サンプルはこちら

2009年 1月号
∼本号のメイントピックス∼
《国内》- 排出量取引の国内統合市場試行的実施に501社参加
《国際》 - COP14:ポスト京都枠組合意への作業計画を採択
- EU:気候変動包括案を最終採択、EU-ETS改正へ
Monthly News – もくじ
2009 年 1月号
国内動向
政府・審議会等での検討状況
排出量取引の国内統合市場の試行的実施、501社が参加
……《政府》 排出量取引の国内統合市場の試行的実施への参加申請結果を公表
自主行動計画フォローアップを取りまとめ
……《環境省・経済産業省》 産業構造審議会環境部会地球環境小委員会、中央環境審議会地球環境部会
自主行動計画フォローアップ専門委員会合同会議
鉄鋼・電力・セメントについて、ベンチマークを設定
……《経済産業省》 総合エネルギー調査会 省エネルギー基準部会(第12回)
農林水産分野の「省CO2表示」、中間とりまとめ(案)を提示
……《農林水産省》 食農審・林政審・水政審地球環境小委員会合同会議(第9回)
国内クレジット制度の森林バイオマスプロジェクト参加者を呼びかけ
……《林野庁》 国内クレジット制度の森林バイオマスプロジェクトへの参加呼びかけ
J-VER制度プロジェクト第1号が申請・登録
……《環境省・気候変動対策認証センター》 オフセット・クレジット(J-VER)制度におけるプロジェクト第1号が申請・登録
環境対応車の普及促進税制などを決定。環境税は見送り
……《政府》 「平成21年度税制改正大綱(平成20年12月12日 自由民主党)」を決定
平成19年度の電気事業者別排出係数を公表
……《環境省・経済産業省》 平成19年度の電気事業者別排出係数を公表
太陽エネルギー導入へ補助を実施。環境価値は企業へ販売
……《東京都》 住宅用太陽エネルギー利用機器導入 補助金交付要綱を策定
国際動向
JI監督委員会
第2トラック:プロジェクト設計書公表状況
CDM理事会
京都クレジット発行・プロジェクト登録状況
マーケット価格動向
EUA
CER
各国/多国間の取り組み
UNFCCC
EU
◆
◆
第1トラック:プロジェクト承認状況
◆
◆
◆
◆
◆
◆
豪州
◆
米国
※国内動向・国際動向とも、2008年12月31日(水)までの情報をもとに作成しています。
1
2009 年 1月号
国内動向
(1/9)
(制度・政策)
Point ・排出量取引の国内統合市場の試行的実施、501社が参加(日本政府)
◎日本政府
排出量取引の国内統合市場の試行的実施への参加申請結果を公表(12月13日)
●10月21日の地球温暖化対策推進本部決定に基づき、排出量取引の国内統合市場の試行的実施
について、10月21日∼12月12日まで参加企業等の集中募集を行っていたもの(注1) 。
【参加企業の概況】(のべ参加申請者数)
①自ら目標を設定する「目標設定参加者」:
②専ら取引を行う「取引参加者」:
③国内クレジットの供給事業者:
合計:
<目標設定参加者・業種別内訳>
受付省庁
経済産業省
業種
エネルギー転
換部門
産業部門
業務部門
[ A:目標設定主体数、 B:のべ参加申請者数 ]
A
B
受付省庁
電気事業
9
9
石油精製業
都市ガス業
鉄鋼業
8
4
2
8
4
74
化学工業
製紙産業
セメント産業
電機電子産業
41
12
11
16
41
12
11
16
自動車製造業
1
58
21
43
3
10
7
21
43
3
10
7
ゴム工業
その他
コンビニ業
商社
その他
446社【*詳細は下表参照】
50社
5社
501社
業種
A
B
金融庁
銀行業
3
3
財務省
損害保険業
ビール等製造業
1
1
1
1
1
2
2
3
10
1
2
2
3
10
1
1
120
120
317
446
文部科学省
厚生労働省
国土交通省
学校
医薬品製造業、小売業
航空運送事業
貨物運送事業
その他
環境省
産業廃棄物処理業
自主参加型国内排出量取引制
度(JVETS)
目標設定参加者 合計
(注1) 12月12日までの集中募集期間では、2008年度を目標年度とする目標設定参加者の参加申請を受付。2009年度以降を目標年度とする
参加者については、別途、集中募集期間が定められる予定。
2
2009 年 1月号
国内動向
Point
(2/9)
(制度・政策)
・自主行動計画フォローアップを取りまとめ(環境省・経済産業省)
◎環境省・経済産業省
産業構造審議会環境部会地球環境小委員会、中央環境審議会地球環境部会自主行
動計画フォローアップ専門委員会合同会議 開催(12月3日)
●各ワーキンググループ(注1)における自主行動計画フォローアップ結果の取りまとめを実施。
●経済産業省所管のフォローアップ対象39業種(注2)中、目標を達成したのは19業種。
●2008年度 自主行動計画フォローアップの主な評価・検証の視点は以下の4点。
①目標未達成業種の目標達成蓋然性向上
③温対法との関係
②CO2排出量も併せた目標設定
④目標達成業種の目標引き上げ
<2008年度自主行動計画フォローアップ 各業種の目標引き上げ・達成状況>
原単位目標(24業種)
実績
目標
以上
引き上げ 実績
未満
【0業種】
【0業種】
総量目標(15業種)
下線:CO2排出量での目標を有する業種(12業種)
日本電線工業会
日本ガス協会
日本染色協会
日本建設機械工業会
石油連盟(注3)
日本DIY協会
日本製紙連合会
板硝子協会
日本チェーンドラッグストア協会
目標達成
日本チェーンストア協会
日本ガラスびん協会
特定規模電気事業者
