保育園に関する要望書

2013(ヨ)第 002 号
2013 年 7 月 25 日
船橋市長
松戸 徹 殿
船橋市保育園父母会連絡会会長
今仲 希伊子
保育園に関する要望書
日頃より、船橋市公立保育園運営においては、子どもたちの健全な成長に日々懸命に取
り組み、子どもの成長の安全と安心に努めていただき大変感謝しております。
私たちは、未来を担う子どもたちが健やかに、安全に、のびのびと、子供らしく生きら
れることを願い、そして、船橋市で育ったことを誇りとして生きていけるよう、下記事項
について要望します。
以前は地域が子どもたちに社会生活やルール・人との触れ合いの温かさや大切さを教え
てくれました。今は地域とのかかわりも薄く、子どもの孤立傾向が目立つ社会であります。
様々な悩みを抱える親子、幼児虐待・ネグレクトも大きな問題です。このような時代背景
にある今、地域社会における保育園の担う役割は、親子と地域社会をつなぐ拠点であり、
子ども・子育ての中心的役割であるべきです。
また、東日本大震災は、日本全国国民へ自然災害の脅威を再認識させました。また、政
治経済の激動、放射性物質による影響、子どものいじめ問題など、私たちの生活に、かつ
てない重大な事象と、これから起こりうる困難な状況が想定されます。市民ならび子ども
たちの健康・安全・安心な生活環境を確保することの大切さを日々痛感しております。
同時に、保育制度は質と量の両面において、また、継続性を考えても公的責任に基づく
ことが重要性であると考えます。現在『子ども・子育て新システム』として保育制度が大
きく改革されようとしておりますが、保育を市場化することで保育問題全般が解決される
とは到底考え難いものです。
私たちは、子どもにとっても親にとっても、心身共に健やかに安心して過ごせる社会環
境の形成、また、すべての子どもが健やかに成長できる環境を望んでおります。その中で
も保育園は幼年期の人格形成に多大なる影響を与える重要な時期であり、人が人を育て、
信頼関係を学び、人として生きる土台となる力を育む重要な場です。すべての子どもたち
は平等に保育を受ける権利を有し、保育に格差が生じてはならないと考えます。
子どもたち・私たちの切なる願いに応じてくださいますよう心よりお願いします。また、
私たちは子どもたちが、「笑顔」で過ごせるための協力は惜しみません。些細なことでもご
教授いただければ幸いです。
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公的保育制度について
(1) 船橋市は児童福祉法第 24 条に基づく公的保育制度を堅持し、子育てに対する補助の
拡大を国に対し要望してください。自治体の保育責任を堅持し、応能負担という保育の原
則を船橋市として堅持してください。
(2) 経済合理性をその考えの根底とした「子ども・子育て新システム」には、直接入所契
約や応益負担など、子どもと保護者にとってもとても負担が大きいものです。保育の主人
公である子どもの成長にとって大事なことは何かを最優先に考え、国の施策にならうだけ
の安易な行政は行わないでください。
回答:子ども・子育て支援新制度におきましても、自治体の保育に対する責務は、概ね現
行との相違はないものと考えております。
(3) 中核市である船橋市は、保育の水準を下げることなく、よりよい保育基準を独自で作
ってください。また、基準づくりには保育に関係する市民や保護者の意見を十分に組み入
れ、検討過程、議事録をすべて迅速に公開し、透明公平公正な検討環境を整えてください。
回答:子ども・子育て支援新制度におきましては、新たに幼保連携型認定こども園や小規
模保育所等の認可基準等を定めていくことになりますが、これらの基準につきましては、
現在、国の子ども・子育て会議基準検討部会におきまして審議中でございますので、その
動向を注視してまいりたいと考えております。
(4) 9 月より開催が予定されている「子ども子育て会議」においては、広く市民の声に傾
け善良なる市民のために公職を全うすべく十分な討議を行える環境を整えてください。さ
らに、会議は、代理選出や議会の傍聴を強く要望します。
回答:船橋市子ども・子育て会議」におきましては、本市の子ども・子育て支援事業計画
を策定する際等にご意見をいただくため、委員には、
「学識経験者」、
「保育所、幼稚園等の
事業従事者」のほか、
「保育所、幼稚園等に通う子どもの保護者」及び「無作為に抽出した
一般市民」を選任し、市民の方々の声を反映することができるよう努めてまいります。
また、会議につきましては、船橋市情報公開条例の規定に基づき、一部の非公開事由に
該当する場合を除き公開となりますので、原則として傍聴が可能でございます。
(ただし、
会場の関係により、傍聴者の数に制限がありますのでご了承願います。
)
併せて、市のホームページ等におきまして、会議録や配布資料等を公開いたします。
なお、会議におきましては、それぞれの団体等から推薦していただいた委員の方に責任
を持って発言していただきたいことから、委員の代理選出(代理出席)につきましては、
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考えておりませんが、会議に欠席する場合には、文書等により意見を反映できるよう、努
めてまいります。
(5) 家庭的保育支援員(いわゆる保育ママ)の実施にあたり、親が安心して子どもを預け
られる良好な保育環境の確保のための研修等を継続的に行ってください。保育ママが集団
で保育できる場所を市が確保し、透明性と安全性の高い保育が行われる工夫をしてくださ
い。
回答:家庭的保育事業では、利用者が安心してお子様をお預け出来るよう、研修等を継続
的に行っております。
また、グループ型家庭的保育事業につきましては、国の子ども・子育て会議基準検討部
会におきまして、小規模保育所の類型に包括されていく方向で審議中でございます。
本市といたしましては、新制度の体系の中で検討してまいりたいと考えております。
2
児童福祉施設の設備及び運営に関する基準について
(1) 船橋市の保育所最低基準条例化に当たっては、『保育所最低基準条例検討委員会(仮
称)
』等を設置し、保育関係者・保護者・保育所職員(保育士・栄養士・看護師等)を委員
として十分に討議してください。
(2) 策定した『児童福祉施設の整備及び運営に関する基準』
(案)について、保育関係者・
保護者・保育所職員(保育士・栄養士・看護師等)に対し、説明会の実施など、十分な説
明と理解を得る努力をした上で、パブリックコメントを求めてください。
(3) 『児童福祉施設の整備及び運営に関する基準』策定にあたっては、現行の千葉県『保
育所設置認可などの基準に関する指針』に基づき、その水準を下回らないでください。
① 乳児室(0歳児)
・ほふく室(0,1歳児)の面積は、乳児一人当たり 4.95 ㎡とし、
現行指針を保ってください。
②
保育室または遊戯室(2歳以上)の面積は、子ども1人当たり 3.0 ㎡(遊戯室との
合算可)とすること。
③ 調乳室・もく浴室・職員休憩室・職員用便所・調理室を必置要件に入れること。
④ 保育士定数は、産休明け=3:1、0歳児=3:1、1 歳児=5:1、2歳児=5:
