訪問看護ステーション広報誌「ほほえみ2014年度版」

済生会とつながる
かかりつけ医とつながる
済生会三田訪問看護ステーションは、今年、開設17周年を迎え
開設17周年を迎えられ、多くの患者様と一緒に、多くの困難な状
ました。
況を乗り越え、訪問看護の歴史を重ねられていることに敬意を表し
開設当時は、高齢化率が14%を超える本格的な高齢社会の到来
ます。
を迎えた時で、要介護高齢者の増加に対応した福祉と医療サービ
私は、大学病院、がん研有明病院でがん患者様の診療を中心に
スを総合的・一体的に提供する体制づくりが進められ、訪問看護ス
行っておりましたが、ひょんなきっかけから平成25年8月に田町駅前
テーションは、病院と自宅、医療と介護を繋ぐ中核的な施設として
でクリニックを開院することになりました。勤務医時代は多くのがん
発足しました。
患者様を診させていただき、在宅診療の必要性を感じたことから開
そして、この17年間、港区の地域中核病院である済生会中央病院
院と同時に在宅診療を開始しました。
と緊密に連携協力し、専門的な知識と豊富な経験をもとに、24時間
そんな中初めてご依頼いただいた患者様が、ひどい尿路感染、
訪問看護や看取り、専門的なリハビリ等きめ細やかなサービスを提
神経因性膀胱があり本来なら留置カテーテル(尿管)が必要でした
供し、介護に奮闘されているご家族を支え、様々な悩みや相談にも
が、どうしても尿管の留置をご承諾いただけず間欠的導尿を開始し
応え、地域の皆さんから信頼を頂いてまいりました。またこの間、地
ました。私一人で、導尿を毎日することは当然不可能で、導尿に対
域のかかりつけ医等の医療機関との連携にも努め、訪問看護の指
応していただける訪問看護ステーションがなく途方に暮れていまし
示書発行数をみても、発足当初は、済生会中央病院がその大方を
た。そこに、済生会三田訪問看護ステ-ションに手をあげていただ
占めていましたが、今では、港区の診療所や医院が、その過半を占
き助けていただきました。おかげさまで頻回の導尿の成果もあり、
めるようになっています。
尿路感染のコントロール、排尿状態の改善もみられ現在ではほぼ自
ところで、この三田訪問看護ステーションを医療面から支えている
排尿可能な状態まで改善。ご本人も尿に何かあっても、すぐに対応
済生会中央病院は来年創立100周年の記念すべき年を迎えます。こ
してもらえると大変感謝されております。
の100周年を機に、病棟の建て替え計画を着々と進めており、一層の医
在宅診療においては、疾患の治癒も大切ですが、症状の緩和、
療の充実を果たしてまいります。そして、三田訪問看護ステーション
現状の維持、改善が重要になります。このケースは訪問看護師さん
と済生会中央病院、そして地域の医療機関との連携を一層強め、今
の協力により患者様のニーズに応えることができ、さらに頻回の導
まで以上に地域に密着した安心で信頼できる訪問看護サービスの
尿による腹痛の緩和、そして膀胱の機能改善に至った症例であると
提供に努め、地域の皆様の期待に応えていきたいと思います。
思います。
東京都済生会の使命は、困難な状況におかれている人たちを支
在宅診療は医療だけではその役割は不十分で、介護がより重要
えるために、高度な医療技術と経験、そして思いやりの心で地域
なことが多く、ご家族との協調も必要で、その中で医療と介護両方
に貢献していくことに尽きますが、その最先端を担う三田訪問看護
を行いながら両者の橋渡しができるのは訪問看護師さんだと痛感し
ステーションは、高齢化率が25%を超え、男性の平均寿命も80歳を
ております。
超える「超高齢社会」となった今、 済生会の原点を忘れず、医療と
港区において、17年の経験を持つ済生会三田訪問看護ステ-ショ
介護をつなぐ要の施設として、圷所長を中心に、看護師はじめ理学
ンのさらなる地域医療への貢献と益々の発展に期待しております。
療法士など全職員が心を一つにして、皆様のお役に立てるよう日々
これからも何卒よろしくお願いいたします。
努めてまいりますので、ご理解とご協力を心よりお願いいたします。
2
3
きつかわクリニック
院長
ニーズに応える済生会三田
訪問看護ステーションに感謝!
