目 次 はじめに 第1章 主要諸元 第2章 オートバイのコントロール&計器類

目
はじめに
……………………………………………………………………………………4
警告、注意、メモ
第1章
……………………………………………………………………………5
主要諸元
主要諸元
締め付けトルク一覧
第2章
次
……………………………………………………………………………………6
……………………………………………………………………………………9
オートバイのコントロール&計器類
オートバイのコントロール&計器類
……………………………………………………………………10
コントロール
…………………………………………………………………………………………… 10
コントロール&計器類のメンテナンス ……………………………………………………………………18
第3章
エンジンの操作
エンジンの操作
……………………………………………………………………………………………20
走行前の準備
……………………………………………………………………………………………20
エンジンをかける ……………………………………………………………………………………………20
操作上の注意
……………………………………………………………………………………………24
新しいオートバイの慣らし運転 ……………………………………………………………………………25
第4章
エンジンの設計
エンジン設計の概略
……………………………………………………………………………………26
潤滑システム
……………………………………………………………………………………………27
燃料システム
……………………………………………………………………………………………28
イグニッションシステム ……………………………………………………………………………………29
第5章
キャブレター
キャブレター
……………………………………………………………………………………………31
キャブレターのメンテナンス
……………………………………………………………………………32
第6章
パワートランスミッション
パワートランスミッション
……………………………………………………………………………33
クラッチ
……………………………………………………………………………………………………33
ギアボックス
……………………………………………………………………………………………33
1
ファイナルドライブ
第7章
……………………………………………………………………………………34
駆動系システム
駆動系システム
……………………………………………………………………………………………35
オートバイとサイドカーのフレーム
……………………………………………………………………35
油圧スプリングショックアブゾーバー ……………………………………………………………………36
サイドカー装置の調整
……………………………………………………………………………………37
フロントフォーク ……………………………………………………………………………………………38
ステアリングヘッドベアリング ……………………………………………………………………………39
第8章
ホイールとタイヤ
ホイールとタイヤ ……………………………………………………………………………………………40
タイヤデータ
……………………………………………………………………………………………41
ホイールとタイヤのメンテナンス
………………………………………………………………… 42
第9章
ブレーキ
ブレーキ
……………………………………………………………………………………………………44
後輪ブレーキの調整
……………………………………………………………………………………44
第10章
電子機器
電子機器
……………………………………………………………………………………………………48
電子回路
……………………………………………………………………………………………………49
電子機器のメンテナンス ……………………………………………………………………………………49
第11章
オートバイの整備
オートバイの整備 ……………………………………………………………………………………………51
潤滑剤
……………………………………………………………………………………………………51
潤滑表
……………………………………………………………………………………………………52
規定の潤滑剤
……………………………………………………………………………………………53
塗装の手入れ……………………………………………………………………………………………………53
保管 ……………………………………………………………………………………………………………54
バッテリー ……………………………………………………………………………………………………55
ツールセット、スペア部品、付属品、添付書類など …………………………………………………56
2
第12章
サイドカーのメンテナンス
サイドカーのメンテナンス
第13章
…………………………………………………………………………58
ウラルのサイドカーつきオートバイを運転する
ウラルのサイドカーつきオートバイを運転する
………………………………………………59
安全な走行のために …………………………………………………………………………………… 60
ウラルオートバイ ∼ 始動、走行前チェックリスト ……………………………………………62
第14章
メンテナンス・チェックリスト
3
はじめに
ウラルオートバイファミリーにようこそ!お手元のウラルオートバイはロシアのイルビット・モータ
ーサイクル工場で生産され、米国のイルビット・モーターワークス・オブ・アメリカによって販売さ
れました。ウラルのオートバイは、生産された時点で有効な、関連するすべての米国連邦自動車安全
基準および環境保護庁の規定に準拠しています。このマニュアルは、ギア・アップ、パトロール、ツ
ーリストに適用されます。
本マニュアルは、オートバイの操作、手入れと整備、そして重要な安全事項について記載しています。
オートバイの性能を最大限に引き出し、安全にオートバイを楽しんでいただくために、内容をよく読
んで手順に従ってください。特に、『ウラルのサイドカー付きオートバイを運転する』を熟読してい
ただくようお願いします。サイドカーオートバイを初めて運転するドライバーが交通量の多い公道に
くり出す前に、サイドカーオートバイの特性を考慮した操作方法について熟知しておくことは非常に
重要です。
このオーナーズマニュアルには、操作、手入れ、そして簡単な修理の方法が記載されています。大が
かりな修理は、熟練したメカニックが特殊なツールや工具を使って行いますので、その際は施設、メ
カニック、純正品が揃っているウラル認定ディーラーにオートバイをお持ちください。
ご意見やご提案などがございましたら、ウラル・ジャパンのホームページ
されている連絡先までお送りください。
ウラルオートバイをお楽しみください!
4
www. ural-jp.com に記載
重要!
本マニュアル内で、以下のキーワードが書いてある記述は特に重要です。
警告
自分または他人を傷つける可能性があることを意味しま
す。
注意
車体に損傷が及ぶ可能性があることを意味します。
メモ
その他特に重要な情報は斜体で表示してあります。
注意:最初の1500キロの走行で、オートバイの機構が安定します。この間はエンジンをふかしたり、
ノッキングさせたり、負荷をかけすぎないようにしてください。
『新しいオートバイの慣らし運転』の章を熟読してください。もっともパワーを引き出し、円滑な走
行を楽しむための慣らし運転の方法が書いてあります。
整備間隔は各種気候条件、道路条件を考慮した今までの経験に基づいて提示していますが、オートバ
イの全体的な状況および潤滑油などの状況などによって、延長・短縮される可能性があります。
オートバイ乗車前に、このオーナーズマニュアルを熟読してください。
設計・諸元は断りなく変更になる可能性があります。
5
第1章
主要諸元
全般
最大速度(キロ マイル)
乾燥重量(ポンド)
車両最大総重量 (ポンド)
騒音レベル
燃費 (マイル/ガロン)
105km/h 65mph
736 lb
1344 lb
80db 未満
31.3 mpg
車体寸法
長さ
幅
高さ
ロード・クリアランス
シート高
ホイールベース
2580 mm / 8 ft
1700 mm / 5 ft 6 in
1100 mm / 3 ft 6 in
125 mm / 5 in
840 mm / 33 in
1470 mm / 58 in
エンジン
タイプ
排気量
シリンダー・ボア
ピストン・ストローク
圧縮比
馬力
回転速度
トルク率
潤滑方式
潤滑油
4 ストローク, OHV, 対向式ツインシリンダー
749 cc
78 mm
78 mm
8:6 :1
23 KW / 45 BHp
5600 RPM
52 N -M @ 3750 RPM
圧送飛沫併用式
SAE 20W/50
キャブレター
キャブレタータイプ
キャブレター数
エア・クリーナー
燃料
PCVバルブ
32 CVK Keihin
2
ペーパーフィルター
無鉛オクタン91
内部ブリーザー
6
電装
イグニッション
スパークプラグ
点火タイミング
オルタネーター
バッテリー
ヘッドライト
電気イグニッション
NGK BP7HSまたは同等
オートアドバンス
55 amp / 14 Volt
Interstate FAYTX-20HLまたは同等
Wagner 7" 丸型シールドビーム
トランスミッション
クラッチ
ギアボックス
乾式ダブルディスク
4スピードギア、1バックギア
ギア比
1速
2速
3速
4速
バックギア
3.6
2.28
1.56
1.19
4.36
速度計減速比
最終減速比
0.4
4.62
液体容積
燃料タンク(ガソリン)
リザーブ(ガソリン)
エンジン(オイル)
トランスミッション(オイル)
ファイナルドライブ(ギアオイル)
ショックアブゾーバー(ショックオイル)
ブレーキリザーバ
5 Gal / 19L
68 Oz / 2L
68 Oz / 2L
34 Oz / 1 L
4.5 Oz / 105 ml
105 ml / 3.5 oz
上限線までDOT 3 または 4 のブレーキフルー
ド
7
駆動系
フレーム
鋼管溶接
リア・ホイール・サスペン
ション
フロントフォーク
スプリングショックアブゾーバー付きスイ
ングアーム
サイドカー
ラバー製クッションボディ、油圧スプリングショッ
クアブゾーバー付きホイール
サイドカー・ドラ
イブ
ファイナルドライブによるスチール製シャフト駆
