274
385
(64.9)
(39.9)
(71.1)
0.50
0.50
0.50
(0.25, 2.07)
(0.50, 0.50)
(0.50, 1.00)
パラメータ
Cmax
(ng/mL)
tmax a)
(h)
AUClast
(ng·h/mL)
AUC0-24
(ng·h/mL)
AUC0-inf
(ng·h/mL)
499
259
464
(34.7)
(42.4)
(57.5)
498
257
464
(34.7)
(40.8)
(57.5)
512
267
476
(34.0)
(41.7)
(56.3)
a: tmax: 中央値(範囲)
表 2.7.6.10.5-2 ESRD 被験者、中等度腎機能障害被験者、及びそれぞれとマッチングさせた健
康被験者での CS-747S 60 mg 単回投与後の R-138727 の薬物動態パラメータの解析: 海外腎
障害 PK 試験 1
幾何最小二乗平均値
幾何最小二乗平均値の比
ESRD 被験者
5名
健康被験者
8名
ESRD: 健康
(90%信頼区間)
AUClast (ng∙h/mL)
259
487
0.53 (0.32, 0.86)
Cmax (ng/mL)
274
460
0.59 (0.29, 1.19)
0.500
0.500
0 (−0.250, 0.125)
中等度腎機能障害
被験者
10 名
健康被験者
中等度腎機能障害: 健康
20 名
(90%信頼区間)
AUClast (ng∙h/mL)
464
506
0.91 (0.71, 1.18)
Cmax (ng/mL)
385
433
0.88 (0.67, 1.28)
0.500
0.638
−0.125 (−0.513, 0.062)
パラメータ
a)
tmax (h)
a)
tmax (h)
P 値 c)
NCb)
P 値 c)
0.219
モデル: Log(薬物動態パラメータ) = 被験者のペア + 群 + 確率的誤差
a: tmax: ノンパラメトリックに解析した。中央値及び ESRD 被験者 − 健康被験者の差の中央値(差の最小値、
差の最大値)
b: 被験者が少数のため算出せず。
c: tmax のみ、Wilcoxon の符号付き順位和検定による P 値
183
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.10.5-3 健康被験者、ESRD 被験者、及び中等度腎機能障害被験者での CS-747S 60 mg
単回投与後の R-95913 のノンコンパートメント法による薬物動態パラメータ推定値: 海外腎
障害 PK 試験 1
幾何平均値 (%CV)
パラメータ
Cmax
(ng/mL)
tmax b)
(h)
AUClast
(ng·h/mL)
AUC0-24
(ng·h/mL)
AUC0-inf
(ng·h/mL)
健康被験者
ESRD 被験者
中等度腎機能障害
被験者
28 名
5名
10 名
a)
229
―
282
(48.1)
(20.4)
―a)
0.50
(0.25, 2.05)
0.50
(0.30, 1.00)
a)
544
―
626
(49.9)
(22.3)
―a)
544
626
(48.2)
(22.3)
―a)
597
695
(50.5)
(24.8)
a: 濃度がすべて定量不可能であったため、パラメータの推定を行わなかった。
b: tmax: 中央値(範囲)
表 2.7.6.10.5-4 健康被験者、ESRD 被験者、及び中等度腎機能障害被験者での CS-747S 60 mg
単回投与後の R-119251 のノンコンパートメント法による薬物動態パラメータ推定値: 海外腎
障害 PK 試験 1
幾何平均値 (%CV)
パラメータ
Cmax
(ng/mL)
tmax a)
(h)
AUClast
(ng·h/mL)
AUC0-12
(ng·h/mL)
健康被験者
ESRD 被験者
中等度腎機能障害
被験者
28 名
5名
10 名
211
229
243
(60.7)
(35.7)
(84.0)
0.50
0.50
0.50
(0.50, 2.15)
(0.50, 1.00)
(0.50, 2.00)
404
525
533
(41.1)
(29.1)
(65.8)
387
459
499
(40.1)
(30.4)
(63.6)
a: tmax: 中央値(範囲)
184
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.10.5-5 健康被験者、ESRD 被験者、及び中等度腎機能障害被験者での CS-747S 60 mg
単回投与後の R-106583 のノンコンパートメント法による薬物動態パラメータ推定値: 海外腎
障害 PK 試験 1
幾何平均値 (%CV)
パラメータ
Cmax
(ng/mL)
tmax a)
(h)
健康被験者
ESRD 被験者
中等度腎機能障害
被験者
28 名
5名
10 名
390
267
341
(32.9)
(33.6)
(44.9)
1.00
1.00
1.00
(0.50, 4.00)
(0.50, 1.00)
(0.50, 2.50)
AUClast
2460
2370
2270
(ng·h/mL)
(30.9)
(42.5)
(55.2)
AUC0-24
2370
1850
2270
(ng·h/mL)
(29.8)
(39.0)
(55.2)
AUC0-inf
2790
2900
2900
(ng·h/mL)
(29.8)
(44.0)
(54.4)
a: tmax: 中央値(範囲)
10.6 薬力学の結果
CS-747S 60 mg 単回経口投与後の ESRD 被験者とマッチングさせた健康被験者との ADP
20 μM 惹起時の MPA の比較を表 2.7.6.10.6-1 に、中等度腎機能障害被験者とマッチングさせた
健康被験者との ADP 20 μM 惹起時の MPA の比較を表 2.7.6.10.6-2 に示す。
ベースライン(1 日目、投与前)の平均 MPA(ADP 20 μM 惹起時)は、腎機能障害被験者
とそれらにマッチングさせた健康被験者とで同様であった。
CS-747S 60 mg の単回経口投与後の ADP 20 μM 惹起時の MPA は、ESRD 被験者、中等度腎
機能障害被験者、及びそれらにマッチングさせた健康被験者において概ね同様であり、全被験
者において血小板凝集抑制作用の速やかな発現が認められた。
全般に、
LTA 法を用いた ADP 20 μM 惹起時の MPA において得られた血小板凝集率の結果は、
VNP2Y12 検査装置を用いた PRU で認められた結果と同様の傾向をたどった。
185
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.10.6-1 CS-747S 60 mg 単回経口投与後の ESRD 被験者とマッチングさせた健康被験
者との MPA(ADP 20 μM 惹起時)の比較: 海外腎障害 PK 試験 1
時間
1 日目
投与前 a)
1 日目
投与 1 時間後
1 日目
投与 2 時間後
1 日目
投与 4 時間後
1 日目
投与 6 時間後
1 日目
投与 24 時間後
3 日目
投与 48 時間後
5 日目
投与 96 時間後
7 日目/8 日目
被験者
MPA の最小二乗平均値 (%)
(90%信頼区間)
健康被験者
89.8 (76.4, 103)
ESRD 被験者
77.5 (58.7, 96.3)
健康被験者
19.1 (8.56, 29.7)
ESRD 被験者
7.21 (−5.33, 19.7)
健康被験者
15.0 (4.11, 26.0)
ESRD 被験者
4.71 (−7.83, 17.2)
健康被験者
10.9 (0.305, 21.4)
ESRD 被験者
7.96 (−4.58, 20.5)
健康被験者
6.25 (−4.32, 16.8)
ESRD 被験者
2.96 (−9.58, 15.5)
健康被験者
15.9 (5.31, 26.4)
ESRD 被験者
9.21 (−3.33, 21.7)
健康被験者
23.5 (12.9, 34.1)
ESRD 被験者
12.0 (−0.579, 24.5)
健康被験者
42.8 (32.2, 53.3)
ESRD 被験者
24.0 (11.4, 36.5)
健康被験者
45.3 (34.7, 55.8)
ESRD 被験者
39.7 (27.2, 52.2)
(ESRD − 健康)
差(90%信頼区間)
−12.2 (−35.3, 10.8)
−11.9 (−24.0, 0.166)
−10.3 (−22.7, 2.07)
−2.92 (−15.0, 9.17)
−3.29 (−15.4, 8.79)
−6.67 (−18.7, 5.42)
−11.5 (−23.6, 0.541)
−18.8 (−30.9, −6.71)
−5.54 (−17.6, 6.54)
a: モデル: MPA = 被験者のペア + 群 + 確率的誤差
その他のモデル: MPA = 1 日目の投与前の平均 MPA + 被験者のペア + 被験者のペア × 時間 + 群 +
時間 + 群 × 時間 + 確率的誤差
186
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.10.6-2 CS-747S 60 mg 単回経口投与後の中等度腎機能障害被験者とマッチングさせ
た健康被験者との MPA(ADP 20 μM 惹起時)の比較: 海外腎障害 PK 試験 1
時間
1 日目
投与前 a)
1 日目
投与 1 時間後
1 日目
投与 2 時間後
1 日目
投与 4 時間後
1 日目
投与 6 時間後
1 日目
投与 24 時間後
3 日目
投与 48 時間後
5 日目
投与 96 時間後
7 日目/8 日目
被験者
MPA の最小二乗平均値 (%)
(90%信頼区間)
健康被験者
77.0 (73.8, 80.2)
中等度腎機能障害被験者
81.7 (77.2, 86.2)
健康被験者
8.35 (3.41, 13.3)
中等度腎機能障害被験者
0.103 (−6.60, 6.81)
健康被験者
−0.154 (−5.09, 4.78)
中等度腎機能障害被験者
−1.83 (−8.87, 5.20)
健康被験者
−0.104 (−5.04, 4.83)
中等度腎機能障害被験者
−2.40 (−9.10, 4.31)
健康被験者
0.946 (−3.99, 5.88)
中等度腎機能障害被験者
−2.50 (−9.20, 4.21)
健康被験者
0.0960 (−4.84, 5.03)
中等度腎機能障害被験者
−1.80 (−8.50, 4.91)
健康被験者
7.90 (2.96, 12.8)
中等度腎機能障害被験者
12.0 (5.30, 18.7)
健康被験者
39.8 (34.9, 44.8)
中等度腎機能障害被験者
43.7 (37.0, 50.4)
健康被験者
57.9 (53.0, 62.8)
中等度腎機能障害被験者
62.8 (56.1, 69.5)
(中等度腎機能障害被験者
− 健康)差(90%信頼区間)
4.70 (−0.807, 10.2)
−8.24 (−16.1, −0.363)
−1.68 (−9.83, 6.48)
−2.29 (−10.2, 5.59)
−3.44 (−11.3, 4.44)
−1.89 (−9.77, 5.99)
4.11 (−3.77, 12.0)
3.86 (−4.02, 11.7)
4.91 (−2.97, 12.8)
a: モデル: MPA = 被験者のペア + 群 + 確率的誤差
その他のモデル: MPA = 1 日目の投与前の平均 MPA + 被験者のペア + 被験者のペア × 時間 + 群 + 時間 + 群
× 時間 + 確率的誤差
10.7 安全性の結果
10.7.1 有害事象の全般的な発現状況
本治験の投与中に発現した有害事象の要約を表 2.7.6.10.7-1 に、被験者ごとの有害事象の一
覧を表 2.7.6.10.7-2 に示す。
本治験期間中、ESRD 被験者 5 名中 1 名、中等度腎機能障害被験者 10 名中 7 名で、有害事
象が発現した。健康被験者では有害事象は発現しなかった。
治験期間中、治験薬との因果関係が関連ありの有害事象は中等度腎機能障害被験者 1 名のみ
に発現した。当該被験者では、鼻出血、頭痛、及び処置後出血が発現した。
本治験期間中に発現した重度の有害事象は肺炎、高血圧、及び脳出血の 3 件であった。
出血関連の有害事象は、脳出血、処置後出血、及び鼻出血の 3 件であった。脳出血は重度で
あり、入院及びその他の処置により回復し、治験薬と関連なしと判断された。処置後出血及び
鼻出血は軽度であり、無処置で回復し、治験薬と関連ありと判断された。
187
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.10.7-1 有害事象発現状況: 海外腎障害 PK 試験 1
被験者
CS-747S 投与量
被験者数
有害事象が発現
した被験者 (%)
(因果関係を問
わない)
1 (20%)
ESRD 被験者
60 mg
5名
中等度腎機能障害被
験者
60 mg
10 名
7 (70%)
0 (0%)
健康被験者
60 mg
28 名
有害事象の発現件
数及び重症度(因
果関係を問わな
い)
有害事象が発現
した被験者 (%)
(治験薬との因
果関係が関連あ
り)
軽度
1
軽度
0
中等度
0
中等度
0
重度
0
重度
0
合計
1
軽度
9
中等度
0 (0%)
有害事象の発現件
数及び重症度(治験
薬との因果関係が
関連あり)
合計
0
軽度
3
1
中等度
0
重度
3
重度
0
合計
13
合計
3
軽度
0
1 (10%)
軽度
0
中等度
0
中等度
0
重度
0
重度
0
合計
0
合計
0
188
0 (0%)
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.10.7-2 被験者ごとの有害事象の一覧: 海外腎障害 PK 試験 1
被験者
CS-747S
投与量
基本語
発現日
発現期間
重症度
重篤度
治験薬との
因果関係
処置
転帰
ESRD 被験者
60 mg
浮動性めまい
投与 2 時間未満
1 日間未満
軽度
非重篤
関連なし
無
回復
中等度腎機能
障害被験者
60 mg
低血圧
投与 1 日後
1 時間未満
軽度
非重篤
関連なし
有
回復
血中カリウム増加
投与 20 日後
9 日間
中等度
非重篤
関連なし
有
回復
中等度腎機能
障害被験者
60 mg
接触性皮膚炎
投与 2 時間未満
25 日間以内
軽度
非重篤
関連なし
有
回復
中等度腎機能
障害被験者
60 mg
肺炎
投与 6 日以内
50 日間以内
重度
重篤
関連なし
有
回復
中等度腎機能
障害被験者
60 mg
頭痛
投与 4 日後
1 日間未満
軽度
非重篤
関連なし
有
回復
高血圧
投与 16 日後
1 日間未満
重度
重篤
関連なし
有
回復
脳出血
投与 16 日後
3 日間以内
重度
重篤
関連なし
有
回復
尿路感染
投与 45 日以内
11 日間以内
軽度
非重篤
関連なし
有
回復
鼻出血
投与 1 日後
1 日間未満
軽度
非重篤
関連あり
有
回復
頭痛
投与 2 日後
4 日間以内
軽度
非重篤
関連あり
有
回復
処置後出血
投与 4 日以内
12 日間以内
軽度
非重篤
関連あり
有
回復
末梢性浮腫
投与 13 日後
不明
軽度
非重篤
関連なし
有
未回復
投与 13 日以内
不明
軽度
非重篤
関連なし
有
未回復
中等度腎機能
障害被験者
60 mg
中等度腎機能
障害被験者
60 mg
中 等 度 腎 機 能 湿疹
障害被験者
60 mg
MedDRA/J ver. 9.0
10.7.2 死亡及び重篤な有害事象
本治験期間中に死亡はなかった。
本治験期間中、中等度腎機能障害被験者 2 名が重篤な有害事象を発現した。
そのうちの 1 名は 65 歳の男性であり、肺炎の重篤な有害事象を発現し、重度であった。当
該被験者は 7 日後に胸痛を発現して入院し、9 日後に退院し、この日から約 2 週間後にさらに
治療を受けた。この肺炎は治験責任医師により治験薬又は治験手順に関連しないと判断された。
もう 1 名は 71 歳の女性であり、高血圧及び脳出血の重篤な有害事象を発現し、いずれも重
度であった。被験者は投与 16 日後に脳出血を発現した。被験者は 3 日間入院した後に退院し、
回復した。脳出血は高血圧性クリーゼの結果生じたものであり、治験薬又は治験手順とは関連
していなかった。当該被験者は、投与約 4.5 日後に軽度の頭痛(持続期間 1 日未満)を発現し
た。また、投与約 45 日後に軽度の尿路感染(持続期間約 11 日)を発現した。
189
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
10.7.3 有害事象による治験中止
有害事象による治験中止は発生しなかった。
10.7.4 臨床検査値の評価
ESRD 被験者及び健康被験者において、CS-747S 60 mg 投与後に測定した臨床検査のいずれ
の項目にも、臨床的に重要な変化は認められなかった。
中等度腎機能障害被験者においては、臨床検査のいずれの項目にも臨床的に重要な変化は認
められなかったが、例外として 1 名の被験者(中等度腎機能障害)において、治験後の評価時
に血清 K が 6.0 mmol/L と上昇し(正常範囲:3.3~5.1 mmol/L)、治験責任医師により有害事象
と判断された。
この被験者の血清 K は、9 日後の追跡調査時の評価では正常範囲内(5.0 mmol/L)
に戻っていた。この被験者には入院時及び 7 日後に血清 K の上昇が認められ(それぞれ 5.2
及び 5.3 mmol/L)
、3 日後には正常値(4.9 mmol/L)であった。治験後の評価において、血清 K
の上昇に関連する心電図検査異常所見は認められなかった。
治験期間中、ESRD 及び中等度腎機能障害全被験者で、血清生化学検査のいくつかの項目に、
該当する正常範囲を超える値が認められたが、これは基礎疾患によるものと思われた。
10.7.5 心電図検査
治験期間中、個々の被験者の標準 12 誘導心電図検査のデータに臨床的に重要な所見は認め
られず、治験後に臨床的に重要な変化は認められなかった。
ESRD 被験者 1 名及び中等度腎機能障害被験者 1 名では、治験期間中の大半の時点で QTcB
間隔及び QTcF 間隔が正常範囲(451 ms 未満)を超えた。これらの被験者のいずれにも、投与
前の少なくとも 1 回の評価において、同様の QTc 間隔延長が認められていた。
10.8 結論
活性代謝物の AUClast は、ESRD 被験者のほうが、マッチングさせた健康被験者よりも 47%
低かった。健康被験者と中等度腎機能障害被験者とで、活性代謝物の曝露量は同様であった。
不活性代謝物への曝露量は健康被験者、中等度腎機能障害被験者、ESRD 被験者で概ね同様で
あった。
CS-747S 60 mg の単回経口投与後、ADP 20 μM 惹起時の平均 MPA は、ESRD 被験者、中等
度腎機能障害被験者、マッチングさせた健康被験者で同様であった。健康被験者及び中等度腎
機能障害被験者において、VNP2Y12 検査装置を用いて得た血小板凝集率は、ADP 20 μM によ
り惹起した LTA 法を用いて認められた血小板凝集率と同様の傾向であった。
CS-747S 60 mg の単回経口投与は、ESRD 被験者、中等度腎機能障害被験者、健康被験者に
おいて安全かつ忍容性良好と判断された。治験期間中に発現した、治験薬との因果関係が関連
ありの有害事象又は出血関連の有害事象はごく少数であった。
本治験の結果から、中等度腎機能障害患者では、CS-747S の投与量を調整する必要性は無い
と考えられた。なお、ESRD 被験者の募集を早期中止したため、この集団での投与量の調整の
190
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
必要性は結論付けることはできなかった。
191
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.11.1-1 治験方法の概略: 海外腎障害 PK 試験 2(2/4)
対象(続き)
2)
3)
臨床検査結果が実施医療機関の正常範囲内であるか、逸脱しているが臨床的に
重要でなくわずかなものであると判断される者。
治験責任医師の判定で血圧及び心拍数(仰臥位及び立位)が正常の者。
1.3 ESRD 被験者
1) 3 ヵ月以上にわたり血液透析を受けて安定している男性又は女性の ESRD 患者。
2) 治験責任医師の判断により、臨床検査値に当該被験者の腎臓の状態に相応の逸
脱が認められる者、又は本治験に際して臨床的に重要となる状態が他に認めら
れない者。
2. 除外基準
2.1 すべての被験者
1) 本治験に直接関与する実施医療機関の職員及びその近親者、又はイーライ・リ
リーの被雇用者。近親者とは、配偶者、両親、子供、兄弟姉妹(血縁関係の有
無を問わない)と定義する。
2) スクリーニング前 3 ヵ月以内の大手術の既往歴を有する者。
3) 治験最終日から 14 日以内に手術が予定されている者。
4) 眼底検査又は点状出血の検査で臨床的に重要な異常が認められた者。
5) 重大な活動性神経精神疾患の明らかな徴候が認められる者。
6) 重大な出血性障害(吐血、スクリーニング前 3 ヵ月以内の下血、重度又は再発
性の鼻出血、喀血、血尿、又は頭蓋内出血)が認められる者、又はその既往歴
を有する者。
7) スクリーニング時の便潜血反応が陽性の者。
8) 標準 12 誘導心電図(心電図検査)に臨床的に重要な異常が認められる者。
9) 乱用薬物の常習者及び/又は尿薬物スクリーニング検査で許容できない陽性所
見が認められた者(腎障害・腎疾患を有する被験者における睡眠導入薬又は鎮
痛薬の尿薬物スクリーニング検査陽性は許容できる所見と判断する)
。
10) 重度のアレルギー又は複数の副作用の既往歴のある者。
11) 入院 14 日前以内にアスピリン及びその他の抗血小板薬又は抗凝固薬(透析中の
ヘパリンは除く)の投与を受けている者、又はその予定のある者。特定の非ス
テロイド性消炎鎮痛剤は、入院の 14 日以上前から CS-747S 投与の約 2 週間後ま
で中止する。
12) いずれの適応症についても規制当局の承認を受けていない薬剤の投与を治験薬
初回投与前 30 日以内に受けた者。
13) CS-747S 又は類縁物質(クロピドグレル硫酸塩又はチクロピジン塩酸塩)に対す
る既知のアレルギーを有する者。
14) 現在、機能している移植臓器を有する者。
15) 過去 3 ヵ月以内に 500 mL を超える献血を行った者、又は過去 1 ヵ月以内に献
血を行った者。
16) 妊娠検査で陽性の女性、又は授乳中の女性。
17) ヒト免疫不全ウイルス(human immnodeficiency virus: HIV)が認められる、及び
/又は HIV 抗体が陽性の者。
18) 治験薬投与 3 日前以内に熱性疾患を呈した者。
19) 本治験の入院 1 週間前以内に生薬製剤(薬としてのニンニクを含む)を投与さ
れた者。
20) 週当たりの平均アルコール摂取量が男性で 21 単位、女性で 14 単位を超える者、
又は治験期間中の禁酒を守れない者(1 単位 = ビール 12 オンス又は 360 mL、
ワイン 5 オンス又は 150 mL、蒸留酒 1.5 オンス又は 45 mL)。
21) 治験前の理学的検査、心電図検査、臨床(安全性)検査の結果を治験責任医師
が検討した結果、臨床的に重要なその他の異常が認められた者。
22) 凝固系又は出血性障害の既往歴や家族歴を有する者、又は脳出血や動脈瘤、若
年性脳卒中(65 歳未満での脳血管発作)などの血管奇形が合理的に疑われる者。
193
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.11.1-1 治験方法の概略: 海外腎障害 PK 試験 2(3/4)
対象(続き)
2.2 対照被験者
1) 心血管系、呼吸器系、肝臓、腎臓、消化器系、内分泌系、血液系、神経系のい
ずれかの障害のうち、薬剤の吸収・代謝・排泄に著明な変化を及ぼすか、又は
治験薬投与により危険を生じるか、又はデータ解釈が困難となる恐れのある障
害が認められる者、又はその既往歴を有する者。
2) スクリーニング時にプロトロンビン時間又は活性化部分トロンボプラスチン時
間に重要な正常範囲外の延長が認められる者、又は血小板数に正常範囲外の値
が認められる者。
3) 一般薬(ビタミン又はミネラルのサプリメントは除く)又は処方薬(甲状腺ホ
ルモン補充療法などのホルモン補充療法又は経口避妊薬は除く)をそれぞれ投
そのような状況が生じた場合、
与 7 及び 14 日前以内に投与される予定のある者。
その他の点では適格な被験者については治験責任医師の判断により決定する。
4) C 型肝炎ウイルス抗体が陽性の者。
5) B 型肝炎ウイルス表面抗原が陽性の者。
2.3 ESRD 被験者
1) 腎障害の原因となる疾患、又は腎障害に関連する疾患以外で、治験薬服用に際
しリスクとなる、又はデータ解釈を妨げる重要な活動性疾患の証拠がある者。
2) 過去 12 ヵ月以内に不全を起こし、機能していない移植腎を有する者。
3) 繰り返し検査を行い、透析後の座位血圧が 180/110 mmHg を超える軽度/中等度
の不安定高血圧を有することが確認された者。
4) プロトロンビン時間の INR が 1.70 を超える者。
5) ヘモグロビンが 9.0 g/dL 未満の者。
6) 血小板数が 50 × 109 個/L 未満の者。
7) 胃腸管の大手術の既往歴又は証拠がある者。
8) 当該被験者の腎障害の医療ケアを目的とした薬剤の投与を受けているが、薬剤
の投与量が確立されておらず、投与前 7 日間以上にわたり予定されている者。
9) 入院前 30 日以内に肝代謝を阻害することが知られている併用薬(すなわちバル
ビツール酸系薬剤、フェノチアジン系薬剤、又は強力なチトクローム P450 3A4
阻害薬/誘導薬)の投与を受けた者。
10) エタノール検査で陽性反応が出た者、乱用薬物を使用している者、及び/又は
薬物スクリーニングにおいて腎疾患の関連合併症(疼痛、不眠、不安)のため
処方された薬剤以外の薬物陽性反応が出た者。
治験デザイン
本治験は 2 群を対象として実施された逐次漸増、非盲検、単回投与試験であった。
治験デザインを図 2.7.6.11.1-1 に示す。
第 1 群: 腎機能が正常な(Cockcroft-Gault 式による推定クレアチニンクリアランスが
80 mL/min 以上)健康被験者からなる対照群。
第 2 群: 3 ヵ月以上にわたり血液透析を要する ESRD 被験者。
被験者は投与前日に入院し、一晩絶食の後、1 日目に 5 mg、10 mg、30 mg、又は 60 mg
のいずれかを単回投与された。ESRD 被験者と健康被験者の各 2 名ずつ、5 mg から
60 mg まで逐次漸増で治験薬を投与され、次いで残りの被験者に 60 mg から逐次減量
する順序で投与され、最終的に各用量で ESRD 被験者及び健康被験者各 4 名が投与さ
れた。各増量の際には特に出血性イベントの安全性データのレビューが行われた。
被験者は 2 日目に退院し、投与 3 週間後まで外来にて薬力学評価のための採血が行わ
れた。ESRD 被験者からの検体採取は血液透析実施日に血液透析の前に行われた。
投与 11 日以上経過後、ESRD 被験者は、ESRD 被験者のアデノシン二リン酸(adenosine
5'-diphosphate: ADP)20 μM 惹起時の MPA が 2 回の連続した測定でベースラインの 10%
以内に戻った時点で検体の採取を終了でき、健康被験者はマッチングした ESRD 被験
者がこの条件により終了した後で同じ条件を満たせば終了できた。
追跡調査は各被験者の予定された薬力学測定用検体採取日に行われた。
194
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.11.1-2 観察・検査スケジュール: 海外腎障害 PK 試験 2
治験日
心電
図検
査
理学
的検
査
眼底検査
/点状出
血検査
臨床
検査
妊娠
検査
身長及
び体重
バイタ
ルサイ
ン
スクリーニ
ング
X
X
X
X
X
X
Xa)
X
X
Xc)
Xb)
治験薬
投与
PD 用検
体採取
PK 用検体
採取
Xb)
X
X
(投与
前, 投与
2, 6 時間
後)
(投与
前*, 投
与 2, 4 時
間後)
(投与
0.25, 0.5,
1, 1.5, 2, 4,
6, 8, 12 時
間後)
Xb)
Xd)
X
−1
入院
X
X
1
2
X
X
(投与
24 時間
後)
治験後の
追跡調査 e)
X
X
X
X
X
Xc)
(投与
24 時間
後)
(投与 24
時間後)
Xb)
a: 血圧(仰臥位及び立位)
、脈拍数、体温。
b: 仰臥位の血圧及び心拍数のみ。
c: 体重のみ。
d: MPA を評価するため、投与 3 週間後まで 2~3 日ごとに全被験者(ESRD 被験者及び対照被験者)から血液検体を採
取した。
ESRD 被験者から採取する検体は、血液透析施行日の血液透析前に採取した。投与 11 日後以降、LTA で評価した MPA
が連続 2 回の来院でベースラインから 10%ポイント以内の値に戻ったら、被験者の検体採取を中止してよいこととし
た。
e: 追跡調査手順は、被験者の予期される最終 PD 用検体採取日の各日に行うこととした。
*: −1 日目に投与前の検体を採取する可能性があった。
11.1.2 用法・用量の設定根拠
本治験に先行して実施された、CS-747S の薬物動態及び薬力学を健康被験者と ESRD 被験者
との間で比較した試験では、ESRD 被験者及び健康被験者での 60 mg 単回経口投与が行われた
が、2005 年に実施医療機関がハリケーン・カトリーナの被害を受けたことにより被験者が不
足したまま中止となった。次いで中等度腎機能障害被験者、ESRD 被験者、及び健康被験者に
CS-747S を 60 mg 単回経口投与する海外腎障害 PK 試験 1 が実施されたが、実施医療機関のう
ち一つが閉鎖されたため、ESRD 被験者が不足した。そのため、本治験を実施することとなっ
た。
上記の先行する試験及び海外腎障害 PK 試験 1 での CS-747S 60 mg 単回投与の用法・用量設
定根拠は、同時期に実施されていた海外 ACS 第 III 相試験で CS-747S の LD として 60 mg が単
回投与されており、また、CS-747S は線形的な薬物動態特性を示すことから単回投与で反復投
与での薬物動態を予測できると考えられたことであった。
海外腎障害 PK 試験 1 での薬力学的効果の延長を精査したところ、CS-747S の活性代謝物の
PK/PD 関係を検討するために広い用量の範囲での曝露を評価することが必要と考えられるよ
うになった。用量の範囲は、海外 ACS 第 III 相試験の LD である 60 mg を最高投与量とし、同
試験の MD である 10 mg に代わり得る用量である 5 mg を最低投与量とした。
196
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
11.2 被験者の内訳
32 名の被験者(ESRD 被験者 16 名、健康被験者 16 名)を本治験に組み入れ、31 名(ESRD
被験者 15 名、健康被験者 16 名)が計画どおりに完了した。ESRD 被験者 1 名(CS-747S 60 mg)
は、誤嚥性肺炎の結果、治験を中止した。この被験者の薬物動態データ及び薬力学データは、
すべての統計解析に含めた。
健康被験者 1 名、
ESRD 被験者 2 名は、
本治験に加えて海外腎障害 PK 試験 1 にも参加した。
11.3 解析対象
薬物動態、薬力学、及び安全性の評価はすべて、本治験に組み入れられた 32 名全被験者の
データを対象とした。
11.4 被験者背景
年齢 24~68 歳の被験者計 32 名が本治験に組み入れられた。3 ヵ月以上血液透析を要する
ESRD 被験者が 16 名(男性 12 名、女性 4 名)
、腎機能が正常(推定クレアチニンクリアラン
スが 80 mL/min 以上)で健康な被験者が 16 名(男性 12 名、女性 4 名)であった。ESRD 被験
者のうち、4 名が白人、12 名がアフリカ系カリブ人であった。健康被験者群の被験者のうち
13 名が白人、1 名がアフリカ系カリブ人、1 名がネイティブ・インディアン、1 名が混血人種
(ヒスパニック/ラテン系)であった。
年齢(±15 歳)
、体重(±10%)について、健康被験者を、ESRD 被験者に対して実行可能な
範囲で 1:1 の比でマッチングさせる計画であった。これは全被験者について達成された。人
種に関して被験者をマッチングさせることも試みたものの、ESRD 被験者 5 名についてのみし
か、同じ人種の健康被験者をマッチングさせることができなかった。
11.5 薬物動態の結果
健康被験者及び ESRD 被験者での CS-747S 5 mg、10 mg、30 mg、又は 60 mg 単回投与後の
R-138727、R-95913、R-119251、及び R-106583 のノンコンパートメント法による薬物動態パラ
メータ推定値を表 2.7.6.11.5-1、表 2.7.6.11.5-3、表 2.7.6.11.5-4、及び表 2.7.6.11.5-5 に、R-138727
の薬物動態パラメータの解析を表 2.7.6.11.5-2 に示す。
ESRD 被験者のほうが健康被験者と比べ、投与量 5 及び 10 mg における AUClast 及び 60 mg
における Cmax が低く、幾何最小二乗平均値の比の 90% 信頼区間は 1 を含まなかった。
全般的に、活性代謝物の AUClast 及び Cmax の幾何平均推定値は、ESRD 被験者のほうが健康
被験者と比べて低い傾向があり、R-106583 の体内動態は活性代謝物と類似していた。
一方、R-119251 の AUClast の幾何平均推定値は ESRD 被験者のほうが健康被験者と比べて若
干高い傾向があったが、用量比例性は認められなかった。
R-95913 は、ESRD 被験者では定量下限(1 ng/mL)未満であり、薬物動態パラメータの推定
は行わなかった。
197
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.11.5-1 健康被験者及び ESRD 被験者での CS-747S 5 mg、10 mg、30 mg、又は 60 mg
単回投与後の R-138727 のノンコンパートメント法による薬物動態パラメータ推定値: 海外腎
障害 PK 試験 2
幾何平均値 (%CV)
5 mg
10 mg
健康被験者
ESRD 被験者
健康被験者
ESRD 被験者
パラメータ
4名
4名
4名
4名
Cmax
19.6
15.9
85.9
42.4
(9.30)
(57.5)
(38.1)
(31.5)
(ng/mL)
tmax
a)
(h)
AUClast
(ng·h/mL)
0.50
0.50
0.50
0.50
(0.50, 1.00)
(0.25, 0.50)
(0.50, 0.50)
(0.50, 1.00)
17.1
10.3
64.5
34.7
(13.1)
(46.5)
(25.3)
(16.4)
30 mg
60 mg
健康被験者
ESRD 被験者
健康被験者
ESRD 被験者
パラメータ
4名
4名
4名
4名
Cmax
131
93.7
229
110
(31.1)
(76.7)
(55.1)
(177)
0.62
0.50
0.75
1.00
(0.25, 1.50)
(0.25, 1.00)
(0.50, 1.50)
(1.00, 1.50)
(ng/mL)
tmax a)
(h)
AUClast
(ng·h/mL)
154
107
295
197
(32.4)
(66.4)
(29.9)
(78.5)
a: tmax: 中央値(範囲)
表 2.7.6.11.5-2 健康被験者及び ESRD 被験者での CS-747S 5 mg、10 mg、30 mg、又は 60 mg
単回投与後の R-138727 の薬物動態パラメータの解析: 海外腎障害 PK 試験 2
CS-747S
幾何最小二乗平均値(90%信頼区間)
パラメータ
投与量
ESRD 被験者
健康被験者
幾何最小二乗平均値の比
ESRD:健康
(90%信頼区間)
AUClast
5 mg
10.3 (7.25, 14.6)
17.1 (12.1, 24.3)
0.60 (0.37, 0.96)
(ng·h/mL)
10 mg
34.7 (24.5, 49.2)
64.5 (45.5, 91.5)
0.53 (0.33, 0.86)
30 mg
107 (75.6, 152)
154 (109, 219)
0.69 (0.43, 1.11)
60 mg
197 (139, 279)
295 (208, 418)
0.66 (0.41, 1.07)
Cmax
5 mg
15.9 (9.60, 26.2)
19.6 (11.9, 32.5)
0.80 (0.39, 1.65)
(ng/mL)
10 mg
42.4 (25.6, 70.1)
85.9 (52.0, 142)
0.49 (0.24, 1.00)
30 mg
93.7 (56.7, 155)
131 (79.0, 216)
0.71 (0.35, 1.46)
60 mg
110 (66.4, 182)
229 (138, 378)
0.48 (0.23, 0.97)
5 mg
0.500
0.500
−0.125 (−0.500, 0)
10 mg
0.500
0.500
0 (0, 0.500)
30 mg
0.500
0.625
−0.250 (−1.00, 0.750)
60 mg
1.00
0.750
0.250 (−0.500, 1.00)
tmax
(h)
a)
モデル: Log(R-138727) = 被験者のペア + 群 + 投与量 + 群 × 投与量 + 確率的誤差
a: tmax: ノンパラメトリックに解析した。中央値及び ESRD 被験者 − 健康被験者の差の中央値
198
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.11.5-3 健康被験者及び ESRD 被験者での CS-747S 5 mg、10 mg、30 mg、又は 60 mg
単回投与後の R-95913 のノンコンパートメント法による薬物動態パラメータ推定値: 海外腎
障害 PK 試験 2
幾何平均値 (%CV)
5 mg
パラメータ
Cmax
(ng/mL)
tmaxb)
(h)
AUClast
(ng·h/mL)
10 mg
健康被験者
ESRD 被験者
健康被験者
ESRD 被験者
4名
0名
4名
0名
17.9
a)
74.1
-a)
-
(47.9)
(12.3)
-a)
1.00
(0.50, 1.00)
(0.50, 0.50)
a)
27.7
-
Cmax
(ng/mL)
tmaxb)
(h)
