NO.43号 - 松本薬剤師会

松本薬剤師会
<おくすりばこ>
会営村井薬局ニュース
第43号 H26年2月 15日発行
「痔疾患」は成人の半数以上が患っているといわれるくらいポピュラーな病気
です。また、年代・性別に関係なく誰でも罹る可能性のある病気といわれてい
ます。しかし、恥ずかしくて人に言いにくい、医療機関を受診しにくい病気で
もありますね。
早期に受診すれば、生活習慣を改めたりすることで治る場合もあります。
1人で悩んでいないで早めに医療機関を受診しましょう。
名前はムラビット!!
痔の薬にはどんなものがありますか?
痔の薬には、塗り薬(注入薬を含む)
、坐薬、飲み薬などがあります。
痔疾患は、日本人の3人に1人は患っていると言われる国民病ですが、
日ごろの生活習慣も原因のひとつです。
1人で悩んでいないで、早めに医療機関を受診してください。
『痔』とは?
痔にはいくつかの種類がありますが、大きく3つに分けられます。
1、
「痔核(じかく、俗にいういぼ痔)」
2、
「裂肛(れっこう、俗にいう切れ痔)」
3、
「痔瘻(じろう)
」
1、「痔核(いぼ痔)」はもっとも発症が多く、肛門および周辺の血行が悪くなって、一部
が血栓となって盛り上がり、痔核になります。直腸内にできる「内痔核」と、肛門の周辺
にできる「外痔核」があります。
2、「裂肛(れっこう)」は、肛門の皮膚や粘膜が切れたり裂けたりするもので、排便時に
硬い便を排出することによって起こります。肛門の皮膚が裂けること自体はよくあること
で、軽いものならばそのまま治る場合が大半です。
3、「痔瘻(じろう)」は、肛門の奥に大腸菌などの細菌が侵入して、感染や化膿を起こす
ものです。初期症状としては肛門の周辺が熱をもって腫れ、激しい痛みを生じます。
肛門の内部にできているために感染が常態化してしまい、手術による治療が基本となりま
す。症状が複雑化すると手術の難易度が高くなり、また完治も難しくなります。
痔の薬について
痔の薬は、塗り薬(注入薬を含む)
、坐薬、飲み薬があります。
塗り薬、坐薬には、痛みを和らげる成分、炎症を抑える成分、止血をうながす成
分等が含まれ、部位や症状により使い分けをします。
ステロイドホルモンを含むものもあります。
塗り薬には肛門に薬を直接注入するタイプのものもありますが、通常は坐薬が使
えないときや、外痔核・脱肛の場合に使用します。
症状によって最適な成分が細かく分かれているので、市販薬を購入する場合は薬
剤師に相談するのがよいでしょう。坐薬は肛門内に入れると、体温で溶解されて
効き目がでてきます。
内服薬には、便を柔らかくする薬、炎症を抑える薬、抗生物質などがあります。
痔の原因と早期治療の重要性につてい
痔の原因は、便秘・飲酒・下痢・妊娠や出産、過労やストレスによる免疫力の低下など
様々なものがあります。共通点として、スムーズな排便ができていないことがあります。
痔を最も早く治すには、なんらかの自覚症状を認めた段階で、肛門科や消化器科の診察
を受けることが最良の手段です。
痔は症状が悪化した場合、入院や手術・長期にわたる治療が必要になる怖い病気である
ことだけは、心に留めておきましょう。
痔の予防について
「便秘」は大敵です。便秘を防ぐための食事内容・生活習慣の改善をしましょう。
食事は、
「食物繊維の多い食材」と「水分摂取」の二つがポイントです。
一日三食のリズムを基本に、暴飲暴食はやめましょう。
また、排便時には患部をできるだけ清潔に保つようにしましょう。
温水洗浄式トイレで毎回患部を洗うのがよいでしょう。水圧は弱めに設定して、
肛門部への強い直接的な刺激は避けるようにします。
その他、日常生活の中で適度な運動をして、肛門付近のうっ血が起きないように
したり、入浴などで体をあたため血行を良くすることも予防には効果的です。
松本薬剤師会 会営村井薬局
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