弁護士法人 淀屋橋・山上合同

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不良債権のバルクセールとは何ですか? また、債権回収会社(サービサー)とはどのようなもの
ですか?バルクセールによって、競売手続きにおいて、特に何か手続きをする必要がありますか?
1 不良債権のバルクセールとは?
不良債権のバルクセールとは、金融機関などが、その保有する不良債権を、第三者(投資家など)に対して、「まとめ
売り」することをいいます。
不良債権を処理する方法にはいくつかありますが、第三者に対して、「まとめ売り」することによって、売主は、不良
債権を直接償却することができ、また、担保不動産の価値が下落しても、追加損失の計上が不要なことから、不良債権
の処理方法として、多く利用されています。 また、買主側としても、投資としてのリターンが期待できるというメリットがあります。
2 バルクセールの当事者
バルクセールは、不良債権を大量に保有している金融機関など(売主)と、その購入を希望する投資家(買主)間によ
ります。
3 債権回収会社(いわゆるサービサー)とは?
バルクセールの買主は、購入した不良債権を自ら管理・回収する場合もありますが、債権管理回収業に関する特別措置
法(いわゆるサービサー法)による法務大臣の許可を受けた債権回収会社(サービサー)に管理・回収を委託する場合
があります。
(1) 法務大臣の許可の基準
(i)資本金が5億円以上であること
(ii) 暴力団員等が事業経営を支配し、又は役員等に暴力団員が含まれている会社でないこと
(iii) 常務に従事する取締役のうちにその職務を公正かつ的確に遂行することができる知識及び経験を有する弁護士が
いること
(2) サービサーが行うことのできる債権管理回収業(弁護士法の特例)
(i)弁護士以外の者が委託を受けて法律事件に関する法律事務である特定金銭債権の管理及び回収を行う営業
(ii) 他人から譲り受けて訴訟、調停、和解、その他の手段によって特定金銭債権の管理及び回収を行う営業
4 バルクセールが行われた場合の法律関係及び競売手続き
不動産競売申立を行っている差押債権者が、その請求債権をバルクセールした場合、その法律関係及び競売手続きが問
題となります。
担保権について特定承継があった場合、裁判所に、承継の事実を証する公文書の提出が必要ですが、その公文書につい
て、抵当権移転登記の付記登記がなされたことを示す不動産登記簿謄本でなければならないのか、あるいは、債権譲渡
したことを証明する公文書で足りるかが、承継手続き関係で問題になっています。なぜなら、抵当権移転の付記登記に
は、登録免許税という費用(債権金額あるいは極度額×2/1000)がかかるためです。
どれをバルクセールによる承継を証明する公文書とするかについては裁判所によって扱いが異なっています。
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