富岡市都市計画マスタープラン(PDF文書)

富 岡 市
都市計画マスタープラン
平成 21 年 3 月
富
岡
市
富岡市都市計画マスタープラン もくじ
序 富岡市都市計画マスタープランの策定について………………………………… 1
序−1 目的 …………………………………………………………………………… 1
序−2 対象区域と目標年次 ………………………………………………………… 1
序−3 策定の方針 …………………………………………………………………… 1
序−4 策定体制 ……………………………………………………………………… 2
1 関連計画と富岡市の位置づけ………………………………………………………
3
1−1 群馬県総合計画………………………………………………………………… 3
1−2 富岡都市計画 都市計画区域の整備、開発及び保全の方針 ……………… 4
1−3 富岡甘楽広域市町村圏計画…………………………………………………… 6
1−4 富岡市総合計画………………………………………………………………… 7
1−5 富岡市まちづくり計画………………………………………………………… 8
2 現状と各種条件等 …………………………………………………………………… 9
2−1 自然的条件……………………………………………………………………… 9
2−2 社会・経済的条件……………………………………………………………… 19
2−3 都市的条件と都市施設整備等の状況………………………………………… 29
3 前計画の評価と課題 ………………………………………………………………… 41
3−1 前計画の達成状況……………………………………………………………… 41
3−2 課題の整理……………………………………………………………………… 42
4 市民意向の把握 ……………………………………………………………………… 44
4−1 調査実施状況…………………………………………………………………… 44
4−2 調査結果の概要………………………………………………………………… 44
5 基本目標の設定 ……………………………………………………………………… 51
5−1 将来都市像……………………………………………………………………… 51
5−2 基本フレームの設定…………………………………………………………… 58
6 土地利用構想 ………………………………………………………………………… 64
6−1 土地利用の方針………………………………………………………………… 64
6−2 土地利用の配置構想…………………………………………………………… 65
7 都市施設等整備構想 ………………………………………………………………… 67
7−1 道路交通施設整備構想………………………………………………………… 67
7−2 公園緑地等整備構想…………………………………………………………… 69
7−3 下水道等整備構想……………………………………………………………… 71
8 市街地等整備構想 …………………………………………………………………… 73
9 都市景観整備構想 …………………………………………………………………… 76
10 都市防災構想 ………………………………………………………………………… 78
11 地域区分と地域別構想……………………………………………………………… 79
11−1 地域区分 ……………………………………………………………………… 79
11−2 地域別構想 …………………………………………………………………… 81
(1)中央地域 ………………………………………………………………………… 81
(2)黒岩・小野地域…………………………………………………………………… 87
(3)一ノ宮地域 ……………………………………………………………………… 91
(4)高瀬地域 ………………………………………………………………………… 94
(5)額部地域 ………………………………………………………………………… 98
(6)吉田・丹生地域……………………………………………………………………101
(7)妙義地域 …………………………………………………………………………104
12 推進方策………………………………………………………………………………108
12−1 実現化の方策 …………………………………………………………………108
12−2 目標・課題とプロジェクト …………………………………………………109
参考資料……………………………………………………………………………………112
富岡市都市計画マスタープラン策定委員会要綱……………………………………113
富岡市都市計画マスタープラン策定委員会 委員名簿……………………………114
富岡市都市計画マスタープラン庁内検討部会要綱…………………………………115
富岡市都市計画マスタープラン庁内検討部会 部会員名簿………………………116
富岡市都市計画マスタープラン 策定の経過………………………………………117
富岡市都市計画マスタープラン 用語解説…………………………………………119
富岡市都市計画マスタープラン
序
富岡市都市計画マスタープランの策定について
序−1
目的
平成 18 年 3 月 27 日、新・富岡市の発足に伴う市域の拡大並びに新たな時代の都市整
備課題の解決を図るため、都市計画行政が今後展開すべき方向性を明らかにするととも
に、本市の都市計画に関する基本的な方針として、富岡市都市計画マスタープランを策
定するものです。
都市計画マスタープランは、都市計画法第 18 条の 2 に定める「市町村の都市計画に関
する基本的な方針」であり、新・富岡市の『総合計画』(第 1 次富岡市総合計画)に即
し、群馬県の都市計画マスタープランである『富岡都市計画区域の整備、開発及び保全
の方針』と整合を図りながら、長期的、総合的にまちづくりの方針を示すものです。富
岡市都市計画マスタープランは、住民に最も近い立場にある自治体である市が、自らそ
の創意工夫のもとに定めるものといえます。
序−2
対象区域と目標年次
対象区域は、富岡市全域とします。
市面積:122.90 ㎢
(都市計画区域面積:2,093ha、用途地域指定面積:479ha)
目標年次は、平成 20 年を基準年次として、20 年後の平成 40 年とします。
ただし、『総合計画』(基準年次:平成 20 年、目標年次:平成 27 年)にあわせて計画
の見直しを検討します。
序−3
策定の方針
旧富岡市都市計画マスタープランの内容を検証し、上位計画である新・富岡市の『総
合計画』及び景観計画等、また群馬県の都市計画マスタープランとの整合性を図りなが
ら、将来の都市像を見据えた土地利用や市街地のあり方等について、市としての基本的
な考え方を構築します。
また、広域拠点都市としての自立性の創造を図るとともに、西毛地域における中核都
市としての都市機能の充実を通じて、日常生活における質的な側面等を重視した「都市
づくり」の実現を図る計画を策定します。
1
序−4
策定体制
富岡市都市計画マスタープランの策定は、平成 19 年度と 20 年度の 2 カ年度で行いま
した。
策定体制などは次のとおりです。
・公募市民、市議会議員及び学識経験者等で組織する「策定委員会」を設置しました。
策定作業の適切な段階において開催し、審議しました。(4 回開催)
・県職員、市職員で組織する「庁内検討部会」を設置しました。
策定作業の適切な段階において、
「策定委員会」に先だって開催し、検討しまし
た。(4 回開催)
・都市計画公聴会のため、原案を閲覧に供しました。
都市計画公聴会を開催するため、計画の原案を閲覧に供し、広く市民の意見を
求めました。
・富岡市都市計画審議会に報告し、審議されました。
計画案を富岡市都市計画審議会に報告し、審議されました。
富岡市都市計画マスタープランは、都市計画審議会の審議を経て 策定 され
ます。
2
1
関連計画と富岡市の位置づけ
1−1
群馬県総合計画
群馬県総合計画「21 世紀のプラン」は、2001 年(平成 13 年)3 月に策定されました。
基本構想では、 自然とともに生きていることを感じられる風土 や 人の暮らしに
とって必要なものが見える風土 など「8 つの風土づくり」と、 個性豊かな地域をつく
り、さまざまな人々や生命が尊重された支えあう社会・群馬をどうすればよいかを考え、
可能なことから実現していく をはじめとする「5 つの考え続けるテーマ」を提案して
います。
基本計画は、基本構想の考え方を踏まえながら 2006 年(平成 18 年)3 月に「ぐんま
新時代の県政方針」として改定されました。
本市は、高崎市、藤岡市、安中市、甘楽町、下仁田町などとともに西部地域に区分さ
れましたが、「ぐんま新時代の県政方針」の西部地域ビジョンの中では次のように将来
像が示されています。
富岡市は歴史や文化などを生かした地域の生活拠点として、個性とにぎわいのある
まちを目指します。
さらに、西部地域における施策展開の方向の「歴史と文化の継承・発展」のなかで「富
岡製糸場などの世界文化遺産登録の支援」が一番目に掲げられました。
施策の展開方向
1.歴史と文化の
継承・発展
重点施策・取組
・富岡製糸場などの世界文化遺産登録の支援
・箕輪城跡、上野国分寺……など歴史文化を育てる取り組みの支援
・歴史文化を通した世代間交流、国際交流などの促進
2.にぎわいの
・核となる高崎市などの都市機能充実や中心市街地の活性化対策
まちづくり
・制度融資など商工業の支援
・住民主体のまちづくりの支援
・公共交通機関の利用促進・存続および広域交通網の整備
・自主防犯、防災活動、ネットワーク化などの支援
・地域コミュニティーの支援
3.西上州
・広域的で多様な観光ルートの研究および市町村等の連携支援
グリーンツーリズム ・グリーンツーリズム団体の支援、農山村体験指導者の育成
・都市部と農山村部の交流促進
の推進
・榛名公園、妙義公園、群馬の森等の県立公園、国定公園など公園の活用
4.西上州の
・甘楽郡、多野郡等の森林など自然環境の保全、県産材の利活用推進
自然環境、景観の保全 ・農林業の振興および農山村機能の保全、景観の保全
・耕作放棄地対策
3
1−2
富岡都市計画
都市計画区域の整備、開発及び保全の方針
(群馬県都市計画マスタープラン)
「富岡都市計画 都市計画区域の整備、開発及び保全の方針」は、平成 12 年を基準
年次とし、10 年後の平成 22 年を目標年次として、平成 16 年 5 月に策定されました。
都市づくりの基本理念と目標については、次のように示されています。
本区域は、美しく豊かな自然や恵まれた気候、風土の中で、独自の歴史・文化や生
活圏を形成してきた。これからの都市づくりにおいては、これらの地域の個性を最大
限に活用していくことで、新たな都市の活力や賑わい、交流が創造される。このため、
恵まれた地域資源を良好に保全・活用しながら、農林漁業と調和した広域都市圏の中
心都市にふさわしい都市環境の形成、都市間や広域的なネットワークの形成を目指し、
以下のような都市づくりの基本理念と目標を設定する。
(群馬県 都市づくりの基本理念)
『豊かな田園と自然環境・美しい景観と文化が 感じられる都市』
<富岡広域都市圏 都市づくりのイメージ>
『自立と連携による活力のある文化・産業圏域づくり』
[富岡都市計画区域 都市づくりの目標]
○活力のある歴史文化・産業の都市づくり
○広域的な連携と交流を創出する都市づくり
○安心して住み続けられる快適なまちづくり
都市計画区域の将来像と整備の方向については、下記が示されました。
○市街地像:市街地ゾーン、中心市街地ゾーン、沿道サービスゾーンなど 7 つの地域に分け、各ゾーンごとに地
域特性に応じ機能や環境の整備・充実を図る。
○区域区分:市街化区域と市街化調整区域の区分は、「定めない」。
○主要用途配置と土地利用方針:
商業業務地…既存商業機能を核に高次な中心商業地の形成と中心市街地活性化を推進。バイパス沿道地区等
の近隣商業地として位置づけ。
工業地
…既存工業地及びその周辺の利便増進。住工混在地区の工場移転促進。
住宅地
…既存住宅地の居住環境の維持・改善と専用化・純化。中心商業業務地周辺の職住近接一般住宅
地の配置。高瀬地区における面的基盤整備による専用住宅地の形成。
土地の高度利用…富岡中央土地区画整理事業の推進による商業業務機能の集積強化・充実。
居住環境の改善又は維持…桐渕住宅団地の居住環境維持。富岡駅北地区の面整備。
都市内緑地又は風致維持…製糸場周辺整備と緑地保全。高瀬地区鏑川斜面林から連続する自然緑地の保全。
優良農地との健全な調和…とくに中高瀬・上高瀬地区における一団の農地(農用地区域)の保全。
自然環境形成上必要な保全…鏑川崖線斜面林、山地や丘陵地の水辺地等の保全。
計画的都市的土地利用の実現方針…集落地域における各種法令適用による整序化。市街地内における用
途地域や地区計画等各種法令制度の運用による建物適切立地と集積誘導。
○都市施設等整備に関する方針
交通施設 …広域連携強化。増大する交通需要に対する公共交通機関との連携と機能分担。都市計画道路の
幹線道路としての整備目標(3.5 ㎞/㎢)へ近づける。西毛広域幹線道路整備。
下水道と河川…市街地の下水道普及率概ね 60%を目標に整備。河川は必要箇所に治水対策推進。
市街地開発…高瀬地区における面的基盤整備の導入検討。東富岡駅北土地区画整理事業の早期完了。富岡中
央土地区画整理事業の促進。
自然的環境・公園緑地…環境保全系統:里山斜面緑地保全、河川・湖沼等水辺環境保全。
レクリエーション系統:富岡北部運動公園(もみじ平総合公園)整備。
防災系統:富岡北部運動公園の防災拠点としての活用。
景観構成系統:丘陵地里山樹林地や河川湖沼の水辺景観保全。製糸場・貫前神社・
中高瀬観音山遺跡周辺の緑の保全。
歴史的環境保全:製糸場、貫前神社、中高瀬観音山遺跡等の地域資源の保全。
緑地確保目標水準(平成 32 年):将来市街地に対して 8%(37ha)、都市計区域に対して 16%(332ha)
都市公園等整備目標(都市計画区域人口当たり):平成 22 年=48.1 ㎡/人、平成 32 年=63.1 ㎡/人
4
5
1−3
富岡甘楽広域市町村圏計画
本市は、下仁田町、南牧村、甘楽町とともに富岡甘楽広域市町村圏を形成し、この圏
域の中心・中核都市として位置づけられます。
富岡甘楽広域市町村圏振興整備組合は昭和 46 年(1971 年)に設立され、広域的に共
同処理した方が効率的な事務事業について、各種施策の展開等を行ってきています。広
域市町村圏計画の策定とこれに基づく事業実施についての連絡調整、広域消防体制の整
備と常備消防事務、母子生活支援、視聴覚ライブラリーや看護師養成所の設置及び管理、
救急医療対策補助事業、農業共済事業などです。
第四次富岡甘楽広域市町村圏計画は、平成 21 年度を目標とする 10 カ年計画として、
平成 12 年(2000 年)に策定されました。
このなかで圏域の将来については、地域の特性を踏まえつつ、豊かで多様な歴史的・
文化的資源を生かし、 良質な自然環境の中で地域福祉の充実した「環境福祉地域」の
形成を目指したい としています。それに向けた圏域づくりに関する施策の大綱は、次
のように示されています。
・都市機能の充実と農山村環境の整備
・交流による地域産業の活性化と雇用の確保
・少子高齢社会への対応と快適な居住環境の構築
・参加と連携による圏域の一体化
また、このような圏域づくりにおける富岡市の役割・位置づけについては次のように
謳われています。
富岡市は、本圏域の母都市として、雇用の場の拡大、商業の中心として、さらに高等
教育機関の設置等により母都市機能をさらに高めることが求められ、快適な都市的空間
の創出も求められる。
妙義町は、本圏域の都市近郊農業地域、食料生産基地としての役割をさらに高めて農
業の公益的機能を高める一方、妙義山を中心とした観光拠点としての機能を高めること
が求められよう。
地域的連携を強めながら圏域づくりを進めていくうえで、旧妙義町を含む富岡市は主
導的・中核的な役割を果たしていくことが必要とされました。
現時点においてもそのような位置づけにあり、役割を発揮していくことに変りはない
といえます。
6
1−4
富岡市総合計画
富岡市と妙義町の新設合併に伴い、「第 1 次富岡市総合計画」を策定しました。
自治体としての基本的な枠組みが変化したことに加え、少子高齢化、高度情報化、国
際化、深刻化する地球環境問題、市民の防犯・防災意識の高揚など、新たに直面する課
題等にも的確に対処して、施策を展開していくための指針とするものです。
計画の期間は、平成 20 年度から平成 27 年度までの 8 年度間です。
「第 1 次富岡市総合計画」では、本市全体の魅力を一体として高め、住みよいまちづ
くりを進めていくための基本理念として、三つの柱を設定しました。
1 誰もが安心・安全に暮らせるまちづくり
2 富岡製糸場を中心とした元気なまちづくり
3 市民・企業・行政の協働によるまちづくり
この理念を持ちつつ、多様で豊かな自然と文化遺産を守り育みながら、住み良さが実
感できるまちを目指しています。
富岡市の将来像とまちづくりの基本目標は次のとおりです。
● 将来像
人と自然と歴史が織りなす豊かなまち
●
とみおか
基本目標
1
2
3
4
5
豊かな自然に囲まれた暮らしやすさを誇れるまち
富岡製糸場から広がる元気と活力にあふれるまち
地域を愛する心と文化を育むまち
人びとが支え合い 誰もがいきいき元気なまち
市民とともに考え ともに歩むまち
富岡甘楽広域圏の政治・経済の中心・中核都市として、また西毛地域における一拠点
としての位置づけと役割を引き続き担いながら、生活、環境、さらに文化面でも一層の
質的向上を図っていくこととしています。
富岡市の将来人口等については、下記のような見通し(推計)です。
人口等の推計
単位:世帯、人
平成 17 年 平成 22 年 平成 27 年
世帯数
18,026
19,000
19,700
総人口
53,765
52,600
50,700
年齢別人口
年少人口
( 0〜14 歳)
7,538
7,000
6,200
生産年齢人口(15〜64 歳)
33,548
31,900
29,400
高齢人口
(65 歳〜 )
12,679
13,700
15,100
産業別人口
第 1 次産業
2,556
2,100
1,700
第 2 次産業
11,060
10,300
9,100
第 3 次産業
13,914
14,100
14,100
(計)
27,530
26,500
24,900
注:平成 17 年は国勢調査実数
7
1−5
富岡市まちづくり計画
富岡製糸場の世界遺産登録を目指すことは、市民をはじめ関係者の総意です。
いわゆる法定計画ではありませんが、富岡製糸場の世界遺産登録を見据えたまちづく
りを進めるため、平成 18 年 3 月に「富岡市まちづくり計画−地域資源を活かした持続
可能なまち」(富岡製糸場の世界遺産登録を見据えて)を策定しました。
富岡製糸場は国指定史跡となり、国の重要文化財にも指定されています。平成 19 年 1
月には世界遺産暫定リストに記載されました。正式登録に向けて大きな一歩が踏み出さ
れたことになります。
富岡製糸場は中心市街地にあります。それを活かした中心市街地の活性化や、道路等
の整備、景観形成や環境の保護・保全等は、登録の条件と整合のとれた内容であること
が必要です。すなわち、富岡製糸場周辺区域の環境や景観などが適切に保護・保全され
ていることも大きな前提条件となります。
「富岡市まちづくり計画」では、富岡製糸場周辺の環境や景観などが適切に保護・保
全されることが必要な区域を 緩衝地帯 (バッファゾーン)と呼んでいます。その考
え方は次のとおりです。
緩衝地帯を保護するためには、開発規制や世界遺産にふさわしいまちづくりを、制
度的にも作り上げる必要がある。そのため、景観法や景観条例などの関係法令により、
緩衝地帯としての範囲を設定し、景観のための規制をしたり、街並みの調和を図った
りする。
* 鏑川水系を中心に形成された河岸段丘や里山に囲まれた地形、都市構造を考慮する。
たとえば、富岡製糸場や組合製糸の甘楽社を意識した統一的な都市のコントロール
を行い、バイパスに独自色を出す。
* 富岡製糸場を背景とした街並みの意義や市街地として歴史を重ねてきた過程、街道
の歴史性などを考慮し、街並みの歴史はもちろん、道路の線形や歴史性などを保全
する。たとえば、姫街道に着目しながら、周辺の養蚕集落や関連施設と結びつけ、
地域の自然風景として馴染ませる。
* 歴史的な街並みを保全するための事業手法により、街並みの歴史や雰囲気を残し、
横丁の機能や景観を大事にする。広幅員の道路になれば、雰囲気が変わり、趣が壊
れてしまうので注意する。
* 緩衝地帯に、都市計画道路や区画整理区域が計画されていることは、開発と保全と
いう面から整合性が取れないため、まちづくり手法の検討が必要である。
* 景観法や景観条例などにより、建物の高さや壁面、色彩などの規制や誘導を図る。
「富岡市まちづくり計画」では、 緩衝地帯 の考え方を踏まえて、製糸場周辺の都市
構造や交通・道路のあり方についても、新たな提案を行っています。
緩衝地帯 が画定(区域の確定)しているわけではありませんが、半径 1 ㎞ぐらい
の範囲を見込むと、従前にその中で計画していた内容の見直しや調整を行うものも出て
くると思われます。
8
2
現状と各種条件等
2−1
自然的条件
(1)地形・地質・水系
本市は、関東平野の北西端に位置しています。
西端には妙義山(標高 1,104m)や大桁山(標高 836m)などがそびえ、また南端に
は稲含山に続く標高 1,000mに達する山嶺があります。これらの起伏の大きな険しい
山地から、東〜北東方向に向かって徐々に標高を下げ、丘陵地、平坦地が分布してい
ます。
平坦地は市域の中央東部に位置し、鏑川によって形成された河岸段丘面が広い範囲
を占めています。
この平坦地の標高は 150〜200mで、ほぼ東方向へ標高を下げる緩傾斜面となり、関
東平野へと続いていきます。本市の中心市街地は、ここに形成されています。
丘陵地は、平坦地の北(北東部丘陵地)と、西及び南の山地との中間域(西部丘陵
地、南部丘陵地)の三方に分布しています。標高差(比高)40〜80mのところが多く
なっています。
平坦地の地質は、第四紀沖積世の堆積物(砂礫・粘土等)が主で、一部鏑川沿いに
第三紀堆積層(福島層)が分布しています。
北東部丘陵地は、富岡層群(板鼻層、吉井層、福島層)と呼ばれる第三紀堆積層か
ら成っています。西部丘陵地には、第四紀の関東ローム層、第三紀堆積層の富岡層群
ならびに火成岩である花崗岩や安山岩が入り乱れるように混在分布しています。南部
丘陵地では、関東ローム層と富岡層群の分布が多くを占めるようです。
山地には古生層が広く分布し、主に変成岩である三波式変成岩や御荷鉾式変成岩で
構成されています。その中の妙義山は、今から 600〜700 万年前の第三紀中新生と呼ば
れる時代に安山岩類で形成された後、その安山岩質集塊岩や溶岩が、浸食や風化など
の自然の営力を受けて、奇岩怪石の現在の態様を見せるようになったものです。
河川は、上信地域から発した鏑川と妙義山系からの高田川が、ともに市域の中央部
を東流し、市の東端部で合流しています。これら二河川が、本市を流れる主要な河川
といえます。
その他の主な支川として、北東部丘陵地に星川、西部丘陵地には丹生川、南部丘陵
地・山地には野上川が流れ、いずれも鏑川と高田川に合流しています。
(2)気象・気候
年間の平均気温は 14.6℃(H13〜H19 の平均)、平成 19 年の最高平均気温は 33.6℃
(8 月)、最低平均気温が 0.0℃(1 月)となっています。
年間の降水量は平年では 1,000〜1,100 ㎜、平成 19 年は 9 月の台風の影響で 1,400
㎜を超えました。月別では通常 7 月と 9 月が多く 250〜300 ㎜、1・2 月は 20 ㎜以下に
なります。平成 19 年 9 月の 650.5 ㎜は平年の 2 倍以上です。降雪はまれです。年間降
水量の全国平均が 1,500〜1,600 ㎜といわれていますので、本市は少な目のようです。
12 月から 3 月の冬の乾燥期に、北西からの季節風が吹くときはやや寒冷に感じるこ
ともありますが、県内では穏やかな方であるといわれています。
9
総体的にみると暮らしやすい気象・気候条件のもとにあるといえます。
気象の状況
気温 ℃
平均
風速(m/s)
平成
降水量
湿度
最高
最低
年次
㎜
平均
平均
最大
%
平均
平均
13
14.5
20.0
9.8
71.0
1,287.5
2.1
22.5
14
14.7
20.1
10.0
67.7
1,138.5
2.1
19.8
15
14.2
19.2
9.8
69.3
914.5
2.0
21.5
16
15.1
20.7
10.1
67.2
1,090.5
2.0
21.8
17
14.2
19.5
9.5
66.7
937.5
2.1
23.2
18
14.5
19.4
10.4
69.0
1,103.0
2.0
23.9
19
15.0
20.4
10.3
66.3
1,414.0
2.0
22.8
1
4.6
10.0
0.0
59.4
16.5
2.2
19.0
2
5.8
11.6
0.4
55.3
7.5
2.6
19.7
3
7.8
14.1
2.1
52.0
22.0
2.7
18.7
4
11.9
17.4
6.3
65.3
41.0
2.0
18.6
平
24.7
12.4
50.3
76.0
2.2
17.5
成 5 18.4
19 6 22.4
27.6
17.9
71.6
65.5
1.8
12.2
年 7 23.4
27.3
20.1
81.4
278.0
1.5
11.3
月 8 27.9
33.6
23.4
69.7
105.0
1.5
16.3
別 9 23.8
28.4
20.4
78.3
650.5
1.6
22.8
10 16.8
21.5
12.9
72.3
125.5
1.6
12.2
11 10.8
16.0
6.3
65.7
10.0
2.0
14.9
12
6.3
12.0
1.3
63.7
16.5
2.1
15.6
資料:消防本部〔富岡市統計書 平成 18 年版、19 年版〕
天気(回)
晴
曇
234
215
194
230
228
183
236
24
24
22
19
21
17
8
23
13
21
19
25
101
112
123
101
106
139
98
5
3
7
9
7
12
18
5
12
7
9
4
雨
27
37
44
34
29
42
31
2
1
2
2
3
1
5
3
5
3
2
2
雪
3
1
4
1
2
1
‑
‑
‑
‑
‑
‑
‑
‑
‑
‑
‑
‑
‑
(3)自然的災害
本市は、県内では自然的災害に見舞われることが少ない方です。しかし、必ずしも
災害を受けにくい条件の下にあるわけではありません。
三方の丘陵地帯・山地帯の中や、平坦地との境界部(山際)には急傾斜のところが
多く、谷底部の比較的平坦なところでも未固結の堆積物で覆われた箇所が多くなって
います。鏑川や高田川などにも急流区間がありますし、支川はほとんどが急流河川で
す。風雨などについても、昨今 異常気象 が多くなり、予測が難しい状況です。つ
い先般、平成 19 年 9 月の台風 9 号来襲時にはそれが現実となり、河川の氾濫による浸
水等の大きな被害を受けました。
強い地震や豪雨などがあれば、崩壊や土砂流出が発生し、 災害 を受ける可能性(危
険性)があるところは、市内に多数箇所分布しています。
地震による山地災害の危険性をみると、いわゆる山腹・山体よりも山裾部分や丘陵
地の裾際部分に、「崩れやすい」ところが多く分布しています。
事前の監視・災害防止対策や、回避・低減の方策を施す箇所として考慮する必要が
あります。
10
富岡市において昭和 50 年以降発生した主な自然的災害の状況
災害種別
被害状況
備 考
干ばつ
田畑 1,605ha(被害程度 50%)
栽培地総面積の約 68%におよぶ。
風雨雹害
栽培地 473ha(被害程度 30〜50%)
栽培地総面積の約 30%におよぶ。
異常低温
S55.8.
被害 1,406ha(被害程度 30%)
栽培地総面積の約 52%におよぶ。
日照不足
死者 1人・住宅半壊 1棟・床上浸水3棟・
S56.8.
台風 15 号被害
被害総額 457,808 千円におよぶ。
床下浸水52棟・田畑冠水362.4ha・
公共施設(道路等を含む。)116 箇所
死者 1人・軽傷 4人・住宅全壊 2棟
被害総額 1,655,500千円におよぶ。
半壊 6棟・床上浸水 4棟・床下浸水112棟・
S57.8.
台風 10 号被害
(この災害により群馬県内に災害救助
田畑冠水 1,280ha・罹災世帯 382世帯・
法が適用された。)
公共施設(道路等を含む。) 273 箇所
床上浸水 1棟・床下浸水 6棟・田畑
台風 18 号被害
S57.9.
冠水 4.0ha・公共施設(道路等を含む。)74 箇所・ 被害総額 258,514 千円におよぶ。
罹災世帯 7 世帯
床下浸水12棟・田畑冠水 6.7ha・
S58.8.
台風 5.6 号被害
被害総額 448,149 千円におよぶ。
公共施設(道路等を含む。)51 箇所
田畑冠水 7.5ha・
S60.7.
