占冠村 - 自然エネルギー研究センター 株式会社NERC

占冠村地域新エネルギービジョン
平 成 18年 2月
北海道占冠村
目
第1章
次
地域新エネルギービジョン策定の背景と目的
第1節
エネルギー問題と地球温暖化問題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
第2節
新エネルギー政策と導入目標量・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
第3節
占冠村における新エネルギービジョン策定の背景と目的・・・・・・・・・8
第4節
事業実施体制と進め方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
第5節
使用する単位等の整理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
第2章
占冠村の地域特性
第1節
自然環境条件・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
第2節
社会経済条件・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
第3節
歴史文化的背景・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33
第3章
新エネルギーの解説
第1節
新エネルギーとは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・35
第2節
太陽エネルギー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・36
第3節
風力エネルギー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・38
第4節
バイオマスエネルギー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・39
第5節
雪氷熱エネルギー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・42
第6節
廃棄物発電・熱利用・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・43
第7節
温度差エネルギー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・44
第8節
需要サイドのエネルギー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・45
第9節
その他の再生可能エネルギー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・48
第4章
占冠村の新エネルギー賦存状況
第1節
賦存量の考え方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・51
第2節
太陽光・太陽熱エネルギー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・52
第3節
風力エネルギー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・56
第4節
バイオマスエネルギー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・61
第5節
雪氷熱エネルギー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・70
第6節
廃棄物発電・熱利用・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・74
第7節
温度差エネルギー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・76
第8節
需要サイドのエネルギー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・77
第9節
その他の再生可能エネルギー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・81
第10節
新エネルギー賦存量のまとめ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・83
第5章
占冠村のエネルギー使用状況
第1節
公共分野・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・85
第2節
民生分野・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・93
第3節
産業分野・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・104
第4節
運輸分野・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・106
第5節
エネルギー使用状況のまとめ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・107
第6章
新エネルギー導入の基本的方向
第1節
総合開発計画と新エネルギーの関わり・・・・・・・・・・・・・・・・113
第2節
新エネルギー可採量からの評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・・116
第3節
エネルギー使用状況からの評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・・118
第4節
新エネルギー導入可能性の総合評価・・・・・・・・・・・・・・・・・120
第5節
新エネルギー導入目標の検討・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・128
第6節
新エネルギー導入の基本方向・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・131
第7章
新エネルギーの重点的導入
第1節
重点プロジェクトの選定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・141
第2節
重点プロジェクトの検討・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・143
第3節
重点プロジェクトに関する主な支援制度・・・・・・・・・・・・・・・166
第4節
重点プロジェクトによる新エネルギー導入量と二酸化炭素削減規模・・・168
第8章
導入スケジュール
第1節
実行プログラム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・169
第2節
新エネルギー導入目標量と二酸化炭素削減目標値の設定・・・・・・・・171
第3節
省エネルギー対策の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・172
第9章
新エネルギー導入推進に向けての施策検討
第1節
ビジョン策定後の取り組み・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・174
第2節
新エネルギー導入推進における役割・・・・・・・・・・・・・・・・・176
第3節
新エネルギーの導入推進体制・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・177
第4節
支援制度・法制度・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・179
第5節
普及啓発事業・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・183
資料
・ 助成制度一覧・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
・ 占冠村地域新エネルギービジョン策定委員会設置条例・・・・・・・・・11
・ 占冠村地域新エネルギービジョン策定委員会委員名簿・・・・・・・・・12
第1章 地域新エネルギービジョン策定の背景と目的
第1節
エネルギー問題と地球温暖化問題
(1)エネルギー問題
① 増えつづけるエネルギー消費
日本は従来から石油に大きく依存したエネルギー供給の構成となっています。1970 年代
に 2 度の石油危機をきっかけに、省エネルギーや石油代替エネルギーへの取り組みを進め
ましたが、1980 年代後半から、石油価格の低下、快適さ、利便さを求めるライフスタイル
などを背景にエネルギー消費は増え続けています。
日本のエネルギー消費量の推移は、2003 年にはジュール換算 15,912PJ(ペタジュール、
1015J)、と 1980 年比較で 1.4 倍、1990 年比較で 1.2 倍の増加をしており、部門別には運
輸部門と民生部門が増加傾向にあります。
石油危機前にはエネルギー供給の約 8 割が石油でしたが、天然ガス、原子力、海外炭の
導入が進み、今では石油 50%・石炭 20%・天然ガス 14%・原子力 12%・水力 3%となっ
ており、その中で新エネルギーは 2%(2002 年)のシェアに留まっています。しかし、エ
ネルギーの自給率は約 4%(原子力を自給と考えても約 20%)しかありません。
図 1-1-1 日本の最終エネルギー消費量の推移
PJ
18,000
16,000
14,000
12,000
10,000
8,000
運輸(貨物)
(旅客)
民生(業務)
(家庭)
6,000
4,000
産業
2,000
0
1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003
年
(資料)資源エネルギー庁「2003(平成 15)年度エネルギー需給実績について」
② 化石燃料は有限
世界、特にアジアや中国などの国々では、今後の経済成長に伴い石油や石炭、天然ガス
といった化石燃料(古代地質時代の動植物の死骸が化石化し、燃料となったもの)の需要
がますます大きくなると予想されています。
現在、採掘可能な石炭は 192 年分もありますが、石油は 41 年、天然ガスはあと 67 年と
され、今後新たな油田の発見の可能性もありますが、いずれにしろ限りある資源です。そ
1
のなかでも最も消費が伸びると予想されている石油は、政情の不安定な中東地域に偏在し
ています。
石油や天然ガスが残り少なくなれば、エネルギー価格が高騰するとともに、日本が必要
な資源を確保することが困難になる恐れがあります。このように、国内に資源が乏しく、
エネルギーの大部分を石油をはじめとする化石燃料に依存している日本は、世界のエネル
ギー情勢の変化に大きく影響される可能性があります。
(資料)経済産業省「日本のエネルギー2005」、財団法人新エネルギー財団パンフレット、NEDO「新エネルギーガ
イドブック」
図 1-1-2 世界のエネルギー資源可採年数(2003 年)
年 250
192
200
150
100
85
67.1
50
41
0
石油
石炭
天然ガス
ウラン
(資料)BP 統計 2003(石油、天然ガス、石炭)、OECD/NEA-IAEA URANIUM2003(ウラン)
(2)地球温暖化問題
① 地球温暖化
世界的に深刻な環境問題の1つに地球温暖化問題があります。地球の平均気温は 15℃前
後と、生物が生きるのに適した環境に保たれてきました。気温に大きな影響を与えるのが
大気中に含まれている水蒸気、二酸化炭素(CO2)、メタンなどの「温室効果ガス」と呼ば
れる気体(ガス)です。しかし、産業革命以降、化石燃料を大量に燃焼させるなど、人の
活動に伴って排出される量が急速に増えたため、近年は大気中のCO2排出濃度が上昇し続け
ています。
2001 年に公表された気候変動に伴う政府間パネル(IPCC)第 3 次評価報告によれば、
20 世紀の 100 年間に世界の平均気温は約 0.6℃、平均海水面が 10∼20cm それぞれ上昇し、
北半球の中高緯度では大雨の頻度が増加した可能性が高いことなど様々な気候の変化が観
測されています。同報告書では、過去 50 年間に観測された温暖化の大部分は人の活動に伴
う温室効果ガス濃度の増加が原因となっている可能性が高いと結論づけています。
IPCC では、このままでは、2100 年に地球の平均気温が 1.4∼5.8℃上昇し、将来温暖化
に伴う影響として様々な気候の変化によって局地的な大雨や干ばつが起こったり、極端な
猛暑や寒波が襲ってくるなどの予測をしています。
2
CO2排出量についてみると、世界のCO2排出量の 4 分の 1 はアメリカ一国(人口は世界の
4.6%)で排出しており、先進国(アメリカ、日本、西欧などのOECD加盟国。人口は世界
の 14%)だけで世界のCO2の約 6 割を排出していることがわかります。図 1-1-3 に人口一
人当たりの排出量の比較を示しました。
図 1-1-3 世界各国の一人当たりのCO2排出量の比較(2000 年)
インド
1.1
アフリカ諸国
1.2
東南アジア諸国
1.6
2.2
中国
EU(15ヶ国)
8.2
日本
9.4
9.9
ロシア
アメリカ
19.8
0
5
10
15
20
25
t/人-CO2換算
(資料)アメリカオークリッジ国立研究所
② 温暖化を防ぐための取り組み
1985 年にオーストリアで開かれた会議に参加した科学者たちの呼びかけによって、温暖
化問題は急速に国際政治の問題として捉えられるようになりました。1988 年のカナダで開
かれた会議では「トロント目標」として具体的な数値目標を示した勧告が出され、同年、
世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)が、世界の科学者で構成する国連気候変
動政府間パネル(IPCC)を設立しました。
IPCC の科学的な知見の充実を踏まえ、1992 年のブラジルのリオデジャネイロで開かれ
た地球サミット直前の国連総会で気候変動枠組条約が成立、94 年に発効しました。
この気候変動枠組条約は「大気中の温室効果ガス」の濃度安定化を目的としており、「先
進国」「開発途上国」「旧ソ連、東欧諸国」それぞれに異なる義務を定めています。
1995 年に第 1 回締約国会議(COP1)が開かれ、以後 2004 年までに 10 回開かれていま
す。この間、1997 年の COP3 において、先進国に対して法的拘束力のある温室効果ガスの
数値目標(2008∼2012 年までに先進国全体で少なくとも 5%削減)を定めた京都議定書が
採択されました。
「京都議定書」は、2004 年末のロシアの批准により 2005 年 2 月に正式発効となり、今
日、世界各国において温暖化対策の本格的履行が求められています。
(資料)環境省「平成 17 年版環境白書」、気候ネットワーク「よくわかる地球温暖化問題」、NEDO「新エネルギーガ
イドブック」
3
表 1-1-1 気候変動枠組条約締約国会議の変遷と京都議定書発効まで
年
名称
1995
COP1
1996
COP2
1997
COP3
1998
COP4
2000
COP6
再開会合
ボン
(ドイツ)
マラケシュ
(モロッコ)
デリー
COP8
(インド)
ミラノ
COP9
(イタリア)
2004年11月
2001
COP7
2002
2003
2004
京都
(日本)
ブエノスアイレス
(アルゼンチン)
ボン
COP5
(ドイツ)
ハーグ
COP6
(オランダ)
2001年3月
1999
2001
開催地
ベルリン
(ドイツ)
ジュネーブ
(スイス)
COP10
ブエノスアイレス
(アルゼンチン)
2005年2月
ポイント
第3回会議までに、先進国の温室効果ガスの削減目標を設定する議定書を
作成することを決定。(ベルリン・マンデート)
特定のタイムフレームの中で排出抑制及び相当の削減のための数量化され
た法的拘束力のある目的を設定することを決定。
各国毎に法的拘束力のある温室効果ガスの削減目標を設定。さらに、京都メ
カニズム(排出量取引、共同実施、クリーン開発メカニズム(CDM))の導入に
合意。(京都議定書)
京都メカニズムの具体的なルールや遵守の問題について、COP6での決定を
目指して検討することを合意。(ブエノスアイレス行動計画)
日本及び欧州諸国が2002年までの京都議定書発効の必要性を主張。「ブエ
ノスアイレス行動計画の実施」を再確認。
京都メカニズムの具体的なルールや遵守の問題について、合意に至ることな
く中断。
アメリカが京都議定書から離脱
2002年の京都議定書発効に向けて基本的に合意。森林の吸収枠も各国毎に
設定するなど、具体的ルールに関する議論も進展したが、遵守の問題などは
先送りとなった。(ボン合意)
京都メカニズムのルールを作成。ただし、遵守の問題、途上国関連の問題な
どは今後の協議事項とされている。(マラケシュ合意)
京都議定書に基づく報告・審査ガイドラインが策定され、クリーン開発メカニズ
ム(CDM)の手続きについて整備される。
森林吸収源CDM事業実施のための細則、特別気候変動基金と後発途上国
基金の運営指針を合意。京都メカニズムの運用ルールがすべて決定。
ロシアが京都議定書に参加
森林吸収源の算定方法の手法、小規模植林CDMの細則を合意。一方、2013
年以降の取り組みについては議論がまとまらず、05年末以降の検討開始に
向け情報交換を行うことが決定。
京都議定書発効
(資料)NEDO「新エネルギーガイドブック」、EIC ネット
京都議定書では、先進国の温室効果ガスの数値目標を定めました。先進国全体では、1990
年と比較して 5.2%削減することとし、日本の削減目標はマイナス 6%削減です。しかし、
2003 年度の日本の総排出量は 1990 年と比べ、8.3%増加しており、この分を加算すると 14%
の削減が必要となっています。
表 1-1-2 京都議定書の概要
対象ガス
基準年
約束期間
数値目標
二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、HFC、PFC、SF6
1990年(HFC・PFC・SF6 は1995年としてもよい。日本は95年を基準にしている。)
2008∼2012年の5年間(第1約束期間)
先進国全体で少なくとも5.2%削減を目指す。 各国毎の目標→日本△6%、米国△7%、
EU△8%等。
バンキング
目標期間中の割当量に比べて排出量が下回る場合には、その差は次期以降の割当量
に繰り越すことができる。
吸収源
90年以降の植林・再植林・森林減少による吸収・排出分を数値目標にカウントする。第2
約束期間には人為的な吸収源の範囲拡大を適用できる(第1約束期間でも選択可能)。
共同達成
数値目標を複数の国が共同で達成することができる仕組み(EUはこの方法を選択)。
京都メカニズム
国際的に協調して費用効果的に目標を達成するための仕組み。
●共同実施(JI) 先進国間で共同でプロジェクトを実施し、排出削減単位を移転・獲得できる仕組み。
●クリーン開発メカ 先進国と途上国内で排出削減等のプロジェクトを実施し、その結果の削減量・吸収量を
ニズム(CDM)
排出枠として先進国が取得できる。
●排出量取引
先進国間で、割当量と取引できる仕組み。
(資料)環境省「平成 17 年版環境白書」、気候ネットワーク「よくわかる地球温暖化問題」
4
第2節
新エネルギー政策と導入目標量
(1)日本の新エネルギー政策
エネルギー資源に乏しい日本は、石油代替エネルギーへのシフトを図るため、1980 年に
「石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律」(通称「代エネ法」)を制定し
ました。代エネ法は、エネルギーの安定的かつ適切な供給の観点から、石油代替エネルギ
ーの開発及び導入を促進する法的枠組みです。
また、経済産業大臣の諮問機関である総合エネルギー調査会では、総合的なエネルギー政
策を確立するため、エネルギー需給の将来像を示しつつ、エネルギー安定供給に向けた取
り組みを促す観点から、
「長期エネルギー需給見通し」を策定しています。2001 年に改定し
た「わが国の新エネルギー導入実績と目標」では、現行対策で維持する場合の基準ケース
と、さらに追加的な政策努力を講じる目標ケースが併記されています。この目標達成のた
め、省エネルギー推進とあわせて様々な施策を講じる必要があるとしています。
新エネルギー供給量については、目標ケースにおける 2010 年度で原油換算 1,910 万 kl
とし、全体の一次エネルギー総供給の 3%程度と設定されています(表 1-2-1)。
1997 年に「新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法」(通称「新エネ法」
)が施行
され、2002 年 1 月には一部改正されバイオマスエネルギーと雪氷熱エネルギーが追加され、
省エネルギー対策と併行した新エネルギー導入促進が図られています。
加えて、同年 12 月、バイオマスのエネルギー及び製品(バイオマスプラスチック等)と
しての総合的な利活用をめざす「バイオマス・ニッポン総合戦略」が閣議決定され、内閣
府・農林水産省・経済産業省・国土交通省・環境省・文部科学省が横断的に連携し、バイ
オマスの総合的な利活用を進めるとしています。
又、電気事業者に新エネルギー等から発電される電気を一定量以上利用することを義務化
した「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」(RPS 法)が、2003
年 4 月より発効しています。
地球温暖化対策としては、日本政府は 1990 年に温室効果ガスの排出抑制を目指す「地球
温暖化防止行動計画」を策定し、CO2排出量を 2000 年以降、1990 年レベルに安定化させ
るという目標を設定しました。その後、京都議定書の合意を受け、1998 年に「地球温暖化
対策推進法」が成立し、
「地球温暖化対策推進大綱」を閣議決定しました。このなかでは「エ
ネルギー供給面のCO2排出削減対策の推進」として新エネルギーの加速的導入が位置付けら
れています。
その後、2002 年に「地球温暖化対策推進法」の改正を受け、新大綱を決定しました。基
本的な考えとして「環境と経済の両立」「節目の進捗見直し」「各界・各層が一体となった
取り組みの推進」「国際的連携の確保」と方針をまとめています。
2004 年は新大綱の評価・見直しを行い、新大綱を引き継ぐものとして、京都議定書の 6%
削減約束の達成に向けた対策・施策を明らかにした京都議定書目標達成計画が、2005 年 4
月に閣議決定されました。あわせて「地球温暖化対策推進法」が改正され、6 月に公布され
ました。そのなかで、推進本部の所掌事務の追加を行うとともに、特定排出者に係る温室
効果ガスの排出量の報告等の措置が講じられました。
5
表 1-2-1 日本の新エネルギー導入実績と導入目標
2010年度見通し/目標
現行対策維持ケース
目標ケース
2010
原油換算 設備容量 原油換算 設備容量 原油換算 設備容量
/2002
万kl
万kW
万kl
万kW
万kl
万kW
15.6
63.7
62
254
118
482
約 8倍
発 太陽光発電
18.9
46.3
32
78
134
300
約 7倍
電 風力発電
分 廃棄物発電
152.0
140.0
208
175
552
417
約3.6倍
野
バイオマス発電
22.6
21.8
13
16
34
33
約1.5倍
太陽熱利用
74
72
90
約1.2倍
熱 未利用エネルギー
4.6
9.3
5
約1.1倍
利 (雪氷冷熱を含む)※1
用
廃棄物熱利用
164
4.4
186
約1.1倍
分
477
308※2
野 バイオマス熱利用
黒液・廃材等※3
471
483
約1.0倍
新エネルギー供給計
923
272
878
523
1,910
1,232
約 2.1倍
(一次エネルギー総供給構成比)
1.6%
1.4%
3.0%
一次エネルギー総供給
約5.9億kl
約6.2億kl
約6.0億kl
※1:未利用エネルギーには、雪氷熱を含む.
※2:輸送用燃料におけるバイオマス由来燃料(50万kl)を含む.
※3:黒液・廃材等はバイオマスの1つであり、発電として利用される分を一部含む.黒液・廃材等の導入量は、
エネルギーモデルにおける紙パルプの生産水準に依存するため、モデルで内生的に試算する。
7
9
19
新エネルギー供給計
約2.7倍
21
20
20
水力(一般水力)
約 1倍
エ 地熱
1
1
1
約 1倍
ネ 再生可能エネルギー供給計
29
30
40
約1.4倍
ル
4.9%
4.8%
7.0%
ギ (一次エネルギー総供給/構成比)
593
622
602程度
一次エネルギー総供給
2002年度実績
ー
供
給
サ
イ
ド
の
新
エ
ネ
ル
ギ
再
生
可
能
ー
新 クリーンエネルギー自動車 ※1
エ
ネ 天然ガスコージェネレーション ※2
ル
ギ
燃料電池
11.4万台
89万台
348万台
約31倍
202万kW
344万kW
464万kW
約2.3倍
1.2万kW
4万kW
220万kW
約183倍
ー
需
要
サ
イ
ド
の
※1:クリーンエネルギー自動車には、電気自動車、燃料電池車、天然ガス自動車、ハイブリッド車、メタノール
自動車、更にディーゼル代替LPガス自動車を含む.
※2:天然ガスコジェネには、燃料電池によるものを含む.
(資料)経済産業省資源エネルギー庁「日本のエネルギー2005」
(2)北海道の新エネルギー政策
北海道経済部は 1998 年に「新エネルギー・ローカルエネルギービジョン」を策定した後、
新エネルギー導入量を原油換算で 2010 年までに 1995 年比で 2.8 倍の約 87 万 kl にするこ
とを掲げました。2001 年には「省エネルギー・新エネルギー促進条例」を施行し、この条
例に基づき 2002 年 2 月に「北海道省エネルギー・新エネルギー促進行動計画」を策定しま
した。この「行動計画」では、道は事業者などによる積極的な新エネルギー導入によって、
目標年次(2010 年度)における新エネルギーの導入量を、原油換算で 187.2 万 kl とするこ
とを目標としています(表 1-2-2)。
2003 年度の道内新エネルギー供給量は、原油換算で 205 万 kl となり、「行動計画」の目
標値を達成しました。発電は風力と廃棄物、熱利用は廃棄物とバイオマスがそれぞれ導入
量を増やし、目標量を上回りましたが、太陽光や太陽熱で導入に遅れが目立っています。
導入量が最も多いのは中小水力発電で、次いでバイオマス熱利用となっています。
一方、北海道環境生活部は、1998 年に「北海道環境基本計画」を策定し、2010 年の温室
6
効果ガス排出量を 1990 年比で 9.2%削減するとして、2000 年に「北海道地球温暖化防止計
画」を打ち出しました。ちなみに道民 1 人当たりのエネルギー起源の年間CO2排出量は、3.43
tで全国平均より 1.3 倍高くなっています(1997 年)。排出量の内訳をみると冬期の暖房用
と自動車による排出が全国平均と比べて多いことが特徴です。
表 1-2-2 北海道の新エネルギーの導入目標値
区 分
発
電
分
野
供
給
サ 熱
イ 利
ド 用
分
野
太陽光発電
風力発電
中小水力発電
廃棄物発電
バイオマス発電
波力発電
潮力発電
地熱発電
太陽熱利用
水温度差
雪氷
地熱(熱水利用)
排熱利用
廃棄物熱利用
バイオマス熱利用
2003年度実績
2010年度目標
目標達成率
設備容量等 原油換算 設備容量等 原油換算 設備容量等 原油換算
万kW
万kl
万kW
万kl
%
%
0.82
0.17
25.3
6.2
3.2
2.8
24.6
11.3
20.0
10.7
123.1
105.4
78.6
89.2
81.6
104.4
96.3
85.4
17.3
22.1
14.7
19.4
117.5
113.8
0.7
0.9
2.2
2.9
31.5
31.9
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
5.0
3.8
5.0
4.7
100.0
80.4
0.7
18.3
4.0
1.8
2
88.4
0.025
0.8
3.1
5.0
5.4
93.4
1.4
1.3
104.8
29.6
0.5
5914.2
35.6
1.1
3233.6
燃 廃棄物燃料製造
料
固形化
分
野
再生油
3.7
9.5
38.9
3.2
8.8
36.5
0.5
0.7
69.2
187.2
109.6
小 計
127.0
需 コージェネレーション
要
サ 燃料電池
イ
ド クリーンエネルギー自動車
合 計
87.3
48.8
179.0
0
10.3
0.0
0.48
16.5
2.9
205.2
148.8
214.8
205.2
187.2
109.6
※ 供給サイドのうち「波力発電」,「潮力発電」については技術開発段階のため目標を設定していない.
(資料)北海道省エネルギー・新エネルギー促進行動計画、道経済部資源エネルギー課
(3)新エネルギー導入の意義
新エネルギーの特徴としては、太陽光や風力のように、①再生可能で、②無尽蔵・無限
に存在し、③CO2を増大させないクリーンなパワーであることがあげられます。これには、
雪氷やバイオマス(稲わら・木くず・食品残さ・家畜ふん尿等)やリサイクル型の廃棄物
なども含まれ、いずれも地域固有のものとして分散型であり、さらに循環的に利活用する
ことにより環境負荷を低減させることが可能です。
新エネルギーを積極的に利用していくことは、
1)地域毎の環境保全を前提としながら、
2)導入可能な新エネルギーの種類の選択や、その活用方法の新たな分野を拡大し、
3)総体としてその地域づくり・街づくりの新たな展望を切り開くとともに、
4)エネルギーの安定供給・自給率の向上を導く、
という、正に 21 世紀を担う次世代への継承にも繋がる重要なテーマとなっています。
7
第3節
占冠村における新エネルギービジョン策定の背景と目的
(1)地域新エネルギービジョン策定等事業とは
新エネルギーを促進するために、国は個人レベルの利用者、事業者、そして各自治体に
対し、補助金を交付したり事業資金の融資を行っています。
地域新エネルギービジョン策定等事業は、新エネルギーの先進的事業の育成を目的に、
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO 技術開発機構)を通じて地域レベルで新エ
ネルギーを導入するにあたって、各地方公共団体等の取り組みを円滑化するため、地方公
共団体等が当該地域における新エネルギーの導入や地域住民への普及啓発を図るため必要
となる「ビジョン」策定に要する費用の補助を行うものです。
現在、実施地方公共団体は全国 798 ヵ所、北海道 54 ヵ所(平成 17 年 3 月末)あり、上
川支庁管内では、旭川市、風連町、下川町、中川町、美瑛町、東川町の 6 ヵ所が策定して
います。
(2)背景
占冠村は、北海道のほぼ中央、上川支庁管内の最南端に位置しており、雄大な日高山脈
と夕張山脈に挟まれた美しい自然が広がる静かな山村、山岳観光地です。人口は 1960 年の
4,705 人を頂点に減少傾向が続き、1981 年に 1,432 人と北海道内で最も人口の少ない村に
なりました。その後リゾート開発を機に一時増加、平成 17 年 6 月末では 1,539 人となって
います。
総面積 571.33km2のうち 95%が森林で、林業は、農業とともに村を支える基幹産業とし
ての役割を果たしてきました。そのため村では、森林と共生しながら林業に関するさまざ
まな取り組みを行っており、中でも山菜の生産加工量と売上高は北海道随一となっていま
す。また、トマム地区のリゾート開発は経営主体が替わるなど紆余曲折がありましたが、
現在スキーやアウトドアなど豊かな自然環境という地域資源を活用したリゾートの推進を
図っています。
今日、地球規模では環境問題、特に温暖化に対する取り組みが求められており、一方、
地域では過疎化や少子高齢化問題などに直面する社会にあって、新エネルギーの導入によ
るCO2削減、その有効活用による雇用創出や地域活性化が期待されています。
占冠村の新エネルギー活用の具体的テーマとしては、地域産業との関連では、山菜の生
産・加工やリゾートとの新エネルギー活用の可能性が考えられます。エネルギー源として
は、占冠村の森林を活かした森林系バイオマス、観光施設等からの生活系バイオマス、農
業系・畜産系バイオマスなどの地域に賦存するバイオマスエネルギーのほかに、寒冷積雪
の気候を利用した雪氷熱エネルギー、小水力発電等の利活用が考えられます。
(3)目的
上述の背景を踏まえ、占冠村新エネルギ−ビジョン策定の目的を次の 5 項目とします。
① 村内全域の新エネルギー賦存量を調査・推計する。
② 域内に賦存するエネルギーの利用可能性に関する専門的検討を行い、新エネルギーの実
8
際的導入の可能性を明らかにする。
③ 占冠村の総合開発計画、むらづくり計画等との整合を図り、地域全般にわたる新エネル
ギー導入・普及啓発に関わる基本計画及び施策の基本的な方向を明らかにする。
④ 地域産業の振興に繋がる重点プロジェクトを設定し、その実行プログラムを明示する。
⑤ ビジョン策定及び策定後の具体的推進に当っては地域住民、地元企業の意思を反映する
協働の取り組みが重要であることから、村民及び地元企業参加のビジョン策定を行う。
(4)占冠村総合開発計画との関連
占冠村では、
「豊かな自然の恵みが、地域の特性を活かした活力ある産業・健康で心豊か
な人を育み、安心して暮らせるむらづくり」をテーマとした「占冠村総合開発計画
平成
11∼平成 20 年」(1999∼2008 年)を定めています。
「占冠村総合開発計画」では、
「豊かな自然のなかで」を基調に以下の 7 つの基本計画を
定めています。
1)豊かな自然の中でゆとりとうるおいのあるむらづくり
2)豊かな自然の中で安全で快適に暮らせるむらづくり
3)地域の特性を活かした力強い産業を育むむらづくり
4)豊かな自然の中で、みんな仲良く、健康で、楽しく、明るく、ゆったりと暮らし
ていけるむらづくり
5)自然の中で心豊かな人と文化を育み生きがいのもてるむらづくり
6)参加と交流で人の和をつくるむらづくり
7)公開と住民参加で開かれたむらづくり
この中の特に、3)地域の特性を活かした力強い産業を育むむらづくりでは、
「エネルギ
ー」の項目において、「地域の特性に応じたクリーンエネルギーの開発・導入に向けた調査
を行い、地域振興策として農業や観光などの産業面に有効活用できるように検討する」こ
とが掲げられています。
「占冠村新エネルギービジョン」では、これらの基本計画に連動させ、地域資源を活か
した地域のエネルギー利用と地域活性化や新たな産業創造のための対策づくりについて検
討します。
9
第4節
事業実施体制と進め方
(1)事業実施体制について
ビジョン策定は、学識者・有識者・村内事業者・民間団体などのさまざまな立場で構成
される「新エネルギービジョン策定委員会」において検討を行います。
事務局(経済課産業グループ)は、地域新エネルギービジョン策定委員会において会長・
副会長・委員との打合せや調整を行います。同時に委託調査機関との業務分担及び調査を
行い、重点プロジェクトとの総合開発計画との整合性を図ります。さらに新エネルギー導
入の先進地を視察したり、先進事例を広く住民・団体に紹介するなどの普及啓発活動や、
その他ビジョン策定事業に関わる業務を担います。
図 1-4-1 は本事業の実施体制を、図 1-4-2 は占冠村役場内部の関係部署の連携とその取り
組み体制(庁内検討委員会)を表しています。役場内でも課や担当を超えた横断的に連携
を図りながら庁内調整を行います。
図 1-4-1 実施体制フロー
参画
新エネルギービジョン策定委員会
説明
住民・団体
事務局
庁内検討委員会
意見
委託
報告
委託調査機関
図 1-4-2 庁内検討委員会の構成
村長
経済課産業グループ
商工観光労政担当
総務課
事務局
事業の財源調整等
経済課産業グループ
産業グループ主幹
産業全体の調整等
環境に関する事項
農業に関する事項
畜産に関する事項
林産に関する事項
住民税務グループ
生活に関する事項
教育委員会
教育施設に関する事項
10
(2)進め方
新エネルギービジョン策定においては、地域特性を十分に踏まえることがなによりも重
要な視点です。占冠村においてもこの視点に基づき、地域特性を明らかにするための調査・
検討に重点を置いて進めます。
これらの調査は委託調査機関が、事務局と緊密な連携をとりながら行い、その結果に関
する検討は、ビジョン策定の要となる策定委員会・庁内検討委員会で行います。
策定委員会(及び庁内検討委員会)は年 4 回開催し、各会議のテーマについては次の内
容を予定しています。
【第 1 回
策定委員会】
さまざまな立場の委員・役場職員が、新エネルギーの知識を深めることを目的に、新エ
ネルギーに関する基礎知識や先進導入事例について学習します。また今回のビジョン策定
の目的と位置付けについて意識の共有化を図り、占冠村の地域特性を把握します。
【第2回
策定委員会】
占冠村の新エネルギー賦存量の調査結果をもとに、新エネルギーの供給面からの地域特
性を把握します。併せて占冠村のエネルギー使用量の調査結果よりエネルギー需要状況を
明らかにし、CO2排出量を算出するとともに、エネルギー需要供給構造の特徴を明確にしま
す。
【第3回
策定委員会】
占冠村全域の新エネルギー導入の基本方向を検討し、新エネルギー導入目標値を検討し
ます。更に地域として重点を置くべきプロジェクトを定め、省エネルギー・CO2削減効果を
検討するとともに、導入促進に向けての施策を検討します。
【第4回
策定委員会】
ビジョン策定後の新エネルギー導入を推進するための体制、村民への普及啓発活動、事
業者への支援体制等を検討し、今後の導入スケジュールを検討します。
11
第5節
使用する単位等の整理
(1)エネルギー単位
エネルギーの種別により、様々な単位が使われています(表 1-5-1)。本報告書では、す
べてのエネルギーを比較検討するために国際単位である「ジュール(J)」を基本的なエネ
ルギー単位とします。なお、桁数が大きくなる場合は各単位に接頭記号を用いた表示をし
ます。
・ 1 ジュール(J):100g の物体を 1m 持ち上げるのに要するエネルギー
・ 1 カロリー(cal):1g の純水の温度を 1℃上げるのに必要な熱量=4.1855J
※栄養学のカロリー(Cal または kcal)は 1,000cal
・ 1 ワット時(Wh):1W の電力を 1 時間使用=3.6kJ
・ 1キロワット時(kWh)=1,000Wh(例:100W 電球を 10 時間使用)=860kcal
(1 馬力(HP)=632kcal/h=0.735kW)
桁数の接頭記号:k(キロ)=1,000、M(メガ)=1,000,000、G(ギガ)=1,000,000,000
表 1-5-1 エネルギー単位換算表
キロカロリー
(kcal)
キロワット時
(kWh)
0.278
1
0.00116
1.08×104
1.16×104
239
860
1
9.25×106
107
メガジュール
(MJ=106J)
原油換算キロリットル
(kL)
1
0.0258×10-3
3.6
0.0930×10-3
0.00419
1.08×10-7
4
3.87×10
1
4.19×104
1.08
石油換算トン
(toe)
0.0239×10-3
0.0860×10-3
10-7
0.925
1
(資料)資源エネルギー庁「総合エネルギー統計」
(2)各種エネルギーの単位発熱量及びCO2排出係数
本報告書では、単位発熱量とCO2係数は表に示した数値を用います。
表 1-5-2 各種エネルギーの単位発熱量とCO2排出係数
燃料名
電力
原油
灯油
重油(A)
ガソリン
軽油
液化石油ガス(LPG)
都市ガス
液化天然ガス(LNG)
天然ガス
一般炭(輸入)
単位発熱量
二酸化炭素排
出係数
固有単位
発熱量(MJ)
kWh
3.6
0.49
L
38.2
0.0684
L
36.7
0.0679
L
39.1
0.0693
L
34.6
0.0671
L
38.2
0.0687
kg
50.2
0.0598
41.1
0.0513
m3
kg
54.5
0.0494
3
40.9
0.0494
m
kg
26.6
0.0906
単位
kgCO2/kWh
kgCO2/MJ
kgCO2/MJ
kgCO2/MJ
kgCO2/MJ
kgCO2/MJ
kgCO2/MJ
kgCO2/MJ
kgCO2/MJ
kgCO2/MJ
kgCO2/MJ
(資料)環境省地球環境局「事業者からの温室効果ガス排出量算定方法ガイドライン」(平成 15 年 7 月)
12
第2章
第1節
占冠村の地域特性
自然環境条件
(1)地勢
占冠村は、北海道のほぼ中央部、上川支庁管内の最南端に位置し、東北は南富良野町、
南は日高町、平取町、西は夕張市、穂別町と隣接し、村界のほとんどが分水嶺で成り立っ
ています。村名の占冠(しむかっぷ)とは、アイヌ語のシモカプ(shimokap)から転訛し
たもので「甚だ静かで平和な上流の場所」という意味です。その名の由来の通り、周囲 360
度山と森林に囲まれた自然豊かな静かで平和な村です。村は日高山脈、夕張山脈に挟まれ
た盆地で、村の中央部に山間部を源流とする鵡川が東西に流れ太平洋に注ぎ、鵡川の流域
に沿って集落が散在し、耕地や宅地として利用されています。居住区は、完全な盆地内に
あり、最低海抜 250m、最高海抜 650mの高山地域です。
交通アクセスでは新千歳国際空港から車で約 2 時間、JR(特急)で約 1 時間 10 分、北
海道観光の拠点としても期待されています。
図 2-1-1 占冠村の位置図
(資料)北海道占冠村公式ホームページ
(資料)昭文社「日本地図帳」
13
(2)土地利用
図 2-1-2 に、占冠村の土地利用の状況を示しています。
占冠村は、東西 37.2km、南北 27.7km、面積は 571.33km2です。総面積のうち 95%は山
林で占められています。田畑は 1.5%、宅地 0.1%にすぎません。そのため、限られた土地
を計画的に有効利用しながら、景観に配慮し、地域の特性を活かした街づくりに取り組ん
でいます。
現在、景観への取り組みとして、国道 237 号及び道道夕張新得線の一部を対象とした「ふ
れあいの道事業」の推進と景観形成地区にも指定されたトマム地区のリゾート産業の誘致
により、中央とトマム地区では新しい街並みが整備されてきています。
(資料)占冠村総合開発計画
図 2-1-2 占冠村の土地利用状況
その他
雑種地 0.9%
1.3%
田
0.3%
畑
1.2%
原野
2.0%
宅地
0.1%
田
畑
宅地
池沼
山林
牧場
原野
雑種地
その他
合計
池沼
0.0%
牧場
0.0%
面積(ha)
161
702
61
28
53,813
4
1,135
735
492
57,131
(資料)平成 16 年度固定資産概要調書
(平成 16 年度発行 占冠村勢要覧資料編)
山林
94.2%
(3)気候
表 2-1-1 に 22 年間の占冠村の気象概況を表 2-1-2 に 2004 年度のアメダス観測データ(中
央地区)と表 2-1-3 に北海道開発局観測データ(トマム地区)を用いた月別平均で表示して
います。
また、アメダス観測データ(中央地区)については図 2-1-3 に 22 年間の平均気温、図 2-1-4
に 2004 年度の占冠村の平均気温と最高気温・最低気温の比較、図 2-1-5 に平均風速、
図 2-1-6
に日照時間、図 2-1-7 に降水量、図 2-1-8 に積雪の深さ最大について全道各地点と比較して
それぞれ図示しています。
(注)全道各地は 1979∼2000 年の 22 年間の観測データ、占冠の中央地区とトマム地区の比較がある場合は、ト
マム地区の観測期間にあわせて中央地区も 2004 年度の観測データで比較しています。
14
表 2-1-1 占冠村の気象(中央地区)
平均気温
最高気温
最低気温
平均風速
日照時間
降水量 積雪の深さ最大
単位
℃
℃
℃
m/s
時間
mm
cm
統計期間 1979∼2000 1979∼2000 1979∼2000 1979∼2000 1986∼2000 1979∼2000 1982∼2000
資料年数
22.0
22.0
22.0
22.0
15.0
22.0
19.0
1月
-10.3
-4.0
-18.2
1.5
72.9
51.7
69.0
2月
-9.8
-3.2
-18.3
1.6
94.0
35.3
79.0
3月
-4.6
0.8
-11.8
1.8
127.1
64.8
83.0
4月
2.7
8.4
-3.0
1.9
134.6
81.7
52.0
5月
9.1
15.4
2.6
2.0
139.0
100.4
0.0
6月
14.1
19.9
8.6
1.8
127.1
67.1
0.0
7月
18.2
23.3
13.9
1.6
111.0
120.9
0.0
8月
19.1
24.0
14.9
1.5
113.2
194.6
0.0
9月
13.9
19.4
9.3
1.5
106.7
169.6
0.0
10月
7.0
13.0
1.7
1.5
106.0
129.6
1.0
11月
0.3
4.9
-4.3
1.7
65.2
124.2
21.0
12月
-6.2
-1.3
-12.0
1.5
57.2
74.9
41.0
全年
4.5
10.1
-1.4
1.7
1250.3
1214.7
346.0
(資料)気象庁アメダス観測データ(統計期間 1979−2000)
(注1)最高気温:毎正時 24 個のうち最も高い値
(注2)最低気温:毎正時 24 個のうち最も低い値
(注3)平均気温・平均風速:毎正時 24 個の値の平均
(注4)積雪の深さ最大:各月の最大値の平均
表 2-1-2 占冠村の気象(2004 年度中央地区)
単位
統計期間
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
全年
平均気温
℃
2004年度
-9.8
-10.2
-4.2
2.0
10.6
15.8
19.2
18.1
14.5
7.5
2.7
-7.0
5.2
最高気温
℃
2004年度
3.5
0.4
6.7
19.6
24.5
26.8
31.4
30.1
24.4
20.7
17.0
7.0
31.4
最低気温
℃
2004年度
-30.6
-29.9
-26.8
-10.8
-3.0
2.2
5.6
5.2
6.1
-5.7
-19.4
-24.7
-29.3
平均風速
m/s
2004年度
1.4
1.5
2.1
1.7
1.6
1.3
1.2
1.2
1.3
1.4
1.8
1.4
1.5
日照時間
時間
2004年度
85.9
76.4
104.0
123.7
130.8
136.9
112.7
117.3
114.6
95.9
74.5
39.6
1207.1
降水量 積雪の深さ最大
mm
cm
2004年度
2004年度
68.0
68.0
45.0
45.0
62.0
62.0
100.0
52.0
182.0
0.0
95.0
0.0
101.0
0.0
159.0
0.0
162.0
0.0
36.0
4.0
131.0
37.0
104.0
58.0
1373.0
90.0
(資料)気象庁アメダス観測データ(統計期間 2004 年度)
表 2-1-3 占冠村の気象(2004 年度トマム地区)
単位
統計期間
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
全年
平均気温
℃
2004年度
-9.3
-9.9
-4.7
1.3
9.4
15.1
18.3
16.8
13.4
6.8
2.1
-6.6
4.4
最高気温
℃
2004年度
2.4
-0.9
5.8
17.6
23.3
24.8
30.0
28.5
24.7
20.0
15.2
6.2
16.5
最低気温
℃
2004年度
-29.6
-25.6
-25.3
-13.7
-3.7
1.1
2.3
2.7
2.4
-6.8
-20.1
-23.0
-11.6
平均風速
m/s
2004年度
2.5
2.9
3.8
3.2
2.9
2.5
2.2
2.0
2.5
2.6
3.4
3.5
2.8
(資料)北海道開発局観測データ(統計期間 2004 年)
(注)日照時間についてはデータが得られなかったので、表示していない。
15
降水量 積雪の深さ最大
mm
cm
2004年度
2004年度
41.0
76.0
3.0
104.0
20.0
128.0
73.0
49.0
190.0
0.0
61.0
0.0
79.0
0.0
60.0
0.0
159.0
0.0
23.0
0.0
103.0
4.0
63.0
43.0
875.0
404.0
占冠村の月別平均気温は、最も低い 1 月の−10.3℃、最も高い 8 月の 19.1℃と寒暖の差
が大きく、全道各地と比べて秋冬は低位、春夏は中位で推移しています。
図 2-1-3 全道各地点との比較における占冠村の平均気温
占冠
苫小牧
札幌
岩見沢
小樽
稚内
旭川
北見
帯広
函館
25
20
15
℃
10
5
0
-5
-10
-15
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
(資料)気象庁アメダス観測データ(統計期間 1979−2000)
2004 年度で比較すると、年平均気温は中央地区もトマム地区もほとんど変わりません。
中央地区の最高気温は 7 月の 31.4℃、最低気温は 2 月の−30.6℃となっています。トマム
地区の最高気温は 7 月の 30℃、最低気温は 1 月の−29.6℃となっています。
占冠村は内陸性気候に属し、寒暖の差が大きいことがわかります。
図 2-1-4 占冠村の平均気温・最高気温・最低気温の比較
平均気温(中央地区)
最高気温(中央地区)
最低気温(中央地区)
平均気温(トマム地区)
最高気温(トマム地区)
最低気温(トマム地区)
40
30
20
℃
10
0
-10
-20
-30
-40
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
(資料)中央地区:気象庁アメダス観測データ(2004 年度)、トマム地区:北海道開発局観測データ(2004 年度)
16
占冠村中央地区は、山林に囲まれているため、強い風は山に遮られて、風は年間を通し
て弱く安定しています。年平均風速は 1.7m/s です。2004 年度で比較すると、トマム地区で
は、年平均風速 2.8m/s と中央地区 1.5m/s に比べて若干強い風が吹いています。
図 2-1-5 全道各地点との比較における占冠村の平均風速
占冠
中央
トマム
苫小牧
札幌
岩見沢
小樽
稚内
旭川
北見
函館
6
5
m/s
4
3
2
1
0
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
(資料)全道各地:気象庁アメダス観測データ(統計期間 1979−2000)占冠中央地区:気象庁アメダス観測デー
タ(2004 年度)、トマム地区:北海道開発局観測データ(2004 年度)
日照時間は全道各地と比べて少なく、年間を通してみると 5 月が 139 時間/月で最も多く、
12 月が 57.2 時間/月と最も少なくなっています。
図 2-1-6 全道各地点との比較における占冠村の日照時間
2500
2000
h/年
1500
1000
500
(資料)気象庁アメダス観測データ(統計期間 1986−2000)
17
江
差
函
館
帯
広
釧
路
根
室
北
見
旭
川
稚
内
留
萌
小
樽
岩
見
沢
札
幌
浦
河
苫
小
牧
占
冠
0
占冠村中央地区は降水量が全道各地と比較して多い地域です。特に 8 月は 194.6mm/月も
の降水量があります。1年間の合計では 1,214.7mm の降水量です。
2004 年度で比較すると、トマム地区の1年間の合計は 875mm で、全道各地と比較する
と少ない地域です。トマム地区は、中央地区に比べて降水量は少ないことがわかります。
図 2-1-7 全道各地点との比較における占冠村の降水量
1400
1200
mm/年
1000
800
600
400
200
函
館
帯
広
釧
路
根
室
北
見
旭
川
稚
内
留
萌
小
樽
岩
見
沢
札
幌
浦
河
ム
苫
小
牧
トマ
中
央
占
冠
0
(資料)全道各地:気象庁アメダス観測データ(統計期間 1979−2000)、占冠中央地区:気象庁アメダス観測デ
ータ(2004 年度)、トマム地区:北海道開発局観測データ(2004 年度)
積雪の深さ最大は、全道各地と比較して高い地域です。3 月の 83cm/月が積雪の深さ最大
が最も高くなります。降雪は例年 10 月から 4 月までの期間に記録されています。降雪は平
野部で 1m前後、山間部では 1mを越しています。
2004 年度で比較すると、トマム地区は、中央地区に比べて積雪の深さ最大は多いことが
わかります。
図 2-1-8 全道各地点との比較における占冠村の積雪の深さ最大
140
cm(年間最大積雪)
120
100
80
60
40
20
函
館
帯
広
釧
路
根
室
北
見
旭
川
稚
内
留
萌
小
樽
岩
見
沢
札
幌
浦
河
トマ
ム
苫
小
牧
中
央
占
冠
0
