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従来は、ハイゲインのオペアンプを使って動き検出セン
サー(モーションディテクタとも呼ばれます)を作るのは、
簡単ではありませんでした。雑誌の記事では、よく「動き
検出センサーの製作は簡単だ」と書かれていましたが。
一番の問題は、電源の変動によって、回路のゲインが
変わり、装置を誤動作させることです。このような電源で
オペアンプを動かし、サイレンや照明などを駆動すると、
予期せずオンになってしまうようなトラブルが発生するか
もしれません。この状態で、最適なオペアンプ、電源レギ
ュレータ、コンデンサー、そのほかの受動部品などを選
んで、トラブルを最小限に抑えることは大変な作業です。
しかし、現在では、赤外線センサーを制御するコンパクト
なICがリリースされており、これを使えば、ホビーユーザ
ーでも商用でも簡単にセンサー回路が製作できます。
Heimann社は、1つのICに動き検出センサー駆動回路を
詰め込んだ最初のメーカーだと思います。
しかし、非常に高価で、結局製造中止になってしまいま
した。現在は、中国系のベンチャー企業から20ピンのIC
でリリースされています。誤動作が少なく、簡単に使える
ようなので、現在では、多くの市販のセンサーライトに、
このICが使われているようです。
ただ、赤外線センサー素子そのものには、フレネルレン
ズが必要であり、そのフレネルレンズの選択が重要です。
フレネルレンズの目的は、観測しているエリアを複数の
集光能力が異なる(ムラがある)ゾーンに分割してセンサ
ー自身に集光することで、一つのエリアから別のエリア
にほんの少し動いたときに、センサーに届く赤外線が変
化するようにするためです。
優れたIR光学系を持っていなければ、どんなに優れた電
子回路を設計してもムダになります。優れたレンズ系を
持っていれば、低ゲインの回路でも十分動作しますが、
適切ではないレンズが使われている光学系を使用して
いる場合は、ハイゲインの優れた電子回路を使ってもう
まく動作しません(多くの市販の安いセンサーライトは前
者の方法を使用しています)。しかし、ホビーユーザーに
は、レンズ作成は大変な作業です:PIRセンサー自身の
上に人体から放射される赤外線波長に最も反応するシ
ート型のフレネルレンズを全体をカバーするように取り付
けるのは、ホビーとしては難しい作業です。20mくらい先
でゆっくり動く侵入者を正確に検出するには、レンズとセ
ンサー間の焦点距離として4cmから5cm必要と言われて
います。マイコンキットドットコムの赤外線型動き検出セ
ンサーキットには、この価格では、手ごろな性能のフレネ
ルレンズが付いています。
ただし、正確に動きを検出できるのは、おむね3mから4m
くらいです。
PIRセンサーについては、この5年くらいで多くのホビー
雑誌やインターネットで公開されています。ちなみに、こ
のキットで使用されているデュアルセンサー型PIRは、動
き検出センサー(モーションディテクタ)として現在では最
も多く使われています。ほかの動き検出技術(多くは超
音波を利用)は、誤って検出しやすいとか、高価だったり
します。
MK-302 赤外線で人を検出し照明やアラームを
オン!赤外線(PIR)型動き検出センサーキット
このキットでは、両面プリント基板(PCB)を使用していま
す。部品面にシルク印刷されているので、部品の取り付
けは容易です。裏面(ハンダ面)には、緑色のレジストが
付いていますので、ハンダ付けのトラブルを防ぎます。
組み立て:
- 注意!RE200B PIR(赤外線検出)センサー、LDR(光
検出抵抗)、プラスチック製フレネルレンズは。ハンダ面
(基板の裏面)に取り付けます!絶対に、部品面に取り
付けないでください!