AUClast
(ng·h/mL)
-a)
97.5
(27.2)
(29.4)
30 mg
パラメータ
-a)
0.50
60 mg
健康被験者
ESRD 被験者
健康被験者
ESRD 被験者
4名
0名
4名
0名
137
a)
230
-a)
-
(62.7)
1.00
(78.4)
a)
-
(0.25, 1.50)
280
0.75
-a)
(0.50, 2.00)
-a)
(27.1)
538
(89.5)
a: 濃度がすべて定量不可能であったため、パラメータの推定を行わなかった。
b: tmax: 中央値(範囲)
199
-a)
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.11.5-4 健康被験者及び ESRD 被験者での CS-747S 5 mg、10 mg、30 mg、又は 60 mg
単回投与後の R-119251 のノンコンパートメント法による薬物動態パラメータ推定値: 海外腎
障害 PK 試験 2
幾何平均値 (%CV)
5 mg
10 mg
健康被験者
ESRD 被験者
健康被験者
ESRD 被験者
パラメータ
4名
4名
4名
4名
Cmax
9.30
11.3
30.4
27.3
(31.8)
(25.9)
(40.7)
(49.9)
1.00
0.50
0.50
0.50
(0.50, 1.00)
(0.50, 0.50)
(0.50, 0.50)
(0.50, 1.00)
(ng/mL)
tmaxa)
(h)
AUClast
(ng·h/mL)
11.4
16.1
35.9
50.0
(46.8)
(39.0)
(23.0)
(40.4)
30 mg
パラメータ
Cmax
(ng/mL)
tmaxa)
(h)
AUClast
(ng·h/mL)
60 mg
健康被験者
ESRD 被験者
健康被験者
ESRD 被験者
4名
4名
4名
4名
82.8
78.4
115
106
(56.6)
(59.3)
(44.3)
(134)
1.00
0.50
0.75
1.25
(0.25, 1.50)
(0.50, 1.50)
(0.50, 2.00)
(1.00, 2.00)
126
175
207
348
(29.5)
(45.5)
(53.5)
(69.6)
a: tmax: 中央値(範囲)
200
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.11.5-5 健康被験者及び ESRD 被験者での CS-747S 5 mg、10 mg、30 mg、又は 60 mg
単回投与後の R-106583 のノンコンパートメント法による薬物動態パラメータ推定値: 海外腎
障害 PK 試験 2
幾何平均値 (%CV)
5 mg
パラメータ
Cmax
(ng/mL)
tmaxa)
(h)
AUClast
(ng·h/mL)
10 mg
健康被験者
ESRD 被験者
健康被験者
ESRD 被験者
4名
4名
4名
4名
27.2
16.9
69.5
55.1
(33.2)
(38.5)
(36.4)
(13.6)
1.00
0.75
0.75
0.75
(1.00, 1.00)
(0.50, 1.00)
(0.50, 1.00)
(0.50, 1.50)
130
110
383
364
(42.7)
(27.3)
(34.6)
(31.6)
30 mg
パラメータ
Cmax
(ng/mL)
tmaxa)
(h)
60 mg
健康被験者
ESRD 被験者
健康被験者
ESRD 被験者
4名
4名
4名
4名
196
122
280
160
(38.4)
(47.8)
(35.6)
(77.7)
1.25
1.00
1.00
1.75
(0.25, 1.50)
(0.50, 2.00)
(1.00, 2.00)
(1.00, 4.00)
AUClast
1050
803
1490
1180
(ng·h/mL)
(23.9)
(75.9)
(26.9)
(55.9)
a: tmax: 中央値(範囲)
11.6 薬力学の結果
ESRD 被験者及び健康被験者でのベースラインの ADP 20 μM 惹起時の MPA の算術平均値を
表 2.7.6.11.6-1 に、CS-747S 5 mg 単回経口投与後の ESRD 被験者と健康被験者との ADP 20 μM
惹起時の MPA の比較を表 2.7.6.11.6-2 に、ESRD 被験者と健康被験者との ADP 20 μM 惹起時の
MPA がベースラインに戻る日数の比較を表 2.7.6.11.6-3 に示す。
ベースライン(1 日目、投与前)の ADP 20 μM 惹起時の MPA は、ESRD 被験者のほうが健
康被験者と比べて有意に低かった。
CS-747S の 5~60 mg の単回経口投与のどの投与量においても、ADP 20 μM 惹起時の平均
MPA の程度と時間経過は、ESRD 被験者とそれにマッチングさせた健康被験者とで同様であ
った。CS-747S 5 mg 単回投与後、健康被験者、ESRD 被験者のいずれにおいても、ADP 20 μM
惹起時の MPA により評価する平均血小板凝集反応にほとんど影響を及ぼさなかった。
CS-747S
10 mg 単回投与後、ADP 20 μM 惹起時の平均 MPA に対して、その影響は両群で大きくなった
ものの、最大には至らなかった。
CS-747S 10 及び 60 mg の単回投与後、ADP 20 μM 惹起時の MPA がベースライン付近まで戻
る日の中央値(およそ 8 日目)は、両群で同様であった。CS-747S 30 mg 投与時の ADP 20 μM
惹起時の MPA は、健康被験者と比べて ESRD 被験者では、中央値で約 12 日間早くベースラ
201
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
イン付近に戻った。CS-747S 30 mg 投与時の健康被験者は、ESRD 被験者と比べてベースライ
ンの MPA の値が高かったために、MPA が投与前値に戻る時間が長かったと考えられた。
CS-747S 5 mg 投与時の ADP 20 μM 惹起時の MPA のベースラインへの回復は、血小板凝集反
応が認められなかったため算出しなかった。
VNP2Y12 検査機器を用いて得た血小板凝集率(P2Y12 reaction units: PRU)の結果は、ADP
20 μM 惹起時の MPA と同様の傾向をたどった。
表 2.7.6.11.6-1 ESRD 被験者及び健康被験者でのベースラインの MPA(ADP 20 μM 惹起時)
の算術平均値(標準偏差): 海外腎障害 PK 試験 2
平均 MPA (標準偏差)
健康
ESRD
P値
5 mg
76.1 (5.34)
64.1 (11.56)
-
10 mg
76.8 (7.35)
73.3 (4.99)
-
30 mg
83.3 (5.89)
60.4 (10.93)
-
60 mg
69.3 (7.22)
58.1 (10.31)
-
総計
76.3 (7.75)
64.0 (10.60)
0.0013
CS-747S 投与量
202
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.11.6-2 ESRD 被験者及び健康被験者に CS-747S 5 mg を単回経口投与した後の MPA
(ADP 20 μM 惹起時)の比較: 海外腎障害 PK 試験 2
被験者
MPA の最小二乗平均値
(%)
(90%信頼区間)
ESRD
72.2 (63.4, 81.0)
健康
71.4 (62.6, 80.2)
ESRD
68.0 (59.1, 76.8)
健康
70.9 (62.1, 79.7)
ESRD
80.7 (71.9, 89.5)
健康
73.2 (64.4, 82.0)
ESRD
64.5 (55.6, 73.3)
健康
72.2 (63.4, 81.0)
ESRD
76.7 (67.9, 85.5)
健康
67.7 (57.7, 77.6)
ESRD
64.7 (55.9, 73.5)
健康
73.2 (64.4, 82.0)
ESRD
59.0 (50.1, 67.8)
健康
70.7 (61.9, 79.5)
ESRD
75.6 (65.6, 85.6)
健康
72.2 (62.2, 82.2)
ESRD
76.1 (59.6, 92.6)
健康
75.2 (58.8, 91.7)
被験者数(名)
時間
ESRD
健康
1 日目
投与 2 時間後
4
4
1 日目
投与 4 時間後
4
1 日目
投与 24 時間後
4
3 日目
4
5 日目
7 日目
10 日目
12 日目
14 日目
17 日目
4
4
4
4
3
4
4
4
4
3
3
1
1
1
1
ESRD
86.1 (69.6, 103)
健康
76.2 (59.8, 92.7)
差(90%信頼区間)
(ESRD − 健康)
0.777 (−10.4, 12.0)
−2.97 (−14.2, 8.22)
7.53 (−3.67, 18.7)
−7.72 (−18.9, 3.47)
9.05 (−3.05, 21.1)
−8.47 (−19.7, 2.72)
−11.7 (−22.9, −0.529)
3.42 (−9.59, 16.4)
0.870 (−21.6, 23.3)
9.87 (−12.6, 32.3)
モデル: MPA = 1 日目の投与前の平均 MPA + 被験者のペア + 被験者のペア × 時間 + 投与量 + 群 + 投与量 × 群
+ 時間 + 群 × 時間 + 投与量 × 時間 + 投与量 × 群 × 時間 + 確率的誤差
表 2.7.6.11.6-3 ESRD 被験者と健康被験者との MPA(ADP 20 μM 惹起時)がベースラインに
戻る日数の比較: 海外腎障害 PK 試験 2
ESRD 被験者 − 健康被験者
日数の中央値
差の中央値
治験薬
ESRD
健康
(範囲: 最小値, 最大値)
P 値 a)
CS-747S 10 mg
7.50
6.00
1.50 (−22.0, 7.00)
1.000
CS-747S 30 mg
5.00
17.5
−11.5 (−20.0, −5.00)
0.125
CS-747S 60 mg
7.00
8.50
−2.50 (−9.00, 0)
0.250
a: Wilcoxon 符号付き順位和検定
11.7 安全性の結果
11.7.1 有害事象の全般的な発現状況
本治験の投与中に発現した有害事象の要約を表 2.7.6.11.7-1 に、被験者ごとの有害事象の一
覧を表 2.7.6.11.7-2 に示す。
203
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
治験期間中、ESRD 被験者 16 名中 3 名及び健康被験者 16 名中 2 名で、有害事象が発現した
が、いずれも治験薬と関連なしと判断された。
治験期間中、重度の有害事象が 7 件報告され、そのうち 2 件(無力症及び期外収縮)は健康
被験者の 1 名、5 件(無力症、嚥下性肺炎、胃腸炎、脱水、及び嘔吐)は ESRD 被験者の 1 名
に発現した。
治験期間中、出血関連の有害事象は発現しなかった。
表 2.7.6.11.7-1 有害事象発現状況: 海外腎障害 PK 試験 2
被験者
CS-747S 投与
量
(被験者数)
有害事象発
現被験者数
(%)
(すべて)
ESRD 被験者
0 (0%)
有害事象の
件数及び
重症度
(すべて)
有害事象発現
被験者数
(%)
(関連あり)a)
軽度
0
5 mg
中等度
(4 名)
重度
合計
0
軽度
1
10 mg
中等度
(4 名)
重度
合計
1
軽度
2
中等度
ESRD 被験者
ESRD 被験者
1 (25%)
1 (25%)
30 mg
(4 名)
ESRD 被験者
1 (25%)
60 mg
(4 名)
健康被験者
0 (0%)
5 mg
(4 名)
健康被験者
1 (25%)
10 mg
(4 名)
健康被験者
1 (25%)
30 mg
(4 名)
軽度
0
0
中等度
0
0
重度
0
合計
0
軽度
0
0
中等度
0
0
重度
0
合計
0
軽度
0
0
中等度
0
重度
0
重度
0
合計
2
合計
0
0 (0%)
0 (0%)
軽度
1
軽度
0
中等度
3
0 (0%)
中等度
0
重度
5
重度
0
合計
9
合計
0
軽度
0
軽度
0
中等度
0
0 (0%)
中等度
0
重度
0
重度
0
合計
0
合計
0
軽度
1
軽度
0
中等度
0
0 (0%)
中等度
0
重度
2
重度
0
合計
3
合計
0
軽度
1
軽度
0
中等度
0
0 (0%)
中等度
0
重度
0
重度
0
合計
1
合計
0
軽度
0
軽度
0
60 mg
中等度
0
中等度
0
(4 名)
重度
0
重度
0
合計
0
合計
0
健康被験者
0 (0%)
0 (0%)
有害事象の件
数及び
重症度
(関連あり)a)
0 (0%)
a: 治験薬との因果関係が「関連している可能性あり(possible)」もしくは「おそらく関連あり(probable)」である
有害事象
204
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.11.7-2 被験者ごとの有害事象の一覧: 海外腎障害 PK 試験 2
被験者
CS-747S 投与量
基本語
発現日
発現期間
重症度
重篤度
治験薬と
の
因果関係
処置
転帰
健康被験者
30 mg
発疹
(発疹)
投与 16 日後
2 日間
軽度
非重篤
関連なし
無
回復
健康被験者
10 mg
左目の充血
(眼充血)
投与 1 日後
1 日間
軽度
非重篤
関連なし
無
回復
脱力
(無力症)
投与 1 日後
1 日間未満
重度
非重篤
関連なし
有
回復
二段脈
(期外収縮)
投与 1 日後
3 日間未満
重度
重篤
関連なし
有
回復
ESRD 被験者
60 mg
ESRD 被験者
30 mg
ESRD 被験者
10 mg
低血圧
(低血圧)
投与 9 日以内
不明
中等度
非重篤
関連なし
有
回復
脱力
(無力症)
投与 9 日以内
不明
重度
非重篤
関連なし
有
回復
誤嚥性肺炎
(嚥下性肺炎)
投与 9 日以内
9 日以内
重度
重篤
関連なし
有
回復
咳嗽
(咳嗽)
投与 9 日以内
不明
中等度
非重篤
関連なし
有
回復
発熱
(発熱)
投与 9 日以内
不明
軽度
非重篤
関連なし
有
回復
息切れ
(呼吸困難)
投与 9 日以内
不明
中等度
非重篤
関連なし
有
回復
胃腸炎
(胃腸炎)
投与 9 日以内
1 日間未満
重度
重篤
関連なし
有
回復
脱水
(脱水)
投与 9 日以内
1 日間未満
重度
重篤
関連なし
有
回復
嘔吐
(嘔吐)
投与 9 日未満
1 日間未満
重度
非重篤
関連なし
有
回復
脱力
(無力症)
投与 1 日未満
1 日間未満
軽度
非重篤
関連なし
無
回復
ブドウ糖上昇
(血中ブドウ糖増加)
投与 1 日未満
1 日間未満
軽度
非重篤
関連なし
有
回復
胃痛
(上腹部痛)
投与 4 日未満
1 日間未満
軽度
非重篤
関連なし
無
回復
MedDRA/J ver. 9.0
11.7.2 死亡及び重篤な有害事象
本治験期間中に死亡は認められなかった。
治験期間中、2 名の被験者に重篤な有害事象が発現した。
そのうち 1 名(54 歳女性健康被験者)に発現したのは期外収縮(症例報告書に記載された
事象名は[二段脈]
)であった。この有害事象は重度と判断され、重度の無力症(症例報告書
に記載された事象名は[脱力]
)と同時期に発現した。
他の 1 名(61 歳男性 ESRD 被験者)に発現したのは嚥下性肺炎、胃腸炎、及び脱水(すべ
て CS-747S 60 mg 単回投与約 9 日後に発現)であり、被験者は入院した。これらの有害事象は
重度と判断され、重度の無力症及び嘔吐、中等度の低血圧、咳嗽、及び呼吸困難、軽度の発熱
と時間的に関連していた。嚥下性肺炎は 9 日後に回復し、胃腸炎、脱水、及び嘔吐の持続期間
はいずれも 1 日未満であった。低血圧及び無力症の持続期間は不明であった。
205
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
以上の有害事象のうち、治験責任医師により治験薬との因果関係が関連ありと判断されたも
のはなかった。
11.7.3 有害事象による治験中止
ESRD 被験者の 1 名が、嚥下性肺炎の結果、治験を中止した。
11.7.4 臨床検査値の評価
ESRD 被験者及び健康被験者において、CS-747S 投与後に測定した臨床検査のいずれの項目
にも、臨床的に重要な変化は認められなかった。
数名の健康被験者において、入院時及び/又は治験後の評価において正常範囲外の値が認め
られたが、これらの所見のいずれも、治験責任医師により臨床的に重要と判断されなかった。
健康被験者は全員、スクリーニング時に腎機能が正常(推定クレアチニンクリアランスが
80 mL/min 以上)であった。
11.8 結論
全般に、R-138727 の全身曝露量(AUClast)は ESRD 被験者のほうが、健康被験者と比べて
低い傾向が認められた。
CS-747S 5~60 mg 単回投与後、ADP 20 μM 惹起時の平均 MPA の程度及び時間経過は、ESRD
被験者とそれにマッチングさせた健康被験者とで同様であった。CS-747S 10~60 mg 単回投与
後の血小板凝集反応の回復は、ESRD 被験者とそれにマッチングさせた健康被験者とで同様で
あった。
VNP2Y12 での PRU として得られた血小板凝集率の結果は、LTA 法を用いて認められた ADP
20 μM 惹起時の MPA と同様の傾向であった。
CS-747S は、5~60 mg を単回経口投与したとき、ESRD 被験者及び健康被験者において安全
かつ忍容性が良好であると考えられた。治験期間中、治験薬と関連のある有害事象又は出血関
連の有害事象は発現しなかった。
本治験の結果から、ESRD 患者に対して CS-747S の投与量の調整は必要ないと考えられた。
206
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.12.1-1 治験方法の概略: 海外肝障害 PK 試験 1(2/4)
対象(続き)
1.3 軽度又は中等度の肝機能障害を有する被験者
•
Child-Pugh 分類 2)でスコアが A 又は B(軽度又は中等度の障害)の安定した肝硬
変(アルコール性、肝炎後、胆汁性、特発性)を有する男性又は女性。
•
治験責任医師の判断により、臨床検査値に当該被験者の肝機能障害に相応の逸脱
が認められる者、又は本治験に際して臨床的に重要となる状態が他に認められな
い者。
Child-Pugh 分類
1点
2点
3点
血清アルブミン(g/dL)
>3.5
2.8~3.5
<2.8
血清総ビリルビン(mg/dL)
<2.0
2.0~3.0
>3.0
<4
4~6
>6
プロトロンビン時間の INR
<1.70
1.7~2.3
>2.30
腹水(臨床症状)
なし
軽度
中等度
脳症のグレード
なし
1 又は 2
3 又は 4
プロトロンビン時間(延長の秒数)
又は
Child-Pugh 分類 A: 5~6 点、Child-Pugh 分類 B: 7~9 点、Child-Pugh 分類 C: 10~15
点。
INR: 国際標準化比(被験者のプロトロンビン時間/正常血漿プールのプロトロンビ
ン時間)
2. 除外基準
2.1 全被験者
•
本治験に直接関与する実施医療機関の職員及びその近親者、又はイーライ・リリ
ーの被雇用者。近親者とは、配偶者、両親、子供、兄弟姉妹(血縁関係の有無を
問わない)と定義する。
•
スクリーニング前 3 ヵ月以内の大手術の既往歴を有する者。
•
治験最終日から 14 日以内に手術が予定されている者。
•
眼底検査又は点状出血の検査で臨床的に重要な異常が認められた者。
•
重大な活動性神経精神疾患の明らかな徴候が認められる者。
•
重大な出血性障害(吐血、下血[スクリーニング前 3 ヵ月以内]
、重度又は再発
性の鼻出血、喀血、血尿又は頭蓋内出血)が認められる者、又はその既往歴を有
する者。
•
スクリーニング時の便潜血反応が陽性の者。
•
標準 12 誘導心電図検査に臨床的に重要な異常が認められる者。
•
乱用薬物の常習者及び/又は尿薬物スクリーニング検査で許容できない陽性所
見が認められた者(肝機能障害・肝疾患を有する被験者における睡眠導入薬又は
鎮痛薬の尿薬物スクリーニング検査陽性は許容できる所見と判断する)
。
•
重度のアレルギー又は複数の副作用の既往歴のある者。
•
入院 21 日前以内にアスピリン、その他の非ステロイド性消炎鎮痛剤、及びその
他の抗血小板薬もしくは抗凝固薬の投与を受けている者、又はその予定のある
者。
•
いずれの適応症についても規制当局の承認を受けていない薬剤の投与を治験薬
初回投与 30 日前以内に受けた者。
•
CS-747S 又は類縁物質(クロピドグレル硫酸塩又はチクロピジン塩酸塩)に対す
る既知のアレルギーを有する者。
•
過去に本治験を完了もしくは中止したことがある者、又は他の CS-747S の治験に
参加したことがある者。
•
臓器移植を受けている者。
208
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.12.1-1 治験方法の概略: 海外肝障害 PK 試験 1(3/4)
対象(続き)
•
過去 3 ヵ月以内に 500 mL を超える献血を行った者、又は過去 1 ヵ月以内に献血
を行った者。
•
妊娠検査で陽性の女性、又は授乳中の女性。
•
ヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus: HIV)が認められる、及び
/又は HIV 抗体が陽性の者。
•
投与前 3 日以内に熱性疾患を呈した者。
•
本治験の入院 1 週間前以内に生薬製剤を投与された者。
•
週当たりの平均アルコール摂取量が男性で 21 単位、女性で 14 単位を超える者、
又は治験期間中の禁酒を守れない者(1 単位 = ビール 12 オンス又は 360 mL、
ワイン 5 オンス又は 150 mL、蒸留酒 1.5 オンス又は 45 mL)。
•
治験前の理学的検査、心電図、臨床(安全性)検査の結果を治験責任医師が検討
した結果、臨床的に重要なその他の異常が認められた者。
2.2 対照被験者
•
心血管系、呼吸器系、肝臓、腎臓、消化器系、内分泌系、血液系、神経系のいず
れかの障害のうち、薬剤の吸収・代謝・排泄に著明な変化を及ぼすか、又は治験
薬投与により危険を生じるか、又はデータ解釈が困難となる恐れのある障害が認
められる者、又はその既往歴を有する者。
•
凝固系又は出血性障害の既往歴や家族歴を有する者、又は脳出血や動脈瘤、若年
性脳卒中(65 歳未満での脳血管発作)などの血管奇形が合理的に疑われる者。
•
スクリーニング時にプロトロンビン時間又は活性化部分トロンボプラスチン時
間に正常範囲外の延長が認められる者、又は血小板数に正常範囲外の値が認めら
れる者。
•
一般薬(ビタミン又はミネラルのサプリメントは除く)又は処方薬(甲状腺ホル
モン補充療法などのホルモン補充療法又は経口避妊薬は除く)をそれぞれ治験薬
投与 7 及び 14 日前以内に投与される予定のある者。そのような状況が生じた場
合、その他の点では適格な被験者については治験責任医師の判断により決定す
る。
•
C 型肝炎ウイルス抗体が陽性の者。
•
B 型肝炎ウイルス表面抗原が陽性の者。
2.3 軽度又は中等度の肝機能障害を有する被験者
•
肝機能障害の原因となる疾患又は肝機能障害に関連する疾患以外で、治験薬服用
に際しリスクとなる又はデータ解釈を妨げる重要な活動性疾患の証拠がある者。
•
重度の肝機能障害(Child-Pugh 分類 C)を有すると分類された者。
•
プロトロンビン時間の INR が 1.70 を超える者。
•
ヘモグロビンが 9.0 g/dL 未満の者。
•
血小板数が 50 × 109 個/L 未満の者。50 × 109 個/L 未満の値は、治験責任医師が
治験依頼者と協議して判断し、認められる場合がある。
•
重度の低 Na 血症(Na が 120 mmol/L 未満)を有する者。
•
関連する重度の胆汁うっ滞(血清総ビリルビンが 15 mg/dL を超える)を有する
者。
•
重度の脳症(グレード 3~4/Child-Pugh 分類)を有する者。
•
Child-Pugh 分類 B の者で重度の腹水を有する者。
•
肝細胞癌を有する者。
•
以下の Cockcroft-Gault 式(Cockcroft and Gault 1976)によるクレアチニンクリア
ランスが 50 mL/min 以下により示される肝腎症候群が認められる者。
•
•
•
クレアチニンクリアランス = (140 − 年齢 [歳] ) × 体重 (kg) (× 0.85)*
血清クレアチニン (mg/dL) × 72
*女性患者の場合
治験 1 日目の 6 ヵ月以内に特発性細菌性腹膜炎が生じた者。
治験 1 日目の 6 ヵ月以内に静脈瘤出血が生じた者。
入院前 30 日以内に肝代謝を阻害することが知られている併用薬(すなわちバル
ビツール酸系薬剤、フェノチアジン系薬剤、又は強力なチトクローム P450 3A4
阻害薬/誘導薬)の投与を受けた者。
209
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.12.1-1 治験方法の概略: 海外肝障害 PK 試験 1(4/4)
治験デザイン
本治験は、軽度及び中等度の肝機能障害を有する被験者を対象とし、肝機能が正常な
被験者からなる対照群を設定した、並行デザイン、非盲検、単回・反復投与、3 部構
成の試験であった。
パート 1: 1 日目に軽度肝機能障害(Child-Pugh 分類 A)を有する被験者 4 名に CS-747S
60 mg を単回投与した。これらの被験者から得た安全性データをレビューし
て満足すべきものであった場合、本治験のパート 2 に移行した。
パート 2: 1 日目に中等度肝機能障害(Child-Pugh 分類 B)を有する被験者 10 名に
CS-747S 60 mg を単回投与した。
パート 3: パート 2 が問題なく完了した場合、中等度肝機能障害被験者は 2 週間の休
薬期間の後にパート 3 のために再来院し、1 日目に CS-747S LD 60 mg の単
回投与を受けた後、2~6 日目に CS-747S MD 10 mg 5 日間連日投与を受ける
ことができた。
健康被験者 20 名には、1 日目に CS-747S LD 60 mg を単回投与した。健康被験者は、
年齢(±10 歳)
、性別、及び体重(±10 kg)がパート 2 に組み入れられた被験者とでき
る限り対応するようにした。
それぞれのパートが終了し退院後、被験者は退院約 14 日後に追跡調査のため再来院
した。
目標被験者数
健康被験者 20 名、中等度肝機能障害被験者 10 名、軽度肝機能障害被験者 4 名
治験薬
CS-747S 10 mg 錠(ロット番号: CT518165)
用法・用量
CS-747S は LD 60 mg(CS-747S 10 mg 錠を 6 錠)を経口投与し、その後 MD 10 mg
(CS-747S 10 mg 錠を 1 錠)を連日投与した。
観察・検査スケジ
ュール
表 2.7.6.12.1-2 及び表 2.7.6.12.1-3 参照
評価項目
1. 安全性
有害事象、バイタルサイン、標準 12 誘導心電図、臨床検査値、理学的検査
2. 薬物動態/薬力学
CS-747S の活性代謝物(R-138727)及び不活性代謝物(R-95913、R-106583、R-119251)
の血漿中濃度
血小板凝集率(アデノシン二リン酸[adenosine 5'-diphosphate: ADP]5 及び 20 μM 並
びにコラーゲン 2 μg/mL により惹起)
統計解析手法
薬物動態: R-138727、R-95913、R-106583、R-119251 の薬物動態パラメータ推定値をノ
ンコンパートメント法を用いて算出した。薬物動態パラメータは、AUClast、Cmax、tmax
であった。
統計手法: 本治験はハリケーンにより早期中止されたため、予定されていた推測統計
解析は実施されなかった。薬物動態データ及び薬力学データの要約統計量のみを示
す。
210
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.12.1-2 観察・検査スケジュール – 単回投与(パート 1 及びパート 2): 海外肝障害 PK 試験 1
治験日
心電図検査
理学的検査
臨床検査
妊娠検査
スクリーニング
−1
入院
1
X
X
X
X
X
X
治験薬投与
X
(投与前, 投与 1,
2, 6 時間後)
身長及び
体重
X
Xc)
X
2
X
(投与 24 時間後)
3
退院
X
X
X
追跡調査
X
X
X
Xc)
X
a: 仰臥位及び立位の血圧、脈拍数。
b: 仰臥位の血圧及び脈拍数のみ。
c: 体重のみ。
*: −1 日目に投与前の検体を採取することも可とした。
211
バイタルサイン
薬力学用
検体採取
薬物動態用
検体採取
Xa)
Xb)
Xb)
X
X
(投与前,
(投与前*, 投与 (投与 0.25, 0.5, 1,
投与 2, 6 時間後) 1, 2, 4, 6 時間後) 2, 4, 6, 9, 12 時間
後)
Xb)
X
X
(投与 24 時間後) (投与 24 時間後) (投与 24, 36 時間
後)
X
Xb)
X
(投与 48 時間後) (投与約 48 時間
後)
Xb)
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.12.1-3 観察・検査スケジュール – 反復投与(パート 3): 海外肝障害 PK 試験 1
治験日
心電図検査
理学的検査
臨床検査
妊娠検査
スクリーニング
−1
入院
1
X
X
X
X
X
X
2
3~5
6
X
(投与前, 投
与 1, 2, 6 時間
後)
X
(MD 投与前
及び投与
1 時間後)
X
(MD 投与前
及び投与
1 時間後)
X
(MD 投与前
及び投与
1 時間後)
治験薬投与
身長及び
体重
X
Xc)
薬力学用
検体採取
薬物動態用
検体採取
Xa)
Xb)
LD
Xb)
(投与前, 投与
2, 6 時間後)
MD
Xb)
(MD 投与前及び
投与 2 時間後)
MD
Xb)
(投与前及び投与 2
時間後)
MD
X
X
Xb)
(投与前及び投与 2 (投与前, 投与
(投与前, 投与
時間後)
1, 2, 4, 6 時間後) 0.25, 0.5, 1, 2, 4, 6, 9,
12 時間後)
X
X
(投与 24 時間後) (投与 24 及び
36 時間後)
Xb)
X
X
(投与 48 時間後) (投与 48 時間後)
Xb)
7
8
X
X
X
退院
X
X
X
追跡調査
a: 仰臥位及び立位の血圧、脈拍数。
b: 仰臥位の血圧及び脈拍数のみ。
c: 体重のみ。
*: −1 日目に投与前の検体を採取することも可とした。
バイタルサイン
Xc)
X
212
X
X
(投与前*, 投与 (投与 0.25, 0.5, 1,
1, 2, 4, 6 時間後) 2, 4, 6, 9, 12 時間後)
X
X
(投与 24 時間後) (投与 24 時間後)
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
12.1.2 用法・用量の設定根拠
LD は、海外 ACS 第 III 相試験の LD 及び予定される臨床推奨用量の LD である 60 mg とし
た。MD は、中等度肝機能障害被験者に 10 mg を 1 日 1 回、維持投与したときの影響を評価す
るために 10 mg とした。
12.2 被験者の内訳
本治験は、2005 年のハリケーン・カトリーナにより実施医療機関が甚大な被害を受けたた
め早期中止された。23 名の被験者が本治験に組み入れられ、CS-747S 60 mg の単回投与を受け
た(軽度肝機能障害被験者 4 名、中等度肝機能障害被験者 8 名、健康被験者 11 名)
。中等度肝
機能障害被験者 8 名中 7 名が再来院して反復投与期間を完了し、CS-747S LD 60 mg の単回投
与を受けた後、5 日間にわたり CS-747S MD 10 mg の投与を受けた。
2 名の被験者が治験を完了しなかった。中等度肝機能障害被験者 1 名及び健康被験者 1 名が
追跡不能となった。いずれも CS-747S LD 60 mg の単回投与を受け、各自の投与期を完了して
いた。
ハリケーンによる被害が長引いたことによって、実施医療機関が健康被験者 1 名のデータを
紛失したため、この被験者のデータは除外した。
12.3 解析対象
安全性の評価は、本治験に組み入れた 22 名の被験者から入手できた全データを対象とした。
12.4 被験者背景
41~65 歳の 22 名の被験者を本治験に組み入れた。被験者のうち 4 名(全員男性)が軽度と
分類される(Child-Pugh 分類 A、5~6 点)安定した肝硬変を有し、8 名(女性 6 名、男性 2 名)
が中等度と分類される(Child-Pugh 分類 B、7~9 点)安定した肝硬変を有し、10 名(女性 6
名、男性 4 名)が明らかな肝疾患を有しない健康被験者であった。被験者の大半がアフリカ系
カリブ人又は白人であった。
平均年齢及び BMI は 3 群で同様であった。中等度肝機能障害被験者のうち 5 名にそれぞれ
健康対照被験者 2 名を、年齢(±10 歳)、性別、体重(±11 kg)についてマッチングさせた。
スクリーニング時及び入院時の乱用薬物、エタノール、便潜血反応(スクリーニング時のみ)
の検査結果は、中等度肝機能障害被験者 2 名でベンゾジアゼピン誘導体が尿中に検出された以
外、全員陰性であった。スクリーニング時及び治験後の妊娠検査結果はすべて陰性であった。
全健康被験者で、スクリーニング時の血液学的検査及び血液生化学検査結果は陰性であった。
C 型肝炎ウイルスのスクリーニングは、軽度肝機能障害被験者全員及び中等度肝機能障害被験
者 8 名中 5 名において陽性であった。スクリーニング時の B 型肝炎及び HIV の検査結果は、
B 型肝炎検査で陽性であった被験者 1 名(中等度肝機能障害被験者)以外、全員陰性であった。
213
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
12.5 薬物動態の結果
軽度及び中等度の肝機能障害を有する被験者並びに健康被験者における、CS-747S LD 60 mg
投与及び MD 10 mg 5 日間連日投与後の各代謝物の薬物動態パラメータ推定値を表 2.7.6.12.5-1
~表 2.7.6.12.5-4 に示す。
CS-747S 代謝物の薬物動態は、健康被験者と中等度肝機能障害被験者とで同様であると考え
られた。平均濃度-時間プロファイル及び推定曝露量は同様であったが、例外として、中等度
肝機能障害被験者のほうが健康被験者と比べ、R-119251 の曝露量が高いと考えられ、R-106583
の曝露量が低い傾向が認められた。治験の両方のパート全体で平均したところ、Cmax 及び
AUClast に基づく R-119251 の曝露量の幾何平均値は、中等度肝機能障害被験者のほうが健康被
験者と比べて 60%高いと考えられ、R-106583 の曝露量は 24%低いと考えられた。
軽度肝機能障害被験者は評価したのが 4 名のみであることから、軽度肝機能障害被験者と健
康被験者との幾何平均値の直接比較から明確な結論は出ないが、CS-747S の活性代謝物及び不
活性代謝物の曝露量は両群で同様であった。
表 2.7.6.12.5-1 CS-747S LD 60 mg 投与及び MD 10 mg 5 日間連日投与後のノンコンパートメ
ント法による R-138727 の薬物動態パラメータ推定値: 海外肝障害 PK 試験 1
幾何平均値 (%CV)
パラメータ
健康被験者
軽度肝機能障害を
有する被験者
中等度肝機能障害
を有する被験者
中等度肝機能障害
を有する被験者
10 名
4名
8名
7名
パート 1
パート 2
パート 3
Cmax
(ng/mL)
tmaxa)
(h)
AUClast
(ng•h/mL)
438
(40.7)
0.50
(0.50, 1.00)
464
(34.7)
Cmax
(ng/mL)
tmaxa)
(h)
AUClast
(ng•h/mL)
―b)
CS-747S LD 60 mg
384
430
(35.6)
(44.6)
0.50
0.50
(0.48, 0.50)
(0.50, 1.00)
361
484
(47.6)
(53.3)
CS-747S MD 10 mg
―b)
―b)
―b)
―b)
―b)
―b)
―b)
―b)
a: 中央値(範囲)
b: データを収集せず
214
486
(46.7)
0.50
(0.50, 1.05)
470
(41.9)
62.4
(48.8)
0.50
(0.50, 2.00)
67.1
(36.2)
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.12.5-2 CS-747S LD 60 mg 投与及び MD 10 mg 5 日間連日投与後のノンコンパートメ
ント法による R-95913 の薬物動態パラメータ推定値: 海外肝障害 PK 試験 1
幾何平均値 (%CV)
健康被験者
パラメータ
10 名
Cmax
(ng/mL)
tmaxa)
(h)
AUClast
(ng•h/mL)
194
(69.6)
0.75
(0.50, 1.00)
487
(50.7)
Cmax
(ng/mL)
tmaxa)
(h)
AUClast
(ng•h/mL)
―b)
軽度肝機能障害を
有する被験者
中等度肝機能障害
を有する被験者
中等度肝機能障害
を有する被験者
4名
8名
7名
パート 1
パート 2
パート 3
CS-747S LD 60 mg
209
199
(55.0)
(24.3)
0.50
0.50
(0.48, 1.00)
(0.25, 1.00)
416
462
(34.4)
(24.5)
CS-747S MD 10 mg
b)
―
―b)
―b)
―b)
―b)
―b)
―b)
―b)
181
(27.2)
0.50
(0.50, 1.05)
373
(39.0)
45.4
(35.1)
0.50
(0.50, 2.00)
85.5
(36.6)
a: 中央値(範囲)
b: データを収集せず
表 2.7.6.12.5-3 CS-747S LD 60 mg 投与及び MD 10 mg 5 日間連日投与後のノンコンパートメ
ント法による R-119251 の薬物動態パラメータ推定値: 海外肝障害 PK 試験 1
幾何平均値 (%CV)
健康被験者
パラメータ
10 名
Cmax
(ng/mL)
tmaxa)
(h)
AUClast
(ng•h/mL)
192
(45.6)
1.00
(0.50, 1.00)
345
(51.0)
Cmax
(ng/mL)
tmaxa)
(h)
AUClast
(ng•h/mL)
―b)
軽度肝機能障害を
