「7つの習慣」第 5 回のレジュメ

「7つの習慣」第 5 回のレジュメ
2011 年 3 月 23 日
第 6 の習慣
相乗効果を発揮する
・今まで見てきた習慣はすべて、相乗効果、つまりシナジーの習慣の準備だといえる。正しく理解
するなら、相乗効果は人生において最も崇高な活動である。残りの習慣すべてが身についているか
どうかのテストであり、またその目的でもある。391 ページ
・人間の四つの独特の性質(自覚・想像力・良心・自由意志)や、Win-Win の精神、あるいは感情
移入のスキルを人生で直面する最も困難な問題の解決に集中させることにより、高いレベルの相乗
効果を生み出すことができる。その結果は、まさに奇跡ともいえる新しい案が生み出され、今まで
存在しなかった全く新しいものが生まれる。391 ページ
・相乗効果とは何なのか。簡単に言ってしまえば、全体の合計が各部分の和よりも大きくなるとい
うことである。それは、各部分の間にある関係そのものも、ひとつの構成要素として存在している
ということを意味している。392 ページ
・自然界において、相乗効果は至るところで見られる。例えば二つの植物を近づけて植えると、根
は重なり合い、土壌を肥やし、それぞれを別々に育てるよりもよく成長する。392 ページ
・相乗効果の本質は、相違点に価値をおき、それを尊重し強みを伸ばし弱さを補完することである。
392 ページ
・組織全体が、新しい方向性、考え方、発想を持って生まれ変わったかのようになる。この雰囲気
は明確に言葉で定義できないが、参加者全員がそれを感じとる。相乗効果により、グループ全体が
一 緒になって古い脚本を排除し、新しい台本を書き始めるのだ。396 ページ
・事前の議題項目などに捉われず自由に連想し、アイディアがアイディアを呼ぶようなミーティン
グに変わっていった。お互いに感情移入をし、勇気を持ち、尊敬と理解を示し、創造的で相乗効果
的なコミュニケーションをするようになった。400 ページ
・
「相乗効果的なコミュニケーション」を行なえば、 一プラス一は八、十六、あるいは千六百にも
なる。高い信頼に基づいて相乗効果が発揮されれば、それは各当事者の最初の提案よりも優れた案
を生み出し、すべての当事者がその案に対して同意することができる。そのうえ、創造的な活動に
参加することを、心から楽しむことになる。そのプロセスから、小さくともひとつの組織文化が形
成される。405 ページ
・高い信頼残高を持っているから、結婚生活において、開放的で率直なコミユニケーションができ
る。Win-Win を考えているからこそ、第三案の存在を確信し、最初のいずれの提案よりも相互利益
1
をもたらす案を探し出すことができるのだ。また、感情移入しながら相手の話を聴き、まず理解し
ようとするからこそ、結論を出すにあたって検討しなければならない価値観の相違や、相手の不安
などを、結合的に把握することができる。そして、双方が同じ理解を持つことができるようになる。
406 ページ
・この各要素(高い信頼残高、Win-Win の考え方、理解してから理解されるコミユニケーション)
を合わせると、相乗効果をつくり出す理想的な環境ができあがる。仏教では、これを「中道」と呼
んでいる.中道は妥協ではない。それは、三角形の頂点のように、より高い次元の選択を意味する。
408 ページ
・原則中心になることで得られる結果のひとつは、自分自身が一体化されることである。論理的、
言語的、左脳だけに頼る深い脚本づけを受けている人は、大きな創造力を必要とする問題に突き当
たったとき、そうした考え方の物足りなさを痛感するだろう。私たちには、右脳もあるのだ。原則
中心になるにつれて、右脳が目覚め、その中で新しい脚本をつくり始めることができる。それまで
は、気づかないままに、右脳の能力を潜在化してしまっていただけである。右脳の知的筋肉が未発
達のままだったか、あるいは子供の時期が過ぎてから左脳ばかりを強調する教育や社会の影響を受
け、右脳が弱体化してしまった結果かもしれない。409 ページ
・直感的、創造的、ビジュアル的な右脳と、分析的、論理的、言語的な左脳の双方を活用すること
ができれば、悩の全体能力を発揮することができるようになる。つまり、自分の頭の中で精神的な
相乗効果を生み出せる。右脳と左脳の双方を活用させることこそ、日常生活に最も適合するやり方
である。なぜなら、人生には論理的なものばかりでなく、感情的な側面も存在しているからである.