(目標引き上げ業種
日本鉱業協会
日本衛生設備機器工業会
を除く)
日本LPガス協会(注3)
日本百貨店協会
リース事業協会
日本アルミニウム協会
日本ショッピングセンター協会
大手家電流通懇談会
電気事業連合会
日本鉄鋼連盟
日本ベアリング工業会
日本化学工業会
日本自動車部品工業会
日本伸銅協会
電機・電子4団体
目標未達
日本産業車両協会
情報サービス産業協会
セメント協会
(日本自動車車体工業会・
石灰石鉱業協会
日本フランチャイズチェーン
日本自動車工業会)
協会
石油鉱業連盟(注3)
日本工作機械工業会
日本産業機械工業会
日本貿易会
石灰製造工業会
日本ゴム工業会
(注1) 2007年10月20日∼11月26日開催。化学・非鉄金
属WG、鉄鋼WG、流通・サービスWG 、自動
車・自動車部品・自動車車体WG、資源・エネ
ルギーWG、製紙・板硝子・セメント等WG、
電子・電機・産業機械等WG。
(注2) 産業・エネルギー転換部門28業種、業務部門11
業種。
(注3) 業界全体での報告は無いが会員企業で取組の報
告があった業種
赤・太字:京メカ活用開始業種(5業種)
緑:京メカを含めて検討する業種(10業種)
():本年度計画新規策定または本年度統合
各種資料を基にみずほ情報総研作成
3
2009 年 1月号
国内動向
(制度・政策)
(3/9)
Point ・鉄鋼・電力・セメントについて、ベンチマークを設定(経済産業省)
◎経済産業省
総合エネルギー調査会
省エネルギー基準部会(第12回)開催 (12月17日)
●適正な省エネ基準等についての審議会。今回は各小委員会における取りまとめ内容の了承を実施。
●「工場等判断基準小委員会」(注1)の取りまとめ内容は以下。
事業者単位・フランチャイズチェーン単位等の裾きり値を決定。
特定事業者及び特定連鎖化事業者(注2):1,500kl(原油換算値)/年
第一種エネルギー管理指定工場等:3,000kl(原油換算値)/年(従来通り)
第二種エネルギー管理指定工場等:1,500kl(原油換算値)/年(従来通り)
鉄鋼・電力・セメントについて「ベンチマーク指標」と「目指すべき水準」を設定。
平成21年度末を目途に引き続き対象業種の拡大を検討。(化学工業や石油精製業、業務部門等)
共同省エネルギー事業を評価対象として追加。 (注3)
国内クレジット制度で認証を受けた省エネ事業であれば、共同省エネ事業として報告可能。
一方、グリーン電力証書、CER、省エネに寄与しない国内クレジット、排出量取引制度の参加者の余剰排
出枠については対象外。
(注1) 省エネ法の改正を受け平成22年度から導入される、①事業者単位規制及びフランチャイズチェーン規制での裾切値や工場等判断基準の改正等についての
検討、②セクター別ベンチマークや③共同省エネルギー事業についてその内容明確化のための検討を実施した小委員会。
(注2) 一事業者が設置しているすべての工場等におけるエネルギーの使用量が政令で定める数値以上である者を特定事業者、連鎖化事業者(フランチャイズ
チェーン本部)及び連鎖化事業者と一定の契約関係にある当該連鎖化事業者の加盟者がそれぞれ設置する工場等のエネルギーの使用量が、政令で定める
数値以上である者を特定連鎖化事業者としている。
(注3) 定量化が可能な場合はその省エネ量についても報告可能。例えば、エネルギー消費原単位を年平均1%低減できていなかったとしても、年平均1%低減す
る際に必要となるエネルギー削減量見合いの共同省エネルギー量を積極的に報告する場合は、国としてそのような状況を勘案・評価し、運用。
4
2009 年 1月号
国内動向
(制度・政策)
(4/9)
Point ・農林水産分野の「省CO2表示」、中間とりまとめ(案)を提示(農林水産省)
◎農林水産省
(注1)
食農審・林政審・水政審地球環境小委員会合同会議 (第9回)開催(12月12日)
●「21世紀新農政2008」 (注2) で掲げられた「農林水産分野における地球温暖化対策の強化」に
向け、具体的な検討を行う会。
●今回は、農林水産分野における「省CO2表示」のあり方や具体化に向けた課題を整理した
中間とりまとめ(案)を提示。
●今後、パブコメを実施して本年度末を目処に指針を作成予定。本指針は、品質毎の特性に
応じた「省CO2表示」を具体的に実施する上で反映される見込み。
<主な提示内容>
■「省CO2表示」の実施手法は、実施者自身が選択
基本的考え方
省CO2表示
のあり方
今後の課題
■農林水産物では、削減効果ベースの表示を促進(生産段階での排出削減努力を伝えることに重点)
■食品産業では、LCAを活用した排出量ベースの表示を促進(ライフサイクル各段階の事業者と消費者の課題共
有、および削減に積極的な企業を伝えることに重点)
など
■削減効果の表示: 一定の標準値に対する排出削減量の割合や等級を表示
■排出量の表示:
・LCA手法を用いて商品単位毎の排出量等を表示
・温室効果ガス算定・報告・公表制度等を活用し、事業者毎の排出量および削減効果を表示
■適切な検証システムや表示違反への対応について検討
など
■排出量取引、税制、カーボンオフセット等を含む多様な手法とともに実施することを検討
など
(注1) 正式名称は「食料・農業・農村政策審議会企画部会地球環境小委員会 林政審議会施策部会地球環境小委員会 水産政策審議会企画部会地球環境小委員会合同会議」
(注2) 本年5月7日に食料・農業・農村政策推進本部が決定。推進事項の1つに「農林水産分野における地球温暖化対策の強化」が掲げられており、その中で、農山漁村地