動。ライダーによる切り替え可能(パトロールと
ギアアップのみ)。
ブレーキ
前輪:油圧式ディスクブレーキ
後輪とサイドカー車輪:機械式ドラムブレーキ
タイヤ
4” x 18”
前 32 psi 冷
サイド30 psi 冷
後 40 psi 冷
先導リンク
クリアランス
エンジン冷間時のバルブ
スパークプラグ電極間
mm
0.05 to 0.1
1.016
in
0.002 to 0.004
0.040
ファイナルドライブバックラ
ッシュ
0.1 - 0.3
0.004
mm
5-8
5-8
フルストロークの1/4、
25 - 30
10 mm
サイドカーから1°
in
0.2 - 0.3
0.2 - 0.3
あそび・調整間隔
ハンドブレーキレバー
クラッチレバー
ブレーキペダル
トーイン
リーンアウト
8
1.0-1.2
3/8 inc
締め付けトルク一覧
ニュートン・メートル
フィート・ポンド
位置
40 ft/lb ∼
175 ft/lb ∼
14 ft/lb ∼
28 ft/lb ∼
22 ft/lb ∼
22 ft/lb ∼
シリンダーヘッド
フライ・ホイール締め付けネジ
ショックアブゾーバー−
ショックアブゾーバー
軸受ナット
ファイナルドライブからスイング
アームのボルト
オイルパンプボルト
オイルパン
ファイナルドライブケースのナッ
ト
54
237
19
38
30
30
∼
∼
∼
∼
∼
∼
16
6.7
14
∼ 19 Nm
∼ 11 Nm
∼ 19 Nm
12 ft/lb ∼ 14 ft/lb
5 ft/lb ∼ 8 ft/lb
10 ft/lb ∼ 14 ft/lb
68
∼ 90 Nm
50 ft/lb ∼ 66 ft/lb
22
19
136
∼ 27 Nm
∼ 22 Nm
∼ 163 Nm
16 ft/lb ∼ 20 ft/lb
14 ft/lb ∼ 16 ft/lb
100 ft/lb ∼ 120 ft/lb
61 Nm
251 Nm
30 Nm (上)
49 Nm (下)
35 Nm
35 Nm
45 ft/lb
185 ft/lb
22 ft/lb
36 ft/lb
26 ft/lb
26 ft/lb
9
ピニオンベアリングを留めている
ナット
バックギアレバーのナット
オルタネータギアのナット
ステアリングステムのナット
第2章
オートバイのコントロール&計器類
図1 コントロール&計器類
速度計
方向指示器
オドメーターリセットノブ
ニュートラル表示ランプ
前輪ブレーキレバー
スロットルグリップ
キルスイッチ
セルスタートボタン
後輪ブレーキペダルとサイドカーホイール
ブレーキ
10 –バックギアレバー
11 – キックレバー
1–
2–
3–
4–
5–
6–
7–
8–
9–
12 –
13 –
14 –
15 –
16 –
17 –
18 –
19 –
20 –
10
ギアペダル
方向指示器スイッチ
クラクションボタン
ハイ・ロービームスイッチ
クラッチレバー
ステアリング・ダンパー締め付けボルト
ハイビーム表示ランプ
イグニッションスイッチ
バッテリー警告ランプ
クラッチレバー
前輪ブレーキレバー
クラッチレバー: クラッチレバーを握ると、エンジンの回転がギアボックスに伝わらなくなり
ます。レバーを離すと、エンジンがギアボックスに伝わるようになります。
警告:レバーとグリップの間に指を挟んでいると、車体の操作に影響をきたす可能性があります。
警告:エンジンを始動させる前に、ギアがニュートラルに入っていることを確認してください。ニュートラル以外に入っ
ていると、車体が急に動き、人や車体に被害が及ぶ可能性があります。
注意:ギアシフトの際は必ずクラッチを握ってクラッチを切ってください。クラッチを切らないでギアシフトすると、車
両内部に深刻なダメージが及ぶ可能性があります。
前輪ブレーキレバー:レバーを握ると、前輪ブレーキが作動します。前輪ブレーキは後輪ブレ
ーキと一緒にかけてください。ブレーキレバーを握ると、ブレーキランプが点灯します。
11
キックレバー
ギアペダル
キックレバー:エンジンを始動させます。レバーをキックすることで、ギアを介してクラ
ンクシャフトが回転します。レバーは、ギアボックス内のバネでもとの位置に戻ります。
ギアペダル:これはヒールシフト型のペダルです。ギアを上げるには、後ろ側のレバー(ヒ
ールシフト)を押します。シフトダウンするには、前側のレバー(トーシフト)を押し下
げます。このシフトレバーは、後ろ側のレバーが短いので、ヒールシフトを押してシフト
アップし、シフトダウンには親指の付け根でトーシフトを動かすとギアチェンジが楽にで
きます。ニュートラルは1速と2速の間にあります。常に同じ力でギアチェンジを行い、ギ
アペダルを蹴らないようにしてください。ギアペダルを押すのではなく、蹴ってギアチェ
ンジしようとすると、ギア機構に重大な損傷を及ぼす可能性があります。
メモ:ギアがニュートラルに入っているときに、ニュートラル表示ランプが点灯します
(『エンジンをかける』参照)。
12
パーキングブレーキ
サイドカードラ
イブレバー
後輪ブレーキペダル
パーキングブレーキ:停車した際にオートバイをしっかりと停めます。パーキングブレーキ
をかけるには、後輪ブレーキペダルを押し、パーキングブレーキレバーを押して反時計回
りにまわしてください。
サイドカードライブレバー:パトロールとギア・アップモデルのサイドカー車輪のドライブ・
アクスルを作動させます。
警告:コンクリートや硬い路面上でサイドカー・ドライブを作動させないでください。硬い歩道などでサイドカー・ドライ
ブを作動させるとドライブ・トレーンに重大な損傷を及ぼします。
後輪ブレーキペダル:オートバイとサイドカー両方の後輪ブレーキをかけます。
警告:前・後輪ブレーキとも、車輪をロックさせるほど強くかけないでください。オートバイを制御できなくなる可能性
があります。必ず両方のブレーキを同時にかけてください。前または後輪ブレーキだけで停車しようとしないでください。
警告:後輪ブレーキペダルが適切に調整されていないと、後輪ブレーキがちゃんと作動せず、ブレーキのかかりが悪なる
可能性があります。
13
イグニッションスイッチ
方向指示ランプ
オルタネータ切れ
警告ランプ
トリップ・オドメーター
ハイビーム表示ランプ
ニュートラル表示ランプ
イグニッションスイッチ:下図のように、3つの位置があり
ます。
Off(オフ)
Run(ラン)
Parking(パーキング)
すべての電気系統がオフになっています。
すべての電気系統が通電しています。
灯火類だけに通電しています。
メモ:RunまたはParkingの位置では、バッテリーが放電します。鍵を抜く前に必ずOffにして
ください。
14
計器ボード上に各種表示ランプが装備されています。
イグニッションスイッチ
方向指示ランプ
オルタネータ切れ
警告ランプ
トリップ・オドメーター
ハイビーム表示ランプ
ニュートラル表示ランプ
方向指示ランプ 方向指示器が作動していることを示します。
オルタネータ切れ警告ランプ バッテリーに問題があり、すぐに対応する必要がある場合に点
灯します。
ニュートラル表示ランプ ギアがニュートラルであることを示します。
ハイビーム表示ランプ ヘッドライトがハイビームのときに点灯します。
速度計 速度計は、オドメーター・トリップメーターとともにダッシュボードの上にあります。
トリップメーターはノブ(図1の3)を反時計回りにまわすことで0にリセットできます。オド
メーターはキロメートル表示です。
15
スロットル
セルスタートボタン
ロー・ハイビーム
切り替えスイッチ
キルスイッチ
方向指示スイッチ
クラクション
16
スロットル 右ハンドルにあります。グリップをまわすことでエンジンの回転速度が上がりま
す。
キルスイッチ イグニッションオフ(上)とイグニッションオン(下)の二つの位置がありま
す。
セルスタートボタン キルスイッチの下にあります。
ロー・ハイビーム切り替えスイッチ ハイビーム(上)とロービーム(下)があります。
方向指示スイッチ
曲がる方向を示します。
クラクション 押すことでクラクションが鳴ります。
ステアリング・ダンパー ハンドルバーの中央にあり、前輪の水平方向の振動を吸収します。
ボルトを時計回りに締めることで抵抗が増します。悪路走行のときなどに使います。
警告:ステアリングが回りにくくなるまでダンパーを締め付けないでください。ハンドル操作に悪影響を
来し、ステアリング機構が損傷する可能性があります。
パーキングブレーキ オートバイの右側、フットペグの脇にあります。ブレーキペダルを完全
に踏み込み、ハンドルを回し、フットブレーキレバーを規定の位置に押し込むことでかかりま
す。
オートバイを動かす前に必ずパーキングブレーキを解除してください。
17
コントロールケーブルの調整
コントロールケーブルはケーブルの端の調整スクリュで調整します。
コントロールレバーを離した状態で、
• クラッチ:レバーのあそびは5 - 8 mm/0.2 - 0.3 in
• 後輪ブレーキペダル:フルストロークに対してあそびが25 - 30 mm/1- 1.2 in程度
• キャブレター:スロットルケーブルは同期
コントロールレバー(ハンドル)を完全に押し下げた、または握った状態で、
• クラッチ:トランスミッションとエンジンが完全に切り離された状態。ギアシフトが円滑
に行えれば、クラッチケーブルは正しく調整されています。
• キャブレター:スロットルが最大限リフトし、且つ、同じ高さ
コントロールケーブルのメンテナンス
日常的に全体的な乗り心地、タイ・ロッドやケーブルの締め付け具合、ブレーキのかかり具合
などをチェックすることで、不具合を予防できます。潤滑の間隔についてはメンテナンス・チ
ェックリストを参照してください。
メンテナンス・チェックリストにあるように、
• ブレーキの状態を確認する
• ブレーキシューとブレーキドラムの表面を清潔に保つ
• 潤滑油をヒンジピン、ブレーキライニングのカム、後輪およびサイドカーホイール接続部
分、レバーアクスル、パーキングブレーキ、スロットルコントロールグリップ、クラッチのレ
バー・ピンとケーブルの端、クラッチとスロットルのコントロールケーブルにさしてください。
18
オイルをここに滴下
ここには滴下しない
速度計のメンテナンス
10,000km走行毎に、速度計をはずし、速度計のケーブルの差込口に潤滑油を5,6滴さしてくだ
さい。これで、速度計内が潤滑されます。
速度計ケーブルを潤滑するには、速度計からケーブルを抜き、ケーブルをまっすぐにしてくだ
さい。速度計の潤滑油、または機械油を端にたらし、それがケーブル全体につたうようにして
ください。
19
第3章
エンジンの操作
走行前の準備
走行前チェックリスト
1.
2.
3.
4.
認
5.
6.