(資料)全道各地:気象庁アメダス観測データ(統計期間 1982−2000)、占冠中央地区:気象庁アメダス観測デ
ータ(2004 年度)、トマム地区:北海道開発局観測データ(2004 年度)
18
第2節
社会経済条件
(1)人口
占冠村の人口は、平成 12(2000)年国勢調査で 1,028 世帯、1,873 人(男 993 人、女 880
人)となり、平成 7(1995)年調査に比べると、世帯数は 142 世帯減少で、人口は 231 人
減少、12%の減少率です。最新データでは、平成 17(2005)年 6 月末で 754 世帯、1,539
人となっています。
人口が最も多かったのは昭和 35(1960)年で、4,705 人、842 世帯を数えましたが、昭
和 40 年代に入ってからの社会、経済の変動に伴い、急激に減少しました。昭和 56(1981)
年の JR 石勝線の営業開始及び石勝高原総合レクリエーション施設の整備によって、人口は
増加傾向に転じ、平成 2(1990)年の国勢調査では 2,721 人と昭和 45(1970)年の水準ま
で回復しました。しかし、近年は景気後退によるリゾート施設運営の縮小等によるホテル
及び関連企業従業員等の流出により、現在まで減少傾向が続いています(図 2-2-1)。
世帯数も人口とともに減少傾向にあります。1 世帯当たり平均人員は、昭和 55(1980)
年には 2.53 人から、平成 12(2000)年には 1.82 人に減少しています。
(資料)住民基本台帳、占冠村総合開発計画
図 2-2-1 占冠村の人口と世帯数
1,800
5,000
1,600
4,500
1,400
4,000
3,500
1,200
3,000
1,000
2,500
800
2,000
600
1,500
400
1,000
200
500
0
大正9年
0
昭和5年 昭和15年 昭和25年 昭和35年 昭和45年 昭和55年 平成2年 平成12年
世帯数(戸)
人口(人)
(資料)平成12年国勢調査
地区別世帯数・人口の推移をみると中央地区は安定的に推移しており、トマム地区は平
成 2(1990)年に劇的な増加を遂げたあと減少しました。双珠別地区は昭和 35(1960)年
には最も人口の多い地区でしたが、その後減少傾向が続いています。現在、人口は主に中
央とトマム地区に集中し、占冠・ニニウ・双珠別地区は少なくなっています(図 2-2-2)。
19
図 2-2-2 占冠村の地区別世帯数・人口の推移
1200
1600
1400
1000
1200
1000
800
600
人
世帯数
800
600
400
400
200
200
0
昭和35年 昭和45年 昭和50年
双珠別 世帯数
中央 世帯数
双珠別 人口
中央 人口
昭和55年 昭和60年
占冠 世帯数
占冠 人口
平成2年
平成7年
ニニウ 世帯数
ニニウ 人口
0
平成12年
トマム 世帯数
トマム 人口
(資料)平成12年国勢調査
5 歳階級別男女人口では、年少人口(0∼14 歳)が 12%(229 人)、生産年齢人口(15∼
64 歳)が 75%(1,355 人)、老齢人口(65 歳以上)が 15%(289 人)となっています(図
2-2-3)。
推移をみると、年少人口、生産年齢人口ともに減少傾向にあり、老齢人口の構成比は平
成 2 年(1990)の 7.5%、平成 7(1995)年の 11.1%、そして平成 12(2000)年の 15%
と増加しています。
図 2-2-3 占冠村の 5 歳階級別男女人口
140
120
100
80
人
男
女
60
40
20
15 14
∼
20 19
∼
25 24
∼
30 29
∼
35 34
∼
40 39
∼
45 44
∼
50 49
∼
55 54
∼
60 59
∼
65 64
∼
70 69
∼
75 74
∼
80 79
85 ∼ 8
歳 4
以
上
9
∼
10
5∼
0∼
4
0
年少人口
生産年齢人口
(資料)平成12年国勢調査
20
老齢人口
(2)経済と産業
占冠村の全就労人口は 1,270 人(平成 12 年国勢調査)です。人口の減少は産業構造にも
大きな変化をもたらし、第一次産業の減少と第三次産業の増加が年々進んできました。
産業別就業人口構成比では、第3次産業が全体の 80.7%を占め、中でもサービス業は全
体の 61.2%を占めます。第1次産業は全体の 7.7%を占めています。第2次産業は全体の
11.6%、中でも建設業が 6.6%を占めています(図 2-2-4、図 2-2-5)。ここ 10 年間で第 1 次
産業及び第 2 次産業が減少し、第 3 次産業が大幅に増加しています。
図 2-2-4 占冠村の産業別就業人口
800
昭和60年
平成2年
平成7年
平成12年
700
600
500
400
300
200
100
(資料)平成12年国勢調査
21
公務
第3次産業
サ ー ビ ス業
電 気 ・カ ゙ ス
運 輸 ・通 信 業
金 融 ・保 険 ・不 動 産 業
第2次産業
卸 売 ・小 売 業
製造業
建設業
第1次産業
鉱業
漁業
林業
農業
0
図 2-2-5 占冠村の産業別就業人口構成比
第1次産業
就業者数
60
31
0
農業
林業
漁業・水産養殖
構成比
5.1%
2.6%
0.0%
第1次産業
7.7%
第2次産業
11.6%
第2次産業
第3次産業
卸売・小売業
金融・保険業
不動産業
運輸・通信業
電気・ガス・水道業
サービス業
公務
第3次産業
80.7%
就業者数
95
7
2
36
3
722
87
就業者数
1
78
58
鉱業
建設業
製造業
構成比
8.1%
0.6%
0.2%
3.1%
0.3%
61.2%
7.4%
構成比
0.1%
6.6%
4.9%
(注)構成比は四捨五入しているため、産業別構成比の合計と合致しない。
(資料)平成12年国勢調査
〔参考〕産業振興への村民の期待
平成 10 年に行われた住民アンケート(20 歳以上の村民 1,438 人を対象、回収率 40.7%)
によると、「村の行政で今後力を入れるべきものは」の〔産業振興〕の項では、「雇用対策」
が 22.9%と最も多く、次いで「観光と農林業の連携」17.3%、
「特産品開発」12.3%と続き
ます。また、
「今後の村づくりで重点にしてほしい分野」では、群を抜いて 29.6%が「産業
振興と雇用の場」と答えています(図 2-2-6)。
図 2-2-6 村の行政で今後力を入れるべきもの〔産業振興〕
その他
1.2
観光と農林業の連携
17.3
林産物加工
2.6
観光資源の発掘
8
観光案内の充実
7.4
雇用対策
22.9
起業化
3.2
特産品開発
12.3
新規作物の奨励
1.5
新規就農業
4.3
0
5
10
(資料)占冠村総合開発計画
22
15
20
25
(%)
① 農業
農業は、開拓以来、基幹産業として振興してきましたが、農業者の高齢化と後継者不足
で、就業人口は年々減少し、平成 14(2002)年の農家戸数は 56 戸となっています。平成
10(1998)年までは専業が最も多く占めていましたが、その後年々減少し、平成 11(1999)
年からは 2 種兼業が最も多くなりました。
畜産飼養頭数でみると、乳用牛が最も多く、肉用牛、採卵鶏が年々増加してきています。
また、馬、山羊の飼育もされています(表 2-2-1、図 2-2-7、図 2-2-8)。
農業の生産量は、牧草が圧倒的に多く、青刈とうもろこしも比較的多くなっています。
いずれも家畜用飼料作物です。てんさい、小豆、春植馬鈴薯も生産されています。生産量
は多くないもののかぼちゃ、メロンやほうれんそうも栽培されており、味は高い評価を受
けています。
肉用牛は黒毛和種で、道内で最も古い肉牛の産地の1つです。全国各地に肥育素牛とし
て出荷されていきます。足腰が強く丈夫な牛として高く評価されています。
農業販売高は総額 380 百万円で、その 9 割近くを畜産が占めます。
(表 2-2-2、図 2-2-9)。
表 2-2-1 占冠村の農業推移
農家数
専業
内
1種兼業
訳
2種兼業
世帯員数
うち満16歳以上
基幹的農業従事者数
経営耕地面積
田
内
畑
訳 うち牧草専用地
樹園地
家
肉用牛
畜
乳用牛
飼
馬
養
山羊
頭
採卵鶏
数
戸
戸
戸
戸
人
人
人
ha
ha
ha
ha
ha
頭
頭
頭
頭
羽
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年
平成14年
58
59
58
56
56
56
27
28
25
20
20
21
6
6
4
9
9
9
25
25
29
27
27
26
189
178
187
173
173
147
156
153
159
155
155
130
77
73
70
111
111
86
608.8
612.72
599.82
602.81
602.81
602.81
175.6
180.22
177.75
121.05
121.05
121.05
425.5
432.5
418.37
481.76
481.76
481.76
159.2
159.64
202.5
376.7
376.7
376.7
3.7
3.7
318
345
345
348
432
447
745
697
706
605
654
618
2
43
71
78
25
30
30
15
10
90
2
200
220
(資料)農業センサス、農業基本調査
23
図 2-2-7 占冠村の専業・兼業農家数推移
(戸)
70
60
50
40
30
20
10
0
平 成 9年
平 成 10年
総数
平 成 11年
平 成 12年
専業
平 成 13年
1種 兼 業
平 成 14年
2種 兼 業
(注)1 種兼業:農業が主 2 種兼業:兼業が主
(資料)農業センサス、農業基本調査
図 2-2-8 占冠村の家畜飼養頭数推移
800
700
(頭・羽)
600
500
400
300
200
100
0
平成9年
肉用牛
平成10年
平成11年
乳用牛
平成12年
馬
平成13年
山羊
平成14年
採卵鶏
(資料)農業センサス、農業基本調査
表 2-2-2 占冠村の農業生産物推移
春植馬鈴薯
小豆
てんさい
青刈とうもろこし
牧草
作付面積(ha)
収穫量(t)
作付面積(ha)
収穫量(t)
作付面積(ha)
収穫量(t)
作付面積(ha)
収穫量(t)
作付面積(ha)
収穫量(t)
平成9年度 平成10年度 平成11年度 平成12年度 平成13年度 平成14年度
5
4
4
3
7
3
146
116
112
87
20
87
10
8
8
8
4
12
20
17
15
12
4
21
15
9
11
9
9
5
603
494
373
340
487
361
53
59
68
75
76
76
2,910
3,240
3,690
4,090
4,096
4,100
631
630
629
629
629
621
22,100
22,600
21,500
22,100
21,952
21,300
(資料)農林水産統計年報
24
図 2-2-9 占冠村の農業販売高
450
400
350
畜産
耕種
百万円
300
250
200
150
100
50
0
平成9年度
平成10年度 平成11年度 平成12年度 平成13年度 平成14年度
(資料)農林水産統計年報
② 林業
占冠村の森林面積は、52,845ha と全面積の 95%を占め、このうち国有林 90%、村有林 4%、
その他民有林 6%となっています(表 2-2-3、図 2-2-10、表 2-2-4)。
村有林とその他民有林を合わせた一般民有林 5,203ha の人工林率は 32%であり、無立木
地もあることから、植栽の推進と人工林の除間伐、天然林改良などの施業、不在森林所有
者の森林施業の促進と活用林分の公有林化、森林組合の育成強化、林道・作業路の整備を
進めています。
森林育成には長期間を有することから、補助事業の導入と村単独の助成制度を創出し、
民有林育成に努めています。
林産業としては、製材工場が 1 社ありますが、木材需要の低下、価格の低迷等の課題が
あり、木材の安定供給を図るために、国有林との連携に取り組んでいます。
そのほか特用林産物を有効利用した山菜加工場があり、地場産業として育成強化が必要
であるとともに、採る山菜から育てる山菜を目指し、技術の研究やリゾートと連携した新
製品の開発に取り組んでいます。
林業労働力の確保としては、労働者の高齢化が進んでおり、若年労働者が育たない状況
にあるため、雇用環境の整備、北海道森林整備担い手支援センターと連携した事業の創出
を進めています。
また、水資源の確保、災害の防備、自然景観の保全など必要に応じ、保安林として森林
の保全を図っています。
(資料)占冠村総合開発計画
25
表 2-2-3 占冠村の森林概況
占冠村
面積
蓄積
52,845
6,167
14,431
1,067
27
47,642
5,705
12,765
811
27
総数
(人工林)
人工林率
森林管理局所管国有林
(人工林)
人工林率
上川支庁管内
面積
蓄積
253,372
25,451
80,346
32
100,282
9,732
33,565
33
2,715
228
495
18
304
17
0
0
32,732
3,935
7,048
22
117,338
11,539
39,237
33
15,072
1,776
6,327
42
102,266
9,763
32,910
32
国立大学演習林
(人工林)
人工林率
その他国有林
(人工林)
人工林率
道有林
(人工林)
人工林率
一般民有林
5,203
1,666
32
1,981
896
45
3,222
770
24
(人工林)
人工林率
(市町村有林)
(人工林)
人工林率
(その他民有林)
(人工林)
人工林率
765
256
259
105
506
151
北海道
面積
5,543,778
1,515,541
27
3,039,111
672,012
22
98,393
9,867
10
18,967
2,013
11
608,736
131,557
22
1,778,571
700,091
39
316,444
151,285
48
1,462,127
548,806
38
蓄積
665,723
203,136
30
356,324
58,636
16
10,528
796
8
1,348
297
22
72,517
17,158
24
225,006
122,487
54
43,123
24,898
58
181,883
97,589
54
(資料)北海道水産林務部 平成 15 年度北海道林業統計
図 2-2-10 占冠村の所有区分別森林面積
村有林
4%
その他民
有林
6%
道有林
0%
森林管理
局所管国
有林
90%
表 2-2-4 占冠村の林種別資源の比較
所有区分
森林管理局所管国有林
国立大学演習林
その他国有林
道有林
村有林
私有林
計
計
47,642
1,981
3,222
52,845
天然林
34,389
1,079
2,417
37,885
面積(ha)
人工林
12,765
896
770
14,431
無立木地
488
6
35
529
その他
1347
計
5,706
259
506
6,471
蓄積(千m3)
針葉樹
2,970
116
245
3,331
広葉樹
2,736
143
261
3,140
(資料)北海道水産林務部 平成 15 年度北海道林業統計
占冠村では現在、森林と共生しながら林業に関する様々な取り組みが行われています。
除間伐材等を使った木炭生産やナメコ栽培をはじめ、山つくりを体験できる「ニニウの森」
26
造成事業、山つくりに関心のある人達が集まって結成した「森林人(もりびと)林業グル
ープ」など村全体で大切な森林資源を守り、有効活用しています。
(資料)占冠村役場・占冠村観光協会「占冠村観光パンフレット」
〔参考〕農林業振興への村民の期待
平成 10 年に行われた住民アンケート(20 歳以上の村民 1,438 人を対象、回収率 40.7%)
によると、
「占冠村の農林業の振興について何が必要だと思うか(2 つだけ回答)」という問
いに対して、最も多いのは「観光農園」の 18.6%ですが、農業分野では「無農薬栽培」9.0%、
「農業廃棄物対策」3.7%といった回答もみられます。同様に林業分野では「山づくりの推
進」8.4%、「林産業就労の場の創出」5.8%となっています(図 2-2-11)。
環境保全につながる農業系バイオマスや森林系バイオマスを活用した仕事起こしが期待
できます。
図 2-2-11 村の農林業の振興について何が必要だと思いますか。(2 つだけ回答)
その他
1.1
山づくりの推進
8.4
林産業就労の場の創出
5.8
加工の推進
6.0
生産性の向上
7.9
農業廃棄物対策
3.7
農地の交換分合
1.7
流通販売対策
9.9
無農薬栽培
9.0
休日の確保
2.8
生活環境整備
9.0
観光農園
18.6
異業種交流
4.9
新規就農の促進
11.2
0.0
2.0
4.0
6.0
8.0
10.0
12.0
14.0
16.0
18.0
20.0
(%)
(資料)占冠村総合開発計画
③ 商工業
占冠村の商業の年間販売額は平成 14(2002)年 89,103 万円、従業員総数 51 人となって
います(図 2-2-12)。トマムリゾートの開発後は、小売業者及び飲食業者の売上が順調に伸
び、第 3 次産業の就業者数は大幅に伸びました。しかし、トマムリゾートの一部を所有し
ていた企業の倒産、全国的な不況のなかで第 3 次産業にも陰りがみえ、特に村内での購買
力の減少は深刻な問題となっており、商工会等を通して商工業者の振興育成、活性化を図
るための施策を行っています。
27
占冠村の工業の製造出荷額は平成 14(2002)年 35,434 万円、従業員総数 37 人となって
います(図 2-2-13)。木材製品製造が中心で、その他山菜加工場、砕石場があります。また、
木炭や陶芸にも取り組んでいます。
(資料)占冠村総合開発計画
図 2-2-12 占冠村の商業の年間販売額と従業者数の推移
(人) 100
250,000(万円)
90
80
200,000
70
60
150,000
50
40
100,000
30
20
50,000
10
0
0
平成元年 平成3年
平成4年
平成6年
平成9年 平成11年 平成14年
従業者数(人)
販売額(万円)
(注)平成元年と平成 4 年は飲食業、その他の年次は小売業の数値
(資料)商業統計調査
図 2-2-13 占冠村の工業の製造出荷額と従業者数の推移
(人)
(万円)
90
120000
80
100000
70
60
80000
50
60000
40
30
40000
20
20000
10
0
0
平成7年 平成8年 平成9年 平成10年 平成11年 平成12年 平成13年 平成14年
従業者数(人)
出荷額(万円)
(資料)工業統計調査
28
〔参考〕商工業振興への村民の期待
住民アンケート(20 歳以上の村民 1,438 人を対象、回収率 40.7%)によると、「占冠村
の商工業の振興について何が必要だと思うか」という問いでは、「消費者サービスの充実」
が 28.5%と最も多く、次いで「地場産品の開発」19.0%となっています(図 2-2-14)。
地域の新エネルギーを活用して地場産品を開発したり、付加価値をつけることが期待で
きます。例えば隣接する穂別町では雪氷熱を活用して玄米を保存し、
「雪瑞穂(ゆきみずほ)」
として売り出しています。
図 2-2-14 村の商工業の振興で何が必要だと思いますか。(1 つだけ回答)
(%)
0.9
その他
12.6
企業誘致
街並整備
3.1
地場産品の販路拡大
10.4
2.2
異業種交流
6.5
人材確保
消費者サービスの充実
28.5
地場産品の開発
19.0
0.0
5.0
10.0
15.0
20.0
25.0
30.0
(%)
(資料)占冠村総合開発計画
図 2-2-15 占冠村ガイドマップ
④ 観光
占冠村の観光は「図
2-2-15
占冠村ガイドマ
ップ」に示すように大き
くトマム地区、中央・占
冠地区、湯の沢地区、ニ
ニウ地区、双珠別地区の
5 地区に分けられます。
このうち最も大きいのが
トマム地区です。
(資料)占冠村公式ホームページ
29
【トマム地区】
トマム地区は、年間を通してリゾートライフを満喫できる本格的なリゾートエリアです。
広大なエリア内にはシンボルのザ・タワーを含むホテル群を中心に、全 18 コースのトマム
スキー場、自然の地形を活かしたゴルフコースのほか、水の楽園ヴィズスパハウス等があ
ります。また、安藤忠雄氏設計の水の教会では年間を通して結婚式が行われています。さ
らに、自然を体験するアクティビティも四季を通して充実し、冬はガイド付きで新雪を楽
しめるオフピステツアーと、イルミネーションが幻想的なアイスドームヴィレッジ、春か
ら夏にかけては山菜ハイキングやラフティリングなどのプログラムが人気を集めています。
今年度よりアルファリゾート・トマムの施設を運営する星野リゾート・トマムは、家族
とカップルをターゲットに寒さや涼しさを生かして北海道らしさを提供、特に道内からの
集客を強化する方針です。また、上トマムには個性的な民宿やペンションが並ぶペンショ
ン街があります。
【中央・占冠地区】
中央・占冠地区にはJR石勝線占冠駅前にある占冠村物産館、村の中心部には道の駅「自
然体感しむかっぷ」があります。いずれも土産物や観光情報を提供しています。物産館の 2
階には開拓当時からの資料展示室があり、自転車の無料貸し出しも行っています。
【湯の沢地区】
湯の沢地区には、占冠村中央部から 10km、車で約 10 分ほどのところに「湯の沢温泉」
があります。
【ニニウ地区】
ニニウ地区には未舗装のダート道を進みます。村立自然公園赤岩青巌峡は赤、青などの
奇岩・巨岩で織りなす自然の造形が魅力的な観光地となっています。爽やかな清流と、春
はツツジやコブシ、夏は鮮やかな緑の木々、秋は色彩豊かな紅葉など季節ごとに移ろう景
観は見事です。赤岩青巌峡の中心を流れる清流「鵡川(むかわ)」は、釣りはもちろん北海
道でも有数のラフティングのメッカとして人気があります。また、あちこちに巨岩が点在
しているため、ロッククライミングも盛んに行われています。
ニニウ自然の国は、災害の復旧工事に伴い、全施設休館となっていましたが、工事も終
了し交通が可能となったため、キャンプ場のみ開放しています。サイクリングターミナル
については、他の施設(湯の沢温泉)も含め、委託により管理運営を行っており、現職員
数ではサイクリングターミナルと湯の沢温泉の両施設を運営するには人員配置が厳しく、
又新たに職員を雇用しても、これに見合う収入が見込まれないことから「湯の沢温泉」一
本化の運営とし、サイクリングターミナルについては現在閉鎖中となっています。
隣接してレクリェーションの森、学童農園(休業中)もあります。
【双珠別地区】
双珠別地区にある双民館は、明治 41(1908)年開校、平成 9(1997)年に廃校になった
旧双珠別小学校を研修施設として利用しているものです。宿泊研修も可能で調理体験やク
ラフト作りができます。歴史的資料の展示も行っています。
30
【山菜の産地】
村の広大な面積を有する森林には、各種の山菜が群生しています。社団法人・占冠山村
産業振興公社が運営する山菜加工場は、現在道内でも有数の山菜加工場として知られ、「占
冠村の山菜」として一村一品運動でも好評となっています。製品には、フキやワラビ、タ
ケノコ等の水煮のほかに、この加工場でしか製造していないフキ、ウド、タケノコ等の味
噌漬は、とても人気のある商品です。
(資料)北海道占冠村公式ホームページ、占冠村役場・占冠村観光協会「占冠村観光パンフレット」
【観光客入込み数】
かつては 4 万人に満たなかった観光客入込み数も、昭和 58(1983)年以降のトマムリゾ
ート開発を機に飛躍的な伸びをみせ、平成 9(1997)年度には観光客入込み数は、1,335,477
人に達しました。しかし、バブル崩壊に伴い、平成 10(1998)年 5 月にトマムリゾートの
一部を所有する企業が倒産し、その後村と別の企業に引き継がれたものの観光客数は年々
減少し、平成 16 年度は、679,773 人と平成 9 年度の約半分になっています(図 2-2-16)。
図 2-2-16 占冠村の平成 16 年度観光客入込み数月別推移
人
120,000
100,000
80,000
うち道外客
60,000
40,000
20,000
0
4月
5月
6月
7月
8月
9月 10月 11月 12月 1月
2月
3月
(資料)占冠村役場産業課
占冠村の平成 16 年度の観光客入込み数の月別推移をみると 8 月が 10 万人弱で最も多く、
11 月が 2 万人弱で最も少なくなります。いずれの月も道外客が 4 割ほど占めています。
同じく宿泊客では、7∼8 月が 3 万人以上で最も多く、11 月が 2,200 人ほどで最も少ない
ことがわかります。近年は台湾や香港などアジアからの宿泊客が増加してきています。平
成 16 年度の宿泊客数合計は 20,962 人です(図 2-2-17)。
31
図 2-2-17 占冠村の平成 16 年度宿泊客数月別推移
人
35,000
30,000
25,000
20,000
うち外国人
15,000
10,000
5,000
0
4月
5月
6月
7月
8月
9月 10月 11月 12月 1月
2月
3月
(資料)占冠村役場産業課
〔参考〕観光振興への村民の期待
住民アンケート(20 歳以上の村民 1,438 人を対象、回収率 40.7%)によると、「村の観
光振興について何が必要だと思うか」との問いでは、
「自然を生かした観光」が 36.2%と最
も多く、次いで「地域産業と密着した観光」18.8%、「体験型観光」14.4%と続きます(図
2-2-18)。
地域資源である新エネルギーを活用した観光施設や体験施設などが期待できます。
図 2-2-18 村の観光振興について何が必要だと思いますか。(1 つだけ回答)
1.0
その他
3.9
環境美化
5.7
イベント
0.9
歴史文化的観光
14.4
体験型観光
4.4
広域観光
36.2
自然を生かした観光
18.8
地域産業と密着した観光
0.0
5.0
10.0
15.0
20.0
25.0
30.0
35.0
40.0
(%)
(資料)占冠村総合開発計画
32
第3節
歴史文化的背景
(1)沿革
明治 33(1900)年に植民地区画が策定され、明治 35(1902)年に佐藤農場支配人日陰
長松が小作人 7 戸を伴い入植したことが始まりで、その後静岡県等各県から団体入植が行
われました。大正 8(1919)年 2 級町村制施行により南富良野村占冠村組合役場を幾寅に
設置し、昭和 7(1932)年分離し占冠村が誕生しました。
開村以来、農業・林業を基幹産業として発展してきましたが、昭和 40 年代に入ってから、
社会・経済の変動に伴う急激な人口の減少によって昭和 56(1981)年 5 月には、人口 1,432
人とこれまでの最低に達し、道内で最も人口の少ない村になりました。
交通事情の不便な地でしたが、村民の長年の願いで現 JR 石勝線が昭和 56(1981)年 10
月に営業開始され、占冠駅、トマム駅(旧石勝高原駅)二駅に特急が停車するようになり
ました。主要国道、道道の整備も進み、交通条件が大きく改善されてきました。
鉄道交通の利便性の良さから昭和 57(1982)年 9 月に大型観光開発である「石勝高原総
合レクリエーション施設」建設が民間主導により着手され、翌年 12 月から営業が開始され
ました。以降、施設建設が平成 4(1992)年まで続き、この間人口の増加、固定資産税を
中心とする税収増、村内への観光客の大幅な増加や関連産業の立地などが進み、これを契
機に上下水道の整備、公共施設建設、街並みの整備が行われ、増加する人口に対応するた
め村営住宅、独身者用住宅も建設されました。
一方、短期間での大型リゾート施設の建設は、飲料水の不足や廃棄物対策の遅れなども
招きました。平成 10(1998)年 5 月には、リゾート施設の一部を所有する会社が倒産、村
が所有し再開、その後も経営母体が変更するなど紆余曲折を経て今に至っています。
(資料)占冠村総合開発計画
【年表】
1919 年 二級町村制を施行し、南富良野村 ・占冠村組合役場を設置する。
1932 年 南富良野村 ・占冠村組合役場を解く。
1981 年 石勝線開通
1989 年 総合保養地域整備法(リゾート法)による重点整備地区に指定される(道内初)
1998 年 アルファリゾートトマムの施設の 4 割を運営するアルファ・コーポレーション(札
幌市)が自己破産、負債額は 1061 億円、これにより同社運営の施設が休業。残り
6 割は営業を継続。
1998 年 12 月 加森観光(札幌市)が占冠村に 5 億円を寄付。寄付金で村が施設を買い取り、
加森観光に無料貸与、営業を再開。
2003 年 6 月 アルファリゾートトマムの残り 6 割を所有する関兵精麦(仙台市)が民事再
生法を適用する。
2004 年 4 月 関兵精麦から星野リゾート(長野県軽井沢町)が施設を買収、その際老朽化
した施設修繕費用が村に請求される。
2005 年
加森観光がトマムからの撤退を表明。撤退後は星野リゾートに委託。
(資料)フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
33
(2)祭り・伝統文化
ふるさと祭り
毎年 8 月の第 1 土・日曜日に行われ、占冠村最大のお祭りです。前夜祭では大花火大会
や豪華商品が魅力の大くじ引き大会、本祭ではやまべのつかみ取りや和牛の丸焼き、賞金
付きゲームなど楽しいイベントが盛りだくさん。毎年大勢の人で賑わいます。
紅葉まつり
9 月下旬∼10 月上旬に行われ、秋の豊かな実りとまばゆいばかりの紅葉を思う存分満喫
することができます。大自然に包まれてのバーベキュー、とれたての農産物、そして恒例
のナメコ狩。占冠の自然と秋の味覚が楽しめます。
青巌太鼓
昭和 61 年に誕生した青巌太鼓。勇壮で迫力のあるバチさばきは、かつて原生林に覆われ
た占冠の大地を開墾した先人達の不屈の精神をも偲ばせます。青巌太鼓クラブには、大人
の部と子供の部があり、村のイベントなどで練習の成果を披露しています。毎年「ふるさ
と祭り」では子供の部の演奏を楽しむことができます。
占冠神楽
明治時代末期、広島県から十数戸の開拓農家が占冠村へ入植しました。その人達によっ
て、広島県の郷土芸能である「占冠神楽」が演じられていましたが、次第に後継者が少な
くなり途絶えてしまいました。
昭和 57(1982)年、先人の心を大切にし、長く保存しようと「占冠神楽保存会」を結成
し、名前も「占冠神楽」と改め、村の郷土芸能として発展させています。
(資料)北海道占冠村公式ホームページ、占冠村役場・占冠村観光協会「占冠村観光パンフレット」
(3)国際交流
占冠村の姉妹都市はアメリカ・コロラド州アスペン市です。コロラドの州都・デンバー
から西におよそ 320 ㎞離れたロッキー山脈の山懐にあるアスペンは 50 年以上の歴史を持つ
アメリカでも有数のリゾートとして有名です。
1986 年、アスペンスキー場とトマムスキー場が友好提携を結び、これをきっかけに互い
の交流が始まりました。1989 年からは中学生の相互訪問が行われました。これは中学生が
10 日から 2 週間程度お互いの町を訪問し、ホームステイをしながら学校の授業や様々な文
化体験をするものです。今までに 双方から多くの中学生が太平洋を越えて交流しています。
また、共同事業として、占冠村を通る国道 237 号の街並みのデザイン、写真集の発行、
住民の相互訪問、国際会議の開催などを行っています。アスペンから占冠村に招いている
英語講師も現在 6 代目となり、村の子供たちや住民に生きた英語と文化を伝えています。
このような交流を行いながら、1991 年 8 月 29 日アスペン市において姉妹都市提携調印式
が行われました。
(資料)北海道占冠村公式ホームページ、占冠村役場・占冠村観光協会「占冠村観光パンフレット」
34
第3章 新エネルギーの解説
第1節
新エネルギーとは
自然の力を利用したり、今まで使われずに捨てていたエネルギーを有効に使ったりする
地球にやさしいエネルギーのことです。新エネルギーの利用によって、石油や石炭などの
化石燃料の消費が軽減され、排出されるCO2の量を減らすことができます。太陽光発電や風
力発電をはじめ、さまざまな分野での技術開発が進んでいます。
「新エネルギー法」(正式名称:新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法)では、
そのようなエネルギーのうち、
「すでに技術的に実用段階にあるが経済性の面で普及が十分
でない」ものを新エネルギーとしています。
図 3-1-1 新エネルギーの位置付け
技術の
段階
供給サイドのエネルギー
需要サイドの
エネルギー
石油
石油代替エネルギー
技術的及び経済
性の面で実用化
しており、普及し
ているもの
石炭、天然ガス、原子力
再生可能エネルギー
水力、地熱
新エネルギー
技術的に実用化
段階に達しつつ
あるが、経済性
の面に制約があ
り、十分に普及し
ていないもの
熱利用分野
発電分野
太陽熱利用
太陽光発電
温度差エネルギー
風力発電
廃棄物熱利用
廃棄物発電
バイオマス熱利用
バイオマス発電
雪氷熱利用
廃棄物燃料製造
バイオマス燃料製造
技術的又は経済
性の面で実用段
階に達していな
いもの
クリーンエネルギー自動車
天然ガス
コージェネレーション
燃料電池
海洋エネルギー
(資料)NEDO 技術開発機構「新エネルギー導入促進事業パンフ」(2005)
(1)供給サイドのエネルギー
供給サイドの新エネルギーは太陽、風力、温度差、廃棄物、バイオマス、雪氷熱と燃料
製造に関連するエネルギーが該当します。熱利用分野と発電分野に分けられます。
(2)需要サイドのエネルギー
需要サイドのエネルギーとは、従来の化石燃料を使う場合でも、新しい使い方をするこ
とによって性能向上や環境負荷を低減するものです。例えば燃料電池やクリーンエネルギ
ー自動車のように、今まで使っていた石油や天然ガスなどの燃料を新しいアイデアや技術
で効率よく、よりクリーンに利用するものです。
35
第2節
太陽エネルギー
【太陽光発電】
(1)太陽光発電とは
太陽光が当たると電気が発生する半導体で作られた太陽電池を用いて、太陽の光エネル
ギーを直接電気に変換する発電方法です。太陽電池には、種々の材料を用いたものが開発
されています。実用化されているものには、シリコン半導体系と化合物半導体系があり、
シリコン半導体系は結晶系と非結晶系(アモルファス)とに分類されます。
現在、結晶系シリコン半導体がひろく太陽電池として用いられています。一般に実用レ
ベルでの太陽電池の変換効率は 10%前後であり、わが国では、太陽電池 1m2当たり約 100W
の発電が可能です。30m2程度の太陽電池(3kW相当)で、一般家庭で使用する電力量をほ
ぼ賄うことができます。
(2)太陽光発電の特徴と課題
特
徴
課
題
・可動部分や高温高圧部分がなく、保守が容易で、無人化が可能。
・発電が日射時間に左右される(天候によって変動)。
・小規模から大規模まで自由な設置が容易。
・広い面積を必要とする(10 ㎡/kW)。
・独立電源、非常用電源、非常用発電として有効。
・余剰電力は、電力会社に売電、不足時には系統連
・利用分野が広範囲。
系による電力会社からの買電が必要。
・雪の反射光や気温が低いと得られる電力は多くなる。
(3)太陽光発電のコスト
平成16年度データより算出
イニシャルコスト
67.1 万円/kW (平成 16 年度住宅用太陽光発電導入促進事業による平均設置価格)。戸建て
住宅に対応した出力 3kW のシステムで約 200 万円程度まで下がってきました。
発電コスト
65.1 円/kWh
1)
、電力料金の 2.4 倍です。
NEFの補助(平成 17 年度は 2 万円/kW、3kW で 6 万円)を受けても、61 円/kWh 程度です。
1) 年間発電電力量:988.24kWh/kW ( 新エネルギー財団(NEF):H15 年 4 月∼H16 年 3 月における北海道デー
タ )、利子率:4%、運転年数:15 年、補修費 4,000 円/年として算出。
(4)太陽光発電の主な導入施設
・ 学校・公共施設(公園・役場庁舎)
・ 道路・河川(道路標識・街灯・河川浄化・高速道路・鉄道)
・ ビル・工場(広告・照明)、発電所(小規模分散型発電)
・ 自動車・交通機関(ソーラーカー・電気自動車)
・ 宇宙・通信(人工衛星・無線中継所、灯台、気象テレメータ)
・ 農地・海洋(水質監視・海洋牧場・野菜工場・汚染浄化)
・ 住宅(戸建て・集合)、民生(電卓・エアコン・セキュリティ機器等)
、
・ 山小屋・ODA・砂漠
36
【太陽熱利用】
(1)太陽熱利用とは
太陽熱利用には、機械装置などを用いずに、自然に太陽エネルギーを室内に取り込み熱
「アクテ
利用する「パッシブ型」1)と強制的に集熱利用する「アクティブ型」2)があります。
ィブ型」は太陽熱温水器(温水を風呂・給湯等に使用)とソーラーシステム(温水利用の
ほか、施設内を循環させて床暖房に使用する等)に分けられます。
1) パッシブ型:太陽光・熱の取り込み、放熱を断熱材や建築構造などにより調節したり、太陽光・熱の伝達量と
方向を制御することにより太陽エネルギーを有効利用するシステム。調光材料、透明断熱などパッシブソーラ
ー素子の開発が進む。
2) アクティブ型:太陽エネルギーを熱エネルギーに変換し、給湯・冷暖房・産業用熱源などとして利用するシス
テム。
(2)太陽熱利用の特徴と課題
特
徴
課
題
・小規模から大規模まで自由な設置が容易。
・日射量の多い地区での導入が適している。
・晴天時には、約 60℃の温水が得られる。
・集熱は日照時間に左右される。
・使用するものに特別な操作を必要とせず、メンテ
・北海道では、冬季の集熱効率を高めること及び凍結防止策が
ナンスもほとんど必要ない。
必要。
・冬期における熱量不足時には補助ボイラーによる追焚が必要。
(3)太陽熱利用のコスト
住宅用太陽熱高度利用システム タイプ別設置費用及びm2当たりの費用1)
標準タイプ
集熱器及び蓄熱槽
集熱配管1本により
太陽熱利用機器タ
一体タイプ
「揚水」「落水」を行
イプ
うタイプ
イニシャルコスト
熱利用コスト
2)
827,171円/件
406,000円/件
435,555円/件
618,764円/件
(111,561円/m2)
(100,995円/m2)
(91,972円/m2)
(150,642円/m2)
5.0円/MJ
4.5円/MJ
4.1円/MJ
6.7円/MJ
3)
1) 平成 16 年度住宅用太陽熱高度利用システム導入促進対策費補助金補助事業(新エネルギー財団)
2) 年間熱利用量:2018MJ/m2(平均日射量 3.84〔kWh/m2日〕×3.6〔MJ/kWh〕×集熱効率 0.4×365〔日/年〕)、利子
率 4%、運転年数 15 年として算出
3) コスト比 1.0∼3.0 倍(灯油、都市ガス、LPG との比較)
(4)太陽熱利用の主な導入施設
・ 住宅、公共施設
・ 事業所、温水プール
・ 農業用ハウス
・ ロードヒーティング等の給湯、暖房に利用
37
学校の屋上に設置された屋内プール用
真空管形集熱器(山梨県)
第3節
風力エネルギー
(1)風力発電とは
風力発電とは、「風の力」で風車の羽根をまわし、その回転運動を発電機に伝えて「電気」
を起こす仕組みを言います。風車は、水平軸型と垂直軸型に大別され、実用化されている
前者の代表的な風車としてはプロペラ型、後者の代表的な風車としてダリウス型やサポニ
ウス型があり、風力エネルギーの利用効率が高いことなどの理由でプロペラ型が多く用い
られています。定格出力数百 kW 以上の大型風力発電には、一般的に地上高 30m で年平均
風速が 6m/s以上の強い風が必要とされています。また、定格出力数 kW 未満の小型風車
は、太陽光発電などと組み合せて独立電源としての利用や、非常用電源や街路灯、教育用
キットなどにも活用されています。
風力発電の規模によって以下のように区分されます。
出力規模(kW)
ローター直径(m)
最大回転数(min-1)
マイクロ風車
1 未満
∼3
700∼
ミニ風車
1∼20
∼10
150∼800
大型風車
1,000 以上
∼80
10∼30
風車型式
運転形態
各種有り
単独運転
モニュメント
3 枚 羽 根 単独運転
が多い
系統連系
3 枚羽根
系統連系(売電事業)
(2)風力発電の特徴と課題
特
徴
課
・全国で風車の導入が急速に増加しており、風力発電を
題
〈大型風車設置の障害となる主な要因〉
・系統連系条件 ・稀少猛禽類などの生息地
中心とした公園も多く見られる。
・設置コストが年々下がり経済性が向上。経済的に成立
・電波障害、航空障害など
する大規模発電事業も増えてきている。
・騒音(住宅近接) ・景観
・地域のシンボルとなり、「町おこし」にも一役買っている。
・用地指定(自然公園など)
(3)風力発電のコスト
イニシャルコスト
ランニングコスト
500kW以下:30∼65万円/kW、750∼3,000kW:25∼30万円/kW、20,000kW:約20万円/kW
電気設備関係点検費:数10万円/年程度(設備容量などで異なる)
メーカー保守点検費:200∼300万円/基・年程度
(資料)NEDO「風力発電導入ガイドブック」(2005 年 1 月)
(4)風力発電の主な導入施設
道内で最大規模の設備容量(1,000kW×57
わが国初の洋上風力発電(600kW×2
早稲田大学と㈱協和エクシオが開
基)を誇る宗谷岬ウィンドファーム(㈱ユーラ
基)。愛称「風海鳥(かざみどり)」(北海道
発した「ダリウス・サボニウス併結型
スエナジー宗谷)。三菱重工製
(資料)稚内市「広報わっかない」
瀬棚町)
発電装置」(石狩市、石狩中学校)
(資料)北海道瀬棚町
(資料)㈱協和エクシオ
38
第4節
バイオマスエネルギー
(1)バイオマスとは
バイオマスとは、生物資源(バイオ/bio)の量(マス/mass)をあらわし、生物起源の物質から
なる食料、原料・素材、あるいは燃料を意味します。農業・林業・畜産業・水産業の一次
産業と直結して、従来は廃棄物として扱われていたもの、あるいは未利用のまま放置され
ていたものが、バイオマスとして位置づけられるようになりました。
バイオマスを燃やすと排出されるCO2は、元々は大気中に存在したものであり、植物の光
合成によって再び体内に固定されます。このため、エネルギーの消費と植物の育成のバラ
ンスを保てば、大気中のCO2濃度が上昇することはありません。このような考え方を「カー
ボンニュートラル」といいます。
バイオマス資源は、主に農産系、畜産系、林産系、生活系など発生元によっても分類さ
れますが、原料面からエネルギー利用方法を分類すると以下のようになります。
原料面からみたバイオマス資源の分類と利用方法
分類
細 目
エネルギー変換方法
エネルギー利用方法
直接燃焼
廃棄物系
畜産資源(家畜排泄物等)
バイオマス
食品資源(加工残さ、生ごみ、動植物性
熱利用(暖房・給湯)
熱分解ガス化
残さ等)
発電
産業資源(パルプ廃液等)
固形燃料製造
林産資源(製材工場残材、建築廃材等)
(RDF・ペレット1)・チップ)製造
下水汚泥
未利用バ
林産資源(林地残材・間伐材)
イオマス
農産資源(もみがら・牧草等)
資源作物
糖質資源(さとうきび、てんさい)
ガソリン・軽油
代替燃料
メタン発酵
アルコール発酵
燃料電池
BDF2)製造
(肥料)
でんぷん資源(米、とうもろこし等)
油脂資源(菜種、大豆等)
1) RDF(Refuse Derived Fuel)・ペレット:いずれも固形化燃料で運搬保存が可能になる。
2) BDF(Bio Diesel Fuel):軽油の代わりに使うことができる植物性燃料。
(資料)社団法人日本有機資源協会「バイオマス・ニッポン」、NEDO「バイオマスエネルギー導入ガイドブック」(平
成 14 年)
ペレット
RDF
BDF 製造機(製造能力 100L/日)
39
(2)バイオマスエネルギーの特徴と課題
特
徴
課
・地球温暖化の防止:カーボンニュートラルなの
題
・技術的課題:日本に適した技術の開発・普及が求められる。例え
で、CO2排出を抑制。
ば発電の場合系統連系への信頼性の確保、地域特性に適した
・循環型社会の構築:廃棄物を有効利用。
システム開発、地域の技術者が対応可能な技術の開発等。
・エネルギー安全保障:様々な地域資源を利用
・事業環境上の課題:社会的認知度が低いと、設備立地の障害や
するため、エネルギー的に自立が可能。
・固体・液体・気体燃料にして保存と運搬が可能
事業リスクの過大評価につながり、資金調達等が困難になる。
・法制度上の課題:廃棄物と密接な関係にあり廃棄物処理の制約
・様々な用途:熱利用、発電だけでなく、自動車、
燃料電池などにも使える。
を受ける。また国内規格が未整備。
・事業性の課題:採算性を確保するためには補助制度が不可欠。
・農山漁村の活性化:一次産業と直結している資
・地域の取り組みでの課題:原料収集から最終利用・処理までの
源が多く、雇用の創出につながる。
地域のしくみづくり、継続的取り組みと人材育成。
(3)バイオマスエネルギーのコスト
利用形態
変換方法
バイオマス
直接燃焼
発電
バイオマス
コスト
条件設定
備考
イニシャル
約15億円
スギ樹皮、製材端材54,360t/年
能代森林資源利用協同
ランニング
約2億円(収
( 逆 有 償 ) → ボ ー ド : 1,200 t 、 電
組合(2003年稼動開始)
入:4.7億円)
力:3,000kW、蒸気:24t/h
(秋田県)概要資料より
メーカー資料より
熱分解
イニシャル
約14億円
木くず2,083t/h(50%湿基準)→
ガス化
ランニング
約4,200万円
電力:1,545kW、温水:1,952kW
メタン発酵
イニシャル
約9.3億円
生ごみ16t/日(約44,000人分)→
北空知衛生センター
ランニング
不明
発電機:47kW×2基、ボイラー:
(2003年4月稼動開始)パ
300kg/h
ンフレットより
直接燃焼
熱利用
メタン発酵
イニシャル
7,200万円
集成材端材(チップ)・バーク→
下川町五味温泉(2005年
ランニング
参 考 : 45 万 円
(別のメーカー
100kWの場合)
木 質 ボ イ ラ ー 180kW ( 15.5 万
4月稼動開始)の事例より
イニシャル
6,000万円
乳牛130頭のふん尿、処理能力
足寄町の牧場(2003年稼
ランニング
70万円
4.3t/日→熱出力31.2万kcal/日
動開始)の事例より
kcal/h)で暖房・給湯、温泉加温
バイオマス
ペレット製
イニシャル
約1,000万円
製材端材・間伐材→ペレット化
滝上町木質バイオマス生
燃料製造
造
ランニング
不明
350t/年規模(2004年度は50t生
産 組 合 ( 2004 年 生 産 開
産)ペレット単価42円/kgで販売
始)への聞き取りより
アルコール
イニシャル
不明
さとうきび、みかんから
財)南西地域産業活性化センター
製造
販売価格
111円/L
のエタノール発酵によ
「エネルギー安定供給に係る調査
るエタノール製造
報告書」(平成15年3月)
BDF製造
※
イニシャル
約1,550万円
廃食用油200L/日回収、稼動日
NEDO「バイオマスエネル
ランニング
約52円/L
数250日→BDF180L/日販売
ギー導入ガイドブック」
コストは立地条件、燃料収集方法等により大きく変動するため、あくまで参考である。
40
(4)バイオマスエネルギーの主な導入施設
公共分野:病院、福祉施設(老人センター)、保育所等の暖房・給湯
教育施設(小中学校等)の暖房・給湯
観光施設(道の駅等)の暖房・給湯、温泉や温水プール等の加温
下水汚泥処理施設・ごみ処理施設
産業分野:農業ハウスの加温、家畜排泄物のバイオガスプラント
森林組合・木材工場・木材乾燥、暖房・給湯
外食産業・食品加工場(レストラン)の暖房、給湯
民生分野:一般家庭でのペレットストーブによる暖房
NPO、市民団体による生ごみや廃食用油回収、堆肥化、BDF 化
経産牛130頭規模のモジュール式バイオガスプラント (北海道足寄町)
チップボイラー
生ごみを発酵処理して発電する北空知衛生センター
「生ごみバイオガス化施設」(北海道深川市)
ペレットボイラー
(資料)北空知衛生センターパンフレット
隣接する製材所からの端材を利用して発電し、工場の電気に利用(秋田県能代市)
41
ペレットストーブ
第5節
雪氷熱エネルギー
(1)雪氷熱エネルギーとは
積雪寒冷地帯において、氷室・雪室・雪中・雪下を利用し、農産物の冷蔵や公共施設等
の冷房を行うものです。利用には雪と氷があります。保湿換気冷房が可能であり、新鮮な
空気(外気)を導入するため、従来の電気冷房に替わる優れた冷房技術としても利用の道
が開かれています。
雪氷の冷気を利用したシステムの設置にあたっては、積算寒度が 200℃以上1)あれば適性
と言われており、北海道は全域がその適地になります。
1) 積算寒度とは、日平均温度 0℃以下の日平均気温の絶対値と日数との積の年間の積算値
(2)雪氷熱エネルギーの特徴と課題
特
徴
・除排雪、無尽蔵の寒冷気を利用することができ、低
課
・冷熱源から需要地までの距離の長さ、冷熱源の不安定
温、高湿度保持が可能。
性、冷熱源と需要のミスマッチなどの地域特性を踏まえ
・維持管理費の低コスト化による経済効果。
・農産物の通年貯蔵が可能になり、農産物安定供給に
よる付加価値を得ることができる。
・室内空気を汚染しない保湿換気冷房により、健康的
題
導入することが必要。
・貯雪(氷)庫などの場所が必要。
・農業分野以外の潜在的需要量の把握が必要。
・冷熱回収、供給性能向上などに関する技術開発が必
でさわやかな環境を得ることができる。
要。
(3)雪氷熱エネルギーのコスト
雪 利 用
氷 利 用
イニシャルコスト(電気冷房と比較して)
1.6∼11.0倍と高い
2.9∼13.4倍と高い
ランニングコスト(電気冷房と比較して)
0.2∼0.6倍と安い
0.1∼0.6倍と安い
0.6∼2.0倍
1.0∼2.2倍
トータルコスト(電気冷房と比較して)
事例;馬鈴薯の雪室倉庫は 1,000m2で 1,101t雪貯蔵,初期投資 3,600 万円,ランニングコスト 6.5 万円/年でトータ
ルコストは電気冷房と比較して 62%。
雪貯蔵ではクレーン等で圧雪し,高密度にし,移動式雪氷庫にするなどしてイニシャルコストを従来の3分の
1まで削減できるという報告もある(新潟市)。
(資料)NEDO「雪氷冷熱エネルギー導入ガイドブック」
(4)雪氷熱エネルギーの主な導入施設
・野菜等貯蔵庫(保冷)
・集合住宅、公共施設、福祉施設等(冷房利用)
・寒冷地の北海道内には雪氷熱活用施設は 33 あり、その内 21 施設が雪利用施設、12 施設
が氷利用施設です(2003 年現在)。
・この他、除排雪を利用して雪山をつくり、夏期に融解する冷水や雪を冷熱源に、施設の
冷房、農産物や味噌などの貯蔵や食味の向上に利用しているところもあります。
42
第6節
廃棄物発電・熱利用
(1)廃棄物発電・熱利用とは
廃棄物発電・熱利用は、廃棄物(可燃ごみ)の焼却熱を利用して発電又は熱源として利
用するものです。近年、廃棄物は、紙、プラスチック類の増加で高カロリー化するととも
に発生量が増加してきており、廃棄物エネルギーの積極利用という観点から利用の促進が
図られています。最近では、ガス化しガスとチャーを燃焼させ発電・熱利用する方式や、
天然ガスを利用して高効率化を実現したスーパーごみ発電(ガスタービンを使った複合ご
み発電システム)等があります。運搬性を高め、保管もできるようにごみを RDF(固形)
化して利用する方式もあります。
廃棄物発電・熱利用施設は、既存の廃棄物処理施設のスクラップ・アンド・ビルドある
いは、新増設・改修等の時期にあわせて、ガスタービンと組み合わせて導入が進んでいま
す。一般的に小規模な焼却施設では、スケールメリットが得られず、経済的に成り立ちに
くい他、ダイオキシン発生などの問題があることから、複数の自治体による広域的な廃棄
物の回収と処理が進められています。
(2)廃棄物発電・熱利用の特徴と課題
特
徴
課
・ごみ処分場の問題と環境エネルギー問題双方の解決に
つながる。
題
・ある程度まとまった量のごみが必要です。
150∼200t/日以上は必要とされている。
・ある程度まとまったごみ処理であれば、高温で安定的に
燃焼させるため、ダイオキシンの発生が抑えられる。
・廃棄物発電施設の建設地における地元住民のコンセ
ンサスが鍵。
・熱供給も行えば、周辺地域の施設も充実する。
・技術的な課題では,ボイラー加熱機の塩素ガス等の
・ごみ焼却場に発電設備を付帯することにより発電を可能
とするので、追加的な環境負荷は少ない。
高温腐食防止,ダイオキシン排出低減,灰の減容
化,コストの低減(事業性の確保)がある。
(3)廃棄物発電のコスト
廃棄物発電の発電コストは、事業形態(都道府県、市町村、民間)、発電システム(従来
型、RDF 等の新しいシステム等)、処理規模等で異なりますが、一般的には 9∼15 円/kWh
とされています。
(注)コストの算定は廃棄物処理コストと発電コストの区分けがされておらず、困難なため事例で示します。
イニシャルコスト
・300t/日以上の場合で9∼25万円/kW(1999年度平均実績値)
(火力発電所の建設コスト20万円/kWの0.5∼1.3倍)
発電コスト
・300t/日以上で9∼11円/kWh 300t/日未満で11∼13円/kWh(事例;9.5円/kWh
400t/日規模の場合)
火力発電単価比で約1.2∼1.7倍
(資料)NEDO「新エネルギーガイドブック」
(4)廃棄物発電・熱利用の主な導入施設
・処理量の多い市町村の焼却施設、産業廃棄物の焼却施設に導入されています.
