事例講演 - SAP.com

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■ 事例講演
宇部興産グループが取り組む消耗品の調達合理化
宇部興産株式会社 購買・物流本部 購買部主席部員
藤本 秀夫氏
国内外で化学を中心に医薬やエネルギー事業なども展開する宇部興産は、約 150 社のグループ会社を擁する。
2000 年から消耗品の調達合理化に取り組み、実績を積み上げている。
地元販売店の商流を変えずに合理化も進める
宇部興産は、山口県宇部の炭田開発組合として 1897 年に創業。社会
が求める新しい事業を次々と創出するフロンティアスピリットは、国内はも
とより、世界中の拠点へと受け継がれている。創業理念のひとつである「共
存同栄」は、消耗品の調達合理化にも生かされた。
消耗品の調達合理化は、2000 年 7 月に SAP 社の R/3 導入を契機に
スタートしました。インターネットの普及に合わせ、それまで自社システム
で単価契約や都度交渉を行っていた間接材の調達に新たなシステムを導
入したのです。品目マスターのメンテナンスは非常に手間がかかり、調達
合理化にはサプライヤーから最新の情報が提供されるシステムが欠かせ
ないと考えました。複数の候補のなかから、基幹システム R/3 との互換性
ますが、当時の仕組みでは在庫の有無にかかわらず、消耗品として計上さ
れる問題点がありました。当社の研究部門が独自に開発した在庫管理シ
ステムを連携させて一括管理できるようにしたのです。これにより事務手続
きの簡便化が進み、仕事に余裕のできた購買担当者 2 名を高額商品の交
渉担当に充てたほか、商材データの分析に時間をかけることで購入価格
の深掘りができました。
ステップ 8 は、グループ会社への展開です。当社グループ会社は約 150
社あり、そのなかでも消耗品関連の比率が高い 50 社程をターゲットにシ
ステムを導入しました。これにより、同じ画面をみながらしかも同じ金額で
消耗品を購入することが可能になったのです。グループとのシステム共有
は、本社の管理も容易にしてくれます。その一方、
グループ会社ごとの購買
手続きや支払いシステムの相違が表面化したのです。本社経理のグルー
が高い「べんりねっと」を選択します。
プ会社担当部門が事務処理を代行することで、会社はシステム連携し、支
テップとして、
オフィス用品・事務用品の購入からはじめます。
「地元販売店
ることで、
グループ会社へのシステム導入を拡大したのです。
システム導入にあたり、対象品目拡大の工程表を策定。合理化の第 1 ス
の商流を変えない」という前提のもと、単価の高い物品や作業が伴う工事
については都度交渉として取引の道を残し、地元販売店の商流に配慮し
ながら競争見積もりが可能な取引を増やしていったのです。ステップ 2、3
では、特殊なオフィス用品や安全保護具を追加。ステップ 4 は、
「オレンジ
ブック」や「アズワン」などとサイトを連携する「パンチアウト」に取り組みま
した。見積もり機能の追加がステップ 5 です。ネットで完結できるようになっ
払の自動化が実現できました。さらに、価格以外のメリットを「見える化」す
調達合理化が進めば進むほど、便利さゆえの「一物多価」という問題が
頭をもたげる。業者商流の違いから、同じ品でも値段が異なるという問題
だ。しかも商品が増えるごとに値段のコントロールは困難になる。藤本氏
は「べんりねっとをやめてもっとシンプルなクラウドに変更するといった、
よ
り最適な仕組みに入れ替えることも選択肢のひとつ」だと結論付けた。
たことで、基幹システム側で発注する紙ベースの伝票が大幅に削減できま
単価削減の予測(目標)
と実績
(導入前を 100 とする)
した。ステップ6では、地元宇部の書店と提携し、書籍の識別番号で検索・
発注する仕組みを構築します。
100
95
便利さゆえの弊害解消にはシンプルなクラウドも選択肢
当初の工程表は、2008 年 7 月からはじまったステップ 6 で完結する計画
90
85
だった。スタートから 8 年で調達合理化が進展。目標として掲げた単価で
80
マン・ショックの発生で、新たな合理化策を迫られた。
70
約 10%、処理件数で 30%程度の削減をほぼ達成したのもつかの間、
リー
ステップ 7 では、宇部興産でも点数・金額の大きかった試薬の購入に取
り組みます。劇薬などの管理は在庫情報を定期的に届け出る必要があり
75
65
予測
(目標)
平均
導入品目実績平均
60 ,
,
,
,
,
,
,
,
,
,
,
,
,
,
00 年 01 年 02 年 03 年 04 年 05 年 06 年 07 年 08 年 09 年 10 年 11 年 12 年 13 年
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■ パネルディスカッション
調達・購買の効率化に
求められる視点とは
宇部興産株式会社
購買・物流本部 購買部主席部員
藤本 秀夫氏
株式会社 MonotaRO 執行役
柴垣 香平氏
SAP ジャパン株式会社
クラウドファースト事業統括本部
コマースクラウド営業部長
渋谷 隆行
特定非営利活動法人
上原 修氏
日本サプライマネジメント協会 TM 理事長・CEO(モデレーター)
調達・購買の効率化に求められる視点とは何か――バイヤー、
サプライヤー、
システムベンダー企業があるべき姿を語り合った。
「おもてなし」に潜む見えざるコスト
新システムの導入について社内をどう説得するか?