有する被験者
中等度肝機能障害
を有する被験者
中等度肝機能障害
を有する被験者
4名
8名
7名
パート 1
パート 2
パート 3
CS-747S LD 60 mg
170
295
(51.6)
(45.3)
0.74
0.78
(0.50, 1.00)
(0.50, 1.00)
350
655
(90.3)
(60.5)
CS-747S MD 10 mg
b)
―
―b)
―b)
―b)
―b)
―b)
―b)
―b)
a: 中央値(範囲)
b: データを収集せず
215
414
(66.5)
0.50
(0.50, 1.05)
708
(58.3)
63.9
(65.8)
0.50
(0.50, 2.00)
107
(59.5)
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.12.5-4 CS-747S LD 60 mg 投与及び MD 10 mg 5 日間連日投与後のノンコンパートメ
ント法による R-106583 の薬物動態パラメータ推定値: 海外肝障害 PK 試験 1
幾何平均値 (%CV)
健康被験者
パラメータ
10 名
Cmax
(ng/mL)
tmaxa)
(h)
AUClast
(ng•h/mL)
356
(29.9)
1.00
(1.00, 1.05)
2290
(39.9)
Cmax
(ng/mL)
tmaxa)
(h)
AUClast
(ng•h/mL)
―b)
軽度肝機能障害を
有する被験者
中等度肝機能障害
を有する被験者
中等度肝機能障害
を有する被験者
4名
8名
7名
パート 1
パート 2
パート 3
CS-747S LD 60 mg
265
258
(36.3)
(38.9)
0.99
1.00
(0.50, 1.00)
(1.00, 2.00)
1490
1930
(43.6)
(46.9)
CS-747S MD 10 mg
b)
―
―b)
―b)
―b)
―b)
―b)
―b)
―b)
270
(25.6)
1.00
(0.50, 2.00)
1630
(39.7)
58.2
(48.4)
1.00
(1.00, 2.00)
377
(40.5)
a: 中央値(範囲)
b: データを収集せず
12.6 薬力学の結果
軽度及び中等度の肝機能障害を有する被験者並びに健康被験者における CS-747S LD 60 mg
の単回投与及び MD 10 mg の 5 日間連日投与後の、ADP 20 μM 惹起時の最大血小板凝集率
(MPA)を表 2.7.6.12.6-1 に示す。
軽度肝機能障害被験者と健康被験者とで、ベースライン(投与前)の ADP 20 μM 惹起時の
MPA は同様であった(約 70%)
。パート 2 において、中等度肝機能障害被験者のベースライン
の平均 MPA は、健康被験者及び軽度肝機能障害被験者と比べて約 15%低かった。しかし、パ
ート 3 においては、中等度肝機能障害被験者におけるベースラインの MPA は、健康被験者及
び軽度肝機能障害被験者と同様であった。健康被験者並びに軽度及び中等度の肝機能障害を有
する被験者に対する CS-747S LD 60 mg 投与後の平均 MPA の推移は同様であった。
216
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.12.6-1 CS-747S LD 60 mg 投与及び MD 10 mg 5 日間連日投与後の MPA(ADP 20 μM
惹起): 海外肝障害 PK 試験 1
平均(±SD) MPA (%)
健康被験者
軽度肝機能障害を
有する被験者
中等度肝機能障害
を有する被験者
中等度肝機能障害
を有する被験者
パート 1
パート 2
パート 3
4名
8名
7名
日
時間 (h)
10 名
1 日目
投与前
1
2
4
6
24
48
70.2 (14.5)
8.5 (8.1)
8.6 (7.5)
9.3 (7.4)
6.0 (7.9)
10.3 (6.4)
13.6 (10.2)
6 日目
投与前
1
2
4
6
24
―a)
―a)
―a)
―a)
―a)
―a)
―a)
―a)
―a)
―a)
―a)
―a)
―a)
―a)
―a)
―a)
―a)
―a)
15.0 (9.3)
14.1 (9.7)
12.6 (8.5)
9.0 (7.4)
7.1 (5.8)
15.9 (10.4)
48
―a)
―a)
―a)
21.0 (17.8)
CS-747S LD 60 mg
70.5 (18.4)
54.9 (15.9)
15.8 (10.6)
3.1 (4.4)
9.3 (7.4)
1.0 (2.1)
12.0 (13.8)
7.0 (8.5)
8.5 (5.5)
4.5 (6.2)
21.0 (15.0)
6.6 (5.8)
25.3 (15.4)
9.0 (8.4)
CS-747S MD 10 mg
66.1 (15.8)
3.9 (5.2)
5.3 (7.2)
8.7 (8.2)
6.4 (4.9)
13.6 (8.1)
―a)
a: データを収集せず
12.7 安全性の結果
12.7.1 有害事象
本治験の治験薬投与中の有害事象発現状況を表 2.7.6.12.7-1 に、治験薬との因果関係が関連
ありと判断された有害事象の発現状況を表 2.7.6.12.7-2 に、出血関連の有害事象(治験薬との
因果関係を問わない)の発現頻度を表 2.7.6.12.7-3 に、すべての有害事象の被験者別の一覧を
表 2.7.6.12.7-4 に示す。
CS-747S LD 60 mg の単回経口投与は、健康被験者並びに軽度及び中等度の肝機能障害を有
する被験者において忍容性が良好であった。CS-747S MD 10 mg の 1 日 1 回投与も、中等度肝
機能障害被験者において忍容性が良好であった。治験期間中に発現した有害事象はすべて軽度
であった。死亡及び他の重篤な有害事象、並びに治験の中止に至った有害事象の発現はなかっ
た。
CS-747S LD 60 mg 投与後に軽度及び中等度の肝機能障害を有する被験者で発現した有害事
象で、治験薬と関連ありと判断されたものはなかった。LD 60 mg 投与後に健康被験者で発現
した有害事象の発現率、及び MD 10 mg 連日投与後に中等度肝機能障害被験者で発現した有害
事象の発現率は低かった。パート 3 での中等度肝機能障害被験者で、有害事象はすべて 2~6
日目(すなわち CS-747S の MD 初回投与から最終投与)の投与後に発現した。
健康被験者又は軽度肝機能障害被験者では、出血関連の有害事象は発現しなかった。中等度
肝機能障害被験者 4 名で、本治験のパート 2 及びパート 3 にて軽度の出血関連の有害事象が発
217
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
現した。
表 2.7.6.12.7-1 有害事象発現状況: 海外肝障害 PK 試験 1
被験者
CS-747S 投与量
被験者数
有害事象が発現し
た被験者 (%) (因
果関係を問わない)
3 (30%)
健康被験者
LD 60 mg
10 名
軽度肝機能障害被
験者
LD 60 mg
パート 1 4 名
中等度肝機能障害
被験者
LD 60 mg
パート 2 8 名
中等度肝機能障害
被験者
LD
60 mg/MD
10 mg
パート 3 7 名
1 (25%)
1 (13%)
4 (57%)
有害事象が発現し
有害事象の発現件数及
た被験者 (%) (治
び重症度
験薬との因果関係
(因果関係を問わない)
が関連あり a))
2 (20%)
有害事象の発現件数
及び重症度
(治験薬との因果関
係が関連あり a))
軽度
7
軽度
2
中等度
0
中等度
0
重度
0
重度
0
合計
7
合計
2
軽度
1
軽度
0
中等度
0
中等度
0
重度
0
重度
0
合計
1
合計
0
0 (0%)
軽度
1
軽度
0
中等度
0
0 (0%)
中等度
0
重度
0
重度
0
合計
1
合計
0
軽度
6
軽度
3
中等度
0
2 (29%)
中等度
0
重度
0
重度
0
合計
6
合計
3
a: 治験薬との因果関係が「関連している可能性あり(possible)」又は「おそらく関連あり(probable)」である有害事象
表 2.7.6.12.7-2 治験薬との因果関係が関連ありの有害事象の発現状況: 海外肝障害 PK 試験 1
有害事象を発現した被験者数
基本語
頭痛
健康被験者
LD 60 mg
10 名
軽度肝機能障害
被験者
LD 60 mg
4名
中等度肝機能障害
被験者
LD 60 mg
8名
中等度肝機能障害
被験者
LD 60 mg/MD 10 mg
7名
2
挫傷
1
処置後出血
1
総計
2
0
0
2
MedDRA/J ver. 8.0
治験薬との因果関係が「関連している可能性あり(possible)」又は「おそらく関連あり(probable)」である有害事象を、
治験薬との因果関係が「関連あり」とした。
218
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.12.7-3 出血関連の有害事象の発現状況: 海外肝障害 PK 試験 1
有害事象を発現した被験者数(有害事象発現件数)
健康被験者
LD 60 mg
10 名
基本語
軽度肝機能障害
被験者
LD 60 mg
4名
中等度肝機能障害を
有する被験者
LD 60 mg
8名
中等度肝機能障害を
有する被験者
LD 60 mg/MD 10 mg
7名
挫傷
1
耳出血
1
処置後出血
0
総計
0
1
1
1
3
MedDRA/J ver. 8.0
表 2.7.6.12.7-4 被験者ごとの有害事象の一覧: 海外肝障害 PK 試験 1
被験者
CS-747S 用量
被験者
番号
パート
基本語
軽度肝機能障害被
験者
LD 60 mg
103
1
起坐呼吸
中等度肝機能障害
被験者
LD 60 mg/MD
10 mg
201
3
処置後出血
中等度肝機能障害
被験者
LD 60 mg/MD
10 mg
202
3
頭痛
中等度肝機能障害
被験者
LD 60 mg/MD
10 mg
206
3
中等度肝機能障害
被験者
LD 60 mg/MD
10 mg
207
3
中等度肝機能障害
被験者
LD 60 mg/MD
10 mg
208
2
処置後出血
健康被験者
LD 60 mg
306
1
健康被験者
LD 60 mg
307
1
健康被験者
LD 60 mg
1
投与 6 時間後
5 時間未満
重症度
重篤度
軽度
非重篤
治験薬と
の
因果関係
処置
転帰
関連なし
無
回復
2 日目投与 3 時間後
5 分間
軽度
非重篤
関連あり
有
回復
最終投与 1 日未満
4 時間
軽度
非重篤
関連なし
無
回復
最終投与 8 日後
1 日間
軽度
非重篤
関連なし
無
回復
皮膚刺激
4 日目投与 1 時間後
4 時間未満
軽度
非重篤
関連なし
無
回復
挫傷
2 日目投与 7 時間後
18 日間未満
軽度
非重篤
関連あり
無
回復
挫傷
3 日目投与 1 日未満
16 日間以内
軽度
非重篤
関連あり
無
回復
投与 1 日未満
不明
軽度
非重篤
関連なし
無
未回
復
湿性咳嗽
投与 6 日後
30 日間未満
軽度
非重篤
関連なし
有
回復
呼吸困難
投与 11 時間後
1 時間未満
軽度
非重篤
関連なし
無
回復
パニック反
応
投与 11 時間後
1 分間未満
軽度
非重篤
関連なし
無
回復
頭痛
投与 13 時間後
8 時間未満
軽度
非重篤
関連あり
無
回復
頭痛
投与 2 日未満
12 時間
軽度
非重篤
関連なし
無
回復
頭痛
投与 1 時間未満
11 時間未満
軽度
非重篤
関連あり
無
回復
投与 2 日後
3 時間未満
軽度
非重篤
関連なし
無
回復
耳出血
309
発現日
発現期間
背部痛
MedDRA/J ver. 8.0
治験薬との因果関係が「関連している可能性あり(possible)」又は「おそらく関連あり(probable)」である有害事象を、治
験薬との因果関係が「関連あり」とした。
219
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
12.7.2 臨床検査値の評価
健康被験者において、CS-747S 60 mg の投与後に測定した臨床検査のいずれの項目にも、臨
床的に重要な変化は認められなかった。数名の健康被験者において、正常範囲外の値が散発的
に認められたが、これらの所見はいずれも治験責任医師により臨床的に重要とは判断されなか
った。
軽度及び中等度の肝機能障害を有する被験者には全般に、スクリーニング時、入院時、3 日
目、治験後に肝機能検査の項目(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、アラニンアミノ
トランスフェラーゼ、γ-グルタミルトランスフェラーゼ)に上昇が認められたが、被験者の病
態によるものであると考えられた。これらの被験者において、その他の臨床検査のいずれの項
目にも、臨床的に重要な変化は認められなかった。
12.8 結論
健康被験者と中等度肝機能障害被験者とで、CS-747S の活性代謝物の曝露量に大きな違いは
認められなかった。CS-747S LD 60 mg 投与後の軽度及び中等度の肝機能障害を有する被験者
と健康被験者とで MPA に大きな差は認められなかった。投与 2 時間後の時点での ADP 20 μM
惹起時の MPA は全群で 10%未満であり、投与 48 時間後まで 26%未満の低値を維持した。
CS-747S は、軽度肝機能障害被験者及び健康被験者に対して LD 60 mg を投与した場合、並
びに中等度肝機能障害被験者に対して LD 60 mg を投与し、その後 MD 10 mg を連日投与した
場合、安全かつ忍容性は良好であった。
220
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
13. Pharmacokinetics and pharmacodynamics of prasugrel metabolites after
multiple dosing in subjects with moderate liver disease and healthy subjects
with normal hepatic function
············································································資料番号 5.3.3.3-6
13.1 治験方法
13.1.1 概略
治験方法の概略を表 2.7.6.13.1-1 に示す。
表 2.7.6.13.1-1 治験方法の概略: 海外肝障害 PK 試験 2(1/4)
治験の目的
主要目的:
中等度肝機能障害者を対象として、CS-747S 初回負荷用量(loading dose: LD)60 mg
投与及び維持用量(maintenance dose: MD)10 mg 5 日間連日投与後の CS-747S の活性
代謝物の薬物動態を評価することであった。
副次目的:
中等度肝機能障害者において CS-747S により生じる血小板凝集抑制率(inhibition of
platelet aggregation: IPA)を評価すること、中等度肝機能障害者に対する CS-747S の安
全性及び忍容性を評価すること、中等度肝機能障害者の CS-747S 反復経口投与時の
CS-747S の不活性代謝物の薬物動態の特性を明らかにすることであった。
治験責任医師名
実施医療機関
治験期間
2006 年 2 月 8 日(最初の被験者の同意取得日)~2006 年 10 月 5 日(最終観察日)
対象
1. 選択基準
以下の基準をすべて満たす者を本治験への組み入れに適格とする。
1-1 全被験者
• 年齢が 25 歳以上、75 歳以下の男性又は女性。
• 肥満度(body mass index: BMI)が 19~34 kg/m2 の者。
• 妊娠可能な女性(初経から閉経までの間にあって避妊手術を受けていない女性)
の場合、組み入れ時の妊娠検査結果が陰性であり、かつ確実な避妊法を使用する
こと。確実な避妊法の例として、卵管結紮術、3 ヵ月以上前に挿入した子宮内避
妊器具、3 ヵ月以上にわたり問題なく服用している経口避妊薬、承認済みの埋め
込み型ホルモン剤の使用などがある。バリア法(コンドーム又はペッサリー/子
宮頸管キャップ)のみによる避妊は許容されないため、これらは薬物を用いる方
法(殺精子ゼリー)と併用すること。
• 治験期間にわたって確実に時間の都合を付ける意思があり、かつ治験手順に従う
意思がある者。
• イーライ・リリー及び実施医療機関の倫理審査委員会が承認した同意書による同
意が得られた者。
1-2 対照被験者
• 既往歴、理学的検査、及びその他のスクリーニング手順により健康と判断された
男性又は女性。
• 臨床検査結果が実施医療機関の正常範囲内であるか、逸脱しているが臨床的に重
要でなく、わずかなものであると判断された者。
• 治験責任医師の判定で血圧及び心拍数(仰臥位及び立位)が正常の者。
221
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.13.1-1 治験方法の概略: 海外肝障害 PK 試験 2(2/4)
対象(続き)
1-3 肝疾患を有する被験者
• Child-Pugh 分類 2)B(中等度の障害)の安定した肝硬変(アルコール性、肝炎後、
胆汁性、特発性)を有する男性又は女性。
• 治験責任医師の判断により、臨床検査値に当該被験者の肝障害に相応の逸脱が認
められる者、又は本治験に際して臨床的に重要となる状態が他に認められない者。
Child-Pugh 分類
1点
2点
3点
血清アルブミン(g/dL)
2.8~3.5
>3.5
<2.8
血清総ビリルビン(mg/dL)
2.0~3.0
<2.0
>3.0
プロトロンビン時間(延長の秒数)
4~6
<4
>6
又は
プロトロンビン時間の INR
1.7~2.3
<1.70
>2.30
腹水(臨床症状)
なし
軽度
中等度
脳症のグレード
なし
1 又は 2
3 又は 4
Child-Pugh 分類 A: 5~6 点、Child-Pugh 分類 B: 7~9 点、Child-Pugh 分類 C: 10~15
点。
INR: 国際標準化比(被験者のプロトロンビン時間/正常血漿プールのプロトロン
ビン時間)ISI、ISI: 国際感受性指標
2. 除外基準
以下の基準のいずれかに該当する者は本治験への組み入れに適格とされない。
2-1 全被験者
• 本治験に直接関与する実施医療機関の職員及びその近親者、又はイーライ・リリ
ーの被雇用者。近親者とは、配偶者、両親、子供、兄弟姉妹(血縁関係の有無を
問わない)と定義する。
• スクリーニング前 3 ヵ月以内の大手術の既往歴を有する者。
• 治験最終日から 14 日以内に手術が予定されている者。
• 眼底検査又は点状出血の検査で臨床的に重要な異常が認められた者。
• 重大な活動性神経精神疾患の明らかな徴候が認められる者。
• 重大な出血性障害(吐血、下血[スクリーニング前 3 ヵ月以内]
、重度又は再発性
の鼻出血、喀血、血尿、又は頭蓋内出血)が認められる者、又はその既往歴を有
する者。
• スクリーニング時の便潜血反応が陽性の者。
• 標準 12 誘導心電図に臨床的に重要な異常が認められる者。
• 乱用薬物の常習者及び/又は尿薬物スクリーニング検査で許容できない陽性所見
が認められた者(肝障害・肝疾患を有する被験者の睡眠導入薬又は鎮痛薬の尿薬
物スクリーニング検査陽性は許容できる所見と判断する)
。
• 重度のアレルギー又は複数の副作用の既往歴のある者。
• 入院前 21 日以内にアスピリン、その他の非ステロイド性消炎鎮痛剤、及びその他
の抗血小板薬もしくは抗凝固薬の投与を受けている者、又はその予定のある者。
• いずれの適応症についても規制当局の承認を受けていない薬剤の投与を治験薬初
回投与前 30 日以内に受けた者。
• CS-747S 又は類縁物質(クロピドグレル硫酸塩又はチクロピジン塩酸塩)に対す
る既知のアレルギーを有する者。
• 過去に本治験を完了もしくは中止したことがある者、又は他の CS-747S の治験に
参加したことがある者。
• 臓器移植を受けている者。
• 過去 3 ヵ月以内に 500 mL を超える献血を行った者、又は過去 1 ヵ月以内に献血を
行った者。
• 妊娠検査で陽性の女性、又は授乳中の女性。
• ヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus: HIV)が認められる、及び
/又は HIV 抗体が陽性の者。
• 治験薬投与前 3 日以内に熱性疾患を呈した者。
222
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.13.1-1 治験方法の概略: 海外肝障害 PK 試験 2(3/4)
対象(続き)
• 本治験の入院前 1 週間以内に生薬製剤を投与された者。
• 週当たりの平均アルコール摂取量が男性で 21 単位、女性で 14 単位を超える者、
又は治験期間中の禁酒を守れない者(1 単位 = ビール 12 オンス又は 360 mL、ワ
イン 5 オンス又は 150 mL、蒸留酒 1.5 オンス又は 45 mL)。
• 治験前の理学的検査、心電図検査、臨床検査の結果を治験責任医師が検討した結
果、臨床的に重要なその他の異常が認められた者。
2-2 対照被験者
• 心血管系、呼吸器系、肝臓、腎臓、消化器系、内分泌系、血液系、神経系のいず
れかの障害のうち、薬剤の吸収・代謝・排泄に著明な変化を及ぼすか、又は治験
薬投与により危険を生じるか、又はデータ解釈が困難となる恐れのある障害が認
められる者、又はその既往歴を有する者。
• 凝固系又は出血性障害の既往歴や家族歴を有する者、又は脳出血や動脈瘤、若年
性脳卒中(65 歳未満での脳血管発作)などの血管奇形が合理的に疑われる者。
• スクリーニング時にプロトロンビン時間又は活性化部分トロンボプラスチン時間
に重要な正常範囲外の延長が認められる者、又は血小板数に正常範囲外の値が認
められる者。
• 一般薬(ビタミン又はミネラルのサプリメントは除く)又は処方薬(甲状腺ホル
モン補充療法などのホルモン補充療法又は経口避妊薬は除く)をそれぞれ治験薬
投与 7 及び 14 日前以内に投与される予定のある者。
そのような状況が生じた場合、
その他の点では適格な被験者については治験責任医師の判断により決定する。
• C 型肝炎ウイルス抗体が陽性の者。
• B 型肝炎ウイルス表面抗原が陽性の者。
2-3 中等度肝機能障害者
• 肝障害の原因となる疾患、又は肝障害に関連する疾患以外で、治験薬服用に際し
リスクとなる、又はデータ解釈を妨げる重要な活動性疾患の証拠がある者。
• 軽度又は重度の肝障害(Child-Pugh 分類 A 及び C)を有すると分類された者。
• プロトロンビン時間の INR(international normalized ratio)が 2.00 を超える者。
• ヘモグロビンが 9.0 g/dL 未満の者。
• 血小板数が 50 × 109 個/L 未満の者。50 × 109 個/L 未満の値は、治験責任医師が
治験依頼者と協議して判断し、認められる場合がある。
• 重度の低 Na 血症(Na が 120 mmol/L 未満)を有する者。
• 関連する重度の胆汁うっ滞(血清総ビリルビンが 15 mg/dL を超える)を有する者。
• 重度の脳症(グレード 3~4/Child-Pugh 分類)を有する者。
• 重度の腹水を有する者。
• 肝細胞癌を有する者。
• Cockcroft-Gault 式(Cockcroft and Gault 1976)によるクレアチニンクリアランス
50 mL/min 以下により示される肝腎症候群が認められる者。
• 治験 1 日目の 6 ヵ月以内に特発性細菌性腹膜炎が生じた者。
• 治験 1 日目の 6 ヵ月以内に静脈瘤出血が生じた者。
• 入院前 30 日以内に肝代謝を阻害することが知られている併用薬(すなわちバルビ
ツール酸系薬剤、フェノチアジン系薬剤、又は強力なチトクローム P450 3A4 阻害
薬/誘導薬)の投与を受けた者。
223
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.13.1-1 治験方法の概略: 海外肝障害 PK 試験 2(4/4)
治験デザイン
本治験は並行デザイン、非盲検、反復経口投与試験であり、以下の 2 群で実施された。
グループ 1:健康被験者 20 名からなる対照群。CS-747S LD 60 mg を単回投与し、続
いて MD 10 mg を 5 日間投与。
グループ 2:中等度肝障害(Child-Pugh 分類 B)を有する被験者 10 名からなる被験群。
CS-747S LD 60 mg を単回投与、続いて MD 10 mg を 5 日間投与。
−1 日目に被験者を入院させ、1 日目に治験薬を投与。被験者は 2 日目以降(投与約 24
時間後)に退院が認められるが、血液検体採取及び MD 投与のため、外来で再来院。
退院した被験者は、6 日目の治験薬投与及び血液検体採取前に、再来院して 1 晩入院。
、性別、体重(±10 kg)
健康対照被験者の選択は、中等度肝機能障害者と年齢(±10 歳)
について、実行可能な限り同様であるようにした。人種に関しても、健康被験者をマ
ッチングさせるように努めた。マッチングは 2:1 の比で、健康被験者 2 名を肝疾患
を有する被験者に対してマッチングさせた。
目標被験者数
健康被験者 20 名、中等度肝機能障害者 10 名
治験薬
CS-747S 10 mg 錠: ロット番号 CT524123(SFBC International)、CT527501(Allied
Research International)
用法・用量
全被験者に、
1 日目に CS-747S LD 60 mg を単回投与し、
続いて 2~6 日目に CS-747S MD
10 mg を 5 日間連日投与した。
観察・検査スケジ
ュール
表 2.7.6.13.1-2 参照
評価項目
1. 安全性
有害事象、バイタルサイン、標準 12 誘導心電図、臨床検査値、理学的検査
2. 薬物動態/薬力学
CS-747S の活性代謝物(R-138727)及び不活性代謝物(R-95913、R-106583、R-119251)
の血漿中濃度を測定し、血小板凝集率(アデノシン二リン酸[adenosine 5'-diphosphate :
ADP]5 及び 20 μM 並びにコラーゲン 2 μg/mL により惹起)
統計解析手法
1. 薬物動態
R-138727、R-95913、R-106583、R-119251 の薬物動態パラメータ推定値をノンコンパ
ートメント法を用いて算出した。薬物動態パラメータは、AUClast、Cmax、tmax であった。
線形混合効果モデルを用い、中等度肝機能障害者と健康被験者とで、LD 及び最終 MD
投与後の CS-747S 代謝物の薬物動態パラメータを比較した。LD 及び最終 MD 投与後
の各代謝物について個別に、各群の最小二乗幾何平均値、2 群の幾何平均値の比及び
対応する 90%信頼区間を推定した。Wilcoxon 符号付き順位和検定を用いて tmax 値をノ
ンパラメトリックに解析した。
2. 薬力学
中等度肝機能障害者及び健康被験者において CS-747S が ADP 20 μM 惹起時最大血小
板凝集率(maximum platelet aggregation: MPA)に及ぼす影響を、各規定時点で線形混
合効果モデルを用いて評価した。各時点の各群、及び群間の最小二乗幾何平均値の差、
対応する 90%信頼区間を、P 値と併せて算出した。ADP 5 μM、コラーゲン 2 μg/mL 惹
起時の MPA、ADP 5 及び 20 μM、並びにコラーゲン 2 μg/mL 惹起時の IPA についても
同じ解析を行った。
224
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.13.1-2 観察・検査スケジュール: 海外肝障害 PK 試験 2
治験日
心電図検査
スクリーニ
ング
−1
X
理学的
検査
X
臨床
検査
X
X
妊娠
検査
X
治験薬
投与
X
身長及
び体重
X
バイタル
Xb)
Xc)
PD 用検体
採取
PK 用検体
採取
X
X
Xa)
入院
X
1
(投与前、
投与 1、2、6
時間後)
2
X
3~5
(MD 投与前
及び投与
1 時間後)
X
6
(MD 投与前
及び投与
1 時間後)
X
Xc)
LD
(投与前、投与 (投与前*、 (投与 0.25、
2、6 時間後) 投与 1、2、4、 0.5、1、 2、
6 時間後) 4、6、9、 12
時間後)
Xc)
X
X
MD
X
(MD 投与前
及び投与
2 時間後)
Xc)
MD
(4 日目
投与前)
X
Xc)
MD
X
X
X
(投与前及び (投与前、 (投与前、
投与 2 時間後) 投与 1、2、4、 投与 0.25、
6 時間後) 0.5、1、2、4、
6、9、12 時
間後)
Xc)
X
X
X
退院
追跡調査
(2 日目
投与前)
(投与前及び
投与 2 時間後)
(MD 投与前
及び投与
1 時間後)
7
(2 日目
投与前)
(投与
24 時間後)
X
X
X
Xb)
X
(投与
24 時間後)
Xc)
a: 血圧(仰臥位及び立位)、脈拍数、口腔温。
b: 体重のみ。
c: 仰臥位の血圧及び脈拍数のみ。
* −1 日目に投与前の検体を採取する可能性がある。
LD: 初回負荷用量、MD: 維持用量
13.1.2 用法・用量の設定根拠
海外肝障害 PK 試験 1 では、ハリケーンの影響により被験者の登録が完全に終了できなかっ
たため、本治験の用法・用量は、海外肝障害 PK 試験 1 と同様に、LD を 60 mg、MD を 10 mg
の 1 日 1 回、5 日間投与とした。
13.2 被験者の内訳
30 名の被験者(中等度肝機能障害者 10 名及び肝機能が正常な被験者 20 名)に、CS-747S LD
60 mg を単回投与し、MD 10 mg を 5 日間連日投与した。
追跡不能になったが CS-747S の投与をすべて受けた 1 名の被験者(中等度肝障害)以外の
全被験者が本治験を完了した。
13.3 解析対象
安全性の評価はすべて、本治験に組み入れられた 30 名全被験者のデータを対象とした。
225
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
13.4 被験者背景
46~74 歳の 30 名の被験者を本治験に組み入れた。被験者のうち 10 名(男性 7 名、女性 3
名)が中等度(Child-Pugh 分類 B、7~9 点)と分類される安定した肝硬変を有し、20 名(男
性 14 名、女性 6 名)が明らかな肝疾患を有さない健康被験者であった。被験者の大半がヒス
パニック又は白人であった。平均年齢及び BMI は 2 群間で同様であった。
スクリーニング時及び入院時の乱用薬物、エタノール、便潜血(スクリーニング時のみ)の
検査結果は全被験者で陰性であった。スクリーニング時及び治験後の妊娠検査結果はすべて陰
性であった。スクリーニング時に実施した眼底検査及び点状出血検査のいずれについても臨床
的に重要な所見は認められなかった。
全健康被験者で、スクリーニング時の血清学的検査結果は陰性であった。スクリーニング時
の C 型肝炎ウイルス検査結果は、中等度肝機能障害者 10 名中 7 名において陽性であった。ス
クリーニング時の B 型肝炎及び HIV の検査結果は、全員陰性であった。
13.5 薬物動態の結果
CS-747S LD 60 mg 投与後及び MD 10 mg 5 日間連日投与後の R-138727 のノンコンパートメ
ント法による薬物動態パラメータ推定値を表 2.7.6.13.5-1、すべての代謝物の薬物動態パラメ
ータの最小二乗幾何平均値の比を表 2.7.6.13.5-2 に示す。
CS-747S の活性代謝物 R-138727 の曝露量は、中等度肝機能障害者とそれにマッチングさせ
た健康被験者とで同様であった。LD 投与後及び MD 最終投与後の AUClast 及び Cmax の最小二
乗幾何平均値の比の点推定値の範囲は 0.91~1.14 であり、これらのパラメータの 90%信頼区
間は 1.0 を含んでいた。AUClast 及び Cmax のばらつきは両集団とも大きかった。
R-95913 及び R-106583 の AUClast は、肝障害により有意な影響を受けなかった。AUClast 及び
Cmax の 90%信頼区間は 1.0 を含んでいたが、例外として LD 投与後の R-106583 の Cmax は 0.594
~0.814 であり、中等度肝機能障害者のほうが健康被験者よりも LD の Cmax が低いことを示し
ていた。反対に R-119251 の Cmax 及び AUClast は、中等度肝機能障害者のほうが健康被験者よ
りも 30%~83%高かった。
tmax は、CS-747S のすべての活性代謝物及び不活性代謝物について集団間で同様であった。
226
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.13.5-1 CS-747S LD 60 mg 投与後及び MD 10 mg 5 日間連日投与後の R-138727 の薬
物動態パラメータ推定値: 海外肝障害 PK 試験 2
健康被験者
(20 名)
パラメータ
幾何平均値 (%CV)
中等度肝機能障害者
(10 名)
CS-747S LD 60 mg
AUClast (ng・h/mL)
Cmax (ng/mL)
tmax a) (h)
477 (29.5)
403 (62.1)
0.50 (0.50~1.00)
AUClast (ng・h/mL)
Cmax (ng/mL)
tmax a) (h)
a: 平均値(最小値~最大値)
56.9 (66.3)
51.8 (90.3)
0.50 (0.25~2.00)
466 (38.7)
368 (49.8)
0.50 (0.25~0.50)
CS-747S MD 10 mg
61.5 (43.2)
59.3 (62.9)
0.50 (0.50~1.00)
表 2.7.6.13.5-2 CS-747S LD 60 mg 投与後及び MD 10 mg 5 日間連日投与後の薬物動態パラメ
ータの最小二乗幾何平均値の比: 海外肝障害 PK 試験 2
CS-747S
代謝物
R-138727
日
パラメータ
最小二乗幾何平均値
中等度肝機能
障害者
健康被験者
最小二乗幾何平均値の比
(90%信頼区間)
肝機能障害/健康
1
AUClast (ng・h/mL)
Cmax (ng/mL)
AUClast (ng・h/mL)
Cmax (ng/mL)
466
368
61.5
59.3
477
403
56.9
51.8
0.917 (0.836, 1.14)
0.912 (0.664, 1.25)
1.08 (0.760, 1.54)
1.14 (0.779, 1.68)
AUClast (ng・h/mL)
Cmax (ng/mL)
AUClast (ng・h/mL)
Cmax (ng/mL)
480
209
88.3
53.2
571
260
93.5
47.6
0.840 (0.683, 1.03)
0.802 (0.617, 1.04)
0.944 (0.689, 1.29)
1.12 (0.771, 1.62)
AUClast (ng・h/mL)
Cmax (ng/mL)
AUClast (ng・h/mL)
Cmax (ng/mL)
602
296
72.7
49.1
381
229
39.8
29.4
1.58 (1.17, 2.14)
1.30 (0.862, 1.95)
1.83 (1.11, 3.02)
1.67 (1.07, 2.61)
AUClast (ng・h/mL)
Cmax (ng/mL)
AUClast (ng・h/mL)
Cmax (ng/mL)
1902
267
366
55.6
2135
384
403
69.4
0.891 (0.756, 1.05)
0.695 (0.594, 0.814)
0.907 (0.702, 1.17)
0.801 (0.614, 1.04)
6
R-95913
1
6
R-119251
1
6
R-106583
1
6
13.6 薬力学の結果
CS-747S LD 60 mg 投与後及び MD 10 mg5 日間連続投与後の中等度肝機能障害者及び健康被
験者の MPA(ADP 20 μM 惹起時)を表 2.7.6.13.6-1 に示す。
中等度肝機能障害者と健康被験者とで、
投与前の ADP 20 μM 惹起平均 MPA は同様であった。
中等度肝機能障害者と健康被験者を比較して、1 日目の CS-747S LD 60 mg 投与後又は 6 日
目の CS-747S MD 10 mg 最終投与後の ADP 20 μM 惹起 MPA に統計学的有意差はなかったが、
例外として MD 最終投与 4 及び 6 時間後の時点で、中等度肝機能障害者のほうが健康被験者
よりも MPA が高かったが、健康被験者とほぼ同様に推移した。投与 4 及び 6 時間後の時点で
227
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
の健康被験者と中等度肝機能障害者の間のこの差は、実際にあった場合に中等度肝機能障害者
の安全性に影響を及ぼすものではないと考えられた。
表 2.7.6.13.6-1 中等度肝機能障害者及び健康被験者の MPA(ADP 20 μM): 海外肝障害 PK
試験 2
投与
1 日目
6 日目
時間(h)
投与前
1
2
4
6
24
投与前
1
2
4
6
24
MPA の最小二乗平均値(%)
(90%信頼区間)
中等度肝機能障害者
健康被験者
72.3 (64.7, 79.9)
78.5 (73.1, 83.9)
17.5 (12.1, 22.8)
22.9 (18.3, 27.4)
13.9 (8.5, 19.2)
15.2 (10.6, 19.7)
15.1 (9.7, 20.4)
16.2 (11.6, 20.7)
15.1 (9.7, 20.4)
13.1 (8.6, 17.6)
17.4 (12.0, 22.7)
16.1 (11.6, 20.6)
29.0 (23.6, 34.3)
23.0 (18.4, 27.5)
23.8 (18.4, 29.1)
20.2 (15.7, 24.7)
18.7 (13.3, 24.0)
21.0 (16.4, 25.5)
26.8 (21.4, 32.1)
17.6 (13.1, 22.1)
31.2 (25.8, 36.5)
14.1 (9.6, 18.6)
22.6 (17.2, 27.9)
23.0 (18.5, 27.5)
中等度肝機能障害者と健康被験者
の差
差(90%信頼区間)
P値
−6.20 (−15.51, 3.11)
0.267
−5.40 (−12.12, 1.32)
0.184
−1.30 (−8.02, 5.42)
0.747
−1.10 (−7.82, 5.62)
