主な性感染症と原因微生物疾患原因微生物梅毒細菌 Trepanomapallidum 淋疾細菌 Neisseriagonorrhoeae ఘ性下疳細菌 Haemophilusducreyi 性病性リンパ肉芽腫クラミジア Chlamydiatrachomatis (L1,L2,L3) 鼠径ശ肉芽腫細菌 Calymmatobacteriumgranulomatis クラミジア Chlamydiatrachomatis (A-K) マイコプラズマ Ureaplasmaurealyticum マイコプラズマ Mycoplasmahominis ೗淋菌性尿道炎原虫（ർ毛虫໸） Trichomonasvaginalis 真菌 Candidaalbicans 細菌 Staphylococcusprophyticus,S.epidermidis Дശヘルペスウイルス herpessimplexvirus(1,2) 尖圭コンジローマウイルス humanpapillomavirus Дശ伝染性ఘ属腫ウイルス molluscumcontagiosumvirus 疥癬節੝動物（ダニ） Sacrootesscabiei 毛ジラミ症節੝動物（シラミ） Phthiruspubis 細菌 Shigella species 腸管感染症原虫（ർ毛虫໸） Giardialamblia 原虫（肉࠽虫໸） Entamoebahistolytica ウイルス hepatitisBvirus 肝炎ウイルス hepatitisCvirus AIDS ウイルス humanimmunodeficiencyvirus 伝染性単核症ウイルス Epstein-Barrvirus 性感染症性器クラミジア分໸ 性感染症性器クラミジアクラミジア（ Chlamydiatrachomatis）感染による性感染症男性尿道炎潜伏期間：1~3週症状：症状が自Ӿされない症例も多い分泌物は漿液性から粘液性で量は少ない排尿痛も軽い軽度の尿道の痒み、不快感だけで無症候に‫ة‬い症例も少なくない女性子宮頸管炎潜伏期間：1~3週症状：子宮頸管炎の時期はଥく継続しない帯下増量感不正出‫、ڒ‬下腹痛、性交痛など女性性器クラミジア感染症の半数以上が全く症状を感じない性感染症性器クラミジアクラミジアは、主に泌尿生殖器に感染し、その患者数は全ての性行為感染症の中で最も多い女性の場合卵管炎はその後の後ϸ症として卵管内腔の上皮細胞の障害による受精卵通過障害、卵の輸送障害による卵管妊娠、卵管周辺の癒着もしばしば発症 →不妊の原因口唇性交により、咽頭にクラミジアが感染することもある女性性器にクラミジアが検出される場合は、無症状であっても 10~20％は咽頭からもクラミジアが検出される引用：岩手県結核・感染症情報センター性感染症性感染症淋菌性尿道炎淋菌性尿道炎淋菌（ Neisseriagonorrhoeae）感染による性感染症淋菌 •݄温にも低温にも弱い •炭酸ガス要求生男性潜伏期間：2~14日症状：発病時は尿道の軽度の不快感数時間後に排尿困難と化膿性分泌物女性潜伏期間：7~21日症状：一般に軽い排尿困難、頻尿を伴うこともある子宮頸ശが最も頻繁に感染子宮頸ശが৊く脆くなり、粘液膿性の分泌液を伴う女性または男性同性愛者直腸の淋疾がよく見られる女性では通常無症候性肛ใ周囲の不快感や直腸分泌物を生じることがある男性同性愛者では重症の直腸感染排便時、直腸性交時に痛みがあると訴えることがある口腔への生殖器接触により淋菌性咽頭炎を֙こすことがある通常の環境では生存することが出来ず性行為感染症として人から人へ感染性器クラミジア感染症と並んで頻度の݄い性感染症 1回の性行為による感染伝達率は30％程度性行動の多様化を反映して、咽頭や直腸感染例も増加治療抗菌薬の有効性も罹患ശ位により相違特に性器・咽頭同時感染例では、性器の淋菌が消失しても、咽頭の淋菌は残存する症例が少なくない写真引用：݄橋クリニック 8 74/89 性感染症性感染症淋菌性尿道炎性器ヘルペス単純ヘルペスウイルス（HSV-1またはHSV-2）による生殖器または肛ใ直腸の皮膚または粘膜の感染初期病変：接触後4~7日痛みのある小水疱小集団が現れる男性では、包皮、Д茎亀頭、Д茎幹に病変を生じる男性同性愛者の直腸性交では、病変が肛ใ周囲や直腸内に生じる初感染では、膀胱の不全麻痺、排尿障害のため排尿が困難になり、歩行困難になることがある亀頭・Д茎に水泡ができ、潰れると糜爛あるいは浅い潰瘍（かいよう）ができ、またその周囲が腫脹する。