412 ページ
・あなたが相乗効果を発揮すれば、第四の習慣の態度(Win−Win を考える)と、第五の習慣のス
キル(理解してから理解される)と、第六の習慣のエネルギー(相乗効果を発揮する)とを、抑止
力を省く方向に直接向けることができる。その抑止力となっている問題について、安心して話せる
雰囲気を醸し出すことができる。抑止力は、水が溶けるように作々に消え失せていくことだろう。
420 ページ
・生態系という言葉は、基本的に自然界の持つ相乗効果を表現するものである。あらゆるものが、
ほかのすべてのものと関係し合っている。そうした関係の中で、創造的な力が最大限に生かされる。
「7 つの習慣」の本当の力は、個々の習慣にあるのではなく、その相互関係にあるのだ。424 ページ
・各部分の間にある関係こそが、家族、あるいはそのほかの組織の中に、相乗効果的な文化をつく
り出す秘訣である。人々が真剣に参加し、誠心誠意、継続的に問題を分析し解決しようとするとき、
全員の創造力が解放され、つくり上げた案に対して実行する決意をする。これこそ、世界市場を大
きく変革した日本の生産システムや改善運動の秘訳でもある。424 ページ
第 7 の習慣
刃を研ぐ
・森の中で木を倒そうと、 一所懸命にノコギリをひいているひとりのきこりに出会ったとしよう。
「何をしているんですか」とあなたはき訊く。すると、「見れば分かるだろう」と、無愛想な返事
が返ってくる。「この木を倒そうとしているんだ」、「すごく疲れているようですが、いつからやっ
てるんですか」あなたは大声で尋ねる。「かれこれもう五時間だ。くたくたさ。大変な作業だよ」。
「それじゃ、少し休んで、ついでにそのノコギリの刀を研いだらどうですか。そうすれば仕事がも
っと早く片づくと思いますけど。」とあなたはアドバイスをする。
「刃を研いでいる暇なんてないさ。
切るだけで精いっぱいだ」と強く言い返す。432 ページ
・第七の習慣は、刃を研ぐ時間をとる習慣である。第七の習慣は、ほかのすべての習慣を可能にす
2
るから、
「7 つの習慣」の成長の連続体の図では、第七の習慣がほかのすべての習慣を取り囲んでい
る。432 ページ
・第七の習慣は個人の PC(目標達成能力)である。それは、あなたの持つ自分自身という最も大
切な資源を維持することである。つまり自分の中にある自然から授かった四つの側面〈肉体的側面、
精神的側面、知的側面、社会・情緒的側面)のそれぞれを再新再生させることである。433 ページ
・動機づけ論や組織論も、この4つの側面を取り上げている。経済性(内体)、処遇(社会・情緒)、
人材育成 人事(知性)、そしてその組織の提供するサービス 仕事 貢献の形(精神)の四つである。
433 ページ
・刀を研ぐとは、基本的にこの四つの能力のすべてを表現することである。つまり、自分の中にあ
る自然から授かった四つの側面を、定期的に、 一貫して、賢明に、バランスよく、磨きそして向
上させることである。433 ページ
①肉体
・肉体的側面で刃を研ぐことは、自分の身体を大切にすることである。バランスのとれた栄養のあ
る食事をとり、十分な休養を心がけて、定期的に運動することである。434 ページ
・よい運動のプログラムとは、家で実行できるものであり、身体を「持久力」
「柔軟性」
「強さ」と
いう三つの側面で鍛えるものである。434 ページ
②精神
・精神的な側面を再新再生することは、人生に自己リーダーシップを発揮することである。この側
面の再新・再生は、第二の習慣と非常に深く関係している。439 ページ
・私の場合は、毎日聖典を読み、祈りと瞑想をすることによって、向分の精神の再新再生を図って
いる。それが私の価値観を表わすものだからだ。聖典の言葉について深く考えるとき、私は再生さ
れ、強められ、自分の中心を取り戻し、奉仕をする新たな決意が湧いてくる。440 ページ
・名作といわれる古典文字や素晴らしい音楽に接することによって、同じように再新再生ができる
人もいるだろう。あるいは、自然の中に人って再新再生される人もいるかもしれない,自然に接す
ることにより、人は大きな思恵を授かることができる。都会の雑音と雑踏から逃れ、自然の詞和が
とれたリズムの中に自分の身を任せると、再新再された状態で帰って来ることができる。やがてま
た、都会の雑踏と不調和に徐々に侵され始めるが、しばらくの間は、何があっても揺るがない平和
が保たれることだろう。440 ページ
③知性
・知的能力の開発は、そのほとんどが正式な教育によってなされる。しかし、 一度学校を卒業し
てしまうと、多くの人の知力は弱体化の道をたどる。つまり、真剣な読書をしなくなり、自分の専
門を超えた新しい分野の探究も分析的な考察もせず、書くことさえもしなくなる。そして、深く分
析したうえで、明確かつ筒潔に自分の考えを表現する力を試そうともしない。代わりに、テレビを
見るのに時間を費やす。444 ページ
・教育(継続的に自分の思考能力を磨き、それを高める活動)は、知的側面の再新再生にとって必
