「再生可能エネルギーを巡る現状と課題」 (PDF:6.3MB)

経 済 産 業 省
資源エネルギー庁
平成25年6月21日
資源エネルギー庁
新エネルギー対策課
0
エネルギーは、どこからきているのか?
経 済 産 業 省
資源エネルギー庁
 日本のエネルギーは、4割強を中東に、約3割をオーストラリア/インドネシア/マレーシア
等に依存しています。海外依存度は96%。
原子力
約1割
その他
水力・再エネ
オーストラリア
インドネシア
マレーシア等
約3割
原子力
約1割
再エネ等
天然ガス
約2割
石 油
約4割
中東
4割強
その他海外
約1割
石 炭
2割強
1
火力の燃料代は大丈夫?
経 済 産 業 省
資源エネルギー庁
 東日本大震災前と比べて、発電用の燃料代は、約3兆円あがりました。
 中東情勢の不安定化などで、燃料代が将来どれだけ上がるか、まだ誰にも分かりません。
【日本の貿易収支(2011年)】
輸出
62.7兆円
輸入
64.3兆円
その他
その他
電気機器
化学製品
医薬品等
鉄鋼等
食料品
電気機器
原料品
一般機械
燃料
輸送機械
日本銀行「国際収支統計」、財務省「貿易統計」、内閣
府「国民経済計算」から作成
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大切なのは、選択肢を複数持っておくこと・・・
経 済 産 業 省
資源エネルギー庁
 日本の電力構成における、3.11.前の再生可能エネルギーの比率は約10%。水力を除くと、約
1.4%です。
 ちなみに、原子力の再稼働が止まってから、日本のエネルギー自給率(原子力を準国産エネル
ギーとした場合)は、20%から4%へと、他の先進諸国と較べて著しく低くなりました。
【2011年の電源構成】
水力
1.4%
【各国エネルギー自給率(原子力含む場合)の推移】
水力除く
再生可能エネルギー
100%
英国81%
9.0%
50%
原子力
米国78%
インド74%
10.7%
39.5%
石油
中国92%
14.4%
天然ガス
フランス51%
ドイツ40%
スペイン23%
25.0%
韓国19%
日本20%
→4%
石炭
3
経 済 産 業 省
資源エネルギー庁
日本の電力に占める再生可能エネルギーの位置づけ
経 済 産 業 省
資源エネルギー庁
 レストランだったら、高い食材を買ってもそれで更に美味しい料理が作れますが、電気の場合、
何で発電しても、同じ電気しか作れません。
 太陽光で約40円。その他の再生可能エネルギーで約20円。徐々に下がり筒はありますが、
引き続き、コスト高が課題です。その普及には、どうしても、市場原理を補う、更に強力な仕
組みが必要となります。
【主要な電源間でのコスト比較】
【再エネ賦課金の金額】
平成25年度で
買取総額が4800億円
電力会社負担を除いた
転嫁総額が3100億円
電気料金月約7,000円
のご家庭で約120円/月
となります。
5
経 済 産 業 省
固定価格買取制度の基本的な仕組み
資源エネルギー庁
 電力会社は、再生可能エネルギーで発電を行う事業者から、電力を供給したいとの申込
みがあった場合には、必ず応じなければなりません。
 その際、政府が指定した調達価格・調達期間での買い取りを義務づける法律であること
から、「固定価格買取制度」と呼ばれます。
再生可能エネル
ギー発電事業者
再エネ電気を供給
政府の指定価格
で支払
住宅用パネル
設置者
電力会社
再エネ電気を
優先的に供給
再エネ買取費用を
賦課金として負担
全ての電気
の利用者
 平成25年度で買取総額約4800億円電
力会社自身の費用削減分を除く国民負
担総額は3100億円程度。
 電気料金月額7000円の標準家庭で月
120円程度の負担。
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経 済 産 業 省
固定価格買取制度の基本的な仕組み
資源エネルギー庁
 「固定価格買取制度」では、最初に適用された価格(固定価格)のまま、一定期間、再エネ電
力を販売することができます。発電事業に必要となる費用の大半は、発電所の建設コストが占
めますが、当初にかかる多額の建設コストを、長期にわたって安定的に回収できるよう保証す
ることで、思い切った再エネ発電投資を広げるのが狙いです。