こうすることで、簡単にこのボードをケースに入れて、レ
ンズをケースの穴から出して使えます。この3個の部品
は、すべてのほかの部品のハンダ付けが終わった後で、
最後にハンダ付けしてください。
さらに、2個のLEDの取り付け場所(部品面かハンダ面
か)は、お使いのアプリケーションによって、ご自身で決
めてください。
お使いになるアプリケーションによっては、1個、または2
個ともハンダ面(裏面)に取り付けたいと思うかもしれま
せん。自由です。
各部品の取り付け方法、PCBのシルク印刷の見方、抵
抗値の読み方などは、WEB上の「電子工作便利ノート」
を参照してください。
最初の作業。組み立てる前に、部品リストの部品が入っ
ているか確認してください。
注意!PIRセンサーの表面には絶対に触らないでくだ
さい。劣化します。
注意!動き検出センサー駆動チップICはすでにPCBの
ハンダ面にマウントされ、黒色の樹脂で覆われていま
す。半田ごてなどを当てたり、キズを付けたりしないでく
ださい。
基本的に背の低い部品(抵抗やICソケット)からハンダ
付けしてください。電解コンデンサーやLED、ダイオード
には極性があります。正しい向きでハンダ付けしてくださ
い。
LEDは、リードが短い方(プラスチックケース側面がフラッ
トになっている。LEDの中をのぞくと皿状になっている)
がカソード(-)です。それをシルク印刷に合わせて(丸
に線が入っている側)挿入し、ハンダ付けしてください。
78L05電源レギュレータと2個のBC547トランジスタを間
違わないでください。どちらも、同じ形状TO-92パッケー
ジです。C5は特殊な低漏れ電流型の電解コンデンサー
です。
3個の半固定抵抗と3個のターミナルブロックは最後に部
品面に取り付けてください。最後に、LDR(光検出抵抗)、
PIRセンサーを取り付けます。
LDR、レンズ、PIRセンサーと取り付け。再度説明します
が、この重要な3個の部品はハンダ面(裏面)にハンダ
付けします。1個目はLDR。ハンダ面(裏面)から所定の2
つの穴に部品のリードを挿入し、4mmから8mmくらい表
面(部品面)にリードを出します。そしてハンダ付けします。
そして、リードをカットします。
PIRセンサー。同じく、ハンダ面(裏面)にマウントします。
部品面のシルク印刷は、それを透視した形で示していま
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す。再度注意!PIRセンサーはハンダ面(裏面)にハンダ
付けしてください!3本のリードは、二等辺三角形の形に
配置されており、PCBの穴に一致します。誤りのないよう
に挿入してください。PIR素子には、ケースにデッパリが
あり、それを透かした形で部品面にシルク印刷されてい
ますので、ハンダ面に取り付けたPIRセンサーの向きを、
これで再度確認してください。
まだリード(足)を切らないでください。LDRと異なり、直接
ハンダ付けしません。次に、部品面に出ている3本のリー
ド(足)を大きく外側に曲げて(広げて)、それぞれ約5mm
離れた位置にある、それぞれ対応したハンダ穴に少し通
して、最後にそこにハンダ付けします。
各リードに対応した部品面のシルク印刷(下記)にしたが
って挿入、ハンダ付けします。DとD、GとG、SとS。
レンズ。最後にプラスチック製の半球形フレネルレンズ
をハンダ面(裏面)の所定の位置にカチッと挿入します。
このとき、PIRセンサーとLDRが中に隠れます。
回路の説明:
重要:動き検出ICとPIRセンサーは、非常に繊細な部品
であり、電源オン後、実際に使えるまでに1分以上のウォ
ームアップ時間が必要です。また設定を変更した場合も
(特に太陽光の下)は、90秒以上のウェイト時間が必要
です。このようなアナログデバイスは、基本的に安定す
るまで時間がかかりようです。
このキットで最も重要な部品の一つは、動き検出IC(モー
ションディテクタIC)です。
PIRセンサーからの電気信号は非常低い周波数レート
(0.1Hzから10Hzくらい)で変化します。ICは、この変化を
処理、検出します。動き検出IC「KC778B」の動作電圧は
+4Vから+15Vです。しかし、78L05電圧レギュレータの入
力電圧範囲は+9Vから+12Vの範囲です。この回路には、
3箇所重要な調整箇所があります。以下の説明は、回路
図を参照しながら読んでください。
- 感度は、半固定抵抗P1の2番ピンで調整します。
このピンが7番ピンにつながるPIRセンサーのドレインと
同じ値のときに(約0.5V)、感度が最も低くなります。
2番ピンがグランドにつながると(約0.125V)、感度は最
高となります。
- 光感度は半固定抵抗P2とLDRの回路で制御されてい
ます。一般に、昼間はPIRセンサーが動かず、夜間(暗く
なったとき)に動くようにして使う場合が多いと思います。
(例えば、夜間のセンサーライトとして使用する場合。)こ
の機能が必要ない場合は、12番ピンをVccに接続し、11
番ピンをオープンにしてください。
- オン時間は半固定抵抗P3で制御されています。オン
時間は約1.5秒から約30秒となっています。コンデンサー
も抵抗もつけずに18番ピンと19番ピンを直接接続したと
きに最小時間となります。出力信号はLED2をオンにしま
す。同時に出力ターミナルブロックに出力していますの
