2014 年 HIV 感染者・エイズ患者の状況

2014 年 HIV 感染者・エイズ患者の状況
2014年(平成26年)1年間のHIV感染者・エイズ患者の状況が,国連合同エイズ計画(UNAIDS)及び厚生労働
省エイズ動向委員会から発表されました。詳しくは次のホームページをご覧ください。
UNAIDS「ファクトシート2014年世界の状況」
:http://api-net.jfap.or.jp/status/world.html 平成26 年エイズ発生動向年報:http://api-net.jfap.or.jp/status/2014/14nenpo/14nenpo_menu.html
日本の新規HIV感染者およびAIDS患者報告数の年次推移
1,600
1,400
HIV
AIDS
1,200
1,000
800
600
400
200
0
2014
HIVとともに暮らしている人の数(推計)
2014年現在
これは今年度の世界エイズデー国内キャンペーン
テーマです。エイズはまだ終わっていない。だからこ
そ,一人ひとりが,それぞれの立場から
「予防,治療,
支援,理解」という具体的行動をとることが求められ
ています。
(公益財団法人エイズ予防財団)
2010
2014年の新規HIV 感染者報告数は1,091件(前年
AIDS IS NOT OVER だから,ここから
2005
日本の状況
感染者の過半数が男性同性間性的接触によるこ
と,エイズを発症してからHIV感染を知る割合が高
い傾向にあることを踏まえ,予防啓発・早期発見・
早期治療に向けた対策が重要となっています。
2000
2009年から2014年の間に,121の低・中所得国の
うち84カ国がエイズへの支出を増やしていますが,
44カ国はエイズ対策に必要な資金の75%以上を外国
からの資金に頼っています。UNAIDSはエイズ対策
に必要な資金を2020年には319億ドル,2030年には
293億ドルと推定しています。
年齢では,HIV感染者は20 ~ 30歳代に集中して
おり,2002年以来12年ぶりに20歳代の合計件数
(349
件)が30歳代(347件)を上回りました。エイズ患者で
は20歳以上に幅広く分布し,特に30歳代,40歳代に
多い傾向が続いています。
1995
2015年3月には1,500万人が抗HIV治療を受けてお
り,ミレニアム開発目標6「HIV /エイズ,マラリア
及びその他の疾病の蔓延防止」を9カ月早く達成した
としています。抗HIV治療を受けているHIV陽性者
は,成人では2010年の23%から41%へ,15歳未満の
こどもでは2010年の14%から32%へと上昇していま
す。また,HIV陽性妊婦の73%が母子感染を防ぐた
めの抗HIV薬を投与されており,こどものHIV新規
感染の減少につながっています。
1,106件)でした。2008年(1,126件)をピークとして,
2007年以降年間1,000件以上の報告が続いており,
2014年は過去3位となっています。また,エイズ患
者は455件(前年484件)で過去4位,HIV感染者及
びエイズ患者を合わせた新規報告数は1,546件(前年
1,590件)
で過去3位となっています。
HIV感染者,エイズ患者ともに日本国籍男性が
大半を占めており(HIV感染959件,エイズ患者409
件)
,感染経路では,HIV感染者の72.3%(789 件)
,
エイズ患者の56.7%(258件)を同性間性的接触によ
る感染例が占め,日本国籍男性の同性間性的感染は
横ばい傾向にあります。また,昨年は0だった日本国
籍男性の静注薬物使用の報告が7 件ありました。
1990
2014年末現在,3,690万の人々が HIVとともに暮
らしています。2000年以降,およそ3,890万人がHIV
に感染し,2,530万人がエイズに関連する原因により
死亡しました。
2014年に全世界で新たにHIVに感染した人は200
万人で,2000年の310万人から約35%減少していま
す。15歳未満のこどもの新規感染は,2000年の52万
人から22万人へと58%減少しています。
エイズに関連する死亡は,最も多かった2004年以
降42%減少しましたが,未だに全世界で120万人が
この病気により死亡しています。
1985
世界の状況
9 / 2015 複十字 No.364
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