光学系設計技術部会 講演要旨

光学系設計技術部会 講演要旨
開催日:平成24年6月28日(木) <2012-1 ①>
テーマ:「携帯電話に搭載されている撮像素子の変遷」
講演者:大森鉄男氏((株)テクノ・システム・リサーチ イメージンググループ シニアアナリスト)
イメージセンサーの 2011 年の市場規模は CMOS が約 20 億個、CCD が約 1.5 億個であるが、
2016 年には CMOS が約 38 億個、CCD が約 0.7 億個と予測されている。この背景にはミラー
レス一眼レフカメラ及び高画素のカメラフォンの市場拡大である。
2011 年の携帯電話市場規模は 14 億台を超えたが、2016 年には 20 億台を超える見込みである。
この内、カメラ付帯率は現在 80%を超えているが、2016 年には約 90%まで進むと予測されてい
る。なお、カメラ総数は携帯電話の総数を上回る状況で、これはサブカメラの増加が要因である。
2011 年の携帯電話メーカーシェアは Nokia が 29.0%で第一位、Samsung が 22.9%で第二位で
ある。また、カメラ付き携帯メーカーシェアは Nokia が 26.0%で第一位、Samsung が 23.9%の
第二位である。共に両者を合わせると世界の 50%を占めている。
スマートフォンの市場規模は 2011 年には 4.6 億台へと急成長した。今後、2015 年には約 12 億
台になると見込まれており、
携帯電話市場の約 65%がスマートフォンで占めると予測されている。
スマートフォン市場のメーカーシェアは Samsung と Apple の二社で全体の約 40%を占めてい
るが、中国メーカーの急速な成長が著しい。
画素数ではメインカメラは 8MP がメインストリームとなり、12MP 以上の搭載には時間が掛か
ると予測されている。また、サブカメラは 2MP がメインストリームとなると予測される。なお、
携帯電話向け CCD センサーは、2012 年で無くなると見込まれている。
カ メ ラ付 き携 帯電 話市場 に おけ るイ メー ジセン サ ーの メー カー シュア は 、 Samsung と
OmniVision の二社で全体の約 50 を占めている。ちなみに、国内メーカーの Toshiba、Sony、Sharp
の三社を合せたシェアは約 20%に留まっている。
今後は大手携帯電話メーカーへ供給することが、
マーケットシェア増加の鍵となるだろう。
今後の高画素センサーには裏面照射型 CMOS(Back-Side illumination:BSI)が必要不可欠で
ある。
2011 年のノンブランド携帯電話の市場規模は、約 4.6 億個を超えたが、2012 年以降は徐々に減
ると予測されているものの、高画素化のトレンドは起きている。