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2015年1月号 北里大学病院/坂根Mクリニック

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患者と医療従事者に優しい病院環境をつくる
高度医療と地域医療の両立目指す
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北里大学病院(神奈川県相模原市)
「スマート・エコホスピタル」
に生まれ変わった北里大学病院
「日
開放的な
「けやきサロン」
デパートのように4本のエスカレーターが並列している
見晴らしの良い中庭
高級ホテルを思わせる特別個室病棟のラウンジ
物語性のある絵が壁に描かれた小児総合外来の診察室
集学的がん診療センターのリクライニングチェアは
上方から空調の風が直接当たらない配置になっている
本の細胞学の父」北里柴三郎の精神を受
免震構造にするなど災害拠点病院としての機能
こともできる。
ことにし、3分野に対応したセンターをそれぞれ設
け継ぐ北里大学病院は1971年に開院。
を強化したり、最新の医療機器や情報システムを
隣接する1号館も改装し、同12月に開院した。
けた。
「患者中心の医療」
「共に創りだす医療」
を理念に、
導入したりした。また、太陽熱や自然の空気の流
1階の内科外来のあった場所は駅ナカを思わせる
また、地域医療連携の要となる
「トータルサポー
高度先進医療の推進と地域医療への貢献の両立
れを生かして省エネ化、省CO²化を図る
「スマート・
「kitasatoモール」
に生まれ変わった。ウィッグ(か
トセンター」
を病院の真ん中に設け、患者の入院前
を目指してきた。
エコホスピタル」
として国土交通省に認められた。
つら)などの医療材料専門店「メディカル・ブティ
から退院後までを総合的に支援するとともに、地
老朽化のため計画された新病院の建設は、北
外来患者は、吹き抜けの
「けやきサロン」
のカフ
ック」があるのが目を引く。旧病院は2015年1月
域医療機関との窓口にしている。
里研究所100周年・北里大学50周年の創立記念
ェで待ちながら、案内表示モニターを見ることが
から解体工事が始まり、跡地は第2外来駐車場
「医療の質・安全推進室」
や医療人材を養成す
事業の最大プロジェクトとなった。
できる。けやきサロンの周辺には大きな絵画が掲
となる。
る
「研修統括部」
も設けており、宇田川孝男・経営
新病院は2014年5月、旧病院駐車場敷地に開
げられ、プロによるピアノコンサートが時々行われ
新病院は特定機能病院として高度先進医療をさ
企画室・新病院事業室次長は
「教育・研究・医
院した。地下1階、地上14階建てで、許可病床は
る。まるでイベントスペースのようだ。健康情報館
らに推進するため、がん診療、周産母子成育医療、
療の充実のためハード・ソフトの両面で整備を進
1033床。
として参考文献やパソコンで自らの病気を調べる
救命救急・災害医療の3分野を重点的に整備する
めてきました」
と話す。
02
2015.1
2015.1
Art in Hospital
03
女性視点で貫いた
「和モダン」
の装い
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坂根Mクリニック(茨城県つくば市)
受付。
ホテルのコンシェルジュをイメージ。
いすの高さにもこだわった。
背後には女性医師の人形が並ぶ
待合室。
左手の大黒柱はケヤキ。
梁は解体した古民家の材料を再利用した。
いすの素材も坂根氏自ら選んでいる
女子トイレ。
ボウルに花をあしらっている。
利用した女性患者は異口同音に
「感動しました」
点滴ルーム。
庭の植物を窓から鑑賞できる。
夜間は室外の照明でライトアップ
つくば市の住宅地で患者を待ち続ける建物。随所に配された
「格子」
は和の象徴的なアイテム
ま
ず誘われた場所はトイレだった。
2階ミーティングルーム。
卵形のテーブルで楽しさを演出。
窓からは筑波山を臨める。
スクリーンや大画面テレビも設置可能
坂根氏の診察室。
赤が基調。
テーブルの曲線は独自に算出。
いすは長時間座っても疲れない機能を重視
構成する新しい市民と、父祖の時代から住み続け
じている。私の感覚は主婦であり、一人の生活者
待合室には靴のまま入る。だが、床暖房。これ
る人々。双方の融合で地域が譲成されてきた。和
であることが基本。医療界では異端であっても、
も当初は
「土足で床暖房なんて」
と反対された。だ
の場を評価する判断基準です」
(坂根みち子院長)
。
モダンは新旧両方の住民に優しい造りである。建
患者さんにはむしろ近い」
(坂根氏)
が、足元からじんわり温まる感覚は何物にも代え
「ホテルみたいなトイレ」
には訪れる患者や家族
材は地元産を取り入れている。
坂根氏の創意が詰まった設えは患者にも変化を
難い。スリッパは不潔だし、履物を替える動作を
から賛嘆の声が今も巻き上がっている。
ラフな設計を3社に依頼。最も肌合いが近い業
促す力があった。何度か通ううちに仲良くなった
高齢者に強いるわけにはいかない。坂根氏はこの
2010年の開院直前まで、当時の勤務先である
者とタッグを組んだ。坂根氏のプランは勤務医とし
患者の何人かは自作の絵やオブジェ、木の実など
点でも最後まで譲ることはなかった。
病院の仕事を全うしながら準備に奮闘した。建物
てのキャリアに加え、女性ならではの視点に裏打ち
を持ってきてくれた。患者の
「参加」
でクリニックは
「男には気が付かない」視点。医療界には意外
全体のイメージから、いすの仕様、壁紙まで。クリ
されたもの。
「男性の論理」
で染められがちな従来
血の通う地域コミュニティーとなる。
に多いようだ。例えば、
「動線は時間管理に直結
ニックの全てを考え、決めたのは坂根氏だ。
の開業案とは一味も二味も異なるものだ。
高い天井が印象的。南向きの広い屋根には太
する。重視しました」
という哲学。坂根Mクリニック
基調となるテーマは
「和モダン」
。発想の原点は
「優先順位がどうも私とは違うんです
(苦笑)
。反
陽電池を載せられる材を使っている。近い将来、
はありきたりを避け、経験と直感を重視してきた。
茨城県つくば市の土地柄にある。研究学園都市を
対する声とは戦ってきました。私は自分の感覚を信
コストに見合う製品が出た段階で実現する予定だ。
ここにしかない居心地が結実している。
「トイレに力を入れているかどうかは女性がそ
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Art in Hospital
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