台風 6 号被害
被害総額 33,114 千円におよぶ。
公共施設(道路等を含む。)32 箇所
床下浸水13棟・田畑冠水 4.7ha・
S61.9.
台風 15 号被害
被害総額 170,398 千円におよぶ。
公共施設(道路等を含む。)64 箇所
S63.6.
降雹・集中豪雨
桑、キウイフルーツ等被害面積 63.8ha
被害総額 10,031 千円におよぶ。
S63.7〜9. 長雨・低温
畑 188ha(被害程度 30〜80%)
S63.8.
集中豪雨
農道崩壊, 市道崩壊、山崩れ、河川崩壊等 40 箇所 被害総額 381,913 千円におよぶ。
H 元.7.
集中豪雨
農道崩壊, 市道崩壊等 26 箇所
被害総額 89,500 千円におよぶ。
集中豪雨
農道崩壊, 市道崩壊 7箇所
被害総額 8,700千円におよぶ。
H 元.8.
台風 17 号
農道崩壊, 市道崩壊等 9 箇所
被害総額 100,764 千円におよぶ。
コンニャク、ニラ、サトイモ、リンゴほか
被害総額 977,206千円におよぶ。
被害面積1,404ha
H2.7.
降雹
ガラスハウス被害
被害総額 12,000 千円におよぶ。
H2.7〜9.
干害
畑 142ha(被害程度 30〜90%)
H3.5.
晩霜
桑、ばれいしょなど畑 50ha
被害総額 41,764 千円におよぶ。
市道土留崩壊、河川崩壊11箇所
H3.8.
台風 12 号
被害総額 83,218 千円におよぶ。
甘楽多野用水路崩壊
H5.7.
低温・冷害
田畑 128ha(被害程度 30〜90%)
H5.8.
台風 11 号
農道崩壊 3 箇所
被害総額 7,595 千円におよぶ。
集中豪雨
農道法面の崩壊、温室ハウスの全壊
被害総額 2,130 千円におよぶ。
H6.7.
干害
畑 204ha(被害程度 30〜90%)
H6.9.
集中豪雨
農道崩壊、市道崩壊等 11 箇所
被害総額 35,000 千円におよぶ。
H8.7.
降雹
畑 320ha(被害程度 30〜90%)
H10.8.
集中豪雨
市道路肩崩壊 3 箇所
住宅一部損壊1棟、床上浸水2棟
H10.9.
台風 5 号
被害総額 60,267 千円におよぶ。
床下浸水18世帯、田畑冠水121ha
市道・農道崩壊等 69 箇所、崖崩れ 12 箇所
床下浸水5世帯、崖崩れ7箇所
H11.8.
集中豪雨
市道・農道崩壊等80箇所、公園等文教
被害総額 106,420 千円におよぶ。
施設・水道施設等多数
H12.9.
集中豪雨
床下浸水4棟、3世帯
H13.8.
台風 11 号
床下浸水1棟、1世帯
死者2名、重傷者1名、軽傷者2名
床下浸水19棟、19世帯、崖崩れ27箇所
H13.9.
台風 15 号
被害総額 68,862 千円におよぶ。
道路路肩崩壊12箇所、鉄道不通4個所
河川護岸崩壊3箇所
H14.7.
台風6号
畦畔の崩壊 10 箇所、 ため池護岸崩壊2箇所
被害総額 1,500 千円におよぶ。
屋根瓦被害3軒、とうもろこし倒伏1a、
H14.8.
降雹
パイプハウス一部損壊1件
負傷 1 名、住家半壊 1 棟、住家一部損壊 1 棟、
災害対策本部設置
H19.9.
台風 9 号
非住家半壊 2 棟、床上浸水 35 棟、床下浸水 48 棟、
上信電鉄南蛇井〜下仁田間不通(9/7〜10/22)
田畑 66.6ha、その他土砂崩壊等による道路被害多
資料:富岡市地域防災計画・資料編(H18)、市農林課(富岡市統計書 H18、H19)、県消防防災課災害情報(H19.台風 9 号被害)など。
年月
S53.7.
S54.7.
11
自然的災害の危険区域(砂防基礎調査や地域防災計画等で示されたもの)
予想災害
水害
土砂災害
急傾斜地
崩壊
地すべり
土石流
山地災害
内容(区域・箇所)
とくに影響する区域 8 箇所
鏑川右岸下高瀬など
重要水防区域 12 箇所、区間延長計 3,940m 鏑橋上流側左岸など
下黒岩 8 箇所、
急傾斜地崩壊危険区域 203 箇所
神成 13 箇所など
地すべり危険区域 12 箇所
上黒岩打越 12.1ha など
土石流危険渓流 84 箇所
南後箇涸沢川など
山腹崩壊危険地区 24 箇所
旧富岡 18、旧妙義 6
崩壊土砂流出危険地区 52 箇所
旧富岡 30、旧妙義 22
備考(出典等)
地域防災計画(H18 年度)
水防計画(H18 年度)
砂防基礎調査及び
土砂災害危険箇所図(富岡市分)
〔H18.3 県土整備局砂防課〕
地域防災計画(H18 年度)
群馬県地域防災計画
N
地震による山地災害の危険性分布図
出典:「群馬県の地震による山地災害マップ」
崩れ
にくい
(群馬県森林保全課HP)
12
崩れ
やすい
急傾斜地崩壊や土石流などの土砂災害危険箇所は、市内に 299 箇所分布しています。
これらについては群馬県により砂防基礎調査が実施され、
「土砂災害警戒区域等にお
ける土砂災害防止対策の推進に関する法律(平成 12 年法律第 57 号)」に基づいて、平
成 20 年 5 月末時点で 36 地区 273 箇所の「土砂災害警戒区域」が指定されています。
「土砂災害警戒区域」のうち、急傾斜地の崩壊等が発生した場合には建築物に損壊
が生じ住民等の生命又は身体に著しい危害が生ずるおそれがあると認められる土地の
区域で、一定の開発行為の制限及び居室を有する建築物の構造の規制をすべき土地の
区域は「土砂災害特別警戒区域」に指定されますが、273 箇所の 9 割に相当する 249
箇所が指定されています。
本市における平成 20 年 5 月末時点での土砂災害警戒区域等の指定状況を、以下の表
及び図(図 1〜図 7)に示します。
13
土砂災害警戒区域及び土砂災害特別警戒区域指定箇所一覧表
(平成 18 年 3 月 24 日群馬県告示第 221 号、平成 20 年 5 月 13 日群馬県告示第 226 号)
区分
計
地すべり
土石流
急傾斜地
の崩壊
土砂災害特別警戒区域
(土砂災害の種類)
計
地すべり
土石流
急傾斜地
の崩壊
土砂災害警戒区域
(土砂災害の種類)
単位:箇所
備
考
指定地区
中高瀬
下黒岩
黒川
一ノ宮
内匠
富岡
宇田
別保
七日市
9 地区計
相野田
君川
上黒岩
星田
上高尾
下高尾
藤木
桑原
小桑原
蕨
小野
後賀
南蛇井
中沢
神成
宮崎
大島
野上
岩染
南後箇
岡本
上丹生
下岩染
下丹生
原
蚊沼
上岩染
27 地区計
36 地区合計
1
8
5
2
3
2
1
2
1
−
3
7
2
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
1
11
12
4
3
2
1
2
1
1
8
4
1
3
2
1
1
−
−
3
7
2
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
1
11
11
3
3
2
1
1
−
25
12
−
37
21
12
−
33
4
5
31
4
4
4
8
7
6
12
6
2
16
6
13
3
2
14
6
7
8
6
1
2
5
2
3
−
−
8
3
4
−
5
−
−
1
−
1
10
2
2
−
−
6
3
4
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
4
5
39
7
8
4
13
7
6
13
6
3
26
8
15
3
2
20
9
11
8
6
1
2
5
2
3
4
5
31
4
4
4
8
7
6
11
6
2
16
6
13
3
2
14
6
7
8
6
1
2
5
2
3
−
−
2
2
3
−
2
−
−
−
−
1
7
2
1
−
−
6
3
1
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
4
5
33
6
7
4
10
7
6
11
6
3
23
8
14
3
2
20
9
8
8
6
1
2
5
2
3
187
49
−
236
186
30
−
216
212
61
−
273
207
42
−
249
14
図 1 参照
〃
〃
〃
〃
〃
〃
〃
〃
群馬県告示
第 221 号
図 4 参照
図 7 参照
図 5 参照
図 7 参照
図 4 参照
〃
〃
〃
〃
〃
〃
〃
図 2 参照
〃
〃
〃
図 3 参照
〃
〃
〃
〃
図 6 参照
図 3 参照
図 6 参照
図 4 参照
図 2 参照
図 3 参照
群馬県告示
第 226 号
土砂災害警戒区域等指定箇所図
(出典:群馬県県土整備部砂防課HP−土砂災害警戒区域等概略位置図)
図1
図2
15
図3
図4
16
図5
図6
17
図7
18
2−2
社会・経済的条件
(1)歴史的沿革
1)沿革
縄文時代中期の土器が多数発見され、縄文後期や弥生時代の埋蔵遺跡なども見つか
っていることから、古くからこの地が人々の生活の舞台であったことがわかります。
中高瀬観音山遺跡(国指定史跡)は、弥生時代の終わり頃に 100 軒以上もの住居や建
物が集中して建てられていたことを示しています。
古墳時代の前方後円墳や小規模の群集墳もあり、4 世紀末〜5 世紀初頭のものと考え
られる北山茶臼山古墳は、当時の一大権力者の君臨を伺わせるものです。
国指定重要文化財の妙義神社や貫前神社は、6 世紀初めの創建といわれていますが、
この頃の古代の富岡市を含む一帯は、「甘牟良」(かむら)と呼ばれていたようで、大
陸からの渡来人も住みつくところとなり、東国文化発祥の地ともいわれ、考古学的に
も重要な地域とされています。
江戸時代に幕府の直轄領となり、砥沢村(現南牧村砥沢)から産出される砥石を江
戸へ輸送するための中継地として、まちづくりと新田開発が進められました。「富岡」
という地名は、このまちづくり(町割り)がほぼできあがった元和 3 年(1617 年)に
名付けられました。同じ頃七日市藩も創設されています。
町ができると「市」が開かれ、近郷近在から絹や生糸も集められ、取引も盛んにな
ります。江戸初期のまちづくりと新田開発は、その後の富岡の絹市場として発展・繁
栄をもたらす基盤を築いたものといえそうです。
官営富岡製糸場が富岡に創設されたのは、1872 年(明治 5 年)のことです。このこ
とにより、我が国を代表する生糸の町としての位置づけが高まり、関東山麓機業地帯
における西毛の中核都市としての成長を続けていくことになりました。
2)行政区域等の変遷
1878 年(明治 11 年) : 郡区町村編成により、当地の古代からの呼称である「甘楽郡」を踏まえて「北甘
楽郡」に編入されました。別に「南甘楽郡」も誕生しています。
1889 年(明治 22 年) : 町村制の施行により、北甘楽郡に富岡町、一ノ宮町、福島町、小野村、黒岩村、
高瀬村、額部村、吉田村、丹生村、妙義町、高田村が誕生しました。
1936 年(昭和 11 年) : 富岡町に当時の都市計画区域として 610ha が指定されました。
1950 年(昭和 25 年) : 「北甘楽郡」が「甘楽郡」に改称されました。
1954 年(昭和 29 年) : 甘楽郡の 1 町 4 村(一ノ宮町、小野村、黒岩村、高瀬村、額部村)が甘楽郡富岡
町に編入され、同時に市制を施行して富岡市となりました。
この時の富岡市の面積は 6,510ha、人口は 37,563 人でした。
1955 年(昭和 30 年) : 妙義町と高田村が新設合併し、新・妙義町が誕生しています。
富岡市は吉田村を編入しました。
1959 年(昭和 34 年) : 富岡市は福島町の一部(田篠、星田、君川)を編入しました。
1960 年(昭和 35 年) : 国勢調査による人口集中地区は、面積 180ha、人口 15,160 人となっています。
富岡市は丹生村を編入しました。この年に旧・都市計画法による用途地域 202ha
を指定しました。また、都市計画区域を全市域(9,363ha)に変更しています。
1969 年(昭和 44 年) : 富岡市の都市計画区域を 2,093ha に変更しました。
1971 年(昭和 46 年) : 富岡市、妙義町を含めて富岡甘楽広域市町村圏振興整備組合が発足しました。
1973 年(昭和 48 年) : 富岡市の用途地域を 224.4ha に変更しました。
1978 年(昭和 53 年) : 富岡市の用途地域を 383.0ha に変更しました。
1996 年(平成 8 年) : 新しい区分によって用途地域 479 ha を指定しました。
2006 年(平成 18 年) : 3 月 27 日に富岡市と妙義町は新設合併し、現在の「富岡市」が誕生しました。
19
(2)人口・世帯
1)総人口・世帯
平成 17 年の人口は 53,765 人、世帯数は 18,026 世帯、1世帯当たりの人口は 2.98
人です。
人口は減少傾向にありますが、世帯数は増加が続いています。従って、一世帯当た
りの人口は小さくなり、世帯分離や核家族化が進行していることがわかります。
人、世帯
60,000
人口と世帯数の推移
54,435
54,259
50,000
54,401
人
4.00
53,765
3.50
3.55
3.37
40,000
3.18
2.98
3.00
2.50
30,000
18,026
17,130
16,138
15,299
20,000
2.00
1.50
10,000
1.00
0
平成2年
平成7年
人口
平成12年
世帯
平成17年
1世帯当たり人口
資料:国勢調査
2)年齢 3 区分別人口
構成比をみると、15 歳未満が平成 2 年の 19.1%から平成 17 年の 14.0%と、5 ポイ
ント減少し、65 歳以上で同じ 15 年間に 14.9%から 23.6%と、9 ポイント近く増加し
ています。少子高齢化が進んでいます。
平成 17 年について県全体の構成比と比較すると、15 歳未満が県の 14.4%より低く、
65 歳以上は県の 20.6%より 3 ポイント高くなっています 。
年齢3区分別人口の構成比の推移
19.1%
平成2年
66.1%
16.5%
平成7年
平成12年
15.1%
平成17年
14.0%
群馬県
平成17年
14.4%
0%
14.9%
65.3%
18.1%
63.9%
21.0%
62.4%
23.6%
64.9%
20%
15歳未満
40%
20.6%
60%
15〜64歳
80%
100%
65歳以上
資料:国勢調査
20
(3)産業
1)産業別就業人口
就業人口比率(構成比)では、第 1 次産業と第 2 次産業とで縮小傾向をみせ、第 3
次産業が拡大しています。
平成 17 年について県全体の比率と比較すると、第 1 次・2 次産業の占める割合が高
く、第 3 次産業の占める割合は低くなっています。
産業別就業人口比率の推移
15.9%
平成2年
44.6%
12.0%
平成7年
平成12年
10.3%
平成17年
9.3%
群馬県
平成17年
6.6%
39.5%
43.4%
44.6%
43.2%
46.5%
40.2%
50.5%
33.0%
0%
60.4%
20%
40%
第1次産業
60%
80%
第2次産業
100%
第3次産業
資料:国勢調査
2)農業
総農家数は、平成 2 年から平成 17 年にかけて、800 戸減少しました。
地域農業の主な担い手である専業農家数も、同じ期間に 211 戸減少していますが、
最近の 5 年間では逆に微増しています。かつての縮小・減少という右下がりの傾向は、
横這いに転じてきたように見えます。
農家数と専業農家数等の推移
4,000
戸
22.0%
20.8%
3,178
3,000
20.0%
2,739
2,501
2,378
18.4%
19.0%
18.0%
2,000
17.4%
1,000
16.0%
662
504
451
435
14.0%
0
平成2年
平成7年
農家数
平成12年
専業農家数
平成17年
専業農家率
資料:群馬県統計課農林業センサス
21
3)工業(製造業)
製造業事業所数(工場数)は、平成 2 年から平成 18 年にかけて、160 工場減少しま
した。従業員数も、1,119 人減少しています。
一方、製造品出荷額等は、平成 18 年が 3,066 億円で、平成 2 年より 961 億円増加し
ています。
事業所数、従業員数、製造品出荷額等の推移
事業所
人、千万円
35,000
451
30,000
25,000
30,659
29,413
406
21,051
359
20,748
20,000
291
22,467
314
8,945
8,092
15,000
10,000
9,321
8,574
8,202
5,000
0
平成2年
平成7年
従業員数
平成12年
製造品出荷額等
平成17年
500
450
400
350
300
250
200
150
100
50
0
平成18年
事業所数
資料:群馬県統計課工業統計調査(従業員 4 人以上の事業所)
4)商業
商店数は、平成 19 年が 636 店で、昭和 63 年より 321 店減少しています。
従業員数は微増傾向を示してきましたが、平成 19 年は 16 年より 387 人減少(10%
減)しました。
年間販売額は、平成になってしばらくは増加しましたが、平成 16 年〜19 年では昭
和 63 年の販売額をやや上回る 700 億円前後で推移しています。
商店数、従業員数、年間商品販売額
人、千万円
店
10,000
9,000
8,000
7,000
6,000
5,000
4,000
3,000
2,000
1,000
0
1,200
9,000
957
7,922
1,000
816
6,627
850
3,568
3,665
7,026
6,976
712
636
3,860
800
600
3,890
3,503
400
200
0
昭和63年
平成6年
従業員数
平成11年
年間商品販売額
平成16年
平成19年
商店数
資料:群馬県統計課商業統計調査
22
5)観光
本市の観光客入込数は、12 年間に 80 万人以上増加しました。ほぼ 7 割増です。
入込数の伸び率は県全体よりも大きく、従って全県に占める割合も高まってきてい
ます。平成 18 年度には初めて 3%を超えました。
富岡市観光客入込状況
富岡市
群馬県
伸び率
入込数(人)
年度
H7=1.00
平成 7 年度
1,213,300
1.00
平成 8 年度
1,392,000
1.15
平成 9 年度
1,537,000
1.27
平成 10 年度
1,449,200
1.19
平成 11 年度
1,583,100
1.30
平成 12 年度
1,604,900
1.32
平成 13 年度
1,788,500
1.47
平成 14 年度
1,813,700
1.49
平成 15 年度
1,793,400
1.48
平成 16 年度
1,726,800
1.42
平成 17 年度
1,811,700
1.49
平成 18 年度
2,047,500
1.69
平成 19 年度
2,024,100
1.67
資料:群馬県観光国際課・観光統計調査
入込数(人)
53,683,400
55,362,700
56,864,300
58,594,900
62,026,600
62,604,100
66,348,300
64,264,400
64,190,200
60,774,200
62,062,500
62,154,900
60,587,100
(参考)
伸び率
H7=1.00
1.00
1.03
1.06
1.09
1.16
1.17
1.24
1.20
1.20
1.13
1.16
1.16
1.13
全県に占める
富岡市の割合
2.26%
2.51%
2.70%
2.47%
2.55%
2.56%
2.70%
2.82%
2.79%
2.84%
2.92%
3.29%
3.34%
観光客入込数の推移
(千人)
2,500
2,048
2,000
1,500
2,024
1,812
1,605
1,213
1,000
500
0
7
8
9
10
11
12 13 14 15
(平成・年度)
23
16
17
18
19
6)産業活動の水準
本市人口の県計に占める割合は 2.66%です。この人口比率(占有率)を一種の水準
値(相対的な活動量の目安)とみなして、産業活動に関する各指標の県計に占める本
市の割合を対比させてみました。
各指標の県計に占める本市の割合をみると、農業や工業、観光は 占有率 が高い
水準にありますが、商業は低い水準となります。
産業活動の水準
指
人
農業
工業
標
観光
本市
群馬県合計
県計に占める
資 料
本市の割合(%)
2.66 H17 年国勢調査
口
人
53,765
2,024,135
農家数
戸
2,378
62,715
専業農家数
戸
451
10,601
事業所数
箇所
291
6,405
4.54
従業者数
人
8,202
212,420
3.86
億円
3,066
77,761
3.94
製造品出荷額等
商業
(単位)
3.79 H17 年農業センサス
4.25 (県統計課)
商店数
店
636
24,771
2.57
従業員数
人
3,503
169,896
2.06
1.03
年間商品販売額
億円
703
68,300
観光客入込数
万人
202.4
6,058.7
24
H18 年工業統計調査
(県統計課)
H19 年商業統計調査
(県統計課)
3.34 H19 年度県観光国際課統計調査
(4)交通・交流
1)公共交通機関
市内の公共交通機関としては、鉄道(上信電鉄㈱上信線)と乗合タクシー(上信ハ
イヤー㈱)をあげることができます。
上信線は高崎と下仁田を結び、中心市街地を含む市のほぼ中央部を東西に通ってい
ます。市内には 8 駅が設けられ、上州富岡〜高崎間は一日に 31 便(往復)、上州富岡
〜下仁田間は 28 便(往復)運行されています。朝夕の通勤時間帯以外は上下とも 1 時
間に 1 便の運行で、全便各駅停車です。主に市外との通勤や通学の足として利用され
ていますが、乗降客数(利用者数)は毎年減少する傾向を示しています。
上信線の市内各駅別輸送実績(乗車人員)
平成
上州七日市 上州一ノ宮
神農原
東富岡
上州富岡
西富岡
年度
13
106,213
228,972
87,565
130,609
84,417
53,131
14
97,755
207,154
84,689
123,735
84,109
51,238
15
93,946
198,650
74,848
113,059
83,194
49,502
16
89,939
188,487
73,306
114,825
78,497
47,982
17
89,528
185,485
69,042
111,620
74,843
53,323
18
83,452
177,631
65,831
101,947
68,779
43,105
資料:上信電鉄㈱〔富岡市統計書 平成 18 年版、19 年版〕
単位:人
南蛇井
58,807
54,403
51,884
46,481
43,404
48,334
千平
15,652
15,391
13,849
11,867
11,687
10,982
乗合タクシー(10 人乗りの 1BOXカー)は、いわば路線バスに相当するといえるも
ので、平成 6 年から上信ハイヤー㈱により上州富岡駅前を起点として、7 路線が運行
されています。
自由乗降区間を設けて、市内の主要な公共機関や生活拠点・文化観光施設等を巡る
ユニークな運営が行われ、 ふれあいタクシー とも呼ばれますが、利用者数は減って
きています。
出典資料:生活環境課HP
25
乗合タクシー路線別利用状況
丹生線
小野線
黒岩線
岡本線
那須線
野上線
平成
富岡駅〜
富岡駅〜
富岡駅〜
富岡駅〜
富岡駅〜
富岡駅〜
年度
岡部温故館
須山
総合公園
額部公民館
宮城
福島〜那須
13
11,829
9,084
8,527
12,913
9,871
15,881
14
11,407
6,631
7,433
11,079
8,965
14,239
15
11,008
5,674
6,795
9,917
6,937
12,788
16
9,502
5,232
5,674
7,977
6,445
13,066
17
8,707
4,931
5,460
8,231
6,291
11,351
18
8,036
4,854
3,559
4,975
5,478
10,068
資料:上信ハイヤー㈱ 〔富岡市統計書 平成 18 年版、19 年版〕
単位:人
菅原線
富岡駅〜
菅原
16,982
16,464
14,974
13,282
12,970
12,911
総数
85,087
76,218
68,093
61,178
57,941
49,877
2)自動車台数
市内の、軽自動車等を含む自動車の総合計台数は、最近の 6〜7 年ほぼ 5 万台で推移
してきています。このうち、「乗用車」(普通乗用車、小型乗用車、軽四輪乗用車)が
全体の 60%強を占めています。
「乗用車」の普及という観点からみても、その台数(31,410 台〔H19.4.1 現在〕)は
世帯数(18,937 世帯〔H19.10.1 現在〕)をはるかに上回り、一家に 2 台(1.659 台/
世帯)が現実であることを示しています。とくに軽四輪乗用車は年間平均で 500 台以
上の増加を見せ、その勢いも衰えていません。
参考:平成 18 年度末時点の我が国の「乗用車」普及状況(1 世帯当たり台数)
1 位:福井県 1.758、 2 位:富山県 1.735、 3 位:群馬県 1.706、 全国 1.112
公共交通機関の利用が漸減傾向を見せる中で、軽四輪乗用車の普及増を主とする「乗
用車」の伸びは逆相関の関係にあるように見えます。市民の日常の移動手段は「乗用
車」に代わってしまっていることを伺わせるものです。
平成
年度
13
14
15
16
17
18
19
総数
27,588
27,189
27,115
26,484
26,191
25,910
25,505
自動車税課税台数
普通
貨物車
乗合車
1,211
94
1,141
90
1,126
90
1,101
86
1,059
87
1,033
84
1,057
86
単位:台
小型
乗用車
7,644
8,041
8,258
8,424
8,604
8,712
8,694
貨物車
2,574
2,389
2,290
2,136
2,054
1,998
1,912
乗用車
15,483
14,953
14,775
14,224
13,916
13,635
13,333
特殊車
582
575
576
513
471
448
423
資料:富岡県税事務所〔富岡市統計書 平成 18 年版、19 年版〕
平成
年度
13
14
15
16
17
18
19
総数
22,776
23,067
23,285
23,593
23,571
24,267
24,849
軽自動車等登録台数
原動機付
小型特殊
自転車
(〜125 ㏄) (農耕用等)
4,531
2,234
4,385
2,235
4,241
2,219
4,105
2,231
3,938
2,233
3,818
2,236
3,714
2,233
二(三)輪車
(126〜250 ㏄)
727
725
739
753
766
800
830
資料:税務課〔富岡市統計書 平成 18 年版、19 年版〕
26
単位:台 (各年 4 月 1 日現在)
軽自動車
二輪
小型
四輪車
貨物
乗用
(251 ㏄〜)
8,460
6,041
783
8,304
6,606
812
8,221
7,032
831
8,049
7,598
855
7,835
7,919
882
7,844
8,671
898
7,769
9,383
920
3)通勤・通学流動
市内に常住する従業者・通学者のうち、約 30%の人が市外へ行っています。この流
出者の人数と割合は、ともに大きくなる傾向を見せています。
市内で従業・就学している人の、約 30%は他市町村から来ています。市外からの流
入者は一時期増えましたが、平成 17 年では微減しています。割合では、大きな変化が
ありません。
通勤・通学流動の人数からみた平成 17 年の「昼」と「夜」の状況は、ほとんど同じ
です。流出者数と流入者数がほぼ同一ということです。
流出先では高崎市が圧倒的に多く、次いで安中市、甘楽町、下仁田町の順です。流
入元では、隣接の甘楽町が最多ですが、高崎市と安中市も増え続けています。
通勤・通学流動からみた本市の 中心性 (求心力又は吸収力)は、あまり強いもの
とはいえないようです。
① 常住地による従業者及び通学者(夜間ベース)
単位:人
平成 7 年
平成 12 年
平成 17 年
備考