 ただし、技術進歩や市場競争による価格低下などよって、発電所の建設コストは、変化してゆ
きます。このため、毎年度、新たに参入する発電事業者に適用される調達価格については、見
直しが行われます。
24FY
26FY
・・・・・・
42円*20年
かかったコストを20年で回収
適用される調達価格の見直し
建設コスト
25年度参入者
建設コスト
24年度参入者
25FY
●●円*20年
かかったコストを20年で回収
適用される調達価格の見直し
かかったコストを20年で回収
・
・
・
建設コスト
・
・
・
26年度参入者
●●円*20年
経 済 産 業 省
再生可能エネルギーの優先給電ルール
資源エネルギー庁
 本制度の下では、需要が少なく出力抑制が必要となる場合でも、電力会社は、自らの火力等の出
力抑制を先に行い、再生可能エネルギーを優先的に引き受けるよう義務づけられています【優先
給電】。
(※)需要が供給を下回っている場合であって、以下二つの回避措置をいずれも執った後でなければ、電力会社は再生可能エネ
ルギーの発電事業者に出力抑制を要請できない。
 一般電気事業者が保有する発電設備(原子力発電設備、揚水式以外の水力発電設備及び地熱発電設備を除く。)の出力抑制
 卸電力取引所を活用し、需要量を上回ると見込まれる供給電力を売電するための措置の実施

上記の措置を講じてもなお、供給が需要を上回る場合、電力会社は、再エネ発電事業者側に出力
抑制を求めることが出来ます。ただし、8%を上回る抑制を求める場合は、その分売電できた場
合の収入に相当する額の補償が必要となります。
調整可能な電源
(火力、揚水式水力等)
需要
需要
再生可能エネルギー
出力調整しない電源
(原子力、地熱等)
<通常の需要日>
<需要の低い日>
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経 済 産 業 省
ドイツにおける再生可能エネルギー比率と賦課金単価の推移
資源エネルギー庁
 今般、ドイツは2013年のFITのサーチャージ単価が5.28ユーロセント/kWhとなると発表しました(平均家庭あたり、
1,620円/月、19,500円/年の負担)。
 ドイツのサーチャージは、2009年以降大きく上昇しているが、その背景としては ①買取単価の高い太陽光発電
の導入拡大、②大規模需要家を対象とした費用負担免除増額、 ③2012年の賦課金単価設定の際の導入量予
測の誤りによる未回収分の発生 などが指摘されています。
(1,620円)
賦課金の水準(ユーロセント)
6
5
賦課金単価(ユーロセント)/kWh
現在の日本の賦課金の水準
4
3.53
(120円)
3
(400円)
2
1
5.28
(カッコ内は平均家庭あたりの月額負担額(円換算))
0.2
0.25
0.35
0.42
2000年
2001年
2002年
2003年
0.51
0.69
0.88
1.02
1.16
1.31
2004年
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年
3.59
2.05
(1ユーロ=102.5円で計算)
0
20.0%
発電量に占める再生可能エネルギー比率
14.3%
15.0%
10.0%
6.8%
5.0%
1.7%
6.7%
1.8%
7.8%
2.7%
4.3%
4.0%
4.0%
2000年
2001年
2002年
7.5%
1.0%
3.1%
9.2%
1.3%
4.2%
10.1%
1.8%
4.4%
11.6%
3.2%
15.1%
0.7%
0.8%
3.7%
16.4%
2010年
17.1%
1.1%
0.8%
1.9%
0.8%
4.5%
4.8%
2011年
20.3%
2013年
3.2%
0.8%
地熱
5.3%
太陽光
廃棄物発電
2.4%
5.0%
2012年
バイオマス
6.4%
6.6%
6.7%
6.2%
8.1%
風力
水力
3.0%
3.3%
3.2%
3.2%
3.4%
3.3%
3.3%
3.4%
3.0%
2003年
2004年
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
0.0%
2012年
2013年
経 済 産 業 省
資源エネルギー庁
経 済 産 業 省
再生可能エネルギーは何が難しいの?