疼痛があって痛みを伴う時に、神経痛様の痛みがある引用：岩手県結核・感染症情報センター写真引用：日本性感染症学会誌第12巻第1号p191 性感染症性感染症性器ヘルペス性器ヘルペス女性ではД唇、Д核、会Д、膣、子宮頸ശに病変が現れる直腸性交する女性では、病変が肛ใ周囲や直腸内に生じる性器に感染すると、神経に侵入し仙ই神経節に潜伏感染する刺激や体調の悪い時あるいは女性の生理の時に、活性化されて皮膚や粘膜に出現し再発する小Д唇・大Д唇全体に糜爛が広がる性器全体も腫れる潰瘍は、ときに瘢痕を残して約10日間で治癒する HIV感染または他の原因で細胞性免疫が低下した患者では、持続性または進行性の病変が数週間以上続くことがある頻繁な再発や治癒しない場合は、HIV感染を調べる必要がある写真引用：外Дശ皮膚疾患アトラスp116日本医学出版引用：岩手県結核・感染症情報センター性感染症性感染症尖圭コンジローム尖圭コンジローム性器疣贅（ゆうぜい）とも呼ばれるヒトパピローマウイルス（ヒト乳頭腫ウイルス；humanpapillomavirus HPV）の6,11,16,18,31,45型によって引き֙こされる HPVは、現在90種໸以上のϸ伝子型に分໸ 性器病変あるいは性器から検出される型は40種໸以上男性：包皮下領域の暖かく湿った表面、冠状溝、尿道内、Д茎幹に生じる女性：外Д、膣壁、子宮頸ശ、会Дに生じる肛ใ性交：肛ใ周囲領域、直腸に生じる子宮頸癌の݄リスク型： HPV16,18,31,33,35,39,45,51,52,56,58,59,68,73,82型中リスク型： HPV26,53,66型口唇性交：咽頭乳頭腫症を֙こし、肺にガンとして広がることがある治療：完全な治療法はない性器疣贅は、ஏ気焼灼、レーザー、凍結療法、外科的切除によって除去できる治療薬では、数週間~数ヶ月にわたって何度も塗布する必要があり、しばしば失敗する低リスク型： HPV6,11,40,42,43,44,54,61,70,72,81,89型尖圭コンジロームは、まれに幼児に認められ、性的‫־‬待との関係が議論されている 9 性感染症若い男性16％が性感染症尖圭コンジローム対策必要と札幌医大教授札幌医大の塚本泰司教授（泌尿器科）が、札幌市内の大学生など若く健康な男性100人を対象に、性感染症の調査をしたところ、16人がクラミジアなどにかかっていたことが分かった。いずれも発症しておらず、自 Ӿ症状もなかった。こうした無症候感染者は、自Ӿのないまま感染を広めている可能性が݄ い。݄率で見つかったことで、若い世代の性感染症拡大を෇ぐため、早急な対策が求められそうだ。塚本教授は「性感染症の予෇ができなければ、エイズも予෇できない。性交渉すれば性感染症にかかる可能性があることを、学校教育の場できちんと教えるべきだ」と話している。調査は2002年秋に実施、ことしにかけてまとめた。100人の平均年齢は 22歳。16人のうち6人がクラミジア、12人がヒトパピローマウイルス（HPV）に感染、うち2人が重複感染していた。HPVはウイルスの型によってД茎がんなどの原因となる。（共同通信）-2003年9月21日引用：岩手県結核・感染症情報センター＜性体験ある݄校生＞1割がクラミジア感染初交年齢の変化厚労省調査 (%) 性体験のある݄校生のうち約1割が、性感染症（STD）の一種、性器クラミジア感染症に感染していたことが厚生労働省の研究班の調査で分かった。