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愛媛県
中予地域
基本計画
1 産業集積の形成及び産業集積の活性化に関する目標
(1)地域の特色と目指す産業集積の概要について
(地理的条件、既存の産業集積の状況、インフラの整備状況等地域の特色につ
いて)
【地理的条件について】
本地域の行政区画は、松山市、伊予市、東温市及び松前町の 3 市 1 町であ
り、総面積は 85,529ha で愛媛県の約 15%を占めている。また、本地域の総人
口は 620,860 人で、県全体の 43.4%を占め、
労働力人口は 307,045 人で 43.7%
を占める(平成 22 年国勢調査)。
本地域の地勢は、愛媛県の中央部に位置し、北部は高縄山、南東部は西日
本最高峰の石鎚山(標高 1,982m)等からなる四国山地の北側に広がる道後平
野からなり、道後平野を東から西に向かって重信川が流れ、沖積平野と緩や
かな丘陵地帯を形成している。西部の海岸線は比較的緩やかな一方、島しょ
部は変化に富んだ海岸線を形成し、好漁場を有するほか、優れた景観から瀬
戸内海国立公園にも指定されている。気候は瀬戸内海気候に属し、松山地区
の年平均気温は 16.5 度(平成 23 年)と比較的温暖で、豊かな自然環境を備
えている。
また、地域内には、国内線のほかソウルや上海に定期便のある松山空港、
韓国(釜山)、中国(上海)等に定期貨物航路のある松山港のほか、松山自動
車道川内 IC、松山 IC、伊予 IC、JR 予讃線の JR 松山駅、伊予市駅など、陸海
空の交通体系が整備されており、海外、関東圏域、関西圏域、山陽圏域への
アクセスが容易である。
中心となる県庁所在地の松山市は、人口 50 万人を超える中核市であり、官
公庁、教育機関、文化施設、福祉施設等の公共公益施設のほか、大手企業の
支店・事業所、百貨店等の商業・サービス業等も集積している。
【インフラの整備状況等について】
①道路・鉄道・航空・港湾 等
○道 路
松山環状線から放射状に延びた国道 196 号、56 号、33 号、11 号及び 317
号は、本地域と県内外を結ぶ主要な幹線道路であり、沿道には各種商業施
設等の立地、都市型サービス施設の集積が見られ、これらの道路は都市間
交流軸として、自動車交通による広域的な交流を可能としている。また、
東温市の重信川沿い、松山市の南部及び伊予市の山麓を通る松山自動車道
-1(愛媛県中予地域基本計画)
(川之江 JCT~宇和島北 IC)は、本州四国三橋と一体となって、本地域の
産業経済を支える広域交通・物流の重要なインフラ基盤となっている。
○鉄 道
本地域を通る JR 予讃線(高松駅~宇和島駅)は、宇和島方面、高松方面
のほか、瀬戸大橋線を経由して山陽新幹線に乗換え可能な岡山駅までアク
セスでき、本地域から岡山駅までは 3 時間の距離である。
○航 空
松山市に存する松山空港は松山市の中心市街地から約 15 分の距離という
全国屈指の利便性を有している。
松山空港は、東京(東京国際空港(羽田):75 分)
、名古屋(中部国際空
港:65 分)
、大阪(大阪国際空港(伊丹)
:50 分)等への連絡に利便性を有
するほか、ソウル、上海(それぞれ 100 分)への国際定期便も就航してい
る。
なお、平成 23 年度の松山空港の輸送人員実績は 2,169,607 人(国内線)、
航空貨物輸送量実績は 8,483 トン(国内線)となっている。
○港 湾
本地域には愛媛県のほぼ中央に位置する重要港湾松山港が整備されてい
る。
松山港は県都松山市の海の玄関口として、阪神、中国及び九州と結ぶ交
通の要衝として古くから栄え、発展してきた港であり、背後に四国一の人
口集積と化学、繊維、電気機器、農業機械等、幅広い産業集積を抱えてお
り、平成 5 年 3 月には全国に先駆けて FAZ(輸入促進地域)に指定されてい
る。なお、外港地区は、韓国(釜山)、中国(上海)、台湾等と定期コンテ
ナ航路が就航しており、寄港数は四国 1 位となっており、港内には対象船
舶 10,000D/W の公共岸壁(最大水深-10.0m、延長 170m)や大手素材メーカ
ー・石油元売会社の専用岸壁のほか、総面積 4.8ha のコンテナヤードが整
備されている。
平成 22 年の取扱貨物量は 4,977,084 トン、コンテナ貨物量は 45,357TEU
となっており、コンテナ貨物の取扱量が急激に伸びている。
○通 信
本地域の高速ブロードバンド環境(FTTH、DSL 等)の整備状況については、
平成 23 年 9 月末時点で、
利用可能世帯率が松山市で 100%、伊予市で 100%、
-2(愛媛県中予地域基本計画)
東温市 99.7%、松前町で 100%となっており、ほぼすべての世帯がカバー
されている。
②教育機関、産業支援機関 等
○教育機関
愛媛県内には工業系学科を有する愛媛大学、新居浜工業高等専門学校をは
じめとした高等教育機関が大学 5 校、短期大学 5 校、高等専門学校 2 校あり、
高等学校を含めた新卒者は毎年度約 1 万 7 千人となっている。
平成 23 年度には高等学校卒業者の大学等進学率は 50.8%と全国平均を 2.7
ポイント下回ったものの、就職率は 21.1%と全国平均を 4.3 ポイント上回り、
そのうち県内就職率は 81.5%と地元志向の高さを伺わせている。さらに就職
先を産業別に見ると、高い順に製造業 37.3%、卸売業・小売業 11.4%、医療・