灯火類、クラクションを確認
ブレーキレバー、クラッチレバー、ペダルを確認
ホイール、ファイナルドライブなどがしっかり取り付けされていることを確認
キャブレターフランジ、エアフィルターの部品がすべてしっかりとついていることを確
タイヤのトレッドの深さを確認―1/8インチ以上あること
サイドカー取り付けマウントの確認−すべてしっかりと締め付けてあること
満タン状態のガソリンはタンクフィラーの下側の端から10-15mm (1-3インチ)下まで入ってい
ます。それ以上は入れないでください。
エンジンクランクケースのオイルレベルは、フィラープラグをはずした状態でディップスティ
ックの上限と下限の間にあることを確認してください。(第4章 潤滑システム を参照)
注意:エンジンオイルのレベルを確認する際、エンジンオイルの中にゴミや泥が入らないよう
にしてください。
エンジンをかける
警告:エンジンをかける前に、ギアがニュートラル(1速と2速の間)に入っていることを確認してく
ださい。でないと、車体が動き、人や車体が損傷を受ける可能性があります。(エンジンを始動させ
るだけでなく、例えばアイドリングさせるときも、ニュートラルであることが望ましい)
イグニッションをオンにすると、計器類の緑色と赤色のランプが点灯します。
20
オートマチック・ペットコック
1. オートバイに長い間乗車せず、久しぶりにエンジンをかけるとき、または燃料タンクやキ
ャブレターにガソリンが全くないとき(例えば燃料切れ、蒸発、部品交換などにより)、
コックを PRI の位置に回してください。これにより、キャブレターのフロート室にガソ
リンが流れ込み、エンジンをかける準備ができます。
2. エンジンをかけます。
3. エンジンがかかったら、コックを“ON”の位置に戻します。通常運転する際は“ON”の位置の
ままにしておいてください。(“ON”の位置だと、エンジンがかかったときにキャブレター
に燃料を送り、エンジンを切ったときにキャブレターへの燃料供給を自動的に止めます。)
4. タンク内の燃料がなくなった場合(燃料切れでエンストが起こる)、コックを“RES”の位置
に回してリザーブの燃料で走行してください。燃料補給をしたら、コックを再び“ON”に戻
すのを忘れないようにしましょう。
重要:オートバイに長い間乗車しない場合は、コックを ON の位置にしておいてください。
警告:エンジンを切り、コックを“PRI”の位置にしたままにしないでください。エンジンが損傷
し、保証が無効になる可能性があります。
21
エンリッチナー オフ状態
エンリッチナー
オン状態
キャブレターのエンリッチナーは混合気の燃料の割合を増やします。燃料の割合が増すことに
より、冷えたエンジンが始動し、通常の運転が行えるようにエンジンを十分に温めることがで
きます。エンリッチナーを使うとスパークプラグが湿りやすいので、注意してください。外気
温が寒いときにオンにしてエンジンをかけたら、できるだけ早くもとに戻してください。
22
エンジンの状態と外気温の状況によって、キャブレターエンリッチナーをつかって次のように
してエンジンをかけてください。
マニュアルスタート(セルスタートなし)
1. イグニッションをオンにし、キックレバー(図1参照)を1/4程度押し下げます(レバー
にしっかり足の親指の付け根を当てる程度)。スロットルを右手で握っていれば、右足、
左足のどちらでキックレバーを押しても構いません。オーバーチョークを避けるため、ス
ロットルはまだ開けないで下さい。
2. キックレバーを軽くキックしてください。エンジンがかかったら、暖まるまでアイドリ
ングさせてください。エンジンがかからない場合、再度キックしてください。十分暖まっ
たエンジンはキックを数回繰り返せばかかります。もしかからない場合は、下の方法を試
してください。
3. もしそれでもかからない場合、オーバーチョークしている可能性があります。
メモ:キックしているときにスロットルを完全には開けないで下さい。スパークプラグがガソ
リンで湿り、オーバーチョークになる可能性があります。
セルスタート
1. キックスタート同様、キャブレターエンリッチナーをセットする。マニュアルスタート
と違うのは、クラッチを握ってセルスタートをかけることができるので、必ずしもギアは
ニュートラルである必要はないことです。クラッチを握らない場合は、ギアをニュートラ
ルに入れてください。キルスイッチが「イグニッションオン」になっていることを確認し
て、セルスタートボタンを押してエンジンをかけてください。
2. 数時間エンジンをかけていないけれども外気温が高め(摂氏15度以上)であれば、エン
リッチナーをオンにしないでセルスタートをしてみてください。それでエンジンがかから
ないならば、下の手順に従ってください。
3. エンジンが冷たい、または外気温が摂氏5~15度であれば、両方のエンリッチナーをオン
にしてください。エンジンが暖まって30秒から60秒したら、エンリッチナーをオフにして
ください。もしエンストし始めたら再度エンリッチナーをオンにして、エンジンをもうす
こし暖機させてください。
4. エンジンが冷たく、外気温が摂氏5度以下であれば、まず(どのくらい寒いかによります
が)、5から10回、イグニッションを切った状態でキック(プライマリーキック)して、
内部にオイルを循環させてください。両キャブレターのエンリッチナーをオンにしてくだ
さい。外気温によりますが、これでエンジンがかかるはずです。例えば、外気温が摂氏-18
度の場合、通常エンジンがかかるのに5−10回プライマリーキックが必要です。エンジンが
かかったら、暖機して30秒から60秒たってからエンリッチナーを閉めてください。
23
メモ:エンストを起こさずにエンジンがかかった状態になったら、なるべく早くエンリッチ
ナーを閉めてください。ウラルのエンジンは混合気の空冷エンジンのため、混合気の濃度が高
すぎるとすぐにオーバーチョークします(一分程度でもなります)。もし一方だけがオーバー
チョークしていると、エンジンが円滑に回転せず、内部機構に損傷が及ぶ可能性があります。
エンジンが熱いときは、エンリッチナーを使わないで下さい。オーバーチョークの可能性があ
ります。
オーバーチョークしたエンジンを始動させるには、まずスロットルを全開にし、そのまま10
回ほど軽くキックをかけてください。それでも始動しない場合は、スパークプラグを取り出し、
ガソリンで湿っているか確認してください。もし湿っていたら乾かしてください。プラグを抜
いて、スロットルを閉めたまま、10回ほどキックをかけて、余分なガソリンをシリンダーから
抜いてください。またプラグを取り付けて、本章最初に記述した方法でエンジンをかけてくだ
さい。
警告:片方のシリンダーだけでほんの数分でエンジンをかけているだけで、シリンダーが過熱し、バルブ
やピストンに修復不可能なダメージが及ぶことがあります。よって、片方のシリンダーだけしか作動して
いないようだったら、すぐにエンジンを切ってください。
その他警告: エンジンが始動したら、高回転させないでください。冷たいオイルが流れ込んで
十分に潤滑されないため、パーツが過度に損耗し、それによってシリンダー内のピストンピン
とピストンが焼きついてしまう可能性があります。十分暖機されたエンジンは、スロットルを
完全にしめた状態で安定して低い回転で作動します。オーバーヒートしないように、オートバ
イを3分以上アイドルにしないでください。
操作上の注意
警告:右側ハンドルを邪魔しないように、サイドカーウィンドシールドをフルバック状態にしてくだ
さい。
オートバイを発進させるには、必ず1速に入れてください。クラッチを急に離すとエンストを起
こしたり、急発進する可能性があるので、ゆっくり離してください。オートバイは2速、3速、4
速ギアの推奨スピード以下で走行しないでください。また、道路の状況などでやむをえない場
合を除いて、1速または2速で長時間走行するのは避けてください。
24
警告:スピードを十分に落とさずシフトダウンすると、トランスミッションに重大な損
傷を与えたり、後輪のトラクションを失う可能性があります。
注意:アイドリングしているときにエンジンをふかさないで下さい。
ウラルオートバイで高速道路を走行する際、時速105キロ以上で走行し続けないようにして
ください。もし時速105キロ以上で走行する必要がある場合は、できれば30分ごとに10~15分間、
速度を落として走行し、エンジンを冷やしてください。こうすることによって、エンジンが長
持ちします。
警告:濡れた路面上や、雨天では、ブレーキ効率が大幅に悪くなるため、ブレーキをかける、
スピードを上げる、または曲がる際に注意してください。路面の油と水分が混ざり始める雨の
降りはじめは特に注意が必要です。
勾配の高く長い坂を下りるときは、シフトダウンし、エンジンブレーキを使いながら前・後輪
ブレーキを断続的にかけて、ゆっくりと坂を下りてください。前・後輪ブレーキをかけすぎて
加熱させ、ブレーキ効率を悪くしないようにしましょう。
夏季は、タイヤの状態に留意してください。本マニュアルで指定しているタイヤ圧を維持して
ください。
新しいオートバイの慣らし運転
新車の最初の1500キロは慣らし運転になります。
特に決まった手順はありませんが、慣らし運転の期間中は、オートバイを特に丁寧に扱ってく
ださい。過重に負担をかけないようにしてください。高速走行や、勾配のきついのぼり坂は避
けてください。エンジンをふかしたり、オーバーヒートさせないで下さい。スロットルのセッ
ティングを頻繁に変えて、一定の回転率に保たないようにしてください。また走行後は、十分
エンジンをクールダウンさせてください。
25
第4章
エンジンの設計
このオートバイには空冷式ツインシリンダーの4ストロークエンジンが装備されています。水
平対向式になったシリンダーの配置は、きちんとエンジンを冷やし、且つクランクギアをバラ
ンスさせるための優れたデザインです。エンジンバルブはシリンダーヘッドに位置します。
夏季はエンジン、パワートランスミッションおよび駆動系機構の温度に留意してください。通
