長野式臨床研究会 第 4 回 23 年 7 月 24 日 テーマ『婦人科疾患』 講師

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長野式臨床研究会
平成 23 年
第 13 期
マスタークラス
大阪セミナーQ&A
第 4 回 23 年 7 月 24 日
テーマ『婦人科疾患』
講師
長野康司
『婦人科疾患』
婦人科領域において
月経が順調であることが、女性の体調を診る目安となり
閉経は女性にとって、一生の曲がり角ともいえる
「婦人科疾患」の所見パターンと臨床的意味とまとめ
『婦人科疾患』症例①②
症例
タイプ
主訴
現病歴
プロセス
随伴症状
脉状
所
腹診
火穴
見
局所
その他
順証逆証
処置
所見に沿っ
て
経過
解説
①続発性無月経(「三十年の軌跡」P244)
女性 25 歳 保険会社勤務
扁桃とストレスによる
月経が無い
18 歳で月経が止まり、24 歳で毎月ホルモン注
射 10 ヶ月、怖くなり止めたら月経無い。
3 ヶ月前、原因不明熱 42℃が 2 週間、その後
少量月経 2 回後月経止まっている。
体質的に卵巣機能が弱い→環境激変→精神的
ストレス→扁桃の病変→二次的に内分泌・自
律神経失調→無月経
血圧低く、睡眠も取れない
細緊数(自律神経失調を現す)
特記なし
三陰三陽火穴は全て陽性(交感神経過緊張)
天牖に圧痛(扁桃の反応)
②月経不順(「三十年の軌跡」P249)
女性 43 歳 主婦
全身的ホルモンバランス失調
月経が止まらない
過去 2 回止まらなかった、今回で 3 回目。
婦人科で注射、服薬でも効果なく来院。
年齢的に副腎機能が異常を来たし易く→エスト
ロゲンの分泌低下→子宮内膜障害→出血
特記なし
緊数(神経性体質も現す)
特記なし
特記なし
命門、腰の陽関に圧痛著明(エストロゲン分泌
低下、命門は副腎機能の異常)
体重 18 歳では 56 ㎏、最低 43 ㎏、現在 45 ㎏ 神経性体質、痩身、腰下肢の冷え顕著
脉は実、火穴、天牖も実、共に実で「順」
脉は実、症状も実、共に実で「順」
①復溜・尺沢に 15 分留鍼(火穴全て圧痛に) ①照海・兪府に 20 分留鍼(全身的な調節必要)
②扁桃(天牖の圧痛)
②命門・陽関に皮内鍼(副腎機能賦活、エスト
③血海・気海(気血を共に整える)
ロゲン分泌促進)
④三陰交に灸頭鍼(三陰(肝脾腎)を調節)
③通谷に施灸 7 壮(腎と膀胱は表裏の関係)
上記処置を 2~3 日おきに 4 回続けて月経再開 これまでも同様症状 3 回、その都度上記処置で
停止した。
続発性無月経とは、
・エストロゲンの分泌低下→全身的なホルモン
初経の発来があり、月経周期が確立された後
バランスの調整が必要→照海・兪府を使った。
に無月経となったものをいう。
・通谷→腎と膀胱は表裏関係→腎虚・膀胱実と
考えられ→膀胱経の水穴の通谷を使用。
・命門は副腎の反応点なので、命門の圧痛→副
腎機能の異常と理解される。
2
症例のポイント①②
症例①
『質問 01』「血海」「気海」の刺鍼の手技は?
「返答 01」刺鍼とある場合は「雀啄」を意味します。
『質問 02』この場合の「血海」は両方するのですか?
「返答 02」両方やります。
脾経は、血の進退に関連したものに使います。
同時に「気海」を使ったのは、「血海」と併せて、「気血を整える」為です。
症例②
・全身的なホルモンの調整には「照海・兪府」
・「通谷」を使ったのは、腎経と膀胱経は表裏の関係にあり、「腎虚」の場合「膀胱実」と
考えられ、膀胱経の「水穴」を使った。
・「命門」「腰の陽関」は、エストロゲンの分泌に関与するツボと考えてよい。
『質問 03』
「通谷」の施灸は、膀胱経の火穴の崑崙に反応が無くてもやっていいのですか?