0.785
1.95 (−4.77, 8.67)
0.628
1.25 (−5.47, 7.97)
0.756
6.00 (−0.72, 12.72)
0.141
3.55 (−3.17, 10.27)
0.379
−2.30 (−9.02, 4.42)
0.568
9.15 (2.43, 15.87)
0.027
17.05 (10.33, 23.77)
<0.001
−0.45 (−7.17, 6.27)
0.911
13.7 安全性の結果
13.7.1 有害事象
本治験の投与中に発現した有害事象の要約を表 2.7.6.13.7-1 に、関連ありの有害事象の発現
被験者数を表 2.7.6.13.7-2 に示す。
治験期間中に報告された有害事象はすべて軽度であった。治験期間中に死亡を含む重篤な有
害事象は発現せず、また有害事象による中止も認められなかった。
中等度肝機能障害者により報告された有害事象の発現率は、健康被験者よりも高かったが、
これは、中等度肝機能障害者の 40%に頭痛が発現し、健康被験者では頭痛が報告されなかっ
たためであった。
中等度肝機能障害者より、出血関連の有害事象は報告されなかった。健康被験者 2 名は、
CS-747S の 1 又は 3 回目の投与後に挫傷(報告者用語は脚又は腕の斑状出血)を発現し、これ
は CS-747S と関連あり、治験手順と関連なしと判断された。
4 名(健康被験者 3 名及び中等度肝機能障害者 1 名)に治験期間中、便秘の治療のため併用
薬が投与された。
228
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.13.7-1 有害事象の要約: 海外肝障害 PK 試験 2
投与期
健康被験者
CS-747S
LD 60/MD 10 mg
(20 名)
中等度肝障害
被験者
CS-747S
LD 60/MD 10 mg
(10 名)
有害事象発現被験
者 (%)(因果関係
を問わない)
7 (35%)
7 (70%)
有害事象発現件数及び
重症度(因果関係を問わ
ない)
軽度
10
中等度
重度
有害事象発現被験
者 (%)(治験薬と関
連あり)a)
3 (15%)
有害事象発現件数
及び重症度(治験薬
と関連あり)a)
軽度
4
0
中等度
0
0
重度
0
合計
10
合計
4
軽度
9
軽度
7
中等度
0
6 (60%)
中等度
0
重度
0
重度
0
合計
9
合計
7
a: 治験薬と関連があるかもしれない、又は恐らく関連ありと判断された有害事象
表 2.7.6.13.7-2 有害事象発現被験者数(関連あり): 海外肝障害 PK 試験 2
基本語
有害事象を発現した被験者数 (有害事象発現件数)
健康被験者
中等度肝機能障害者
LD 60 mg/MD 10 mg
LD 60 mg/MD 10 mg
(10 名)
(20 名)
総計
3 (4)
6 (7)
頭痛
0 (0)
2 (3)
1 (1)
4 (5)
0 (0)
2 (2)
挫傷
呼吸困難
MedDRA/J ver. 8.1
13.7.2 臨床検査値の評価
健康被験者において、CS-747S 投与後に測定した臨床検査のいずれの項目にも、臨床的に重
要な変化は認められなかった。正常範囲を逸脱する検査値が一部の健康被験者で散発的に認め
られたが、いずれの所見も治験責任医師により臨床的に重要ではないと判定された。
中等度肝機能障害者には全般に、スクリーニング時から治験後に至る試験全体で、肝機能検
査の項目(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ[l-aspartate aminotransferase: AST]、ア
ラニンアミノトランスフェラーゼ[l-alanine aminotransferase: ALT]、γ-グルタミルトランスフ
ェラーゼ[γ-glutamyl transferase: γ-GT]及びアルカリホスファターゼ)に上昇が認められたが、
被験者の病態によるものである可能性が高かった。
1 名の被験者では治験後に AST が 107 U/L、
ALT が 93 U/L と上昇していたが、いずれの項目もスクリーニングから 7 日目までは、それぞ
れ範囲が 30~36 U/L 及び 24~28 U/L と全般に正常範囲内であった。また、1 名の被験者には
治験後に血清 K(2.6 mmol/L)及び Cl(96 mmol/L)の低値が認められ、これらは治験責任医
師により臨床的に重要と判断された。しかし、この被験者にはスクリーニング時にも血清 K
(3.1 mmol/L)及び Cl(91 mmol/L)の低値が認められていた。中等度肝機能障害者でその他
には、臨床検査項目に臨床的に重要な変化が生じた者はいなかった。
229
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
13.7.3 心電図
CS-747S 投与後、中等度肝機能障害者及び健康被験者の標準 12 誘導心電図に、臨床的に重
要な所見は認められなかった。CS-747S 投与後の QTc 間隔延長の証拠は認められなかった。
CS-747S 投与後に健康被験者で 450 ms 超の QTcF 間隔が認められた者はいなかった。1 名の
被験者では投与前(−1 日目)に QTcB 間隔が 457 ms であったが、CS-747S 投与後には QTcB
値はすべて 450 ms 未満であった。健康被験者において、QTcB 間隔及び QTcF 間隔のベースラ
イン(1 日目の投与前)からの 60 ms 以上の延長は認められなかった。
中等度肝機能障害者 5 名に、CS-747S 投与後に 450 ms 超の QTc 間隔が認められ、そのうち
1 名には、ベースラインからの 60 ms 以上の延長も認められた。以下に詳細を記す。
• 3 名の被験者に 450 ms 超の QTcB 間隔及び/又は QTcF 間隔が散発的に認められ、ベース
ラインからの最大の延長はそれぞれ 29 ms、37 ms、34 ms であった。
• 1 名の被験者で、
いくつかの時点で QTcB 間隔及び QTcF 間隔が 450 ms 超であったが、
QTcB
はベースライン値も高く(450 ms 超)
、ベースラインからの延長はすべて 30 ms 以下であ
った。
• 1 名の被験者は、4 及び 5 日目の投与 1 時間後の時点で、QTcB 間隔がそれぞれ 455 ms 及
び 452 ms であり、ベースラインからの延長はそれぞれ 51 及び 48 ms であった。7 日目に
は QTcB 間隔は 469 ms で、ベースラインから 65 ms 延長していた。しかし、治験期間中
を通して QTcF は 450 ms 以下であった。
全被験者において QTc 間隔は 500 ms を超えず、関連する有害事象は認められなかった。所
見はいずれも臨床的に重要であるとは判断されなかった。
13.8 結論
健康被験者及び中等度肝機能障害者に CS-747S LD 60 mg を投与し、続いて MD 10 mg を連
日投与したとき、CS-747S の活性代謝物の曝露量に統計学的有意差又は臨床的に重要な差は認
められなかった。
健康被験者及び中等度肝機能障害者に CS-747S LD 60 mg を投与したとき、MPA に統計学的
有意差又は臨床的に重要な差は認められなかった。
CS-747S MD 10 mg を連日投与したとき、MPA に臨床的に意味のある差は認められなかった
が、MD 最終投与 4 及び 6 時間後の時点の MPA は、中等度肝機能障害者のほうが健康被験者
よりも統計学的に有意に高かった。
CS-747S の不活性代謝物 R-119251 の曝露量は、中等度肝機能障害者のほうが健康被験者よ
りも約 70%高かった。
CS-747S は、中等度肝機能障害者及び健康被験者に対して LD 60 mg を投与し、続いて MD
10 mg を連日投与したとき、安全かつ忍容性が良好であった。
中等度肝機能障害者に対する CS-747S の安全性上、薬物動態上、薬力学上の投与量調整の
根拠は認められなかった。
230
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
14. CS-747S 臨床薬理試験
―アスピリン反復投与下における CS-747S の安全性、薬力学、及び薬物動態
の検討―
············································································資料番号 5.3.3.4-1
14.1 治験方法
14.1.1 概略
治験方法の概略を表 2.7.6.14.1-1 に示す。
表 2.7.6.14.1-1 治験方法の概略: アスピリン併用単回投与試験(1/4)
治験の目的
治験責任医師名
実施医療機関
治験期間
対象
健康成人男性を対象として、アスピリン反復投与下における CS-747S 単回経口投与時
の安全性、薬力学、及び薬物動態を検討する。
20 年 月 9 日(最初の被験者の同意取得日)~20 年 月 29 日(最終観察日)
選択基準をすべて満たし、除外基準のいずれにも抵触しない被験者を対象とした。
1.選択基準
1-1.スクリーニング検査時の選択基準
1)スクリーニング検査前に文書による同意が得られた者
2)男性
3)スクリーニング検査時の満年齢が 20 歳以上、45 歳以下の者
4)肥満度(body mass index: BMI)が 18.5 以上、25.0 未満の者
5)血小板数が実施医療機関の基準値(12.0~40.0 × 104 /L)以内の者
6)本治験中に禁煙可能な者
7)本治験中に禁酒可能な者
1-2.アスピリン投与前検査時の選択基準
1)血小板数が実施医療機関の基準値(12.0~40.0 × 104/L)以内の者
2)アスピリン投与前検査前に文書による同意確認が得られた者
1-3.併用投与前検査時の選択基準
1)血小板数が実施医療機関の基準値(12.0~40.0 × 104/L)以内の者
2)アスピリンを 5 日間完全に服用した者
2.除外基準
2-1.スクリーニング検査時の除外基準
1)中枢神経系、循環器系、呼吸器系、血液・造血機能系、消化器系、肝・腎臓機能、
甲状腺機能、脳下垂体機能、副腎機能などの障害の既往歴を有し、治験の実施が
被験者の安全性確保上問題があると治験責任医師などが判断した者
2)薬物などに対する過敏症又は特異体質(ペニシリンアレルギーなど)がある者
3)アルコール又は薬物依存者
4)感染症検査で B 型肝炎表面(hepatitis B surface antigen: HBs)抗原、梅毒検査(梅
毒トレポネーマ感作赤血球凝集試験[Treponema pallidum hemagglutination assay:
TPHA]法)
、C 型肝炎ウイルス(hepatitis C virus: HCV)抗体、ヒト免疫不全ウイ
ルス(human immunodeficiency virus: HIV)抗原抗体のいずれかが陽性の者
5)以下のいずれかに該当する者
-出血素因を有する者(鼻粘膜又は口腔粘膜から出血しやすいなど)
-出血性疾患(消化管出血、痔疾患など)を認める又はその既往歴を有する者
-重篤な出血性疾患(血小板無力症など)の家族歴を有する者
6)以下のいずれかに該当する者
-スクリーニング検査前 1 年以内に合計 800 mL 以上の全血採血を行った者
-スクリーニング検査前 84 日以内に合計 400 mL 以上の全血採血を行った者
-スクリーニング検査前 28 日以内に合計 200 mL 以上の全血採血を行った者
231
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.14.1-1 治験方法の概略: アスピリン併用単回投与試験(2/4)
対象(続き)
治験デザイン
-スクリーニング検査前 14 日以内に成分採血を行った者
7)スクリーニング検査前 120 日以内に他の治験に参加し、治験薬の投与を受けた者
8)過去に CS-747 又は CS-747S の治験に参加し、治験薬の投与を受けた者
9)その他、計測・バイタルサインもしくは臨床検査値が実施医療機関の基準値を逸
脱した者、心電図検査で異常を認めた者、又は臨床上問題となる自覚症状・他覚
所見(頭痛、急性感染症など)を認めた者(ただし、治験責任医師などが治験へ
の参加に問題ないと判断した者は除く)
10)その他、治験責任医師などが不適当と判断した者(来院又は投与の遵守が困難と
予想される場合など)
2-2.アスピリン投与前検査時の除外基準
1)他の医師から医療行為(歯科治療を含む)を受けている者
2)眼底検査で出血斑などの異常所見を認めた者
3)口腔粘膜、上半身、臀部、大腿部、又は下腿部に肉眼で確認できる点状出血が認
められた者
4)便潜血検査又は尿潜血検査で陽性の者
5)出血性疾患(消化管出血、痔疾患など)を認める者、又はスクリーニング検査以
降、新たな出血性疾患を認めた者
6)スクリーニング検査以降に全血採血及び成分採血を行った者
7)スクリーニング検査以降に他の治験に参加し、治験薬の投与を受けた者
8)アスピリン投与前検査前 14 日以内に他の薬剤を使用した者
9)アスピリン投与前検査前 14 日以内に St. John’s Wort を含むものを摂取した者
10)アスピリン投与前検査前 7 日以内にグレープフルーツ又はグレープフルーツジュ
ースを飲食した者
11)出血時間測定(アイビー法)において、出血時間の平均値が 2 分 47 秒を超える
者(ただし、血液凝固系検査、血小板数、点状出血検査などから治験責任医師な
どが治験への参加に問題ないと判断した者は除く)
12)血小板凝集能測定において、アラキドン酸(0.75 mM)、アデノシン二リン酸
(adenosine 5'-diphosphate: ADP)
(5、20 M)
、又はコラーゲン(2 g/mL)のいず
れかに対する最大血小板凝集率(maximum platelet aggregation: MPA)が 50%未満
の者
13)その他、計測・バイタルサインもしくは臨床検査値が実施医療機関の基準値を逸
脱した者、心電図検査で異常を認めた者、又は臨床上問題となる自覚症状・他覚
所見(頭痛、急性感染症など)を認めた者(ただし、治験責任医師などが治験へ
の参加に問題ないと判断した者は除く)
14)その他、治験責任医師などが不適当と判断した者(来院又は投与の遵守が困難と
予想される場合など)
2-2.併用投与前検査時の除外基準
1)眼底検査で出血斑などの異常所見を認めた者
2)口腔粘膜、上半身、臀部、大腿部、又は下腿部に肉眼で確認できる点状出血が認
められた者
3)便潜血検査又は尿潜血検査で陽性の者(ただし、便潜血の陽性化が 1 回かつ陰性
に復した場合はこの限りではない)
4)出血性疾患(消化管出血、痔疾患など)を認める者
5)血小板凝集能測定において、ADP(5、20 M)のいずれかに対する MPA が 50%
未満の者
6)その他、計測・バイタルサインもしくは臨床検査値が実施医療機関の基準値を逸
脱した者、心電図検査で異常を認めた者、又は臨床上問題となる自覚症状・他覚
所見(頭痛、急性感染症など)を認めた者(ただし、治験責任医師などが治験へ
の参加に問題ないと判断した者は除く)
7)その他、治験責任医師などが不適当と判断した者(来院又は投与の遵守が困難と
予想される場合など)
無作為化、プラセボ対照、二重盲検試験
投与期間: 6 日間(アスピリン投与 5 日間、CS-747S とアスピリンの併用投与 1 日間)
、
入院期間: 13 泊 14 日(アスピリン投与前検査~退院時検査)
、事後検査: 併用投与 9
~11 日後
232
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.14.1-1 治験方法の概略: アスピリン併用単回投与試験(3/4)
目標被験者数
治験薬
用法・用量
評価項目
観察・検査スケジ
ュール
24 名(12 名[CS-747S 9 名、プラセボ 3 名] × 2 ステップ)
被験薬(ロット番号):
CS-747S-P(製剤バルクロット番号: F1-05T01)
CS-747S-2(製剤バルクロット番号: F1-05T03)
CS-747S-4(製剤バルクロット番号: F1-05T04)
CS-747S(アスピリン)
(製剤バルクロット番号: A0747F0-05T06)
アスピリン 100 mg を 1 日 1 回(朝食後 30 分以内)
、5 日間反復経口投与後、6 日目朝
の空腹時に、ステップ 1 では CS-747S 20 mg 又はプラセボ、ステップ 2 では CS-747S
30 mg 又はプラセボをアスピリン 100 mg とともに単回経口投与した。
1. 薬物動態
CS-747S 代謝物(R-138727、R-95913、R-119251、R-106583、R-100932、R-118443)の
薬物動態パラメータ: AUClast、AUC0-inf、Cmax、tmax、MRTlast、t1/2
2. 薬力学
1)血小板凝集能
血小板凝集抑制率(inhibition of platelet aggregation: IPA)
(アラキドン酸 0.75 mM、
ADP 5 及び 20 µM、コラーゲン 2 µg/mL)
2)出血時間(アイビー法)
3. 安全性
有害事象(自覚症状、他覚所見等の発現又は悪化、臨床検査値異常変動)
、臨床検査値、
計測・バイタルサイン(体温、血圧、脈拍数)
、及び心電図
表 2.7.6.14.1-2 参照
233
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.14.1-1 治験方法の概略: アスピリン併用単回投与試験(4/4)
統計解析手法
1. 薬物動態
薬物動態の解析対象は薬物動態評価対象集団(per protocol set: PPS)とした。
1) 活性代謝物(R-138727)及び不活性代謝物(R-95913、R-119251、R-106583、R-100932、
R-118443)の血漿中濃度について、代謝物ごと、投与群ごと、採血時点ごとに要
約統計量を算出した。
2) 被験者ごとに薬物動態パラメータ(AUClast、AUC0-inf、Cmax、tmax、MRTlast、t1/2)を
求め、代謝物ごと、投与群ごとに要約統計量を算出した。
2. 薬力学
薬力学の解析対象は薬力学評価対象集団とし、プラセボ群は全ステップを 1 つにまと
めて解析した。
血小板凝集能として、ADP(5、20 M)及びコラーゲン(2 g/mL)に対する MPA に
ついて、以下の解析を行った。
1) 凝集惹起物質ごと、投与群ごと、採血時点ごとに MPA の要約統計量を算出した。
2) 以下の算出方法で、被験者ごとに IPA を算出し、凝集惹起物質ごと、投与群ごと、
採血時点ごとの要約統計量を算出した。
 アスピリン投与前検査 時の MPA-各時点の MPA 
IPA( %)= 
  100
アスピリン投与前検査 時の MPA


また、採血時点ごとにプラセボ群と各投与群を Dunnett の多重比較により比較した。
有意水準は 5%とした。
3) 被験者ごとに最大凝集抑制率を求め、凝集惹起物質ごと、投与群ごとに要約統計量
を算出した。
4) 投与群ごと、測定時点ごとに出血時間の要約統計量を算出した。
3. 安全性
安全性の解析対象は安全性評価対象集団とした。
1) 有害事象の発現の有無について、自覚症状・他覚所見等の発現又は悪化(以下、
「自
覚症状、他覚所見」と記す)
、臨床検査値異常変動に分けて、投与群ごとに因果関
係(すべて、関連あり)別の頻度を集計した。また、各有害事象の頻度を投与群
ごとに因果関係別、重症度別に集計した。
2) 臨床検査の定量値について、測定値及び投与前後の変化量の要約統計量を算出し
た。定性値(便潜血検査を除く)については、投与群ごとに投与前と投与後の各
検査時点とのクロス頻度表を作成した。
3) 血圧、脈拍数、体重、及び体温について、投与群ごとに各時点の測定値及び投与前
後の変化量の要約統計量を算出した。標準 12 誘導心電図について、投与群ごとに
投与前と投与後の各検査時点とのクロス頻度表を作成した。
234
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.14.1-2 観察・検査スケジュール: アスピリン併用単回投与試験
235
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
14.1.2 用法・用量の設定根拠
CS-747S の投与量は、海外で実施された臨床試験成績での投与量、並びに国内で実施した第
I 相単回投与試験成績に基づいて設定した。
国内第 I 相単回投与試験で 30 mg を投与したとき、外国人に CS-747S 60 mg を単回投与した
ときの体内曝露量よりも高値を示す傾向が認められた。しかし、投与 4 時間後の IPA は、外国
人に 60 mg を投与した場合と同程度であった。また、出血時間は投与 4 時間後に延長する傾向
を示したが、24 時間後には回復する傾向にあり、30 mg までの安全性及び忍容性が確認された。
以上の検討に基づき、本治験では、国内第 I 相単回投与試験の最高用量である 30 mg を上限
とする 2 投与量(20、30 mg)を設定し、国内で想定される負荷用量範囲の CS-747S をアスピ
リンと併用投与したときの安全性、薬力学、及び薬物動態を検討することとした。
アスピリンは「循環器疾患における抗凝固・抗血小板療法に関するガイドライン」でクラス
(
I 有益/有効であるという根拠があり適応であることが一般に同意されている)に分類され、
投与量は 75~150 mg/日が推奨されている 3)。本治験では、現在の国内臨床の現場で広く用い
られているアスピリン腸溶錠を用いることとし、投与量は臨床で最も汎用されている 100 mg
に設定した。
14.2 被験者の内訳
スクリーニング検査では 93 名中 63 名が「適」と判定され、そのうち 50 名がアスピリン投
与前検査で「適」と判定された。アスピリン投与前検査で「適」と判定された被験者の中から
35 名(ステップ 1: 12 名、ステップ 1 追加: 8 名、ステップ 2: 15 名)を選定し、アスピリンを
投与した。この 35 名のうち併用投与前検査で「適」と判定された被験者は 24 名であった。
「不
適」とされた 11 名が併用投与に至らなかった理由は、選択・除外基準不適及び同意撤回であ
った。
併用投与前検査で「適」と判定された 24 名の中から 23 名を無作為化し、CS-747S 又はプラ
セボをアスピリンと併用投与した。各ステップの被験者数はステップ 1 が 7 名(CS-747S 投与
6 名、プラセボ投与 1 名)
、ステップ 1 追加が 4 名(CS-747S 投与 3 名、プラセボ投与 1 名)、
ステップ 1 全体で 11 名(CS-747S 投与 9 名、プラセボ投与 2 名)、ステップ 2 が 12 名(CS-747S
投与 9 名、プラセボ投与 3 名)であった。
併用投与後の中止被験者はなく、23 名すべてが治験を完了した。
14.3 解析対象
CS-747S とアスピリンの併用投与を完了した 18 名(20 mg 群 9 名、30 mg 群 9 名)を薬物動
態評価対象集団に採用した。プラセボ群の 5 名は CS-747S とアスピリンの併用投与を完了し
ていないため、薬物動態の評価から除外した。薬力学の評価から除外された被験者はなく、無
作為化した 23 名(プラセボ群 5 名、20 mg 群 9 名、30 mg 群 9 名)すべてを薬力学評価対象集
団に採用した。
治験薬を併用投与された 23 名(プラセボ群 5 名、20 mg 群 9 名、30 mg 群 9 名)すべてを安
236
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.14.5-1 R-138727 の薬物動態パラメータ: アスピリン併用単回投与試験
AUClast
AUC0-inf
Cmax
MRTlast
t1/2
要約
tmax a)
(ng・h/mL) (ng・h/mL) (ng/mL)
(h)
(h)
統計量
(h)
20 mg
9
9
9
9
9
9
被験者数
132.23
135.96
124.33
0.50
1.42
3.86
幾何平均値
39.9
39.7
63.8
14.3
58.6
幾何 CV(%)
0.50~1.00
30 mg
9
9
9
被験者数
8 b)
8 b)
8 b)
235.61
240.21
223.26
0.50
1.36
4.06
幾何平均値
35.8
35.7
64.9
16.9
42.8
幾何 CV(%)
0.50~1.00
a: tmax のみ中央値、最小値~最大値を示す。
b: 1 名では併用投与 1.5 時間後の血漿中濃度が欠測となったため、AUClast、AUC0-inf、及び MRTlast が算出でき
なかった。
投与群
14.5.1.2
不活性代謝物(R-95913、R-119251、R-106583、R-100932、R-118443)
不活性代謝物の薬物動態パラメータを表 2.7.6.14.5-2~表 2.7.6.14.5-6 に示す。
不活性代謝物の AUClast、AUC0-inf、及び Cmax は、R-95913 では 20 mg 群と 30 mg 群で同様で
あったが、その他の代謝物(R-119251、R-106583、R-100932、R-118443)では、20 mg 群と比
較して 30 mg 群では 1.2~1.6 倍の値を示した。tmax は代謝物の種類にかかわらず 20 mg 群と
30 mg 群で同様であった。R-119251 の MRTlast、R-119251、及び R-100932 の t1/2 は 30 mg 群で
高値を示したが、その他の代謝物の MRTlast 及び t1/2 には用量による違いは認められなかった。
不活性代謝物の中では R-106583 の血漿中濃度が最も高値を示した。
表 2.7.6.14.5-2 R-95913 の薬物動態パラメータ: アスピリン併用単回投与試験
AUClast
AUC0-inf
Cmax
要約
(ng・h/mL) (ng・h/mL) (ng/mL)
統計量
20 mg
9
9
9
被験者数
110.55
117.36
69.43
幾何平均値
25.7
23.9
56.9
幾何 CV(%)
30 mg
9
9
9
被験者数
110.15
114.51
68.84
幾何平均値
33.7
33.5
60.4
幾何 CV(%)
a: tmax のみ中央値、最小値~最大値を示す。
投与群
tmax a)
(h)
9
0.50
0.50~1.00
9
0.50
0.50~1.00
MRTlast
(h)
t1/2
(h)
9
2.51
14.5
9
2.39
27.4
9
4.22
15.6
9
4.48
48.4
表 2.7.6.14.5-3 R-119251 の薬物動態パラメータ: アスピリン併用単回投与試験
AUClast
AUC0-inf
Cmax
要約
(ng・h/mL) (ng・h/mL) (ng/mL)
統計量
20 mg
9
9
9
被験者数
198.52
206.94
130.75
幾何平均値
23.2
22.3
41.4
幾何 CV(%)
30 mg
9
9
9
被験者数
315.42
329.59
176.80
幾何平均値
31.8
31.6
50.9
幾何 CV(%)
a: tmax のみ中央値、最小値~最大値を示す。
投与群
238
tmax a)
(h)
9
0.50
0.50~1.00
9
0.50
0.50~1.00
MRTlast
(h)
t1/2
(h)
9
2.27
14.8
9
2.80
9.3
9
6.99
33.2
9
9.51
12.9
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.14.5-4 R-106583 の薬物動態パラメータ: アスピリン併用単回投与試験
AUClast
AUC0-inf
Cmax
要約
(ng・h/mL) (ng・h/mL) (ng/mL)
統計量
20 mg
9
9
9
被験者数
1170.67
1340.36
209.20
幾何平均値
32.2
33.6
39.6
幾何 CV(%)
30 mg
9
9
9
被験者数
1590.06
1809.19
282.40
幾何平均値
39.1
39.6
49.6
幾何 CV(%)
a: tmax のみ中央値、最小値~最大値を示す。
投与群
tmax a)
(h)
9
1.00
0.50~1.50
9
1.00
0.50~2.00
MRTlast
(h)
t1/2
(h)
9
6.51
6.9
9
6.31
5.3
9
9.32
17.1
9
8.74
21.5
表 2.7.6.14.5-5 R-100932 の薬物動態パラメータ: アスピリン併用単回投与試験
AUClast
AUC0-inf
Cmax
要約
(ng・h/mL) (ng・h/mL) (ng/mL)
統計量
9
9
9
20 mg
被験者数
301.76
316.24
113.24
幾何平均値
17.4
18.5
21.0
幾何 CV(%)
30 mg
9
9
9
被験者数
391.37
417.32
137.05
幾何平均値
21.1
20.5
30.6
幾何 CV(%)
a: tmax のみ中央値、最小値~最大値を示す。
投与群
tmax a)
(h)
9
1.00
0.50~1.50
9
0.50
0.50~1.00
MRTlast
(h)
t1/2
(h)
9
3.91
9.6
9
3.88
9.4
9
7.99
18.6
9
8.93
21.3
表 2.7.6.14.5-6 R-118443 の薬物動態パラメータ: アスピリン併用単回投与試験
AUClast
AUC0-inf
Cmax
要約
(ng・h/mL) (ng・h/mL) (ng/mL)
統計量
9
9
9
20 mg
被験者数
57.45
62.99
24.85
幾何平均値
14.2
14.4
21.1
幾何 CV(%)
9
9
9
30 mg
被験者数
78.65
84.24
32.23
幾何平均値
12.6
12.9
27.7
幾何 CV(%)
a: tmax のみ中央値、最小値~最大値を示す。
投与群
tmax a)
(h)
9
0.50
0.50~1.50
9
0.50
0.50~1.00
MRTlast
(h)
t1/2
(h)
9
2.80
8.6
9
2.69
9.8
9
4.61
13.4
9
4.05
13.4
14.6 薬力学の結果
14.6.1 血小板凝集能
14.6.1.1
IPA
ADP 20 μM に対する IPA の推移を図 2.7.6.14.6-1 及び図 2.7.6.14.6-2 に、コラーゲンに対す
る IPA の推移を図 2.7.6.14.6-3 及び図 2.7.6.14.6-4 に示す。
凝集惹起物質として ADP 20 µM を用いた場合の併用投与前(アスピリン反復投与下、以下
同様)の IPA は、プラセボ群、20 mg 群、及び 30 mg 群でそれぞれ 14.44%(算術平均値、以
下同様)
、14.22%、及び 11.63%であった。併用投与後のプラセボ群(アスピリンとプラセボの
併用投与下)の IPA は、1 時間後に 20.08%へとわずかに上昇した後、緩やかに低下した。一
方、20 mg 群及び 30 mg 群の IPA は併用投与 1 時間後から上昇し、4 時間後に最高値(61.49%
及び 73.28%)に達した後、緩やかに低下した。また、144 時間後の値は 20 mg 群及び 30 mg
群ともにプラセボ群と比べて高値であった。事後検査時にはいずれの投与群でも血小板凝集抑
制作用は認められなかった。20 mg 群及び 30 mg 群の IPA をプラセボ群と時点ごとに比較した
239
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
結果、両群ともに併用投与 1~144 時間後の全採血時点で IPA の有意な高値が認められた
(Dunnett の多重比較、以下同様)
。
凝集惹起物質として ADP 5 M を用いた場合の各投与群の IPA は、ADP 20 M を用いた場
合と同様に推移した。20 mg 群及び 30 mg 群の IPA は、併用投与 1~144 時間後の全採血時点
で、プラセボ群と比較して有意な高値を示した。
凝集惹起物質としてコラーゲンを用いた場合の併用投与後のプラセボ群(アスピリンとプラ
セボの併用投与下)の IPA は、緩やかに上昇して 8 時間後に最高値に達した後、速やかに低下
し、24 時間後には併用投与前値を下回った。一方、20 mg 群及び 30 mg 群の IPA は併用投与 1
時間後から上昇して 2 時間後に最高値に達し、20 mg 群では 24 時間後まで、30 mg 群では 48
時間後まで 80%を超える高値が持続した。その後、ADP 惹起時の IPA に比して速やかに低下
して、96 時間後には両群ともに併用投与前値を下回った。20 mg 群の IPA は併用投与 1~24
時間後に、30 mg 群の IPA は併用投与 1~144 時間後の全採血時点で、プラセボ群と比較して
有意な高値を示した。
240
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
14.6.1.2
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
最大凝集抑制率
ADP 20 µM 及びコラーゲン 2 μg/mL の凝集惹起物質を用いた場合の最大凝集抑制率を表
2.7.6.14.6-1 に示す。
いずれの凝集惹起物質を用いた場合も、20 及び 30 mg 群の最大凝集抑制率のばらつきは、
プラセボ群と同程度又はプラセボ群よりも小さかった。
ADP 20 µM に対する最大凝集抑制率は 30 mg 群で高値を示したが、コラーゲンに対する最
大凝集抑制率は 20 mg 群と 30 mg 群で同様であった。
ADP 5 μM を用いた場合の最大凝集抑制率も ADP 20 μM を用いた場合と同様の傾向を示し
た。
表 2.7.6.14.6-1 最大凝集抑制率: アスピリン併用単回投与試験
投与群
プラセボ
20 mg
30 mg
ADP 20 μM
5
22.90
8.85
9
62.57
5.28
9
74.68
8.95
要約統計量
被験者数
算術平均値
標準偏差
被験者数
算術平均値
標準偏差
被験者数
算術平均値
標準偏差
コラーゲン 2 μg/mL
5
75.72
25.80
9
93.28
4.34
9
94.09
2.89
単位:%
14.6.2 出血時間
出血時間の推移を図 2.7.6.14.6-5 に示す。
アスピリン投与 5 日目の投与前に測定した出血時間は、プラセボ群、20 mg 群、及び 30 mg
群でそれぞれ 79.0(中央値、以下同様)
、126.0、及び 129.0 秒であった。併用投与後、プラセ
ボ群の出血時間はほとんど変化しなかった。一方、20 及び 30 mg 群では出血時間の延長が認
められ、20 mg 群では 24 時間後に 265.0 秒、30 mg 群では 4 時間後に 197.0 秒と最長になった。
併用投与 144 時間後には、いずれの投与群の出血時間も併用投与前と同様の値となった。
245
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.14.7-1 臨床検査値異常変動発現被験者数(事象別)
(すべて): アスピリン併用単回
投与試験
投与群
評価被験者数
器官別
大分類
臨床検査
基本語
活性化部分トロンボプラスチン時間短縮
アラニン・アミノトランスフェラーゼ増加
アルブミン・グロブリン比増加
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加
血中ビリルビン増加
血中クレアチンホスホキナーゼ増加
血中乳酸脱水素酵素減少
血中乳酸脱水素酵素増加
血中トリグリセリド減少
血中尿酸増加
尿中ブドウ糖陽性
ヘマトクリット減少
尿中血陽性
ヘモグロビン減少
総蛋白減少
網状赤血球数増加
白血球数減少
白血球数増加
好中球百分率減少
尿中蛋白陽性
潜血陽性
MedDRA/J ver.
14.7.1.2
プラセボ
5
被験
%
者数
1
20.0
1
20.0
0
0.0
1
20.0
0
0.0
0
0.0
2
40.0
0
0.0
1
20.0
2
40.0
0
0.0
2
40.0
0
0.0
0
0.0
0
0.0
0
0.0
1
20.0
1
20.0
0
0.0
0
0.0
3
60.0
20 mg
9
被験
%
者数
1
11.1
0
0.0
0
0.0
0
0.0
2
22.2
2
22.2
0
0.0
0
0.0
3
33.3
2
22.2
1
11.1
3
33.3
0
0.0
0
0.0
0
0.0
0
0.0
2
22.2
0
0.0
1
11.1
0
0.0
1
11.1
30 mg
9
被験
%
者数
2
22.2
1
11.1
1
11.1
1
11.1
0
0.0
3
33.3
1
11.1
1
11.1
0
0.0
4
44.4
3
33.3
1
11.1
1
11.1
1
11.1
1
11.1
1
11.1
0
0.0
1
11.1
0
0.0
1
11.1
1
11.1
因果関係が「関連あり」の有害事象
因果関係が「関連あり」の臨床検査値異常変動発現被験者数を表 2.7.6.14.7-2 に示す。
因果関係が「関連あり」の自覚症状・他覚所見は、いずれの投与群でも認められなかった。
因果関係が「関連あり」の臨床検査値異常変動は、プラセボ群で 5 名中 3 名(60.0%)
、20 mg
群で 9 名中 2 名(22.2%)
、30 mg 群で 9 名中 3 名(33.3%)に発現した。その内訳は、プラセ
ボ群で潜血陽性(症例報告書に記載された事象名: 便潜血)が 3 名、20 mg 群で血中ビリルビ
ン増加及び潜血陽性が各 1 名、30 mg 群でアラニン・アミノトランスフェラーゼ増加、アスパ
ラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加、尿中蛋白陽性、及び潜血陽性が各 1 名(アラニン・
アミノトランスフェラーゼ増加とアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加は同一被験
者に発現)であり、用量増加に伴って発現被験者数が増加する傾向はなかった。
247
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.14.7-2 臨床検査値異常変動発現被験者数(事象別)
(関連あり): アスピリン併用単
回投与試験
投与群
評価被験者数
器官別
大分類
臨床検査
基本語
アラニン・アミノトランスフェラーゼ増加
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加
血中ビリルビン増加
尿中蛋白陽性
潜血陽性
MedDRA/J ver.