資源エネルギー庁
 一戸建ての家全てに太陽光パネルを載せても、日本の電気の5%です。
 地熱の資源量は世界第3位。でも、そのほとんどが自然公園の中・・・
 世界の風力は、平らなところや丘の上。でも、人口密度が高く山も多い日本では、風車も、
尾根の上などに無理してたてることになります(乱流や落雷の問題が)
【積載可能な全一戸建てに載せた場合の日本の太陽光発電量】
 4kW(一戸あたり発電量)×1,200万(現在太陽光パネルを載せられる一戸建ての数)×12%(設備利用率)×24h×365日
=504億kWh(全住戸に太陽光パネルを載せた場合の、1年間の発電量)
 504億kWh ÷ 1兆kWh(日本全国の1年間の総発電量) ≒ 5%
【日本の地熱資源量】
【尾根の上に立つ風車と人口密度】
世界の地熱資源量
国名
アメリカ合衆国
インドネシア
日本
フィリピン
メキシコ
アイスランド
ニュージーランド
イタリア
地熱資源量 地熱発電設備容量
(万kW)
(万kW)
3,000
309.3
2,779
119.7
2,347
53.6
600
190.4
600
95.8
580
57.5
365
62.8
327
84.3
提供:(㈱ユーラスエナジーホールディングス)
約2300万
kW
人口密度と山間部面積を比較すると
日本 約360人 * 山7割
ドイツ 約240人 * 山3割
米国 約 30人 * 山_割
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再生可能エネルギーが秘めるポテンシャル
経 済 産 業 省
資源エネルギー庁
 大規模に風力発電所が開発できれば、そのコストは実は、火力や原子力並みまでもう下がっ
ています。課題は、大需要地までの送電線と土地利用規制緩和です。
 太陽光発電も既に様々な実装例が。家の屋根の上以外にも載せる場所はたくさんあります。
【風力発電の発電コスト】
【日本の風況と送電網】
(円/kWh)
50
45
45.8
40
35
30
30.1
25
24.0
20
15
18.0
10
10.5
5
9.0
14.0
10.0
9.5
8.9~
10.6
0
【新しい太陽光発電の実用化例】
(キリン湘南工場、壁に太陽光パネル)
(味の素スタジアム、屋根に透明な太陽光パネル)
(太陽電池搭載バッグ)
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経 済 産 業 省
北海道・東北における系統整備事業
資源エネルギー庁
 再生可能エネルギーの最大限の導入に当たっては、風況が良く風力発電の適地を活用することが不
可欠です。こうした地域のうち、電力需要が少なく送電網が脆弱なために風力の導入が進まない地
域を「風力重点整備地区」と定め、送電線の整備を推進します。
 具体的には、各地域に送電線を整備する特定目的会社を設立。風況を活かし高い発電効率を得る発
電事業者から送電料を徴収し、初期投資の回収をめざします。ただし、その事業化実現には、現
状、避けがたく発生する回収不足分に対し国が補助することとしています。
→
風力発電のための送電網整備実証事業費補助金 平成25年度予算案 250億円(新規)
我が国の風況
出
資
全国基幹連系系統
【平成22年6月時点】
再エネ
風況が良く、風力ポテンシャルの
強い地域
送電線増強事業のスキーム
我が国の電力基幹系統
電
力
借入
出 貸
資 付
風力発電の適地であるが、
系統が弱い地域
国
2分の1
補助
SPC(送電網
保有主体)
建設工事
委託
住宅用太陽光を中心に
急速な拡大が進む地域
建設会社
(電力会社
等)
元金+金利返済
送電線利
用料の支
払(※)
維持管
理委託
電力会社
発電
事業者
(※)最大限発電事
業者から支払わせ
ることを想定
公租公課の支
払
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電力系統用の大型蓄電池実証事業
○送電線の整備には、建設着手から約10年の期間が必要です。この間にも、電力会社側の受入能力