43
第7節
温度差エネルギー
(1)温度差エネルギーとは
年間を通じて温度変化の少ない河川水や海水、地下水、中・下水等と外気との温度差(夏
は外気よりも冷たく、冬は外気よりも暖かい)や大気中の温度差を利用してヒートポンプ1)
の原理(液体が気化するときに、まわりの熱を奪い、これと逆に気体が凝縮して液化する
ときには、熱が発生するという性質を利用する)などを用いて、冷暖房、給湯などを行う
技術であり、未利用エネルギー(今まで利用されてこなかった熱の利用)として今後の可
能性が期待されています。
1)ヒートポンプ:水のポンプが、水を低いところから高いところへ移動させる役割を果たすのと同じように、「温度の
低いものから温度の高いものへ熱を移動する」役割を果たすのがヒートポンプです。
熱
源
河川水・海水の熱
内
容
河川水や海水の温度は、夏は外気温よりも低く、冬は高いため地域熱供給の熱源として、
効果的に利用できます。
生活排水や中・下水
生活排水や工業用水(中水)、下水処理水は、冬でも比較的高い温度を有しているため、
の熱
利用度の高い熱源です。
工場の排熱
生産工程で排出される高温の排熱を熱源として効率的に利用できます。
超高圧地中送電線
超高圧地中送電線は、ケーブルを冷却しているため、この冷却排水も熱源になります。
の排熱
変電所の排熱
変圧器の冷却排熱や受変電室内の排熱は、安定した熱源です。
その他の排熱
地下鉄や地下街の冷暖房排熱や換気なども熱源として利用できます。
(資料)NEDO「新エネルギーガイドブック」
(2)温度差エネルギーの特徴と課題
特
徴
課
・熱を得る際に、燃料を燃やさないのでクリーン。
題
・水量の曜日・季節などによる変動特性を十分検討する
・特に北海道では、融雪用の熱源や温室栽培、水産養
殖などの地場産業の熱源としても有効。
必要がある。
・熱源と需要のミスマッチなどの地域特性を踏まえる。
・温排水を捨てずに利用するため、川の温度を上げずに
すむので、生態系を壊さない。
・熱 供 給 導 管 の 敷 設 コ ス ト や 、 熱 源 と 需 要 地 と の
輸 送 コスト等 を考 慮 し導 入 することが必 要 。
(3)温度差エネルギーのコスト
設 置 コスト
熱 利 用 コスト
設 置 地 点 の状 況 によって大 きく変 動 する
10 円 /MJ と都 市 ガス料 金 9.0 円 /MJ に比 べて 1.1 倍 高 い。
(資料)NEDO「新エネルギーガイドブック」
(4)温度差エネルギーの主な導入施設
・熱源近郊の施設の冷暖房、給湯、融雪槽、加温用
44
第8節 需要サイドのエネルギー
【クリーンエネルギー自動車】
(1)クリーンエネルギー自動車とは
クリーンエネルギー自動車とは、石油代替エネルギーを利用したり、ガソリンの消費量
を削減したりすることで、CO2や排気ガスを全く出さない、または排出してもその量が少な
い車で、電気自動車、ハイブリッド自動車、天然ガス自動車、メタノール自動車、燃料電
池自動車などがあります。
(2)クリーンエネルギー自動車の特徴と課題
特
徴
課
・クリーンエネルギー自動車の導入は、大気汚染、地球温
題
・電気や天然ガス、メタノールなどの燃料供給施設(エ
暖化対策に有効。
コ・ステーション)の整備。
・電気自動車は、排気ガスを一切出さず、走行音が静か。
・走行距離の延長、積載容量(体積の減少)、燃費向上
・ハイブリッド自動車は燃費がよく、ガソリン使用を削減し、
さらに既存のガソリンスタンドが利用可能。
などの自動車の性能改善。
・既存車と比べ高コスト。
(3)クリーンエネルギー自動車のコスト
既存車比価格
電気自動車 2∼3.5倍程度
ハイブリッド自動車 1.04∼1.7倍程度
天然ガス自動車 1.4∼2倍程度
メタノール自動車 2倍程度
(資料)NEDO「新エネルギーガイドブック」
(注)燃料電池自動車は市販されていないため含まない
(4)クリーンエネルギー自動車の主な導入事例
・地方公共団体、電力会社、ガス会社、運送会社等における小荷物配達、小型バン、巡
回車、小型トラック、路線バス
電気自動車の共同利用システ
ムの車両ステーション
電気自動車の無人貸出・返却
や自動予約等の機能を持ったシ
ステム(京都府京都市)
ハイブリッド自動車
45
【天然ガスコージェネレーション】
(1)天然ガスコージェネレーションとは
天然ガスコージェネレーションとは、天然ガスを原料として燃焼させ発電を行うととも
に、その際に発生する排気ガスや冷却水によって回収された熱を給湯や冷暖房に利用する
ものです。
(2)天然ガスコージェネレーションの特徴と課題
特
徴
課
・天然ガスの有害排気ガスは、石油や石炭に比べて少なく地
題
・熱需要が比較的大きな施設で、電力・熱需要とのバ
球温暖化や大気汚染対策に寄与できる。
ランス、昼夜間のエネルギーバランスへの配慮。
・電気と同時に排熱も有効活用するので、総合エネルギー効
・熱供給導管の敷設コストや、熱源と需要地との輸送
1)
率 は、70∼80%と高い。
コスト等を考慮すること。
・発電量に応じた熱需要の多い建物に最適(熱電比2)が高い
・導入促進のために、エンジンやタービンの効率化、
施設に最適)。
低公害化、低コスト化、コンパクト化。
・自家発電装置を備えることで非常用発電装置として機能。
1) 総合エネルギー効率:(使用する一次エネルギー)−(エネルギー変換や輸送によって生じるロス)=最終的に
利用できるエネルギーの割合
2) 熱電比=熱燃料消費量÷電力消費量
(3)天然ガスコージェネレーションのコスト
【前提条件】
・民生用ガスエンジン(電気出力230kW、熱出力307kW、全負荷相当運転時間3,800h/年)
・イニシャルコストに含むもの : 原動機、発電機、熱回収装置、電力自動制御装置・各種保護装置、据付工事・一
次側配管・配線工事、試運転など
イニシャルコスト
ランニングコスト
300千円/kW
燃料コスト17.28円/kWh(都市ガス13A)
維持管理コスト3.5円/kWh
(資料)NEDO「天然ガスコージェネレーション代表的な設置価格および移動コスト」・平成 14 年版
(4)天然ガスコージェネレーションの主な導入施設
・ 総合病院、公共施設、デパート、文化施設、プールなどにおいて、排熱は給湯、床暖
房や融雪など様々な用途に活用
札幌市市民プール(8,257㎡)
ガスエンジン発電機160kW×2基
(資料)北ガス
46
【燃料電池】
(1)燃料電池とは
燃料電池とは、水素と酸素(空気)の化学反応で電気と熱を作り出します。化学反応で
電気を起こすため「電池」と呼ばれますが、一種の発電装置です。
(2)燃料電池の特徴と課題
特
徴
課
・燃料電池は、発電効率が高く、排熱を温水や蒸気として
空調、給湯などの熱源に利用することで総合効率も高
題
・りん酸型は低コスト化。
・固体高分子型は技術的に実用化に近い段階にある
い(発電効率35∼60%、総合エネルギー効率80%)。
がコスト高。
・発電の際には水しか排出されず、振動もなく、低騒音。
・固体酸化物型・溶融炭酸塩型は研究実証段階。
・燃料である水素は、天然ガス、LPG、メタノール、バイオ
ガスや水の電気分解などから、さまざまな方法で取り出
すことができる。
(3)燃料電池のコスト
りん酸型燃料電池(規模200kW)
イニシャルコスト
70 万円/kW
ランニングコスト
燃料費:都市ガス料金 60 円/m2
メンテナンス費用:5 年毎にオーバーホールを行うと仮定すると費用は 3 円/kWh
(資料)NEDO「燃料電池代表的な設置価格および移動コスト」・平成 14 年版
(4)燃料電池の主な導入施設
①大型
・発電施設
②中規模
・地域コミュニティ、オフィスビル、ホテル、病院
③小規模発電
・一般家庭の電熱源、自動車や船舶の駆動
家庭用燃料電池1kW級の実験機
(北海道大学構内)
47
第9節 その他の再生可能エネルギー
【中小水力発電】
(1)中小水力発電とは
中小水力発電は、水車を利用して水の流れ(エネルギー)を電気エネルギーに変換して
利用するもので、発電方式としては、従来、河川から取水し、下流の河川へ放流する間の
河川勾配で得られる落差を利用して発電する水路式と、河川をダムより堰き止め、貯水す
ることによって上流水位を上昇させて落差を得て発電するダム式の大きくわけて 2 つにな
ります。出力は利用する水の落差と流水量によって決まります。近年、流れをそのまま利
用するプロペラ式も開発・活用されています。
中小水力発電は、エネルギー資源としては無尽蔵であり、ローカルエネルギーとして有
効な資源です。発電の規模によって以下のように区分されます。
中水力発電
10,000∼100,000kW
小水力発電
1,000∼10,000kW
ミニ水力発電
100∼1,000kW
マイクロ水力発電
5∼100kW
ピコ水力発電
5kW 以下
(2)中小水力発電の特徴と課題
特
徴
課
題
・少ない水量と落差で発電が可能(農業用
・水量変動の影響(水の流れで発電しているので、季節や天候等の変
水、上下水道、高上位用水などをエネル
化により安定した発電出力が得にくい)の克服。(水路式発電の場
ギー源として再利用可能)。
合、ダム式発電よりも水の流れの変化の影響を受けやすい)。
・余剰電力で温水などを作る事が可能。
・年平均降水量が多く河川勾配が急な地帯での設置が適している。
・充電装置を設置し、より効率的な使用が
・導入の際、賦存地点と需要先のバランスを見極めながら設置地点を
可能。
検討し河川の構造や流量等を把握する。
・自然環境調和型:魚や蛙が通過できる水
車や水質改善の空気泡を注入するなど
生態系を壊さない設置が可能。
・制度では水利権の設定、電気事業法ならびに河川法による許認可手
続きが必要になることがある。
・河川による水路式発電の場合、河川管理者との協議等が必要。
(3)中小水力発電のコスト
農業用水路を利用した発電のケーススタディー(山形県)
イニシャルコスト
どのような立地条件で建設するかによってイニシャルコストは大きく変動します。
山形県の事例では、80∼200kWで発電装置が50万円/kW,土木工事費は同じく80∼200kWで15
∼50万円になっています(事例では,さらに水路改修費として1,500万円かかっています)。
ランニングコスト
ランニングコストも施設・設備の減価償却の算入など立地によって大きく替わります。山形県の事例
では,メンテナンス費用,水路補修費,水路使用料,保安費用等のランニングコスト(金利,減価償却費
含まず)は出力200kWで200万円/年,(200+80)kWで250万円/年になっています。
48
マイクロ水力発電導入のケーススタディー
コスト
ケース1
ケース2
ケース3
最大出力
109.0kW
67.7kW
26.6kW
設備利用率
58%
78%
94%
イニシャルコスト 単位:千円
109,600
81,600
53,600
電気工事費
70,000
50,000
30,000
土木工事費
50,000
35,000
20,000
配電線費用
2,000
2,000
20,000
その他費用
15,000
15,000
15,000
補助金(20%)
▲27,400
▲20,400
▲13,400
ランニングコスト 単位:千円
5,574.8
4,410.8
3,236.8
減価償却費
3,288
2,448
1,608
人 件 費
1,100
1,100
1,100
借入金利息
876.8
652.8
428.8
修 繕 費
130
80
35
諸 費 用
180
130
65
注)・補助金はNEDOの助成制度から出力5,000kWから20%としました。
・減価償却は残存価格10%の30年定額法としました。
・借入金は建設費の2分の1で設定。金利は均等化利率で1.6%とした。
(資料)平成 16 年度メーカー試算資料より
(4)中小水力発電の主な活用内容
型
飲料水型水力発電
動力源
電源としての活用内容
既設の簡易水道の飲料水
・山里で採れた椎茸等の乾燥機の電熱源
・冬期間の飲料水消毒用の塩素装置の凍
結防止加温熱源
農水小型水力発電
既設の農業用の水ダムを流用して、取水した水
・育苗ハウスのピーマンや苺等の温室栽
培の温度管理・照明並びに籾すり機等
谷水小型水力発電
既設の砂防用ダムを流用して、ダム上流川に取
・キャンプ場やバンガロー等
水箇所を設け、取水した水
渓流小型水力発電
渓流に小規模ダム(石積構造)を作り取水した水
温泉小型水力発電
地域の温泉排水をリサイクルするための小規模
・温水加熱(冷泉)
ダム(石積構造)を取水した排水
・養魚場での攪拌機等
工業用水小型水力
一般産業廃棄物での工場内冷却水の余剰落差
・工場動力負荷
発電
(圧力)や、工業用水受入槽での余剰落差(圧力)
下水処理小型水力
浄化処理された下水の放流箇所(港や河川)に設
発電
けられたある程度の落差
・処理水漁池の噴水ポンプ場内夜間照明
等
(資料)千矢博通「小型水力発電への夢」
49
【地熱エネルギー】
(1)地熱とは
地熱とは、地下に存在する熱エネルギー全般を意味し、火山の多いわが国に豊富にかつ
広範に存在するエネルギーです。しかし、必ずしも高温であるとは限らず、数十℃程度の
温泉温度や、地表気温よりも低温の地下冷熱も含まれます。
利用方法としては、温熱の場合は、地熱発電と熱水利用があります。ここでは、熱水利
用を取り上げます。例えば、温泉熱の利用方法は、温度によりその利用形態が変わります。
①温泉温度が 60℃以上の場合
・熱交換器で給湯・暖房・浴槽保温を行う。
・吸収式冷温水機の熱源として冷熱(冷房)を取り出す。
②温泉温度が 15∼50℃の場合
・ヒートポンプにより給湯・暖房・浴槽保温・温泉昇温を行う。
・アンモニアサイクルによる地熱温度差発電による電力利用(実証段階)
(2)地熱エネルギーの特徴と課題
特
徴
課
・温泉熱は、暖房・給湯への一次
利用、さらにロードヒーティング
・自然公園法等の制約。
・熱供給用の導管施設が長距離になるほどコストがかさみ熱利用効率が低下
や融雪槽などへの2次利用が
可能。
題
することから、熱供給先と熱生産井を適切に配置する必要がある。
・温泉水により導管などにスケールが付着すると、供給量が低下するので、適
切な時期にスケールの除去や導管の更新を行う必要がある。
・発電を前提とした場合、開発にあたり十分な調査を行う必要がある。
(3)地熱エネルギーのコスト
イニシャルコスト
80 万 円 /kW
ランニングコスト
発 電 コスト 16 円 /kWh、火 力 発 電 単 価 約 7.3 円 /kWh の 2∼2.2 倍
(資料)NEDO「新エネルギーガイドブック」
(4)地熱エネルギーの主な導入施設
・暖房、給湯用として、学校、老人ホーム、国民
宿舎等の公共施設
・農業用ハウス園芸(トマト、きゅうり、いちご、
メロンや花卉など)
・水産業の養魚事業(うなぎ、アワビ、ひらめ)
・融雪
ロードヒーティング熱水利用
(北海道弟子屈町)
50
第4章
第1節
占冠村の新エネルギー賦存状況
賦存量の考え方
本章では、新エネルギーが占冠村にどれほど賦存しているのか、を把握することによっ
て、占冠村において利用可能な新エネルギーは何か、どの分野で利用が期待できるかとい
った、新エネルギー利用の可能性を検討する基礎データを得ることを目的とします。
新エネルギーの多くは、自然の無限の循環によって生み出されるもの(再生可能エネル
ギー)であるため、その賦存量の推計には、特別の考え方が必要となります。
新エネルギーは、地域に「広く、薄く」存在するエネルギーです。潜在的には膨大な量
があっても、多くは社会的条件(経済的・技術的・歴史的等の条件)による制約から、利
用可能なものにはなっていません。
賦存量には、自然の物理的条件だけで与えられる量(潜在的賦存量)と、社会的条件を
加味した量(可採量)があり、本調査では、これら 2 つに分類してまとめます。
図 4-1-1 賦存量の分類
潜在的賦存量
自然の物理的条件だけで与えられる量。
現在、他の用途に利用している分も含む。
可採量
社会的条件を加味して算出した現実的に利用可能な量。
利用不可能な面積を有する施設数や他の用途への利用量を
差し引いて算出。
上記の分類で賦存量を試算した上で、電力については、1世帯あたりの家庭の電力消費量
から何世帯数分の電力に相当するのか、熱量については、灯油換算した上で、灯油 18L 缶
何缶に相当するか、1世帯あたりの家庭の灯油消費量から何世帯分の灯油に相当するのか
を参考として算出します。1 世帯あたりの電力・灯油消費量については、表 4-1-1 の数値を
使います。
表 4-1-1 家庭用エネルギー種別消費原単位(北海道)
電気
Mcal/年
換算
灯油
3,040
3,535
kWh/年
12,156
50,879
MJ/年
(注)電気換算:0.86Mcal/kWh より 3,040Mcal/0.86=3,535kWh
灯油換算:4.1855MJ/Mcal より 12,156Mcal×4.1855MJ=50,879MJ
(資料)住環境計画研究所「家庭用エネルギー統計年報 1997 年」
51
第2節
太陽光・太陽熱エネルギー
(1)日射量
太陽光・太陽熱エネルギーの賦存量を算出するため、太陽光や太陽熱エネルギーである
日射量を把握します。ここでは、過去 30 年間(1961∼1990)の全国 801 地点で計測した
日射データをもとに整備した数値データである NEDO の「平成 11 年度全国日射関連デー
タマップ」のデータを用います。
全道各地の年間最適傾斜角における日射量は、十勝地方が多く、日本海沿海の宗谷北部・
留萌・後志・檜山地方が少ない傾向にあります。年間最適傾斜角とは、年間を通じて斜面
を真南に向けた場合に、最も多くの日射量が得られる角度です。太陽の天空上の移動は規
則的ですが、天候の影響により日射量は不規則に変化します。この最適傾斜角の検討には
大量の気象データを用い、パネル表面に入射する日射量を積算して、それが最大となる方
位を求めています。占冠村の年間最適傾斜角における日射量は、全道各地の日射量と比較
すると少なめです。(図 4-2-1)
なお、採用する傾斜角度については、太陽光・熱とも装置を方位角 0°(真南)に設置し
た場合の傾斜角度を用いることとします。
図 4-2-1 全道各地の年間最適傾斜角における日射量の比較
1,800
1,600
1,400
kWh/㎡・年
1,200
1,000
800
600
400
200
江
差
函
館
帯
広
釧
路
根
室
北
見
旭
川
稚
内
留
萌
小
樽
札
幌
岩
見
沢
浦
河
占
冠
苫
小
牧
0
地表面で受ける日射量は季節や時刻によって変化し、最大日射量を得るためには太陽光
パネルの傾斜角度を変える必要があります。(図 4-2-2、図 4-2-3)。
占冠村の最も効率よく日射量を受ける最適傾斜角度は 32.0°です(表 4-2-1)。多雪地域
である占冠村では、太陽光発電パネルや集熱器の設置角度を 50∼60°にして、積雪による
発電損失を小さくすることができます。そのためここでは設定角度を 60°と設定します。
(資料)太陽光発電懇話会編「太陽光発電システムの設計と施工」(1996)
52
図 4-2-2 傾斜角別日射量の比較
冬(12-2月)
春(3-5月)
夏(6-8月)
秋(9-11月)
5
kWh/㎡・日
4
3
2
1
0
0°
10°
20°
30°
40°
50°
60°
70°
80°
90°
設置角度(°)
(資料)NEDO「平成 11 年度全国日射関連データマップ」より作成
(解説)設置角度は 0°(真南)に設定。傾斜角度は、12∼2 月は 60°に、3∼5 月は 30°に、6∼8 月は
10°に、9∼11 月は 40°に設定すると、最大の効率で日射を得られる。
図 4-2-3 季別日射量比較
6
0°
30°
60°
90°
最適傾斜角32.0°
kWh/㎡・日
5
4
3
2
1
0
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
(資料)NEDO「平成 11 年度全国日射関連データマップ」より作成
(解説)季別日射量比較による傾斜角度については、春夏は低めに、秋冬は高めに設定すると効率よく
日射を得られる。
53
表 4-2-1 占冠村の傾斜角別月別日射量
単位:kWh /m2
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月 10月 11月 12月
年計
0°
45.26 66.64 103.9 125.4 148.5 151.2 142 124.9 92.1 71.3 39.3 34.1
1,145
30°
64.79 89.88 125.6 135.3 146.9 144.6 137.3 127.4 102 89.59 51.6 46.81
1,262
60°
74.4 99.96 130.2 124.2 119.7 114.3 110.4 107.9 93.6 90.52 54.6 52.7
1,172
90°
72.23 93.8 116.3 94.5 74.71 69.3 69.13 71.61 68.7 73.78 48 49.91
902
最適傾斜角
65.72 91 126.5 135.3 145.7 143.1 136.1 126.8 102 90.21 52.2 47.43
1,262
32.0°
(資料)NEDO「平成 11 年度全国日射関連データマップ」より作成
(注)地表における実際の計測値の月別日射量。実際には地域差や同一地点でも高度差や気象条件によっては違
いがでる。
(2)太陽光発電の賦存量
太陽光発電の賦存量を算出したものを次に示します。
表 4-2-2 占冠村の太陽光発電賦存量
前提条件
項目
単位
① 日射量(積雪防止の為、傾斜角60°に設定)
kWh/㎡・年
② 発電効率1)
計算式
1,172
0.10
③ 補正係数2)
④ 発電量
kWh/㎡・年
MJ/m2・年
④-1 熱量換算
(1)総面積に降り注ぐ全日射量 ⑤ 総面積
潜
⑥ 発電量
在
的 (2)パネル設置が可能な面積 ⑦ 宅地、道路用地、その他の未利用地
賦 :河川、池沼、山林、田畑を除く ⑧ 発電量
存
⑧-1 熱量換算
量
⑧-2 家庭の電力消費量換算
(1)戸建住宅に設置
⑨ 戸建住宅戸数
⑩
⑪
(2)共同住宅に設置
⑫
⑬
⑭
可
採 (3)公共用の土地・建物に設置 ⑮
⑯
量
⑰
⑱
可採量合計
⑲
数値
戸建住宅の総パネル面積3)
発電量
共同住宅世帯数
共同住宅の総パネル面積3)
発電量
50kW太陽光発電システムの公共施設導入数4
3kW太陽光発電システムの公共施設導入数
公共施設の総パネル面積
発電量
発電量
⑲-1 熱量換算
⑲-2 家庭の電力消費量換算
⑲-3 潜在的賦存量(2)に対する割合
㎡
kWh/年
㎡
kWh/年
MJ/年
世帯
戸
㎡
kWh/年
世帯
㎡
kWh/年
基
基
㎡
kWh/年
kWh/年
MJ/年
世帯
0.70
82 ①×②
295 ④×3.6MJ/kWh
571,310,000
46,870,272,400 ④×⑤
610,000
50,044,400 ④×⑦
180,159,840 ⑧×3.6MJ/kWh
14,157 ⑧/3,535kWh
626 (842世帯)-(公営住宅216戸)
18,780
1,540,711
71
2,130
174,745
9
3
4,590
376,564
2,092,020
7,531,272
592
4.18%
⑨×30㎡
④×⑩
(公営住宅71棟216戸)
⑫×30㎡
④×⑬
⑮×500m2+⑯×30m2
④×⑰
⑪+⑭+⑱
⑲×3.6MJ/kWh
⑲/3,535kWh
⑲/⑧
1) 発電効率は約10%として算出
2) 補正係数はインバータなどでの電力損失30%として算出( 桑野幸徳:新・太陽電池を使いこなす、講談社、1999 )
3) 面積30m2 は、3kW( 約30m2 )の太陽光発電システムで一般家庭での年間電力量を概ね賄えることから使用。
4) 年間電力使用料が約50MWh以上の14施設のうち、50kWの太陽光発電システムの設置可能面積( 500m2 )を有する9施設を対象とする。
( 50kW太陽光発電システムでは、上記前提条件に基づき、年間発電量約52MWhが得られる。)
潜在的賦存量:河川、池沼、山林、田畑を除くパネル設置が可能な面積に太陽光
発電パネルを設置
50,044,400kWh/年(家庭の電力消費量換算:14,157 世帯相当)
可採量:戸建住宅、共同住宅、公共用の土地・建物に太陽光発電パネルを設置
2,092,020 kWh/年(家庭の電力消費量換算:592 世帯相当)
54
(3)太陽熱利用の賦存量
占冠村の傾斜角別月別日射量から集熱量を次に算出(表 4-2-3、表 4-2-1 の熱量換算)し、
集熱量を基に太陽熱エネルギーの賦存量を算出します(表 4-2-4)。
表 4-2-3 占冠村の傾斜角別月別日射量の集熱量
単位:MJ/m2
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月 10月 11月 12月
年計
0°
162.9 239.9 373.9 451.4 534.6 544.3 511.1 449.7 331.6 256.7 141.5 122.8 4,120
30°
233.2 323.6 452 487.1 529 520.6 494.4 458.7 367.2 322.5 185.8 168.5 4,542
60°
267.8 359.9 468.7 447.1 430.8 411.5 397.3 388.4 337 325.9 196.6 189.7 4,221
90°
260 337.7 418.5 340.2 269 249.5 248.9 257.8 247.3 265.6 172.8 179.7 3,247
最適傾斜角
236.6 327.6 455.3 487.1 524.5 515.2 489.9 456.4 367.2 324.8 187.9 170.7 4,543
32.0°
(資料)NEDO「平成 11 年度全国日射関連データマップ」より作成
(解説)最適傾斜角 32.0°のとき、最も集熱量が多くなる。地表における実際の計測値の月別集熱量。実際には地
域差や同一地点でも高度差や気象条件によっては違いがでる。
表 4-2-4 占冠村の太陽熱エネルギー賦存量
前提条件
項目
単位
① 集熱量(積雪防止の為、傾斜角60°に設定)
② システム集熱効率1)
MJ/㎡・年
③ 集熱量
(1)総面積に降り注ぐ全日射量 ④ 総面積
MJ/㎡・年
㎡
潜
⑤ 集熱量
在 (2)パネル設置が可能な面積 ⑥ 宅地、道路用地、その他の未利用地
的 :河川、池沼、山林、田畑を除く
⑦ 集熱量
賦
存
⑦-1 灯油消費量換算
量
⑦-2 灯油タンク(18L)換算
(1)戸建住宅に設置
⑦-3 家庭の灯油消費量換算
⑧ 戸建住宅戸数
⑨
⑩
(2)共同住宅に設置
⑪
⑫
⑬
可 (3)公共用の土地・建物に設置3) ⑭
採
⑮
量
⑯
⑰
⑱
可採量合計
戸建住宅の総集熱器面積2)
集熱量
共同住宅世帯数
共同住宅の総パネル面積2)
集熱量
100m2太陽熱利用システムの公共施設導入数
6m2太陽熱利用システムの公共施設導入数
公共施設の総パネル面積
集熱量
集熱量
⑱-1 灯油消費量換算
⑱-2 灯油タンク(18L)換算
⑱-3 家庭の灯油消費量換算
⑱-4 潜在的賦存量(2)に対する割合
数値
計算式
4,219 1,172kWh/m2・年×3.6MJ/kWh
0.4
1,688 ①×②
571,310,000
MJ/年
㎡
964,188,460,800 ③×④
610,000
MJ/年
1,029,484,800 ③×⑥
L/年
28,051,357 ⑦/36.7L/MJ
缶/年
1,558,409 (⑦-1)/18L
世帯
戸
㎡
MJ/年
世帯
㎡
MJ/年
基
基
㎡
MJ/年
MJ/年
L/年
缶/年
世帯
20,234 ⑦/50,879MJ
626 (842世帯)-(公営住宅216戸)
3,756
6,338,926
71
426
718,952
4
3
418
705,450
7,763,328
211,535
11,752
153
0.8%
⑧×6㎡
③×⑨
(公営住宅71棟216戸)
⑪×6㎡
③×⑫
⑭×100m2+⑮×6m2
③×⑯
⑩+⑬+⑰
⑱/36.7L/MJ
(⑱-1)/18L
⑱/50,879MJ
⑱/⑦
1) ソーラーシステム振興協会資料より
2) 住宅用太陽熱利用システム平均面積4∼8m2(新エネルギー財団、平成16年度)から、6m2とする。
3) 年間灯油使用料が約4,600L以上の12施設のうち、50kWhの太陽光発電システム設置場所を除いたもの、および設置可能面積(100m2)を有する
4施設を対象とする。( 100m2太陽熱利用システムでは、上記前提条件に基づき、年間集熱量168,800MJ、灯油換算で約4,600Lが得られる。)
潜在的賦存量:河川、池沼、山林、田畑を除く面積に集熱器を設置
1,029,484,800MJ/年(家庭の灯油消費量換算:20,234 世帯相当)
可採量:戸建住宅、共同住宅、公共用の土地・建物に集熱器を設置
7,763,328MJ/年(家庭の灯油消費量換算:153 世帯相当)
55
第3節
風力エネルギー
(1)風力エネルギー
風は空気の流れであるので、風の持つエネルギーは空気の運動エネルギーです。よく知
られているように質量m、速度Vの物質の運動エネルギーは 1/2mV2で表されます。今、
受風面積A(㎡)の風車を考えると、この面積を単位時間当たりに通過する風速V(m/s)
の風のエネルギー(風力パワー)P(W)は、空気密度をρ(kg/㎥)とすると次式で表さ
れます。
P = 1
1
1
m V 2 =
(ρAV)V 2 =
ρAV 3
2
2
2
すなわち、風力エネルギーは、受風面積に比例し、風速の 3 乗に比例します。風速が 2
倍になれば、風力エネルギーは 8 倍になります。したがって、風力エネルギーを活用する
上では、少しでも風の強いところを選ぶことが重要となります。
図 4-3-1 に風速に対する風力エネルギー密度を示します。なお、空気密度ρの値は気温や
気圧により変化しますが、日本の平地(1 気圧、気温 15℃)での平均値である 1.225kg/㎥
を用いています。
図 4-3-1 風力エネルギー密度
2.500
エネルギー密度 (kW/㎡)
2.000
1.500
1.000
0.500
0.000
0
1
2
3
4
5
6 7 8 9 10 11 12 13 14 15
風 速 (m/s)
風力エネルギーの潜在的賦存量は、風速頻度分布と風力エネルギー密度が明確であれば
計算することができます。
しかしこれらの量は、各風速毎の 1 時間平均風速値の計測がなされていなければならず、
少なくとも 1 年間の連続した風況精査の実施が必要です。
56
(2)占冠村の風速分布
NEDO の局所風況マップ(地上高 30m)の風況分布では、占冠村の風速は、概ね 3∼6m/s
と弱い状況にありますが、トマム山や狩振岳の山頂部で 6∼7m/s 前後の強い風が読み取れ
ます。
大型風車の事業採算性確保のためには、地上高 30m の地点で年平均風速が 6m/s 以上、
且つ風速 8m/s 以上の強風が年間約 30%以上占めることが前提と言われています。また、風
力発電を設置するためには、その場所までの搬入道路があることや、近くに送電線が通っ
ているなどの条件を満たすことが必要です。
小型風車に関しては、近年、メーカー各社による開発が盛んで、大小様々な多様な仕様
の風車が市販されています。価格も 1kW の風力発電機で数十万円から数百万円と製品によ
り大きく違ってきます。最新の小型風車のなかには、風速 2.1m/s から発電できるものがあ
ります。占冠村のアメダス年平均風速は 1.7m/s ですが、トマム地区の昨年度の平均風速は、
2.8m/s(旭川土木現業所
富良野出張所調べ)と中央地区に比べて強く、小型風車の可能
性が大きいといえます。
図 4-3-2 占冠村の風速分布
(資料)局所的風況予測モデル LAWEPS。500m メッシュ表示(NEDO)
57
(3)可採量〔参考値〕
〔1〕大型風車
大型風車は、例えば 1,000kW 級の風車の場合、1 基あたりおよそ 1.5 億円と導入コスト
が高額なため、風車により発電した電気を電力会社などに売電して採算性を確保するには、
事前に風況精査を行い事業性を検討することが必要です。
従って、全体的に風速が弱いと見込まれる占冠村においては、仮に大型風車の導入を考
える場合には、強い風速が見込まれるポイント(例えば占冠村では山頂部など)を選定し
た上で、少なくとも 1 年間風況精査を行ってみる必要があります。
ここでは、仮に適地があったと仮定した場合に、大型風車がどれ位発電するか、以下参
考に示します。
尚、年平均風速は地上高 30m で 6m/s とし、1,000kW の発電機を導入した場合とします。
①ハブ高さ 60m における平均風速
風車が対象とする地表境界層の風速の高度分布については、経験則として、指数
法則が成り立つことが知られており、以下の式が用いられます。
V = V1(z/z1)1/n
V : 地上高zにおける風速
V1 : 地上高z1における風速
N : 指数法則のべき指数
内陸では n=5 程度が用いられることから、ハブ高さ 60m における平均風速は、
6.89m/s と計算されます。
②風速出現頻度
平均風速による出現頻度の推計は、次式で表されるレーレ分布が簡単のためよく
用いられます。
f (V ) =
π V
π V
exp 2 V2
4 V
2
f(V) : 風速Vの出現率
V : 平均風速
表 3-3-1 に、レーレ分布に基づく各風速毎の風速出現頻度を示します。
③発電量
発電量の計算に当たり、前提条件を以下のように設定します。
・年間出現時間
:
8,760×各風速毎の風速出現頻度
・空気密度
:
1.225kg/m3(日本の平地。1 気圧、気温 15℃)
58
・受風面積
:
2,550.465 ㎡(28.5×28.5×3.14)
・発電効率
:
0.33
・カットイン風速
:
3m/s
・カットアウト風速:
25m/s
カットイン風速:風車が発電を開始する風速。
カットアウト風速:風車が発電(羽根の回転)を停止する風速。風車は通常、風速が 25m/s 以上になると、安全対
策上、自動停止するよう設定されています。
発電量P(W)は、1/2ρAV3に風車の発電効率(0.33)を乗じて算出されます。
従って、平均風速 6m/sにおいて、出力 1,000kW風車 1 基を設置した場合、2,398,305kWh/
年の電力を生産します。これは、678 世帯(3,535kWh/年・世帯)の年間需要量に相当しま
す。また、売電単価を 9 円/kWh1)とすると、2,158 万円/年の収入が見込まれます。
1)北海道電力による購入価格 3.3 円/kWh に RPS 購入分 6 円/kWh(推定)を足し、おおよそ 9 円とする。
RPS 法:電気事業者(一般電気事業者、特定電気事業者、及び特定規模電気事業者)に対して、毎年度、その
販売電力量に応じ一定割合以上の新エネルギー電気の利用を義務づける制度。
表 4-3-1 発電量の計算
風速
m/s
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
35
カットイン
カットアウト
計
風速出現頻度 年間出現時間 風車発電能力
%
h/年
kW
0.0
0
0
3.3
284.78
0
6.2
542.02
0
8.5
748.55
14
10.1
889.03
33
10.9
957.71
64
10.9
958.23
111
10.3
901.81
177
9.2
804.37
264
7.8
683.28
376
6.3
554.62
516
4.9
431.19
686
3.7
321.66
1,000
2.6
230.53
1,000
1.8
158.90
1,000
1.2
105.43
1,000
0.8
67.38
1,000
0.5
41.50
1,000
0.3
24.64
1,000
0.2
14.11
1,000
0.1
7.80
1,000
0.0
4.16
1,000
0.0
2.14
1,000
0.0
1.06
1,000
0.0
0.51
1,000
0.0
0.24
0
0.0
0.00
0
99.7
8,736
59
発電量
kWh/年
0
0
0
10,419
29,332
61,714
106,700
159,460
212,307
256,783
285,913
295,862
321,655
230,531
158,905
105,431
67,377
41,496
24,640
14,111
7,797
4,158
2,140
1,064
510
0
0
2,398,305
風車発電範囲
〔2〕小型風車
小型風車は、太陽光パネル等と同様にコスト上の難点がありますが、モニュメント的ア
ピールや教育効果が高く、シンボルとしての設置が進んでいます。
図 4-3-3 小型風力発電の導入事例
占冠村の年平均風速(アメダス 1.7m/s)では、ブレード径 0.3mの定格出力 1kWの風車
は、毎時 15Wh(1.225〔kg/m3〕×3.14×(0.9m)2×(1.7m/s)3≒15Wh)、年間で 131kWhの
風力エネルギー量が見込まれます。これは、一般家庭の年間電力使用量の約 4%に相当しま
す。トマム地区の風速(2.8m/s)では、同様の計算で毎時 68Wh、年間で 600kWhの風力
エネルギー量が見込まれます。これは一般家庭の年間電力使用量の約 17%に相当します。
最新の小型風車は 2.1m/s 以上から発電可能ですが、占冠村で小型風力発電の導入を考え
る場合には、太陽光発電とハイブリッド方式にして、相互に補完し合うような導入方法が
望まれます。
60
第4節 バイオマスエネルギー
日本は、温暖・多雨な気候であるため、かなりのバイオマスの賦存量が見込まれます。
しかしながら、バイオマスの認知度が低く、
「広く、薄く」存在している、水分含有量が多
く、かさばる等扱いづらい、収集が困難であるというバイオマスの特性に加えて、効率の
高い変換技術の開発が不十分である、事業の採算性に難がある等により、バイオマスの活
用は、まだ途上の段階にあります。
バイオマスエネルギーは、
「総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会」において、カ
ーボンニュートラルな再生可能エネルギーとして役割が明確化されています。また、バイ
オマス・ニッポン総合戦略で具体的な戦略が提示されました。
北海道では、都市部の生ごみ処理プラントや森林系バイオマスの燃料化の取り組みとあ
わせて、各地でバイオマスに関する研究会が立ち上がるなど、バイオマスエネルギーへの
期待が高まっています。
(1)「廃棄物」系バイオマス
廃棄物系バイオマスとは、廃棄される紙、家畜排せつ物、食品残渣、建築廃材、黒液、
下水汚泥といったもので、その利活用に係る費用面等の経済性を考えた場合、逆有償、す
なわち、廃棄物処理費を付加して収集されるものもあるため、処理費用を利活用のための
コストとして使用でき、利活用が比較的早く進むことが予想されます。
現時点で、廃棄物系バイオマスのうち、かなりの量が一カ所に集積されているものとし
ては、食品残渣、建築廃材等があります。これらは、
「食品循環資源の再生利用等の促進に
関する法律」、「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」等個別リサイクル法の規
制ともあいまって、すでにエネルギーや製品として利活用されつつありますが、今後、制
度の浸透、収集・輸送、変換の効率化等によって、さらにその利活用が進展するものと期
待されます。
〔1〕家畜排せつ物
家畜排せつ物はバイオガス化してエネルギー利用することが可能です。
占冠村の家畜排せつ物は、個人や共同で堆肥舎を整備し、自己経営内における利用を基
本とし、できた堆肥は草地及び飼料畑での処理が進められています。
そのため、占冠村の家畜排せつ物の未利用量は現状ではありませんが、仮にバイオガス
化してエネルギー利用するとして、家畜排せつ物の潜在的賦存量を次に算出しました。
61
表 4-4-1 家畜排せつ物バイオマスの賦存量
潜
在
的
賦
存
量
項目
① 頭羽数(平成17年9月)
② 排せつ量
単位
頭羽
m3/年(1t=1m3)
③ バイオガス発生量単位
m3/m3・排せつ量
(鶏:m3/羽・日)
④ 年間バイオガス発生量
⑤ 発熱量原単位
⑥ エネルギー発生量
⑥-1 灯油換算
⑥-2 灯油タンク(18L)換算
⑥-3 家庭の灯油消費量換算
m3/年
MJ/m3
MJ/年
L/年
缶/年
世帯
乳用牛
657
11,225
肉用牛
409
3,811
鶏
合計
30
25
0.09
336,750
23
7,745,250
211,042
11,725
152
95,275
23
2,191,325
59,709
3,317
43
6,734
23
154,888
4,220
234
3
205
-
備考
鶏は平成17年2月
地域家畜ふん尿処理・利活用計画
乳用牛:北海道の事例(中温発酵)
肉用牛:デンマークフォルケセンター
鶏:月間廃棄物(2000.10)
438,759 ②×③/鶏は①×③×365日
メタン濃度60%
10,091,463 ④×⑤
274,972 ⑥/36.7MJ
15,276 (⑥-1)/18L
198 ⑥/50,879MJ
潜在的賦存量:乳用牛、肉用牛、鶏の排せつ物をバイオガス化した場合
10,091,463MJ/年(家庭の灯油消費量換算:198 世帯相当)
可採量:すべて利用している状況にあることから未利用に相当する可採量はありま
せん。
(注)可採量ゼロとするが、エネルギー利用するためにバイオガス化してもその際に出る消化液を堆肥として利用
すれば、エネルギー利用は十分可能。潜在的賦存量が可採量になりえることに留意する必要がある。
〔2〕山菜工場からの廃棄山菜
廃棄山菜はRDF1)化してエネルギー利用する方法が可能です。
現在山菜工場では、廃棄山菜を産業廃棄物として処理しています。
これらの廃棄山菜は、乾燥しており、未利用なため、すべてエネルギー利用することが
可能です。そこで潜在的賦存量=可採量と考え、RDF 化してエネルギー利用するとして、
廃棄山菜の潜在的賦存量=可採量を次に算出しました。
1)RDF(Refuse Derived Fuel):固形化燃料で運搬・保存が可能になる。
表 4-4-2 山菜加工に伴う残さの賦存量
前提条件
項目
(1)山菜工場 ① ふき原料調達量(平成16年度実績)
からの廃棄山 ② 廃棄山菜割合
菜をRDF化す
③ 廃棄山菜発生量
る場合
④ 発熱量原単位
⑤ エネルギー発生量
⑤-1 灯油量換算
可
⑤-2 灯油タンク(18L)換算
採
量
⑤-3 家庭の灯油消費量換算
=
潜
在
的
賦
存
量
単位
t/年
%
t/年
MJ/kg
MJ/年
L
缶/年
世帯
数値
482
1
5
15
72,270
1,969
109
1.4
備考
山菜工場
山菜工場
①×②%
自然乾燥状態
③×1000×④
⑤/36.7MJ/L
(⑤-1)/18L
⑤/50,879MJ
(注)発熱量原単位は自然乾燥状態の牧草の数値を採用
潜在的賦存量=可採量:山菜工場からの廃棄山菜を RDF 化した場合
72,270MJ/年(家庭の灯油消費量換算:1.4 世帯相当)
62
〔3〕製材工場端材
製材過程で発生する端材をエネルギー化する場合、主に粉砕してチップ化する他、圧縮
整形してペレット化する方法が行われています。
現在、製材過程で発生するバークは家畜敷料に、端材はチップとしてパルプ用に利用さ
れています。
そのため、エネルギー利用できる未利用量はありませんが、仮にチップをエネルギー利
用するとして、チップの潜在的賦存量を次に算出しました。
表 4-4-3 村内で生産するチップの賦存量
項目
前提条件
(1)村内で生 ① チップ生産量
産するチップ ② チップ比重
潜 をエネルギー
在 利用する場合 ③ チップ生産量
④ 発熱量原単位
的
賦
⑤ エネルギー発生量
存
⑤-1 灯油量換算
量
⑤-2 灯油タンク(18L)換算
⑤-3 家庭の灯油消費量換算
単位
m3/年
t/年
MJ/kg
MJ/年
L
缶
世帯
数値
1,473
0.3
442
18.6
8,217,650
223,914
12,440
162
備考
H16年度(村内木材会社)
①×②
阿部房子、林試研報、No.352、1989年
③×④
⑤/36.7MJ
(⑤-1)/18L
⑤/50,879MJ
潜在的賦存量:生産チップをエネルギー利用する場合
8,217,650MJ/年(家庭の灯油消費量換算:162 世帯相当)
可採量:1 社が製造しているが、現状は家畜敷料、製紙パルプなどの用途があり、
未利用に相当するものはありません。
〔4〕生ごみ
エネルギー資源としてみた場合、生ごみは RDF 化、バイオガス化する方法があります。
占冠村の生ごみは、富良野地区環境衛生組合が富良野市・上富良野町・中富良野町・南
富良野町・占冠村の5市町村分を広域で処理しています。処理された生ごみは、堆肥化さ
れ利用されています。
占冠村でエネルギー利用できる生ごみはありませんが、仮にバイオガス化してエネルギ
ー利用するとして、生ごみの潜在的賦存量を次に算出しました。
表 4-4-4 生ごみの賦存量
前提条件
(1)占冠村か
ら発生する生
潜 ごみをバイオ
在 ガス化する場
的
合
賦
存
量
①
②
③
④
⑤
項目
生ごみ発生量
バイオガス発生量単位
バイオガス発生量
発熱量原単位
エネルギー発生量
⑤-1 灯油量換算
⑤-2 灯油タンク(18L)換算
⑤-3 家庭の灯油消費量換算
単位
t/年
Nm3/t
Nm3/年
MJ/Nm3
MJ/年
L
缶
世帯
63
数値
307
100
30,704
20.4
626,362
17,067
948
12
備考
H16年度(富良野地区環境衛生組合調べ)
導入事例より
①×②
メーカー設定値
③×④
⑤/36.7MJ
(⑤-1)/18L
⑤/50,879MJ
潜在的賦存量:占冠村で発生する生ごみをバイオガス化した場合
626,362MJ/年(家庭の灯油消費量換算:12 世帯相当)
可採量:富良野地区環境衛生組合で堆肥化しているため、現在占冠村でエネルギー
利用できる生ごみはありません。
〔5〕廃食用油
廃食用油は、精製してディーゼルエンジン車の燃料として活用できます。
占冠村の廃食用油は、紙等に含ませて村内の一般廃棄物処分場で埋め立てられています。
これらの廃食用油は、未利用なため、すべてエネルギー利用することが可能です。そこ
で潜在的賦存量=可採量と考え、BDF2)化してエネルギー利用するとして賦存量を次に算
出しました。
2) BDF(Bio Diesel Fuel):軽油の代わりに使うことができる植物性燃料。
表 4-4-5 廃食用油の賦存量
=
前提条件
項目
(1)一般家庭 ① 人口(平成17年6月末)
潜 から排出され
② 廃食用油発生量単位
在 る廃食用油
的
③ 廃食用油発生量
賦
存
④ BDF換算
量
⑤ 発熱量原単位
⑥ エネルギー発生量
可
⑥-1 灯油量換算
採
⑥-2 灯油タンク(18L)換算
量
⑥-3 家庭の灯油消費量換算
単位
人
g/人・年
kg/年
kg/年
MJ/kg
MJ/年
L
缶
世帯
数値
備考
1,539 占冠村広報8月号
一人あたり廃油発生量(全国
1,354
平均値)
2,084
1,875
37.6
70,516
1,921
107
1.4
①×②
③×0.9(BDF精製効率)
エステル化燃料の発熱量
④×⑤
⑥/36.7MJ
(⑥-1)/18L
⑥/50,879MJ
(注)トマムリゾートから排出される廃食用油は、すべて回収され、石けん等に再利用されているので、賦存量に
含めず。
潜在的賦存量=可採量:一般家庭から発生する廃食用油から製造可能な BDF 生産量
70,516MJ/年(家庭の灯油消費量換算:1.4 世帯相当)
〔6〕下水汚泥
下水汚泥は、バイオガス化してエネルギー利用されている事例があります。
占冠村の下水汚泥は、浄化槽は富良野地区環境衛生組合で、その他の下水汚泥は苫小牧
の処分場で処理しています。
占冠村でエネルギー利用できる下水汚泥はありませんが、仮にバイオガス化してエネル
ギー利用するとして、下水汚泥の潜在的賦存量を次に算出しました。
64
表 4-4-6 下水汚泥の賦存量
潜
在
的
賦
存
量
前提条件
単位
項目
(1)一般家庭から ① 下水処理人口(平成16年3月末)
人
3
排出される下水 ② 下水処理発生量単位
m /人・年
汚泥
③ 下水汚泥処理量
m3/年
3
3
④ バイオガス発生量単位
m (バイオガス)/m (汚泥)
3
⑤ バイオガス発生量
m /年
⑥ 発熱量原単位
MJ/m3
⑦ エネルギー発生量
MJ/年
⑦-1 灯油量換算
L
⑦-2 灯油タンク(18L)換算
缶
⑦-3 家庭の灯油消費量換算
世帯
数値
1,002
4.9
4,910
10.5
51,553
19.8
1,018,241
27,745
1,541
20
備考
占冠村建設課
下水道統計
①×②
下水道統計
③×④
導入事例より
⑤×⑥
⑦/36.7MJ
(⑦-1)/18L
⑦/50,879MJ
潜在的賦存量:一般家庭から排出される下水汚泥をバイオガスした場合
1,018,241MJ/年(家庭の灯油消費量換算:20 世帯相当)
可採量:浄化槽は富良野地区環境衛生組合で、その他の下水汚泥は苫小牧の処分
場で処理しているため、現在占冠村でエネルギー利用できる下水汚泥は
ありません。
〔7〕し尿
し尿は、バイオガス化してエネルギー利用することが可能です。
占冠村のし尿は、生ごみと同じく富良野地区環境衛生組合が5市町村分を広域で処理し、
堆肥化され利用されています。
占冠村でエネルギー利用できるし尿はありませんが、仮にバイオガス化してエネルギー
利用するとして、し尿の潜在的賦存量を次に算出しました。
表 4-4-7 し尿の賦存量
潜
在
的
賦
存
量
項目
前提条件
(1)占冠村の ① し尿処理量
し尿処理量
② バイオガス発生量単位
単位
kL/年
Nm3/kL
③ バイオガス発生量
Nm3/年
④ 発熱量原単位
MJ/Nm3
⑤ エネルギー発生量
MJ/年
⑤-1 灯油量換算
L
⑤-2 灯油タンク(18L)換算
缶
⑤-3 家庭の灯油消費量換算
世帯
数値
備考
425.64 H16年度(富良野地区環境衛生組合調べ)
有機系廃棄物のエネルギー化に関す
8
る調査研究、サンシャイン計画
3,405
18
61,142
1,666
93
1.2
①×②
メタン濃度50%
③×④
⑤/36.7MJ
(⑤-1)/18L
⑤/50,879MJ
潜在的賦存量:占冠村の処理し尿をバイオガス化した場合
61,142MJ/年(家庭の灯油消費量換算:1.2 世帯相当)
可採量:富良野地区環境衛生組合で堆肥化しているため、現在占冠村でエネルギ
ー利用できるし尿はありません。
65
(2)未利用バイオマス
2010 年頃を見通せば、現時点では、収集コストの面から農地に放置される等の未利用で
ある農作物非食用部、林地残材といった未利用バイオマスが、バイオマスの収集システム
技術の発達等によって低コストでの収集が可能となることにより、その利活用が進むこと
が期待されます。
〔1〕林地残材・間伐材
森林の適正な管理によって発生する末木枝条などの林地残材や間伐材などのエネルギー
利用方法は、主に細かく砕くチップ化の手法が用いられています。
林地残材・間伐材は、森林から資源を収集する林業と深く関わっており、今後の林業の
発展、市場性、エネルギー市場価格などによって、エネルギー産業としての創出が期待さ
れます。
占冠村の全森林の蓄積量からのエネルギー発生量を算出した上で、潜在的賦存量を全森
林からの伐採量とその伐採に伴って発生する林地残材とみなし、算出します(表 4-4-10)。
林地残材は、占冠村の 1haあたりの蓄積は 6,167m3/52,845ha=117m3/haであることから、
カラマツとトドマツの 100m3/haの現存量の目安を用い、伐採材積(幹)に対する林地残
材(末木枝条)の平均発生量原単位 0.39 とし、伐採材積との積で算出しました(表 4-4-8)。
可採量は、占冠村の村有林・民有林の針葉樹の伐採(表 4-4-9)に伴って発生する林地
残材とみなし、算出します(表 4-4-10)。
表4-4-8 蓄積100m3/haのときの林冠が閉鎖した森林の現存量の目安
蓄積
地上部の現存量
①幹の割合
②枝の割合
③葉の割合
m3/ha
トドマツ
カラマツ
t/ha
60
60
%
65
80
%
15
5
%
20
15
平均
幹に対する枝
葉の割合
(②+③)/①
0.54
0.25
0.39
(資料)北海道大学大学院農学研究科渋谷正人助教授
(注)根の現存量は、若齢林で地上部現存量の 20∼30%、壮齢∼成熟林で 20∼25%。
表4-4-9 占冠村での森林伐採量と末木枝条量(平成16年度)
カラマツ
その他針葉樹
広葉樹
合計
村有林
1,463
788
629
2,880
民有林
3,425
2,090
2,589
8,104
合計
4,888
2,878
3,218
10,984
(資料)富良野森林組合への聞き取り
66
単位:m3
幹に対する末木枝条の割合 末木枝条量
0.25
1,222
0.54
1,554
2,776
表 4-4-10 林地残材・間伐材バイオマスの賦存量
前提条件
(1)全森林の蓄積
量
項目
全森林蓄積量
木材の比重
全森林蓄積量
発熱量原単位
エネルギー発生量
⑤-1 灯油量換算
⑤-2 灯油タンク(18L)換算
⑤-3 家庭の灯油消費量換算
(1)全森林の伐 ⑥ 全森林面積
採材積
⑦ 上川支庁の伐採面積率
①
②
③
④
⑤
⑧
⑨
⑩
⑪
⑫
⑬
潜
在
的 (2)全森林の林
賦 地残材(末木枝 ⑭
⑮
存 条)
量
⑯
⑰
⑱
⑲
(3)潜在的賦存 ⑳
量合計
(1)民有林の林 Ⅰ
地残材(主伐・ Ⅱ
間伐に伴う)
Ⅲ
Ⅳ
可
採
Ⅴ
量
単位
m3
t/m3
t
MJ/kg
MJ/年
L
缶
世帯
ha
ha/ha
占冠村の蓄積率
m3/ha
全森林伐採材積
m3/年
木材の比重
t/m3
全森林伐採材積
t
発熱量原単位
MJ/kg
エネルギー発生量
MJ/年
⑬-1 灯油量換算
L
⑬-2 灯油タンク(18L)換算
缶
⑬-3 家庭の灯油消費量換算
世帯
林地残材発生量単位
全森林の林地残材発生量
m3/年
木材の比重
t/m3
全森林の林地残材発生量
t
発熱量原単位
MJ/kg
エネルギー発生量
MJ/年
⑲-1 灯油量換算
L