1、3歳児=15:1、4歳児=20:1、5 歳児=20:1の年齢配置基準とし、概ね
基準を撤廃してください。
回答:「船橋市児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例」を施行するにあた
っては、社会福祉審議会児童福祉専門分科会のご意見を伺ったうえで、パブリックコメン
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トの手法を用いて広くご意見を募集した結果、保育所に関してのみ125件のご意見をい
ただきました。その上で市民の代表である船橋市議会の議決をいただいて策定しておりま
すことから、策定した条例につきましてパブリック・コメントによりご意見の聴取をする
ことはございません。
(4) 現在の子ども 1 人当たりの面積が減ることにより生じる危険を十分認識し、現状以上
で子どもたちの保育に十分なスペースの確保をしてください。
回答:本市では、待機児童が多いことから、国の通知に基づいて定員の弾力運用により、
定員を超過してお子様の受入を行っておりますが、お子様1人当たりの面積が0・ 1 歳児
3.3㎡、2歳児以上1.98㎡を下回ることのないようにしております。
(5) 保護者の保育料負担を軽減して、子育てしやすい船橋市にしてください。
(6) 時間外保育を有料化しないでください。
(7) 保育は「福祉」であり、「利用者サービス」ではありません。今後、どのような情勢
になっても応益負担ではなく、応能負担の原則を堅持し、「子育て支援・次世代育成・少
子化対策」にふさわしい負担を国に求めてください。
回答:国の子ども・子育て会議における今後の検討状況を注視し、市でも検討してまいり
ます。
(8) 認可外保育園から公立保育園に転園時、2重払いが生じています。転園の際の、両保
育園への支払制度の見直しをしてください。
回答:認可外保育施設は直接契約制度であり、公立保育園とは制度が異なることから、両
施設を利用することによる支払制度につきましての見直しは考えておりません。
3
民間委託・民間移管について
(1)「公立保育園民営化ガイドライン検討委員会」の市側からの一方的な突然中断は、船橋
市公立保育園は民間委託・民間移管されないものとして市が判断したものとして保護者は
理解しております。新たに公立保育園や『子ども子育て新システム三法案』に沿った検討
会を開催する場合は、民営化ありき、民営化の方法論の地点からスタートするのではなく、
保護者・保育関係者の意見を取り入れ、子どもにとって良い保育とは何か、よい保育に必
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要とされる基準は何か、そしてその上でどのように保育の受け皿を増やしていくかを根本
から検討し直してください。そして市民に開かれた検討会を設置してください。またその
際は、迅速に情報開示をしてください。
(2)『保育のあり方検討委員会』『公立保育園民営化ガイドライン委員会』等、保育に関わ
る検討がありましたが、これまでの話し合いは公務員人件費の削減を主とする運営コスト
の削減と、削減によって得た資源の家庭で子育てする世帯への支援への配分の観点から、
公立保育園の民間移管だけが検討対象とされてきました。しかしながら、ある特定の子ど
もたちの心身の負担と継続的に選択した保育園で保育を受ける権利を剥奪することで、他
の子どもたちへの支援を行うという考え方そのものに納得することができません。私たち
は、認可保育園の増設を望みますが、それは今まである保育にかかる市財政の配分を変え
る方法ではなく、全体的な増額を望んでいます。公立・私立・無認可を問わず、質の高い
保育を提供するには、熟練したプロフェッショナルである保育士・栄養士・看護師等の職
員の安定的な雇と処遇・勤務条件の改善、継続的な研修・経験・実践が必要です。そのた
めには、若年からベテラン層までバランス良く配置した職員構成を実現するための財政支
出が必要です。
引き続き、物品調達・事務作業や運営の効率化・ OA 化・父母会との協力等に努めること
を最優先とし、保育財政の財源確保の方法として民間移管を安易に選択しないでください。
福祉の中でも保育は、人格形成に大きな影響を及ぼす重大な時期の子どもたちを預かり、
保護者の代わりに育てることであり、一時的に預かるだけの託児サービスとは本質的に全
く異なっています。日々の保育の中で子ども達と先生の安定した人間関係が築かれること
が不可欠です。
(3) 船橋の子どもたちにとって船橋の保育がどうあるべきか、船橋の未来を担う子どもた
ちを育てるにはどうしたらよいか、更なる真摯な議論を強く希望します。
(4) 公立保育園の民間委託は行政の一方的な措置によって、子どもたちの大人との安定的
な信頼できる人間関係を突如に奪うものであり、子どもたちの心身、発達に大きな悪影響
を与えます。公立保育園の民間移管・委託はしないでください。
(5) 難病・障害等を持つ幼児が集団保育を受けられる施設は実質上公立保育園に限られる
傾向があり、民間委託・移管されればそういった幼児の保育が継続できる保証はなく、子
どもたちと保護者に与える影響は計り知れず深刻です。また、現在も発達支援児が待機と
なっている状態は続いていますので公立保育園を絶対に減らさないでください。
(6) 今後も民間委託・民間移管の検討の前には、必ず、福祉・保育研究者の研究、全国自
治体の実施前例と訴訟事例企業運営保育所の経営破綻事例等について、あらゆる観点から
十全な研究を行った上でそれらに対する見解を先に公表してください。
基本的な方向性を検討する段階で、利用者である保護者に直接説明し、民間委託のニー
ズ調査アンケート、意見聴取を必ず行ってください。不都合な点の修正、改善など保護者
の意見を検討に反映させることができる体制を整えてください。
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また、検討の進捗状況、検討過程で行われた議論、決定事項等の全てについて、迅速に
公開し、回答してください。
また、説明は全ての保護者の求めに応じて必ず行ってください。民法に定められた説明
義務を果たすことなく、民間委託・移管化計画や方針を発表することは絶対に認めません。
決定後の一方的な通知を説明とは絶対に認めません。
(7) 「多様化する保育ニーズへの対応」、
「施設の老朽化・耐震化」等も民間委託の理由と
して多く取り上げられるものですが、いずれも民間委託・移管を行う根拠にはなり得ませ
ん。いずれも公立保育園のままでも解決できる課題ばかりです。民間に移管すれば実施で
きると考えるのは市行政として安易に過ぎます。船橋市でも現段階の多様化する保育ニー
ズの数量調査の結果も公に示されていません。地域的な保育需要傾向にもよりますが、保
育需要の細かい分析が欠けています。今後の重要な方針を決める際には、保育ニーズ調査
及び実態調査を更に綿密に行ってください。分析を公表し、保育需要の高さから、行政は
いかなる理由で、その結果を導き出したのか、だれがどのような会議で決めたのかを合理
的に明らかにし、公表・説明してください。
(8) 「多様化する保育ニーズへの対応」、
「施設の老朽化・耐震化」等も民間委託の理由と
