第4回 「装置の種類と特徴(2)記憶装置 5月9日(木) Q&A

生活とコンピュータ (太田)
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「第4回授業 5月9日」
質問
◆HD(ハードディスク)が壊れたらもうパソコンは使えない?
→HDにはパソコンを起動するための情報や、さまざまなソフトウェアが記憶されている。パソコ
ンにとって最も重要な記憶装置であり、これが故障したらパソコンは動かなくなる。
◆FD(フロッピーディスク)は長期間たつと使えなくなる?
→はっきりした使用期限があるわけではないが、長く使用すれば機械的接触によってディスクの
表面は摩耗していく。したがっていずれ交換は必要になる。また傷を付けたり、飲み物をこぼ
したりして使えなくなるケースも多い。基本的には消耗品と考えた方がよい。
◆HD や FD に記録するというのは、実際には何をしている?
→ディスクの表面には磁性体(鉄粉のようなもの)が塗布してあり、書き込みを行う磁気ヘッド
の先端に電流を流すことで磁力線を発生させ、ディスク表面の磁性体を磁化している(微小な
磁石ができる)
。電流の向きを変えることで磁石のプラスとマイナスを切り換えている。
◆HD は交換できないが、容量がいっぱいになったらどうする?
→ディスク自体は固定されていて交換できないので、空きエリアがなくなった場合は、いらない
データを削除するか、または新たに外付けタイプのHDを増設することになる。
◆FD の中にあるプラスチックの薄いディスクを取り出したら、その FD はもう使えない?
→使用可能な状態のFDからディスクを取り出してしまったら、たぶん使えなくなるでしょう。
◆FD をもっと高速で大容量にすることはできる?
→現在の FD の規格では 2HD の 1.4MB が記憶容量のほぼ上限(限界)であるが、各メーカーは FD
に代わる様々なタイプの媒体を製品化している。スーパーディスク、ZIP などと呼ばれ、記憶
容量も FD の 20〜100 倍以上まである。MO や CD‑RW なども含め、携帯性のある記録媒体にはい
ろいろな種類があるといえる。
◆HD に記録したデータは消えないで永久に保存される?
→ディスク回転中に衝撃を与え、機械的な故障を起こすといったトラブルでもない限り、データ
が保存された状態はずっと保たれる。
「永久に」といえるかどうかは疑問であるが、少なくと
も「時間の経過と共にデータが自然に消滅する」というようなことはない。
◆HD は高速回転しているが発熱はしないもの?
→HDの回転スピードは1分間に5000〜10000回転にもなり、モーターや空気摩擦による発熱はか
なり大きい。あまり高温になると機器の信頼性が低下するため、1万回転くらいが上限ともい
われている。HD以外にもCPUなどの電子部品はかなり高温になる。これらの熱を逃がすため、
パソコン内部には冷却ファンが取り付けられている。
◆CD の記録面についているデコボコ(これをピットという)はどのくらいの高さ?
→表面を顕微鏡で 1000 倍くらいに拡大すると、無数の出っ張り(ピット)が見える。高さ 0.1
μm、幅 0.5〜0.8μm(1マイクロメートルは千分の1ミリ)
。なおピットの上には薄い反射
膜があり表面が平らになっているので、指で触れてもデコボコ感はない。
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(2002 年度
春学期
第4回)
◆CD への書き込みはどのようにして行う?
→書き込みを行うためには専用のライティングソフト(CD書き込みソフト)を起動しておく必要
がある。この点がHDやFDにデータを保存するときとは異なる。通常、ワープロの文書などをFD
に保存するときは「名前を付けて保存」というメニューから行うが、CDの場合はこのメニュー
が使えない。書き込みの操作が、やや面倒なのがCD‑RやCD‑RWの難点である。
◆CD‑R や CD‑RW の書き込みを行う時に失敗することはある?
→CDへの書き込み時に、他のソフトを同時に起動していると、CDへのデータ転送が中断され書き
込みが間に合わなくなる(バッファアンダーランという)エラーが発生することがある。これ
を防止するため、ライティングソフトのマニュアルには、
「常駐ソフト・スクリーンセーバー・
ウィルスソフトなどは止めてから実行してください」と注意書きがされている。
◆CD‑RW が読み書き両方できるのであれば、CD‑R はあまり使い道がない気もするが?
→CD‑RW が何回でも書き換え可能であるのに対して、CD‑R は一度しか書き込みができない。上書
きができない(つまり消すことができない)という点が CD‑R の最大の特徴である。したがっ
て CD‑R は繰り返し書き込む必要のない場合、または消したくない場合(消えては困るもの)
に利用される。たとえば公文書や重要文書などの保存用、あるいは個人で作成した映像や演奏
会の記録など。CD‑R とは「オリジナルの CD‑ROM を作るもの」と考えればよい。
◆CD‑R に間違った情報を書き込んでしまったら、もう直すことはできない?