福祉 9.7%となっており、本県地域産業を支える人材を多数輩出している。
〔集積区域に存する主な教育機関〕
・ 愛媛大学
「地域にあって輝く大学」を理念とし、地域のニーズや課題を吸収し、要
望に応えることで、地域の発展に貢献することを目指している。また、自治
体や企業などと連携し、世界レベルの研究センターでの成果を通じて社会貢
献を果たすほか、研究活動を通じ、世界に通じる研究者を育成している。
・ 松山大学
ソーシャル・パートナーシップ・オフィス(MSPO)では、社会・産業機関
との連携を通じて知的創造と人材育成に努め、また知的財産と人材を活用す
ることによって、地域産業の振興と地域社会への貢献に努めている。
また、平成 22 年 3 月には愛媛大学と教育研究交流協定を締結し、より緊
密かつ組織的に連携・協力を推進し、両大学における教育研究資源を有効活
用することにより、「愛媛県の知の拠点」として、人材育成、学術研究の推
進、社会貢献など、高等教育機関を担う愛媛県の主要大学として貢献してい
る。
・ 松山工業高等学校 等
NC 旋盤やマシニングセンタなど各種工作機械による加工実習や、鋳造・溶
接・CAD/CAM 等の実習を通してものづくりの基礎的な知識や技術・技能を修
得し、主に機械工業の分野で設計・製図や機械加工・組立・保守・整備など
の業務に携わる技術者の育成を目指す機械科や、電気の基礎から応用に至る
-3(愛媛県中予地域基本計画)
まで、電気全般の知識や技術を修得させ、将来、電力供給・電気工事・電気
鉄道・各種製造業など幅広く活躍できる人材の育成を目指す電気科など 8 学
科が設置されている。その他、地域には県立高等学校 10 校、私立高等学校 9
校(通信制を除く)、大学附属高等学校 1 校の高等学校がある。
・ その他
(大学、短期大学)
松山東雲女子大学、聖カタリナ大学、松山東雲短期大学、聖カタリナ
大学短期大学部
(公共職業能力開発施設)
県立松山高等技術専門校、高齢・障害・求職者雇用支援機構愛媛職業
訓練支援センター
(情報関連教育機関)
松山コンピュータ専門学校、河原電子ビジネス専門学校
○産業支援、学術研究機関
全県的な産業支援機関である公益財団法人えひめ産業振興財団は、地域
産業の高度化及び新事業創出の支援、県内中小企業者等の情報化、経営基
盤の強化、経営革新及び設備の導入等の促進に大きな役割を果たしており、
愛媛県内の産業支援機関の連携体制である「えひめビジネスサポートネッ
トワーク(通称:チームえびす)」の中核機関として中小企業支援に取り
組んでいる。
また、試験研究機関としては、愛媛県産業技術研究所が県内中小企業の
技術高度化や新商品開発、地域資源を活用した新たな産業創出の促進を図
るため、「試験研究」、「技術相談」、「依頼分析・機器開放」、「技術
研修」等を実施している。具体的には企業・業界ニーズ等を対応した試験
研究テーマを設定し、単独研究や産学との連携による共同研究を実施して
いるほか、食料品製造、化学工業、機械器具製造業など幅広い業種の企業
からの技術相談に応じている。
さらに、愛媛大学では、平成 16 年に設置された社会連携推進機構の下、
産学官連携を推進しており、産学連携推進センターでは民間企業等との共
同研究(平成 23 年度で約 90 件)や受託研究(平成 23 年度で約 150 件)に
取り組んでおり、特に、平成 24 年 4 月には炭素繊維高度利用研究会を立ち
上げ、県内企業が無料で利用できる「Car-bon 工房」を開設するなど、新規
用途の炭素繊維加工に取り組む企業の支援を行っている。
-4(愛媛県中予地域基本計画)
〔集積区域に存する主な産業支援機関等〕
・愛媛県商工会議所連合会
・愛媛県商工会連合会
・愛媛県中小企業団体中央会
(目指す産業集積の概要について)
中核となる松山市においては、明治期から歴史と伝統ある竹工芸品をはじ
め、タルトなどの銘菓あるいは伊予絣などが地場産業として発展してきた。
その後、当地で設立された大手農機具製造企業(井関農機㈱)や農作物を原
料とする食料品等による工業化が進み、昭和に入り松山港に隣接して石油化
学の工場が新設されて重化学工業の基礎がつくられた。
戦後の復興計画に基づき西部海岸地帯に残された膨大な旧軍事施設用地に
東レ㈱グループ企業の誘致を契機にして、帝人㈱グループなどの化学工業の
企業が相次いで進出し、西部海岸地帯は一大重化学工業地帯を形成している。
北部海岸地帯には、大手農機具製造企業(井関農機㈱)の工場が立地し、
関連中小企業や大手ボイラ製造企業(三浦工業㈱)の立地による機械工業が
集約されているほか、北条地区に整備された農工団地には、大手ボイラ製造
企業(三浦工業㈱)とその関連企業などが立地し、企業の集積が図られてい
る。
伊予市、松前町においては、豊富な地下水と労働力を利用した繊維工業、
地場で水揚げされる魚介類を原料とする海産物加工などの食品加工業が発展
してきた。
東温市においては、昭和 44 年に誘致したパナソニック㈱グループ企業を核
とした、電子部品加工業等の集積が進んだが、現在では、血糖値センサーの
開発など医療分野への進出が見られるほか、炭素繊維加工も手がける精密部
品加工メーカーの立地も見られる。
松山市では、近年、コールセンター等情報通信関連企業の集積が形成され、
若年者や女性の雇用の受け皿となる都市型産業となっている。
こうした地域内の多様な業種の産業集積が進んでいる特色を生かすととも