⑲-2 灯油タンク(18L)換算
缶
⑲-3 家庭の灯油消費量換算
世帯
エネルギー発生量
MJ/年
⑳-1 灯油量換算
L
⑳-2 灯油タンク(18L)換算
缶
⑳-3 家庭の灯油消費量換算
世帯
民有林の林地残材発生量
m3/年
木材の比重
t/m3
民有林の林地残材発生量
t
発熱量原単位
MJ/kg
エネルギー発生量
MJ/年
Ⅴ-1 灯油量換算
L
Ⅴ-2 灯油タンク(18L)換算
缶
Ⅴ-3 家庭の灯油消費量換算
世帯
Ⅴ-4 潜在的賦存量(3)に対する割合
数値
6,167,000
0.56
3,453,520
18.6
64,222,267,466
1,749,925,544
97,218,086
1,262,255
52,845
備考
北海道水産林務部、平成15年度北海道林業統計
国産主要木材の平均比重
①×②
阿部房子、林試研報、No.352、1989年
③×1000×④
⑤/36.7MJ
(⑤-1)/18L
⑤/50,879MJ
北海道水産林務部、平成16年度北海道林業統計
12,114ha(上川支庁伐採面積)/253,372ha(上川支
0.048
庁森林面積)
117
294,851
0.56
165,117
18.6
3,070,538,765
83,665,906
4,648,106
60,350
0.39
114,992
0.56
64,396
18.6
1,197,510,119
32,629,704
1,812,761
23,536
4,268,048,884
116,295,610
6,460,867
83,886
2,776
0.56
1,555
18.6
28,908,872
787,708
43,762
568
0.01
①/⑥
⑥×⑦×⑧
国産主要木材の平均比重
⑨×⑩
阿部房子、林試研報、No.352、1989年
⑪×1000×⑫
⑬/36.7MJ
(⑬-1)/18L
⑬/50,879MJ
表4-4-8より
⑨×⑭
国産主要木材の平均比重
⑮×⑯
阿部房子、林試研報、No.352、1989年
⑰×1000×⑱
⑲/36.7MJ
(⑲-1)/18L
⑲/50,879MJ
⑬+⑲
⑳/36.7MJ
(⑳-1)/18L
⑳/50,879MJ
表4-4-9より
国産主要木材の平均比重
Ⅰ×Ⅱ
阿部房子、林試研報、No.352、1989年
Ⅲ×1000×Ⅳ
Ⅴ/36.7MJ
(Ⅴ-1)/18L
Ⅴ/50,879MJ
Ⅴ/⑳
(注)潜在的賦存量の伐採量は占冠村の森林面積と上川支庁の伐採面積率の積で算出。
潜在的賦存量:全森林の伐採材積+林地残材(推計値)
4,268,048,884MJ/年(家庭の灯油消費量換算:83,886 世帯相当)
可採量:民有林の主伐・間伐に伴う林地残材(平成16年度の実績値)
28,908,872MJ/年(家庭の灯油消費量換算:568 世帯相当)
67
〔2〕牧草
占冠村の主要農産物のなかで、エネルギーとして利用可能性が高いのは牧草です。牧草
は、直接燃焼やアルコール化してエネルギー利用することができます。
牧草は、現在すべて家畜の飼料として利用されていることから、エネルギー利用できる
量はありませんが、仮に収量すべてを直接燃焼してエネルギー利用するとして潜在的賦存
量を算出しました。
表 4-4-11 牧草の賦存量
潜
在
的
賦
存
量
前提条件
(1)牧草発生量 ①
②
③
④
⑤
項目
牧草発生量(平成14年度)
乾物発生量原単位
乾物収量
発熱量原単位
エネルギー発生量
⑤-1 灯油量換算
⑤-2 灯油タンク(18L)換算
⑤-3 家庭の灯油消費量換算
単位
t/年
MJ/kg
MJ/年
L
缶
世帯
数値
21,300
0.2
4,260
15
64,185,420
1,748,922
97,162
1,262
備考
農林水産統計年報
①×②
③×1000×④
⑤/36.7MJ
(⑤-1)/18L
⑤/50,879MJ
潜在的賦存量:牧草の発生量
64,185,420MJ/年(家庭の灯油消費量換算:1,262 世帯相当)
可採量:家畜飼料として利用されていることからエネルギー利用できる牧草はあり
ません。
68
(3)資源作物
将来、エネルギーや製品への変換効率が向上し、バイオマスに対して原料代を支払った
としても化石資源に由来するエネルギー価格や製品価格に対抗できるようになることが期
待されます。この場合、エネルギー源や製品の原料とすることを目的として、いわゆる「資
源作物」が栽培されるようになるものと推測されます。
資源作物にはてんさいなどの糖質作物、とうもろこしなどのでんぷん資源、菜種などの
油脂資源があり、占冠村でも休耕地等を利用して資源作物の栽培を行うことが可能です。
〔参考〕菜の花栽培によるエネルギー利用の事例
図 4-4-1 に示した「菜の花プロジェクト」は、菜の花を中心とした資源循環型社会を実
現するための地域モデルづくりとして、滋賀県安土町に本部をおいて市民が中心となり、
産学官民で活動を続けている団体です。
転作田に菜の花を植え、なたねを収穫し、搾油してなたね油にします。そのなたね油を
料理や学校給食に使い、搾油時に出た油かすは肥料や飼料として使います。廃食用油は回
収し、石けんや軽油代替燃料にリサイクルします。大気中に排出されたCO2は菜の花を栽
培することで吸収されるため、地域内で循環するしくみです。
図 4-4-1 菜の花プロジェクトイメージ
(資料)菜の花プロジェクトネットワークホームページ
69
第5節
雪氷熱エネルギー
(1)冷熱資源
冷熱資源は、いずれも寒冷気候によって作られます。雪利用は、ある程度の積雪量が見
込める地域において利用可能で、地域の選択が必要です。一方、氷と凍土を利用するには、
それらを作り出す寒冷な冷気があればどこででも可能です。
〔1〕雪利用
占冠村の 10 月から 4 月までの最大積雪量は 87cm となり、雪を十分活用できる地域で
す(「第 2 章第 1 節
自然環境条件」より 1982 年から 19 年の平年値)。
図 4-5-1 占冠村の積雪の深さ最大
cm
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
アメダス地点 最深積雪
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 年
69 79 83 52
0
0
0
0
0
1
21 41 87
(資料)アメダス平年値(1982∼2000 年)
(注)平成 16 年度のトマム地区の最大積雪量は、合計値がアメダスデータ 346cm に対してトマム地区 404cm
とアメダスデータよりも 58cm 多い。(旭川土木現業所調べ)
〔2〕氷利用
氷利用は、積算寒度1)が 200℃日以上であれば可能といわれ、寒冷な冷気があればどこ
でも利用できることが特長です。占冠村の積算寒度は 965.5℃日で、冷熱が多く存在する
地域です。
1)積算寒度:日平均温度 0℃以下の日平均気温の絶対値と日数との積との年間の積算値。例えば-5℃の日平
均気温が 60 日続くと、積算寒度は 300℃日となります。
70
図 4-5-2 積算寒度(2004年10月∼2005年4月の値)
1200
965.5
1000
℃
800
600
400
219.2
200
0
1.2
13.8
10月
11月
302.6
284.7
135.4
8.6
12月
1月
2月
3月
4月
合計
(資料)アメダス電子閲覧室データ
(注)平成 16 年度のトマム地区の積算寒度は、849℃・日でアメダスデータよりも 116.5℃日少ない。(トマムリゾー
ト調べ)
(2)雪氷熱エネルギーの賦存量
〔1〕雪
雪冷熱エネルギーの潜在的賦存量は、占冠村の面積のうち池沼、山林、原野、雑種地、
その他を除いた田、畑、宅地、牧場の積雪量としました。
また、可採量を占冠村の除排雪量として算出しました。
表 4-5-1 雪冷熱の賦存量
前提条件
項目
(1)田、畑、宅 ① 田、畑、宅地、牧場
地、牧場に降 ② 積雪
潜 る積雪量
③ 積雪量
在
的
④ 比重(自然積雪)
賦
⑤ 融解潜熱原単位
存
⑥ 冷熱量
量
⑥-1 電力量換算
⑥-3 家庭の電力消費量換算
(1)除排雪さ ⑦ 除排雪面積
れる量
⑧ 高さ
⑨ 堆積量
可
⑩ 比重(除排雪された雪)
採
⑪ 融解潜熱原単位
量
⑫ 冷熱量
⑫-1 電力量換算
⑫-3 家庭の電力消費量換算
単位
m2
cm
m3
t/m3
MJ/t
MJ/年
kWh
世帯
2
m
m
m3
t/m3
MJ/t
MJ/年
kWh
世帯
数値
備考
9,280,000 平成16年度固定資産概要調書
87 気象庁アメダス観測データ
8,073,600 ①×②/100
0.3 北海道開発局「雪冷熱エネ
335 ルギー活用手引書」
811,009,267 ③×④×⑤
225,280,352 ⑥/3.6MJ
63,729 (⑥-1)/3,535kWh
1,286 占冠村産業課調べ
5 占冠村産業課調べ
6,431 ⑦×⑧
0.5 北海道開発局「雪冷熱エネ
335 ルギー活用手引書」
1,076,720 ⑨×⑩×⑪
299,089 ⑫/3.6MJ
85 (⑫-1)/3,535kWh
融解潜熱:雪氷 1t あたり 8 万 kcal=334.84MJ の熱を奪う。つまり 0℃の雪氷 1t を融かし 0℃の水となるために
334.84MJ の熱量が必要となる。
71
潜在的賦存量:田、畑、宅地、牧場の積雪量の冷熱エネルギー
811,009,267MJ/年(家庭の電力消費量換算:63,729 世帯相当)
可採量:除排雪の冷熱エネルギー
1,076,720MJ/年(家庭の電力消費量換算:85 世帯相当)
〔2〕氷
氷の潜在的賦存量は、量的に把握するのは困難なため、積算寒度 965.5℃とします。
可採量も数値として把握するのは困難なため、以下に参考として施設規模を想定した場
合の雪氷貯蔵量を推計します。
〔参考〕雪氷の利用として考えられる施設
コミュニティープラザ、ディサービスセンター(福祉施設)を施設面積から推計すると
以下のようになります。
表 4-5-2 村内2施設に雪氷冷房を導入した場合の冷熱量
前提条件
項目
単位
(1)コミュニ
① 冷房面積
㎡
ティープラザを
MJ/㎡・h
雪冷房・氷冷 ② 冷房負荷
房
③ 冷熱量
MJ/年
④ 必要雪氷貯蔵量
t/年
(2)ディサービ ⑤ 冷房面積
㎡
スセンター(福
MJ/㎡・h
祉施設)を雪冷 ⑥ 冷房負荷
房・氷冷房
⑦ 冷熱量
MJ/年
⑧ 必要雪氷貯蔵量
t/年
⑨ 冷熱量
MJ/年
⑨-1 電力換算
kWh
雪冷熱計
⑨-2 家庭の電力消費量換算
世帯
⑨-3 可採量に対する割合
⑩ 必要雪氷貯蔵量
t/年
数値
備考
1,334 占冠村産業課調べ
公共ホールの場合(北海道開発局
0.67
「雪冷熱エネルギー活用手引書」)
241,205 ①×②×6h×45d
720 ③/雪氷の融解潜熱:335MJ/t
614 占冠村産業課調べ
病院の場合(北海道開発局「雪冷
0.29
熱エネルギー活用手引書」)
48,571
145
289,776
80,493
23
0.3
865
⑤×⑥×6h×45d
⑦/雪氷の融解潜熱:335MJ/t
③+⑦
⑨/3.6MJ
(⑨-1)/3,535kWh
⑨/可採量
④+⑧
(注)1 日 6 時間、年間 45 日稼動したと仮定
融解潜熱:雪氷 1t あたり 8 万 kcal=334.84MJ の熱を奪う。
雪氷を施設冷房に利用する場合、除塵効果や臭気吸収効果などの空気清浄機能がありま
す。施設冷房では、コミュニティープラザ、病院、福祉施設、ホテル、農産物貯蔵施設で
の利用が想定されます。
農作物収穫量と農作物の最適貯蔵条件から判断すると、農業関連施設における雪氷冷熱
利用が考えられます。山菜も貯蔵の対象となり、岩手県や山形県ではタラノメ、ウド、ネ
マガリダケやその漬け物など雪室貯蔵して出荷調整をしたり、商品の差別化にもつなげて
います。また、山菜の栽培をしているところでは雪室を利用して抑制栽培をしています。
72
表 4-5-3 占冠村の農産物貯蔵の対象作物と最適条件
品 目
麦類
小麦
豆類
小豆
果菜類 トマト
カボチャ
とうもろこし
根菜類 馬鈴薯
果物
メロン
最適貯蔵条件
温度(℃) 湿度(%)
20.1
∼10
∼12
4.1
5
70
25.7
7∼10
85∼90
0.042
10∼13
70∼75
1.07
0
95
0∼10
90
0.3
4∼10
85∼90
面積(ha) 収穫量(t)
5
3.55
0.44
0.05
1.05
0.25
0.5
(資料)面積及び収穫量:ふらの農協南富良野支所占冠出張所調べ(平成 16 年度)
(注)最適貯蔵条件:麦、馬鈴薯∼食品総合研究所
小豆∼中央農試農産化学部品質評価科「豆類の長期貯蔵条件とこれに伴う加工適正の変
動及び煮熟特性の評価法」
その他∼(財)北海道科学・産業技術振興財団「アイスシェルター技術」及び NEDO「雪氷冷熱
エネルギー導入ガイドブック」
73
第6節
廃棄物発電・熱利用
(1)一般廃棄物
占冠村では、一般家庭からでるごみは粗大ごみ、生ごみ、一般ごみ、紙類、プラスティ
ック、乾電池・蛍光灯、あき缶、あき瓶の 8 種類に分別しています。このうち占冠村内一
般廃棄物最終処分場でリサイクルできない粗大ごみ、一般ごみ、紙類、プラスチックを埋
立処分しています。
表 4-6-1 占冠村一般廃棄物最終処分場での処分量(平成16年度)
単位:t
合 計
村内収集
リゾート収集
処理不適物
脱水ケーキ
合 計
515.20
249.20
184.77
101.95
1,051.12
(資料)占冠村役場環境衛生担当
廃棄物熱利用では、これら埋立されているごみの内、村内収集とリゾート収集分の可燃
ごみを焼却して得られる熱エネルギーを潜在的賦存量=可採量として算出しました。
表 4-6-2 可燃ごみの賦存量
前提条件
項目
(1)占冠村で ① 収集ごみ(村内+リゾート)
埋立処分され
潜 ているごみの ② 廃食用油(一般家庭+宿泊客)
在 うち可燃ごみ
可燃ごみ割合
的
③
賦
④ 可燃ごみ量
存
量
⑤ 発熱量原単位
単位
t/年
t/年
%
t/年
=
可
採
量
⑥ エネルギー発生量
⑥-1 灯油量換算
⑥-2 灯油タンク(18L)換算
⑥-3 家庭の灯油消費量換算
MJ/t
MJ/年
L
缶
世帯
数値
備考
764.4 H16年度(占冠村役場調べ)
2.396 第4章第4節〔廃食用油〕より
北海道内某自治体のごみ質調
94.6
査(平成10年・11年)
721 ①×②×③%
一般廃棄物4.19∼10.47MJ/kg
7,330
の中間値
5,283,873
143,975
7,999
104
③×④
⑤/36.7MJ
(⑤-1)/18L
⑤/50,879MJ
潜在的賦存量=可採量:占冠村で埋立処分されているごみのうち可燃ごみ
5,283,873MJ/年(家庭の灯油消費量換算:104 世帯相当)
74
(2)農業系廃棄物
産業系廃棄物としては、ハウス農家の栽培ハウスのポリエチレンなどがあり、ポリエチ
レンとビニールを合わせて 17.95t/年あります。ビニールの割合は少なく 1.4%で、ほとんど
がポリエチレンになっています。
表 4-6-3 占冠村の産業系廃棄物量
農業ビニール
農業ポリエチレン
合計
単位:t
0.25
17.7
17.95
(資料)ふらの農業協同組合 南富良野支所占冠出張所
これら産業系廃棄物は南富良野町と合同ですべて再利用されています。
そのため、エネルギー利用できる産業系廃棄物はありませんが、仮にハウス農家から排
出されるポリエチレンを燃焼させるとして、得られる熱エネルギーを算出しました。尚、
農業ビニール(塩ビ)は除外します。
表 4-6-4 産業系廃棄物のエネルギー可採量
前提条件
項目
(1)占冠村の ① 農業用廃プラスチック搬入量
潜 農業用廃プラ
在 スチック搬入 ② 発熱量原単位
量
的
③ エネルギー発生量
賦
③-1 灯油量換算
存
量
③-2 灯油タンク(18L)換算
③-3 家庭の灯油消費量換算
単位
t/年
MJ/t
MJ/年
L
缶
世帯
数値
備考
17.70 ふらの農協南富良野支所調べ
廃プラスチック25.1∼33.5MJ/kg
29,300
の中間値
518,610
14,131
785
10
①×②
③/36.7MJ
(③-1)/18L
③/50,879MJ
潜在的賦存量:占冠村の農業用廃プラスチック搬入量
518,610MJ/年(家庭の灯油消費量換算:10 世帯相当)
可採量:すべて再利用している状況にあることから未利用に相当する可採量はあり
ません。
75
第7節
温度差エネルギー
(1)温度差エネルギーの賦存量
温度差エネルギーには、河川水や温泉排水、生活排水、工場の排熱等が考えられます。
河川水の温度は、夏は外気温よりも低く冬は高いため、熱源として利用できます。また、
温泉排水や生活排水、下水処理水は、冬でも比較的高い温度を有しているため、エネルギ
ー(熱源)として利用できます。
ここでは、湯の沢温泉排水と河川水との温度差、トマムリゾートからの排水と河川水と
の温度差を想定して、温度差エネルギーの賦存量を次に算出しました。
表 4-7-1 温度差エネルギー賦存量
前提条件
項目
(1)湯の沢温泉 ① 利用温度差
排水と河川水と
の温度差エネル ② 定圧比熱
③ 男湯と女湯の合計浴槽
ギー
④ 使用湯量
単位
4.186
t
5.6 湯の沢温泉調べ
t
291 ③×52週/年(週1で浴槽総入れ替え)
t
⑥ 温度差エネルギー
MJ/年
備考
30 温泉排水温度35℃-河川水5℃(仮定)
MJ/t・℃
⑤ 温泉排水量
262 ④×0.9(使用ロス1割とした)
32,912 ①×②×⑤
⑥-1 灯油量換算
L
897 ⑥/36.7MJ
⑥-2 灯油タンク(18L)換算
缶
49.8 (⑥-1)/18L
⑥-3 家庭の灯油消費量換算
世帯
(2)トマムリゾー ⑦ 利用温度差
可
トからの排水と
採
河川水との温度 ⑧ 定圧比熱
量
⑨ VIZスパハウスの水道使用量(平成16年度)
差エネルギー
⑩ 排水量
⑪ 温度差エネルギー
0.6 ⑥/50,879MJ
℃
20 排水温度25℃-河川水5℃(仮定)
MJ/t・℃
t
t
4.186
81,622 トマムリゾート調べ
65,298 ⑨×0.2(使用ロス2割とした)
MJ/年
5,466,749 ⑦×⑧×⑩
⑪-1 灯油量換算
L
148,958 ⑪/36.7MJ
⑪-2 灯油タンク(18L)換算
缶
⑪-3 家庭の灯油消費量換算
(3)可採量合計
数値
℃
8,275 (⑪-1)/18L
世帯
⑫ 温度差エネルギー
MJ/年
⑫-1 灯油量換算
L
⑫-2 灯油タンク(18L)換算
缶
⑫-3 家庭の灯油消費量換算
107.4 ⑪/50,879MJ
5,499,661 ⑥+⑪
149,855 ⑫/36.7MJ
世帯
8,325 (⑫-1)/18L
108 ⑫/50,879MJ
(注)湯の沢温泉の設定温度 42℃であることから、排水温度を仮に 35℃とした。同様にトマムリゾートの VIZ スパハ
ウスの温度を 35℃と仮定し、排水温度を 25℃とした。
定 圧 比 熱 : 水 の 定 圧 比 熱 は 温 度 に 依 存 す る が 、 常 圧 で は 誤 差 約 1 % 程 度 の 精 度 で 4.186MJ/t ・ ℃ ( =
1kcal/kg・℃)とみなせる。
潜在的賦存量:熱源や利用方法・条件に応じてあらゆる温度差が考えられるため、
量的に全量を把握するのは困難です。
可採量:湯の沢温泉排水と河川水との温度差エネルギー
トマムリゾートからの排水と河川水との温度差エネルギーの合計
5,499,651MJ/年(家庭の灯油消費量換算:108 世帯相当)
76
第8節 需要サイドのエネルギー
(1)クリーンエネルギー自動車
クリーンエネルギー自動車の導入が進むためには、価格の一層の低減と燃料供給施設な
どインフラ整備が必要です。既存車との価格差が小さく、新たに燃料供給設備を整備する
必要がない「ハイブリッド自動車」は、普及が期待されます。
表 4-8-1 各種クリーンエネルギー自動車導入にむけたインフラ整備
既存車比価格
インフラ整備
電気自動車
2∼3.5 倍程度 充電スタンドの整備
ハイブリッド自動車
1.04∼1.7 倍程 不要(既存のサービスステーションで燃料補給が可能)
天然ガス自動車
1.4∼2 倍程度 天然ガス充填所の整備
メタノール自動車
燃料電池自動車
2 倍程度 メタノール燃料供給設備の整備
(実証段階)
水素供給設備の整備
(注)道内の天然ガススタンドは、札幌市、石狩市、旭川市の7箇所。
こうしたクリーンエネルギー自動車の社会的条件を踏まえ、占冠村の車両をハイブリッ
ド自動車に置き換えた場合の省エネ量を潜在的賦存量とし、公用車をすべてハイブリッド
自動車に置き換えた場合を可採量とし、以下に算出しました。
表 4-8-2 輸送機関別エネルギー消費量(推計)
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
⑩
項目
占冠村の全車輌台数(平成16年)
公用車数(平成17年)
1台当たりの消費エネルギーの平均値
全車輌の消費エネルギー量
公用車の消費エネルギー量
省エネ率
エネルギー削減量(潜在的賦存量)(④×⑥)
エネルギー削減量(可採量)(⑤×⑥)
ガソリン量換算(⑦/34.6MJ)
ガソリン量換算(⑧/34.7MJ)
単位
台
MJ/年
MJ/年
%
MJ/年
kL/年
乗用車
トラック
1,170
181
22
2
15,337
155,043
17,944,314 28,062,720
337,414
310,085
40%
40%
7,177,725 11,225,088
134,966
124,034
207
324
4
4
バス
合計
1,389
38
7
181,957
6,914,375 52,921,409
1,273,701 1,921,200
40%
2,765,750 21,168,564
509,480
768,480
80
612
15
22
(資料)車輌台数:北海道自動車統計(平成 16 年 3 月 31 日現在)
省エネ率:第1回総合エネルギー調査会新エネルギー部会資料、2000 年
1台当たりの消費エネルギー平均値:国土交通省「平成 12 年交通経済統計要覧」より求めた値
(注)省エネ率:同型の既存ガソリン車と比較して、一定の距離を走行する場合のエネルギー消費量の減少率。
乗用車には、普通車、小型車、軽自動車、トラックには、普通車、小型車、バスには、普通車、小型車を含む。
公用車においてはトラックに給食運搬車、ダンプカーを含む。
潜在的賦存量:すべての乗用車、トラック、バスをハイブリッド自動車に置き換え
た場合のエネルギー(ガソリン)削減量
21,168,564MJ/年(ガソリン換算 612kL/年)
可採量:公用車をハイブリッド自動車に置き換えた場合のエネルギー削減量
768,480MJ/年(ガソリン換算 22kL/年)
77
(2)天然ガスコージェネレーション
コージェネレーションとは、発電の際に使用する冷却水や排気ガスの「熱」を「温水」
や「蒸気」として同時に利用するシステムのことであり、エネルギー利用の総合効率は 70
∼80%に達します。
天然ガスコージェネレーションは、常用の(停電時も含む)電源と熱源のための自家発
電設備に適しています。占冠村における導入は、主に次の対象施設が考えられます。
① ホテル、ペンション
② 電気と熱需要の多い公共施設
③ 病院、福祉施設
道内の天然ガス供給は、苫小牧市勇払ガス田からパイプラインによって北広島、石狩、
札幌、小樽、恵庭、千歳に供給されています。旭川へは、液化天然ガス(LNG)をトレ
ーラーと鉄道コンテナ台車で輸送して旭川市永山に設置されたLNG貯蔵槽に貯留・利用
されています。
また、帯広ガス、苫小牧ガス、岩見沢ガス、北見市企業局、釧路ガス、室蘭ガスは、2010
年までに天然ガス転換を終了する計画にあります。
表 4-8-3 各種コージェネレーションの特徴
(参考)
ディーゼルエンジン ガスエンジン
ガスタービン
単機容量
15∼10,000kW
8∼5,000kW
30∼100,000kW
50∼10,000kW
発電効率(LHV)
30∼42%
28∼42%
20∼35%
36∼45%
総合効率
60∼75%
65∼80%
70∼80%
60∼80%
燃料
A 重油・軽油・灯油
都市ガス・LPG・消化 都 市 ガ ス ・ LPG ・ 灯 都市ガス・灯油・メ
ガス
油・軽油・A 重油・LNG タノール・消化ガス
排ガス 450℃前後
排ガス 450∼600℃
冷却水 70∼75℃
冷却水 85℃前後
噴射時期遅延
希薄燃焼
排ガス処理 選択還元脱硝
三元触媒
選択還元脱硝
必要なし
商用機
商用機
実用機レベルの試験
排熱温度
NOX
りん酸型燃料電池
燃焼改善
予混合希薄燃焼
水噴射・蒸気噴射
対策
商用機
排ガス 450∼550℃
作動温度 250℃以下
温水 70℃、120℃
必要なし
セラミックの利用や 数 10kW クラスのマイ 的導入
ミ ラ ー サ イ ク ル 化 クロガスタービンは
技術の現状
等、高発電効率機を 実 用 化 開 発 中 ( 一 部
商用機として稼働)
開発中
・発電効率が高い
特徴
・導入実績が豊富
・排ガスがクリーン ・小型・軽量
で熱回収が容易
・排ガス温度が比較 ・排熱が高温で利用
的低い
効率が高い
(資料)NEDO「新エネルギーガイドブック入門」より作成
78
・発電効率が高い
・排ガス温度が高温 ・騒音・振動が小さ
で蒸気回収が容易 い
・冷却水不要
・排ガスがクリーン
占冠村では、昭和 52 年の記録によると、湯の沢温泉で天然ガスが湧出しています。この
ガスを天然ガスコージェネレーションの燃料としてエネルギー利用する可能性があります。
利用可能なガス量は温泉湧出量に比例しますが、温泉湧出量が不明のため、「湯の沢地下水
源ボーリング工事」報告書(昭和 52 年)による湧出ガス量 42∼55 ㎥/日の記録より平均値
49 ㎥/日を利用可能なガス量として、潜在的賦存量=可採量とし、以下に計上します。
表 4-8-4 天然ガスコージェネレーションに利用する天然ガスの賦存量
項目
潜
在
的
賦
存
量
・
可
採
量
単位
① 天然ガス湧出量1)
m3/年
② 天然ガスエネルギー発生量
MJ/年
③ 6.7kW2)天然ガスコージェネレーション導入数
数値
計算式
17,885 49m3/日×365日
731,497 ①×40.9MJ
基
1
3)
④ 発電効率
%
29%
⑤ 熱回収率3)
%
⑥ 天然ガスコージェネレーションエネルギー発生量
MJ/年
⑥-1 灯油量換算
kL
⑥-2 灯油タンク(18L)換算
缶
⑥-3 家庭の灯油消費量換算
世帯
56%
621,772 (②×④)+(②×⑤)
17 ⑥/36.7MJ/L
941 (⑥-1)/18L
12 (⑥-1)/50,879MJ/年
1)「湯の沢地下水源ボーリング工事」報告書(昭和 52 年)による湧出ガス量 42∼55 ㎥/日の記録より平均値 49
㎥/日を参考
2)天然ガスエネルギー発生量 731,497MJ/年÷365 日÷24 時間÷3.6MJ/kW×発電効率 29%=6.7kW
3)メーカー聞き取りより
潜在的賦存量=可採量:湯の沢温泉に湧出する天然ガスを天然ガスコージェネレー
ション(6.7kW)に利用した場合
621,772MJ/年(家庭の灯油消費量換算 12 世帯相当)
79
(3)燃料電池
燃料電池は、水素と酸素の化学反応により発電を行います。燃料電池の「水素」は、天
然ガスやメタノールなどを改質して作られ、「酸素」は、大気中から取り入れます。
燃料電池は、発電と同時に熱を発生することから、その熱を活用することでエネルギー効
率を高められます。発電の際には水しか発生せず、振動や騒音もありません。また、事業
用のものから家庭用、車載用と用途が多く、燃料電池の実用化へ向けたメーカー各社の開
発が活発になっています。
燃料の水素は、LPG、バイオガス、そして水の電気分解などから取り出すことが技術
的に可能です。これら原燃料を利用した燃料電池の利用は、病院、学校、一般家庭が考え
られます。なお、水素の貯蔵や輸送には、水素の圧縮や液化装置に高額な費用が必要です。
一方、天然ガスから水素を取り出し利用する家庭用燃料電池の商品化を目指しているメ
ーカーもあり、コストの大幅な削減が可能になれば、占冠村の家庭においても燃料電池の
普及が期待されます。
表 4-8-5 燃料電池の種類
低温型
高温型
型式
固体高分子形
(PEFC)
りん酸形
(PAFC)
溶解炭酸塩形
(MCFC)
固体酸化物形
(SOFC)
電解質
イオン交換膜
りん酸
炭酸カリウム/
炭酸リチウム
安定化ジルコニア
伝導イオン
水素イオン(H+)
水素イオン(H+)
炭酸イオン(CO32-)
酸素イオン(O2-)
運転温度
常温∼100℃
200℃
650℃
1,000℃
燃料(反応)
H2
H2
H2、CO
H2、CO
原燃料
天然ガス、LPG、メタノ 天然ガス、LPG、メタノ
天然ガス、LPG、メタノ 天然ガス、LPG、メタノ
ール、ナフサ、軽質油、ール、ナフサ、軽質油、
ール、ナフサ
ール、ナフサ、軽質油
石炭ガス化ガス
石炭ガス化ガス
発電効率
36∼45%
36∼45%
45∼60%
50∼60%
出力規模
1∼250kW
50∼1 万 kW
数千∼数十万 kW
∼数十万 kW
用途分野
家庭用、自動車、自家 自家発電装置、分散電 分散電源、大容量発電 小型∼大容量発電まで
発電装置
源
の可能性
(資料)経済産業省資源エネルギー庁
80
第9節 その他の再生可能エネルギー
(1)小水力
小水力発電は、河川、農業用水、工業用水、上下水道などにおいて、流下する水の勢い
で水車を回し、その回転力で発電機を回して電気をつくるものです。その発電出力は、水
の落差と流水量の積によって決まります。したがって水流の落差が大きく、また水量が多
いほど大きな電気を取り出すことができます。
小水力発電は、本来大きな水力を必要としないことから、多用な形態が考えられます。
占冠村においては、河川及び農業用水・排水が中・小水力発電の対象になります。
(注)大型の水力発電に対し、出力 30,000 から 10,000kW 以下を中水力、1,000kW 以下を小水力、100kW 以下をマ
イクロ水力と呼んでいます。
①河川分布
通年稼動を考えた場合、年間通じて安定した水量が求められることから、夏の渇水や冬
の凍結がない河川が適しています。
導入にあたっては、設置地点の年間を通じた流水量や水の落差に応じた水車の選定、季
節や気候による流量変動への対処、さらに、水利権保有者との協議が必要です。
②農業用水・排水の分布
農業用水・排水地点が多く存在し、電源の必要度によって利用することも考えられます。
トマム地区における取水地点において小水力発電を行う場合を想定して、標高差(落差)
を 2mと仮定して、小水力エネルギーの可採量を次に算出しました。
概算地点を図 4-9-1 に示しました。
表 4-9-1 トマム地区における取水地点の小水力発電量
項目
前提条件
単位
(1)トマム地区取 ① 落差
H(m)
水地点において ② 流量
3
Q(m /sec)
小水力発電を行
③ 水車効率
可 う場合
④ 重力
採
⑤ 発電量
kW
量
⑥ 年間発電量
kWh/年
⑥-1 熱量換算
MJ
⑥-2 家庭の電力消費量換算
世帯
数値
2.0
0.047
0.8
9.8
0.7
6,456
23,241
1.8
備考
仮定
産業課調べ
①×②×③×④
⑤×24h×365日
⑥×3.6MJ
⑥/3,535kWh
潜在的賦存量:量的に全量を把握するのは困難です。
可採量:取水地点の小水力エネルギー(図 4-9-1)
6,456kWh/年(熱量換算:23,241MJ/年)
81
図 4-9-1 トマム地区における取水地点
(2)地熱の賦存量
地熱エネルギーとは、地球内部に蓄積されている熱エネルギーのことであり、熱エネル
ギーの一部は、火山活動や温泉を通して地表に達しています。
地熱利用には、地熱発電のほかに、温泉水や地中熱利用があります。
地熱発電は、大規模施設になることや環境への影響が懸念されるために、現段階で利用
は難しいと判断されます。
地中熱利用は、地下 10∼20mで地中温度が年中一定であることを利用するもので、どこ
ででも可能です。
温泉水は、浴用だけではなく暖房・給湯・融雪・農業利用など多方面において熱利用の
可能性があります。
占冠村には、湯の沢とニニウに温泉が湧いています。しかし湯の沢温泉の湧出温度は
9.5℃、ニニウは 11.5℃と低く、湧出量も動力揚湯(湯の沢温泉)、自然湧出(ニニウ)と
不明なため、賦存量を推計することは困難です。
なお、湯の沢温泉については第 4 章第 7 節
す。
82
温度差エネルギーで可採量を算出していま
第10節
新エネルギー賦存量のまとめ
占冠村に賦存する全ての新エネルギーを活用した場合、潜在的賦存量は
6,409,275,204MJ/年あり、そのうち 0.9%にあたる 57,619,995MJ/年がその他の再生可能エ
ネルギー含む可採量となります(表 4-10-1)。
可採量は灯油換算量にして 1,570kl/年、家庭の灯油消費量換算にして 1,132 世帯に相当し
ます。CO2換算量は 4,427tCO2となります。
原油 38.2MJ/L、ドラム缶 200L/本を用いてドラム缶換算すると潜在的賦存量の場合で約
84 万本分、可採量の場合で約 7,500 本分に相当します。
潜在的賦存量:自然の物理的条件だけで与えられる量:
6,409,275,204MJ/年
(原油換算:ドラム缶 838,910 本分)
可採量:社会的条件を加味して算出した現実的に利用可能な量:
57,619,995MJ/年
灯油換算 1,570kL/年
世帯数換算:1,132 世帯相当
二酸化炭素換算量:4,427tCO2
(原油換算:ドラム缶 7,542 本分)
83
表 4-10-1 新エネルギー賦存量のまとめ
可採量
灯油量換算 世帯数換算 二酸化炭
36.7MJ/l 50,879MJ/世帯 素換算量
tco2
kl/年
世帯/年
潜在的賦存量
エネルギーの種類と分類
潜在的賦存量の設定条件
河川、池沼、山林、田畑を除くパネル設置が
可能な面積に太陽光発電パネルを設置
河川、池沼、山林、田畑を除く設置が可能な
太陽熱
面積に集熱器を設置
(地上高30mで平均風速6m/sとし1,000kWの
大型風車
発電機を1基設置した場合)
風力エネルギー
1kW/h発電機を中央に1基、トマムに1基に設
小型風車
置した場合
家畜排せつ物 乳用牛・肉用牛・鶏の排泄物をバイオガス化
廃棄山菜 山菜工場からの廃棄山菜
バ
製材端材 製材工場からのチップ
イ
廃棄物系
生ごみ
生ごみをバイオガス化
オ
廃食用油 一般家庭からの廃食用油をBDF化
マ
下水汚泥 一般家庭からの下水汚泥をバイオガス化
ス
エ
し尿
し尿をバイオガス化
ネ
林地残材・間
全森林の伐採材積・林地残材
ル
未利用
伐材
ギ
牧草
牧草収穫量
資源作物
例:菜の花
バイオマス 計
田、畑、宅地、牧場の積雪量を冷熱エネル
雪
雪氷熱エネルギー
ギーとして利用
氷
(積算寒度 966℃)
廃棄物発電・熱利 一般廃棄物 埋立処分されるごみのうち可燃ごみ
用
産業廃棄物 農業用廃プラスチック搬入量
太陽光
太陽エネルギー
ー
温度差エネルギー
クリーンエネルギー自動車
量的に全量を把握するのは困難
車輌を全てクリーンエネルギー自動車に置き
換えた場合
湯の沢温泉で湧出している天然ガス
水素供給インフラ状況による
天然ガスコージェネレーション
燃料電池
新エネルギー 合計
その他の再生可能
小水力
量的に全量を把握するのは困難
エネルギー
量的に全量を把握するのは困難
地熱
その他の再生可能エネルギー含む 合計
可採量の設定条件
MJ/年
太陽光発電パネル設置が可能な戸建住宅・共同住宅
(3kW)、公共施設(50kW)を設置
集熱器設置が可能な戸建住宅・共同住宅(6m2)と公共施
1,029,484,800
設(100m2)を設置
180,159,840
8,633,898
2,632
10,091,463
72,270
8,217,650
626,362
70,516
1,018,241
61,142
MJ/年
7,531,272
205
148
1,025
7,763,328
212
153
527
(占冠村平均風速1.7m)
-
-
-
-
(太陽光とのハイブリッドが望ましい)
-
-
-
-
攪拌処理し、草地及び飼料畑で使用されているためなし
山菜工場からの廃棄山菜
チップは製紙用、バークは家畜の敷料にしているためなし
富良野地区環境衛生組合で堆肥化しているためなし
一般家庭からの廃食用油をBDF化
富良野や苫小牧で処理しているためなし
富良野地区環境衛生組合で堆肥化しているためなし
0
72,270
0
0
70,516
0
0
0
2
0
0
2
0
0
0
1
0
0
1
0
0
0
5
0
0
5
0
0
4,268,048,884 民有林の主伐・間伐に伴う林地残材
28,908,872
788
568
1,963
64,185,420 家畜の飼料として利用されているためなし
4,352,391,948
0
29,051,658
0
792
0
571
0
1,973
1,076,720
29
21
73
5,283,873
0
144
0
104
0
359
0
5,499,651
150
108
373
768,480
21
15
52
811,009,267 除排雪された雪を冷熱エネルギーとして利用
5,283,873 埋立処分されるごみのうち可燃ごみ
518,610 すべて再利用されているためなし
湯の沢温泉排水と河川水との温度差、トマムリゾートから
の排水と河川水との温度差
21,168,564 公用車を全てハイブリッド自動車に置き換えた場合
621,772 湯の沢温泉で湧出している天然ガス
6,409,275,204
- トマム地区の取水量を想定した場合
6,409,275,204
潜在的賦存量のうち可採量の占める割合:0.9%
621,772
57,596,754
23,241
57,619,995
17
1,569
1
1,570
12
1,132
0
1,132
42
4,424
3
4,427
(注 1)太陽光発電・小水力:電気 3.6MJ/kWh で MJ 換算。
(注 2)二酸化炭素換算量:環境省地球環境局「事業者からの温室効果ガス排出量算定方法ガイドライン」(平成 15 年 7 月)よりCO2排出係数;電力 0.49kgCO2/kWh(太陽光発電・小水力)、
ガソリン 0.0671kgCO2/MJ(クリーンエネルギー自動車)、灯油 0.0679kgCO2/MJ(その他)を用いて換算。
84
第5章 占冠村のエネルギー使用状況
第1節 公共分野
(1)エネルギーの使用量
公共施設エネルギー使用量調査(平成 16 年 4 月∼平成 17 年 3 月)に基づき、使用量を
算出し、表 5-1-1 に示しました。
表 5-1-1 公共施設のエネルギー使用量
施設
年間エネルギー使用量
ガソリン等(㍑)
灯油(㍑)
重油(㍑)
LPG(m3)
16,038
0
0.0
0
12,552
0
0.0
0
1)
7,630
0
5.9
0
0
1.0
0
5,975
1,218
0
0.0
0
885
0
0.0
0
1)
2,954
40,000
93.5
0
1)
320
0
37.7
0
0
0
0.0
0
1)
405
0
15.4
0
0
0
0.0
0
1)
1,193
0
72.6
0
4,552
0
0.0
0
1)
16,920
0
17.9
49
27,808
0
31.2
25
14,988
10,790
89.5
204
4,927
23,590
90.1
83
1)
12,925
0
90.1
13
1)
3,654
0
43.6
0
1)
9,320
0
29.2
0
2)
14,927
0
0.0
268
2)
7,331
0
0.0
234
13,552
0
48.6
0
1)
0
60.9
0
48,092
984
43,000
327.1
0
0
0
0.0
0
0
0
0.0
0
229,150
117,380
1,054.3
876
電気(kWh)
物産館
62,177
道の駅(生活情報センター)
142,641
友桐荘
22,771
車庫
8,092
占冠駅
0
トマム駅
0
総合センター(役場庁舎)
125,732
双珠別住民センター
6,238
美園住民センター
304
占冠住民センター
6,512
川添集会所
1,033
双民館
19,342
最終処分場
28,619
占冠小学校
20,250
中央小学校
95,618
トマム小中学校
50,111
占冠中学校
56,852
コミュニティプラザ
79,746
占冠保育所
6,806
トマム保育所
11,875
トマムコミュニティセンター
37,126
トマム診療所
21,607
消防
30,386
デイサービスセンター
22,412
湯の沢温泉
100,597
サイクリングターミナル
23,075
ニニウキャンプ場
3,375
合計
983,297
1) LPG:945円/m3、1,000㍑/m3として計算。
2) ガソリン:125円/㍑として計算。車輌によるガソリンを除く。
次に、各種エネルギーの単位発熱量(第 1 章第 5 節)に基づき MJ に熱量換算し、施設
ごとに合計し、原油換算量(ドラム缶数)も示しました(表 5-1-2)。
また、エネルギー使用量は原油ドラム缶に換算すると約 2,200 本近くに相当します。
85
表 5-1-2 公共施設のエネルギー使用量(熱量換算)
施設
物産館
道の駅(生活情報センター)
友桐荘
車庫
占冠駅
トマム駅
総合センター(役場庁舎)
双珠別住民センター
美園住民センター
占冠住民センター
川添集会所
双民館
最終処分場
占冠小学校
中央小学校
トマム小中学校
占冠中学校
コミュニティプラザ
占冠保育所
トマム保育所
電気
223,837
513,508
81,976
29,131
0
0
452,635
22,457
1,094
23,443
3,719
69,631
103,028
72,900
344,225
180,400
204,667
287,086
24,502
42,750
灯油
588,595
460,658
280,021
219,283
44,701
32,480
108,412
11,744
0
14,864
0
43,783
167,058
620,964
1,020,554
550,060
180,821
474,348
134,102
342,026
トマムコミュニティセンター
133,654
547,821
年間エネルギー使用量(MJ)
重油
LPG
ガソリン等
0
0
0
0
0
0
0
592
0
0
100
0
0
0
0
0
0
0
1,564,000
9,391
0
0
3,782
0
0
0
0
0
1,547
0
0
0
0
0
7,285
0
0
0
0
0
1,794
1,709
0
3,132
865
421,889
8,986
7,072
922,369
9,051
2,872
0
9,051
441
0
4,374
0
0
2,932
0
0
0
9,264
原油換算
合計
ドラム缶(本)
812,432
106
974,166
128
362,588
47
248,514
33
44,701
6
32,480
4
2,134,438
279
37,983
5
1,094
0
39,853
5
3,719
0
120,699
16
270,087
35
697,367
91
1,368,776
179
1,168,406
153
1,319,780
173
770,925
101
162,978
21
387,707
51
690,739
90
トマム診療所
77,785
269,048
0
0
8,083
354,915
消防
109,390
497,358
0
4,879
0
611,627
デイサービスセンター
80,683
1,764,976
0
6,111
0
1,851,770
湯の沢温泉
362,149
36,113
1,681,300
32,841
0
2,112,403
サイクリングターミナル
83,070
0
0
0
0
83,070
ニニウキャンプ場
12,150
0
0
0
0
12,150
合計
3,539,869
8,409,787
4,589,558
105,848
30,306 16,675,368
発熱量》電気:3.6MJ/kWh 灯油:36.7MJ/㍑ 重油:39.1MJ/㍑ LPG:2kg/m3、50.2MJ/kg、ガソリン等:34.6MJ/㍑
原油換算:38.2MJ/㍑、ドラム缶:200㍑/本を用いて換算。
46
80
242
276
11
2
2,183
(2)月別エネルギー使用量の推移
〔1〕全エネルギー
全 エ ネ ル ギ ー の 使 用 量 は 、 多 い 順 に 総 合 セ ン タ ー ( 2,134,438MJ )、 湯 の 沢 温 泉
(2,112,403MJ)、デイサービスセンター(1,851,770MJ)、中央小学校(1,368,776MJ)、
占冠中学校(1,319,780MJ)と続きます。総合センターと湯の沢温泉の2つで公共施設全体
の 25%を占めています。
エネルギー種類別にみると総合センターと湯の沢温泉は電気と重油の使用量が多く、湯
の沢温泉は、LPG も比較的多く使用しています。デイサービスセンターと中央小学校は、
灯油の使用量が多く、占冠中学校は重油の使用量が多くなっています。
エネルギー使用量のピークは 2 月で、5 月に最も少なくなります。冬期は夏期の 2.3 倍ほ
どになります(図 5-1-1)。
86
図 5-1-1 全エネルギー使用量トップ5の月別推移
9,000,000
占冠中学校
中央小学校
デイサービスセンター
湯の沢温泉
総合センター
その他
8,000,000
7,000,000
6,000,000
MJ
5,000,000
4,000,000
3,000,000
2,000,000
1,000,000
0
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1月
2月
3月
〔2〕電気
電 気 の 使 用 量 は 、 多 い 順 に 道 の 駅 ( 513,508MJ : 142,641kWh )、 総 合 セ ン タ ー
(452,635MJ:125,732kWh)、湯の沢温泉(362,149MJ:100,597kWh)、中央小学校
(344,225MJ:96,618kWh)、コミュニティプラザ(287,086MJ:79,746kWh)と続きま
す。
使用量は 12∼4 月にかけて多くなりますが、概ね年間を通じて一定量を使用しています。
図 5-1-2 電気使用量トップ5の月別推移
120,000
コミュニティプラザ
中央小学校
湯の沢温泉
総合センター
道の駅
その他
110,000
100,000
90,000
80,000
kWh
70,000
60,000
50,000
40,000
30,000
20,000
10,000
0
4月
5月
6月
7月
8月
9月
87
10月
11月
12月
1月
2月
3月
〔3〕灯油
灯油の使用量は、多い順にデイサービスセンター(1,764,976MJ:48,092L)、中央小学
校(1,020,554MJ:27,808L)、占冠小学校(620,964MJ:16,920L)、物産館(588,595MJ:
16,038L)、トマム小中学校(550,060MJ:14,988L)と続きます。
使用量は 3 月にかけて最も多くなりますが、デイサービスセンターは年間を通じて一定
量を使用しています。
図 5-1-3 灯油使用量トップ5の月別推移
2,500,000
トマム小中学校
物産館
占冠小学校
中央小学校
デイサービスセンター
その他
2,000,000
単位:MJ
1,500,000
1,000,000
500,000
0
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1月
2月
3月
〔4〕重油
重 油 の 使 用 量 は 、 多 い 順 に 湯 の 沢 温 泉 ( 1,681,300MJ : 43,000L )、 総 合 セ ン タ ー
( 1,564,000MJ : 40,000L )、 占 冠 中 学 校 ( 922,369MJ : 23,590L )、 ト マ ム 小 中 学 校
(421,889MJ:10,790L)と続きます。
使用量のピークは 12 月と 2 月で、冬期の使用量が圧倒的に多いのが特徴です。その中で
は湯の沢温泉は、年間を通じて一定量を使用しています。
88
図 5-1-4 重油使用量トップ5の月別推移
1,000,000
トマム小中学校
占冠中学校
総合センター
湯の沢温泉
900,000
800,000
700,000
MJ
600,000
500,000
400,000
300,000
200,000
100,000
0
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月 11月 12月
1月
2月
3月
〔5〕LPG
LPGの使用量は、多い順に湯の沢温泉(32,841MJ:327m3)、総合センター(9,391MJ:
94m3)、コミュニティプラザ・占冠中学校(ともに 9,051MJ:90.1m3)、トマム小中学校
(8,936MJ:89.5m3)と続きます。年間を通じて一定量を使用しています。
図 5-1-5 LPG使用量トップ5の月別推移
トマム小中学校
占冠中学校
コミュニティプラザ
総合センター
湯の沢温泉
その他
12,000
10,000
MJ
8,000
6,000
4,000
2,000
0
4月
5月
6月
7月
8月
9月 10月 11月 12月 1月
89
2月
3月
(3)公共分野の運輸
公共分野の運輸エネルギー使用量の実績値を表 5-1-3 に示します。また、図 5-1-6 に所属
(グループ)別使用割合を示します。
エネルギー種類では、軽油が全体の約 8 割を占めます。
使用量(ガソリン+軽油)は、建設グループが最も多く全体の 68%を占めます。次いで、
教育委員会 12%、消防 7%の順で多くなっています。
図 5-1-7∼図 5-1-9 のエネルギー使用量トップ 3(建設グループ、教育委員会、消防)の
月別変動では、建設グループは 12∼3 月にかけて使用量がピークとなっています。また、
教育委員会は 6 月に使用のピークをむかえ、1 月に最も使用量が少なくなっています。消防
は、12∼3 月にかけて使用量がピークとなっています。教育委員会および消防は、各月の変
動が激しい傾向が見てとれます。
表 5-1-3 公共分野の運輸使用量
課名(施設名)
産業グループ
建設グループ
庶務企画グループ
財務グループ
住民税務グループ
教育委員会
トマム支所
消防
合計
単位:㍑
年間エネルギー消費量
ガソリン
軽油
3,588
127
2,274
63,967
2,928
2,325
887
3,280
2,870
9,388
1,497
2,748
3,905
21,511
78,275
単位:MJ
年間エネルギー消費量
課名(施設名)
ガソリン
軽油
合計
産業グループ
124,161
4,851
129,013
建設グループ
78,664 2,443,547
2,522,212
庶務企画グループ
101,324
0
101,324
財務グループ
80,451
33,899
114,350
住民税務グループ
113,480
0
113,480
教育委員会
99,318
358,637
457,955
トマム支所
51,810
0
51,810
消防
95,075
149,174
244,250
合計
744,284 2,990,110
3,734,394
発熱量》ガソリン:34.6MJ/㍑、軽油:38.2MJ/㍑
図 5-1-6 運輸の課別使用割合
教育委員会
12%
トマム支所
1%
消防 産業グループ
7%
3%
住民税務グルー
プ
3%
財務グループ
3%
庶務企画グルー
プ
3%
建設ブループ
68%
90
図 5-1-7 建設グループの月別推移
8,000
軽油
ガソリン
7,000
単位:MJ
6,000
5,000
4,000
3,000
2,000
1,000
0
4月
5月
6月
7月
8月
9月 10月 11月 12月
1月
2月
3月
図 5-1-8 教育委員会の月別推移
1,600
軽油
ガソリン
1,400
単位:MJ
1,200
1,000
800
600
400
200
0
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月 11月 12月
1月
2月
3月
9月 10月 11月 12月 1月
2月
3月
図 5-1-9 消防の月別推移
1,000
軽油
ガソリン
900
800
単位:MJ
700
600
500
400
300
200
100
0
4月
5月
6月
7月
8月
91
(4)公共分野のエネルギー使用量のまとめ
公共分野のエネルギー使用量の合計値は、20,409,762MJ となります(表 5-1-4)。これを
原油ドラム缶に換算すると 2,671 本に相当します。
エネルギー種類別の割合をみると灯油が 42%を占め、最も多く、次に重油 22%、電気
17%、軽油・ガソリン 18%と続きます(図 5-1-11)。
表 5-1-4 公共分野のエネルギー使用量
エネルギー使用量(MJ)
電気
灯油
重油
LPG
ガソリン・軽油
3,539,869
8,409,787
4,589,558
136,154
3,734,394
(注)車輌以外のガソリン等はLPGに含めた。
原油換算
合計
ドラム缶(本)
20,409,762
2,671
図 5-1-10 公共分野のエネルギー別使用割合
ガソリン・軽油
18%
電気
17%
LPG
1%
重油
22%
灯油
42%
92
第2節
民生分野
民生分野には、家庭部門である一般家庭におけるエネルギー使用と、業務部門である民
間企業の事務所、店舗など第三次産業の2つがあります。
本節では、業務部門のなかでも占冠村のエネルギー使用状況において特に大きな比重を
占めるトマム地区の観光施設を観光部門とし、3つにわけて検討します。
(1) 家庭部門
表 5-2-1 は、北海道の家庭における種別消費原単位です。
この原単位をもとに、占冠村の世帯数 754 世帯(平成 17 年 6 月末)を乗じて家庭部門に
おけるエネルギー使用量を推計すると、年間エネルギー使用量の合計は 52,044,655MJ/年
となり、原油ドラム缶に換算すると 6,812 本になります(表 5-2-2)。
