医療連携だより第16号(PDF)

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臨床試験科のご案内
部長 三浦 大
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●診療科の特色
日本では欧米に比べ臨床試験が遅れており、特に小児領域で
は遅れが著しいといわれています。当院は小児のリーディングホ
スピタルとして、質の高い臨床研究や治験に取り組んできました。
臨床試験科は、このような活動を支援し、昨年度に発足した
臨床研究支援センターでは中心的役割を果たしています。
主なスタッフは、医師、薬剤師、CRC(臨床研究コーディネー
ター)、DM(データマネージャー)
、生物統計家、システムエン
ジニア、事務員です。
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●主な業務内容
1.治験
厚生労働省が指定する治験拠点医療機関として、依頼者(企業)との相談、各部門との連携、患者・家族の案内、
データ管理などを行い、現在 12 件の治験を推進しています。オリジナルキャラクター(ちっちとけんけん)を
活かした啓発活動も行っています。
2.臨床研究
リサーチカンファレンス、研究設計、統計相談などを支援しています。CRC と DM が協力している質の高
い研究は 22 件に達し、このうち 14 件は当院が中心の多施設共同臨床研究です。
3.ネットワーク(NW)
小児治験 NW への参加、都立・公社病院小児科 NW の構築、さらに東京小児臨床研究 NW の拡大などを通し、
臨床試験の多施設化を進めています。
4.その他
講習会や勉強会の開催、各種委員会の運営支援、業績の掲示などにより活性化に努めています。
●医療機関の先生方へ
当院で実施している治験の対象患者さんのご紹介、臨床研究へのご参加などにご協力いただきますよう、よ
ろしくお願い申し上げます。
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副院長 ごあいさつ
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副院長 澁谷 和彦
本年 4 月 1 日から副院長を務めさせていただいております。皆様どうか宜
しくお願い申し上げます。
私は研修医の頃から小児の救急対応や重症管理に興味を持ち、小児循環
器を専門として長年にわたり大学の附属病院にて勤務をしておりました。当
時、重症児管理をするための確立された PICU(小児集中治療室)は国内
にありませんでしたが、1992 年からトロントにある小児病院の PICU 及び
Cardiology において 3 年半の臨床研修を受ける機会をいただきました。帰
国後は大学病院の PICU 開設に携わると同時に、Cardiology で学んだ胎児
心エコー検査による出生前診断を始めました。2007 年に都立八王子小児病
医療連携室より講演会のお知らせ ※詳細は、ホームページにてご案内致します。
【東京都小児がん拠点病院事業】
院へ赴任してからは、当院の開設準備に参加して 2010 年の開設に立ち会うことが出来ました。
東京都が 3 つの小児病院と府中病院小児科を統合して大規模な小児総合医療センターを新設したことによ
2014 年 11 月 24 日(月)東京都小児がん診療連携協議会 第2回市民公開講座「こどものがんを考える」
於:都庁二庁ホール
【小児等在宅医療連携拠点事業】原則、毎月第 2 木曜日 18 時より開催 於:都立小児総合医療センター
2014 年 11 月 13 日(木)18:00 − 19:30 ポジショニングの基礎と実際について
2014 年 12 月 11 日(木)18:00 − 20:00 子どもを真ん中に暮らし続ける街を作ろう ―赤ちゃんとの関わり方と家族ケアー
2015 年 1 月 15 日(木)18:00 − 19:30 相談支援専門員の重症児に対する仕事内容について
当院は救急(ER)の場合を除き、原則紹介予約制です。
紹介状をお渡しいただき、患者さん又は紹介元医療機関から予約センターへご連絡ください。
予約センター 042-312-8200(直通)
平日 9:00 ~ 17:00 土曜日 9:00 ~ 12:30
り、都民だけでなく多くの方々から大きな期待が寄せられていると感じております。現在の小児医療は、胎児
期から成人期に達するまでの長期にわたり患者を診ていく必要性が問われています。開設時より当院に隣接す
る多摩総合医療センターをはじめとして、同じ多摩メディカルキャンパス内の神経病院および府中療育センター
からも多大なるご協力を頂き、胎児から成人への全人的な医療を展開することが可能となっております。