は限界を迎える可能性が高いのが実情です。
○このため、大型蓄電池を基幹送電網に設置・活用し、再生可能エネルギーの導入可能量をどこまで
拡大できるか、徹底検証します。具体的には数万kWh級の大型蓄電池を導入し、蓄電池システムの
最適な制御手法、管理手法について必要な技術を開発・確立します。
○電力会社の基幹系統に接続する形での大型蓄電池の実証は、世界でも初めて。我が国が得意とする
蓄電池によって、新たな系統安定化対策を切り開くための蓄電池必要な技術・ノウハウを、世界に
先駆けて構築します。
→
再生可能エネルギー発電支援のための大型蓄電システム緊急実証事業
平成24年度予備費 295.9億円
想定している事業の具体的な内容
電池
種類
下げしろ対策
周波数変動対策
レドックスフロー電池など
大容量の蓄電池
リチウムイオン電池など
高出力の蓄電池
レドックスフロー電池
容量
実証技術
5万kWh程度
2万kWh程度
風力発電に対する
下げしろ対策を中心として
蓄電池の効果を実証・開発
風力発電に対する
周波数変動対策を中心として
蓄電池の効果を実証・開発
NAS電池
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経 済 産 業 省
資源エネルギー庁
経 済 産 業 省
中小規模の太陽光への流れ
資源エネルギー庁
 最新設備認定状況(2013年2月末)において90%以上が10~50kW未満の中小規模
となっています。
1000kW以上
50~1000kW
未満
1
2
3
10~50kW未満
10kW以上の太陽光発電設備の件数の割合
10kW以上1,000kW未満の太陽光発電設備のシステム価格
経 済 産 業 省
資源エネルギー庁
 固定価格買取制度の適用を受け運転開始した設備(平成24年10-12月運転開始)のデータから、
10kW以上1,000kW未満の太陽光発電設備のシステム価格を見ると、43万円を中心にその分布は
非常に広範囲にわたっています。
<10kW以上1,000kW未満の太陽光発電設備(平成24年10月-12月運転開始)のシステム価格の分布>
(件数)
150
120
90
データ数
平均値
中央値
標準偏差
:2,814件
:43.4万円/kW
:41.3万円/kW
:13.1万円/kW
60
30
0
(システム単価 万円/kW)
多様化への流れ
経 済 産 業 省
資源エネルギー庁
 パネルの高効率化だけではなく、太陽光発電を使った新しい価値の提案が必要になってきて
います。
 周辺技術を含めて技術開発を行い、トータルシステムとして提案していく必要があります。
ガーナ北部の無電化村でのパブリックビューイング(ソニー)
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経 済 産 業 省
多様化への流れ
資源エネルギー庁
 パネルの高効率化だけではなく、太陽光発電を使った新しい価値の提案が必要になってきて
います。
 周辺技術を含めて技術開発を行い、トータルシステムとして提案していく必要があります。
太陽光グリーンハウス(イタリア)
経 済 産 業 省
多様化への流れ
資源エネルギー庁
ソーラーシェアリング(兵庫県)
太陽光発電を組み合わせた
ブラインド
畑への設置
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経 済 産 業 省
資源エネルギー庁
経 済 産 業 省
地域でのSocialの難しさ
資源エネルギー庁
 大企業依存か、自治体依存か、Opinion Leaderか? Socialは必然的に3極化。
 資金余り。預貸率も低い。でも、基準を満たすプロジェクトがない。
→ 地域で自立回転できるはずのプロジェクトが、自立しない。
色々やってあげたいけど、投資基
準は厳しい・・・
Social
Social
Social
Player
Player
Player
補助金申請なら書けるけど、
資金計画は書いたことがな
い・・・
新規の補助金ニーズは、大歓迎?
