参考様式1 平成27年度離島漁業再生支援交付金による取組概要 1

参考様式1
平成27年度離島漁業再生支援交付金による取組概要
1.集落の状況及び集落協定の概要
都道県名:沖縄県
市町村名:石垣市
島名:石垣島
協定締結集落名:石垣市登野城・新栄町・新川・八島町漁業集落
交付金額合計:30,464千円
(1)基本交付金:30,464千円
(2)新規就業者特別対策交付金:0千円
協定参加世帯数:296世帯、357人(うち漁業世帯224世帯、274人)
都道県の都市部の勤労者世帯の有業者一人当りの平均勤め先収入2,760,097円
集落の平均漁業者所得605,188円
2.協定締結の経緯
石垣市周辺海域において、乱獲や漁場環境の悪化等により魚介類の減少や魚価の低迷が
続いている現状にあって漁業者の高齢化及び減少等の課題を抱えているため、タカセ貝等
の種苗放流、漁場の管理・改善(パヤオ製作・設置、サメ駆除、資源管理等)漁場の生産
力の向上に関する取組と高付加価値化、養殖用稚魚輸送タンク等の導入、新たな漁具・漁
法の導入等、流通体制の改善、体験漁業、イベントの開催、モズク養殖技術の向上等の漁
業の再生に関する実践的な取組を実施することにより、地域漁業の活性化を図り、平均漁
業所得を向上させ、漁業世帯数及び漁業就業者数の維持と集落の漁業生産活動によって発
揮される多面的機能の確保を目指して離島交付金による漁業再生活動に取組むこととし
た。
3.取組の内容
①漁場の生産力の向上に関する取組状況
タカセ貝は乱獲等により減少しているため、青年部が中心となってタカセ貝の種苗生産
に取り組み、2ヵ所(石垣地区、真栄里地区)のタカセ貝中間育成礁の清掃及び種苗放流
を実施し、資源の回復と漁獲量の増大を図ることとした。
近年、漁獲量減少傾向が続いているため、曳き縄漁業者が共同でパヤオを製作・設置し、
保守管理を実施して漁獲量の安定供給を図ることとした。
サメによる漁獲物の横取りや漁具被害等があるため、一本釣り、電灯潜り及びかご網漁
業者がサメ駆除を実施して生産性の向上及び安全操業の確保を図ることとした。
資源が乱獲等により減少し、産卵時期に一斉に水揚げされるクチナジ等魚類の漁獲規制
を行うため、石垣島周辺海域に5箇所の禁漁区域を設け、資源の回復と漁獲量の増大を図
るため、資源管理の取組を行うこととした。
②漁業の再生に関する実践的な取組状況
高付加価値化は、海ぶどう養殖の生産量が近年3トン弱と横ばいの状況が続いているた
め、先進地視察を実施して生産能力向上を図ることとした。
ヤイトハタ養殖漁業者が、沖縄本島から購入する稚魚を効率よく輸送するために、共同
利用する活魚タンク等の購入を実施して、養殖漁業経営の円滑化を図ることとした。
新たな漁具・漁法の導入等は、集魚灯漁業者が中心となり、新たな漁法として取り組ん
でいる旗流し式漁法による集魚灯漁業の安定的な経営に資するため、本土出荷市場の調査
視察を実施し、マグロの鮮度保持向上を図ることとした。
品質の良い養殖モズクの生産体制を構築するためコンクリート水槽に防水工事を実施
し養殖技術の向上を図ることとした。
流通体制の改善は、マグロ船主会が中心となり、主に夏場出荷時のマグロ輸送過程にお
ける魚体温度上昇による品質低下を改善するため、共同利用の保冷カバーの導入し、鮮度
保持技術の向上を図ることとした。
本地域においては高齢化が進んでいるので、小中学生等に体験漁業を実施して後継者育
成を図ることとした。また、同時に実際に水揚げされた漁獲物等を調理し、食させること
で魚食普及を図ることとした。
地元で水揚げされた魚介類の地産地消を推進するため、お魚祭りを実施して集落の取組
への理解と魚介類の消費拡大を図ることとした。
4.取組の成果
