言語と文化への理解が、日本と世界を結ぶ。

人材養成の目的
建学の理念に基き、
自己および他者を見つめて相互理解を形成し、
さらに世界の多様性をふまえて社会で
活動する人材を養成する。
言語とそれに基く文化についての基本的理解を有する人材を養成する。
日本、
中国、
英語圏の諸文化について深い理解を有する人材を養成する。
日本語、
中国語、
英語、
さらにはその他の言語についての運用能力を有する人材を養成する。
国際交流の場において受信とともに発信の能力を有する人材を養成する。
専任教員一覧 (2015年12月現在)
専門分野
英米学科
日本文学科
文学部
日本文学科 中国学科 英米学科
有田 和臣
教授
近代文学、
比較文学、
国語教育
粟野 修司
上野 辰義
教授
中古(平安)文学
橘髙 眞一郎 教授
語用論、
応用言語学
榎本 福寿
教授
上代文学
瀬戸 賢一
教授
英語の多義語研究、
メタファー研究
荻原 廣
教授
日本語教育
田中 和也
講師
イギリス文学
加藤 邦彦
教授
日本近現代文学、
近現代詩
野間 正二
教授
アメリカ文学と文化、英米と日本の比較文化、
日・欧・米の演劇
黒田 彰
教授
中世文学
松本 真治
教授
英文学、
英語教育
坂井 健
教授
近代文学
日本語学、言語学、音声学
長尾 秀則
教授
美学
(書学書道史)、
書道実技
濵田 泰彦
講師
近世文学
(浮世草子)
三谷 憲正
教授
近代文学
荒木 猛
鵜飼 光昌
文学部長
関心領域は米文学と比較文化。
野間 正二
京都大学博士
(文学)
。
著書は
『小説の読み方/論文の書き方』
(昭和堂)、
『
「グレート・ギャツビー」
の読み方』
(創元社)、
『読みの快楽』
(国書刊行会)
など多数。
文学部は、
日本文学科、
中国学科、英米学科の3学科からなって
います。日本文学科では、日本文学を中心に、日本語学や日本語
教育も学びますが、書道文化への理解を深めることもカリキュラムの
18
は言語、
文学、
文化、
思想など多岐にわたります。
人間は、
言葉を通して
世界を認識し、言葉を通して思考し、言葉を通して他人とコミュニ
ケートしています。
その言葉で表現されたものを、
それぞれの専門と
教授
19世紀イギリス文学、表象文化論
メドロック 皆尾 麻弥 准教授 英米文学
田中 みどり 教授
持留 浩二
准教授 アメリカ文学、
文学批評理論
Daniel Teuber 講師
Linguistics 取得可能な教員免許状・資格
中国学科
言語と文 化への理 解が、
日本と世 界を結ぶ。
専門分野
教授
中国古典文学
教員免許状
資 格
日本文学科
教授
中国思想史
黄 當時
教授
瀬邊 啓子
准教授 中国現代文学、
言語文化学
孫 潔
講師
文化人類学、
観光、
中国の少数民族
田 正雄
教授
中国語、
中国文学
中原 健二
教授
中国古典文学
楊 韜
講師
中国近現代史、
メディア論
李 冬木
教授
中国近代文学、
中日近代文学に関する研究
若杉 邦子
准教授 中国近現代文学、
中国近現代史、
中国近現代思想
中国語学
図書館司書
国語 中学校1種・高校1種
書道 高校1種
学校図書館司書教諭
特別支援学校1種
中国学科
博物館学芸員
国語 中学校1種・高校1種
書道 高校1種
社会教育主事
中国語 中学校1種・高校1種
特別支援学校1種
柱のひとつになっています。
中国学科と英米学科では、
中国語と英語
する分野で、
それぞれの視点から深く追究するのが文学部です。
そして
とを学習の基礎にして、
そのそれぞれの言語を介して、
それぞれの
その追究のなかで、人類の多様性と共通性への理解を深め、国際
英語 中学校1種・高校1種
文学、文化、思想などを学びます。
社会の中での日本や日本人や私たち自身についての理解を深める
特別支援学校1種
文学部で学ぶ内容は、時間的には古代から現代まで、
テーマ的に
ことをも目指します。
英米学科
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文学部
日本文学科
日本文学や日本語 学を通して、学問の楽しさを再発見し、
生 涯学習の確かな基 盤を築きます。
日本文学科では、上代(奈良時代)
から近現代(明治以降)
までの日本文学、
日本語、
さらに書道文化を研究領域として、
作品研究、
作家研究などからアプローチします。
科目紹介
※科目概要は、補助教材『シラバス2015』
からの抜粋です。
●T履修科目
日本文学購読
(上代・中古)
理解し、特に
『大和物語』
との作
日本文学史
王朝文学に描かれる
「夏の恋」
り方の違いを認識することを目
・
「冬の恋」
標とします。
上代から近代にいたるわが
国の文学史の概略を理解する
平安時代に貴族によって生
ことを目標としています。
それぞ
み出された王朝文学には、四季
書道文化特講
れの時代における文学のジャン
折々の景物、
また恋が描かれて
書道史上の顔真卿について
ル、代表的な作家・作品とその
いることが多くあります。季節の
書道史上に於ける二大潮流
特徴、
および文学史上の位置づ
景物が貴族の恋にどのような彩
の一つ、王義之の双璧とされる
け、時代背景との関わりに留意
りを加味しているのか、考察して
顔真
して学習してください。
いきます。
います。顔真
「夏の恋」
・
「冬の恋」
と題し、
辺 人 物 、その所 業 、個 別の作
初めにテキストをひととおり
の家系、その周
単なる作品鑑賞や作家論に留まらず、作品の時代背景や成立事情、
作家の意図したものを詳細に学習することで、
通読し、文学史の大きな流れを
梶井基次郎の
『檸檬』