に、愛媛の県庁所在地域として、都市型の産業集積を更に推し進めていくた
め、次の 5 業種の集積を目指す。
①先端素材関連産業
「化学工業製品」は、本地域の粗付加価値額の約 19.6%を占めるなど地域を
牽引する主要産業の一つであり、先端素材を代表する炭素繊維は、東レ㈱(愛
媛工場)が世界 No.1 メーカーとして、世界シェア約 40%(平成 22 年度:東
-5(愛媛県中予地域基本計画)
レ㈱推定)を占めている。さらに、帝人㈱松山事業所では世界初となる炭素
繊維からコンポジット製品の成形加工までを 1 分以内で連続一貫生産するパ
イロットプラントが設置され、炭素繊維複合材料(CFRP)によるコンポジッ
ト製品事業をリードしている。その他、帝人㈱松山事業所では高機能繊維の
代表格であるアラミド繊維を生産しているほか、帝人化成では、ハイエンド
DVD、次世代光ディスク(ブルーレイディスク)などの高機能・高品質が要求
される光ディスク分野等で使用されるポリカーボネート樹脂を生産しており、
成長市場のアジアでのシェア No.1 となるなど、全国有数の企業が立地してい
る。
世界的に見ても自動車、航空機、照明、薄型テレビ等の家電品、高機能携
帯電話等の分野において、素材開発や加工技術開発により軽量化や高品質化
が進められており、先端素材関連分野の広範な技術革新が促されようとして
いる。
本地域には、各種材料については世界的シェアを有する産業の集積がなさ
れており、先端素材の製造及び研究基地として産業集積を一層進める。
②機械器具関連産業
本地域は、大正期創業の農業機械専業メーカー(井関農機㈱)や小型貫流
ボイラ日本一の企業(三浦工業㈱)をはじめとして、高度な加工技術を持つ
部品メーカーやモノレール等の輸送用機械メーカー、さらに近年では太陽光
モジュール製造などの多彩な加工組立型産業の集積が進んでいる。
さらに、中小機械器具関連産業の中には、蓄積された高い技術力をベース
に独自の製品開発や販路開拓を進める企業が見られるほか、愛媛大学や愛媛
県産業技術研究所等との産学官連携による技術開発や商品化への展開に向け
た取組みを行う企業も見られる。
③医療関連産業
東温市では、誘致企業のパナソニック㈱グループ企業が血糖値センサーな
どの医療用電気機械器具を開発したり、地場機械器具企業が医療用ストレッ
チャーや介護用品を製造するなど、医療関連産業が立地している。
また、四国がんセンター、愛媛大学医学部附属病院、民間医療機関など、
医療施設が多数立地し、さらに医療技術者等の養成機関も立地が進んでいる。
超高齢社会の到来や健康志向の高まりに伴い、健康に対する考え方やニー
ズが多様化しており、今後、こうしたニーズに応えられる技術・製品を有す
る企業等の集積を一層推進する。
-6(愛媛県中予地域基本計画)
④食品加工関連産業
伊予市、松前町においては、地場で水揚げされる魚介類を原料とする海産
物加工などの食品加工業が発展してきており、伊予市は削り節、めんつゆの
日本 1 位、2 位の企業(ヤマキ㈱、マルトモ㈱)が立地しているほか、松前町
は小魚珍味の産地としての生産額も全国 1 位である。
また、みかん、伊予柑などの柑橘生産に関連して、みかん果汁の搾汁や缶
詰生産なども行われ、みかん果汁生産量全国トップの企業(㈱えひめ飲料)
もある。
⑤情報サービス関連産業
松山市では、コールセンター等情報通信関連企業の集積が図られており、
これまでに 12 事業所を誘致しており(撤退等を除く)
、進出企業の計画では
3,100 名を超す新規雇用が見込まれている。さらに、グループウェア市場で日
本一のシェアを占める企業(サイボウズ㈱)の製品開発とサポート機能を有
する拠点が存在しており、産学官連携による人材育成等を通した IT 産業基盤
の強化に取り組んできている。
地域内には愛媛大学や松山大学などの教育機関が多く、今後も産学官連携
の下、地域における人材育成から地元での就業までを視野に入れ、若年者や
女性の雇用の受け皿となる都市型産業として、情報サービス関連産業の立地
を促進していく。
(2)具体的な成果目標
集積区域における
集積業種全体の付
加価値額目標
現状
計画終了後
伸び率
2,030 億円
2,205 億円
8.6%
※付加価値額は平成 22 年工業統計調査による。
(3)目標達成に向けたスケジュール
取組事項
25
26
27
28
29
(取組を行う者)
年度
年度
年度
年度
年度
産業用共用施設の整備等に関する事項
①企業ニーズの把握
(県・市町・その他)
②工業用地等の確保・整備
(県・市町・その他)
-7(愛媛県中予地域基本計画)
人材の育成・確保に関する事項
③人材育成の支援
(県・市町・その他)
④人材確保の支援
(県・市町・その他)
技術支援等に関する事項
⑤産学官の連携
(県・市町・その他)
⑥試験研究機関等の技術支援
(県・市町・その他)
その他の円滑な企業立地及び事業高度化のための事業環境整備に関する事項
⑦物流基盤及びインフラの整備
(県・市町・その他)
⑧迅速な企業立地のための支援体制の整備
(県・市町・その他)
広域連携に関する事項
高機能素材活用型産業活性化の支援
(協議会会員)
2 集積区域として設定する区域
①集積区域として設定する区域
松山市、伊予市、東温市、松前町の全域とする。
松前町
伊予市
松山市
東温市
なお、この区域内に含まれる自然公園法に規定する自然公園地域、自然環
-8(愛媛県中予地域基本計画)
