Title Author(s) Journal URL Ki-67モノクローナル抗体を用いた皮膚上皮性腫瘍の免疫組織化学的検討鳥飼, 抄順東京女子医科大学雑誌, 62(8):818-819, 1992 http://hdl.handle.net/10470/8213 Twinkle:Tokyo Women's Medical University - Information & Knowledge Database. http://ir.twmu.ac.jp/dspace/ 214 （94）氏名（生年月日）トリカイ　サヨリ鳥飼抄順（昭和3 本　籍学位の種類博士（医学）学位授与の番号乙第1258号学位授与の日付平成4年2月21日学位授与の要件学位規則的4条第2項該当（博士の学位論文提出者）学位論文題目論文審査委員 Ki・67モノクローナル抗体を用いた皮膚上皮性腫瘍の免疫組織化学的検討（主査）教授　肥田野　信（副査）教授　小林　愼雄，橋本　葉子論・文内容の要旨目的 0．21），有棘細胞癌（GF：26．9±4．4，　MI：0、72±0．22）各種腫瘍の増殖能を把握することは，その腫瘍の予であった．後の判定あるいは治療法を決定する上で重要である．これらの結果より，各腫瘍の臨床的悪性度とGFはそこで，1今回著者は増殖期細胞の核内抗原のみと反応 MIと比較して高い相関性を示すことが判明した．さするとされるKi－67抗体を用いて，皮膚上皮性腫瘍のらに臨床的にも組織学的にも鑑別が困難なことが多臨床的悪性度との関連性を調べ，mitosis　index い，ケラトアカントーマと有棘細胞癌との間で明らか（MI：％）と比較し，その有用性を検討した．にGFの差があったことから，　Ki－67抗体を用いた染色対象および方法は両者の鑑別に有用であると思われた．正常皮膚5例，脂漏性角化症5例，ケラトアカントー結語マ4例，基底細胞癌6例，Bowen病4例，’有棘細胞癌 Ki－67抗体を用いた本染色法により，正常皮膚では基 6例の生検あるいは手術材料を対象とした．それらの底細胞層だけでなく，その直上の有棘細胞層でも細胞凍結切片を作製し，1次抗体としてKi－67マウスモノ増殖が行われていることが示唆された．クローナル抗体（Dianova社）を用い，　avidin・biotin－また，陽性細胞数は皮膚上皮性腫瘍の臨床的悪性度 peroxidase　complex（ABC）法で染色した．各腫瘍のとほぼ相関しており，各腫瘍の予後，治療法等を検討典型像のみられる2ヵ所を選び，倍率100倍で写真撮影するうえで有用な染色法と考えた．し，全細胞におけるKi－67陽性細胞の比率をgrowth fraction（GF：％）とした．結果及び考察正常皮膚では，表皮基底細胞層及び，その直上1～2 層の有棘細胞層に，核が濃褐色に染まる細胞が散在性に認められ，そのGFは2．9±0．6であった．3H－ thymidineを用いたautoradiographyによる検討でも有棘細胞層にDNA－synthesizing　cellが存在するとされ今回の結果はそれを裏付けるものとなった．各腫瘍のGF，　MIはそれぞれ脂漏性角化症（GF： 4．3±1。2，MI：0），ケラトアカントーマ（GF：6．4± 1．6，MI：0。35±0。10），基底細胞癌（GF：11．4±3．0， MI：0），　Bowen病（GF：24．5±2．7，　MI：0．58± 一8！8一 215 論　文　審　査　の　要　旨近年，種々のモノクローナル抗体が，臨床的に応用されてきている．著者は，数種の良性ないし悪性の皮膚上皮性腫瘍をKi－67抗体を用いたABC法で染色し，　Ki－67陽性細胞の比率（growth　fraction）が腫瘍の臨床的悪性度と高い相関性を示すことを証明した．本論文はこの抗体が腫瘍の予後，治療法を判断するうえで有用であ為ことを示したもので臨床上価値ある研究である．主論文公表誌 2）皮膚筋炎における皮膚病変の治療．皮膚科の臨 Ki－67モノクロー「ナル抗体を用いた皮膚上皮性腫瘍床31（6）：711－716（1989）肥田野信，菊池りの免疫組織化学的検討か，鳥飼抄順日本皮膚科学会誌　第101巻　第11号 3）皮膚筋炎における筋症状の検査一スコア化の試 1277－1283頁（平成3年10月発行）み一．西日本皮膚科　50（6）：1011－1017（1988）副論文公表誌肥田野信，矢野抄順，前口瑞恵 1）毛孔性紅色枇糠疹の2成人例．皮膚科の臨床 4）PSSの小児例．皮膚科の臨床33（12）： 29（12）：1319－1322（1987）矢野抄順，尾立冬 1657－1660（1991）山下浩子，小川保子，鳥飼抄樹，肥田野信順，川島　真，肥田野信一819一