と中谷
恋歌に詠まれる夏の景物、冬の
品、書論史上の位置づけ、後世
日本文学の特徴を鮮明に理解していきます。
把握すると良いでしょう。次に、
孝雄の
『春の絵巻』
は、
ともに京
景物の特徴を分析していきま
に与えた影響、従来の研究、今
重点的に取り上げられている作
都に住む学生の繊細な感性を
す。古くは
『万葉集』相聞歌まで
後の研究・実技利用の可能性
品または作家についての解説
描いた短編小説です。
この二作
さかのぼり、
『古今和歌集』等の
についてなどさまざまな視点か
文法や語法を基礎から専門領域にわたって学ぶことができます。
を中心に、できれば原典を
(全
を取り上げ、作品に織り込まれ
勅
そのため専攻科目をスクーリング科目とし、
「講読」
では作品を丹念に読み、
文でなくとも良いし、古文であ
た<京 都>について考 察しま
物語』
『 源氏物語』等の物語、
れば、現代語訳つきでも構いま
す。講義の進め方は、教員による
『和泉式部日記』等の日記に描
せん)各 時 代( 上 代・中古・中
説明と、
学生が実際に作品の舞
かれる
「夏の恋」
・
「冬の恋」
を味
機となるよう努めたいと考えて
世・近世・明治・大正・昭和)に
台を訪れ、調査・報告するという
読します。
います。最後にその見識を踏ま
え、後世の臨書例などを参考
また、
日本語学の分野では難しいという思い込みを払拭して、
「特講」
では担当教員が最も得意とする専門分野を研究方法を中心に講義します。
さらに
「専門ゼミ」
では演習形式で卒業論文執筆を視野に入れた発展的内容を扱います。
学びの成果を最終的には卒業論文としてまとめることになりますが、
その指導を二段階にわけて丁寧に行なっていることも特色です。
指導教員と何度も計画書および草稿のやりとりをしながら、
内容を整理し、論点を明確にし、
表現技術も高めながら、
豊かな人生経験を深みのある研究活動に展開していけるところが通信教育課程の学びの特色です。
伊勢物語の表現と方法
三島由紀夫と水上勉の金閣寺
「歌物語」
と総称される作品
に、顔真
た経験は必ず文学史への理解
京都を舞台とした文学作品
のうち、同一内容を素材とする
てもらいます。実感のある臨書と
なるよう心掛けたいとおもいま
を助けます。
す
を読み解きながら、
その主題と
『大和物語』
と比較することによ
も関わってくるであろう<京都>
り、
『 伊勢物語』の作り方(表現
●S履修科目
の意味を考えます。舞台となっ
と方法)
を分析し検討します。
日本文学フィールドワーク
た土地、
風俗、
文化、
社会との関
『伊勢物語』
という作品は、文
日本近代文学における
〈京都〉
わりへの認識を深めることによ
学史の中で
「古典」
として扱われ
に関する専門的な知識。
その専
門知識を教育や出版をはじめ
幅広い分野で生かしていける
高野素十の
「写生」
−高浜虚子との比較を中心に−
中島敦「李陵」
に関する一考察−
《男》
を中心として−
小野道風研究
『南総里見八犬伝』
における滝沢馬琴の色彩表現
日比野五鳳の放ち書き作品の書美について−
『萬葉百首』
を中心に−
秋好中宮の人物像−登場人物とのかかわりを通して−
『源氏物語』
−末摘花をめぐって−
『みだれ髪』
の色
柿本人麻呂論
Entr ance 2016
夏目漱石『草枕』
における自然描写
『冥途の飛躍』
における男性像
感情を表す身体語彙を使用した慣用表現の意味分析−
「目を細くする」
の考察−
「どうも」
という言葉について
日本語における授受表現について
の実態に迫り、
そ
の歴史的意義付けを考える契
内容で行なっていきます。
日本語学、
日本文学、書道文化
中大兄三山歌について−
「高山」
の用字を中心に−
よって顔真
ついて、最低二作品は読むと良
身につける力
卒業論文テーマ例
ら、
アプローチ致します。
それに
和歌集、
『伊勢物語』
『大和
いでしょう。実際の作品に接し
論文としての完成度を高めていきます。
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についての講義を行な
り作品理解を深めます。授業は
参照され続けてきました。
そのよ
講義を基本としますが、作品の
うな状態を招来した、作品の強
舞台を訪れる実地調査(フィー
度とは具体的にどのようなもの
ルドワーク)
を、できる範囲でと
か。同一素材を扱った別の作
りいれます。
フィールドワークが
品、
『 大和物語』
と比較すること
難しい場合、視聴覚機器を通じ
で『伊勢物語』の表現と方法の
て、現地の雰囲気を感じていた
特質を浮かび上がらせます。
だきます。
『伊勢物語』の表現と方法を
年齢別在籍者数
教員10名
(6.2%)
その他
8名
(4.9%)
18∼22歳
福祉関係
3名
(1.8%)
23∼29歳
48名(29.4%)
30∼39歳
会社員
34名(20.9%)
30名(18.4%)
40∼49歳
25名(15.3%)
50∼59歳
無職
102名(62.6%)
19名(11.7%)
握でき、国際社会の中で適切に
自己主張できる力。
公務員3名(1.8%)
29名(17.8%)
わりに関する知識と見識。
日本
の文化と異文化を相対的に把
す。
職業別在籍者数
実践力。
地域の歴史・文化と文芸の関
の作品を一つ臨書し
60歳∼
12名
(7.4%)
個人営業
3名
(1.8%)
川端康成『古都』論−京ことばと京の風景を中心に−
E n t r a n c e 2016
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