境保全法に規定する自然環境保全地域、鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関す
る法律に規定する鳥獣保護区、環境省選定の特定植物群落及び日本の重要湿
地 500 等の環境保全上重要な地域その他国内野生動植物の生息・生育地等の
野生生物にとって重要かつ比較的影響が大きいと考えられる地域については
除くものとする。
②集積地域の可住地面積
松山市、伊予市、東温市及び松前町の可住地面積は 39,024ha である。
(参考)
総面積(ha)
可住地面積(ha)
愛 媛 県
567,818
167,174
松 山 市
42,905
23,998
伊 予 市
19,447
7,990
東 温 市
21,145
5,004
松 前 町
2,032
2,032
(出所)総務省「統計で見る市区町村のすがた 2012」
③集積区域に指定する理由
-9(愛媛県中予地域基本計画)
以下のとおり、本地域は地理的、社会的及び経済的条件からみて一体であり、
産業集積の形成等を効果的かつ効率的に促進することが可能な区域となってい
る。
(地理的条件)
本地域は、道後平野に広がり、中心の松山市から鉄道、郊外電車、バスの
公共交通機関で結ばれ、通勤、通学者も多く、一体となった生活圏、経済圏
を形成している。
地域内には、大学、専門学校、高等技術専門校等の教育機関や、愛媛県産
業技術研究所などの研究機関もあり、産学官の共同研究、人材育成等の面で
も一体的な取組みが行われている。
また、公益財団法人えひめ産業振興財団などの産業支援機関も整備され、
技術面だけでなく、情報提供、販路開拓、マーケティングなど、企業ニーズ
に応えるため、支援機関が一体となって幅広い支援事業が行われている。
(社会的経済的条件)
松山市の従業者 237,867 人のうち、6.9%の 16,457 人は伊予市、東温市、
松前町からの通勤者であり、同じく松山市内の教育機関に通学する 32,617 人
(15 歳以上)のうち、8.9%の 2,891 人が伊予市、東温市、松前町からの通学
者で占められているように、生活圏、経済圏域は一体である(平成 22 年国勢
調査)。
(産業集積との関連)
戦後の復興計画に基づき西部海岸地帯に残された膨大な旧軍事施設用地に
東レ㈱グループ企業の誘致を契機にして、帝人㈱グループなどの化学工業の
企業が相次いで進出し、西部海岸地帯は一大重化学工業地帯を形成している。
また、北部海岸地帯には、大手農機具製造企業の工場が進出し、関連中小
企業や大手ボイラ製造企業の移転による機械工業が集約されているほか、北
条地区に整備された農工団地には、大手ボイラ製造企業と関連企業が立地し、
企業の集積が図られている。
伊予市、松前町においては、地場で水揚げされる魚介類を原料とする海産
物加工などの食品加工業が発展してきた。
東温市においては、昭和 44 年に誘致したパナソニック㈱グループ企業を核
とした、電子部品加工業等の集積が進んだが、現在では、それに加えて血糖
値センサーの開発など医療分野への進出が見られる。
松山市では、若年者や女性の雇用の受け皿となる都市型産業として、近年、
コールセンター等情報通信関連企業の集積が進んでいる。
- 10 (愛媛県中予地域基本計画)
表1
指定集積業種に属する主な企業の分布状況
産業中分類名称
繊維工業
先 端 素 材
化学工業
(塩、医薬品、動物用医
薬品及び化学肥料は除
く)
松山市
帝人㈱、㈱帝松サ
ービス
伊予市
東温市
帝人㈱、帝人化成
㈱、東レ・ファイ
ンケミカル㈱、ダ
イソー㈱、エイ・
ジイ・インタナシ
ョナル・ケミカル
㈱、コスモ松山石
油㈱
松前町
東レ㈱
東レ㈱
㈱コスモ精機
プラスチック製品製造業
東レ㈱
窯業・土石製品製造業
機 械 器 具
非鉄金属製造業
CELCOSOLAR ENERGY
㈱
金属製品製造業
㈱ケン・マツウラ
レーシングサービ
ス、㈱ユタカ、㈱
松山機型工業
はん用機械器具製造業
三浦工業㈱
三浦精機㈱
三浦工業㈱、三浦
テクノ㈱、井関農
機㈱、TMTマシナリ
ー㈱、ヤマセイ㈱、
㈱アテックス、米
山工業㈱、㈱ヒカ
リ、㈱エヌ・ピー・
シー
㈱セルフリーサイ
エンス、システム
エルエスアイ㈱
㈱エクセル電子
㈱横崎製作所、㈱
ヒカリ、㈱サンケ
ミ、㈱中予精工、
ウィンテック㈱
生産用機械器具製造業
業務用機械器具製造業
(医療用機械器具及び動
物用の機械器具は除く)
電子部品・デバイス・電
子回路製造業
入江工研㈱
㈱コスモ精機、ツ
ウテック㈱
大和エンジニアリ
ング㈱
東予産業㈱
医 療
電気機械器具製造業
㈱E-SOLAR
輸送用機械器具製造業
(鉄道及び船舶は除く)
㈱アテックス
光永産業㈱
愛媛三菱農機販売
㈱、四国建設機械
販売㈱
㈱ヰセキ四国
機械器具卸売業
家具・装備品製造業
化学工業
(塩、動物用医薬品及び
化学肥料は除く)
エルマン薬粧㈱、
松田薬品工業㈱
四国TCM㈱
㈱いうら
電気機械器具製造業
食 品 加 工
㈱一六本舗、四国
明治㈱、㈱ビージ
食料品製造業
ョイ、㈱フジデリ
カ・クオリティ
飲料・たばこ・飼料製造 ㈱えひめ飲料、ル
業(酒類、たばこは除く) ナ物産㈱
ヤマキ㈱、マルト
モ㈱、㈱オカベ
パナソニックヘル
スケア㈱、東予産
業㈱
㈱キシモト
ギノーみそ㈱、扇
屋食品㈱
四国乳業㈱
- 11 (愛媛県中予地域基本計画)
飲食料品卸売業
情 報 サ ー ビ ス
情報サービス業
情報通信技術利用業
浅野食品㈱、助六