吉川 慎一
済生会支部東京都済生会
支部長
南 靖武
超高齢社会を迎え、
済生会の使命を忘れずに
訪問看護とつながる
訪 問 看 護 サービスとは
ほほえみがつながる訪問看護を目指して
■ご相談・お申し込みから訪問まで
済生会三田訪問看護ステーション 所長
ご挨拶
居宅介護支援
事業所
あくつ
圷 むつみ
ご利用者様
へおもむき、退院後の生活について共に相談し、ご本人、
このたび、済生会三田訪問看護ステーションの管理者と
ご家族の思いに寄り添いながら準備をさせていただきます。
なりました、圷 むつみです。日ごろからご利用者様、ご
在宅では、ご病状を診てアセスメントし、必要に応じたケ
家族、地域の皆様には大変お世話になっております。
アの提供、提案をいたします。介護をされるご家族の相談、
昨年度は管理者の入れ替わりがあり、皆様にはご心配
助言もいたします。皆様に安心して生活していただくために
をおかけいたしましたが、現在新体制で業務を行っており
24 時間緊急体制もとっています。ご利用者様のご病状によ
ます。今後も微力ながら、当ステーションを盛り立て、地
り、病院内の皮膚・排泄ケア認定看護
域の皆様によりよい看護サービスを提供できるよう一生懸
師、管理栄養士とも相談してケア内容
命努めさせていただきます。
にいかしています。また、地域の薬局、
済生会訪問看護ステーションとは
薬剤師との連携を通し、在宅療養で
済生会は、日本ではじめて医療に恵まれない人たち
大切な服薬管理調整をしています。こ
に対して先駆的に訪問看護事業を行った歴史をもってい
のように、専門職間での役割を地域で
ます。その伝統は、平成 9 年に開設した三田訪問看護
十分に発揮できるよう、
「地域包括ケアシステム」の一員と
ステーションの歴代の諸先輩方によって、現在まで引き
して、訪問看護から積極的に働きかけを行い、ご利用者様
継がれています。済生会中央病院は、
に質の高いケアを提供し、安心して住み慣れた地域で生活
100 周年を迎えた歴史的な病院であ
できるように最大限の活動をしております。
り、
『地域に開かれた病院づくり』が
また、済生会中央病院では、
「オープンベッド」とい
東京都済生会
なされ、新棟建設にむけ組織力向上、
う制度があり、地域で在宅療養をされている方の主治医
中央病院
診療強化などビジョンをもってさらに
の先生の依頼に応じて、一時的に入院し、介護者様の
発展している地域中核病院です。
休息ができるよう、支援しております。その際も入院さ
スタッフは
れた病棟と連携し、在宅でのご様子を伝え、ケアの継
看護師 6 名、理学療法士 2 名、ケアマネジャー 1 名、
続をお願いしております。
事務員 1 名の体制です。皆経験豊かで、訪問看護・訪問
さらに、予防的な視点も重視し、早期に訪問看護、
リハビリが大好きなスタッフです。ご利用者様一人ひとり
訪問リハビリの導入をしていただき、個々のご利用者様
のことを大切に考えてケアをしています。
の持っている力、生きる力を引き出して病気に耐えうる
当ステーションのある港区は、高層マンションのほか、
体調づくり、心のケアをしております。
東京タワー・大使館などの歴史的な建造物が多い地域で
どのような方が対象
す。坂道も多い街並みの中、四季折々の変化を体感しな
疾病や障害を持ち、在宅療
がら、電動自転車に乗ってご家庭を訪問しています。
養をされている方。また、療養
訪問看護はどのようなことをするのか
生活を支えているご家族の方の
当ステーションにご依頼いただいた入院中の方の場合は、
サポートもさせていただいてお
院内の退院調整看護師、ケアマネジャーのもと、直接病院
ります。
あくつ
4
訪問看護指示書に基づいた
看護を行います。
診察・往診
訪問看護
ご相談
クリニック
かかりつけ医
病院
地域包括
支援センター
ご相談・お申し込み
訪問看護を受けるには、
医師の指示書が必要となります。
訪問看護指示書
訪問看護報告書
看護の内容やご利用者様の症状等
について報告します。
済生会三田
訪問看護
ステーション
笑顔 誠実 質の高い看護
5
看護師
理学療法士
認定看護師
退院調整看護師
NST専門療法士
東京都済生会中央病院とつながる
訪問看護ステーションとの連携
訪問看護ステーションとの連携について
安原 祐子
清藤 貴子
看護部 皮膚・排泄ケア認定看護師 看護師長 栄養管理科 管理栄養士 NST専門療法士 係長 超高齢社会となり、病院完結型の医療から地
は自宅での生活に不安を抱えて退院されること
病院ではNSTというチームが活動しています。NST
様は勿論ですが、退院後、在宅で生活される方の
域完結型へと移行しています。その中で、訪問
があります。そのため、患者様の入院中から訪
とは栄養サポートチーム
(Nutrition Support Team)
栄養面でも繋がっていく必要があるのではないかと
