太陽誘電:薄型テレビ向け巻線パワーインダクタのバリエーション拡充

News Release
2008 年 4 月 9 日
太陽誘電:薄型テレビ向け巻線パワーインダクタのバリエーション拡充
-NR60 シリーズに高さ 2.8mm 品を加え、市場ニーズに対応したラインアップへ-
太陽誘電株式会社(代表取締役社長:神崎 芳郎、本社:東京都台東区)は、液晶テレビやプ
ラズマテレビなどの薄型テレビ用チョークコイルとして使用される巻線パワーインダクタ「NR60 シ
リーズ」のラインアップに、高さ 2.8mm の新商品「NR6028」(6.0x6.0x2.8mm、高さは最大値)を追
加します。この商品は、当社従来品に比べ定格電流(注1)を約 36%向上させました(インダクタン
ス 10μH、注 2)。
当社は、チョークコイルを小型化することで、薄型テレビの基板実装面積を低減させたいという
要望に応える商品としてご好評をいただいている NR シリーズを展開してきました。回路を設計す
る上で最適なコイルを選定するため、チョークコイルには幅広い特性をカバーするシリーズ展開
が必要になってきています。この商品によって、NR60 シリーズは 4 種類の高さのラインアップ構
成となり、特性のバリエーションを充実させることで市場ニーズにきめ細かく対応します。
2008 年 5 月より、当社の海外生産拠点である太陽誘電(フィリピン)において、月産 100 万個で
量産を開始します。サンプル価格は 20 円です。
太陽誘電は、スペースの無駄を徹底して排除したシンプルなスリーブレス構造が特徴である巻
線パワーインダクタ NR シリーズ(注 3)を提供し高い評価をいただいてまいりました。薄型テレビ向
けのラインアップとしては、2005 年 12 月の「NR8040」(8.0x8.0x4.0mm、高さは最大値)の発売以来
NR80 シリーズ(8mm 角品)、NR60 シリーズ(6mm 角品)を展開し、チョークコイルとして使用されて
います。
薄型テレビは世界的に市場が大きく拡大し、高機能化が進む一方で低価格化も進んでいます。
高機能化に伴い、入出力回路や画像処理回路、情報処理回路などに使用される IC が増加し、さ
らに省電力化を目的として、効率よく電気を供給するために、IC ごとに電源が搭載されるケースが
増えています。
しかし、入出力回路や画像処理回路、情報処理回路には高価な多層基板が使用されており、
電源搭載数の増加に伴う回路面積の拡大は薄型テレビの価格を押し上げる要因となります。基板
実装面積の低減を図るため、DC-DC コンバータの主要部品であり、大きな面積を占めるチョーク
コイルを小型化したいという要望があります。そのため、従来品と比較して小型かつ、大電流・低
Rdc を実現できる NR シリーズは、薄型テレビ向けチョークコイルを主要機器として採用が拡大して
きました。
このたび、NR6028 を発売することで NR60 シリーズは 1.2、2.0、2.8、4.5mm と 4 種類の高さを取
り揃え、さらなる特性バリエーションの拡大を実現しました。
この商品は、4 月 16 日から幕張メッセ(千葉県美浜区)で開催される「TECHNO-FRONTIER
2008」の太陽誘電ブースにて展示します。
NR6028 のラインナップは以下の通りです。
インダクタンス
品名
Rdc [Ω]
[μH]
NR6028T 0R9N
NR6028T 1R5N
NR6028T 2R2N
NR6028T 3R0N
NR6028T 4R7M
NR6028T 6R0M
NR6028T 100M
NR6028T 150M
NR6028T 220M
NR6028T 330M
NR6028T 470M
NR6028T 680M
NR6028T 101M
0.9
1.5
2.2
3.0
4.7
6.0
10
15
22
33
47
68
100
定格電流 [A]max
直流重畳許容電流
温度上昇許容電流
0.013
0.016
0.020
0.023
0.031
0.040
0.065
0.095
0.135
0.22
0.30
0.42
0.60
6.60
5.00
4.20
3.60
2.70
2.50
1.90
1.60
1.30
1.10
0.95
0.76
0.62
4.60
4.20
3.70
3.40
3.00
2.50
1.90
1.80
1.40
1.10
0.92
0.77
0.66
■ 用語解説
(注1)定格電流
インダクタの特性が保たれる電流値。単位は A(アンペア)。この数値が大きいほど、回路に
大きな電流を流すことが可能となる。
(注 2)インダクタンス、μH
インダクタの代表的な電気特性。インダクタが交流に対して発生する磁界の強さを表す値。H
(ヘンリー)はインダクタンスの単位を表す。μ(マイクロ)は 100 万分の 1。
(注 3)NR シリーズの構造
従来の巻線インダクタは、丸型のドラムコアに巻線
を施し、それをスリーブと呼ばれるカバーで覆うが、
NR シリーズでは角型のドラムコアに巻線し、その周り
を樹脂で覆う。ドラムコアとスリーブの組み立てが不
要になり、特性を維持したまま小型化を可能とした。
フェライトコア
巻線
樹脂コート
電極