自治体
詳細は、次のブログページに文章化したものがあります。
http://japan.cnet.com/blog/murakami/2012/12/25/entry_30022498/
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私権と公共 ~ 自分で自分の道を決める難しさ ~
経 済 産 業 省
資源エネルギー庁
 地域にとって案外、難しいのは、自分で自分の進む道を決めること。
 経済成長を前提とした諸『権利』の設定が、人口減少や低成長の時代に合ってない。全国どこに
行っても同じ駅前。同じチェーン店舗。
 地域自身が、そのデザインに向けて最適なかたちで、もう一度、私権を部分的に再設計し、「公的
な共有地」を作り直さなければいけない。
 役人は法律に従って施策を実行に移すので、役人の気持ちになっ
て・・・一年半ほど時間を見つけては法律書を読んだ。「最初は防災集
団移転促進に関する法律や国土計画に関する法律などを読んだ。
市街地を海から離れた山側に寄せようとすると土地の問題になり、
次に土地の権利を規定する民法、土地の権利は「私の権利」なので
憲法をひもといた。その後は、この3段階の法律を行ったり来たり。
復興が進まないのは戦後の社会システムの問題なんです。」
 農地、慣行水利、保安林、上下水道、道路、建築物・・・
建築家、内藤廣先生
 今回の震災で、ハードウエアで対応できるとされたものが防げず、技術で自然を克服できるとす
る近代の思想では答えが出せないことがあるとはっきりした。全国一律という近代国家のロジッ
クも崩れた。防災面でリスクはあっても海の近くに住みたい人がいれば、リスクの低い内陸部を望
む人もいる。人には色々な生き方がある。
http://www.nikkei.com/article/DGKDZO50987250V20C13A1NNP000/ (会員限定記事)23
方向性を自分で決める
~
街作りは、人の気持ち作り
~
経 済 産 業 省
資源エネルギー庁
 リンゴ輸入自由化で一挙に過疎化に進む街を、北斎館を拠点に、点から線へ、線から面へと拡
充。年間120万人が訪れる街へ。
 「街作りは、人作り」。住民の気持ちそろえた小布施町は、数少ない成功例?
JBプレスの次の記事を参照
 点から線
: 「北斎館」から「栗の小径」
→
:
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/37271
小布施方式、修景
道路沿いにあった民家を奥へ移転することで歩道を広くし、栗の木レンガを
敷き詰めてくつろぎの空間を作り出す試みも。建設業をはじめとした地場
産業の有力者が住民を地道に説得して回るなどリーダーシップを発揮
 線から面
: 街作りに
「内は自分のもの、外はみんなのもの」
「古いものを大事にする」という意識が
住民に芽生え、住宅の配置や外観への
配慮、来訪者との交流やオープンガー
デン、さらには通りを行く人の目を楽し
ませる花や灯り
 オープンガーデン
2000(平成12)年に38軒の住戸が参加してスタート。現在では130
軒近い住戸で丹精込めて造った庭を公開し、訪れた人との交流の
輪を広げている。家によっては多い日で50~60人も来訪者。
24
豪雪地帯のメガソーラー ~滝川市の場合~
経 済 産 業 省
資源エネルギー庁
 豪雪地帯の滝川市にメガソーラーの企画。民間公募で採用された副市長の強いリーダーシップ。
 旧公営住宅跡地に、2Mクラスのメガソーラー。雪が乾いていて軽く、風の強い滝川ならでは。
固定価格買取制度の導入もあって、民間商社によるファイナンスで事業化決定。
 通常は、なかなか企画を思いつかない立地。
 北海道電力の実証施設(左図)では、20年弱の稼
働実績。日照の良い夏場と年間をならせば、全国
平均程度の稼働率は見込める見込み。
 もとは、平屋建ての公営住宅。4層化し
て奥の敷地に移動した結果、手前全体
が私有の遊休地に(右図)。
 市街地・住宅地にかかるエリアであり、
