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AD球状黒鉛鋳鉄の水脆性

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AD球 状 黒鉛鋳鉄 の水脆性
オ ー ス テ ナ イ ト球 状 黒 鉛 鋳 鉄 (以 下
FCADと
す る )は 、 ほ ん の 僅 か な水 分 が 付 着 す る
と引 張 り勢 度 と伸 び が 大 幅 に奪 下 す る現 象 が 知 られ て い ま す 。
こ れ を水 脆 性 現 象 と呼 び ます 。
この 現 象 は 耐 力 を超 え た 塑 性 変 形 中 に 起 こ ります 。 と,い う こ とは 耐 力 限 界 ギ リギ リの 状
態 で 急 に脆 化 す る とい う こ とで 、雨 に さ ら され る場 所 や 、湿 度 の 高 い 条 件 下 で 使 用 す る場
合 に は 注 意 を要 す る とい う こ とを意 味 しま す 。
引 張 り試 験 時 に 、試 験 片 に濡 れ た テ ィ ッ シ ュ ペ ー パ ー を巻 き つ け た だ け で 、そ の 強 度 は
引 張 り強 度 で 75∼ 85%、 伸 び に 関 して は 半 減 ど こ ろ か 、 な ん と 10∼ 15%に ま で 大 幅 に低
下 して しま い ます 。
この 現 象 は 、 一 般 の 球 状 黒 鉛 鋳 鉄 (以 下
処 理 され た
FCDと す る )に は 見 られ ず 、 オ ー ス テ ン パ ー
FCADに 特 有 な 現 象 と して知 られ て い ます 。
水脆化 は 、塑性 変形 で活性化 され た鋳鉄表面 にお いて 、水 の分解 に よつて生 じた水素原
子 が鋳鉄 中 に拡散 、浸透す る結果 、「水 素脆化」 に よつて 引き起 こされ ると考 え られ ます。
(渋 谷慎 一 郎・ 田中雄 一 氏他 )こ の研 究 は 、室蘭 工 業大学
長船康裕・ 田中雄 一 両 氏 に よ
って 、2002年 10月 の 日本鋳造 工 学会 にお いて発表 され てお り、塑性変形す る と著 しい 脆
化 が発 生 す る と発表 され て い ます。この論 旨か ら推測す る と、以下 の原 因 が考 え られ ます。
FCADは 他 の鋼種 に比 べ てオ ーステナイ ト粒度 が大 き く、黒鉛 も球状 に存在す るた め、
オ ー ス テナイ ト粒 子 と球 状黒鉛 粒 子 との 隙間 が他 の材質 に比 べ て大 きい と考 え られ ます。
そ のた め 、水
lmlあ た り、お よそ 4× 106個 存在す る水素イ オ ン[H+]が 入 り込み、球状 黒
鉛粒 子 中 [C]の 電子 を奪 う反応 [C+H+→ C++H]が 起 こつてい る と考 え られ ます。 そ の反
へ
応直後 、非常 に不安 定 な [C十 ]は 瞬時 に 隣 の炭素 の電子 を奪 い 、 さらに隣 の炭素 と繋 が つ
て い くた め 、連鎖反 応 が起 こ り、急激 な脆化 を引 き起 こす もの と推 測 され ます。
上 記 の ご とく推測 され る特異 な現象 は 、鋳鋼 には起 こ り得 ませ ん。 なぜ な ら、鋳鋼 には
炭素 が 存在 しな いか らです。
も とも と FCADは 鋳鋼 の特性 に近 づ けるために考案 され た鋼種 です。
FCADも 鋳造性 、切 削性 、高抗張 力 に優れ た材 質 とい えま しょ うが 、も とも と、対磨 耗
性 を重視 した材 質 を 目的 としてお りま した。
本製 品
(カ
プ ラー・ コマ )に 対磨耗性 が必要で しよ うか ?
それ よ りも、水や 湿度 の存在 な ど、使用条 件 に左右 され な い 強靭 な材 質、即 ち鋳鋼 を選
択す るべ きではな いで しょ うか。
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