労働安全コンサルタント試験(産業一般) 平成16年度問題 解説 16-1

◆労働安全コンサルタント試験(産業一般)◆
16-1
平成16年度問題
解説
③
④記述のとおり。ライン管理者は、現場を熟知しているが、安全上問題があってもそ
の現状を容認する傾向にある。
16-2
ロ
⑤
適切でない。安全指示書を渡すことよりも、その場で作業を中止させ、安全帯を
使用するよう指導することが先決である。
ニ
適切でない。各関係請負人の労働者の安全衛生責任は、各関係請負人が選出した
安全衛生責任者が負っている。
「ロ」と「ニ」が適切でない。・・・正解⑤
16-3
①
①適切。ハインリッヒの法則が示すように重傷災害 1 件、軽傷災害 29 件の背後には、
災害統計に現れないヒヤリ・ハットが 300 件あるため、ヒヤリ・ハットの共有化は
重要である。
②不適切。ツールボックスミーティングは、職長を中心として、その日の作業の内容
や方法・段取り・問題点について短時間で話し合ったり、指示伝達を行うもので、
その際、工具箱(ツール・ボックス)に座って行うことがあることからこのような
名称がついている。安全指示事項の徹底と危険や安全対策についての話し合いが目
的であり、各自が道具を持ち寄ることや道具について話し合うことではない。
③不適切。4S 活動は、整理・整頓・清掃・清潔の 4 つの S を推進する活動であり、機
械設備の高機能化や精密化するに従ってより重要であり、製品の品質向上や機械の
稼働率の向上に繋がる。
④不適切。危険要因のイラストシーンを描くのではなく、イラストをもとに危険箇所
や危険行動などの危険ポイントを洗い出す訓練である。
⑤不適切。簡単な提案方式の方が、多数のアイディアが提案される。それを基に改善
措置を関係者でディスカッションし、具体的ものにグレードアップすればよい。
16-4
イ
③
不適切。安全衛生方針には、労働安全衛生法規および組織(事業場)が同意するそ
の他の要求事項を遵守する約束を含むことが求められている。(4.2
労働安全衛
生方針)しかし、法令に対する具体的措置を定めることまでは定められていない。
定められているのは、「組織(事業者)は、適用されうる法的要求やその他の労働
安全衛生要求事項を特定し、参照できるような手順を確立し、維持しなければな
らない。」ということである。(4.3.2
ニ
法的およびその他の要求事項)
不適切。システム監査は、原則として内部の者が行うが、外部の専門機関等を活
用しても差し支えない。いずれの場合にせよ、システム監査は、公平かつ客観的
に実施することが求められていることから、システム監査者は、監査の対象とな
1
る業務に直接の責任をもたない独立した要員によって実施されなければならない。
(4.5.4
監査)
「イ」と「ニ」が不適切。・・・正解③
16-5
④
④不適切。健康管理は、健康診断の実施の管理のみではなく、診断結果について医師
等からの意見を聴取(法 66 条の 4)、措置(法 66 条の 5)、保健指導(法 66 条の 7)
および健康教育(法 69 条)等を実施しなければならない。
16-6
②
②不適切。危険域に作業者の身体の一部が入れば、ただちに機械を停止するようにし
なければない。警報は、この時も必要であるが、動作領域に接近した時点で発する
ようにする。
16-7
③
③不適切。完全停止と異常時の待機とは、区別できない。マニプレータは、電源を入
れたら、不意に作動する事例もあるため、注意を要する。
16-8
②
②誤り。寿命分布が正規分布に従う場合には、故障率はバスタブ曲線となる。つまり、
初期故障および摩耗故障(寿命に近づいた状態)の故障率が高くなる。
16-9
①
①誤り。高齢者の視覚の対応能力の低下は、暗順応の方が著しい。
16-10
③
ロ
誤り。個人と組織の両方の要因について検討する必要がある。
ハ
誤り。これは、安全心理学での人間の機能に及ぼす要因の分類であり、これによ
って、事故やヒューマンエラーの背景要因をつかむことは難しい。
「ロ」と「ハ」が誤り。・・・正解③
16-11
④
A
出力過程であり、「動作」である。
B
ここでの選択肢は、「記憶」と「形成」しかないため、ミステイクなどの意図した
行動として「形成」が入る。
C
操作を誤って行う段階は、計画した行動を意図したとおりできなかったことであり、
「遂行」にあたる。
正解は④となる。
2
16-12
②
②不適切。いずれが効果的は、一概にいえない。OJT では、指導者の技術レベルや熱意
によって差がでるし、社外教育でも討議方式や問題解決方式などを採用することに
より、競争心や学習意欲を高め、職場に戻ってから効果を発揮する。
16-13
⑤
⑤不適切。災害発生数の多い事業場において実施されるものではなく、全職場で実施