設置すれば、市民の目にも触れやすい
ロケーション。
25
市民ファンドの発展モデル ~飯田市の場合(Stage1)~



経 済 産 業 省
資源エネルギー庁
飯田市の積極的な買取を通じた、先進的な支援がプロジェクト成立に寄与。
余剰分は、電力会社も積極的に買い取ることで協力。自己消費分については、その環境価値をグリー
ン電力証書化して、補助的に収入を獲得。
本プロジェクトを通じて太陽光パネルが広がったことが、市民の参加意識の芽生えに寄与。
市民
国
出資(約0.5億円)
市民
ファンド
補助金(約0.7億円)
設置
還元
電力会社
22円
飯田市
市の施設
37施設に設置
売電
余剰分
売電
約22円
(合計205kW)
環境価値部分のうち自家消費した分を
グリーン電力証書化して別途販売。 7円/kWh
市民ファンドの発展モデル ~飯田市の場合(Stage1)~
経 済 産 業 省
資源エネルギー庁
■ 出資者からのメッセージ(お金の見える化、お金に意志を)
 ちょっとでも地球温暖化防止の役に立つことができたらうれしいです。(女性8歳)
 分にも参加できる地球温暖化防止対策だと思い、おひさまファンドを応援します。(男性39歳、会社員)
■ 名称:「南信州おひさまファンド」
■ 募集期間:2005年3月〜2005年5月31日
■ 募集口数
 A号(10万円)
 B号(50万円)
■ 出資者数
 A号:
1500口
103口
474名
398名
B号:
76名
※内、A・B号両方に出資した人数14名
◆ 飯田市内出資者数(内数):60名
 A号:
53名
B号:
7名
※内、 A・B号両方に出資した人数2名
<募集締め切り予定日の5月31日を待たず
24日で満了>
都道府県別出資状況
27
市民ファンドの発展モデル ~飯田市の場合(Stage2)~



経 済 産 業 省
資源エネルギー庁
住宅用太陽光の余剰電力買取制度(2009年)により始まった買取制度を活用し、一般住宅への普及プ
ロジェクトが可能に。
ファンドは、一般家庭に無償でパネルを設置。余剰分を売電した一般世帯は、これを原資に9年間、ファ
ンドにサービス料を支払い。ファンドは9年間で確実に回収し、家庭は、10年目以降、設備での発電を完
全に自分のものにできる仕組み。
一般家庭91世帯に普及したことで、市民の再エネ意識は一挙に高まり。
出資(約1.2億円)
市民
市民
ファンド
設置
還元
(合計325kW)
48円(2010年の場合)
電力会社
一般住宅へ
91世帯に設置
余剰電力買取制度で、
余剰分を売電
経 済 産 業 省
市民ファンドの発展モデル ~飯田市の場合(Stage3)~



資源エネルギー庁
2012年7月に始まった固定価格買取制度を活用し、事業所、一般住宅、公共施設など、対象を大幅に
拡充し、更に本格的な普及プロジェクトが可能に。
ファンドは、事業所・一般住宅・公共施設などの屋根や空地などを借り設備を設置。 20年間に亘り全
量を売電し、場所を提供した施設等に賃借料を支払う。
固定価格買取制度が本格的に導入されたことに伴い、事業期間内での一定の収益が確保され易くなっ
たこともあり、地域金融機関も本格的に参画するなど、あらゆるプレーヤーが再エネ事業拡大に向け、
動きを一挙に加速。
出資(約4億円)
市民
市民
ファンド
売電
収入
地元設置業者
※賃借料
発電収入の10%程度を想定
15ヶ所に設置実施中
(合計950kW)
固定価格買取制度で、
全量を売電
環境に貢献しながら収入を得る
電力会社
地域金融
機関
公共施設
事業所等
※賃借料
設置
経 済 産 業 省
共通する特徴
資源エネルギー庁
 市民の巻き込み、コミットメント・共感の獲得が、最も苦労しているポイント。本来の意味での
Public Relations(PR)。他方、市民には、自分自身のVersion Up感に対して、強い要求。
 地元の利害相反する関係があるため、自治体が直接全てをリードするのは難しい面も。民側のイ
ニシアチブを、官側がサポートする形がうまくいく事例の特徴?