表 5-2-1 1世帯あたり年間家庭用エネルギー種別消費原単位(北海道)
電気
灯油
LPG
Mcal/世帯/年
3,040
12,156
1,295
MJ/世帯/年
12,726
50,879
5,420
(資料)「家庭用エネルギー統計年報(北海道)」1997 年度
発熱量:電気 0.86Mcal/kW より 3,040Mcal/0.86=3,535kWh、灯油 36.7MJ/㍑、LPG50.2MJ/kg として
MJ に換算
表 5-2-2 占冠村の家庭部門エネルギー使用量
電気
9,595,088
原油換算
ドラム缶(本)
6,812
エネルギー使用量(MJ/村/年)
灯油
LPG
合計
38,362,719
4,086,848
52,044,655
(注)「家庭用エネルギー統計年報(北海道)」(表 4-2-1)に平成 17 年 6 月末世帯数 754 戸を乗じて算出。
原油換算:38.2MJ/㍑、ドラム缶:200 ㍑/本を用いて換算。
(2) 業務部門
表 5-2-3 は、業務部門床面積当たりのエネルギー消費量原単位です。
この原単位をもとに、占冠村の事業所延床総面積 2,710.6m2(平成 18 年 1 月)を乗じて
業務部門におけるエネルギー使用量を推計すると、年間エネルギー使用量の合計は
1,791,707MJ/年となり、原油ドラム缶に換算すると 235 本になります(表 5-2-2)。
表 5-2-3 業務部門床面積当たりのエネルギー消費量原単位
電気
MJ/m2/年
灯油
77
LPG
351
合計
233
661
(資料)「エネルギー・経済統計要覧 2004 年」(日本エネルギー経済研究所計量分析部編)
(注)石炭、太陽熱を除いた。
表 5-2-4 占冠村の業務部門エネルギー使用量
業務部門
電気
208,716
エネルギー使用量(MJ/年)
灯油
LPG
951,421
631,570
原油換算
合計
ドラム缶(本)
1,791,707
235
(注)「エネルギー・経済統計要覧 2004 年」(表 5-2-3)に事業所延床総面積 2,710.6m2を乗じて算出。
原油換算:38.2MJ/㍑、ドラム缶:200 ㍑/本を用いて換算。
93
(3)観光部門
占冠村ではエネルギー使用量において観光部門が占める割合が大きいので、特にトマムリゾート施設は図 5-2-1 に示すような5つのゾーン
とその他に分けて集計しました。
図 5-2-1 トマムリゾート施設
D
C
A
B
E
(注 )(3)観光部門のトマムリゾートのエネ
ルギー使用量は㈱星野リゾートトマムの資
料を用います。
94
〔1〕トマムリゾート施設のエネルギー使用量
平成 16 年度のトマムリゾート施設のエネルギー使用調査に基づき、使用量を表 5-2-5 に
示します。トマム地区は村内でも最も多くのエネルギーを使用する地域になっています。
トマムリゾートでは、第 1 発電所と第 2 発電所の 2 箇所において自家発電を行っていま
した。第 1 発電所は、ホテルアルファ内にあり、昨年度はホテルアルファおよび水の教会
の電力を 100%自家発電していました。そのため、発電所については別に計上し、発電量を
電気使用量から差し引いて、トマムリゾート全体の電気使用量を算出します。なお、第 1
発電所は 2005 年 10 月に廃止されています。
このトマム地区のエネルギー使用量を村内の公共施設のエネルギー使用量(表 5-1-1)と
比較すると、トマム地区のエネルギー使用量は、灯油は少ないものの、電気が 15 倍、重油
が 77 倍、LPG が 6 倍になっており、村内の化石燃料によるエネルギー使用量を算出する
上で大きなウェイトを占めています。
表 5-2-5 トマムリゾート施設のエネルギー使用量
ゾーン
A
A
A
A
A
A
A
A
A
A
施 設
リゾートセンター
浄水場
浄化槽
貯水槽
車輌基地
VIZスパハウス
スポルトⅠ
スポルトⅡ
オスカー
アビチ
ゾーンA 小計
B ホテルアルファ
B 水の教会
B スタートハウス
ゾーンB 小計
C タワーエントランス
C タワーⅠ
C タワーⅡ
C ヴィレッジ(星野分)
C ヴィレッジ(管理組合分)
C フォーレスタモールA棟
C フォーレスタモールB・C棟
ゾーンC 小計
D ガレリアⅠ
D ガレリアⅡ
ゾーンD 小計
E 原水槽
E インフォメーションセンター
ゾーンE 小計
中寮センター棟
そ リフト・ゴンドラ
の 茶屋
他 コン コ
ヘリポート
その他 小計
合 計
第1発電所
第2発電所
合 計
総 計
電気
kWh
373,180
496,870
333,124
25,810
29,275
5,363,811
1,639,800
863,290
300,480
988,400
10,414,040
1,850,941
433,600
241,704
2,526,245
1,318,100
1,147,410
1,367,130
722,301
898,629
399,544
231,856
6,084,970
2,170,760
1,439,500
3,610,260
162,426
60,220
222,646
275,820
939,335
13,032
78,910
63,300
1,370,397
24,228,558
-2,284,541
-7,541,682
-9,826,223
14,402,335
灯油
㍑
A重油
㍑
98,490
LPG
m3
5,397
849,314
409,301
222,582
98,593
264,468
1,942,748
525,333
965
2,105
12,387
11,586
525,333
944
12,530
排熱回収
Gcal
9,991
9,991
0
5,151
3,920
1,372,600
17,644
24,430
42,074
643,120
7,093
15,425
51,730
10,932
2,067,450
1,526,240
33,450
1,526,240
75,420
6,492
16,770
92,190
144,255
0
144,255
6,061,771
738,197
2,185,836
2,924,033
8,985,804
95
6,492
64,859
0
64,859
0
0
ガソリン
㍑
23,008
軽油
㍑
284,029
次に、各種エネルギーの単位発熱量(第 1 章第 5 節)に基づき MJ に熱量換算し、ゾー
ンごとに合計しました。
また、トマムリゾート施設全体のエネルギー使用量は原油ドラム缶に換算すると約 5 万
4,000 本近くに相当します。
ガソリン・軽油については、運輸に含まれるため、別に MJ 換算しました。
表 5-2-6 トマムリゾート施設のエネルギー使用量(熱量換算)
年間エネルギー使用量(MJ)
原油換算
電気
灯油
A重油
LPG
排熱回収
合計
ドラム缶(本)
A リゾートセンター
1,343,448
0
3,850,959
541,859
5,736,266
751
A 浄水場
1,788,732
0
0
0
1,788,732
234
A 浄化槽
1,199,246
0
0
0
1,199,246
157
A 貯水槽
92,916
0
0
0
92,916
12
A 車輌基地
105,390
366,670
0
0
472,060
62
A VIZスパハウス
19,309,720
0 33,208,177
96,886 215,595,105 52,614,783
6,887
A スポルトⅠ
5,903,280
0 16,003,669
0
21,906,949
2,867
A スポルトⅡ
3,107,844
0
8,702,956
393,568
12,204,368
1,597
A オスカー
1,081,728
0
3,854,986
0
4,936,714
646
A アビチ
3,558,240
0 10,340,699
211,342
14,110,281
1,847
ゾーンA 小計
37,490,544
366,670 75,961,447
1,243,655 215,595,105 115,062,315
15,061
B ホテルアルファ
6,663,388
0 20,540,520
1,163,234
28,367,142
3,713
B 水の教会
1,560,960
0
0
0
1,560,960
204
B スタートハウス
870,134
0
0
94,778
964,912
126
ゾーンB 小計
9,094,482
0 20,540,520
1,258,012
0 30,893,014
4,044
C タワーエントランス
4,745,160
0
0
0
4,745,160
621
C タワーⅠ
4,130,676
0 53,668,660
0
57,799,336
7,565
C タワーⅡ
4,921,668
0
0
712,137
5,633,805
737
C ヴィレッジ(星野分)
2,600,284
647,535 25,145,992
1,548,670
29,942,480
3,919
C ヴィレッジ(管理組合分)
3,235,064
0
0
0
3,235,064
423
C フォーレスタモールA棟
1,438,358
0
2,022,643
1,097,573
4,558,574
597
C フォーレスタモールB・C棟
834,682
896,581
0
0
1,731,263
227
ゾーンC 小計
21,905,892
1,544,116 80,837,295
3,358,380
107,645,683
14,090
D ガレリアⅠ
7,814,736
0 59,675,984
0
67,490,720
8,834
D ガレリアⅡ
5,182,200
0
0
0
5,182,200
678
ゾーンD 小計
12,996,936
0 59,675,984
0
72,672,920
9,512
E 原水槽
584,734
0
0
0
584,734
77
E インフォメーションセンター
216,792
0
0
0
216,792
28
ゾーンE 小計
801,526
0
0
0
801,526
105
中寮センター棟
992,952
2,767,914
0
651,797
4,412,663
578
そ リフト・ゴンドラ
3,381,606
0
0
0
3,381,606
443
の 茶屋
46,915
0
0
0
46,915
6
他 コンコ
284,076
615,459
0
0
899,535
118
ヘリポート
227,880
0
0
0
227,880
30
その他 小計
4,933,429
3,383,373
0
651,797
8,968,599
1,174
合 計
87,222,809
5,294,159 237,015,246
6,511,844
336,044,057
43,399
第1発電所
-8,224,348
0 28,863,503
0
20,639,155
2,701
第2発電所
-27,150,055
0 85,466,188
0
58,316,132
7,633
合 計
-35,374,403
0 114,329,690
0
0 78,955,288
10,334
総 計
51,848,406
5,294,159 351,344,936
6,511,844
0 414,999,345
53,733
発熱量》電気:3.6MJ/kWh 灯油:36.7MJ/㍑ 重油:39.1MJ/㍑ LPG:2kg/m3、50.2MJ/kg
原油換算:38.2MJ/㍑、ドラム缶:200㍑/本を用いて換算。
ゾーン
施 設
表 5-2-7 トマムリゾート施設の運輸(熱量換算)
単位:MJ
ガソリン
軽油
合計
796,077
10,849,908
11,645,985
発熱量》ガソリン:34.6MJ/㍑、軽油:38.2MJ/㍑
96
〔2〕トマムリゾートの各ゾーンのエネルギー使用量比較
① 各ゾーンの全エネルギー使用量比較
重油を使用する発電所を除くと全エネルギー使用量は VIZ スパハウス周辺(ゾーンA)、
次いでザ・タワー周辺(ゾーンC)が最も多く使用し、この2ゾーンでトマムリゾート施
設全体の 54%を占めています。
図 5-2-2 トマムリゾートの各ゾーンの全エネルギー使用量比較
140,000,000
120,000,000
MJ/年
100,000,000
80,000,000
60,000,000
40,000,000
20,000,000
0
ゾーンA
ゾーンB
ゾーンC
ゾーンD
ゾーンE
その他
発電所
② 各ゾーンの電気エネルギー使用量比較
VIZ スパハウス周辺(ゾーンA)が多く、全体の 72%を占めています。
図 5-2-3 トマムリゾートの各ゾーンの電気使用量比較
12,000,000
10,000,000
kWh/年
8,000,000
6,000,000
4,000,000
2,000,000
0
ゾーンA
ゾーンB
ゾーンC
97
ゾーンD
ゾーンE
その他
③ トマムリゾートの各ゾーンの灯油使用量比較
灯油の使用量では職員寮などが集中するその他ゾーンが最も多くなっています。このそ
の他ゾーンでは施設全体の灯油使用量の 64%を占めています。
図 5-2-4 トマムリゾートの各ゾーンの灯油使用量比較
4,000,000
3,500,000
3,000,000
MJ/年
2,500,000
2,000,000
1,500,000
1,000,000
500,000
0
ゾーンA
ゾーンB
ゾーンC
ゾーンD
ゾーンE
その他
④ 各ゾーンの重油使用量比較
VIZ スパハウス(ゾーンA)とザ・タワー周辺(ゾーンC)が大きく、重油使用量の 44%
を占めています。また、第 1 発電所、第 2 発電所の合計重油使用量は、重油使用量の 32%
を占めています。
図 5-2-5 トマムリゾートの各ゾーンのA重油使用量比較
120,000,000
100,000,000
MJ/年
80,000,000
60,000,000
40,000,000
20,000,000
0
ゾーンA
ゾーンB
ゾーンC
98
ゾーンD
ゾーンE
その他
発電所
⑤ トマムリゾートの各ゾーンの LPG 使用量比較
LPG は主に厨房用に使われているため、宿泊施設が集中するザ・タワー周辺(ゾーン C)
の使用量が最も多くなっており、施設全体の LPG 使用量の 52%を占めています。
図 5-2-6 トマムリゾートの各ゾーンの LPG 使用量比較
4,000,000
3,500,000
3,000,000
MJ/年
2,500,000
2,000,000
1,500,000
1,000,000
500,000
0
ゾーンA
ゾーンB
ゾーンC
ゾーンD
ゾーンE
その他
〔3〕トマムリゾートの月別エネルギー使用量の推移
① 全エネルギー
全エネルギーの使用量のピークは 1 月で冬期は夏期の約 2.5 倍ほどになります。重油を使
用する発電所を除くと多い順に、
「ゾーン C(107,645,682MJ)」、
「ゾーン B(86,313,941MJ)」、
「ゾーン D(72,672,920MJ)」、「ゾーン A(59,274,719MJ)」、「軽油・ガソリン:車輌・
圧雪車・社有車・モービル等(11,646,985MJ)」、
「ゾーン E(1,029,406MJ)」と続きます。
発電所によるエネルギー使用量はすべて重油によるものです。
図 5-2-7 全エネルギー使用量の月別推移
その他
軽油・ガソリン:車輌・圧雪車等
ゾーンE
ゾーンA
ゾーンD
ゾーンB
ゾーンC
発電所
70,000,000
60,000,000
単位:MJ
50,000,000
40,000,000
30,000,000
20,000,000
10,000,000
0
4月
5月
6月
7月
8月
9月
99
10月
11月
12月
1月
2月
3月
② 電気
「電気」の使用量は、12 月から 3 月の冬期に多く(ピークは 1 月)、次いで 8 月にやや
増 加 し て い ま す 。 使 用 量 は 多 い 順 に 「 ゾ ー ン A ( 10,414,040kWh )」、「 ゾ ー ン C
(6,084,970kWh)
」、「ゾーン D(3,610,260kWh)」、「ゾーン B(2,526,245kWh)」
、「リフ
ト・ゴンドラ(939,335kWh)
」、「ゾーン E(285,946kWh)」と続きます。
図 5-2-8 電気使用量の月別推移
その他
ゾーンE
リフト・ゴンドラ
ゾーンB
ゾーンD
ゾーンC
ゾーンA
3,000,000
2,500,000
単位:kWh
2,000,000
1,500,000
1,000,000
500,000
0
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1月
2月
3月
③ 灯油
「灯油」の使用量は、「中寮センター棟」が全体の 52%と突出していますが、平成 17 年
現在は使用されていません。4 月から 11 月の間「灯油」の使用量は横ばいに推移し、
「中寮
センター棟」を除くと 11 月から 1 月にかけては約 9 倍に増加し、11 月から 3 月にかけて
の使用量は年間使用量の 78%を占めます。
、
使用量は多い順に、
「ゾーン C(1,544,116MJ:42,074L)」、
「コンコ(615,459MJ:16,770L)」
「車輌ユニット(366,670MJ:9,991L)」と続きます。
図 5-2-9 灯油使用量の月別推移
1,000,000
中寮センター棟
車輌ユニット
900,000
コンコ
ゾーンC
800,000
単位:MJ
700,000
600,000
500,000
400,000
300,000
200,000
100,000
0
4月
5月
6月
7月
8月
9月
100
10月
11月
12月
1月
2月
3月
④ 重油
「重油」の使用量は、4 月から 11 月まで横ばいに推移し、11 月から 12 月にかけては約
2 倍に増加し、ピークを 1 月に迎えます。
使用量は多い順に「発電所(114,329,690MJ:2,924,033L)」、
「ゾーン C(80,837,295MJ:
2,067,450L)」、「ゾーン B(75,961,447MJ:1,942,748L)」、「ゾーン D(59,675,984MJ:
1,526,240L)」、「ゾーン A(20,540,520MJ:525,333MJ)」と続きます。
図 5-2-10 重油使用量月別推移
60,000,000
ゾーンA
ゾーンD
50,000,000
ゾーンB
ゾーンC
発電所
単位:MJ
40,000,000
30,000,000
20,000,000
10,000,000
0
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1月
2月
3月
⑤ LPG
「LPG」の使用量は、夏期は 8 月、冬期は 1 月をピークに 2 峰性を呈しています。11 月
の使用量は最も少なく、その後 12 月から 1 月にかけて、急峻に増加します。
使用量は多い順に「ゾーンC(3,358,380MJ :33,450m3 )」、「ゾーンB(1,258,012MJ:
「ゾーンA(1,243,655MJ:12,387m3)」と続きます。
12,530m3)」、
単位:MJ
図 5-2-11 LPG使用量月別推移
1,000,000
ゾーンE
900,000
ゾーンA
800,000
ゾーンB
700,000
ゾーンC
600,000
500,000
400,000
300,000
200,000
100,000
0
4月
5月
6月
7月
8月
101
9月
10月
11月
12月
1月
2月
3月
⑥ ガソリン・軽油
「ガソリン」
、
「軽油」の使用量はそれぞれ年間 23,008L、284,029L で熱量換算でそれぞ
れ年間 796,077MJ、10,849,908MJ です。
「軽油」は、除雪車の燃料に使用することから 11 月から急峻に増加し、12 月から 3 月の
冬季使用量は年間使用量の 83%にあたります。
「ガソリン」の使用量も、12 月から 3 月に
増加しています。軽油は、熱量費に換算してガソリンの約 14 倍使用しています。
図 5-2-12 ガソリン・軽油使用量月別推移
3,000,000
ガソリン:社有車・モービル等
2,500,000
軽油:車輌・圧雪車等
単位:MJ
2,000,000
1,500,000
1,000,000
500,000
0
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1月
2月
3月
⑦ まとめ
トマムリゾートのエネルギー使用量の合計値は 426,645,329MJ となります(表 5-2-8)。
これを原油ドラム缶に換算すると約 5.6 万本に相当します。
エネルギー種類別の割合からみると、重油と電気で全体の 94%を占め、残りの 5%の内訳
がガソリン、軽油、LPG、灯油となっています(図 5-2-13)。
表 5-2-8 トマムリゾートのエネルギー使用量
単位:MJ
電気
灯油
重油
LPG
軽油
ガソリン
合計
原油換算
87,222,809 5,294,159 351,344,936 6,511,844 10,849,908 796,077 462,019,732 ドラム缶(本)
自家発電分 -35,374,403
-35,374,403
合計
51,848,406 5,294,159 351,344,936 6,511,844 10,849,908 796,077 426,645,329
55,844
図5-2-13 トマムリゾートのエネルギー別使用割合
LPG
2%
軽油
3%
ガソリン
0.2% 電気
重油
82%
102
12%
灯油
1%
〔4〕トマムリゾート以外の宿泊施設のエネルギー使用量
エネルギー使用量の推計では、上トマム地区のペンション A の灯油使用量(南富良野町
森林組合「南富良野町森林組合における間伐及び林地未利用バイオマス資源エネルギー化
事業調査」平成 16 年 5 月)をもとに他宿泊施設の灯油使用量を部屋数で比例配分して算出
します。
次に、その灯油使用量をもとに床面積当たりのエネルギー種別エネルギー消費量の構成
比(表 5-2-9)を用いて、電気とガス(都市ガス、LPG を含む)の使用量を推計しました。
表 5-2-9 床面積当たりのエネルギー種別エネルギー消費量と構成比
構成比
%
47.0
19.7
29.7
2.2
1.4
100.0
電 力
ガ ス
石 油
石炭
太陽熱
合 計
(資料)「エネルギー・経済統計要覧 2004 年」(日本エネルギー経済研究所計量分析部編)
トマムリゾート以外の宿泊施設のエネルギー使用量の合計値は 16,093,294MJ となりま
す(表 5-2-10)。これを原油ドラム缶に換算すると約 2,100 本に相当します。
トマムリゾートと比較するとその 3.5%ほどになります。
表 5-2-10 トマムリゾート以外の宿泊施設のエネルギー使用量推計
灯油
電気
LPG
合計
㍑
MJ
MJ
MJ
MJ
A
12
14,347
526,535
833,237
349,250 1,709,022 灯油実績値
B
12
14,347
526,535
833,237
349,250 1,709,022
C
12
14,347
526,535
833,237
349,250 1,709,022
D
23
27,498 1,009,192 1,597,038
669,397 3,275,626
E
24
28,694 1,053,070 1,666,474
698,501 3,418,045
F
17
20,325
745,924 1,180,419
494,771 2,421,115 原油換算
G
13
15,543
570,413
902,673
378,355 1,851,441 ドラム缶(本)
合計
113
135,101 4,958,204 7,846,316 3,288,775 16,093,294
2,106
発熱量》電気:3.6MJ/kWh 灯油:36.7MJ/㍑ 重油:39.1MJ/㍑ LPG:2kg/m3、50.2MJ/kg
原油換算:38.2MJ/㍑、ドラム缶:200㍑/本を用いて換算。
宿泊施設
客室数
(注)上トマム地区のペンション A の灯油使用量(南富良野町森林組合「南富良野町森林組合における間伐及び
林地未利用バイオマス資源エネルギー化事業調査」平成 16 年 5 月)をもとに他宿泊施設の灯油使用量を部
屋数で比例配分して算出。
103
第3節
産業分野
産業分野とは、農業、林業、鉱業、建設業、製造業のことで、これらのエネルギー需要
は、経済・生産活動の影響を大きく受けます。
農業は ha あたり・家畜飼養羽頭数のあたりの原単位を用いて、林業、鉱業、建設業は従
業員当たりの原単位を用いて、製造業は製材工場、山菜工場へのヒアリングに基づき、エ
ネルギー使用量を算出しました。その結果産業分野のエネルギー使用量は 64,685,621MJ
と算出されます。ドラム缶換算では 8,467 本に相当します。
このうち農林業・鉱業・建設業における電気の使用量は、占冠村の電力使用量の平成 16
年度実績値 27,306,000kWh(98,301,600MJ)([参考]占冠村の電力使用量推移より)から
公共分野・トマムリゾート・製造業の電気使用量実績値 58,026,611MJ と家庭部門・業務部
門・ペンションの電気使用量推計値 17,650,120MJ の合計 75,676,731MJ を差し引いた
22,624,869MJ とします。
最も使用量が大きいのは鉱業で、全体の 36%を占めます。次いで、製造業が 19%、建設
業が 18%、林業が 16%、農業が 11%の順となっています。
表 5-3-1 産業分野におけるエネルギー使用量
①データ1)
②原単位2)
③エネルギー使用量
MJ/年 (①×②)
農業
農作物
飼養作物
家畜飼養
林業
鉱業
建設業
製造業
春植馬鈴薯
小豆
甜菜
青刈とうもろこし
牧草
肉用牛
乳用牛
採卵鶏
従業員数
従業員数
従業員数
3
12
5
76
621
409
657
205
31
7
82
ha
ha
ha
ha
ha
頭
頭
羽
人
人
人
10,070
5,989
20,208
7,279
4,265
167
5,600
1,302
323,748
3,401,895
140,822
7,155,349
30,211
71,873
101,038
553,172
2,648,580
68,475
3,679,331
2,668
10,036,176
23,813,262
11,547,409
12,133,424
952,409
原油換算
11,181,015 ドラム缶(本)
64,685,621
8,467
MJ/ha
MJ/ha3)
MJ/ha
MJ/ha
MJ/ha
MJ/年・頭
MJ/年・頭
MJ/100羽
MJ/人
MJ/人
MJ/人
製材工場(ヒアリング調査結果)電気187,776kWh/年、軽油・灯油7,236L/年
山菜工場(ヒアリング調査結果)電気545,095kWh/年、灯油251,190L/年
合計
1)農業・鉱業・建設業:占冠村勢要覧資料編(平成 16 年度)
家畜飼養頭羽数については、経済課産業グループ調べ:肉用牛・乳用牛(平成 17 年 9 月)、鶏(平成 17 年 2 月)
林業:平成 12 年国勢調査
2)農業:(社)農林水産技術情報協会「主要作物の作業体系におけるエネルギー消費原単位」(平成 10 年 3 月)
林業・鉱業・建設業:北海道開発局「北海道産業連関表」(平成 7 年)
3)小豆は大豆の原単位を用いる。
4)製造業に関しては、電気:3.6MJ/kWh、軽油:38.2MJ/L、灯油:36.7MJ/L で換算。
製造業
19%
農業
11%
図 5-3-1 産業分野におけるエネルギー使用量の業種別割合
林業
16%
建設業
18%
鉱業
36%
104
図 5-3-2 農業におけるエネルギー使用量の種別割合
小豆
1.0%
春植馬鈴薯
0.4%
農業のエネルギー使用
甜菜
1.4%
青刈とうもろこし
7.7%
採卵鶏
0.0%
量を種別でみると、使用量
が最も大きいのは、乳用牛
で、全体の 51%を占めま
す。次いで、牧草が 37%、
青刈とうもろこしが 8%、
乳用牛
51.4%
牧草
37.0%
肉用牛が 1%を占めてお
り、家畜飼養にかかるエネ
ルギー使 用で農業全体の
97%を占めます。
肉用牛
1.0%
図 5-3-3 製造業「製材工場」のエネルギー種別割合
製造業「製材工場」の、
軽油
29%
年間の電気と灯油の使用
割合は電気が 71%、軽油
が 29%、を占めています。
このうち軽油は、主に重機
電気
71%
に利用されています。
図 5-3-4 製造業「山菜工場」のエネルギー使用量(平成 16 年度)
製造業「山菜工場」では、
電気(kWh)
灯油(L)
70,000
60,000
電気使用量は 1 月をピー
クに冬期に多く、灯油使用
50,000
量は 10 月から上向き 11
40,000
月をピークに 9 月まで
30,000
徐々に減少します。
20,000
また、年間の電気と灯油
10,000
の使用割合は、灯油が
2月
3月
月
月
月
1月
12
11
10
8月
9月
6月
7月
4月
5月
0
82%、電気が 18%を占め
ています。
1)電気:業務用電力 A の基本料金 1,850 円、電力料金 8.55 円/kWh として金額から推計。
2)灯油:他施設の金額と量から月別単価を出し、金額から推計。
(資料)占冠山菜産業振興公社調べ
105
第4節
運輸分野
占冠村の運輸のエネルギー使用量は、実績値が判明している「公共分野」、「民生分野:
トマムリゾート」と、「全エネルギー使用量(推計値)」から実績値を差し引いて求められ
るその他「(民生分野:一般家庭およびその他民生部門)+(産業分野)」として取りまと
めます。
(注)産業分野:製造業の製材工場の軽油・灯油は車輌によるものではないので運輸に含めないで推計します。
(1)全エネルギー使用量(推計値)
占冠村の全車両のエネルギー使用量は、52,921,409 MJ/年と推計されます。
また、輸送機関別で見たエネルギーの使用分布は、トラックが 53%と最もエネルギー使用
量が多く、次いで乗用車が 34%、バスが 13%と推計されます。
表 5-4-1 運輸部門の全エネルギー使用量(推計値)
項目
① 占冠村の全車輌台数(平成16年)
② 1台当たりの消費エネルギーの平均値
③ 全車輌の消費エネルギー量
単位
台
MJ/年
MJ/年
乗用車
トラック
1,170
181
15,337
155,043
17,944,314 28,062,720
バス
合計
38
1,389
181,957
6,914,375 52,921,409
(資料)車輌台数:北海道自動車統計(平成 16 年 3 月 31 日現在)。
図 5-4-1 輸送機関別エネルギー使用量の分布(全車両)
(2)公共分野(実績値)
公共分野の運輸エネルギー使用量の実績値
バス
13%
乗用車
34%
は軽油 78,275L、ガソリン 21,511L で熱量換
算で合計 3,734,394MJ です。(第 5 章第 1 節
参照)
(3)民生分野(トマムリゾート:実績値)
トラック
53%
トマムリゾートの運輸エネルギー使用量の
実績値は軽油 284,029L、ガソリン 23,008L で熱量換算で合計 11,645,985MJ です。(第 5
章第 2 節参照)
(4)その他〔(民生部門:一般家庭およびその他民生部門)+(産業分野)〕
その他の運輸エネルギー使用量は、
52,921,409MJ/年(全エネルギー使用量:推計値)−3,734,394MJ/年(公共分野:実績値)
−11,645,985MJ/年(トマムリゾート:実績値)=37,541,030MJ/年
と推計されます。
106
第5節
エネルギー使用状況のまとめ
(1)エネルギー使用量のまとめ
占冠村におけるエネルギー総使用量は、619,211,400MJ となります。これは原油換算で
ドラム缶 81,049 本分に相当します。
エネルギー種類別にみると、重油が全体の 57%を占め最も多く、次に電気 16%、灯油
16%、ガソリン・軽油 9%と続きます。
表 5-5-1 占冠村におけるエネルギー使用量のまとめ
種類
公共分野
小計
家庭部門(推計値)
民生分野
業務部門(推計値)
トマムリゾート
観光部門
ペンション(推計値)
小計
産業分野 農林業・鉱業・建設業(推計値)
製造業
運 輸(推計値)
合 計
①電気
3,539,869
69,498,526
9,595,088
208,716
51,848,406
7,846,316
25,263,205
22,624,869
2,638,336
0
98,301,600
②灯油
8,409,787
49,566,503
38,362,719
951,421
5,294,159
4,958,204
39,146,001
9,218,673
0
97,122,291
③重油
4,589,558
351,344,936
2)
351,344,936
0
29,927,328
0
355,934,494
単位:MJ
⑤ガソリン・軽油
合計
④LPG
136,154
3,734,394
20,409,762
14,519,037
11,645,985 496,574,987
4,086,848
52,044,655
631,570
1,791,707
6,511,844
11,645,985 426,645,330
3,288,775
16,093,294
0
276,415
64,685,621
52,552,197
276,415
12,133,424
0
37,541,030
37,541,030
3
14,655,191
53,197,824) 619,211,400
1) 網掛け部分:平成 16 年度の実績値
2) トマムリゾートの電気使用量は、さらに重油による自家発電 9,826,223kWh(35,374,403MJ)行っている。
3) ガソリン・軽油の合計値には運輸(推計値)と産業分野;製造業が含まれる。
図 5-5-1 占冠村におけるエネルギー種類別使用量
⑤ガソリン・軽油
9%
①電気
16%
④LPG
2%
②灯油
16%
③重油
57%
107
本
ドラム缶
2,671
64,997
6,812
235
55,844
2,106
8,467
6,879
1,588
4,914
81,049
使用する分野別にみると、民生分野:トマムリゾートが全体の 70%を占め最も多く、次
に産業分野、民生分野:一般家庭、運輸、公共分野と続きます。
図 5-5-2 占冠村におけるエネルギー分野別使用量
産業分野:製造業
2%
産業分野:農林業・
鉱業・建設業(推計
値)
8%
運輸(推計値)
6%
公共分野
3%
民生分野:一般家
庭(推計値)
8%
民生分野:事業所
(推計値)
0.3%
民生分野:ペンショ
ン(推計値)
3%
民生分野:トマムリ
ゾート
70%
(2)二酸化炭素排出量の推定
占冠村におけるエネルギー使用量からの二酸化炭素排出量は、49,172tCO2となります。
表 5-5-2 占冠村における二酸化炭素排出量
種類
計算式1) 2)
公共分野
小計
家庭部門(推計値)
民生分野
業務部門(推計値)
トマムリゾート
観光部門
ペンション(推計値)
小計
産業分野 農林業・鉱業・建設業(推計値)4)
製造業
運 輸(推計値)
合 計
電気
灯油
重油
LPG
ガソリン・軽油
①/3.6×
②×
③×
④×
⑤×
0.49/1000 0.0679/1000 0.0693/1000 0.0598/1000 0.0687/1000
482
571
318
8
257
9,460
3,366
24,348
868
800
1,306
2,605
0
244
0
28
65
0
38
0
3)
7,057
359
24,348
389
800
1,068
337
0
197
0
3,439
2,658
0
0
19
2,032
3,079
0
359
626
0
0
19
0
0
0
0
2,579
13,380
6,595
24,666
876
3,655
単位:tCO2
合計
1) 計算式:表 5-5-1 の①∼⑤に対応
2) 二酸化炭素換算:環境省地球環境局「事業者からの温室効果ガス排出量算定方法ガイドライン」(平成 15 年
7 月)よりCO2排出係数;電気 3.6MJ/kWh、0.49kgCO2/kWh、灯油 0.0679kgCO2/MJ、重油 0.0693kgCO2/MJ、
LPG0.0598kgCO2/MJ、ガソリン・軽油は軽油 0.0687kgCO2/MJを用いた。
3) トマムリゾートについては自家発電分を差し引いた 87,222,809−35,374,403MJ=51,848,406MJ分のみをCO2
換算した。
4) 産業分野:農林業・鉱業・建設業の電気以外は、灯油換算(36.7MJ/L)し、その上でCO2換算した。
108
1,636
38,842
4,155
131
32,954
1,601
6,116
5,112
1,004
2,579
49,172
(3)エネルギー使用量分布
NO
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
施設
物産館
道の駅(生活情報センター)
友桐荘
車庫
占冠駅
トマム駅
総合センター(役場庁舎)
双珠別住民センター
美園住民センター
占冠住民センター
川添集会所
双民館
最終処分場
占冠小学校
NO
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
施設
中央小学校
トマム小中学校
占冠中学校
コミュニティプラザ
占冠保育所
トマム保育所
トマムコミュニティセンター
トマム診療所
消防
デイサービスセンター
湯の沢温泉
サイクリングターミナル
ニニウキャンプ場
民生分野
一般家庭(推計);6,812 本
観光部門・トマムリゾート
観光部門・ペンション(推計値)
;55,844 本
;2,106 本
25
1
21
13
3
100 本
10 本
14
6
1本
2
公共分野合計;2671 本
5
22
10
7
4
26
20
17
24
19
15
27
23
産業分野
16
12
18
8
運輸
産業分野合計;8,467 本
;6,879 本
公共分野・運輸(推計値);489 本
製造業;1,588 本
農林業・鉱業・建設業(推計値)
運輸(推計値);4,425 本
10,000 本
109
1,000 本
100 本 10 本
1本
〔参考〕占冠村の電力使用量推移
資料は北海道電力㈱日高営業所の調査を元に作成しました。
1.占冠村の電気使用量の 4 ヵ年推移
占冠村の電気使用量は平成 13 年から平成 16 年までの 4 ヵ年を見ると年平均 14.3%程
の増加の傾向にあり、平成 16 年の電力使用量は平成 14 年比で 47.6%増加しています。
表1
占冠村の電力使用量の 4 ヵ年推移
単位:MWh
平成13年度 平成14年度 平成15年度 平成16年度
4,540
4,608
4,533
4,647
13,962
16,372
16,934
22,659
18,502
20,980
21,467
27,306
113.4%
102.3%
127.2%
147.6%
電灯
電力
合計
前年比
平成14年比
図1
占冠村の電力使用量の 4 ヵ年推移
30,000
25,000
20,000
電力
電灯
15,000
10,000
5,000
0
平成13年度
平成14年度
平成15年度
平成16年度
2.電灯使用量の 4 ヵ年推移
(1)契約別の 4 ヵ年推移
電灯は、契約別に従量電灯、時間帯別電灯、臨時電灯、公衆街路灯電灯に分類されま
す。構成比は従量電灯が最も多く約 75%、次に公衆街路灯が約 20%を占めます。使用量
はどれもほぼ横ばい状態にあります。
110
図2
電灯使用量契約別の 4 ヵ年推移
4,000
3,500
3,000
MWh
2,500
従量電灯
時間帯別電灯
臨時電灯
公衆街路灯
2,000
1,500
1,000
500
0
平成13年度
平成14年度
平成15年度
平成16年度
(2)月別の 4 ヵ年推移
時間帯別電灯のみ月別データが得られたので、図3に示します。使用量は、11∼5 月が
多く、6∼10 月は少なく推移します。年度別にみると平成 13 年度と平成 15 年度がほぼ
同量で少なく、平成 16 年度が最も多く、平成 13 年度と比べると 10%増加しています。
月別にみると、平成 13∼16 年度とも 1 月が最も多く、7 月が最も少なくなります。
図3
時間帯別電灯の月別 4 ヵ年推移
39,000
37,000
35,000
33,000
31,000
kWh
29,000
27,000
25,000
23,000
平成13年度
平成14年度
平成15年度
平成16年度
21,000
19,000
17,000
15,000
4月
5月
6月
7月
8月
9月
111
10月 11月 12月
1月
2月
3月
2.電力使用量の 4 ヵ年推移
(1)契約別の 4 ヵ年推移
電力は、契約別に業務用電力、小口電力、大口電力、農事用電力、深夜電力、融雪用
電力に分類されます。構成比は大口電力が最も多く 65∼80%と年々割合が高くなってい
ます。次に業務用電力が 10∼20%と年々割合が低くなっています。
使用量も大口電力は年々増加し、特に平成 16 年度は前年比 9.3%も増加しました。
図4
電力使用量契約別の 4 ヵ年推移
20,000
18,000
16,000
14,000
業務用電力
小口電力
大口電力
農事用電力
深夜電力
融雪用電力
MWh
12,000
10,000
8,000
6,000
4,000
2,000
0
平成13年度
平成14年度
112
平成15年度
平成16年度
第6章
新エネルギー導入の基本的方向
第1節 総合開発計画と新エネルギーの関わり
(1)総合開発計画との整合性
新エネルギーの導入検討にあたり、占冠村総合開発計画(平成 11(1999)∼平成 20(2008)
年度)との整合を図ります。
7 つの基本構想の中で、特に「豊かな自然の中で安全で快適に暮らせるむらづくり」と「地
域の特性を生かした力強い産業を育むむらづくり」に焦点を合わせ、占冠村のむらづくり
の基本方向と合致する新エネルギーの関連性をまとめます。
図 6-1-1 むらづくりの基本構想と新エネルギーの関わり
参加と交流で
人の和をつく
るむらづくり
公開と住 民参
加で開か れた
むらづくり
豊かな自然の中で
心豊かな人と文化
を育み生きがいの
もてるむらづくり
占冠村総合開発計画
豊かな自然の中
でゆとりとうる
おいのあるむら
づくり
豊かな自然の恵みが、地域の
特性を生かした活力ある産業・
健康で心豊かな人を育み、安心
して暮らせるむらづくり
豊かな自然の中で、
みんな仲良く、健康
で、楽しく、明るく、
ゆったりと暮らして
いけるむらづくり
地域の特性を生
かした力強い産
業を育むむらづ
くり
豊かな自然の中
で安全で快適に
暮らせるむらづ
くり
環境に関わる施策
地域振興に関わる施策
新エネルギーの関連性
むらづくりの基本構想と合致する
新エネルギーの導入
113
図 6-1-2 環境に関わる施策と新エネルギー導入の関連事項
基 本 計 画
基本方向
環境衛生
施策の方向
環境美化思想の推進
新エネルギー関連事項
環境・エネルギー学習の啓発
活動
火葬場、共同墓地の環境整備
廃棄物
衛生的で適正なごみの収集・処理
廃棄物発電・熱利用
分別回収の推進と徹底した減量化
廃食用油のBDF化
施設や周辺の環境整備の推進
豊
か
な
自
然
の
中
で
安
全
で
快
適
に
暮
ら
せ
る
む
ら
づ
く
り
資源リサイクル
ごみの減量化とリサイクル運動の推進
公害対策
ごみの広域処理を推進しダイオキシン対策を推進
広域処理による生ごみ・下水
汚泥の堆肥化
水質汚濁に対する監視体制を充実
自然・野生動物との共生
騒音・振動等の発生源対策に向け、関係機関と連携
クリーンエネルギー自動車代
替による有害排出ガスの低減
自然環境の保全、野生生物の生息・生育環境の保全
新エネルギーによるCO2排出
量の抑制
野生生物の生態、生息環境を学び、共生に努める
環境・エネルギー学習の啓発
活動
水資源
森林機能の保全、水の安定供給に努めるとともに、地下水
の利用も視野に入れ、水資源の有効利用を図る
小水力発電への利用
簡易水道
水の安定供給に努めるとともに、新たな水需要計画による
施設整備を推進
小水力発電施設の導入
下水道
公共下水道の施設整備と普及、下水道区域外における合
併処理浄化槽による処理施設整備の推進
環境・エネルギー学習の啓発
活動
住宅
村営住宅等の良好な環境と空き家の利用促進
景観に配慮した環境整備やバリアフリー化の推進による
快適な居住環境づくり
河川
自然環境、生活環境に配慮した河川整備の推進
公園
自然とのふれあいや憩いの場として、住民の交流を図る公
園の整備、充実
雪対策
除排雪の効率化、道路環境の安全性の確保、快適な生活
環境を目指す
雪の新たな利活用を検討
(資料)占冠村総合開発計画(平成 11 年度∼平成 20 年度)より作成
(注)網掛け部分:既に導入あるいは取り組まれているもの。
114
太陽や木質バイオマスエネル
ギー、雪氷熱を利用したエコ
住宅の導入
太陽光発電・小型風車の公園
等への導入
雪氷熱エネルギー利用
図 6-1-3 地域振興に関わる施策と新エネルギー導入の関連事項
基本方向
基本計画
農業
施策の方向
基幹産業として振興、経営基盤の確立
新エネルギー関連事項
地域循環型農業の構築と商品のブランド
化
効率的営農体系の確立
消費流通対策事業の推進
農畜産廃棄物の資源化・エネルギー化によ
る収益改善・労働改善
生産性の向上
自然環境に配慮した農業廃棄物処理
農畜産物廃棄物の資源化・エネルギー化技
術の習得
後継者対策、新規入植者対策の推進
畜産
繁殖から飼育までの一貫生産による不安定要素の解消
堆肥・消化液の活用によるクリーン農業
の拡大
ヘルパー制度確立
林業
地
域
の
特
性
を
活
か
し
た
力
強
い
産
業
を
育
む
む
ら
づ
く
り
経済基盤の確立
木質バイオマスエネルギー利用による木
質燃料の生産
リゾート地にふさわしい森林景観の造成
林道敷設による間伐材・林地残材の活
用
適正な森林施業の促進
林産業の育成強化
林地残材のバイオマス利用による振興
緑化思想の啓蒙普及
林業労働力の育成
森林バイオマスエネルギーの利用による
適切な森林整備
森林機能の保護、災害防備機能の充実
商工業
商工業の活性化支援、自ら実行する体制の推進
資源化・エネルギー化プラントの建設・維持管
理
街並みへの更なる整備
商業サービス環境の充実と消費の流出抑制
木材製造業の育成、付加価値の高い製品開発
資源
本村の資源見直し
ペレット・チップ等の木質燃料の販売・流
通
新エネルギー活用を軸にした農畜産業・
林業・観光の連携
自然保護
自然環境と観光との調和
新エネルギー研修視察の受入
先人の知恵や自然と人間のふれあいを次世代に引き継ぐシステム構築
観光産業
地場の資源を活用した観光スタイル確立
観光施設への新エネルギー導入の拡大
トマムリゾートと地域住民との協調を図る
地域住民参加による観光への新エネル
ギー活用施策の検討
観光振興施策の充実
観光振興のためのハード面の整備を熟慮検討の上推進
新エネルギー活用施設見学ツアーの開
催
観光ホスピタリティ運動の推進
雇用対策
雇用対策の推進
新エネルギー産業による雇用の創出
労働福祉対策の充実
共済制度の確立
エネルギー
水力発電施設周辺地域交付金の有効活用
小水力発電の検討
地域特性に応じたクリーンエネルギーの開発・導入を図り、地域振興策とし
て産業面に有効活用
地域資源をエネルギー利用した地域振
興
(資料)占冠村総合開発計画(平成 11 年度∼平成 20 年度)より作成
115
第2節 新エネルギー可採量からの評価
第 4 章で検討した占冠村の新エネルギー賦存状況から、新エネルギー導入の利用可能性
を評価します。
占冠村で社会的条件を加味して算出した現実的に利用可能な可採量は、多い順に林地残
材、太陽熱、太陽光、温度差、廃棄物発電・熱利用、雪、クリーンエネルギー自動車、廃
棄山菜、廃食用油、小水力となります(図 6-2-1)。
図 6-2-1 占冠村の新エネルギー可採量
35,000,000
28,908,872
30,000,000
25,000,000
MJ
20,000,000
15,000,000
7,531,272
7,763,328
10,000,000
5,499,651
5,283,873
5,000,000
1,076,720 768,480 621,772
72,270
70,516
23,241
廃
(注) 風力、資源作物、氷、燃料電池、地熱については、可採量を算定していない。
116
力
水
小
食
用
油
菜
棄
山
廃
ガ
ス
然
ク
リ
ー
ン
廃
エ
棄
ネ
物
ル
天
動
車
雪
用
発
電
ギ
ー
自
温
・熱
利
度
差
光
太
陽
熱
陽
太
林
地
残
材
0
次に、各エネルギーの種類ごとに賦存量からみた利用可能性を評価します(表 6-2-1)。
◎は導入効果が期待され導入を目指すべきもの、あるいは導入の可能性が高いもの、○
は可採量があり、エネルギー化の技術も確立されていますが、収集方法や経済性に課題が
あるものを示します。(○)は可採量はあるがエネルギー化の技術に制約があり、一定の条
件をクリアする必要があるものを示します。なお、可採量が少ないものを△、可採量がな
いものを×で示しています。
その結果、林地残材・間伐材と雪氷を十分な可採量があり、利用可能性が高い◎と評価
しました。また、太陽光・太陽熱、廃食用油、温度差エネルギー、クリーンエネルギー自
動車を○と評価しました。
表 6-2-1 新エネルギー可採量からの評価
エネルギーの種類と分類
太陽エネルギー
太陽光
太陽熱
潜在的賦存量
MJ/年
180,159,840
1,029,484,800
大型風車
8,633,898
小型風車
2,632
風力エネルギー
家畜排せつ物
ー
バ
イ
オ
マ
ス
エ
ネ
ル
ギ
廃棄物系
未利用
廃棄山菜
72,270
72,270
製材端材
生ごみ
廃食用油
下水汚泥
し尿
8,217,650
626,362
70,516
1,018,241
61,142
0
0
70,516
0
0
林地残材
・間伐材
4,268,048,884
28,908,872
64,185,420
0
牧草
資源作物
例:菜の花
バイオマス 計
雪氷熱エネル
ギー
10,091,463
可採量
可採量から見た利用可能性
MJ/年
7,531,272 ・ 日射量は多い地域ではない。
7,763,328 ・ 村内全住居地で利用が可能だが、工夫が必要。
・ 風が強い地域ではない。
・ 風況調査結果によるので、可採量は算定しない。
・ 風速2m/sで発電可能な小型風車が可能。
・ 太陽光発電とのハイブリッド型の導入が望ましい。
・ 草地及び飼料畑で使用されているため可採量は
0
ない。
雪
氷
4,352,391,948
・ 廃棄物の有効利用になるが、エネルギー化のため
にはより詳細なデータが必要。
・
・
・
・
・
・
・ 現状では、収集方法が未確立のため、直ちにエネ
ルギー化できない。
・ 家畜敷料として利用されたあと堆肥化されるか、
直接牧場や田畑にすきこまれている。
29,051,658
廃棄物発電・熱利 一般廃棄物
用
産業廃棄物
518,610
温度差エネルギー
クリーンエネルギー自動車
21,168,564
天然ガスコージェネレーション
621,772
燃料電池
新エネルギー 合計
6,409,275,204
小水力
その他の再生可
能エネルギー
地熱
その他の再生可能エネルギー含
6,409,275,204
む合計
1,076,720
0
5,499,651
768,480
621,772
57,596,754
23,241
-
△
×
△
×
×
○
×
×
◎
×
-
・
・
(積算寒度 966℃) ・
・
5,283,873
5,283,873
811,009,267
パルプ用チップなど他用途と競合する。
堆肥化との競合で可採量はない。
調達先の選定や調達方法が課題。
村外で処理されているため可採量はない。
堆肥化との競合で可採量はない。
豊かな森林資源があるため、将来の林業振興に
伴い可採量の増加が期待できる。
○
○
・
・
・
・
・
積雪量が多く、利用可能。
寒冷で冷熱利用に十分な量が存在している。
可採量は施設規模と設置数によって多くなる。
廃棄物の有効利用になるが、ある程度の量が必
要になるため村単独では困難。
再利用されているため、可採量はない。
需要量とのバランスを考慮する必要あり。
公共用車の政策的先導的な導入を期待。
天然ガス供給が前提
試験的導入の段階
・ 立地可能地の制約がある。
◎
◎
(○)
×
○
○
(○)
(○)
(○)
57,619,995
(注)◎:十分な可採量があり、利用可能性が高いもの、あるいは利用を目指すべきもの
○:可採量があり、エネルギー化の技術も確立されているが、収集方法や経済性に課題があるもの
(○):可採量が少ないもの、あるいは可採量はあるがエネルギー化の技術に制約があり、一定の条件をクリアする必要が
△:可採量が少ないもの
×:可採量がないもの
117
第3節 エネルギー使用状況からの評価
占冠村のエネルギー使用状況から新エネルギー導入の可能性を検討します。
検討対象は、エネルギー使用量が詳細に明らかな公共施設とトマムリゾートとします。
新エネルギーの導入は、主に電気として導入するのか、熱として導入するのか、その両
方で導入するのか、この判断の目安として、エネルギー使用の実態を知ることが必要です。
特に、夏期にどのようなエネルギーを必要としているか、冬期にはどうかといった、各
施設のエネルギー使用の季別パターンを明らかにすることが必要です。
(1)公共分野
第5章第1節で明らかにした占冠村のエネルギー使用状況に基づき、主な公共施設のエ
ネルギー消費パターンを次のとおり整理しました。
パターンの整理は、季節に関わらず使用が多い「通年多消費型」、冬期(10 月∼5 月)に
多い「冬期多消費型」の2つに類別し、さらに電気・灯油・重油の使用状況について検討
しました。
〔1〕「電気・灯油・重油・LPG:通年多消費型」
代表的施設:湯の沢温泉、総合センター
適応形態:冬期の熱需要が中心となると考えられますが、LPG を使用していることもあり、
熱需要とともに電気も同時に必要とする天然ガスコージェネレーションの導入が有効です。
もしくは電気は太陽光発電、熱は太陽熱利用や牧草、森林系バイオマス等を活用すること