域における低炭素社会の実現を目指して、地域全体でCO2を削減する取組や、CO2排出量の実態把握、効果的な表示方法の検討等による省CO2効果の「見える化」を
推進するとされている。
5
2009 年 1月号
国内動向
(5/9)
(制度・政策)
Point ・国内クレジット制度の森林バイオマスプロジェクト参加者を呼びかけ(林野庁)
◎林野庁
国内クレジット制度の森林バイオマスプロジェクトへの参加呼びかけ(12月4日)
●「国内クレジット制度」において、森林バイオマスを活用した排出削減プロジェクトを促進す
る目的で、排出削減事業者(クレジットの売り手)と共同実施者(クレジットの買い手)双方
の参加をホームページ上で呼びかけ。
●さらに、現存する具体的な森林バイオマスプロジェクトを9件公表し、共同実施者(クレジット
(注1)
の買い手)の参加を呼びかけ
。(下表参照)
<共同実施者(クレジットの買い手)を探している森林バイオマスプロジェクト>
都道府県
所在地
排出削減者
原料
燃料形態
チップ
クレジット発生
予想量(CO2-t)
約180t
北海道
滝上町
ホテル渓谷(町営ホテル)
滝上町周辺の間伐材
山形県
小国町
小国町役場庁舎
小国町周辺の森林バイオマス チップ
約350t
山梨県
北杜市
財団法人キープ協会
山梨県内カラマツなど
ペレット
約250t
三重県
多気町
株式会社西村木材店
製材所残材・樹皮
広島県
庄原市
福岡県
八女市
リフレッシュハウス東城
(庄原市)
べんがら村(温泉施設)
三重県・岐阜県・愛知県周辺
のヒノキ材
庄原市内の間伐材等
稼働時期
(予定)
平成21年2月
平成20年11月
(導入済)
平成21年3月
約1,700t
平成21年1月
チップ
約380t
八女地域周辺の間伐材等
チップ
約330t
平成20年5月
(導入済)
平成21年2月
九州地区の間伐材等
おがくず
約620t
平成21年3月
浮羽地域周辺の間伐材等
チップ
約400t
平成21年2月
大隅半島周辺の間伐材等
チップ
約1,200t
(地域中央開発(株))
福岡県
那珂川町
清滝(温泉施設)
(株式会社北山興産)
福岡県
久留米市
田主丸中央病院
(医療法人聖峰会)
鹿児島県
肝付町
有限会社立石養鰻
(注1)国内クレジット制度の事業として承認を受けるには、排出削減事業者(クレジットの売り手)と共同実施者(クレジットの買い手)
の双方が排出削減事業計画上に明記されている必要がある。(排出削減事業者のみの記載では事業の承認は得られない)
平成20年12月
6
2009 年 1月号
国内動向
(6/9)
(制度・政策)
Point ・J-VER制度プロジェクト第1号が申請・登録(環境省・気候変動対策認証センター)
◎環境省・気候変動対策認証センター
オフセット・クレジット(J-VER)制度におけるプロジェクト第1号が申請・登録
●12月3日、オフセット・クレジット(J-VER)制度(注1)に基づき、第1号プロジェクトの申請
を気候変動対策認証センターが受付。
●その後、パブリックコメントを経て、19日の第2回オフセット・クレジット(J-VER)認証運
営委員会においてプロジェクト登録を承認。
●本プロジェクトにおいて認証された排出削減量は、株式会社ルミネの事業活動に起因する排
出量の一部のオフセットに用いられる予定。
(注1)
GHG排出削減・吸収に係る自主的取組を通じて、一定の品質が確保されたオフセットクレジット(J-VER)を発行する制度。2008年11月14日創設、
11月17日プロジェクト申請受付開始。なお、本制度において発行されたJ-VERは、自主的なカーボン・オフセットにおける活用を主眼としており、
排出量取引の国内統合市場の試行的実施においては活用できない。制度詳細についてはExecutive Summary 2008年11月号参照。
<登録プロジェクト概要>
項目
プロジェクト事業者
プロジェクト実施場所
事業内容
事業年度
想定排出削減量
方法論
概要
高知県
住友大阪セメント株式会社高知工場
セメント工場のボイラー燃料について、化石燃料から未利用林地残材に転換
2008年4月1日∼2013年3月31日
2,154t-CO2(2008年度)、3,231t-CO2(2009年度)、以降未定
JAM0001(化石燃料から未利用林地残材へのボイラー燃料代替)
各種資料に基にみずほ情報総研作成
7
2009 年 1月号
国内動向
Point
(7/9)
(制度・政策)
・環境対応車の普及促進税制などを決定、環境税は見送り(政府)
◎政府
「平成21年度税制改正大綱(平成20年12月12日 自由民主党)」を決定(12月12
日)
●与党税制協議会において、平成21年度税制改正の内容が決定。
●環境対応車の普及促進税制や省エネ住宅ローン減税の拡充等を決定。
●環境税については「総合的に検討する」といった、昨年とほぼ同様の表現で盛り込まれ、見
送り。
<平成21年度税制改正大綱 主な環境関連項目>
項目
省エネ・新エネ設備等の投資促進のための
税制措置
概要
「資源生産性向上促進税制」の創設(特別償却30%(建物等は15%)、3年間(ただし、最初の2年間は初年度即
時償却))。
エネルギー需給構造改革推進投資促進税制(エネ革税制)の初年度即時償却(2年間)。
太陽光発電を含む省エネ・バリアフリー住宅 工事費用200万円を限度とする10%の所得税額控除制度を創設。ただし、太陽光発電設備を設置する場合に
は工事費用300万円を限度とする。適用期限は平成22年12月31日。
リフォーム投資型減税の創設
