硫酸 (水溶液)/希硫酸 CAS番号

旭化成ケミカルズ株式会社
安全性情報 (要 約書作成用)
硫酸 (水 溶液)/希 硫酸
この文書 は、製 品安全 に関す る情報 を要約 した ものです。
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資料 、情報、データに基 づ いてお りますが、 いか な る保 障 をなす ものではあ りません。
1.物 質 の特定
CAS番 号
7664-98-9 (7732-18-5)
製品名
希 硫酸
日本名
硫酸 (水 溶液 )
化学式
H2S04(H20)
2.一 般 的記述
(用 途 .有 用性 )
希硫酸 は、硫酸 と水の混合物か らな る液体です。色は無色で、強 酸性 を示 します。
石油排 ガスに含 まれ る二 酸化硫黄
(S02)を 三 酸化硫黄 (S03)に 酸化 し、水 に
吸収 させて希硫酸 とします。製造 した 希硫酸は肥料や繊維な どの化学 工 業 の基礎原料
として 使用 されて います。
3.物 理化学的性状
外観
無色透 明 (工 業用 はわず か に着色 )の 液体
臭い
無臭
融点 /凝 固点
-39℃ (濃 度 65%)
沸点、初留点及び沸点範囲
152℃ (濃 度
引火点
デ ー タな し
燃焼又 は爆発範 囲
デ ー タな し
蒸気圧
0.23kPa(20℃ 、濃度 65%)
比重 (ま たは相対密度 )
1.553(20℃ 、濃度 65%)
溶解性
水 に完全 に溶解す る。その他 の溶媒、デ ー タな し
65%)
4.健 康 へ の影 響
急性毒性
:経 日
[ラ
区分
5
ッ トLD50値 :2140mg/kg(SIDS,2001)お よび ヒ トで の経 口摂取 (摂 取量は不
明 )に よる死亡例 の報告 があるとの記述 に基づ き区分 5と した。 ]
経皮
分類できな い
吸入 (ガ ス )
分類対 象外
吸入 (蒸 気 )
分類で きな い
吸入 (粉 塵 、 ミス ト)
[ラ
区分
2
ッ トLC50値 (4時 間 ば く露):0.375皿 g/Lお よび (1時 間 ば く露 ):347ppm(4
時間換算値 :0.347皿 g/L)(い ずれ も (SIDS,2001))に 基 づ き、区分 2と した。]
皮膚腐食性 /刺 激性
:区 分
[濃 硫酸 の pHは
lA-lC
1以 下で ある ことか ら、 GHS分 類基準 に従 い腐食性物質 と判断
され、区分 lA-lCと 分類 した。 ]
眼 に対す る重 篤な損傷 /刺 激性 :区 分
[ヒ
1
トで の事故例では前眼房 の溶解 を伴 う眼 の重 篤な損傷 が認 め られた との記述
(ATSDR,1998)、
ウサギ の 眼 に対 して
5%液 で 中等度 、 10%液 では強度 の刺激性 が
認 め られた との記述 (SIDS,2001)お よび本物質の pHが 2以 下 で ある ことか ら
区分 1と した。 ]
:分 類で きな い
:区 分外
呼吸器感作性
皮膚感作性
[硫 酸 の皮膚感作性 に関す る試験 デ ー タはな い。硫酸 は何十年 と工業的 に利用 され
て いるが 、皮膚刺激作用 による皮膚 障害 が よ く知 られて いる一 方、皮膚感作性 の症
例報告 は皆無 である。体 内 には硫 酸 イオ ンが大量 に存在す る (血 清 中 の硫酸イオ ン
は
3811uno 1/L、
細胞内 にはその 50倍 )が 、ア レルギー反応 は起 こらな い。金属 の硫
酸塩 の ア レルギー性試験では、金属 によるア レルギー性陽性 とな る ことはあって も、
硫酸イオ ンでは 陰性 となる ことは、硫酸亜鉛 での 陰性 の結果か ら推定 される。以上
の結果か ら硫酸 は ヒ トに対 して ア レルギ ー性 を示 さない との結論が得 られ る、との
記述 (SIDS,1998)か ら、区分外 とした。 ]
生殖細胞変 異原性
発がん性
生殖毒性
:分 類で きな い
:分 類で きな い
:区 分外
[ウ サギおよび マ ウスで の胎児器官形成期 に吸入 ば く露 した試験 では、母獣 に毒性
が認 め られな い用量では、
両種 ともに胎児毒性お よび催奇形性 は認 め られず (SIDS,
2001)、
また、慢性毒性試験お よび発がん性試験 にお いて も雌雄 の生殖器官 へ の影
響 は認め られず、刺激性 /腐 食性 による直接作用が主た る毒性で ある ことか ら、生
殖毒性 を示す懸念はな いと判 断 されて いる (SIDS,2001)こ とか ら、区分外 とした。]
特定標的臓器 /全 身毒性 (単 回ば く露 )
[ヒ
:区
分
1(呼 吸器系)
トでの低濃度 の 吸入 ば く露では咳、息切れな どの気道刺激症状が認 め られて