「返答 03」まとめの「卵巣嚢腫」の処置でも、膀胱経の気穴の「至陰」を使っているよう
に、比較的膀胱経を使います。火穴の反応に関係なく使っています。
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『婦人科疾患』症例③④
症例
タイプ
主訴
現病歴
プロセス
既往歴
脉状
所
腹診
見
火穴
局所
その他
順証逆証
処置
所見に沿っ
て
経過
解説
③子宮内膜症による月経困難
④排卵誘発剤による卵巣嚢腫
女性 22 歳 OL (「三十年の軌跡」P251) 女性 37 歳 自営業(パン製造)
(
「三十年の軌跡」P256)
子宮内膜症による痛み
排卵誘発剤による
月経時に激しい下腹部痛
下腹部の痛み
高校時代よりの月経時下腹部痛があり、社会 結婚 10 年妊娠せず、
人になり、婦人科検査→子宮内膜症と診断→ 婦人科→子宮発育不全→不妊症と診断
服薬5ヶ月(黄体ホルモン剤)→月経停止作 その後 3 年間、
用もあると言われ不安で来院
排卵誘発剤注射→2 回卵巣嚢腫→2 回 OP→今回 3
回目の卵巣嚢腫が出来→OP がいやで来院
虚弱な身体(色白小柄、細沈遅)→血流も悪 子宮発育不全→子宮は妊娠準備ができていない
く→子宮の栄養も良くない→内膜症
→ホルモン療法→無理やり→子宮の負担大→卵
巣嚢腫を繰り返す
特記なし
4 年前 33 歳に子宮筋腫 OP
細沈遅(循環障害で虚証)
沈遅(身体の弱りを現す)
右腸骨窩部に筋性抵抗(子宮以外に出来た疾 左下腹部に筋性緊張があり
患)
4~5 ㎝大の腫瘤、圧痛著明
特記なし
肝、腎、膀胱、肺の火穴陽性
特記なし
特記なし
色白で小柄な体格
BD98/46
脉は虚、腹は実、虚実あり「逆証」
脉は虚、腹は実、虚実あり「逆証」
①三陰交・内関 15 分留鍼(血流改善、細脉) ①扁桃(卵巣嚢腫も扁桃の弱り)
②扁桃(子宮内膜症は炎症なので)
②患側気水穴
③次髎・大腸兪・腎兪・大椎(骨盤内血流改善) 腎経気水(復溜・陰谷)肝経気水(中封・曲泉)
④三陰交に皮内鍼(子宮粘膜血流促進)
膀胱経気穴(至陰)肺経水穴(尺沢)
風市(頑固な症状に)支溝(扁桃処置)
それぞれに刺鍼と 7 壮施灸(曲泉のみ 31 壮)
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日間毎日施灸と刺鍼 1 回で下腹部痛消失
週 1 回の鍼治療を 4 回→月経痛なし
2 週間後、専門医検査で卵巣嚢腫は消失
祖父の死去のショック→月経激痛
激痛部位は下腹部より下であった為、「蠡溝」 1 ヵ月後、再度検査も嚢腫は認められない
2 年経過した現在も再発認めず治癒とする
に多壮灸→激痛消失
現在も健康管理のため月に 2~3 回治療継続中
その後 4 ヶ月、月経順調、痛みなし
・婦人科疾患の診断の目安→患者の訴え、脉 ・排卵誘発剤は、卵巣から卵子を排卵させる事
状、腹診等で診断する
を促進させる薬。始めは内服薬、効かない場
・子宮内膜症の診断→専門医の診断に準拠
合は卵巣をめがけて下腹部に注射する
・子宮内膜症→子宮中の子宮内膜似組織が→ ・排卵誘発剤の乱用は、卵巣過剰性刺激症候群
子宮以外の場所で増殖
になる恐れがある
・子宮腺筋症→子宮筋層に出来たもの
・「新鮮で良性の腫瘍」+「関連火穴反応陽性」
・他に骨盤内、腹膜、卵巣、外陰にも出来る
この場合に、気水穴の施灸が効を奏す
・
「蠡溝」
(肝経)→婦人科、泌尿器、生殖器、 特に「曲泉」の多壮灸は重要である