住宅ローン減税の拡充・延長
省エネ住宅ローンに対する最大控除限度額を大幅に拡大(一般住宅500万円、長期優良住宅600万円)、
環境対応車の普及促進税制を時限的に創設。次世代自動車(ハイブリッド自動車、電気自動車等)は免税、登
自動車重量税・自動車取得税の時限的減免 録車・軽自動車及び重量車(バス、トラック等)は、燃費基準等の達成度合いに応じて75%又は50%軽減。
低公害車に係る自動車取得税の特例について、プラグイン・ハイブリッドを対象車種として追加し、3年間延長。
自動車関係諸税のグリーン化
固定資産税を軽減する特別措置について、充電設備の取得価額要件を「2,000万円以上」から「300万円以上」
に引き下げた上、2年間延長。
各種資料を基にみずほ情報総研作成
8
2009 年 1月号
国内動向
Point
(8/9)
(制度・政策)
・平成19年度の電気事業者別排出係数を公表(環境省・経済産業省)
◎環境省・経済産業省
平成19年度の電気事業者別排出係数を公表(12月19日)
●温対法に基づく排出量算定・報告・公表制度により活用される電気事業者別排出係数を公表。
●同制度の対象事業者は、デフォルト値(0.555tCO2/MWh)の他、国が公表する一般電気事業
者及び特定規模電気事業者(以下、電気事業者別排出係数)の係数を用いることができる。
●電気事業者別排出係数については、経済産業省及び環境省において確認の上、デフォルト値
を下回るものについては公表される。
一般電気事業者/特定規模電気事業者
北海道電力(株)
東北電力(株)
東京電力(株)
中部電力(株)
北陸電力(株)
関西電力(株)
中国電力(株)
四国電力(株)
九州電力(株)
沖縄電力(株)
イーレックス(株)
エネサーブ(株)
(株)エネット
GTFグリーンパワー(株)
ダイヤモンドパワー(株)
(株)ファーストエスコ
丸紅(株)
サミットエナジー(株)
新日本石油(株)
排出係数 [tCO2/MWh]
2006年度
2007年度
0.479
0.517
0.441
0.473
0.339
0.425
0.481
0.470
0.457
(0.632)
0.338
0.366
(0.67)
(0.677)
0.368
0.392
0.375
0.387
(0.932)
(0.934)
0.429
0.414
0.423
0.411
0.441
0.427
0.289
0.289
0.432
0.468
0.292
0.353
0.507
0.492
0.538
−
0.550
−
各種資料を基にみずほ情報総研作成
(カッコ内の値は各社CSR報告書等を参考)
9
2009 年 1月号
国内動向
(9/9)
(制度・政策)
Point ・太陽エネルギー導入へ補助を実施、環境価値は企業へ販売(東京都)
◎東京都
住宅用太陽エネルギー利用機器導入
補助金交付要綱を策定(12月18日)
●都の太陽エネルギー導入目標(注1)実現のために、平成21年4月から2カ年にわたり、4万世帯への太
陽エネルギー利用機器の導入を目指した補助事業を実施。
●都内の住宅に新規に設置されたものが対象。国や区市等の補助金との併用可能。
●補助金交付の条件として、設置者は10年分の環境価値を(財)東京都環境整備公社に譲渡。
●公社は譲渡された環境価値を証券化し、グリーン電力(熱)証書(注2)として、企業などへ販売。
(注1) 2016年までに100万キロワット相当の太陽エネルギーを都内に導入するというもの。
(注2) 東京都が検討している排出量取引制度では、再生可能エネルギーの環境価値(グリーン電力証書など)も目標達成に利用可能の予定。
<補助対象機器及び補助単価>
区分
太陽光
太陽熱
対象システム
補助単価
太陽光発電システム
100,000円/キロワット
太陽熱温水器
9,000円/平方メートル
ソーラーシステム
グリーン熱証書(注3)の発行ができないもの
16,500円/平方メートル
グリーン熱証書の発行ができるもの
33,000円/平方メートル
(注3) 太陽熱を熱源とするグリーン熱証書制度については、(財)日本エネルギー経済研究所グリーンエネルギー認証センターにおいて現在検討中。
10
2009 年 1月号
( 1/1 0)
国際動向
Point ・JIトラック2案件で初の最終検証(JI監督委員会)
◎JI監督委員会(JISC)(1)
●JI PDDの公表
・12月はJI 第2トラックの審査を受けるPDDを新たに3件公表(ロシア2件、ブルガリア1件)
・PDD公表済み案件は累計で168件となった。
・PDD有効性決定(注1) ・・・ウクライナ炭鉱メタン案件が決定。累計6件に。
ウクライナ3件 (計225万t-CO2/年)、リトアニア2件 (計7.2万t-CO2/年)、ブルガリア・・・1件 (計7.4万t-CO2/年)
・また、別のウクライナ炭鉱メタン案件(No. 0035)について検証報告書のレビュー期間が終了し、
排出削減量が決定した(注2) 。
JIプロジェクト:PDD公表件数(プロジェクトカテゴリ別) (注3)
52
エネルギー産業
5
エネルギー供給
ハンガリー
2 ドイツ
2
エスト
3
12
製造業
10
8
化学
JIプロジェクト:PDD公表件数 (ホスト国別)
2
2
8
エネルギー需要
23
1
ルーマ ニア
ニア
5
5
リトアニア
10
建設
運輸 11
10
鉱業・無機工業
8
ポーランド
10 ブルガリア
14
3
金属 1
30
燃料からの漏洩
11
3
HFC・SF6製造・消費による漏洩
溶剤使用
14
廃棄物処理
5