看護ステーションはご利用者様、地域、施設と
問看護ステーションと情報交 換をしたり、退院
の頭文字をとったもので、患者様の治療を栄養面か
思い、訪問看護ステーションと連携をさせていただ
の連携の中核となり、ますますニーズが高まって
後は自宅での様子や困っていることなどのお話
ら支えるチームのことです。医師、看護師、薬剤師、
いています。糖尿病を有する患者様の食事内容の確
います。
から解決策や対応について一緒に考えています。
管理栄養士といった多職種のメンバーで活動してい
認に関すること、嚥下障害がある患者様に必要と思
私は皮膚・排泄ケア認定看護師として、創傷
訪問看護ステーションとの連携を強化し、ご利
ます。
われる栄養量に関する相談、経腸栄養を行っている
ケア、ストーマケア、失禁ケアを専門としており、
用者様とご家族が、住み慣れた自宅、地域でそ
私はこのチーム内で専従の管理栄養士として様々
患者様の下痢に関すること等、相談対応しています。
今 年度からは褥 瘡管理者として活動しておりま
の人らしく生活できることを目指していきたいと
な疾患を持った患者様と接してきました。栄養状態
皆様が安心して御自宅での生活を続けていくお手伝
す。退院してからもキズの処置が必要な方、ストー
考えております。
が悪いと
「病気にかかりやすい」
「傷病回復が遅れる」
いをさせていただけたらと思います。よろしくお願い
といった様々な弊害が起こり得ます。入院中の患者
いたします。
マ(人工肛門や人工膀胱)ケアが必要な方など
病院と地域をつなぐ地域連携看護師の役割
地域連携室看護師 係長 訪問看護ステーションとの連携について
高瀬 真由美
看護部 退院調整室 係長 青木 紀枝
当院では地域医療支援病院の役割の一つとし
する入院コーディネーターとしての役割を担っていま
退院調整室は、ご退院される患者様・ご家族が安
から24時間サポートいただけることで、たくさんの患
て、登録医が、日頃より診療している患者様の疾患
す。これからは、要介護状態となっても住み慣れた
心して自宅に戻れるように、介護保険の利用について
者様が安心して療養生活を続けられていると思います。
の急性増悪や検査入院、レスパイト目的での入院
地域で自分らしく生活ができるよう支援していく必
のご案内や、ケアマネジャーと連携しながら医療・介
訪問看護師の活躍が在宅療養を支えている現状を
が必要になった場合、総合診療科の医師と共同診
要性がいっそう高まってきます。開放病床の運用を
護サービスの紹介や調整を行っています。
踏まえ、退院前に訪問看護の導入を勧めるとともに、
療を行う開放病床の運用をしています。現在、地
通して、地域で過ごしている患者様や介護をしてい
その中で、訪問看護のニーズが年々増えているよう
訪問看護ステーションの益々の活躍を期待しています。
域連携看護師として、その窓口となり登録医から入
るご家族の方の支援をしていくためには、訪問看
に感じます。病状が不安定な方や、在宅での終末期
さらに、患者様のスムーズな入退院を可能にするた
院の依頼を受けた時点で、患者背景や生活状況な
護ステーションスタッフの方々との連携は欠かせませ
医療を支えるためには訪問看護の力が不可欠と考え
めに、情報を共有できるよう、より密に連携を図りた
どご家族の方や訪問看護ステーションの方々から情
ん。今後は、よりいっそう情報の共有を行い、地
ています。
いと思います。訪問看護ステーションと協力し、済生
報をいただき、できる限り自宅で過ごしているよう
域と病院をつなぐ橋渡し的役割を担っていきたいと
また、チューブ類や医療機器を利用し退院される
会中央病院のみでなく、地域医療や看護の質の向上
な療養環境の中で、入院生活が送れるように調整
思っています。今後ともどうぞよろしくお願いします。
場合等、医療処置が多い方でも訪問看護ステーション
につながるよう活動できれば喜ばしいと思います。
6
7
ご利用者様とつながる
俳句集
ご利用者様・ご家族とつながる
昨年夏より当ステーションをご利用いただいております古山やい様(101 歳)のご次男茂夫様に、ご家 族
としてのお話を伺いました。
ひちりき
趣味:俳句、篳 篥
俳句誌「歴路」会員
港区在住 長塚 洋子
丹念に 普通を生きて すみれ草
長く病んでいると心が妙に安定してきた。
世の中の普通はいざ知らず、
私は病者にできる程度の普通の日々を送ろう。
早春、背に逆らいながら花をつけるすみれ草に
なぞらえるのもおこがましいが、
隅っこだろうとひとつぽっちだろうと
けっこう堂々と咲いている。
人様のさりげない心使いや
ひとつの言葉が心の襞にはまった時
頑なゝ心がいきなりゆるむ
きっと心の奥底では辛くて誰かに
ゆるめてもらいたかったんだろう。
冬うらら 人を潤ほす 人の言
古山 やい
古山 茂夫
ご利用者様 ご次男 インタビュアー : 宮坂 京子
Q.お母様の介護をされてどのくらいになりますか?
