地域再生計画 1 地域再生計画の名称 大館版CCRC事業 2

地域再生計画
1
地域再生計画の名称
大館版CCRC事業
2
地域再生計画の作成主体の名称
大館市
3
地域再生計画の区域
大館市の全域
4
地域再生計画の目標
4-1 地域の現状
本市は、秋田県の北部を流れる米代川の中流域に位置する大館盆地を中心に、北西は白神
山地の東側にある田代岳(1,178m)から南は森吉山麓までまたがる場所に位置している。東
側は鹿角市と小坂町、西側は北秋田市と藤里町、南側は北秋田市、北側は青森県と接し、秋
田市まで約 100km、青森県弘前市までは約 50km、岩手県盛岡市まで約 110km と北東北のほぼ
中心にあり、交通では、JR 奥羽本線、花輪線、国道7号、103 号、285 号が縦横に走り、平
成 10 年(1998 年)に開港した大館能代空港、日本海沿岸東北自動車道の延伸など、高速交
通体系も整備されつつある。東西 35km、南北 49km、総面積は 913.22 ㎢で、県内の市では、
由利本荘市、北秋田市、仙北市に次いで4番目の広さを持っている。気候は、積雪寒冷地帯
の内陸性盆地気候に属し、積雪期間は 12 月から翌年 3 月下旬までの長期間に及び、県全体と
比較しても1月2月の月平均気温が低く、また、夏季になるとやませの影響を受けて低温に
なりやすく、平成 26 年(2014 年)の年平均気温は 10.1℃、最高気温 35.1℃、最低気温17.6℃であり、降水量は年間 2,004.5mm となっている。風力は、沿岸部と比較すると 1 年間
を通じて弱く、強風や台風の影響が比較的少なくおだやかな地域である。忠犬ハチ公のふる
さとで知られる秋田犬の産地として、全世界にある秋田犬保存会の本部があり、毎年5月と
11 月に秋田犬展覧会が開催されている。秋田音頭にも歌われている大館曲げわっぱは、全国
各地にある曲げ物の中で唯一、国の伝統的工芸品に認定(昭和 55 年)されている。藩政時代
に下級武士の内職として普及発展し、匠の技は現在も引き継がれている。大館地方の伝統的
な食文化として古くから根付いているキリタンポや日本三大地鶏である比内地鶏も全国区で
ある。
4-2 地域の課題
新大館市が誕生した平成 17 年の合併当時、人口は 82,504 人であったが、少子高齢化の進
展、若者の地元離れが進んだことで、以降年間 1,000 人規模の減少が続いており、平成 27 年
には人口減少率が1%を超え、75,166 人と人口減少が進行し、市人口ビジョンでは平成 52
年には 56,043 人、平成 72 年には 45,498 人になるものと推計している。そのような中、平成
22 年国勢調査数値を基とした若い世代の定着率が全国 1,742 自治体のうち女性が 995 位、男
性が 1029 位と、進学や就職を機に大幅に人口が流出していることによる労働力の低下や平成
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28 年度末における限界集落・準限界集落が 386 集落のうち 286 集落にも上り地域コミュニテ
ィの低下も顕在化している。また、学校統廃合などによる空き公共施設対策として条例を制
定し3施設を民間貸付や譲渡しているが、未利用施設が5施設あり、今後も人口減少による
空き公共施設の増加が見込まれること、市内空き家数が平成 26 年市独自調査で、30,266 世
帯のうち 1,741 棟にも上っており、今後も少子高齢化などにより、さらに増加していくこと
が見込まれている。これらの山積する課題を克服するため、地域の特性を活かした施策を展
開し、人口減少に歯止めをかけるとともに、先人から受け継いだこの豊かな地域を次世代へ
と受け継いでいくまちづくりが求められている。
(大館市人口ビジョン)
一方、産業面においては、平成 22 年国勢調査数値で、第1次産業が 2,892 人、第2次産業
が 9,663 人、第3次産業が 22,801 人となっており、基幹産業である農林業の後継者不足やか
つて隆盛を誇った鉱山従事者も減少し、都市圏資本のチェーン店が相次ぎに進出したことに
よって、サービス業を中心とした第3次産業従事者の割合が最も多くなっている。また、昭
和 50 年代からの企業誘致により、医療・医薬品製造業や工業技術を生かしたリサイクル産業
などが大きく成長しており、畜産系企業や低カリウムレタスの水耕栽培企業の成長も見込ま
れている。
(国勢調査)
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4-3 目標
全国的に人口減少が進む中、少子高齢化が著しく進行している本市でも、人口減少を短期
で劇的に改善することは困難な状況にある。本市は、大館市総合戦略「交流人口の拡大とA