植林及び再植林
各1
ロシア
91
ウクライナ
30
2007年12月までに公表
2008年1∼11月公表
2008年12月公表
2
スロバ
キア
ラトビア
チェコ
農業 2
0
10
20
30
40
50
60
70
(件)
(出所)みずほ情報総研作成
(注1) JI第2トラックの主な審査手続きは、プロジェクトの有効性決定(CDMの有効化審査に相当)と、排出削減量・吸収増加量の決定 (CDMの認証に相当)からなる。いずれもAIEが
評価報告書をJISCに提出し、その内容をJISCメンバー(2人)が評価する。
(注2) 検証報告書提出後、プロジェクト参加者およびJISC委員の3人がレビュー要請を出さなければ、排出削減量(または吸収増加量)が決定する。
(注3) 1つのプロジェクトで複数のプロジェクトカテゴリを含む場合があるため、カテゴリ数は公表プロジェクト数とは必ずしも一致しない。
11
2009 年 1月号
( 2/1 0)
国際動向
Point ・ウクライナがJIプロジェクト初承認(UNFCCC)
◎JI トラック1
●JIプロジェクト 承認状況(注1)
・12月には、ウクライナ政府が初めてJI案件を承認したほか、ドイツ政府も2案件を承認。
内
ERU発行見込み量
国名
(2012年まで)
プロジェクト種別
件数
1,618.8 万t-CO2 省エネ
燃料転換
154.0 万t-CO2
N2O
ウクライナ
ドイツ
訳
5件
1件
1件
ERU発行見込み量
(2012年まで)
1,618.8 万t-CO2
9.8 万t-CO2
144.3 万t-CO2
・JIトラック1で、これまでホスト国政府の承認を受けたものは計28案件。内訳は下表の通り。
N2O
ドイツ
ハンガリー
バイオマス ランドフィル
1,209.9
397.8
24.4
382.4
ウクライナ
45.6
炭鉱メタン
75.6
燃料転換
風力
21.0
計
1,330.9
54.2
834.5
20.3
ニュージーランド
ルーマニア
省エネ
338.2
358.5
17.3
62.9
1,618.8
1,618.8
(出所)UNFCCC公開情報をもとにみずほ情報総研作成。単位:万-CO2
・トラック1、トラック2を合わせ、JIでの承認済みプロジェクトは計34件(ホスト国計7ヶ国)。
(注1) JISCによるプロジェクトの承認・検証手続きを経るトラック2に対し、トラック1はドナー国とホスト国との間で削減量を取り決めることができる。
12
2009 年 1月号
( 3/1 0)
国際動向
Point ・CER発行: 2008年総発行量は1.38億t-CO2(CDM理事会)
◎CDM理事会(2)
●CER発行:12月は新たに約1,498万t-CO2を発行(累積発行量:2億4,036万t-CO2)
・12月は46案件から1,498 万t-CO2の発行があった。2008年の総発行量は1億3,787万t-CO2。
・ドナー国別・・・英国が約380万t-CO2、スイスが約350万t-CO2獲得。スイスの累積獲得量は2008年
に急増。2007年末時点の61万t-CO2が、既存案件への乗り入れも含め1年間で4,756万t-CO2に。
・プロジェクト種別・・・ 大型のHFC案件・N2O案件各3件(100~200万t-CO2規模)から発行。
発行量はHFC案件計517万t-CO2、N2O案件計449万t-CO2。
(Mt-CO2)
200
累積 発行済CER量(各時点累計):ドナー国( Annex I)別
その他
(7ヶ国)
4.93%
100
ドイツ イタリア
4.33% 4.69%
スイス
20.04%
200
フランス
5.97%
オラン
ダ
11.46%
日本
18.42%
150
2008年
12月末
時点内訳
100
50
累積 発行済CER量(各時点累計):プロジェクト種別
家畜 石油随 ランド
メタン 伴ガス フィル
1.58% 関連 2.30%
その他
1.91% 風力
1.95%
3.66%
HFC
53.60
%
N2O
21.75
%
水力
3.47%
省エネ
4.99%
バイオ
マス
4.85%
2008年
12月末
時点内訳
50
0
0
1月
2005年2006年2007年
(注1)
(Mt-CO2)
スペイン スウェー
1.42%
デン カナダ
2.58%
2.37%
英国
23.80%
150
(注1)
2月
3月
4月
5月
6月
7月
2008年
8月
9月
1月
10月 11月 12月
2005年2006年2007年
2月
3月
4月
5月
6月
7月
2008年
8月
9月
10月 11月 12月
(出所)みずほ情報総研作成
同一プロジェクトに複数国が投資している場合は、CERを均等配分して推計。ファンド獲得量も含まれるため、必ずしも当該国の獲得量とは等しくない。
13
2009 年 1月号
( 4/1 0)
国際動向
Point ・プロジェクト登録:大型省エネ案件が登録(CDM理事会)
◎CDM理事会(3)
●12月のプロジェクト新規登録:40件(累計1,302件)
CER発行見込み総量(2012年まで合計)は前月から約2,993万t-CO2増加し、14億4,274t-CO2に。(注1)
プロジェクト概況
・174万t-CO2/年の省エネ案件等、50万t-CO2/年超の案件の登録があった(計3件)。
・水力案件・風力案件が各13件登録(風力計159万t-CO2/年、水力計69万t-CO2/年)。
参加国概況
・ドナー国別:英国とスイスが登録済み案件への乗り入れを含め20件超を登録。