要不可欠なものだ。時によっては、学校や体系化された学習プログラムなど、外側から規制された
訓練が必要な場合もある。だが、ほとんどの場合はそうではない.主体的な人であれば、自分自身
を教育するために、自ら様々な方法を見出すことができるだろう。445 ページ
・定期的に優れた本を読むこと以上に、自分の精神を高め、養う方法はない。これもまた波及効果
の大きい第二領域の活動である。そうした読書によって、かつて存在した偉人たちの思考や知識に
接し、その足跡に触れることができるからだ。私がお勧めしたいのは、最初は一か月に一冊読むと
いうペースで始め、次いで二週間に一冊、 一週間に一冊、とベースを作々に上げていくというも
のである。
「読まない人は、読めない人と何ら変わりはない」のだ。446 ページ
3
・私は、刀を研ぐ最初の三つの側面―内体、精神、知性―のことを毎日の私的成功と呼んでいる。
あなたの今後の人生において、毎日一時間をこの私的成功の時間として過ごすように奨励したい。
447 ページ
③社会 情緒
・社会 情緒的側面は、第四、第五、第六の習慣と深くかかわっている。それは、人間関係におけ
るリーダーシップ、感情移入のコミュニケーション、創造的な協力の原則に基づいているものであ
る。447 ページ
・私は、自分の価値観に対して忠実に生きることこそ、自尊心を呼び起こす源だと確信している。
今流行の成功に関する文献に説かれているような、自尊心は態度の問題であるとか、あるいは思い
込むことによって心の平安が得られる、などといった主張には、私は同意できない。
・心の平安は、自分の生き方が、正しい原則とそれに基づいた価値観とに調和しているときにのみ
得られるものである。ほかの方法はあり得ない。450 ページ
・自己の再新・再生のプロセスを効果的に行うためには、人間の持つ四つの重要な能カ――肉体、
精神、知性、社会・情緒――すべてにわたって、バランスよく刃を研ぐ必要がある。455 ページ
・再新・再生の活動がバランスよく行なわれれば、活動そのものが相乗効果的なものになる。この
四つの側面は深い相互関係にあるため、ひとつの側面で刀を研ぐことは、ほかの側面にも良い影響
を及ぼすことになる。身体の健康は精神の健康に影響し、精神力は社会・情緒的な力と能力に影響
する。ある能力を改善すれば、ほかの側面の能力が高まるのである。458 ページ
スパイラル・アップ
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☆この DVD に収録されている映像作品について
8.「本当に言いたいこと」
コミュニケーションの問題について考える映像です。場面はアメリカのあるレストランのランチ
タイムです。このレストランで行われている四つの会話が入れ替わり立ち代わり次々に出てきます。
いずれもコミュニケーションがうまくいっていません。その原因は何なのかを考えながら見て下さ
い。ちょっと極端かもしれませんが、ビデオのようなコミュニケーションを多かれ少なかれ、私た
ちも普段やっていると言えるでしょう。皆さんが毎日の生活の中で、コミュニケーションをとるの
に苦労した場田を思い出してください。私たちのコミュニケーションの問題点は、どこにあるでし
ょうか。
9.「モーリシャス」
皆さんは「モーリシャス」という国をご存知ですか。ここでは、様々な相違点があるにも関わら
ず、努力によって、相乗効果が発揮されています。モーリシャスは、インド洋に浮かぶ小さな島で
すが、非常に複雑な歴史を経て、様々な人種、宗教が混在しています。少しの違いによって争いの
種になりがちなところを、彼らは大変な努力をして、相乗効果を発揮し、平和な共存社会を維持し
ています。彼らがどんな努力をしているのか、彼らがどんなパラダイムを持っているのか、どのよ
うにして相達点を尊び合っているのか、というところを見てください。このモーリシャスを一つの
組織として見た時に、参考になる点としてどんなことが考えられるでしょうか。
10.「サバイバル/リバイパル」
私たちは、刃を研ぐことにより自分の「PC(日標達成能力)を高めることができます。そして、
「PC」が高まれば「P(日標達成)」が生まれやすくなります。この映像では、二つの生活様式が
展開されます。
前半は、白黒で撮影されています。
「P」だけに集中した生活様式がそこに展開されます。朝から
晩まで、第Ⅰ領域と第Ⅲ領域の緊急事項に追われる生活です。「第 7 の習慣」で学習した個人的な
「PC」活動はそこには見られません。後半は、カラーに変わります。そして、本来のバランスの
取れた、個人的な「PC」を維持した生活様式が映し出されます。
皆さんは日々の忙しさの中で刃を研ぐことを怠っていることはないでしょうか。この映像を見な
がら、あなた自身の生活を振りかえって考えてみてください。
以上
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