も有効です。
湯の沢温泉においては温度差エネルギーを活用することも有効です。
〔2〕「電気・灯油もしくは重油・LPG:冬期多消費型」
代表的施設:デイサービスセンター、中央小学校、トマム小中学校、占冠中学校
適応形態:冬期の大量の熱需要に対応できる新エネルギーの導入が必要であり、冬期まで
貯蔵でき確実に熱利用できる、森林系バイオマス等を活用することが有効です。天然ガス
コージェネレーションの導入も有効です。
夏期の冷房に雪氷を利用することも考えられます。
〔3〕「電気と灯油のみ:冬期多消費型」
代表的施設:物産館、道の駅、トマムコミュニティセンター
適応形態:冬期に電気と熱を必要としており、コージェネレーションの導入が有効です。
〔4〕「灯油のみの使用:冬期多消費型」
代表的施設:占冠駅、トマム駅
適応形態:冬期に熱だけを取り出せる森林系バイオマス等の活用が適します。
118
〔5〕「電気のみの使用:通年多使用型・冬期多消費型」
代表的施設:ニニウキャンプ場、サイクリングターミナル、川添集会所、美園住民センタ
ー
適応形態:ニニウキャンプ場は通年、その他は冬期に消費量が多くなります。電力だけを
取り出せる太陽光発電が適します。
(2)民生分野のうち観光分野
第5章第2節(3)で明らかにした観光部門のエネルギー使用状況に基づき、主な観光
施設の電気・熱・運輸(軽油・ガソリン)について検討しました。
〔1〕「電気と重油:通年多消費型」
代表的施設:ホテルアルファ・トマム周辺、VIZ スパハウス周辺
適応形態:年間を通じて電気とともに重油の使用量が多いため、天然ガスコージェネレー
ションの活用やプールからの排水と河川の温度差を利用した温度差エネルギーが有効だと
考えられます。
電気の使用に関しては、太陽光発電や小型風力発電の設置が考えられます。夏期の冷房
に雪氷を利用することも考えられます。
〔2〕「電気と灯油・LPG:冬期多消費型」
代表的施設:ザ・タワー/ザ・ヴィレッジアルファ周辺
適応形態:冬期の熱需要が多くなります。LPG を使用していることもあり、大量の熱需要
とともに電気も同時に必要とすることから、天然ガスコージェネレーションの導入が有効
です。
〔3〕「軽油・ガソリン:冬期多消費型」
適応形態:圧雪車・除雪車の利用が多く、12 月から 3 月の冬期に軽油の年間使用量の 8 割
以上を消費します。軽油代替燃料としては、廃食用油からの BDF 燃料の製造が考えられま
す。現在、廃食用油は、業者によってリサイクルされ、村外で再利用されていますが、廃
食用油を軽油代替燃料として使用することを検討する価値はあります。
また、ガソリン車に関しては、クリーンエネルギー自動車の導入が期待されます。
119
第4節 新エネルギー導入可能性の総合評価
(1)新エネルギー可採量と使用エネルギー状況
図 6-4-1 に占冠村の新エネルギー可採量と使用エネルギー状況をエネルギー変換方法で
つなげた関係を示します。
図 6-4-1 占冠村の新エネルギー可採量と使用エネルギー量
新エネルギー可採量
エネルギー使用量
エネルギー変換方法
太陽エネルギー
太陽光 7,531,272MJ/年
太陽熱 7,763,328MJ/年
公共分野(実績値)
電気
風力エネルギー
大型風車 風況調査が必要
小型風車 1kW×1基(トマム)
2,632MJ/年(参考値)
RDF化
バイオマスエネルギー
メタン発酵
熱
家畜排泄物 0MJ/年
(乳用牛・肉用牛・鶏)
ガス
運輸(ガソリン・軽油) 3,734,394MJ/年
チップ化
生ごみ・下水汚泥・し尿 0MJ/
年
廃食用油 70,516MJ/年
施設名
総合センター 2,134,438MJ/年
湯の沢温泉 2,112,403MJ/年
デイサービスセンター 1,851,770MJ/年
中央小学校 1,368,776MJ/年
占冠中学校 1,319,780MJ/年
トマム小中学校 1,168,406MJ/年
道の駅 974,166MJ/年
ガス化
廃棄山菜 72,270MJ/年
製材端材 0MJ/年
電気 3,539,869MJ/年
灯油 8,409,787MJ/
重油 4,589,558MJ/年
LPG(ガソリン等含む) 136,154MJ/年
液肥
堆肥
ペレット化
民生分野
一般家庭(推計値) 52,044,655MJ/年
トマムリゾート(実績値)
電気 87,222,809MJ/年
灯油 5,294,159MJ/年
重油 351,344,936MJ/年
ガス(LPG) 6,511,844MJ/年
林地残材・間伐材
28,908,872MJ/年
BDF化
雪氷熱エネルギー
雪熱 1,076720MJ/年
氷熱 (村内2施設参考値)
ペンション(推計値) 16,093,294MJ/年
業務部門(推計値) 1,791,707MJ/年
堆肥化
廃棄物発電・熱利用
5,283,873MJ/年
温度差エネルギー
5,499,651MJ/年
電気
産業分野
冷熱
需要サイドのエネルギー
クリーンエネルギー自動車
768,480MJ/年
天然ガスコージェネレーション
621,772MJ/年
熱
その他の再生可能エネルギー
中小水力 23,241MJ/年
動力・
発電
農林業・鉱業・建設業(推計値)
52,552,197MJ/年
製造業(実績値) 12,133,424MJ/年
運輸 37,541,030MJ/年
120
(2)導入によるメリット、技術面・経済性からの評価
表 6-4-1 に導入によるメリット、技術面・経済性等の面から各新エネルギーについて評
価します。
表 6-4-1 新エネルギーの導入によるメリット、技術面・経済性からの評価
種類
太陽光
メリット
経済(コスト)面*
・運転コストがほとんど不要
・電力会社との系統連系が可
能で、余剰電力は販売可能
・発電量が天候(日射量)に
左右される
・雪対策が必要(パネル設置
角度により対応)
・変換効率が高い(40%程度)
・運転コストが比較的安い
・設置場所が太陽光発電と競
合する
・太陽熱発電:反射鏡の精
度、強度の向上
・寒冷地対策(冬は追い炊き
などが必要)
・導入コストが比較的高い
【設置コスト】住宅用:67 万円/kW、
非住宅用:100 万円/kW
【発電コスト】住宅用:65 円/kWh、非
住宅用:73 円/kW
(耐用年数 15 年)
【設置コスト】家庭用温水器:集熱面
積 3 ㎡で 30 万円(工事費込)
・ソ-ラ-システム:集熱面積 6 ㎡で 90 万
円
【熱利用コスト】4.1∼6.7 円/MJ
(耐用年数 15 年)
・運転コストは比較的安い
・発電時のCO2 や環境汚染物
質の発生がない
・日本の風(台風・乱れ)対策
・雷対策
・占冠村の場合、市街地は風
が弱いので、山林などに限られ
るが、機器搬入のための道路
の整備や生態系・景観への配
慮などが必要で立地に制約が
ある
・導入可能性の判断には、風
況精査が必要
・発電するにはある程度の風
速が必要
・強風対策等に開発の余地が
ある
【設置コスト】1,000kW 級風車:2∼3
億円/1基
【発電コスト】
大規模:10∼14 円/kWh
中小規模:18∼24 円/kWh
(耐用年数 17 年)
・占冠村では現在肥料として
利用されている
・消化液の利用が未確立
・将来的には燃料電池の水素
製造の可能性がある
・燃料収集・安定供給方法の
確立
・固形燃料(RDF)化等の燃
料化技術の検討が必要
・木質ガス化発電燃料に混合
・ストックヤ-ドが必要
・占冠村には現在 1 工場稼動
しているが、家畜敷料やパルプ
用として利用されている
・燃料生産を前提とした機器
やシステムの整備が必要
・ガス化発電:タ-ル問題の解決
・導入コストが高い
【設置コスト】100 頭規模:8 千万円
∼1 億円
(耐用年数 15 年)
太陽熱
大型風車
・啓発効果が大きい
小型風車
家畜
排せつ物
廃棄山菜
製材端材
課題
技術面*
・畜産環境の改善に貢献
・エネルギ-化による収益性があ
る
・未利用の地域固有資源の有
効活用につながる
・処理にお金がかかっているた
め、コスト削減になる。
・製材工場において、量的にま
とまって発生するので、原料調
達の収集・運搬コストが低い
・エネルギー変換が容易
・木質燃料の生産による雇用
創出、地域活性化が期待でき
る。
121
・機種によりさまざま
【設置コスト】100W∼1kW 級:10 万
円∼350 万円
(耐用年数 17 年)
【設置コスト】直接燃焼:1.2∼1.5 万
円/kW
(耐用年数 15 年)
【 設 置 コ ス ト 】 カ ゙ ス 化 発 電 ( 100kW
級):60∼150 万円/kW
・ペレット製造・利用:
ペレット製造の採算ラインは 1,000∼
2,000t/年の需要が必要となる。利用
は製造コストによる
(耐用年数 15 年)
種類
生ごみ
廃食用油
下水汚泥
し尿
林地残材・
間伐材
メリット
・嫌気発酵処理の採用により、
処理過程・後の臭気が大幅に
軽減される
・嫌気発酵後の液肥を肥料と
して活用できる
・BDF 化することで用途が多い
・量的確保を前提に事業採算
性確保が可能である
・処理過程でエネルギーを取得
できる
・条件付きで嫌気発酵後の液
肥を肥料として活用できる
・技術的に容易である
・処理過程でエネルギーを取得
できる
・嫌気発酵後の液肥を肥料と
して活用できる
・技術的に容易である
・森林資源の保育整備が図ら
れることにより、森林機能の維
持向上につながる
・林地保全に貢献
・林地清掃により病害虫等の
繁殖を防止
・現状林地に放置される枝葉
や間伐材をエネルギー活用でき
る
・新たなエネルギー産業として
雇用創出、地域活性化につな
がる
・未利用の地域固有資源の有
効活用とにつながる
牧草
雪冷熱
(除排雪)
・石油代替効果、CO2 削減効
果が大きい
・農作物の鮮度保持・糖度増
加、除塵効果がある
・ランニングコストが安い
課題
技術面*
経済(コスト)面*
・嫌気発酵を行う場合は徹底
した分別が必要
・性状にむらがある
・肥料として活用する場合は、
需要先及び散布先の確保が
必要
・BDF 製造について寒冷地対
応が必要
・収集・安定供給方法の確立
【設置コスト】日量 50t 処理:10∼20
億円
・富良野地区環境衛生組合
で堆肥化している
・嫌気発酵で相当量無機化さ
れるが、その後の処理は必要
・重金属の除去が必要
・肥料として活用する場合は、
需要先及び散布先の確保が
必要
・一部富良野地区環境衛生
組合で堆肥化している
・肥料として活用する場合は、
需要先及び散布先の確保が
必要
・既存設備の改修費用程度
・収集には間伐や集材方法の
対応が必要
・燃料生産を前提とした林道
整備、林業機械の整備が必
要
・燃料収集・安定供給方法の
確立
・ガス化発電:タ-ル問題の解決
・収集・輸送コストが高い
・蒸気タービン発電:原料コスト、発電規
模、売電内容等により採算性がかな
り違ってくる。現状は原料コスト高い
・ガス化発電:コスト高
100kW 級で,60∼150 万円/kW
・ペレット製造・利用:
ペレット製造の採算ラインは 1,000∼
2,000t/年の需要が必要となる
利用は製造コストによる
・液化、エタノール化:コスト高
【 設 置 コ ス ト 】 カ ゙ ス 化 発 電 ( 100kW
級):60∼150 万円/kW
(耐用年数 15 年)
【設置コスト】直接燃焼:1.2∼1.5 万
円/kW
ガス化発電(100kW 級):60∼150 万
円/kW
(耐用年数 15 年)
・現在飼料として全量利用さ
れており、新たにエネルギー作
物として栽培する必要がある
・燃料収集・安定供給方法の
確立
・固形燃料(RDF)化等の技
術の検討が必要
・アルコ-ル化等将来の可能性
がある
・雪の搬入作業が必要
・排水処理が必要
122
・事業化は量的確保が前提となる
【設置コスト】BDF製造プラント(10
万 t/年規模):5 億円程度
(耐用年数 15 年)
・建設コストが高い
・集雪経費がかかる
(耐用年数 20 年)
種類
氷冷熱
メリット
・石油代替効果、CO2 削減効
果
・積算寒度があればエネルギー
的に無限に賦存する
・水と冷気があれば、氷精製が
可能なので運搬が不要
・ランニングコストが安い
・燃焼熱利用によりエネルギー費
用を削減できる
廃棄物発
電・熱利用
・熱エネルギ-の需要地が近接し
ている場合は有効性が高い
温度差
エネルギー
課題
技術面*
経済(コスト)面*
・年間通して 0℃を保つことが
でき、農産物の貯蔵に向く
・農産物等貯蔵の場合の検
証が必要
・氷蓄積建屋建設コストが割高
(耐用年数 20 年)
・採算性を見込むにはある程
度の量・規模が必要だが、占
冠村は他地域で広域処理し
ているため、導入は困難
【設置コスト】廃棄物発電(300t/日
以上):9∼25 万円/kW
【発電コスト】廃棄物発電(300t/日
以上):9∼11 円/kWh
【熱利用コスト】廃棄物熱利用:10 円
/MJ
・温水吸収式ヒ-トポンプ(800Mcal/h
級):4 万円/Mcal/h
・熱利用コスト:10 円/MJ
(耐用年数 15 年)
・地中熱や温泉排水を利用す
ることができる
・熱供給配管の整備等の建
設費が大きい
クリーンエネル
ギー自動車
・CO2 、NOx、SOxの排出が少
ない(電気自動車は全く排出
しない)
・ハイブリッドは占冠村でも可
能だが、電気・メタノール・天然
ガスは燃料供給インフラの整備
が必要
【通常車との比較】ハイブリッド車:車体
価格 1.04∼1.7 倍程度
天然ガス車:車体価格 1.4∼2 倍程
度
天然ガスコー
ジェネレーション
・CO2 、NOx、SOxの排出が少
ない
・電気を使う場所で発電するの
で送電ロスが少ない
【設置コスト】ガスエンジン:30 万円/kW
・ガスタ-ビン:20 万円/kW
【発電コスト】19.8 円/kWh
(耐用年数 15 年)
・省エネや環境負荷低減、エネル
ギー資源の多様化、石油代替
効果が大きい
・産業競争力強化と新規産業
創出の可能性
・占冠村は天然ガスのインフラ
整備はなされていないが、湯の
沢温泉で天然ガスが湧出して
いる
・熱需要が伴わないと総合効
率が低くなる
・本体、改質器等の性能向上
・水素製造・貯蔵・供給等のイ
ンフラ整備が必須
・低温度稼働、低触媒濃度、
長寿命技術の開発
・観光資源としても活用
・水量が安定確保できれば、
小型分散電源として安定利用
可能
・候補地の絞り込み(近くに需
要がある等)
・ミニ、マイクロ発電高効率技術
の確立
・機器コストと土木工事のコスト低減
・送電線敷設問題
【設置コスト】モデルプラント:76 万円
/kW
【発電コスト】ヒアリング:14 円/kWh
・省エネ、CO2削減効果がある
・電力需要平準化効果(給
湯・氷蓄熱等と組合せ夜間電
力有効活用可能)
・最適システム開発が未確立
・ヒ-トポンプの高効率化、コンパ
クト化
・地下資源量推定の精度向
上
・高温岩体(地下 1000m以
上)からのエネルギ-取り出し技
術の確立
・土壌掘削費が高価
・ヒ-トポンプの低コスト化
・600 万円(木造 2 階建て、延床面
積 120 ㎡)
燃料電池
小水力
地熱
・競合機器設備と競合可能なレベル
への経済性向上が必要
【設置コスト】リン酸型:70 万円/kW
【発電コスト】リン酸型:22 円/kW
(耐用年数 15 年)
1) コスト評価:NEDO「新エネルギーガイドブック」
2) *印はメーカー見積もりに基づく。耐用年数は、一般的な財産処分制限期間を説明するための作成された資
料に記載された法定耐用年数。
123
(3)新エネルギーの総合評価
太陽エネルギー
占冠村の日射量は全道的にみると平均的で、電力系統との連結、余剰電力の売電が可能
で、メンテナンスもほとんど必要ないので、太陽光発電の導入は十分可能です。
技術的にも発電効率の向上や球状セルの開発などの進歩が見られ、将来更に普及してい
くものと考えられます。
占冠村での太陽光発電の利用は、広大な屋根を持つ公共施設、公共の防災用途(蓄電池
の併用)と合わせた学校等への利活用が適しています。また、公園等の街路灯や交通標識、
個人住宅なども検討されます。
太陽熱利用としては、冷暖房・給湯が一般的です。近年ではソーラーシステムで温水だ
けではなく床暖房まで行えて、家全体を暖める省エネ性と快適性を併せ持つ点で利用が増
えています。しかし、曇りや雨、夜間に太陽エネルギーが十分使えないなどの欠点をもつ
ため、熱の貯蔵や、追焚き(補助熱源)も必要となります。
占冠村では、1 年のうち半年は最低気温がマイナス以下を記録し、日照時間も全道的に見
て少なめなので、太陽熱利用の可能性は低いと考えられます。
風力エネルギー
大型風車の導入は、地上高 30m地点で平均風速が 6m/s以上、かつ風速 8m/s以上の強風が
年間 30%以上占めるという前提条件を満たしておらず、不適だと考えられます。
しかし、小型風車は、近年微小の風にも対応できるものが開発されてきており、教育啓
発の観点からの効果は十分にあります。
占冠村では、観光地域での街路灯などの電源としてのモニュメント的・シンボル的な導
入が考えられます。
バイオマスエネルギー
家畜排せつ物
占冠村では、家畜排せつ物は現在牧場や田畑に肥料としてすきこまれていますが、エネ
ルギーとしての利用を検討する価値はあります。
もしバイオガスプラントを導入する場合、集合型あるいは個別型のどちらかが酪農家に
適しているかは、バイオガスと消化液の有効利用の確立が条件となります。バイオガスに
よる余剰エネルギーについては、近隣施設へ供給することからプラント周辺にエネルギー
需要先が存在する地域における利用が適しています。消化液の利用は耕種農家との連携を
進め地域で利用されることが望ましいものです。
建設・維持コストの経済的条件さえ整えば、畜産家にとって意味のある施設となります。
廃棄山菜、牧草
占冠村でエネルギーとして活用可能性の高いものは、廃棄山菜、牧草が挙げられます。
山菜は占冠村の特産品であり、廃棄山菜は処理にコストがかかるので、エネルギー利用で
124
きるならば、占冠村の地域特性を踏まえるだけでなく、山菜加工のコスト削減につながり
ますが、量的には非常に少なく、技術的に検討が必要と考えられます。また、牧草は潜在
的賦存量は有望であり、主に耕種農家・農協を中心に導入が期待されますが、現在は、牧
場や田畑にすきこむか、家畜の飼料として利用した後、肥料として活用されています。
変換方法としては、廃棄山菜を牧草とともにRDF化して、農業ハウスや公共施設の熱源
としての活用が考えられます。
製材端材、林地残材・間伐材
占冠村には1つの製材工場が稼動していますが、端材は家畜敷料やパルプ用として利用
されており、未利用分はありません。今後より多くの製材を行うようになれば、また、他
用途との競争力をもつようになれば、燃料として製造できる可能性があります。
一方、占冠村の 9 割を占める森林からは間伐材や林地残材など膨大な賦存量が見込めま
す。戦後植林した木材の除間伐が追いつかず蓄積が増加しているので、今後より多くの林
地残材・間伐材が発生すると考えられます。それらをチップやペレットなどの木質燃料と
して生産し、利用することが考えられます。
燃料として生産する場合、灯油や重油などの化石燃料と競争力をもてるかが需要拡大の
カギとなります。また、利用するにはチップボイラーやペレットボイラーなど専用の燃焼
機器の導入が必要になります。
需要の開拓が大きな課題ですが、こうしたバイオマスは大きな可能性を持ちます。占冠村
では、公共施設や観光施設、学校への導入が考えられます。木質燃料は燃焼時にCO2を発生
しても成長の過程でCO2を固定しているという環境特性の面、再生可能な森林資源を利用す
ることは、森林整備につながり、雇用創出・地域活性化の可能性を持つという面など多方
面から理解を広めていくことが重要です。
生ごみ・廃食用油・下水汚泥・し尿
生ごみ・下水汚泥(一部)・し尿は富良野地区環境衛生組合で処理されています(下水汚
泥のその他は苫小牧で処理)。廃食用油については村内の一般廃棄物処分場で埋め立てられ
ています。
占冠村では、廃食用油を分別して収集し、堆肥化やエネルギー化することも可能です。
生ごみや下水汚泥・し尿をエネルギー利用することは困難ですが、将来的にエネルギー利
用を考えるならば畜産系バイオマスとともにバイオガス化する可能性が考えられます。
中でも廃食用油はディーゼルエンジンの燃料として有効です。大型宿泊施設など大量に排
出される場では、送迎バスの燃料として、また、ごみ収集車、農業や林業の場でトラクタ
ー等の農耕車、林業機械等への導入が考えられます。
雪氷熱エネルギー
占冠村は、積雪量が多く、非常に寒冷な地域です。こうした地域特性を活かして雪や氷
による施設冷房や農産物の貯蔵を行うことが可能です。氷は積算寒度、貯氷タンクの大き
125
さ、タンク表面への送風量によって変わるため、可採量を数値としては表していませんが、
占冠村の積算寒度は 965.5℃日あり、氷生成のために十分な寒さがあります。
施設冷房としては、体にやさしい冷風を生み出すので、福祉施設やホテルなど観光施設
への導入が考えられます。また、鮮度保持や糖質増加といった付加価値を生み出すので、
将来的には貯蔵に有効な農産物を生産し、雪氷による貯蔵が考えられます。道内では美唄
市や穂別町などで導入例があります。
廃棄物発電・廃棄物熱利用
占冠村では、一般廃棄物処分場で埋立処分されているうち可燃ごみを利用できます。
広域で考えるならば、これらを RDF(Refuse Derived Fuel)化した固形燃料や焼却熱を
温室ハウスなどの熱源として利用することが考えられます。
温度差エネルギー
可採量的には、林地残材、太陽熱、太陽光に次いで 4 番目に多くなっていますが、需要
との関係では、発生する施設の駐車場のロードヒーティングや近隣施設の熱源利用に限ら
れています。しかし、潜在的賦存量としてはあらゆる温度差が考えられ、公共施設や一般
家庭をはじめ利用先は多いと考えられます。
需要サイドのエネルギー
クリーンエネルギー自動車
クリーンエネルギー自動車は、従来車に比べ約 1.3∼1.5 倍のコスト高となっていますが、
車輌関係のCO2排出量削減には非常に効果があります。国をあげて目標値を設定しており、
自治体及び民間事業者に対して低公害車導入の優遇制度を実施しています。こうした後押
しのもと、公共の場での利用を先導的に導入しつつ、町民に向けて普及・啓発を進めるこ
とが考えられます。
天然ガスコージェネレーション
占冠村には天然ガスのインフラ整備はなされていませんが、湯の沢温泉で天然ガスが湧
出しています。そのため、湯の沢温泉の電気と熱を天然ガスコージェネレーションとして
利用することが考えられます。
その他の再生可能エネルギー
中小水力
賦存量的には非常に少量ですが、トマム地区取水地点だけでなく、小河川など 2m以上の
落差と一定の水量があればどこでも可能なため、今後可能性の大きいエネルギーです。鵡
川など管轄が異なることによる水利権などの問題は、特区を活用することも考えられます。
近隣施設の動力や電気の利用が考えられます。
126
表 6-4-2 に総合計画での位置付け、可採量・需要(利用)∼導入の方向・教育啓発・経済性
の面から各新エネルギーについて評価した結果を示します。
◎は導入効果が期待され導入を目指すべきもの、あるいは導入の可能性が高いもの、○
は導入が期待されるものを示します。(○)は導入が期待されるが、制約等があり、一定の
条件をクリアする必要があるものを示します。このうち1つでも◎がついたものは総合評
価でも◎としました。
その結果、太陽光、小型風車、バイオマスエネルギーのうち未利用である林地残材・間伐
材、雪氷熱エネルギー、クリーンエネルギー自動車、小水力の総合評価が高くなります。
また、太陽熱利用、廃棄山菜、廃食用油、温度差エネルギーの可能性も比較的高いと判断
できます。
占冠村においては、◎のエネルギーを軸に導入を検討し、太陽光発電・太陽熱利用などの
その他の新エネルギーの導入を図ることが望ましいと考えられます。
表 6-4-2 新エネルギーの総合評価
太陽光
太陽熱
大型風車
風力エネルギー
小型風車
家畜排せつ物
廃棄山菜
バ
イ
製材端材
オ
廃棄物系
生ごみ
マ
廃食用油
ス
エ
下水汚泥
ネ
し尿
ル
ギ
林地残材
間伐材
未利用
太陽エネルギー
ー
牧草
雪
雪氷熱エネル
ギー
氷
一般廃棄物
廃棄物発電・熱
利用
産業廃棄物
温度差エネルギー
クリーンエネルギー自動車
天然ガスコージェネレーション
燃料電池
○
○
○
○
可採量
需要(利用)∼導入の方向
電
気
熱
公
共
施
設
◎
(○)
○
-
◎
○
○
一
般
家
庭
○
○
(○)
事
業
所
○
○
-
観
光
施
設
○
○
◎
-
製
造
業
-
運
輸
-
メ
リ
ト
○
○
◎
技
術
面
・
経
済
面
-
○
(○) (○)
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
◎
◎
◎
◎
○
○
○
◎
◎
農
林
業
ッ
エネルギーの種類と分類
で総
の合
位開
置発
付計
け画
◎
◎
◎
◎
(○) (○)
○
○
○
(○)
(○)
◎
◎
○
○
○
○
◎
◎
○
◎
○
○
○
○
○
○
○
○
○
127
○
○
◎
○
◎
(○)
○
(○)
○
◎
○
◎
◎
小水力
◎ (○)
◎
◎
地熱
(注) ◎:導入効果が期待され、導入の可能性が高いもの、あるいは導入を目指すべきもの
○:検討を要するが、導入が期待されるもの
(○):導入が期待されるが、制約等があり、一定の条件をクリアする必要があるもの
その他の再生可
能エネルギー
○
○
総
合
評
価
◎
○
○
○
○
○
◎
○
○
◎
(○)
◎
◎
(○)
○
◎
(○)
(○)
◎
第5節 新エネルギー導入目標の検討
占冠村の新エネルギー導入目標を設定するため、以下の3項目から本村の導入目標を算出
し、その結果を示します。
① 占冠村の可採量の 15%を導入目標値とする(表 6-5-1)。
② 国および北海道の新エネルギー導入目標値1)から人口比で按分したものを導入目標値
とする(表 6-5-2)。
③ 占冠村全体のエネルギー使用量の 3%を導入目標値とする(表 6-5-3、表 6-5-4)。
1)「国の導入目標」について
国は新エネルギー導入目標を、2010 年度までに原油換算で 1,910 万 kl(一次エネルギー
総供給に占める割合は3%程度)と設定しています(第 1 章第 2 節参照)。
「北海道の導入目標」について
北海道でも、2001 年に施行した「省エネルギー・新エネルギー促進条例」に基づき、省
エネルギーの促進や新エネルギーの開発・導入の促進に関する施策を総合的・計画的に推
進するため、2002 年に「省エネルギー・新エネルギー促進行動計画」を策定しました。こ
の行動計画では、2010 年度までに原油換算で 187.2 万 kl と新エネルギー導入を増やす計画
でしたが、すでに達成されています(第 1 章第 2 節参照)
。
図6-5-1 占冠村の新エネルギー導入目標値例(表6-5-2∼6-5-5参照)
占冠村の新エネルギー可採量
15 % 乗じる
国・北海道の新エネルギー導入目標
占冠村のエネルギー使用量
人口比で按分
3% 乗じる
全国の目標を基準
占冠村
原油換算 220 kl
二酸化炭素換算量 577 tco2
北海道の目標を基準
占冠村
占冠村
原油換算 168 kl
原油換算 230 kl
二酸化炭素換算量 602 tco2 二酸化炭素換算量 440 tco2
全国の目標の算定方法
占冠村
原油換算 486 kl
二酸化炭素換算量 1,271 tco2
占冠村の新エネルギー導入目標
原油換算 200 kl( 二酸化炭素換算量約500 tco2 )
新エネルギー可採量の約14%
さらに目標を 500 kl( 二酸化炭素換算量約1300 tco2 )まで拡大すると、
新エネルギー可採量の約34%
128
表 6-5-1 占冠村の新エネルギー可採量と導入目標値
占冠村の可採量
エネルギーの種類と分類
原油換算量 二酸化炭
(38.2MJ/l) 素換算量
MJ/年
太陽エネルギー
風力エネルギー
太陽光
太陽熱
大型風車
小型風車
kl/年
197
203
761
7,531,272
7,763,328
29,051,658
バイオマスエネルギー
雪
氷
一般
廃棄物発電・熱利用
産業系
温度差エネルギー
供給サイド新エネルギ-合計
クリーンエネルギー自動車
天然ガスコージェネレーション
燃料電池
雪氷熱
需要サイド新エネルギ-合計
小水力
再生可能
エネルギー
地熱
その他の再生可能エネルギー含む 合計
占冠村目標値(可採量の15%として)
原油換算量 二酸化炭
(38.2MJ/l) 素換算量
MJ/年
tCO2
tCO2
kl/年
515
531
1,987
1,129,691
1,164,499
4,357,749
30
30
114
77
80
298
1,076,720
5,283,873
0
5,499,651
56,206,502
768,480
621,772
-
28
138
0
144
1,471
20
16
-
74
361
0
376
3,845
53
43
-
161,508
792,581
0
824,948
8,430,975
115,272
93,266
-
4
21
0
21.60
221
3
2
-
11
54
0
56
577
8
6
-
1,390,252
23,241
-
36
1
-
95
2
-
208,538
3,486
-
5
0.09
-
14
0.24
-
226
591
57,619,995
1,508
3,941
8,642,999
表 6-5-2 国・北海道の新エネルギー導入目標値と占冠村の導入目標値
全国目標値
1)
エネルギーの種類と分類
人口 127,532,000人
人口比
原油換算量
太陽光
太陽エネルギー
太陽熱
大型風車
風力エネルギー
小型風車
発電
バイオマスエネルギー
熱利用
雪
雪氷熱
氷
発電
廃棄物発電・熱利用
熱利用
温度差エネルギー
供給サイド新エネルギ-合計
クリーンエネルギー自動車
天然ガスコージェネレーション
燃料電池
需要サイド新エネルギ-合計
小水力
再生可能
エネルギー
地熱
その他の再生可能エネルギー含む 合計
万kl
118
90
134
占冠村換算
北海道目標値
1,539人
0.00001
占冠村換算
5,657,455人
1,539人
0.00027
原油換算量
二酸化炭
素 換算量
原油換算量
原油換算量
二酸化炭
素 換算量
kl
tCO2
万kl
kl
tCO2
14
11
16
37
28
42
6
18
11
17
50
29
44
130
76
34
791
5
4
95
1
11
249
2
3
1
1
8
3
2
21
8
6
552
186
67
22
174
59
230
602
19
1
2
62
53
1
5
168
138
4
14
440
104
5
284
15
742
38
1,220
1,910
348 万台
464 万kW
220 万kW
42 台
56 kW
27 kW
1 倍
1 倍
1) 全国人口:平成 17 年 5 月確定値、総務省統計局人口推計
2) 北海道人口:平成 17 年 8 月末住民基本台帳人口、北海道企画振興部地域振興室市町村課
129
表 6-5-3 占冠村のエネルギー使用量と新エネルギー導入目標値
占冠村エネルギー使用量合計
占冠村目標値(合計使用量の3%)
合計使用量(MJ/年)1) 原油換算量(kl/年) 原油換算量(kl/年) 二酸化炭素換算量(tCO2)
619,211,400
16,210
486
1,271
表 6-5-4 占冠村のエネルギー使用量によって試算した目標値(表6-5-3)から導いた各エネ
ルギーの導入目標値
全国目標値
エネルギーの種類と分類
太陽光
太陽熱
大型風車
風力エネルギー
小型風車
発電
バイオマスエネルギー
熱利用
雪
雪氷熱
氷
発電
廃棄物発電・熱利用
熱利用
温度差エネルギー
供給サイド新エネルギ-合計
クリーンエネルギー自動車
天然ガスコージェネレーション
燃料電池
太陽エネルギー
需要サイド新エネルギ-合計
小水力
再生可能
エネルギー
地熱
原油換算量
占冠村換算
北海道目標値
占冠村換算
原油換算量 二酸化炭
素換算量
原油換算量
二酸化炭
素換算量
原油換算量
kl
tCO2
万kl
万kl
118
90
134
tCO2
kl
30
23
34
78
60
89
6
18
11
49
144
84
127
375
220
34
791
5
9
201
1
23
526
3
3
1
1
23
9
6
59
23
16
552
186
140
47
367
124
486
1,271
19
1
2
62
152
4
16
486
398
10
41
1,271
104
5
820
42
2,142
111
3,524
1,910
89 台
348 万台
464 万kW
118 kW
220 万kW
56 kW
1 倍
1 倍
その他の再生可能エネルギー含む 合計
注) 二酸化炭素換算:環境省地球環境局「事業者からの温室効果ガス排出量算定方法ガイドライン」(平成 15 年
7 月)よりCO2排出係数;原油 0.0684 kgCO2/MJを用いて換算。第 5 章第 5 節と二酸化炭素換算方法が異なる
ため、二酸化炭素換算量の数値が異なる。
130
第6節
新エネルギー導入の基本方向
本節では、占冠村のむらづくりと新エネルギーとの関わり、賦存量や公共施設のエネル
ギー使用量からの評価、国や北海道を基準とする新エネルギー導入の基本目標とCO2削減量
を踏まえ、総合的視点から新エネルギー導入の基本方向をまとめます。
(1)新エネルギー導入の全体イメージ
〔1〕豊かな自然を活かした地域資源としての森林、雪氷熱、小水力
占冠村には豊かな自然があり、森林、雪氷、水という資源が豊富にあります。これらを
エネルギー資源として、活用していくことができます
特にバイオマスエネルギーの活用は、占冠村の産業と結びついた導入が可能であり、期
待されます。
〔2〕バイオマスのエネルギー化の方法
バイオマスのエネルギー化の方法には、①直接燃焼、②固形燃料製造、③熱分解ガス化、
④メタン発酵・アルコール発酵、⑤BDF 化があります。
①直接燃焼は、チップ等そのまま燃やすこともありますが、主に②固形燃料(RDF・ペ
レット)化して、専用の燃焼機器で暖房や給湯など熱利用します。③熱分解ガス化は、乾
留型熱分解方式が主流であり、生分解ガスをそのままボイラーで燃焼させる、コージェネ
レーションで電気も作る(ガス化発電)、あるいは、天然ガス等との混焼も考えられます。
また、メタン発酵・アルコール製造を行い、水素化して燃料電池の燃料にもできます。④
BDF 化は、廃食用油とメタノール、触媒等からメチルエステルとグリセリンを精製するシ
ステムが一般的です。最近では、廃食用油等の植物油を微量の水により直接乳化(エマル
ジョン化)を図り粘度を下げるエマルジョン法等が進められています。
直接燃焼した場合、副産物として排出される灰等は成分を調査した上で肥料として使用
できます。
〔3〕新規開拓としての温度差エネルギー、天然ガスコージェネレーション
湯の沢温泉、トマム地域の観光施設では、排水と河川の温度差を利用した温度差エネル
ギーの利用が考えられます。また、トマム地域のようにエネルギー需要が大量にある場合、
天然ガスコージェネレーションの導入が有効です。
〔4〕産業と連携した導入方向
産業分野での新エネルギー利用は、新たな雇用の創出、ひいては地域の活性化につなが
ります。そのため、占冠村の基幹産業である農林業、山菜加工で排出されるバイオマスを
エネルギー資源として循環させ、再びそれらの産業やその他の分野で利用することを検討
することが必要です。
131
〔5〕トマム地域の観光産業に貢献する導入方向
トマム地区では、エネルギー使用量が多く、自立型代替エネルギーの利用は難しい状況
です。
省エネルギーを進めるとともに、天然ガスコージェネレーションや温度差エネルギーの
導入を中心に、エネルギー資源の多様化で対処することができます。
また、トマムリゾートやペンションにペレットストーブや小型風車を設置するなど目に
見える形で新エネルギーの導入を行うことは、観光客へのアピールにもなります。
〔6〕公共分野での率先的導入
環境問題やエネルギー問題の面から新エネルギーの導入が望まれているところですが、
コスト面や情報不足の面から、一般にはなかなか普及しにくいのが現状です。
まずは多くの村民が訪れる公共的な場所にペレットストーブを設置するなど、目に見え
る形で村民に知ってもらうことが重要です。また、太陽光発電やクリーンエネルギー自動
車等を率先的に導入することも期待されます。
ハード面だけではなく、広報や学習会の開催など随時村民に情報を提供していくことも
考えられます。
〔7〕非常用エネルギーシステムの構築
天然ガスコージェネレーションや、太陽光による発電、木質燃料による給湯・暖房など、
新エネルギーを使った多様な方法で電気や熱の供給を行うことができます。また、クリー
ンエネルギー自動車の1つであるハイブリッド自動車は、発電機能に電源を切り替えれば、
最大 3kW の発電能力があり、満タンで 36 時間稼動できるシステムを備えたものが開発さ
れてきています。
地域単位で住民の安全性を確保するために、地域にある緊急避難所・学校・病院などで
は、緊急時に電気や熱を新エネルギーで賄えるようにしておくことが大切です。新エネル
ギーによる自立型発電機や暖房機器の設置など、緊急時に安心して利用できる施設整備を
進めることが必要です。
こうしたことを踏まえて、占冠村での新エネルギー導入のプロジェクトと設定条件を次
に示します。
132
表6-6-1 占冠村で想定される新エネルギー導入のプロジェクトと設定条件
エネルギーの種類と分類
可採量
MJ/年
総合評価
発電・発熱規模
41,000 kWh
太陽エネルギー
太陽光
◎
7,763,328
○
◎
(○)
○
(○)
0
72,270
0
0
70,516
0
0
28,908,872
○
◎
ー
太陽熱
大型風車
風力エネルギー
小型風車
家畜排せつ物
廃棄山菜
製材端材
廃棄物系
生ごみ
廃食用油
バ
下水汚泥
イ
し尿
オ
マ
ス
エ
林地残材
ネ
未利用
・間伐材
ル
ギ
7,531,272
牧草
資源作物
例:菜の花
バイオマス 計
雪氷熱エネル
雪
ギー
氷
廃棄物発電・熱利 一般廃棄物
用
産業廃棄物
温度差エネルギー
0
29,051,658
1,076,720
5,283,873
0
32,902
5,466,749
施設使用エネルギー
熱量換算
MJ/年
MJ/年
147,600
344,225
184,500 kWh
664,200
2,193 kWh
7,895
5t
72,270
1.9 t
70,516
90 t
92 t
55 t
1,672,412
1,717,413
1,020,554
2,134,438
2,112,403
1,368,776
78
81
75
1,851,770
95
95 t
1,764,976
778 t
12,300,180
60 t
1,111,968
225 t
3,557,250
624 t
51 t
298 t
10,987,359
17,185
76,602
9,595,088
CO2削減量
割合
設定条件
t CO2
%
2
43
20 小学校の1校に500m の太陽光パネルを設置した場合(中央小学校を想定)
2
2
7
90 一般家庭の10%の75世帯に30m ずつ合計4,680m の太陽光パネルを設
置した場合
1 小型風車を計20基設置し、1基70Wの照明を行った場合
5
0
0
5
0
0
114
117
69
廃棄山菜をRDF化して燃料にした場合
廃食用油を回収しBDF化した場合
総合センターの灯油・重油分を木質燃料で賄う場合
湯の沢温泉の灯油・重油分を木質燃料で賄う場合
公共施設の灯油分を木質燃料で賄う場合(中央小学校を想定)
公共施設の灯油・重油分を木質燃料で賄う場合(デイサービスセンターを
120
想定)
835 林地残材の50%を木質燃料(チップ・ペレット)として生産した場合
76 村内13箇所にペレットストーブを導入し、4.6t/年・台ペレットを利用した場合
242 一般家庭の10%の75世帯が3t/年・世帯ペレットを利用した場合
(○)
◎
◎
(○)
746
2 デイサービスセンターに雪冷房システムを導入した場合
10 トマム地域で氷冷房システムを利用した場合(氷の教会を想定)
0
0
-
○
30,902
0.1
2 トマムリゾートのVIZスパハウスの重油分を賄う場合
20 ℃
52,614,783
クリーンエネ
768,480
◎
3台
85,053
3,734,394
2
6 公用車の10%をハイブリッド車に代替した場合
需要サイドのエネ ルギー自動車
天然ガスコージェ
湯の沢温泉含め周辺に導入した場合
ルギー
621,772
(○)
ネレーション
燃料電池
- (○)
新エネルギー合計
57,596,754
12,016,796
877
その他の再生可
小水力
23,241
◎
648
0.088 トマム地域で200Wの照明を行った場合
180 kWh
能エネルギー
地熱
−
その他の再生可能エネルギー含
57,619,995
12,017,444
877
む合計
1)未利用 林地残材・間伐材は発熱規模、熱量換算を18.6MJ/kgとして算出。その他については、第4章で算出した数値を採用。
2)施設使用エネルギーは、想定施設の電気・灯油・重油・LPGすべての合計とした。
3)バイオマス計、新エネルギー合計、その他の再生可能エネルギー含む合計:網掛け部分は供給面からの導入量であり、村内需要と重複するため、合計から除く。
133
図 6-6-1 占冠村の新エネルギー導入イメージ
R237
Ⅵ.天然ガスコージェネレーション
①湯の沢温泉(発電・熱)
湯の沢温泉
Ⅲ.バイオマスエネルギー:廃食用油
① BDF化(軽油代替燃料)
Ⅶ.再生可能エネルギー
①小水力活用(トマム地区)
Ⅴ.温度差エネルギー
①観光施設(熱利用)
Ⅱ.風力エネルギー
Ⅲ.バイオマスエネルギー:廃棄山菜
①RDF化(熱利用)
Ⅰ.太陽エネルギー
福祉施設
①小学校1校(電気)
② 一 般 家 庭 の 10 % 75 世 帯
占冠駅
(電気)
鵡川
トマム駅
公共施設
小学校
Ⅷ.新エネルギー普及啓発
①庁内関係課への情報伝達
②村民・地元企業との交流・協
働
ニニウキャンプ場
①ハイブリッド風車(1kW)を6基
Ⅵ.クリーンエネルギー自動車
①公用車10%
②一般家庭
134
Ⅲ.バイオマスエネルギー:林地残材・間伐材
①公共施設(熱利用)
②小中学校(熱利用)
③福祉施設(熱利用)
④村内にペレットストーブを導入
④一般家庭の10%75世帯にペレットストーブ
Ⅳ.雪氷熱エネルギー
①福祉施設(雪氷冷房)
②観光施設(氷冷房)
(2)新エネルギー導入の基本方向
重点プロジェクトを考える上で占冠村の特色と新エネルギーの関係を図 6-6-2 に整理し
ます。
図 6-6-2 占冠村の特色と新エネルギーの関係
海抜250∼650m・山林94%の山岳リゾート
四季を通じた自然の恵みを体感
◎滞在型観光(1)トマム地区
《夏は涼しく、冬寒さの厳しいところ》
■トマムリゾート:「本格的な自然とのふれあい」
∼豊かな森林、河川、景観、山並みが続く世界
◇域内メニュー 夏/テニス、ゴルフ、ハイキング
(金山峠)
∼澄んだ大気、良質の雪、シバレる 氷の街
冬/スキー、ボード、犬ぞり、クロスカントリー 通年/水泳
◇周辺メニュー ラフティング、カヌー、ホーストレッキング
●湯の沢温泉
◎滞在型観光(2)地域・産業との連携
◇エコアクティビティ/フォレストウォーク、アニマルウォッチン
グ、森の林間学校
※長期的構想参照
相互連関
■個性あるペンション地域:「様々なおもてなし」
□■地域全体のフィールド提供□■
◇個別ニーズに応じた アットホーム な世界
1)エコロジー体験 森/除間伐、川/環境探索、廃食油 回収/ゼロエミッション、車/カーシェアリング
◇周辺メニュー 上記+散策、ウォッチング、トレッキング、フィッシング
2)グリーンツアー等 農家訪問実習、循環農業実習、 山菜工場実習、酪農体験、食品加工体験
◎市街地:情報発信センター
●双珠別地区
□■地元生産品の提供□■
◇道の駅;陸路の要所/日高・富良野・帯広・・・
∼自然体験・
宿泊体験
1)山菜、メロン、野菜、肉牛・・・木炭、クラフト・民芸品
・生活情報センター、土産品、「ジャンボ寒暖計」、農村公園
◇物産館;JR駅前&バスターミナル
2)(付加+ブランド価値)チーズ、ハム、ヤマメなど
・インフォメーション、休憩地、売店、レンタサイクル、民芸品
●ニニウ地区
鵡川
◆森の恵み
◆自然エネルギーの恵み
・木質バイオマス、山菜・きのこ ・太陽光、風力、雪氷熱
・CO2吸収、水源涵養機能
◆各種バイオマス
・廃食用油
(1)可採量の多いもの
《導入の方向性》
・温泉排水、天然ガス、地熱、小水力 ・(家畜排せつ物、農業残渣等)
(2)エネルギーを大量に使用する施設へ
(3)各種の普及啓発等
既に第 6 章第 1 節で総合開発計画及び基本構想の中の特に「環境に関わる施策」「産業
に関わる施策」と新エネルギー導入の関連事項を示しました。占冠村の特色である豊かな
自然を活かした観光と一次産業を中心とする地域が、相対的に連携と発展することとあわ
せた新エネルギーの導入が期待されます。
導入の基本方向としては、(1)可採量の多いもの、(2)エネルギーを大量に使用する
施設への導入、(3)各種の普及啓発等が挙げられます。
この内、トマムリゾートについては民間事業体であるためプロジェクトには掲げません
が、占冠村の将来を考える上で重要な位置を占めるため、長期的構想として提案します。
併せて、導入プロジェクトの1つである天然ガスコージェネレーションの導入について、
湯の沢温泉には天然ガスが湧出している記録がありますが、量的にも少なく、施設自体の
規模や将来計画のこともあり、参考として湯の沢温泉の天然ガスコージェネレーション導
入について記述します。
135
【長期的構想】
トマムリゾートにおける新エネルギー導入イメージ
占冠村において、トマムリゾートのエネルギー消費量は莫大であり、今後再生可能エネ
ルギーの使用を含めた石油代替エネルギーへの転換によって、CO 2 削減を進めることが必
要です。新エネルギーの導入のプラス・イメージは観光産業の発展への駆動力となり得る
ので十分検討の価値があります。
そこで新エネルギーの具体的導入を年次計画として進める「トマムリゾートにおける新
エネルギー導入イメージ」を、3 期 10 年計画として提示します。
表 6-6-2 トマムリゾートにおける新エネルギー導入等 10 ヶ年計画
H17 年∼19 年
詳細計画の策定及び小規模導入
基本的な考え方
1.リゾート来客者に喜んでもらえること.
知的好奇心・満足感・学習効果
2.観光資源としての効果
3.経費の掛からないもの
留意点
1.H18:省エネルギーの検討→「省エネルギービジョン策定」
2.H19:省エネルギー対策→「省エネルギービジョン重点項目の詳細調査」
使 用 エネルギーが莫 大 であり,新 エネルギーの導 入 検 討 に先 だって,省 エネル
ギーの推進が必要.
第Ⅰ期
導入の可能性の
1.太陽光発電+風力
街 路 灯 等 への利 用 :太 陽 光 発 電 と小 型 風 力 発 電
のハイブリッド風車
高いもの
2.水力利用
水撃ポンプによる揚水・観光用和式水車
3.氷熱利用
夏期冷房用としての導入
4.木質バイオマス
ペレットストーブによる中寮の灯油代替
炭化装置による炭・酢液の製造
木炭自動車の導入
5.クリーンエネルギー自
ハイブリッド自動車等の導入
動車
第Ⅱ期
H20 年∼H22 年
詳細計画の策定及び実用性の高い装置の導入
基本的な考え方
1.観光資源としての充実
2.地域産業への貢献
3.経済性の確保
留意点
1.省エネルギーの具体的推進
2.H20:導入可能性の検討→「新エネルギービジョン重点項目の詳細調査」
3.H20∼:木 質バイオマス発 電・山 頂の大 型 風 車 等の大 規 模 導 入 計 画の検 討
を開始
136
導入の可能性の
1.太陽熱発電
観 光 資 源 ・知 的 好 奇 心 を満 足 させるソーラースタ
高いもの
ーリングエンジン
2.風力発電
塔屋上設置の小型垂直軸風車
3.地中熱
冬期のロードヒーティング用としての導入
4.廃食油
軽油代替燃料化
5.生ゴミ等有機資源
エネルギー化も視野に資源的有効利用を図る
6.クリーンエネルギー自
除 雪 車 ・送 迎 バス等 への軽 油 代 替 燃 料 の使 用
動車
施設内自動車をクリーンエネルギー自動車に転換
7.天 然 ガスコージェネレ
天然 ガスの普 及状 況を見ながら石 油代 替 としての
ーション
導入
H23 年∼H26 年
大規模新エネルギー施設の本格的導入
基本的な考え方
1.環境対策を推進したリゾート競争力の強化
2.「環 境 経 営 」:ゼロエミッション・地 域 内 エネルギー活 用 ・エコツーリズムの具
現化
留意点
1.新エネルギーの具体的導入
2.「環境経営」への貢献
第Ⅲ期
導入の可能性の
1.風力発電
山頂域における大型風車の導入
高いもの
2.木質バイオマス
木質バイオマス発電所(4,000kW 級)の設置
木質バイオマス地域熱供給システムの導入
3.天 然 ガスコージェネレー
天 然 ガスの普 及 状 況 を見 ながら導 入 を図 る(木
ション
質バイオマスとの費用対効果比較検討)
4.水素エネルギー
燃料電池等
図 6-6-3 にトマムリゾート・エリアに導入可能な新エネルギーを示しました。四角の吹
き出しには、ゾーン毎にエネルギー使用量の大きな施設とエネルギーの種類を記入してあ
ります。
以上の導入の推進に当っては、エネルギー消費量の低減が先決で、省エネルギー施策の
策定・推進が急務です。このために、可能な限り早期に省エネルギー計画(総合的CO 2 削
減計画)を策定することが必要であり、例えば次年度の取組として「地域省エネルギービ
ジョン策定」の実施が望まれます。
それと並行して、トマムリゾート地域を対象にした「地域新エネルギービジョン・重点
テーマの詳細調査」の実施を行い、これらの新エネルギー導入の可能性をより詳しく検討
する必要があります。
137
図 6-6-3 トマムリゾート・エリアに導入可能な新エネルギー
木質系バイオマス
風力エネルギー
太陽エネルギー
間伐材
炭化装置
チップ
ソ-ラ-スタ-リングエンジン
太陽光発電パネル
水素酸素発生装置
リフト・ゴンドラ
ゾーンB
電気
ゾーンD
電気・重油・LPG: ホテルアルファ
電気・重油:ガレリア(100%)
ソ-ラ-クッカ-
ゾーンA
電気:VIZ(ゾ-ンAの50%)
スポルトⅠ&Ⅱ,アビチ
重油:第2発電所(ゾ-ンAの50%)
VIZスパハウス, スポルトⅠ&Ⅱ
リフト・ゴンドラ
第1
発電所
寒冷な大気
ゾーンC
電気:タワ-エントランス,タワ-Ⅰ&Ⅱ,
ヴィレッジ
重油:タワ-Ⅰ,ヴィレッジ
LPG:ヴィレッジ,フォ-レスタモ-ルA棟
アイスシェルタ貯水槽
(ガレリア用)
浄水場
地熱(地中温)
中寮センタ-
特高
変電所
灯油
原水槽
冬の寒気で
作られた氷
水撃ポンプ
ペレットスト-ブ
ヒ-トポンプ
和式水車
沢
木質バイオマス
地域熱供給
木炭自動車
クリ-ンエネルギ-自動車
生ゴミ・廃植物油
138
バイオトイレ
【参考】
湯の沢温泉の天然ガスコージェネレーション導入
湯の沢温泉では、ボーリング時に天然ガスが湧出した記録があります。湧出量が少なく、
補助制度の交付基準に満たないこと、現在の正確な湧出量は不明であることから、重点プ
ロジェクトとしては位置付けませんが、参考として記述します。
基本的視点
非常用エネルギーシステムの構築と公共分野での率先的導入
プロジェクト
湯の沢温泉の天然ガスコージェネレーション導入
①エネルギー種類
天然ガス:40.9MJ/m3
②エネルギー発生量
天然ガス利用可能量:49m3/日×365 日=17,885m3/年(731,497MJ/年)
1)利用可能なガス量は、温泉の湧出量に比例するが、温泉湧出量が不明のため、「湯
の沢地下水源ボーリング工事」報告書(昭和 52 年)による湧出ガス量 42∼55m3/日の
平均値 49m3/日を利用可能なガス量として考えた。
③収集システム
湯の沢温泉と混合して発生する天然ガスは、分離機によってガスが分離されている
(調査中)。そのガスを天然ガスコージェネレーション設備に供給する。
④エネルギー変換
5kW ガスエンジンマイクロコージェネレーションによる変換
(49m3/日×天然ガス発熱量 40.9MJ/m3×発電効率 29%÷3.6MJ/kWh÷24h=6.7kW
なので、5kW規模を導入することとする)
⑤エネルギー利用規模
天然ガスコージェネレーション:天然ガスを燃焼させ発電(5kW)を行うとともに、その際
に発生する排ガス・冷却水によって回収された熱(304,486MJ/年)を温水の形で取り出
し、給湯に利用する。
⑥システムフロー
ガスエンジンン
(資料)メーカーカタログ
⑦システムの運用
湯の沢温泉施設に天然ガスコージェネレーション 5kW を 1 基設置。
・発電利用:5kW×24 時間×365 日=43,800kWh/年(発電効率 29%)
・湯の沢温泉の電気使用量 100,597kWh の 43%を賄える。
・有効利用可能排熱:43,800kWh/年×3.6MJ/kWh×56%/29%=304,486MJ/年(熱回収
率 56%)
・湯の沢温泉の灯油使用量 1,717,413MJ の 18%を賄える。
・天然ガス必要量:304,486MJ/年×100%/56%=543,725MJ/年
139
⑧概算コスト
●イニシャルコスト(本体価格のみ);290 万円(メーカー標準価格より)
仕様∼出力 5kW、発電効率 29%、熱回収率 56%、総合効率 85%、質量 410kg、高さ
1500mm、幅 1100mm、奥行 500mm、貯湯ユニット:蓄熱タンク容量 120L 付、系統連系方式:
インバータ連系
●ランニングコスト;15 万円/年(消耗部品交換・保守点検費)
⑨環境特性
・非常用電源として自立型の電源になりうる
・温泉施設は多くの人に利用されるため、新エネルギーに関する啓発・環境保全に取り
組む村の姿を示す PR になりうる
⑩問題点・課題
・天然ガス成分調査が必要
・エネルギー利用方法、管理等に伴う経費等について、詳細な調査・検討が必要
・地域新エネルギー導入促進事業の交付基準では、発電出力 10kW 以上
⑪CO2削減効果
15tCO2/年(21tCO2/年〔電力を代替した場合の電力使用削減に見合うCO2〕1)+21tCO2/