して多くとり上げられるものですが、いずれも民間委託・移管を行う根拠にはなり得ず、
施設の老朽化・耐震化問題が解決したからといって民間委託・移管はしないでください。
船橋市でも現段階の多様化する保育ニーズの数量調査の結果も公に示されていません。地
域的な保育需要傾向にもよりますが、保育需要の細かい分析が欠けています。今後の重要
な方針を決める際には、保育ニーズ調査及び実態調査を更に綿密に行ってください。分析
を公表し、保育需要の高さから、行政はいかなる理由で、その結果を導き出したのか、だ
れがどのような会議で決めたのかを合理的に明らかにし、公表・説明してください。
回答:本市の保育行政は、待機児童の解消、多様化する保育ニーズへの対応、地域の子
育て支援など、多くの課題に対処する必要に迫られております。保育以外にも福祉をはじ
め行政需要は増加している反面、財源には限りがあり、本市におきましては、国や他の自
治体同様、職員数の抑制に努めてまいりました。
このような中で、限られた人的資源や財源をどのように活用して保育行政の課題に対処
すべきか、また、これからの本市の保育のあるべき姿につきまして検討するため、平成2
2年4月から「船橋市保育のあり方検討委員会」を設置し、13回にわたり会議を行い、
提言をいただきました。
この提言に基づき、平成23年1月には公立保育園民営化基本計画(素案)を公表し、
公立保育園の民営化につきまして市民の皆様から多くのご意見をいただき、これらを計画
に反映させるために検討を重ねてまいりました。
そのような中、それまで国が示していたこども園創設を中心とする幼保一体化につきま
して、平成23年5月に、より具体的な制度概要が示されるなど、子育て支援強化につき
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まして、財源を含めた検討が進められ、平成23年7月29日に「子ども・子育て新制度
に関する中間とりまとめ」が公表されました。
こうした状況を鑑み、公立保育園の民営化につきましては、重要な課題であり新制度の
具体的な内容も踏まえた検討が必要なことから、市では引き続き国の動向も見据えながら、
民営化実施スケジュールも含めて検討することといたしました。
したがいまして、公立保育園民営化ガイドライン検討委員会につきましても、第4回委
員会をもちまして一時中断としており、今後の子ども・子育て支援新制度を検討する中で、
公立保育園民営化ガイドライン検討委員会の再開につきましては、検討してまいりたいと
考えております。
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子ども・子育て新システム三法案について
(1) 保育制度の見直しに当たり、すべての子どもが尊重され、その育ちが等しく確実に保
証されるように、公的保育制度を堅持し、現状を維持してください。従来通り市が保育の
実施義務に基づき入所申し込みから承諾審査まで行ってください。また、保育所最低基準
を下げないでください。
保育園利用者に対し説明会の実施など、十分な説明と理解を得る努力をした上で、 制度
移行の際に混乱がないようにしてください。
回答:子ども・子育て支援法では、法の目的・基本理念が「子ども及び子どもを養育して
いる者に必要な支援を行い」、「子ども・子育て支援の内容及び基準は、全ての子どもが健
やかに成長するように支援するものであって、良質かつ適切なものでなければならない。
」
とされておりますことから、子ども・子育て支援新制度におきましては、法の理念に基づ
き実施していくものと考えております。
(2) 子ども・子育て新システム3法案は、待機児童問題・少子化社会対策にはなりません。
市は保護者・保育関係者等の意見を十分に尊重し、だれもが安心して使用できる保育制度
の維持・拡充に努め、慎重に検討してください。認定こども園の安易な導入は、企業保育
の参入を無条件に許すリスクの高い方法と考えます。市の認定こども園基準を策定する際
には、認可保育園と遜色ない高い基準を設定してください。また経営母体である企業の体
質・経営理念の健全さを確認する指標を設定してください。
回答:子ども・子育て支援新制度につきましては、だれもが安心して利用できる保育制度
の維持・拡充に寄与するよう、様々な意見をお聞きしながら検討を重ねてまいりたいと考
えております。
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なお、認定こども園のうち幼保連携型認定こども園につきましては、中核市である本市
が認可することとなりますが、事業の実施主体は国、地方自治体、社会福祉法人、学校法
人に限定されております。
(3) 子ども・子育て新システム 3 法案は、保育現場に市場原理が持ち込まれることで保育
現場において金儲けが行われ、子どもたちの生育環境に多大な影響を与えることになりま
す。安易な市場参入をさせないでください。
回答:改正される児童福祉法における保育所等の認可につきましては、条件が整えば認可
することとなっております。
保育環境の低下を招くことのないよう、安定的に事業を継続することができ、かつ信頼
に足る事業の実施主体による事業運営がなされるよう条件整備に努めてまいります。
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保育園の新設・増設について
(1) 保育に欠ける子どもに対する保育は、児童福祉法第 24 条に掲げられた市町村の義務
です。その義務を全うするべく、民間活力の導入のみに頼らず、必要な予算を確保し、市
の責任で公私立保育園を新設・増設してください。今、船橋市の保育行政で緊急にしなけ
ればならないことは、保育園の新設・増設による待機児童の解消と、定員枠を超えた超過
入所の解消です。待機児童に対する市の責任を早急に果たしてください。民間保育園を増
設した場合、申し込む子どもが減った場合には経営が成り立たなくなります。数の調節が
可能なのは公立保育園だけです。民間保育園の安定的経営のために、今後は公立保育園を
新・増設してください。
回答:本市では、整備費や運営費に国の補助金が見込める私立保育園の新設や増改築によ
る定員増を進めております。耐震対策で建て替えを行う一部の公立保育園につきましては、
定員増を行う予定でおりますが、今後の財政状況を鑑み、公立保育園を増やすことは困難
であると考えております。
(2) 今後、大規模開発が予想される地域には、都市開発計画の一部として、必ず予め保育
園またその後の学校・学童保育の設置も計画に含めてください。そのための用地確保等、
保育園設置にかかる予算要求を計画的に行ってください。新設される保育園には、駐車用
地など保育園に付随して必ず必要となる設備も計画段階から考慮してください。
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回答:待機児童増加の要因の一つとして、急増するマンション建設が考えられることから、
本市宅地課におきまして行っている大規模開発の事前協議の段階で把握してまいります。
その際には、保育園用地や施設の確保につきまして、配慮をお願いしているところでござ
います。