市内常住の従業者・通学者
合計
32,199
31,348
30,070
夜間の状態
市内に常住し市内に従業・通学する者
23,220
22,215
20,659
市内に滞在
他市町村へ従業・通学する者
(流出者計)
8,979
9,133
9,411
市外へ流出
② 従業地・通学地による従業者及び通学者(昼間ベース)
単位:人
平成 7 年
平成 12 年
平成 17 年
備考
市内で従業・通学する者
合計
31,382
31,827
30,068
昼間の状態
市内に常住し市内に従業・通学する者
23,220
22,215
20,659
市内に滞在
他市町村から従業・通学してくる者 (流入者計)
8,162
9,612
9,409 市外から流入
20,659
30,070
③
20,659
他市町村へ従業・通学(富岡市から他市町村へ流出)
順位
1位
2位
3位
4位
5位
6 位以下計
流出者合計
④
30,068
9,411
平成 7 年
流出先
流出者数
高崎市
2,837
安中市
1,622
甘楽町
913
下仁田町
835
吉井町
772
その他
2,000
8,979
平成 12 年
流出先
流出者数
高崎市
2,779
安中市
1,705
甘楽町
1,063
下仁田町
811
前橋市
723
その他
2,052
9,133
他市町村から従業・通学(他市町村から富岡市へ流入)
順位
1位
2位
3位
4位
5位
6 位以下計
流入者合計
平成 7 年
流入元
流入者数
甘楽町
1,852
安中市
1,308
下仁田町
1,246
高崎市
1,202
吉井町
1,037
その他
1,517
8,162
平成 12 年
流入元
流入者数
甘楽町
1,914
高崎市
1,711
安中市
1,653
下仁田町
1,246
吉井町
1,166
その他
1,922
9,612
9,409
流出者数の単位:人
平成 17 年
流出先
流出者数
高崎市
2,741
安中市
1,589
甘楽町
1,178
下仁田町
826
前橋市
793
その他
2,284
9,411
流入者数の単位:人
平成 17 年
流入元
流入者数
甘楽町
1,872
高崎市
1,818
安中市
1,708
下仁田町
1,098
吉井町
1,092
その他
1,821
9,409
資料:国勢調査(各年次の調査時点〔10 月 1 日〕で、15 歳以上の就業者及び就学者が集計対象)
注:各調査年次の値は、合併後の新しい「富岡市」に組み替えて集計したものである。
「流出先」「流入元」の市町村についても、昨今の合併等を考慮して組み替えた。
27
(5)土地利用
本市全体の土地利用を概観すると、三方が山地及び丘陵地で山林が広がり、丘陵地
帯の中の谷底部と河川沿いや河岸段丘上に畑地や水田等の農用地が分布します。集落
地を含む宅地は、農用地の中に点在するように分布しますが、中心部の富岡や七日市
は連担して市街地となっています。その他、丘陵地上にゴルフ場などのレクリエーシ
ョン用地も多数あって、意外に目立つ利用です。
大雑把にみて、山林が 40%弱(林野面積 4,570ha)、農用地が 20%強(耕地面積
2,740ha)、河川や湖沼が 5%弱(図上推定 570ha)など自然的な土地利用が 65%、宅
地や道路、公園やレクリエーション用地などの都市的土地利用が 35%、といった状況
です。
経年的な変化動向を課税地積でみると、住宅用地をはじめとする宅地が増え、水田
や畑地などの農用地が減少しています。全市世帯数の増加動向と農家数の減少傾向に
連動するかのようです。
各年 1 月 1 日現在、単位:㎞ 2
地目別土地面積
平成
年次
宅地
区域
総数
計
商業地
住宅地
工業地
村落地
免税点
未満
田
畑
山林
原野
雑種地
等
(富)
94.14
9.85
0.06
2.20
0.97
6.55
0.07
6.88
18.78
18.95
2.47
37.21
(妙)
28.76
1.04
‑
‑
‑
1.01
0.03
2.23
3.61
5.33
0.97
15.58
富岡 122.90 10.89 0.06 2.20 0.97 7.56 0.10 9.11 22.39 24.28 3.44 52.79
(富)
94.14
9.96
0.06
2.20
0.97
6.65
0.07
6.84
18.70
18.94
2.47
37.23
15
(妙)
28.76
1.06
‑
‑
‑
1.03
0.03
2.21
3.61
5.33
0.95
15.60
富岡 122.90 11.02 0.06 2.20 0.97 7.68 0.10 9.05 22.31 24.27 3.42 52.83
(富)
94.14
10.08
0.06
2.23
0.97
6.75
0.07
6.82
18.64
22.14
2.47
33.99
16
(妙)
28.76
1.06
‑
‑
‑
1.03
0.03
2.21
3.60
5.33
0.95
15.61
富岡 122.90 11.14 0.06 2.23 0.97 7.78 0.10 9.03 22.24 27.47 3.42 49.60
(富)
94.14
10.13
0.06
2.24
0.97
6.80
0.07
6.79
18.57
22.15
2.46
34.04
17
(妙)
28.76
1.06
‑
‑
‑
1.04
0.02
2.21
3.58
5.57
0.95
15.39
富岡 122.90 11.19 0.06 2.24 0.97 7.84 0.09 9.00 22.15 27.72 3.41 49.43
(富)
94.14
10.18
0.06
2.25
0.94
6.87
0.06
6.74
18.49
22.15
2.46
34.12
18
(妙)
28.76
1.07
‑
‑
‑
1.05
0.02
2.20
3.57
5.57
0.95
15.40
富岡 122.90 11.25 0.06 2.25 0.94 7.92 0.08 8.94 22.06 27.72 3.41 49.52
19
富岡 122.90 11.37 0.06 2.27 0.94 8.03 0.07 8.92 21.95 27.72 3.41 49.53
都市計画区域
20.93 7.11 0.72 4.59 0.81
‥
‥ 1.09 6.59 1.92
‥
‥
(H18 年度)
資料:税務課〔富岡市統計書 平成 18 年版、19 年版〕、都市計画課
注:表中最下段の都市計画区域の地目別面積は、都市計画基礎調査による 区分相当 値を
参考までに記入したものである。地目の定義・区分対象が異なるため単純比較はできない。
14
(6)法的指定地域
都市計画法や文化財保護法に基づく指定以外では、一部に保安林指定区域と妙義山に自然公園区域(国定公園)
の指定があります。また、用途地域の指定区域外の広い範囲が農業振興地域に指定されています。
農業振興地域のうち、平坦地の水田や畑地の多くは「農用地区域」に指定されてい
ますが、とくに国・県道沿いでは、宅地開発等に伴う指定解除も多数みられます。
28
2−3
都市的条件と都市施設整備等の状況
(1)市街地等の状況
1)都市計画区域と用途地域
都市計画区域は、富岡・七日市・一ノ宮地区をはじめとする市の中央の地域に設定
しています。区域の面積は 2,093ha で全市面積の 17%を占め、このなかに全市人口の
ほぼ 6 割に相当する約 3 万 3 千人の人々が住んでいます。
用途地域の指定は 479ha です。このうち住居系用途地域が 79%、商業系用途地域が
9%、工業系用途地域が 12%となっています。
区域区分(市街化区域・市街化調整区域の区分)は行っていません。また、特別用
途地区などの指定もありません。
都市計画区域・用途地域
面 積 (ha)
区域・地域区分
〔構成比〕
行政区域 a
DID(人口集中地区) b
都市計画区域 c
用途地域 d
12,290
人口
H17 国調 H19.8.1
備 考
53,765
54,132
367 b/a 03.0%
13,357
2,093 c/a 17.0%
33,245
479 d/c 22.9%
16,621
− 面積は国調 H17.10.1
S44.5.20 決定
33,200
H11.8.24 最終決定
H8.5.31 決定
16,700
H15.4.1 最終決定
第一種低層住居専用地域
4
(0.8%)
第二種低層住居専用地域
−
−
指定なし
第一種中高層住居専用地域
163
(34.0%)
第二種中高層住居専用地域
−
−
指定なし
第一種住居地域
158
(33.0%)
第二種住居地域
27
( 5.6%)
準住居地域
26
( 5.5%)
近隣商業地域
14
( 2.9%)
商業地域
28
( 5.8%)
準工業地域
43
( 9.0%)
工業地域
−
−
指定なし
工業専用地域
16
( 3.4%)
注:各用途地域の面積構成比( )内値は、用途地域指定全体面積 479ha に占める割合である。
29
30
2)人口集中地区
国勢調査による人口集中地区は、実質的な 市街地 といえるものですが、本市では用途地
域指定範囲のやや内側に区分されています。
地区の範囲(面積)に大きな変化はみられませんが、地区内人口が減少してきています。
人口集中地区(DID)の推移
DID 人口(人)
DID 面積(ha)
S60 年
H 2年
H 7年
H12 年
H17 年
16,633
15,531
14,933
13,832
13,357
350
350
390
367
367
DID 人口密度(人/ ha)
備
考
47.5
44.4
38.7
37.7
36.4
資料:国勢調査(各年 10 月 1 日現在)
注:国勢調査において、人口密度が 40 人/ha 以上の基本単位区(調査区)が互いに隣接
して、その連担(連続して繋がった)した区域全体の総人口が 5,000 人以上である
場合に、「人口集中地区」となる。
人口密度が基準以下であっても、基本単位区(調査区)が工業地、商業業務地、都
市公園などの都市的土地利用である場合には、人口集中地区に含めるので、全体の
人口密度が 40 人/ha を下回ることがある。
人口集中地区は「DID」と表されるが、 Densely Inhabited District の略記である。
図
人口集中地区(DID)
31
3)都市計画区域内の土地利用
都市計画区域内では、宅地等の都市的土地利用が 46%、山林・農地等の自然的土地
利用が 54%となっています。宅地化率は 34%です。
用途地域指定範囲内にも農地が多く分布し、中心市街地の縁辺部に相当するところでは宅地
とのスプロール的な混在状態が見られます。
用途地域の範囲外でも、商業業務系や工業系の塊状の土地利用がみられます。とくにバイパ
ス沿いには大規模店舗等の進出立地が目立ち、沿線地域の宅地化が著しいようです。
都市計画区域内の土地利用
区域・利用区分
都市計画区域面積
単位:面積 ha、構成比%
面積
構成比
2,093.0
100.0
自然的土地利用
5.2
計
108.7
659.4
768.1
191.8
68.2
96.9
1,125.0
住宅用地
併用住宅用地
商業業務用地
工業用地
公共公益施設用地
文教厚生用地
公的施設用地(防衛施設用地、競馬・競輪場等)
運輸施設用地(鉄道用地)
農林漁業施設用地
宅地 計
415.7
43.5
71.5
81.2
11.7
73.4
−
10.7
3.7
711.4
19.9
188.0
9.0
公共空地(公園・緑地、広場、運動場、墓園、ゴルフ場等)
21.3
1.0
その他の空地(平面駐車場、資材置場、改変中地、更地、未建築地等)
その他
都市的土地利用 計
45.9
1.4
2.2
968.0
46.2
農地
山林
水面
自然地
田(水田、耕作放棄地)
畑(畑地、樹園地、ビニールハウス、耕作放棄地)
農地 計
(樹林地)
(河川水面、湖沼、ため池、用水路)
(原野、牧野、荒地、低湿地、河川敷、堤防外田畑)
自然的土地利用
都市的土地利用
宅地
道路用地(幅員 4m以上道路、農道、林道、駅前広場)
宅地化率
人口
宅地人口密度
資料:平成 18 年度都市計画基礎調査
(%)
(人)
(人/ha)
32
31.5
36.7
9.2
3.3
4.6
53.8
2.1
3.4
3.9
0.6
3.5
−
0.5
0.2
34.0
0.1
34.0
33,245
46.7
土 地 利 用 現 況 図
(都市計画区域内)
図
都市計画区域内の土地利用
(平成 18 年度都市計画基礎調査より)
N
33
4)都市開発(宅地開発)
市域内の開発行為 (1ha 以上) は、面積・件数ともに少なくなってきています。
最近は、平成 14 年以外はバイパス関連で商業業務系のものが多いようです
開発行為等一覧(1ha 以上)
事業名
1.宇田工業団地
2.ぐんまジャイアント総合クレー射撃場
3.富岡木材工業団地
4.富岡工業団地
5.ふじみヶ丘学園団地
6.サファリニュータウン
7.富久ニュータウン
8.宇田第 2 工業団地
9.カインズ富岡物流センター
10.妙義カントリークラブ(旧妙義スプリングスカントリー倶楽部)
11.中之島住宅団地
12.田篠工業団地
13.大国塚住宅団地
14.富岡ゴルフガーデン
15.富岡倶楽部(旧富士カントリー富岡倶楽部)
16.パークゴルフ富岡
17.坂井工業団地
18.21 センチュリークラブ富岡ゴルフコース
19.富岡ゴルフ倶楽部
20.リバーサイドタウン田篠
21.富岡カントリークラブ
22.パークサイド黒川
23.神農原工業団地
24.宝正寺墓苑
25.オリヒロマシンセンター(株)
26.藤木工業団地
27.(株)セキチュー本館
28.老人保健施設「ココン」
29.レイクウッドゴルフクラブ富岡コース
30.日本光電富岡(株)
31.(株)セキチュー資材館・園芸館
32.勅使河原鉄建(株)
33.城山南住宅団地
34.(株)カワチ薬品
35.倶楽部我山(旧富岡野上カントリー倶楽部)
36.シルクカントリー倶楽部(旧オリコゴルフ倶楽部)
37.スーパー丸幸(株)・オートウェイ
38.(株)フレッセイ
39.(株)ベイシア
40.A コープ
41.竹澤工業(株)
42.稲葉製作所富岡工場
43.(株)ヤオコー
44.高橋電気工業(株)
45.JA 本所・セレモニーホール他
46.西毛病院
47.メッセ・ワンダーグー他
48.(株)荒船
年次
S45
S48
S50
S51
S52
S53
S54
S58
S59
S61
S62
S63
H1
H1
H1
H2
H3
H3
H3
H4
H4
H5
H6
H6
H7
H7
H8
H8
H8
H9
H10
H10
H10
H10
H10
H10
H11
H11
H12
H12
H12
H14
H15
H16
H17
H17
H17
H18
H19.4.1 現在
事業主体 面積(ha)
県企業局
6.0
民間
11.6
県企業局
7.5
開発公社
14.8
民間
2.3
民間
1.3
民間
4.1
県企業局
2.0
民間
1.3
民間
113.0
開発公社
1.1
開発公社
10.6
開発公社
1.0
民間
2.4
民間
85.0
民間
1.9
県企業局
8.4
民間
100.3
民間
110.4
開発公社
5.0
民間
102.1
開発公社
3.9
開発公社
3.0
民間
1.6
民間
1.5
県企業局
48.3
民間
1.9
民間
1.3
民間
166.6
民間
1.6
民間
1.9
民間
4.0
開発公社
1.0
民間
1.3
民間
115.3
民間
106.8
民間
1.4
民間
1.2
民間
3.1
民間
1.2
民間
1.2
民間
35.5
民間
1.9
民間
1.4
民間
1.9
民間
2.5
民間
2.4
民間
1.3
注:欄外の○番号は、次頁「宅地開発状況図(都市計画区域内)」中の○番号該当事業を表す。
34
04
○
02
○
03
○
05
○
図
宅地開発状況図
宅 地 開 発 状 況 図
(都市計画区域内)
(平成 18 年度都市計画基礎調査より)
N
35
5)面的整備状況
面的整備は、
「山下」地区及び「東富岡駅北」地区の土地区画整理事業 2 件を施行し
ました。いずれも施行済みです。
なお「富岡中央」地区については、平成 9 年に土地区画整理事業による整備を計画
し、平成 14 年に事業計画決定の最終変更を行いましたが、当該地区に関連する新しい
「まちづくり計画」の方針などを踏まえて、現時点では休止としています。
面的整備状況
H19.4.1 現在
事業
手法
事業
主体
施行
面積
施行
状況
山下土地区画整理事業
区画整理
共同
1.2ha
東富岡駅北土地区画整理事業
区画整理
富岡市
富岡中央土地区画整理事業
区画整理
富岡市
事業名
事業計画決定年月日
当初
最終変更
施行済
S53.2.25
−
6.9ha
H5〜H16
施行済
H5.12.9
H14.1.30
6.2ha
H14〜H27
休止中
H9.8.15
H14.8.1
資料:都市計画課
(2)道路整備状況
1)国道・県道
一般国道(国道 254 号)については、富岡バイパスが平成 9 年度に全線開通し、改
良率も 100%となっています。
主要地方道については、下仁田・安中・倉渕線の未改良区間が 1,200m弱残されてい
るほかは、改良率 100%となっており、整備が進んでいるといえます。
一般県道の整備状況にはバラツキが見られます。市内の 16 路線のうち、改良率 70%
台が 2 路線、60%台が 4 路線、0%は 3 路線あります。改良率 0%の 3 路線は、実延長
の短いものですが、鉄道駅などに接続している重要な路線です。いずれの路線も整備
の促進を図ることが必要であるといえます。
なお、主要地方道前橋・安中・富岡線にほぼ並行して、群馬県西部を環状に結ぶ「西
毛広域幹線道路」が予定されていますが、市内の事業化区間については一部着工され
たところです。広域的な地域間交流が拡大していくなかで、幹線道路のネットワーク
形成を促進するためにも、早期の事業進捗が期待されるところです。
2)市道
市道の実延長は約 1,080 ㎞に及びます。このうち市内幹線道路であり、国・県道等
の広域幹線道路と接続する 1・2 級市道については改良・舗装等の整備も進んでいます
が、それ以外の市道の整備は進んでいるとはいえません。市道全体での舗装率もよう
やく 70%に達するところです。
市道は、いわゆる 生活道路 としての役割・機能を持つ場合が多く、沿線利用者
のニーズや沿道環境にも配慮した新設改良や整備を進める必要があるといえます。
3)高速自動車国道(上信越自動車道)
本市には、南部及び西部の丘陵地沿いに上信越自動車道(法定路線名は関越自動車
道上越線、平成 5 年開通)が通り、富岡インターチェンジ(市道西富岡内匠線に接続)
が設けられています。市に接して下仁田インターチェンジや松井田妙義インターチェ
ンジもあって、東京や長野等との広域交通・交流が容易になりました。
36
県管理道路(富岡市分)整備状況
道路区分
路線名
一般国道 一般国道 254 号
前橋・安中・富岡線
富岡・神流線
一ノ宮・妙義線
主要
地方道 下仁田・安中・倉渕線
藤木・高崎線
松井田・下仁田線
主要地方道計
安中・富岡線
秋畑・富岡線
下仁田・小幡線
貫前神社線
一ノ宮停車場線
富岡停車場線
中野谷・富岡線
宇田・磯部停車場線
一般県道 南蛇井・下仁田線
下高尾・小幡線
南後箇・七日市線
菅原・一ノ宮線
後賀・山名停車場線
妙義山線
上小坂・四ツ家・妙義線
磯部停車場線・妙義山線
一般県道計
国・県道合計
実延長
(m)
15,886.3
7,467.8
4,777.5
8,519.9
8,451.7
3,357.4
6,357.8
54,818.4
2,021.2
6,613.1
8,435.7
231.5
103.8
223.9
4,384.1
1,853.5
2,457.6
3,058.6
3,116.6
10,256.9
275.5
2,642.7
5,199.0
532.9
51,406.6
122,111.3
H19.4.1 時点
内 訳
改良済
舗装済
延長(m)
改良率(%)
延長(m)
舗装率(%)
15,886.3
100.0
15,886.3
100.0
7,467.8
100.0
7,467.8
100.0
4,777.5
100.0
4,777.5
100.0
8,519.9
100.0
8,519.9
100.0
7,293.9
86.3
8,451.7
100.0
3,357.4
100.0
3,357.4
100.0
6,357.8
100.0
6,357.8
100.0
53,660.6
97.9
54,818.4
100.0
2,021.2
100.0
2,021.2
100.0
3,966.4
60.4
6,613.1
100.0
5,549.4
65.8
8,435.7
100.0
0.0
0.0
210.5
90.9
103.8
100.0
103.8
100.0
0.0
0.0
223.9
100.0
2,680.5
61.1
4,384.1
100.0
1,853.5
100.0
1,853.5
100.0
1,552.1
63.2
2,457.6
100.0
3,058.6
100.0
3,058.6
100.0
2,227.4
71.5
3,116.6
100.0
7,499.7
73.1
7,860.0
76.6
0.0
0.0
275.5
100.0
2,642.7
100.0
2,642.7
100.0
5,199.0
100.0
5,199.0
100.0
532.9
100.0
532.9
100.0
38,887.2
75.6
48,988.7
95.3
108,434.1
88.8 119,693.4
98.0
道路整備状況の推移
平成
道路
実延長
舗装延長
未舗装延長
舗装率
路線数
年度末
区分
(m)
(m)
(m)
(%)
13
1
15,886
15,886
−
100.0
14
1
15,886
15,886
−
100.0
15
1
15,886
15,886
−
100.0
国道
16
1
15,886
15,886
−
100.0
17
1
15,886
15,886
−
100.0
18
1
15,886
15,886
−
100.0
13
22
89,846
87,429
2,417
97.3
14
22
90,360
87,943
2,417
97.3
15
22
91,909
89,492
2,417
97.4
県道
16
22
91,898
89,481
2,417
97.4
17
22
89,904
87,487
2,417
97.3
18
22
106,225
103,808
2,417
97.7
13
4,674
1,080,197
725,406
354,791
67.2
14
4,672
1,077,949
730,745
347,204
67.8
15
4,670
1,076,905
733,647
343,258
68.1
市道
16
4,676
1,076,049
738,713
337,336
68.7
17
4,680
1,078,394
747,422
330,972
69.3
18
4,687
1,078,656
750,972
327,683
69.6
資料:土木課、富岡土木事務所
注:「平成 16 年度末」以前の数値は、旧富岡市分と旧妙義町分とを合わせたものである。
県道は、主要地方道と一般県道の合計である。
37
4)都市計画道路
現在都市計画道路は、12 路線、総延長 29,470mが計画決定されています。
これらのうち、改良済延長は 17,270m、改良率 58.6%となっています。全線改良済
みは 3 路線ありますが、改良済延長が 0mも 3 路線あります。
都市計画道路はいずれも幹線街路で、市街地形成の骨格となり、域内交通・交流ネットワー
クの主導線的な役目を持ちます。重点的かつ効率的な整備の推進を図る必要があるといえ
ます。
なお現在、富岡製糸場の世界遺産登録に向けた手続きを進めているところですが、製糸場周辺域の都市計画道路について
は、これに関連する区域の新しい「まちづくり計画」の提案をふまえながら、調整・検討が必要と思われます。
都市計画道路整備状況
名 称
(路線名)
H20.4.1 現在
計画決定年月日
幅員 車線
当初決定 最終変更 (m) 数
総延長
(m)
内 訳
改良率
改良済 施工中
(%)
延長(m) 延長(m)
整備
主体
3.3.1 田篠田島線
S33.3.18 H15.4.25
24
4
6,810
5,300
0
3.4.2 西富岡内匠線
S44.5.22 H20.1.18
17
2
3,280
2,450
830
3.4.3 小沢別保線
S44.5.22 H15.4.25
16
2
680
90
0
3.4.4 富岡内匠線
S44.5.22 H15.4.25
16
2
1,980
1,980
3.4.5 上町酢ノ瀬線
S44.5.22 H15.4.25
16
2
1,410
0
0
3.4.6 本宿内匠線
S56.5.8 H15.4.25
16
2
2,390
2,360
0
98.7
市
3.4.7 田篠一ノ宮線
S33.3.18 H15.4.25
16
2
5,430
2,010
0
37.0
県
3.5.8 田篠小幡線
S61.4.4 H15.4.25
14
2
1,500
1,170
0
78.0
市
3.5.9 井戸沢立石線
S61.4.4 H15.4.25
12
2
1,780
1,780
0 100.0
市
3.3.10 富岡下黒岩幹線
H2.11.13 H15.4.25
22
4
3,250
0
1,680
0.0
県
3.4.11 富岡別保線
H2.11.13 H15.4.25
16
2
830
0
0
0.0
市
14
2
130
130
0 100.0
市
29,470
17,270
3.5.12 東富岡駅前通り線 H5.3.1
3.4.13 中央通り線
H15.4.25
H9.8.15 H15.12.15
3.5.14 官営製糸場通り線 H9.8.15 H19.4.1
廃
止
廃
止
計
38
77.8
県
74.7 県・市
13.2
県
0 100.0
県
2,510
0.0 県・市
58.6
(3)都市施設等
1)下水道
下水道は、昭和 58 年に「利根川上流流域関連富岡市公共下水道」として都市計画決
定され、以後事業認可、整備等を進めて、平成 5 年に実際の供用を開始しました。
平成 19 年 3 月 31 日現在の整備状況は、下表のとおりです。
排水区域供用面積(265ha)は、整備計画面積(810ha)に対して 33%となっていま
す。
下水道整備状況
H19.3.31 現在
計画決定年月日
排水区域面積(ha)
名称
当初決定 最終変更
利根川上流
S58.8.1 H15.12.15
(県央処理区)
資料:下水道課
管渠延長(m)
ポンプ場(箇所)
整備
計画
都市計画
決定
事業
認可
供用
計画
供用
計画
供用
810
514
354
265
142,000
57,844
11
7
下水道の整備による汚水等の処理の状況を 下水道処理人口普及率 などでみると、
富岡市は 21.5%となっています。
群馬県全体の平均が 44.8%ですから、普及率からみた整備の状態は、後れをとって
いるといえるようです。
汚水処理の状況(人口普及状況)
平成・年
西暦
各年 3 月 31 日現在
14
15
16
17
18
19
2002
2003
2004
2005
2006
2007
19
群馬県
2007
全市面積
(ha)
A
12,290
12,290
12,290
12,290
12,290
12,290
636,316
全市人口
(人)
B
54,793
54,534
54,418
54,171
53,995
53,719
2,016,236
(人)
下水道公示
区域外人口
C
3,995
6,463
7,581
8,301
8,933
9,503
292,323
D
3,995
6,463
7,581
8,209
8,902
9,413
274,867
(人)
E
1,841
1,909
1,746
1,693
1,669
1,646
30,537
(人)
F
0
0
0
0
2,376
2,357
116,984
接続人口
G
0
0
0
0
729
981
82,943
(人)
H
8,780
9,430
10,100
10,620
11,100
11,550
904,163
接続人口
I
下水道処理
人口普及率 J
J=H/B*100
5,004
5,498
