サラマンカ 〔スペイン文化瓦版 vol.7〕 2006.11.2発行

NPO法人スペイン文化交流センター
サラマンカ
〔スペイン文化瓦版 vol.7〕
2006.11.2発行
<名物お菓子>
∼Huesos de Santo ウエソス デ サント∼
クリスマスやセマナ・サンタ(聖週間)等スペイン
には様々な有名な祝日がありますが、そんな日に
忘れてならないのがイベントの他にももう一つ。そ
れは食べ物。スペインの祝日では、日本ではお
目見えすることのない珍しい食べ物やお菓子にも
出会うことができるのも重要なポイント。
その中の一つがHuesos de Santo。その名も「聖
人の骨」。名前がイマイチ微妙なのですが、これ
は11月1日諸聖人の日、カトリックの国スペインで
の典型的なお菓子の名前。見た目は、まさに「ホ
ネ」!!
それだけでちょっと敬遠したくなりますが(笑)、材
料は、当たり前ですが、ちゃんとしたものです。周
りの骨の白い部分はアーモンドを原料とするマサ
パン(マジパン)、中の空洞部分には卵の黄身を
まさに"骨"のような形のお菓子
ベースにしたクリームが詰まっています。まさに
それこそ骨っぽい色と作りなんです。
最近では、お菓子屋さんによって、アレンジされた「ホネ」を見かけることもしばしば。中のク
リームのバリエーションにより、イチゴ、チョコレート、サツマイモ、ココナッツ等さまざま。11月
近くになると、カラフルな「ホネ」がショーウィンドウにぎっしり並んでいます。
スペインの代表格のお菓子と言えば、トゥロン(turrón)ですが、カラフルでおいしい「ホネ」、
Huesos de Santoもぜひ試してみて下さい。(貴)
<禁煙法施行のその後>
今年1月1日から施行されている禁煙法。なにせヨーロッパではギリシャに次ぐ喫煙大国の
スペイン。人口の約3分の1が喫煙者と言われているほど喫煙者は多いのです。 この法令で
は、100平方メートル以上のバルやレストランでは禁煙席を設けなければならない、と定めら
れていますが、基準以下のバル等は規制外。他に重要な点は喫煙可能な年齢が16歳から
18歳に引き上げられたこと。
施行前はテレビで連日騒がれたこの禁煙法でしたが、実際蓋を開けてみると、結局大して
変化はありません。もちろん以前と比べて、禁煙席を設けているレストランも見かけるようにな
りましたが、100平方メートル以上の規模のバルやレストランなんて普段一般の人は頻繁には
行きませんよね。普段人々が通うようなバルなんてもっと小さな規模のバルです。最初の1週
間は、入り口に「禁煙」の張り紙が張られていたバルを見つけては感激していたのですが、翌
週には「喫煙できます」の張り紙が!!中を覗いてみれば、以前と変わらぬ煙草の煙と人ご
み・・・
やはり、煙草が吸えないと人が来ないという現実に、経営者は負けたようです(笑)。まだま
だこの国では、非喫煙者にはつらい場面に出会うことが続きそうです・・・(貴)
子供を大切にするスペインの人たちですが、タバコに関してはちょっと・・・と思ってしまいま
すね。(浩)
<私の好きな街>
∼Sevilla セビーリャ∼
Sevillaは、アンダルシア州の州都で、国際空港があることや、AVE(高速鉄道)も通っている
ことから、アンダルシア観光の拠点として、都合の良い街です。もちろん、Sevilla自体、とても
魅力のある街です。
観光名所ということでは、まず、何と言ってもスペイン最大の大きさを誇る大聖堂(カテドラ
ル)でしょう。このカテドラルは、ゴシック様式で建てられ、外観、内装共に、非常にがっしりとし
た雰囲気を漂わせています。
また、カテドラルのすぐそばに建つアルカサルは、10世
紀に最初に建てられたイスラムの王宮で、後に様々に手
が加えられた結果、イスラム様式に加え、ムデハル様式や
ゴシック様式の部分が混ざった非常に珍しい建築となって
います。イスラム様式に特徴のある内装の美しさも素晴ら
しいのですが、時間が許せば、美しく手入れされた広大な
庭を是非散策していただきたいと思います。
カテドラルとヒラルダの塔
さて、Sevillaと言えば、かつては、新大陸(アメリカ)と
の貿易でスペインに莫大な富をもたらした拠点となっ
た街です。とは言え、海に面していないSevillaが貿易
の拠点になり得るのだろうか?そんな疑問を解いてく
れるのが、グワダルキビール川です。この川はコルド
バの方から流れて来て、大西洋に注いでいます。海
からSevilla辺りまでは、川幅も広く、貿易船が海から川
を遡ってくることができました。その当時の様子を垣間
見ることができるのが、川を見下ろすように建っている
アルカサルの庭園
黄金の塔の中にある海洋博物館です。
また、映画「スターウォーズ エピソードII」のワンシー
ンにも出てきたスペイン広場は、1929年のイベロアメリカ
博覧会のスペイン館として建てられました。広場の真ん
中には噴水があり、それを囲むように美しい建物があり
ます。また、建物の壁に沿って、スペイン各県の地図と
特徴などを表したタイルがあります。数が多いので、全
部見るのは難しいでしょうが、興味のある街のタイルを
バックに写真を撮る光景にはよく出会います。
しかし、Sevillaの魅力はそれだけではありません。夏の
突き刺すような日差しの下、グワダルキビール川沿いか
ら市役所の脇を抜けてエンカルナシオン広場の方へと
白壁の家々の間にある石畳の細い道を歩くと、散歩っ
てこんなに楽しいものだったのかと思うような光景に出
会います。途中には、おしゃれなカフェがあったり、小
物を売っているお店や、タパスを軽くつまめるバルもあり
黄金の塔から見た
ます。また、生鮮食品を売る市場もあって、大西洋で獲
グワダルキビール川
れた新鮮な魚や、肉、野菜、また沢山の種類のオリーブ
の実や生ハムなど、数々の食材が
発行者 : NPO法人スペイン文化交流センター サラマンカ
並んだ様は壮観です。もし、Sevilla
埼玉県朝霞市西弁財1丁目10番9-1403号
で時間があったら、そんな寄り道ば 執筆:松平貴子 / 編集:河村浩一
かりの散歩を楽しんでみませんか? Homepage : http://www3.to/salamanca/
(浩)
e-mail : [email protected]