A.6 ~7年です。
94歳くらいまで自分で何とか外出もしていましたが、
徐々に介護を必要とするようになりました。
Q. 訪問看護を利用されるきっかけは何でしたか?
A.4 ~ 5年前から生活に支障をきたし、歩行ができなくなりました。
ベッドから転落し入院をした際に、ケアマネジャーさんと相談をし
て在宅診療と訪問リハビリの利用を始めました。その後褥瘡が悪
化しケアの方法に困っていたところ、ケアマネジャーから訪問看護
の利用を勧められました。
Q. 訪問看護を実際に利用されていかがですか?
A.第一に、家族だけではわからない体調をよくみてもらえるので、とて
も安心です。褥瘡の処置やオムツ交換など初めてでわからないこと
ばかりでしたが、看護師さんと一緒にケアをし色々教えてもらうこと
で、少しずつ自分もできるようになりました。医師やデイサービスの
方に伝えるべきことなども助言してもらえるので助かります。
Q.介護への思いをお聞かせください。
A.家にいると誰とも話さない生活なので、自分もできるだけたくさん話
しかけたり、デイサービスや訪問看護を利用することでいろいろな
刺激があればよいと考えています。母の介護がなければ縁のないこ
とばかりでしたが、一つのよい経験です。自分も持病がありますが、
母は大きな病気がなく留守にできる時間もあるので、一人で介護を
続けることができています。
Q. 訪問看護に期待されていることは何ですか?
A.これからもいろいろあるとは思いますが、なるべく今の状態を維持
していけるように体調をみてもらえるとありがたいです。
8
9
看護学生とつながる
在宅看護論 実習を通して学んだこと
東京都済生会看護専門学校 第3学年 地域の事業者様とつながる
地域で頼れるステーション
佐藤 あやめ
有限会社トマト ぷちとまと・けあ 居宅介護支援管理者 滑川 千穂
私は今回、在宅看護論実習を通して多くの学び
いいですか?」などの質問をされることが多くあり
済生会三田訪問看護ステーションは、重みある
思うように進まず、訪問介護事業所と連携をとりな
がありました。在宅では毎日対象の方の看護は出
ました。その際には、看護師は知識が求められま
歴史をお持ちになりながら、尚ご努力を続けられ、
がら一緒に考え、直接看護師さんがご利用者様に
来ないため、限られた時間の中で、いかに効率よ
す。疾患のこと以外にも広い分野の知識がないと
新しい歴史を築いていかれる姿に感服いたします。
アプローチして下さり、何ヶ月も入浴できていない
く適切な看護を行っていくのかということが重要で
その場でアドバイスすることが出来ないため、学習
私は現在、介護支援専門員として済生会三田訪
方が着替えをしてくれるようになり、その次に清拭
あると学びました。訪問時には、ご利用者様の身
を深める必要があると感じました。時には、ステー
問看護ステーションの皆様と連携させていただい
を受け入れてくれるようになり最後にシャワー浴が
体面だけではなく介護者様にも目を向けていく必
ションで他の看護師に相談したり、病院の専門の
ています。済生会三田訪問看護ステーションの皆
できるようになりました。
要がありました。そのため、そのご利用者様を支
方に意見をもらうなどして、他職種とも連携してい
様とは、10年以上お付き合いをさせていただいて
医療処置だけでなく、ご利用者様一人ひとりの
えている介護者様の思いや負担などを把握し、少
ることを学ぶことができました。在宅看護では、
おりますが、10年前も現在も変わらず医療の目か
ニーズや問題点も考えながら一緒にケアしていただ
しでも介護者様の負担が軽減できるようにするこ
看護師ひとりで行動することが多いため責任は重
らいち早く気づいて、その度連絡、ご意見、助言
いています。
とが看護師の役割であると感じました。在宅で療
大であり、幅広い知識と優れた技術が求められま
をいただいてとても連携を大切にしていただき感謝
済生会三田訪問看護ステーションは地域で最も
養するご利用者様は自宅で普通の日常生活を送っ
す。さらにそれだけではなく、人柄も大切であって
しております。
頼れるステーションとなっています。そして、多くの
ており、その日常生活を崩さないために、より快適
コミュニケーション能力も求められてくるということ
また、職員の皆様はいつでもどの方でも清潔感
在宅高齢者が看護師さんの訪問を待っています。
で安全に過ごせるように介入していくことが大切で
も学ぶことができました。