・ホスト国別:中国が31案件登録。中国案件は累計で354件となり、インド379件に近づく。
ドナー国別: 累積登録CDMプロジェクト件数
492 (+22)
365
350
CER発行見込み
1,200
うちCER発行済み
登録件数(累積)
*棒グラフ数字は累積件数
(カッコ内は直近1ヶ月の増減数)
294
1,000
1,000
(+6)
300
(件)
1,400
1,200
(+24)
400
登録件数、CER発行見込み量(2012年まで合計)、CER発行済み量
(Mt-CO2)
2008年12月の登録件数
2008年1∼11月
2007年12月まで
500
450
(注2)
800
250
164
(+12)
200
800
162
(+5)
150
600
600
96
(+12)
100
66
(+5)
55
(+4)
50
34
(+6)
32
(+7)
30
(+3)
22
(+2)
24
(+6)
17
(+6)
10
7
(+4)
(+2)
ベルギー
ルクセンブルグ
ノルウェー
フィンランド
デンマーク
オーストリア
フランス
カナダ
イタリア
(注1) CER発行見込み量はPDDより推計
スペイン
ドイツ
スウェーデン
オランダ
日本
ドナー国未定
スイス
英国
0
35
(+4)
400
400
200
200
0
0
1月
2004
2005
2006 2007年
2月
3月
4月
5月
6月
7月
2008年
8月
9月
10月
11月
12月
(出所)みずほ情報総研作成
(注2) 1つのプロジェクトに複数のドナー国が参加する場合があるため、本グラフの合計値と総登録件数とは一致しない
14
2009 年 1月号
( 5/1 0)
国際動向
Point ・EUA2008:15ユーロ台で取引終了(EU-ETS)
◎マーケット価格動向
・2008年引渡しEUA価格は低迷を続け、一時は14ユーロを割り込む。最終的に15ユーロ台で取引終了。
推察される主要因等
〔
:上昇、
:下落、
:横ばい〕
エネルギー価格の低迷。年末にはカーボン需要を押し上げる動きが少ないこと
も要因。
・CER価格は、2008年引渡し・2009年引渡しとも13ユーロ台で推移。
・EUA2008・CER2008の価格差は1ユーロ台まで縮小。EUA2009・CER2009では概ね2ユーロ前後。
€32.12 (2006/4/18)
* EUA2008 過去最高値
€29.30 (2008/7/1)
30
[€/t-CO2]
【拡大】 EUA、 CER価格
過去1ヶ月半の推移
28
EUA2010
EUA2009
26
25
EUA2008
CER2009
価格[€/t-CO2]
24
CER2008
20
22
€15
15
10
5
EUA2010
EUA2009
EUA2008
CER2009
CER2008
20
18
16
€12.24 (2007/2/20)
* EUA2008 過去最安値
14
0
05/5/1 05/8/1 05/11/1 06/2/1 06/5/1 06/8/1 06/11/1 07/2/1 07/5/1 07/8/1 07/11/1 08/2/1 08/5/1 08/8/1 08/11/1
※価格はいずれも先物
12
08/11/16
08/12/1
(出所)各種公開情報から みずほ情報総研作成
08/12/16
08/12/31
15
2009 年 1月号
国際動向
( 6/1 0)
Point ・COP14:ポスト京都枠組合意への作業計画を採択(UNFCCC)
◎UNFCCC
●気候変動枠組条約第14回締約国会議および京都議定書第4回締約国会合(COP14/CMP4)
開催(12月1∼12日)
・ポーランドのポズナンで、気候変動枠組条約第14回締約国会議(COP14)及び京都議定書第4回
締約国会合(COP/MOP4)が開催。各国政府、国際機関、NPOなど過去最多の約1万1,000人超が参加。
・ポスト京都の枠組合意に向け作業計画が採択されたほか、適応基金を用いた途上国支援の基本
的条件が整うなどの成果があった。しかし中長期目標の合意には至らなかった。
主な議論は以下のとおり。【*概要はAPPENDIX参照】
2013年以降の枠組・・・交渉期限のCOP15/CMP5(2009年12月、コペンハーゲン)での合意に向け作
業計画を採択。事務局が来年6月の作業部会に原案を提出、それをもとに集中審議することで合意。
長期目標・・・先進国が長期目標の共有や革新的技術開発の国際連携の必要性を主張(注1)。しかし途上
国が次期枠組下で削減義務を課せられることをおそれて反対し、合意には至らず。
中期目標・・・先進国・途上国の立場の違いから、前回バリ会合での結論を再確認するにとどまる。
CDMの改善・・・理事会など組織体制のあり方、各種手続きの簡素化・迅速化、事業の地域偏在問題
等について各国から提案がなされた。またCO2地下貯留をCDMに加えるかどうかについても、そ
の影響分析を理事会が行い、次回CMP5で報告することで合意。
適応基金(注2)・・・適応基金理事会が業務規則案と運営計画を提案。JI・排出量取引への課金導入につ
いては今回は見送り。途上国でのプロジェクトに2009年から資金提供が可能に。
森林減少・劣化による排出量(REDD)削減・・・未解決の方法論的課題(森林面積や炭素変化量の基
準の考え方・推計方法など)の解決に向け、COP15までの検討スケジュール等について一致。
(注1) 日本が洞爺湖サミット議長国としてG8合意での長期目標(2050年までに世界の排出量を少なくとも50%削減)の共有を目指し主張。