14.7.1.3
プラセボ
5
被験
%
者数
0
0.0
0
0.0
0
0.0
0
0.0
3
60.0
20 mg
9
被験
%
者数
0
0.0
0
0.0
1
11.1
0
0.0
1
11.1
30 mg
9
被験
%
者数
1
11.1
1
11.1
0
0.0
1
11.1
1
11.1
程度別の有害事象の発現頻度及び内訳
有害事象はいずれも軽度であり、無処置で回復した。重度及び中等度の有害事象はなかった。
14.7.1.4
死亡及びその他の重篤な有害事象
死亡、その他の重篤な有害事象は認められなかった。
14.7.1.5
重要な有害事象
著しい血液学的異常や他の臨床検査値異常、並びにそれによる治験薬投与の中止、減量、又
は重要な併用療法を追加せざるを得なかった有害事象(いずれも重篤の定義を満たすもの以
外)をその他の重要な有害事象としたが、いずれも認められなかった。
14.7.2 臨床検査値の評価
治験期間を通しての臨床検査値の推移(血液学的検査、血液凝固系検査、血液生化学的検査)
、
眼底検査では、いずれの投与群でも特に問題となる所見は認められなかった。
定性的尿検査は、併用投与後に()~(2)を示した被験者が、尿糖では 20 mg 群で 1 名
及び 30 mg 群で 3 名、
尿潜血反応では 30 mg 群で 1 名、
尿蛋白では 30 mg 群で 1 名認められた。
プラセボ群では異常は認められなかった。尿ウロビリノーゲン及び尿ビリルビンは、投与前後
ともにいずれの投与群でも異常は認められなかった。
個々の被験者の臨床検査値では、いずれの投与群、検査項目でも、各被験者の検査値が投与
前後で特定の方向へ推移する傾向は認められなかった。
便潜血については、20 mg 群の 1 名で併用投与 1 及び 2 日後に、30 mg 群の 1 名で併用投与
日の投与後にそれぞれ便潜血が陽性となったが、プラセボ群でも 3 名で同様の所見が認められ
た。
14.7.3 計測・バイタルサインの評価
いずれの投与群でも、投与前後で明らかな変動を示した検査項目はなかった。
248
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
14.7.4 心電図の評価
全投与群のすべての被験者が、標準 12 誘導心電図の投与前後の全検査時点で「正常範囲内」
と判定された。
14.8 結論
健康成人男性を対象にアスピリン(100 mg/日)反復投与下で CS-747S 20 mg 及び 30 mg を
単回投与した結果、活性代謝物 R-138727 は、投与後速やかに血漿中濃度が上昇し、投与 0.5
時間後に最高値に達した後、速やかに低下した。AUClast、AUC0-inf、及び Cmax は、20 mg 群と
比較して 30 mg 群で大きな値を示した。また、いずれの投与量でも、ADP で惹起される血小
板凝集作用は投与 1~144 時間後のいずれの時点でもプラセボ群と比較し有意に抑制した。
出血時間については、CS-747S のいずれの投与量でもプラセボ群と比較して延長する傾向が
認められた。
安全性については、治験薬との因果関係を否定できない有害事象が見られたが、すべて軽度
であり、問題となるようなものは認められなかった。したがって、健康成人男性に CS-747S
をアスピリン反復投与下で 30 mg までの用量で単回経口投与した場合、安全性に特に問題はな
いものと考えられた。
249
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
15. CS-747S 臨床薬理試験
―アスピリン反復投与下での CS-747S(負荷用量/維持用量)の安全性、
薬力学及び薬物動態の検討―
············································································資料番号 5.3.3.4-2
15.1 治験方法
15.1.1 概略
治験方法の概略を表 2.7.6.15.1-1 に示す。
表 2.7.6.15.1-1 治験方法の概略: アスピリン併用反復投与試験(1/4)
治験の目的
治験責任医師名
実施医療機関
治験期間
対象
健康成人男性を対象として、アスピリン反復投与下での CS-747S(負荷用量/維持用
量)経口投与時の安全性、薬力学、及び薬物動態を検討する。
、他 1 名
、他 1 施設
20 年 月 4 日(最初の被験者の同意取得日)~20 年 月 9 日(最終観察日)
選択基準をすべて満たし、除外基準のいずれにも抵触しない日本人の健康成人男性
を対象とした。
1.選択基準
1-1.スクリーニング検査時の選択基準
1) スクリーニング検査前に文書による同意が得られた者
2) 男性
3) スクリーニング検査時の満年齢が 20 歳以上、45 歳以下の者
4) 肥満度(body mass index: BMI)が 18.5 以上、25.0 未満の者
5) 血小板数が実施医療機関の基準値以内の者
6) 入院中に禁煙可能な者
7) 入院中に禁酒可能な者
1-2.アスピリン投与の可否判定時の選択基準
1) 文書による同意確認が得られた者
1-3.併用投与前検査時の選択基準
1) 血小板数が実施医療機関の基準値以内の者
2) アスピリンを 5 日間完全に服用した者
2.除外基準
2-1.スクリーニング検査時の除外基準
1) 中枢神経系、循環器系、呼吸器系、血液・造血機能系、消化器系、肝・腎臓機
能、甲状腺機能、脳下垂体機能、副腎機能等の障害の既往歴を有し、治験の実
施が被験者の安全性確保上問題があると治験責任医師等が判断した者
2) 薬物等に対する過敏症又は特異体質(ペニシリンアレルギー等)がある者
3) アルコール又は薬物依存者
4) 感染症検査で B 型肝炎表面(hepatitis B surface antigen: HBs)抗原、梅毒検査(梅
毒トレポネーマ感作赤血球凝集試験[Treponema pallidum hemagglutination assay:
TPHA]法)、C 型肝炎ウイルス(hepatitis C virus: HCV)抗体、ヒト免疫不全ウ
イルス(human immunodeficiency virus: HIV)抗体又は HIV 抗原抗体の結果が異
常を示した者
5) 以下のいずれかに該当する者
-出血素因を有する者(鼻粘膜又は口腔粘膜から出血しやすい等)
-出血性疾患(消化管出血、痔疾患等)を認める又はその既往歴を有する者
-重篤な出血性疾患(血小板無力症等)の家族歴を有する者
6) 以下のいずれかに該当する者
-入院前 1 年以内に合計 800 mL 以上の全血採血を行った者
-入院前 84 日以内に合計 400 mL 以上の全血採血を行った者
-入院前 28 日以内に合計 200 mL 以上の全血採血を行った者
-入院前 14 日以内に成分採血を行った者
250
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.15.1-1 治験方法の概略: アスピリン併用反復投与試験(2/4)
対象(続き)
ただし、入院以前にスクリーニング検査を開始する場合は、以下のいずれかに該
当する者
-入院予定日前 1 年以内に合計 800 mL 以上の全血採血を行った者
-入院予定日前 84 日以内に合計 400 mL 以上の全血採血を行った者
-入院予定日前 28 日以内に合計 200 mL 以上の全血採血を行った者
-入院予定日前 14 日以内に成分採血を行った者
7) 入院前 120 日以内に他の治験に参加し治験薬の投与を受けた者、又は入院予定
日前 120 日以内に他の治験に参加し治験薬の投与を受けた者(入院以前にスク
リーニング検査を開始する場合)
8) 入院前 14 日以内に他の薬剤を使用した者又は入院予定日前 14 日以内に他の薬
剤を使用した者(入院以前にスクリーニング検査を開始する場合)
9) 入院前 14 日以内に St. John’s Wort を含むものを摂取した者、又は入院予定日前
14 日以内に St. John’s Wort を含むものを摂取した者(入院以前にスクリーニン
グ検査を開始する場合)
10) 入院前 7 日以内にグレープフルーツ、もしくはグレープフルーツジュースを
飲食した者、又は入院予定日前 7 日以内にグレープフルーツ、もしくはグレー
プフルーツジュースを飲食した者(入院以前にスクリーニング検査を開始する
場合)
11) 入院時に他の医師から医療行為(歯科治療を含む)を受けている者
12) 過去に CS-747 又は CS-747S の治験に参加し、治験薬の投与を受けた者
13) スクリーニング検査期間中の任意の便にて、便潜血検査が陽性の者又は臨床
検査にて尿潜血が陽性の者(ただし、尿潜血の陽性の程度が 1+までの者は除く)
14) 眼底検査で、出血性の異常所見を認めた者
15) 口腔粘膜、上半身、臀部、大腿部、又は下腿部に、肉眼で確認できる点状出
血が認められた者(ただし、治験責任医師等が治験への参加に問題ないと判断
した者は除く)
16) 出血時間測定(アイビー法)で、出血時間の平均値が 2 分 47 秒を超える者(た
だし、血液凝固系検査、血小板数、点状出血検査等から治験責任医師等が治験
への参加に問題ないと判断した者は除く)
17) 血小板凝集能測定で、アラキドン酸(0.75 mM)、アデノシン二リン酸(adenosine
5'-diphosphate : ADP)
(5、20 µM)
、又はコラーゲン(2 µg/mL)のいずれかに対
する最大血小板凝集率(maximum platelet aggregation: MPA)が 50%未満の者
18) その他、計測・バイタルサインもしくは臨床検査値が実施医療機関の基準値
を逸脱した者、心電図検査で異常を認めた者、又は臨床上問題となる自覚症状・
他覚所見(急性感染症等)を認めた者(ただし、治験責任医師等が治験への参
加に問題ないと判断した者は除く)
19) その他、治験責任医師等が不適当と判断した者(投与の遵守が困難と予想さ
れる場合等)
2-2.アスピリン投与の可否判定時の除外基準
1) 計測・バイタルサインが実施医療機関の基準値を逸脱した者、心電図検査で異
常を認めた者、又は臨床上問題となる自覚症状・他覚所見(急性感染症等)を
認めた者(ただし、治験責任医師等が治験への参加に問題ないと判断した者は
除く)
2) その他、治験責任医師等が不適当と判断した者(投与の遵守が困難と予想され
る場合等)
2-3.併用投与前検査時の除外基準
1) 口腔粘膜、上半身、臀部、大腿部、又は下腿部に肉眼で確認できる点状出血が
認められた者(ただし、治験責任医師等が治験への参加に問題ないと判断した
者は除く)
2) 便潜血検査又は尿潜血検査で陽性の者(ただし、治験責任医師等が治験への参
加に問題ないと判断した者[便潜血: 陽性化が 1 回かつその後、陰性に復した
者、尿潜血: 陽性の程度が 1+までの者]は除く)
3) 眼底検査で出血性の異常所見を認めた者
4) 血小板凝集能測定で、ADP(20 µM)に対する MPA が 50%未満の者
251
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.15.1-1 治験方法の概略: アスピリン併用反復投与試験(3/4)
対象(続き)
治験デザイン
目標被験者数
治験薬
用法・用量
5) その他、計測・バイタルサイン、もしくは臨床検査値が実施医療機関の基準値
を逸脱した者、心電図検査で異常を認めた者、又は臨床上問題となる自覚症状・
他覚所見(急性感染症等)を認めた者(ただし、治験責任医師等が治験への参
加に問題ないと判断した者は除く)
6) その他、治験責任医師等が不適当と判断した者(投与の遵守が困難と予想され
る場合等)
無作為化、プラセボ対照、二重盲検試験
治験期間: 21~23 日間
投与期間: 10 日間(アスピリン単独投与期間 5 日間、CS-747S[又はプラセボ]とア
スピリンの併用投与期間 5 日間)
入院期間: 17 泊 18 日(スクリーニング検査~退院時検査)
事後検査: 投与終了 9~11 日後
併用投与被験者として 20 名(10 名[CS-747S 20/5 mg 群 4 名、CS-747S 30/7.5 mg 群
4 名、プラセボ群 2 名] 2 実施医療機関)
被験薬: CS-747S 2 mg 錠(CS-747S-2)
(製造バルクロット番号 F1-05T03)
CS-747S 2.5 mg 錠(CS-747S-2.5)
(製造バルクロット番号 F1-05T05)
CS-747S 4 mg 錠(CS-747S-4)
(製造バルクロット番号 F1-05T04)
対照薬: CS-747S プラセボ錠(CS-747S-P)
(製造バルクロット番号 F1-05T01)
併用薬: CS-747S(アスピリン)錠(治験薬ロット番号 A0747F0-06T04)
1) アスピリン単独投与期
アスピリン 100 mg を 1 日 1 回、5 日間反復経口投与した。
2) CS-747S 又はプラセボとアスピリンの併用投与期
アスピリン投与 6 日目を併用投与 1 日目とし、併用投与 1~5 日目までの 5 日間、
表に示す投与量の CS-747S 又はプラセボをアスピリン 100 mg とともに 1 日 1 回経
口投与した。
負荷用量
(併用投与 1 日目)
維持用量
(併用投与 2~5 日目)
-
-
CS-747S 20/5 mg
20 mg
5 mg
CS-747S 30/7.5 mg
30 mg
7.5 mg
投与群
プラセボ
評価項目
1.薬物動態
CS-747S 代謝物(R-138727、R-95913、R-119251、R-106583)の併用投与 1 及び 5 日
目の薬物動態パラメータ: AUClast、AUC0-inf、Cmax、tmax、MRTlast、t1/2
2.薬力学
1) 血小板凝集抑制率(inhibition of platelet aggregation: IPA)(アラキドン酸 0.75 mM、
ADP 5 及び 20 µM、コラーゲン 2 µg/mL)
2) 出血時間(アイビー法)
3) platelet reactivity index(PRI)値(vasodilator-stimulated phosphoprotein: VASP)
3.安全性
有害事象(自覚症状・他覚所見等の発現又は悪化、臨床検査値異常変動)
、臨床検査
値、計測・バイタルサイン、及び心電図
252
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.15.1-1 治験方法の概略: アスピリン併用反復投与試験(4/4)
観察・検査スケ
ジュール
統計解析手法
表 2.7.6.15.1-2 参照
1.薬物動態:
薬物動態の解析対象は、薬物動態評価対象集団(per protocol set: PPS)とした。
1) 活性代謝物(R-138727)及び不活性代謝物(R-95913、R-119251、R-106583)の血
漿中濃度について、代謝物ごと、投与群ごと、採血時点ごとに要約統計量を算出し、
推移図を作成した。
2) 併用投与 1 及び 5 日目の薬物動態パラメータを被験者ごとに求め、代謝物ごと、投
与群ごとに要約統計量を算出した。
2.薬力学
薬力学の解析対象は薬力学評価対象集団(PPS)とした。
1) 血小板凝集能として、アラキドン酸(0.75 mM)、ADP(5、20 µM)
、及びコラーゲ
ン(2 µg/mL)に対する MPA について、凝集惹起物質ごと、投与群ごと、採血時点
ごとに要約統計量を算出した。被験者ごとに各採血時点の IPA を求め、凝集惹起物
質ごと、投与群ごと、採血時点ごとに要約統計量を算出した。
 スクリーニング検査時 の MPA  各時点のMPA
スクリーニング検査時 の MPA

IPA ( % ) 

  100

また、採血時点ごとにプラセボ群と各投与群とを Dunnett の多重比較により比較し
た。有意水準は 5%とした。被験者ごとに最大凝集抑制率を求め、凝集惹起物質ご
と、投与群ごとに要約統計量を算出した。
2) 出血時間について、投与群ごと、測定時点ごとに要約統計量を算出した。
3) VASP(PRI 値)について、投与群ごと、採血時点ごとに要約統計量を算出した。ま
た、採血時点ごとにプラセボ群と各投与群とを Dunnett の多重比較により比較した。
有意水準は 5%とした。
3.安全性
安全性の解析対象は、安全性評価対象集団とした。また、参考として、治験薬(アスピ
リンのみの場合を含む)を 1 回でも投与された被験者についても、安全性評価対象集団
と同様に有害事象を集計した。
1) 有害事象の発現の有無について、自覚症状・他覚所見等の発現又は悪化(以下、
「自
覚症状・他覚所見」と記す)
、臨床検査値異常変動に分けて、投与群ごとに因果関
係(すべて、関連あり)別の頻度を集計した。また、各有害事象の頻度を、投与群
ごとに因果関係別、程度別・因果関係別(自覚症状・他覚所見のみ)に集計した。
2) 臨床検査の定量値は、投与群ごとに各検査時点の測定値及び投与前後の変化量の要
約統計量を算出した。また、定性値(便潜血検査を除く)は、投与群ごとに投与前
と投与後の各検査時点とのクロス頻度表を作成した。
3) 血圧、脈拍数、体重、及び体温について、投与群ごとに各時点の測定値及び投与前
後の変化量の要約統計量を算出した。また、標準 12 誘導心電図について、投与群
ごとに投与前と投与後の各検査時点とのクロス頻度表を作成した。
253
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
15.1.2 用法・用量の設定根拠
1)
CS-747S
アスピリン併用単回投与試験では、アスピリン併用下での CS-747S 20、30 mg の安全性及び
忍容性が確認され、強い薬理作用が認められた。また、反復投与試験では、CS-747S 5 mg、7.5 mg
の安全性及び忍容性が確認され、十分な薬効を示したことから、負荷用量の薬効を維持できる
と考えられた。そこで、国内での CS-747S の臨床高用量(負荷用量/維持用量)を 30/7.5 mg、
臨床低用量を 20/5 mg と想定し、これに準じて、本治験の負荷用量を 20 mg、30 mg、維持用
量を 5 mg、7.5 mg に設定して、アスピリンとの併用投与時の安全性、薬力学、及び薬物動態
を検討することとした。
アスピリン併用単回投与試験で、CS-747S 20 又は 30 mg をアスピリン 100 mg と併用投与し
たとき、ADP 20 µM 惹起の血小板凝集に対する抑制反応は、併用投与 2~4 時間後に最大に達
し、併用投与 4 時間後の IPA は、20 及び 30 mg 投与群でそれぞれ 61.49(4.52)%(算術平均
値[標準偏差]
、N = 8、以下同様)及び 73.28(8.05)%を示した。併用投与 96 時間後には、
34.53(5.89)%及び 50.52(5.90)%と徐々に減弱した。また、出血時間も併用投与 4~24 時間
後に延長傾向を示し、144~168 時間後には、回復が見られた。出血事象を含めて臨床上問題
となる有害事象の発現はなく、良好な安全性が確認された。
第 I 相反復投与試験で、10 mg までの CS-747S を 7 日間経口投与したところ、5 及び 7.5 mg
投与群の活性代謝物及び不活性代謝物の血漿中濃度は、投与 1 日目と 7 日目でほぼ同様の推移
を示し、薬剤が蓄積する傾向は認められなかった。また、5 及び 7.5 mg 投与群の ADP 20 µM
惹起時の IPA は、反復投与開始 76 時間後(反復投与 3 日目の投与 4 時間後)にそれぞれ 35.80
(15.27)%及び 56.08(6.18)%と抑制効果を認め、反復投与開始 100 時間後(反復投与 5 日
目の投与 4 時間後)には、51.18(11.55)%及び 61.76(8.57)%まで増強し、それ以降、同様
の抑制作用が維持された。また、両投与群で発現した出血性有害事象は、いずれも軽度で無処
置で回復し、臨床的に問題となるものではなかった。
2)
アスピリン
アスピリンは、
「循環器疾患における抗凝固・抗血小板療法に関するガイドライン」でクラ
ス I(有益/有効であるという根拠があり適応であることが一般に同意されている)に分類さ
れ、投与量は、75~150 mg/日が推奨されている 3)。本治験の投与量は、臨床で最も汎用され
ている 100 mg に設定し、先に実施した、アスピリン併用単回投与試験で使用され、現在の国
内循環器領域で汎用されているアスピリン腸溶剤 100 mg 錠を用いることとした。
256
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
15.2 被験者の内訳
被験者の内訳を図 2.7.6.15.2-1 に示す。
スクリーニング検査では、57 名中 33 名が「適」と判定され、そのうち 29 名にアスピリン
が投与された。これらの 29 名は、併用投与前検査でいずれも「適」と判定された。併用投与
開始日の投与前の検査結果に基づき、29 名の中から 20 名(プラセボ群 4 名、CS-747S 20/5 mg
群 8 名、CS-747S 30/7.5 mg 群 8 名)を本治験に組み入れて無作為化し、CS-747S 又はプラセボ
をアスピリンと併用投与した。併用投与開始後の中止被験者はなく、20 名すべてが治験を完
了した。
なお、アスピリンを投与されたが組み入れられなかった 9 名のうち 1 名の中止時期はアスピ
リン投与終了 16 日後であり、中止理由は「その他の被験者側の理由(多忙等)
」であった。
図 2.7.6.15.2-1 被験者の内訳: アスピリン併用反復投与試験
スクリーニング実施被験者数
57 名
スクリーニング「適」判定被験者数
33 名
スクリーニング「不適」判定被験者数
24 名
アスピリン投与被験者数
29 名
アスピリン未投与被験者数
4名
併用投与前検査「適」判定被験者数
29 名
併用投与前検査「不適」判定被験者数
0名
組み入れ、無作為化した被験者数
20 名
CS-747S
CS-747S
プラセボ群
20/5 mg 群 30/7.5 mg 群
4名
8名
8名
組み入れ除外被験者数
9名
完了被験者数
20 名
CS-747S
CS-747S
プラセボ群
20/5 mg 群 30/7.5 mg 群
4名
8名
8名
中止被験者数
0名
CS-747S
CS-747S
プラセボ群
20/5 mg 群 30/7.5 mg 群
0名
0名
0名
15.3 解析対象
15.3.1 薬物動態
CS-747S とアスピリンの併用投与
(5 日間)を完了した 16 名(CS-747S 20/5 mg 群 8 名、
CS-747S
30/7.5 mg 群 8 名)を薬物動態評価対象集団に採用した。プラセボ群の 4 名は薬物動態の評価
から除外した。
257
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
なお、一部の被験者の併用投与 1~3 日目の活性代謝物濃度測定用検体の前処理
(3’-methoxyphenacyl bromide 溶液の添加)に問題があり、また、検体ごとに操作の適確性を
判断することは不可能であったことから、これらの検体の測定結果は、すべて不採用とし、欠
測として取り扱った。
15.3.2 薬力学
薬力学の評価から除外された被験者はなく、CS-747S 又はプラセボのいずれか一方とアスピ
リンの併用投与(5 日間)を完了した 20 名(プラセボ群 4 名、CS-747S 20/5 mg 群 8 名、CS-747S
30/7.5 mg 群 8 名)すべてを薬力学評価対象集団に採用した。
15.4 被験者背景
人口統計学的及び他の基準値の特性に関して、試験結果に影響を及ぼすような投与群間の偏
りは認められなかった。
本治験ではプラセボ群の被験者を薬物動態の評価から除外したのを除き、各評価対象集団で
不採用となった被験者はなかったため、薬物動態評価対象集団及び安全性評価対象集団の被験
者特性は、薬力学評価対象集団と一致した。
15.5 薬物動態の結果
15.5.1 血漿中薬物濃度及び薬物動態パラメータ
15.5.1.1
活性代謝物(R-138727)
R-138727 の血漿中濃度の推移を投与日(併用投与 1、5 日目)別に図 2.7.6.15.5-1、薬物動
態パラメータを表 2.7.6.15.5-1 に示す。
R-138727 の血漿中濃度は、いずれの群も負荷用量投与時(併用投与 1 日目)及び維持用量
投与時(併用投与 5 日目)ともに、投与後、速やかに上昇し、投与 0.5 時間後に最高値に達し
た。その後、血漿中濃度は速やかに低下し、維持用量の投与 12 時間後までにすべての被験者
で定量下限未満又は定量下限をわずかに上回る程度となった。
20/5 mg 群及び 30/7.5 mg 群の AUClast は、
負荷用量投与時
(併用投与 1 日目)
にそれぞれ 339.21
(12.7)
(幾何平均値[幾何 CV%]
、以下同様)及び 584.82(20.7) ng・h/mL、維持用量投与時
(併用投与 5 日目)にそれぞれ 57.96(38.0)及び 119.63(29.9) ng・h/mL であった。30/7.5 mg
群の値は、負荷用量投与時に 20/5 mg 群の約 1.7 倍(幾何平均値の比、以下同様)
、維持用量投
与時に約 2.1 倍を示した。AUC0-inf も同様の結果であった。また、負荷用量及び維持用量投与
時ともに、30/7.5 mg 群の Cmax は 20/5 mg 群の 1.5~1.6 倍を示した。tmax 及び MRTlast には用量
による違いは認められなかった。維持用量投与時の tmax 及び MRTlast は、用量にかかわらず負
荷用量投与時と類似した値を示した。
258
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
図 2.7.6.15.5-1 血漿中 R-138727 濃度推移: アスピリン併用反復投与試験
併用投与 1 日目(負荷用量投与時)
800
700
(ng/mL)
600
● 20 / 5 mg
N=4
□ 30 / 7 5 mg
N=4
算術平均値±標準偏差
□
500
血漿中濃度
400
300
●
□ □
200
●
●
100
0
□
●
□
●
●
□
□
□
●
□
□
□
●
0 1 2
4
6
8
12
24
時間
(h)
併用投与 5 日目(維持用量投与時)
200
150
(ng/mL)
血漿中濃度
N=8
□ 30 / 7 5 mg
N=8
算術平均値±標準偏差
100
□
□
●
50
□
●
● □
●
0
● 20 / 5 mg
□
0 1
□
●
2
4
□
□
□
6
8
12
時間
259
(h)
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.15.5-1 R-138727 の薬物動態パラメータ: アスピリン併用反復投与試験
投与群
20/5 mg
30/7.5 mg
投与日
(投与量)
併用投与
1 日目
(負荷用量:
20 mg)
併用投与
5 日目
(維持用量:
5 mg)
併用投与
1 日目
(負荷用量:
30 mg)
併用投与
5 日目
(維持用量:
7.5 mg)
要約 a)
統計量
被験者数 b)
幾何平均値
AUClast
AUC0-inf
Cmax
(ng・h/mL) (ng・h/mL) (ng/mL)
tmax
(h)
MRTlast
(h)
t1/2
(h)
4
339.21
4
345.82
4
354.84
4
0.50
4
1.49
4
6.08
幾何 CV(%)
12.7
12.3
25.1
0.50~1.00
12.6
39.3
被験者数
幾何平均値
8
57.96
8
60.45
8
64.08
8
0.50
8
1.15
8
2.44
幾何 CV(%)
38.0
38.2
62.1
0.25~1.00
23.8
47.6
4
584.82
4
591.84
4
539.92
4
0.50
4
1.57
4
7.11
幾何 CV(%)
20.7
20.3
37.3
0.50~1.00
20.7
7.2
被験者数
幾何平均値
8
119.63
8
124.07
8
104.49
8
0.50
8
1.39
8
4.12
幾何 CV(%)
29.9
29.3
39.2
0.25~1.00
21.8
50.2
b)
被験者数
幾何平均値
a: tmax のみ中央値、最小値~最大値を示す。
b: 20/5 mg 群及び 30/7.5 mg 群の各 4 名では、検体採取時の誘導体化操作に問題があったと考えられたため、
併用投与 1~3 日目の活性代謝物濃度をすべて不採用とし、併用投与 1 日目の薬物動態パラメータを算出し
なかった。
15.5.1.2
不活性代謝物(R-95913、R-119251、R-106583)
不活性代謝物(R-95913、R-119251、R-106583)の薬物動態パラメータを表 2.7.6.15.5-2 に示
す。
不活性代謝物(R-95913、R-119251、R-106583)の AUClast、AUC0-inf、及び Cmax を、20/5 mg
群と 30/7.5 mg 群とで比較すると、維持用量投与時の R-95913 の Cmax が同程度であったのを除
き、負荷用量投与時と維持用量投与時ともに高用量の 30/7.5 mg 群で高値を示した。
260
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.15.5-2 不活性代謝物(R-95913、R-119251、R-106583)の薬物動態パラメータ: アスピリン併用反復投与試験
投与群
20/5 mg
30/7.5 mg
投与日
(投与量)
要約 a)
統計量
併用投与
1 日目
(負荷用量: 20 mg)
併用投与
5 日目
(維持用量: 5 mg)
併用投与
1 日目
(負荷用量: 30 mg)
併用投与
5 日目
(維持用量: 7.5 mg)
被験者数
幾何平均値
幾何 CV(%)
被験者数
幾何平均値
幾何 CV(%)
被験者数
幾何平均値
幾何 CV(%)
被験者数
幾何平均値
幾何 CV(%)
AUClast
(ng・h/mL)
8
127.81
43.9
8
34.16
46.7
8
168.46
39.9
8
40.42
57.3
R-95913
AUC0-inf
(ng・h/mL)
8
133.93
43.1
7 b)
43.13
27.3
8
175.52
39.6
7 b)
52.43
29.2
Cmax
(ng/mL)
8
74.32
44.5
8
21.53
59.3
8
92.37
41.2
8
21.91
70.7
AUClast
(ng・h/mL)
8
78.29
22.2
8
17.97
32.7
8
164.43
25.8
8
34.12
29.8
a: tmax のみ中央値、最小値~最大値を示す。
b: 1 名で適切な消失相が設定できなかったため、AUC0-inf 及び t1/2 が算出できなかった。
c: 6 名で適切な消失相が設定できなかったため、AUC0-inf 及び t1/2 が算出できなかった。
d: 2 名で適切な消失相が設定できなかったため、AUC0-inf 及び t1/2 が算出できなかった。
e: 1 名で AUC%extr が 20%を超えたため、AUC0-inf が算出できなかった。
f: 3 名で AUC%extr が 20%を超えたため、AUC0-inf が算出できなかった。
g: 2 名で AUC%extr が 20%を超えたため、AUC0-inf が算出できなかった。
h: 4 名で AUC%extr が 20%を超えたため、AUC0-inf が算出できなかった。
261
R-119251
AUC0-inf
(ng・h/mL)
8
84.26
22.9
2 c)
30.44
11.4
8
173.54
26.9
5 d、 e)
41.35
32.0
Cmax
(ng/mL)
8
55.16
24.5
8
14.49
46.4
8
92.97
13.8
8
20.47
29.3
AUClast
(ng・h/mL)
8
763.61
30.3
8
232.10
38.6
8
1406.29
23.1
8
422.91
25.1
R-106583
AUC0-inf
(ng・h/mL)
5 f)
893.25
43.1
6 g)
289.12
42.6
6 g)
1535.96
23.3
4 h)
466.20
25.0
Cmax
(ng/mL)
8
132.26
28.5
8
35.55
37.5
8
209.17
13.9
8
59.03
14.6
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
15.6 薬力学の結果
15.6.1 血小板凝集能
15.6.1.1
IPA
凝集惹起物質として ADP(20 µM)を用いた場合の IPA の推移を図 2.7.6.15.6-1 に示す。
ADP 20 µM を用いた場合の IPA は、20/5 mg 群及び 30/7.5 mg 群のいずれの投与群も、併用
投与開始後に速やかに上昇し、20/5 mg 群では併用投与 1 日目の投与 1 時間後から投与終了 72
時間後まで、30/7.5 mg 群では併用投与 1 日目の投与 1 時間後から投与終了 144 時間後まで、
それぞれプラセボ群と比較して有意な高値を示した(Dunnett の多重比較)
。ADP 20 μM を用
いた場合の 20/5 mg 群及び 30/7.5 mg 群の IPA は、最高値を示した負荷用量(併用投与 1 日目)
の投与 4 時間後にそれぞれ 63.69%(算術平均値、以下同様)及び 70.76%、維持用量(併用投
与 5 日目)の投与 4 時間後に 57.46%及び 68.26%であり、いずれの投与群でも負荷用量投与時
と維持用量投与時で同様の血小板凝集抑制作用が認められた。また、ADP 20 μM を用いた場
合の IPA は投与終了 24 時間後まで 50%を超える高値を維持した後、投与終了 144 時間後まで
緩やかに低下した。投与終了 9~11 日後の事後検査時には血小板凝集抑制作用は認められなか
った。血小板凝集抑制作用は 20/5 mg 群よりも 30/7.5 mg 群で強かった。凝集惹起物質として
ADP 5 M を用いた場合の各投与群の IPA は、ADP 20 M を用いた場合と同様に推移した。
図 2.7.6.15.6-1 IPA の推移(ADP 20 µM): アスピリン併用反復投与試験
○
N=4
プラセボ
● 20 / 5 mg N=8
□ 30 / 7.5 mg N=8
100
算術平均値±標準偏差
IPA
(%)
80
□
□
●
60
□
□
□
●
●
●
●
□
□
●
●
□
40
●
20
□
●
○
○
●
○○
○
○
○
○
○
○
0
○
-20投与前
014
24
04
24
72
併用投
アスピリ
ン投与
与
5日目
4日目
投与前 併用投与1日目 投与前 併用投与5日目
(負荷用量投与時)
15.6.1.2
●
○
□
時間 (h)
144
事後
検査
(維持用量投与時)
最大凝集抑制率
ADP 20 µM 及びコラーゲン(2 µg/mL)の凝集惹起物質を用いた場合の最大凝集抑制率を表
2.7.6.15.6-1 に示す。
20/5 mg 群及び 30/7.5 mg 群の最大凝集抑制率のばらつきは、プラセボ群と同程度又はプラ
セボ群よりも小さかった。
262
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
ADP 20 µM に対する最大凝集抑制率は、20/5 mg 群と比較して高用量の 30/7.5 mg 群でわず
かに高値を示した。ADP 5 μM を用いた場合の最大凝集抑制率も ADP 20 μM を用いた場合と同
様の傾向を示した。コラーゲンに対する最大凝集抑制率は、用量にかかわらず 90%を超えて
いた。
表 2.7.6.15.6-1 最大凝集抑制率: アスピリン併用反復投与試験
投与群
要約統計量
プラセボ
被験者数
算術平均値
標準偏差
被験者数
算術平均値
標準偏差
被験者数
算術平均値
標準偏差
20/5 mg
30/7.5 mg
ADP
20 M
4
17.95
10.36
8
63.69
7.58
8
71.41
10.45
コラーゲン
2 g/mL
4
77.45
13.14
8
93.29
7.76
8
90.70
8.79
単位: %
15.6.2 出血時間
出血時間の推移を図 2.7.6.15.6-2 に示す。
併用投与開始後、プラセボ群の出血時間はほとんど変化しなかったが、20/5 mg 群及び
30/7.5 mg 群では負荷用量(併用投与 1 日目)の投与 4 時間後に出血時間の延長が認められ、
20/5 mg 群では 244.5 秒(中央値、以下同様)
、30/7.5 mg 群では 182.0 秒を示した。また、両群
ともに、維持用量(併用投与 5 日目)の投与 4 時間後の出血時間も、アスピリン単独投与下と
比較して延長していた。投与終了 144 時間後には、いずれの投与群の出血時間もアスピリン投
与開始前/併用投与開始前と同様の値となった。
図 2.7.6.15.6-2 出血時間の推移: アスピリン併用反復投与試験
N=4
○ プラセボ
● 20 / 5 mg N=8
□ 30 / 7 5 mg N=8
300
中央値
270
●
出血時間 (秒)
240
210
180
□
150
120
90
○
●
●
●
○
□
○
○
●
□
○
□
□
60
30
0
投与前
アスピリン 併用投与
投与 5 日目 1 日目
4 時間後 4 時間後
併用投与
5日目
4 時間後
263
投与終了
144 時間後
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
15.6.3 VASP(PRI 値)
PRI 値の推移を図 2.7.6.15.6-3 に示す。
VASP 測定により得られた PRI 値は、20/5 mg、30/7.5 mg のいずれの投与群でも、併用投与
1 日目の投与 4 時間後から投与終了 144 時間後まで、プラセボ群と比較して有意な低値を示し
た(Dunnett の多重比較)
。20/5 mg 群及び 30/7.5 mg 群の PRI 値は、最低値を示した負荷用量
(併用投与 1 日目)の投与 4 時間後にそれぞれ 22.99%(算術平均値、以下同様)及び 6.85%、
維持用量(併用投与 5 日目)の投与 4 時間後に 33.31%及び 16.31%であり、いずれの投与群で
も、PRI 値は負荷用量投与時と維持用量投与時で同様の作用が認められた。その後、PRI 値は
緩やかに上昇したが、投与終了 144 時間後でも併用投与開始前値を下回っていた。30/7.5 mg
群の PRI 値は 20/5 mg 群よりも低値を示した。
図 2.7.6.15.6-3 VASP(PRI 値)の推移: アスピリン併用反復投与試験
○
プラセボ
100
算術平均値±標準偏差
90
80
●
○
□
○●○
○
□
○
○
70
(%)
PRI
●
60
50
N=4
● 20 / 5 mg N=8
□ 30 / 7 5 mg N=8
□
●
40
□
●
30
●
20
□
10
□
0
投与前
0 4
4
72
144
併用投与5 日目
併用投与1日目
時間 (h)
264
投与終了後
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
15.6.3.1
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
血小板凝集抑制率と VASP(PRI 値)の相関性
凝集惹起物質として ADP を用いた場合の IPA と VASP(PRI 値)の散布図を図 2.7.6.15.6-4
に示す。血小板凝集抑制率と PRI 値の間に負の関連性があることが確認された。
図 2.7.6.15.6-4 血小板凝集抑制率と VASP(PRI 値)の散布図(ADP 20 µM): アスピリン併
用反復投与試験
100
○
80
PRI(%)
60
40
●○
○
□
●
○
●
●
○
○ ○○
○
● □
○
● □
○ ○ ●●○
○
□
○
□
○
□
○
□
●□ ○
● ○
●
●
●
□
●
□
●○
□●
□ ●
●
●
□
□
●
□
●
●
●
●
●
□
●
□
□
□
●
□ ●
□
20
□
□
0
○ プラセボ
● 20 / 5 mg
□ 30 / 7.5 mg
●
□
●
□ ●
□
□
□
●
● □
●
●
●□
●
●
□
●
●
□
□□
□□ □
□□
□
-20
-40
-40
-20
0
20
40
60
80
100
IPA
(%)
15.7 安全性の結果
15.7.1 有害事象の分析
15.7.1.1
有害事象
事象別の自覚症状・他覚所見発現被験者数を表 2.7.6.15.7-1、事象別の臨床検査値異常変動
発現被験者数を表 2.7.6.15.7-2 に示す。
自覚症状・他覚所見は、プラセボ群で 4 名中 1 名(25.0%)
、20/5 mg 群で 8 名中 2 名(25.0%)
、
30/7.5 mg 群で 8 名中 3 名(37.5%)に発現した。CS-747S 投与群(用量は問わない)で認めら
れた症状は、注射部位血腫、鼻出血、咽喉頭疼痛、鼻漏、及び皮下出血であったが、複数の被
験者に発現した症状は皮下出血(30/7.5 mg 群で 2 名)のみであり、特定の症状の発現例数が
用量の増加に伴って増加する傾向はなかった。自覚症状・他覚所見の程度はいずれも軽度で、
無処置で回復した。
有害事象のうち臨床検査値異常変動は、プラセボ群で 4 名中 4 名(100.0%)
、20/5 mg 群及
び 30/7.5 mg 群でいずれも 8 名中 8 名(100.0%)と、プラセボ群を含むすべての被験者に発現
した。
265
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
本治験では投与開始後の臨床検査値が実施医療機関の基準値から逸脱した場合(アスピリン
投与開始前の検査値が基準値上限より大きく、投与開始後の検査値が投与開始前の検査値を下
回った場合、及び投与開始前の検査値が基準値下限より小さく、投与開始後の検査値が投与開
始前の検査値を上回った場合を除く)はすべて有害事象として取り扱ったため、プラセボ群を
含むいずれの投与群でも異常変動の発現被験者数が多かったものの、いずれの異常変動も軽度
で、無処置で回復した。
表 2.7.6.15.7-1 すべての自覚症状・他覚所見発現被験者数(事象別): アスピリン併用反復投
与試験
器官別大分類
全身障害及び投与局所様態
臨床検査
呼吸器、胸郭及び縦隔障害
皮膚及び皮下組織障害
MedDRA/J ver.
投与群
評価被験者数
基本語
注射部位血腫
拡張期血圧上昇
鼻出血
咽喉頭疼痛
鼻漏
皮下出血
プラセボ
4
被験者数 %
0
0.0
1
25.0
0
0.0
0
0.0
0
0.0
0
0.0
20/5 mg
8
%
被験者数
1
12.5
0
0.0
1
12.5
0
0.0
1
12.5
0
0.0
30/7.5 mg
8
%
被験者数
0
0.0
0
0.0
0
0.0
1
12.5
0
0.0
2
25.0
表 2.7.6.15.7-2 すべての臨床検査値異常変動発現被験者数(事象別): アスピリン併用反復投
与試験(1/2)
投与群
評価被験者数
器官別
大分類
臨床
検査
基本語
活性化部分トロンボプラスチン時間延長
アラニン・アミノトランスフェラーゼ増加
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加
血中ビリルビン増加
血中クロール減少
血中コレステロール減少
血中コレステロール増加
血中クレアチンホスホキナーゼ増加
血中クレアチニン減少
血中乳酸脱水素酵素減少
血中カリウム減少
血中カリウム増加
血中ナトリウム減少
血中トリグリセリド増加
血中尿素減少
血中尿素増加
血中尿酸増加
MedDRA/J ver.
266
プラセボ
4
被験
%
者数
0
0.0
0
0.0
1
25.0
0
0.0
0
0.0
0
0.0
0
0.0
0
0.0
2
50.0
1
25.0
0
0.0
0
0.0
0
0.0
0
0.0
0
0.0
0
0.0
1
25.0
20/5 mg
8
被験
%
者数
0
0.0
1
12.5
0
0.0
1
12.5
1
12.5
1
12.5
0
0.0
2
25.0
3
37.5
2
25.0
1
12.5
0
0.0
1
12.5
2
25.0
3
37.5
0
0.0
2
25.0
30/7.5 mg
8
被験
%
者数
1
12.5
2
25.0
2
25.0
1
12.5
1
12.5
0
0.0
1
12.5
3
37.5
2
25.0
1
12.5
0
0.0
1
12.5
1
12.5
0
0.0
1
12.5
2
25.0
2
25.0
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.15.7-2 すべての臨床検査値異常変動発現被験者数(事象別): アスピリン併用反復
投与試験 (2/2)
投与群
評価被験者数
器官
別大
分類
臨床
検査
基本語
30/7.5 mg
8
被験者数
%
被験者数
%
被験者数
%
1
1
1
1
2
0
1
0
1
1
0
1
2
0
25.0
25.0
25.0
25.0
50.0
0.0
25.0
0.0
25.0
25.0
0.0
25.0
50.0
0.0
1
0
4
1
0
0
1
2
0
1
0
2
1
1
12.5
0.0
50.0
12.5
0.0
0.0
12.5
25.0
0.0
12.5
0.0
25.0
12.5
12.5
1
0
2
0
1
1
0
2
0
0
1
1
3
2
12.5
0.0
25.0
0.0
12.5
12.5
0.0
25.0
0.0
0.0
12.5
12.5
37.5
25.0
C-反応性蛋白増加
尿中ブドウ糖陽性
ヘマトクリット減少
尿中血陽性
ヘモグロビン減少
総蛋白減少
赤血球数減少
網状赤血球数増加
白血球数減少
好酸球百分率減少
好中球百分率減少
単球百分率減少
尿中蛋白陽性
潜血陽性
MedDRA/J ver.
15.7.1.2
20/5 mg
8
プラセボ
4
因果関係が「関連あり」の有害事象
因果関係が「関連あり」の自覚症状・他覚所見発現被験者数を表 2.7.6.15.7-3 に、因果関係
が「関連あり」の臨床検査値異常変動発現被験者数を表 2.7.6.15.7-4 に示す。
治験薬(アスピリン及び/又は CS-747S)との因果関係が「関連あり」の自覚症状・他覚所
見は、プラセボ群では認められず、20/5 mg 群で 8 名中 2 名(25.0%)
、30/7.5 mg 群で 8 名中 2
名
(25.0%)
に発現した。
認められた症状は皮下出血
(30/7.5 mg 群で 2 名)
、
注射部位血腫(20/5 mg
群で 1 名)
、及び鼻出血(20/5 mg 群で 1 名)で、いずれも出血性有害事象であったが、特定の
症状の発現被験者数が用量の増加に伴って増加する傾向はなかった。
治験薬(アスピリン及び/又は CS-747S)との因果関係が「関連あり」の臨床検査値異常変
動は、プラセボ群で 4 名中 1 名(25.0%)、30/7.5 mg 群で 8 名中 2 名(25.0%)に発現し、20/5 mg
群では認められなかった。
「関連あり」の臨床検査値異常変動の内訳は、プラセボ群で尿中血
陽性(症例報告書に記載された事象名: 尿潜血)が 1 名、30/7.5 mg 群で潜血陽性(症例報告
書に記載された事象名: 便潜血)が 2 名、アラニン・アミノトランスフェラーゼ増加及びアス
パラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加が各 1 名(同一被験者、潜血陽性を認めたうちの 1
名に発現)であった。
267
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.15.7-3 自覚症状・他覚所見発現被験者数(事象別)
(関連あり): アスピリン併用反
復投与試験
投与群
評価被験者数
器官別大分類
基本語
全身障害及び投与局所様態
呼吸器、胸郭及び縦隔障害
皮膚及び皮下組織障害
MedDRA/J ver.
注射部位血腫
鼻出血
皮下出血
プラセボ
4
被験
%
者数
0
0.0
0
0.0
0
0.0
20/5 mg
8
被験
%
者数
1
12.5
1
12.5
0
0.0
30/7.5 mg
8
被験者
%
数
0
0.0
0
0.0
2
25.0
表 2.7.6.15.7-4 臨床検査値異常変動発現被験者数(事象別)
(関連あり): アスピリン併用反
復投与試験
投与群
評価被験者数
器官別
大分類
臨床
検査
基本語
アラニン・アミノトランスフェラーゼ増加
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加
尿中血陽性
潜血陽性
MedDRA/J ver.