があり、言葉遣いやご利用者様本人や介護者への
私も皆様に負けないように介護支援専門員として
す。ケアの内容もご利用者様・介護者様の意向に
最後になりましたが、多くの貴重な学びを与えて
心配りなど細心の注意をされており、お手本にし
日々努力・向上に努めていく所存でございます。
沿って行っていくことも学びました。また、訪問時
くださったご利用者様やご家族、済生会三田訪問
ています。
最後に、貴ステーションのますますのご躍進を心
には、ご利用者様やご家族に「○○はどうしたら
看護ステーションの皆様に深く感謝いたします。
あるご利用者様のケースでは、サービス内容が
よりお祈り申し上げます。
10
11
地域の事業者様とつながる
医療と介護のさらなる連携強化を目指して
グッドライフケア訪問介護 介護部長 ケアマネジャーとつながる
居宅介護支援事業所報告書
藤崎 芳子
居宅介護支援事業所 済生会三田訪問看護ステーション ケアマネジャー 丸山 保子
日頃より済生会三田訪問看護ステーションの
が困難なご利用者様のご相談をさせて頂いた際
居宅介護支援事業は平成 25 年4月から9月まで休止
このように毎月ご相談が頂けるのは、済生会中央病院
皆様には大変お世話になり、心より感謝申し上
は、リハビリの先生よりご助言を頂き、自助具
しておりましたが、10月から専任のケアマネジャーとして
と同法人であり、訪問看護ステーション併設であることが
げます。私どもグッドライフケアでは、平成17年
を活用しましたところ自立することができるよう
着任し、事業を再開させて頂いております。
大きな要因です。済生会に通院しておられる方や医療依
より訪問介護サービスを開始し、現在では訪問
になりました。
再開後は月平均 6.35 件(図1)のご相談を頂いており、
存度の高いご利用者様が、医療との連携をスムーズにと
看護、居宅 介護支 援事 業を展開しております。
今後、団塊の世代が高齢者になり、ますます
契約件数は月平均 4.5 件(図 2)となっています。
期待されていると考えられます。
また平成24年からは定期巡回・随時対応型訪問
在宅介護の需要が高まることが予測されており
契約依頼先としては、ご利用者様・ご家族からが約半
また、要介護度別では、要介護 2 が多くなっていま
介護看護サービスも開始し、医療と介護の連携
ます。私どもも一人でも多くの高齢者の方に、在
数あり、ついで港区高齢者相談センター(地域包括)
、
す(図3)
。介護度が低くてもターミナルケアの方や疾患
の重要性を日々実感しております。その中でも、
宅で安心してできるだけ快適に過ごして頂けるよ
済生会中央病院となっています。
の悪化を防止したい方など、半数以上のケースで訪問看
貴ステーションとの連携につきましてはとても印
う、より一層業務に邁進する所存でございます。
象深く感じております。私が担当しておりますご
今後とも、済生会三田訪問看護ステーションの
利用者様で認知症の方がいらっしゃいます。猛
皆様のお力添えを賜りたくお願い申し上げます。
(件)
12
暑日が続く中ご本人様から体調不良の訴えがあ
この度は、このような機会を頂き誠にありがと
10
りました際、訪問している弊社スタッフにわかり
うございました。貴ステーションのますますのご
8
やすく、考えられる原因やその対処方法をご指
発展を心よりお祈り申し上げます。
6
導頂いたことがございました。また、食事摂取
図1〈平成24・25年度依頼相談件数〉
護と連携をとったプランを作成しています。そして今後は
平成24年度
要介護度の高いご利用者様の増加が予測されます。
平成25年度
図3〈平成25年度 要介護度別ケアプラン作成数〉
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1月
2月
3月
平成25年4月∼25年9月迄休止
4
2
0
4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
0
図2〈平成25年度契約申込先〉
地域包括
26%
済生会
22%
契約総数
27件
2
要介護1
4
6
要介護2
8
10
要介護3
12
14
16
要介護4
18(件)
要介護5
入院期間の短縮化、急速な高齢化、認知症高齢
平成25年4月∼
25年9月迄休止
者の増加などにより、医療依存度の高い在宅高齢者
が増加していく中で、訪問看護ステーション併設とい