6,145
6,675
7,250
8,255
791,847
16.0%
17.3%
18.6%
19.6%
20.6%
21.5%
44.8%
合併処理浄化槽
処理人口
コミュニティ
プラント処理人口
農業集落排水
区域内人口
下水道公示
区域内人口
汚水処理施設
整備人口(人)
汚水処理人口(人)
K=D+E+F+H
K
14,616
17,802
19,427
20,522
24,047
24,966
1,326,551
L=C+E+G+I
L
10,840
13,870
15,472
16,669
18,581
20,385
1,197,650
汚水処理人口普及率
M=K/B*100
M
26.7%
32.6%
35.7%
37.9%
44.5%
46.5%
65.8%
汚水処理率
N=L/B*100
N
19.8%
25.4%
28.4%
30.8%
34.4%
37.9%
59.4%
資料:群馬県下水環境課〔下水(汚水)処理に係わる施設普及人口調査結果〕
39
2)公園緑地
都市公園は 16 箇所(都市計画公園は 5 箇所)、緑地は 1 箇所です。特殊公園以外は
ほとんど供用しています。
(都市公園供用面積 55.82ha、都市計画区域内人口一人当た
り面積 16.77 ㎡)
しかし配置の基準に照らしてみると、住区基幹公園(とくに街区公園)が数量的に
不足しています。他の公園整備の需要もありますので、
「緑の基本計画」などとの調整
を図りながら、適正配置の検討等が必要と思われます。
また公園緑地は、都市防災上の重要な役目(一時避難場所や防災拠点、防火帯など)
がありますので、整備の方向を検討するに当たっては「地域防災計画」における位置
づけ・役割等も考慮していくことが必要です。
2.2.1
3.3.1
4.4.1
6.5.1
8.5.1
都市公園・緑地整備状況
公園名称
(位置)
城町公園
富岡 76‑1
かぶら公園
富岡 882‑1
ひかり公園
富岡 1452‑1
城下公園
曽木 379‑1
神田公園
富岡 161‑1
しののめ公園
富岡 3029
黒川ふれあい公園 黒川 249
阿曽岡公園
宇田 475
桐淵公園
中高瀬 69
宮崎公園
宮崎 329
城山公園
富岡 2767‑3
桐淵2号公園
中高瀬 69 先
一峰公園
七日市 1332
和合公園
上高瀬 889
富岡北部運動公園 上黒岩 1377‑1
中高瀬観音山遺跡
中高瀬
歴史公園
第1号鏑川緑地
鏑川
種類
住区基幹
公園
都市基幹
公園
特殊公園
大規模
公園
緩衝緑地
都市緑地
緑道
国営公園
H19.4.1 現在
供用
面積(ha)
開始日
計画
供用
0.08
0.08
S44.1.29
0.51
S28.5.1
0.17
S60.3.31
0.53
H19.4.1
0.43
S56.12.18
0.21
H17.10.1
0.44
H18.3.27
0.30
H18.3.27
1.00
1.17
S48.10.12
1.53
S41.5.2
5.56
H18.11.20
2.06
S59.9.25
5.40
2.59
S33.4.1
6.34
S55.4.1
35.70
33.90
H18.10.1
街区
街区
街区
街区
街区
街区
街区
街区
近隣
近隣
近隣
近隣
地区
地区
運動
H11.3.19
21.60
−
特殊
S51.1.20
64.80
64.80
計画決定年月日
当初決定 最終変更
S42.4.24 S60.4.15
S48.10.12
S60.4.16
S33.3.18
S60.4.16
S60.4.16
H6.4.8
−
参考:都市公園の種類と配置・規模の基準
種別
内容(配置・規模の基準)
街区公園
誘致距離 250m範囲内、1 箇所 0.25ha。
近隣公園
誘致距離 500m範囲内、1 箇所 2.0ha。
地区公園
誘致距離 1 ㎞範囲内、1 箇所 4.0ha。
総合公園
都市規模に応じ 1 箇所 10〜50ha。
運動公園
都市規模に応じ 1 箇所 15〜75ha。
歴史公園
史跡・名勝、文化財等の供用。存在立地に応じ適宜配置。
風致公園
風致の享受。樹林地や水辺等の自然的資源・条件の活用。
動植物公園
動物園、植物園など。都市規模に応じ適宜配置。
墓園
墓地を含む公園。面積の 2/3 以上が屋外活動・景観良好園地。
その他
交通公園他。都市の特殊性により適宜配置。
広域公園
市町村域を超える広域圏対応公園。1 箇所 50ha 以上。
主に大都市圏域の需要を充足。良好な自然環境地で大規模都市公
園を核に各種レクリエーション施設を配置した一団の地域。都市
レクリエーション都市
計画公園 1,000ha、うち都市公園 500ha を標準配置。
工業地帯等の公害防止・緩和、災害等の拡大防止・防除。状況に応
じ適宜配置。
都市の自然的環境の保全・改善、都市景観の向上。0.1ha 以上。
災害時避難路確保、近隣住区内又は住区間連絡の歩行・自転車用
の通路で生活拠点(施設)を結ぶ。植樹帯設置し幅員 10〜20m。
都府県の域を超える広域対応公園。1 箇所概ね 300ha 以上。
40
種別
緑地
備考
3
前計画の評価と課題
3−1
前計画の達成状況
前計画(平成 8 年 3 月策定「富岡都市計画基本計画」<富岡都市計画マスタープラ
ン>)で目標(平成 27 年)としていた計画整備の内容について、根幹的都市施設を中
心とする計画の達成状況は、下表のとおりです。
前計画の達成状況
項目
都市計画区域
用途地域
種別
区域
計画整備の内容
計画整備量
現況整備量
要整備量
計画達成状況等
保安林・国有林区域を除
く全域に拡大
2,093 ha
未達成
住居系用途地域
437.5 ha
352.0 ha
未達成
商業系用途地域
42.0 ha
42.0 ha
達成
工業系用途地域
59.0 ha
59.0 ha
達成
564.0 ha
479.0 ha
未達成
未達成
用途地域計
面的整備
土地区画整理
4 地区 202.4 ha
1 地区 6.9 ha
道路
都市計画道路
12 路線 29,470m
12 路線 17,270m
他新規 5 路線
新規路線の計画決定なし
9 路線 未達成・改良率
12,200m 58.6%
未達成
公園(施設)
都市公園計
54.1 ha
供用 15 箇所 55.8 ha
達成
緑地
(都計緑地)
64.8 ha
供用 1 箇所 64.8 ha
達成
下水道
処理区域
810 ha
810 ha
排水区域
479 ha
認可 354 ha
供用 265 ha
供用 55%
ポンプ場
11 箇所
7 箇所
未達成
管渠延長
142,000m
57,844m
未達成
−
−
終末処理場
都市下水路
2,130m
2,080m
ほぼ達成
注:前計画の基準年次は平成 7 年、目標年次は平成 27 年である。
上表の「計画整備量」は、前計画の目標年次の状況を示している。ただし、公園(都市公園)の
計画整備量については、「富岡市緑の基本計画」(H12.3 策定)の H17 中間目標値を記した。
41
3−2
課題の整理
都市計画マスタープラン作成上の主な検討課題は、次のような事項をあげることが
できます。
(1)都市計画区域の再編と準都市計画区域の設定
宅地化の動向や市内各地区の今後の位置づけ役割の見通し、さらには都市防災面
等を勘案すると、吉田、丹生、高田地区を含む本市の中央部〜西部地域一帯におけ
る都市計画区域の再編(拡大)や準都市計画区域の設定が検討課題としてあげられ
ます。ただし、将来的な市町村合併も考慮しながら検討しなければなりません。
(2)用途地域等の指定
国道 254 号富岡バイパス沿線への商業業務機能(施設)の進出立地等を踏まえ、
適切な誘導・規制を図るべく、新たに用途地域等の指定(拡大)を行うことが考え
られます。
富岡バイパス沿線には、多数箇所に「農振・農用地」が分布していますので、農
業振興地域整備計画との摺り合わせや調整が必要です。
また産業機能の集積を図るため、適切な工業系用途地域の指定についても検討す
る必要性が生じることが考えられます。
(3)市街地の開発整備
「富岡中央土地区画整理事業」は休止中です。
「まちづくり計画」の提案との調整・
検討を行うことが必要となります。
環境や景観、防災などを考慮すると、特別地区の指定や「地区計画」の適用が考
えられる区域があります。条例や「景観計画」も勘案しながら検討することが必要
です。
(4) 富岡製糸場 (世界遺産登録へ)関連事項との調整
富岡製糸場周辺の環境や景観が適切に保護・保全される必要のある区域(「まちづ
くり計画」で 緩衝地帯 と呼ぶ区域)については、その範囲とあり方・具体的な
条件などを、今後文化庁等と協議を行いながら検討することが必要です。
中心市街地は、駐車場整備や道路整備が計画されています。
「まちづくり計画」の
提案も含めて、 緩衝地帯 としての条件に整合する内容に改める検討を要すると思
われます。
(5)道路及び道路網の整備
西毛広域幹線道路を含めて、計画道路の整備を進める必要があります。
ただし、国・県の動向や社会情勢等を勘案し、都市計画道路網の見直しを再検討
する必要があります。
新たな路線については、都市計画区域の再編(拡大)等と合わせて(仮称)国道 254
号神農原バイパスなど 1〜2 路線の検討を行うことが考えられます。
42
(6)公園・緑地等の整備
計画決定された公園はほぼ整備・供用し、現在、中高瀬観音山遺跡歴史公園の整
備を進めていますが、 都市公園 としては量的に不足しています。
「緑の基本計画」
などの方針を勘案しながら、関連する整備を推進する必要があります。
市街地内では、公共施設用地や駐車場等の 公園的 整備や活用・開放などが考
えられます。
(7)下水道整備
汚水処理については、市の計画に対して整備に遅れが見られるため、整備期間及
び費用対効果などを勘案し、計画の見直し検討を行う必要があります。
(8) 住み良さが実感できるまち
への取り組み
住み良い
住み続ける には、第一義的に「安全・安心」「健康・快適」とい
う環境条件が整っている必要がありますが、加えて「経済的」や「利便性」の向上
も大切な条件となりそうです。
住む ことの動機付けを、ハード、ソフト両面から検討し続けることが必要と
思われます。
43
4
市民意向の把握 (市民アンケート調査結果)
4−1 調査実施状況
(1)調査対象者
①一般市民 2,000 名(市内在住 20 歳以上の男女…住民基本台帳より無作為抽出)
②市内の高等学校(3 校)在籍生徒 119 名〔各校第 3 学年各 1 クラス 計 3 クラス〕
(2)調査時期
①一般市民アンケート調査 平成 19 年 11 月(回答期限 11 月 30 日)
②高校生アンケート調査
平成 19 年 11 月(回答期限 11 月 30 日)
(3)調査票配布・回収状況
①一般市民アンケート調査 :(郵送配布・郵送回収)
配布 2,000 名(票)…有効回収数 845 票(回収率 42.3%)
②高校生アンケート調査:(学校経由直接配布・学校からまとめて回収)
配布 119 名(票) …有効回収数 119 票(回収率 100.0%)
4−2
調査結果の概要
(1)将来像
① 今後のまちづくりの方向について
(%)
一般市民
0
10
20
30
40
50
自然や緑が豊かで美しい景観を持つまち
53.4
34.6
産業が集積し近隣などから働きに来るまち
28.8
観光資源が豊かでたくさんの人が訪れるまち
27.6
良質な住宅地が広がりゆったり暮らせるまち
26.5
商業活動が活発で近隣から買い物に来るまち
(%)
0
10
20
30
40
自然や緑が豊かで美しい景観を持つまち
60
70
80
34.5
商業活動が活発で近隣から買い物に来るまち
30.3
観光資源が豊かでたくさんの人が訪れるまち
28.6
道路交通が発達し自動車の利便性が高いまち
産業が集積し近隣などから働きに来るまち
50
63.9
良質な住宅地が広がりゆったり暮らせるまち
②
n=845
13.0
道路交通が発達し自動車の利便性が高いまち
高校生
60
15.1
n=119
5.9
将来の基盤整備について
一般市民
積極的な都市基盤の
整備推進
ゆとりを持ち暮らせる 無回答
都市基盤が整ったまち
n
24.4
高校生
845
72.4
積極的な都市基盤の
整備推進
ゆとりを持ち暮らせる
都市基盤が整ったまち
無回答
n
21.0
79.0
119
0.0
44
平成 6 年の市民意向調査では、
「 歴史文化都市」
(20.2%)、
「 商工業都市」
(18.8%)
が 1、2 位でしたが、今回の調査では「自然環境と景観」を重視したまちづくりが
過半数を占める結果でした。
将来の基盤整備については、
「ゆとりを持ち暮らせる都市基盤が整ったまち」の
指摘が多く、 生活環境重視派 が 開発積極派 を大きく上回る結果です。
■課題
○今後の都市づくりとして、
「自然や緑が豊かで美しい景観」に囲まれた住みよ
い都市づくりが求められているようです。
○また、若年層の定住を促進するため、良質な住宅が確保され、買い物に便利
であるとともに、富岡製糸場、妙義山等地域資源を活かした観光交流の盛ん
なまちを目指す必要がありそうです。
○開発指向ではなく、ゆとりを持って暮らせる生活環境を重視したまちづくり
が必要であるといえるようです。
(2) 交通体系について
(%)
一般市民
0
10
20
30
40
50
46.0
身近な生活道路の充実
27.3
17.2
自動車交通体系整備の推進
サイクリングロードの整備
13.7
現状のままでよい
6.7
その他
(%)
n=845
4.5
0
10
20
30
40
50
60
45.4
公共交通機関と自動車交通の連携
38.7
歩道などのユニバーサルデザイン化の推進
22.7
サイクリングロードの整備
19.3
身近な生活道路の充実
16.8
現状のままでよい
16.0
自動車交通体系整備の推進
その他
70
62.8
公共交通機関と自動車交通の連携
高校生
60
歩道などのユニバーサルデザイン化の推進
5.9
n=119
一般市民は日常の生活行動を踏まえた意向、高校生は通学(通学手段)という視点
からの回答が多く示されているようです。
■課題
○現状のままでよいとの意見は少数であり、整備が求められています。
○今後は、「歩道などのユニバーサルデザイン化の推進」と「公共交通機関と自動
車交通の連携」など質的側面やソフト面に力を入れていく必要がありそうです。
45
(3)居住している地区で最も重要なことについて
(%)
一般市民
0
10
20
30
下水道の整備
26.4
26.0
道路網の整備
景観・自然環境の保全形成
23.6
防災性の向上
23.4
公園・緑地の整備
18.9
16.4
福祉・文化施設の整備
農地の保全
16.2
住宅地の整備
9.9
商業地の整備
9.3
工業地の整備
2.8
その他
(%)
高校生
n=845
6.5
0
10
20
30
40
39.6
景観・自然環境の保全形成
公園・緑地の整備
32.1
30.2
道路網の整備
17.0
防災性の向上
15.1
商業地の整備
13.2
農地の保全
11.3
住宅地の整備
7.5
下水道の整備
7.5
福祉・文化施設の整備
工業地の整備
その他
50
0.0
1.9
n=53
注:高校生の回答は、市内に居住する者(市内通学者)のみである。
市全体では、「下水道の整備」、「道路網の整備」、「景観・自然環境の保全形成」
が多く、市街地地区では「防災性の向上」や「公園・緑地の整備」、「商業地の整
備」、
「住宅地の整備」、また田園・農業の地区においては「農地の保全」の比率が
高くなる傾向にあります。
高校生では、身近な自然や景観を大切にするという意向が強く示されています。
平成 6 年の市民意向調査では、
「道路の整備」、
「商業地の整備」、
「公園・緑地の
整備」、「下水道の整備」が上位を占めていました。
■課題
○共通して、「下水道の整備」、「道路網の整備」、「景観・自然環境の保全形成」が
望まれています。
○また、市街地地区、田園・農業地区等の地域性にも配慮し、「防災性の向上」や
「公園・緑地の整備」、
「商業地の整備」、
「住宅地の整備」、
「農地の保全」に努め
ていく必要がありそうです。
46
(4)都市景観について
一般市民
色彩や高
さについ
て一定の
ルールが
必要
色彩の
高さの
ルールは ルールは
必要
必要
色彩や高
さなどは
個人の自
由
その他
無回答
n
70.7
10.5 7.3
845
5.9
3.8 1.8
高校生
色彩や高
さについ
て一定の
ルールが
必要
色彩の
ルールは
必要
高さの
ルールは
必要
その他
色彩や高
さなどは
個人の自
由
無回答
n
47.9
13.4
1 5 .1
119
18.5
1.7
都市景観づくりについて、何らかの
高校生では 76.4%となっています。
ルールが必要
が一般市民では 88.5%、
■課題
○都市としての目指す方向である「自然や緑が豊かで美しい景観に囲まれた住みよい
都市づくり」のためには、都市景観形成のためのルールづくりが必要です。
○内容も、色彩や高さ両面についてのルールづくりが求められているといえます。
(5)優先的に取り組むべき事業について
(%)
一般市民
0
10
20
30
40
50
42.2
歴史的建造物と調和した街並みの景観形成
42.1
駐車場や案内標識の整備
38.2
無電柱化や路面の修景などの道路整備
商業・観光などの活性化
36.6
歴史的建造物の市民活動拠点等としての活用
36.4
25.3
界隈性のある飲食店街の整備、路地の再生
23.7
広場・憩いの場の配置
6.4
公営住宅などの整備
(%)
n=845
5.3
その他
0
10
20
30
40
商業・観光などの活性化
高校生
47.9
44.5
界隈性のある飲食店街の整備、路地の再生
歴史的建造物の市民活動拠点等としての活用
42.9
36.1
歴史的建造物と調和した街並みの景観形成
無電柱化や路面の修景などの道路整備
26.9
広場・憩いの場の配置
25.2
駐車場や案内標識の整備
公営住宅などの整備
その他
47
50
22.7
5.0
3.4
n=119
60
中心市街地において優先的に取り組むべき事業として、一般市民では「歴史的
建造物と調和した街並みの景観形成」と「駐車場や案内標識の整備」が 40%超、
以下「無電柱化や路面の修景などの道路整備」、「商業・観光などの活性化」、「歴
史的建造物の市民活動拠点等としての活用」が僅差で続いています。
高校生では、
「商業・観光などの活性化」が最も多く、次いで「界隈性のある飲
食店街の整備、路地の再生」、「歴史的建造物の市民活動拠点等としての活用」と
続きます。
■課題
○中心市街地においては、「歴史的建造物と調和した街並みの景観形成」、「駐車場
や案内標識の整備」が 2 大優先事業と考えられます。
○併せて、 街中の賑わいの再生 の観点から、
「商業・観光などの活性化」、
「界隈
性のある飲食店街の整備、路地の再生」、
「歴史的建造物の市民活動拠点等として
の活用」などに取り組んでいく必要がありそうです。
○富岡製糸場の世界遺産登録を見据え、これを活かした交流拠点づくりが求められ
ているようです。
(6)土地利用について
(%)
一般市民
0
10
20
30
50
34.8
28.2
河川・水路などの荒廃が目立つ
宅地化による農地の減少が目立つ
18.6
農地と宅地の混在が著しい
14.1
6.7
現状に満足している
住宅と工場・商店の混在が目立つ
4.1
わからない
5.6
n=845
3.1
その他
(%)
0
10
20
30
河川・水路などの荒廃が目立つ
40
33.6
18.5
宅地化による農地の減少が目立つ
幹線道路沿いへの店舗の進出が目立つ
17.6
農地・山林の荒廃が目立つ
13.4
10.9
現状に満足している
農地と宅地の混在が著しい
10.9
住宅と工場・商店の混在が目立つ
6.7
26.1
わからない
その他
60
52.0
幹線道路沿いへの店舗の進出が目立つ
高校生
40
農地・山林の荒廃が目立つ
3.4
n=119
平成 6 年の市民意向調査では、「農地・山林の荒廃が目立つ」が 55.4%、「現状で
よい」が 16.5%でした。今回の調査では、全体に問題点指摘事項の回答が増え、
「現
状に満足している」が減少しています。土地利用に対する不満度が高まってきてい
る状況にあるといえます。
48
■課題
○農地・山林の荒廃、農地と宅地の混在、河川・水路の荒廃などといった問題
の解消に努め、環境に配慮し、環境と調和した満足度の高い土地利用を図っ
ていくことが望まれているようです。
(7)土地利用として優先的に整備すべきものについて
一般市民
(%)
0
10
20
30
観光・レクリエーション施設用地
23.8
公園・緑地
22.0
道路
学校、福祉施設などの公共施設用地
20.1
商業施設用地
19.8
18.6
工業用地
15.6
住宅地
13.8
湖沼・河川・水路
13.4
農用地
(%)
n=845
2.6
その他
高校生
0
10
20
30
観光・レクリエーション施設用地
40
36.1
35.3
道路
30.3
公園・緑地
26.1
湖沼・河川・水路
19.3
商業施設用地
11.8
学校、福祉施設などの公共施設用地
7.6
住宅地
5.0
農用地
4.2
工業用地
その他
40
29.5
0.8
n=119
一般市民・高校生ともに、優先的に整備すべき上位 3 項目は同じです。
■課題
○市全体として、「観光・レクリエーション施設用地」、「道路」、「公園・緑地」
の整備が求められています。
49
(8)土地利用の「基準や規則」について
一般市民
「基準や規
則」をより
強化するべ
き
現状のまま
でよい
現在の「基
準や規則」
を緩和する
ことが必要
わからない
無回答
n
63.8
13.6
8.6 11.1
845
2.8
高校生
「基準や規
則」をより
強化するべ
き
現状のまま 現在の「基 わからない
でよい
準や規則」
を緩和する
ことが必要
無回答
n
55.5
21.8
119
18.5
3.4
0.8
一般市民・高校生ともに、今回は「「基準や規制」をより強化するべき」が過半
数を占めています。平成 6 年の市民意向調査では、
「規制緩和」が 30.7%で最も多
く、「規制強化」は 17.8%と少数でした。逆転です。
■課題
○土地利用に関する基準や規制を強化し、荒廃、混在等を解消し、良好な生活環境
が確保された住みよいまちづくりを推進していく必要があるといえるようです。
50
5
基本目標の設定
5−1
将来都市像
(1)都市計画のテーマと基本目標
新・富岡市「総合計画」
(第 1 次富岡市総合計画)における本市の将来像は次のとお
りです。
基本理念
1.誰もが安心・安全に暮らせるまちづくり
2.富岡製糸場を中心とした元気なまちづくり
3.市民・企業・行政の協働によるまちづくり
将来像 『 人と自然と歴史が織りなす豊かなまち
とみおか 』
( 5 つの基本目標 )
市民ととも に考え
と も に歩む まち
人びとが 支え 合い
誰も がい き い き 元気な まち
地 域を愛す る心と
歴 史 と 文 化 を 育 む まち
富 岡 製糸場 から 広 がる
元気と活力 にあふ れるまち
豊かな自然に囲まれた
暮 ら しや す さ を 誇 れ る まち
この将来像の実現に向け、多様で豊かな自然と歴史的文化的遺産を活かしながら、
人にやさしく環境に配慮した都市計画を推進します。
富岡市都市計画マスタープランのテーマは、この総合計画や市民アンケート調査で
示された将来像の実現を都市計画面から支える姿勢として、次のように示すこととし
ます。
<都市計画のテーマ>
『 美しい自然と歴史・文化が息づく 人と環境にやさしい
住みよいまちづくり 』
このテーマを念頭に掲げながら、次のような 5 つの都市計画の目標を設定します。
51
<都市計画の目標>
1)美しく秩序ある土地利用のまち
自然と調和・共生し、生活と生産の場の有効かつバランスのとれた土地利用となる
ことを目指します。
2)集約型都市機能の充実したまち
都市機能の整備充実化は地域の特性を踏まえて拠点的、集約的に進めるとともに、
有機的に連携していくことを目指します。
3)地域内外の交流・移動が容易なまち
公共交通機関や道路等の交通網の整備充実に努めるとともに、人に優しい利用や景
観・環境にも配慮して質的な向上を目指します。
4)安心して健康的に暮らせるまち
防災等の安全・安心環境の整備充実を促進するとともに、健康的かつ快適に住み続
ける環境づくりを目指します。
5)歴史文化が息づく活力のあるまち
富岡製糸場等の歴史的・文化的資源を活かしながら個性的で活力のあるまちとなる
ことを目指します。
(2)都市づくりの方針
都市計画の目標を達成するための基本的な方針は次のとおりです。
1)美しく秩序ある土地利用の推進
①
土地利用の整序
都市機能の無秩序な拡散を抑制し、既存ストックを有効活用しつつ、都市機能が
コンパクトに集積した都市構造の実現に向け、土地利用の整序・環境保全を図るた
め、都市計画区域の拡大又は準都市計画区域の新たな指定について、関係機関や市
民と協議・検討していきます。
②
住環境の保護・業務の利便向上
住居の環境の保護・業務の利便の増強を図るとともに、特にバイパス沿道区域を
はじめとする市街化の動向に対応し、適切に規制・誘導するため、将来の新たな用
途地域や特定用途制限地域の指定についても検討していきます。
③
優良農地の保全と田園居住環境の整備
農業振興地域整備計画等と調整を図りながら、優良な農地はこれを保全するとと
もに、宅地等のスプロール化を抑制します。また集落地や里山地域は、田園居住地
としての環境整備を進めます。
52
④
山林や河川などの自然地の保全と活用
多様で豊かな自然環境の構成要素である山林や河川等は、治山治水の観点からも
保全していきます。また自然とのふれあいの場として、できる限りあるがままの状
態を維持したなかでの活用を図ります。
⑤
地域特性を活かした景観の形成
市街地の街並み景観、郊外の田園・里山景観、山地等の自然景観など市内各地域
を特色づける景観について検討し、建築物等を含めてそれらの保全や規制、改善・
整備の方向を示します。
2)集約型都市機能の充実・強化
①
都市的機能の拠点的位置づけと整備・充実
商業業務、公共公益施設、都心交流、工業、地域生活、観光レクリエーションな
どの都市的機能は、拠点的な位置づけを明確にしながら集約的に整備を進めるとと
もに、連携強化によって充実を図ります。
②
商業業務機能の充実強化
商業業務・行政等の機能が集積する市街地中心部を都心交流拠点として位置づけ、
既存商店街の活性化と環境整備を図ります。この都心交流拠点の整備充実化に当た
っては、「まちづくり計画」を踏まえながら進めます。
都市機能の無秩序な拡散を見直すとともに大規模集客施設等の郊外立地を抑制し、
コンパクトなまちづくりを推進するため、準工業地域への大規模集客施設の立地を
制限する特別用途地区の導入を検討します。
③
工業機能の整備
基幹的産業である工業機能の振興については、工業系用途地域及び工業団地を産
業振興拠点として位置づけ、集中的な基盤整備等を進めます。新たに進出する企業
や住工混在地区の工場等に対しては、産業振興拠点への立地・移転等の誘導を図り
ます。
④
地域生活機能の整備・充実
居住そのものについては、概ね現在の都市計画区域内と既存集落地周辺等の住宅
地を確保しつつ、住環境整備を進めます。
日常生活の健康性や利便性を高めるための、身近な商業、保健福祉、コミュニテ
ィ機能等については、地域特性を考慮しながら、適切な誘導・配置と整備に努めま
す。
⑤
観光レクリエーション機能の拡充
富岡製糸場は産業文化観光の重要な資源・対象でもあります。妙義山や貫前神社、
中高瀬観音山遺跡などの歴史的文化的資源とも連携しながら、観光交流促進のため
の拠点的施設や体制の整備に努めます。
53
3)地域内外の交流・移動を容易にする交通整備
①
幹線道路ネットワークの整備
広域的な交流の要である国道、主要地方道、一般県道等については、道路構造そ
のものの規格の向上等も含めて、機能強化と整備を促進します。西毛広域幹線道路
についても、整備事業の一層の推進を図ります。
②
市内の道路網整備の推進
市街地形成の骨格ともなる幹線市道(多くは都市計画道路)は、将来の都市構造(都市
機能拠点配置)を見据え、一部内容の見直しを行いながら必要な整備を順次進めます。
生活道路としての一般市道は、地域内交流の利便性に配慮して整備を進めます。
③