なお、駐車場などの設備につきましては、保育園設置に関する事前協議の中で、確保を
お願いしております。
(3) 7月時点で748名の待機児童の実態を早急に調査、分析し、その分析結果及びそれ
に対応する具体的な保育園の新設・増設計画や、その他公的責任に則った待機児童解消の
ための内容と方法、施策を示してください。
回答:保育園の整備計画につきましては、
「次世代育成支援行動計画(ふなばし・あいプラ
ン)後期計画」の策定(平成22年3月)にあたり、ニーズ調査の結果をふまえ、平成2
6年度までの保育園定員増の目標数を計1,500人としております。
市内の待機児童の約8割が3歳未満児であることから、3歳未満児の定員を増やすため
の増改築、分園設置を進め、新設園の設置につきましては、年齢別定員がほぼ同数となる
ように努めております。
また、平成22年度から家庭的保育事業を実施、昨年10月からは認証保育施設への運
営費補助制度を開始し、3歳未満の児童を多く受け入れる体制作りを進めております。
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施設・設備の改善について
(1) 建築基準法第 12 条に基づく専門技術者による点検・保育園の耐震診断に基づき早急
に耐震・補修・建て替え工事を行ってください。
また、工事中・建て替え予定の各園の代替地の確保・スケジュールは計画的に行い、安全
と判断される場合や場所においては、各園で保護者・保育所職員(保育士・栄養士・看護
師等)も交え、最低月に1度は具体的に、納得のいく説明・意見交換会を行ってください。
該当園の保護者には今後の計画・工事・保育に関する説明を、事前に保護者の納得のいく
まできちんと行ってください。決まったことだけを伝える説明会はやめてください。早期
整備のため鋭意に進めてください。
回答:保育園の耐震整備につきましては、「船橋市耐震改修促進計画」に基づき整備を進め
ているところでございます。現在、構造耐震指標(Is 値)0.3未満の保育園につきまし
ては、すべて整備が完了し、平成23年度から構造耐震指標(Is 値)0.3以上0.6未
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満の保育園の整備に着手しております。
今後の耐震整備工事につきましては、用地確保等の問題もありますが、早期に耐震整備
が完了できるよう鋭意進めてまいります。保育園職員及び保護者の皆様へは必要に応じ随
時、説明、報告等を行ってまいります。
(2) 東日本大震災により、園舎に異常がないか建築基準法 12 条に基づく専門業者による
点検を実施すると同時に、これから建て替え対象となる園舎園庭を含めた地盤調査をして
ください。今後行う予定を公表し、問題があった場合は早急に対応・修繕してください。
回答:昨年度及び今年度に実施した建築基準法第12条に基づく点検では、大きな問題は
なく、軽微なものにつきましては、修繕対応を行っております。来年度は建築物を含めた
点検を予定しており、今後も定期的に点検いたします。
また、地盤調査につきましては、建築時に行っており、建て替え対象の園は建て替え時
に再度調査いたします。
(3) 船橋市が想定する地震被害において、津波、液状化、斜面崩壊のおそれのある場所の
付近にある保育園では、事前の災害予防策を適切に行ってください。災害発生時には早急
な退避、代替場所の確保、修繕等の対策を展開してください。
災害発生時・液状化出現時の保育関係者・園児・保育職員・保護者・近隣企業や住民を含
めた対応マニュアルを示してください。
回答:災害対策につきましては、東日本大震災後に見直された市の防災マニュアルに準じ
たマニュアルを各園に配布しており、災害時における保育士の対応がなされるよう体制が
整えられております。特に、海沿いの園につきましては、付近の高層建築物への避難等を
含め、対応につきまして検討を進めている段階でございます。
なお、通常の災害につきましても同様に対応し、修繕が必要な場合には、随時対応して
まいります。
(4) これまでに引き続き、老朽化した園舎を計画的に改築、改修してください。耐震診断
に該当しなかった園について今後の改修計画を教えてください。また、園舎の老朽化、耐
震補修、改築は民営化・廃園の理由には全くなり得ません。園舎の老朽等を理由とした廃
園や民営化は絶対にしないでください。
回答:保育園の改築・改修につきましては、現在、耐震改修関連の工事を優先して行って
いるところでございますが、必要な改修につきましては、その都度行ってまいります。
なお、平成25年5月に公共建築物保全計画が策定されましたので、今後は同計画に従
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い計画的な保全を進めてまいります。
(5)厳しい財政状況の中、備品・消耗品の予算を十分確保してください。
回答:平成25年度は前年度に続いて各園の消耗品費を増額いたしました。今後も厳しい
財政状況の中、必要に応じ対処できるよう努力いたします。
(6) 園庭利用によらず、近隣遊休地の借り上げや市有地を利用した駐車場建設、既存駐車
場施設の借り上げ等の手段によって、すべての園の周辺に、駐車場を確保してください。
また今後建て替えが展開される仮設園周辺の駐車場を確保してください。
回答:市立保育園の近隣に駐車場を設置できる遊休地や市有地を確保するのは困難でござ
います。近隣の既存駐車場を利用した送迎用駐車場の確保につきましても、現在の車の送
迎状況を考慮いたしますと、園ごとに相当台数分が必要であると思われることから、財政
的・物理的に困難でございます。
なお、保育園建て替えに伴い仮設園舎を設置する場合は、用地の状況等によりますが、
送迎用の駐車場も設置できるよう可能な限り努めてまいります。
(7)
送迎による駐車が近隣のトラブルや迷惑にならぬ対応策をご協力ご検討お願いしま
す。
回答:送迎時の駐車による近隣トラブルにつきましては、対応策の検討やルールの徹底な
ど、各父母会のご協力をお願いいたします。
7
災害時対策・セキュリティ対策について
(1) 保護者への連絡手段として、一括メール配信システム導入を行っていただきありがと
うございます。基本的に災害発生時等の緊急事態の際の保護者への連絡手段として運用し
ていただいておりますが、今後このシステムを使用し、送迎時における不審者情報・ひや
り・ハットニュース・送迎時道路状況(冠水等による当園路通行止めや侵入路変更等)・防
犯にも活性化してください。そのための関係各課のご協力をお願いします。
回答:一斉メール配信につきましては、基本的には災害時等、緊急事態の際の保護者の皆
様への連絡手段として考えております。
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(2)
各公立保育園の災害時マニュアルが既に完成しているということで報告いただいて
おりますが、その内容について、広く保護者に対しても公表してください。また、更なる
災害時の安全確保をしていただきたい。安全確保のための情報は、常に掲示物・一括メー
ル配信等で発信し情報発信してください。
回答:保育園防災マニュアル(ハンドブック)につきましては、職員用に作成したものに