する教育である。また、実務の中で、災害発生事例やヒヤリ・ハット事例の研究等
は実施できるが、事例研究等を常時実施しないので、一度に多くの人に知識を与え
ることができるかは管理監督者の資質に委ねられている。
16-14
②
②誤り。高温物等に対する措置は、(1)高温物等の除去、漏えい防止および遮断措置、
(2)マンホール、バルブ、フランジ等を開放した際の内容物の流出防止措置、(3)高
温部分への接触防止措置、(4)液状物質の凝固による配管、ノズル等の内部の閉そく
防止措置、(5)保護具の適切な使用である。
16-15
④
④不適切。リスクアセスメントの結果による使用状況の内容を使用上の情報とするも
のではない。使用上の情報は、安全でかつ正しい機械の使用を確実にするために、
製造等を行う者が、標識、警告表示の貼付、信号装置または警報装置の設置、取扱
説明書等の交付等により提供する指示事項等の情報をいう。
リスクについては、除去または低減できなかった残留リスクに関する情報が本指針
での対象である。
16-16
③
③不適切。設計部門と生産部門が中心となって実施するのではなく、他部門の委員も
メンバーに加え評価委員会を構成して実施する。
16-17
②
②不適切。渦電流探傷器は、電磁誘導現象を応用した非破壊検査であり、残厚を測定
するものではない。
16-18
⑤
⑤不適切。作業手順は、①の記述のように現場監督者、つまり職長が作成するもので
ある。職長が作業の内容を調査し、それを主なステップに分解し、最もよい順序に
並べて、主なステップごとに急所とその理由を記入する。また、教育については、
作業者の経験やレベルなどに応じて、個別・集合を問わず実施する。
3
16-19
④
④誤り。物体は、その機械的強度より小さい力学的応力を一時的に受けても破壊され
ることはなく、弾性範囲内であれば応力を取り除くことにより元の状態に復元する。
しかし、弾性範囲内であっても、繰り返し荷重を継続的に受けるとその強度が次第
に小さくなり。やがて変形あるいは破壊に至る。これを疲労破壊という。疲労破壊
は、材料に荷重が集中する、あるいは繰り返し荷重頻度の高い部分で局部的に起こ
る。
16-20
③
③不適切。ジブは、トラス構造であるため、ジブ全体には曲げモーメントが作用する
が、各部材には、圧縮力と引張力が交互に作用する。従って、圧縮力と引張力のい
ずれにも耐えうるかを検討する。
16-21
②
①不適切。振動法は、発生する振動の特性や伝播の特性の変化をセンサーでとらえて
ころがり軸受や歯車の劣化診断を行う。ボルトのゆるみ検査は、ハンマーテスト等
で実施する。
16-22
④
16-23
③
ロ
不適切。木材加工用丸のこ盤の歯の接触予防装置には、可動式のものと固定式の
ものがあるが、固定式は、25mm 未満の薄板に限って使用できる。
ハ
不適切。木材加工用丸のこ盤の反発予防装置の割刃には、鎌形式割刃と懸垂式割
刃があるが、丸のこの直径が 610mm を超えるときに使用する割刃は、懸垂式のも
のとしなければならない。
「イ」と「ニ」が適切。・・・正解③
16-24
④
④不適切。ホールド・ツー・ラン制御装置は、作業者がスイッチを押しているときの
み可動状態にする機能を持つ装置である。
16-25
⑤
⑤不適切。記述のように、レーザ用保護めがねは、波長依存性があるのでレーザの波
長に合わせ、出力に応じてタイプを選択する必要がある。しかし、適切なめがねを
選んだからといって直接ビーム内を観察するのは、危険である。
4
16-26
①
①誤り。粉じん爆発は、粉体と酸素との接触面積が増大し、酸化反応が促進されるこ
とにより生ずるため、支燃性ガス(空気)の中で外力を与え、流動やかき混ぜを行
ってはならない。
16-27
⑤
⑤不適切。可燃性のガスや蒸気の爆発限界は、圧力や温度が変わると変化する。
16-28
②
②不適切。交流アーク溶接機の場合は、出力側(2 次側)回路に人が触れた場合の感電
を防止するための装置である。
16-29
③
16-30
⑤
⑤不適切。HAZOP 法は、主に化学プラントのようなプロセスプラントに潜在する危険や
故障を解析する手法である。プロセスパラメータ(反応、攪拌、温度、圧力など)
の目的状態からのずれの起こる箇所およびその原因と結果を明らかにするために、
プロセスの各部分を調査する手法である。設備の故障による労働災害を防止するた
めに、設備の重要な故障モードをすべて書き出し、その中の重要なものから順に対
応しようとする手法は、FMEA 法である。FMEA 法は、重大なものを取り上げ、相互関
係を明らかにし、致命的な関係のあるものを識別する帰納的解析法である。
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