タカセ貝の種苗放流は、まず今年度の種苗生産においては、2回採卵を行い、約2千個
の稚貝を生産したが、生育状況が悪く陸上タンクでの中間育成の段階で全滅しています。
また、中間育成礁を清掃し、昨年度同育成礁に1次放流した1万5千個のうち生残した約
300個を取り上げ漁場への 2 次放流を行った。今年度の種苗放流については、生残率が
著しく低く、成果としては十分ではないため、次年度以降は歩留まりの向上を図って行き
たい。
パヤオの製作・設置は11回延べ110人で代替パヤオや新設のパヤオの製作・設置等
の取組を行い(新規設置2基9回、補修2基2回)、漁獲量の安定供給が図られた。
サメ駆除は一本釣り漁業が1回、かご網漁業が1回、電灯潜り漁業が2回の計4回実施
して合計174匹、1,2860kgの駆除を行った。このことにより、漁場の生産性の
向上及び安全操業の確保が図られた。
資源管理は、全魚種を対象に禁漁期間及び禁漁区域を設け、資源管理区域用ブイの製作、
補修、回収を実施することにより、産卵時期の乱獲等を防ぐ事ができ、産卵により資源の
回復が図られた。
高付加価値化は、海ぶどう生産部会の3名が沖縄本島の個人経営2施設、法人経営1施
設、漁協経営1施設の先進地視察を実施した。視察先では、夏用と冬用の苗を使い分けて
生産拡大に繋げることや、魚粉を使用しない低コストな肥料、また、災害対策や施設作業
の効率化による衛生管理の向上等をご教授頂き、今後の海ぶどうの生産能力向上に資する
ことができたと考える。
養殖用稚魚輸送タンクの導入は、次年度の稚魚輸送に向け(通常5月より開始される稚
魚配布開始される)輸送タンク2セットを導入した。現時点での成果はないが、今回のタ
ンク導入により、現在の稚魚輸送能力が解消され、今後の生産拡大が期待でき、養殖漁業
経営の向上に資することができると考える。
新たな漁具・漁法の導入は、集魚灯部会の10人が出荷先である熊本、鹿児島市場に旗
流し式で水揚げされたマグロを送って、市場での評価を調査するため視察を行った。各市
場では旗流し式でのマグロは高い評価を頂きました。また、市場関係者からは旗流し式で
漁獲されたマグロはセリ値に反映される等を教授頂き、同漁法による漁獲に手応えを感じ
た。今後の市場価格向上が期待でき、集魚灯漁業の技術向上に資することができたと考え
る。
モズク養殖技術の向上は、既設のモズク種付用コンクリートタンクより水漏れがあり、
モズク種付けに支障をきたしているので、種付けタンクの改修を実施した。今年度は3基
のタンクに防水工事を行った。改修により、モズクの種付が円滑に行われ養殖技術の向上
に資することができた。
流通体制改善は、マグロ船主会が昨年度実施した市場視察や収集した魚体温度の変化等
のデータ分析等から出荷時の魚体温度上昇を抑えるため、共同利用する保冷カバー20枚
を導入した。導入時期が冬場となったため、導入前と導入後の現時点での市場価格向上等
の成果としては表れていませんが、本格的に運用される次年度以降の夏場の保冷カバー利
用により輸送過程での魚体温度上昇による品質低下が改善され、鮮度保持向上が図れ、市
場価格向上が期待できる。
体験漁業は、4箇所で小中学生等328人を対象に午前中にハーリー体験、午後からは
実際に水産物を調理し食する魚食普及体験という形で実施した。また、青年部が中学生等
29人を対象にかご網漁業体験を実施した。体験漁業を通じ、実際に地域の漁業に触れる
事により、漁業のことを少しでも理解してもらい、将来の漁業後継者育成にも期待できる
と考える。
イベントの開催は青年部・女性部が中心となって地元で水揚げされた水産物の低価格で販
売する「お魚祭り」を開催した。本年度も来場客数は2千人を超え大盛況であった。引き
続き水産物の地産地消を推進し消費拡大が図れるよう継続して実施したい。