洗浄・消毒・滅菌 - 日本環境感染学会

洗浄・消毒・滅菌
学習内容
洗浄・消毒・滅菌の概要と実際
●
病院感染症と洗浄・消毒・滅菌
病院感染症の概要
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罹患と死亡の主な原因
内因性細菌叢:患者自身の細菌叢
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外因性細菌叢:環境、器材、他の患者、
●
医療従事者等からの病原体
交差感染を最小限に抑える対策
●
洗浄
●
消毒
滅菌
洗 浄
対象物からあらゆる異物(血液・
●
体液・有機物など)を除去すること
水 熱水+機械的洗浄+洗浄剤 酵素剤
対象物からすべての異物を
洗浄除去しないと、消毒や
滅菌プロセスに効果はない
一次洗浄・一次消毒
●
病棟・各部署にて使用後器材
の一次的な洗浄、消毒は行な
わず、中央材料部にて一括処
理が望ましい
スポルディングの器具分類
器具分類
消毒水準
対象器具
クリティカル
滅菌
無菌組織や血管に
挿入するもの
高水準消毒
中水準消毒
粘膜または
健常でない皮膚に
接触するもの
低水準消毒
健常な皮膚に
接触するもの
セミクリティカル
ノンクリティカル
クリティカル器具
●
無菌の組織や脈管系に入るもの
手術器具
●血管系の器材
●尿道カテーテル
●インプラント
●
など
●EOG滅菌
過酸化水素プラズマ滅菌
熱による滅菌(乾熱滅菌 高圧蒸気滅菌)が必要
インジケーターで滅菌確認する
●
消毒・滅菌の有効性
生物学的インジケーターがもっとも正確
●理想的インジケーターの特徴
●
●特徴がはっきりしている
●安価である
●滅菌に対して抵抗力の強い病原体で判定できる
●短時間で判定できる
●扱いやすい
●病原性がない
●標準化された材料である
滅菌不十分なものは回収 再滅菌を行う
●
熱による滅菌
古くから用いられている最も一般的な
方法
●
乾熱滅菌
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蒸気滅菌―効率的な安価
●
生物学的インジケーター
●
高圧蒸気滅菌:オートクレーブ
●
蒸気滅菌
包装された医療用具の蒸気滅菌に
●
望ましい作用時間・温度・圧力は
121℃ 1気圧加圧で20分
●
126度 1.5気圧加圧で10分
●
134度 2気圧加圧で4分
●
EOG滅菌
酸化エチレンガス(EOG)による滅菌
●
特徴
●
非耐熱性器材も滅菌できる
長所
●
短所
●
エアレーション(滅菌後の滅菌器内部
ガス濃度低減処理)に時間がかかる
さまざまな生体毒性がある
●
プラズマ滅菌
過酸化水素と高周波エネルギーに
よるプラズマを利用した滅菌法
●特徴
●
長所
●非耐熱性器材も滅菌できる
●短時間で滅菌が可能
●毒性がない
短所
●材質により滅菌できないものがある
●包装材が限定される
セミクリティカル器具
粘膜や創傷のある皮膚と接触するもの
●
呼吸器系回路
●麻酔器材
●内視鏡
●
など
化学的消毒または熱による消毒が必要
●
高水準消毒薬
●
中水準消毒薬
●
高水準消毒に使用する薬剤
グルタラール
●
フタラール
●
過酢酸
●
注意点
消毒時間:20分以上
●
消毒後に滅菌水で十分洗浄する
●
中水準消毒でよい器材とその薬剤
●粘膜や創傷のある皮膚と接触する器具で形状が
単純な器具
●口腔用体温計
直腸用体温計
●水治療用タンク
●中水準消毒薬に使用する薬剤
●次亜塩素酸ナトリウム
●消毒用エタノール
●ポビドンヨード
眼圧計
など
ノンクリティカル器具
創傷のない正常皮膚に触れるもの
および皮膚には触れないもの
●
ベッドサイドテーブル
●ベッドの手すり
●便器
聴診器 など
●マンシェット
●
●
低水準消毒または洗浄が必要
低水準消毒に使用する薬剤
塩化ベンザルコニウム
●
塩化ベンゼトニウム
●
グルコン酸クロルヘキシジン
●
両性界面活性剤
●
Q&A
ノンクリティカル器材は滅菌処理を
必要とするが、滅菌できない器具に
ついては中水準以上の薬剤を用いた
消毒を行う
●
YES
○N O
ノンクリティカル器材は滅菌の必要がない
消毒には低水準の消毒薬を使用する
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総監修:
制作・編集:
大久保 憲
[日本環境感染学会教育委員会委員ならびに本教育資材制作協力委員]
内田美保 内山正子 大友陽子 奥住捷子 加来浩器 木津純子
木村 哲 草地信也 黒田恵美 白石 正 新谷良澄 高崎晴子
高野八百子 田中美智男 谷村久美 長沢光章 藤田 烈
藤本卓司 堀 賢 本田順一 操 華子 満田年宏 森兼啓太
森澤雄司 吉田 敦 (50音順)
制作協力:
株式会社 キューラ メディクス