常の使用において、シリンダーヘッドの温度は摂氏180°C-220°C(華氏356°F-428°F)を超えて
はいけません。
日常的な手入れの際、エンジンの空冷の効率を失わないようクーリングファンの状態に特に留
意しながら、エンジンの泥や埃を取り除いてください。エンジンクランクケース、シリンダー、
シリンダーヘッドにオイルや燃料漏れがないかチェックしてください。キャブレターとシリン
ダーヘッドの取り付け状況を確認し、ひびや漏れがないかチェックしてください。オルタネー
タにオイル漏れがないか目視して確認してください。
26
潤滑システム
エンジンは、オイルポンプの圧力による圧送式と飛沫式の二つの潤滑方式を採用しています。
エンジン寿命を長持ちさせるため、フルフロー式のペーパー形オイルフィルターがついていま
す。
潤滑システムのメンテナンス どんなに軽いメンテナンスの時も、必ずエンジンクランクケー
スのオイルレベルを確認してください。オイル交換の前にエンジンを暖めてください。ドレン
プラグとフィルタープラグをはずし、エンジンとオイルフィルターのところから使用済みオイ
ルを抜きます。オイルフィルターの交換は、メンテナンス・チェックリストに従ってください。
フィルターにゴム製のシールブッシングを取り付けた後、フィルターをプラグのアダプターに
つけ、そのアダプターをフロントカバーに取り付けます。次にプラグを取り付けます。エンジ
ンにオイルを2.0L、またはディップスティックの上限ラインまで入れてください。
3−5分アイドリングさせ、オイルレベルを再度確認し、必要ならディップスティックの上限ラ
インまでオイルを足してください。オートバイの整備中は、エンジンクランクケースのオイル
レベルをディップスティックの上限ライン近くまで入れておいてください。もしオイルレベル
がディップスティックの下限ラインより少ない場合はオートバイに乗車せず、上限ライン近く
までオイルを足してください。
オイルレベルを確認した後は、ディップスティックがしっかりと留めてあることを確認してく
ださい。
27
燃料システム
燃料システムには、燃料タンク、フィルターつき3方向燃料バルブと2つのキャブレターが含ま
れます。
ペットコック
燃料フィルター
キャブレター
燃料バルブ(ペットコック) バルブ上部のネジ式の部分は燃料タンクに取り付けられてあり
ます。ペットコックは自動開閉方式です。エンジンが作動しているときは、吸引力でバルブが
開きます。エンジンが停止し、吸引力がなくなると、ペットコックは自動的にしまります。
警告:燃料がこぼれないよう、ガソリンはゆっくりと注入してください。タンクフィラーの下側の端よりも上
までガソリンを入れないで下さい。燃料が膨張してもいいように多少余地を残してください。燃料が膨張する
ことで、フィラーキャップから燃料漏れする可能性があります。燃料補給の後は、フィラーキャップをしっか
りとしめてください。
燃料システムの整備 走行前に、ガソリンパイピングの接合部がしっかりとしまっていること、
スロットルケーブルが正常に機能していることを確認してください。
28
イグニッションシステム
イグニッションシステムには電源、イグニッションコイル、ホール効果ピックアップ、電子モ
ジュール、2つのスパークプラグ、低・高電圧ワイヤーとイグニッションスイッチが含まれま
す。
イグニッションシステムは200から6000RPMでスパークプラグを点火させます。イグニッション
システムの電流は、エンジン休止時100mA、エンジン回転時1.5Ampsです。イグニッションシス
テムの動作電圧は7から16Vの間です。電子イグニッションシステムは、+ 1°の誤差範囲内で
点火タイミングを自動的に調整します。
イグニッションコイル イグニッションコイルには2つの高電圧端子がついており、それ
ぞれにホール効果ピックアップと共に作動するシリンダースパークプラグがついていま
す。
定期的にイグニッションシステムのワイヤーが絡まったり接続部分が緩んだりしていないか
確認してください。接続が悪いと性能にムラが出て、燃料効率が悪くなります。
スパークプラグ スパークプラグは炭素やすすなどで詰まってしまうことがあります。汚れを
取ってまた使うこともできますが、新しいプラグに取り替えたほうが簡単な場合もあります。
ウラル認定ディーラーから補充用のプラグを購入しておき、乗車の際はいつも持ち歩くことを
お勧めします。
警告:スパークプラグ取り付け時に、締め付けすぎないようにしてください。シリンダーヘッドが損
傷することがあります。
イグニッションシステムの動作 一方のシリンダーの圧縮行程終了時、そして他方のシリンダ
ーの排気行程のとき、左右それぞれのシリンダーに取り付けられたプラグは同時に点火します。
29
点火タイミング
点火タイミングの調整は次の通り:
- タイミング測定プラグとイグニッションカバーをはずします。
- タイミングライトをつなぎ、エンジンをかけます。
- エンジンをアイドル状態(800-1000rpm)にし、タイミングライトを測定窓に照射します。
- 測定窓の中心にくるマーキングをさがします。
- マーキングが窓の中心に来るように、タイミングプレートを右か左に回します。
- タイミングプレートのネジを締めます。
30
第5章
キャブレター
ウラルオートバイでは32mm CVK Keihin Seikeキャブレターを装備しています。すでに混合気
ジェッティングがされており、様々な高度に自動的に対応します。これは、CV型キャブレタ
ーのバキューム作用によるものです。乗車前に、必ずキャブレター・アダプターとエアパイプ
の調子を確認してください。キャブレターフランジを取り替える場合は、ウラルの純正部品か
ウラル推奨部品だけを使ってください。
アダプター
キャブレター
ブランチパイプ
警告;エンジンへの深刻な損傷を防ぐため、キャブレターの同期、ジェット、スロットルリンケージを改造し
ないでください。この空冷エンジンは必ず両シリンダーを使い、なるべく円滑に回転する必要があります。一
方のシリンダーが作動していないときは必ずエンジンを停止し、原因を突き止めて、さらに走行する前に対応
してください。
31
キャブレターのメンテナンス
フロートボール内に蓄積した混入物がキャブレターのメーンまたはアイドルジェットに入り
込まないように、定期的にフロートボールの燃料を抜いてください。燃料は、フロートボール
の下部に取り付けられたドレンから抜くことができます。
燃料フィルターも10,000km毎または、汚れているか、燃料を通していないようだったら交換し
てください。フィルターを交換することで、キャブレターにきれいな燃料を供給し、燃料の供
給不足を防ぐことができます。
走行前に、キャブレターからシリンダーヘッドアダプターまでひび割れや漏れがないか確認し
てください。アダプターに問題があると、キャブレターの空燃比が悪くなり、エンジン内部に
損傷を及ぼします。
カリフォルニア排出システム
1.エンジン
2.キャブレター(左)
3.キャブレター(右)
4.エアフィルター
5.電子バルブ
6.カーボンキャニスター
7.燃料タンク
8.エアフィルター電子バルブ
9.バネ
10,11,12,15.ベントライン
13,14.エアライン
16.エアベント
17.バルブケース
18.オーバーフローバルブ
32
第6章
パワートランスミッション
オートバイのパワートランスミッションはクラッチ、ギアボックス、ファイナルドライブで構
成されます。
クラッチ
クラッチはエンジンの回転をギアボックスに伝えます。ギアチェンジと停車のときは、クラッ
チを切ります。また、クラッチを使うことで、オートバイを円滑に発進させたり、エンジンス
ピードや走行速度を急に変えたときに内部への損傷を防ぎます。クラッチは乾式ダブルディス
ク形式で、左側グリップにあるレバーを使います。クラッチレバーを握るとクラッチが切れて
エンジンの動力が伝わらなくなり、放した状態ではエンジンの動力が伝わります。発進、ギア
チェンジにはクラッチを使ってください。混雑した道路での走行ではギアを頻繁に変えること
になりますが、その際ディスクを磨耗させないために、クラッチをあまりスリップさせないよ
うにしてください。
ギアボックス
オートバイが停車してからバックギアに入れるときは、ニュートラルか1速からバックギアに
入れてください。
1速に入れる時とシフトダウンの時は前側のトープレートを押し、2速、3速、4速にシフトアッ
プする場合は後ろのトープレートをすばやくしっかりと押して、ギアチェンジします。ウラル
のトランスミッションは非同期式なので、ギアチェンジの際クラッチを使わなくてはなりませ
ん。クラッチを使わずにギアチェンジすると、車体に損傷を及ぼし、保証が無効になる可能性
があります。
警告:オイルレベルが規定より低いと、ギア、シャフト、ベアリングが十分に潤滑されないた
め重大な損傷が起きる可能性があります。
33
ファイナルドライブ
プロペラシャフトスプラインとファイナルドライブのメンテナンス
スイングアームからファイナルドライブをはずして、ファイナルドライブをバイクの後部に向
けて引いてください。ドライブシャフトが外れたら、ドライブシャフトスプラインに潤滑油を
塗布してください。同時に、グリースガンを使ってドライブシャフトのユニバーサルジョイン
トに潤滑油を注入してください。
日常的なファイナルドライブのメンテナンスには、ファイナルドライブをスイングフォークア
ームに留めつけているナットの締め付けが必要です。ナットを締めないと、ジョイントが緩み、
ファイナルドライブカバーが壊れる可能性があります。メンテナンス・チェックリストの指示
に従ってファイナルドライブのオイルを交換してください。フィラーとドレンプラグを外し、
使用済みオイルを抜きます。ケースに新しい20w / 50 カストロールオイルを入れ、後輪を数
回回転させてファイナルドライブの中をフラッシングします。20w / 50 カストロールオイル
を抜いて、ファイナルドライブに指定の潤滑油を入れます。
34
第7章
駆動系システム
オートバイとサイドカーのフレーム
フレームは、オートバイの主要部品などが取り付けられている骨組みです。ウラルのオートバ