多摩の美しい自然の中にある「森のホスピタル」というコンセプトを持つ当院において、1 人でも多くの子供
たちが明るい笑顔を取り戻せるように、スタッフ一同力を合わせて頑張って行きたいと思っております。
今後とも皆様方からのご支援を頂けますようお願い申し上げます。
救急・休日・夜間・専門診療科に関するご相談は、代表電話におかけください。
病院代表
042-300-5111 24 時間 365 日
医療連携に関するご相談、お問い合わせは、医療連携室までお願いします。
医療連携室
042-312-8116(直通)
平日 9:00 ~ 17:00
FAX 042-312-8146
「 診 療 情 報 提 供 書 」 用 紙、
医 療 機 関向け「診 療 のご案
内」のご請求は、医療連携
室までお願いします。
第1回医療連携講演会 2014 年 7 月 30 日(水)当院講堂フォレストにて開催
地域の医療機関の先生方を対象に、
「川崎病の急性期診療」
「先天性心疾
患を発見する手がかり」
「頭部外傷の診断・治療」をテーマに開催いたしまし
た。86 名のご参加をいただきました。ありがとうございました。
第 2 回は 10 月 22 日(水)に開催、第 3 回は血液・腫瘍科、外科より、2015
〒 183-8561 東京都府中市武蔵台 2-8-29
西国分寺駅・府中駅・国分寺駅などからバス
ホームページ http://www.byouin.metro.tokyo.jp/shouni/ 電話 042-300-5111(代表)
印刷登録番号 7号
東京都立小児総合医療センター
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年 2 月 4 日(水)19 時 30 分より開催予定です。詳細はご案内及びホームペー
ジにてお知らせします。ご参加をお待ちしております。
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外科のご案内
医長 小森 広嗣
日頃より患者さんのご紹介をいただき、ありがとうございます。
皆様との連携がより深められるよう、ご案内させていただきます。
●診療科の特色
1.高度専門医療
(1)気管狭窄症の手術:救命救急科・集中治療科が搬送、周術
期の集中管理を行い、外科、心臓血管外科、呼吸器科が
連携して手術をしています。全国一の成績で、外国からの症
例も経験しています。
(2)難治性の排泄障害の治療:鎖肛、ヒルシュスプルング病、二分脊椎などの排便障害に対する治療に力を
入れています。WOC 外来(創傷・オストミー・失禁を中心にケアする専門外来)を開設して、二分脊椎、
総排泄腔異常を中心とした排泄治療に対してのチーム医療を推進しています。
(3)悪性腫瘍:小児がんは手術、化学療法、放射線療法の集学的治療が有効です。当院は多摩地区唯一の
「小児がん拠点病院」として、都内有数の実績があります。外科、血液・腫瘍科、検査科、診療放射線
科を中心としたチームで定期的なカンファレンスを行い、それぞれのお子さんに一番適した治療法を考
えて治療にあたっています。
形成外科のご案内
医長 玉田 一敬
形成外科では口唇口蓋裂、頭蓋縫合早期癒合症や顎変形症などの頭蓋顎顔面骨の疾患、耳や眼瞼などの顔
面の形態異常、手足の先天異常、良性腫瘍や瘢痕・潰瘍といった皮膚病変まで幅広い疾患を取り扱い、主に
手術によって治療を行っています。診療の対象は一見とりとめのないようですが、
「先天的・後天的に失われた
組織を形態的・機能的に再建し、心理社会的にも医学的にもよりよい生活が送れるように援助する」という、一
貫した診療理念のもと治療を行っています。
当院の診療体制の特徴の一つとしてチーム医療が挙げられますが、形成外科では特に以下の分野で積極的
にチーム医療に取り組んでいます。
・口唇口蓋裂チームは、形成外科以外に歯科・耳鼻科・リハビリテーション科(言語療法士を含む)などの関連
部門からなり、月 1 回のカンファレンスで医学的・社会的に治療が困難な患者さんの診療方針を決定しています。
・頭蓋骨早期癒合症に関しては、脳神経外科との共同診療体制により、脳の成長発育と、頭蓋骨の形態的改善
の両者をバランスよく改善し、成人に至るまで診療が必要な患者さんに長期的な視野で診療にあたっています。
・手足の先天異常に対しては、整容面からも機能面からもアプローチする必要があるため、整形外科と共同で
手術にあたるなどして、質の高い医療を心がけています。
今後もより良い治療のために関連各科と力を合わせて邁進いたしますので、よろしくお願いいたします。
<形成外科手術実績>
項 目
2.日帰り手術の推進
顔面骨骨折
鼠径ヘルニアなど短時間の手術では、日帰り手術を推進しています(1 泊入院も可能)