 自立的なファイナンスの組成が鍵。補助金プロジェクト化は、その後を難しくする側面も。
2.5
3.9 4.2
加速化すべき
内容を知っている
38.3
46.7
言葉だけは知っている
50.9
負担とのバランス見ながら
進めるべき
現状のペースで進めるべき
53.5
知らない
わからない
70.0
60.0
50.0
40.0
30.0
20.0
10.0
0.0
61.0
19.7
15.3
12.7
8.4
2.4
系列1
30
経 済 産 業 省
資源エネルギー庁
経 済 産 業 省
世界の洋上風力発電の現状
資源エネルギー庁
導入量「万kw]
 世界では欧州を中心に既に約400万kW導入され、実用段階。
 かつ、近年、2001年の約5万kWに対して、2011年は約89万kWと急激に拡大。
 また、米国においては、2030年までに5400万kWの洋上風力発電の導入を目標。
世界の洋上風力発電導入量の推移
450
単年度導入量[万kW]
400
累積導入量[万kW]
各国累積導入量[MW]
350
300
250
200
150
100
50
0
0
500
1000
1500
397
2000
2500
308
イギリス
デンマーク
オランダ
ドイツ
191
ベルギー
スウェーデン
149
中国
116
112
フィンランド
89
アイルランド
80
71
日本
52 62
ノルウェー
32 37 42
26
26
17
10 9 9
00 ポルトガル
01 01 01 01 11 23 03 03 03 04 59
´90 ´91
´92
´93
´94
´95
´96
´97
´98
´99
´00
´01
´02
´03
´04
´05
´06
´07
´08
´09
´10
´11
出典: ①風力等自然エネルギー技術研究開発洋上風力発電等技術研究開発浮体式洋上風力発電に係る基礎調査 NEDO H23 ②2011
Annual report GWEC
32
経 済 産 業 省
洋上風力発電の現状(海外)
資源エネルギー庁
 着床式については、ウィンドファームの規模、洋上風車の出力とも増大。
 遠浅、かつ、漁業権が大きな支障とならない海域も多く、我が国と基礎的条件がかなり異なる
のが実情。
 他方、浮体式については、世界的にも、2MW(2,000 kW) 級の実証機があるのみ。
【着床式洋上風力】
欧州における大規模ウィンドファームの一覧(上位10)
設置国
稼働年
発電所名
出力(MW)
2010
Thanet
300 イギリス
2009
Horns Rev II
209 デンマーク
Rodsand II
207 デンマーク
2010
Lynn and Inner Dowsing
194 イギリス
2008
Robin Rigg (SolwayFirth)
180 イギリス
2010
2010
Gunfleet Sands
172 イギリス
2003
Nysted (Rodsand I)
166 デンマーク
2010
Bligh Bank (Belwind)
165 ベルギー
Horns Rev I
160 デンマーク
2002
120 オランダ
2008
Princess Amalia
欧州におけるウィンドファームの規模と風車規模の推移(MW)
ウィンドファームの規模
風車の規模
2001
25
1.8
2011
199
3.6
【浮体式洋上風力】
発電所名
Hywind project
Principle Power
出力(MW)
設置国
稼働年
2.3 ノルウェー 2010
2.0 ポルトガル 2011
 2002年に2000kWの風車80基がデンマークに建設
( Horns Rev洋上風力発電所:水深6~12m,離岸距離14~20km)
33
経 済 産 業 省
洋上風力発電の現状(国内)
資源エネルギー庁
 我が国の洋上風力発電は、実証研究段階。まさに、試験機が本格的に運転を始めたところ(経
産省:銚子沖・北九州沖・福島沖、環境省:五島沖) 。
 陸上に接岸する形で行っている洋上風力発電は、すでに全国3か所で事業化。その一部は、
平成27年度以降に、本格的な洋上への展開も進める予定。
北海道瀬棚港
千葉県銚子沖/福岡県北九州沖
経産省(NEDO)
自治体(せたな町)
洋上風力発電 所
洋上風力発電等技術研究開発
せたな町により、600kW
の洋上風車2基が H 16年
4月より稼働中。
2MW級の実証機と観測
タワーを設置して、着床式
の洋上風力発電ステムの
実証研究を行う。
銚子沖・北九州沖ともに、
H24年度中に設置。
山形県酒田港
民間会社
洋上風力発電 所
民間事業者「サミットウィンドパ
ワー㈱」により、2MWの洋上風