肝臓、筋肉疾患に関係が深い
(
「曲泉」を「蠡溝」にしても構わない)
・
「蠡溝」→特に粘膜の炎症に効果があり
・子宮内膜症→肝経の絡穴「蠡溝」多壮灸が ・「できもの系」には「気水穴の施灸」
激烈な子宮の痛み消失になった
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症例のポイント③④
症例③
・黄体ホルモン剤(プロゲステロン)は、月経を止める薬。
・
「三陰交・内関」
「次髎・大腸兪」の骨盤虚血処置は、骨盤内の血流循環促進作用がある。
・下腹部よりもっと下の痛みということは、生殖器関連の痛みと捉えられる為、生殖器に
関わる「肝経」を使う。中でも慢性的な痛みには、
「蠡溝」の多壮灸で痛みを消失させる。
・鍼灸師では、子宮内膜症の診断は難しく、専門医にゆだねることが肝要である。
・子宮内膜症は、月経のある人の 1~2 割にある。
『質問 04』症例①の治療間隔は 2~3 日おき、症例③は週 1 回、とありますが、患者さん
に来院していただく回数はどのように言えばいいですか?
「返答 04」急性の場合は、なるべく週に 2 日位はやるといいです。
初めから空けると効きにくいときもありますので、あまり空けない方がいいで
す。
『質問 05』下腹部の下の激痛に対して「蠡溝」を使うのに対して、下腹部の場合はどこに
やればいいですか?
「返答 05」下腹部の卵巣でも「蠡溝」を使います。
『質問 06』「曲泉」ではなく「蠡溝」を使ったのは何故ですか?
「返答 06」肝経の「絡穴」だから使ったのですが、「曲泉」でも効きます。経験的に「蠡
溝」を使っただけです。
『質問 07』この場合、ツボを撰穴する目安は?
「返答 07」一番のポイントは「肝経」です。肝経は生殖器に関わりを持ちます。
肝経の大事なポイントである「蠡溝」として撰びました。
ただし、絶対ではありません、「曲泉」でもいいです。
『質問 08』灸と鍼の使い分けで激痛が残った時に、鍼ではなくお灸にしたのは何故です
か?
「返答 08」一連の処置をしても効果が弱い場合や、激烈な痛み等にはお灸の方が効果があ
るためです。
① 肝経に関わる所は蠡溝
② 強い痛みなのでお灸
このように関連して考えてお灸を選択しました。
頑固なものや、症状の強い場合には“お灸です”。
生前、先代に聞いた話です
「鍼と灸はどっちが効くか?」→「6~7 割はお灸が効くよ」と。
症例②、症例③、症例④いずれもお灸が大事なポイントになっています。
鍼は即効性の短距離ランナー、
灸は慢性の改善に使う長距離ランナー。
台座付き間接灸より“直灸”の方が断然効きます。
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症例④
・排卵誘発剤は、卵子が卵巣から排卵するのを促進する薬。
始めは内服を飲む、そして効果が無い場合には、直接下腹部の卵巣辺りに注射する。
乱用により、卵巣過剰性刺激症候群になる恐れがある。
・「できもの系」(腫瘤)には、患側の「気水穴」の施灸が良く効く。(ヘルペスにも)
・頑固な症状には「風市」を使う。
「風市」は、因縁のツボといわれる位、非常に不思議なツボで、頑固な症状の時に施灸
が良く効く。
・「曲泉」は肝経の「水穴」、生殖器の疾患に良く効く。
施灸は 21~35 壮、時には 51 壮すえても良い。
『質問 09』長野先生は、因縁のツボの「風市」はどのような時に使うのですか?