食品㈱、㈱ダイイ
チフーズ、大栄フ
ーズ㈱、大東青果
㈱
NEC シ ス テ ム テ ク
ノロジー㈱、サイ
ボウズ㈱、㈱ピー
エスシー、デジタ
ル・インフォメー
ション・テクノロ
ジー㈱
ブリッジインター
ナショナル㈱、㈱
もしもしホットラ
イン、㈱ベネフィ
ットワン、富士通
コミュニケーショ
ンサービス㈱、㈱
パソナテック
㈱四国リョーショ
ク、ベストプラネ
ット㈱、四国コ
カ・コーラボトリ
ング㈱
四国国分㈱、㈱日
本アクセス、旭食
品㈱
3 集積区域の区域内において特に重点的に企業立地を図るべき区域
(区域)
次の地域の指定を基本とし、必要に応じて随時追加する。
①工場を集積させる地域として造成された工業団地
②工業団地以外でも、新規立地又は既存工場の規模拡大が見込まれる地域
※具体的な地域については、別表一覧のとおり
4 工場立地法の特例措置を実施しようとする場合にあっては、その旨及び当
該特例措置の実施により期待される産業集積の形成または産業集積の活性化の
効果
(工場立地法の特例措置を実施しようとする区域)
該当なし。
ただし、工場立地法の特例措置の実施については、既存企業の工場拡張や
新規立地において、緑地規制並びに他の関係規制法令及び周辺地域の状況等
の事情により新たな土地取得が困難であり、かつ、当該特例措置を実施する
ことにより生産の増強、付加価値の増大又は雇用創出がある程度見込まれる
場合には、機動的に特例措置を講ずるものとする。
なお、特例措置を講ずる場合にあっては、地域の実情、住民の意思を踏ま
え、特定工場周辺の生活環境の保持を適切に図るとともに、県・市町の環境
保全部局や関係機関と調整するものとする。
- 12 (愛媛県中予地域基本計画)
5 集積業種として指定する業種(本計画において「指定集積業種」という)
(1)業種名
(業種名または産業名)
①先端素材関連産業
②機械器具関連産業
③医療関連産業
④食品加工関連産業
⑤情報サービス関連産業
(日本標準産業分類上の業種名)
①先端素材関連産業
産業中分類名称
繊維工業
化学工業
(塩、医薬品、動物用医
薬品及び化学肥料は除
く)
プラスチック製品製造
業
窯業・土石製品製造業
非鉄金属製造業
はん用機械器具製造業
生産用機械器具製造業
分類
符号
製品内容例
11
ポリエステル繊維、合成繊維、フッ素繊維、アラミド繊維、
炭素繊維
16
DVD用ポリカーボネート樹脂、CD用ポリカーボネート樹脂、
メルトブロー不織布、セルローススポンジ
18
カーボンダーツシャフト
21
23
25
26
炭素繊維複合材料
シリコンウエハ
各種素材加工
金型
②機械器具関連産業
産業中分類名称
分類
符号
製品内容例
金属製品製造業
24
ゲートバルブ、ベローズ
はん用機械器具製造業
25
小型貫流ボイラ、ボイラ
生産用機械器具製造業
26
水処理装置、農業用機械、形状選別機、産業用機械・装置
FA、金属工作機械、超精密樹脂型、太陽電池ラミネーター、
製函機
27
たんぱく質合成装置
28
コネクタ、電子回路基板
29
太陽光モジュール
業務用機械器具製造業
(医療用機械器具及び
動物用の機械器具は除
く)
電子部品・デバイス・電
子回路製造業
電気機械器具製造業
- 13 (愛媛県中予地域基本計画)
輸送用機械器具製造業
(鉄道及び船舶は除く)
機械器具卸売業
31
電動アシストリフト、モノレール
54
農業用機械卸売
③医療関連産業
産業中分類名称
分類
符号
家具・装備品製造業
化学工業
(塩、動物用医薬品及び
化学肥料は除く)
電気機械器具製造業
製品内容例
13
ストレッチャー、介護用ベッド
16
医薬品
29
血糖値センサー、EMS機器ピンボード
④食品加工関連産業
産業中分類名称
分類
符号
製品内容例
09
削り節、つゆ、海産珍味、干物、サプリメント、味噌、み
かん缶詰、和洋菓子、乳製品
10
みかん果汁、乳酸菌飲料、清涼飲料水
52
加工食品卸売、清涼飲料卸売
食料品製造業
飲料・たばこ・飼料製造
業
(酒類、たばこは除く)
飲食料品卸売業
⑤情報サービス関連産業
産業中分類名称
情報サービス業
情報通信技術利用業
分類
符号
39
製品内容例
グループウェア、ソフトウェア
コールセンター
(2)(1)の業種を指定業種とした理由
①先端素材関連産業
「化学工業製品」は、本地域の付加価値額の約 19.6%を占めるなど地域を牽
引する主要産業の一つであり、先端素材を代表する炭素繊維は、東レ㈱(愛
媛工場)が世界 No.1 メーカーとして、世界シェア約 40%(平成 22 年度:東
レ㈱推定)を占めている。さらに、帝人㈱松山事業所では世界初となる炭素
繊維からコンポジット製品の成形加工までを1分以内で連続一貫生産するパ
イロットプラントが設置され、炭素繊維複合材料(CFRP)によるコンポジッ
ト製品事業をリードしている。その他、帝人㈱松山事業所では高機能繊維の
代表格であるアラミド繊維を生産しているほか、帝人化成では、ハイエンド
DVD、次世代光ディスク(ブルーレイディスク)などの高機能・高品質が要求
される光ディスク分野等で使用されるポリカーボネート樹脂を生産しており、
成長市場のアジアでのシェア No.1 となるなど、全国有数の企業が立地してい
る。
- 14 (愛媛県中予地域基本計画)
世界的に見ても自動車、航空機、照明、薄型テレビ等の家電品、高機能携
帯電話等の分野において、素材開発や加工技術開発により軽量化や高品質化
が進められており、先端素材関連分野の広範な技術革新が促されようとして
