経管栄養施行糖尿病患者の栄養剤および血糖値比較の検討

2012.7.27
第 19 回発表演題
経管栄養施行糖尿病患者の栄養剤および血糖値比較の検討
社会医療法人財団 石心会
狭山病院 コメディカル部 栄養室
秋山 好美
【はじめに】
当院では栄養サポートチーム(以降 NST)による回診を週3回実施している。その中で NST 介入条
件として「経口摂取への移行を目的として、現に経腸栄養法を実施している患者」がある。そのため院
内の経腸栄養療法を実施している患者の回診を行い糖尿病患者ヘの適切な栄養剤の選択および投与量
の検討を行っている。当院で使用している糖尿病用栄養剤は明治インスローがある。インスローは糖質
の吸収速度と脂質代謝に配慮した総合栄養流動食であり、食後血糖値の急激な上昇を抑制しインスリン
の分泌を低減するとされている。そこで一般的な栄養剤との血糖値の比較を行った。また当院では経腸
栄養施行患者の多くが末梢静脈栄養(以降 PPN)もしくは中心静脈栄養(以降 TPN)からの切り替え
が多いが、静脈栄養療法施行時と経腸栄養療法施行時で血糖値に差があるのかも比較を行った。
【方法】
今回 2011 年4月1日より 2012 年3月 31 日に退院した経腸栄養療法を実施した糖尿病患者の栄養療
法別の血糖値の比較および栄養剤による血糖値の変化を検討した。栄養療法別は静脈栄養と経腸栄養療
法施行時の空腹時血糖の平均値と必要栄養量(以降 TEE)充足率との比較を行った。また栄養剤に関し
ては、メイバランス 1.0、リーナレン MP、リーナレン LP、テルミール 2.0α、K2S との空腹時血糖の
平均値を比較した。
【結果】
栄養療法別においては静脈栄養療法における TEE 充足率のばらつきが多くそのため血糖値のばらつ
きも大きかった。経腸栄養療法における TEE 充足率は8割以上が多く血糖値は 120~140 mg/dl にコン
トロールされていた。また栄養療法別に充足率と血糖値の間に相関を確認したが認められなかった。栄
養剤別の血糖値の比較では充足率が高く、
血糖が低かったのはメイバランス 1.0 だった。患者毎の比較で
前栄養剤からの変更による血糖値の降下上昇変化を比較したところ、最も低下度が高かったのはインス
ローであった。
【考察】
今回の検討において内服、インスリン注射の有無や量の検討を行っていないため、純粋に血糖の変動
や比較を行うことは難しい。唯一患者毎の栄養剤比較では同じ患者での比較なので内服、インスリン量
が同じ時期であれば比較できていると思われる。また入院してからのデータでヘモグロビン Alc のデー
タが少なく比較できなかった。今後栄養剤に関する検討を行う際にはデータと時期の検討を行っていき
たい。
※本資料は埼玉副甲状腺研究会の演題として症例の検討のために、医療に携わる方向けに公開してい
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Saitama Parathyroid Conference.
埼玉副甲状腺研究会
http://saitamapt.jp