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2 - 新技術説明会

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JST 新技術説明会
2014年6月6日
高温フォトニクス材料を用いた
高度太陽エネルギー利用
湯上浩雄
東北大学 大学院工学研究科
E-mail: [email protected]
本研究の基本コンセプト
高温で材料の光学特性,熱ふく射スペクトルを制御
Absorptance (Emittance)
太陽熱利用エネルギーシステムの熱効率向上を図る
1.0
SiC
0.5
Metal
0
Wavelength
必要な波長領域で
吸収(放射)を増大
TOHOKU UNIVERSITY
不必要な波長領域で
吸収(放射)を抑制
熱ふく射スペクトルを制御し
使用する波長領域にマッチング
2
何がゲームチェンジングテクノロジーか?
これまで
熱ふく射(自然放出光)
100
太陽光の粒子性や直進性を利用した
太陽エネルギー利用(非コヒーレント性)
80
1400K
-2
(例)
•太陽電池 (光電効果;光の粒子性)
•形態係数の考え方 (光の直進性)
60
40
1200K
吸収面
熱ふく射光
20
放射面
1000K
0
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
Wavelength [m]
・プランクの法則
2C1
Eb  , T   5
 expC 2 T   1
10
ナノテクノロジー技術と量子光学の発展
・ステファン・ボルツマンの法則
Eb(T)=T4
熱ふく射の波動性(干渉性)の発現
Directional spectral absorptivity ' [-]
-1
Emissive power [kW m m ]
Wein's displacement law
1.0
a/= 0.8
d/a = 1.0
0.8
=0.4m
=0.5m
=0.6m
=0.8m
0.6
0.4
0.2
0.0
Black Ni
Flat W
0
1
2
3
4
5
6
Wavelength [m]
高温フォトニクス : 太陽エネルギー利用分野における
ゲームチェンジングテクノロジー
TOHOKU UNIVERSITY
3
高温フォトニクス
自己組織化
テクノロジー・コンバージェンス
材料科学
耐熱合金
単結晶材料
電気化学
量子光学
フォトニクス
高温
フォトニクス
MEMS技術
ナノテクノロジー
熱平衡
流体力学
熱力学
エネルギーフロー
エネルギー
変換工学
波長選択係数
1.0
Solar
radiation
2
Spectral emissive power (W/m )
高吸収率
1500
1000
1500 K
0.5
800
1000 K
oC
oC
400 700
K
500
200 oC
0
0.3
低放射率
1
Wavelength ( m)
Normalized emissive power (-)
太陽光選択吸収材料
0.0
10
•太陽光とレシーバーからの熱輻射スペクトルの分布波長域の違いを利用
•レシーバーの温度が高温になるに従い急峻なカットオフ特性及び
高い耐熱性が必要
発明の名称
:波長選択性太陽光吸収材料及びその製法
特許番号
出願日
特許権者
TOHOKU UNIVERSITY
:3472838
:平成14年5月7日
:東北大学長
5
TPV用アブソーバー/エミッタ
熱光起電力発電 (Thermophotovoltaic; TPV)
熱源
(約1000oC)
アブソーバー
エミッタ
PVセル
特徴
稼動部がない→ 低騒音, メンテナンスレス
発電エネルギー密度が高い
(5-30W/cm2 cf. 太陽光 0.1W/cm2)
コジェネレーションシステムへの適用
熱放射スペクトルの制御が可能 ⇔ 一般的なPVシステムと異なる
6
微細構造による波長選択特性の付与
金属の表面に光の波長と同程度の周期的微細構造を作製することで実現
微細構造と電磁波(入射光)による相互作用を利用



金属周期的微細構造を利用するメリット
微細構造のサイズにより光学特性を制御できるため設計の自由度が高い
単一材料で作製できるため,多層膜やサーメット構造に比べて熱安定性が高い
高融点材料を用いることで高温用の選択吸収材料を作製可能
マイクロキャビティモデル
lmn 
微細構造内部に生じる定在波の
モード と波長が整合する電磁波
のみ放射(吸収)
Lx
2
2
2
Lz
2
 l   m   2n  1 
      