→いったんCD‑Rに書き込んでしまった内容は、修正することも削除することもできない。
◆CD‑R や CD‑RW は音楽だけでなく、パソコンのデータなども記録できる?
→ワープロの文書、表計算のファイル、お絵かきソフトで作成した絵や図形、画像/動画データ、
音楽データ・・など、パソコンで処理できるデータならば何でも記録できる。
◆CD‑R や CD‑RW 用ディスクはパソコンの CD‑ROM ドライブ入れて使える?
→CD‑R は、一度書き込んでしまえば CD‑ROM と同じなので、一般の CD‑ROM ドライブに挿入して問
題なく使える。一方、CD‑RW は読み書きのしくみが少し違うため、専用ドライブが必要になる。
したがって CD‑RW 用ディスクを CD‑ROM ドライブに入れても使えない。
◆光磁気ディスク(MO:Magneto‑Optical‑disc)って何? このディスクは CD と同じもの?
→大きさは FD と同じ 3.5 インチのディスクであるが、記憶容量が 230〜1300MB と FD の数 100 倍
もある。ディスクは CD や DVD と同じポリカーボネート樹脂と呼ばれる材質ででできている。
表面に渦巻き状の磁性層がありレーザー光を当てると磁石の向きが変わるようになっている。
CD のような「ライティングソフト」が不要なため FD とほとんど同じ感覚で使える。なお使用
する場合は専用の MO ドライブが必要になる(パソコンについている FD ドライブに入れても使
えない)
。装置は外付けタイプで3万円くらい。
◆光で記憶するのと磁気で記憶するのでは、どういう違いがある?
→光の代表がCDであり、磁気の代表がHDである。それぞれに用途や特徴がある。HDは歴史が50年
以上もあり、大容量・高速性・高信頼性が特徴になっている。装置は固定されているのでディ
スクの交換や取り外しはできない。一方のCDは、もともとオーディオ用として普及したメディ
アである。パソコンにCDドライブが付くようになったのは、ここ10年くらいのこと。
「ディス
クの交換・持ち運びが容易なこと、一般のCDプレーヤーでも再生できる」などが特徴である。
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春学期
第4回)
◆FD、CD、MO などいろいろあるが、価格はどれくらい?
→ディスクの実売価格は、FD(1.4MB)が 10 枚セットで 500 円(1枚 50 円)
、CD‑R(650MB)は
1枚 70 円、CD‑RW(650MB)は1枚 300 円、MO(640MB)は1枚 600 円、DVD(5200MB)は1枚
2800 円くらい。単純にみると1枚の価格は FD が一番安いが、記憶容量(1MB 当たりの価格)
で考えれば CD‑R がもっとも安く、FD が一番高いともいえる。
◆CD に傷がついてしまったら、もう使えない? ラベル側の面なら大丈夫?
→ディスク表面に傷がついてしまうと、データを読めなくなる可能性が高い。また記録層はラベ
ルのすぐ裏側(200 分の1mm くらいの近さ)にあるので、ラベル側の面であっても扱いには注
意が必要(硬いペン先で字を書いたり、シールを貼ったりしない方がいいでしょう)
。
◆音楽 CD から好きな曲だけを集めてオリジナルの CD を作成する方法は?
→ライティングソフトにはオーディオ(音楽)CD 作成機能がある。通常は、元になる音楽データ
をいったんハードディスクにコピーしておき、その後 CD に記録するという手順になる。
◆音楽データを CD に記録するのに時間はどれくらいかかる?
→CD のドライブが書き込み何倍速であるかによる。たとえば8倍速であれば、再生時間の8倍の
スピードで記録できることになる(全部で 80 分の曲であれば書き込み時間は 10 分)
。ただし
これはあくまで理論値である。また読み込みの時間も必要なため、実際にはもっと長くかかる。
◆普通の音楽用 CD プレーヤで CD‑R のディスクに録音した音楽を再生できる?
→「オーディオ CD」という規格で記録すれば、普通の CD プレーヤーで再生が可能。
◆インターネットから取り込んだ曲の音質はどの程度? また MD にも録音できる?