いる。
本地域には各種材料について世界的シェアを有する産業の集積がなされて
いる強みを生かして、産学官連携の一層の強化を図り、関連産業の更なる集
積と成長分野への展開を支援し、先端素材関連産業の競争力強化を目指す。
②機械器具関連産業
本地域は、大正期創業の農業機械専業メーカー(井関農機㈱)や小型貫流
ボイラ日本一の企業(三浦工業㈱)をはじめとして、高度な加工技術を持つ
部品メーカーやモノレール等の輸送用機械メーカー、さらに近年では太陽光
モジュール製造などの多彩な加工組立型産業の集積が進んでいる。
〔加工組立型産業の 5 年間の伸び率〕
(単位:人、万円)
従業者数
製造品出荷額等
付加価値額
平成 17 年
8,493
15,310,294
5,379,740
平成 22 年
9,435
18,996,428
8,540,540
伸び率
11.1%
24.1%
58.8%
(出所)工業統計調査
さらに、中小機械器具関連産業の中には、蓄積された高い技術力をベース
に独自の製品開発や販路開拓を進める企業が見られるほか、愛媛大学や愛媛
県産業技術研究所などとの産学官連携による技術開発や商品化への展開に向
けた取組みを行う企業も見られる。
今後は、高い技術力を有しながら、知名度が低いものづくり企業のビジネ
スマッチングの支援や情報発信をしていき、機械器具関連産業の集積形成を
更に進め、横の連携強化による活性化を図る。
③医療関連産業
東温市では、誘致企業のパナソニック㈱グループ企業(パナソニックヘル
スケア㈱)が血糖値センサーなどの医療用電気機械器具を開発したり、地場
機械器具企業(㈱いうら)が医療用ストレッチャーや介護用品を製造するな
ど、医療関連産業が立地しており、近年序々にではあるが関連産業の集積の
度合いを強めている。
また、四国がんセンター、愛媛大学医学部附属病院、民間医療機関など、
- 15 (愛媛県中予地域基本計画)
医療施設が多数立地し、さらに医療技術者等の養成機関も立地が進んでいる。
さらに、臨床検査システムやレセプトシステムなどの医療機関向けのシステ
ム開発を手掛ける情報サービス企業も事業を展開している。
今後、超高齢社会の到来や健康志向の高まりに伴い、健康に対する考え方
やニーズが多様化しており、本地域に立地する企業の強みを生かしながら、
多様化するニーズへ対応できる技術・製品を有する企業等の集積を一層推進
し、多様な産業の連携による新たなビジネスの創出を目指す。
④食品加工関連産業
本地域の食品関連産業は、本地域の製造業における付加価値額の 28.2%、
従業者数の 28.2%を占めており、本地域の成長を展望する上で欠くことので
きない基幹産業であり、雇用の面からも存在感の大きい産業となっている。
伊予市、松前町においては、地場で水揚げされる魚介類を原料とする海産
物加工などの食品加工業が発展してきており、伊予市は削り節、めんつゆの
日本 1 位、2 位の企業(ヤマキ㈱、マルトモ㈱)が立地しているほか、松前町
は小魚珍味の産地としての生産額も全国 1 位である。
また、みかん、伊予柑などの柑橘生産に関連して、みかん果汁の搾汁や缶
詰生産なども行われ、みかん果汁生産量全国トップの企業(㈱えひめ飲料)
もある。
今後は、関連企業の集積を進めるとともに、産学官連携による有望分野へ
の戦略的参入の支援を通じて農林水産県としてのポテンシャルを最大限に引
き出していく。
⑤情報サービス関連産業
松山市では、コールセンター等情報通信関連企業の集積が図られており、
これまでに 12 事業所を誘致しており(撤退等を除く)
、進出企業の計画では
3,100 名を超す新規雇用が見込まれている。さらに、グループウェア市場で日
本一のシェアを占める企業(サイボウズ㈱)の製品開発とサポート機能を有
する拠点が存在しており、産学官連携による人材育成等を通した IT 産業基盤
の強化に取り組んできている。
地域内には愛媛大学や松山大学などの教育機関が多く、今後も産学官連携
の下、地域における人材育成から地元での就業までを視野に入れ、若年者や
女性の雇用の受け皿となる都市型産業として、また、情報通信系技術者の育
成拠点として情報サービス関連産業の集積を図る。
本計画では、以上の 5 業種を集積業種として指定し、既存企業の高度化及
- 16 (愛媛県中予地域基本計画)
び新規企業誘致を両輪として発展を支援することで、本地域で形成されてい
る産業クラスターをより強固なものとし、本県の中核産業としての基盤を磐
石なものとすることを目指す。
6
指定集積業種に属する事業者の企業立地及び事業高度化の目標
目標値
指定集積業種の企業立地件数(新規立地・増設)
38 件
指定集積業種の製造品出荷額等の増加額
420 億円
指定集積業種の新規雇用創出件数
1,400 人
7 工場または事業場、工場用地または業務用地、研究開発のための施設又は
研修施設その他の事業のための施設の整備(既存の施設の活用を含む)、高度な
知識又は技術を有する人材の育成その他の円滑な企業立地及び事業高度化のた
めの事業環境の整備の事業を実施する者及び当該事業の内容
(産業用共用施設の整備等に関する事項)
① 企業ニーズの把握
・ 生産計画(工場増設・新設)、雇用計画(従業員増加)
、付属施設整備(物
流倉庫、駐車場、福祉施設)や、土地利用(取得やリース制)等について
聞取調査を行うなど、企業ニーズの把握に努める。
・ 県外における指定集積業種への企業誘致活動を展開する中で、生産能力