「返答 09」症状が取れにくいものや、坐骨神経痛でも、あと 1~2 割残る時に、刺鍼雀啄、
最後にお灸をする。
「風市」は単独で使ってもいいです。
『質問 10』「支溝」は扁桃処置と言われましたが、本来の扁桃処置なのですか、または別
のものですか?
「返答 10」扁桃7点とは別です。
主に「子供の扁桃処置」として使っています。子供の場合、7 点あると刺激が
強すぎるので、「両支溝」のみを使います。
『質問 11』この「支溝」は、「虚証タイプ」の方に使ってもいいのですか、それとも子供
だけですか?
「返答 11」基本的には子供だけですが、虚証タイプの方に使っても構いません。
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『婦人科疾患』の臨床的パターンとキーポイント
脉状
腹診
火穴
その他
特徴
処置
「緊数」は、実証を表し、自律神経性や神経性体質が該当する
「沈遅」は、虚証を表し、循環障害を意味する
卵巣嚢腫や子宮筋腫ある場合→患部に筋性緊張や腫瘤を触れる事もある
子宮内膜症は分かりにくく判別しにくいので、専門医の診断に準拠する
一様ではないが、腫瘤系は罹患部に関わる経絡の火穴反応が多い
火穴反応陽性ならば、
「気水穴処置」の施灸で消失しやすい
「天牖」の圧痛がしばしば診られる
・月経は子宮だけで行われるわけではない。
視床下部、下垂体、卵巣、子宮が協調しあって発生する現象
・これら何処かのトラブルで月経異常(生理不順、不正出血、無月経等)が起る。
・昔は多産で→妊娠中は月経が無い→卵巣は休息できた
現代は少子化→子供を生む回数も少ない→月経回数は増加→卵巣は休みが無い
・卵巣ガン、子宮頸・体ガン、子宮内膜症、子宮筋腫等の増加傾向は少子化に無関係では
ないと思われる。
・
「続発性月経閉止」(ダイエットによる、或いは栄養障害によるもの)
「三陰交」(灸頭鍼も可)、
「血海」
「陰包」
「上・次髎」「命門」に雀啄刺鍼
(子宮の血流促進を目的とする)
・
「婦人科不正出血」
「太白」「陰陵泉」「血海」
「衝門」
「尺沢」に補鍼
(主に「脾経」を使い、粘膜を整え、血を統括させる)
・
「卵巣嚢瘍」(嚢腫)
「支溝」
(扁桃処置として)
、
「至陰」
(膀胱系の気穴、逆子のツボということは子宮に効く)
、
「陰谷」
(腎経は全体のバランスをとる)
、
「中封・曲泉」(肝経は生殖器系に関与)、
「風市」
(頑固な症状に効く)
これらにそれぞれ施灸、特に「陰谷」「曲泉」は 31 壮、他は 7 壮
・これらの婦人科疾患の発症にはそれぞれ違った発症理由がある。
症例①は、ストレスと扁桃の異常
症例②は、全身的ホルモンバランスの失調
症例③は、子宮内膜症による
症例④は、排卵誘発剤による
・肝経の「陰包」は、「陰胞」ともいい、「胞」は子宮を示す。
そして、この肝経は陰器を巡る経絡である。
・基本的に、経絡の意味を考えると、
「腎経」は、全体のホルモンバランスを調節する働きがある。
「脾経」は、出血等の血の異常に関与する。
「肝経」は、生殖器に関与する。
つまり、治療に必要な経絡は何処かを考えて、処置を組み立てると治りが早い。
7
『長野康司治療ノート』
症例
主訴
現症
既往歴
脉状
腹診
火穴
見 局所他
順証逆証
処置
所
経過
ポイント
⑤中枢性の原因が疑われる視力障害からの回復
男性85歳