(注2) 地球環境ファシリティー(GEF)が運営する、京都議定書下での資金調達を行う基金。マラケシュ合意に基づき設置された。発展途上国での温暖化影響
に適応するための事業や計画に資金供与する。CDMではCERが運用機関により検証/認証された後、利益の一部(CERの2%)を適応基金に支払う。
16
2009 年 1月号
(7/10)
国際動向
Point ・エネルギー・気候変動包括案を最終採択、EU-ETS改正へ(EU)
◎EU(1)
●欧州議会が気候変動政策を承認(12月17日)
・EUの包括的エネルギー気候変動政策について、欧州閣僚理事会が12日に合意。さらに理事会合
意案を欧州議会が承認し、正式に成立した(注1)。 6つの分野を核に、2020年の目標実現を目指す。
EU-ETSの改正。【*詳細は下表参照】
ETS非対象部門での排出削減・・・2020までに2005年比で10%削減。【*詳細は次ページ参照】
CO2回収・貯留(CCS)の法的枠組み整備・・・実証プロジェクト用に3億アローワンスを確保。
再生可能エネルギーのシェア拡大・・・加盟国ごとに削減目標設定。
自動車の排出削減・・・新車のCO2排出量を2015年まで段階的に削減(130g-CO2/km → 120g-CO2/km → 95gCO2/km)。(注2)
輸送燃料の品質改善・・・現行指令を強化。ライフサイクル排出量を2020年までに10%削減。
(注1) タイトルは“20 20 by 2020 – Europe’s climate change opportunity”。2020年までに①CO2排出量を90年比20%削減、②再生可能エネルギーのシェアを20%
に拡大、③エネルギー効率20%向上、との目標を掲げる。2008年1月に欧州委員会(EC)が公表し、閣僚理事会、議会がそれぞれ議論を重ねていた。
(注2) 2012年に新車製造台数の65%、2013年に75%、2014年に80%、2015年に100%をめざす。現在、欧州内で販売される新車の排出量は平均で158g-CO2/km。
EU-ETS改正のポイント
対象部門・ガスの拡大
オークション
京都クレジット利用上限
新規参入者・対象部門への措置
・石油化学、アンモニア、アルミニウム各部門起源のCO2
・硝酸、アジピン酸等製造によるN2O、アルミニウム部門起源のパーフルオロカーボン
・CO2回収貯留(CCS)、航空部門
・全アローワンス量の50%以上をオークション。
・電力部門は全量をオークションで調達。他部門は段階的に増加(2013年20%、2020年70%、2027年100%)
・電力部門への例外適用やアローワンス再配分による投資促進等、新規加盟国の実情に配慮
・2020年まで、EU全体の削減量の50%以内でCER/ERUを使用可能
・新規参入者・対象部門には4.5%、航空部門には1.5%のミニマムアクセスを保障
・新規参入者・航空部門:全アローワンスの5%をリザーブ
・CCS・再生可能エネ技術:12の実証プロジェクトへの投資用に3億アローワンスを確保
小規模事業者の除外
・一定条件を満たすすべての小規模事業者を除外可能(GHG排出量25,000 t-CO2/年、電力容量35MW)。
キャップの設定
・フェーズ3ではEU全体での削減目標を設定(ETS対象部門は2020年までに2005年比21%、非対象部門は同10%削減)
17
2009 年 1月号
国際動向 (制度・政策)
(8/10)
Point ・ETS非対象部門、2005年比10%削減へ(EU)
◎EU(2)
● 欧州議会、ETS非対象部門の削減義務割当を決定(12月17日)
・エネルギー気候包括提案採択の一環として、欧州議会は2013∼2020年のETS非対象部門(注1)の削
減取り組みを示す「effort-sharing decision」に合意。
・EU全体の目標として、ETS非対象部門は2020年までにGHG排出量を2005年比で10%削減。この
削減目標を、加盟国間で1人あたりGDPに応じて-20%∼+20%で配分することになる。
・EU-ETSフェーズ3同様、非対象部門でも国別の削減目標を2020年まで段階的に強化。そのため
①バンキング/ボローイング(最大5%)、②加盟国間での余剰枠の移転、③他の加盟国でのプ
ロジェクトに出資、の措置を認めた。
・1年あたりの京都クレジット使用上限は、当初の委員会提案では2005年排出量の3%としていた
が、一定条件を満たす9加盟国(注2)にはさらに+1%が上乗せされる。
・2050年に90年比80%減も考慮する等、2020年後の排出削減にも言及。
・加盟国はモニタリング報告書を提出。目標不遵守の場合、監督機関により通常の違反手続きと
是正措置がとられる見通し。
(注1) ETS非対象部門は陸上交通、海運、建物、サービス、農業、廃棄物、中小の製造業、など。現在、EU域内のGHG排出量の60%を占める。
(注2) オーストリア、フィンランド、デンマーク、イタリア、スペイン、ルクセンブルグ、ポルトガル、キプロス、スウェーデン。使用するクレ
ジットは後発開発途上国・島嶼国でのCDM事業によるもので、バンキングや移転は認められないなど、制限がつけられている。
18
2009 年 1月号
国際動向
(制度・政策)
(9/10)
Point ・豪州排出量取引制度の最終設計案の概要を公表(豪州・気候変動省)
◎豪州・気候変動省
2010年7月導入予定の炭素汚染削減制度(CPRS)のホワイトペーパー(最終設計案
概要)を公表(12月10日)
・国内排出量の75%をカバー。およそ1,000企業が削減対象。