増強計画(工場増設・新設)、具体的ニーズ(工場規模、必要とする条件)
の把握に努めるほか、工場適地や空工場等の情報を収集し、パンフレット、
広報誌、ホームページ等を活用し、立地希望企業へ幅広く情報提供をする。
②工場用地等の確保・整備
・ 集積業種の迅速・円滑な立地に向けて、必要に応じて工業団地、農工団
地等の整備を行うほか、民有地や空工場等の活用を促進する。
・ 農地について、農業との調和に十分配慮するほか、都市計画と農林漁業
との調整を行った上で、工業用地として有効な土地利用を図る。
・ 県と愛媛大学が連携・役割分担を行い、炭素繊維加工事業に参入する企
業が利用できる機器の整備・充実を図る。
・ 公益財団法人えひめ産業振興財団が運営する愛媛県産業情報センターで
は、必要に応じてインキュベーション機能の更なる充実を図り、ベンチャ
- 17 (愛媛県中予地域基本計画)
ー企業等を効果的に育成していく。
(人材の育成及び確保に関する事項)
③ 人材育成の支援
・ 集積業種の誘致、ニーズ調査に当たっては、当該事業者がどのような人
材を必要としているか事前把握に努め、県内の大学(愛媛大学、松山大学
など)と連携した企業ニーズに応じた人材の育成を図る。
・ 炭素繊維生産の世界トップメーカーである東レ㈱などの協力を得ながら、
県と愛媛大学が共同で県内の機械・金属加工企業等の従業員を対象にした
炭素繊維加工技術研修を「Car-bon 工房」等で実施していく。
・ 県が策定する「えひめ産業人材力強化戦略」に基づき、
「成長産業が求め
る人材」及び「地場産業を支える中核人材」の育成を基本目標とし、本地
域では県立松山高等技術専門学校を産業人材育成拠点と位置付け、地域の
ニーズに対応した人材育成を推進する。
・ 公益財団法人えひめ産業振興財団に造成された「えひめ中小企業応援フ
ァンド」を活用して、次代を担う新産業の創出と既存産業の高付加価値化・
高度化を図るため、中小企業者における技術開発、商品開発等への重点的
な支援を行う。
・ 県、市町、産業支援機関等は技術・技能者等の人材養成事業を行う企業・
団体に対して、事業経費の助成を通して人材養成の支援を図ることに努め
る。
④ 人材確保の支援
・ 将来の本県のものづくりを支える人材育成のため、中学生による職場体
験や、高等学校、大学、短期大学、高等専門学校等の学生によるインター
ンシップを積極的に推進する。
・ 企業従事者の地元定着を図るためには、高い持ち家志向を考慮して、良
好な自然環境を保ちつつ十分な宅地規模を有するなど、質の高い生活環境
を提供することが重要である。今後も、アメニティに富んだ環境の整備を
進めるとともに、民間による開発整備を適切に誘導整備することを通じて、
質の高い生活環境を形成するよう努める。
(技術支援等に関する事項)
⑤ 産学官の連携
・ 県が主導する研究開発に関する産学官連携ネットワークである「産学官
連携戦略会議」において、戦略の策定から連携推進に係る具体的方策を検
- 18 (愛媛県中予地域基本計画)
討していく。また、産学官関係機関が、技術シーズ・ニーズの情報交換で
きる機会を継続的に創出するほか、大学との連携協力協定を締結するなど、
産学官連携の強化、技術力の向上、新技術の開発を目指した取組みを進め
る。特に、全県的な取組みとして、炭素繊維加工事業に取り組む企業に対
し、東レ㈱などの技術者 OB を活用した技術支援体制を構築していく。
・ 企業と学術機関との共同研究事業の事業経費については、県及び市町にお
いて必要な助成を行うことを通じて新技術、新商品開発の促進に努める。
⑥ 試験研究機関等の技術支援
・ 地域企業の事業内容・技術を熟知している愛媛県産業技術研究所及び愛
媛大学が中心となり、地域企業と大学等の共同研究・技術指導、立地企業
との事業連携の橋渡しを推進し、企業・業界ニーズ等に対応して実施する
試験研究の成果については積極的に PR や技術移転を行い、研究開発力、技
術力向上を支援する。
(その他の円滑な企業立地及び事業高度化のための事業環境整備に関する事
項)
⑦ 物流基盤及びインフラの整備
・ 現在の松山環状線の外側に整備される松山外環状道路(地域高規格道路)
の整備を進め、松山 IC、松山空港、松山港、FAZ 等の広域交通拠点や地域
開発拠点とのアクセス性向上、市内へ流入する交通の分散化を促進し、物
流基盤の向上を図る。これにより松山 IC から松山空港間の所要時間は約 30
分から約 10 分に短縮される。
今後、平成 29 年度開催の愛媛国体に向けた松山外環状道路インター線区
間(国道 33 号~国道 56 号の 4.8km)の供用開始を目指して整備を推進する。
・ JR 予讃線の松山駅付近の約 2.4km において鉄道を高架にすることで交通
渋滞を解消し、駅前広場との一体的整備により広域交通拠点として利便性
の向上を図る。
・ 松山港外港地区コンテナターミナルにおいては、40,000D/W クラスの船舶
が係留可能な公共岸壁(水深-13.0m、バース延長 260m)をはじめとした港
湾整備を進める。
⑧ 迅速な企業立地のための支援体制の整備
・ 企業の意思決定から操業開始が迅速かつ円滑に進むよう、企業立地に係
る県(経済労働部立地推進課)及び市町(企業立地担当課)における窓口
を明確にして、情報提供、許認可等の手続き、人材確保及び地元との調整
- 19 (愛媛県中予地域基本計画)
