UniCel DxC 800 PRO における キャップピアスの有用性

UniCel DxC 800 PRO におけるキャップピアスの有用性
UniCel DxC 800 PRO における
キャップピアスの有用性
医療法人辰珠会 十和田第一病院 検査室
熊谷靖子
はじめに
当院は平成 2 年に開業以来、ベックマン・コールター社
の生化学分析装置を使用しているが、今回、キャップピアス
機能が備わった、UniCel DxC 800 PRO 導入により、更新前
に比較し、業務効率、経済効率、安全性が得られたので報告
する。
病院の概要 当院は青森県の十和田湖に近い人口約 7 万人、十和田市
の市街地にあり、十和田市、周辺町村の医療を担っている。
ベット数 60 床、外来患者数 1 日平均約 200 名、透析者数
110 名となっているが、他院からの紹介もあり、患者数も増
え続けている。
また、救急指定・人工透析・各種人間ドックと多種多様、
昼夜問わず、対応している。
検査室勤務の技師は、女性 3 名で健診業務、生理検査、検
体検査全般をすべて行っており時間外、夜間休日は交替で待
機制での対応をしている。
病院内の主な施設としては、脳ドック検査可能な最新 MRI
装置、個人用透析装置 25 台を備えた透析室、窓の外には四
季折々の八甲田連峰を望むことができる。
脳ドック検査が可能な最新 MRI 装置
病院の所在地と概要
青森県十和田市東三番町 1 0 ‑7 0 個人用透析装置 25 台を備えた透析室(窓の外には四季折々の八甲田連
峰を望むことができる)
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十和田第一病院 生化学分析機変遷
検査室概要
検査室には、生化学自動分析装置として、UniCel DxC
800 PRO、免疫血清自動分析装置として Access 2、血球計
数機として、COULTER LH 500、血液ガス分析装置、尿自
動分析装置、生理検査用として、超音波診断装置、心電計、
肺機能検査装置、ホルター心電計、聴力検査機器、簡易型睡
眠時無呼吸症候群診断装置、内視鏡診断装置の管理などがあ
る。
院内検査実施内容
機器選定理由
・第一に、
検査室の誰もが使用できる分析機器であること(他
に臨床工学士が、腹水濾過を行った際に濃縮度を見るため
に、腹水の TP 測定を行ったりしているが、簡単な説明で、
充分に使用可能であること)
。
・3 人の検査技師が血液・生化学・生理・尿検査などすべて
実施している。
・管理しやすく、メンテナンスの手間がない。
・5 年ごとに新しいタイプの分析機器がタイミングよく登場、
それぞれ追加された機能を利用している。
(平成 9 年 CX 5Δ 導入、平成 12 年 8 月から LX 20 を使用、
平成 17 年 9 月末より DxC 800 PRO に変更し、使用して
いる。
)
生理検査 ……心電図、肺機能検査、ホルター心電図、腹
部エコー、心エコー、聴力検査
生化学検査 …T P・ALB・GOT・GPT・γ-GTP・LDH・
A L P・A M Y・C P K・T- B i l・D - B i l・
Na・K・Cl・Ca・IP・CRE・BUN・UA・
Fe・Glu・HbA1c・ 免 疫・ 血 清・CEA・
CA19-9・PSA・CRP・感染症・血液検査・
尿一般・便・細菌検査他など担当技師を決
めずに、手が空いた技師が順に行っていく
方式をとっている。
SYNCHRON LX 20
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SYNCHRON CX 5Δ ዉ౉䋨ᐔᚑ9ᐕ䋩
UniCel DxC 800 PRO䋨ᐔᚑ17ᐕ9᦬ᦝᣂ䋩
生化学分析機変遷
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UniCel DxC 800 PRO におけるキャップピアスの有用性
DxC 800 PRO の
キャップピアス導入の流れ
その他の検査機器
当院は DxC 導入以前から DxC 800 PRO のキャップピア
ス対応のバキュティナー(ベクトンデッキンソン)
、インセ
パックⅡ(積水化学)採血管を使用していた。
DxC 800 PRO に CTS(キャップピアス)機構が備わって
おり、機器入れ換え時に検討したが、従来からの採血管を変
更することなく使用できるので、採用にいたった。これによ
り安全性が確保でき、さらに省力化できた。
CTS(Close Tube Sampling)
使用以前の問題点
検査技師の安全性
キャップの開閉栓時の血液の飛散による汚染、感染の危険
性があった。
COULTER LH 500
検体の安全性
・開栓時、閉栓時に検体をこぼしてしまうことがある。
・閉栓時に外していた栓を間違って使ってしまう(検体コン
タミ)
。
・開 栓したままの放置時間による検体の濃縮を心配してい
た。
Access 2
このほかに、血液分析装置、尿自動分析装置、超音波診断
装置、心電計、肺機能検査装置、ホルター心電計、聴力検査
機器、内視鏡診断装置などがある。
50,000
25,000
48 ,00 0
45,000
40,000
24,000
20,000
35,000
30,000
LX 20
DxC 800
25,000
15,000
LX 20
DxC 800
10,000
20,000
15,000
5,000
10,000
5,000
0
0
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CTS 機能使用による業務効率・経済効率の変化 3
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CTS 導入のメリット
・検 査技師の作業量の削減につながった(業務の削減:80
本 ×2 回= 160 回 / 日)。
採 血管の開栓・閉栓の業務は、検体数増加に伴い、単純
な作業とはいえ、とても苦痛な作業であった。キャップの
開閉は多いときで、1 日 200 本以上行ってきた。手指は痛
くなり、指の感覚がなくなることもあったが、作業は続け
るしかなかった。その作業が一気に解消、遠心分離した検
体をそのままラックにセットし測定可能になった。
・開栓時に起きる血液の飛散等による感染に関する安全性を
痛感している(実際には手袋等を使用していない)。
・生理機能検査とのかけ持ちで、以前は常に検体濃縮を気に
しながら仕事を続けていたが、今回はそれに関する問題は
なくなった(以前は濃縮が起こらないように、1 時間以内
を目安に閉栓業務をしていた)。
機器のハード面での利点
・LX 20 に比べて、DxC 800 では騒音対策が施されており静
かになった(狭い検査室では、機器の騒音はかなりの負担
であり、伝達事項も大声で話すしかなかった)。
・新製品なのに、完成度が高く納品後半年経過するがトラブ
ルがない。
まとめ
Synchron LX 20 に引き続き、UniCel DxC 800 PRO を導
入して、下記の点に満足している。
・ハードウエアの完成度が高くトラブルがない。
・CTS 機能がつき、当院ではバイオハザード対策、コンタミ
の回避、省エネ化につながった。
・メンテナンスにかかる作業が機器に指示するだけになり実
作業は減った。
・機器の音が静かになった。
・試薬搭載数が増えたので試薬管理が楽である。
・L X 20 と操作性が同じなので、トレーニングの必要性がな
いくらいスムーズに移行できた。
最後に
限られた人員での作業をしていく上で、今回の DxC 導入
は、経費節約だけでなく、作業量の削減もでき、増収に向け
ての検討(院内での新検査導入など)が可能になると思う。
今後に期待したい。
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