藤本氏 小額で短納期の商材が納入された後に購買請求するという旧
来の商習慣は不正の温床になりかねず、内部統制やコンプライアンスの
観点から問題があります。当社は 2000 年 7 月、
SAP 社の R/3 導入を機に
「べんりねっと」と連携し、消耗品の調達合理化に取り組みました。システ
ム変更に消極的な社内ユーザーを説得するには、先に値段を決めて注文
することで保守予算が下がる点を強調するとともに、これまでの商習慣が
最適だとの思い込みやシステム導入に伴う煩わしさの解消を丹念に行う
ことが重要です。
柴垣氏 お付き合いしている業者のなかには、当日の 10 時に注文すれ
ば 12 時に届けてくれるところもあります。社内に在庫がある限られた商品
ならば可能ですが、1 年間に 1 回出るかどうかの低頻度商品ならそのような
サービスは自社だけでは難しいでしょう。もしも在庫がなければ競合相手
から横もちして渡すなど、そこには見えないコストが加算されるはずです。
気心知れたサプライヤーの「おもてなし」には、隠れた費用がかかることも
理解しなければなりません。バイヤーにとって戦略的に使い分けられる購
買の選択肢がなければ、効率化は困難です。
パンチアウトで購買の付加価値を向上
パンチアウトの効果は?
藤本氏 当社は、効率化の過程で MonotaRO を導入しました。一物一
ドによるコスト削減効果も高く、べんりねっとで取引可能な同業他社の発
注実績が伸び悩むなか、右肩上がりの実績を残しています。導入の効果は、
自分さえよければいいという
「個別最適」の仕事を、企業単位で向上させる
「全体最適」へ改められたことでしょう。
柴垣氏 効果的なパンチアウトができれば、購買プロセスの作業時間を
短縮させ、本来、力を入れるべき高額品の査定やサプライヤー交渉、
データ
分析などの購買業務に人員を充てることができます。しかも、企業は商品
マスターのメンテナンスも不要です。
渋谷 購買業務の付加価値向上には、購買・調達部門による一元的な
管理が欠かせません。間接材の購入・調達の労力を減らすことができれば、
企業の主要戦略である直接材の投資に注力できます。こうした効率化には、
ERP(統合型業務パッケージ)の機能拡充が不可欠です。
間接材にもコスト削減の宝の山
拡張性の高い調達・購買領域で ERP を機能させるには?
渋谷 サプライヤーの「ビジネスネットワーク」と ERP をクラウドコン
ピューティングでつなぐことで外部へのゲートウェーとし、マスターデータ
やトランザクションデータを共有すれば、企業のなかで閉じたシステムで
ある ERP がそのまま調達・購買業務に拡張できます。バイヤー企業とサプ
ライヤー企業をさまざまな形でつなぐことで両社にメリットが提供でき、互
いの業務の効率化やコスト削減、最適化、キャッシュフローの改善などが
期待できるでしょう。
修理やサービス購買、
マーケティング、人材派遣会社の選定など、
これま
価を基本に納期が固定されており、複数のキーワードからサイト上で検索
で購買部がかかわってこなかった間接材にもコスト削減に関する大きな
度の商品でも通常品と同様のデリバリーが可能です。プライベートブラン
の一助となるはずです。
できる点がメリットです。既存顧客 130 万の需要を集約されており、低頻
宝の山があるのです。アウトソーシングの活用やシステムの導入が削減へ
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