人と環境に配慮した機能的な道路整備
道路整備に当たっては、人にやさしく快適に移動できるよう、構造や沿道環境、
景観などにも配慮します。
④
公共交通機関の充実化
上信線及び乗合タクシーの存続維持を支援し、利用促進対策を講じるとともに、
駅・駅周辺整備等を行って利便性の向上に努めます。
4)安心して健康的に暮らせるまちづくりの推進
①
災害に強い環境の整備
「地域防災計画」等に基づいて、地震や風水害などに備えたハード・ソフト両
面の対策を講じ、安全・安心の災害に強いまちづくりを推進します。
②
潤いとやすらぎの公園緑地等の整備
「緑の基本計画」などを踏まえながら、中高瀬観音山遺跡歴史公園をはじめと
する都市公園整備、大塩湖、丹生湖、鏑川などの水辺環境の整備、公益的施設用
地の緑化・開放空間整備などを進め、潤いとやすらぎの場を確保します。
③
下水道等都市的諸施設の整備充実
下水道等については、関連施設・設備の整備・普及計画とも調整しながら、計
画的に整備を進めます。
5)歴史文化が息づく活力のあるまち
①
中心商店街の活性化
都心 の活力と賑わいのみなもととなるよう商業機能の強化・更新、商業環
境の整備等を進めます。
②
富岡製糸場を中心とする個性的な交流拠点の形成
中心商店街を含む 富岡製糸場 を中心とする区域は、
「まちづくり計画」を踏
まえて、個性的な都心交流拠点となるよう整備を進めます。
③
歴史的文化的資源の保全と活用
富岡製糸場のほか、妙義神社や貫前神社、中高瀬観音山遺跡など、市内に点在
する歴史的文化的資源を活用し、観光レクリエーション機能の拠点的整備を進め
ます。
54
(3)将来都市構造
将来の都市構造については、おおむね現在の都市の骨格・構造を受け継ぎながら、
その延長上に都市的機能の整序的な位置づけ配置と質的な向上・整備を行って構成し
ていくものとします。
1)「ひろがり」の構造…(土地利用、面的構造)
ひろがりの構造(面的構造)については、大枠として 5 つの土地利用ゾーン(区分)
としてとらえます。
①
市街地ゾーン
概ね現在の用途地域指定の範囲と国道 254 号富岡バイパス沿線の区域を市街地
ゾーンとし、集積のメリットを活かしながら秩序ある街並みの形成に努めます。
② 都心交流(中心市街地)ゾーン
「市街地ゾーン」のうち、上信線(北)と鏑川(南)、及び都市計画道路西富岡
内匠線(西)と富岡内匠線(東)に囲まれた区域を「都心交流ゾーン(中心市街
地ゾーン)」とし、活力と魅力のある中心街の形成を目指します。
なお、このゾーンの整備は「まちづくり計画」との整合を図ります。
③ 都市的土地利用ゾーン
市街地ゾーンの周辺や郊外の住宅地、拠点的集落地、産業振興拠点としての工
業団地等の区域は都市的土地利用ゾーンとし、それぞれの機能の充実化を促す都
市基盤整備等を進めます。
④ 田園的土地利用ゾーン
市街地ゾーン周辺の平坦地部をはじめとして、農用地の広がる区域を田園的土
地利用ゾーンとし、無秩序な宅地開発を規制するとともに、農村集落等における
住環境整備を推進します。
⑤ 自然的土地利用ゾーン
田園的土地利用ゾーンの外周域に広がる丘陵地や山地、また河川等の区域は、
自然的土地利用ゾーンとし、環境の保全と活用を図ります。
2)「つながり」の構造…(都市軸・交通交流、線的構造)
「つながり」の構造は、広域的な交通交流と、市内の都市的諸機能の連携や交流の
軸線となるもので、都市構造の骨格を形成します。
①
広域都市軸(広域交流軸)
上信越自動車道、国道 254 号富岡バイパス、西毛広域幹線道路(整備中)が基
幹的な広域都市軸として位置づけられます。また、隣接市町村とを結ぶ主要地方
道については準基幹的広域都市軸として位置づけます。
いずれも整備を促進し、機能強化を図ります。
② 都市機能軸(地域生活軸)
市街地ゾーンを通る国道 254 号と主要地方道一ノ宮妙義線は、市内の都市機能
や生活拠点を結ぶ、東西中央都市軸ともいえるものです。沿道環境に配慮しなが
ら機能強化を図ります。
都市計画道路西富岡内匠線及び富岡内匠線は、市街地ゾーンにおける環状幹線
道路です。まさに市街地の骨格となるものであり、早期整備を目指します。
55
鏑川と高田川は、交通機能はありませんが「水と緑のネットワーク」を構成す
る重要な要素であり、都市の環境軸といえます。
3)「まとまり・あつまり」の構造…(都市機能の配置・拠点の形成、点的構造)
「まとまり・あつまり」の構造は、集約的・拠点的都市機能を発揮するもので、本
市を特徴づける、肉体にたとえれば 内蔵 にも相当するものといえます。
①
都心交流拠点(中心市街地)
都心交流ゾーンの中の商業地域の区域については、商業環境の整備と活性化方
策を通じて、交流の盛んなに賑わいのあるまちを創出します。
② 業務機能拠点
都心交流ゾーンの中の商業地域周辺の区域については、業務系機能の立地(移
転等を含む)を推進し、 都心交流拠点 を補完・支持するとともに、広域圏の中
核となる都市としての役割を発揮する中心地区の形成に努めます。
③ 地域生活拠点
環状都市軸の外側の区域及び主要集落地や田園居住地は、地域生活拠点として、
住環境整備を推進します。
④ 歴史文化拠点
富岡製糸場、貫前神社、妙義神社、中高瀬観音山遺跡については、本市の歴史
的個性を象徴するものとして、観光機能と連携させながら保全整備と活用を進め
ます。
⑤ レクリエーション拠点
もみじ平総合公園、丹生湖及び大塩湖周辺、妙義山周辺については、鏑川・高
田川の 水と緑のネットワーク 軸とともに、レクリエーション拠点として周辺
環境整備を進めます。
⑥ 産業(工業)振興拠点
市街地ゾーンの工業系用途地域及び幹線道路周辺の工業団地については、それ
ぞれを産業(工業)振興拠点として位置づけ、機能強化のための整備を進めます。
4)将来都市構造概念
前述の 1)、 2)、 3)に基づいて、本市の将来構造に関する概念図を示します。
56
57
5−2
基本フレームの設定
(1)人口関係フレーム
将来の基本フレームは、「総合計画」と整合を図る必要があります。
人口・世帯等について、平成 22、27 年は「総合計画」における目標推計値を、平成
32、37、42 年は同じく「総合計画」策定に際して検討された見通し推計値(計算値)
を、この都市計画マスタープランのフレームとして設定することとします。
なお、都市計画マスタープランの目標年次は平成 40 年ですが、この年次のフレーム
については平成 37〜42 年の 5 年間の変化が等差的に推移するものと仮定して、補間算
出しました。
人口は減少が続きますが、核家族化や世帯分離で世帯数は増加し、従って世帯規模
が小さくなっていく見通しです。
少子化で年少人口は減少し、構成比も 10%程度になることが見込まれます。長寿高
齢化は一層進み、構成比が 35%に達することが予想されます。
少子高齢化と人口減は、就業人口の減少と就業率の低下をもたらします。
第 1 次産業は就業人口・率ともに 3 分の 1 程度に縮小、第 2 次産業では就業人口が
ほぼ 4 割減、構成比で 7 ポイント減が予想されます。第 3 次産業は就業人口では概ね
現在と同程度〜微減傾向を見せますが、構成比では 3 分の 2 近くになる見通しです。
人口関係フレーム
単位:人、%
平成 17 年
平成 22 年
平成 27 年
平成 32 年
平成 37 年
平成 40 年
平成 42 年
(2005 年)
(2010 年)
(2015 年)
(2020 年)
(2025 年)
(2028 年)
(2030 年)
総人口(A)
53,765
52,600
50,700
48,400
45,900
44,300
43,300
世帯数(B)
18,026
19,000
19,700
20,400
21,200
21,500
21,700
2.98
2.77
2.57
2.37
2.17
2.06
2.00
7,538
7,000
6,200
5,400
4,800
4,500
4,350
14.02%
13.31%
12.23%
11.16%
10.46%
10.16%
10.05%
年
項目
1 世帯当人口(A/B)
年少人口(C)
(C/A)
生産年齢人口(D)
(D/A)
高齢人口(E)
(E/A)
産業就業人口(F)
就業率(F/A)
第 1 次産業(G)
(G/F)
第 2 次産業(H)
(H/F)
第 3 次産業(I)
33,548
62.40%
12,679
23.58%
27,530
31,900
60.65%
13,700
26.05%
26,500
29,400
57.99%
15,100
29.78%
24,900
27,100
55.99%
15,900
32.85%
23,400
25,100
54.68%
16,000
34.86%
21,600
24,100
54.40%
15,700
35.44%
20,300
23,400
54.04%
15,550
35.91%
19,300
51.20%
50.38%
49.11%
48.35%
47.06%
45.82%
44.57%
2,556
2,100
1,700
1,250
900
700
600
4.17%
3.45%
3.11%
9.28%
11,060
40.17%
13,914
7.92%
10,300
38.87%
14,100
6.83%
5.34%
9,100
8,150
7,100
6,600
6,300
36.55%
34.83%
32.87%
32.51%
32.64%
14,100
13,900
13,600
13,000
12,400
(I/F)
50.54%
53.21%
56.63%
59.40%
62.96%
64.04%
64.25%
注:平成 17 年は国勢調査の実績値である。平成 22・27 年は「総合計画」における目標推計値、平成
32・37・42 年は同じく「総合計画」において検討された見通し推計値である。
年少人口:14 歳以下人口、生産年齢人口:15 歳〜64 歳人口、高齢人口:65 歳以上人口
58
総人口と年齢3区分別人口の推計
人
60,000
(53,765)
(52,600)
(50,700)
(48,400)
50,000
(45,900) (44,300)
12,679
(43,300)
13,700
15,100
15,900
40,000
16,000
15,700
15,550
高齢人口(E)
生産年齢人口(D)
年少人口(C)
30,000
33,548
31,900
29,400
20,000
27,100
25,100
24,100
23,400
10,000
7,538
7,000
6,200
5,400
4,800
4,500
4,350
H17
H22
H27
H32
H37
H40
H42
0
産業別就業人口の推計
人
30,000
(27,530)
(26,500)
(24,900)(23,400)
25,000
20,000
(21,600)
13,914
(20,300)
(19,300)
14,100
14,100
13,900
15,000
13,600
13,000
12,400
第3次産業(I)
第2次産業(H)
第1次産業(G)
10,000
11,060
5,000
2,556
10,300
2,100
9,100
1,700
8,150
7,100
6,600
6,300
1,250
900
700
600
0
H17
H22
H27
H32
H37
H40
H42
(2)産業関係フレーム
1)工業生産(製造品出荷額等)
工業は、いわゆるバブル経済崩壊の後しばらくの間、工場事業所数、従業者数、製
造品出荷額等のいずれの関連指標も停滞あるいは減少の傾向を示しました。
しかしながら最近は、中小零細工場の転廃業に伴う事業所数の減少が見られるもの
の、従業者数や製造品出荷額等については回復基調から増加傾向に転じてきています。
今後は、既存進出企業の本格稼働や生産性の向上、また新たな工業団地の整備と企
業誘致を進めること等から、工業生産活動は堅調に推移していくものと見込まれます。
工業生産(製造品出荷額等)フレーム
年
項目
製造品出荷額等
単位:億円
平成 17 年
平成 18 年
平成 22 年
平成 27 年
平成 32 年
平成 37 年
平成 40 年
平成 42 年
(2005 年)
(2006 年)
(2010 年)
(2015 年)
(2020 年)
(2025 年)
(2028 年)
(2030 年)
2,941
3,066
3,050
3,310
3,580
3,840
4,000
4,100
注:平成 17 年・18 年は「工業統計調査」結果の実績値である。他の年次はトレンド推計(直線回帰分析)による。
59
2)商業活動(商品販売額)
商業活動は、全体として停滞的ないし縮小傾向が見られます。最近の 13 年間で商店
数は 214 店の減少、従業員数も微増から減少傾向へ転じています。年間商品販売額は
約 90 億円減の 700 億円前後で推移しています。大型店舗の進出立地や景気後退などの
影響もあるものと考えられます。
今後について「総合計画」では、商業振興に関する各種施策を講じるものの、人口
減や高齢社会の一層の進行などによる人口構成の変化等により、消費購買力が縮小し
ていくものと見込み、平成 27 年の年間商品販売額が 673 億円程度になるものと推計(目
標)しています。
このような見通しを踏まえて、商業活動フレームは縮小傾向の延長線上を推移して
いくものとして設定しました。
商業活動(商品販売額)フレーム
単位:億円
年 平成 16 年 平成 19 年 平成 22 年 平成 27 年 平成 32 年 平成 37 年 平成 40 年 平成 42 年
項目
商品販売額
(2004 年)
(2007 年)
(2010 年)
(2015 年)
(2020 年)
(2025 年)
(2028 年)
(2030 年)
698
703
685
673
661
649
642
638
注:平成 16 年・19 年は「商業統計調査」結果の実績値、平成 27 年は「総合計画」の推計目標値である。
他の年はトレンド推計(指数曲線回帰分析)による。
3)観光入り込み
観光入込客数は、増加傾向を示しています。最近 2〜3 年では富岡製糸場の世界遺産
登録に向けた動きもあって、増加の幅も大きくなり 200 万人/年を超えました。
「総合計画」では、平成 27 年度に 240 万人に達することを見込んでいます。妙義山
やゴルフ場、サファリパークなどの既存の観光資源・施設に加え、富岡製糸場の産業
文化遺産観光対象としての価値が一層高まるにつれ、来訪者等の増加も予想されます。
ここでは、「総合計画」で見通した平成 27 年の見込み値を踏まえ、その延長線上に
今後の観光入り込みが期待できるものとして、将来値をトレンド推計(直線回帰)に
よって算出しました。
年度
平成 7 年度
平成 12 年度
平成 17 年度
平成 18 年度
平成 19 年度
観光入り込み
観光客入込数(人)
1,213,300
1,604,900
1,811,700
2,047,500
2,024,100
備
考
初めて 200 万人超
平成 22 年度
2,100,000
H17〜H27 の補間値
平成 27 年度
2,400,000
「総合計画」見込み
平成 32 年度
2,700,000
平成 37 年度
3,000,000
平成 40 年度
3,200,000
平成 42 年度
3,300,000
注:平成 19 年度までは、群馬県・観光統計調査による実数値である。
60
(3)土地(宅地)関係フレーム
1)住宅用地
固定資産の概要調書によると、住宅用地は 1,025.20ha(平成 17 年 12 月 31 日現在)
です。このなかには農家や農業集落などの村落地も含まれています。1 世帯当たりの
平均住宅敷地面積は 569 ㎡(1,025.20ha÷18,026 世帯)、172 坪となります。
近年の一般住宅地開発における 1 戸当たり平均敷地規模は 75〜80 坪(250〜265 ㎡)
となっています。
世帯数は増加していく見込みです。そこで、今後の住宅地開発における 1 世帯(1
戸)当たりの平均住宅敷地規模を 250 ㎡と仮定し、増加世帯数に乗じた値を新たな住
宅地需要発生分とし、これを平成 17 年の住宅用地面積に累加して、住宅用地フレーム
とします。
住宅用地フレーム
増加世帯数
住宅地需要
発生分(ha)
18,026
−
−
1,025.20
−
19,000
974
24.35
1,049.55
24.35
19,700
700
17.50
1,067.05
41.85
20,400
700
17.50
1,084.55
59.35
21,200
800
20.00
1,104.55
79.35
21,500
300
7.50
1,112.05
86.85
21,700
200
5.00
42
注:平成 17 年世帯数は国勢調査による。
1,117.05
91.85
平成・年
17
22
27
32
37
40
世帯数
住宅用地
面積(ha)
平成 17 年比
増加分(ha)
2)工業用地
固定資産概要調書によると工業用地面積は 93.5ha で、敷地生産性は 31.5 億円/ha
となっています。
バブル経済の崩壊後、敷地生産性は著しい低下をみましたが近年は回復してきてい
ます。
今後については、新たな企業の誘致も含めて、生産性を向上させながら生産活動そ
のものが堅調に推移していくものと考えられます。敷地生産性についても年間 0.3〜
0.5%の改善が期待できるようになってきました。
工業の敷地生産性
製造品出荷額等
平成・年
(億円)
工業用地面積
(ha)
敷地生産性
(億円/ha)
備
考
4
2,034.5
60.0
33.9
参考値 旧富岡市分
12
2,246.7
100.7
22.3
17
2,941.3
93.5
31.5
注:製造品出荷額等は、「工業統計調査」結果による従業者が 4 人以上の事業所についての年
間の集計額である。
61
工業用地フレームについては、5 年間に 2%程度の敷地生産性の改善向上が続いてい
くものとして、先に見通した製造品出荷額等を除して算出しました。
工業用地フレーム
製造品出荷額等
平成・年
(億円)
敷地生産性
(億円/ha)
工業用地面積
(ha)
17
22
27
32
37
40
2,941.3
3,050.0
3,310.0
3,580.0
3,840.0
4,000.0
31.5
32.1
32.8
33.4
34.1
34.5
93.5
94.9
101.0
107.1
112.6
115.9
42
4,100.0
34.8
117.9
備
考
実績値
17 年比+7.5ha
17 年比+19.1ha
17 年比+22.4ha 補間値
3)商業用地
固定資産概要調書によると商業用地面積は 5.7ha で、敷地生産性は 122.4 億円/ha
となっています。大規模店舗などの進出があると、その立地場所や業態、店舗形状等
によって指標としての敷地生産性は一時的に変動しますが、市全体としてみるとわず
かずつ低下する傾向が見られます。10 年間に 4%ほどの低下です。
商業の敷地生産性
年間商品販売額
商業用地面積
敷地生産性
平成・年
備 考
(億円)
(ha)
(億円/ha)
6
792.2
6.2
127.8
11
900.0
6.2
145.2
16
697.6
5.7
122.4
注:年間商品販売額は「商業統計調査」結果による市内の全卸・小売店の商品売上額である。
飲食店やサービス業店は含まれない。
今後については、人口減等による消費購買力の縮小化に伴う販売額の減少が見込ま
れています。敷地生産性も 5 年間で 2%程度の低下が続くものと推定されます。
商業用地フレームは、予想される販売額を敷地生産性で除して算出しました。全体
面積としては、現在と同程度の規模が推移していくものと考えられます。
商業用地フレーム
年間商品販売額
平成・年
(億円)
敷地生産性
(億円/ha)
商業用地面積
(ha)
16
22
27
32
37
40
697.6
685.0
673.0
661.0
649.0
642.0
122.4
119.9
117.5
115.2
112.9
111.5
5.7
5.7
5.7
5.7
5.8
5.8
42
638.0
110.6
5.8
62
備
考
実績値
販売額は「総合計画」見通し
補間値
4)市街地の規模(DID)
国勢調査における DID(人口集中地区)は、実質的な「市街地」といえるものです。
今後について、DID の範囲(面積)は「住宅地」以外の商業業務地や工業地あるい
は都市公園などの都市的土地利用の区域も含まれるため、微増していくことが考えら
れます。人口等については、全市の傾向と同様減少が見込まれます。
こうした傾向を勘案し、DID 面積と DID 人口について、トレンド推計(自然対数回
帰式)によって将来値を算出しました。
平成
年
市街地の規模(DID)
全市人口
DID 人口
(人)
(人)
(A)
(B)
DID 人口
占有率(%)
(B/A)
DID 面積
(ha)
(C)
DID 人口密度
(人/ha)
(B/C)
備
考
2
7
12
17
54,259
54,435
54,401
53,765
15,331
14,933
13,832
13,357
28.3
27.4
25.4
24.8
350
390
367
367
44.4
38.7
37.7
36.4
22
27
32
37
40
52,600
50,700
48,400
45,900
44,300
13,100
12,800
12,550
12,350
12,250
24.9
25.2
25.9
26.9
27.7
376
379
380
382
383
34.8
33.8
33.0
32.3
32.0 補間値
42
43,300
12,150
28.1
383
31.7
63
国勢調査
国勢調査
国勢調査
国勢調査
6
土地利用構想
6−1 土地利用の方針
地域の特性を活かし、合理的で秩序ある土地利用の実現を図るため、長期的かつ総
合的な観点に立って見通す必要があります。
利用区分別の土地利用については、次のような方針でのぞむこととします。
(1)農用地
農用地は食糧生産等のための重要な場であり、農業経営者の大切な生活基盤でもあ
ります。また田園景観等を構成し、緑のオープンスペースを供する貴重な要素でもあ
ります。
現在の農用地は、その保全と整備を図ることとします。遊休化している農用地につ
いては、流動化などによる利用促進を図るほか、必要に応じて計画的に他への転用を
進めます。また、特に用途地域内や幹線道路沿線等の宅地化需要が強い地域の農用地
については、「農業振興地域整備計画」などと調整しながら適切な対応を図ります。
(2)森林
森林の持つ多種多様な公益的機能に鑑みて、それらの機能が十分に発揮できるよう
適切な保全と管理を進め、また、造林等を含む育成(保続培養)に努めます。
今後、森林のままでの林間レクリエーション的利用も考えられますが、おおむね現
在の森林の範囲を維持することを基本とします。
(3)水面・河川
鏑川、高田川、丹生湖及び大塩湖等の良好な自然環境・景観を構成する水面・河川
については、改修等の治水的整備を推進するとともに、水辺や周辺の保全と環境整備
を行って、自然とのふれあいの場やレクリエーション的利用の場として活用します。
水面・河川の位置と広がりの範囲は、現状がそのまま推移していくものとします。
(4)住宅地
主として世帯数の増加に伴う住宅地の需要増加に対応して、必要な用地を確保する
とともに、既存の住宅地や集落地は、住環境整備を推進して良好な居住環境の形成を
図ります。
新たな住宅地は、極力用途地域内で確保していくこととします。
(5)商業業務地
中心商店街などの既存の商業業務地については、活性化や商業環境整備を図って有
効利用を推進します。また「商業地域」については容積率等の見直し検討を行います。
バイパス沿線などの新たに商業業務地の需要が高まっている地域では、用途地域の
指定や基盤整備等を行って、混在やスプロール化が進行しないよう適切な立地(利用)
誘導に努めます。
64
(6)工業地
本市産業経済の要である工業について、その振興基盤としての用地は可能な限りま
とまって確保する必要があります。工業系用途地域と工業団地については、周辺に配
慮しながら一層の基盤整備と環境整備を推進します。
新たな工業用地需要に対しては、周辺環境や交通アクセス、関連産業との連携等を
勘案しながら、適切な区域の確保に努めます。
(7)公園緑地等
都市公園を含めて、身近な緑や憩いの場としての公園・緑地等は、
「緑の基本計画」
の方針などを参考としながら、市内各地域のそれぞれの特性に応じて、順次整備確保
を図ります。
市街地ゾーンについては、低未利用地や空地などを公園・広場的に利用することも
考慮し、また緑化と既存緑地等の保全を推進して、良好な都市環境の形成に努めます。
6−2 土地利用の配置構想
「6−1 土地利用の方針」に基づく配置構想は次図のとおりです。
65
66
7
都市施設等整備構想
7−1
道路交通施設整備構想
(1)公共交通機関の整備
1)基本的考え方
交通弱者や環境保護の観点から、公共交通の充実を図り、過度のマイカー依存型社
会からの脱却のための交通体系の確立を目指します。
2)公共交通機関の整備の方針
①
上信線については、沿線市町と連携し、利用者の確保や関連施設整備などの支
援を行います。
② 駅周辺などの駐車場や駐輪場の整備を進め、 パーク&ライド の利便性向上を
図ります。
③ 車両や駅舎を含めて、鉄道関連施設・設備の整備に当たっては、ユニバーサル
デザインの採用を促します。
④ 乗合タクシーについては、路線維持のための各種支援を行うとともに、時代に
即した利用システムの整備を進めます。
(2)
道路・道路網の整備
1)基本的考え方
広域交流の促進のため広域幹線道路網の整備をより一層推進します。
市街地の骨格をなす環状幹線道路と南北幹線道路の整備を促進します。
道路整備に当たっては沿道の環境や景観に配慮するとともに、市民アンケートでも
最多回答(意向)のユニバーサルデザイン化の推進に努めます。
特に中心市街地においては、シンボル性や歩行空間としての機能の充実化及び修景
等を進めます。
2)道路・道路網の整備の方針
①
広域的幹線道路網の整備
上信越自動車道、国道 254 号富岡バイパス、西毛広域幹線道路は、幹線道路の中
でも広域交流軸あるいは広域都市軸としての役割を持つ重要路線といえます。国
道 254 号富岡バイパス(田篠田島線)の暫定改良区間の整備を進めるとともに、
西毛広域幹線道路(富岡下黒岩幹線)の事業進捗を一層促進します。
上記のほか、本市における広域幹線道路として、国道 254 号、主要地方道の一ノ
宮・妙義線、前橋・安中・富岡線、藤木・高崎線、下仁田・安中・倉渕線、富岡・神流線、
松井田・下仁田線の 7 路線を位置づけ、整備の促進を図ります。
67
さらに、神農原地区内の交通渋滞を緩和し、下仁田インターチェンジの利用・効
用を促進するため、新たに(仮称)国道 254 号神農原バイパスの整備を提案します。
―般県道については、幹線道路として位置づけ整備の促進を目指していくもので
すが、特に、下仁田・小幡線、秋畑・富岡線、中野谷・富岡線、南蛇井・下仁田線、
南後箇・七日市線、菅原・一ノ宮線、下高尾・小幡線、宇田・磯部停車場線について
は交通量等を勘案しながら、改良整備の促進とともに道路機能の強化を推進しま
す。
②
市街地の幹線道路整備
市街地の骨格となる幹線街路としての都市計画道路については、特に環状幹線道
路の整備が必要です。西富岡内匠線の第四工区 830mの区間について、重点的に
整備を進めます。
市街地の中央都市軸である田篠一ノ宮線(国道 254 号)は、東西連絡の幹線道路
としての役割を担うものですが、一部未改良の歩道や交差点があるため、緊急度
の高い箇所から整備を図ります。
上町酢ノ瀬線については、富岡製糸場の世界遺産登録との関連から、計画の見直
しが考えられます。予想交通量配分等の分析をさらに進めながら、
「まちづくり計
画」に基づき、計画内容変更を視野に入れた再検討を進めます。
その他の都市計画道路についても、必要に応じてあらためて将来の利用見通しや
整備内容などの分析検討を進めて見直すとともに、整備にあたっては、必要性が
高い路線から順次計画的整備を推進します。
なお都市計画道路ではありませんが、上州富岡駅と国道 254 号を結ぶ県道富岡停