。手術後は、保護者
と共に手術回復室で3時間ほど過ごして帰宅となります。年間 400 例程の症例数です。家族分離を避けてお子
さんのストレスを軽減するとともに、保護者の拘束時間が短縮され、医療費を削減できるメリットがあります。
唇裂・口蓋裂
身体に対する負担が少なく、キズの小さな胸腔鏡、腹腔鏡手術を積極的に取り入れています。
胃食道逆防止術、虫垂切除、脾臓摘出、横隔膜弛緩症、ヒルシュスプルング病、肥厚性幽門狭窄症、鼠径ヘ
ルニア等、年間 100 例以上を施行しています。
●医療機関の先生方へ
●診療実績(2013 年度)
外科総手術件数 1,045 件
以下抜粋
鼠径ヘルニア手術
腹腔鏡下虫垂切除術
気管狭窄
鎖肛
日帰り手術
腹腔鏡・胸腔鏡手術
新生児手術
2
・緊急手術や腸閉塞など外科的管理が必要な場合は、連携担当医(夜
間は当直医)にお電話いただければ、早急に対応いたします。
393 件
57 件
6件
12 件
352 件
113 件
39 件
2012 年
2013 年
11
18
97
102
52
78
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アレルギー科のご案内
5.内視鏡下手術の推進
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東京都三次救急基幹施設「こども救命センター」として、他の医療機関で救命治療が困難な外科系、内科系
患者を受け入れています。救命救急科、集中治療科が協働し、ドクターカー、ドクターヘリを運用した搬送と
PICU(小児集中治療室)管理を行い、外科チームも連携して救命治療にあたります。最近では、九州の気管
狭窄症例を飛行機とヘリで、搬送、手術いたしました。
外科系各科とのチームワークが良いことが特徴です。漏斗胸、臍ヘルニアでは形成外科、喉頭、声門下狭
窄では耳鼻いんこう科、気管狭窄では心臓血管外科、二分脊椎症では泌尿器科、脳神経外科、整形外科、総
排泄腔・膣異常では内分泌・代謝科、児童・思春期精神科、泌尿器科などと、外科系専門各科と連携してチー
ム医療を推進します。NICU 24 床、GCU 48 床を有する総合周産期母子医療センターとして、隣接する多摩
総合医療センター産科と当院の新生児科が協力し、新生児手術にも力を入れています。
2011 年
頭蓋・顎・顔面の先天異常
3.救急医療
4.専門診療のチーム医療
(件)
四肢の先天異常
29
44
45
その他の先天異常
13
10
8
腫 瘍
66
99
107
瘢 痕
10
19
15
(日帰り全麻)
39
51
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部長 赤澤 晃
アレルギー疾患は、小児科外来でも頻度の高い疾患です。
最近は、喘息の治療ガイドラインが普及したことで、吸
入ステロイド薬による早期介入が奏効し、ほとんどの患者
さんがクリニックでコントロールできる時代に入りました。
アトピー性皮膚炎も適切に治療をすればコントロールで
アレルギー教室
アレルギー患者指導
きるのですが、まだ時間がかかりそうです。誤った情報で
治療の機会を逃している患者さんもたくさんいます。
食物アレルギーは、2012 年の調布市での死亡事故以来、正しい診断に基づいた必要最小限の除去に向けて
学校、保育所等での対応の改善、食物負荷試験での適切な診断を進めています。当院のアレルギー科外来も、
食物アレルギーの患者さんが 9 割以上を占めるようになり、食物負荷試験に追われています。これも、クリニッ
クの先生方が安全に食事指導を進めるために不可欠と考え、できるだけ速やかに対応できるように調整してい
ます。
・外科疾患での各種ご相談は連携担当医、小森が担当します。
病気や手術についての質問、いろいろな意見を聞いてみたい等、
お気軽にご相談ください。
・電話又は遠慮なく相談できる窓口として、電子メールもご利用い
ただければ幸いです。
電子メールアドレス:[email protected]
当科での連携は、重症喘息、アドヒアランスが悪いために重症化している喘息・アトピー性皮膚炎、ステロイド
忌避のためにQOLを損ねているアトピー性皮膚炎、食物制限の多い方、食物除去解除がなかなか進まない重症
食物アレルギー、アナフィラキシーを起こしやすい食物アレルギー患者さん等を重点的に対応させていただきます。
アドヒアランスの良くならない患者さんには、アレルギー指導の専門資格をもったコメディカルである、小児
アレルギーエデュケーター(看護師)が対応しています。
コメディカルのみなさんの、患者教育指導の見学も可能ですのでご連絡ください。
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