Major Projects: Energy, Mining & Infrastructure Tokyo Client Alert August 2012 カナダ産シェールガスを供給源とする米国 LNG 基地が輸出許可を申請最近の動向 2012 年 7 月 16 日、オレゴン LNG 社は、米国と自由貿易協定（FTA）を締結していない日本を含む国々への LNG 輸出許可申請を米国エネルギー省に提出した。これにより、審査中となっている同様の輸出許可申請は合計で 9 件となった。オレゴン LNG プロジェクトオレゴン LNG 社は、25 年間を期間とする最大 9.6MTPA の LNG を輸出する認可を求めている。そのための LNG 輸出施設の建設は 2014 年の開始、2017 年初頭の完工が予定されている。オレゴン LNG 社の計画する基地は、ホーン川盆地、コルドバ堆積盆地、リアード盆地のシェール層を含むカナダ西部において主に産出されるガスを扱う予定である。したがって同プロジェクトは、米国国内向けのガス供給量に影響を及ぼさないため、オレゴン LNG 社は、米国エネルギー省はこの輸出申請を迅速に許可すべきであると申請書類のなかで主張している。米国エネルギー省がオレゴンLNG社の主張を受け入れた場合、他の審査中の輸出許可申請（2012 年 7 月発行のクライアントアラート「米政府、対日LNG 輸出拡大承認の見込み」を参照）に先んじて許可が下りることとなるため、本件の今後の動向は注目に値する。米議員が許可プロセスの迅速化を支援関連する動きとして、2012 年 8 月 7 日、シェールガス田を有する州出身の下院議員 44 名が、米国エネルギー省のスティーブン・チュー長官に対して、同省が LNG 輸出許可の手続をより迅速化することを求める文書を送付した。これは、LNG 輸出拡大への政治的支援の一つと捉えることができる。日本の公益企業、ヘンリー・ハブ価格に基づく LNG 購入契約を締結 2012 年 7 月 31 日、フリーポートLNG社は、日本の公益企業 2 社との間に長期天然ガス液化加工契約を締結したことを発表した。2 社はこの契約により、テキサス州フリーポート市周辺（ヒューストン市から 80km南東のメキシコ湾岸）のプロジェクトから産出される天然ガスの液化能力を確保した。フリー www.bakermckenzie.com ポートLNG社は、米国とFTAを締結していない国々へのLNG輸出許可を申請中の企業の一つである（前出のクライアントアラート参照）。本クライアントアラートに関するお問い合わせ先上記の日本の公益企業 2 社が、主要な価格決定のベンチマークにヘンリー・ハブ価格を使うことは今回が最初であるといわれている。ヘンリー・ハブ価格と、原油価格とリンクした LNG 価格との間の現行の違いに鑑みると、今回の取引は日本のガス市場に影響を及ぼす可能性がある。アン・ハンパートナー 03 5157 2710 [email protected] コリン・クックアソシエイト 03 5157 4307 [email protected] 加藤洋光アソシエイト 03 5157 2737 今後の対応と対策 • LNG 輸出許可に関する米国エネルギー省の動向を注視する • 米国エネルギー省への LNG 輸出許可申請が現在審査中となっている LNG 輸出基地について、予備的デューデリジェンスを実施する • ヘンリー・ハブ価格が日本のガス市場に及ぼす影響を調査する [email protected] 東京青山・青木・狛法律事務所ベーカー＆マッケンジー外国法事務弁護士事務所（外国法共同事業）本クライアント・アラートに関するご質問やお問い合わせは、コリン・クックまたは加藤洋光までご連絡ください。〒100-0014 東京都千代田区永田町 2-13-10 プルデンシャルタワー Tel + 81 3 5157 2700 Fax + 81 3 5157 2900 www.taalo-bakernet.com www.bakermckenzie.com 2 カナダ産シェールガスを供給源とする米国 LNG 基地が輸出許可を申請 | August 2012 ©2012 Baker & McKenzie. 東京青山・青木・狛法律事務所ベーカー＆マッケンジー外国法事務弁護士事務所(外国法共同事業)は、スイス法上の組織体であるベーカー＆マッケンジーインターナショナルのメンバーファームです。専門的知識に基づくサービスを提供する組織体において共通して使用されている用語例に従い、「パートナー」とは、法律事務所におけるパートナーである者またはこれと同等の者を指します。同じく、「オフィス」とは、かかるいずれかの法律事務所のオフィスを指します。