う強みを生かして、医療系サービスを組み入れたケア
他医療機関4%
プランの作成が重要だと考えます。
これからも住み慣れた地域で最期まで自分らしく自立し
ご利用者様・ご家族
48%
た生活が送れるように、医療と介護の連携を図り、より良
いサービスを提供していく
“要”になれるよう、
“スピード
感を忘れず”に努めて参ります。
12
13
ステーション活動報告(平成25年度)
ステーション活動報告
(平成25年度)
4. 利用申し込み経路 (図3参照)
訪 問 看護、訪 問リハビリの申し込みは、ケアマ
ネジャーからの申し込 みが半 数をしめます。地 域
済生会三田訪問看護ステーション 所長
看護師 介護支援専門員
ています。居宅 支 援 事 業 所を併 設したことで、地
圷 むつみ
域 包 括 支 援 センターからのご依 頼、 ご 相 談 も 増
えてきています。
訪問看護はかかりつけ医の「訪問看護指示書」を
もとに行っています。訪問看護指示書の主な発行状
1. 1年間の利用状況(表1参照)
況 は、 済 生 会 中 央 病 院・地 域 の 医 院・往 診 医・
昨 年 は、 居 宅 支 援 事 業 を再 開し、 ケア プ ラン
理 学 療 法 士 が いることで、 ご 利 用 者 様 の自 立 支
作 成 を同じ 事 務 所 内 で で きるようになりました。
援、 健 康 の 維 持、 回 復 への 援 助 が 迅 速に行 わ れ
また、 同 事 業 所にケアマネジャーと訪 問 看 護 師、
るようになりました。
項目
険
平成25年
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
平成26年
1月
病 院と幅 広くいただいています。「 家に帰りたい」
という方のために、在宅ケアチームの一員として共
通 の 意 識 をもってケアを行うことを大 切 にしてい
ます。
表1 < 利用状況 >
月
その他
ます。
(総数33人)
ケアマネジャー
ご 利用 者 様、ご 家 族が 住み慣れた 地 域 で 安心し
再利用
今後もご 支 援、ご指 導をよろしくお願いいたし
港区社会福祉
協議会
が 高まっています。訪問看護を活用していただき、
地域包括支援
センター
をとおして活動報告をさせていただいております。
看護師・PT
高 齢 社 会に向け、 介 護 や福 祉、 医 療 連 携 の 需 要
利用者・家族
なお、 当 ステ ーション で は 毎 年、
「 ほ ほ え み」
区役所
様に 支 えられ、17 年目を迎 えました。 現 在、 超
医療ソーシャル
ワーカー
て生活できるようにと活動しております。
パンフレット他、
広報
済 生 会 三 田 訪 問 看 護ステーションも地 域 の 皆
医師
はじめに
保
18
16
14
12
10
8
6
4
2
0
の 往 診 医 の 先 生 方からも 直 接 ご依 頼 をいた だ い
あくつ
図3 < 訪問看護申し込み経路 >
(人)
2月
3月
合計
平均
介護 医療 介護 医療 介護 医療 介護 医療 介護 医療 介護 医療 介護 医療 介護 医療 介護 医療 介護 医療 介護 医療 介護 医療 介護 医療 介護
医療
登録者数
59 15 60 14 60 12 63 12 65 13 66 14 71 14 67 16 67 16 68 15 66 16 68 16 780 173 65.0 14.4
利用者数
56 14 56 13 57 11 60 11 61 12 62 14 66 14 63 16 65 16 65 14 65 15 67 15 743 165 61.9 13.8
新規登録者
2
1
3
0
1
0
3
0
3
0
1
1
5
0
1
3
2
0
2
0
1
0
3
1
27
6
2.3
0.5
終 了 者
2
0
2
1
1
2
0
0
0
0
0
0
2
0
3
1
2
0
1
1
2
0
1
1
16
6
1.3
0.5
介護:介護保険利用者 / 医療:医療保険利用者
(平成25年4月∼平成26年3月)
2. 利用者の年齢構成 (図1参照)
3. 利用者の疾病分類 (図2参照)
図1 < 利用者の年齢構成 >(総数111人)
(年齢)
図2 < 利用者の疾病分類 >
(人)
40
0∼ 9
10∼19
(総数111人)
5. 24時間体制について (表2参照)
20∼29
25
30∼39
ご 利用者様、ご 家族にとって不安な夜間、休日