お り (DFGOT,2001)、 高濃度 ば く露では咳、息切れ、血痰排 出な どの急性影響の
ほか、肺 の機能低下および繊維化 、気腫な どの永続的な影響が認 め られた との記述
(ATSDR,1998)お よびモル モ ッ トで の 8時 間吸入 ば く露で 肺 の 出血お よび機 能障
害 が認 め られた との記述 (ATSDR,1998)か ら、区分
特定標的臓器 /全 身毒性 (反 復 ば く露 )
[SIDS(2001)の
:区
分
1(呼 吸器 系)と した。
]
1(呼 吸器 系)
ラッ トで の 28日 間吸入 ば く露試験では区分 1の ガイダ ンス値
範 囲で喉頭 粘膜 に細胞増殖 が認 め られ、ATSDR(1998)の モルモ ッ トで の 14∼ 139日
間反復吸入 ば く露試験 では区分 1の ガイダ ンス 値範囲内 の濃度 で鼻 中隔浮腫 、肺気
腫 、無気肺、細気管支 の充血、浮腫 、出血、血栓 な どの気道 お よび肺 の障害 が、
さ らに、カニ クイザルで の 78週 間吸入 ば く露試験 では、肺 の細気管支 に細胞 の過
形成 、壁 の肥厚な どの組織学的変 化 が、区分 1の ガイダ ンス値 の範 囲 の用量
(0.048mg/L、
吸引性呼吸器有害性
23.5Hr/Day)で 認 め られた ことか ら、区分
:分 類で きな い
1(呼 吸器 系)と した。]
5.環 境 への影 響
│
環境 に対す る有害性
:区 分 3
水生環境急性有害性
[魚 類
・ルー
ギル)の 96時 間 LC50=16-28皿 g/L(SIDS、 2003)か ら、区分 3と した。]
(フ
水生環境慢性有害性
:区 分外
[水 溶液 が強酸 とな る ことが 毒性 の 要 因 と考 え られ るが、環境水 中で は緩衝作用
によ り毒性影響が緩和 され るため、 区分外 とした。]
オゾン層 へ の有害性
:分 類 できな い
[当 該物質はモ ン トリオ ー ル議定書 の附属書 に列 記 されて いな いため。]
6.法 規制情報 /分 類・ ラベル情報
法規制情報
労働安全衛 生法
特定化 学物 質
第 3類 物質 [施 行令別表第 3]
腐 食性液体 [労 働安全衛 生規則第 326条 ]
名称な どを通知 す べ き有害物 [施 行令第 18条 の 2 丹」
表第
毒物及び劇物取締法
劇物
消防法
消防活 動 阻害物質 (濃 度
船舶安全法
腐食性 物質 [危 険則告示別表第
。国連番号
60%以 下 を除 く)
1]
:1830(濃 度が 51%を 超 える もの
海洋汚染防止 法
有害液体 物質 (Y類 物質 )[施 行令別表第 1]
航 空法
腐食性 物質
[施 行規則第
194条 危 険物告示別表第
1]
港則 法
腐食性物 質 [施 行規則第 12条 危 瞼物告示]
大気汚染防止 法
特定物 質 [施 行令第 lo条 〕
労働基準法
疾病化 学物 質 [施 行規則別表第 1の 2第 4号 ]
水質汚濁 防止法
事故時 の措置 隣 14条 の 2〕
水素イオン濃度等 の項 目[施 行令第 3条 ]
道路法
車両 の通行 の 制限 随 行令 19条 の 13]
)、
等級 8
91
GHS分 類
健康 に対す る有害性
急性毒性 (経 口)
区分 5
急性毒性 (粉 塵 、 ミス ト)
区分 2
皮膚腐食性 /刺 激性
区分
lA‐
眼 に対す る重篤 な損傷性 /眼 刺激性
区分
1
特定標 的臓器 /全 身毒性 (単 回ば く露 )
区分
1(呼 吸器 系)
特定標 的臓器 /全 身毒性 (反 復 ば く露 )
区分
1(呼 吸器 系)
lC
環境 に対す る有害性
水生環境有害性 (急 性 )
GHSラ
区分 3
ベ ル表示
絵表示 または シンボル
注意喚起語
:
危険
危 険有害性情報
・ 飲 み込 む と有害 のおそれ
・ 吸入す る と生命 に危 険
。重篤な皮膚 の薬傷及び眼 の損傷
・ 臓器 (呼 吸器系 )の 障害
・ 長期 または反復 ば く露 による臓器 (呼 吸器 系)の 障害
・ 水生生物 に有害
7.参 考 文 献
製 品評価 技 術 基 盤機構 (NITE)i CHRIP、
URL:
有 害性 評価 書 及 び リス ク評価 書
8.連 絡先、作成 日
(改 訂 日)
会社名
旭化成 ケ ミカル ズ株式会社
住所
東京都千代 田区神保 町 1丁 目 105番 地
問 い合わせ窓 日
環境安全部
電話番号/FAX番 号
03‐ 3296‐ 3206/03‐
3296‐ 3490
*問 い合わ せ いただ いた内容は確認 後 、返答 い た します。
内容 によって は、 ご返答で きな い場合 もございます ので ご了承願 います。
制定 日/改 訂 日
) 制定 日 :2012年 8月
:
(改 訂 )版
改訂 日 :
(初 版
・ 改訂 内容
20日
:
以上