年〔熱源として重油・灯油・LPGを代替した場合の削減量に見合うCO2 〕 2) −27tCO2/年
〔天然ガス燃焼時のCO2〕3))
1)発電利用 43,800kWh/年×電気CO2排出係数 0.49kgCO2/kWh÷1000kg/t=21tCO2/
年
2)有効利用可能排熱 304,486MJ/年×原油CO2排出係数 0.0684kgCO2/MJ÷1000kg/t
=21tCO2/年
3)天然ガス燃焼 543,725MJ/年×天然ガスCO2排出係数 0.0494kgCO2/MJ÷1000kg/t=
27tCO2/年
140
第7章
新エネルギーの重点的導入
第1節 重点プロジェクトの選定
本章では第 6 章の新エネルギー導入の基本的方向を踏まえ、新エネルギー導入の実現性
を高めるため、図 6-6-1 に示した占冠村の新エネルギー導入イメージの中からさらに絞り込
んだ重点プロジェクトを選定し、検討します。
図 7-1-1 に重点プロジェクトの該当する項目を四角で囲んで示してあります。
図 7-1-1 占冠村の新エネルギー導入イメージ(重点プロジェクトの選定)
:重点プロジェクト
Ⅵ.天然ガスコージェネレーション
①湯の沢温泉(発電・熱)
R237
Ⅶ.再生可能エネルギー
①小水力活用(トマム地域)
湯の沢温泉
Ⅲ.バイオマスエネルギー:廃食用油
①BDF化(軽油代替燃料)
Ⅲ.バイオマスエネルギー:廃棄山菜
①RDF化(熱利用)
Ⅴ.温度差エネルギー
①湯の沢温泉(熱利用)
Ⅱ.風力エネルギー
①ハイブリッド発電(風力+太陽光)
鵡川
Ⅰ.太陽エネルギー
①公共施設(電気)
②一般家庭の10%75世帯
(発電)
福祉施設
トマム駅
占冠駅
公共施設
小学校
Ⅷ.新エネルギー普及啓発
①庁内関係課への情報伝達
村民・地元企業との交流 ・協働
ニニウキャンプ場
Ⅵ.クリーンエネルギー自動車
①公用車10%
②事業所用車輌
③自家用車
141
Ⅲ.バイオマスエネルギー:林地残材・間伐材
Ⅳ.雪氷熱エネルギー
①公共施設(熱利用)
①福祉施設(雪冷房)
②小中学校(熱利用)
②観光施設(氷冷房)
③福祉施設(熱利用)
④村内にペレットストーブを導入
⑤一般家庭の10%75世帯にペレットストーブ
重点プロジェクトについては、〔1〕占冠村の豊かな自然を活かした地域資源を活用したも
のであること、占冠村のエネルギー使用量の多くを占める〔2〕トマム地域の観光産業へ
貢献するものであること、さらに災害時など非常時に対応できるよう〔3〕非常用自立型
エネルギーシステムの構築と公共分野での率先的な導入が望まれるもの、また、具体的推
進に当たっては村民や地元企業と共に取り組んでいくことが必要であることから〔4〕普
及啓発、の4つの基本的視点を踏まえ、第 6 章に示した導入候補の中から必要性と現実的
な実現可能性を考慮して、以下の 9 の事業を重点プロジェクトとして位置付けるものとし
ます。
図 7-1-2 新エネルギーの4つの基本的視点と 9 の重点プロジェクト
〔1〕占冠村の豊かな自然を 活かした地域資源の活用
〔2〕トマム地域の 観光産業に貢献
重点プロジェクトの
基本的視点
〔4〕普及啓発
〔3〕非常用エネルギーシステムの
構築と公共分野での率先的導入
石油代替・CO2削減
に寄与するもの
基本的視点
との関係
重点プロジェクト
重点プロジェクト
NO.1 村内にペレットストーブを導入
〔1〕(すべてに関連)
NO.2 総合センターと中央小学校での
木質バイオマスの活用
〔1〕(〔3〕〔4〕とも関連)
NO.3 デイサービスセンターへの雪氷冷房の導入
〔1〕(〔3〕とも関連)
NO.4 トマム地域への小型風車の導入
〔2〕(〔1〕[4]とも関連)
NO.5 トマム地域での小水力の利用
〔2〕(〔1〕〔4〕とも関連)
NO.6 トマム地域での氷冷熱の活用
〔2〕(〔1〕とも関連)
NO.7 中央小学校への太陽光発電の導入
〔3〕(〔1〕〔4〕とも関連)
NO.8 公用車へのハイブリッド自動車の導入
〔3〕(〔1〕〔4〕とも関連)
NO.9① 庁内関係課への情報伝達
〔4〕
NO.9② 村民・地元企業等との交流・協働
〔4〕
142
第2節 重点プロジェクトの検討
本節では、新エネルギー導入の〔1〕から〔4〕までの基本的視点を踏まえて 9 の重点
プロジェクトのシステムフロー(導入事例)、概算コスト、環境特性、問題点・課題、CO2削
減効果等を検討します。
新エネルギー導入の基本的視点
〔1〕占冠村の豊かな自然を生かした地域資源の活用
基本的な考え方
占冠村の総面積の95%
を占める森林から出る間
重点プロジェクト
NO.1
村内にペレットストーブを導入
伐材や林地残材を木質燃
料として活用を図り、森林
整備や雇用の創出につな
NO.2
総合センターと中央小学校
げる。
での木質バイオマスの活用
占冠村の雪や寒さを活用
して福祉施設での冷房に
活用する。
143
NO.3
デイサービスセンターへの雪
氷冷房の導入
NO.1
基本的視点
占冠村の豊かな自然を活かした地域資源の活用
重点プロジェクト
村内にペレットストーブを導入
①燃料の種類
木質ペレット(木部だけでつくるホワイトペレット、樹皮と木部を混ぜてつくる全木ペレット、樹皮だ
けでつくるバークペレットがある)
②燃料の発熱量
ペレット:18.4MJ/kg(薪の発熱量は 13.8MJ/kg ほど)
③燃料の確保
森林整備に伴う未利用除間伐や林地残材をトラックで工場まで輸送し、ペレットを生産したのち、
10kg、または 15kg 袋にしたものを配送。
占冠村における木質バイオマス可採量:1,555t/年(28,908,872MJ/年)(民有林の主伐・間伐に伴
う林地残材)(第 4 章第 4 節より)
④エネルギー変換
ペレットをペレット専用のストーブによって直接燃焼
⑤エネルギー利用規
占冠小学校、中央小学校、トマム小中学校、占冠中学校の小中学校に 2 台ずつ、総合センター、
模
トマム支所、道の駅、占冠駅、トマム駅に 1 台ずつ、計 13 台のペレットストーブ(11kW・暖房目安
40 畳)を設置し、ペレットを燃料とする暖房用に利用。なお、将来的にはトマム地域の宿泊施設
等へも導入。
⑥ペレットストーブの例(本体価格は税込)
国産(旭川 ㈱ホクダン)
本体寸法/W520×D320×H500
本体重量/18kg
暖房能力/4,000∼8,000kcal/h
暖房目安/25 畳まで
本体価格/61,950 円
国産(埼玉 ㈱金子農機)
本体寸法/W666×D504×H720
本体重量/70kg
暖房能力/2,930∼7,300kcal/h
暖房目安/23 畳まで
本体価格/283,500 円
FF 式ストーブ
国産(岩手 石村工業)
本体寸法/W560×D600×H1,020
本体重量/108kg
暖房能力/2,000∼8,000kcal/h
暖房目安/25 畳まで
本体価格/189,000 円
ペレット,薪兼用ストーブ
国産(山形 ㈱山本製作所)
本体寸法/W870×D470×
H755
本体重量/43kg
暖房能力/4,700∼19,000kcal
暖房目安/59 畳まで
本体価格/155,400 円
イタリア製(テルモロッシ社)
本体寸法/W750×D593×H1,315
本体重量/233kg
暖房能力/2,670∼9,490kcal
暖房目安/30 畳まで
本体価格/444,150 円
国産(岐阜 ㈱シモタニ)
本体寸法/W460×D485×H635
本体重量/70kg
暖房能力/1,800∼4,800kcal/h
暖房目安/15 畳まで
本体価格/336,000 円(非ステンレス)
FF 式ストーブ
(資料)各メーカー資料より(2005 年 11 月現在)
144
⑦燃焼機器の運用
ペレット使用量:4.6t/年・台1)(暖房出力 11kW、7:00∼19:00、年間 180 日燃焼を想定)
1)85,536J(暖房出力 11kW(39.6MJ/h)×稼働時間 12h/日×稼働日数 180 日)÷ペレット
発熱量 18.4MJ/kg
・現在のペレットストーブは自動点火など多くの操作が自動化されており、使い勝手は灯
油ストーブと同等の使いやすさになっている。
・一般的なペレットストーブは、自動供給されるペレットを燃焼室で燃やし、空気を暖める仕
組み。空気を外部から吸い込み、排気は外部へ排出する FF 方式や電気を使用しないタ
イプもある。
⑧概算コスト
●イニシャルコスト:30 万円/台(本体価格+設置費)1)
1)ペレットストーブの本体価格:6∼48 万円のうち、15 万円(国産)を想定。
設置費;15 万円(排気筒:5 万円 取り付け工事:5.5 万円 防火敷板:4 万円)
●ランニングコスト:27.6 万円/年・台(燃料費)2)
2)ペレットコスト 60 円/kg(札幌市内流通価格を想定)×ペレット使用量 4.6t/年・台
⑨現状の灯油ストー
灯油ストーブとの比較
ブの導入コスト、ラン
●イニシャルコスト:15 万円(設置工事費含)とする。
ニングコストとの比
●ランニングコスト:16.3 万円/年・台(燃料費)1)
較
1)ペレットストーブ 4.6t/年・台と同等の発熱量 85,536MJ/台÷灯油発熱量 36.7MJ/L×灯
油価格 70 円/L(2005 年 11 月現在、道内 77 箇所の平均小売価格(社)北海道消費者協会)
2)実際にはふく射熱等により、発熱効果は灯油の 0.7∼0.8 倍と見込める。
ペレットストーブ
30 万円/年
27.6 万円/年
イニシャルコスト
ランニングコスト
灯油ストーブ
15 万円/年
16 万円/年
⑩残渣の処理方法
灰;土壌改良剤あるいは家庭菜園などの肥料として有効利用を図る。
⑪環境特性
ゆらぐ炎が見える快適なぬくもり・温暖化防止・森林整備など
⑫問題点・課題
燃料の安定供給体制
コスト比較
2倍
1.7 倍
【対策】ペレットを生産する他地域との協同や連携。
コストの低減
【対策】
①ペレットコストは、間伐材・林地残材の伐出コスト、運材コスト、ペレット工場の生産コ
スト(設備の減価償却費、工場のランニングコスト等)、ペレット配送コストである。
②近隣から購入する場合は、ペレット工場からの配送コストをいかに抑えるために村内
の供給用サイロ(貯蔵。
⑬CO2削減効果
76t・CO2 /年(85,536MJ/年・台×13 台×灯油CO2排出係数 0.0679kgCO2/MJ÷1000kg/t)
⑭備考
道内ペレット価格比較(現地渡しなので、配送料が別途必要)
地域
樹種・種
類
価格
滝上町
トドマツ・ホワイト
足寄町
カラマツ・全木
42 円/kg
42 円/kg
145
厚沢部町
トドマツ・全木
39 円/kg
大滝村
カラマツ・全木
45 円/kg
NO.2
基本的視点
占冠村の豊かな自然を生かした地域資源の活用
重点プロジェクト
総合センターと中央小学校での木質バイオマスの活用
①燃料の種類
チップまたはペレット
②燃料の発熱量
チップ:12.6MJ/kg、ペレット:18.4MJ/kg
③収集システム
森林整備に伴う未利用間伐材や林地残材をトラックで工場まで輸送。
占冠村における木質バイオマス可採量:1,555t/年(28,908,872MJ/年)(民有林の主伐・間
伐に伴う林地残材)(第 4 章第 4 節より)
④エネルギー変換
未利用間伐材、林地残材をチップ化・ペレット化し、専用のボイラーで直接燃焼
⑤エネルギー利用規
総合センター
模
Ⅰ . 総 合 セ ン タ ー の 灯 油 使 用 量 2,954L/ 年 、 重 油 使 用 量 40,000L/ 年 → 熱 量 換 算
灯油 36.7MJ/L、重油 39.1MJ/L で熱量換算
1,672,412MJ/年分を木質燃料で代替し、給湯(通年)、冬期の暖房熱源として利用。
・月間ピーク使用量 灯油 612L/月、重油 8,000L/月→熱量換算 335,260MJ
・ボイラー必要出力 130kW(335,260MJ÷30d÷24h÷3.6MJ/kWh)
中央小学校
Ⅱ.中央小学校の灯油使用量 27,808L/年→熱量換算 1,020,554MJ/年分を木質燃料で代
替し、冬期の暖房熱源として利用。
・月間ピーク使用量 灯油 7,450L/月→熱量換算 273,415MJ
・ボイラー必要出力 106kW(273,415MJ÷30d÷24h÷3.6MJ/kWh)
【チップボイラーの場合】(メーカー資料より)
・定格出力 280kW(25 万 kcal/h)のボイラーを各施設に 1 基ずつを想定。
・チップ供給量:チップ 83.8kg/h(280kW)
【ペレットボイラーの場合】(岩手県住田町の例より)
・定格熱出力 280kW(25 万 kcal/h)のボイラーを各施設に 1 基ずつを想定。
・ペレット保管量:9m3(約 5t)・ボイラー室面積:約 35m2
⑥システムフロー
未利用間伐
チップまたはペレット製造工場
破砕機・粉砕機・
整形機(ペレタイザー)
林地残材
↓:ペレットボイラー
↓:チップボイラー
チップまたはペレット
ボイラー
チップまたはペレット
ボイラーは各施設に
設置する
熱
温水・温風供給
公共施設・教育
施設の熱源等
146
木灰
農地・公園還元
(導入事例)
↑岩手県林業技術センターの設置例(上はサイロ内のチップ):
http://www.tomoe-techno.co.jp/under/chip/main_c7.html より
導入年:2003 年
規模:チップボイラー200kW・400kW
利用方法:林業技術センターの暖房
補助:木質バイオマスエネルギー利用促進事業(林野庁)
⑦システムの運用
↑岩手県紫波町立上平沢小学校の設置
例
導入年:2002 年度
規模:ペレットボイラー50 万 kcal/h
(580kW)×1 基
利用方法:小学校の暖房
補助:林業・木材産業構造改革事業
【チップボイラーの場合】
・チップ使用量:約 130t/年(総合センター)1)、約 80t/年(中央小学校)2)
1)総合センター熱使用量 1,672,412MJ÷チップ発熱量 12.6MJ/kg÷1,000kg/t
2)中央小学校熱使用量 1,020,554MJ÷チップ発熱量 12.6MJ/kg÷1,000kg/t
【ペレットボイラーの場合】
・ペレット使用量:約 90t/年(総合センター)3)、約 55t/年(中央小学校)4)
3)総合センター熱使用量 1,672,412MJ÷ペレット発熱量 18.4MJ/kg÷1,000kg/t
4)中央小学校熱使用量 1,020,554MJ÷ペレット発熱量 18.4MJ/kg÷1,000kg/t
⑧概算コスト
【チップボイラーの場合】(国産メーカー資料より)
定格出力 280kW(25 万 kcal/h)のボイラーを各施設に 1 基ずつを想定
●イニシャルコスト;1,300 万円
・本体価格:1,000 万円、・設置費:300 万円
●ランニングコスト;197 万円(総合センター)、127 万円(中央小学校)
・燃料コスト:182 万円(総合センター)1)、112 万円(中央小学校)2)
1)総合センターのチップ使用量 130t/年×チップコスト 3,500 円/m3÷比重 0.25t/m3
2)中央小学校のチップ使用量 80t/年×チップコスト 3,500 円/m3÷比重 0.25t/m3
・チップコスト:占冠村内製材工場チップ販売価格 3,000 円/m3にエネルギー資源として
の付加価値をつけ、若干高めに購入するとし、3,500 円/m3と設定。
・運転員:ボイラー技師不要、・保守管理費:15 万円/年
147
⑧概算コスト(続き)
●年間コスト;減価償却期間 15 年間の総額を 15 年で割って算出:
補助金あり:(イニシャルコストの 1/2 補助)
Ⅰ.総合センター:650 万円+(182+15)万円×15 年;3,605 万円/15 年、240 万円/年
Ⅱ.中央小学校:650 万円+(112+15)万円×15 年;2,555 万円/15 年、170 万円/年
補助金なし:
Ⅰ.総合センター:1,300 万円+(182+15)万円×15 年;4,255 万円/15 年、284 万円/年
Ⅱ.中央小学校:1,300 万円+(112+15)万円×15 年;3,205 万円/15 年、214 万円/年
【ペレットボイラーの場合】(岩手県住田町の例・メーカー資料より)
定格出力 280kW(25 万 kcal/h)のボイラーを各施設に 1 基ずつを想定
●イニシャルコスト;1,600 万円
本体価格:約 600 万円
設置費:1,000 万円とする。
●ランニングコスト;550 万円(総合センター)、340 万円(中央小学校)
・燃料コスト:540 万円(総合センター)3)、330 万円(中央小学校)4)
3)総合センターのペレット使用量 90t/年×ペレットコスト 6 万円/t(札幌市内流通価格)
4)中央小学校のペレット使用量 55t/年×ペレットコスト 6 万円/t(札幌市内流通価格)
・運転員:ボイラー技師不要、・保守管理費:約 10 万円/年(ばい煙測定1回、電気料金)
●年間コスト;減価償却期間 20 年間の総額を 20 年で割って算出(岩手県での実績を考慮
して耐用年数を 20 年とした):
補助金あり:(イニシャルコストの 1/2 補助)
Ⅰ.総合センター:800 万円+(540+10)万円×20 年;11,800 万円/20 年、590 万円/年
Ⅱ.中央小学校:800 万円+(330+10)万円×20 年;7,600 万円/20 年、380 万円/年
補助金なし
Ⅰ.総合センター:1,600 万円+(540+10)万円×20 年;12,600 万円/20 年、630 万円/年
Ⅱ.中央小学校:1,600 万円+(330+10)万円×20 年;8,400 万円/20 年、420 万円/年
⑨現状方式とのコス
重油ボイラー(総合センター)・灯油ボイラー(中央小学校)との年間コストの比較
ト比較
●イニシャルコスト;450 万円とする。
●ランニングコスト; 304 万円(総合センター)、218 万円(中央小学校)
・燃料コスト:281 万円(総合センター)1)、195 万円(中央小学校)2)
1)総合センターの灯油使用量 2,954L/年×灯油 70 円/L+重油使用量 40,000L×重油 65
円/L
2)中央小学校の灯油使用量 27,808L/年×灯油 70 円/L
・保守管理費:23 万円/年(イニシャルコストの 5%)
●年間コスト;減価償却期間 15 年間の総額を 15 年で割って算出:
Ⅰ.総合センター:450 万円+(281+23)万円×15 年;5,010 万円/15 年、334 万円/年
Ⅱ.中央小学校:450 万円+(195+23)万円×15 年;3,720 万円/15 年、248 万円/年
・ここでは比較のために,ボイラー管理技士の人件費を除き、算出。
・チップボイラーは無圧開放式のため、届出や取扱者の資格免許は不要。
148
⑨現状方式とのコス
【総合センターの場合】
ト比較(続き)
補助金あり
補助金なし
チップボイラ
ー
ペレットボイ
ラー
重油・灯油ボ
イラー
240 万円/年
284 万円/年
590 万円/年
630 万円/年
334 万円/年
334 万円/年
チップと重
油ボイラー
のコスト比
較
0.7 倍
0.9 倍
ペレットと
重油ボイラ
ーのコスト
比較
1.8 倍
1.9 倍
チップと重
油ボイラー
のコスト比
較
0.7 倍
0.9 倍
ペレットと
重油ボイラ
ーのコスト
比較
1.5 倍
1.7 倍
【中央小学校の場合】
補助金あり
補助金なし
チップボイラ
ー
ペレットボイ
ラー
重油・灯油ボ
イラー
170 万円/年
214 万円/年
380 万円/年
420 万円/年
248 万円/年
248 万円/年
⑩残渣の処理方法
灰;土壌改良剤として有効利用
⑪環境特性
間伐材の需要開拓・化石燃料の代替によるエネルギー自給・温暖化防止等
⑫問題点・課題
燃料の安定供給体制
【対策】バックアップとして既存の重油ボイラーを残す、需要量によってはチップ、ペレッ
トを生産する他地域との連携を図る。
コストの低減
【対策】
①チップ、ペレットのコストは、間伐材・林地残材の伐出コスト、運材コスト、ペレット
工場の生産コスト(設備の減価償却費、工場のランニングコストなど)、チップや
ペレットの配送コスト。
②ペレットを当地で生産する場合の事業採算性確保には少なくとも 1,000t/年以上
の生産とそれに見合う需要が必要になり、先導的な意味から公共施設等で需要
の6割近くを確保できると安定した生産計画が立てやすくなる。(以前は岩手県葛
巻町の規模を参考に、一般的に 2,000t とされていたが、イニシャルコストの 1/2
補助を受けた場合、灯油価格の上昇等により、1,000t でも採算があう事例が出て
きた。)
③近隣からチップ、ペレットを購入する場合は、配送コストを極力抑えるために村内
の供給用サイロ(貯蔵格納庫)などの容量の確保が有効。
④チップの含水率が燃焼効率に大きな影響を及ぼす。エネルギーを使用して乾燥
することもできるが、極力自然乾燥で賄う方法を考えた方が経済的である。
⑤チップやペレットの貯蔵・保管ではボイラー使用施設からできるだけ近い、現在使
用していない既存施設などを活用するのも有効。
⑬CO2削減効果
114t・CO2/年(総合センター1,672,412MJ/年×灯油CO2排出係数0.0679kgCO2/MJ÷
1000kg/t)
69t・CO2/年(中央小学校1,020,554MJ/年×灯油CO2排出係数0.0679kgCO2/MJ÷
1000kg/t)
149
NO.3
基本的視点
占冠村の豊かな自然を生かした地域資源の活用
重点プロジェクト
デイサービスセンターへの雪氷冷房の導入
①エネルギーの種類
雪氷
②エネルギー発熱量
雪氷の融解潜熱;335MJ/t
③収集システム
【雪】2∼3 月に駐車場付近の粗目雪を隣接した貯雪庫に給雪する。
【氷】マイナス気温となる 12∼3 月まで貯氷庫に外気を取り入れて製氷する。
④エネルギー変換
直接熱交換冷風・融解水直接併用循環方式
⑤エネルギー利用規
・デイサービスセンターのホール(食堂・日常動作訓練室含む)147.5m2、事務室 92.5m2、静
養室 25.5m2の合計 265.5m2を夏期の冷房に利用。
模
・必要冷熱量 17,185MJ/年(冷房面積 265.5m2×設計負荷 0.29MJ/・m2・h1)×冷房期間
372h/年2)×稼働率 60%)
1)北海道開発局「雪冷熱エネルギー活用手引書」の病院の冷房負荷と稼働率を参考
2)24℃を越えると冷房すると想定し、占冠村の最高気温が 24℃を記録する 8 月(気象庁ア
メダス観測データ・統計期間 1979-2000)の約 31 日間×12h=372hと設定
⑥システムフロー
【 冷房区域:デイサービスセンター】
(資料)北海道開発局「雪冷熱エネルギー活用手引書」
(導入事例)
←美唄市老人福祉施設ケアハウス・ハーモニーの設置例
(北海道経済産業局「雪氷熱エネルギー活用事例集3」より)
完成年:2002 年度
貯雪量:121t
利用方法:オープンスペースと食堂を雪冷房
↑雪冷房導入スペース
↑施設横の貯雪庫に雪入れ
(資料)北海道経済産業局「雪氷熱エネルギー活用事例集 3」
150
⑦システムの運用
・必要な雪氷量:51t/年(必要冷熱量 17,185MJ/年÷雪氷の融解潜熱 335MJ/t)
気温が 24℃を超える 8 月に貯雪(氷)庫からの冷風を戻り空気と混合させ送風温度を 17℃
程度に調整し、室内を冷房する(直接熱交換冷風循環方式)。また、貯雪(氷)庫内の雪の
融解水を汲み上げ、熱交換器で循環水を冷却し、ファンコイルユニットによって室内を冷房
する(融解水直接循環方式)。
⑧概算コスト
●イニシャルコスト;約 780 万円 耐用年数 39 年1) ●ランニングコスト;約 3 万円1)
1)NEDO「雪氷冷熱エネルギー導入ガイドブック」の雪冷房・直接熱交換冷風方式による病
院の概算コストを参考に算出。
●年間コスト;耐用年数 39 年間の総額を算出し、39 年で割って算出。
補助金あり(イニシャルコストの 1/2 補助)
390 万円+3 万円×39 年;507 万円/39 年、年間コスト:13 万円/年
補助金なし 780 万円+3 万円×39 年;897 万円/39 年、年間コスト:23 万円/年
⑨電気冷房とのコス
ト比較
電気冷房との年間コストの比較
●イニシャルコスト;約 110 万円1) ●ランニングコスト;9 万円1)
1)NEDO「雪氷冷熱エネルギー導入ガイドブック」の雪冷房・直接熱交換冷風方式による病
院の概算コストを参考に算出。
●年間コスト;耐用年数 15 年間(仮定)の総額を算出し、15 年で割って算出。
110 万円+9 万円×15 年;245 万円/15 年、年間コスト:16 万円/年
補助金あり
補助金なし
⑩環境特性
雪氷冷房
13 万円/年
23 万円/年
電気冷房
16 万円/年
16 万円/年
コスト比較
0.8 倍
1.4 倍
・冷熱を得る手段として冷凍機を使用せず、自然エネルギーである雪を利用する。
・システムを稼動するための動力は送風機、ポンプのみで省エネルギー性が高い。
・システムが簡明なため保守点検が容易である。
・貯雪(氷)施設が構造物となるため施設の耐用年数が長い。
・氷利用の場合、冷気と水があればどこでも製造が可能で、出し入れ(運搬)が不要。
・マイナスイオンが発生し、生活環境の快適度が高まる。
⑪問題点・課題
・貯雪施設のイニシャルコストが高い。
【対策】国の支援制度の活用(初期投資に対する 1/2 補助)等
・雪利用の場合、新たに集雪するとコストがかかる。除排雪作業と兼用するとランニングコス
トの低下につながる。
・冷房面積が 200m2以下であれば電気冷房よりトータルコストが高い。
⑫CO2削減効果
2tCO2/年(雪氷 51t;17,185MJ/年÷3.6MJ/kWh×電気のCO2排出係数 0.49kgCO2/kWh÷
1,000kg/t)
151
新エネルギー導入の施策方向
〔2〕トマム地域の観光産業に貢献
基本的な考え方
エネルギー使 用 量 が非
常に多いトマム地域に
おいて、トマムリゾート施
重点プロジェクト
NO.4
トマム地域への小型風車
の導入
設 、ペンション宿 泊 施 設
に新エネルギーを取り入
NO.5
れ、環 境 保 全 を重 視 す
トマム地域での小水力の
る新たな観光資源として
利用
観 光 産 業 づくり、ならび
に観光振興に役立て
NO.6
る。
トマム地域での氷冷熱の
活用
152
NO.4
基本的視点
トマム地域の観光産業に貢献
重点プロジェクト
トマム地域への小型風車の導入
①エネルギー種類
風力発電、太陽光発電(トマム地域は弱風なので太陽光とのハイブリッド型とする)
②エネルギー発生量
【風力発電】トマム地区年平均風速 2.8m/s
定 格 出 力 :1.2kWの場 合 →年 間 風 力 エネルギー量 :1,191kWh/年(1.225〔kg/m 3 〕×
3.14×(1.4m) 2 ×(2.8m/s) 3 ×24h×300 日)
【太陽光発電】傾斜角 60°による年間日射量 1,172kWh/m 2 ・年
定 格 出 力 : 480W ( 120W × 4 枚 ) の 場 合 → 年 間 予 測 発 電 量 : 334kWh/ 年 ( 993.6
〔kWh/㎡・年〕 1) ×0.1〔発電効率〕×0.7〔補正係数〕×4.8 ㎡〔パネル面積〕
1)リゾート休み期間の 4 月、11 月を除いた 10 ヶ月間の月別日射量の実績値。
③収集システム
ハイブリッド発電機で風及び太陽の光を利用
④エネルギー変換
風および太陽の光エネルギーを直接電気に変換しバッテリーに充電
⑤エネルギー利 用 規
他地域の導入事例より、HID ランプ 35W×2 台で照明すると想定。
模
・年間消費電力量:105kWh/年(70W×5h×300 日)
⑥システムフロー(導入事例)
北 檜 山パークゴルフ場のナイター照 明
(㈱リポートサービス北 海 道 社 製)
⑦システムの運用
青 森 県 小 泊 漁 港 の外 灯
(ニッコー㈱社 製)
苫 小 牧 市 Y マリーナの街 路 灯
(ゼファー㈱製)
・日中に風力・太陽光発電エネルギーをバッテリーに充電し、17:00∼22:00 の 5 時
間、バッテリーより照明へ電気を供給。
・小 型 風 車(太 陽 光とのハイブリッド発 電)による照 明 灯(街 路 灯 含む)を設 置し、観
光 客 へのモニュメント的 アピール効 果 を狙 うとともに、地 域 の環 境 教 育 の題 材 と
しても役立てる。
⑧概算コスト
●イニシャルコスト;ハイブリッド風車本体価格 360 万円(メーカー見積価格)
各種工事費、設計費を含まず。
●ランニングコスト;18 万円/年程度(イニシャルコストの 5%と想定)
バッテリー液の補充・交換やランプの交換などが想定される。
153
⑨現 状 方 式 とのコスト
一般的な街路灯(200W ポール高 5m)との比較
比較
イニシャルコスト
ランニングコスト
⑩導入効果
ハイブリッド街路灯
360 万円
18 万円/年
一般的な街路灯
90 万円
5.5 万円/年
コスト比較
4倍
3倍
・非常用電源として自立型の電源になりうる
・観光客・地域住民に対して地球環境保全と新エネルギーへの関心を高める
⑪問題点・課題
イニシャルコスト・ランニングコストともに高い
【対策】国の補助制度活用
⑫CO 2 削減効果
約 51kg・CO 2 /年(105kWh/年×電気のCO 2 排出係数 0.49kgCO 2 /kWh)
154
NO.5
基本的視点
トマム地域の観光産業に貢 献
重点プロジェクト
トマム地域での小水力の利 用
①エネルギー種類
小水力発電
②エネルギー発生量
【小水力発電】トマム地区取 水地点の流量 0.048m 3 /s
発電量:737W(落差 2m×流 量 0.048m 3 /s×水車効率 0.8×重力 9.8)→年間予測発電
量:6,456kWh/年(737W×24h×300 日)
③収集システム
トマム地区における取水地 点の流量・流 速を使用して発電
④エネルギー変換
小水力発電機により発電
⑤エネルギー利 用 規
観光資源、環境教育の教材 として適切な規 模と考えられるランプ 100W×2 台で照明。
模
・年間消費電力量:180kWh/年(200W×5h×180 日)
⑥システムフロー(導入事例)
和 式 水 車 を利 用 した水 力 発 電 (北 海 道 北 檜 山 町 )1kW 規 模 のランプを照 明 している。
(資料)北海道 自然エネルギー研究会「環 境を守るための自然エネルギ ー読本 」(2002)
⑦システムの運用
・観 光 資 源 として、また村 内 の環 境 教 育 の教 材 として和 式 水 車 を導 入 し、発 電 した電 気 を
照明等に利用
・発 電した電気はバ ッテリーに充電し、17:00∼22:00 の夜 間照明として利用する。
・また、冬期間の積雪・河川 凍結を考慮し、稼働日数を 180 日と設定。
⑧概算コスト
●イニシャルコスト;本体価 格 450 万円 1) (直径 1.5m)(メーカー販売価格/ノ ースパワー社)
1)設 置 工 事 費 用 、基 礎 工 事 ・水 路 工 事 等 の土 木 工 事 費 用 は含 まず。設 置 場 所 の諸 条
件によるが、設 置工事費用は、本体価格の 10∼20%程度
● ランニングコスト;導入コスト(本体価格)の 2∼6%。9∼27 万 円程度(メ-カ-見積価 格 )
⑨導入効果
・水が枯渇しない限り、安定的に発電してくれる。
・川の流れを堰止めないため、生態系に殆ど影響を 与 えない。
・環境アピール効果や環境教 育の題材として活用できる。
⑩問題点・課 題
水利権の整理 、詳細設計の作成、設置場所の調査・検 討が 必要。
⑪CO 2 削減効果
88kg・CO 2 (180kWh/年×電気 のCO 2 排出係数 0.49kgCO 2 /kWh)
155
NO.6
基本的視点
トマム地域の観光産業に貢献
重点プロジェクト
トマム地域での氷冷熱の活用
①エネルギー種類
冷気熱による凍結水(氷)
②エネルギー発熱量
氷の融解潜熱 335MJ/t、密度1t/㎥
③収集システム
貯氷庫において、外気で自然氷を生成、氷を貯蔵
④エネルギー変換
直接熱交換冷風・融解水直接併用循環方式
⑤エネルギー利 用 規
導入例; トマムリゾート「水の教会」
模
必要冷熱量 76,602MJ/年(冷房面積 520 ㎡×冷房負荷 0.66MJ/㎡h 1) ×冷房期間 372h
/年 2) ×稼働率 60% 1) )
1)北 海 道 開 発 局 「雪 冷 熱 エネルギー活 用 手 引 書 」の公 共 ホールの冷 房 負 荷 と稼 働 率 を
参考
2)24℃を超えると冷房すると想定し、占冠村の最高気温が 24.0 度を記録する 8 月 (気 象
庁 アメダス観 測 データ・統 計 期 間 1979-2000) の約 31 日間×12h/日=372h/年間と設定
⑥システムフロー(導入例;トマムリゾート「水の教会」の場合)
【 冷 房 区 域:ト マ ム リ ゾ ー ト 水 の 教 会 】
【 貯氷室 】
氷 (冷 風 ・ 冷 水 併
用型)
(資料)北海道開発局「雪冷熱エネルギー活用手引書」
(導入事例)
↑旭 川 市 北 方 建 築 総 合 研 究 所 の設 置 例
(北 海 道 経 済 産 業 局 「雪 氷 熱 エネルギー活 用 事
例 集 3」より)
完 成 年 :2002 年 度
貯 氷 量 :約 100t
貯 雪 量 :約 100t
利 用 方 法 :パッシブ換 気 の外 気 導 入 経 路 である地
下 ピットにアイスシェルターを設 置 し、夏 期 に低 温
低 湿 な空 気 を室 内 に導 入 し冷 房 。(所 長 室 等 は雪
冷 房 している)
↑建 物 概 要(アイスシェルター)
(資料)北海道経済産業局「雪氷熱エネルギー活用事例集 3」
156
⑦システムの運用
・ 必要な氷量:228t/年(必要冷熱量 76,602MJ/年÷氷の融解潜熱 335MJ/t)
マイナス気温となる 10 月∼4 月 まで貯氷室に外気を取り入れて製氷する。気温が 24℃を
超える 8 月に貯氷庫からの冷風 を戻り空気と混合させ送風温度を 17℃程度に調整し、室
内 を冷 房 する(直 接 熱 交 換 冷 風 循 環 方 式 )。また、冷 水 槽 にためた貯 氷 庫 内 の氷 の融 解
水を汲み上げ、熱交換器で循環水を冷 却し、ファンコイルユニットによって室内を冷房する
(融解水直接循環方式)。
⑧概算コスト
●イニシャルコスト;約 2 千万円 1)
1)北海道開発局「雪冷熱エネルギー活用 手引き書」より
●ランニングコスト;約 4 万円 2)
2)NEDO「雪 氷 冷 熱 エネル ギー導 入 ガイドブック」のアイスシェルター・直 接 熱 交 換 冷 風 循
環方式による公共ホールの概算コストを参考
● 年間コ スト;耐用年数 39 年間の総額を算出し、39 年で割って算出。
補助金あり (イニシャルコストの 1/2 補助)
1, 000 万円+4 万円×39 年;1,156 万円/39 年、年間コスト:30 万円/年
補助金なし 2,000 万円+4 万円×39 年 ;2,156 万円/39 年、年間コスト:55 万円/年
⑨電 気 冷 房 とのコス
ト比較
電気冷房との年間コストの比較
●イニシャルコスト;341 万円 1) ●ランニングコスト;29 万円 1)
1)N EDO「雪 氷 冷 熱 エネルギー導 入 ガイドブック」のアイスシェルター・直 接 熱 交 換 冷 風 方
式に よる公共ホールの概算コストを参考に算出。
●年間コスト;耐用年数 15 年間(仮定)の総額を算出し、15 年で割って算出。
341 万円+29 万円×15 年;776 万円/15 年、年間コスト:52 万円/年
補助金あり
補助金なし
氷冷房
30 万円/年
55 万円/年
⑩残渣の処理方法
水の交換;3∼4 年に 1 回
⑪環境特性
・冷気と水があればどこでも製造が可能。
電気冷房
52 万円/年
52 万円/年
コスト比較
0.6 倍
1.1 倍
・出し入れ(運搬)が不要。
・システムの稼動動力は送風機、ポンプのみであり省エネルギー性が高い。
⑫問題点・課題
冷 熱 の供 給 方 式 (熱 交 換 方 式 )、エネルギー利 用 方 法 、維 持 管 理 等 について、詳 細 な調
査・検討が必要。
⑬CO 2 削減効果
10 t CO 2 / 年 ( 氷 298 t / 年 ; 76,602 M J / 年 ÷ 3.6MJ/kWh × 電 気 の CO 2 排 出 係 数
0.49kgCO 2 /kWh ÷1000kg/t)
157
新エネルギー導入の施策方向
〔3〕非常用エネルギーシステムの構築と
公共分野での率先的導入
基本的な考え方
重点プロジェクト
NO.7
公共分野においては、総
合開発計 画 との整合 の
もとに、非常用エネルギ
中央小学校への太陽光発電
の導入
ーシステ ム の構築も 考
慮し、住民の多数出入り
する施設 や 学校教育 施
設などに 率 先的に新 エ
NO.8
ネルギーの導入を図る。
公用車へのハイブリッド自
動車の導入
158
NO.7
基本的視点
非常エネルギーシステムの構築と公共分野での率先的導入
重点プロジェクト
中央小学校への太陽光発電の導入
①エネルギー種類
太陽光発電
②エネルギー発生量
太陽光発電:傾斜角 60°による年間日射量 1,172kWh/m2・年
(占冠村の最適傾斜角度は 32.0°ですが、冬の積雪を考慮して 60°のときの年間日射
量を用います)
③収集システム
隣接もしくは屋根に太陽光パネルを設置
④エネルギー変換
太陽の光エネルギーを太陽光パネルを用いて電気に変換
⑤エネルギー利用規
・中央小学校の年間電気使用量(209,967kWh/年)の約 20%分を賄えるよう太陽光パネ
模
ル約 30kW(291.524m2)を設置して発電→年間予測発電量 41,000kWh/年
(1,172kWh/m2・年×システム利用率〔0.12〕×291.524 ㎡〔パネル面積〕)
(注)第4章第2節「太陽光発電の賦存量」では、システム利用率を(0.1〔発電効率〕×
0.7〔補正係数〕)で計算していますが、ここでは、システム利用率 0.12 とします。
⑥システムフロー(導入事例)
(医)恵誠会 札幌恵北病院の設置例:
北海道新エネルギー導入データ集 2000
年度版(NEDO)より
設置年度:1999 年度
システム容量:10kW
メーカー:京セラ㈱
設置状況:屋上
設置方位角:南向き
⑦システムの運用
札幌市立西岡北小学校の設置例:
http://www.nishiokakita-e.sapporoc.ed.jp/より
設置年度:2000 年度
システム容量:10kW
メーカー:富士電機㈱/シャープ㈱
設置状況:屋上
設置方位角:南向き
・環境教育効果も考慮し、中央小学校を想定して太陽光発電を設置する。
・発電した電気は教育施設の電力として利用し、さらに余剰が出た場合には電力会社に売
電する。
・非常時には独立電源として太陽光発電を利用する。
⑧イニシャルコス
●イニシャルコスト;約 2,460 万円(82 万円/kW1)×約 30kW)
ト、発電コスト
1)NEDO 産業用 PV フィールドテスト事業による発電規模別 PV 設置価格(2002 年度)、発
電規模 40∼100kW 未満のケースで標準型推進型の場合
●発電コスト;
補助金あり:35.5 円/kWh2)(Ⅰ.太陽光発電新技術等フィールドテスト事業〔NEDO〕で 1/2
補助を受けた場合)
63.1 円/kWh2)(Ⅱ.北海道グリーン電力基金制度〔財団法人北海道地域総合振興機構(は
まなす財団)〕で 100 万円補助を受けた場合)
159
補助金なし: 64.5 円/kWh2)
2)耐用年数 15 年、金利 4%、修繕・保守費は年あたり建設費総額の 1%として算出。
(参考)補助金ありで、耐用年数 20 年、金利 2%、修繕・保守費は年当り建設費総額の 0.2%
とすれば、発電コストは 21 円/kWh と算出される。
⑨現状方式とのコ
業務用電力単価 20 円/kWh と比較して
スト比較
補助金ありⅠ
補助金ありⅡ
補助金なし
⑩環境特性
発電単価
35.5 円/kWh
63.1 円/kWh
64.5 円/kWh
業務用電力単価
20 円/kWh
20 円/kWh
20 円/kWh
コスト比較
1.8 倍
3.1 倍
3.2 倍
・非常用電源として自立型の電源になりうる
・施設利用者(生徒)・村民に対して地球環境保全と新エネルギーへの関心を高める
⑪問題点・課題
イニシャルコスト・発電コストともに高い
【対策】国の補助制度活用
⑫CO2削減効果
約 20 t・CO2/年(年間予測発電量 41,000kWh/年×電気のCO2排出係数 0.49kgCO2/kWh
÷1000kg/t)
160
NO.8
基本的視点
非常用エネルギーシステムの構築と公共分野への率先的導入
重点プロジェクト
公用車へのハイブリッド自動車の導入
①エネルギー種類
ガソリン、電気、天然ガス、燃料電池
・重点プロジェクトでは、ハイブリッド自動車を想定するが、他のクリーンエネルギー自動車
についてもそれぞれ記述する。(資料)環境省「低公害車ガイドブック」(2004)
②エネルギー変換シ
【ハイブリッド自動車】
ステム
低廉で小型のハイブリッドが開発販売され、広く普及している。
複数の動力源を組み合わせて、低公害・省エネ化を図っている。エンジンに発電機を取り
付けて発電を行い、電気で走行するシリーズ方式、エンジンとモータ等の複数の動力を切
り替えて、または一方の動力を他方の動力が補完しながら走行するパラレル方式、エンジ
ンの出力と車軸への直接出力と発電機及びモータを介した間接出力とに分離し、両者を
最適な比率に組み合わせて走行するスプリット方式がある。
【電気自動車】
バッテリー(蓄電池)に蓄えた電気でモータを回転させて走る。電気を作る際に発電所から
排出される分を考慮しても、NOxやCO2の排出は少ない。
【天然ガス自動車】
天然ガスを燃料として走る。とくに天然ガスを気体のままで圧縮して高圧ガス(CNG)として
利用する天然ガス自動車が最も普及しており、CNG 自動車と呼ばれる。(参考:日本政府
は 2010 年までに CNG 自動車 100 万台を普及させる「エコスタンド 2000 計画」を実施して
いる。CNG 自動車は天然ガスをボンベに充填して走行するので水素を圧縮して利用する
燃料電池車に似ており、燃料電池車への移行の前段階で普及すると考えられる。)
【燃料電池車】
車載の水素と空気中の酸素を反応させて、燃料電池で発電し、その電気でモータを回転さ
せて走る。エネルギー効率は高い。
③燃料収集
【ハイブリッド自動車】既存のガソリンスタンドで対応可能。
【電気自動車】充電器の電源設置工事が必要。
【天然ガス自動車】天然ガス充填スタンドの建設が必要。
【燃料電池車】水素充填スタンドの建設が必要。
④利用方法
行政機関がクリーンエネルギー自動車を通勤、移動手段、運搬等に利用
⑤システムフロー(ハイブリッド自動車の導入事例)
ハイブリッド小型乗用車
ハイブリッドバス
161
(その他のクリーンエネルギー自動車の導入事例)
天然ガスステーション
天然ガスで走るノンステップバス
2005 年 1 月北海道庁に納車されたホンダの燃料電池
車
(http://www.autobytel-japan.com/news/20050127_01
.cfmより)
(参考:北海道経済部資源エネルギー課では、公用車
として氷点下 20℃で始動できる燃料電池車を使用。
道職員がイベントや学習会に出向き、燃料電池の説
明、燃料電池車の展示や試乗を行っている。利用予
定期間は 2005 年 1 月∼4 月、11 月∼2006 年 4 月)
⑥システムの運用
既存のガソリンスタンドで対応可能であるハイブリッド自動車を公用車のリース時期にあわ
せて 3 台(乗用車 2 台、バス 1 台)に導入することを想定した。
【ハイブリッド自動車】既存のガソリンスタンドでガソリン・電気を供給
【電気自動車】充電器の電源設置スタンドでバッテリーに電気を充電
【天然ガス自動車】天然ガス充填スタンドで燃料を供給
【燃料電池車】水素充填スタンドで燃料を供給
⑦概算コスト
【ハイブリッド自動車】
現状方 式とのコスト
●イニシャルコスト; 約 220 万円(小型乗用車)、約 300∼400 万円(普通乗用車、排気量
比較
約 2,000∼2,400cc)、約 3,400∼4,200 万円(バス)
●ランニングコスト; バッテリー交換と燃料費・省エネ率約 40%(排ガスを削減)
同型既存車比価格:1.5∼2 倍
●導入コスト; ハイブリッド自動車 3 台(乗用車 2 台、バス 1 台)に導入した場合
(約 220 万×2+約 4,000 万×1)=約 4,440 万円
【電気自動車】
●イニシャルコスト; 約 20∼50 万円(原動付自転車)、約 40∼300 万円(ミニカー)、約 150
万円(軽乗用車)、 約 300 万円(軽貨物自動車)
・充電器の電源設置工事に約 350 万円必要・維持費はほとんど発生しない。
●ランニングコスト; バッテリー交換と電気代・省エネ率約 40%(排ガスを削減)
同型既存車比価格:3∼10 倍
162
⑦概算コスト
【天然ガス自動車】
現状方 式とのコスト
●イニシャルコスト; 約 220 万円(軽乗用車・小型乗用車)、約 310∼480 万円(普通乗用
比較(続き)
車)、約 160∼200 万円(軽貨物自動車)、約 270∼420 万円(小型貨物自動車)、約 400
∼500 万円(普通貨物自動車、排気量約 4,000cc の場合)、約 400∼880 万円(塵芥車、
排気量約 4,000∼8,000cc)、約 500∼1,000 万円(バス、排気量 4,000∼5,000cc)、約
2,400∼3,600 万円(バス、排気量約 8,000∼15,000cc)
・天然ガス充填スタンドの設置に約 1 億円、維持費 100∼200 万円/年必要。
●ランニングコスト; 燃料費など・省エネ率約 10%(排ガスを削減)
同型既存車比価格:2∼3 倍
【燃料電池車】
●イニシャルコスト; 80∼120 万円(リース月額)
・水素充填スタンドの設置・維持費が別途必要
●ランニングコスト; 不明・省エネ率約 100%(排ガスは水蒸気のみ)
同型既存車比価格:不明
⑧環境特性
・CO2やNOx、SOxや黒煙などの削減により、温暖化防止及び大気汚染防止に貢献。(特に
燃料電池車の場合は排気ガスは水蒸気のみ)
・ハイブリッド自動車は、発電機能に電源を切り替えれば最大 3kW の発電能力があり、満
タンで 36 時間稼動できるシステムを備えたものが開発されてきているため、非常用電源
として活用できる。
・村民レベルでも取り組め、村民及び事業者へのアピールになる。
⑨問題点課題
【ハイブリッド自動車】ガソリン車に比べてコスト高
【電気自動車】【天然ガス自動車】【燃料電池車】天然ガス・水素充填スタンドの設置に数千
∼数億円の整備が必要。1 回の充電・充填で走行できる距離が短い。
⑩CO2削減効果
5.8 t CO2/年(省エネルギー分 85,053MJ/年1)×ガソリンのCO2排出係数 0.0671kgCO2/MJ
÷1000kg/t)
1)15,337MJ /年・台×2 台+181,957 MJ /年・台×1 台)×0.4(省エネ率)=85,053MJ/年
・公用車 31 台の 10%をハイブリッド自動車 3 台(乗用車 2 台、バス 1 台)に代替した場合の
ガソリン削減量を換算。
・乗用車、バスの消費エネルギーの平均値:それぞれ 15,337MJ /年・台、181,957 MJ /年・
台 (第 4 章第 8 節参照)
163
新エネルギー導入の施策方向
〔4〕 普及啓発
基本的な考え方
ビジョンを具体化していく
ために、庁内関係者や住
民・関係団体との交流や
情報伝達にも工夫をし
て、相互の理解と協力体
制の整備を進める。
164
重点プロジェクト
NO.9
①庁内関係課への情報伝達
②村 民 ・ 地 元 企 業 等 と の交
流・協働
NO.9
基本的視点
普及啓発
重点プロジェクト
庁内関係課への情報伝達、村民・地元企業等との交流・協働
①取り組み内容
住民等との連携を図り、ビジョンを具体化していくために、庁内関係者や住民・関係団体と
の交流や情報伝達にも工夫をして、相互の理解と協力体制の整備を進める。
●庁内関係課への情報伝達
・
庁内ネットの使用
・
庁内連絡会議の開催
・
勉強会・説明会を開催
・
新エネルギー導入の手引きの配布
・
新エネルギー講座の開催
●村民・地元企業との交流・協働
・
セミナー・説明会の開催
・
ホームページ、広報誌の活用
・
新エネルギービジョンダイジェストの作成・配付
・
小中学校での環境学習の活用
・
住民、事業者、行政が一体となった新エネルギー導入にむけた研究会の設立。意見
交換や互いの進捗状況の把握を行うとともに、新エネルギービジョンの計画的な推
進、情報提供、収集等を行う。
( 国の支援制度の活用例 )
・
新エネルギーシンポジウム、新エネルギー導入施設への研修会、地域新エネルギー
セミナーの開催や新エネルギーガイドブックの配布(新エネルギー対策導入指導事
業:地方公共団体、民間企業等を対象)。
・
小中学生への新エネルギー教室の開催(新エネルギー・省エネルギー非営利活動促
進事業:NPO 法人、公益法人その他の法人格を有する民間団体等を対象に補助率
1/2 以内)
165
第3節
重点プロジェクトに関する主な支援制度
第 2 節で重点プロジェクトの概算コストや環境特性を示しましたが、具体的に進めるた
めには、目的や必要性及び費用負担について事業者や村民全体の理解が得られることが実
施の前提になります。そのため、普及啓発を推進することに加え、次ページのような支援
制度を活用し、より詳しく実施内容を検討することが必要です。
(資料)NEDO「新エネルギー導入促進事業 2005」、北海道経済産業局ホームページより作成
・
各支援制度の補助率や対象事業者等は変更される場合があります。また、各支援制度には補助要件が定
められているため、各プロジェクトが補助要件を満たすかの検討が必要です。
・
他省庁・他団体の支援制度は、巻末資料として記載し、ここでは NEDO と経済産業省・北海道経済産業局事
業に限って記載します。
166
NO.9
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
/
○
庁内関係課への情報伝達
村民・
地元企業等との交流・
協働
NO.8
公用車へのハイブリッド自動車の導入
NO.7
中央小学校への太陽光発電の導入
NO.6
トマム地域での氷冷熱の活用
NO.5
トマム地域での小水力の利用
○
トマム地域への小型発電の導入
NO.4
デイサービスセンターへの雪氷冷房の導入
中長期
1.地域新エネ 【事業名】地域新エネルギービジョン策定等事業(NEDO)
ルギー計画
〇重点テーマに係る詳細ビジョン策定調査 補助:定額
の策定
【対象事業者】地方公共団体、地方公共団体の出資に係る法人
NO.3
総合センターと中央小学校での
木質バイオマスの活用
フロー
短期
NO.2
村内にペレットストーブを導入
主な支援制度
導入
NO.1
〇事業化フィージビリティスタディー調査 補助:定額
2.事業
導入及
び事業
化の検
討
【事業名】バイオマス等未活用エネルギー実証試験事業(NEDO)※新規性のあるもの〇実証試験事業 補助:1/2相当額
3.設置
工事
【事業名】地域新エネルギー導入促進事業(NEDO)※先進性があり、波及効果の高いもの
【共同研究対象者】企業、地方公共団体、公益法人、大学等の法人
【事業名】バイオマス等未活用エネルギー事業調査事業(経済産業省、北海道経済産業局)補助:定額(上限額 10 百万円)
【対象事業者】一般枠:企業、地方公共団体、第三セクター、公益法人、特定非営利活動法人、法人格を有する協同組合
〇新エネルギー設備導入事業
補助:1/2以内又は1/3以内※一部補助率が異なる
補助:定額(上限額20百万円)※新エネルギー導入事業と併せて実施するもの
〇新エネルギー普及啓発事業
○
※重点プロジェクトNO.2、3 については、地方公共団体が設置する場合は、補助要件を満たさないが、非営利民間団体が設置
【対象事業者】地方公共団体及び非営利民間団体
する場合は補助要件を満たす。
【事業名】新エネルギー事業者支援対策事業(経済産業省、北海道経済産業局)補助:1/3以内
【対象事業者】民間企業等
【事業名】新エネルギー・省エネルギー非営利活動促進事業(NEDO)補助:1/2以内※営利を目的としないもの
○
【対象事業者】特定非営利活動法人(NPO法人)、公益法人その他の法人格を有する民間団体又はこれらに準ずる者
【事業名】太陽光発電新技術等フィールドテスト事業(NEDO)補助:1/2相当額
○
【共同研究事業者】民間企業、各種団体等(地方公共団体含む)※太陽光電池の出力が 10kW以上で具体的な太陽光発電システムの設置計画を有する者
【事業名】中小水力発電開発費補助金補助事業(NEDO):①5,000kW以下:1/5 以内・5,000kW∼30,000kW以下:1/10 以内、②
5,000kW以下:出力増加割合以内・5,000kW∼30,000kW以下:出力増加割合の 1/2 以内、③新技術を導入した部分 1/2 以内
【交付対象】電気事業者、自家用発電所設置者
167
○
第4節
重点プロジェクトによる新エネルギー導入量と二酸化炭素削減規模
重点プロジェクト導入による新エネルギー導入量は熱量換算で 4,132,400MJとなり、こ
れをCO2換算すると 297tCO2/年、ドラム缶換算すると 541 本分となります。
重点プロジェクト導入による新エネルギー導入量は、占冠村の新エネルギー可採量
57,619,995MJ の 7%、エネルギー使用量 619,211,400MJ の 0.7%にあたります。
重点プロジェクト導入によるCO2削減規模は、国の新エネルギー導入目標を占冠村の人
口比で按分した場合の 602tCO2の 48%、同様に、北海道の新エネルギー導入目標を占冠
村に適用した場合の 440tCO2の 68%にあたり、環境への負荷を低減する循環型社会の構
築に寄与することが期待できます(第 6 章第 5 節参照)。
しかし、2010 年までに一次エネルギー総供給に占める割合を 3%にするという国の新エ
ネ ル ギ ー 導 入 目 標 を 占 冠 村 の エ ネ ル ギ ー 使 用 量 か ら 考 え た 場 合 、 18,576,342MJ
(619,211,400MJ×3%)の 22%にとどまります。
表 7-4-1 重点プロジェクト実施による新エネルギー導入量とCO2削減規模
従来使用
新エネルギー
エネルギー
灯油
木質バイオマス
No.