Ly
L 
L
L
 x  y  z 
l, m, n = 0,1,2..
z
x
y
1.6
m
1.4
Lz
Lx
1.2
1.0
Ly
0.8
z
x
0.6
0.4
0.3
0.4
0.5
0.6
0.7
0.8
0.9
Size of microstructure [m]
TOHOKU UNIVERSITY
1.0
y
Reflectivity
1.8
カットオフ波長
の制御が可能
Wavelength
7
微細構造を用いた熱放射制御 ~これまでの研究~
Tungsten 2D-microcavities*
1.0
0.5cm
1.00
Fabricated
microstructured W
W flat surface
0.6
0.90
0.4
0.2
0.0
*Sai H et al., Appl. Phys. Lett., 82 (2003), pp.1685
0.85
0.80
1
2
3
4
C = 500
0.95
 [-]
1- R (-)
0.8
5
Wavelength (m)
0.75
100
#1
#2
#3
#4
W 2D cavity
200
300
400
500
600
Temperature [degree C]
700
800
High aspect ratio Ta 2D photonic crystal**
 高い耐熱性 (>1300K)
 高い波長選択特性
2 inch
これらの構造は半導体作製技術
を応用することで作製される
大面積作製は困難である
**Rinnerbauer V et al., Journal of Vacuum Science and Technology B, 31 (2013), pp.011802-1
TOHOKU UNIVERSITY
8
本研究の目的
高温領域で安定な周期的微細構造を大面積で形成
Solar-TPV発電システム
高温用太陽光選択吸収材料
Ni基超合金の規則的な2相分離組織に着目
’相
 高温・耐久性に優れる
 二相分離組織を利用した周期的微細構造の
相
大面積作製が可能
Ni基超合金の二相分離組織概略図とSEM画像
Ni基超合金を用いた微細構造の作製と光学特性評価

エッチングによる微細構造深さの制御

時効熱処理による微細構造サイズの制御

エッチングプロセスと数値計算モデル改善後の光学特性評価
TOHOKU UNIVERSITY
発明の名称:波長選択性熱放射または熱吸収材料の製造方法
出願番号 : 2011-169452
公開番号 : 2013-32570
出願人 : 東北大学
9
超合金における自己組織化
Ni基超合金
・タービンブレードの材料として一般に用いられる
・スピノーダル分解によって規則的に相分離を引き起こす
タービンブレード
スピノーダル分解
-phase ’-phase
-phase
T= T1
(T1 > T2)
T= T2
スピノーダル分解により
生じた相分離
-相がスピノーダル分解によって規則的な-相 と ’-相へ相分離
-相 と ’-相 の組成差を利用し ’-相のみ選択エッチング
することで周期的なマイクロキャビティ構造が得られる
TOHOKU UNIVERSITY
10
作製プロセス
エッチング前
エッチング後
Process flow
1. 熱処理
2. 機械研磨
 簡便な方法
 サイズを限定しない
3. ウェットエッチング
大面積のバルク材料表面にも
周期的微細構造の作製が可能
11
作製した試料の光学特性
“マイクロキャビティ理論”で計算した共鳴波長位置
0.9
Relative reflectance (-)
マイクロキャビティ効果
定在波
0.8
0.7
lmn 
d
d =0.14 m
d =0.23 m
d =0.27 m
0.6
0.5
0.5
1
2
Wavelength (m)
4
6
2
2
Lx
2
 l   m   2n  1 
      

L 
L
L
 x  y  z 
2
Lz
Ly
l, m, n = 0,1,2..
z
x
*Relative reflectance
8
=
微細構造作製試料の反射率
鏡面試料の反射率
- ピークシフトの傾向は理論計算で得られたものと同様の傾向を示す
- 深さ(アスペクト比)が大きくなるにつれて波長選択吸収特性が向上する
波長選択吸収特性は作製したマイクロキャビティに起因
700℃における耐熱性を確認
超合金の母材、組成を最適化することにより耐熱性の向上が期待できる
12
y
非周期的微細構造による熱放射制御
Before etching
After etching
熱処理時間を短時間にすることで
相の成長および配列が抑制され、
非周期的な微細構造が形成される
微細構造の
平均サイズは
約0.3 m
TOHOKU UNIVERSITY
13
非周期的微細構造の放射特性
周期的組織
1.0
Non-periodic
1-R (-)
0.8
Periodic
Before etching
0.6
非周期的組織
0.4
0.2
0.0
1
2
3
4
5
6
7
8
Wavelength (m)
非周期的微細構造では短波長域において放射(吸収)率が向上
サイズの揃った非周期的構造がサブ波長格子として機能
TOHOKU UNIVERSITY
14
太陽光選択吸収材料としての性能評価
太陽光選択吸収材料の性能指標
1.0
0.9
Target
FOM (-)
Non-periodic structure
s: 太陽吸収率
ht: 半球全放射率
0.8
C: 集光度
Es: 太陽光の単色放射能
Eb: 黒体の単色放射能
0.7
0.6
Periodic arrayed structure
C= 500
0.5
200
400
600
Temperature (oC)
800
1000
Mo-SiO2
W/W-Al2O3/Al2O3
W/W-Al2O3/Al2O3
Al2O3 based cermet
Mo-Al2O3
W-Al2O3
非周期構造にしたことで短波長域の吸収率が向上し
波長選択吸収特性の向上と共にFOMが大きく向上
TOHOKU UNIVERSITY
15
Normalized emissive power (-)
赤外線ランプを用いた昇温試験
1.0
AM1.5
0.8
Infrared lamp
0.6
0.4
0.2
0.0
0.5
1.0
1.5
2.0
2.5
3.0
3.5
4.0
7
8
Wavelength (m)
1.0
0.8
0.6
1-R (-)
 昇温試験において使用した試料
- 非周期的微細構造試料
- 研磨後の鏡面試料
- 鏡面への黒体ペイント塗布試料
After etching
Before etching
Black paint
0.4
0.2
0.0
1
2
3
4
5
6
Wavelength (m)
TOHOKU UNIVERSITY
16
昇温試験結果
600