車場線は市街地内交流の主要な動線ともなるものです。富岡製糸場とのアクセス
強化や道路利用者の安全確保のために必要となる整備内容等を含め、市民の合意
形成を図りながら事業計画を立て進めます。
その他、中心市街地の幹線道路は、
「まちづくり計画」や「景観計画」等を踏まえ
ながら、無電柱化などの修景や演出工夫などにも努めます。
③
生活道路の整備
幹線道路へのアクセスや生活道路における利便性の向上を図る観点から、地区の
実情に配慮し、補助幹線道路及び街路等の整備を進めます。
整備に当たっては、防災機能の向上、歩行者の安全確保等を図るため、狭隘道路
の拡幅整備・舗装の整備を行うとともに、歩道の段差解消等ユニバーサルデザイ
ンにより高齢者や障害者に配慮した人にやさしいコミュニティ道路となるよう努
めます。
市街地については、一方通行化や時間帯による車両通行禁止ゾーン、スクールゾ
ーン、シルバーゾーン等の道路利用のためのソフト施策を検討し、歩行者を優先
した生活道路の確保を目指します。
68
7−2
公園緑地等整備構想
(1)基本的考え方
西部及び南部に広がる山地の森林や、丘陵地の里山林、田園の農耕地、河川・湖沼
などは、本市の歴史と文化を育み、またその背景をなす多様で豊かな自然的環境を構
成しています。本市の原風景ともいえるものです。これらの 緑 の資源は、適切な
管理を通じて保全し、守り育て、将来に引き継いでいく必要があります。
健康的で快適な暮らしを支え、誰もが気軽に憩い、集い、余暇を楽しみ、水・緑と
触れ合う等々、市民や来訪者の多様な要望に応えることのできる公園・緑地等は、 緑
の資源を活用しながら、計画的な整備・創出を推進していきます。
(2)公園緑地等整備の方針
①
森林地域の保全
国定公園の区域を含む妙義地区や、額部・吉田・丹生地区などに広がる山地森林
については、森林の持つ公益的機能に十分配慮して、適切な管理及び造林等を推
進し、保全を図ります。
山地森林の有する多様な自然に触れ合い、また自然への理解を深めるため、一部
林間を利用した森林公園や遊歩道などの整備と維持管理に努めます。
②
田園・里山等の原風景の保全
農用地の広がる田園や里山は、本市を特徴づける自然的緑地であり、原風景とも
いえるものです。妙義山や稲含山などの眺望を映えさせる背景的・借景的な緑地
空間であるとともに、富岡製糸場を支えながら歴史と文化を醸成してきた場でも
あります。
田園・里山地域は、土地利用の整序化を進めるとともに、丘陵斜面の林地等の保
全と適切管理を促進し、
「景観計画」などを踏まえて、集落と里山・田園とが調和
した美しい原風景の緑地帯となるよう努めます。
市民等への体験の場としての開放・利用のため、原風景の復元・再生を図る地域
を定めることを検討していきます。またそれらを 原風景の拠点 として位置づ
けていくことも検討します。
さらに将来的には、特に市街地近郊の里山斜面林等の区域について、富岡製糸場
を支えていくためにも風致地区などの指定を検討します。
③
河川・水辺等の保全と活用
鏑川と高田川は、本市の 水と緑の軸 として位置づけられるものです。また、
丹生川や雄川などの支流も軸につながる 支川 軸ととらえられます。これら河
川の整備に当たっては、治水機能を確保しつつ 多自然川づくり を推進し、市
民等ができる限りあるがままの水辺の自然と触れ合える機会を増やしていくこと
を目指します。また、沿川の緑化、遊歩道やサイクリングロード等の整備を一層
進めて、親水的な河川の自然公園となるよう努めます。
丹生湖や大塩湖などの湖沼については、湖水環境の改善を進めるとともに、風致
的な 水と緑の拠点 を創出していきます。
69
④
水と緑の拠点等を結ぶネットワークの整備
世界に誇る歴史的文化遺産の富岡製糸場、特異な山嶺の妙義山、古代の地域の成
り立ちを今に伝える中高瀬観音山遺跡や妙義神社、貫前神社等、国宝級の施設・
資源と、総合公園や運動公園を含む 水と緑の拠点 とを有機的に結ぶようネッ
トワーク化を推進します。
資源・施設と各拠点との連絡・往来に関連する幹線道路やアクセス道路について
は、シンボル的あるいはテーマ性を持つような沿道緑化を進めることを検討しま
す。
⑤
都市公園等の整備
身近な公園緑地としての都市公園等については、都市公園が 16 箇所(供用
55.82ha)、緑地が 1 箇所(第 1 号鏑川緑地 64.80ha)あります。このうち中高瀬観
音山遺跡歴史公園は、計画決定(21.60ha)していますが未供用であるため、早期の
供用を目指して整備を進めます。
⑥
公共的施設・資源等における緑の保全・緑化と公園的施設の付設
市街地のほぼ中央に位置する富岡製糸場の周辺や、貫前神社・妙義神社・中高瀬
観音山遺跡周辺等の緑については、歴史的文化的な象徴空間として施設ともども
一体的に保護・保全していきます。
庁舎・支所をはじめとした官公署、学校・病院、公民館等公共的施設の敷地等に
ついては、緑化を一層推進します。また、一部可能な範囲で付設して公園・園地
的な整備を行い、一般への開放・供用を検討していきます。
工業団地や大型集客施設等についても、緑化と園地・広場等の付帯的な整備と開
放を促します。
市街地中心部については、「まちづくり計画」や「景観計画」等を踏まえながら、
駐車場の一部や公共施設充当用地等を活用して、ポケットパークや休憩園地・小
広場等の整備と緑化植栽による修景・演出等を検討していきます。
⑦
協定などによる緑の保全と創出
「樫ぐね」などを含む生垣や、旧家の庭木や寺社境内林等には、本市の風土特有
の形態が見られるものがあります。必要に応じて、生垣等保護協定や保存樹木指
定などを行って、その保全と管理を支援していくことを検討します。
市街地についても、緑地協定や保存樹木指定などを検討し、潤いのあるまちづく
りを進めます。
70
7−3
下水道等整備構想
(1)基本的考え方
生活雑排水やし尿等の汚水処理については、各地区の特性や周辺環境等を考慮し、
市の「生活排水処理基本計画」で定められた整備手法により整備期間や費用を検討し
て適切に整備します。
住環境の改善を効率的に推進するため、公共下水道区域を見直し、市街地の主要な
区域以外については浄化槽整備推進事業により汚水処理を進めることとします。
その他の区域についても、集合処理による汚水処理方式(既存集合処理施設を除く)
を見直し、浄化槽整備推進事業により整備を行います。
併せて、公共下水道や農業集落排水への接続等を促進し生活排水の処理を推進しま
す。
(2)下水道等整備の方針
1)流域関連公共下水道の計画的整備
流域関連公共下水道は、下記の図表のとおり整備を進めます。
整備計画面積(ha)
下水道整備計画
現計画
将来計画
810
453
71
2)公共下水道の処理区域外における整備
公共下水道や農業集落排水事業等の計画区域外の地域については、市町村設置型
浄化槽の普及整備を推進します。これは、浄化槽整備推進事業として市が設置し、
管理を行っていくものです。
農業集落排水事業については、処理場やポンプ、管路などの維持管理を徹底する
とともに、計画区域内の施設への接続を促進します。(計画区域は岡本、南後箇、
内匠の一部〔整備済面積 385ha〕です。対象人口は 2,357 人ですが、実際接続人
口は 981 人となっています。〔H19.3.31〕)
その他コミュニティプラント処理を行っている団地等については、効率的な運営
と適切な維持管理を促します。
72
8
市街地等整備構想
(1)基本的考え方
市街地 の開発や拡大ということに関しては、まとまった規模の大きな整備の必
要性を新たに見出すことはできません。既存の市街地等について、まちの歴史・文化
を踏まえた景観形成やきめ細かな環境整備が求められているといえます。
従って市街地等整備の方向は、いわば現状の特性を維持保全しつつ質的な改善・向
上を図っていく、ということに主眼をおくこととします。また、今後の市街化(宅地
化)については、地域地区制度等の適用によって適切な誘導と土地利用の整序化を図
るよう努めます。
(2)市街地等整備の方針
1)都市計画区域の見直しと準都市計画区域指定の検討
①
都市計画区域の見直し検討
現在の都市計画区域に隣接し、下仁田インターチェンジに接続する国道 254 号沿
線を中心とする吉田・丹生・妙義地区を含む本市西部の区域は、宅地化が徐々に
進行しています。しかしながら、幹線道路を除く多くの生活道路等は狭隘なまま
残された状況です。
これまでは工業系及び業務系用途の進出立地が主ですが、今後は流通系や観光関
連の宅地化も予想されます。それに伴って、狭隘道路の解消をはじめとする各種
都市施設整備の必要性が高まってくるものと考えられます。
今後、建築動向などの把握分析をさらに進めるとともに、地形地物の状況や隣接
する下仁田町との関係にも配慮して、都市計画区域の拡大指定(下仁田町都市計
画区域との連担化)に向けた見直し検討を行います。見直しに当たっては、その
メリット・デメリットを十分研究するとともに、関係区域での事前の広汎な合意
を得るよう努めます。
②
準都市計画区域指定の検討
上記①で述べた本市西部の区域については、都市計画区域の見直し(拡大指定)
の検討と並行して、準都市計画区域指定の可能性も検討します。準都市計画区域
では、都市施設整備や市街地開発事業等はできませんが、地域地区を定めること
ができます。
中心市街地の富岡製糸場と西の妙義山は、本市の地域的個性を象徴する二大資源
ともいえますが、それらの中間の西部の区域は、いわば資源特性を強調するため
の背景的な支持役を担っているとも考えられます。土地利用の整序化と風致的な
環境の維持は、この区域の課題でもあると考えられることから、都市計画区域と
同様に指定のメリット・デメリットを研究しながら、その可能性を検討します。
73
2)新たな用途地域・特定用途制限地域の指定
①
富岡バイパス沿線
国道 254 号富岡バイパス(田篠田島線)沿線は、商業業務系用途を主とする宅地
化が進行しています。今後、環状幹線道路としての西富岡内匠線や西毛広域幹線
道路の富岡下黒岩幹線が接続開通することを見込んで、住居系や工業・物流系用
途の進出立地も加わった宅地化が徐々に進むことが予想されます。土地利用の整
序化や沿線環境との調和ないし保全等を考慮すると、事前の、適切な規制と誘導
の手だてを講じておく必要性が高まってきているといえます。
そこでこれら沿線の区域では、将来的に「近隣商業地域」や「準住居地域」など
の沿道型用途地域の新たな指定や、特定用途制限地域の指定について検討します。
<新たな用途地域等指定の検討箇所>(「新たな用途地域等指定の検討箇所」図参照)
・国道 254 号富岡バイパス沿道
…約 21.0ha
・西富岡内匠線(第四工区)沿道 …約 02.5ha
・富岡下黒岩幹線沿道
…約 04.0ha
②
市街地近郊の工業団地など
国道 254 号や主要地方道などの広域幹線道路沿線にある工業団地や、今後造成が
予想される工業団地等については、その周辺域を含めて、産業振興拠点として位
置づけられるものです。企業等の新規進出や移転などは、環境に配慮しつつ産業
振興拠点ヘの立地を適切に誘導していくことが必要です。
現在の都市計画区域外にある産業振興拠点について、将来都市計画区域などに含
まれることになった場合には、工業系用途地域の指定等も検討することが考えら
れます。
3)市街地整備の方針
①
面整備
中心市街地には、狭隘な道路に囲まれ老朽木造家屋等が密集状態となっている区
域が多数箇所見られます。単純に考えると、土地区画整理事業や市街地再開発事
業等の面整備を実施していく必要があるといえるかもしれません。
しかしながら、世界遺産登録を目前に控えた富岡製糸場が存在し、その周辺域の
環境や景観などが適切に保護・保全されている必要があること等を考慮して、中
心市街地の区域における、いわゆる面整備の計画は今後、考えないこととします。
②
地区計画や各種協定等による整備
中心市街地の整備に当たっては、
「まちづくり計画」や「景観計画」を踏まえなが
ら、地区計画制度の導入を図ります。
また、景観計画に基づく「景観協定」や、「建築協定」「緑地協定」などの締結を
促進して、地区計画及び地域地区の見直しを組み合わせつつ、整備を推進します。
74
「新たな用途地域指定の検討箇所」図
75
9
都市景観整備構想
(1)基本的考え方
平成 17 年 12 月本市は景観法に基づく景観行政団体となり、景観条例の制定や景観
計画の策定を進めています。
「景観計画」は、①歴史・文化・風土に根ざした景観形成の推進、②市民・事業者
と行政との協働による景観づくり、③景観創出のためのコントロール制度等の整備
をねらいとするものです。都市景観の形成については、この「景観計画」にもとづく
富岡らしさが強調された整備を進めます。
(2)都市景観整備の方針
1)景観づくりの目標と基本方針
理念
継承と創造
−歴史や伝統を礎とした『誇り』を継承し、
『愛着』の感じられる風景を創造する−
目標と基本方針
(目標像)
…
(基本方針)
(基本目標)
○富岡製糸場を守り、これを引き立たせる
街なみを創る
富岡が誇る風景の価
値を共有し、次代に
引き継ぐ
妙
義
の
山
な
み
と
歴
史
あ
る
製
糸
場
が
彩
る
心
地
よ
さ
に
包
ま
れ
た
ま
ち
○絹産業遺産の一つとして重要なレンガ倉
庫を守り、活かす
○周辺の緑と一体となった歴史的建造物を
守り、活かす
○姫街道に残る古い街なみを守る
○斜面樹林と集落、農地から構成される里
山の景観を守る
○棚田や桑畑など、特徴的な田園風景を守る
○鏑川などの水辺景観を守り、活かす
○妙義山や稲含山などへの眺望景観を守る
○伝統的な日本家屋や蔵のある街なみを守
り、再生する
街なみとの調和に配
慮し、魅力を高める
○周辺から際立つ色使いを改善する
○幹線道路沿道における屋外広告物を適正
に誘導する
○暮らしの場としての心地よさが感じられ
る住宅地の景観を維持する
多彩な表情を持つ、
新しい富岡のイメー
ジを創り出す
○界隈性を大切にしながら、にぎわいのあ
る商業地景観を再生・創出する
○緑豊かな工業地景観を維持、創出する
○沿道と一体となった緑豊かな道路景観を
創出する
○周辺の自然環境を活かした水と緑の拠点
となる公園・緑地を守り、活かす
○地域の特徴的な形態意匠を取り入れた、
公共施設の景観を創出する
富
岡
○愛郷の精神を醸成する
みんなで協力し、
愛郷のまちを育てる
○景観づくりをともに進めるしくみを整える
○広く「まちづくり」ととらえ取り組む
76
2)「景観づくりの方針」と「景観形成指針」の策定
「景観計画」では、景観づくりの目標と基本方針を踏まえ、今ある景観の何を
「守り」
「直し」
「育て」、新たな魅力として何を「創る」のか、その基本的な方向
(景観づくりの方針)を定めます。
この場合、住宅地や工業地などの土地利用の類型、個別の資源・施設や道路・
河川など点的・軸的構造の成り立ちを把握しながら、類型別・構造別に示してい
くこととします。
さらに、景観づくりの方針に沿った良好な景観形成を進めるため、より具体的
な景観的配慮事項を指針(景観形成指針)として示すこととします。
77
10
都市防災構想
(1)基本的な考え方
災害危険箇所等の調査研究を進め、監視警備や予防対策事業等を推進します。
市民の防災意識の高揚や防災知識の普及を図りながら、地域自主防災組織の支援・
育成に努め、また広域消防体制の充実化とともに市全体の防災体制を強化します。
地域防災計画や水防計画、国民保護計画等を踏まえながら、防災基盤を整備し災害
に強いまちづくりを推進します。
(2)都市防災に関する整備の方針
1)災害危険箇所等の把握と監視及び対策事業の推進
土石流、急傾斜地崩壊、地すべり等の土砂災害危険箇所、水害の危険箇所等々、
調査中の区域も含めて、ほとんど市全域にくまなく分布しています。危険の度合
いや被害予想などの調査研究を一層進めながら、関係機関と協議しつつ点検・監
視や巡視等の警戒体制を整えます。
さらに、調査研究や点検結果に基づいて、治山・治水事業と連携して必要な対
策事業を順次進めます。
2)地域の防災基盤等の整備
耐震改修促進計画に基づき、一般住宅を含む建築物などの耐震診断・耐震改修
の促進を図ります。
避難場所の多くが学校や公民館などですが、これらの施設についても耐震・耐
火等耐災性の強化を図ります。また、安全な避難経路の確保に努めます。
防災関連情報の伝達・連絡手段等の整備を一層進めるとともに、生活インフラ
についても耐災性の強化を促進します。
3)防災意識の高揚と防災体制の強化
防災訓練や各種講習会、広報誌等を通じて、防災まちづくりに関する知識の普
及と意識の高揚に努めます。
地域の自主防災組織等の育成に努めるとともに、地区の安全性点検などの防災
まちづくり活動を支援します。
災害時要援護者に関する情報整備なども体制づくりの一環といえます。福祉関
係機関とも協議しながら、災害時の対応のあり方について検討します。
4)市街地の防災対策
市街地中心部には、老朽化した木造建築物が密集している区域が見られます。
災害時における火災等の二次災害や延焼等の被害を最小限に抑えるため、道路や
公園広場等のオープンスペースの確保、消火栓増設や防火用水確保等の防災施設
整備を積極的に推進します。
また、都市基盤施設や防災施設の整備に合わせて、
「防火地域」又は「準防火地
域」の指定を見通した検討を進めるとともに、建築物の難燃化・不燃化及び耐震
化を促進します。
78
11
地域区分と地域別構想
11−1
地域区分
地域区分は、歴史文化的特性、地理的・自然的特性、土地利用と都市的諸機能の分布
状況などを踏まえながら、下図のとおり 7 地域に分けました。
2.黒岩・小野地域
3.一ノ宮地域
7.妙義地域
1.中央地域
4.高瀬地域
6.吉田・丹生地域
5.額部地域
地 域 区 分 図
地域区分と地域の構成
地域名
面積(ha)
地域を構成する町字名
七日市、富岡、曽木、田篠、君川、星田、
1.中央地域
1,273.8 黒川、別保
2.黒岩・小野地域
2,187.7 桑原、小桑原、相野田、白岩、後賀、蕨
上黒岩、下黒岩、上高尾、下高尾、藤木、
人口・世帯(H19.10.1)
人口(人) 世帯数(世帯)
19,716
7,254
5,698
1,831
3.一ノ宮地域
686.3 一ノ宮、宇田、宮崎、神農原、田島
7,191
2,612
4.高瀬地域
588.4 大島、上高瀬、中高瀬、下高瀬、内匠
7,664
2,706
3,429
1,052
5,642
1,875
4,797
1,607
54,137
18,937
5.額部地域
2,269.5 野上、岩染、南後箇、岡本
6.吉田・丹生地域
2,408.3 上丹生、下丹生、原
7.妙義地域
2,876.0 中里、古立、行沢、諸戸、菅原、北山
計
南蛇井、中沢、蚊沼、神成、上小林、
下高田、上高田、八木連、妙義、岳、大牛、
12,290.0
注:妙義地域の町字について、正しくは各冒頭に 妙義町 が付記される。
人口・世帯は住民基本台帳による。
79
参考:地域区分と都市計画区域・用途地域の範囲
7.妙義地域
2.黒岩・小野地域
6.吉田・丹生地域
1.中央地域
4.高瀬地域
都市計画区域
用途地域
3.一ノ宮地域
5.額部地域
80
11−2
地域別構想
(1)中央地域
1)位置づけと役割
人口・都市的諸機能が集積し、本市の、また広域圏における中心・中核地域です。
富岡製糸場は世界に誇る歴史的・文化的遺産であり、本市の成り立ちを象徴する顔・
資源でもあります。対照的な自然的資源の妙義山を有する妙義地域とも連携しつつ、
それを活かしたまちづくりが展開される地域です。
2)特性と課題
中央地域は文字通り本市の中央東部に位置し、市街地(DID)が形成されています。
面積は 1,273.8ha、人口は 19,716 人(停滞傾向)、世帯数は 7,254 世帯(増加傾
向)です。人口・世帯数ともに本市全体の 4 割弱がこの地域に集積しています。
君川・星田地区を除き都市計画区域に含まれます。またこのうちの市街地(DID)
の大部分は用途地域の指定があります。
市街地は、その形成の歴史的経緯から狭隘な道路が多く、また建物も木造・老朽・
密集状態であるところがみられます。土地利用についても住商併存、住商工混在
も多くみられます。
国道 254 号富岡バイパス(3・3・1 田篠田島線)の供用後、沿線には沿道型の商業・
業務施設や大規模集客施設等が数多く進出立地してきています。用途地域は指定
されていません。今後、沿線周辺の環境に配慮しながら秩序ある土地利用へと誘
導していくことが必要です。
本市の魅力を代表する富岡製糸場(国指定史跡、国指定重要文化財)は中心市街
地の南寄りに位置しています。世界遺産登録を見据え、この地域資源を活かした
持続可能なまちづくりが、中央地域ひいては本市の最も重要な地域整備課題とい
えます。
3)地域整備の方針
①
基本的な整備の方向
富岡製糸場などの地域資源を活かしながら、活力が感じられること、 集まって住み
続ける こと、暮らしやすさが実感できること等を目指して、都市機能と環境の充実
した地域として整備を進めます。
特に中心市街地に関しては、
「まちづくり計画」や「景観計画」を踏まえ、保全、再
生・復元、修景、ユニバーサルデザインなどの観点もきめ細かく多用して、良質な市
街地環境の形成に努めます。
81
②
土地利用に関する整備の方針
現在の用途地域については、今後も種類・範囲ともに維持していくことを基本と
します。
国道 254 号富岡バイパス沿線などの商業業務地の需要が高まっている区域では、
基盤整備を進めるとともに、混在やスプロール化が進行しないよう適切な立地(利
用)誘導を図るため、新たな用途地域等の指定について検討します。
富岡製糸場の世界遺産登録に係る、環境や景観が適切に保護・保全される必要のあ
る区域(景観計画の 特定景観計画区域 に相当)においては、容積率の見直し
及び高度地区の新たな指定について検討します。
世帯数の増加に伴う住宅地の需要増に対応する必要な住宅用地は、極力用途地域
内での確保に努めます。
点在分布する跡地・空地や低未利用地については、まちづくり計画などを踏まえ
て、公園・広場や交通用地への転用など、有効利用を促進します。
③
都市施設等の整備の方針
ア
道路交通施設の整備の方針
公共交通機関としての上信線と乗合タクシーについては、存続維持の支援に努め
るとともに、利用・利便性向上のための施設整備を推進します。
特に乗合タクシーの起終点でもある上信線の駅については、駅前広場とアクセス
道路の整備を進めます。また、駅周辺適地の駐車場確保に努めます。
広域的幹線道路である国道 254 号富岡バイパス(3・3・1 田篠田島線)の暫定改良
区間の整備を進めるとともに、西毛広域幹線道路(3・3・10 富岡下黒岩幹線)の事
業進捗を促進します。
市街地の骨格となる幹線道路としての都市計画道路については、3・4・2 西富岡内
匠線の第四工区 830mの区間について、重点的に整備を進めます。
市街地中央を東西に連絡する 3・4・7 田篠一ノ宮線(国道 254 号)は一部未改良の
歩道や交差点があるため、緊急度の高い箇所から整備を図ります。
3・4・5 上町酢ノ瀬線については、富岡製糸場の世界遺産登録との関連から、現計
画の見直しが考えられます。予想交通量配分等の分析をさらに進めながら、
「まち
づくり計画」に基づき、計画内容変更を視野に入れた再検討を進めます。
その他の都市計画道路についても、必要に応じてあらためて将来の利用見通しや
整備内容などの分析検討を進めて見直すとともに、整備にあたっては、必要性が
高い路線から順次計画的整備を推進します。
上州富岡駅と国道 254 号を結ぶ県道富岡停車場線は市街地内交流の主要な動線と
もなるものです。富岡製糸場とのアクセス強化や道路利用者の安全確保のために
必要となる整備内容等を含め、市民の合意形成を図りながら事業計画を立て進め
ます。
その他、中心市街地の幹線道路は、
「まちづくり計画」や「景観計画」等を踏まえ
ながら、無電柱化などの修景や演出工夫などにも努めます。
82
補助幹線道路及び街路等については、幹線道路へのアクセスや生活道路としての
利便性の向上を図る観点から、地区の実情に配慮し、順次整備を進めます。
整備に当たっては、防災機能の向上、歩行者の安全確保等を図るため、狭隘道路
の拡幅整備・舗装の整備を行うとともに、歩道の段差解消等ユニバーサルデザイ
ンにより高齢者や障害者に配慮した人にやさしいコミュニティ道路となるよう努
めます。
また特に市街地については、一方通行化や時間帯による車両通行禁止ゾーン、ス
クールゾーン、シルバーゾーン等の道路利用のためのソフト施策を検討し、歩行
者を優先した生活道路の確保を目指します。
イ
公園緑地等の整備の方針
地域北部、黒岩・小野地域に接する里山丘陵南側の斜面林や、鏑川・高田川とその
河畔林・河岸斜面緑地などは、富岡製糸場及び市街地を背景的に支え、水と緑に
囲まれたまちづくりのための大切な風致的環境要素となるものです。これらにつ
いては保全に努め、必要に応じて風致地区などの指定を検討します。
また里山の再生を図り、市民へ供する場として「もみじの里づくり事業」を推進
します。
富岡製糸場とその周辺、市役所庁舎をはじめとした官公署、学校・病院、公民館
等公共的施設の敷地等については、緑化を一層推進します。また、一部可能な範
囲で付設して公園・園地的な整備を行い、一般への開放・供用を検討していきます。
大型集客施設や一部企業工場についても、緑化と園地・広場等の付帯的な整備と
開放を促します。
市街地中心部については、「まちづくり計画」や「景観計画」等を踏まえながら、
駐車場の一部や公共施設充当用地等を活用して、ポケットパークや休憩園地・小
広場等の整備と緑化植栽による修景・演出等を検討していきます。
そのほか、旧家の庭木や生垣、寺社境内林等には、本市の風土特有の形態が見ら
れるものがあります。必要に応じて、緑地協定・生垣等保護協定や保存樹木指定
などを行って、その保全と管理を支援していくことを検討します。
ウ
下水道整備の方針
七日市・富岡地区の概ね用途地域の指定区域と曽木・田篠地区の一部が、流域関
連公共下水道の整備対象区域となっています。利根川上流流域関連富岡市公共下
水道整備計画に基づき、順次整備を進めます。
公共下水道の処理区域外については、市町村設置型浄化槽の普及・設置を推進し
ます。
エ
市街地整備の方針
世界遺産登録を目前に控えた富岡製糸場が中心市街地の区域に存在し、その周辺
域の環境や景観は適切に保護・保全されている必要があります。
83
市街地整備に当たっては、開発・改変・造成などに関する手法は控え、保全、再
生・復元、修景、改善・改質、整序などに関するきめ細かな対応の組み合わせや積
み重ねによって進めていくこととします。
すなわち、
「まちづくり計画」や「景観計画」を踏まえ、地域地区の見直しや地区
計画制度の導入・適用を図るとともに、「景観協定」や「建築協定」「緑地協定」
等と組み合わせつつ、整備を推進します。
オ
都市景観整備の方針
市街地の景観については、富岡製糸場の保全とこれを引き立たせ、またはこれに
調和するための街なみを創出するため、景観計画に基づいて「富岡製糸場周辺特
定景観計画区域」を設定します。
「富岡製糸場周辺特定景観計画区域」内を、A歴史文化的景観保全ゾーン、B旧
街道街なみ誘導ゾーン、C歴史文化的景観調和ゾーンに区分し、それぞれのゾー
ンにおける景観づくりの方針と景観形成指針を示します。
中央地域の都市景観は、この方針と指針に基づく規制、誘導、修景、協定、保全
措置等を行って整備します。
カ
都市防災に関する整備の方針
市街地には、老朽化した木造建築物が密集している区域が見られます。耐震診断・
耐震改修の促進を図るとともに、災害時における火災等の二次災害や延焼等の被
害を最小限に抑えるため、道路や公園広場等のオープンスペースの確保、消火栓
増設や防火用水確保等の防災施設整備を積極的に推進します。
また、都市基盤施設や防災施設の整備に合わせて、
「防火地域」又は「準防火地域」
の指定を見通した検討を進めるとともに、建築物の難燃化・不燃化を促進します。
豪雨時などに内水被害(水路溢水や滞水による浸水被害)を受けやすい箇所につ
いては、調査を進めながら内水排除対策(排水路整備等)に努めます。
土砂災害危険箇所については、その監視と防止対策に努めます。
84
1.中央地域の状況
公立富岡総合病院
国道 254 号富岡バイパス
(3・3・1 田篠田島線)
パークサイド黒川
住宅団地
上信線