日中 の 訪 問 看 護 で 病 状 の 変 化 を早 期 に 発 見・
20
に何か変化が起こったときに相談できるよう、当ス
予 測し、 早 めに 主 治 医 へ 報 告・対 応 することで、
テーションでは 24 時間体制をとっています。開設
安定した状 態で療 養 生 活が 継 続できるようにして
5
時より 24 時 間 体 制をしき、2 名の 看 護 師が 輪 番
います。また近年、訪 問 看護を利用して、ご自宅
0
制で自宅に携帯電話を持ち帰り、対応しています。
で 最 期を迎える方も増えています。
40∼49
1.8%
50∼54
1.8%
15
10
0.9%
55∼59
5.4%
60∼64
(人数)
15
20
25
損傷、
中毒及びその他の外因の影響
10
先天奇形、変形及び染色体異常
5
尿路性器系の疾患
0
筋骨格系及び結合組織の疾患
0.9%
100∼
皮膚及び皮下組織の疾患
6.3%
95∼99
消化器系の疾患
11.7%
90∼94
呼吸器系の疾患
15.3%
85∼89
循環器系の疾患
20.7%
80∼84
神経系の疾患
14.4%
75∼79
精神及び行動の障害
16.2%
70∼74
内分泌、栄養及び代謝疾患
65∼69
新生物
4.5%
表2 < 緊急連絡および緊急訪問状況 >
月
平成25年
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1月
2月
3月
合計
平均
緊急連絡回数
4
5
9
27
19
3
6
1
14
3
8
9
10 8
9.0
緊急訪問回数
2
3
4
5
7
1
3
0
9
2
2
5
43
3.6
(内 夜 間)
(0)
(0)
(0)
(0)
(0)
(0)
(0)
(0)
(0)
(0)
(0)
(0)
(0)
0.0
※WHOのICD-10分類による
(平成25年4月∼平成26年3月)
14
平成26年
4月
項目
(平成25年4月∼平成26年3月)
15
ステーション活動報告(平成25年度)
ステーション活動報告(平成25年度)
6. 訪問地域と月別訪問看護件数・職員数(表3参照)
7. 地域の保健、医療、福祉機関との連携について
訪 問 地 域 は、 港 区( お 台 場 地 域 を 除 く) を 電
ました。「ワークライフバランス」を考慮し、働き
在宅福祉、医療に携わる関係機関が多くなり、そ
在 宅 療 養で は、 慢 性 疾 患の 病 気と共 存しなが
動自転車で訪 問させていただいています。近 隣の
やすい職 場づくりをすることで、 より良い訪 問 看
の専門性は高くなってきています。病院に入院したと
ら生 活していくことが 多くあります。 自身でコン
訪 問 看 護ステーションとも連 携をとりながら、 よ
護 サービ スの 提 供 が で きるようにしていきます。
きから、在宅へ退院することを意識した治療、看護
トロールしていくことが 難しいこともあり、 訪 問
り多くの 訪 問 看 護 を必 要 とされるご 利 用 者 様 へ
また、 日々のカンファレンス・定 期 的 な 勉 強 会・
も行われるようになってきています。退院調整看護師、
看 護 の ご 利 用 者 様 か ら、 食 生 活 や 排 泄、 服 薬、
訪問できるよう調 整しています。
外 部 研 修 受 講 を重 視し、 常 に 問 題 意 識 をもって
医療ソーシャルワーカーにより、退院前にカンファレ
皮 膚ケアなど 多くのご相 談をいただきます。病 気
近 隣 の 病 院、 地 域 包 括 支 援 センターなどから
質の高い訪問 看護が できるようにしています。
ンスが行われ、病院の主治医、在宅での主治医、ケ
が 複 雑 化 するなか、 個 々の 生 活 身 体 状 況も 違 い
アマネジャー、訪問看護師、訪問介護、福祉用具、
ます。 適 切 にアセスメント、 ケアの 提 供 をするた
通所系サービスなどの関係機関が集まり、在宅への
めに、 専 門 の 教 育を 受 け た 看 護 師、 栄 養 士、 地
移行を円滑に行えるようにしています。退院後の生活
域 の 薬 剤 師と連 携し、 質の 高い 訪 問 看 護 を実 践
を具体的にイメージ化し、準備し、安心して退院後の
しています。
訪 問 看 護 を希望するスタッフを迎えることが でき
表3 < 月別訪問件数と職員数 >
訪
問
月
平成25年