重点プロジェクト
1
4
5
6
7
村内にペレットストーブを導入
総合センターと中央小学校での木質
バイオマスの活用
デイサービスセンターへの雪氷冷房
の導入
トマム地域への小型風車の導入
トマム地域での小水力利用
トマム地域での氷冷熱の利用
中央小学校への太陽光発電の導入
8
公用車へのハイブリッド自動車の導入 ガソリン
2
3
灯油・重油
木質バイオマス
電気
雪氷熱
電気
電気
電気
電気
太陽光・風力
小水力
雪氷熱
太陽光
クリーンエネル
ギー自動車
庁内関係課への情報伝達/村民・地
9
元企業との交流・協働
重点プロジェクト実施による二酸化炭素削減規模
原油換算:38.2MJ/L、ドラム缶:200L/本を用いて換算
168
導入量
MJ
1,111,968
CO2換算
原油換算
tCO2
ドラム缶(本)
76
146
2,692,966
183
17,185
2
378
648
76,602
147,600
0.051
0.088
10
20
85,053
4,132,400
6
297
352
2
0.0
0
10
19
11
541
第8章
第1節
導入スケジュール
実行プログラム
新エネルギーの導入にあたっては、多分野における新エネルギー導入に向けた動向を継
続的に情報収集するとともに、これらの情報をもとに、今後の具体的な導入に向けた「実
行プログラム」を定め、全面的な取り組みを計画的に進めていく必要があります。
そこで、エネルギー種ごとに第7章で検討した各重点プロジェクトと第6章で提案した
導入プロジェクトの実行プログラムを短期(∼2010 年)、中期(∼2015 年)、長期(2015
年∼)に分けて表 8-1-1 に示します。
短期的には、重点プロジェクトを中心に、導入計画の策定、新エネルギーシンポジウム
等の啓発活動等を、村民、事業者、行政が連携しながら新エネルギーの導入を促進します。
また中長期では、導入プロジェクトへの取り組みとあわせて、重点プロジェクトに掲げた
新エネルギーの設備設置による具体的な事業の実施を進めることとします。
169
表 8-1-1 新エネルギー重点プロジェクト及び導入プロジェクト実行プログラム
エネルギー種
中央小学校への太陽光発電の導入
トマム地域への小型風車(太陽光+風
風力エネルギー
小型風車 力)の設置
バイオマス
総合センターと中央小学校での木質バイ
エネル
未利用バイ 未利用間伐材 オマスの活用
ギー
オマス
林地残材 ペレットストーブを導入
デイサービスセンターへの雪氷冷房の導
雪
入
雪氷熱エネルギー
氷
トマム地域での氷冷熱の利用
太陽エネルギー
ェ
重
点
プ
ロ
ジ
ク
ト
プロジェクト
太陽光
クリーンエネルギー自動車
その他の再生可能
エネルギー
小水力
公用車へのハイブリッド自動車の導入
トマム地域での小水力利用
熱量換算
原油換算 CO2削減量
tCO2
ドラム缶(本)
MJ/年
147,600
19
20
378
0.049
0.058
ク
ト
ー
ェ
重
点
以
外
の
導
入
プ
ロ
ジ
すべての導入プロジェクトの合計
取組主体
事業者
実行プログラム
村民
○
普及
2,692,966
352
183
○
146
76
○
17,185
2
2
○
76,602
10
10
○
85,053
11
6
○
648
0.085
4,132,400
664,200
297
90 ○支援・協力
7,517
72,270
70,516
541
87
0
1
9
9
3,482,389
456
236
○
○
12,300,180
1,610
835
○
○
○
3,557,250
466
○
○
30,902
4
0.088
短期∼2010年 中期∼2015年 長期2015年∼
普及
1,111,968
庁内関係課への情報伝達/村民・地元企
業との交流・協働
重点プロジェクト合計
太陽光
一般家庭の6%75世帯への太陽光発電・
太陽エネルギー
太陽熱利用の導入
太陽熱
風力エネルギー
小型風車 占冠村中央地区含めた小型風車の導入
バ
廃棄山菜 RDF化して燃料として利用
イ 廃棄物系バ
廃食用油 BDF化して軽油代替燃料として利用
イオマス
オ
家畜排せつ物・製材端材・生ごみ・下水汚泥・し尿
マ
湯の沢温泉・小中学校・デイサービスセン
ス
未利用間伐材 ターへの木質バイオマスの活用(対象施
エ
設の拡大)
ネ
未利用バイ
木質燃料として生産
ル
オマス
林地残材 一般家庭の6%75世帯にペレットストーブ
ギ
の導入
牧草
資源作物
例:菜の花
温度差エネルギー
トマムリゾートのVIZスパハウスへの利用
天然ガスコージェネレーション
湯の沢温泉への利用
行政
○
○
○
検討・導入
検討・導入
○
普及
○
○
○
○
○
○
普及
○
○
○
○
○
○
普及拡大
普及拡大
普及拡大
計画検討
計画検討
○支援・協力
1
○
5
○
5 ○支援・協力
242 ○支援・協力
2
○
1,573
○
878
1) 原油換算:38.2MJ/L、ドラム缶:200L/本を用いて換算
2) CO2削減量:環境省地球環境局「事業者からの温室効果ガス排出量算定方法ガイドライン」(平成15年7月)よりCO2排出係数;電気3.6MJ/kWh、電力0.49kgCO2/kWh(太陽光発電・風力・雪氷・小水力)、ガソリン
0.0671kgCO2/MJ(クリーンエネルギー自動車)、軽油0.0687kgCO2/MJ(廃食用油)、灯油0.0679kgCO2/MJ(その他)を用いて換算。
3) すべての導入プロジェクトの合計:網掛け部分は供給面からの導入量であり、村内需要と重複するため、合計から除く。
170
検討・導入
計画検討
○
12,017,444
検討・導入
普及拡大
計画検討
普及拡大
計画検討
計画検討
第2節
新エネルギー導入目標量と二酸化炭素削減目標値の設定
占冠村の新エネルギーの導入目標量を重点プロジェクト実施による新エネルギー導入量
4,132,400MJと設定します。これを短中期の導入目標量とし、重点プロジェクトの実施を目
指します。二酸化炭素の削減目標値は、重点プロジェクト実施によるCO2削減規模 297tCO2
と設定します。第 6 章第 6 節で参考として示した全国と北海道の目標値を基準とした場合
と比較すると、短中期の二酸化炭素削減目標量は、全国の目標量を基準とした 602tの 49%、
北海道の目標量を基準とした 440tCO2の 68%、エネルギー使用量 3%の 1,267tCO2の 23%
にあたります。
長期的には第 6 章第 6 節で提案した導入プロジェクトすべての新エネルギー導入量
12,017,444MJを導入目標と設定します。これによる長期の二酸化炭素削減目標値 は
878tCO2となり、全国、北海道の目標を基準とした場合を上回る量となりますが、エネルギ
ー使用量 3%と比較すると約 7 割にあたります。
しかし、CO2削減目標から考えると、京都議定書で定められた削減目標 2,950tCO2(CO2
排出量の 6%)の 30%、6,884tCO2(CO2排出量の 14%)の 13%です(第 5 章第 5 節参照)。
そのため、新エネルギー導入を図る一方で、その他の部分では省エネルギーへの取り組
みが非常に重要だと考えられます。
表 8-2-1 新エネルギー導入目標量と二酸化炭素削減目標量
プロジェクト
重点プロジェクト実施
短中期の新エネルギー導入目標量
重点以外の導入プロジェクト実施
長期の新エネルギー導入目標量
全国の目標量 北海道の目標 エネルギー使用量3%
導入目標量 CO2換算 (602tCO2)と (440tCO2)と のCO2換算(1,267tCO2)
との対比
の対比
の対比
MJ
tCO2
%
%
%
4,132,400
297
4,132,400
297
49
68
23
7,885,044
12,017,444
581
878
146
200
図 8-2-1 二酸化炭素削減目標の考え方
8000
7000
6000
tCO2
5000
6,884tCO2
(エネルギー使用
量の14%削減量)
省エネルギー等を含めた取り組み
4000
3000
2,950tCO2
(エネルギー使用
量の6%削減量)
2000
878tCO2
(導入プロジェクトによる削減)
1000
297tCO2
(うち重点プロジェクトによる削減)
0
国際公約Ⅰ
国際公約Ⅱ
171
CO2削減目標
69
第3節
省エネルギー対策の推進
(1)国の施策
国家レベルでのエネルギー推進として、「エネルギーの使用の合理化に関する法律(通称
「省エネ法」
、1999 年4月施行)」では、家電・OA機器等の効率や自動車の燃費の改善を目
指し、トップランナー方式1)を導入して、省エネ促進を図っています。
さらに住宅・建築物の省エネルギーについても基準を強化させ、住宅の冷暖房エネルギ
ーの削減を図ることとしています。合わせて省エネルギー技術開発についても積極的に展
開し、省エネルギー共通基盤技術の開発、情報技術の活用による省エネルギーネットワー
ク技術の開発等を含めた総合的な省エネルギー分野の技術戦略を策定しています。
2005 年 8 月に一部改正法が公布され、民生業務部門等に大規模工場に準ずるエネルギー
管理の仕組みの導入がなされました。また、指定工場・事業所にエネルギー使用状況の報
告を義務付け、エネルギー使用状況をより的確に把握しつつ対策を講じることができる仕
組みとなりました。
地方公共団体・企業が省エネルギーについて検討する場合、ESCO事業2)や新エネルギー・
産業技術開発機構(NEDO)による一連の補助事業を活用することができます。図 8-3-1
に、その省エネ支援策を示します。
1) 自動車の燃費基準や電気製品(家電、OA 機器など)の省エネ基準を、それぞれの機器において現在商品化
されている製品のうち最も優れている機器の性能以上にする方式。
2) 工場やビルの省エネルギーに関する包括的なサービスを提供し、それまでの環境を損なうことなく省エネル
ギーを実現し、さらにはその結果得られる省エネルギー効果を保障する事業。経費はその顧客の省エネルギ
ーによるメリットから一部受け取ることも特徴。
表 8-3-1 NEDOによる省エネルギー支援策
名称
エネルギー使用合理化事業者
支援事業
住宅・建築物高効率エネルギー
システム導入促進事業
内容
事業者が計画した総合的な省エネの取組みであって、省エネルギーが高く、費用対効果が妥当と認めら
れるものに係る設備導入費等の補助。単独事業費1/3補助、複数事業連携1/2補助、上限5億円。
・(住宅にかかるもの・システム提案)NEDOが指定する高効率システムを住宅に導入する際の建設主に
その費用の一部1/3を補助
・(建築物に係るもの)建築物に係る高効率エネルギーシステム(空調・給湯・換気・断熱部材等で構成)を
事業者(建築主等)が導入する際にその一部の費用1/3を補助
・(BEMS導入支援事業)エネルギー需要の最適な管理を行うためのBEMS(業務用ビルエネルギーマネジ
メントシステム)を導入する場合にその一部の費用1/3を補助。上限1億円。
地域省エネルギービジョンの策 地域レベルでの省エネルギーの取組みを円滑化するため、地方公共団体が当該地域における省エネル
定等事業
ギーのために必要となる「ビジョン」「重点」を作成する費用及び「事業化FS」調査費用を定額補助。
省エネルギー・新エネルギー対 ・(省エネルギー対策導入指導事業)大規模工場(製造業の第1種管理指定)の計測診断を実施します。
策導入補助
その結果に基づいて省エネルギー効果を定量化し、設備改善に係る方向性を明確化するとともに経済性
も評価し省エネルギー技術の導入推進に向けた指導。NEDO全額負担。
・(省エネルギー対策導入調査事業)事業所間のエネルギーの相互融通・供給統合により複数工場等の
エネルギー消費が最小となるような有効利用の検討・発掘に向けた調査に対して支援する。NEDO全額
負担。
(資料)北海道省エネルギーマップ 2005(NEDO)
消費者レベルでの取り組みも具体的な展開が始まっており、商品選択時に省エネ情報の
提供を行う「省エネラベリング」3)の取り組みや、その他「省エネルギーライフスタイル」
172
の推進、「サマータイムの導入」、「省エネルギー普及広報」等、省エネルギー意識の定着と
実践を促す取り組みが進んでいます。
3) 家電製品が国の省エネルギー基準を達成しているかどうかをラベルに表示するもの。
(2)北海道の施策
北海道では、2001 年 1 月「北海道省エネルギー・新エネルギー促進条例」(北海道条例
108 号)を施行し、エネルギー使用の効率化と新しいエネルギーの開発・導入に積極的に取
り組み、エネルギー需給の安定を図るとともに、持続的発展が可能な循環型の社会経済シ
ステムをつくり上げるため、省エネルギーや新エネルギーの開発・導入を促進する施策を
総合的、計画的に推進することとしました。
北海道の地域特性に即した的確な目標と施策の基本的な事項を定め、道民や事業者など
が省エネルギーの推進や新エネルギーの開発・導入に自主的、積極的に取組んでいくため
の指針とする 2002 年に「北海道省エネルギー・新エネルギー促進行動計画」も策定されま
した。
(3)省エネルギー推進
占冠村でも省エネルギーを普及するために、効率的な設備の変更や省エネルギー行動等
によって現在使用しているエネルギー量の削減を検討することが重要です。NEDOによ
る省エネルギー支援策「省エネルギービジョン策定事業」は、こうした省エネルギー導入
に向けた事業計画の策定に役立ちます。
また、家庭において省エネを推進していくためには、ライフスタイルを見つめ直す意識
改革が重要です。例えば節電・節エネルギーに配慮する、ゴミの分別を徹底するなど、日
常生活で出来ることから実践することが大切です。新エネルギーの普及啓発と合わせて、
地域レベルで省エネルギーへの意識を行動へと具現化するよう、町民へ向けて省エネ実践
の具体的な行動案(アイドリングストップ、冷蔵庫・エアコン・テレビの省エネ製品使用、
洗濯物のまとめ洗い等)を呼びかけます。
173
第9章
第1節
新エネルギーの導入推進に向けての施策検討
ビジョン策定後の取り組み
新エネルギーを実際に地域に導入していくためには、①総合開発計画との整合化(緊急
性、重要性、設備更新時期、教育・啓発効果等の順位づけ)、②賦存量の利用可能規模、③
需要に合わせた導入方法、④導入のための技術・経済性など、様々な条件を総体的に判断
しなければなりません。
ビジョン「策定後」は、以下の手順により導入目標の実現・具体化を図ります。
(1) 新エネルギー導入計画づくり
◎計画策定の基本視点
(A)環境に負荷をかけず、地元資源を循環調和型に活用する→現状が負荷の
上限
認識
(B)住民、事業者が参画し、行政と連携した推進体制づくり→官民(学)一体の取り組み
(C)並行して、自治体による先導的な執行(体制) →先進の「呼び水」
・リードランナー
<チェック&第1次アクション>(以下、例示)
① 現在の使用エネルギー規模の増減把握
⑤ 地域の環境・消費・教育団体との交流
② バイオマス資源の現状
⑥ 緊急性、住民多数の要望、災害対策
③ 廃棄物の発生量の削減対策
⑦ 各種補助制度の把握・情報提供
④ 他地域の先進事例の情報入手・紹介
⑧ 公共施設の新築・改築計画との調整等
◎「4つの基本的視点」に沿った展開(第 7 章第 1 節より)
(1) 占冠村の豊かな自然環境を活かした地域資源の活用:
→
森林系バイオマス、雪氷熱、太陽光、小水力の可能性
手順/エネルギー利用可能量把握、需要先・経済性把握、補助制度活用等
(2) トマム地域の観光産業に貢献:
環境に負荷をかけない観光地としてのトマムの PR 効果
→
手順/体験型観光や観光施設と連携した新エネルギーの導入等
(3) 非常用エネルギーシステムの構築と公共分野での率先的導入:
→
村民への新エネルギー利用体験の機会提供、環境教育の実践
手順/公共施設への太陽光発電、公用車へのクリーンエネルギー自動車導入等
手順/エネルギー利用可能量把握、需要先・経済性把握、補助制度活用等
(4) 普及啓発:
→
村民とともに環境問題の対策を考える機会の創出
手順/シンポジウム、広報・HP での情報提供等
174
(2) 行政の今後の取り組みの考え方
地球温暖化防止など環境問題に対して行政の役割は大きく、産業や雇用の創出を含め、
この度、地域新エネルギービジョン策定事業を実施しました。
調査会社からのエネルギー使用状況、新エネルギー賦存状況等の基礎資料を基に、今後
の占冠村の方向性を定めていくところですが、財政的にも大きな施設設置・維持は厳しく、
小さな町ができることを考え、地域の特性を活かし、実施可能なものを検討し、取り組む
ことを考えます。
新エネルギー導入に向けた各種プロジェクトを展開するために、行政をはじめとして、
地域住民や事業者がそれぞれの役割を積極的に果たすことが期待されますが、村では、こ
の計画を基本に新エネルギーの取り組みに努めていきます。
総面積の95%が森林という本村におきましては、木質資源をどのように活用すべきか
を考え、森林から出る間伐材や林地残材を木質燃料として活用を図り、多くの村民が利用
する公共施設等へのペレットストーブ等の導入を検討します。
また、寒冷積雪地帯の気象を利用した雪氷熱エネルギーの利用を目指し、環境や身体に
も優しい雪氷冷房の導入を村内福祉施設において検討します。
今後、導入を具体化していくために、庁内関係者や関係団体との連携や相互の理解と協
力体制の整備に努めるとともに、新エネルギーに対する理解を深めるため、地域住民や児
童生徒を対象に「新エネルギー講座の開催」、
「概要版の全戸配布」、
「ホームページ」や「広
報への掲載」など環境情報提供及び環境学習等の様々な手段を活用した普及啓発事業を開
催し、導入に対する理解を高める取り組みに努めていきます。
地域がら自治体主導による傾向がありますが、地域住民と地域企業の理解と協力を得ら
れた中での新エネルギー導入に向けた取り組みに努めていく必要があります。
175
第2節
新エネルギー導入推進における役割
新エネルギーの導入を推進するためには、住民・事業者・行政がお互いの役割を認識し
ながら、主体的に連携・協同し合い、時には一体となった取り組みが必要です。ここでは、
それぞれに期待される役割と関わり方を以下に述べます。
◎行政の役割
1)「新エネルギービジョン報告書」に基づき、地域状況を踏まえた総合的計画を策定する。
2)住民・事業者への積極的な普及啓発活動を推進する。
(普及モニュメント設置も検討)
3)公共施設への導入=重点プロジェクトや省エネルギー対策を、率先して施策化する。
◎住民の役割
1)生活者として地球環境問題やエネルギー問題への関心を持ち続ける。
2)上記の関心のもとに、各種セミナーや村民活動に積極的に参加する。
3)自らの生活スタイルに、エネルギーの節約や新エネルギー導入促進の行動を位置づける。
◎事業者の役割
1)事業活動にて使用するエネルギーの節約・効率化の推進と、内外の環境教育に努める。
2)エネルギー資源の非化石燃料化を検討し、可能な新エネルギー導入(切替)を進める。
3)新エネルギー・省エネルギーの技術や開発研究に取り組み、その新規事業化を検討する。
176
第3節
新エネルギーの導入推進体制
ビジョンの具体化にあたっては、住民・事業者、庁内各課等の個々の取り組みを原動力
としながらも、総合計画をはじめ各種上位計画の動向を見据えた全体的な整合性や効率性
を調整し、総合的に進めていく体制が必要となります。
そのため、庁内関係各課からなる役場の横断的機関を設置し、具体的な計画の推進を検
討します。具体的な導入にあたっては、行政が推進主体となるだけでなく、住民や事業者
などが主体となることが必要となります。このため、「村内推進協議会」や「シモカププロ
ジェクト」(仮称)を設置し、住民・事業者等の広い参加による情報交換・協議の場を設け
ると共に、大学・専門機関とも連携し、ビジョンの具体化を図ります。
また、長期にわたって実践していく施策であるため、継続的な評価・見直し体制を確立
します。
それらの相互関係を図 9-3-1、新エネルギー導入のフローを図 9-3-2 に示します。
◎基本組織
◆「庁内新エネルギー導入推進委員会」:役場内の横断的機関、ビジョン具体化の役割
・事務局 ;経済課産業グループ、メンバー;各課の課長∼係長クラス
・推進内容;①総合開発計画との整合、②導入普及の具体策起案・執行、③住民窓口
*特に、新エネルギービジョン策定後の補助制度活用を判断
・スタート;平成 18 年度より発足
◆「重点プロジェクト執行チーム」
・役
割
:導入が確定した個別重点プロジェクトの執行
◎各種ネットワーク
◆「村内推進協議会」:住民・事業者の意見を募り、先進的に新エネルギー導入を図る
・委
員
;新エネルギービジョン策定委員を含む村内の有識者・事業者・専門家
・推進内容;①普及啓発、②交流活動、③補助制度紹介、④環境教育他
・スタート;上記庁内推進委員会の始動に併せて設置、平成 18 年度第 2∼3 四半期
◆「シモカププロジェクト」(仮称):大学・専門機関と連携し、全体・テーマ別の導入化
を図る
・委 員
;役場事務局、住民、事業者、各種機関の研究員、専門コンサルタント等
・推進内容;地域資源を活用した占冠村の産業活性化についての計画づくり等
・スタート:「ビジョン」策定後、導入具体化の次段階の補助制度申請に対応して
177
図 9-3-1 新エネルギービジョンの推進
地域・住民
事業者・団体
・エネルギーへの関心
参加・協働
・使用エネルギー効率化
・セミナー、活動参加
・新エネルギーの導入
・節約、導入促進行動
・技術開発と事業化
村内推進協議会
行政(自治体)
相談窓口
・地域状況を踏まえた総合的計画
環境・エネルギー教育
・積極的な普及啓発活動
窓口
制度支援
・公共施設への率先した導入、施策
「計画構想」
・省エネルギー推進
庁内推進委員会
参加・要望
諮問機関:シモカププロジェクト(仮称)
導入促進・具体化
大学・研究機関とも連携
図 9-3-2 占冠村における新エネルギー導入のフロー
導入の基本方向
の設定
占冠村新エネルギー
ビジョン(2005年度)
5つの基本的視点:
〔1〕占冠村の豊かな
自然を活かした地域
資源を活用
〔2〕トマム地域の観
光産業に貢献
〔3〕公共分野での率
先的導入
〔4〕エネルギー利用
の新規開拓
〔5〕普及啓発
公共分野主導の
新エネルギー導入
事業者・村民全体
の行動へ
占冠村全域の環境像の
共有・新しい村づくり
公共分野(各部署への普及啓発)
太陽光発電の導入(総合センター・教育施設など)
ハイブリッド発電の導入(街路灯等の照明など)
森林系バイオマスの利用(ペレットストーブ設置、総合センター・教育施設など)
廃棄物系バイオマスの利用(廃食用油や廃棄山菜の資源化検討)
雪氷熱エネルギーの利用(福祉施設など)
温度差エネルギーの導入検討
クリーンエネルギー自動車(ハイブリッド自動車)の導入(公用車・公共機関)
小水力エネルギーの導入検討
普及啓発事業
新エネルギー導入体制の整備
導入推進体制
支援体制・法制度
産業分野(各事業所への普及啓発と新エネ・省エネの推進)
太陽光発電・風力発電の利用∼環境保全・観光資源
森林系バイオマスの利用∼林業再生・新規事業
廃棄物系バイオマスの利用(廃食用油・生ごみの資源化)
雪氷熱エネルギーの利用(食品保冷や施設冷房など)
クリーンエネルギー自動車の導入
天然ガス・温度差・燃料電池∼石油代替
小水力発電の利用∼環境保全・観光資源
自然と共生する
持続可能なむらづくりの実現へ
基本となる
エネルギーの転換
太陽エネルギー
風力エネルギー
バイオマスエネルギー
雪氷熱エネルギー
温度差エネルギー
天然ガス
クリーンエネルギー自動車
(小水力エネルギー)
など
民生分野(普及啓発活動への村民参加→村民主導の普及啓発・環境保全活動)
太陽光発電の利用(一般住宅)・小型風車の利用(一般住宅)
ペレットストーブの導入(一般住宅)・クリーンエネルギー自動車の利用(自家乗用車)
小水力発電の利用(一般住宅)
178
第4節
支援制度・法制度
新エネルギー導入の意義は、いうまでもなく資源有限化と地球温暖化という課題に対す
る地域固有のエネルギー資源の活用ですが、実際の導入には財政面の見通し・経済性の予
測を立てねばなりません。今後の取り組みに当たっては、施設・機器導入等への公的補助
制度の利用や、環境保全の面からの法制度化の動向などに留意することが必要です。
(1)占冠村が活用できる助成制度
国や北海道、民間団体では、地域への新エネルギー普及・導入の支援策として各種補助
制度を設置しています。これらの活用もあわせて事業化可能性の検討や個別プロジェクト
ごとの実施計画の策定、実施設計など実施に向けた作業に取り組んでいくことが有効です。
ここでは、NEDO と北海道、2つの財団法人による新エネルギーの代表的な補助事業を
紹介します。
(参考)巻末資料に他省庁・他団体の助成制度を記載します。
◎NEDOの支援事業(補助事業の代表例)
1.新エネルギービジョン策定等事業:定額(全額)補助、地方公共団体等
①地域新エネルギービジョン策定調査;単年
(←今回の事業)
②重点テーマに係る詳細ビジョン策定調査;〃 →①の翌年以降可能
③事業化フィージビリティスタディ調査;〃
→
〃
(事業化前提)
2.地域新エネルギー導入促進事業:導入:1/2 補助、普及啓発:定額補助
①一定要件の規模の導入;太陽光 10kW以上・集熱面積 100m2以上・雪氷熱貯蔵 100t以上
②上記に関して自治体が実施する啓発事業
3.新エネルギー・省エネルギー非営利活動促進事業:1/2 以内補助,NPO・民間団体
①設備導入=営利を目的としないで設備導入;太陽光・熱、風力は設備規模要件なし
②普及啓発=
〃
普及啓発;
(各種教室、展示、集会・・・)
4.地域省エネルギービジョン策定事業:定額補助,地方公共団体等
①(初期段階調査)地域省エネルギービジョン策定調査;単年(基本調査・計画)
②重点テーマに係る詳細ビジョン策定調査;〃 →①の翌年以降可能
③事業化フィージビリティスタディ調査;〃
→
〃
(事業化前提)以下、略
1)新エネルギー導入ための手順には、1―①の策定後に上記1―②(重点テーマのシステム全体の具体化検討
を行う場合)、又は4―①(省エネルギーの推進を図る場合)の制度活用が検討される。
2)1−②は、①の報告書に盛り込まれた重点プログラム(個別プロジェクト)を選定して、その詳細な見通しをたて
るもの。
3)4−①は、地域のエネルギー使用状況を公共施設以外の事業者・一般家庭までを対象に調査・分析し、(新エ
ネルギービジョンと同様に総合的に)省エネルギー対策を提案する。
◎北海道の支援事業
北海道農政部
① 新山村振興等農林漁業特別対策事業:1/2 以内、市町村・農協・森林組合・漁協・
農林漁業者等の組織する団体等(地域資源循環活用施設)
179
② 農村振興総合整備統合補助事業:1/2 以内、市町村、一部事務組合等(地域資源利
活用施設整備)
③ バイオマスの環づくり交付金事業:1/2 以内、市町村、農協等(バイオマス利活用
に係る調査検討、バイオマス利活用施設の整備)
北海道水産林務部
④ 木質バイオマス資源活用促進事業:1/2 以内、市町村、流域森林・林業活性化セン
ター、木材関連業者の組織する団体(地域における基礎調査・検討、木質ペレット
製造施設、ペレットボイラー、ペレットストーブ)
⑤ 林業・木材産業構造改革事業(森林バイオマス等活用施設整備事業)
:1/2 以内又は
4/10 以内)、市町村、森林組合、生産森林組合、森林組合連合会、林業者等の組織
する団体、地方公共団体等が出資する法人(炭化施設、発電施設、ボイラー施設、
燃料製造施設等)
北海道地方環境事務所
⑥ 再生可能エネルギー高度導入地域整備事業:1/2、民間団体(再生可能エネルギーの
高度導入のための施設整備)
⑦ 二酸化炭素排出量削減モデル住宅整備事業(環の匠住宅整備事業):定額 40 万円、
住宅設置者(個人)
(住宅用の太陽光発電システム、断熱資材、高効率給湯器をパッ
ケージで導入)
⑧ 温暖化防止活動支援事業:委託、都道府県センター、NGO・NPO 法人等(地球温
暖化防止活動推進員等への研修、地域協同実施排出抑制対策推進モデル)
北海道環境生活部
⑨ 循環型社会形成推進交付金:原則 1/3、地方公共団体(新増設に係る事業)
⑩ 廃棄物再生利用施設整備事業(ゴミゼロエミッション型地域社会形成推進施設整備
事業)
:1/4 又は 1/2、民間事業者(廃棄物処理・リサイクル施設整備に係る工事費)
北海道経済部資源エネルギー課
⑪ 地域政策総合補助金(新エネルギー等開発利用施設整備事業):1/2 以内、市町村、
一部事務組合、広域連合(施設整備事業)
⑫ 地域政策総合補助金(省エネルギー・新エネルギー促進事業)住宅用太陽光発電シ
ステム導入支援事業:1/2 以内、市町村(市町村補助事業、普及啓発事業)
⑬ 地域政策総合補助金(省エネルギー・新エネルギー普及促進事業)
:1/2 以内、民間
団体等(セミナー等省エネルギー・新エネルギーに関する普及促進事業)
◎民間団体の独自制度
(財)新エネルギー財団:住宅用太陽熱高度利用システム導入促進対策費補助金:定
額、住宅用太陽熱高度利用システム設置者
(財)北海道地域総合振興機構(はまなす財団):北海道グリーン電力基金助成(太陽
光発電、風力発電、バイオガス発電)
:10 万円/kW、上限 100 万円(太陽光発電)、200
万円(風力発電、バイオガス発電)
、個人・法人・NPO 法人等
(財)日本自動車研究所、(社)日本ガス協会、(財)エコ・ステーション推進協会:
クリーンエネルギー自動車等導入促進事業:1/2 以内、1/3 以内ほか
180
(2)占冠村として想定される助成制度
新エネルギー導入にあたり、その地域に居住する一般家庭(住民組織・事業者)への普
及は、行政による独自の補助制度により促進されます。財源等の課題はありますが、専任
の相談窓口の設置を含めた対応が検討されます。
◎道内の自治体の助成制度例
函館市・室蘭市・釧路市・帯広市・北見市・網走市・千歳市・長沼町・足寄町・陸別
町:太陽光発電システム導入支援事業
美唄市:新エネルギー総理導入助成制度、雪氷冷熱エネルギー導入事業補助金
沼田町:雪冷房システムの設置
登別市:起業化支援事業補助制度、新産業創造活動事業補助制度
滝上町:森林資源循環利用促進補助(ペレットストーブ、ペレットボイラー、チップ
ボイラー等)
足寄町:木質バイオマス資源活用促進事業(ペレットストーブ設置等)
(参考)下川町では、2004 年 3 月に森林づくり寄付条例を設け、循環型林業を中心とした持続可能な森林づくりを
進めることに賛同する個人や企業等から寄付金を募っています。(2005 年 12 月現在で寄付金額 809 万円)
(3)法制度
欧州では特に北欧を中心に、エネルギーの自給向上と脱化石燃料化に向けて地球温暖化
防止の立場から、法制度により新エネルギー導入の普及化・実用化が進行しています。
日本では、電力小売の自由化(2 千 kW 以上の大口電力の民間参入)や、電気事業者に一
定量以上の購入を義務づけた RPS 法が制度化されていますが、環境税については検討中で
す。尚、車税グリーン化(低公害車の軽減措置)や、民間の「環境価値取引」は開始され
ています。
(参考)英語の「environmental benefit環境がもたらす社会的効用」は、CO2削減・河川の水質浄化効果などの公共
的利益を売買取引するもの。CO2の義務量の達成が困難な場合に、それを超過達成している所から購入
する方式。最近、江別・町村農場(バイオマス発電で年間 110tのCO2削減)から外資系医薬品メーカーが年
間 100 万円で購入した。排出量取引の項も参照。
◎環境税
製品やサービスの価格に環境負荷に応じた税金を上乗せする課徴金制度。日本では現在、
炭素換算 1t 当り 2,400 円相当の税率で、地球温暖化対策として①森林の整備・保全、②自
然エネルギー等普及促進、③住宅・ビルの省エネ化などに用いることとし、年間の一世帯
当たりの負担額は 2,100 円程度と試算されています。
(参考)環境省案では 2007 年 1 月導入が構想されていますが、2005 年 11 月現在、政府税制調査会の 2006 年度
税制改正の答申原案では、環境税の導入は「今後、検討すべきだ」として先送りしています。
(参考)森林整備の財源として自治体が独自に課税する「森林環境税」が、2006 年度は新たに6県で導入される。
すでに導入ずみの高知、岡山など8県と合わせると計 14 県になる。また、2県で 2007 年度から導入するこ
とが正式決定しており、検討中の自治体を含めると、独自課税の動きがさらに広がりそうだ。(森と木と人
のつながりを考える WEB サイト J-FIC:http://www.j-fic.com/より)
181
(欧州の地球温暖化に関する税制:環境省資料に基づき作成)
国
名
ノルウェー
デンマーク
オランダ
名
称
CO2税
CO2税
一般燃料税
導入年次
1991 年
1992 年
1988 年
概
要
軽 減 措 置
LPG、航空燃料除く化石燃料。
製紙パルプ製造業
既存エネルギー税に上乗せ。
漁業等
ガソリン除く。炭素含有量に応じた額を既存エ
漁船
ネルギー税に上乗せ。温室効果ガス削減を協
火力発電所の石
定した企業は軽減。
炭消費
炭素含有量に応じた額を既存エネルギー税に
天然ガスの大量消
上乗せ。
費者
エネルギー規制税
1996 年
経由・LPG・灯油・天然ガス・電力に上乗せ
温室園芸業
ドイツ
環境税制改革
1999 年
石炭を除く既存の鉱油税の増税。
製造業、漁業等
イギリス
気候変動税
2001 年
既存エネルギー税が課税されていない LPG・
園芸生産者、鉄鋼
天然ガス・石炭・電力に課税。
業の石炭等
注/その他、イタリア・フィンランド・スウェーデンでの温暖化対策税を実施。
◎新エネルギーの電力利用:RPS 制度(Renewable Portfolio Standard)
日本では、2003 年「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」によ
り、2010 年までに全発電中に再生可能エネルギー1.35%を導入目標としました。しかし、
スペイン・デンマーク・イタリアは約 30%、英・独・蘭は約 10%を目標化しており、その
購入比率を更に高める方向性(3 年後見直し)が求められています。尚、消費者にも一定の
購入を課したグリーン電力制度(新エネルギーにより発電された電力購入)もドイツ等で
は先行しています。
(ドイツの取り組み経緯:紹介)
概要/風力発電量は世界一。再生可能エネルギーは総電力の9%を占める。
1991 年「再生可能エネルギー源由来の電力を配電網に入れる法律」;高い売電価格保障
2000 年「再生可能エネルギー源に高い優先順位を与える法律」;バイオマスも高額保障
2001 年「バイオマス発電に関する法令」;助成対象のバイオマス、特に木質廃棄物区分
2004 年「(上記バイオマス令の)改正」;小規模や先進的バイオマスプラントに厚遇価格
2005 年(予定);間伐材の切り捨て禁止
◎排出量の取引:
CO2の排出量を国別に上限設定し、その枠に収まった分(上限との差)を他国に売却でき
る権利のこと。国際取引は 2008 年からですが、民間では相対取引が始まっています。日本
の仕組みは、CO2削減の自主計画を持つ企業を業界毎に 20 社程選定、未達成の企業がそれ
を購入するという案が出されています。
2005 年 1 月からは、欧州連合(EU)全体でCO2をコスト効率よく削減することを目的と
して、独自のCO2の排出権取引制度が始まりました。EU内のCO2の多量排出事業者に対し
て排出許容量を設定して排出権として割り当て、割当量を上回った事業者と下回った事業
者で排出権を売買できる仕組みとなっています。
182
第5節
普及啓発事業
新エネルギー導入を計画し具体化していくには、地域住民や事業者への普及・啓発活動
が不可欠です。本「報告書」の趣旨・意義を情報化し、様々な方法・機会において幅広く
共有することにより導入促進も加速されていきます。
(1)対象別取り組み
◎村民
◇ねらい:新エネルギーの内容、導入意義の理解と共有
◇内
容:資料公開、周知、意見の集約、先進例紹介、補助制度紹介
◇方
法:報告書閲覧、概要版頒布、広報・ホームページ、説明会・シンポジウム
◎事業者
◇ねらい:エネルギーを大規模使用する施設への導入意義、補助制度等の条件提示
◇内
容:電気・重油・ガス等の効率化、車両の切替、事業系ごみ・廃棄物の処理改善
◇方
法:情報提供、先進紹介、相談窓口→制度活用、リーダー養成、研究会発足
◎住民団体
◇ねらい:環境・リサイクル関係や教育・消費者団体、NPO 組織等との協力・協同
◇内
容:資源活用・化石燃料の節約・省エネルギー行動の共有、先進的役割
◇方
法:情報提供、先進紹介、相談窓口→制度活用、リーダー養成、研究会発足
◎その他
◇学校教育:環境・エネルギー学習、出前・体験メニュー、ツール用意
◇村外むけ:(一定の導入進行の中で)近隣や道内外への PR、地場産・土産に付加価値
183
資料
・ 助成制度一覧・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
・ 占冠村地域新エネルギービジョン策定委員会設置条例・・・・・・・・・11
・ 占冠村地域新エネルギービジョン策定委員会委員名簿・・・・・・・・・12
Ⅰ
1
補助制度
覧
○
太陽光発電新技術等フィールドテ
スト事業(1/2 相当額)
6
風力発電フィールドテスト事業
(風況精査:1/2 相当額)
7
中小水力発電開発事業
(2/10、1/10、1/2)
一般電気事業者、公営
電気事業者等卸供給事
業者、卸電気事業者等
施設設置費
8
地熱発電開発事業
(1/2 以内、1/5 以内、3/10 以内)
調査井掘削又は
地熱発電施設の
設置を行う者等
新エネルギー・省エネルギー非営
利活動促進事業
(1/2 以内)
エネルギー使用合理化事業者支
援事業
(1/2 以内又は 1/3 以内)
NPO 法人等
調査坑井掘削事業
費、地熱発電施設設
置事業、新技術発電
施設設置事業
謝金、旅費、諸経費
○ ○ ○ ○ ○
天然ガス
○ ○
その他
※
温度差
○ ○ ○ ○ ○
バイオマス
○ ○ ○
※
○
○ ○ ○
※
○
○ ○ ○ ○ ○ ○
※
温度差
天然ガス
※
○ ○ ○ ○ ○ ○ 温度差
天然ガス
風況精査
○
○
○
○ ○ ○
※
○ ○ ○
全業種
クリーン車
民間企業、各種団
体等(地方公共団
体等)
民間企業、各種団
体等(地方公共団
体等)
新型モジュール採用型、
建材一体型、新制御方式
通用型、効率向上追求型
燃料電池
○ ○
コージェネ
設計費、機械装置購
入費、工事費、諸経
費、謝金、旅費、庁費
廃棄物発電
地方公共団体等、
非営利民間団体
廃棄物熱
○ ○
廃棄物燃料
地域新エネルギービジョ
ン策定調査、重点テーマ
に係る詳細ビジョン策定
調査、事業化フィージビリ
ティスタディ調査
○
排熱
地方公共団体(広
域地区を含む)、
地方公共団体の
出資に係る法人等
地熱
バイオマス等未活用エネルギーに
係るデータ分析や利用システムの
実用性の検証等の事業化フィー
ジビリティスタディ調査
○
※
太陽熱
地方公共団体、企
業等
○ ○
潮汐
○ ○
波力
設計費、設備費、工事
費、諸経費
5
10
一
水温度差
地域新エネルギー導入促進事業
(1/2 以内又は 1/3 以内、定額)
9
度
バイオマス
民間事業者等
雪氷
新エネルギー事業者支援対策事
業(補助事業)
(1/3 以内)
バイオマス等未活用エネルギー事
業調査事業
(定額−上限 1 千万円)
地域新エネルギービジョン策定等
事業
(定額−100%)
対象事業等
中小水力
1
対象者
風力
(補助率)
4
制
新エネルギー
太陽光
号
省エネルギー
制度名
3
成
掲載されている助成制度の対象設備や融資利率等については、変更される場合があります。
番
2
助
省エネルギーに係る設
備及び工事一式
○
1
○
※
○ ○ ○ ○ ○ ○ 温度差
天然ガス
問い合わせ先
北海道経済産業局資源エネル
ギー環境部新エネルギー対策
課
北海道経済産業局資源エネル
ギー環境部新エネルギー対策
課
独立行政法人新エネルギー・
産業技術総合開発機構北海道
支部北海道事業管理センター
独立行政法人新エネルギー・
産業技術総合開発機構北海道
支部北海道事業管理センター
独立行政法人新エネルギー・
産業技術総合開発機構北海道
支部北海道事業管理センター
独立行政法人新エネルギー・
産業技術総合開発機構北海道
支部北海道事業管理センター
独立行政法人新エネルギー・
産業技術総合開発機構北海道
支部北海道事業管理センター
独立行政法人新エネルギー・
産業技術総合開発機構北海道
支部北海道事業管理センター
独立行政法人新エネルギー・
産業技術総合開発機構北海道
支部北海道事業管理センター
独立行政法人新エネルギー・
産業技術総合開発機構北海道
支部北海道事業管理センター
クリーン車
潜熱回収型給湯
器を導入しようとす
る者
該当するガス管の
所有者
ガスエンジン給湯
器を導入しようとす
る者
全業種
燃料電池
クリーンエネルギー自動
車購入者、燃料供
給施設設置者
全業種
コージェネ
22
クリーンエネルギー自動車等導入
促進事業
(1/2 以内、1/3 以内ほか)
エネルギー多消費型設備 天然ガ
ス化推進補助事業
(1/3 以内)
潜熱回収型給湯器導入支援補助
事業
(1/2 以内)
経年埋設内管対策費補助事業
(1/2)
ガスエンジン給湯器導入導入支援
補助事業
(1/2)
先導的負荷平準化ガス冷房システ
ム導入モデル事業費補助金
(1/3 以内)
廃棄物発電
21
エネルギー供給事業者主導型総
合省エネルギー連携推進事業
(1/2、定額)
地方公共団体、民間
団体等(複数の実施
主体が共同して実
施)
エネルギー供給事業
者、地方公共団体及
び建築主(所有者)
等
廃棄物熱
20
バイオマスエネルギー、雪
氷熱エネルギー利用システ
ム
本補助事業での設備
導入後のデータ収集、
解析事業等
モデル事業、FS 事業
廃棄物燃料
19
地方公共団体、企
業、公益法人、大
学等の法人等
民間団体等
排熱
18
バイオマス等未活用エネルギー実
証試験事業
(1/2)
エネルギー需要最適マネジメント
推進事業
(定額)
民生部門等地球温暖化対策実証
モデル評価事業
(定額)
地熱
17
地域省エネルギービジョン策
定調査、重点テーマに係る詳
細ビジョン策定調査、事業化
フィージビリティスタディ調査
太陽熱
16
地方公共団体(広域
地区を含む)、地方
公共団体の出資に
係る法人等
潮汐
15
指定システム等と導入
する費用
波力
14
住宅・建築物高効率エネ
ルギーシステム導入者、
BEMS 導入者
水温度差
13
住宅・建築物高効率エネルギーシ
ステム導入促進事業
(1/3)
地域省エネルギービジョン策定等
事業
(定額)
バイオマス
12
対象事業等
雪氷
11
対象者
中小水力
(補助率)
風力
号
太陽光
制度名
省エネルギー
番
新エネルギー
その他
独立行政法人新エネルギー・
産業技術総合開発機構北海道
支部北海道事業管理センター
独立行政法人新エネルギー・
産業技術総合開発機構北海道
支部北海道事業管理センター
○
○
独立行政法人新エネルギー・
産業技術総合開発機構北海道
支部北海道事業管理センター
独立行政法人新エネルギー・
産業技術総合開発機構北海道
支部北海道事業管理センター
独立行政法人新エネルギー・
産業技術総合開発機構北海道
支部北海道事業管理センター
○ ○
○
○
総合省エネルギー連携推進
導入促進事業、総合省エ
ネルギー連携推進等広報事
業
自動車購入費、エコ・ス
テーション、急速充填設
備、昇圧供給装置
設計費、既存設備撤
去費、新規設備機器
費等
機器費、特殊工事費
問い合わせ先
独立行政法人新エネルギー・
産業技術総合開発機構北海道
支部北海道事業管理センター
○
○
天然ガス
(財)日本自動車研究所、
(社)日本ガス協会
(財)エコ・ステーション推進協会
(社)日本ガス協会
○
(社)日本ガス協会
○
経年埋設内管改善工
事に要する費用
機器費、特殊工事費
天然ガス
(社)日本ガス協会
(社)日本ガス協会
○
本システム及び計測機
器の設備費、工事費
天然ガス
○
2
(社)日本ガス協会エネルギー
システム部
クリーン車
燃料電池
バイオマスの環づくり交付金事業
(1/2 以内)
問い合わせ先
○
(財)新エネルギー財団導入促
進本部太陽光発電部
(財)新エネルギー財団導入促
進本部太陽熱利用部
○
○
(財)省エネルギーセンターアイ
ドリングストップ支援プロジェクト
室
○
(財)ヒートポンプ・蓄熱センター
○
○ ○
○ ○
○ ○
○ ○
○
○ ○
○
○
未利用資源活用施設
地域資源利活用施設
整備
農業用施設整備事業
コージェネ
33
廃棄物発電
畜産環境総合整備事業
廃棄物熱
32
廃棄物燃料
31
排熱
農村振興総合整備統合補助事業
(1/2 以内)
畜産担い手育成総合整備事業(再
編整備型事業)
地熱
30
太陽熱
経営構造対策事業
(1/2 以内)
地域資源循環活用施
設
潮汐
29
市町村、農協、森
林組合、漁協、農
林漁業者等の組
織する団体等
市町村、農協、農
業者の組織する団
体、PFI 事業者等
市町村、一部事務
組合等
受益者(事業実施
主体:北海道農業
開発公社)
受益者(事業実施
主体:北海道農業
開発公社)
市町村、農協等
CO2 冷媒ヒートポンプ
給湯器購入費用
波力
28
システム導入者
その他
石油連盟北海道石油システム
センター
太陽光発電システム設
置費用
太陽熱高度 利 用シス
テム設置費用
アイドリングストップ自
動車購入費用
水温度差
27
住宅用太陽熱高
度利用システム設
置者
個人、法人、自治
体
バイオマス
26
環境対応型高効率業
務用ボイラ等機器購入
費用
雪氷
25
住宅用太陽光発電導入促進事業
(定額)
住宅用太陽熱高度利用システム
導入促進対策費補助金
(定額)
自動車燃料消費効率改善システム
導入促進事業費補助金(アイドリング
ストップ自動車導入促進事業)
(1/2 以内)
住宅・建築物高効率エネルギーシ
ステム導入促進事業費補助金(高
効率給湯器導入支援事業)
(定額)
新山村振興等農林漁業特別対策
事業
(1/2 以内)
環境対応型高効
率業務用ボイラ等
を導入し、その導
入効果を検証する
者
個人、法人等
中小水力
24
環境対応型高効率業務用ボイラ等
導入効果実証事業
(1/5)
対象事業等
風力
23
対象者
太陽光
号
制度名
(補助率)
省エネルギー
番
新エネルギー
○ ○ ○
○
北海道農政部農業支援課、各
支庁農業振興部農務課
北海道農政部農業支援課、各
支庁農業振興部農務課
北海道農政部農村整備課
北海道農政部農地整備課
○ ○
家畜排せつ物等地域
資源循環利用施設の
整備
北海道農政部農地整備課
○ ○
バイオマス利活用に係る
調査検討、バイオマス利
活用施設の整備等
○
3
北海道農政部農業支援課、農村整
備課、食の安全推進室食品政策
課、畜産振興課、各支庁農業振興
部農務課
クリーン車
燃料電池
都市再生環境モデル、
設備整備モデル
コージェネ
民間団体
問い合わせ先
北 海道 水 産 林 務 部漁 港 漁村
課、各支庁経済部水産課
北 海道 水 産 林 務 部木 材 振興
課、各支庁経済部林務課
○
北 海道 水 産 林 務 部林 業 振興
課、各支庁経済部林務課
○
○
○
○ ○ ○
○
○ ○ ○
○ ○ ○
○ ○ ○
○
○
北海道地方環境事務所環境対
策課
○ ○
北海道地方環境事務所環境対
策課
○ ○ ○ ○ ○
北海道地方環境事務所環境対
策課
○
○
○
北海道地方環境事務所環境対
策課
○ ○
高効率な廃棄物エネ
ルギー利用施設の整
備
CDM/JI 等のプロジェ
クト
省エネルギー・石油代替
エネルギーによるCO2 排
出抑制設備の整備
廃棄物発電
44
民間団体
廃棄物熱
温室効果ガスの自主削減目標設
定に係る設備補助事業
(1/3)
地球温暖化対策ビジネスモデルイ
ンキュベーター(起業支援)事業
(1/2)
廃棄物燃料
43
排熱
CDM/JI 設備補助事業
(1/2)
民間団体(廃棄物
処理業を主たる業
とする事業者)
民間団体
地熱
42
民間団体(地域協
議会の構成員)
バイオエタノール混合ガソリン等利
用促進、ボイラ等用バイオエタノー
ル利用促進
電圧調整装置導入、民生用小
型風力発電システム導入、家庭
用小型燃料電池導入、複層ガ
ラス等省エネ資材導入
太陽熱
41
地域協議会代エネ・省エネ対策推
進事業
(1/3)
廃棄物処理施設における温暖化
対策事業(1/3 以内)
省エネ改修、新エネ導
入施設整備
潮汐
40
民間団体
対策技術率先導入、学校への
燃料電池導入、燃料電池自動
車普及、都道府県センター普及
啓発・広報、低公害車普及、
自動車燃費改善補助
波力
39
地球温暖化を防ぐ学校エコ改修事
業
(1/2)
再生可能燃料利用促進補助事業
(1/3)
地方公共団体、都
道府県地球温暖
化防止活動推進
センター
地方公共団体
水温度差
38
地方公共団体率先対策補助事業
(1/2、一部定額)
その他
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
地域における基礎調査・
検討・木質ペレット製造施
設、ペレットボイラ、ペレットストー
ブ
炭化施設、発電施設、
ボイラ施設、燃料製造
施設等
バイオマス
37
林業・木材産業構造改革事業(森
林バイオマス等活用施設整備事
業)
(1/2 以内又は 4/10 以内)
市町村、流域森林・
林業活性化センタ
ー、木材関連業者の
組織する団体
市町村、森林組合、
生産森林組合、森林
組合連合会、林業者
等の組織する団体、
地方公共団体等が
出資する法人
共同利用施設への自
然エネルギー供給施
設の整備等
雪氷
36
市町村、漁協等
中小水力
35
漁港漁村活性化対策事業(強い水
産業づくり交付金(漁村コミュニティ
基盤整備))
木質バイオマス資源活用促進事業
(1/2 以内)
対象事業等
風力
34
対象者
太陽光
号
制度名
(補助率)
省エネルギー
番
新エネルギー
○
北海道地方環境事務所環境対
策課
○ ○ ○
北海道地方環境事務所環境対
策課
〔目的に応じ、対応しています〕
北海道地方環境事務所環境対
策課
○
○
○
4
○ ○ ○ ○
左記○
印は例
示
北海道地方環境事務所環境対
策課
クリーン車
民間事業者
温暖化対策技術開発
燃料電池
民間、公的研究機
関
地方公共団体
コージェネ
都道府県センタ
ー、全国センター
廃棄物発電
省エネ・代エネ対策の
ためのモデル事業
地域特性を活かした温
暖化対策モニター
廃棄物熱
56
民間団体
廃棄物燃料
55
CDM/JI 事業調査、有
効化審査モデル
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
排熱
54
民 間 団 体 ( CDM/J1
について具体的なプ
ロジェクトの調査を行う
ことのできる団体及
び検証機関)
地球温暖化防止活動推
進員等への研修、地域協
同実施排出抑制対策推
進モデル
地熱
53
主体間連携モデル推進事業(委
託)
地域特性を活かした都道府県地球
温暖化防止活動推進センター事
業(委託)
地球温暖化対策技術開発事業
(委託)
循環型社会形成推進交付金
(原則 1/3)
廃棄物再生利用施設整備事業(ゴ
ミゼロ型地域社会形成推進施設整
備事業)(1/4 又は 1/2)
協議会の運営等ソフト
事業、代エネ・省エネ
設備設置
太陽熱
52
CDM/J1事業調査(委託)
選定評価委員会
によって選定され
たモデル地域に
おける協議会
都道府県センタ
ー、NGO、NPO
法人等
潮汐
51
温暖化防止活動支援事業(委託)
住宅用太陽光発電システ
ム、断熱資材、高効率給
湯器をパッケージで導入
波力
50
住宅設置者(個
人)
水温度差
49
民間団体
バイオマス
48
民間団体
再生可能エネルギー
の高 度導 入 のた めの
施設整備
中小規模の業務用施
設等への省エネ施設
等の導入
省エネ型低温用自然
冷媒冷凍装置の導入
雪氷
47
民間団体
中小水力
46
再生可能エネルギー高度導入地
域整備事業
(1/2)
業務部門二酸化炭素削減モデル
事業
(1/3)
省エネ型低温用自然冷媒冷凍装
置の普及モデル事業
(1/3)
二酸化炭素排出量削減モデル住
宅整備事業(環の匠住宅整備事)
(定額:40 万円)
地球温暖化を防ぐ地域エコ整備事
業(委託、2/3)
対象事業等
風力
45
対象者
太陽光
号
制度名
(補助率)
省エネルギー
番
新エネルギー
○ ○ ○
その他
問い合わせ先
北海道地方環境事務所環境対
策課
○
北海道地方環境事務所環境対
策課
○
北海道地方環境事務所環境対
策課
○ ○
北海道地方環境事務所環境対
策課
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
〔目的に応じ、対応しています〕
北海道地方環境事務所環境対
策課
北海道地方環境事務所環境対
策課
北海道地方環境事務所環境対
策課
北海道地方環境事務所環境対
策課
北海道地方環境事務所環境対
策課
○
○
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
新増設に係る事業
廃 棄 物 処 理 ・ リサ イ ク
ル施設整備にかかる
工事費等
5
○
○ ○ ○
○
○ ○
北海道地方環境事務所環境対
策課
北海道環境生活部環境室循環
型社会推進課
北海道環境生活部環境室循環
型社会推進課
クリーン車
燃料電池
コージェネ
廃棄物発電
廃棄物熱
廃棄物燃料
排熱
市町村補助事業、普
及啓発事業
地熱
市町村
太陽熱
施設整備事業
潮汐
63
市町村、一部事務
組合、広域連合
波力
62
調査研究、当該学校
等の建物等の整備
水温度差
61
都道府県、市町村
バイオマス
60
リサイクル関係施設等
の整備に要する経費
雪氷
59
民間団体、市町村
等
中小水力
58
資源循環型地域振興施設整備費
補助金
(1/3 又は 1/2−上限 10 億円)
環境を考慮した学校施設(エコスク
ール)の整備推進に関するパイロッ
ト・モデル事業
(全額又は 5.5/10 以内)
地域政策総合補助金(新エネルギ
ー等開発利用施設整備事業)
(1/2 以内)
地域政策補助金(省エネルギー・
新エネルギー促進事業)(住宅用
太陽光発電システム導入支援事
業)
(1/2 以内)
地域政策総合補助金(省エネルギ
ー・新エネルギー促進事業)(省エ
ネルギー・新エネルギー普及促進
事業)
(1/2 以内)
研究開発補助事業及び共同研究
開発補助事業(北海道創造的中
小企業育成条例)
(1/2 以内又は 2/3 以内)
中心市街地等商店街整備事業費
補助金
(1/2 以内)
対象事業等
風力
57
対象者
太陽光
号
制度名
(補助率)
省エネルギー
番
新エネルギー
その他
問い合わせ先
北海道環境生活部環境室循環
型社会推進課
○
木材利
用
緑化
北海道教育庁企画総務部学校
施設課
天然ガ
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ス
北海道企画振興部地域政策課・経済部
資源エネルギー課、各支庁地域政策部地
域政策課・経済部商工労働観光課
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
北海道経済部資源エネルギー
課
○ ○
民間団体等
中小企業者
商店街振興組合
等
シンポジウム、講演会
等省エネルギー・新エ
ネルギーに関する普
及促進事業
原材料、副材料費、治
具・工具・外注加工費
等
地球環境対応型商店
街の整備、省エネルギ
ー対応型商店街の整
備
北海道経済部資源エネルギー
課
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
(財)北海道中小企業総合支援
センター新産業育成部、北海道
経済部商工振興課
北海道経済部商業経済交流課
○ ○
○
6
○
2
融
資
制
度
等
番
制
度
名
補
助
率
者
対
象
事
業
等
)
ー
号
太
風
陽
光
力
1 地域エネルギー開発利用事業普及促進融
資(利子補給)
地方公共団体、民間企業、 地熱、温度差熱、廃熱、
組合等
廃棄物利用事業
2 地域エネルギー開発利用発電事業普及促
進融資(利子補給)
地方公共団体、民間企業、 風力、地熱、廃熱利用、
組合等
廃棄物利用、太陽光発電
事業
○
○
3 新エネルギー・自然エネルギー開発融資
一般電気事業者、卸売電 水力発電所、風力発電施
気事業者、自家用電気工 設、太陽光発電施設、地
作物設置者
熱発電所、燃料電池
○
○
国際環境マネジメントシ
ステム構築推進等
○
5 省エネルギー対策推進融資
株式会社等
省エネルギー推進事業、
コージェネレーションシ ○
ステム整備等
7 公害防止・オゾン層保護融資
株式会社等
雪
水 波
温
度
差 力
潮
バ
イ
オ
マ
氷 ス
ル
太
地
ギ
排
熱
熱
廃 廃 廃
棄 棄 棄
物
物
燃 物 発
料 熱 電
○
○
○
○
○
陽
汐
熱
ー
○
コ
燃
料
ジ
電
ェ
ネ 池
○
ク
リ
そ の 他
問
い
合
わ
せ
先
ン
車
(財)新エネルギー財団、
取扱金融機関
(財)新エネルギー財団、
取扱金融機関
○
日本政策投資銀行北海道支店
株式会社等
株式会社等
ネ
○
4 環境配慮型企業活動支援融資
6 循環型社会形成推進融資
中
小
水
力
エ
ー
(
象
新
ー
対
省
エ
ネ
ル
ギ
○
○
○
日本政策投資銀行北海道支店
日本政策投資銀行北海道支店
○
リデュース・リユース・
リサイクル事業等
日本政策投資銀行北海道支店
○
○
○
公害防止事業等
日本政策投資銀行北海道支店
○
8 環境負荷低減型エネルギー供給融資
一般電気事業者、卸売電 石炭火力発電所の建設事
気事業者、一般ガス事業 業、液化ガス発電、天然
者
ガス化促進事業等
9 環境建物融資
株式会社等
石炭火力発
電、天然ガ
ス供給
エコビル整備事業
日本政策投資銀行北海道支店
日本政策投資銀行北海道支店
○
10 エネルギー安定供給融資
株式会社等
11 資源エネルギー資金
中小企業金融公庫法第2 石油代替エネルギーを使
条に定める中小企業者
用・供給する施設
○
12 環境・エネルギー対策貸付(資源エネル
ギー資金)
中小企業者
大陸棚石油、可燃性天然
ガス開発、石油供給機能
整備事業等
石油・天
然ガス開
発供給等
○
○
省エネルギー設備等
○
○
○
○
○
○
○
日本政策投資銀行北海道支店
中小企業金融公庫札幌支店、
取扱金融機関
国民生活金融公庫道内各支店
○
7
番
制
度
名
補
助
率
者
対
象
事
業
等
)
13 環境共生住宅割増融資
個人等
光
○
○
15 農林漁業金融公庫資金
農林漁業者、食品製造業
者等
未利用資源活用施設等
飲食店等経営者
店舗、土地等に要する資
金
○
18 事業活性化資金(事業革新貸付)
19 設備資金貸付制度
20 中小企業高度化資金(設備リース資金)
潮
太
地
排
陽
汐
熱
熱
熱
ー
廃 廃 廃
棄 棄 棄
物
物
燃 物 発
料 熱 電
コ
燃
料
ジ
ェ 電
ネ 池
ク
リ
そ の 他
問
い
合
わ
せ
先
ン
車
○
住宅金融公庫北海道支店
農林漁業金融公庫北海道支店
〔目的に応じ、対応しています〕
施設整備事業
中小企業者等
設備設置
事業協同組合等
水 波
温
度
差 力
バ
イ
オ
マ
氷 ス
ギ
○
市町村、特別地方公共団
体
小規模企業者等
雪
ル
住宅金融公庫北海道支店
住宅
17 北海道市町村振興基金貸付金
力
中
小
水
力
ネ
住宅(割増工事)
14 基準金利適用住宅
(省エネルギータイプ) 個人等
融資
16 施設整備資金貸付
風
陽
ー
号
太
エ
ー
(
象
新
ー
対
省
エ
ネ
ル
ギ
(財)北海道生活衛生営業指
導センター
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
北海道企画振興部地域振興室
市町村課、各支庁地域政策部
地域政策課
○
設備設置
○
○
○
各商工会議所、各商工会、北海道中小企
業団体中央会、北海道経済部金融課、各
支庁経済部商工労働観光課
(財)北海道中小企業総合支
援センター設備資金部、北海
道経済部金融課
設備設置
北海道経済部金融課
○
21 沿岸漁業改善資金貸付金(燃料油消費節
減機器等設置資金)
沿岸漁業者、漁業者の組
織する団体等
○
北海道水産林務部水産経営
課、各支庁経済部水産課
22 沿岸漁業改善資金貸付金(環境保全型ガ
ソリン船外機(4サイクル)設置資金)
沿岸漁業者、漁業者の組 環境保全型ガソリン船外
織する団体等
機(4サイクル)
○
北海道水産林務部水産経営
課、各支庁経済部水産課
23 林業・木材産業改善資金
森林所有者、素材生産業者、 未利用資源利活用機械・
種苗生産業者、林業を営む会 施設、成形燃料製造機械、
炭生産用機械・施設
社、森林組合、市町村等
24 事業化資金貸付事業(北海道創造的中小
企業育成条例)
中小企業者等
推進機関、低速装置
資材の取得費、賃借料、
人件費、原材料・副材料 ○
費
○
○
○
8
○
○
○
北海道水産林務部林業振興
課、各支庁経済部林務課
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
(財)北海道中小企業総合支
援センター、北海道経済部商
工振興課
3
税制上の優遇措置
クリーン車
○ ○ ○ ○
燃料電池
コージェネ
廃棄物発電
廃棄物熱
廃棄物燃料
○
排熱
地熱
○ ○ ○
太陽熱
潮汐
波力
4
○ ○ ○
水温度差
ローカルエネルギー利用設備に対
する固定資産税の軽減(地方税)
設備取得、製作又は
建設
バイオマス
2
個人及び法人のう
ち青色申告書を提
出する者
事業を営む個人
又は法人
雪氷
エネルギー需給構造改革投資促
進税制(国税)
対象事業等
中小水力
1
対象者
風力
(補助率)
太陽光
制度名
号
省エネルギー
番
新エネルギー
その他
北海道経済産業局資源エネル
ギー環境部新エネルギー対策
課
各市町村、北海道企画振興部
地域振興室市町村課
○ ○
設備設置
○ ○
問い合わせ先
○
地方債
クリーン車
燃料電池
コージェネ
廃棄物発電
廃棄物熱
廃棄物燃料
排熱
地熱
太陽熱
廃棄物発電事業、ご
み固形燃料発電事
業、風力発電事業
潮汐
地方公共団体
波力
公営企業債(地方債)
義務教育施設整備事
業、一般単独事業
水温度差
2
地方公共団体
バイオマス
一般会計債(地方債)
対象事業等
雪氷
1
対象者
中小水力
(補助率)
風力
号
太陽光
制度名
省エネルギー
番
新エネルギー
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
※ ※ ※
○
○
※は、一般廃棄物処理施設整備事業の対象となる。
9
その他
問い合わせ先
北海道企画振興部地域振興室
市町村課、各支庁地域政策部
地域政策課
北海道企画振興部地域振興室
市町村課、各支庁地域政策部
地域政策課
5
その他
○ ○ ○ ○ ○
天然ガス
導入調査
○
大規模工場等
診断指導
○
地方自治体等
情報提供、助言等
○
5
北海道グリーン電力基金制度
個人、法人、非営
利活動法人、自治
体
小規模企業者等
6
設備貸与制度
7
農村振興総合整備事業(道営)
地方公共団体
8
中山間地域総合整備事業(道営)
地方公共団体
9
地域新エネルギー導入アドバイザ
ー制度
地方自治体、公共
性を有する団体等
○ ○ ○
太陽光発電、風力発
電、バイオガス発電
○ ○
省エネ ルギー設備等
の貸与
○ ○ ○
地域資源利活用施設
整備
特認事業、地域資源
利活用施設
施設整備・事業運営・
施設管理に関するアド
バイス
○
○
○ ○ ○ ○
問い合わせ先
※
温度差
独立行政法人新エネルギー・
産業技術総合開発機構北海道
支部北海道事業管理センター
独立行政法人新エネルギー・
産業技術総合開発機構北海道
支部北海道事業管理センター
独立行政法人新エネルギー・
産業技術総合開発機構北海道
支部北海道事業管理センター
(社)日本熱供給事業協会
財団法人北海道地域総合振興
機構(はまなす財団)
○
○
その他
○
○
○ ○ ○
クリーン車
燃料電池
コージェネ
廃棄物発電
廃棄物熱
○
廃棄物燃料
排熱
地熱
太陽熱
波力
○ ○ ○
※
潮汐
4
○ ○
水温度差
3
省エネルギー・新エネルギー対策
導入促進事業(省エネルギー対策
導入調査事業)
省エネルギー・新エネルギー対策
導入促進事業(省エネルギー対策
導入指導事業)
地域最適エネルギー供給システム
アドバイザー制度
設計費、設備費、工事
費、諸経費
バイオマス
2
主務大臣の認定
を受けた民間企業
等
複数工場等
雪氷
新エネルギー事業者支援対策事
業(債務保証)
対象事業等
中小水力
1
対象者
風力
(補助率)
太陽光
制度名
号
省エネルギー
番
新エネルギー
○
○
○
○
○ ○ ○
(財)北海道中小企業総合支援
センター設備資金部、北海道
経済部金融課
北海道農政部農村整備課
北海道農政部農村整備課
○
北海道企業局発電課
○ ○ ○
○
○
(資料)北海道経済部「省エネルギー・新エネルギー関連助成制度一覧」(平成 17 年 5 月現在)
10
占冠村地域新エネルギービジョン策定委員会設置条例
(目的)
第1条 占冠村における新エネルギーの現状を調査し、その活用の検討を行うため、地方自
治法(昭和22年法律第67号)第138条の4代3項の規定により、占冠村地域新エ
ネルギービジョン策定委員会(以下「委員会」という。)を設置する。
(所管事項)
第2条
委員会の所管事項は、次のとおりとする。
(1) 新エネルギービジョン策定についての提言等を行うこと。
(2) 新エネルギービジョン策定の進行管理について必要な助言を行うこと。
(組織)
第3条
委員会の委員は、次の区分により村長が委嘱する。
(1) 学識経験者
2名
(2) 地場産業関係者
(3) 公募委員
5名
2名
(4) エネルギー事業者
1名
(任期)
第4条 委員の任期は、委嘱の日から平成 18 年2月 28 日までとする。ただし、委員に欠
員が生じた場合の補欠委員は、前任者の残任期間とする。
(会長、副会長)
第5条
委員会に委員の互選によって会長1名、副会長1名を置く。
2
会長は、委員会を代表し、議事その他必要な会務を総理する。
3
副会長は、会長を補佐し、会長に事故あるときは、その職務を代理する。
(会議)
第6条
2
委員会は、会長が招集する。
委員会は、委員の過半数が出席しなければこれを開くことはできない。
(報酬及び費用弁償)
第7条
委員には、特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(昭和
42 年占冠村条例第 14 号)の規定に基づき、報酬及び費用弁償を支給する。
(研修)
第8条
委員は、その職務を行うために各種研修会等に出席をし、必要な知識修得に努め
なければならない。
(庶務)
第9条
委員会に関する庶務は、経済課産業グループにおいて行う。
(その他)
第 10 条
この条例に定めるもののほか、必要な事項は村長が定める。
附
則
この条例は、公布の日から施行する。
11
占冠村地域新エネルギービジョン策定委員会委員名簿
区
氏
分
備
名
考
北海道大学北方生物圏
学識経験者
神
沼
公三郎
学識経験者
山
形
定
地場産業関係者
奥
野
地場産業関係者
菅
原
地場産業関係者
夏
井
地場産業関係者
観
地場産業関係者
岩
フィールド科学センター教授
(会長)
北海道大学大学院工学研究科助手
(副会長)
雄
ふらの農業協同組合代表理事組合長
等
富良野地区森林組合代表理事組合長
忠
之
占冠村商工会会長
音
信
則
占冠村観光協会会長
相
川
敏
治
占冠村社会福祉協議会会長
エネルギー事業者
杉
本
秀
雄
北海道電力株式会社日高営業所所長
公募委員
山
本
敬
介
一
般
公募委員
池
田
慶
典
一
般
占冠村地域新エネルギービジョン策定委員会オブザーバー名簿
氏
名
所
属
経済産業省北海道経済産業局資源エネルギー環境部
松
前
好
博
新エネルギー対策課長
志
村
幸
久
北海道経済部資源エネルギー課長
西
谷
祐
乙
北海道上川支庁経済部商工労働観光課長
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
山
本
有
三
北海道支部北海道事業管理センター主査
12
備
考