など様々な面で、企業ニーズに応じたきめ細かな、かつ迅速なサービスを
ワンストップで提供する。
支援体制として、県庁内に副知事を班長とし、関係部長を班員とする「企
業誘致推進班」を組織し、県、関係市町、商工団体、金融機関等からなる
「企業誘致連絡会議」と連絡を密にし、かつ協調して、企業立地の案件に
応じて、情報提供、許認可等申請手続きの支援など、企業ニーズに的確に
応えられる支援等を実施する。
県・市町
県出先機関
(東京、大阪事務所)
相談・意見
立
用地整備、港湾、農地転用、
都市計画、雇用対 策など
地
連携(定期的な連絡・調整)
(企業誘致連絡会議)
企
業
県担当部局
調整
県
(立地推進課)
提案・訪問
調整
市町
(企業立地担当課)
市町担当部局
農業委 員会、地元調整、
工業用 水など
協議・調整
連携
電力会社、通信会社、
金融機関等
連携
公益財団法人
えひめ産業振興財団
連携
高等教育機関
情報交換
経済団体
(広域連携に関する事項)
「企業立地の促進等による地域における産業集積の形成及び活性化のため
の連携に関する基本合意」に基づき、域内に立地する大手素材メーカーが製
造する炭素繊維等の高機能素材を利用した、地域企業による成長産業分野へ
の展開を支援するため、公益財団法人えひめ産業振興財団や愛媛県中小企業
団体中央会、公益財団法人東予産業創造センター等が中心となり、愛媛大学
の「Car-bon 工房」等を利用して行う研究会や研修会等を、県外企業も対象に
加えて実施するなどにより、高度な人材育成や技術開発等に取り組む。
- 20 (愛媛県中予地域基本計画)
8 環境の保全その他産業集積の形成または産業集積の活性化に際して配慮す
べき事項
(地域の環境との調和)
企業は、事業活動を行う上で、安全・安心な住民生活や環境の保全など、
地域社会の持つ様々な価値観と調和をとりながら、地域とともに発展してい
くことが重要である。
そのため、企業が工場立地、増設、拡充等を行う際には、自然・緑地・景
観・生活環境の保全、農林漁業との調和、文化財の保護等に充分配慮しなが
ら、地域の実情・課題に即した適切な土地利用になるよう指導していく。
(環境保全に関する事項)
企業の事業活動は地域の環境に大きな影響を与えることから、立地に当た
っては環境影響評価(環境アセスメント)の適切な実施や、瀬戸内海環境保
全特別措置法、大気汚染防止法、水質汚濁防止法等の環境関連法令の遵守は
もちろんのこと、事業活動における資源やエネルギーの効率的な利用の促進
や産業廃棄物の削減、地域の環境保全活動への参画など企業の社会的責任
(CSR)に基づいた取組みを促すため、県と市町は連携して指導・助言及び普
及啓発を行うとともに、必要な支援に努める。特に、立地企業による汚染が
判明した場合には、周辺地域に汚染が拡散しないよう必要な対策を速やかに
講ずるよう指導する。
具体的には、愛媛県地球温暖化防止実行計画に定める温室効果ガスの削減
目標達成に向けた立地企業の自主的な地球温暖化防止の取組みを促すため、
必要な情報を提供するとともに、効率的なエネルギー利用及び新エネルギー
の導入促進によるクリーンで温室効果ガスの排出が少ない事業活動の定着を
推進するほか、瀬戸内海の環境の保全に関する愛媛県計画に基づき、化学的
酸素要求量(COD)等の含有量に係る総量削減を積極的に実施し、立地企業か
らの産業排水に係る汚濁負荷量の削減のため、処理施設等の改善整備及び維
持管理の適正化について指導する。
また、本地域の事業者から 1,040 千トン(平成 21 年度)の産業廃棄物が排
出されているが、環境への負荷が少ない循環型社会の構築に向けて、3R(発
生抑制・再使用・再生利用)の推進、廃棄物の適正処理の確保及び循環型社
会ビジネスの振興に必要な取組みを行う。
特に、本地域においては、その自然的・経済的地域特性に鑑み、生活環境
の保全、生活排水対策の推進及び光化学オキシダント等に関する監視や指導
の徹底に努めるほか、工業用水の再生利用等の水の効率的利活用を推進し、
更には先導的モデルとなる環境教育・学習の取組みの促進に努める。
- 21 (愛媛県中予地域基本計画)
(安全な住民生活の保全に関する事項)
本県では、
「ともに築こう 安心・安全 明るい愛媛」のスローガンの下、県
民・事業者・ボランティア団体・県・市町・警察等が安全・安心に関するネ
ットワークを構築し、協力・連携して犯罪防止のための自主活動や安全・安
心に配慮した環境づくり等を通じて「犯罪の起きにくい社会づくり」を推進
しているところである。
企業立地の取組みにおいては、これまで立地企業と地域が一体となった防
犯体制の構築や防犯環境の整備等について、警察と十分な協議を行うことに
より、犯罪の未然防止対策を踏まえた円滑な事業推進に努めてきており、今
後とも、警察との良好な関係を維持・増進し、防犯環境の整備や暴力団等の
反社会的勢力の排除、交通安全対策、不法就労活動の防止などについて、地
域の一員として住民やボランティア団体と一体となって取り組み、犯罪の起
きにくい安心で安全なまちづくりに努めるよう要請する。
9 法律第5条第2項第3号に規定する区域における同項第7号の施設の整備
が農用地等として利用されている土地において行われる場合において、当該土
地を農用地等以外の用途に供するために行う土地の利用の調整に関する事項
記載事項なし
10
計画期間
本計画の計画期間は、計画同意の日から平成 29 年度末日までとする。
- 22 (愛媛県中予地域基本計画)