物の見え方がおかしい
数年前から見え方がおかしい(波打つ・左右の線が交差・頻繁に瞬き)
19 年に眼科で見え方がおかしい→眼球注射、眼科で、眼瞼痙攣と診断→眼注を薦められた
平成 17 年左後頭部脳梗塞、20 年白内障の OP
弦やや細(眼の脉状)
右天枢(+)(肺実)、左中注(+)(瘀血)
、
行間(+)(眼にも関わる)、陽輔(+)(眼の反応出る場所)、
天牖(+)(慢性扁桃炎を現す)
脉は実、腹も実、共に実で「順」
①扁桃処置(天牖・右天枢から)
②瘀血処置(左中注から)
③陽輔(眼のツボ)
④眼科処置(眼窩周辺の刺鍼で眼に血流を良くする)
・3 回治療しても大きな変化無し
・4 回目、6 年前の脳梗塞の後遺症を考慮し→「横 V 字 C7.T1.2」を丹念に雀啄
・その後、治療の度に見え方がどんどん良くなり、脉もほぼ平脉、眼瞼痙攣も 90~95%良い
眼科医の診立ての眼瞼痙攣ではなく、脳梗塞後遺症による視力障害ではないか
中枢からきたものであれば、鍼灸の可能性は広がっていく
症例のポイント⑤
・「弦脉」は目の脉、「細脉」も「尺中の細」は眼の脉。
・脳梗塞を6年前に発症していたので、そこに着目し、横 V 字椎間刺鍼のC7.T1.2.を丹
念に雀啄する事で、脳循環が良くなり、症状改善に繋がっていったと考えられる。
治りやすい目安
≪初診時、多分良くなっていくだろうという見通し≫
症例
①女性 76歳
②女性 52歳
主訴
左腰~臀部痛
右第3指バネ指
現症
1週間前から発症
3ヶ月前より発症
脉状
浮緊やや数
平脉
所
腹診
水分過多
特記なし
見
火穴
特記なし
特記なし
局所他 胸鎖乳突筋(+)、天牖(+)
胸鎖乳突筋(+)
処置
扁桃・下垂・坐骨
扁桃・帯脈・横 V 字
経過
2回で歩きやすくなる
4回でずっと楽になる
① 比較的症状が長くなく、慢性化していない
ポイント
治りやすい ② 所見の反応が少ない(身体があまり訴えていない)
③ 初回処置後楽になる(身体の反応が早い)
目安
③女性 82歳
左腰~大腿、下腿にかけ痛む
20日前より発症
やや弦やや数
特記なし
特記なし
頚部のコリ、ラセーグ(-)
扁桃・左坐骨
3回目で歩くのが楽になる
8
「脉のイメージトレーニング」
頭の中で患者さんを診ている様にイメージしてください。
症例①「細緊数」
交感神経緊張で、神経性体質を現します。
症例②「緊数」
この方も神経性体質です。
「緊」は、「弦」と違い、深く沈めると消える尖った脉。
「弦」は、尖って消えない脉。
症例③「細沈遅」
非常に細く、沈んで、ゆっくりした脉。
「細緊数」とまったく反対の脉状です。
虚証で、循環障害を現しています。
症例④「沈遅」
「沈」は、沈んで、中の位置より下でしか触れない。
奥に沈む「虚」の脉状です。
「遅」は、1分間に 60 拍以下の遅い脉。
冷えや慢性症状を現します。
治療ノート症例⑤「弦やや細」
「弦」は、肝胆の実の脉であり、眼の脉でもある。
「細」は、「尺中の細」の場合、眼の疲れを現します。
目安症例①「浮緊やや数」
脉が浮いて、緊張し、少し早め。
「浮」は、深い所まで行っていない、表層の脉。
目安症例②「平」
早くもなく、遅くもなく、緊張もなく、穏やかな脉。
他の脉を診る上でも、「平脉」を知っておく事が大事です。
目安症例③「やや弦やや数」
「やや弦」は、緊張の強い脉状
「やや数」は、熱や進行性病変を現します。