参加者
大規模排出源(25,000t/年以上)の排出施設所有者(削減対象者)
直接排出者の規模が小さい場合、その燃料の供給者(削減対象者)
植林事業者(自主的参加)(吸収源クレジットを販売可能)
企業に対するキャップ
2010年2∼3月(制度開始の4∼5ヶ月前)に公表予定
遵守期間
毎年(事業年度毎)
流通するクレジット
Carbon Pollution Permit (CPP)
遵守方法
CPRS開始前、後に排出量を算定し、同量の排出枠を
①「オークション」・②「参加者間取引」・③「豪州内植林クレジットの獲得」・④「京都クレジット」によって調達
無償割当
一定の「排出量が多く、国際競争にさらされる産業」に対し一定量を割当
一定の石炭火力発電者に対し一定量を割当
バンキング
限度なし
ボローイング
毎年削減対象量の5%を翌年のビンテージCPPから使用可能
京都クレジットの使用
・京都議定書の第1約束期間中に発行されたCER、ERU、 RMUは2012年度から使用可
・京都議定書の第1約束期間中に開始されたプロジェクトから、2013年以降に発行されたCERも2012年度から使用可
(使用量に制限無し。AAU、tCER、lCERは当初使用禁止。RMUから転換されたERUも使用禁止。)
価格上限
2010年度はA$40。2011年度以降は毎年5%ずつ上昇。
クレジットの持ち出し
CPPの海外持ち出しは当面禁止。ただし、CPRSが他のETSと相互にリンクする場合は可能
19
2009 年 1月号
(10/10)
国際動向
Point ・エネルギー・気候変動関連の閣僚人事発表(米国)
◎(米国)
●次期大統領、エネルギー・気候変動関係の主要閣僚を指名(12月15日)
・オバマ次期米大統領は、次期政権でエネルギーや気候変動分野を担当する主要閣僚を指名。
役職
氏名
エネルギー省長官
(DOE)
スティーブン・チュー
連邦環境保護庁長官
(US EPA)
環境諮問委員会議長(CEQ)
リサ・ジャクソン
前職
ローレンス・バークレー国立研究所所長
(ノーベル物理学賞受賞。同研究所所長任期中に
代替・新エネルギー研究を推進)
ニュージャージー州知事補佐官
(同州のRGGI参加を主導)
ナンシー・サトリー
ロサンゼルス市副市長
(エネルギー・環境担当)
大統領補佐官(エネルギー・
気候変動担当)=新設
キャロル・ブラウナー
元EPA長官
(クリントン政権。1993年1月~2001年1月)
・オバマ氏は、石油依存からの脱却と新しいエネルギー経済追求の必要性を強調。再生可能エネ
ルギーへの大規模投資等の政策を発表するほか、経済が低迷する中でも気候変動対策に取り組
む方針を示している。
●上院委員会、キャップ&トレード法案に意欲
・上院の環境公共事業委員会は、オバマ新政権のエネルギー・気候変動政策を推進する法案の提
出に意欲を見せている。
・バーバラ・ボクサー議長(カリフォルニア州選出)は、クリーンエネルギー開発促進のための
法案を1月に、次いでキャップ&トレード制度策定をEPAに指示する法案を提出する計画を発表。
この制度ではGHG排出量を2020年に1990年水準に、2050年にはさらに80%削減するとしている。
20
2009 年 1月号
Appendix
気候変動枠組条約第14回締約国会議(COP14)、京都議定書第4回締約国会合(CMP4)
主な成果と概要
課題
*本文はP.16(国際動向 6/10)参照
概要
2013年以降の枠組み
・CMP5で野心的・効果的な枠組に合意すべく、来年は全面的に「交渉モード」に入り審議することを約束
・UNFCCC事務局が6月までに原案を作成・提示
(注1)
・附属書I国の削減幅についてはバリ会合の結論 を再確認。各国からの意見提案を踏まえ、削減幅、
約束期間、数量削減目標のあり方、削減ポテンシャル等を2009年に検討。
長期目標
・バリ行動計画の5要素について各国が意見交換。これについて議長がとりまとめペーパーを作成
・目標共有を目指す先進国と、削減義務化を警戒する途上国が対立し、意見集約できず
中期目標
・日本などが現段階での中期目標特定に反対。前回同様「IPCCの指摘を認識」との表記にとどまる
議定書見直し(第2回9条
レビュー)
・JIおよびAAUへの課金拡大・・・先進国と途上国間で意見が対立。結論の出ないまま終了。
技術の開発・移転
・GEF作成の戦略プログラムを歓迎し「ポズナン戦略プログラム」と命名。早期実施で一致。
・COP15において、技術移転実施状況をレビューすることで合意。
適応基金
・実施組織(適応基金理事会、事務局、等)の業務企画案と今後の運営方針について合意。
・基金の財源にはCDM事業の利益の一部や寄付金を使用。JI/排出量取引の財源化は合意見送り。
各種資料を基にみずほ情報総研作成
CDMの制度改善
・有効化・検証マニュアル(VVM)採択を歓迎。手続き簡素化・迅速化のため効果的に行動するよう要請
・地域偏在問題を解消する手続き・方法論の検討
・CO2地下貯留(CCS)のCDM包含・・・技術/方法論/法制面を踏まえ分析し、CMP5で報告するよう要請
森林減少・劣化による排
出の削減(REDD)
・方法論での課題解決向け、COP15に向けた検討スケジュール等について合意
国際航空、海運
京都議定書下の特別作業部会(AWG-KG)2009年作業計画の中で引き続き検討
(注1) 「IPCC第4次評価報告書が『最も低い濃度水準を達成するためには附属書I国全体として2020年までに1990年比25∼40%削減が必要』と指摘し
ていることを認識する」
21