なりますので、保護者の方々への配付は考えておりません。必要な内容につきましては、
その都度保護者の方々に対し、提供してまいりたいと考えております。安全確保につきま
しては、引き続き調査研究してまいります。
(3) 各園の設置場所、設備等の実情に応じ、引き続き適切な防犯対策を検討して行ってく
ださい。また、園内に不審者が容易に入れる園が多々あるため防犯カメラの設置の要望も
あります。東京都葛飾区や東京都足立区の保育園や幼稚園などで多発した窃盗事件では、防犯
カメラの映像により犯人が逮捕されました。犯罪が発生してからの対応ではなく、未然に犯罪を
防ぎ安全確保のために出来る設備強化を実施してください。
回答:各園の状況等を踏まえて、安全確保のためにできることを検討してまいりたいと考
えております。
(4) 災害発生時における防災用品・備品・備蓄の確保をしてください。その際、発達障害
児・食物アレルギーのある子どもへ対応した備蓄食品、乳児のミルク用水の確保・準備、
冷暖のとれるもの等の徹底した防災備品・備蓄の準備をしてください。そのために保護者
が出来ることは協議出来る場を持ち、提案してください。
回答:防災用品、食品の確保は、量や種類を考慮しながら行っているところでございます。
食物アレルギーのある園児への対応食品や、米や乾麺・ミネラルウォーター・粉ミルク・
ベビーフードをはじめ乾物などを備蓄しております。
(5)
保育園の水道水トラブル際には、保育科からの迅速な対応を頂き、園児の水道水の
飲水中止、給食食器洗浄を他園搬送など、子供たちの安全を守るため的確な対応をしてく
ださりありがとうございました。この際、近隣小学校では、保育課のような対応がされず、
教育委員会・保健所等と相談し、それまでに調理した給食は出さないことになりました。
今後、水道水のトラブルが生じた際や災害発生時には、船橋市として、保育課・担当各課・
近隣施設とも協力しあい、子供たちの安全のために、迅速かつ的確な対応を展開していた
だけるよう協力・協議してください。
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回答:今後も園児の健康と安全を確保するために関係各課と協力してまいります。
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放射能問題について
(1) 現在も継続して放射線量測定の実施・掲示・公開して下さりありがとうございます。
今後も施設ごとに測定個所を増やし細やかな放射線量測定を定期的に行い、保護者、市民
に掲示・公開を継続してください。放射能問題については、日本の心配をなくすべく、子
供の健康・安全確保のため、よろしくお願いいたします。シンチレーション式サーベイメー
タの納品後は、ホームページだけではなく、園内掲示物でも情報公開を継続して頂ける様おねが
いします。
(2) 行っていただいた測定、測定後の市としての土壌の交換、清掃、設備導入に関して、
市ホームページだけではなく、全保育園への説明、各クラスや園内掲示板においての掲示
も早急に情報公開してください。
(3) 子供への健康配慮として、船橋市独自の被ばく線量基準値を検討し明示してください。
今後も放射能の影響については、信頼のおける情報収集及び分析に努め、園児・保育職員
が安心して生活・成長出来るよう迅速かつ的確な対応に取り組んでください。某企業のよ
うに誤った情報を国民・市民へは提供しないでください。
(6) 放射線量測定の結果、高度汚染の見られる場所(0.23μSv/h 以上)は、除染・切除・
清掃・削地・枝葉の剪定・芝生の刈り込み等により、放射線量の低減化を継続してくださ
い。砂場については入れ替えてください。
回答:本年度も昨年度同様、公立保育園につきましては毎月各園約30か所の測定を継続
し、ホームページ及び園内に結果を掲示しております。私立保育園におきましても、これ
に準じて行っております。測定の結果、他の場所と比較して、高い数値が測定された場所
は、清掃や枝葉の剪定、草や芝生の刈り込みなどを行い、放射性物質の低減化を図ってお
ります。
また、砂場につきましては、掘り起し、入れ替えなどを行い、低減化作業を行った後で
も高い数値が測定された場合につきましては、立入制限区域を設けるなどの措置を検討し
ております。清掃後の溜った表土や汚泥につきましては、ビニール袋に入れ、さらに、そ
れを土嚢袋に入れて下水処理場に仮り置きするなど、放射性物質が飛散しないように措置
を講じております。
本市といたしましては、引き続き、国の基準値※に基づき、園児の安全を確認し、必要
に応じて放射線量の低減化対策を実施するとともに、国等の関係機関から情報収集を行い
適切に対応してまいります。
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※基準値は、環境省が定めた「平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震
に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関す
る特別措置法」で規定された「0.23μSv/h」としております。
(4) 国で定めた基準値を上回った場合、市としてどのように対応するか、園庭での遊戯の
取りやめ等のしかるべき処置を各園側へ通告していただきますようお願いいたします。
回答:市の基準を上回った場合につきましては、その部分には近づかない措置をとり、放
射能低減のための清掃を実施しており、基準値以下になりましたら、使用を開始いたしま
す。
(5) 内外部被ばくを避けるための対策を希望する園児・保護者の要望が聞かれた場合(マ
スクをつけたい・水遊びはしない等)は、対応の出来る範囲でご協力ご検討お願いします。
回答:保護者の皆様から要望が出された場合、園側と話し合っていただき、園児の状況や
各園でできる範囲内でお受けしております。
保育園だけに限らず、近隣施設も測定結果に合った対応をしてください。
(7) 内外部被ばくを避けるために、そのために日頃から保護者が出来ることは協議出来る
場を持ち、情報提供してください。
未来を担う子どもたちの命と健康を守るために、早急に取り組んでいただきますよう、
強く要望致します。
回答:今後も放射能の影響につきましては、信頼のおける情報収集及び分析に努め、園児
が安心して生活ができるよう情報を提供するとともに迅速かつ的確な対応に取り組んでま
いります。
9
給食について
(1) 給食は保育園に通う子どもにとって子どもの健康を支える非常に重要な生活要件の 1
つです。3歳児以上の給食の外部搬入の委託はせず、自園直営方式を守って現状維持して
ください。
回答:現在、本市におきましては、各園内に調理施設を有して自園調理を行っており、外
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部搬入を行う考えはございません。
(2) 栄養士の先生によるトータルな視点からの食育は、継続的に行われ、方針として定着
すべきものです。正規職員による栄養士の欠員補充を重ねてお願いいたします。
回答:正規職員の欠員につきましては、極力、採用及び他部局からの人事異動により補え