→インターネットで音楽配信を行うサイトが最近増えているが、これらの多くは、音楽ファイル
のサイズを小さくする MP3 という圧縮方式を採用している。普通の CD の場合、1曲で 40MB く
らいの容量になるが、MP3 で圧縮すると容量が約 10 分の1くらいになる。本来、圧縮すれば音
質は劣化するが、人間の聴覚特性を利用して音を削っているため、CD との音質差はほとんどな
いといわれている。ダウンロードした曲は HD、CD へ保存できる。また MD ドライブに対応して
いるパソコンであれば MD へ直接録音することも可能。
◆パソコンと接続できる MP3 プレーヤーって何?
→MP3 形式の音楽データを再生する携帯用プレーヤーのこと。超小型カードの記録メディアに曲
を録音して使う。ディスクが不要なため、小型軽量で音飛びしないというのが特徴である。
◆ミニディスク(MD:Mini‑Disc)とはどういうもの?
→もともとは音楽の録音・再生用として、ソニーが開発したもので、74 分の音楽を記録できる。
FD よりも1回り小さい円盤が入っていて、ミニディスクと呼ばれる。円盤の直径は 2.5 インチ
(約6cm)
。光磁気ディスクと同じ記録方式であり、記憶容量は約 140MB(メガバイト)
。
◆市販されている音楽やビデオの DVD とは DVD‑ROM のこと?
→市販DVDの多くは、パソコンまたは一般のDVDプレーヤーを使って再生する。ディスク自体は読
み込み専用、すなわちDVD−ROMであると考えてよい。
◆デジタルカメラで撮った画像は、どのディスクに保存するのがよい?
→画像のサイズと枚数にもよるが、FDは容量が小さいので不向き。HD、CD‑RW、MOであれば容量
も十分あり、消去も書き換えもできる。消さずにずっと残したい場合はCD‑Rを使う。
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(2002 年度
春学期
第4回)
◆DVD のディスクをパソコンの CD ドライブに入れて再生することはできる?
→できない。ディスク自体の外形は同じ(直径12cm、厚さ1.2mm)だが、記録面のピットの並び
方や間隔が異なる。したがってDVD専用ドライブが必要になる。反対にDVD用のドライブがあれ
ば、それ1台でCDとDVDの両方のディスクを再生できる。
◆パソコンを設置するとき、部屋の温度はどれくらいが適当?
→マニュアルには一応、温度 18〜28℃、湿度 45〜75%などと書いてあるが、それほど気にする
必要はなく、人間が不快と感じなければ十分である。ただ電気製品なので結露には注意した方
がよい。また本体内部はかなり高温になるので、真夏にクーラーのない部屋で長時間使用した
場合、トラブルが発生することがある。
◆記憶の単位は MB(メガバイト)と GB(ギガバイト)の他にもある?
→記憶の単位は、基本となるB(バイト)に数値の大きさを表すM(メガ)やG(ギガ)を付けて
表す。K(キロ)→ M(メガ)→ G(ギガ)→ T(テラ)の順で数値は大きくなり、すべて1000
倍の関係にある。たとえば 2.5GB = 2,500MB = 2,500,000KBである。
意見、感想、その他
◆記憶装置にはいろいろなものがあることがわかった。
◆フロッピーディスクの中身があんなに薄いものだとは思わなかった。
◆HD や FD などそれぞれの違いがわかった。/HD と FD の性能差が大きいことに驚いた。
◆記憶装置には用途に応じたいろいろな使い方があると思った。
◆CD の種類などがわかっておもしろかった。
◆ディスクを使い分けて、オリジナルのものを作ってみたい。
◆CD や DVD にはいろいろな種類があることがわかった。少し混乱した。
◆補助記憶装置を実際に手に取ることができ、興味深かった。
◆記憶機能は欠かせないものだと思った。
◆HD の回転速度が1秒間に 100 回転であると聞き、あまりの速さに驚いた。
◆CD‑R の書き込みが一度しかできないということを初めて知った。
◆HD が本体の中に入っていることがわかった。
◆DVD の記憶容量が大きいのに驚いた。
◆FD は HD や CD に比べて、ずいぶん小さいものだと思った。
◆CD の表面にデコボコがあるということを初めて知った。
◆用語がたくさん出てきて覚えるのが大変そうだ。
◆FD ドライブを実際に見て、中がどのようになっているのかがわかった。
◆FD のドライブとディスクを実際に見て、針で回転する昔のレコードのようだと思った。
◆FD の処理速度は速いと思っていたが、かなり遅いものだと聞いて驚いた。
◆機械は人間の頭脳より賢いと思った。
◆CD は渦巻き状、HD や FD は同心円と聞き、用途によって違っていることに感心した。
◆身近な話でわかりやすかった。
◆揮発性/不揮発性という言葉の意味を知らなかったので勉強になった。
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(2002 年度
春学期
第4回)