研究班は10代の人工中絶率などが全国平均とほぼ同じのあるஞ道府県で、一昨年秋から約1年間かけ、13の݄校に在籍する1~3年生の無症状の男女約5700人を対象に、匿名の࠽問票や尿検査などで調べた。クラミジアは性行為により感染。多くが無症状で、抗生物࠽で治るが、放置すると不妊症などになる恐れがある。性交渉の経験者は男子݄生が全体の31.1％、女子݄生は43.6％。このうちクラミジアに感染していたのは男子6.7％、女子13.1％で、全体では 10.6％に達した。年齢別では16歳の女子݄生が17.3％で最も݄い。欧米の女子݄生の感染率は1~4％で、日本は際立って݄いという。研究班の今井博久・旭川医科大助教授は「一般の݄校生に性感染症が広がっている背景には、インターネットや߆誌などで刺激的な性情報がはんらんする一方、必要な性教育がほとんどされていないアンバランスさがある。このままではHIV感染者が劇的に増える危‫ڵ‬性がある」と指摘する。（毎日新聞）-2005年5月4日 100 男性 80 18-24歳 25-34歳 35-44歳 45-54歳 55歳以上 60 40 20 0 100 女性 80 60 40 20 0 10歳未満 13-15歳 20-24歳 30-34歳 10-12歳 16-19歳 25-29歳 35-39歳平成11年度厚生科学研究費補助金エイズ対策研究事業性行為経験人数男性未婚男性が性行為をすることに関して女性 (%) 未婚女性が性行為をすることに関して 100 100 80 80 18-24歳 60 60 25-34歳 40 40 35-44歳 20 20 45-54歳 0 1人 2-5人 5人以上無回答 0 18-24歳 55歳以上 35-44歳 25-34歳 0 20 40 60 80 100 0 20 40 60 80 100 HIV感染症の疫学研究主任研究者：木原正博 55歳以上 45-54歳 18-24歳男性女性 35-44歳 25-34歳 55歳以上 45-54歳 (%) 「全く構わない」、「構わない」、「どちらかと‫ۄ‬えば構わない」の合‫ٽ‬ 平成11年度厚生科学研究費補助金エイズ対策研究事業 HIV感染症の疫学研究主任研究者：木原正博平成11年度厚生科学研究費補助金エイズ対策研究事業 HIV感染症の疫学研究主任研究者：木原正博 10 お金を払って性行為をすることに関して (%) お金を貰って性行為をすることに関して 50 50 40 40 30 30 20 20 10 10 0 0 18-24歳 35-44歳 25-34歳 55歳以上 45-54歳 18-24歳男性女性 35-44歳 25-34歳 55歳以上大学生への調査北海道教育大学、北海道大学、旭川医科大学、小樽商科大学、東北大学、秋田大学、ଥ岡技術科学大学、宇ஞ宮大学、茨城大学、東京水産大学、東京医科歯科大学、横浜国立大学、山梨医科大学、岐മ大学、和歌山大学、滋賀医科大学、大‫ޥ‬教育大学、京ஞ工芸繊維大学、神戸大学、ଧ取大学、 ݄知医科大学、九州芸術工科大学、福岡教育大学、大分大学、佐賀医科大学、ࠫ屋体育大学（‫ٽ‬30大学、13,615人） 45-54歳調査時期：平成11年4-6月「全く構わない」、「構わない」、「どちらかと‫ۄ‬えば構わない」の合‫ٽ‬ 平成11年度厚生科学研究費補助金エイズ対策研究事業 (%) HIV感染症の疫学研究主任研究者：木原正博大学生の性行為経験率大学生の性行為相手の数 100 男性女性 80 73.6% 63.9% 2人 3人 4人以上 1年男子 60 40 1人 1年女子 4年女子 24.2% 21.7% 4年男子 20 0 20 40 60 80 100 (%) 0 1年生 4年生平成11年度厚生科学研究費補助金エイズ対策研究事業 (%) HIV感染症の疫学研究主任研究者：木原正博大学生の性関係同時進行 25 平成11年度厚生科学研究費補助金エイズ対策研究事業 HIV感染症の疫学研究主任研究者：木原正博大学生のコンドーム使用率（一番最‫ة‬の性行為） (%) 