15.7.1.3
プラセボ
4
被験
%
者数
0
0.0
0
0.0
1
25.0
0
0.0
20/5 mg
8
被験
%
者数
0
0.0
0
0.0
0
0.0
0
0.0
30/7.5 mg
8
被験
%
者数
1
12.5
1
12.5
0
0.0
2
25.0
程度別の有害事象の発現頻度及び内訳
治験責任医師が重度及び中等度と判定した有害事象はなく、発現した有害事象はいずれも軽
度であり、無処置で回復した。
15.7.1.4
死亡及びその他の重篤な有害事象
死亡、その他の重篤な有害事象は認められなかった。
15.7.1.5
重要な有害事象
著しい血液学的異常や他の臨床検査値異常、並びにそれらによる治験薬投与の中止、又は重
要な併用療法の追加を含む処置をせざるを得なかった有害事象は認められなかった。
15.7.2 臨床検査値の評価
血液学的検査、血液凝固系検査、及び血液生化学検査では、プラセボ群を含むすべての投与
群で、アスピリン投与開始後又は併用投与開始後の変動は小さく、特に問題と思われるものは
なかった。
定性的尿検査では、併用投与開始後に尿蛋白が(±)~(+)を示した被験者が 20/5 mg 群で
1 名、30/7.5 mg 群で 3 名、尿潜血が(±)を示した被験者が 20/5 mg 群で 1 名認められたが、
プラセボ群でも同様の変動が観察された。尿ウロビリノーゲン及び尿ビリルビンの異常はいず
れの投与群でも認められなかった。
268
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
眼底検査では、投与群にかかわらず、すべての被験者が投与前後の全検査時点で「正常範囲
内」と判定された。
15.7.3 計測・バイタルサインの評価
いずれの投与群でも、投与前後で特記すべき変動を示した検査項目はなかった。
15.7.4 心電図の評価
いずれの投与群でも、併用投与開始後に心電図が「異常」と判定された被験者はなかった。
15.8 結論
健康成人男性を対象に、アスピリン(100 mg/日)併用下で CS-747S 20/5 mg 及び 30/7.5 mg
を 1 日 1 回 5 日間反復経口投与した結果、活性代謝物 R-138727 は、投与後速やかに血漿中濃
度が上昇し、投与 0.5 時間後に最高値に達した後、速やかに低下した。AUClast、AUC0-inf、及
び Cmax は、負荷用量投与時(併用投与 1 日目)及び維持用量投与時(併用投与 5 日目)とも
に、20/5 mg 群と比較して、高用量の 30/7.5 mg 群で高値を示した。ADP で惹起される血小板
凝集抑制作用は、20/5 mg 群では併用投与 1 日目の投与 1 時間後から投与終了 72 時間後まで、
30/7.5 mg 群では併用投与 1 日目の投与 1 時間後から投与終了 144 時間後まで、それぞれプラ
セボ群と比較し有意に抑制した。血小板凝集抑制作用は、20/5 mg 群よりも 30/7.5 mg 群で強
かった。出血時間は、CS-747S のいずれの投与量でもプラセボ群と比較して延長する傾向が認
められた。
発現した有害事象はいずれも軽度であり、問題となるようなものは認められなかった。した
がって、健康成人男性に CS-747S をアスピリン併用下で 30/7.5 mg までの用量で反復経口投与
した場合、安全性に特に問題はないものと考えられた。
269
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.16.1-1 治験方法の概略: 海外ケトコナゾール相互作用試験(2/3)
対象(続き)
治験デザイン
• 心血管系、呼吸器系、肝臓、腎臓、消化器系、内分泌系、血液系、神経系のいず
れかの障害のうち、薬剤の吸収・代謝・排泄に著明な変化を及ぼすか、又は治験
薬投与によって危険を生じる恐れのある障害が認められる者、又はその既往歴を
有する者。
• 重大な活動性神経精神疾患の明らかな徴候が認められる者。
• 重大な出血性障害(吐血、下血、重度又は再発性の鼻出血、喀血、血尿、又は頭
蓋内出血)が認められる者、又はその既往歴を有する者。
• 月経過多の既往歴を有する現在月経中の女性。
• 凝固系又は出血性障害の既往歴や家族歴を有する者、又は脳出血や動脈瘤、若年
性脳卒中(65 歳未満での脳血管発作)などの血管奇形が合理的に疑われる者。
• スクリーニング時のプロトロンビン時間、活性化部分トロンボプラスチン時間、
血小板数のいずれかに、正常範囲からの臨床的に重要な逸脱がみられる者。
• スクリーニング時にフォン・ヴィレブランド因子濃度の異常低値が認められた者。
• 便潜血反応で繰り返し(別々に採取された検体で 2 回以上)陽性が認められた者。
• スクリーニング前 3 ヵ月以内の大手術の既往歴を有する者。
• 治験薬最終投与日から 14 日以内に手術が予定されている者。
• 眼底検査又は点状出血の検査で臨床的に重要な異常が認められた者。
• 治験前の理学的検査、心電図検査、臨床(安全性)検査の結果を治験責任医師が
検討した結果、臨床的に重要なその他の異常が認められた者。
• 乱用薬物の常習者及び/又は尿薬物スクリーニング検査で許容できない陽性所見
が認められた者。
• クロピドグレル硫酸塩、ケトコナゾール、又は類薬に対する既知のアレルギーも
しくは重大な過敏症を有する者、又は原因を問わない問題となるアレルギー性薬
物反応の既往歴を有する者。
• 入院前 2 ヵ月以内に 500 mL を超える献血をした者。
• ヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus: HIV)抗体が陽性の者。
• C 型肝炎ウイルス抗体が陽性の者。
• B 型肝炎ウイルス表面抗原が陽性の者。
• 現喫煙者、又はニコチン代替物を現在使用している者(入院前 6 ヵ月以内)
。
• 週当たりのアルコール摂取量が習慣的に男性で 28 単位、女性で 21 単位を超える
者、又は治験期間中のアルコール摂取規則を守る意思がない者(アルコール 1 単
位はエタノール換算で 8 g とする)
。
• 処方薬、一般薬、漢方薬のいずれかを投与中であり、入院前 14 日以内に安全に中
止することが不可能な者。入院前 30 日以内に、CYP3A の既知の誘導物質又は阻
害物質を使用した者。
• 入院前 21 日以内にアスピリン、その他の非ステロイド性消炎鎮痛剤、又は血小板
機能に影響することが知られている他の薬剤を服用した者。
• 治験薬(新規化合物)を投与する試験に入院前 4 ヵ月以内に参加した者、又は市
販薬を投与する試験に入院前 3 ヵ月以内に参加した者。
• 上記以外で、被験者のリスクを上昇させる状態や、確実な治験結果が得られる可
能性を損なう状態が認められると治験責任医師が判断した者。
単一施設、非盲検、無作為化、2 群並行群間比較試験
すべての被験者は、第 1 期の投与 4 日前及び第 2 期の投与 4 日前から 1 日前までの間
に施設に入院した。投与 1 日目に CS-747S LD 60 mg 又はクロピドグレル硫酸塩 LD
300 mg を単回経口投与した。その後、CS-747S MD 15 mg 又はクロピドグレル硫酸塩
MD 75 mg を 5 日間投与した。CS-747S 又はクロピドグレル硫酸塩の最終投与約 48 時
間後の、投与 8 日目まで入院した。
ケトコナゾール 400 mg 1 日 1 回投与は CS-747S LD 又はクロピドグレル硫酸塩 LD 投
与 3 日前から開始し、CS-747S MD 又はクロピドグレル硫酸塩 MD 投与中も継続し、
最終投与 1 日後まで継続した。
休薬期間は第 1 期の CS-747S 又はクロピドグレル硫酸塩最終投与から第 2 期の
CS-747S LD 又はクロピドグレル硫酸塩 LD 投与までの間で 14 日間以上設けた。
表 2.7.6.16.1-2 に治験デザインを示す。
271
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.16.1-1 治験方法の概略: 海外ケトコナゾール相互作用試験(3/3)
治験デザイン
(続き)
表 2.7.6.16.1-2 治験デザイン
CS-747S 群
クロピドグレル群
第1期
CS-747S 単独又は CS-747S と
ケトコナゾールの併用
クロピドグレル硫酸塩単独又
はクロピドグレル硫酸塩とケ
トコナゾールの併用
第2期
CS-747S とケトコナゾールの併用又は
CS-747S 単独へのクロスオーバー
クロピドグレル硫酸塩とケトコナゾー
ルの併用又はクロピドグレル硫酸塩単
独へのクロスオーバー
目標被験者数
目標被験者数: 36 名(CS-747S 群 18 名、クロピドグレル群 18 名)
治験薬
CS-747S 15 mg 錠(ロット番号: CT508742)
クロピドグレル硫酸塩 75 mg 錠(ロット番号: 03H01A)
ケトコナゾール 200 mg 錠(ロット番号: 03CL171)
用法・用量
各投与期の 1 日目に、被験者に CS-747S LD 60 mg(15 mg 錠 4 錠)又はクロピドグレル
硫酸塩 LD 300 mg(75 mg 錠 4 錠)を投与し、続いて CS-747S MD 15 mg(15 mg 錠 1 錠)
又はクロピドグレル硫酸塩 MD 75 mg(75 mg 錠 1 錠)を 5 日間投与した(2~6 日目)。
ケトコナゾール併用投与時は、CS-747S 又はクロピドグレル硫酸塩 LD 投与の 3 日前に
ケトコナゾール 400 mg(200 mg 錠 2 錠)の投与を開始し(−3~−1 日目)
、MD 投与期
間中を通し、7 日目まで継続した。
観察・検査スケジ
ュール
表 2.7.6.16.1-3 参照
評価項目
1. 安全性
体重、理学的検査、眼底検査、点状出血検査、バイタルサイン、標準 12 誘導心電図検
、有害事象
査、肝機能検査値、臨床検査(血液学的検査、尿検査、生化学的検査)
2. 薬物動態
CS-747S の活性代謝物(R-138727)及び不活性代謝物(R-95913、R-106583、R-119251)
の血漿中濃度、並びにクロピドグレル硫酸塩の活性代謝物(R-130964)及び不活性カル
ボン酸代謝物(SR26334)の血漿中濃度
3. 薬力学
ADP 5 及び 20 μM 惹起時の IPA、アイビー法による出血時間
統計解析手法
ノンコンパートメント薬物動態解析法によって、CS-747S 及びクロピドグレル硫酸塩の
代謝物の血漿中濃度を分析した。
線形混合効果モデルを用いて、IPA の平均値及び出血時間の中央値の比の値の両方を、
CS-747S 群内及び CS-747S 群とクロピドグレル群との間で比較した。
対数変換した Cmax 及び AUC0-24 の値を用いて、Cmax、AUC0-24 の幾何平均値、及びそれ
ぞれのケトコナゾール併用時の非併用時に対する比を算出し、また、それぞれの値の
90%信頼区間を算出した。ケトコナゾールが tmax に及ぼす影響を Wilcoxon 符号付き順
位和検定を用いて評価した。
272
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.16.1-3 観察・検査スケジュール: 海外ケトコナゾール相互作用試験
第1期
–4 日目
全被験者の実施医療機関への入院
–3 及び–2 日目
ケトコナゾール投与(該当する場合)
–1 日目
ケトコナゾール投与(該当する場合)
臨床検査
1 日目
CS-747S LD 60 mg 又はクロピドグレル硫酸塩
LD 300 mg 投与、ケトコナゾール併用投与(該
当する場合)
CS-747S MD 15 mg 又はクロピドグレル硫酸
塩 MD 75 mg を 5 日間投与、ケトコナゾール併
用投与(該当する場合)
薬物動態及び薬力学、出血時間
肝機能検査(該当する場合)
バイタルサイン、心電図検査
薬物動態及び薬力学(5 日目を除く)
バイタルサイン、心電図検査
出血時間
肝機能検査(該当する場合のみ、3 日目及び 5
日目)
薬物動態及び薬力学
バイタルサイン、心電図検査
出血時間
薬物動態及び薬力学
出血時間
肝機能検査(該当する場合)
眼底検査/点状出血検査
2~6 日目
7 日目
ケトコナゾール投与(該当する場合)
8 日目
実施医療機関からの退院
バイタルサイン、心電図検査
肝機能検査(該当する場合)
体重
外来での休薬期間(6 日目から 14 日間)
第2期
–4 日目
ケトコナゾールの投与を受ける被験者のみ、実
施医療機関に入院
–3 及び–2 日目
ケトコナゾール投与(該当する場合)
–1 日目
ケトコナゾールの投与
を受ける被験者
–1 日目
CS-747S/クロピドグ
レル硫酸塩の投与を受
ける被験者のみ
1 日目
ケトコナゾール投与(該当する場合)
臨床検査
CS-747S/クロピドグレル硫酸塩の投与を受
ける被験者の実施医療機関への入院
バイタルサイン、心電図検査
体重
臨床検査
2~6 日目
7 日目
8 日目
退院後 10 日以内
バイタルサイン、心電図検査
肝機能検査
体重
CS-747S LD 又はクロピドグレル硫酸塩 LD 投
薬物動態及び薬力学、出血時間
与、ケトコナゾール併用投与(該当する場合) バイタルサイン、心電図検査、肝機能検査(該
当する場合)
CS-747S 15 mg MD 又はクロピドグレル硫酸塩 薬物動態及び薬力学(5 日目を除く)
75 mg MD を 5 日間投与、ケトコナゾール併用 バイタルサイン、心電図検査
投与(該当する場合)
出血時間
肝機能検査(該当する場合のみ、3 及び 5 日目)
ケトコナゾール投与(該当する場合)
薬物動態及び薬力学、バイタルサイン、心電
図検査
出血時間
実施医療機関からの退院
薬物動態及び薬力学
出血時間
肝機能検査(該当する場合)
眼底検査/点状出血検査
治験後の追跡調査による評価
心電図検査、臨床検査
体重、理学的検査
眼底検査/点状出血検査
16.1.2 用法・用量の設定根拠
ケトコナゾールの投与量は、主に CYP3A によって代謝される医薬品の有害事象発現の大き
なリスクなしに CYP3A を抑制し得る、通常使用されている最大の臨床用量とした。ケトコナ
ゾール 400 mg の 1 日 1 回、14 日間投与は重篤な感染症の治療のために通常処方される用法・
用量である。無症候性の血清トランスアミナーゼ上昇が発現することがあるため、肝機能を頻
273
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
回にモニタリングすることとした。
CS-747S の投与量は、臨床用量として予定される最大の LD 及び MD とした。それまでに海
外で実施した臨床薬理試験で、
LD 60 mg 及び MD 15 mg の安全性に大きな問題は認められず、
また IPA に基づき 60 mg は適切な初回負荷用量として適切と考えられた。
クロピドグレル硫酸塩の LD 300 mg 及びそれに続く MD 75 mg のアスピリンとの併用投与は、
CURE 試験で忍容性が確認されており、アスピリン単独投与と比べて心血管合併症を減少させ
た。クロピドグレル硫酸塩の LD 300 mg 及び MD 75 mg は、現在では推奨される標準的な用法・
用量となっている。
16.2 被験者の内訳
38 名が本治験に登録された。38 名中 36 名が治験実施計画書に従って両投与期を完了した。
2 名(クロピドグレル群)が有害事象のため治験を中止した。そのうち 1 名は第 1 期の 2 日目
にケトコナゾール及びクロピドグレル硫酸塩の投与を受けた後に治験を中止し、もう 1 名は第
1 期(クロピドグレル硫酸塩単独)を完了した後に中止した。クロピドグレル群に 2 名の被験
者を補充した。
中止した 2 名の被験者を含めた 38 名全員を安全性の評価の対象とした。両投与期を完了し
た 36 名を、薬物動態解析及び薬力学データの解析対象とした。中止した被験者 2 名は、第 1
期の 3 日目の投与前(被験者 13)及び 6 日目の投与 48 時間後(被験者 23)までの薬物動態・
薬力学的解析にのみ含めた。
16.3 解析対象
登録された 38 名の被験者すべてを安全性解析対象集団とした。安全性解析対象集団 38 名す
べてを薬物動態解析対象集団及び薬力学解析対象集団とした(薬物動態解析対象集団では、中
止被験者のうち 1 名では、クロピドグレル硫酸塩 LD 300 mg 投与の解析のみ対象とした。薬
力学解析対象集団では、中止した 2 名の被験者は、それぞれ第 1 期の 3 日目の投与前及び 6
日目の投与 48 時間後のみ対象とした)。
16.4 被験者背景
男性被験者 37 名及び女性被験者 1 名が本治験に参加した。5 名がアフリカ系カリブ人、1
名がモンゴル人/白人であった以外は全員白人であった。両投与群間で、年齢、体重、身長に
大きな違いはなかった。
16.5 薬物動態の結果
16.5.1 活性代謝物の薬物動態
ケトコナゾール併用時あるいは非併用時の CS-747S 又はクロピドグレル硫酸塩投与後の
R-138727 及び R-130964 の薬物動態パラメータの幾何平均値を表 2.7.6.16.5-1 に、AUC0-24 及び
Cmax の併用時と非併用時の比較を表 2.7.6.16.5-2 に示す。
274
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
CS-747S 又はクロピドグレル硫酸塩の LD 投与後、ケトコナゾール併用時では非併用時と比
較して R-138727 及び R-130964 の Cmax の幾何平均値はそれぞれ約 46%及び 48%低下した。MD
1 日 1 回 5 日間投与後、R-138727 及び R-130964 の Cmax は、ケトコナゾール併用時では非併用
時と比較してそれぞれ約 34%及び約 61%低かった。
CS-747S の LD 投与後にも MD 投与時にも、ケトコナゾールは R-138727 の AUC0-24 に影響を
及ぼさなかった。しかし、クロピドグレル硫酸塩の LD 投与後及び MD 投与時には、ケトコナ
ゾールによって R-130964 の AUC0-24 はそれぞれ約 22%及び約 29%低下した。
ケトコナゾールは LD 投与後にも MD 投与時にも、
R-138727 の tmax に影響を及ぼさなかった。
R-138727 の tmax の中央値は 0.5 時間で一定であった。これに対し、R-130964 の tmax の中央値は
ケトコナゾールによっていずれの投与期でも 0.5~1 時間へと延長した。
表 2.7.6.16.5-1 ケトコナゾール併用時あるいは非併用時の CS-747S 又はクロピドグレル硫酸
塩投与後の R-138727 及び R-130964 の薬物動態パラメータ: 海外ケトコナゾール相互作用試
験
CS-747S LD 60 mg 又はクロピドグレル硫酸塩 LD 300 mg
パラメータ
幾何平均値
クロピドグレル硫酸塩活性代謝物 R-130964a)
CS-747S 活性代謝物 R-138727
(CV%)
CS-747S 単独
18 名
ケトコナゾール併用
18 名
クロピドグレル硫酸塩単独
18 名
ケトコナゾール併用
18 名
tmaxb)
(h)
Cmax
(ng/mL)
AUClast
(ng·h/mL)
AUC0-24
(ng·h/mL)
t1/2c)
(h)
0.50
(0.50, 1.00)
465
(32.0)
451
(23.3)
452
(22.9)
6.56
(32.8)
0.51
(0.50, 1.50)
253
(45.5)
401
(34.0)
403
(33.6)
7.20
(37.0)
0.50
(0.50, 1.05)
65.9
(39.9)
75.4
(31.3)
76.7
(30.7)
0.524
(22.6)
1.00
(0.50, 1.50)
34.8
(42.1)
60.1
(47.4)
62.3
(46.2)
1.28
(136)
CS-747S MD 15 mg 又はクロピドグレル硫酸塩 MD 75 mg
パラメータ
幾何平均値
クロピドグレル硫酸塩活性代謝物 R-130964a)
CS-747S 活性代謝物 R-138727
(CV%)
CS-747S 単独
18 名
ケトコナゾール併用
18 名
クロピドグレル硫酸塩単独
18 名
ケトコナゾール併用
17 名
tmaxb)
(h)
Cmax,ss
(ng/mL)
AUClast
(ng·h/mL)
AUC0-24
(ng·h/mL)
t1/2c)
(h)
0.50
(0.25, 1.03)
89.7
(43.0)
87.3
(30.8)
91.0
(29.9)
4.65
(52.3)
0.50
(0.50, 1.02)
59.6
(39.5)
95.2
(34.9)
97.1
(33.9)
6.51
(87.9)
0.50
(0.25, 1.50)
29.3
(36.9)
25.8
(36.0)
27.0
(34.4)
0.374
(46.2)
1.00
(0.50, 2.00)
11.6
(61.3)
17.5
(59.3)
19.5
(53.7)
0.850
(26.1)
a: 外れ値の 1 名を除いた。
b: 中央値(範囲)
c: 消失相で濃度測定が可能であった時点が限られていたため、t1/2 の推定値は信頼性に欠ける。
275
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.16.5-2 ケトコナゾール併用時あるいは非併用時の CS-747S 又はクロピドグレル硫酸
塩投与後の R-138727 及び R-130964 の AUC0-24 及び Cmax: 海外ケトコナゾール相互作用試験
CS-747S LD 60 mg 又はクロピドグレル硫酸塩 LD 300 mg 投与後
代謝物
R-138727
R-130964
薬物動態パラメータ
AUC0-24
(ng·h/mL)
Cmax
(ng/mL)
AUC0-24
(ng·h/mL)
Cmax
(ng/mL)
幾何平均値
(90%信頼区間)
CS-747S 単独
幾何平均値
(90%信頼区間)
CS-747S 及びケト
コナゾール併用
ケトコナゾール併
用の非併用に対す
る幾何平均の比
(90%信頼区間)a)
452.5 (404.0, 506.7)
402.6 (359.5, 450.9)
0.89 (0.80, 0.99)
465.4 (400.2, 541.3)
252.8 (217.4, 294.0)
0.54 (0.45, 0.66)b)
78.7 (67.6, 91.6)
61.7 (53.0, 71.9)
0.78 (0.69, 0.89)b)
67.4 (57.5, 78.9)
34.9 (29.8, 40.9)
0.52 (0.44, 0.61)b)
CS-747S LD 60 mg 又はクロピドグレル硫酸塩 LD 300 mg 投与に続き、CS-747S MD 15 mg 又はクロピド
グレル硫酸塩 MD 75 mg を 1 日 1 回 5 日間投与後
R-138727
R-130964
AUC0-24
(ng·h/mL)
Cmax
(ng/mL)
AUC0-24
(ng·h/mL)
Cmax
(ng/mL)
91.0 (80.2, 103.2)
97.1 (85.6, 110.1)
1.07 (0.97, 1.18)
89.7 (76.5, 105.1)
59.6 (50.9, 69.9)
0.66 (0.56, 0.79)b)
27.0 (22.7, 32.0)
19.1 (16.1, 22.8)
0.71 (0.61, 0.82)b)
29.3 (24.3, 35.4)
11.5 (9.5, 13.9)
0.39 (0.32, 0.48)b)
a: ケトコナゾール非併用と併用が同等とみなす範囲は、AUC0-24 は(0.8, 1.25)、Cmax は(0.75, 1.33)
b: 90%信頼区間があらかじめ定めた範囲外に逸脱
16.5.2 不活性代謝物の薬物動態
ケトコナゾール併用時あるいは非併用時の CS-747S 又はクロピドグレル硫酸塩投与後の
R-95913、R-119251、R-106583、及び SR26334 の薬物動態パラメータの幾何平均値を表
2.7.6.16.5-3 に示す。
R-95913 は CS-747S の主代謝物であり、活性代謝物 R-138727 の前駆体である。in vitro のデ
ータから、R-95913 から R-138727 への変換は主に CYP3A4(ケトコナゾールによって強力に
阻害される CYP 分子種)によって媒介されることが示されている。CS-747S の LD 投与後、
R-95913 の Cmax 及び AUC0-24 の幾何平均値は、
ケトコナゾール併用時では非併用時と比較して、
それぞれ約 71%及び 96%上昇した。CS-747S MD 15 mg 1 日 1 回 5 日間投与後、R-95913 の Cmax
及び AUC0-24 はケトコナゾール併用時では非併用時と比較して、それぞれ約 93%及び 102%上
昇した。CS-747S LD 投与後、ケトコナゾールによって R-95913 の tmax の中央値は 0.50 時間か
ら 0.52 時間へと延長したが(P = 0.043)
、ごく小さな変化であった。
CS-747S の LD 投与後、ケトコナゾール併用時では非併用時と比較して R-119251 及び
R-106583 の Cmax の幾何平均値は約 56%及び 60%低下し、これらの代謝物の AUC0-24 の幾何平
均値は約 26%及び 40%低下した。CS-747S の MD 投与時、ケトコナゾール併用時では非併用
時と比較して R-119251 及び R-106583 の Cmax の幾何平均値は約 44%及び 59%低下し、
R-106538
の AUC0-24 の幾何平均値は約 37%低下した。CS-747S の MD 投与時、ケトコナゾールの併用は
276
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
R-119251 の AUC0-24 に有意な影響を及ぼさなかった。
クロピドグレル硫酸塩の LD 投与後及び MD 投与後、ケトコナゾール併用時では非併用時と
比較して、SR26334 の Cmax の幾何平均値が約 18%上昇し、SR26334 の AUC0-24 の幾何平均値は
約 45%~63%上昇した。ケトコナゾールの併用は SR26334 の tmax に影響を及ぼさなかった。
表 2.7.6.16.5-3 ケトコナゾール併用時あるいは非併用時の CS-747S 又はクロピドグレル投与
後の R-95913、R-119251、R-106583、及び SR26334 の薬物動態パラメータ: 海外ケトコナ
ゾール相互作用試験
CS-747S LD 60 mg 又はクロピドグレル LD 300 mg
パラメータ
幾何平均値
(CV%)
CS-747S
代謝物
R-95913
16 名
CS-747S
代謝物
R-119251
18 名
CS-747S
代謝物
R-106583
18 名
クロピド
グレル
代謝物
SR26334a)
18 名
CS-747S
代謝物
R-95913
17 名
1.00
(0.50, 1.05)
10500
(22.5)
33800
(18.0)
33800
(18.0)
7.50
(19.9)
0.52
(0.50, 1.50)
331
(37.3)
660
(35.6)
660
(35.6)
6.64
(13.3)
CS-747S
代謝物
R-119251
18 名
ケトコナゾール非併用
tmaxb)
(h)
Cmax
(ng/mL)
AUClast
(ng·h/mL)
AUC0-24
(ng·h/mL)
t1/2
(h)
0.50
(0.50, 1.00)
193
(56.3)
332
(45.8)
338
(43.5)
6.45
(55.3)
0.50
(0.50, 1.00)
309
(28.3)
385
(19.6)
391
(18.4)
5.63
(71.6)
0.50
(0.50, 1.50)
383
(21.2)
2110
(24.9)
2110
(24.9)
9.28
(39.1)
CS-747S
代謝物
R-106583
18 名
クロピドグ
レル代謝物
SR26334a)
18 名
ケトコナゾール併用
0.76
(0.50, 1.50)
137
(40.2)
288
(34.5)
290
(33.3)
8.30
(25.9)
2.00
(1.00, 2.02)
155
(35.8)
1260
(38.1)
1260
(38.1)
9.04
(20.4)
1.00
(0.50, 1.50)
12400
(26.4)
49200
(21.6)
49300
(21.6)
8.14
(21.1)
CS-747S
代謝物
R-106583
18 名
クロピドグ
レル代謝物
SR26334a)
17 名
CS-747S MD 15 mg 又はクロピドグレル MD 75 mg
パラメータ
幾何平均値
(CV%)
CS-747S
代謝物
R-95913
16 名
CS-747S
代謝物
R-119251
18 名
CS-747S
代謝物
R-106583
18 名
クロピド
グレル
代謝物
SR26334a)
18 名
CS-747S
代謝物
R-95913
17 名
0.50
(0.50, 1.50)
2740
(21.2)
8110
(16.7)
7530
(15.8)
7.52
(10.7)
0.50
(0.50, 1.02)
102
(38.4)
191
(33.2)
197
(30.9)
5.24
(44.5)
ケトコナゾール非併用
tmaxb)
(h)
Cmax
(ng/mL)
AUClast
(ng·h/mL)
AUC0-24
(ng·h/mL)
t1/2
(h)
0.50
(0.30, 1.00)
52.6
(41.4)
90.9
(50.9)
96.9
(49.5)
3.26
(67.8)
0.50
(0.25, 1.03)
55.0
(40.9)
67.2
(30.1)
71.0
(29.2)
1.64
(67.1)
0.50
(0.50, 1.50)
97.6
(25.7)
663
(30.8)
582
(30.8)
11.1
(20.5)
CS-747S
代謝物
R-119251
18 名
ケトコナゾール併用
0.50
(0.50, 1.02)
30.7
(36.2)
58.4
(39.9)
65.8
(37.6)
4.72
(50.3)
1.50
(1.00, 2.05)
40.0
(26.9)
434
(35.5)
367
(34.1)
11.5
(15.0)
1.00
(0.50, 1.52)
3180
(29.6)
13400
(25.9)
12200
(23.8)
8.04
(11.8)
a: 外れ値の 1 名を除いた。
b: 中央値(範囲)
16.6 薬力学の結果
16.6.1 血小板凝集抑制率の解析
ケトコナゾール併用時及び非併用時の CS-747S LD 60 mg 又はクロピドグレル硫酸塩 LD
300 mg 投与 4 時間後の時点及び MD 投与日の投与前後の ADP 20 μM 惹起時の IPA の推移を図
2.7.6.16.6-1 に示す。
硫酸塩 CS-747S ではケトコナゾールとの併用時に、IPA に統計的に有意な低下は認められな
277
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
かった。クロピドグレル硫酸塩のケトコナゾールとの併用時には、IPA は低下し、LD 投与 4
時間後の時点で平均約 26.4%、
MD 投与期間の投与前の時点で平均約 22.3%~32.8%低下した。
CS-747S は LD 60 mg 投与 4 時間後では、単独投与時及びケトコナゾールとの併用投与時の
いずれも IPA の値は同程度であった(IPA はそれぞれ 83.8%及び 80.0%)
。クロピドグレル硫酸
塩 LD 300 mg 投与 4 時間後の時点では、ケトコナゾールの併用投与によって IPA が 39.3%から
12.9%へと有意に低下した。加えて、LD 投与 4 時間後の時点の IPA のばらつきは、クロピド
グレル群(単独投与時及びケトコナゾールとの併用投与時で標準誤差がそれぞれ 30.0%及び
27.9%)のほうが CS-747S 群(単独投与時及びケトコナゾールとの併用投与時で標準誤差がそ
れぞれ 8.0%及び 9.5%)よりも大きかった。
ケトコナゾールの併用時及び非併用時の IPA は、CS-747S MD 15 mg によって、クロピドグ
レル硫酸塩 MD 75 mg と比べ、統計学的に有意に高い値を維持した。特に、6 日目の投与前、
CS-747S の単独投与時の IPA は 79.8%、
ケトコナゾールとの併用投与時の IPA は 76.2%であり、
これに対してクロピドグレル硫酸塩の単独投与時の IPA は 53.5%、ケトコナゾールとの併用投
与時の IPA は 28.7%であった。
278
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
16.7 安全性の結果
16.7.1 有害事象
有害事象発現状況を表 2.7.6.16.7-1 に、事象別の有害事象発現状況を表 2.7.6.16.7-2 に示す。
有害事象は 38 名の被験者のうち 32 名で発現した。最も発現頻度が高かった有害事象は頭痛
であり、CS-747S 群及びクロピドグレル群の全体に認められた。軽度の鼻出血が 2 名に発現し
た。このうち 1 名では、第 2 期(CS-747S 60/15 mg 及びケトコナゾール 400 mg 併用)の完了
から 5 日後に発現し、1 日間持続した。他の 1 名では 2 回発現し、そのうち 1 回は第 1 期(ク
ロピドグレル硫酸塩 300/75 mg)の 4 日目の投与約 3 時間後に、もう 1 回は第 2 期(クロピド
グレル 300/75 mg 及びケトコナゾール 400 mg 併用)の 3 日目の投与約 8 時間後であった。こ
れらの事象はそれぞれ 18 時間及び約 2 日間持続した。鼻出血はすべて処置なしで回復した。
表 2.7.6.16.7-1 有害事象発現状況: 海外ケトコナゾール相互作用試験
投与群
(被験者数)
CS-747S
有害事象発現
被験者数(%)
(すべて)
12 (66.7%)
LD 60 mg/MD 15 mg
有害事象の
件数及び
重症度
(すべて)
軽度
有害事象発現
被験者数
(%)
(関連あり a))
29
10 (55.6%)
有害事象の件
数及び
重症度
(関連あり a))
軽度
23
中等度
0
中等度
0
重度
0
重度
0
合計
23
軽度
17
合計
29
軽度
26
LD 60 mg/MD 15 mg
中等度
0
中等度
0
ケトコナゾール 400 mg 併用
重度
0
重度
0
合計
26
合計
17
軽度
31
軽度
17
中等度
1
中等度
0
重度
0
重度
0
合計
32
合計
17
(18 名)
CS-747S
11 (61.1%)
(18 名)
クロピドグレル硫酸塩
14 (73.7%)
LD 300 mg/MD 75 mg
(19 名)
b)
10 (52.6%)
軽度
36
軽度
20
LD 300 mg/MD 75 mg
中等度
0
中等度
0
ケトコナゾール 400 mg 併用
重度
0
重度
0
(19 名)b)
合計
36
合計
20
クロピドグレル硫酸塩
13 (68.4%)
9 (50.0%)
9 (47.4%)
a: 治験薬との因果関係が「関連している可能性あり(possible)
」又は「おそらく関連あり(probable)
」である
有害事象
b: 1 名の被験者がこの治療期に中止した。
ケトコナゾール投与前に発現し、重症度の変化がなかったが、治験薬と関連のある有害事象は含まない。
281
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.16.7-2 事象別有害事象の発現状況: 海外ケトコナゾール相互作用試験(1/2)
有害事象を発現した被験者数
CS-747S
LD 60 mg/
MD 15 mg
CS-747S
LD 60 mg/
MD 15 mg
ケトコナゾール
400 mg 併用
クロピドグレル
硫酸塩
LD 300 mg/
MD 75 mg
クロピドグレル
硫酸塩
LD 300 mg/
MD 75 mg
ケトコナゾール
400 mg 併用
18 名
18 名
19 名
19 名
頭痛
4
5
2
4
浮動性めまい
0
0
0
2
錯感覚
0
0
0
1
傾眠
2
0
0
0
注意力障害
0
0
1
0
感覚減退
1
0
0
0
鎮静
0
1
0
0
振戦
0
0
1
0
カニューレ挿入部
位反応
2
2
2
3
疲労
2
1
1
0
疼痛 NOS
1
1
0
1
無力症
0
0
1
1
インフルエンザ様
疾患
1
1
0
0
胸部不快感
0
0
0
1
冷感
0
0
1
0
穿刺部位反応
0
0
0
1
悪寒
0
0
0
1
腹部膨満
0
1
1
1
腹痛 NOS
1
0
2
1
悪心
1
0
1
2
鼓腸
2
1
0
0
下痢 NOS
0
1
0
1
消化不良
0
0
2
0
口唇乾燥
1
0
0
1
消化器不調
MedDRA/J ver. 6.0
1
0
0
0
器官別大分類
基本語
神経系障害
全身障害および投与局所様態
胃腸障害
282
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.16.7-2 事象別有害事象の発現状況: 海外ケトコナゾール相互作用試験(2/2)
有害事象を発現した被験者数
CS-747S
LD 60 mg/
MD 15 mg
CS-747S
LD 60 mg/
MD 15 mg
ケトコナゾール
400 mg 併用
クロピドグレル硫
酸塩
LD 300 mg/
MD 75 mg
クロピドグレル硫
酸塩
LD 300 mg/
MD 75 mg
ケトコナゾール
400 mg 併用
18 名
18 名
19 名
19 名
挫傷
2
1
3
4
接触性皮膚炎
0
0
1
2
器官別大分類
基本語
皮膚および皮下組織障害
皮膚乾燥
0
0
1
1
そう痒症
0
0
1
1
頭部粃糠疹
1
0
0
0
丘疹
0
1
0
0
皮膚落屑 NOS
0
1
0
0
多汗
0
0
1
0
筋痛
0
1
1
1
四肢痛
0
1
2
0
背部痛
0
1
0
0
胸壁痛
0
0
1
0
筋骨格硬直
0
1
0
0
腫脹 NOS
0
0
0
1
鼻出血
0
1
2
1
呼吸困難
0
1
0
0
咽喉頭疼痛
0
0
1
0
鼻咽頭炎
2
0
1
0
インフルエンザ
0
0
1
0
結膜炎
1
0
0
0
眼乾燥 NOS
0
0
0
1
眼瞼障害 NOS
0
0
0
1
うつ病
1
0
0
0
不眠症
1
0
0
0
神経過敏
0
0
0
1
排尿困難
1
0
0
0
頻尿
1
0
0
0
0
1
0
0
筋骨格系および結合組織障害
呼吸器、胸郭および縦隔障害
感染症および寄生虫症
眼障害
精神障害
腎および尿路障害
心臓障害
動悸
MedDRA/J ver. 6.0
283
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
16.7.2 死亡、重篤な有害事象、及びその他の臨床的に重要な有害事象
死亡、重篤な有害事象、又はその他の臨床的に重要な有害事象は発現しなかった。
2 名の被験者が有害事象のため中止した。このうち 1 名では第 1 期の 2 日目に、クロピドグ
レル硫酸塩 MD 75 mg 及びケトコナゾール 400 mg の併用投与約 15 時間後の時点で、軽度の挫
傷が発現した。この事象は約 12 日持続した。もう 1 名の被験者では、第 1 期(クロピドグレ
ル硫酸塩単独)完了から約 15 日後に、中等度のインフルエンザが報告された。この事象は約
14 日持続した。これらの事象はいずれも治験薬と関連はなく、いずれも併用薬による治療な
しで回復した。
16.7.3 臨床検査値
治験期間中を通し、いずれの被験者にも臨床検査パラメータの臨床的に重要な変化は認めら
れなかった。いくつかの検査値が正常範囲外であったが、これらの変化は臨床的に重要ではな
いと判断された。
被験者がケトコナゾールの投与に無作為化された場合は、−4、1、3、5、及び 8 日目に肝機
能検査(ALT/血清 GPT 及び AST/血清 GOT)が実施された。3 名の被験者に ALT 値上昇が
認められたが、これらの値はいずれも臨床的に重要であると判断されなかった。こうした肝機
能検査の上昇は、ケトコナゾールの連日投与時に典型的にみられるものであった。
16.7.4 QT 間隔
3 日間のケトコナゾール併用後の平均 QTc 間隔とケトコナゾール非併用時での平均 QTc 間
隔との間に統計学的有意差は認められなかった。RR、ひいては心拍数に対する投与効果の解
析によって、CS-747S、クロピドグレル硫酸塩、又は各薬剤のケトコナゾールとの併用のいず
れの RR に対しても投与効果は認められなかった。これらのデータから、ケトコナゾール非併
用時では、CS-747S 又はクロピドグレル硫酸塩の LD 又は MD による平均 QTc の延長は認めら
れなかった。
ケトコナゾール併用時には、CS-747S 及びクロピドグレル硫酸塩のいずれでも、特にケトコ
ナゾール併用 3~5 日目(ケトコナゾールの 6~8 日間連日投与後)で、平均 QTc の有意な延
長が認められた。CS-747S のケトコナゾールとの併用後の平均 QTc 間隔の延長の程度と、クロ
ピドグレル硫酸塩のケトコナゾールとの併用による平均 QTc 間隔の延長の程度との間に有意
差はなかった。
加えて、CS-747S 単独投与時に測定した QTc 間隔と、クロピドグレル硫酸塩単独投与時に認
められた QTc 間隔との間に有意差はなかった。
16.8 結論
CS-747S LD 60 mg 投与後及び MD 15 mg 投与時にケトコナゾール 400 mg を併用した場合、
CS-747S の活性代謝物 R-138727 の AUC0-24 はほとんど変化しなかったが、クロピドグレル硫
酸塩 LD 300 mg 及び MD 75 mg 投与時の活性代謝物 R-130964 の AUC0-24 は約 20%~30%低下
284
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
した。ケトコナゾール併用時に R-138727 及び R-130964 の Cmax は約 2 分の 1 に低下した。
CS-747S 単独投与時の IPA は、クロピドグレル硫酸塩単独投与時と比較して高かった。
CS-747S LD 及び MD 投与時の IPA は、R-138727 の Cmax の低下の影響をほとんど受けなかった
が、クロピドグレル硫酸塩 MD 投与時の IPA はケトコナゾール併用によって約 20%~30%低下
した。
健康被験者での CS-747S の LD 60 mg 及び MD 15 mg 投与の忍容性は、ケトコナゾールとの
併用投与時でも良好であった。CS-747S 及びクロピドグレル硫酸塩のケトコナゾールとの併用
投与時に、ケトコナゾールに起因すると考えられる平均 QTc の有意な延長が認められた。
285
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
17. A study to assess the effect of rifampicin on the pharmacokinetics and
pharmacodynamics of prasugrel metabolites and the effect of prasugrel on the
disposition of bupropion in healthy male subjects
············································································資料番号 5.3.3.4-4
17.1 治験方法
17.1.1 概略
治験方法の概略を表 2.7.6.17.1-1 に示す。
表 2.7.6.17.1-1 治験方法の概略: 海外リファンピシン及びブプロピオン相互作用試験(1/4)
治験の目的
主要目的:
1)CS-747S の初回負荷用量(loading dose: LD)投与後及び維持用量(maintenance dose:
MD)投与時の CS-747S 活性代謝物 R-138727 の薬物動態に、チトクローム P450
(cytochrome P450: CYP)3A4 誘導が及ぼす影響を評価する。
2)CS-747S による CYP2B6 阻害の程度を評価する。
副次目的:
1)CS-747S の LD 投与後及び MD 投与時の薬力学(アデノシン二リン酸[adenosine
5'-diphosphate: ADP]5 及び 20 μM 惹起時の血小板凝集抑制率[inhibition of platelet
aggregation: IPA])に、CYP3A4 誘導が及ぼす影響を評価する。
2)CS-747S LD 及び MD 投与時の CS-747S 不活性代謝物(R-95913、R-106583、及び
R-119251)の薬物動態に、CYP3A4 誘導が及ぼす影響を評価する。
3)CS-747S の単独投与及びリファンピシン又はブプロピオンとの併用投与の安全性及
び忍容性を評価する。
治験責任医師名
実施医療機関
治験期間
2005 年 7 月 7 日(最初の被験者の同意取得日)~2005 年 10 月 26 日(最終観察日)
対象
1. 選択基準
以下の基準をすべて満たす者を本治験への組み入れ可とする。
•
既往歴及び理学的検査により健康と判断された男性。
•
年齢が 18 歳以上、60 歳以下の者。
•
肥満度(body mass index: BMI)が 19~30 kg/m2 の者。
•
臨床検査結果が実施医療機関の正常範囲内であるか、又は治験責任医師が治験
依頼者と協議した結果、正常範囲を逸脱しているが臨床的に重要な逸脱ではな
いと判定した者。
•
治験責任医師の判定で、心電図検査の結果が正常範囲の者。
•
治験責任医師の判定で、血圧及び心拍数が正常の者。
•
治験期間にわたって確実に時間の都合を付ける意思があり、かつ治験手順に従
う意思がある者。
•
イーライ・リリー及び実施医療機関の倫理審査委員会が承認した同意書による
同意が得られた者。
2. 除外基準
以下のいずれかの基準に該当する者は本治験に組み入れてはならない。
•
心血管系、呼吸器系、肝臓、腎臓、消化器系、内分泌系、血液系、神経系のい
ずれかの障害のうち、薬剤の吸収・代謝・排泄に著明な変化を及ぼすか、又は
治験薬投与により危険を生じる恐れのある障害が認められる者、又はその既往
歴を有する者。
286
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.17.1-1 治験方法の概略: 海外リファンピシン及びブプロピオン相互作用試験 (2/4)
対象(続き)
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
痙攣又は熱性痙攣、アルコール乱用又は摂食障害が認められる者、又はその既
往歴を有する者。
重大な出血性障害(吐血、下血、重度又は再発性の鼻出血、喀血、臨床的に明
らかな血尿又は頭蓋内出血)が認められる者、又はその既往歴を有する者。
重大な活動性神経精神疾患の明らかな徴候が認められる者。
リファンピシン、CS-747S もしくはその類薬(クロピドグレル硫酸塩及びチク
ロピジン塩酸塩)
、ブプロピオンに対するアレルギーや重大な過敏症の既往歴
を有する者、又は原因を問わない問題となるアレルギー性薬物反応の既往歴を
有する者。
過去に本治験を完了もしくは中止したことがある者、又は他の CS-747S の治験
に参加したことがある者。
凝固系又は出血性障害の既往歴や家族歴を有する者、又は脳出血や動脈瘤、若
年性脳卒中(65 歳未満での脳血管発作)などの血管奇形が合理的に疑われる
者。
スクリーニング前 3 ヵ月以内の大手術の既往歴を有する者。
治験薬最終投与日から 14 日以内に手術が予定されている者。
スクリーニング時のプロトロンビン時間、活性化部分トロンボプラスチン時
間、血小板数のいずれかに、正常範囲からの逸脱がみられる者。スクリーニン
グ時のアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(l-aspartate aminotransferase:
AST)又はアラニンアミノトランスフェラーゼ(l-alanine aminotransferase: ALT)
に正常範囲上限からの 10%を超える逸脱が認められる者。
フォン・ヴィレブランド因子が正常範囲よりも低い者。
スクリーニング時の便潜血反応の結果が陽性であった者。
眼底検査又は点状出血検査で臨床的に重要な異常が認められた者。
治験前の理学的検査、心電図検査、臨床(安全性)検査の結果を治験責任医師
が検討した結果、臨床的に重要なその他の異常が認められた者。
現喫煙者又はニコチン代替物を現在使用している者(入院前 4 ヵ月以内)
。
処方薬、一般薬、漢方薬のいずれかを投与中であり、入院前 14 日以内に安全
に中止することが不可能な者(一部の外用薬を除くが、抗ヒスタミン薬及び経
鼻ステロイドを含む)
。入院前 30 日以内に CYP3A の有意な誘導又は阻害作用
を有する薬剤の投与を受けた者。
入院前 21 日以内にアスピリン、その他の非ステロイド性消炎鎮痛剤、又は血
小板機能に影響することが知られている他の薬剤を服用した者。
治験への組み入れ前 30 日以内に規制当局の承認を受けていない薬剤の投与を
受けた者。
既知の乱用薬物の常習者及び/又は尿薬物スクリーニング検査で許容できな
い陽性所見が認められた者。
ヒト免疫不全ウイルス抗体、C 型肝炎ウイルス抗体、B 型肝炎ウイルス表面抗