るように関係各部局との調整に努めてまいります。
(3) 食育・検食等の観点から、職員に対して給食を提供してください。
回答:現在のところは、考えておりません。検食はお子様が食べる前に、園長等が責任を
持って行っております。
(4) 地産地消の考えに則り、地元でも安全な食材を使用してください。それぞれの食材が
放射能で汚染されていない、必ず放射能検査をされた安全な食材を使用し、今後の健康被
害がないよう配慮してください。また、使用した食材の放射能検査結果も行い、定期的に
繰り返し検査し公表してください。
回答:なるべく地元の食材料を中心に使用するよう努力しております。農産物の安全確認
につきましては、国及び県などの地方公共団体において行われており、測定値が基準値を
超えた農産物は、出荷制限されており、市場には流通されていないものと考えております。
今後とも国及び県等で公表している放射線量の数値等を継続的に注視しながら対応をして
まいります。
(5)
アレルギー対応食をより細かく対応している園に合わせてマニュアルを作成してく
ださい。また、各保育園での対応のバラつきがないようにしてください。
回答:船橋市医師会の代表、保育所嘱託医、私立保育園及び公立保育園の代表で構成され
ている健康保育研究協議会で協議していただき、安全面に配慮しながら、アレルギー給食
の対応を行っております。
(6) 現在食品の産地を表示していただきありがとうございます。食事摂取後の産地表記で
はなく、事前に産地の分かるものに関しては登園時に掲示してください。
回答:産地表記につきましては、毎朝確認をしております。掲示は、できるだけ早くして
おりますが、登園時の掲示は、難しいのが現状でございます。また、市場に流通されてい
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る食品につきましては、各都道府県及び本市等で放射性物質検査を実施し、安全が確認さ
れております。
(7) 市では、市民・特に子どもたちを放射能による健康被害から守るため、学校・保育園
での給食食材の放射性物質検査の実施・独自の市内で生産される農林水産物と土壌の検査
を行っていただきありがとうございます。これからも継続して放射能による健康被害の縮
小を図ってください。
回答:学校・保育園の給食食材の放射性物質検査につきましては、引き続き検査を継続し
てまいります。
(8) ミキシング検査(丸ごと検査)に併せて、これまで実施している給食食材(おやつ・
保給水も含む)や農林産物と土壌の単体検査についても検体数や品目を大幅に増やし、検
査は全て専門の検査機関に委託し、ゲルマニウム半導体検査機器による精密検査により行
い、検査結果は市ホームページと園内掲示板にて情報公開してください。
回答:給食食材検査の検体数は、平成23年度には毎5~10検体を実施しておりました
が、平成24年度は10~20検体に増やして充実を図っており、平成25年度も同様に
検査しております。
検査につきましては、検査機関に委託し、ゲルマニウム半導体検査機器にて測定してお
ります。検査結果は市ホームページ及び各保育園に掲示しております。
10 水の安全について
(1) 水道水の管理目標値が放射性セシウム 10Bq/kg と定められ、放射性ヨウ素については
半減期が短く目標設定する必要はないとされているが、乳幼児においては短期飲用するこ
とでも放射性物質を体内摂取することで生じえる健康被害の影響は、他国の経験からも大
きなものがあります。以前、放射性ヨウ素 131 の測定結果にて、0歳児のいる家庭におい
て飲料水の配布等の迅速な対応をしてくださったように、今後も放射性ヨウ素の計測も継
続し、より健康被害のでないようにしてください。
回答:水道水につきましては、各水道事業者(本市域内の事業者は、県水道局及び習志野
市企業局)におきまして、国の通知等に基づき、放射性物質(放射性ヨウ素を含む)検査
を実施しております。
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(2) 船橋市内小・中・特別支援学校・市立高等学校のプールにおいて、放射能物質検査を
実施しておりますが、保育園のプールの放射能物質検査も実施し、情報公開して下さい。
回答:保育園プール水の放射能物質検査は実施しておりませんが、保育園のプールは使用
するたびに水を排出して清掃を行い、当日水道水を溜めて使用しております。
11 職員の配置について
(1) 保育士は高度な専門性の要求される職種であり、精神的にも身体的にも負担の多い職
務です。勤務継続による経験の蓄積が保育の質を高める重要な条件であることは専門家も
指摘するところであり、安定した雇用条件は勤務継続の重要な要件です。それにもかかわ
らず、船橋市の正規職員の割合は他市に比較して高くはありません。また、7-7 体制に臨時
職員は入れず、減少傾向の正規職員の負担は大きくなるばかり、日々の業務に追われ、子
どもたち 1 人 1 人の発達へ目が届きにくくなっているのを実感しています。保育士は、継
続的雇用を保証できない臨時職員ではなく正規職員を雇用し、正規職員を現状より増やし
てください。
回答:この数年間におきましても、近隣市と比較して多数の新規職員採用保育士を配置し
てまいりましたが、昨今の急増する保育需要と厳しい財政状況の中、正規職員の割合を増
やすことは困難な状況でございます。今後とも関係課と協議し、正規職員の確保に努めて
まいります
(2) 今後、栄養士、看護師の一人職種において、正規職員の欠員を出さないでください。
退職者補充も正規職員で行ってください。
また、2013 年 4 月の時点で調理員の正規職員は、各園 1 名という配置状態です。災害時
や断水、放射能など、万一の事態に判断が出来る正規調理員が不在の場合の対応が危ぶま
れまれます。最低でも各園 2 名の正規調理員の配置を行ってください。
回答:正規職員の欠員につきましては、極力、採用及び他部局からの人事異動により補え
るように関係各部局との調整に努めてまいります。
(3) 保育士の配置基準を改善してください。
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①0 歳児、1、2 歳児のおおむね基準の撤廃をしてください。
②3 歳児の配置基準を 15:1 にしてください。
③3~5 歳児の縦割り保育の配置基準を 20:1 にしてください。
④3~5 歳児の各クラスに担任を 2 人配置してください。
災害時、安全に子どもを助けられる人数配分を再検討した、配置基準をつくり、公表、実
行してください。
回答:厳しい財政状況でございますので、原則として、現行の職員配置基準の中での対応
を考えております。
(4) 年度当初から正規保育士の欠員がないように配置してください。年度途中で欠員が生
じないよう、今後も臨時職員の前倒し配置を継続してください。
回答:年度当初、必要保育士数をすべて正規職員で対応することは、厳しい財政状況の中
で困難でございます。したがいまして、正規・臨時・再任用職員を併用した中で、今後も
配置を行ってまいります。
また、臨時職員の前倒し配置につきましては、予算上の制約を踏まえた中で引き続き行
ってまいりたいと考えております。