イは、溶接されたツイン・クローズド・フレーム構造になっています。
1-リア・サスペンション・スイング・アーム 2-リア・フェンダー 3-リア・フェンダ
ーストラップ 4-油圧スプリングショックアブゾーバー 5-サドル 6-サドル・ハンド
ル 7-オートバイ・フレーム 8-レッグアジャストフォーク 9,15-サイドカーフレー
ムレッグ 10-コレット・クランプ 11-コレット・クランプ・スクリュー 12-センタ
ースタンド 13-ブレーキペダル 14-サイドカー・ブレーキ・レバー 16-サイドカー・
ブレーキ・レバー・アクスル 17-リアコレットブラケット 18-リアブラケットボル
ト 19-レバー・ピン 20-レバー 21-ブレーキタイロッド 22-ブレーキドラムカバ
ー 23-サイドカー・ホイール・アクスル 24-保護キャップ 25-タイ・ロッド・ナッ
ト 26-サイドカー・フェンダー 27-ボディサスペンションのゴム部分
35
油圧スプリングショックアブゾーバー
サスペンションには、バネのプリロードを荷重と道路状況に合わせて調整するカム・アジャス
ターを装備しています。バネの硬さは2段階の調整が可能です。1つ目(下)は、オートバイ
の重量+ドライバー1人+サイドカーのパッセンジャー1人分で、2つ目(上)は、最大荷重に
なります。
オートバイに最大荷重がかかるときは、オートバイのショックアブゾーバーのバネを調整する
と同時にサイドカーホイールのショックアブゾーバーも調整してください。
ショックアブゾーバーの手入れ. 整備の際、ショックアブゾーバーのオイルが少ない場合は、
ショックアブゾーバーに油圧油105 cm³を注入してください。メンテナンスするごとに、ショ
ックアブゾーバーの上下にすえつけられているボルトがしっかり締まっているか確認してく
ださい。
36
サイドカー装置の調整
サイドカーはオートバイに対して定位置に据え付けなければなりません。これは、オートバイ
とサイドカーホイールのキャンバーとトーインによって決まります。サイドカーの装着が誤っ
ていると、オートバイが左右に引っ張られ、タイヤが必要以上に磨耗します。もしオートバイ
を安定して走行できない、ステアリングが困難、といっ
た場合は、サイドカーの配置を確認してください。配置
の確認・測定は、平らなところで行ってください。
オートバイとサイドカーのホイールの側面、車輪のアク
スルすぐ下のところにまっすぐな棒を1本ずつ当てて、
トーインを確認します。前輪のトーインが5∼10 mm
(1/8 ∼ 1/4 in)になるように調整します。調整すると
きは、サイドカーをオートバイに据え付けている斜めの
レッグの上部にあるボルトを外し、下のリアブラケット
のボルトクランプを緩め、サイドカーフレームの後部チ
ューブに対してブラケットの位置を調節することで、規
定のトーインにします。ブラケットのボルトを締め、レ
ッグの長さを調節し、ボルトを締めます。
オートバイのリーンアウトは、レベルゲージまたは重錘
つきの分度器と定規を使って測定します。フォークを中
か外に向かってすえつけて、二つのレッグの傾斜角を調
整します。正しいリーンアウトでは、排水のために少し
傾斜をつけた路面を走行するときに丁度垂直になる感
じです。
走行中にもトーインを確認します。正しいトーインでは、
オートバイは普通の速度で走っていて、左右に引っ張ら
れることはありません。右に引っ張られるときは、トー
インを大きくし、左に引っ張られるときはトーインを少
なくしてください。
警告:リーンアウトの調整をする前に、トーインが正し
いか再確認してください。
37
フロントフォーク
レトロのフロントフォークはテレスコピックフロントフォークです。
摩擦型のステアリング・ダンパーは可動式と固定式の2つのスチール製ワッシャー、2つのフ
ァイバーワッシャーとヘッドのついた締め付けボルトで構成されます。スチールとファイバー
ワッシャーの摩擦で、フロントフォークが回しにくくなります。
警告:オートバイが操作しにくくなるため、ステアリング・ダンパーを閉めすぎないようにしてくだ
さい。
テレスコピックフロントフォーク
38
ステアリングヘッドベアリング
ステアリングの安定性を保つために、ステアリングヘッドベアリングはあそびが過度に生じな
いように定期的に調整してください。ちゃんと調整されていると、ベアリングにドラッグを少
し感じるだけでフロントフォークは回り、かつ無駄なあそびや抵抗がありません。
警告:ステアリングヘッドが正しく調整されていないと(例:締めすぎなど)、ステアリングが非常に困
難になりますので、この調整は全モデルで非常に重要な作業になります。
ステアリングヘッドベアリングの位置
39
第8章
ホイールとタイヤ
ウラルオートバイは、ショートスポークと同じ大きさのアルミ鋳造のブレーキドラムがついた
後輪、スチールディスクと機械ハブの前輪、そして取り外しが簡単なホイールが装備されてい
ます。
タイヤの取り外し 前輪を外すには、オートバイのスタンドを立て、フロントホイールを上げ、
オートバイ・フレームの前部分の下に台を入れてください。(ジャッキを入手し、それをサイ
ドカーのストレージに入れておくことも可能です。そうすれば、3つの車輪どれでも交換しや
すくなります。)アクスルのピンチボルトを緩めてください。先導リンクの前部分については
アクスルを時計回りにまわし(左ネジ)、テレスコピックフォークのほうは反時計回りにまわ
して(右ネジ)、前輪を外してください。
前輪をオートバイに装着するには、ブレーキディスクがブレーキキャリパーと均等にかみ合う
ことを確認しながら、上の手順を逆に行います。
オートバイの後輪を外すには、センタースタンドを立て、後部のホイールアクスルナットをワ
ッシャーとともに取り外します。スイングアームの左手にあるピンチボルトを緩め、後部ホイ
ールアクスルをレンチバーで引き抜き、後輪を外します。
後輪をオートバイに装着するには、上の手順を逆に行います。装着前に、アクスルを拭いてグ
リースを塗ってください。リアアクスルが引っかからないように、装着する際は押しながらひ
ねってください。
スペアタイヤを外すには、荷台ラックを留めている2つの丸型ナットに合う2つのスタッドが
ついたレンチをツールキットから選んで使ってください。
タイヤ空気圧を適正値に保つようにしえください。走行前、冷間時にタイヤをチェックしてく
ださい。空気を入れすぎないようにしてください。
警告:絶対に前輪と後輪とを入れ替えないで下さい。
警告:タイヤの空気圧が適正でないと、トレッドが激しく損耗し、不安定な走行になる可能性がありま
す。空気圧が足りないと、タイヤがリムでスリップする可能性があります。
40
1.5 Bar
2.5 Bar
前輪・サイドカー
タイヤの空気圧
後輪の空気圧
日常的に乗車場合は、少なくとも一週間に一回、または走行頻度が低い場合は毎走行前に、空
気圧を確認し、パンク、ひび割れ、切れ込みなどがないかトレッドを点検してください。
警告:極端に磨耗し、不安定または適正でない空気圧のタイヤでの走行は危険で、トラクション、ステア
リング、ハンドリングに悪影響を及ぼします。最初に装備されていたタイヤと同じ種類のタイヤを使って
ください。ほかのタイヤだとちゃんと装着できず、危険な場合があります。
タイヤ、チューブ、ホイールは安全上きわめて重要なパーツで、これらの整備には特殊な工具や高度なス
キルが必要なため、ウラル認定ディーラーにお持ちいただくことをお勧めします。
タイヤデータ
警告:ライダー自身の安全のため、タイヤやチューブはホイールリムに適合しているものでなければ
なりません。詳しい情報はウラル認定ディーラーに問い合わせてください。規格外のタイヤ、チュー
ブ、リムだと、装備の際にタイヤビードが損傷を受けたり、タイヤがリムでスリップし、パンクする
可能性があります。また、指定以外のタイヤを使うとオートバイが不安定になる可能性があります。
保護用のゴムリムストリップを使ってください。タイヤサイズはサイドウォールに表示してあります。
チューブサイズはチューブに印刷されています。
ウラルのタイヤはアメリカ交通省の基準に適合しています。ウラル認定ディーラーから入手可
能です。
41
ウラルのフレーム前部に次のタイヤデータラベルが表示されています。
サイドカーつきオートバイ用 18 タイヤ
前: 491 lb. (223 kg) with 4.00 x 19 タイヤ, 19 x 3.00 rim, at 32 psi 冷(1.5 Bar)
サイド: 304 lb. (138 kg) with 4.00 x 19 タイヤ, 19 x 3.00 rim, at 30 psi 冷(1.5 Bar)
後: 577 lb. (262 kg) with 4.00 x 19 タイヤ, 19 x 3.00 rim, at 40 psi 冷(2.5 Bar)
警告:タイヤの空気圧はサイドウォールに表示してある値以下にしてください。
警告;タイヤのトレッドが3/32インチ以上磨耗している場合は交換してください。
ホイールとタイヤのメンテナンス
走行前の点検で、タイヤの空気圧を確認する (第1章)。
アクスルとスポークがしっかり留めてあることを確認し、緩んでいたり、あそびが多すぎる場
合は即スポークやファスナーを締めてください。
潤滑については、第11章の潤滑チャートを参照ください。
警告:スポークニップルを2回転以上まわす振れ取り作業は、スポークの端がインナーチューブに突き
出していないことを確認できるように、タイヤを外した状況で行ってください。
42
ホイールの構成
LITOL24グリースがあらかじめ塗布された2つ調整可能な先細のローラーベアリングが、ホ
イールハブに取り付けられています。オートバイの年式により、アルミ鋳造ブレーキドラ
ムかディスクのホイールが使われています。ベアリングの調整方法はどちらのホイールで
も同じです。
ホイールベアリングの調整
ホイールベアリングの寿命は、適正な調整を行うこと
でだいぶ長引かせることができます。5000キロ走行ご
とにベアリングの具合を確認し、締め付け具合を調整
してください。ベアリングの調整は次の手順で行って
ください。
オートバイからホイールを外す