原が陽性の者。
過去 2 ヵ月以内に 500 mL を超える献血を行った者又は過去 1 ヵ月以内に献血
を行った者。
週当たりの平均アルコール摂取量が 21 単位を超える者(アルコール 1 単位は
エタノール換算で 8 g とする)
。
本治験に直接関与する実施医療機関又はイーライ・リリー社の職員及びその近
親者。近親者とは、配偶者、両親、子供、兄弟姉妹(血縁関係の有無を問わな
い)と定義する。
287
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.17.1-1 治験方法の概略: 海外リファンピシン及びブプロピオン相互作用試験(4/4)
評価項目
1. 安全性
有害事象、バイタルサイン、標準 12 誘導心電図、臨床検査値(投与期 3 の追加の肝
機能検査を含む)
、理学的検査、眼底検査、点状出血検査
2. 薬物動態/薬力学
ブプロピオン及びヒドロキシブプロピオンの血漿中濃度の測定(投与期 1 は 1 日目
[投
与 0~120 時間後]
、投与期 2 は 7 日目[投与 0~120 時間後])
、CS-747S の活性代謝物
(R-138727)及び不活性代謝物(R-95913、R-106583、及び R-119251)の血漿中濃度
の測定(投与期 2 及び 3 の 1 日目[投与 0~24 時間後]及び 6 日目[投与 0~48 時間
後]
)
、並びに血小板凝集率の評価(ADP 5 及び 20 μM 惹起時。投与期 2 及び 3 の 1 日
目[投与 0~4 時間後]
、2 日目[投与前/1 日目の投与 24 時間後]
、及び 6 日目[投
)のため、血液検体を採取した。
与 0~24 時間後]
統計解析手法
1. 薬物動態
液体クロマトグラフィー・タンデム質量分析法により、ブプロピオン、ヒドロキシブ
プロピオン、CS-747S 代謝物の血漿中濃度を測定した。ブプロピオン、ヒドロキシブ
プロピオン、及び CS-747S 代謝物の薬物動態パラメータ推定値を、ノンコンパートメ
ント法を用いて算出した。主要な薬物動態パラメータは、AUClast、AUC0-inf、Cmax、tmax
であった。CS-747S の 4 種の代謝物すべての対数変換した AUClast、AUC0-inf、及び Cmax、
ブプロピオンとヒドロキシブプロピオンの対数変換した AUC0-inf、AUClast、及び Cmax
を、線形混合効果モデルを用いて解析した。投与間の幾何平均値の比の 90%信頼区間
を算出した。Wilcoxon 符号付き順位和検定を用いて投与間の tmax 推定値の比較を行っ
た。CYP3A4 誘導相互作用については、CS-747S とリファンピシンの併用投与、参照
投与は CS-747S 単独投与で評価した。CYP2B6 の相互作用については、CS-747S とブ
プロピオンの併用投与、参照投与はブプロピオン単独投与で評価した。
2. 薬力学
ADP 5 及び 20 μM をアゴニストとして用いる比濁法により、多血小板血漿中の血小板
凝集率を測定した。線形混合効果モデルを用いて、ADP 5 及び 20 μM 惹起時の IPA 及
び最大血小板凝集率にリファンピシンが及ぼす影響を評価した。
289
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.17.1-2 観察・検査スケジュール(投与期 1): 海外リファンピシン及びブプロピオン相互作用試験
治験日
同意取得
既往歴
理学的検査 b)
血圧(時間)
脈拍数(時間)
身長
体重
BMI
口腔温 b)
標準 12 誘導心電図
眼底検査及び点状出血検査
臨床検査
ブプロピオン投与
スクリーニング
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
−1
1
2
3
X
X
投与前、4
投与前、4
24
24
X
X
5
6
7~13a)
X
X
休薬
期間
X
X
X
1、2、3、4、5、6、7、
8、12
PK 用検体採取 – ブプロピオン(時間)
入院
退院
a: 7 日間以上の休薬
b: 臨床的に必要とされる場合にも実施
4
24
48
X
X
290
72
96
120
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.17.1-3 観察・検査スケジュール(投与期 2): 海外リファンピシン及びブプロピオン相互作用試験
治験日
血圧(時間)
脈拍数(時間)
体重
標準 12 誘導心電図(時間)
臨床検査
CS-747S 投与
ブプロピオン投与
−1
X
X
X
X
X
1
2
3
4
5
6
7
8
投与前、2、6
投与前、2、6
投与前、2、6
投与前、2、6
投与前、4
投与前、4
投与前
投与前
投与前、1、2
投与前、1、2
10
11
12
13~26a)
X
X
X
X
X
X
X
X
PK 用検体採取(時間)
– ブプロピオン
PK 用検体採取(時間)− CS-747S
9
X
X
0.25、0.5、1、
1.5、2、4、8、
12
血小板凝集率(時間)
投与前、2、4
X
入院
退院
a: 投与期 2 と 3 の間で 14 日間以上の休薬
b: 6 日目の投与後、ブプロピオン投与前
24
投与前
投与前、
0.25、0.5、1、
1.5、2、4、8、
12
投与前、2、4
X
X
X
X
X
X
投与前、1、2、3、
4、5、6、7、8、
12
24b)
24
48
72
96
24b)
X
291
120
休薬
期間
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.17.1-4 観察・検査スケジュール(投与期 3): 海外リファンピシン及びブプロピオン相互作用試験
治験日
−9
−8
X
投与前
X
投与前
X
X
投与前
−7
−6
−5
−4
−3
−2
−1
1
2
3
4
5
6
7
8
投与前、2、
6
投与前、2、
6
投与前、2、
6
投与前、2、
6
X
追跡調
査来院
X
X
X
X
投与前、 投与前、1、
2
1、2
投与前、1、
2
X
X
X
理学的検査 a)
血圧(時間)
脈拍数(時間)
体重
標準 12 誘導心電図(時
間)
臨床検査
肝機能検査
CS-747S 投与
リファンピシン投与
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
0.25、0.5、1、
1.5、2、4、
8、12
X
PK 用検体採取(時間)
– CS-747S
投与前、2、
4
血小板凝集率(時間)
X
X
24
投与前
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
投与前、
24、
b)
0.25、0.5、1、 36
1.5、2、4、8、
12
24
投与前、2、
4
48
X
眼底検査及び点状出血
検査
X
入院
退院
a: 臨床的に必要とされる場合にも実施
b: 6 日目の CS-747S 投与後
X
292
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
17.1.2 用法・用量の設定根拠
CS-747S の投与量は、海外 ACS 第 III 相試験の投与量であり、予定される海外での臨床推奨
用量である 60 mg の LD 及び 10 mg の MD とした。リファンピシンの投与量は、結核治療に通
常用いられている承認用量であり、8 日間投与で CYP3A4 活性への影響が認められている
600 mg の 1 日 1 回投与とした。ブプロピオンの投与量は、英国での承認用量である 150 mg の
1 日 1 回投与とした。
17.2 被験者の内訳
32 名の被験者を本治験に組み入れ、29 名が治験を完了した。29 名が投与期 1、2、3 にそれ
ぞれブプロピオンの単独投与、CS-747S とブプロピオンの併用投与、CS-747S とリファンピシ
ンの併用投与を受けた。
以下のとおり、3 名が中止した。1 名は投与期 3 の 1 日目に、リファンピシンの投与を 8 回
受けた後に肝機能検査値上昇により中止した。1 名は投与期 1 の 1 日目に、ブプロピオンの単
回投与を受けた後に、スクリーニング時に被験者が伝えなかった双極性障害の既往歴があるこ
とがかかりつけ医からの報告で明らかになり中止した。1 名は、投与期 2 の入院時の薬物スク
リーニングで結果が陽性であったため中止した。この被験者は投与期 1 にブプロピオンの単回
投与を受けていた。中止した被験者の補充はしなかった。
17.3 解析対象
本治験に組み入れた全 32 名のデータを安全性の評価の対象とした。
17.4 被験者背景
18 歳以上、53 歳以下の健康男性被験者 32 名が本治験に参加した。スクリーニング時及び入
院時の乱用薬物検査、エタノール検査、及び便潜血反応(スクリーニング時のみ)の結果は、
1 名を除く全被験者で陰性であった。1 名は投与期 2 の入院時の薬物スクリーニング検査結果
が陽性であり、その後治験を中止した。スクリーニング時の眼底検査及び点状出血検査のいず
れについても臨床的に重要な所見は認められなかった。
17.5 薬物動態の結果
ブプロピオンの薬物動態パラメータに及ぼす CS-747S の影響を表 2.7.6.17.5-1、CS-747S の薬
物動態パラメータにリファンピシンが及ぼす影響を表 2.7.6.17.5-2 に示す。
CYP2B6 に対する CS-747S の影響を確認したところ、CS-747S の併用投与により、ブプロピ
オンの Cmax 及び AUC0-inf はそれぞれ 14%及び 18%上昇し、ヒドロキシブプロピオンの Cmax 及
び AUC0-inf はそれぞれ 32%及び 23%低下した。ブプロピオン曝露量の上昇とヒドロキシブプロ
ピオン曝露量の低下の差は、ブプロピオンにはいくつかのクリアランス経路があるが、ヒドロ
キシブプロピオンの形成は CYP2B6 のみが担っていることを反映していると考えられる。
健康成人男性被験者において、CS-747S 10 mg 1 日 1 回の用法・用量により CYP2B6 の弱い
293
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
阻害が認められた。
CYP3A の誘導剤であるリファンピシンの 600 mg 1 日 1 回の前投与は、LD 投与後又は MD
投与時の R-138727 の AUClast に有意な影響を及ぼさなかった。また、リファンピシンは LD 投
与後の R-138727 の Cmax にも有意な影響を及ぼさなかったが、MD 投与時には R-138727 の Cmax
を 12%低下させた。
リファンピシン 600 mg 1 日 1 回の前投与により、R-95913 の Cmax 及び AUC
は 70%~85%低下し、LD 投与後と MD 投与時の R-119251、R-106583 の Cmax 及び AUClast にわ
ずかな変化が生じた。
表 2.7.6.17.5-1 ブプロピオンとハイドロキシブプロピオンの薬物動態パラメータに及ぼす
CS-747S の影響: 海外リファンピシン及びブプロピオン相互作用試験
最小二乗幾何平均値
代謝物
ブプロピオン
ハイドロキシ
ブプロピオン
パラメータ
Cmax
(ng/mL)
AUClast
(ng·h/mL)
AUC0-inf
(ng·h/mL)
tmaxa)
(h)
Cmax
(ng/mL)
AUClast
(ng·h/mL)
AUC0-inf
(ng·h/mL)
tmax
(h)
ブプロピオン
単独
(30 名)
CS-747S +
ブプロピオン
(30 名)
最小二乗幾
何平均値の比
(CS-747S + ブプロピオン)/
ブプロピオン単独
比の 90%信頼区間
83.4
94.8
1.14
(1.06, 1.22)
726
856
1.18
(1.10, 1.26)
752
883b)
1.18
(1.10, 1.26)
3.00
3.00
0
(−0.020, 1.00)
329
225
0.682
(0.650, 0.716)
11296
8580
0.760
(0.718, 0.803)
11553
8872
0.768
(0.723, 0.816)
7.01
6.51
0.040
(0, 1.00)
0.653
(0.618, 0.690)
代謝比率 c)
15.4
10.0
a: 中央値、中央値の差、差の 90%信頼区間
b: 29 名
c: ハイドロキシブプロピオンの AUC/ブプロピオンの AUC
表 2.7.6.17.5-2 CS-747S 代謝物の薬物動態パラメータ推定値に及ぼすリファンピシンの影響
: 海外リファンピシン及びブプロピオン相互作用試験
投与期
パラメータ
最小二乗幾何平均値の比(90%信頼区間)
(CS-747S + リファンピシン)/CS-747S 単独
R-138727
R-95913
R-119251
R-106583
LD
Cmax
1.02
0.318
0.910
1.18
(0.856, 1.21) (0.282, 0.358) (0.783, 1.06)
(1.08, 1.28)
AUClast
0.966
0.265
1.07
0.937
(0.898, 1.04) (0.241, 0.291) (0.985, 1.17) (0.885, 0.993)
AUC0-inf
0.954
0.286
1.07
0.862
(0.887, 1.03) (0.262, 0.313) (0.977, 1.16) (0.811, 0.916)
MD
Cmax
0.883
0.209
0.914
1.06
(0.747, 1.05) (0.181, 0.242) (0.777, 1.07) (0.984, 1.14)
AUClast
1.00
0.159
1.21
0.887
(0.933, 1.08) (0.138, 0.182) (1.09, 1.33) (0.837, 0.941)
tmaxa)
0
0
0.030
0
(0, 0.470)
(0, 0.500)
(0, 0.500)
(0, 0.500)
a: 差の中央値及びおよその 90%信頼区間
294
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
17.6 薬力学の結果
CS-747S 単独投与時及びリファンピシン併用投与時の IPA(20 μM)の値を表 2.7.6.17.6-1 に
示す。
CS-747S LD 60 mg とリファンピシン 600 mg の併用投与の IPA は、CS-747S 単独投与と比較
して、投与 2 及び 4 時間後の時点でそれぞれ 9%(最小二乗平均値が 85%に対して 76%)
、6%
(最小二乗平均値が 82%に対して 76%)の有意な低下が検出された。
CS-747S とリファンピシンの 5 日間の併用投与後(6 日目)
、ADP 20 μM 惹起平均 IPA は
CS-747S 単独投与後よりも統計学的に有意に低く、2、4、24 時間の時点で差はそれぞれ 9%、
5%、17%であった。リファンピシンは活性代謝物の曝露量に影響を及ぼさなかったため、リ
ファンピシンによる IPA の低下は、代謝酵素の誘導により生じたものではなく、リファンピシ
ンと CS-747S の特異的な相互作用(例えば、リファンピシンと CS-747S の活性代謝物との分
子レベルでの直接の相互作用)により生じたものであると思われた。
CYP3A 及び CYP2B6 の誘導剤であり CYP2C9、CYP2C19、CYP2C8 の誘導剤でもあるリフ
ァンピシンは R-138727 の曝露量を変化させなかったため、他の CYP 誘導剤が、CS-747S 活性
代謝物 R-138727 の薬物動態に有意な影響を及ぼすとは考えられなかった。
表 2.7.6.17.6-1 CS-747S 単独投与及びリファンピシン併用投与時の IPA(20 µM)の比較: 海
外リファンピシン及びブプロピオン相互作用試験
幾何最小二乗平均(90%信頼区間)
投与
時間(時)
LD
(1 日目)
2
4
24
投与前
2
4
24
MD
(6 日目)
CS-747S
84.8 (81.1, 88.4)
81.9 (78.3, 85.5)
77.7 (74.1, 81.3)
71.4 (67.8, 75.0)
72.1 (68.4, 75.7)
71.8 (68.2, 75.4)
71.4 (67.7, 75.1)
CS-747S +
リファンピシン
76.3 (72.7, 80.0)
76.0 (72.3, 79.6)
73.6 (70.0, 77.2)
58.2 (54.6, 61.8)
63.2 (59.6, 66.8)
67.0 (63.3, 70.8)
54.9 (51.2, 58.5)
(CS-747S + リファンピシン)
− (CS-747S)
差(90%信頼区間)
P値
−8.43 (−12.0, −4.86)
−5.90 (−9.39, −2.41)
−4.10 (−7.62, −0.582)
−13.2 (−16.7, −9.71)
−8.87 (−12.4, −5.32)
−4.78 (−8.46, −1.10)
−16.5 (−20.2, −12.9)
0.0001
0.0057
0.0555
<0.0001
<0.0001
0.0330
<0.0001
17.7 安全性の結果
17.7.1 有害事象
治験期間中に報告された、治験薬投与中に発現した有害事象の要約を表 2.7.6.17.7-1、関連
ありの有害事象発現被験者数を表 2.7.6.17.7-2 に示す。
健康被験者において CS-747S の経口投与は、単独投与時、リファンピシン(600 mg 1 日 1
回)との併用投与時、又はブプロピオン 150 mg との併用投与時のいずれにおいても忍容性が
良好であった。治験薬との因果関係が関連ありの有害事象は 1 名を除きすべて軽度であり、重
度の有害事象又は死亡を含む重篤な有害事象はなかった。
治験薬との因果関係が関連ありの有害事象は、1 名に発現した中等度の頭痛がリファンピシ
ン単独投与後に報告されたのを除いてすべて軽度であった。
295
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
CS-747S の単独投与時、ブプロピオン単回投与、及び併用時で、有害事象の発現率は同様で
あった。CS-747S 単独投与時のほうが、CS-747S とリファンピシンの併用投与時よりも報告さ
れた有害事象は少なかった。
相互作用薬をそれぞれ単独投与
(ブプロピオン 150 mg 単回投与、
又はリファンピシン 600 mg
1 日 1 回投与)した場合、治験薬と関連があると判定された有害事象の発現率は低く、3 名以
上の被験者に発現した有害事象はなかった。
CS-747S 単独投与後に最も高頻度に報告された治験薬と関連があると判定された有害事象
は出血性の事象であり、3 名に創傷出血(有害事象の報告者用語は出血の延長)
、2 名に処置後
出血(有害事象の報告者用語はカニューレ挿入部位の挫傷)が発現した。
CS-747S とブプロピオンの併用投与後に報告された出血性の有害事象の発現件数は同様で
あり、2 名に処置後出血(有害事象の報告者用語はカニューレ挿入部位又は心電図検査の電極
装着部位の挫傷)
、1 名に創傷出血(有害事象の報告者用語は出血の延長)
、1 名に挫傷が発現
した。
CS-747S 単独投与後、又はブプロピオン併用時の採血のためのカニューレ挿入部位又は心電
図検査の電極装着部位に生じた処置後出血も治験手順と関連ありと判断された。創傷出血の事
象はすべてひげそり時の切り傷により生じた。CS-747S のブプロピオンとの併用投与後に報告
された挫傷は、被験者がフットボール用のボールを蹴った後に生じた。出血関連の有害事象は
すべて軽度であり、処置なしで回復した。
その他には、有害事象の種類でブプロピオン併用投与後に 3 名以上の被験者により報告され
たものはなかった。治験薬と関連があると判定された有害事象である頭痛は、リファンピシン
との併用投与群に報告された。
296
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.17.7-1 治験薬投与中に発現した有害事象の要約: 海外リファンピシン及びブプロピ
オン相互作用試験
有害事象発現被
験者(%)
(因果関
係を問わない)
投与期
8 (25%)
150 mg ブプロピオ
ン(32 名)b)
10 (33%)
CS-747S 60/10 mg
(30 名)
c)
CS-747S 10 mg +
150 mg ブプロピオ
ン(30 名)d)
13 (43%)
8 (27%)
600 mg リファンピ
シン(30 名)e)
CS-747S 60/10 mg +
600 mg リファンピ
シン f)(29 名)
9 (31%)
有害事象発現件数
及び重症度(因果関
係を問わない)
軽度
10
中等度
有害事象発現被験
者(%)
(治験薬と
関連あり)a)
2 (6%)
有害事象発現件数
及び重症度(治験薬
と関連あり)a)
軽度
3
2
中等度
0
重度
0
重度
0
合計
12
合計
3
軽度
17
軽度
10
中等度
0
中等度
0
重度
0
重度
0
合計
17
合計
10
軽度
17
軽度
8
中等度
3
中等度
0
重度
0
重度
0
合計
20
合計
8
8 (27%)
7 (23%)
軽度
8
軽度
4
中等度
2
5 (17%)
中等度
1
重度
0
重度
0
合計
10
合計
5
軽度
8
軽度
1
中等度
2
中等度
0
重度
0
重度
0
合計
10
合計
1
1 (3%)
a: 治験薬と関連があるかもしれない、又は恐らく関連ありと判断された有害事象
b: 投与期 1 に報告された有害事象を含めた
c: 投与期 2、1 日目の CS-747S 初回投与以降、投与期 2、7 日目の CS-747S とブプロピオン併用投与前までに報告された
有害事象を含めた
d: CS-747S 10 mg。投与期 2 の 7 日目の CS-747S とブプロピオンの併用投与後及び投与期 2 の 11 日目までのそれ以降の
CS-747S 投与後に発現した有害事象を含む
e: 投与期 3 の−8 日目のリファンピシン初回投与後から投与期 3 の 1 日目の CS-747S + リファンピシンの併用投与まで
に発現した有害事象を含む
f: CS-747S 60/10 mg。投与期 3 の 1~6 日目の CS-747S + リファンピシンの併用投与後に発現した有害事象を含む
297
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.17.7-2 有害事象発現被験者数(関連あり): 海外リファンピシン及びブプロピオン相
互作用試験
基本語
ブプロピオン
150 mgb)
(32 名)
有害事象発現被験者数
CS-747S +
ブプロピオン
リファンピシン
150 mgd)
600 mge)
(30 名)
(30 名)
CS-747Sc)
(30 名)
CS-747S +
リファンピシン
600 mg f)
(29 名)
創傷出血 a)
0
3
1
0
0
処置後出血 a)
0
2
2
0
0
挫傷 a)
0
0
1
0
0
頭痛
0
0
1
2
1
不安
1
0
1
0
0
発汗障害
0
0
0
2
0
浮動性めまい
0
2
0
0
0
上腹部痛
1
1
0
0
0
胸膜痛
0
0
2
0
0
体位性めまい
0
1
0
0
0
腹痛
0
0
0
1
0
不眠症
0
1
0
0
0
総計
2
8
7
5
1
MedDRA/J ver. 8.0
a: 出血関連の有害事象
b: 投与期 1 に生じた有害事象を含む
c: CS-747S 60/10 mg。投与期 2 の 1 日目の CS-747S 初回投与後から投与期 2 の 7 日目の CS-747S とブプロピオンの併用
投与までに発現した有害事象を含む
d: CS-747S 10 mg。投与期 2 の 7 日目の CS-747S とブプロピオンの併用投与後及び投与期 2 の 11 日目までのそれ以降の
CS-747S 投与後に発現した有害事象を含む
e: 投与期 3 の−8 日目のリファンピシン初回投与後から投与期 3 の 1 日目の CS-747S + リファンピシンの併用投与まで
に発現した有害事象を含む
f: CS-747S 60/10 mg。投与期 3 の 1~6 日目の CS-747S + リファンピシンの併用投与後に発現した有害事象を含む
17.7.2 臨床検査値の評価
以下の例外を除き、治験期間中に測定した臨床検査のいずれの項目にも、臨床的に重要な変
化は認められなかった。
1 名が投与期 3(リファンピシン投与)に AST 及び ALT の臨床的に重要な上昇が認められ、
被験者は治験を中止した。
他の 1 名が治験後の評価時及びその 8 日後の規定外の評価時に AST
及び ALT の臨床的に重要な上昇が認められた。治験責任医師は、ウイルス感染がこれらの上
昇の要因であった可能性があると判断した。
数名の被験者に、
投与期 (
3 リファンピシン投与)及び治験後の評価時の様々な時点で、
ALT、
AST、又はその両方の正常範囲から 10%を超える上昇が認められた。
1 名に、投与期 2(ブプロピオンと CS-747S の併用投与)の 12 及び 17 日目にそれぞれ 99
及び 83 IU/L の ALT 上昇(正常範囲: 10~53 IU/L)が認められた。加えて、この被験者には 12
及び 17 日目にそれぞれ 58 及び 115 IU/L の AST 上昇(正常範囲: 16~42 IU/L)が認められた。
血清 ALT 及び AST 値は、それぞれ 13 日以内及び 10 日以内に正常値に戻った。
CS-747S 単独投与時にもリファンピシン又はブプロピオンとの併用投与時にも、臨床検査値
の評価、バイタルサイン、標準 12 誘導心電図、理学的検査の観点から安全性上の懸念は認め
られなかった。
298
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
17.8 結論
CS-747S による CYP2B6 活性の阻害は弱く、ブプロピオンの経口投与後にヒドロキシブプロ
ピオンの Cmax 及び AUC0-inf をそれぞれ 32%及び 23%低下させた。CS-747S の投与を受ける患
者に対して、主に CYP2B6 により代謝される併用薬の投与量調整が必要となるとは予想され
なかった。
CYP3A 及び CYP2B6 の誘導剤であり CYP2C9、CYP2C19、CYP2C8 の誘導剤でもあるリフ
ァンピシンの 600 mg 1 日 1 回投与と併用したところ、CS-747S 活性代謝物の曝露量に有意な
変化は生じなかった。したがって、他の CYP 誘導剤が、CS-747S 活性代謝物 R-138727 の薬物
動態に有意な影響を及ぼすとは考えられなかった。CS-747S LD の投与前にリファンピシン
600 mg 1 日 1 回投与を行ったところ、ADP 5 及び 20 μM 惹起平均 IPA は 4.10%~8.52%ポイン
ト低下し、CS-747S MD の 5 日間投与後、ADP 5 及び 20 μM 惹起による定常状態の IPA 反応は
2.4%~16.5%ポイント低下した。この IPA の低下は、リファンピシンと CS-747S の特異的な相
互作用に起因するものと考えられる。リファンピシン 600 mg 1 日 1 回の併用投与により
R-95913 の Cmax 及び AUC が 70%~85%低下し、R-119251 及び R-106583 の一部の曝露量推定
値にわずかな変化が生じた。こうした変化が CS-747S 投与の安全性又は有効性に影響を及ぼ
すとは考えられなかった。
CS-747S はブプロピオン 150 mg 又はリファンピシン 600 mg との併用投与時においても安全
であり、忍容性も良好であった。
299
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
18. The effect of prasugrel on the disposition of digoxin in healthy subjects
············································································資料番号 5.3.3.4-5
18.1 治験方法
18.1.1 概略
治験方法の概略を表 2.7.6.18.1-1 に示す。
表 2.7.6.18.1-1 治験方法の概略: 海外ジゴキシン相互作用試験(1/3)
治験の目的
主要目的:
健康被験者におけるジゴキシンの体内動態への CS-747S の初回負荷用量(loading dose:
LD)60 mg 及び 9 日間の維持用量(maintenance dose: MD)10 mg の影響を評価する。
副次目的:
健康被験者におけるジゴキシンの単独投与及び CS-747S との併用投与の安全性及び忍
容性を評価する。
治験責任医師名
実施医療機関
治験期間
2005 年 10 月 6 日(最初の被験者の同意取得日)~2005 年 11 月 28 日(最終観察日)
対象
1. 選択基準
以下の基準をすべて満たす者を本治験への組み入れ可とする。
• 既往歴及び理学的検査により良好な健康状態が確認された男性又は女性
• 妊娠の可能性のない女性(すなわち、閉経後及び/又は避妊手術を受けた女性)
。
閉経後女性とは月経停止後 2 年以上経過した女性と定義する。
• 年齢が 18 歳以上、60 歳以下の者
• 肥満度(body mass index: BMI)が 19~32 kg/m2 の者
• 臨床検査値が施設基準値以内の者、又は治験責任医師が臨床的に重要でないと判
断した許容範囲の逸脱であった者
• 治験責任医師の判定で、心電図検査の結果が正常範囲の者
• 治験責任医師の判定で、血圧及び心拍数が正常の者
• 治験期間にわたって確実に時間の都合を付ける意思があり、かつ治験手順に従う
意思がある者
• イーライ・リリー及び実施医療機関の倫理審査委員会が承認した同意書による同
意が得られた者
2. 除外基準
• 本治験に直接関与するイーライ・リリーの職員又は実施医療機関スタッフ、及び
その近親者。近親者とは、配偶者、両親、子供、兄弟姉妹(血縁関係の有無を問
わない)と定義する。
• 心血管系、呼吸器系、肝臓、腎臓、消化器系、内分泌系、血液系、又は神経系の
いずれかの障害のうち、薬剤の吸収、代謝、排泄に著名な変化を及ぼす、又は治
験薬投与によって危険を生じる恐れのある障害が認められる者、又はその既往歴
を有する者
• 重大な活動性神経精神疾患の明らかな徴候が認められる者
• 重大な出血性障害(吐血、下血、重度又は再発性の鼻出血、喀血、臨床的に明ら
かな血尿、又は頭蓋内出血)が認められる者、又はその既往歴を有する者
• 凝固系又は出血性障害の既往歴や家族歴を有する者、又は脳出血や動脈瘤、若年
性脳卒中(65 歳未満での脳血管発作)などの血管奇形が合理的に疑われる者
• AV ブロック(第 I、II、及び III 度)
、ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群、
又は治験責任医師により重大と判断される不整脈を有する者
300
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.18.1-1 治験方法の概略: 海外ジゴキシン相互作用試験(2/3)
対象(続き)
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
治験デザイン
スクリーニング時のプロトロンビン時間、活性化部分トロンボプラスチン時間、
血小板数のいずれかに、正常範囲からの臨床的に重要な逸脱がみられる者
スクリーニング時にフォン・ヴィルブランド因子濃度の異常低値が認められた者
便潜血反応が陽性の者
K、Ca、マグネシウム、又は重炭酸イオンが規定の検査機関の正常範囲外の者
スクリーニング前 3 ヵ月以内の大手術の既往歴を有する者
治験薬最終投与日から 14 日以内に手術が予定されている者
眼底検査又は点状出血検査で臨床的に重要な異常が認められた者
治験前の理学的検査、心電図検査、臨床(安全性)検査の結果を治験責任医師が
検討した結果、臨床的に重要なその他の異常が認められた者
乱用薬物の常習者及び/又は尿薬物スクリーニング検査で許容できない陽性所
見が認められた者
ジゴキシン、CS-747S 又は類薬(クロピドグレル硫酸塩又はチクロピジン塩酸塩)
に対する既知のアレルギーもしくは重大な過敏症を有する者、又は原因を問わな
い問題となるアレルギー性薬物反応の既往歴を有する者
入院前 2 ヵ月以内に 500 mL を超える献血をした者
ヒト免疫不全ウイルス抗体が陽性の者
C 型肝炎ウイルス抗体が陽性の者
B 型肝炎ウイルス表面抗原が陽性の者
現喫煙者又はニコチン代替物を現在使用している者(入院前 6 ヵ月以内)
週当たりのアルコール摂取量が習慣的に男性で 28 単位、女性で 21 単位を超える
者。アルコール 1 単位はエタノール換算で 8 g とする
処方薬、一般薬、漢方薬のいずれかを投与中であり、入院前 14 日以内に安全に
中止することが不可能な者
入院前 21 日以内にアスピリン、その他の非ステロイド性消炎鎮痛剤、又は血小
板機能に影響することが知られている他の薬剤を服用した者
治験薬(新規化合物)を投与する試験に入院前 4 ヵ月以内に参加した者、又は市
販薬を投与する試験に入院前 3 ヵ月以内に参加した者
上記以外で、被験者のリスクを上昇させる状態や、確実な治験結果が得られる可
能性を損なう状態が認められると治験責任医師が判断した者
単一施設、非盲検、1 期、1 投与順序試験
治験デザインを図 2.7.6.18.1-1 に示す。
1 日目に約 12 時間間隔で、
ジゴキシン LD 0.5 mg を 2 回投与し(1 日の総投与量 1 mg)、
2 日目に約 12 時間間隔でジゴキシン 0.25 mg を 2 回投与した
(1 日の総投与量 0.5 mg)。
その後 15 日間(3~17 日目)にわたり、ジゴキシン 0.25 mg 1 日 1 回投与し、8 日目
にジゴキシンと併用して、CS-747S LD 60 mg を単回投与した。その後 9 日間(9~17
日目)にわたり、ジゴキシンと併用して CS-747S MD 10 mg を 1 日 1 回投与した。
301
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.18.1-2 観察・検査スケジュール: 海外ジゴキシン相互作用試験
Day
スクリーニング
心電図
既往歴
X
X
理学的
検査
X
眼底検査又は
点状出血検査
X
−1
臨床
検査
X
入院
X
X
h)
治験薬
退院
バイタルサ
イン
X
身長及び
体重
X
ジゴキシン
血中濃度測定
Xf)
X
X
2
Xh)
Xb)
X
3
g)
X
c)
X
X
4
Xg)
Xc)
X
5
Xg)
Xc)
6
Xg)
Xc)
7
g)
X
Xc)
8
Xg)
Xd)
9
Xg)
X
投与前, 投与 0.5, 1, 投与 0~12,
1.5, 2, 2.5, 3, 4, 6, 8, 12~24 時
12, 16 時間後
間後
投与前,投与 0.5, 1, 投与 0~12,
1.5, 2, 2.5, 3, 4, 6, 8, 12~24 時
12, 16 時間後
間後
投与 24 時間後
Xe)
X
g)
Xe)
g)
e)
X
11
X
X
12
Xg)
Xe)
13
g)
X
Xe)
14
Xg)
Xe)
15
g)
X
e)
X
16
Xg)
Xe)
17
g)
Xe)
X
18
治験後の追跡調査
X
X
X
X
X
X
a: ジゴキシン LD 0.5 mg 1 日 2 回
b: ジゴキシン 0.25 mg 1 日 2 回投与
c: ジゴキシン 0.25 mg 1 日 1 回投与
薬物動態用
尿検体採取
a)
1
10
薬物動態用血液検
体採取
X
X
Xf)
Xf)
X
d: ジゴキシン 0.25 mg+CS-747S 60 mg 併用投与
e: ジゴキシン 0.25 mg+CS-747S 10 mg 併用投与
303
f: 仰臥位のみ
g: 投与前及び午前中投与の 3 時間後
h: 投与前のみ
投与前, 投与 0.5, 1, 投与 0~12,
1.5, 2, 2.5, 3, 4, 6, 8, 12~24 時
12, 16 時間後
間後
投与 24 時間後
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
18.1.2 用法・用量の設定根拠
本治験では、CS-747S の用量は、実施時点で行われていた海外 ACS 第 III 相試験で使用され
ており、予定される臨床推奨用量である LD 60 mg 及び MD 10 mg とした。
ジゴキシンは消失半減期が約 39 時間であるため、投与開始 7 日以内に血清中濃度を定常状
態に到達させるように、1 日目に 1 回 0.5 mg を 1 日 2 回投与、2 日目に 1 回 0.25 mg を 1 日 2
回投与、3 日目以降に 1 回 0.25 mg を 1 日 1 回投与と設定した。
18.2 被験者の内訳
18 名の被験者に、ジゴキシンの単独投与及び CS-747S との併用投与を行った。合計 18 名の
被験者が組み入れられ、予定どおり治験を完了した。
18.3 解析対象
本治験に組み入れられた 18 名の全被験者を薬物動態解析の評価対象とした。
1 名を除く全被験者において投与 24 時間後の時点でジゴキシン濃度が測定可能であったた
め、投与時点から最後の定量可能な濃度の検体採取時点までの AUC を AUC0-τ とみなした。被
験者 2 の 17 日目の CS-747S MD 投与 24 時間後の時点でジゴキシン濃度が定量限界未満であり、
この回の投与と関連する AUC0-τ の推定値の算出は行わなかった。
1 名の被験者の 17 日目の投与 2 時間後のジゴキシン濃度が評価不能であったため、「結果
なし」と報告された。他の 1 名の被験者の 8 日目のジゴキシン投与 4 時間後の検体に、検体採
取日時が記載されていなかった。いずれの時点のデータも薬物動態解析から除外した。
安全性の評価は本治験に組み入れられた 18 名の全被験者を対象とした。
18.4 被験者背景
19 歳以上 50 歳以下の健康男性被験者合計 18 名が本治験に参加した。
被験者は 17 名が白人、
1 名が白人と東洋人の混血であった。P 糖蛋白質(P-glycoprotein: P-gp)の発現量が低い被験者
が 5 名、中程度の被験者が 8 名、高い被験者が 5 名であった。
スクリーニング時の血清検査及び入院時(投与前日)の便潜血反応の結果は全被験者で陰性
であった。スクリーニング時及び入院時の乱用薬物検査及びエタノール検査は全被験者で陰性
であった。
18.5 薬物動態の結果
ジゴキシン単独投与時、CS-747S LD 60 mg 投与後、CS-747S MD 10 mg の 9 日間投与後のノ
ンコンパートメント法による血清中ジゴキシンの薬物動態パラメータの推定値を表
2.7.6.18.5-1 に、ジゴキシン単独投与後及び CS-747S との併用投与後の線形混合効果モデルに
よるジゴキシンの薬物動態パラメータの統計的比較を表 2.7.6.18.5-2 に示す。
ジゴキシンの Cmax は CS-747S LD 60 mg 投与後に 11.2%、MD 10 mg 投与後に 17.1%低下した
が、0.5~2 ng/mL の治療濃度域内であった。AUC0-τ は CS-747S LD 60 mg 投与後に 10.5%、MD
304
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
10 mg 投与後に 14.3%低下したが、幾何平均の比の 90%信頼区間は 0.80~1.25 の範囲内であっ
た。ジゴキシンの尿中排泄は CS-747S との併用投与で低下した。P-gp 活性のマーカーである
ジゴキシンの腎クリアランスは、
幾何平均の比の 90%信頼区間が 0.80~1.25 の範囲内であり、
CS-747S LD 60 mg あるいは MD 10 mg 投与による影響を受けなかった。CS-747S はジゴキシン
の腎クリアランスに影響を及ぼさず、P-gp 活性に影響を及ぼさないことが示唆された。
表 2.7.6.18.5-1 ジゴキシン単独投与時、CS-747S LD 60 mg 投与後、CS-747S MD 10 mg の
9 日間投与後のノンコンパートメント法による血清中ジゴキシンの薬物動態パラメータの推
定値: 海外ジゴキシン相互作用試験
幾何平均(%CV)
ジゴキシン単独
ジゴキシン + CS-747S
LD
ジゴキシン + CS-747S
MD
18 名
18 名
18 名
1.69 (21.7)
1.50 (32.7)
1.40 (38.7)
1.00 (0.50~1.50)
1.00 (0.50~2.00)
1.01 (0.50~3.00)
AUC0-τ (ng•h/mL)
14.9 (23.0)
13.3 (26.1)
13.0b) (24.8)
Ae0-τ,ss (mg)
0.173 (18.3)
0.160 (23.1)
0.140 (28.8)
Fe (%)
69.1 (18.3)
63.9 (23.1)
56.0 (28.8)
CLr,ss (L/h)
11.6 (19.9)
12.0 (23.2)
11.1b) (22.7)
パラメータ
Cmax (ng/mL)
tmax a) (h)
Ae0-τ,ss: 定常状態における 24 時間の 1 投与間隔に尿中に排泄されたジゴキシンの質量
CLr,ss: 定常状態におけるジゴキシンの腎クリアランス
Fe: 投与量のうち未変化体として排泄された割合
a: 中央値(範囲)
b: 17 名
305
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.18.5-2 ジゴキシン単独投与後及び CS-747S との併用投与後の線形混合効果モデル
によるジゴキシンの薬物動態パラメータの統計的比較: 海外ジゴキシン相互作用試験
最小二乗幾何平均(90%信頼区間)
パラメータ
AUC0-τ
(ng•h/mL)
Cmax
(ng/mL)
最小二乗幾何平均の比(90%信頼区間)
ジゴキシン
+ CS-747S
LD
18 名
ジゴキシン
+ CS-747S
MD
18 名
ジゴキシン
単独
18 名
ジゴキシン +
CS-747S LD のジゴ
キシン単独に対す
る比
ジゴキシン +
CS-747S MD のジゴ
キシン単独に対す
る比
13.3
12.8
14.9
0.895
0.857
(12.1, 14.7)
(11.5, 14.1)
(13.5, 16.5)
(0.850, 0.943)
(0.813, 0.903)
1.50
1.40
1.69
0.888
0.829
a)
(0.734, 0.936)a)
(1.33, 1.70)
(1.24, 1.59)
(1.50, 1.91)
(0.786, 1.00)
CLr,ss
12.0
11.1
11.6
1.03
0.957
(L/h)
(11.0, 13.1)
(10.2, 12.1)
(10.6, 12.7)
(0.964, 1.10)
(0.893, 1.03)
中央値の差(90%信頼区間)
(Wilcoxon 符号付き順位和検定の P 値)
中央値(90%信頼区間)
tmax
1.00
1.01
1.00
0.000
0.0150
(h)
(1.00, 1.00)
(1.00, 1.50)
(1.00, 1.00)
(−0.500, 0.500)
(0.000, 1.00)
(0.835)
(0.0872)
a: 規制当局のガイダンスに示されている「影響なしとする境界」である 0.8~1.25 の限界を逸脱した。
18.6 安全性の結果
18.6.1 有害事象
治験期間中に報告された、投与中に発現した有害事象の要約を表 2.7.6.18.6-1 に示し、治験
薬との因果関係が関連ありの有害事象の発現状況を表 2.7.6.18.6-2 に示す。
健康被験者にジゴキシンを 7 日間反復経口投与した場合、その後、10 日間 CS-747S と併用
投与した場合も忍容性は良好であった。投与期間全体で報告された、投与中に発現した有害事
象は大半が軽度であり、死亡、並びに重度又は重篤な有害事象は報告されなかった。
有害事象が報告された被験者数は、ジゴキシン単独投与時と CS-747S との併用投与時とで
同数であったが、報告された発現件数は併用投与時で多かった。
ジゴキシン単独投与期間に報告された有害事象はすべて治験薬と関連なしと判断された。ジ
ゴキシンと CS-747S の併用投与後の治験薬と関連ありの有害事象の発現率は低かった。
治験期間中の出血関連の有害事象の発現率は低く、1 名の被験者で軽度の出血事象が 2 件報
告されたのみであった。当該被験者では、14 日目の投与後に軽度の鼻出血が発現して 2 分間
持続し、これは治験薬と関連ありと判断され、治験手順とは関連なしと判断された。また、同
被験者において 17 日目の最終投与後に処置後出血(カニューレ挿入部位の挫傷)も報告され、
これは治験薬及び治験手順と関連ありと判断された。これらの被験者は、治験期間中、有害事
象の治療のために処置薬は投与されなかった。
306
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.18.6-1 投与中に発現した有害事象の要約: 海外ジゴキシン相互作用試験
投与期
ジゴキシン単独 b)
有害事象発現被験
者数 (%)(因果関係
を問わない)
6 (33%)
18 名
ジゴキシン +
CS-747Sc)
6 (33%)
18 名
10 (56%)
合計
18 名
有害事象発現件数
及び重症度(因果関
係を問わない)
有害事象発現被験
者数 (%)(治験薬と
関連あり)a)
有害事象発現件数
及び重症度(治験薬
と関連あり)a)
軽度
6
軽度
0
中等度
0
中等度
0
重度
0
重度
0
合計
6
軽度
13
中等度
重度
0 (0%)
合計
0
軽度
6
2
中等度
0
0
重度
0
不明
1
不明
0
合計
16
合計
6
軽度
19
軽度
6
中等度
2
中等度
0
重度
0
重度
0
不明
1
不明
0
合計
22
合計
6
2 (11%)
2 (11%)
a: 治験薬と関連があるかもしれない、又はおそらく関連ありと判定された有害事象
b: 1 日目のジゴキシンの初回投与後から 8 日目のジゴキシンと CS-747S の初回併用投与前までに報告された有害事象を対象
とした。
c: 8 日目のジゴキシンと CS-747S の併用投与後に報告された有害事象を対象とした。
表 2.7.6.18.6-2 治験薬との因果関係が関連ありの有害事象: 海外ジゴキシン相互作用試験
有害事象発現被験者数 (有害事象発現件数)
ジゴキシン単独 a)
ジゴキシン + CS-747S b)
基本語
18 名
18 名
食欲減退
0 (0)
1 (1)
下痢
0 (0)
1 (1)
鼻出血
0 (0)
1 (1)
頭痛
0 (0)
1 (1)
悪心
0 (0)
1 (1)
処置後出血
0 (0)
1 (1)
総計
0 (0)
2 (6)
a: 1 日目のジゴキシンの初回投与後から 8 日目のジゴキシンと CS-747S の初回併用投与前までに報告された有害
事象を対象とした。
b: 8 日目のジゴキシンと CS-747S の併用投与後に報告された有害事象を対象とした。
MedDRA/J ver.8.0
18.6.2 臨床検査値、標準 12 誘導心電図、バイタルサインの評価
追跡調査時に個々の被験者において測定された臨床検査パラメータに臨床的に重要な変化
は認められなかった。ただし、基準値上限を超える肝トランスアミナーゼの上昇が 1 名に認め
られた。被験者 2 において、追跡調査時にアラニンアミノトランスフェラーゼ(134 IU/L、基
準値 10~49 IU/L)及びアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(73 IU/L、基準値 16~
41 IU/L)の上昇が認められた。被験者 2 のスクリーニング時及び投与前日においてはすべて
307
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
の値が基準値内であり、追跡調査時来院の 10 日後に再測定したところ基準値内となった。こ
の所見は臨床的に懸念すべきものではないと判断された。
標準 12 誘導心電図、血圧(仰臥位及び立位)
、及び心拍数に臨床的に重要な変動は認められ
なかった。
18.7 結論
CS-747S は、P-gp 活性の指標となるジゴキシンの腎クリアランスに影響を及ぼさなかった。
CS-747S 10 mg 1 日 1 回の併用投与により、ジゴキシンの定常状態の Cmax 及び AUC が低下し
たが、その変動の程度は小さく、臨床的な意義はないと考えられた。CS-747S のジゴキシンと
の併用投与にジゴキシンの投与量の調整は必要ないと考えられた。
健康被験者において、ジゴキシンとの併用投与時も、CS-747S の忍容性は良好であった。発
現した有害事象ももほとんどが軽度で回復し、これまでの CS-747S 単独投与の試験で報告さ
れているものと同様であった。
308
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
19. A study to assess the effect of atorvastatin on the pharmacokinetics and
pharmacodynamics of prasugrel and clopidogrel metabolites in healthy male
subjects.