で、ベル、ブザー、リレーなどを接続できます。詳しくは回
路図を見てください。保護ダイオードD1が出力と電源の
間に入っているのでリレーなどの誘導負荷からの逆起
電力を抑えます。
MK-302 赤外線で人を検出し照明やアラームを
オン!赤外線(PIR)型動き検出センサーキット
他の出力信号として、LED1を駆動する17番ピンについ
て説明します。PIRセンサーとICが動きを検出すると、常
にこのピンをオンにします。
つまり、動きが検出されると、単純に規定の時間だけこ
のピンをオンにします。例えば、前述のベルやリレーなど
の出力が昼間(明るいとき)はオフになっているときでも、
このピンからは信号が出力されるので、監視ビデオのス
イッチを入れるなどの操作ができるかもしれません。トリ
ガがあると、出力は、自動的に約1.5秒間オンになります。
この時間は、繰り返し入力される検出信号に対して便利
です(この信号のオン時間はLED1が点灯します)。LED1
は必要なければ取り除いてください。この17番ピンは、IC
内部で500Ω抵抗でプルアップされているのでLEDの点
灯時に外付けの抵抗は必要ありません。
退出(退避)用の遅延。このトグル入力用ターミナルブロ
ックにつながる回路には、使用者がセンサーの検出エリ
アから退出(退避)する時間として、約30秒間トグル信号
を無視する回路が入っています。これは、センサーの動
作を確認するときに、使用者が部屋を退出してから検出
機能がオンとなるので、便利です。下記の15番ピンの説
明を参照してください。
他のピンの説明:"
13番ピンはオフセットフィルターです。外付けの10μFコ
ンデンサーに接続されており、スイッチドキャパシタ型バ
イパスフィルタ出力の電位を平均化します。この平均値
と、実際のフィルタ出力値の差が、感度設定値よりも大
きくなると、動きとして検出します。
14番ピンはアンチエイリアス用の端子です。これは、外
付けの0.1μF(100nF)のコンデンサーに接続されており、
上記のスイッチドキャパシタ型バイパスフィルタのスイッ
チング周波数またはそれを超える周波数の入力信号を
ブロックするように、PIRセンサー出力のローパスフィルタ
として動作します。
5番ピンはDCキャップです。外付けの10μFコンデンサー
に接続されており、電源の平均電位を保持します。この
平均値と実際の電源電位の差は、増幅され、スイッチド
キャパシタ型バイパスフィルタに入力されています。ここ
には、低漏れ電流型のタンタル電解コンデンサーを使用
します。
7番ピンはドレインのリファレンスです。電位は、電源電
圧とは独立しています。電位は、2番ピンに接続された外
付けの半固定抵抗で分割されます。
8番ピンはソースです。PIRセンサーの入力です。このピ
ンは非常に敏感なので、できる限り配線長を短くします。
センサーの下側部分のPCBはグランドプレーンにします。
9番ピンは、アナロググランドで10番ピンはデジタルグラ
ンド、そして13番ピンはゲイン選択端子です。開放した場
合、ゲインは68dBになります。
グランドに接続した場合、ゲインは62dBになります。この
キットでは、開放しています(ゲイン68dB)。
14番ピンはICの出力を手動でオン/オフするか自動で行
うかを選択します。開放した場合、ICは自動的に動作し
ます。グランドに接続すると、無条件にオフになります。
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Vccに接続すると、無条件に常にオンになります。
15番ピンはトグル入力です。開放した場合、ICは自動的
に動作します。
グランドに接続すると、そのICの出力状態を変えて、新し
い状態を無条件に維持し、開放するまでそのままとなり
ます。このキットでは、この機能を退出(退避)用の遅延
用に使っています。14番ピンと15番ピンが同時にアクテ
ィブになった場合、デフォルトではオフとなります。
16番ピンは制御出力です。トライアックやオプトカプラや
小さなリレーを駆動できます。出力インピーダンスは35
Ωなので、小さなリレー(コイルのインピーダンスが100
Ω程度)を駆動できます。
20番ピンは周波数リファレンスです。内部のスイッチドキ
ャパシタ、バンドパスフィルタ、タイミング遅延回路を駆動
するために使用されています。これは外付けの60KΩの
抵抗を通してVccに接続され、0.1μFを通してグランドに
接続されています。
PIRセンサーやICに関する詳しい説明は、各メーカーの
WEBサイト、または、マイコンキットドットコムのWEBを参
照してください。
PIRセンサー。このマイコンキットドットコムのMK-302「赤
外線(PIR)型動き検出センサー」では、日本セラミック社
製のデュアルエレメントPIRディテクタ「RE200B」(検出範
囲125度~138度。軸に依存)を使用しています。700nm
から1400nmの赤外域では、70%以上の透過率を持ちま
す。PIRの両エレメントは、検出したシーンに比例したDC
電圧を発生します。PIRの2つのエレメントは並べて、極
性的には逆に接続されているので、同相入力信号をキ
ャンセルします。
これには、2つの理由があります;
一つ目は、環境による変化、影響を無視するためです。
もう一つは、増幅しやすい差動信号を作るためです。
動作電圧範囲は、+3V~+10Vです。