100 男性女性男性女性 20 80 15 60 10 40 5 20 0 0 1年生 4年生平成11年度厚生科学研究費補助金エイズ対策研究事業 HIV感染症の疫学研究主任研究者：木原正博 1年生 4年生平成11年度厚生科学研究費補助金エイズ対策研究事業 HIV感染症の疫学研究主任研究者：木原正博 11 大学生のSTD罹患率（過去1年、自己申告） (%) STD罹患者の性行為相手数 2.5 男性女性 2 4人不明 2人 3人 5人以上 1人女子 1.5 1 男子 0.5 0 20 40 60 80 0 (%) 1年生 4年生平成11年度厚生科学研究費補助金エイズ対策研究事業 HIV感染症の疫学研究主任研究者：木原正博平成11年度厚生科学研究費補助金エイズ対策研究事業代表的な性感染症病原体性行為の形態 HIV、淋菌、クラミジア膣性交 HIV、淋菌、クラミジア口唇性交 HIV、淋菌、クラミジア肛ใ性交梅毒トレポネーマ A型肝炎アメーバ৊痢単純ヘルペスウイルス疥癬 ○ △ 膣性交肛ใ性交膣性交肛ใ性交接触器官コンドームの効果感染者 ೗感染者 Д茎膣 ○ 膣 Д茎 ○ Д茎咽頭 ○ 咽頭 Д茎 ○ Д茎直腸 ○ 直腸 Д茎 ○ Д茎外Дശ、肛ใ、直腸 △ 外Дശ、肛ใ、直腸 Д茎 △ 外Дശ 外Дശ 肛ใ-口唇性交肛ใ 口腔内肛ใ-口唇性交性器-口唇性交キス抱擁外Дശ 口唇口唇皮膚口唇外Дശ 口唇皮膚 HIV感染症の疫学研究主任研究者：木原正博女性の性感染症による合併症コンドームの予෇効果ヒトパピローマウイルス 100 性感染症の名称（または病原体名）クラミジア感染症淋疾梅毒 ఘ性下疳 △ 予෇可能感染リスクを下げられる場合がある予෇効果なし感染した女性のうち、特別な ଥ期にわたって症状が現れない人の割合 ֙こりうる合併症 ‫ݞ‬盤炎症性疾患、 75% 子宮外妊娠、不妊、慢性的な‫ݞ‬盤の疼痛 ‫ݞ‬盤炎症性疾患、 25~75％子宮外妊娠、不妊、慢性的な‫ݞ‬盤の疼痛循環器の障害、 25~75％神経系の異常、その他の臓器障害 25~75％性器パピローマウイルス 90％以上性器ヘルペス 50％以上 B型肝炎 25~75％ヒト免疫不全ウイルス膣トリコモナス 25~75％ 25~75％不明子宮頸ശ、外Дശ、膣、肛ใ付‫ة‬に出来るガン流産慢性肝炎、肝硬変、肝臓ガンエイズ不明有効な治療法や予෇のためのワクチンの有無有効な抗生物࠽があるが、ワクチンは開発されていない有効な抗生物࠽があるが、ワクチンは開発されていない有効な抗生物࠽があるが、ワクチンは開発されていない有効な抗生物࠽があるが、ワクチンは開発されていないなし* なし* ワクチンがあるなし* 有効な抗生物࠽がある *症状を和らげ合併症を抑える対処療法があるのみで、根本的な治療法はない引用：厚木市立病院泌尿器科 A 岩室紳也先生まとめ引用：”Women’sHealth”ScientificAmerican1998 一ശ改変一ശ改変 B 心配する必要なしやや心配心当たりがある場合、今までの相手に心配がある場合は、検査を受けて確認するほうが良い性器の違和感、不快感がある場合は、原因を確かめることが重要 12 C D 性器クラミジア感染症、淋病、トリコモナスの疑いあり男：排尿時の痛みやД茎からの膿がでるなど女：症状がでにくいので要注意おりものの増加や下腹ശの痛みなどクラミジア：抗生物࠽を約14日間服用淋病：抗生物࠽を約 7日間服用トリコモナス：抗生物࠽を約21日間服用性器ヘルペスの疑いあり男：性器に米粒大の水ぶくれができ、痒く、潰れると痛みに変わる女：潰瘍や水ぶくれができ、初回は激しい痛みと 38℃以上の発熱をともない、治癒後もよく再発抗ウイルス剤を約5~7日間服用 E 尖圭コンジローマの疑いあり性器に痒みや違和感を感じ、先の尖ったカリフラワーのようなイボが多発次回講義人体の免疫応答(免疫学総論) 凍結療法、ஏ気焼灼、レーザーなどで切除 13