ターン・定住促進」の中で大館版CCRCの導入を掲げ、首都圏等の子育て世帯から高齢者
まで、地方(大館市)に移り住み、地域住民や多世代との交流、また、田舎暮らしを楽し
み、就労などをしながら健康な生活を送ることができるよう、医療機関や地元看護福祉大学
と協力・連携し、在宅医療、介護予防に重点を置いた地域包括ケア体制の構築で、「寄り添
い」と「やさしい看取り」の「大館を第2のふるさと」と思えるまちづくりを目指す。本市
の強みである「小・中学生の高学力、秋田県内一の有効求人倍率、豊かな自然でペットと暮
らす」などを活かした取り組みで、交流人口増、移住・定住につなげていく。
【数値目標】
目標1
移住フェア等相談件数
70 件(平成 27 年度)→ 106 件(平成 30 年度)
目標2
空き家バンク登録件数
43 件(平成 27 年度)→
88 件(平成 30 年度)
目標3
CCRCの機能を有する地域の設定
0ヵ所(平成 28 年度)→
5
1ヵ所(平成 30 年度)
地域再生を図るために行う事業
5-1 全体の概要
合併前の旧市町単位の地域特性に応じた都市型、地域コミュニティ型、山村型、サ高住型
の融合による大館版CCRCを構築するため、市場調査(ニーズ調査、マーケティング等)
、
庁内プロジェクトチーム立上、大館版CCRC推進協議会(仮)設立等を行い、住民向けC
CRC構想シンポジウム、移住専門誌への広告掲載などの情報を発信するとともに、首都圏
移住相談会、移住体験ツアー(大人の職業体験、お試し移住住宅利用、大館暮らしホームス
テイ、ペットと泊まれる宿泊体験等)
、空き家バンク制度の周知など、首都圏等の子育て世代
からアクティブシニアまでの多世代をターゲットとした移住・定住促進を図る。
5-2 第5章の特別の措置を適用して行う事業
地方創生推進交付金【A3007】
1 事業主体
大館市、民間事業者(公募予定)
2 事業の名称及び内容:大館版CCRC事業
本事業は、平成 17 年6月 20 日の合併前の旧市町単位の地域特性に応じた都市型、地
域コミュニティ型、山村型、サ高住型の融合による大館版CCRCを構築するため、市
場調査(ニーズ調査、マーケティング等)
、整備構想、基本計画の策定、住民向けCCR
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Cシンポジウム、移住専門誌への広告掲載などの情報発信、首都圏移住相談会を実施す
るものである。
3 事業が先導的であると認められる理由
【官民協働】
・大館市まるごと体験推進協議会、地域連携 DMO 秋田犬ツーリズムと連携した移住体験
や就農体験などを実施する。医療関係者、介護事業者、商工会議所、金融機関、地元
大学などで構成する大館版CCRC推進協議会(仮称)を発足し、市民講座の開設、
生涯学習プログラムの設定など大学と連携して実施する。また、移住集合住宅やサ高
住などの整備については、民間事業者を募集し空き公共施設を利活用する。
【地域間連携】
・地域連携 DMO 秋田犬ツーリズム加盟自治体(大館市、北秋田市、小坂町)及び広域市
町村が相互で連携しながら、県内陸北部の魅力について情報発信を行い、まずはひと
に訪れてもらうことで、互いの交流人口を拡大させ、地域間が一体となった地域活性
化につなげる。
【政策間連携】
・移住した地域で自分らしい暮らしができるよう、移住交流フェアや移住相談会、移住
体験を行うとともに、健康寿命の進展や医療・介護・予防・住まい・生活支援などの
政策を一体的に提供する地域包括ケア体制の構築を進め、地域住民とのコミュニケー
ションや雇用面での支援も行うことにより、移住相談件数や移住者を増やす。
【自立性】
・首都圏に向けた移住・定住 PR などは市と連携し実施する。移住集合住宅やサ高住など
のリノベーション費用は、民間事業者を募集し、市有地活用や市の空き公共施設の再
利用を基本とし、事業者の初期投資を抑えるため、施設改修費用には既存の空き公共
施設等利活用促進制度により助成する。民間事業者は入居者利用料収入により事業を
継続し自立するものとしている。
【その他の先導性】
・移住者が自己の役割に満足し、大館特有の「寄り添い」と「やさしい看取り」によ
り、「大館を第2のふるさと」と思い悔いのない生涯を終えることができるように、子
育て世代やアクティブシニア・エキスパートシニアへの生活環境を整え、健康寿命を
延ばしながら、医療・介護に頼らない第2の人生のスタートを実現する。
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4 重要業績評価指標(KPI)及び目標年月
区分
平成29年3月末
移住フェア等
相談件数
空き家バンク
登録件数
CCRC の機能を
有する地域
平成30年3月末
平成31年3月末
82件
12件
12件