上州富岡駅
中心市街地
「まちづくり計画」の
主な対象
高田川
市役所
ゴルフ場
85
観音前住宅
田篠住宅団地
富岡工業団地
国道 254 号
3・4・2 西富岡内匠線
富岡製糸場
田篠工業団地
リバーサイドタウン田篠
鏑川
酢の瀬住宅団地
85
1.中央地域
土地利用構想と整備の方針
用途地域等指定検討箇所
西毛広域幹線道路の整備
(3・3・10 富岡下黒岩幹線)
国道 254 号富岡バイバス整備
(3・3・1 田篠田島線)
環状幹線道路の整備
(3・4・2 西富岡内匠線)
もみじの里づくり
86
凡
例
農用地
森 林
水面・河川
住宅地
工業用地
商業業務用地
富岡製糸場
公共施設用地
公園・緑地
道 路
鉄
富岡製糸場周辺特定景観計画区域
(富岡製糸場の世界遺産登録に係る
緩衝地帯 の範囲〔想定〕)
道
その他
「まちづくり計画」の主な対象範囲
86
0
1
2㎞
(2)黒岩・小野地域
1)位置づけと役割
丘陵性の低山地帯で、身近な緑に囲まれた里山的景観が随所に見られます。それら
と共生・共存する本市北東の玄関としての整備を進める地域です。もみじ平総合公園は、
水と緑の拠点、文化的・レクリエーション的活動拠点であり、その活用と関連整備を推
進する地域です。
2)特性と課題
本市の北東部に位置し、丘陵性の低山地帯となっています。面積は 2,187.7ha、
人口は 5,698 人(減少傾向)、世帯数は 1,831 世帯(増加傾向)です。地域全体が
都市計画区域外です。
地域の 4 分の 3 以上が自然的土地利用で、丘陵・山間の谷津・谷地や緩斜面地に
農耕地と集落が分布します。里山的な景観が随所にみられます。
しかしながらそのような地形的条件から、狭隘で屈曲した道路が多く、また域内
主要道路や集落の近傍に土砂災害危険箇所が多数存在します。
地域の東側(小野地区)北部では、工業団地が 2 箇所、ゴルフ場が 2 箇所開発さ
れました。西側の黒岩地区にはもみじ平総合公園が整備され、市民の野外レクリ
エーションや文化的活動の拠点となっています。
県央や隣接する安中市とを結ぶ幹線道路が南北に通り、本市北東の玄関にあたる
地域であるといえます。
3)地域整備の方針
①基本的な整備の方向
里山に代表される身近な自然や地形等を活かし、これと共生・共存する本市北東の
玄関としての整備を進めます。
②土地利用に関する整備の方針
既存の工業団地については、敷地内や周辺の緑化などを一層促進し、里山地帯に
ふさわしい緑豊かな工業地景観の創出に努めます。
将来の企業誘致に備えて、幹線道路沿線などの適地に工業用地を確保します。
中央地域に接する里山の南側斜面緑地については、世界遺産登録を目指す富岡製
糸場と周辺市街地を後背から支え演出する、風致的あるいは緩衝的な役割を有し
ているといえます。この区域の保全と適切管理を推進します。
87
③都市施設等の整備の方針
本市南北交流及び県央地域などとの広域交流の要となる主要地方道前橋・安中・富
岡線の機能強化、及び西毛広域幹線道路の整備を促進します。
集落内を含む狭隘で屈曲した道路については、安全な生活道路として拡幅・改修等
の整備を推進し、生活環境の改善を目指します。
下高尾地区の旧製糸組合レンガ倉庫は、地域の歴史・文化を象徴するものとして、
保全・活用します。
ぐんま百名山に選定された崇台山(299m)は低山ですが、桜の花見や妙義山・大
桁山の眺望を楽しむことができる場でもあります。緑と景観の拠点としての整
備・活用を検討します。
豪雨時などに内水被害(水路溢水や滞水による浸水被害)を受けやすい箇所につ
いては、調査を進めながら内水排除(排水路整備対策等)に努めます。
土砂災害危険箇所については、その監視を進めるとともに緊急性の高いところか
ら順次防止対策等を講じます。
88
2.黒岩・小野地域の状況
富岡木材工業団地
富岡藤木工業団地
ゴルフ場
(主)前橋・安中・富岡線
崇台山
(ぐんま百名山)
ゴルフ場
もみじ平総合公園
89
レンガ倉庫
89
2.黒岩・小野地域
凡
路
鉄
道
緑の工業地景観
の創出
例
農用地
森 林
水面・河川
住宅地
工業用地
商業業務用地
公共施設用地
公園・緑地
道
土地利用構想と整備方針
集落地狭隘道路
の整備
工業用地の確保
主要地方道前橋・安中・富岡線
の整備・機能強化
レンガ倉庫の
保全・活用
崇台山の
整備活用
西毛広域幹線道路
の整備促進
90
その他
里山景観の保全
里山林・斜面緑地の保全と
適切管理
0
90
1
2㎞
(3)一ノ宮地域
1)位置づけと役割
市域の空間的な広がりの中では中央部に位置します。交通上の結節地域でもあり、
貫前神社を中心とするまちと工業団地など新旧併存の近郊都市・副都心的な位置づけ
がなされる地域です。
2)特性と課題
一ノ宮地域は、市域の空間的な広がりの中では中央部に位置します。面積は
686.3ha、人口は 7,191 人(停滞〜微減傾向)、世帯数は 2,612 世帯(増加傾向)
です。宇田地区、神農原地区の一部を除く大半が都市計画区域に含まれ、国道 254
号沿いは住居系の用途地域に指定されています。
地域の中央から北西部に丘陵が広がり、北東部〜東部の高田川・丹生川沿いと南
部の鏑川左岸域は平坦な地形となっています。
地域名は、中央部東寄りに位置する貫前神社(社殿は国指定重要文化財)が上野
国一ノ宮とされたことによります。この貫前神社の門前を中心として比較的古く
から集落が形成され、また農耕地も広がっていますが、国道 254 号や一ノ宮妙義
線などの幹線道路沿線をはじめとして宅地化も進んでいます。いわば、新旧併存
の都市近郊地帯の様相を見せている地域です。
宅地開発の比較的規模の大きなものとして、4 つの工業団地(富岡宇田工業団地、
富岡宇田第 2 工業団地、富岡坂井工業団地、神農原工業団地)があげられます。
市内 8 つの工業団地のうち、半数をこの一ノ宮地域で占めていることになります。
地理的な位置や土地基盤条件等からみて、開発ポテンシャルが比較的高い地域で
あるといえます。
幹線道路以外は狭隘な道路が多く残されています。また、幹線道路である国道 254
号についても、都市計画道路(3・3・1 田篠田島線)として整備されたのは田島以
東の区間で、上信越自動車道下仁田インターチェンジへ接続する田島以西は整備
対象外です。懸念されるこの区間の渋滞を緩和し、交通の流れを適切に配分する
ためのバイパスなどの整備計画が期待されるところです。
3)地域整備の方針
①基本的な整備の方向
都市計画区域内の道路等の基盤整備を一層推進するとともに、土地利用の整序化
を図って、美しく均衡のとれた都市近郊地帯としての整備を進めます。
②土地利用に関する整備の方針
新たな宅地開発については、現在の用途地域内で行われるよう、その適切誘導に
努め、土地利用の整序化を推進します。
既存の工業団地については、敷地内や周辺の緑化などを一層促進し、都市近郊地
帯にふさわしい緑豊かな工業地景観の創出に努めます。
91
丘陵地帯の林地や農用地は、近郊緑地としての役割を持つとともに、貫前神社に
代表される地域的風土・文化や原風景を醸成してきた後背地でもあります。新た
な大規模な開発・改変を抑制し、保全と適切管理を促進します。
③都市施設等の整備の方針
(仮称)国道 254 号神農原バイパスの整備について検討します。
幹線道路以外の狭隘な道路について、拡幅・改修等の整備を順次進めます。
公共下水道排水処理計画区域の見直しを図り、市町村設置型合併浄化槽の普及整
備を推進します。
貫前神社及び社会教育館周辺は、本市における歴史文化の拠点景観の地として位
置づけられるものです。景観計画に基づき、歴史的建造物の保全に努めます。
豪雨時などに内水被害(水路溢水や滞水による浸水被害)を受けやすい箇所につ
いては、調査を進めながら内水排除対策(排水路整備等)に努めます。
土砂災害危険箇所については、その監視と防止対策に努めます。
3.一ノ宮地域の状況
富岡宇田工業団地
富岡宇田第 2 工業団地
高田川
富岡坂井工業団地
貫前神社(上野国一ノ宮)
ゴルフ場
丹生川
富岡合同庁舎
宮崎公園
旧茂木家住宅
3・3・1 田篠田島線
国道 254 号
上信線
神農原工業団地
鏑川
92
3.一ノ宮地域
土地利用構想と整備の方針
土地利用の整序化
狭隘道路の整備
緑豊かな工業地の創出
貫 前 神 社 及び 社 会 教 育館 周 辺
の歴史的建造物保全
里山・原風景
の保全
凡
例
農用地
森
林
水面・河川
住宅地
工業用地
商業業務用地
公共施設用地
公園・緑地
(仮称)国道 254 号神農原バイパス
の検討
道
路
鉄
道
その他
0
1
93
2㎞
(4)高瀬地域
1)位置づけと役割
鏑川を挟んで中央地域に隣接し、一部は富岡製糸場周辺の環境や景観を適切に保護・
保全する必要のある区域にも該当します。その区域も含めて、優良農用地等と調和し
ながら、緑に囲まれた田園居住地帯として整備する地域です。
2)特性と課題
高瀬地域は、そのほとんどが鏑川右岸の河岸段丘上の平坦地となっています。面
積は 588.4ha で 7 地域の中では最小ですが、人口は 7,664 人(微増傾向)、世帯数
は 2,706 世帯(増加傾向)と中央地域に次ぐ規模となっています。
地域全体が都市計画区域内で、環状幹線道路である 3・4・2 西富岡内匠線沿線と鏑
川に挟まれた区域が主として住居系用途地域(一部工業系用途地域)に指定されて
います。
用途地域内では、桐淵住宅団地や長久保住宅団地などの宅地開発・整備が行われ、
その周辺を含めて市街地(DID)が形成されましたが、まだ多くの農用地が残さ
れています。用途地域外には比較的まとまった規模の優良な農用地が分布し、全
体として 田園居住地帯 の趣がある地域といえます。
地域の南端を上信越自動車道が東西に走り、富岡インターチェンジが設置されて
います。広域交流の玄関の役目を担っている地域でもあります。
弥生時代終わり頃(卑弥呼の時代)の住居跡である中高瀬観音山遺跡(国指定史
跡)は、上信越自動車道トンネルの真上にあります。一帯を歴史公園として整備
することが計画決定されています。
3)地域整備の方針
①基本的な整備の方向
緑に囲まれた田園居住の定住地域として、その基盤と環境の整備を一層進めます。
②土地利用に関する整備の方針
将来の世帯増に伴う住宅地需要に対しては、住居系用途地域内に吸収していくこ
とを見通して、住宅用地の確保や生活道路などの基盤整備を進めていきます。
高瀬地域は、鏑川を挟んで富岡製糸場の対岸に位置します。河畔林や斜面緑地(地
域南部の丘陵斜面を含む)はその緩衝的、背景的、風致的な機能を発揮すること
が求められることになります。また、住宅地周辺の緑の環境を構成する要素とし
ても重要視していくことが望まれます。今後、新たな植栽(補植)や育林も考慮
しながら保全管理に努めるとともに、必要に応じて風致地区などの指定を検討し
ます。
富岡製糸場の世界遺産登録に係る、 環境や景観を適切に保護・保全する必要のある
区域 (景観計画の 特定景観計画区域 に相当)においては、高度地区の新たな
指定について検討します。
94
③都市施設等の整備の方針
中高瀬観音山遺跡歴史公園の整備を推進します。
集落地における狭隘な道路については拡幅改修等を進め、生活道路としての機能
充実に努めます。
公共下水道排水処理計画区域の見直しを図り、市町村設置型合併浄化槽の普及整
備を推進します。
環状幹線道路 3・4・2 西富岡内匠線の内側の区域は、景観計画において「富岡製糸
場周辺特定景観計画区域」に含まれます。住宅地と周辺の緑化を進めるとともに、
住宅をはじめとする建築物や各種施設の意匠・形態等について、区域の景観形成
指針に則した整備に努めます。
上高瀬地区の旧製糸組合レンガ倉庫は、地域の歴史・文化を象徴するものとして、
保全・活用します。
豪雨時などに内水被害(水路溢水や滞水による浸水被害)を受けやすい箇所につ
いては、調査を進めながら内水排除対策(排水路整備等)に努めます。
土砂災害危険箇所については、その監視と防止対策に努めます。
95
4.高瀬地域の状況
「まちづくり計画」の主な対象範囲
富岡製糸場の世界遺産登録に
係る 緩衝地帯 の概略範囲
3・4・2 西富岡内匠線
富岡製糸場
和合公園
(運動公園)
鏑川
桐淵住宅団地
中之島住宅団地
芝宮住宅団地
鏑川
96
レンガ倉庫
長久保住宅団地
茶臼山古墳
野上川
上信越自動車道
富岡インターチェンジ
中高瀬観音山遺跡
96
4.高瀬地域
凡
土地利用構想と整備の方針
例
「まちづくり計画」の主な対象範囲
農用地
森
林
水面・河川
住宅地
工業用地
商業業務用地
集落地狭隘道路
の整備
富岡製糸場
特定景観計画区域
公共施設用地
公園・緑地
道
路
鉄
道
97
その他
レンガ倉庫の保全・活用
河畔林・斜面緑地の
保全管理、育林
0
97
良好な住宅地
中高瀬観音山遺跡
歴史公園の整備
1
2㎞
(5)額部地域
1)位置づけと役割
地域南部の大半は山間地で、高瀬地域に接する北東部が田園・里山地帯です。大塩
湖や森林公園など、身近に水と緑に触れ合える自然的環境を維持し、活用していく地
域です。
2)特性と課題
額部地域は、市の南部に位置します。面積は 2,269.5ha、人口は 3,429 人(減少
傾向)、世帯数は 1,052 世帯(増加傾向)です。地域全体が都市計画区域外です。
地域北部の涸沢川や浅香入川沿いは平坦で、優良な農用地が広がり、集落が分布
します。地域南部は、稲含山に連なる標高 700〜1,000mの山嶺の北側にあたり、
山麓丘陵地から山岳地へと続く山間森林地帯となっています。
上信越自動車道が通り高瀬地域と境をなす丘陵には、中高瀬観音山遺跡や茶臼山
古墳などがあり、その周辺を含むこの地域が古代から人々の生活の舞台であった
ことがわかります。
山麓丘陵地には緑に包まれた大塩湖があり、市民の憩いの場となっています。そ
のほかにゴルフ場が 2 箇所と群馬サファリパークがあります。山間の藤田峠には
林間キャンプなどができる森林公園が整備されています。また立沢川には砂防ダ
ムが築造され、林間の静水面が生まれています。
豊かな実りを約束する農村と、身近に気軽に水と緑に触れ合える自然で構成され
る地域です。このような環境を如何に維持していくか、ということが課題といえ
ます。
3)地域整備の方針
①
基本的な整備の方向
治山・治水事業と調整しながら緑の保全・管理に努め、身近な自然と触れ合える地
域としていきます。
②
土地利用に関する整備の方針
優良な農用地を確保しながら、田園・里山の原風景の保全に努めます。
地域南部の緑の濃い山間森林地帯は、これを保全するとともに、一部林間のまま
での身近な野外レクリーエーションの場として活用します。
③都市施設等の整備の方針
大塩湖は、いしぶみの丘など周辺を含めて、水と緑の拠点として自然的風致公園
的な整備と管理を進めます。
立沢川ダム周辺については、砂防を学び林間の静水面と触れ合う場として活用を
図ります。
98
集落地内などの狭隘な道路については、拡幅改修等の整備を推進します。
豪雨時などに内水被害(水路溢水や滞水による浸水被害)を受けやすい箇所について
は、調査を進めながら内水排除対策(排水路整備等)に努めます。
土砂災害危険箇所については、その監視と防止対策に努めます。
5.額部地域の状況
中高瀬観音山遺跡
茶臼山古墳
上信越自動車道
富岡インターチェンジ
ゴルフ場
田園・里山景観
ゴルフ場
優良農用地
(水田)
群馬サファリパーク
大塩湖
いしぶみの丘
藤田峠森林公園
立沢川砂防ダム
99
5.額部地域
土地利用構想と整備の方針
田園・里山景観の保全
大塩湖周辺整備
凡
例
農用地
森
林
水面・河川
住宅地
工業用地
商業業務用地
藤田峠森林公園の
整備管理と活用
公共施設用地
公園・緑地
立沢川ダム周辺
の管理・活用
路
鉄
道
その他
0
100
道
1
2㎞
(6)吉田・丹生地域
1)位置づけと役割
地域北部の丹生地区は山麓・丘陵地で丹生湖もあります。多様な自然と里山の原風景
がみられます。南部の吉田地区は田園農業地帯でもありますが、上信越自動車道下仁
田インターチェンジに近接していることから国道沿線を中心に宅地化も進んでいます。
風致的な環境の維持・保全と適切な開発誘導を図る地域です
2)特性と課題
吉田・丹生地域は市西部の一角を占め、面積は 2,408.3ha、人口は 5,642 人(減少
傾向)、世帯数は 1,875 世帯(増加傾向)です。地域全体が、都市計画区域外です。
地域の西端には妙義山に続く山嶺で、ぐんま百名山に選定された大桁山(836m)
がそびえ、その東側が山岳森林地帯、さらに東は山麓丘陵と台地状の丘陵地帯と
なっており、ゴルフ場が 2 箇所ありますが、里山の様相も色濃く残されています。
地域南部の鏑川左岸の区域は平坦で、優良な農用地が広がるとともに、国道 254
号や上信線も通り、沿線の宅地化など都市的土地利用も多くみられます。
市域外ですが、南部の地域界に接して上信越自動車道下仁田インターチェンジが
あります。国道 254 号に接続しており、事実上、本市広域交流の二つ目の玄関と
して位置づけることができます。この下仁田インターチェンジの利用・効用を考
慮すると、特に吉田地区の開発ポテンシャルは相対的に高まっているものと考え
られます。
3)地域整備の方針
①
基本的な整備の方針
多様な自然と里山の原風景を維持しながら、活力を感じられる第二の玄関口として
整備していきます。
②
土地利用に関する整備の方針
地域南部の国道 254 号及び主要地方道下仁田安中倉渕線・県道南蛇井下仁田線沿
線の区域は、都市的開発可能性の高いところといえます。将来の動向を見通しつ
つ、適切な開発を誘導していくために、隣接する下仁田町とも調整しながら都市
計画区域の指定について検討します。
地域の東半部の丹生地区に広がる丘陵地帯は、奇勝妙義山を際立たせる背景的な
地域であり、同時に富岡製糸場を背後から支えてきた原風景的な里山地域でもあ
ります。かつての製糸組合の倉庫なども残されています。丹生湖は原風景を目に
しながら憩うことのできる水辺の自然的公園の役割も担っており、周辺を含めて
風致的な機能を発揮しているといえます。このような点を踏まえると、今後土地
利用上の大規模な改変・造成等を規制・抑制し、現状の維持保全と適切管理を推
進することが望まれます。そこでこの区域に関しては、将来的な準都市計画区域
の指定について検討していくこととします。
101
③
都市施設等の整備の方針
下仁田インターチェンジの利用・効用を促進するとともに、懸念される国道 254
号の渋滞緩和と交通の流れを適切に配分するため、
(仮称)国道 254 号神農原バイ
パスの整備について検討します。
地域を南北に走る主要地方道下仁田・安中・倉渕線の未改良区間の整備を促進し、
道路機能の強化を図ります。県道など地域幹線道路及び狭隘な集落内生活道路の
改修整備を促進します。
岡部温故館(上丹生)や旧製糸組合のレンガ倉庫(上丹生、中沢)などの歴史的な建造
物は、地域の成り立ちを象徴するものとして、景観計画に基づきその保全・再生
に努めます。
丹生湖とその周辺は、水と緑の拠点として風致的・自然公園的な整備と管理に努
めます。
豪雨時などに内水被害(水路溢水や滞水による浸水被害)を受けやすい箇所につ
いては、調査を進めながら内水排除対策(排水路整備等)に努めます。
土砂災害危険箇所については、その監視と防止対策に努めます。
6.吉田・丹生地域の状況
田園・里山景観
(原風景)
岡部温故館
レンガ倉庫
丹生湖
ゴルフ場
ゴ ル フ場
(主)下仁田・安中・倉渕線
大桁山
国道 254 号
稲葉製作所
レンガ倉庫
上信線
102
上信越自動車道
下仁田インターチェンジ
6.吉田・丹生地域
凡 例
農用地
森 林
水面・河川
住宅地
工業用地
商業業務用地
公共施設用地
公園・緑地
道 路
鉄 道
その他
土地利用構想と整備の方針
岡部温故館周辺
歴史的建造物の保全
レンガ倉庫の保全・活用
準都市計画区域の
指定検討
伝統的な家屋や蔵
などの保全・再生
里山原風景
の保全
レンガ倉庫の保全・活用
(主)下仁田・安中・倉渕線整備
集落地狭隘道路
の整備
丹生湖周辺
風致的整備
都市計画区域指定の検討
(仮称)国道 254 号神農原バイ
パスの検討
103
0
1
2㎞
(7)妙義地域
1)位置づけと役割
妙義山・妙義神社で代表される自然・奇勝景観と歴史文化があり、高田川沿いは優良
な農用地が広がり、のどかな田園風景が形成されています。中央地域の富岡製糸場な
どとも連携した観光振興と農業を推進する地域です。
2)特性と課題
妙義地域は、市の北西部に位置し旧妙義町の区域に相当します。面積は 2,876.0ha、
人口は 4,797 人(減少傾向)、世帯数は 1,607 世帯(増加傾向)です。地域全体が、
都市計画区域外です。
地域西部・南部には上毛三山の一つ、日本三奇勝の一つである妙義山〔白雲山・
金洞山・金鶏山〕と大桁山がそびえ、山岳森林地帯となっています。妙義荒船佐久
高原国定公園の区域にも指定されています。北部は妙義山麓から続く丘陵地帯、
東部の高田川沿いは谷底平野で整備された優良な農用地が広がり、田園・里山地
帯となっています。
「妙義」の地名は、国指定重要文化財の妙義神社の社領であったことに由来しま
す。妙義山・妙義神社とその周辺へは、春の桜と新緑、秋の紅葉時期を中心に市
外から多くの観光客が訪れます。
自然的資源、歴史文化的資源を活かした観光と農業が、地域を特徴づけ、振興・
整備の柱になっているといえます。
3)地域整備の方針
①
基本的な整備の方向
妙義山・妙義神社などの豊かな自然的資源や歴史的文化的資源を活かし、富岡製糸
場や貫前神社との連携・周遊も考慮しながら魅力的な観光地として、またのどかな田
園・里山風景の農業振興地域として整備を進めます。
②
土地利用に関する整備の方針
国定公園の区域及び山岳森林地帯については、原則として現状を保全し、適切管
理を推進します。
妙義山麓の丘陵地および高田川沿いの平野部は、奇勝妙義山を際立たせる背景
的・支持的な地域であり、風致的・原風景的な田園里山地域でもあることから、
土地利用上の大規模な改変・造成等を規制・抑制し、現状の維持保全と適切管理
を推進することが望まれます。そこでこれらの地域に関しては、将来的な準都市
計画区域の指定について検討していくこととします。
104
③
都市施設等の整備の方針
妙義山周辺環境整備事業として、妙義ふれあいプラザや妙義ふるさと美術館など
の周辺の景観形成(修景・無電柱化など)を進めます。
高田川沿いのサイクリングロードの整備・管理に努めます。
大桁湖周辺の自然公園的な環境整備を推進します。
景観計画に基づき、伝統的な家屋や蔵などの保全・再生に努めます。
集落内の生活道路を含む狭隘な道路については、拡幅改修等の整備を推進します。
土砂災害危険箇所については、その監視と防止対策に努めます。
豪雨時等に内水被害(水路溢水や滞水による浸水被害)を受けやすい箇所につい
ては、調査を進めながら内水排除対策(排水路整備等)に努めます。
105
7.妙義地域の状況
妙義神社
妙義山
道の駅
妙義ふるさと美術館
妙義ふれあいプラザ
白雲山
金洞山
金鶏山
上信越自動車道
妙義総合運動公園
優良農用地
田園・里山景観
妙義庁舎
高田川
(主)一ノ宮・妙義線
ゴルフ場
106
妙義少年自然の家
大桁湖
大桁山
106
7.妙義地域
土地利用構想と整備の方針
妙義山周辺環境整備事業
(周辺景観形成)
伝統的な家屋や蔵などの
保全・再生
準都市計画区域の
指定検討
107
凡 例
農用地
森 林
水面・河川
住宅地
工業用地
商業業務用地
公共施設用地
公園・緑地
道 路
鉄 道
その他
0
大桁湖周辺
環境整備
1
2㎞
107
12
推進方策
12−1
実現化の方策
(1)市民と行政との協働によるまちづくりの推進
まちづくりの主役は、この富岡市に暮らし、働き、学ぶ市民です。
将来像実現に向けたまちづくりに関する都市計画上の課題は数多くあり、その解決
のために、行政が積極的に取り組んでいく必要がありますが、行政だけではその実現
が困難であり、目標と情報を共有しながら、適切な役割分担のもとに、市民と行政と
が協働し一体となって取り組んでいくことが必要です。
1)協働体制の確立
都市計画マスタープランの実現性を高めるためには、市民と行政とが同じ思いを
抱き、関係する情報をともに持っていることが重要です。目標像と課題、関連情
報を共有することです。
そのため、都市計画に関する市民の関心を高めていくことが重要であり、関連す
る情報の公開、提供、交換を積極的に進めるとともに、市民・事業者・行政等が
課題について一緒になって議論を交わす場や機会を設けて行く必要があります。
「まちづくり計画」や「景観計画」は、協働して作り上げてきたものです。その
経験を活かしながら、パートナーシップのルールなどについても検討して、協働
体制の確立を目指します。
2)まちづくり行政に関する各種会議などへの参画の促進
まちづくりに関する各種の委員会や審議会などでは、各種関係団体代表、公募市民
などの参画を促進し、幅広い層の意見の反映を図ります。
3)まちづくりの啓発活動の推進
広報誌やホームページ、各種小冊子などの多様な媒体を活用し、まちづくりに関
する積極的な広報に努めます
各種懇談会の実施、パブリックコメント(市民意見募集制度)による市民意向の
把握など、公聴の充実に努めます。
セミナーやシンポジウムなどのイベントを通じて、関心の高揚と情報の共有を図
り、市民はもちろん、通勤・通学者を含む幅広い本市に関係する人々を対象に、
協働のまちづくりに関する啓発活動を一層推進します。
(2)地域の自主的なまちづくり活動の支援
1)支援制度の検討
地域整備の方針に基づく具体的なまちづくりは、地域住民の主体的な参画によっ
て推進される必要があります。
そのような市民の主体的・自主的なまちづくり活動を支援するため、まちづくり
の専門家(コーディネーター)との相談や派遣、財政的な支援などについて、制
度化や組織化の検討を進めます。
108
2)まちづくりの人材確保
まちづくりの展開は、地域のリーダーとなってプロジェクト・計画等を進めていく
市民の存在が大きな力となります。その人材の育成に努めます。
(3)庁内組織体制の充実
まちづくりの施策・プロジェクトは、庁内の様々な関係分野と連携して総合的に
展開されることが必要です。
「まちづくり計画」や「景観計画」で培った経験を活
かしながら、これまで以上に弾力的で柔軟に課題への取り組みができるような体
制づくりに努めます。
柔軟に対応できる組織体制づくりを進めるとともに、まちづくりの熱意と知識・
意識を持った職員の育成も必要です。研修・研究制度の充実や実践活動への参加
機会の拡充等に努めます。
(4)柔軟かつ計画的・段階的な施策の推進
都市計画マスタープランは都市計画に関する基本的な方針ですが、その内容は広
範囲に及びます。内容を具現化していくためには、市民と協働しながら、産業、
環境、福祉、財政など様々な分野と相互に連携しながら、施策・事業等の展開を
図ることが必要です。
施策・事業は、同時に進められるわけではありません。総合計画をはじめとして、
関連する施策や事業との調整、財政的な見通しなどを踏まえて、計画的・段階的
に取り組んでいくことが必要です。
また、時代の推移や社会的潮流の変化などにより、内容が現状に合わなくなって
くることや、それらに伴ってまちづくりの主役である市民の意向と異なる内容と
なってくる可能性があります。計画内容への柔軟な取り組みが求められます。
そのため、総合計画との整合を図りつつ、概ね 10 年ごとに必要な見直しを行うこ
ととします。
12−2
目標・課題とプロジェクト
この都市計画マスタープランは、概ね 20 年後(平成 40 年)の将来を見据えた計画
方針であり、具現化には関連部門と連携・調整しながら段階的、計画的に取り組んで
いくことが必要です。
総合計画で示された、本市の将来像『人と自然と歴史が織りなす豊かなまち とみ
おか』の実現に向けて、都市計画面から支える姿勢として『美しい自然と歴史・文化が
息づく 人と環境にやさしい住みよいまちづくり』をテーマとしました。
このテーマを理念とした 5 つの都市計画の基本目標を達成するため、次に示すよう
なプロジェクトを展開していくこととします。
109
12−2
目標・課題とプロジェクト
(プロジェクトは、主に都市計画に関連して今後展開するものを載せています。検討予定を含みます。また目標・方針と対照し、重複して適用〔採用〕する場合があります。)
主な対象地域