PIRセンサー、LDR、IC、フレネルレンズに関する詳しい
説明は、各メーカーのWEBサイト、または、マイコンキット
ドットコムのWEBを参照してください。
MK-302 赤外線で人を検出し照明やアラームを
オン!赤外線(PIR)型動き検出センサーキット
10μF・25V 低漏れ電流型電解(オレンジ色)、C5 ........ 1
100μF・16V 小型電解コンデンサー、C1 ........................ 1
100nF モノブロック(104)、C2/C4/C6/C8 (C6は幅広) . 4
220pF セラミック(221)、C7 ................................................... 1
4.7nF セラミック(472)、C9 ...................................................... 1
470nF モノブロック(474)、C10 .............................................. 1
半導体
KC778B 動き検出チップIC(ボードにマウント済み) .... 1
BC547 トランジスタ、Q1/Q2 ................................................. 2
78L05 電源レギュレータ、IC2............................................... 1
1N4004 ダイオード、D1 ......................................................... 1
3mmLED (赤、黄) LED1/LED2(色はどちらでも良い)... 2
RE200B PIRセンサー.............................................................. 1
LDR 光検出抵抗...................................................................... 1
その他
200KΩ半固定抵抗(204)、P1/P2 ......................................... 2
1MΩ半固定抵抗(105)、P3..................................................... 1
フレネルレンズ .......................................................................... 1
PCBマウントSPDTスライドスイッチ...................................... 1
2極ターミナルブロック .............................................................. 3
MK-302 PCB(k30) ................................................................. 1
問合せ先
関連する詳細資料は各メーカーまたは以下のマイコンキ
ットドットコムの WEB サイトから入手してください。
http://www.mycomkits.com
不明な点は下記の Email アドレスにお問い合わせくださ
い。
[email protected]
トラブルシューティング(動かない場合):
回路が動作しない場合は、90%近くの可能性でハンダ付け
不良が原因です。明るい照明の下で、ハンダ付け部分を確
認してください。次にすべての部品(特に極性のあるダイオ
ード、電解コンデンサー、IC、PIRなど)が正しい位置に実装
されているか確認してください。
部品表 – MK-302
抵抗(明記なき場合カーボン、1/4W、5%)
1KΩ (茶、黒、赤)、R8/R9 ....................................................2
3.9KΩ (ダイダイ、白、赤)、R3 ............................................1
10KΩ (茶、黒、ダイダイ)、R2/R5/R7 ..............................3
47KΩ (黄、紫、ダイダイ)、R1/R6 ......................................2
56KΩ (緑、青、ダイダイ)、R4 ............................................ 1
コンデンサー
10μF/25V 小型電解コンデンサー、C3............................1
注意:PIR センサーの制御用 IC は現在は、プリント基
板に直接実装されています。基板中央の黒い丸型の
樹脂でカバーされた部分にその IC が実装されていま
す。
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MK-302 赤外線で人を検出し照明やアラームを
オン!赤外線(PIR)型動き検出センサーキット
オン時間設定
検出出力
電源スイッチ
出力
オン/オフ/
トグル
動き検出感度調整
PIR センサー
光検出
光検出感度調整