(5) 時間外保育は「時間外申請人数」で職員の配置をしてください。また、時間外保育職
員の欠員がないようにしてください。
回答:各保育園におきまして、時間外申請人数と実際の利用児童数が必ずしも一致しない
傾向が見られますことから、時間外保育職員の配置は、時間外利用児童数を調査し、実状
に応じて配置しております。したがいまして、現段階では時間外申請人数に基づき配置す
ることは考えておりません。時間外保育の需要に見合った職員を配置できるよう、今後も
必要な職員の確保に努めてまいりたいと考えております。
(6) 時間外保育士の待遇を改善し、雇用確保に努力してください。
回答:平成20年度から、臨時時間外保育職員の時給を引き上げており、引き続き雇用確
保に努めてまいります。
(7) 乳児クラスの担任は、正規保育士を複数配置してください。
回答:必要保育士数をすべて正規職員で対応することは、厳しい財政状況の中で困難でご
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ざいますので、現行の中で、園運営を行ってまいりたいと考えております。
(8) 子育て不安や虐待の問題などが深刻化し、地域全体の子どもを視野に入れた公的な子
育て支援事業 がますます重要になっており、公立保育園は最も身近な子育て支援センター
として機能しています。
日常保育に支障をきたさず、且つ地域の子育て支援としての地域交流や子育て相談機能
が充実するよう、必要な人員を専任で配置してください。
回答:今後も子育て支援に関する施策の充実を図っていく必要があり、保育園が地域で子
育ての重要な拠点でありたいと考えております。今後も地域交流事業は、各園におきまし
て工夫し、実施してまいります。また、虐待に関しましても他機関と連携を図りながら支
援してまいりたいと考えております。
(9) 待機児童解消のために、定員を超える詰め込みは、やめてください。
安全面・衛生面において無理があると感じることが増えました。おもちゃの取り合い、
かみつき等子ども同士のトラブル・怪我も増えました。活動スペースを確保するため、せ
まい廊下にロッカーを出すという状況や、様々な場面で混雑、危険、不衛生な状況が生じ
ています。定員超過はやめてください。待機児童対策は、公立保育園の増設で行ってくだ
さい。
回答:入所の円滑化による定員数を超える児童の受け入れにつきましては、待機児童が多
い中すぐに解消できるものではございませんが、待機児童対策として保育所新設等を行っ
てまいりたいと考えております。
(10) 民間保育園に対する公私間格差是正措置、財政的な支援を充実させてください。民
間保育園で栄養士・看護師・加配保育士を配置した場合の補助金を、現実に雇用可能な金
額に増やしてください。
回答:私立保育園の保育にかかる費用といたしましては、国が定める委託料や補助金のほ
か、本市として独自に入所児童の処遇向上を図るため、人件費や事業費などを対象として
補助金を交付しております。財政状況を勘案しながら拡充につきまして検討してまいりま
す。
(11)
これまで船橋市が築き上げてきた素晴らしい保育の質の維持向上のためにも、保育
士・看護師・栄養士・調理師の正規職員の増員をし、保育に関わる人材育成に努めてくだ
さい。
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回答:今後も保育の質の維持向上を図る研修等行い、人材育成に努めてまいります。
12 発達支援児保育について
(1)
21 年度より発達支援児の受け入れが3歳未満の子どもにも拡大されたことを高く評
価し、ご尽力に 感謝の意を表します。発達支援児加配保育士の配置について、おおむね3
対1ではなく、対象児の援助 度に合わせてなるべく1対1の配置基準を実現してください。
特に3歳未満児については個々の発達に合わせた援助をするために1対1で加配保育士を
配置してください。
回答:発達支援児保育の保育士配置基準につきましては、対象児童の個々の発達と援助の
度合いを勘案しながら配置してまいります。
(2) 発達支援児加配保育は障害児手帳取得の子どもを対象にして下さい。障害児手帳が取
得できない子どもであっても、医師の「発達において集団保育が必要」と判断した時は対
象としてください。各園で発達支援児が複数のクラスにまたがっている場合は、クラス別
に加配保育士を配置してください。
回答:障害児手帳の有無にかかわらず、発達支援保育審査会で発達支援保育が認められた
ケースにつきましては、職員の加配をしております。公立保育園での発達支援児の多くは、
手帳を持っていないお子様でございます。昨今の厳しい財政状況にあっては、これ以上の
緩和は困難であると考えております。
(3) 保育園の障害児受け入れ枠を増やしてください。そのために必要な人員を配置してく
ださい。配置された人員は保育にあたり、発達支援に関する研修を受けさせてください。
回答:保育園の入所、施設の状況及び運営的側面から対応できる人数を幼児1クラスあた
り1名とし乳児は、原則として1保育園1名としております。状況に応じて、複数の受け
入れも行っております。発達支援保育の職員の配置は、園全体としての位置づけであり、
発達支援児を専門に担当するということではございません。現在も研修は実施しておりま
すが、今後も配置された職員も含め、園全体のスキルアップが図れるよう努力してまいり
ます。
(4)
保育園での集団生活による保育と専門機関での療育の両方を受けられる制度の整備
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をお願いします。
回答:保育に欠けるお子様をお預かりするという保育所の制度から併用が難しい状況もご
ざいますが、実状に合わせて専門機関に通っているケースもございます。また、専門機関
に通っているお子様と保育園の園児との交流保育も実施しております。
(5)
民間園においてもすべての障害児の受け入れに対して発達支援児加配保育士を配置
して、障害児受け入れのための補助を拡大してください。
回答:平成24年度に私立保育園の障がい児保育に要する費用に対する補助を増額いたし
ました。今後も厳しい財政状況の中ではございますが、補助金の拡充に向けて努めてまい
りたいと考えております。
(6)
当会では支援の必要な子どもを持つ保護者向けに横のつながりを作る取り組みをし
ています。保育園・幼稚園問わず同じ悩みを抱えるものが話をできる催し物の宣伝を、子
ども発達支援センター・子育て支援センター・各療育施設などへ掲示できるよう関係各課
と調整の上、市が主導で実現してください。
回答:支援が必要なお子様を持つ保護者向けの催しにつきまして、こども発達相談センタ
ーや子育て支援センター、その他療育施設におきまして、掲示要望があればそれぞれの所
管課にお伝えいたします。しかし、掲示の可否につきましては、施設所管課の判断となる
ものと考えております。
(7) 発達相談センターを各地区保健センターに設置し、発達支援児を抱える保護者が相談
しやすい環境を整備してください。
(8)発達支援児を抱える保護者は孤立しがちです。不安や悩みを分かち合い、助け合える仲
間のネットワーク作りが欠かせません。どこに行けばどのような支援や情報が得られるの