- 後輪アクスルをつけ(保護キャップなし)、長さ100
mm,でI.D. 21 mm、O.D. 25−30 mmのブッシングでナッ
トを締める
- アクスルをまわして(アクスルのホイールはまわさ
ない)あそびがあるか見る。そしてゆさぶってロック
ナットを緩める
- シールナットを限界まで締め、アクスル・ブッシン
グがあそびなしで楽に引っかからずに回転するように、
1/6−1/8回転ずつ緩める。ベアリングを締めすぎること
は絶対にしないでください。
- ベアリングの調整を変えないようにしてロックナ
ットを締めてください。
- アクスルを引き抜きます。
- ホイールをオートバイに取り付けます。
-
43
第9章
ブレーキ
ブレーキ
このオートバイは前輪に油圧ディスクブレーキ、そして後輪、サイドカーにマニュアル・シュ
ー型ブレーキが装備されています。油圧ディスクブレーキは、キャリパー、ブレーキパッド、
ホイールディスクで構成されます。マニュアル・シュー型ブレーキはドラム、ドラムカバー、
ブレーキシューとレバーで作動するカムで構成されます。
前輪ブレーキは油圧ディスク型です。
サイドカーホイールブレーキは後輪ブレーキペダルとつながっています。
サイドカーブレーキドラムはサイドカー・ホイール・アクスルに固定されており、トルクスト
ップで回転しないようになっています。サイドカーのブレーキシューは後輪ブレーキシューと
互換性があります。
後輪ブレーキはファイナルドライブケースに取り付けられおり、ブレーキペダルと機械的につ
ながっています。
ブレーキシューにはシューパッドの磨耗を埋め合わせるためのアジャストボルトがついてい
ます。アジャストボルトはブレーキシューとブレーキドラムの隙間の調整に使うことができま
す。
ブレーキの性能を最適にするために、ホイールにほんの少し抵抗を感じる程度にブレーキケー
ブルアジャスターを締め、そこから1~2回転戻します。
ブレーキドラムとファイナルドライブクランクケースには、シューとドラムの間の隙間を確認
するためのゴム製のプラグでかぶせた穴があります。
警告:オートバイがバックしているときは絶対に前輪ブレーキを使わないで下さい。前輪ブレ
ーキキャリパーとプレートに重大な損傷が及びます。
後輪ブレーキの調整
フットブレーキはブレーキタイロッドの後尾にある調整ナットで調整します。まずサイドカー
ホイールブレーキのタイ・ロッドのナットを緩めてから、後輪ブレーキを調整します。そして、
タイ・ロッドのナットを締めてサイドカーホイールブレーキを調整します。後輪ブレーキを適
正に調整したら、サイドカーホイールブレーキのタイ・ロッドのナットを2−3回転戻して、ブ
レーキをかけたときに右に引っ張られないようにします。
44
ブレーキは慣らし運転中に「焼きいれ」を行います。手順に従って焼きいれを実施してくださ
い。フルブレーキの75%くらいで、100回ほどブレーキをかけてください。これは、一度に行う
必要はなく、何度かに分けて構いません。障害物のない、平らで乾いた路面で、まっすぐに走
行し、ハンドブレーキ(前輪)、フットブレーキ(後輪、サイドカー)両方かけてください。
ブレーキシューの焼きいれ後、各車輪のブレーキシューとドラムの間の隙間を調整してくださ
い。これで、慣らし運転中にブレーキ性能が最大に引き出され、慣らし運転終了(1500キロ走
行)後にトップスピードを出す準備ができます。
警告:ブレーキ性能は安全上きわめて重要であるため、調整にはウラル認定ディーラーにお持ちいた
だくことをお勧めします。
ブレーキはメンテナンス・チェックリストで規定されている間隔で必ず点検してください。ブレーキ
シューライニングの厚さが1/16インチ以下になったら、ブレーキシューをすぐ交換してください。交換
しない場合、ブレーキがちゃんと機能せず、致傷の可能性があります。悪路、勾配のきつい坂、渋滞な
どで走行する場合、1000キロ毎かそれ以下の頻度で点検が必要です。
45
前輪ディスクブレーキも定期的な点検が必要ですが、調整の必要はありません。ブレーキキャ
リパー上部の埃よけをはずしてブレーキパッドの厚さを点検してください。パッドの厚さが
1/8インチ以下になっていたら交換してください。定期的に、ブレーキホースにひびや漏れが
ないか、そして両端についているバンジョーボルトの締め付け具合を点検してください。
警告:前輪ブレーキに純正以外の他のメーカーのブレーキホースを絶対に使わないでください。
ウラル純正品のブレーキホースを使っていない場合、前輪ブレーキが故障する可能性があり、
保証が無効になります。
46
ブレーキリザーバ
前輪のブレーキリザーバを整備ごとに確認してください。リザーバ内のブレーキフルードに異
物が混じらないように、リザーバ周囲を拭いてください。リザーバにはDOT3または4ブレーキ
フルードのみを注入してください。それ以外のブレーキフルードを使うと、ブレーキ系統に損
傷を起こす可能性があります。塗装がはげる可能性があるので、ブレーキフルードがつかない
ようにしてください。
リザーバの確認ウィンドーを見て、少なくとも下限ラインまでブレーキフルードがあることを
確認してください。
47
第10章
電子機器
オートバイの電子機器には、電源、補助計器、そして配線類が含まれます。
電源とは、バッテリーと整流器が内蔵されたオルタネータのことをいいます。
電気回路は単線式です。即ち、一本のワイヤーが電力を電子機器とフレームに供給し、エンジ
ンが二本目のワイヤー(アース端子)の機能を果たします。バッテリーの負極はエンジンに接
続されています。オルタネータはマウンティングボルトを通じてエンジンとフレームに電気接
続します。
バッテリー
エンジン(とオルタネータ)が停止中にオートバイ全体に電源を供給します。
整流器内蔵型オルタネータ エンジンカムシャフトドリブンギアで作動します。オルタネータ
はエンジンクランクケースの二つのスタッドで固定されています。スタッドでオルタネータを
回すことで、ギアメッシュギャップのバックラッシュを調整できるように、ドライブ側のオル
タネータカバーが設計されています。
クラクション イグニッションがオンのとき、クラクションのボタンを押せば鳴るようにな
っています。クラクション本体下部にあるスクリュを回してクラクションの音量を調節する
ことができます。
ヘッドライト 米国交通省認定の直径7インチ密閉型ビームヘッドライトが装備されていま
す。通常の負荷状態でハイビームが水平になるように光軸を調整してください。
ブレーキランプスイッチ 2つのナットでフレームブラケットに取り付けられています。もし
ブレーキランプがついたまま消えない、または点灯しないときは、ナットを緩め、ブレーキラ
ンプスイッチの位置をフレームの上か下に向けて動かし、ナットを締めなおしてください。
48
電子回路
オートバイなどに装備されている鉛酸バッテリーは14.25Vの電圧になっています。長時間
14.25Vを越える電圧を加えると、電解液が蒸発し、バッテリーが故障してしまう可能性があり
ます。14.25V未満の蓄電ではバッテリーが十分蓄電しません。
車両のバッテリーは12Vと、人を傷つけるほどの電圧ではありません。しかし、バッテリーは
電子の形で電力を蓄電しています。制御なく電子がバッテリーから流れ出ると、電気配線が溶
けるほど熱くなり、人がやけどをする可能性があります。
車両の電子回路で起こる故障の多くは接続不良によるものです。配線の接続をしっかりと留め、
清潔に保ってください。
配線が切れたり、接続が悪くて電子流が中断されている場合、回路は「開回路状態」にな
ります。
電気はもっとも抵抗が少ない回路を流れます。低抵抗の回路がたまたまできてしまうことを
「短絡」といいます。短絡が発生すると、多くの場合、回路を保護しているヒューズが溶けて
しまいます。
電子機器のメンテナンス
日常的な点検の際、電子機器の作動具合や状況を確認してください。メンテナンス・チェック
リストにしたがって、スパークプラグやイグニッションリードを点検、交換してください。サ
イド電極の端を曲げることでギャップを調整することができます。
オルタネータの手入れ 日常の点検において、オルタネータに接続している配線の接続、オル
タネータのエンジンクランクケースへの取り付け具合、ギアのバックラッシュ(音を聞く)を
確認してください。ドライブギアのバックラッシュが少ない場合、オルタネータベアリングが
過剰に損耗し、オーバーヒートします。
以下の締め付けを、メンテナンス・チェックリストで規定された間隔で確認してください。
• 締め付けポストボルトのナット
• オルタネータクランプスクリュ
• オルタネータ締め付けナット
警告:オートバイに電子機器を追加すると、保証が無効になります。
49
ヒューズボックスはヘッドライト枠の中にあります
ヘッドライトコントロール継電器1番と2番は、燃料タンクの下にあります。
50
第11章
オートバイの整備
整備は、オートバイの状況に関わらず、規定の走行距離毎に行ってください。
車体の状況やその他の整備の必要性に応じて、整備間隔が変更になる可能性があります。
オートバイで潤滑するポイントを示した潤滑表は図35にあります。潤滑表に、潤滑の手入れの
仕方がまとめてあります。
外装の手入れ
車体の外装を手入れすることで、よりオートバイを楽しむことができ、また、転売するとき
の価値もあがります。サイドカーリグには金属面が多く露出しているので、錆、酸化の予防
と除去を行ってください。
潤滑剤
潤滑する部位
エンジン
トランスミッション
シングル駆動ファイナルドライブ
デュアル駆動ファイナルドライブ
清浄油と分量
20w/50 Castrol 68 oz. ( 2.0 L ) 1
20w/50 Castrol 34 oz. ( 1.0 L ) 2
80/90 wt.Gearlube 3.5 oz. ( 105 ml )
80/90 wt.Gearlube 4.5 oz. ( 135 ml )
68 oz は目安です。ディップスティックの上限ラインのところまでエンジンオイルを補給して
ください。
34 oz は目安です。トランスミッションオイルフィラーの下側のスレッドのところまでミッシ
