ENGINEERING JOURNAL No.1012

製品紹介
高清浄度クーラントシステム
High Cleanliness Coolant System
当社は,研削盤用クーラントの清浄度を飛躍的に高め
る高清浄度クーラントシステムを開発した.このシステ
ムは高磁力マグネットセパレータと高捕集能力サイクロ
ンの二つの 2 次ろ過装置により開発が実現した.従来の
システムでこのシステムと同等の清浄度 5ppm を得る
には,3 次ろ過装置を必要とする.また,ろ過装置は磁
力による吸着と遠心分離方式を使用しており,フィルタ
のような性能劣化による定期的な交換は不要となり,ラ
ンニングコストと環境負荷が低減できる.
高清浄度クーラントによる研削加工では,スクラッチ
の削減により表面品位が向上するとともに,真円度も向
上する.
1.特長
2.2
⑴2 次ろ過で清浄度 5ppm のクーラントシステム
⑵シンプルな構造で省スペース 52% 削減
メンテナンスフリーで清浄度 5ppm を長期に渡って
維持できる
清浄度,ppm
⑶メンテナンスフリーでランニングコストが低減
2.ろ過性能/清浄度
2.1
8
7
6
5
4
3
2
1
0
0
新開発の 2 種のろ過装置により,微粉切りくずや砥粒
1
2
3
4
5
6
7
8
9 10 11 12
運転期間,ヶ月
が捕集できる.その性能は,粒径 u5μm 以上の微粉の
清浄度の推移
捕集で 90% 以上である.
3.構成
5µm/90% 捕集
100
1 次ろ過
マグネットセパレータ
MX シリーズ
捕集率,%
90
2 次ろ過
サイクロン
CCX
シリーズ
80
70
3.1
2 次ろ過のシンプルなシステム構成でコンパクトな外観
従来品
MF シリーズ
60
新開発
2 次ろ過
サイクロンフィルタ
50
0
5
10 20
50 100 200 300 400 500
粒子径,µm
新開発
1 次ろ過
マグネットセパレータ
ろ過性能
クーラント装置
株式会社ジェイテクト
JTEKT ENGINEERING JOURNAL No. 1012 (2014)
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製品紹介
研削盤
事例:ラックシャフト外形研削
2 次ろ過
サイクロンフィルタ
1 次ろ過
マグネット
セパレータ
温調機
ポンプ
よい
ドレス周期,比率
2
1.5
1
1
0.5
0
ポンプ
ポンプ
現行品
ダーティタンク
新製品
ドレス周期
クリーンタンク
回収タンク
1.5
◆高清浄度によるクーラント腐敗防止ができ,クーラン
メインタンク
ト更油周期が延長
ろ過の流れ
更液周期,比率
4.1 精度の向上
◆切りくずのかみ込み防止で真円度不良が解消
よい
4.効果
4
2
1
1
0
現行品
新製品
更液周期
新製品
従来品
4
3
事例:軸受部品外形研削
真円度,指数
事例:トリポート外形研削/
ラックシャフト外形研削
5
3.0
規格
5.仕様/寸法図
2.0
5.1 仕様
1.0
0
0
1 000
2 000
3 000
4 000
型式
5 000
真円度
マグネット
最大処理流量
[L/min] セパレータ
サイクロン
CCX-100
タンク容量
[L]
100
MX-120A
◆砥石の表面目詰まりによる真円度不良の解消
K200
200
MX-240A
事例:ラックシャフト外形研削
型式
A[mm]
B[mm]
K100
1 775
1 192
500
530
K200
2 145
1 392
650
680
12
10
8
6
4
2
0
10
よい
不良本数,本/月
K100
真円度不良
1本
CCX-100
2本
370L
700L
C[mm] D[mm]
0.5
現行品
新製品
5.2 寸法図
真円度不良
メインタンク
4.2 ランニングコストの低減
D
B
回収タンク
◆砥石表面の付着切りくずが減少し,砥石切れ味が長く
維持でき,砥石寿命が延長
回収タンクから
研削盤から
C
A
ダーティタンク
メイン
タンクへ
クリーンタンク
(工作機械・メカトロ事業本部 工作機械開発部)
株式会社ジェイテクト
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