············································································資料番号 5.3.3.4-6
19.1 治験方法
19.1.1 概略
治験方法の概略を表 2.7.6.19.1-1 に示す。
表 2.7.6.19.1-1 治験方法の概略: 海外アトルバスタチン相互作用試験(1/4)
治験の目的
主要目的:
健康男性被験者を対象として、CS-747S 初回負荷用量(loading dose: LD)60 mg 及び
維持用量(maintenance dose: MD)10 mg 投与後のアデノシン二リン酸(adenosine
5'-diphosphate: ADP)5 及び 20 μM 惹起時の血小板凝集抑制率(inhibition of platelet
aggregation: IPA)へのアトルバスタチンの影響を評価する。
副次目的:
1. クロピドグレル硫酸塩 LD 300 mg 及び MD 75 mg 投与後の ADP 5 及び 20 μM 惹起
時の IPA へのアトルバスタチンの影響を評価する。
2. LD 及び MD 投与時の CS-747S 活性代謝物 R-138727、不活性代謝物 R-95913、
R-106583、及び R-119251、並びにクロピドグレル硫酸塩の活性代謝物 R-130964 の
薬物動態へのアトルバスタチンの影響を評価する。
3. クロピドグレル硫酸塩及び CS-747S の単独投与及びアトルバスタチンとの併用投
与時の安全性及び忍容性を評価する。
4. クロピドグレル硫酸塩及び CS-747S の LD 投与後の血管拡張因子刺激性リン酸化タ
ンパク質(vasodilator-stimulated phosphoprotein: VASP)アッセイの反応を評価する。
治験責任医師名
実施医療機関
治験期間
2005 年 10 月 13 日(最初の被験者の同意取得日)~2006 年 6 月 27 日(最終観察日)
対象
1. 選択基準
• 既往歴及び理学的検査によって良好な健康状態が確認された男性。
• 年齢が 18 歳以上 60 歳以下の者。
• 肥満度(body mass index: BMI)が 19~32 kg/m2 の者。
• 臨床検査結果が実施医療機関の正常範囲内であるか、又は治験責任医師が治験依
頼者と協議した結果、正常範囲を逸脱しているが臨床的に重要な逸脱ではないと
判定した者(必要な場合)
。
• ADP 20 μM 及びアラキドン酸惹起時の最大血小板凝集率(maximum platelet
aggregation: MPA)が 70%以上の者。
• 治験責任医師の判定で、心電図検査の結果が正常範囲の者。
• 治験責任医師の判定で血圧及び心拍数(仰臥位及び立位)が正常の者。
• 治験期間にわたって確実に時間の都合を付ける意思があり、かつ治験手順に従う
意思がある者。
• イーライ・リリー及び実施医療機関の倫理審査委員会が承認した同意書による同
意が得られた者。
309
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.19.1-1 治験方法の概略: 海外アトルバスタチン相互作用試験(2/4)
対象(続き)
2. 除外基準
以下のいずれかの基準に該当する者は本治験に組み入れてはならない。
• 本治験に直接関与するイーライ・リリーの職員又は実施医療機関スタッフ、及び
その近親者。近親者とは、配偶者、両親、子供、兄弟姉妹(血縁関係の有無を問
わない)と定義する。
• 心血管系、呼吸器系、肝臓、腎臓、消化器系、内分泌系、血液系、神経系のいず
れかの障害のうち、薬剤の吸収・代謝・排泄に著明な変化を及ぼすか、又は治験
薬投与によって危険を生じる恐れのある障害が認められる者、又はその既往歴を
有する者。
• 重大な活動性神経精神疾患の明らかな徴候が認められる者。
• 重大な出血性障害(吐血、下血、重度又は再発性の鼻出血、喀血、臨床的に明ら
かな血尿又は頭蓋内出血)が認められる者、又はその既往歴を有する者。
• 凝固系又は出血性障害の既往歴や家族歴を有する者、又は脳出血や動脈瘤、若年
性脳卒中(65 歳未満での脳血管発作)などの血管奇形が合理的に疑われる者。
• スクリーニング時のプロトロンビン時間、活性化部分トロンボプラスチン時間、
クレアチンキナーゼ(creatinine kinase: CK)、血小板数のいずれかに、正常範囲か
らの逸脱がみられる者。スクリーニング時のアスパラギン酸アミノトランスフェ
ラーゼ(L-Aspartate Aminotransferase: AST)又はアラニンアミノトランスフェラ
ーゼ(L-Alanine Aminotransferase: ALT)に正常範囲上限からの 10%を超える逸脱
が認められる者。スクリーニング時の CK 測定値は、正常範囲からの逸脱が認め
られた場合は入院時に再検査することを可とするが、投与前には正常範囲内でな
ければならないこととする。
• 過去 6 ヵ月以内に原因不明の筋肉痛の発現又は頻回の筋痙攣の発現が認められ
る者。
• スクリーニング時にフォン・ヴィレブランド因子濃度の異常低値が認められた
者。
• スクリーニング時の便潜血反応の結果が陽性であった者。
• スクリーニング 3 ヵ月前以内の大手術の既往歴を有する者。
• 最終投与日から 14 日以内に手術が予定されている者。
• 眼底検査又は点状出血検査で臨床的に重要な異常が認められた者。
• 治験前の理学的検査、心電図検査、臨床(安全性)検査の結果を治験責任医師が
検討した結果、臨床的に重要なその他の異常が認められた者。
• 乱用薬物の常習者及び/又は尿薬物スクリーニング検査で許容できない陽性所
見が認められた者。
• アトルバスタチン、CS-747S、クロピドグレル硫酸塩もしくはその類薬に対する
アレルギーや重大な過敏症の既往歴を有する者、又は原因を問わない問題となる
アレルギー性薬物反応の既往歴を有する者。
• 入院 2 ヵ月前以内に 500 mL を超える献血をした者。
• ヒト免疫不全ウイルス抗体が陽性の者。
• C 型肝炎ウイルス抗体が陽性の者。
• B 型肝炎ウイルス表面抗原が陽性の者。
• 現喫煙者、又はニコチン代替品を現在使用している者(入院 6 ヵ月前以内)
。
• 処方薬、一般薬、漢方薬のいずれかを投与中であり、入院 14 日前以内に安全に
中止することが不可能な者。入院 30 日前以内に、CYP3A の既知の誘導物質又は
阻害物質を使用した者。
• 入院 21 日前以内にアスピリン、その他の非ステロイド性消炎鎮痛剤、又は血小
板機能に影響することが知られている他の薬剤を服用した者。
• 週当たりのアルコール摂取量が習慣的に 21 単位を超える者、又は治験期間中の
アルコール摂取規則を守る意思がない者(アルコール 1 単位はエタノール換算で
8 g とする)
。
• カフェイン含有飲料を過度に摂取している者(1 日 10 回超)。
• 治験薬(新規化合物)を投与する試験に入院 4 ヵ月前以内に参加した者、又
は市販薬を投与する試験に入院 3 ヵ月前以内に参加した者。
• 上記以外で、被験者のリスクを上昇させる状態や、確実な治験結果が得られ
る可能性を損なう状態が認められると治験責任医師が判断した者。
310
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.19.1-1 治験方法の概略: 海外アトルバスタチン相互作用試験(4/4)
統計解析手法
CS-747S 活性代謝物(R-138727)
、クロピドグレル硫酸塩の活性代謝物(R-130964)
、
及び CS-747S の不活性代謝物(R-95913、R-106583、及び R-119251)の薬物動態パラ
メータ推定値を、ノンコンパートメント法を用いて算出した。主要な薬物動態パラメ
ータは、AUClast、Cmax、及び tmax であった。
CS-747S とクロピドグレル硫酸塩を別々に解析した。各剤について、線形混合効果モ
デルを当てはめ、対数変換した薬物動態パラメータ(CS-747S 及びクロピドグレル硫
酸塩の活性代謝物の AUC 及び Cmax を含む)を解析した。このモデルによって、投与
間の各パラメータの幾何平均値の比の 90%信頼区間を算出した。Wilcoxon 符号付き順
位和検定を用いてパラメータの tmax を解析した。被験投与は CS-747S 又はクロピドグ
レル硫酸塩のアトルバスタチンとの併用投与であり、参照投与は CS-747S 又はクロピ
ドグレル硫酸塩の単独投与であった。ADP 5 及び 20 μM 惹起時の MPA 及び IPA、並
びに VASP 血小板反応性指数を検討し、被験投与と参照投与との間の薬力学的な平均
値の差及び対応する 90%信頼区間を線形混合効果モデルを用いて推定した。
312
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
19.1.2 用法・用量の設定根拠
CS-747S の投与量は、海外でそれまでに実施された健康被験者を対象とした臨床試験で安全
性に大きな問題が認められず、
海外 ACS 第 III 相試験の投与量である LD 60 mg 及び MD 10 mg
とした。クロピドグレル硫酸塩の用量は、現在承認されている投与量である LD 300 mg 及び
MD 75 mg とした。アトルバスタチンの承認用量の範囲は、10~80 mg/日である。本治験で
は相互作用を最大にするため、アトルバスタチンの用量を最大承認用量の 80 mg/日とした。
治験薬の tmax は、アトルバスタチンで 1~2 時間、CS-747S の活性代謝物で 30 分、クロピド
グレル硫酸塩の活性代謝物で 1 時間である。アトルバスタチン、CS-747S の活性代謝物、及び
クロピドグレル硫酸塩の活性代謝物の血漿中濃度が同時期に最大になるように、CS-747S 及び
クロピドグレル硫酸塩はアトルバスタチンの投与 1 時間後に投与することとした。
19.2 被験者の内訳
69 名の被験者を本治験に組み入れた(CS-747S 群 36 名、クロピドグレル群 33 名)
。10 名が
治験を中止し、59 名が治験を終了した。治験を中止した 10 名の被験者の内訳は、肝機能検査
値上昇が 4 名、被験者の自己都合が 3 名、重篤な有害事象の発現が 1 名、有害事象の発現が 1
名、治験実施計画書違反が 1 名であった。中止被験者のうち 1 名を除く全員について被験者の
補充を行った。
19.3 解析対象
CS-747S 群の被験者 36 名のうち 34 名が CS-747S の単独投与を受け、31 名が CS-747S 及び
アトルバスタチンの併用投与を受けた。クロピドグレル群の 33 名のうち 31 名がクロピドグレ
ル硫酸塩の単独投与を受け、31 名がクロピドグレル硫酸塩及びアトルバスタチンの併用投与
を受けた。3 名が導入期間中にアトルバスタチンの投与のみを受けた。
安全性の評価は本治験に組み入れられた 69 名の全被験者を対象とした。
19.4 被験者背景
18 歳以上、60 歳以下の 69 名の健康男性被験者が本治験に参加した。被験者のほとんどが白
人であった。年齢及び BMI の平均値は本治験の両投与群間で同程度であった。
19.5 薬物動態の結果
アトルバスタチン併用時の、CS-747S LD 60 mg 単回投与後及び MD 10 mg 10 日間投与後あ
るいはクロピドグレル硫酸塩 LD 300 mg 単回投与後及び MD 75 mg 10 日間投与後の R-138727
のノンコンパートメント法による薬物動態パラメータ推定値を表 2.7.6.19.5-1 及び表
2.7.6.19.5-2 に、CS-747S LD 60 mg 単回投与後あるいは CS-747S MD 10 mg 10 日間投与後のア
トルバスタチンの R-138727 に対する効果の解析を表 2.7.6.19.5-3 及び表 2.7.6.19.5-4 に示す。
CS-747S LD 60 mg 又はクロピドグレル硫酸塩 LD 300 mg、CS-747S MD 10 mg 又はクロピド
グレル硫酸塩 MD 75 mg の投与後、1 日 1 回投与で定常状態に達したアトルバスタチンによっ
316
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
て、CS-747S の活性代謝物 R-138727 又はクロピドグレル硫酸塩の活性代謝物 R-130964 の曝露
量はほとんど影響を受けなかった。CS-747S 10 mg/日又はクロピドグレル硫酸塩 75 mg/日
の MD 投与時、アトルバスタチンによって CS-747S の 2 種の不活性代謝物(R-119251 及び
R-106583)の平均曝露量が上昇し、R-130964 の曝露量が 28%上昇した。
CS-747S MD 10 mg 又はクロピドグレル硫酸塩 MD 75 mg を 10 日間投与後、
R-138727 の Cmax
及び AUClast、並びに R-130964 の Cmax の幾何平均値の比の 90%信頼区間はあらかじめ規定し
た範囲を逸脱しなかったが、R-130964 の AUClast の幾何平均値の比の 90%信頼区間の上限は、
あらかじめ規定した範囲を逸脱した。しかし、アトルバスタチンの併用下及び非併用下での
R-138727 及び R-130964 の Cmax 及び AUClast の個々の推定値の分布はほぼ重なった。アトルバ
スタチンは、R-138727 又は R-130964 の tmax に影響を及ぼさなかった。
表 2.7.6.19.5-1 アトルバスタチン併用時 CS-747S LD 60 mg 単回投与後及び MD 10 mg 10 日
間投与後の R-138727 のノンコンパートメント法による薬物動態パラメータ推定値: 海外アト
ルバスタチン相互作用試験
幾何平均値 (%CV)
R-138727 LD
R-138727 MD
CS-747S 単独
CS-747S とアトルバ
スタチンの併用
CS-747S 単独
CS-747S とアトルバ
スタチンの併用
パラメータ
34 名
31 名
32 名
28 名
Cmax
(ng/mL)
453
(35)
393
(52)
56.5
(48)
62.4
(54)
0.50
(0.25, 1.00)
460
(21)
0.50
(0.25, 1.50)
441
(40)
0.50
(0.25, 1.00)
54.5
(26)
0.50
(0.25, 2.00)
62.8
(32)
tmax a)
(h)
AUClast
(ng・h/mL)
a: tmax: 中央値(範囲)
表 2.7.6.19.5-2 アトルバスタチン併用時クロピドグレル硫酸塩 LD 300 mg 単回投与後及び
MD 75 mg 10 日間投与後の R-130964 のノンコンパートメント法による薬物動態パラメータ
推定値: 海外アトルバスタチン相互作用試験
幾何平均値 (%CV)
R-130964 LD
パラメータ
Cmax
(ng/mL)
tmax a)
(h)
AUClast
(ng・h/mL)
R-130964 MD
クロピドグレル
硫酸塩単独
クロピドグレル硫酸塩
とアトルバスタチンの併用
クロピドグレル
硫酸塩単独
クロピドグレル硫酸塩
とアトルバスタチンの併用
31 名
31 名
31 名
31 名
69.7
(46)
0.53
(0.50, 2.00)
63.2
(56)
1.00
(0.50, 2.03)
27.6
(63)
0.50
(0.50, 2.00)
33.7
(48)
0.50
(0.50, 2.00)
89.8
(47)
86.6
(58)
28.3
(55)
37.0
(51)
a: tmax: 中央値(範囲)
317
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.19.5-3 CS-747S LD 60 mg 単回投与後のアトルバスタチンの R-138727 に対する効果
の解析: 海外アトルバスタチン相互作用試験
幾何最小二乗平均値(90%信頼区間)
CS-747S 単独に対する
パラメータ
CS-747S 単独
CS-747S とアトルバス
タチンの併用
幾何最小二乗平均値の比
(90%信頼区間)
AUClast
(ng・h/mL)
460 (421, 502)
441 (402, 483)
0.959 (0.870, 1.06)
Cmax
(ng/mL)
453 (402, 511)
393 (347, 445)
0.866 (0.744, 1.01)
無効範囲は、あらかじめ AUC で (0.72, 1.38)、Cmax で (0.70, 1.43)と定義した。
この表は線形混合効果モデルによって作成した。
表 2.7.6.19.5-4 CS-747S MD 10 mg 10 日間投与後のアトルバスタチンの R-138727 に対する
効果の解析: 海外アトルバスタチン相互作用試験
幾何最小二乗平均値(90%信頼区間)
CS-747S 単独に対する
CS-747S 単独
CS-747S とアトルバス
タチンの併用
AUClast
(ng・h/mL)
54.1 (49.9, 58.7)
63.1 (58.0, 68.6)
1.17 (1.10, 1.24)
Cmax
(ng/mL)
56.5 (49.0, 65.1)
62.4 (53.7, 72.6)
1.11 (0.917, 1.33)
パラメータ
幾何最小二乗平均値の比
(90%信頼区間)
無効範囲は、あらかじめ AUC で (0.72, 1.38)、Cmax で (0.70, 1.43)と定義した。
この表は線形混合効果モデルによって作成した。
19.6 薬力学の結果
CS-747S の単独投与後及びアトルバスタチンとの併用投与後の ADP 20 μM 惹起時の IPA 反
応の統計学的比較を表 2.7.6.19.6-1 に示す。
ADP 5 及び 20 μM 惹起時の IPA は、CS-747S 単独投与後とアトルバスタチンとの併用投与後
とで、1 日目の LD 投与後も 11 日目の MD 最終投与後も全時点で同様であった。
クロピドグレル硫酸塩 LD 300 mg の単独投与時とアトルバスタチンとの併用投与時とで、
ADP 5 及び 20 μM 惹起時の IPA に統計学的有意差は認められなかった。クロピドグレル硫酸
塩 MD 75 mg 10 日間投与後、ADP 20 μM 惹起時の IPA は、クロピドグレル硫酸塩の単独投与
時よりもアトルバスタチンの併用投与時のほうが有意に高かった。
318
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.19.6-1 CS-747S 単独あるいはアトルバスタチンとの併用時の IPA(ADP 20 μM 惹起)
の比較: 海外アトルバスタチン相互作用試験
IPA の最小二乗平均値
投与期
(日)
LD
(1 日目)
MD
(11 日目)
時間
(h)
CS-747S 単独
(60/10 mg)
CS-747S
(60/10 mg)及び
アトルバスタチン併用
(80 mg)
0.5
1
2
4
6
24
0
0.5
1
2
4
6
24
48.4
79.1
81.3
78.2
80.3
76.3
67.5
66.4
67.2
70.2
70.7
69.9
60.0
47.5
78.0
82.7
81.9
80.1
76.3
71.6
68.8
71.4
73.7
71.9
74.9
65.0
(CS-747S 及びアトルバスタチン) –
CS-747S
差(90%信頼区間)
P値
−0.91 (−14.57, 12.75)
−1.11 (−8.69, 6.47)
1.42 (−6.16, 8.99)
3.74 (−3.62, 11.11)
−0.21 (−7.57, 7.15)
0.03 (−7.33, 7.39)
4.14 (−3.27, 11.54)
2.40 (−5.01, 9.80)
4.14 (−3.27, 11.54)
3.47 (−3.94, 10.87)
1.25 (−6.15, 8.66)
5.00 (−2.42, 12.42)
5.02 (−2.39, 12.42)
0.912
0.809
0.757
0.402
0.962
0.995
0.357
0.593
0.357
0.440
0.780
0.267
0.264
19.7 安全性の結果
19.7.1 有害事象の全般的な発現状況
本治験の投与中に発現した有害事象を表 2.7.6.19.7-1 に、事象別の治験薬と関連ありの有害
事象の発現状況を表 2.7.6.19.7-2 に、出血関連の有害事象(因果関係を問わない)の発現状況
を表 2.7.6.19.7-3 に示す。
有害事象発現率は、CS-747S 群では、単独投与時及びアトルバスタチンとの併用投与時で同
程度であった。治験薬と関連ありの有害事象(治験薬との因果関係が「possible 又は probable
と判定された有害事象)の発現率は、クロピドグレル硫酸塩単独投与時で、クロピドグレル硫
酸塩及びアトルバスタチン併用時、並びにアトルバスタチン併用時及び非併用時の CS-747S
投与時と比べて低かった。
重度の有害事象は肝不全の 1 名であり、アトルバスタチン投与と関連ありと判定された。有
害事象はほとんどが軽度と判定された。中等度の有害事象で CS-747S 又はクロピドグレル硫
酸塩と関連ありと判定されたものはなかった。
CS-747S の単独投与後及びアトルバスタチンとの併用投与後に最も高頻度に報告された治
験薬と関連ありの有害事象は出血性の事象であり、処置後出血、挫傷、及び鼻出血が多かった。
処置後出血の発現頻度は、CS-747S 及びアトルバスタチン併用時のほうが CS-747S 単独投与時
よりも低かった。しかし、出血関連の有害事象の総発現被験者数は、CS-747S 単独投与後とア
トルバスタチンとの併用後とで同様であった。出血関連の有害事象はすべて軽度であり、治療
なしで回復した。鼻出血によって 1 名が中止したが、当該事象は、中止前に投与されていたア
トルバスタチンとは関連なしと判定された。
319
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
クロピドグレル硫酸塩投与後、最も高頻度に報告された治験薬と関連ありの有害事象は、出
血性の事象であり、処置後出血、挫傷、紅斑、及び鼻出血が多かった。
表 2.7.6.19.7-1 有害事象発現状況: 海外アトルバスタチン相互作用試験
有害事象発
現被験者数
(%)
(すべて)
投与群
(被験者数)
11 (31%)
CS-747S 群
b)
アトルバスタチン 80 mg
(35 名)
クロピドグレル群
16 (48%)
アトルバスタチン 80 mgc)
(33 名)
CS-747S
23 (68%)
LD 60 mg/MD 10 mg
(34 名)
CS-747S
有害事象発現
被験者数
(%)
(関連あり a))
軽度
17
中等度
重度
軽度
1
1
中等度
1
0
重度
0
合計
8
軽度
35
中等度
重度
2 (6%)
有害事象の件
数及び
重症度
(関連あり a))
合計
2
軽度
1
1
中等度
0
0
重度
0
合計
36
軽度
41
中等度
1
重度
0
合計
42
1 (3%)
9 (26%)
1
軽度
13
中等度
0
重度
0
合計
13
軽度
47
軽度
12
中等度
2
中等度
0
アトルバスタチン 80 mg 併用
重度
1
重度
1
(31 名)
合計
50
合計
13
軽度
60
軽度
4
中等度
0
中等度
0
重度
0
重度
0
合計
60
合計
4
21 (68%)
LD 300 mg/MD 75 mg
(31 名)
22 (71%)
7 (23%)
合計
LD 60 mg/MD 10 mg
クロピドグレル硫酸塩
22 (71%)
有害事象の
件数及び
重症度
(すべて)
3 (10%)
軽度
50
軽度
11
LD 300 mg/MD 75 mg
中等度
3
中等度
0
アトルバスタチン 80 mg 併用
重度
0
重度
0
(31 名)
合計
53
合計
11
クロピドグレル硫酸塩
8 (26%)
a: 治験薬との因果関係が「関連している可能性あり(possible)」又は「おそらく関連あり(probable)
」の有
害事象
b: アトルバスタチン導入期間中(−5~−1 日目[CS-747S 初回投与前]
)に報告された有害事象
c: アトルバスタチン導入期間中(−5~−1 日目[クロピドグレル硫酸塩初回投与前]
)に報告された有害事象
320
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.19.7-2 事象別有害事象発現状況(関連あり): 海外アトルバスタチン相互作用試験
有害事象を発現した被験者数
CS-747S(60/10 mg)
及びアトルバスタ
チン 80 mg 併用
CS-747S(60/10 mg)
31 名
34 名
クロピドグレル
硫酸塩
(300/75 mg)
31 名
クロピドグレル
硫酸塩(300/75 mg)
及びアトルバスタ
チン 80 mg 併用
31 名
アトルバスタチン
80 mg
(CS-747S 群)a)
35 名
アトルバスタチン
80 mg
(クロピドグレル群)b)
35 名
処置後出血
0
0
6
3
2
4
挫傷
1
0
0
1
1
2
鼻出血
0
0
2
1
0
1
紅斑
0
0
0
0
1
1
皮膚出血
0
0
1
1
0
0
悪心
0
0
0
2
0
0
肝不全
1
0
0
1
0
0
蕁麻疹
0
0
1
0
0
0
歯肉出血
0
0
0
1
0
0
頭痛
0
0
0
1
0
0
錯感覚
0
0
0
0
0
1
傾眠
0
1
0
0
0
0
治癒不良
0
0
1
0
0
1
総計
2
1
9
7
3
8
基本語
MedDRA/J ver. 8.0
a: アトルバスタチン導入期間中(−5~−1 日目[CS-747S 初回投与前]
)に報告された有害事象
b: アトルバスタチン導入期間中(−5~−1 日目[クロピドグレル硫酸塩初回投与前]
)に報告された有害事象
治験薬との因果関係が「関連している可能性あり(possible)
」もしくは「おそらく関連あり(probable)
」である有害事象を、治験薬との因果関係が「関連あ
り」とした。
321
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
表 2.7.6.19.7-3 出血関連の有害事象(因果関係を問わない)の発現状況: 海外アトルバスタチン相互作用試験
有害事象を発現した被験者数
クロピドグレル
硫酸塩
(300/75 mg)
31 名
クロピドグレル
硫酸塩(300/75 mg)
及びアトルバスタ
チン 80 mg 併用
31 名
3
2
5
1
2
1
3
0
2
1
0
1
0
0
1
1
0
0
歯肉出血
0
0
0
1
0
0
眼充血
0
0
0
1
0
1
治癒不良
0
0
1
0
0
1
総計
2
0
10
7
2
10
アトルバスタチ
ン 80 mg
(CS-747S 群)a)
35 名
アトルバスタチン
80 mg
(クロピドグレル群)b)
35 名
処置後出血
0
0
6
挫傷
1
0
鼻出血
1
皮膚出血
基本語
CS-747S(60/10 mg)
及びアトルバスタ
チン 80 mg 併用
CS-747S(60/10 mg)
31 名
34 名
MedDRA/J ver. 8.0
)に報告された有害事象
a: アトルバスタチン導入期間中(−5~−1 日目[CS-747S 初回投与前]
b: アトルバスタチン導入期間中(−5~−1 日目[クロピドグレル硫酸塩初回投与前]
)に報告された有害事象
322
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
19.7.2 死亡及び重篤な有害事象
治験期間中に死亡は発現しなかった。
重篤な有害事象が 1 名に発現した。当該被験者では、投与期 2 の−1 日目、導入期間の 5 回
のアトルバスタチンの投与後、CS-747S 初回投与前に肝機能検査値の上昇が認められた。3 日
目までアトルバスタチンの連日投与が継続され、加えて 1 日目に CS-747S LD 60 mg、2 及び 3
日目に CS-747S MD 10 mg が投与された。3 日目の血液生化学検査の結果では、肝機能検査値
のさらなる上昇が確認され、当該事象の分類は中等度から重度に変更された。その結果、被験
者は治験を中止した(ただし、被験者は引き続き治験責任医師の医療ケアを受けた)
。8 日後
に入院し、その 4 日後に退院した。肝機能検査値の上昇は約 56 日後に回復した。肝機能検査
値のこのような変化は、治験責任医師によって肝不全として報告された。肝機能検査値の変化
は、治験薬と恐らく関連ありと判定されたが、CS-747S の単独投与時の投与期 1 の期間中には
認められなかったため、治験責任医師によって CS-747S 投与と関連なし、アトルバスタチン
投与と関連ありと判定された。
19.7.3 有害事象による治験中止
被験者 2 名が有害事象によって治験を中止した。そのうち 1 名は、重篤な有害事象によって
治験を中止した。もう 1 名は、軽度の鼻出血によって治験を中止した。被験者は治験中止前、
アトルバスタチンの単独投与を 6 日間受けていた。当該事象は、治験薬との因果関係は関連な
しと判定された。
19.7.4 臨床検査値の評価
臨床検査のいずれの項目にも、臨床的に重要な変化は認められなかった。
1 名の被験者に肝機能検査値の上昇が認められ、その結果重篤な有害事象とされ(肝不全)
、
治験を中止した。アトルバスタチン導入期間中及び CS-747S 及びアトルバスタチン併用投与
時の肝機能検査値の変化は、治験責任医師によって CS-747S と関連ありとは判定されなかっ
た。
他の 1 名(投与期 1 にアトルバスタチン単独投与後、アトルバスタチンとクロピドグレル併
用投与)で投与期 2 の投与 1 日前に ALT、AST、及び CK の臨床的に重要な上昇が認められた。
治験責任医師は、この事象は治験実施計画書に違反する過度の運動によるものであったと考え、
治験を中止した。
その他 4 名がアトルバスタチン導入期間後に、
無症候性ながら臨床的に重要な AST 及び ALT
の上昇によって中止した。肝機能検査値の上昇はアトルバスタチンの既知の作用であり、本治
験で認められた肝機能検査値の臨床的に重要な変化は、アトルバスタチンによるものであると
考えられた。
19.8 結論
アトルバスタチン 80 mg 1 日 1 回投与による定常状態のもと、CS-747S LD 又は MD を併用
323
2.7.6 個々の試験のまとめ
プラスグレル塩酸塩
エフィエント錠 3.75 mg、5 mg
投与した場合、アトルバスタチン投与は CS-747S 活性代謝物の曝露量に影響を及ぼさなかっ
た。アトルバスタチン 80 mg 1 日 1 回との併用時、クロピドグレル硫酸塩の活性代謝物の曝露
量は、LD 300 mg 投与後には影響を受けなかったが、MD 75 mg 連日投与の 10 回目の投与後に
は約 28%上昇した。
アトルバスタチン 80 mg 連日投与との併用時の CS-747S LD 60 mg 及び MD 10 mg 投与後、
アトルバスタチンと CS-747S の間に、ADP 5 及び 20 μM 惹起時の IPA の観点から薬力学的相
互作用は検出されなかった。アトルバスタチン 80 mg 連日投与との併用下でのクロピドグレル
硫酸塩 LD 300 mg 投与後、アトルバスタチンとクロピドグレル硫酸塩の間に薬力学的相互作
用は検出されなかった。しかし、クロピドグレル硫酸塩 MD 75 mg/日のアトルバスタチンと
の併用投与時は、単独投与時と比べて ADP 20 μM 惹起時の IPA が有意に高かった。
健康成人男性では、CS-747S 及びクロピドグレル硫酸塩は、アトルバスタチンと併用投与し
た場合も、忍容性は良好であった。
324
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