ョンオイルを補給してください。
51
エンジンオイル
補給
ギアボックス
オイル補給
図35. 潤滑表
潤滑表
52
番号
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
潤滑するパーツ・部品
潤滑剤
エンジンクランクケース
20W/50合成油
トランスミッション
20W/50合成油
エア・クリーナー
JRフィルターオイル
テレスコピックフォーク
5wt-10wtフォークオイル
ファイナルドライブ
80/90ギアオイル
サイドカーコレットジョイントのヒンジ
機械油 & WD-40
ブレーキ系のヒンジ
機械油 & WD-40
ブレーキペダルシャフト
グリース
ドライブシャフトのユニバーサルジョイント
グリース
クラッチおよびハンドブレーキケーブルのレバー・ピン
グリース
と末端部
ブレーキシューのピンとカム
グリース
ホイールベアリング
グリース
フロントフォーク
スピンドルオイル&
WD-40
キャブレタースロットルコントロールグリップ
グリース
速度計ドライブケーブルと速度計アクスル
スピンドルオイル
ステアリングコラムのベアリング
グリース
規定の潤滑剤
ウラルオートバイは米国環境保護庁によって認定されたSAE 20W/50合成油を使います。これ
はエンジンとトランスミッション両方に使います。
塗装の手入れ
オートバイを洗車するときは、冷水かぬるま湯を弱い水流でかけます。絶対に高圧洗車はしな
いでください!埃や泥を落とすのに乾いた布で拭くと、砂などの細かい粒子が塗装を傷つけ、
光沢が失われます。ソーダ溶液、ケロシン、クエン酸、鉱油などで洗車しないでください。鉱
油が塗装についたら、布巾で油をふき取ってください。水をかけて汚れを落とした後に、表面
にまだ汚れが残っていたら、表面の水が乾かないようにして、スポンジ、やわらかいヘアブラ
シまたは水を含んだやわらかい布などを使って落としてください。最後に、やわらかい乾いた
布で塗装部分を磨いてください。
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塗装部分を補修するために、付属品としてタッチアップペイントがついています。
次の手順で塗装を補修してください。
• テレビン油で表面をきれいに拭きます。
• キズの部分を耐水研磨布と水でこすってください。十分こすること。
• やわらかいブラシかスプレーガンで色を塗ってください。
タッチアップ後、15分自然乾燥させ、ヒーター反射板などで100°C-120°Cで塗装を完全に乾か
します。
エナメルは可燃性が高いので気をつけてください。湿度、色あせ、温度などのために、色が完
全に同じように出ない可能性があります。
オートバイの塗装面は自然な光沢をもっています。光沢がなくなった部分は、次のようにして
磨いてください。光沢部分を十分に洗浄した後、ワックス剤をやわらかい布(木綿、ガーゼ、
フランネルなど)で塗りつけます。ワックス剤を、円をえがくようにして塗りこみます。3−
5分ほど乾燥させた後、乾いた布で光沢が現れるまで表面を拭きます。
保管
一定期間オートバイを保管する場合は、サポート台などに載せ、保管のための処置をしてくだ
さい。タイヤの空気圧が規定範囲内であることを確認してください。オートバイを保管する近
くに、酸、またはアルカリ、無機質肥料、その他有害物質を置かないでください。
車庫に入れる前に、バイクを十分に洗浄し、キャブレターを空にするか、ガソリンコックを閉
じたままエンジンをかけて、キャブレターのフロート室のガソリンを抜いてください。
その後、ストレージ油(WD-40)を、スパークプラグの穴からシリンダーに注入してください。
キックレバーを押し、クランクシャフトを回してシリンダー内に潤滑剤がいきわたるようにし
ます。錆止めをクロームと亜鉛の部分に塗ってください。グリースカップがある部分にグリー
スを縫ってください。マフラーの排気口を密閉してください。
ずっと保管していたオートバイに乗車する際は、「走行前の準備」に書いてある手順に従って
ください。
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冬季走行について
冬季には、道路に滑り止めの塩などの化学薬品がまかれていることがあります。
こういった薬品がオートバイに付着した場合は、なるべく早く水で洗い流してください。
塩や砂利が多い場所を走行する場合、フェンダーに下塗り加工をすることをお勧めします。詳
細はディーラーにお問い合わせください。
バッテリー
バッテリーは外気温摂氏マイナス40°C から(プラス)60°C/ 40°F to 140°Fで作動します。
バッテリーを整備する際、
• 定期的に電圧が13.8 - 14.2 Vであることを確認してください
• バッテリーを放電させないでください
• 電解液のレベルを一定にするために、蒸留水を使用してください
• ボルト、ナット、ワッシャー、端にワセリンまたはバッテリーグリースを塗ってくださ
い。バッテリーのパーツを壊さないよう、ナットの開け閉めにはレンチを2本使用して
ください。
警告:点火を点検するのに電極同士をショートさせないでください。
保管前にバッテリーを満充電し、バッテリー表面を水で洗って乾かし、ボルト、ナットの汚れ
を落としてください。
警告:バッテリーには火傷を起こす可能性がある硫酸が含まれていますので、肌、眼、洋服な
どにつかないようにしてください。体表面についたときの応急処置:水で洗い流してください。
体内に摂取してしまったときの処置:水を大量に飲み、その後、水酸化マグネシウム、植物油、
または生卵を飲み、すぐに医師の治療を受けてください。
注意:バッテリーを充電するときは、正極(+)をバッテリーからはずして電子部品を損傷し
ないようにしてください。絶対にオートバイをジャンプスタートさせないでください!
警告:バッテリーは常に(充電中は特に)爆発性のある水素ガスを発しています。絶対にバッ
テリーにタバコ、火、火花を近づけないでください。バッテリーを充電している場所はよく換
気してください。バッテリーや酸を扱うときは、手袋、ゴーグルで手や目を保護してください。
お子さまがバッテリーや酸に近づかないようにしてください!
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ツールセット、スペア部品、付属品、添付書類など
内容
数量
ツール
1. レンチ 7 x 8
2. レンチ10 x 12
3. レンチ13 x 14
4. レンチ14 x 17
5. レンチ19 x 22
6. ソケットレンチ10 x 12
7. ソケットレンチ10 x 13
8. ソケットレンチ19 x 21
9. レンチ27 mm
10. 両口スパナ
11. スパナレンチ
12. スパナレンチアセンブリ
13. ドライバ150 mm
14. ドライバ100 mm
15. パンチ
16. 六角レンチ
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
アクセサリー
1. エアポンプ
2. 空気圧ゲージ
1
1
スペア部品
1. オイルフィルターエレメント
2. ヒューズ
3. タッチアップペイント
1
2
1
添付書類
1. オーナーマニュアル
1
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57
第12章
サイドカーのメンテナンス
サイドカーのメンテナンス
乗車前に、ファイナルドライブのスイングアーム、プロペラシャフトフォークとサンギアフラ
ンジがしっかりと取り付けられていることを確認してください。
メンテナンス・チェックリストに従い、ドライブシャフトスプラインを十分に潤滑してくださ
い。ただし、ドライブシャフトの円滑な動きを妨げる可能性があるので、グリースを過剰に塗
布しないようにしてください。
サイドカーホイールベアリングも定期的に潤滑してください。
警告:キャニスターは燃料または水どちらかのみを入れてください。
メモ:エンジンがかかっていないときにスポットライトを点灯したままにしてください。バッ
テリーがあがる可能性があります。
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第13章
ウラルのサイドカーつきオートバイを運転する
ウラルサイドカーオートバイは三輪車であるため、二輪車とも自動車とも運転特性が違いま
す。そのため、オートバイのタンクに次のようなラベルが貼ってあります。
(警告:左折、右折は危険な可能性があります。スピードの出しすぎや、空のサイドカーをつけての
走行は絶対避けてください。)
つまり、どんな車両でも同様ですが、ウラルオートバイを、設計上無理な走行をすれば、怪
我をする可能性があるということです。逆に、適正な運転をすれば、3輪ついたウラルオート
バイは、砂利道や凍結などで滑り易い道路で、二輪のオートバイよりずっと安定して走行す
ることができます。
また、多くの初心者ライダー(そして熟練ライダー)が停車の際に転倒しますが、ウラルオー
トバイではそのような心配は絶対ありません。
このマニュアルはウラルサイドカーオートバイの新車に必ず添付されています。あなたの新
車を運転する前に、最初から最後まで熟読し、走行前チェックリストを確認し、マニュアル
にある操作方法に従ってください。
可能であれば、初めて運転するときは、サイドカーオートバイの経験者(ウラル認定ディー
ラーの人など)に乗ってもらうといいでしょう。でなければ、サイドカーに40キロ程度の錘
を入れてください。サイドカーオートバイの経験者は、サイドカーに重みをかけなくても安
全に運転することができますが、初心者は重みをかけてサイドカーオートバイを運転してく
ださい。
スピードを上げると、オートバイは慣性とサイドカーの引っ張りで少し右に引っ張られます。
アクセルを離すと、サイドカーの慣性で少し左に引っ張られます。
ウラルオートバイを乗りこなすには、舗装された、広く空きの多い駐車場で練習することです。
いろんなスピードでの発進、停止、ギアチェンジ、各ギアでの速度の上げ下げ、低∼中スピー