(300oC)
00oC)
o
Temperature [ C]
500
400
300
200
C =320
0
200
400
600
Time [s]
0.69
0.25
0.30
0.57
0.45
Polished
0.25
0.086
0.10
0.21
0.17
Black
painted
0.94
0.82
0.83
0.54
0.26
100
Black painted
Etching
Before etching
0
800
FOM
C=320
(500oC)
Etched
C =160
100
FOM
C=160
(300oC)
1000
FOM   s 
 t (T )   Eb ( , T )d
0.3
100
C
0.3
EIRL ( )d
赤外線ランプの放射エネルギー
• 微細構造試料において C=160 and 320 どちらの条件に
おいても最高到達温度を達成
• 到達温度は計算によって得られたFOMと相関関係を持つ
微細構造の作製による熱放射スペクトル制御の効果を
実験的に確認することができた
TOHOKU UNIVERSITY
17
結言
高温領域で安定な周期的微細構造を大面積で形成
Solar-TPV発電システム
高温用太陽光選択吸収材料
 微細構造の大面積作製技術
• 耐熱超合金のスピノーダル分解による相分離現象を利用した
周期的微細構造の大面積作製技術を確立
• 波長選択吸収特性が作製したマイクロキャビティに起因する
ことを確認
• 還元雰囲気700℃における耐熱性を確認
→さらに高い耐熱性を得るためには材料の最適化が必要
 非周期的微細構造による太陽光選択吸収特性の向上
• 熱処理条件の制御により平均サイズ300mmの非周期的
微細構造を作製
• 非周期性により深さ方向へもエッチングが進行することで
短波長域において高い吸収特性を示す
• 昇温試験においても太陽光選択吸収材料として高い性能を
有していることが示唆された
TOHOKU UNIVERSITY
18
太陽エネルギーの高度利用 ~Solar-TPV発電システム~
1000 ~ 2500 K
5800 K
集光太陽光
太陽
アブソーバー
300 K
電球
熱輻射
エミッタ
PVセル
・可動部が無い → 低騒音、メンテナンスフリー
・スケールメリットが無い → 小型、可搬型発電システム
・熱輻射スペクトルが制御できる ⇔ 太陽光発電
全固体型太陽熱発電システム
TOHOKU UNIVERSITY
19
1.0
PVセルの感度波長域
(特定の波長域に限定される)
1.0
GaSb
0.8
0.8
0.6
0.6
0.4
0.4
0.2
0.2
0.0
0.0
@1500K
0.8
0.6
多接合セルを用いたPVシステム
感度波長域を太陽スペクトルに整合させる
Solar-TPVシステム
エミッタからの熱放射スペクトルを
PVセルの感度波長域に整合させる
波長選択エミッタ
Blackbody
0.4
Emissivity [-]
Normalized emissive power [-] Internal quantum efficiency [-]
波長選択エミッタ
High @ 感度波長域
放射率
LOSS
Low @ 長波長域
0.2
Selective Emitter
0.0
1
2
3
Wavelength [m]
TOHOKU UNIVERSITY
4
5
高い光電変換効率が
単接合セルで得られる
20
熱ふく射スペクトル制御による光電変換効率の向上
PVセル: 限られた波長帯で発電
発電効率の低下
マッチしていない
Heat loss
electron
h < Eg
Incident light
Ec
Eg
h > Eg
Eg
Ev
hole
0.8
従来の波長
選択エミッタ
GaSb
本研究
150
0.6
黒体放射
@1800K
0.4
100
50
0.2
0.0
0.5
200
1.0
1.5
2.0
2.5
3.0
3.5
0
4.0
2
250
1.0
Spectral emissive power (kW/m )
熱損失
透過損失
External quantum efficiency (-)
エミッタからの熱ふく射スペクトル特性
Wavelength (m)
熱ふく射スペクトルの準単色的制御によって単接合セルでも高い効率が達成可能
TOHOKU UNIVERSITY
21
スペクトル制御した場合の詳細平衡モデルによる理論効率
GaSbセルにおける光電変換効率
異なるQ値を仮定して
効率を算出
×
0.5
0.0
Wavelength
300
200