車5基が H 16年1月より稼働中。
茨城県鹿島港
福島県沖
経産省
長崎県五島沖
環境省
浮体式洋上風力
発電実証事業
浮体式洋上ウィンドファーム実証研究事業
2011年度から5年程度の計画で、福島県の沖合約20km、水
深100~130m地点に、世界一となる本格的浮体式洋上風力
発電を実現する実証。
2013年度に2,000kWの風車1基、2014年度には7,000kWの風
車2基を福島県沖に設置予定。
我が国初となる系統
連系を行う浮体式洋
上風力発電施設とし
て、 100kW 小規模試験
機を H24 年 6 月に設置
、H25 年度に2MW級
実証機を設置予定 。
3コラム型セミサブ
アドバンストスパー型
民間会社
洋上風力発電 所
民間事業者「㈱ウィンド・パ
ワー・いばらき」により、2MW
の洋上風車7基がH22年6
月より稼働中。
また、H24年に8基を追加。
将来的には沖合に50
基程度の建設を計画中。
地図は、日本周辺海域 (海 面上80m)
の年間平均風速 (環境省調査)
6.5m/s 以上
7.5m/s 以上
8.5m/s 以上
34
経 済 産 業 省
浮体式洋上ウィンドファーム実証事業の概要
資源エネルギー庁
 第1期 : 平成23年度第3次補正予算で125億円を措置し、主に浮体式洋上風車
(2MW 1基)及び浮体式洋上変電所の設計・製作・設置を実施。
 第2期 : 平成25年度当初予算で95億円を措置し、浮体式洋上風車(7MW 2基)の
製作に着手。以後、設置された風車の運転データの取得等により、実証研究
を実施予定。
第1期(2011~2013)
洋上変電所
浮体式サブステーション
第2期(2014~2015)
2MW風車
7MW風車
コンパクトセミサブ浮体
アドバンストスパー浮体
7MW風車
V字型セミサブ浮体
成功への3つの鍵
技術的挑戦 / 社会的合意 / 福島復興
設計技術の確立 / 試験・検証 / 最適化
経済性の向上 / 技術の標準化 / 産業の創出
35
経 済 産 業 省
平成25年度 実証研究事業の工事概要①
資源エネルギー庁
【設置場所】
漁業関係者等との意見
交換を踏まえ、沿岸から約
20km離れた、水深約
120mの海域を選定
風配図
V字型セミサブ浮体
36
平成25年度 実証研究事業の工事概要②
○ 浮体要目:長さ 33.4m、型幅 33.4m、
型深さ(浮体底からUpper Hull)71m、稼動喫水 50m
○ 主要設備:変電設備、風況等観測設備、緊急時等の
人員・物資輸送用ヘリデッキ
経 済 産 業 省
資源エネルギー庁
○ 浮体要目:長さ 57.5m、幅 64.23m、深さ 32m、
稼動喫水 16m
○ 風車要目:出力 2,000kW、
ローター直径 80m、翼の枚数 3枚
37
経 済 産 業 省
平成25年度 実証研究設備の設置工程
資源エネルギー庁
※気象、海象条件により、工事スケジュール等に変更が生じる場合があります。
5月
6月
7月
8月
9月 ~
5/26~7/18
7/13 安全祈願祭
係留アンカーチェーン設置
9月上旬 10月中旬
受電
運転開始
2MW風車
(洋上風力
発電船)
6/25浮体視察会
6/26 出渠(浮体のドック出し)
【資料1】
小名浜港
入港
曳航
浮体係留
作業
7/20~8/4(小名浜港~福島沖)
6/26~7/5(市原~小名浜港)
6/7~7/2
サブ
ステーション
係留アンカーチェーン
設置
吊出し
曳航
【資料2】
海底送電
ケーブル
ライザー
ケーブル
7/4、 7/6~7/8 (本牧~福島沖)
浮体係留
作業
9月上旬 10月中旬
運転開始
7/9~7/21 (福島沖) 受電
6/5~7/15
海底ケーブル敷設・
埋設
8/1~8/29
ライザーケーブル
敷設・埋設/接続
38
参考
資料1
経 済 産 業 省
洋上風力発電船
資源エネルギー庁
2MW風力発電船 「ふくしま未来」
(浮体形式:4カラム、セミサブマーシブル)
この上に2MW風車
搭載
曳航状態図(東京湾内))
仮係留場所
写真提供:三井造船株式会社
福島洋上風力コンソーシアム
三井造船
市原沖 喫水調整)
39
参考
資料2
経 済 産 業 省
サブステーション
ジャパン マリンユナイテッド㈱製
サブステーション用浮体
資源エネルギー庁
観測タワー
ヘリデッキ
吊曳航状況図
写真提供:ジャパン マリンユナイテッド㈱
福島洋上風力コンソーシアム
吊曳航経路図
40
再生可能エネルギー 及び
固定価格買取制度の詳細について
経 済 産 業 省
資源エネルギー庁
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