ドでの右左折などを練習してください。
最後に、サイドカーを浮かせる練習をしてみてください。そのためには、直径5メートルくら
いの円を時計回りに描きながら回ります。サイドカーホイールが地面から15 – 30センチ浮くま
で、徐々にスピードを上げてみましょう。浮いたら、スロットルを下げ、ステアリングを弱め
て徐々に地面に戻しましょう。このサイドカーホイールが地面から浮いている状態に慣れるま
で、この操作を繰り返して練習してください。スロットルを下げればサイドカーは地面に戻り
ます。サイドカーを浮かせて円を描くことができるようになれば、サイドカーが浮くスピード
と曲がる角度のイメージをつかめているはずです。注意しながら、もっと大きな円、小さな円
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でも浮かせることができるか試してみましょう。
ウラルオートバイの操作に十分慣れた後、空のサイドカーで道を走行する場合は、今度は上に
ある手順を空のサイドカーで練習してください。空のサイドカーだともっと簡単に宙に浮きま
す。半径が小さくなっていくカーブ(高速道路の出口ランプなど)で速いスピードを出してい
ると尚更そうです。このため、通常はサイドカーに40キロ以上の荷重をかけることをお勧めし
ます。
安全な走行のために
ウラルオートバイを運転する前に、このマニュアルにある操作とメンテナンスの手順を熟読し、
ご自身の安全のために責任持って記載してある内容を守ってください。
• 道路交通法を知り、遵守してください。
• ウラル認定のパーツや付属品だけを使ってください。
• ガソリンは非常に可燃性が高く、場合によっては爆発します。
• エンジンを停止し、換気された場所で燃料補給します。燃料系をメンテナンスしている
ときは、タバコを吸ったり、火、火花などを近づけないでください。エンジンがかかって
いないときは、キャブレターに燃料が流れ込むのを防ぐため、燃料供給バルブを必ず閉め
ましょう。燃料タンクにガソリンを入れすぎないでください。燃料補給の際は、こぼれな
いようにゆっくりと燃料を注入しましょう。燃料が膨張する余地を残すため、タンクフィ
ラーの下の端を1インチ以上残して燃料補給します。
• オートバイの排気ガスには有毒な一酸化炭素が含まれているため、排気ガスを吸い込ま
ない、また、密閉された車庫や狭いところでエンジンをかけないでください。
• エンジンをかける前に、ブレーキ、クラッチ、ギア、スロットルがちゃんと作動す
ること、燃料とオイルが十分あることを確認してください。
• 新車は慣らし運転が必要です(「新車の慣らし運転」を参照)。
• あらゆる状況での運転特性や操作の方法に慣れるまで、スピードをあまり出さずに混雑
した道路を避けて運転してください。運転に慣れていない方は、オートバイのライディン
グテクニックなどについての情報を仕入れたり、講習を受けることをお勧めします。
• 法定速度を超えたスピードを出したり、道路の状況にもかかわらずスピードを出し過ぎ
ないでください。悪路や悪天候ではスピードを落として運転しましょう。スピードを出して
運転していると、運転が不安定になり、コントロールを失うおそれがあります。
• 路面の状態や風などに注意して運転してください。2輪または3輪の自動車は、横を通
過するトラック、道路の陥没、ライダーによる操作エラーなどの影響を受け易く、コントロ
ールが効かなくなる可能性があります。このような場合は、スピードを落とし、グリップを
軽く握ってハンドルをまっすぐにしましょう。急ブレーキを踏んだり、ハンドルを急に回し
たりすると、さらに不安定になりますのでやめましょう。ライダー初心者は程よいスピード
で様々な状況にまず慣れるようにしましょう。
• 安全運転を心がけましょう。オートバイの事故に対する防御は、自動車ほどは備わって
いません。
• 認可されたヘルメットおよびオートバイの走行に適した洋服、靴を身に着けてください。
特に夜間走行などでは、明るい色のウェアほうが視認性が高いです。ゆるい洋服やスカ
ーフなどはオートバイ走行に適していません。
• エンジンがかかっているとき、そして停車後一定時間は、エキゾーストパイプとマフラ
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ーが非常に熱くなっています。
• 運転の際には足全体を覆う洋服を着用し、エキゾーストパイプには触れないようにしま
しょう。
• オートバイを、免許がない、またはあなたの持っているオートバイを運転する技術があ
るか疑わしい人には絶対運転させないでください。
• オートバイから離れるときは、イグニッションスイッチから鍵を抜いて、オートバイが
盗難されないようにしましょう。
• オートバイを安全に運転するには、注意力、判断力、そして安全運転の心がけが必要で
す。疲労、アルコール、ドラッグなどでご自身や周囲の人を危険にさらさないようにしま
しょう。
• オーナーズマニュアルに入っているメンテナンス・チェックリストにしたがって、オー
トバイを整備しましょう。オートバイの安定走行に特に重要なのが、タイヤ圧、トレッド
の磨耗具合、ホイールベアリングとステアリングヘッドベアリングの調整です。ステアリ
ング系、サスペンション系に緩み、磨耗、損傷があるときは、操作に問題を起こす可能性
があるのでオートバイに乗車せず、ウラル認定ディーラーに連絡して修理してもらうよう
にしてください。
• トレーラーを牽引しないでください。
• 交差点では、優先車に道を譲りましょう。自分が優先のときは注意して進行しましょう。
• 停車、右左折の時には方向指示器を出しましょう。
• 道路の標識どおりに走行してください。速度、踏み切りなど、標識に従って走行しまし
ょう。
• 信号は、緑になったのを確認してから進みましょう。
• 右折するときは、右折する少なくとも30メートル手前でウィンカーを出し、道の中央に
より、交差点ではゆっくりと周りに注意して進みながら曲がります。
• 右左折の際は、車だけでなく人にも注意しましょう。
• 道路わきや駐車場から発進するときは、車の流れをよく確認して、ウィンカーを出しな
がら発進しましょう。走行している車のほうが優先です。
• ナンバープレートが法定どおりに装着されていることを確認し、どんな状況でもはっき
り見えるようにしてください。清潔に保ってください。
• 高速道路では、路面が乾いているか、滑り易いか、凍結しているか、濡れているか、な
どに留意し、状況にあった安全な速度で走行してください。様々な状況に応じた速度で走
行しましょう。
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ウラルオートバイ ∼ 始動、走行前チェックリスト
エンジンをかける
1. 外気温が摂氏10度以下のときは、両方のキャブレターのエンリッチナーをオンにする(レバーを引
き出す)
2. ペットコックを“ON” または“PRI”にする
3. イグニッションは“RUN,” キルスイッチは “RUN” (下), ギアボックスは ニュートラル
4. エンジンがかかるまでセルスタートボタンを押す
または、
5. キックスタートレバーに足を乗せて、すばやく、強くキックし、ほんの少しスロットルを開ける。
エンジンがかかるまでこれを繰り返す(通常、2−3回分のキック)。エンリッチなーをオフにする
6. 外気温により、1−3分程度暖機する。
7. 暖機したら、オイルが十分いきわたり、エンジンやギアボックスが円滑に作動するまで、数キロほ
ど適度な荷重と速度で走る
問題が起きたら
上に記述した方法でエンジンが始動しない場合は、以下のような問題がある可能性があります。
1. スロットルを開けすぎたために、スパークプラグが湿り、オーバーチョークを起こしている。
対応策:スパークプラグを取り外し、乾かしてください。
2.
燃料不足、または、燃料ラインかペットコックフィルターがつまっているため、エンジンに燃
料がいきわたらない。
対応策:燃料ラインやフィルターの詰まりは、キャブレターから空気を燃料ラインに送り、埃などを
取り除きます。ペットコックフィルターは、取り外してきれいにします。
3. バッテリーが少ない(ヘッドライトが薄暗い)、イグニッションワイヤーの接続が悪い
対応策:バッテリーがあがったら、充電します。イグニッションワイヤーの接続がわるい、または切
れている場合は、ワイヤーを交換するか、スパークプラグキャップ、イグニッション系列、エンジンの
前カバーの下のイグニッションコイルをしっかりと接続します。
*4. バルブの磨耗、調整不足により、シリンダーの圧力が足りない
*この場合は、ウラル認定ディーラーのメカニックに整備してもらう必要があります。
***警告!...バックギアによる損傷... 警告!***
オートバイが動いているときにバックギアに入れようとすると、ギアボックスに重大な損傷が起き、
保証が無効になる可能性があります。バックギアは、完全にオートバイが完全にストップし、1速また
はニュートラルにはいっているときのみいれてください。
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走行前チェックリスト
1.
2.
3.
4.
5.
6.
灯火類、クラクションを点検
ブレーキレバー、クラッチレバーとブレーキペダルを確認
ホイール、ファイナルドライブアッセンブリーがしっかり留まっていることを確認
キャブレターフランジ、エアフィルターの管のパーツと配置を確認
タイヤの磨耗を確認 トレッドは1/8インチ 以上の深さあること
サイドカー取り付けマウントがしっかりしまっていることを確認
燃料が満タンの状態だと、タンクフィラーの下の端の10 - 15 mm / 1 - 3 インチまで燃料が入っ
ています。これ以上入れないでください。
エンジンクランクケースのオイルレベルが、フィラープラグをはずした状態で、ディップステ
ィックの上限ラインと下限ラインの間にあることを確認
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