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
稼
働
日
21
20
20
22
22
19
22
20
19
項
平成26年
1月
2月
3月
合計
平均
19
19
20
243
20.3
目 介護 医療 介護 医療 介護 医療 介護 医療 介護 医療 介護 医療 介護 医療 介護 医療 介護 医療 介護 医療 介護 医療 介護 医療 介護 医療 介護 医療
訪 問 延 回 数 318 138 331 114 370 106 393 118 379 126 362 125 409 127 364 133 366 134 350 116 341 123 392 145 4,375 1,505 364.8 125.4
予防訪問看護Ⅰ1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0.0
予防訪問看護Ⅰ2
7
8
7
6
7
5
6
8
8
7
7
11
87
7.3
予防訪問看護Ⅰ3 14
11
11
12
11
10
15
5
5
6
6
8
114
9.5
予防訪問看護Ⅰ4
1
0
0
0
1
0
0
0
0
0
0
0
2
0.2
予防訪問看護Ⅰ5
4
4
4
4
4
4
4
5
4
4
3
8
52
4.3
予防訪問看護Ⅰ5超
5
4
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
9
0.8
訪 問 看 護Ⅰ1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0.0
療養生活、介護生活が送れるよう、ご利用者様、ご
家族を地域で連携しサポートしていきます。
訪 問 看 護Ⅰ2 10
18
18
17
19
12
13
14
10
13
16
16
176
14.7
訪 問 看 護Ⅰ3 145
159
179
204
199
190
223
187
186
181
182
205
2,240
186.7
訪 問 看 護Ⅰ4 12
10
9
12
12
10
6
6
7
6
11
9
110
9.2
訪 問 看 護Ⅰ5 86
78
90
86
82
72
72
78
80
75
63
68
930
77.5
また、済生会中央病院も地域医療拠点病院とし
訪問看護Ⅰ5超 34
39
52
52
44
59
70
61
66
58
53
67
655
54.6
て、利用していただきやすい病院づくりを目指して
合
計
456
445
476
511
505
487
536
497
500
466
464
537
5,880
490
保険外 (自費)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0.0
ケアプラン数
0
0
0
0
0
0
1
3
5
6
11
16
42
看
師
5
4
4
4
5
4
4
4
4
6
6
6
理学療法士
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
作業療法士
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
事
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
護
務
員
退院 後も住み慣れた生 活環 境で、より自立した
います。その機能を生かし、ご 利用者様、ご 家族
3.5
生 活が できるよう、理 学 療 法 士によるリハビリを
の療養生活、介護生活の支援を実施しています。
56
4.7
実 施 して い ま す。 当 ス
2
24
2.0
テーションの理学療法士
0
0
0.0
1
12
1.0
(PT) は、 常 勤 が 2 名
(平成25年4月∼平成26年3月)
おり、在宅での生活環境
を確認し、個々のご利用
者 様にあったリハビリプ
ログラムを継続的に実施
し、回復・安定を目指し
ます。
8. 訪問看護ステーションの経営、これからの取り組み
平成 26 年に入り、訪 問 看護 師が増員され、管
添ったケアができるよう、スタッフ一同、笑顔と元
理 者の交 代もありました。より多くの方に訪 問 看
気を届けに参ります。今後ともよろしくお願いいた
護を活用していただくことで、より安心して療養生
します。
活が 支 援できるよう、ご 利用者様、ご 家族に寄り
16
17
18
19