100
0
Wavelength
Planckの法則により各温度
の放射スペクトルを計算
放射エネルギースペクトル
50
45
40
35
30
25
20
15
400
1500K
1600K
1800K
2000K
AM1.5
0
5
300
10
15
20
25
30
Q (-)
200
Q値の向上
Emissive Power
Emissive Spectrul(kW/m2 m)
ローレンツ関数により
ピークを規定
400
変換効率50%
100
0
Wavelength
Wavelength
Emissive Power
Emissivity
1.0
光電変換効率  (%)
黒体放射スペクトル
Emissive Power (kW/m2 m)
放射率スペクトル
55
Wavelength
Q値の向上により光電変換効率が向上
Q値=15程度で1800K以上の時50%以上の高い変換効率が達成可能
TOHOKU UNIVERSITY
22
発電実験 I-V特性と光電変換効率
I-V特性
0.35
24
1030K (FF:39.7%)
1239K (FF:55.7%
1329K (FF:57.4%)
1378K (FF:57.6%)
0.30
22
20
Efficiency (%)
0.25
Current (A)
GaSb PVセル 光電変換効率
0.20
0.15
0.10
最大電力
セルへの入射エネルギー
18
16
14
12
10
8
0.05
=
1113K (:7.2%)
1398K (:18.3%)
1427K (:22.0%)
1456K (:23.0%)
6
0.00
0.00
0.05
0.10
0.15
0.20
0.25
0.30
0.35
0.40
Voltage (V)
エミッタの温度が上昇し、入射光強
度の増加によりFFが上昇する
TOHOKU UNIVERSITY
0.45
1100 1150 1200 1250 1300 1350 1400 1450 1500 1550
Temperature (K)
波長選択エミッタとGaSb PVセル間
における光電変換効率:28.8%
1sunの太陽光に対する
光電変換効率:5.58%
23
従来技術とその問題点
フォトニクス材料をエネルギー利用技術へ展開する際の課題
として,高温領域において安定な周期的な表面ナノ構造を大
面積に形成できなかった。
新技術の特徴・従来技術との比較
本技術を用いることにより,これまで実現できていなかった高
温域での熱ふく射の選択吸収材料や選択放射材料を、大面
積に作成することができることから、エネルギー利用分野にお
いて広く利用可能と考えられる。
期待される用途
全固体型の太陽熱利用技術への展開が期待できる。
・わが国発の特徴を有する技術
・サンベルト地帯で水の確保が困難なことに対する
解決策を提示
・従来型の多段接合太陽電池以外の超高効率
太陽光発電システムを実現する可能性
高温プラントにおける排熱回収(熱発電)
電子デバイスからの排熱促進
マッチングが想定される業界
想定されるユーザー
環境ビジネスを目指すプラントメーカー等
製鉄やガラス製造などの企業
自動車メーカー
宇宙利用技術開発のメーカー
想定される市場規模
太陽熱発電システムは,今
後急速に発電容量が増加
すると予想
IEA, “Technology Roadmap Concentrating Solar power”
(2010)
本技術及び関連技術に関する知的財産権








発明の名称
特許番号
出願日
特許権者
:波長選択性太陽光吸収材料及びその製法
:3472838
:平成14年5月7日
:東北大学長
発明の名称:波長選択性熱放射または熱吸収材料の製造方法
出願番号
:2011-169452
公開番号
:2013-32570
出願人
:国立大学法人東北大学
本技術に関する問い合わせ先
東北大学 産学連携推進本部 事業推進部 岩渕 齋藤
TEL
FAX
022-217-6043
022-217-6047
E-mail
liaison@rpip.tohoku.ac.jp
東北大学大学院工学研究科
機械システムデザイン工学専攻
TEL
FAX
教授
湯上浩雄
022-795-6924
022-795-6924
h_yugami@ energy. mech.tohoku.ac.jp
HPアドレス http://www.energy.mech.tohoku.ac.jp/
E-mail
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