都市計画の目標
1.美しく秩序ある
土地利用のまち
基本的な方針(課題・整備テーマ)
①土地利用の整序
②住環境の保護・業務の利便向上
③優良農地の保全と田園居住環境の整備
・適切な誘導と規制
・環境の保全
・用地の確保
・有効利用
④山林や河川などの自然地の保全と活用
⑤域特性を活かした景観の形成
・景観計画に基づく景観形成
2.集約型都市機能の
充実したまち
①都市的機能の拠点的位置づけと整備・充実
②商業業務機能の充実強化
③工業機能の整備
④地域生活機能の整備充実
⑤観光レクリエーション機能の拡充
3.地域内外の
交流・移動が
容易なまち
①幹線道路ネットワークの整備
・広域都市軸(広域的幹線道路)の整備
②市内の道路網整備の推進
・市街地幹線道路(都計道等)の整備と見直し検討
・生活道路の整備・狭隘道路の解消
③人と環境に配慮した機能的な道路整備
・道路構造改善(ユニバーサルデザインなど)
・沿道環境整備・道路景観修景
④公共交通機関の充実化
・上信線及び乗合タクシーの存続維持支援
・利便性向上に係る駅及び駅周辺整備
主な都市計画関連プロジェクト
・都市計画区域の指定
・準都市計画区域の指定
・用途地域等の指定
・風致地区等の指定
・高度地区の指定
・容積率の見直し
・工業用地の確保・整備
・住宅用地の確保・整備
・用途地域内低未利用地等の有効利用
・中心市街地における地区計画制度の導入
・優良農地の保全
・集落地・里山の田園居住地環境整備
・山岳・山間森林の保全と活用
・河川・湖沼の保全と活用
・田園・里山などの原風景の保全・再生
・市街地街なみ景観形成
・歴史文化の拠点的景観の保全・再生・活用
・都市的景観の整備・維持・再生・創出
・水と緑の拠点景観の形成(保全・活用)
・都市的機能の拠点的位置づけの明確化と集約整備
・都心交流拠点の整備充実(まちづくり計画)
・特別用途地区の導入検討
・産業(工業)振興拠点機能強化
・住環境整備
・歴史文化拠点の保全・整備と活用
・妙義山周辺環境整備(景観形成)
・水と緑のネットワーク化・レクリエーション拠点整備
・西毛広域幹線道路整備
・国道254号富岡バイパスの整備促進
・(仮称)国道254号神農原バイパスの整備
・主要地方道・一般県道の整備と機能強化
・田篠田島線の整備促進
・富岡下黒岩幹線の整備
・西富岡内匠線(環状幹線道路)の整備
・田篠一ノ宮線の改良整備
・上町酢ノ瀬線の見直し検討
・その他都計道の見直し検討
1
中
央
地
域
2
黒
岩
・
小
野
地
域
3
一
ノ
宮
地
域
4
高
瀬
地
域
5
額
部
地
域
プロジェクト展開の期間
6
吉
田
・
丹
生
地
域
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
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○
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7
妙
義
地
域
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○
○
H40
H27
〜
H32
短期的
取り組み
取り組み検 討
○
○
○
○
○
H20
中・長期的
取り組み
備
考
結論(決定)
取り組み
検
討
結論(決定)
検
討
結論(決定)
検
討
結論(決定)
検
討
結論(決定)
検
討
結論(決定)
「緩衝地帯」・特定景観計画区域(想定)を対象
「緩衝地帯」・特定景観計画区域(想定)を対象
景観協定・緑地協定・建築協定等併用考慮
農業振興地域整備計画との調整を含む
特定景観計画区域外
特定景観計画区域
特定景観計画区域外
○
検
討
結論(決定)
検
討
結論(決定)
中心商店街の活性化
準工業地域への大規模集客施設立地制限
工業用地・工業団地、工業系用途地域
国道254号富岡バイパス
西毛広域幹線道路
○
○
○
国道254号
○
検
討
結論(決定)
検
討
結論(決定)
・中心市街地幹線道路の構造改善・修景
○
・中心市街地駐車場の用地確保と整備
・市街地における道路利用ソフト施策
・生活道路の整備・狭隘道路の解消
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
まちづくり計画、景観計画に基づく整備
(無電柱化、修景・演出、植栽、構造工夫等)
まちづくり計画・公共施設充当用地
一方通行化、時間帯通行規制など 適宜随時施行
市内全路線対象・順次整備
・人と環境に配慮した機能的道路整備
○
○
○
○
○
○
○
市内全路線対象・順次整備
・上信線の存続維持に係る支援及び利用促進対策
・駅・駅前広場整備と駅周辺駐車場用地等の確保
・乗合タクシーの路線維持と利便性向上対策
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
中央地域については駅アクセス道路整備を含む
110
12−2
目標・課題とプロジェクト(つづき)
(プロジェクトは、主に都市計画に関連して今後展開するものを載せています。検討予定を含みます。また目標・方針と対照し、重複して適用〔採用〕する場合があります。)
主な対象地域
都市計画の目標
4.安心して健康的に
暮らせるまち
基本的な方針(課題・整備テーマ)
①災害に強い環境整備
・災害危険箇所把握・監視・対策
・地域防災基盤等整備
・防災意識高揚と防災体制強化
・市街地防災対策強化
②潤いとやすらぎの公園緑地等の整備
・森林地域の保全
・田園・里山等の原風景の保全
・河川・水辺の保全整備と活用
・水と緑の拠点を結ぶネットワーク整備
・都市公園整備
・公益的施設用地等の緑化・開放空間の整備
・協定等による緑の保全と創出
③下水道等都市的諸施設の整備充実
・下水等の施設処理の推進
5.歴史文化が息づく
活力のあるまち
①中心商店街の活性化
②富岡製糸場を中心とする
個性的な交流拠点の形成
③歴史的文化的資源の保全と活用
主な都市計画関連プロジェクト
・災害危険箇所の調査と対策
・耐震改修促進計画(建築物耐震診断・改修)
・内水排除対策(雨水排水路等整備)
・耐震性防火水槽・消火栓等の増備
・「防火地域」又は「準防火地域」の指定
・山岳・山間森林の保全管理と活用
・田園・里山の原風景の保全・再生・活用
・もみじの里づくり
・里山斜面林・河畔林の保全と風致地区等の指定
・多自然川づくりの推進と沿川環境整備
・湖沼の水環境改善と周辺環境整備
・水と緑のネットワーク化・レクリエーション拠点整備
・都市公園整備(中高瀬観音山遺跡歴史公園)
・市街地内低未利用地などの公園・広場的活用
・公共公益的施設用地の緑化推進と付設園地整備・開放
・緑地協定や保存樹木指定などによる保全・管理支援
・流域関連公共下水道の整備
・市町村設置型浄化槽の設置・普及
・農業集落排水事業・施設接続促進
・コミュニティプラントの効率運営と適切管理
・商業環境整備(まちづくり計画を踏まえた整備)
プロジェクト展開の期間
1
中
央
地
域
2
黒
岩
・
小
野
地
域
3
一
ノ
宮
地
域
4
高
瀬
地
域
5
額
部
地
域
6
吉
田
・
丹
生
地
域
7
妙
義
地
域
○
○
○
○
○
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・都心交流拠点の整備充実(まちづくり計画)
○
・妙義山周辺環境整備(景観形成)
・歴史文化拠点の保全・整備と活用
○
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○
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○
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○
○
○
○
○
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○
○
○
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○
○
○
○
○
H40
H27
〜
H32
短期的
取り組み
検
○
○
○
H20
討
中・長期的
取り組み
備
考
結論(決定)
「富岡製糸場」の緩衝地帯の保全・整備
沿川緑化、遊歩道・自転車道整備を含む
商業・商店街
ハード、ソフト総合的整備
○
○
○
○
111
参 考 資 料
富岡市都市計画マスタープラン策定委員会要綱
富岡市都市計画マスタープラン策定委員会
委員名簿
富岡市都市計画マスタープラン庁内検討部会要綱
富岡市都市計画マスタープラン庁内検討部会
富岡市都市計画マスタープラン
策定の経過
富岡市都市計画マスタープラン
用語解説
112
部会員名簿
富岡市都市計画マスタープラン策定委員会要綱
(設置)
第 1 条 都市計画法第 18 条の 2 に規定する「市町村の都市計画に関する基本的な方針」
(以下「都
市計画マスタープラン」という。
)策定調査の円滑な推進を図るため、富岡市都市計画マスタ
ープラン策定委員会(以下「委員会」という。
)を設置する。
(所掌事務)
第 2 条 委員会の所掌事務は、都市計画マスタープランの原案を審議し、その結果を市長に答申
するものとする。
(組織)
第 3 条 委員会は、委員 18 人以内をもって組織し、次に掲げる者のうちから市長が委嘱する。
(1)公募による市民 4 人以内
(2)学識経験を有する者 2 人以内
(3)関係団体から推薦された者 8 人以内
(4)関係行政機関の職員 2 人以内
(5)市議会議員 2 人以内
(委員長及び副委員長)
第 4 条 委員会に委員長及び副委員長各 1 人を置き、委員の互選により定める。
2 委員長は、委員会を代表し、会務を総理する。
3 副委員長は、委員長を補佐し、委員長に事故があるとき又は欠けたときは、その職務を代理
する。
(任期)
第 5 条 委員の任期は、第 2 条に定める事項の終了するまでとする。
(会議)
第 6 条 委員会の会議(以下「会議」という。
)は、委員長が招集し、その議長となる。
2 会議は、委員の過半数が出席しなければ開くことができない。
3 会議の議事は、出席した委員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによ
る。
(事務局)
第 7 条 委員会の事務局は、都市建設部都市計画課に置く。
(その他)
第 8 条 この要綱に定めるもののほか、委員会の運営に関し必要な事項は、委員長が会議に諮っ
て定める。
附 則
この要綱は、平成 19 年 5 月 10 日から施行する。
附 則
この要綱は、平成 20 年 4 月 1 日から施行する。
113
富岡市都市計画マスタープラン策定委員会 委員名簿
(敬称略)
委員区分
1 号委員
2 号委員
3 号委員
4 号委員
5 号委員
所属・役職名等
関係団体から
推薦された者
関係行政機関
の職員
名
平成 19 年度
平成 20 年度
茂木龍治
茂木龍治
須藤洋一
須藤洋一
松井徹郎
松井徹郎
群馬県議会議員
今井 哲
今井 哲
富岡市都市計画審議会会長
宮前有光
富岡市区長会
松井正之
福澤道男
富岡商工会議所
須藤 力
須藤 力
富岡市妙義商工会
赤尾真一
赤尾真一
富岡青年会議所
島崎佳彦
島崎佳彦
富岡市農業委員会
山田博通
山田博通
甘楽富岡農業協同組合
佐高忠志
佐高忠志
群馬県建設業協会富岡支部
廣木政道
廣木政道
群馬県建築士会富岡支部
斎藤勇武
斎藤勇武
西部農業事務所
新木敬司
安藤美喜夫
富岡土木事務所
坂尾博秋
針谷宗人
壁田賢二
壁田賢二
岡野光利
岡野光利
公募による
市民
学識経験を
有する者
氏
委員長
市議会議員
114
備 考
副委員長
富岡市都市計画マスタープラン庁内検討部会要綱
(設置)
第 1 条 都市計画法第 18 条の 2 に規定する「市町村の都市計画に関する基本的な方針」
(以下「都
市計画マスタープラン」という。
)の原案の策定及びその調整を図るため、富岡市都市計画マ
スタープラン庁内検討部会(以下「検討部会」という。
)を設置する。
(所掌事務)
第 2 条 検討部会の所掌事務は、
都市計画マスタープランの原案の策定及びその庁内調整とする。
(組織)
第 3 条 検討部会の部会員は、別表に掲げる職にある者を市長が任命する。
2 検討部会に部会長及び副部会長各 1 人を置き、部会長は都市建設部長とし、副部会長は都市
計画課長とする。
3 部会長は会務を総理する。
4 副部会長は、部会長を補佐し、部会長に事故があるとき又は欠けたときは、その職務を代理
する。
(任期)
第 4 条 部会員の任期は、第 2 条に定める事項の終了するまでとする。
(会議)
第 5 条 検討部会の会議(以下「会議」という。)は、部会長が必要に応じて招集し、部会長が
議長となる。
(事務局)
第 6 条 検討部会の事務局は、都市建設部都市計画課に置く。
(その他)
第 7 条 この要綱に定めるもののほか、検討部会の運営に関し必要な事項は、部会長が会議に諮
って定める。
附 則
この要綱は、平成 19 年 5 月 10 日から施行する。
附 則
この要綱は、平成 20 年 4 月 1 日から施行する。
115
富岡市都市計画マスタープラン 庁内検討部会 部会員名簿
(敬称略)
氏
平成 19 年度
所属・役職
名
平成 20 年度
備
考
群 馬 県
青葉祐治
川上 傑
県土整備局都市計画課職員
県土整備部都市計画課職員
富
岡
市
西部県民局西部農業事務所職員
西部県民局富岡土木事務所職員
建設部長
都市建設部長
企画情報課長
企画経営課長
財政課長
地域振興課長
まちづくり課長
生活環境課長
環境政策課長
工業商業課長
工業課長
商業観光課長
農林課長
土地改良課長
都市計画課長
都市施設課長
建設課長
土木課長
建築課長
用地開発課長
農業委員会事務局
ガス水道局施設課長
ガス水道局下水道課長
企画情報課企画担当
企画経営課企画経営担当
財政課財政担当
農林課農業担当
農林課農林担当
まちづくり課まちづくり担当
佐藤龍次郎
須藤義弘
竹内 均
松岡利一
川上 傑
萩原芳男
高野栄一
大竹 昇
部会長(H19)
部会長(H20)
尾高良行
須藤良夫
岡田一巳
髙橋 修
田中道成
尾高良行
須藤良夫
岡田一巳
吉澤和雄
橋本久和
梅澤 進
矢嶌 豊
大竹 昇
橋本久和
小林浩司
梅澤 進
矢嶌 豊
吉江久雄
髙橋 修
柴山貴司
武田隆夫
清水信男
小島賢二
森
仁
田中博明
岩井一浩
茂木進一
黛 徳重
柴山貴司
武田隆夫
小島賢二
橳嶋秀夫
田中博明
大崎 渉
茂木進一
加藤安明
富岡幸男
都市計画課世界遺産まちづくり担当
富岡幸男
116
副部会長
富岡市都市計画マスタープラン 策定の経過
年 月 日
平成 19 年 5 月 31 日
会議・事項
富岡市都市計画マスタープラン策定委員会要綱
富岡市都市計画マスタープラン庁内検討部会要綱
事務局会議
平成 19 年 7 月 25 日
事務局会議
平成 19 年 9 月 4 日
平成 19 年 10 月 2 日
事務局会議
事務局会議
平成 19 年 5 月 10 日
平成 19 年 10 月 11 日 第 1 回庁内検討部会
平成 19 年 10 月 11 日 事務局会議
平成 19 年 10 月 25 日 第 1 回策定委員会
都市計画マスタープラン策定のための
市民意向アンケート調査
平成 19 年 11 月 28 日 市長インタビューと事務局会議
平成 19 年 12 月 21 日 事務局会議
平成 19 年 1 月 7 日
事務局会議
平成 20 年 1 月 17 日 第 2 回庁内検討部会
平成 20 年 2 月 11 日 事務局会議
平成 20 年 2 月 28 日 第 2 回策定委員会
平成 19 年 11 月
平成 20 年 2 月 28 日
事務局会議
平成 20 年 3 月 18 日
事務局会議
富岡市都市計画マスタープラン策定委員会要綱
富岡市都市計画マスタープラン庁内検討部会要綱
平成 20 年 4 月 1 日
平成 20 年 4 月 15 日
事務局会議
平成 20 年 6 月 30 日
事務局会議
平成 20 年 7 月 24 日
第 3 回庁内検討部会
平成 20 年 7 月 24 日
事務局会議
平成 20 年 8 月 7 日
第 3 回策定委員会
平成 20 年 8 月 7 日
事務局会議
平成 20 年 8 月 21 日
事務局会議
(次頁へつづく)
117
備考(会議内容等)
・制定・施行
・制定・施行
・策定作業内容・工程等
・市民アンケート調査準備
・市内課題地区等の現地調査
・市民アンケート調査票
・第 1 回庁内検討部会資料
・策定の基本的考え方
・策定方法と工程
・市民意向アンケート調査案
・第 1 回庁内検討部会を踏まえた
第 1 回策定委員会資料について
・正・副委員長の選任
・策定の基本的考え方
・策定方法と工程
・市民意向アンケート調査案
・市民アンケート(2,000 名)及び
高校生アンケート(119 名)実施
・計画課題の把握
・都市施設の現状と計画
・第 2 回庁内検討部会資料
・本市の現状と課題
・第 2 回策定委員会資料
・本市の現状と課題
・第 2 回策定委員会を踏まえた
検討課題への対応
・基本目標と構想内容の検討
・平成 20 年度一部改定・施行
・平成 20 年度一部改定・施行
・基本目標と構想の関連計画との
整合・調整検討
・第 3 回庁内検討部会資料
・市民アンケート結果
・基本目標の設定
・各部門別構想
・第 3 回庁内検討部会を踏まえた
第 3 回策定委員会資料について
・市民アンケート結果
・基本目標の設定
・各部門別構想
・第 3 回策定委員会を踏まえた
構想(整備方針)の調整
・第 4 回庁内検討部会資料
(前頁からのつづき)
年 月 日
会議・事項
備考(会議内容等)
・地域区分と地域別構想
・推進方策
・第 4 回庁内検討部会を踏まえた
第 4 回策定委員会資料について
・地域区分と地域別構想
・推進方策
・第 4 回策定委員会を踏まえた
原案のとりまとめについて
・閲覧用資料(原案)の検討
平成 20 年 8 月 26 日
第 4 回庁内検討部会
平成 20 年 8 月 26 日
事務局会議
平成 20 年 9 月 30 日
第 4 回策定委員会
平成 20 年 9 月 30 日
事務局会議
平成 20 年 10 月 22 日
平成 20 年 11 月 4 日
〜11 月 18 日
平成 20 年 11 月 28 日
事務局会議
富岡市都市計画マスタープラン(原案)
の閲覧
都市計画公聴会
・公述の申出がなかったため中止
・富岡市都市計画マスタープランの
富岡市都市計画審議会へ諮問
策定について
・富岡市都市計画マスタープランの
富岡市都市計画審議会の開催・答申
策定について
平成 21 年1月 20 日
平成 21 年 2 月 23 日
118
富岡市都市計画マスタープラン 用語解説 <五十音順>
くいきくぶん
区域区分
都市計画区域を、
「すでに市街地を形成している区域及びおおむね 10 年以内に優先的かつ計
画的に市街化を図るべき区域(市街化区域)
」と「市街化を抑制すべき区域(市街化調整区域)
」
とに区分することで、一般には「線引き」といいます。本市は、区域区分をしていない「非線
引き」都市です。
グリーン・ツーリズム( green tourism )
都市住民などが農山村を訪問して、その自然と生活文化、産業(農林業)
、地域の人々との
交流等をありのままに体験し、楽しむ余暇活動形態のことです。物見遊山型の観光的余暇活動
とは異なって、比較的安価にゆったりと過ごすことに特徴があります。
農山村にとっては、宿泊や 食 のサービス、農林業体験の場と機会の提供ということ等を
通じて、新しいサービス産業の創出や地場産業の育成につながり、地域経済の多様化をもたら
すものとして期待できますが、同時に受け入れ態勢づくりも求められることになります。
こうど ち く
高度地区
用途地域内において市街地の環境を維持し、あるいは土地利用の増進を図るため、建築物の
高さの最高限度、または最低限度を定める地区のことです。
じ ゅ ん と し けいかく く い き
準都市計画区域
平成 12 年 5 月 19 日施行の都市計画法改正により、都市計画区域外の区域のうち、一体の都
市として積極的な整備・開発を行うまでの必要はないものの、即地的な土地利用規制が求めら
れる区域を「準都市計画区域」に指定し、土地利用の整序のために用途地域、風致地区指定等
の必要な都市計画を定めることができるようになりました。
準都市計画区域の指定の趣旨は、環境を保全するため、宅地の開発や建築物の規制及び適切
な立地誘導を図ることです。
スプロール( sprawl )
市街地近郊などで、宅地が無計画に郊外へ拡大し、虫食い状の無秩序な市街地が形成されて
いくことをいいます。ほとんどの場合、道路や下水道等の都市施設の整備が追いつかないまま
に、不整形で低質な市街地が形成されるため、公共投資の非効率化を招くとともに、防災上、
環境上の多くの問題が生じます。
たしぜんかわ
多自然川づくり
河川全体の自然の営みを視野に入れ、地域の暮らしや歴史・文化との調和にも配慮し、河川
が本来有している生物の生息・生育・繁殖環境及び多様な河川景観を保全・創出するために、
河川管理を行うことをいいます。
「多自然川づくり」は川づくりの基本であり、河川における調査、計画、設計、施工、維持
管理等の河川管理におけるすべての行為を対象として、その実施にあたっても、単に自然のも
のや自然に近いものを多く寄せ集めるのではなく、可能な限り自然の特性やメカニズムを活用
することとしています。
119
ちいき ち く
地域地区
都市計画区域内の土地を利用目的に応じて区分し、建物の用途、容積率、形態などについて
必要な制限をすることによって、土地の一体的かつ合理的な利用を図るために定める都市計画
です。都市計画における土地利用計画の制度(地域地区制度)として、地域地区を指定するこ
とを ゾーニング と呼んでいます。
地域地区には、最も基本的なものとして用途地域をあげることができます。その他、特別用
途地区、特定用途制限地域、高度地区・高度利用地区、防火地域及び準防火地域、風致地区、
生産緑地地区、伝統的建造物群保存地区などがあります。
ち く けいかく
地区計画
都市計画法第 12 条の 4 に定める「地区計画等」のうちの一つで、ある一定のまとまりのあ
る 町 や 街区 などの「地区」について、土地利用や建築物の形態、道路・公共的施設等
の配置など、それぞれの地区にふさわしい良好な環境を整備・保全するために定める計画です。
都市全体の観点から適用される地域地区制度と個別建築物の規制を行う建築確認制度の中間
領域を埋める、地区レベルのきめ細かな計画として位置づけられるものです。
とくてい よ う と せいげん ち い き
特定用途制限地域
都市計画法の改正により、いわゆる非線引き(市街化区域と市街化調整区域の区分がない)の場
合で、用途地域の指定がない地域については、その良好な環境の形成を促すために、市町村が「特
定用途制限地域」を指定し、建物の用途を制限できるようになりました。準都市計画区域にお
いても定めることができます。
とくべつ よ う と ち く
特別用途地区
用途地域が定められている一定の地区において、その地区の特性にふさわしい土地利用の増
進や環境の保護などの、特別の目的の実現を図るために、用途地域の指定を補完して定める地
区です。特別用途地区内では、条例等に基づき建築物の制限内容を強化したり、国の承認を得
ることにより用途を緩和したりすることができます。
と し けいかく く い き
都市計画区域
都市計画法及びその関係法令の適用を受ける土地の区域です。
都市機能の集積する中心的な市街地を含み、かつ自然的及び社会的条件並びに人口、土地利
用、交通、産業などの現状と推移を勘案して、一体の都市として総合的に整備し、開発し、及
び保全する必要がある区域が指定されます。
パーク&ライド(パーク・アンド・ライド〔 park-and-ride 〕
)
自宅から最寄りの鉄道駅までは自家用車で行き、駅周辺駐車場などに車を止めて、電車など
に乗り換えて通勤することをいいます。自家用車と鉄道の両方の利点を活かした、いわゆる「結
合輸送」による通勤形態を表す交通用語です。
ふうち ち く
風致地区
都市の自然的環境を維持し、都市住民の良好な都市環境を確保するため定められるものです。
風致地区内では建築物の新築や増築などにおいて、その高さや建ぺい率等が制限されます。
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ぼうかちいき
じゅんぼうか ち い き
防火地域及び準防火地域
市街地の火災の危険性を防ぐために、建物を構造の面から規制する地域です。
防火地域は、商業業務地など市街地の中心部で、建物の密集度が特に高く、火災の危険度が
高い地域に定めます。また、準防火地域は市街地の中心に近く、建物の密集度が高く、建物を
耐火又は防火構造とする必要がある地域などに定めるものです。
ユニバーサル・デザイン( universal design )
年齢や体型、身体的能力、障害の有無などに拘わらず、差別化せずに誰にでも使いやすい製
品(施設・設備、機器)や環境・状態となるようデザインすることをいいます。
「バリアフリ
ー」
(障壁のない状態)や「ヒューマン・センタード・デザイン」
(人間中心のデザイン・意匠)
などとほぼ同義で使用される語句です。
ようとちいき
用途地域
都市計画区域内において、住宅用地、商業用地、工業用地などの市街地の大枠としての土地
利用を定めるものです。地域地区制度の中で最も基本的なものとされ、下記の 12 種類があり
ます。準都市計画区域にも定めることができます。
本市ではそれらのうち 9 種類の用途地域を指定し、その面積の合計は 479ha です。
第一種低層住居専用地域
低層住宅の良好な環境を守るための地域で、小規模店舗や小中学校を建てることができ
ます。本市の指定面積は 4ha です。
第二種低層住居専用地域
主に低層住宅の良好な環境を守るための地域で、小中学校のほか 150 ㎡までの店舗を建
てることができます。本市での指定はありません。
第一種中高層住居専用地域
中高層住宅の良好な環境を守るための地域で、病院、大学、500 ㎡までの店舗などを建
てることができます。本市の指定面積は 163ha です。
第二種中高層住居専用地域
主に中高層住宅の良好な環境を守るための地域で、病院、大学、1,500 ㎡までの店舗な
どを建てることができます。本市での指定はありません。
第一種住居地域
住居の環境を守るための地域で、3,000 ㎡までの店舗、事務所、ホテルなどを建てるこ
とができます。本市の指定面積は 158ha です。
第二種住居地域
主に住居の環境を守るための地域で、第一種住居地域で建てられるもののほか、パチン
コ屋、カラオケボックスなどを建てることができます。本市の指定面積は 27ha です。
準住居地域
沿道において、自動車関連施設などの立地と、これと調和した住居の環境を保護するた
めの地域です。本市の指定面積は 26ha です。
近隣商業地域
近隣の住民が日用品の買い物をする店舗などの業務利便の増進を図る地域で、住居や店
舗の他に小規模の工場も建てることができます。本市の指定面積は 14ha です。
商業地域
一般商店、飲食店、百貨店、娯楽施設、銀行、事務所など、主として商業その他業務の
利便の増進を図る地域で、住宅や小規模の工場も建てることができます。本市の指定面
積は 28ha です。
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準工業地域
主に軽工業の工場など、環境悪化の恐れのない工業の業務利便を図る地域で、危険性、
環境悪化が大きい工場以外はほとんど建てることができます。本市の指定面積は 43ha
です。
工業地域
主として工業の業務利便の増進を図る地域で、どんな工場でも建てることができますが、
学校、病院、ホテルなどは建てることができません。本市での指定はありません。
工業専用地域
専ら工業の業務利便の増進を図る地域で、どんな工場でも建てることができますが、住
宅、店舗、学校、ホテルなどは建てることができません。本市の指定面積は 16ha です。
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