58件
15件
15件
整備構想
基本計画
1ヵ所
5 評価の方法、時期及び体制
毎年度、3月末時点の KPI の達成状況を総務部企画調整課が取りまとめて、産業界、
行政、大学、金融機関、労働団体の有識者で構成する大館市総合計画及び総合戦略推進
懇談会の関与を得ながら検証結果をまとめる。また、必要に応じて大館市総合戦略や今
後の事業経営方針に反映させる。検証結果は議会、市ホームページ・広報紙等で公表す
る。
6 交付対象事業に要する費用
① 法第5条第4項第1号イに関する事業【A3007】
・総事業費 33,411 千円
7 事業実施期間
地域再生計画認定の日から、平成 31 年3月 31 日(3 ヵ年度)
8 その他必要な事項
・該当なし
5-3 その他の事業
5-3-1 地域再生基本方針に基づく支援措置
該当なし
5-3-2 支援措置によらない独自の取組
(1)移住体験ツアー事業
事業概要:
首都圏等の子育て世代からアクティブシニア世代まで、そして、ペット愛好家に
ターゲットを絞った幅広い世代向けの大人の職業体験、お試し移住住宅利用、大館
暮らしホームステイ、ペットと泊まれる宿泊体験等の移住体験ツアーや地域連携D
MO加盟自治体共同による首都圏移住相談会を実施し、大館に関心を持つ関係人口
の拡大を図る。
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実施主体:
大館市、地域連携DMO秋田犬ツーリズム
事業期間:
平成 28 年度~
(2)空き家バンク事業
事業概要:
所有者が不要となった空き家を市の空き家バンクに登録しホームページで公
開
する。宅地建物取引業の資格を持つ不動産業者が仲介に入り、利用希望者と交渉、
契約を行う。また、移住者に対しては、新生活準備支援として、引っ越し費用の一
部(上限 10 万円)を助成する。
実施主体:
大館市
事業期間:
平成 24 年度~
(3)生涯学習、健康づくり等各種講座、ボランティア事業
事業概要:
生涯学習推進本部の各種講座(大人版ふるさとキャリア教育、老壮大学、忠犬ハ
チ公講座など)
、健康づくり講座(エンジョイ!元気アップ講座、ヘルシークッキン
グ講座、お医者さんに学ぶ健康お役立ち講座など)、公民館事業(老壮大学、公民大
学、比内あおぞら学園、各地区の特色を生かした独自の講座)、地区サロン(市内各
地区単位)などで中高年齢者の健康でアクティブな生活のお手伝いする。雪国なら
ではの除雪ボランティア「ハチ公スノーレンジャー」活動での地域貢献ができる。
実施主体:
大館市、大館市社会福祉協議会
事業期間:
昭和 47 年度~
(4)住宅リフォーム支援事業
事業概要:
秋田県との共同により、三世代同居支援のリフォーム(18 歳以下の子供と親と祖
父母等が同居世帯⇒工事費の 10%(上限 30 万円))、空き家購入後のリフォーム(市
外からの移住者⇒工事費の 20%(上限 50 万円)
)といった子育て世帯や移住者を対
象とした住宅リフォームに支援する。
実施主体:
秋田県、大館市
事業期間:
平成 28 年度~
(5)地域包括ケア体制の構築
事業概要:
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介護サービス等の提供体制の確保、生活支援・介護予防・在宅医療に重点を置い
た地域包括ケア体制を構築する。
実施主体:
秋田県、大館市
事業期間:
平成 28 年度~
6
計画期間
地域再生計画認定の日から、平成 31 年3月 31 日
7
目標の達成状況に係る評価に関する事項
7-1 目標の達成状況に係る評価の手法
目標の達成状況を確認するため、毎年度各指標の集計を行い、大館市総合計画及び総合戦略
推進懇談会を構成する有識者の関与を得ながら毎年度末に検証を実施し、目標の効果的な実現
に向けて必要に応じて総合戦略や今後の総合計画等に反映させる。
目標1
移住フェア等相談件数については、市が毎年度末時点で実績により把握する。
目標2
空き家バンク登録件数については、市が毎年度末時点で実績により把握する。
目標3
CCRCの機能を有する地域の設定については、市が平成 31 年度末時点までに設定する。
7-2 目標の達成状況に係る評価の時期及び評価を行う内容
区分
平成 28 年度
平成 29 年度
平成 30 年度
【目標 1】
移住フェア等
82 件
12 件
12 件
58 件
15 件
15
整備構想
基本計画
1 ヵ所
相談件数
【目標 2】
空き家バンク
登録件数
【目標 3】
CCRC の機能を
有する地域
7-3 目標の達成状況に係る評価の公表の方法
検証後、速やかに市議会、市HP及び広報誌等でわかりやすく公表する。
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