か非常に分かりにくい状況を改善し、市として発達支援児の保育、支援に関して責任をも
って正しく情報を収集し、公開してください。特にホームページは、若い保護者にとって
情報を得る大切なツールなので、市が実施する取り組みや施設、最初の相談窓口の案内等、
分かりやすく、アクセスしやすい工夫をお願いします。
回答:発達障害に関する市主催事業として、公開講座や感覚統合入門講座などを実施し
ているところでございます。これらの事業は広報紙やホームページを通じて募集をしてお
りますが、今後は、ホームページの内容の充実を図り、各種事業のお知らせ、施設や相談
窓口の案内などを市民の皆様にわかりやすく、そして利用しやすいように工夫してまいり
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ます。
また、船橋市立特別支援学校高根台校舎に併設しております、たんぽぽ親子教室には、
通常使用する教室の他に、イベントの開催や、障がいをお持ちのお子様とその保護者の方々
が気軽に情報交換が行えるよう、交流スペースを一室設けております。現在、または過去
に療育施設をご利用されたことのあるお子様とそのご家族の方にグループでお使いいただ
いております。
さらに、両簡易マザーズホームにおきましては、療育を行っていない時間帯で、たんぽ
ぽ親子教室の交流ルームと同様にお使いいただけるようにしております。利用可能日及び
利用方法の詳細は各施設にお問い合わせいただきたいと存じますが、通園の時間帯とは別
にこのような場をお使いいただくことで、保護者の方同士の情報交換や交流が深められま
すよう期待しております。
(9) 発達支援に関する園長研修を行って下さい。現場の加配保育士の工夫を支える視点を
養って下さい。
回答:現在も、園長も含め、研修は実施しておりますが、今後も園全体のスキルアップが
図れるよう努力してまいります。
(10) 発達支援児が無理なく就学につなげられるよう、子育て支援部・教育委員会との連
携をさらに広げて下さい。園長や 加配配置される保育士は、卒園後の進路である小学校や
特別支援学校の見学を行い、教育委員会との連携を交えた研修を行ってください。
回答:今後も、お子様が楽しい就学生活をスタートできるよう、保護者の方にご協力をい
ただきながら、教育委員会等との連携を図ってまいります。
(11) 発達支援児も時間外保育が受けられるように、人員の配置協力をしてください。
回答:現状では、これ以上の人員配置は困難であると考えております。
(12) 現在の発達支援児保育の対象を改めて検討・再考してください。
回答:発達支援保育につきましては、手帳(身障者手帳・療育手帳)の有無を問わず、保
育観察を実施し発達支援保育判定基準表に基づき協議しております。
保育園は医療、療育機関ではございませんので、入所にあたっては、児童が集団活動を
しながら健康な保育園生活が可能なのか、保育上の観点を中心に検討してまいります。
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13 その他
(1)
各父母間の交流のための掲示板の設置やホールやウォールポケットの設置などの許
可を検討してください。また、園と父母会の密接な協力の下に活動が活発し、ひいては保
育の活性化が促進されますよう、各園への通知をよろしくお願いします。
回答:日頃から、保護者の皆様にご協力をいただいております。今後も、父母会活動にご
協力できることにつきましては、連携を図ってまいります。
(2) 縦割り保育について、約 10 年前に市内で大きな議論となり、縦割り保育実施園と未
実施園とが混在しています。実施園・未実施園を一覧表示し、保護者が選択できるように
してください。
縦割り保育の中で年齢に応じた発達を保障するためには、年齢別保育以上に、保育士の高
度な知識・技術・態度が必要となります。また保育士の弾力的な配置により、クラス保育
の内容に差が生じていることも事実であり、これまでの縦割り保育を総括し、メリット・
デメリットを検証・公表してください。
回答:保育園入所の案内の保育所一覧表には、異年齢保育が提示されております。また、
入所案内や保育園見学等におきましても、保育形態につきましては、できるだけ案内して
おります。縦割り保育につきましては、今後、検証につきましても研修の充実とともに努
力してまいります。
(3) 感染性疾患等の登園規約・園で内服できる疾患・薬剤について、再考し公表してくだ
さい。
回答:感染性疾患等の登園基準等に関することは、平成24年4月1日付けで学校保健安
全法の一部改正がありましたことから、本市では健康保育研究協議会で協議をしていただ
き、平成24年12月に登園証明書及び登園届を作成し、各保育園に配付しております。
書式につきましては、市ホームページからもダウンロードが可能となっております。
保育園で内服できる薬剤につきましては、園児の健康・安全面、集団保育における与薬
行為のリスク等を考慮し、医師の処方した薬剤に限定し、対応出来る薬剤を決めておりま
す。
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(4) 慣らし保育の期間を柔軟に対応できるよう、調整してください。
現在、入所月の 1 日からのみで慣らし保育が可能ですが、仕事開始月と重なってしまう
と、時間の確保が大変困難です。
回答:慣らし保育は在籍期間に行っておりますので、入所月の 1 日からとなります。
(5) 病児・病後児保育園を増やしてください。
回答:病児・病後児保育施設の増設につきましては、利用者のニーズや地理的なバランス、
医療機関の意向等を勘案しながら、研究してまいります。
(6) 以下の情報についてご提供願います。
①保育にかかる予算(年間の収支)、人件費、施設設備備品購入費など項目別の金額と全
体の構成比
②私立保育園の補助金額(公私間格差是正措置一覧)
③保育料の収入額、保育経費に占める割合(過去 10 年比較)、階層別人数と割合、未納
額と未納者数、保育料減免措置適用世帯数
④保育運営費の内訳(公私両方)
⑤職別の人件費(公私両方)
⑥市内5地区別保育園(公私計)定員数と入所児童数、待機児童数、就学前児童数、就
学前児童数の将来推計値と保育需要予測、地区別出生数
⑦保育士の数(正規・臨時の数と割合。公私両方)
⑧保育士の勤続年数の公私間比較(4 年未満・ 7 年未満・ 10 年未満・ 20 年未満・ 25 年
未満・ 25 年以上の区切りで、それぞれ人数と割合含)
⑨時間外保育利用者数(18 時・ 18 時 30 分・ 19 時時点。直近の調査。各園分)
⑩時間外保育士の職員数(各園分。非常勤・臨時の区別含)
⑪各保育園の過去5年間の事故報告件数(公私各園)
⑫各私立保育園の保育室(児童 1 人当たり)の面積
⑬アレルギー対応給食実施数(公私各園。年齢別)
⑭待機児の地区別(町名レベルにて)
・年齢別人数
⑮発達支援児入所人数(各園。年齢別)
以上、各要望における進捗・検討実行の結果・公表を書面にて、8 月 24 日までにご回答
願います。ご多忙中、恐縮ではございますが何卒よろしくお願いします。
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